動画像編集方法
【課題】CGスタジオ内でCGキャラクタの配置などを決める場合や、CGキャラクタの動作を間近で確認したい場合などにおいては、オペレータは、CGスタジオ内のカメラを操作して確認できる位置にカメラを設定する必要があった。但し、このような確認用で設定された視点のカメラは番組の進行中ではあまり使われない。オペレータは、番組に直接使われないカメラをCGキャラクタの配置を知るためにわざわざ設定するという、無駄な作業をしなければならなかった。
【解決手段】上記の問題を解決するため、スタジオ内のオブジェクトの配置やCGキャラクタの動作を知るための専用の視点をCGスタジオ内に設け、編集中に自由に切替えることを可能にした。
【解決手段】上記の問題を解決するため、スタジオ内のオブジェクトの配置やCGキャラクタの動作を知るための専用の視点をCGスタジオ内に設け、編集中に自由に切替えることを可能にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本説明は、映像情報の編集方法及び映像情報を編集する動画像編集装置に関わり、特にテレビジョン放送番組制作、ビデオ番組制作などに用いられるテレビ番組像編集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータグラフィックス(Computer Graphics:以降、CGと称する)アニメーション技術と音声合成技術、動画像再生技術等を融合し、一台のコンピュータによりテレビ番組を全て製作する、テレビ番組制作編集システムがある。
【0003】
テレビ番組の作成をユーザとコンピュータとの対話動作により行う映像システムの一例として、TVML(Tele−Vision Program Making Language)エディがある。このTVMLエディタは、ハードディスク装置のような大容量のランダムアクセス可能な記憶装置に格納されているアニメーションキャラクタやCGスタジオセット情報と、音声合成ツールやアニメーション作成ツールなどを使用して、実際のスタジオやキャラクタを使用せずに、コンピュータとそれに接続した画面上だけで仮想現実空間上でのスタジオ内で展開する番組を制作することができる。このTVMLエディタの編集画面では、編集中あるいは作成中の番組の画像を表示する(再生する)ことができる。表示される画像は、あらかじめ設定された撮像方向(カメラ視野角)、即ち、CGスタジオにおけるカメラ視点からの画像のみである。
【0004】
ビデオ番組等の映像の制作過程や編集途中では、しばしば、登場するCGキャラクタを移動させる処理やCGキャラクタのセリフを動作に合せて正確に設定するために、別の異なるカメラ方向やカメラ位置(カメラ視野角)から見た制作番組の画像を確認する必要が生じる。そのようなバーチャルスタジオの撮像方向やカメラ位置を変更するには、その都度、カメラ視点の設定値をいちいち変更する入力操作をして表示される編集画面の撮像方向を変える必要がある。
【0005】
そのような別視点の画像とは、例えば、CGスタジオの真上から下を見下ろした画像とか、CGキャラクタの口の部分のクローズアップ画像とか、編集中の画像のフレーム外の画像などである。そして、このような別の視点方向の画像を表示してCGキャラクタの動作等を確認した後には、また元のカメラ視点の画像に戻って編集を続けることになるので、編集者にとって操作上不便であり、編集に長時間を要する。
【0006】
また、登場するCGキャラクタを移動させる処理やCGキャラクタのセリフを動作に合せて正確に設定するためだけに変更しただけであるのに、編集された映像では変更されたカメラ視点から撮影された映像が再生されるため、シナリオとは異なる映像となり、編集意図と異なることになる。従って、このような別の視点から見た画像は、実際の番組にはほとんど使用されることがなく、削除されてしまうので、無駄な作業である。
【0007】
以下、CGアニメーションを含む動画像編集方法を説明する。TVMLを使用する従来の代表的なテレビ番組編集システムの一例を、図2によって説明する。図2はテレビ番組編集装置を構成するブロック図である。103はCGにより登場人物やスタジオセットのアニメーション生成を行うCGアニメーション生成部、104は登場人物の喋り声(セリフ)を生成する音声合成部、107は予め編集済みの動画像を表示するための動画像生成部、102はテレビ番組の台本に相当する「登場人物の喋り」や「登場人物の動作」や「動画像再生」等のイベントを記憶しておくためのメモリ、105はメモリ102に記憶されたテレビ番組のイベント情報を元にCGアニメーション生成部103や音声合成部104や動画像生成部107を制御してテレビ番組を順次生成するシーケンサ部、108は生成されたテレビ番組を表示したり番組の編集情報を表示するモニタ、109はシーケンサ部に再生の指示を与えたりメモリに記憶されているテレビ番組のイベント情報の編集を指示するためのマウスやキーボード等から成る入力装置、101はメモリ102に記憶されている番組の編集情報を操作するためのCPU(Central Processing Unit)、106は登場人物のモデリングデータやCGスタジオのデータや動画像の映像情報等を記憶するための磁気記憶装置、110はこれらの各部を接続するためのバスである。
【0008】
上記装置を用いることにより、テレビ番組のシナリオをモニタ108の表示画面に時系列順に並べ、テレビ番組制作者(以降、オペレータと称する)は入力装置109を用いて効率的に編集でき、その結果作成されたテレビ番組を生成し、出力することが可能となる。
【0009】
テレビ番組編集装置の表示画面の一例を図3に示す。図3は従来のテレビ番組編集装置のモニタに表示される基本的な編集画面である。201は編集画面、202はCGスタジオ内でCGキャラクタを喋らせ(セリフを言わせ)たり、歩かせ(動作させ)たり、カメラワークを指定したりすることを設定するためのスタジオブロック、203は予め用意した編集済みの動画像の再生制御を行うムービーブロック、204はテレビ画面に表示させる文字情報や静止画の制御を行うタイトルブロック、205は出力される映像にスーパーインポーズ文字を合成するスーパーブロック、206は映像に合成する音楽の制御を行うサウンドブロック、207はムービー再生中などにナレーションを映像に合成するナレーションブロック、208は待ち時間等の設定を行う各種設定ブロック、209はイベントマーク、210はCGキャラクタのセリフを設定するセリフ設定部分、211はCGキャラクタの動き等を設定する動き設定部分、212はCGスタジオ内のカメラワークを設定するカメラワーク設定部分、213と214は表示画面の表示をスライドさせるスライダー、215は番組の始まりを示すスタートブロック、216は番組の終わりを示すエンドブロック、220はプルダウンメニュー、410はセットアップボタン、650は入力装置109によってマウスを動かしたときの表示画面201上の位置を示すポインターである。
【0010】
図3において、編集画面201は縦軸方向が時間軸となっており、画面上から下方向に向って順に進行するようにテレビ番組が生成されることになる。
編集画面201の画面左側のスタジオブロック202、ムービーブロック203、タイトルブロック204等を持つ縦の列がテレビ画面に出力される映像を示している。スタジオブロック202内には、更にCGキャラクタのセリフを設定する部分210、CGキャラクタの動き等を設定する部分211、CGスタジオ内のカメラワークを設定する部分212がある。また、スタジオブロック202,ムービーブロック203,タイトルブロック204の各ブロックは、縦方向にいくつかのイベントと呼ばれる単位に分解されるが、イベントマーク209はその存在するイベントの1つ1つに対応するマークである。基本的にキャラクタのセリフや動きなどの全ての設定は一つのイベントに対応してそれぞれ1つだけ設定することができる。
【0011】
このようにして制作されたテレビ番組は、セリフ設定部分210,動作設定部分211,カメラ設定部分212のそれぞれの中にある1つの欄(これをセルと呼ぶ)をマウスでダブルクリックした時にポップアップ表示されるプレビューウインドウによって確認することができる。
【0012】
図4はテレビ番組編集装置の番組映像確認のプレビューウインドウを表示した例を示す図である。図3と同一の機能の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−1は編集画面、202’はスタジオブロック、203’はタイトルブロック、500はプレビューウインドウ、301はプレビューコントローラウインドウ、302はプレイボタン、500はプレビューウインドウ、606はCGキャラクタB、607はCGキャラクタAである。
【0013】
オペレータが、制作されたテレビ番組を、始め(スタートブロック215)から終り(エンドブロック216)まで、全体を通して確認する場合は、プレビューコントローラウインドウ301を使用する。このプレビューコントローラウインドウ301は、編集画面201の上側にあるプルダウンメニュー220の中にある「プレビュー」(プルダウンメニュー220の表示例は図示していない)を選択することによってポップアップ表示される。プルダウンメニューとは、プルダウンメニュー220のタイトル部分(例えば、プルダウンメニュー220の中にある「イベント」)が常時表示されていて、タイトル部分(「イベント」)をマウスでクリックするといくつかのメニュー項目の一欄が表示され、その中から1つのメニュー項目を選択してクリックすると、選択した項目に関連付けられた処理がなされ、同時にメニュー項目一欄が消え、元のタイトルの表示に戻るメニューのことである。
【0014】
プレビューコントローラウインドウ301のプレイボタン302をマウスでクリックすることにより、制作されたテレビ番組がイベント順にプレビューウインドウ500に次々と生成、表示される。このプレビューウインドウ500に表示される画像が、実際にテレビ放送される画像となる。
【0015】
このとき、イベントマーク209の所望の範囲を選択してから、プレイボタン302をマウスでクリックすると、選択されたイベントマーク209のイベントだけの画像が、イベントマークの並んで表示された上から順番に、プレビューウインドウ500に再生される。
【0016】
また、イベントマーク209を選択しないでプレイボタン302をマウスでクリックすると、編集されているイベントのすべての画像が、最初から最後まで順番に再生される。
このような番組の作成と編集作業の途中において、例えばCGスタジオ内でCGキャラクタの配置を決める場合がある。例えば、CGスタジオ内のCGキャラクタの配置やカメラの配置等を設定する場合、スタジオセットアップ仕込みウインドウによって設定を行う。このスタジオセットアップ仕込みウインドウは、スタジオブロック202’(図3ではスタジオブロック202)の右上に配置されたセットボタン410をマウスでクリックすることによりポップアップ表示される。この時、プレビューウインドウ500には、スタジオブロック202の先頭状態が表示され、その具体的な情報がスタジオセットアップ仕込みウインドウに表示される。
【0017】
図5はテレビ番組編集装置にスタジオセットアップ仕込みウインドウを表示した例を示す図である。これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−2は編集画面、400はスタジオセットアップ仕込みウインドウ、413は設定モードオプションメニュー、411は設定ボード欄、401と421はそれぞれCGキャラクタB606とCGキャラクタA607の配置等の設定を行うCGキャラクタ設定ボード、412はCGキャラクタの追加を行うときにマウスをクリックしてCGキャラクタの追加を行う追加ボタン、402はCGキャラクタA607のCGスタジオ内でのX座標の位置を設定するX座標テキストフィールド、403はCGキャラクタA607のZ座標の位置を設定するZ座標テキストフィールド、404はCGキャラクタA607の体の向きを設定する向き設定フィールド、414は設定ボード欄411の表示位置の変更を操作するスライダーである。
【0018】
図5において、スタジオセットアップ仕込みウインドウ400には、CGキャラクタに関する情報だけが表示されている。この状態をCGキャラクタ設定モードと呼ぶ。CGキャラクタ設定モードの時には、スタジオセットアップ仕込みウインドウ400内の設定モードオプションメニュー413の表示が「キャラクタ設定」となっている。
【0019】
以下、CGキャラクタ設定モードにおけるGUI(Graphical User Interface)操作例を図5と図18によって説明する。
CGキャラクタA607の設定を行うとき、オペレータは、CGキャラクタ設定ボード401内にあるX座標テキストフィールド402、Z座標テキストフィールド403、向き設定テキストフィールド404の値を変化させることによって、CGキャラクタA607の配置と体の向きを設定する。また、図5の例では、CGキャラクタは2体(CGキャラクタA607とCGキャラクタB606)設定されている。もしオペレータがCGキャラクタA607だけでなく、CGキャラクタB606の設定を行いたいときは、設定ボード欄411内のキャラクタボード421にある、同様の設定項目を変更することでCGキャラクタB606の位置や体の向きを設定することができる。また表示が隠れて見えない場合は、スライダー414でスクロール操作することによって隠れて見えない部分を表示させることによって設定を続ける。CGキャラクタの配置と体の向きを設定する具体的な座標系を図18に示す。
【0020】
図18はCGスタジオ内の座標系の一例を説明するための図である。1200はCGスタジオ、1800はCGスタジオ1200の中心(X座標0、Z座標0、Y座標0)、1801は中心1800を原点とした横方向の位置を示すためのX軸(オペレータからCGスタジオ1200を見て右方向が正)、1802は中心1800を原点とした奥行き方向の位置を示すためのZ軸(オペレータからCGスタジオ1200を見て前方向が正)、1804は中心1800を原点としたCGスタジオ1200の高さ方向の位置を示すためのY軸、1805はZ軸1802のプラス(正)方向を角度0としているY軸1804を中心とした右ネジ回転(pan)方向、1803はZ軸1802のプラス(正)方向軸を基準(角度0)としているY軸1804を正とした右ネジ回転方向の角度(d)、1806はZ軸1802のマイナス(負)方向軸を基準(角度0)としているX軸1801を正とした右ネジ回転(tilt)方向、1807はY軸1804のプラス(正)方向軸を基準(角度0)としているZ軸1802を正とした右ネジ回転(roll)方向、1808はX−Z平面の1点からY方向を見た視野角度(vangle)を示す垂直視野範囲角である。
【0021】
即ち、X座標テキストフィールド402、Z座標テキストフィールド403、向き設定フィールド404の値を変化させることによってCGキャラクタのX軸方向、Z軸方向の位置と体の向きを設定することができる。
【0022】
ここで、例えば図5では、各テキストフィールド内での座標は“m(メートル)”を単位とし、角度は“°(度)”を単位として用いる。
上記のキャラクタ設定モードにおいてオペレータがCGキャラクタの配置などを決める場合、Y軸方向の真上からCGスタジオ1200を見下ろすとCGキャラクタの配置が分かり易い。従来このような視点を得るために、オペレータは、カメラをCGスタジオ1200の真上に配置して、真下を見下ろすようにカメラアングルを調整する必要があった。
【0023】
このようなカメラアングルの調整のように、カメラワークを設定する場合には、図5における設定モードオプションメニュー413を「カメラ設定」モードに切替える必要がある。即ち、設定モードオプションメニュー413の右側をマウスでクリックすることにより表示される項目から「カメラ設定」を選択することによって、図5のスタジオセットアップ仕込みウインドウ400は、「カメラ設定」モードに切替える。設定モードオプションメニュー413の表示は「キャラクタ設定」から「カメラ設定」に変更される。
【0024】
図6はスタジオセットアップ仕込みウインドウがカメラ設定モードの場合の表示例を示す図である。これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−3は編集画面、400−1はスタジオセットアップ仕込みウインドウ、513は設定モードオプションメニュー、511はカメラ設定ボード欄、501と521はそれぞれカメラAとカメラBの配置等の設定を行うカメラ設定ボード、512はカメラの追加を行うときにマウスをクリックしてカメラの追加を行う追加ボタン、502はカメラのCGスタジオ1200内のX座標の位置を設定するX座標テキストフィールド、503はカメラのZ座標の位置を設定するZ座標テキストフィールド、504はカメラのY座標テキストフィールド、505はパン角(pan)テキストフィールド、506はチルト角(tilt)テキストフィールド、507はロール角(roll)テキストフィールド、508は視野角(vangle)テキストフィールド、514はカメラ設定ボード511の表示位置の変更を操作するスライダーである。
【0025】
図6において、プレビューウインドウ500に表示されているのは、現在撮影中のカメラ「Acam」からCGスタジオ1200内を撮影したとして取得した場合の画像である。カメラ「Acam」がCGスタジオ1200内のどの位置のどういうアングルで設定されているかは、カメラ「Acam」を設定するカメラ設定ボード501内のパラメータである各テキストフィールド502〜508の値が示している。このカメラ「Acam」をCGスタジオ1200の真上に設定する場合、オペレータはカメラ設定ボード501内の各テキストフィールド502〜508の設定座標値をCGスタジオ1200の真上に来るように変更する。
【0026】
但し、このようなCGスタジオ1200の真上から見下ろす視点のカメラを番組の進行中に使うこと(番組の放送用の映像として使用すること)はほとんどない。オペレータは、番組の映像として直接使われないカメラをCGキャラクタの配置を知るためだけにわざわざ設定しなければならない。そして、CGキャラクタ等のオブジェクトの配置または各オブジェクト同士の位置関係を知るためにカメラ視点を変更すると、編集された番組の映像として、そのカメラ視点から見た画像が再生または放送されるため、番組の編集の点では好ましくない。従って、確認した後は、その映像を削除する作業が必要となる。
【0027】
また、同じような不便さがCGキャラクタの動作確認の場合等にもあることを、図7のGUI操作を例にして説明する。図7はセリフ仕込みウインドウでCGキャラクタのセリフを設定する場合の表示例を示す図である。
【0028】
図7ではこれまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−4は編集画面、500−1はプレビューウインドウ、750はセリフ仕込みウインドウ、751はキャラクタメニュー、752はセリフ設定部、753はスライダー群、754はオプションメニュー群、755はセリフ設定部752の表示をスライドさせるスライダーである。
【0029】
CGキャラクタのセリフを設定する場合には、まず、図3のスタジオブロック202内にあるCGキャラクタのセリフ設定部分211において、1つのセルをマウスでダブルクリックすることによりセリフ仕込みウインドウ750をポップアップ表示する。この時、プレビューウインドウ500−1には、選択した(マウスでダブルクリックした)セルの動作の終了時(この例では、CGキャラクタがセリフを喋り終わった時)の映像が静止状態で表示される。
【0030】
図7において、セリフ仕込みウインドウ750でCGキャラクタのセリフを設定する場合において、キャラクタメニュー751は、セリフを話すキャラクタを設定する部分であり、マウスで設定することができる。例えば図7では、「BOB」という名前のCGキャラクタが設定されている。
【0031】
セリフ設定部752は、セリフの内容を設定する部分であり、セリフの中身は、例えば、キーボード入力により設定される。図7の例では、セリフの中身が「みなさん、こんにちは」と設定されている。
【0032】
スライダー群753は、セリフを喋る速さ、ボリューム(音量)、音質(例えば、男性の声とか女性の声、子供の声など)、イントネーションなどを設定する部分であり、マウスで設定する。オプションメニュー群754は、キャラクタが喋る最中に行う動作の設定、セリフの内容をプレビューウインドウ500に字幕で表示する等の設定を行う部分であり、マウスで設定する。
【0033】
このセリフ設定時において、オペレータは、プレビュー画面500上にCGキャラクタを大きく表示して、セリフに応じたCGキャラクタの口の動きを間近に見てセリフと口の動きが同期していることを確認したいときがある。このときも、オペレータはCGスタジオ1200内のカメラを操作して、CGキャラクタの間近にカメラを再設定する必要があった。
【0034】
更にまた、同様な不便さが、動作仕込みウインドウの中でCGキャラクタの歩き終わりの位置と方向を設定する場合にもあることを図8のGUI操作を例にして説明する。図8はCGキャラクタの動きを設定する場合の動作仕込みウインドウの表示例を示す図である。
【0035】
図8ではこれまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、850は動作仕込みウインドウ、851は動作対象メニュー、852は動作メニュー、853はキャラクタメニュー、854はオプションメニュー、855はテキストフィールド群である。
【0036】
図8に示すような動作仕込みウインドウ850でCGキャラクタの歩き終わりの位置と方向を設定する場合、動作対象メニュー851は、動作する対象を設定する部分であり、マウスで設定する。図8では、CGキャラクタが設定されている。その他に、例として、小道具の設定等がある。
【0037】
動作メニュー852は、CGキャラクタが行う動作を設定する部分であり、マウスで設定する。図8では、「歩く」が設定されているが、その他の例として、「おじぎ」、「震える」、「大口を開ける」等がある。
【0038】
キャラクタメニュー853は、動作をするCGキャラクタを設定する部分であり、マウスで設定する。図8では、「BOB」という名前のCGキャラクタが設定されている。
テキストフィールド群855は、歩き終わりの位置や体の向き等を設定する部分である。この座標系は、図5のスタジオセットアップ仕込みウインドウ400内のキャラクタ設定ボード401の各パラメータ402〜404と同様である。
【0039】
オプションメニュー854は、動作の程度等、例えば、「おじぎ」の動作であれば、深々とおじぎするか頭だけ軽く下げるか等の設定を行う部分であり、マウスで設定する。
この動作時において、オペレータは、プレビュー画面500−1の外までCGキャラクタを歩かせたいときがある。プレビュー画面500−1に表示されている画像が、例えばCGスタジオ1200内のカメラAcamで取得した画像だとすると、このときオペレータは、Acamとは別のカメラ視点をCGスタジオ1200内に設けて、CGキャラクタの歩き終わりの位置と方向を設定しなければならなかった。
【0040】
今、図8に示す画面上で、カメラAcamのカメラ視点から取得した映像がプレビューウインドウ500−1に表示されている状態で、その画像中のCGキャラクタAの動きを設定するための編集作業をしようとする状況を想定する。このときに、CGキャラクタAを動かす範囲が、カメラAcamにより取得できる番組の画像の撮影範囲の外となる場合には、撮影範囲内にCGキャラクタAが動く範囲が収まるような別のカメラBcamを設定する。そして、カメラBcamで取得した画像を見ながら、CGキャラクタAの動く範囲を動作仕込みウインドウ850上で設定する必要がある。
【0041】
そのためには、図8の画面でまず、動作仕込みウインドウ850を閉じる操作をする。次にスタジオセットアップ仕込みウインドウ400を立ち上げるために、図3のセットボタン410をマウス650でクリックする。スタジオセットアップ仕込みウインドウ400がポップアップ表示されると、図5の画面状態になる。プレビューウインドウ500にはカメラAcamで取得した画像が表示されている。さらに、設定モードをマウス650で「キャラクタ設定」から「カメラ設定」に切替える操作を行う。スタジオセットアップ仕込みウインドウ400がカメラ設定モードに変わると、図6の画面状態になる。この時点では、プレビューウインドウ500はカメラAcamで取得した画像を表示したままである。
【0042】
次に、カメラ設定ボード521内の任意のテキストフィールドをマウス650でクリックすると、カメラAcamから、別のカメラBcamに切り替わり、プレビューウインドウ500にはカメラBcamで取得した画像が表示される。
【0043】
次に、スタジオセットアップ仕込みウインドウ400を閉じる操作をすると、図3に示した画面内にプレビューウインドウ500が表示される状態になる。その後、動作仕込みウインドウ850を立ち上げる操作をして、図8の画面状態にして、プレビューウインドウ500−1のカメラBcamからの画像を見ながら、CGキャラクタAの動作についての設定値を入力する。
【0044】
以上のように、CGキャラクタの動作設定のためにカメラをAcamから、別のカメラBcamに切り替えるためには、数多くの操作ステップと画面の切り替えを経る必要があり、編集作業に時間を要し煩雑である。
【0045】
また、図8の画面でプレビューウインドウ500−1にカメラAcamからの画像が表示されているときに、動作仕込みウインドウ850を閉じてからカメラ仕込みウインドウ(図示しない。)を立ち上げて、そのウインドウ上でカメラAcamから別のカメラBcamに切替えるような別の方法もある。しかしこの別の方法も、上記の場合より以上に数多くの画面操作と画面切り替えをしてやっとカメラBcamの画像を表示しながら動作仕込みウインドウ850を立ち上げるようになるので、編集作業がもっと煩雑で不便である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0046】
前述の従来技術において、CGスタジオ内のオブジェクト(CGキャラクタやCG小道具)の配置やCGキャラクタの動作を確認するには、現在の編集画像のカメラ設定を変更し、確認用のカメラをCGスタジオ内に設定する必要があり、作業が煩雑になる欠点があった。
【0047】
本発明の目的は、上記のような欠点を除去し、テレビ番組の制作等の映像情報の編集作業の途中で、プレビュー表示中のカメラ視点の画像とは異なる、編集者が望む別の視点から見た画像を簡単な操作で即座に表示して、CGスタジオ内のオブジェクトの配置やCGキャラクタの動作確認等の作業を容易にして、番組制作あるいは映像情報の編集作業をより簡単に短時間で行うことのできる動画像編集方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0048】
上記の目的を達成するために、本発明の動画像編集方法は、CGスタジオ内のオブジェクトの配置やCGキャラクタの動作をプレビュー表示するための専用の視点を設けることによって、CGスタジオ内のオブジェクトの配置やCGキャラクタの動作確認等の作業がやり易い動画像編集方法を実現したものである。
【0049】
本発明によれば、カメラ視点の画像とユーザ視点の画像とが定義され、その視点に関するデータが設定される。カメラ視点は、従来のTVML編集と同じ編集中の映像情報の再生画像の視点、または、放送されるためにカメラが撮像する視点である。一方、ユーザ視点は、カメラ視点以外の編集用の視点である。カメラ視点とユーザ視点は画面上の操作で、簡単に交互に切り替えて表示できる。カメラ視点からユーザ視点に切り替えても、編集後に再生される画像は設定されているカメラ視点から見た画像である。
【0050】
また本発明によれば、CGスタジオの三次元座標上におけるカメラ視点とユーザ視点の座標のデータと方向のデータとが設定される。編集者は、ユーザ視点の設定データを変更することができる。また、ユーザ視点をCGスタジオ上のCGキャラクタの動作に合せて移動させることができる。ユーザ視点で取得した画像で編集作業をすると、それがカメラ視点で取得する画像に自動的に反映される。
【0051】
本発明による動画像編集方法は、ビデオ番組等の映像情報に関する画像データの情報を表示装置の画面に表示し、編集した番組の再生画像の視点であるカメラ視点と、カメラ視点以外の編集用の視点であるユーザ視点とを設定し、ユーザ視点から見た画像を表示装置で表示し、そのユーザ視点で取得した画像を参照しながらカメラ視点で取得する画像に関する設定データを操作して、カメラ視点から見た画像を編集する。
【0052】
本発明によるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータグラフィックスアニメーションを含む編集画像の表示であって、コンピュータ読み取り可能な符号化手段は、番組に関する画像データの情報を表示装置の画面上に表示させる手段と、番組の再生画像の視点であるカメラ視点と、カメラ視点以外の編集用のユーザ視点とに関するデータを記憶装置から読み出す手段と、ユーザ視点に関するデータに基づいて、ユーザ視点から見た画像を表示装置で表示する手段とを含む。
【0053】
即ち、本発明の動画像編集方法は、再生または放送されない画像を取得するための複数のユーザ視点をあらかじめ設定し、複数のユーザ視点のいずれかに切り替えて、切り替えたユーザ視点から見た編集中の動画像を参照し、参照した画像を確認しながら動画像編集を行う。
【0054】
そしてまた本発明の動画像編集方法は、ユーザ視点が画像中に存在するオブジェクトのそばに常に設定されて、オブジェクトの移動に応じてユーザ視点を移動する。
さらにまた、本発明の動画像編集方法は、ユーザ視点から見る画像を参照する射影方法を切り替える。
【0055】
さらにまた、本発明の動画像編集方法は、ユーザ視点が任意の位置と向きに調節が可能であり、ユーザ視点の位置と向きを調節するためのパラメータを可変するウインドウを表示し、ウインドウのパラメータを変更することによってユーザ視点を変更するものである。
【0056】
また、本発明の動画像編集方法は、仮想現実空間のスタジオ(以下、CGスタジオと称する)内で編集する動画像編集方法であって、再生または放送するための画像を取得するための視点として、CGスタジオ内の画像を取得するカメラ視点を設定し、編集中にオブジェクトの配置を確認する視点として、CGスタジオ内の画像を取得するユーザ視点を設定し、カメラ視点とユーザ視点の設定情報を記憶装置に格納し、記記憶装置から所望のカメラ視点とユーザ視点とを読み出し、読み出したユーザ視点によって編集中の画像を表示装置にプレビューし、プレビューされた画像を参照しながら、CGスタジオ内のオブジェクトの配置を操作して動画像の編集を行い、読み出したカメラ視点からの画像を再生または放送するための画像として編集するものである。
【0057】
さらにまた、本発明の動画像編集方法のユーザ視点は、選択されたオブジェクトの移動に応じて、CGスタジオ内の選択されたオブジェクトの指定の部分と相対関係を維持しながら移動する。
【0058】
また、本発明の動画像編集方法のユーザ視点はその他、動画像編集中に設定条件を変更することができる。
そしてまた、本発明の動画像編集方法は、ユーザ視点からCGスタジオを見た画像を、透視法射影表示とするか正射影表示するかを選択的に切り替える。
【0059】
また、本発明の動画像編集方法のユーザ視点を設定するデータは、CGスタジオをカメラが撮像するための位置と向きである。
【発明の効果】
【0060】
本発明によれば、CGスタジオ内にオブジェクトを配置する際に、CGスタジオ内に設定されたユーザ視点を用いて取得した画像を参照することで、オブジェクトの位置関係が容易に把握でき、オブジェクトの配置の作業を迅速に行うことができた。
【0061】
また本発明の第2の効果として、CGキャラクタの動作などを確認する際に、CGキャラクタの前方に常に設定されてあるユーザ視点を用いることによって、CGキャラクタの位置が移動している最中でもCGキャラクタの動作を間近で確認でき、番組編集作業を迅速に行うことができた。
【0062】
更にまた、本発明の第3の効果として、CGスタジオ内のオブジェクトの配置をより正確に把握したいとき、ユーザ視点の射影変換を正射影に変えることによって、奥行きに関係なく、オブジェクトの配置を正確に把握することができた。
【0063】
また本発明の第4の効果として、ユーザ視点の位置とアングルをオペレータ自身が容易に変更できることによって、オペレータ自身が確認したいオブジェクトだけをユーザ視点で見ることができた。
【0064】
また更に、本発明の第5の効果として、番組の全体プレビューをする際、カメラの視点ではなく、CGスタジオ全体から見渡すユーザ視点、もしくは個別のCGキャラクタに動作だけを見るユーザ視点を用いることによって、番組の進行状況が多角的にかつ迅速に把握できるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
以下本発明の一実施例を、図1によって説明する。図1は本発明の一実施例のテレビ番組編集方法を説明するための編集画面を示す図である。
図1では、これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−6は編集画面、600はプレビューウインドウ、601はプレビュー画面、602は視点のオプションメニュー(以下、視点メニューと称する)、603はユーザ視点の位置のオプションメニュー(以下、位置メニューと称する)、604は射影変換のオプションメニュー(以下、射影変換メニューと称する)、605ユーザ視点調整ボタン(以下、視点調整ボタンと称する)である。以下、このそれぞれの機能について説明する。
【0066】
まず、図1に示すような、CGスタジオ1200内のCGキャラクタの位置を設定する場合を例として、視点メニュー602、位置メニュー603を説明する。図1に表示されているスタジオセットアップ仕込みウインドウ400は、図5の場合と同様の方法でポップアップ表示したものである。プレビューウインドウ600内のプレビュー画面601には、図6のスタジオセットアップ仕込みウインドウ400のカメラ設定モードにおいて設定されたカメラから撮影した(取得した)CGスタジオ1200の画像が表示されている。プレビュー画面601に表示されている画像がテレビ番組として放送するためのカメラから撮影したものであることは、視点メニュー602が「カメラ視点」になっていることで示されている。
【0067】
図1の場合、CGスタジオのやや右側に配置されているカメラで取得した画像が、設定されたカメラ視点で取得した画像としてプレビュー画面601に表示されている。ここで例えば、オペレータが、CGキャラクタ606(名前はMARY)とCGキャラクタ607(名前はBOB)の配置をCGスタジオ1200の正面から見て調整したいという場合を考える。これは、CGスタジオのX方向のCGキャラクタの位置をより正確に把握しながら調整するために行う。
【0068】
この場合、オペレータはカメラの位置をCGスタジオの正面に変更してからCGキャラクタの配置を調整するのではなく、編集装置にあらかじめ設定されている別の視点を用いて調整を行う。このあらかじめ設定されている別の視点をユーザ視点と呼ぶ。
【0069】
このユーザ視点の位置の例を図12と図13に示す。図12はCGスタジオの上から見た、本発明のユーザ視点の配置の一実施例を示した図であり、図13はCGスタジオの正面から見た、本発明のユーザ視点の配置の一実施例を示した図である。これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、1200−1は上から見たCGスタジオ、1200−2は正面から見たCGスタジオ、1201〜1207はカメラで、それぞれCGスタジオ1200−1または1200−2に向って、カメラ1201は正面、カメラ1202は右の真横、カメラ1203は左の真横、カメラ1204は真上、カメラ1205は右斜め上に設定されており、カメラ1206はキャラクタ606の前、カメラ1206はキャラクタ607の前に設定されている。
【0070】
このユーザ視点の設定方法は、2通りある。それを図16と図17に示す。図16は、図12の正面のカメラ1201、右の真横のカメラ1202、左の真横のカメラ1203、真上のカメラ1204、右斜め上のカメラ1205の5つのユーザ視点についての設定方法を説明するフローチャートである。
【0071】
初めにステップ1600において、オペレータは編集装置を起動する。その結果、図3の編集画面201が図2のモニタ108上に表示される。
ステップ1601において、ユーザ視点(正面、右の真横、左の真横、真上、右斜め上)の位置に関する内部データがメモリ102より自動的に取得される。尚、この位置データは図18の座標系の値である。メモリ102にはあらかじめユーザ視点に関する位置データが格納されている。
【0072】
それを基にステップ1602において、ユーザ視点(カメラ1201〜1205)がCGスタジオ内の所定の位置に自動的に設定される。
図17は、図12のCGキャラクタの前に設置されたカメラ1206とカメラ1207のよる2つのユーザ視点についての設定方法を説明するフローチャートである。このユーザ視点は、CGキャラクタの動きに合せて移動する。
【0073】
初めにステップ1700において、オペレータは編集装置を起動する。その結果、図3の編集画面201が図2のモニタ108上に表示される。
次に、ステップ1701において、図5に示すセットアップボタン410をマウスでクリックし、スタジオセットアップ仕込みウインドウ400をポップアップ表示する。
【0074】
次に、ステップ1702において、キャラクタ追加ボタン412をマウスでクリックし、CGスタジオ内にCGキャラクタの追加を行う。CGキャラクタの追加とは、CGキャラクタをCGスタジオ内に設定(配置)することである。
【0075】
ステップ1703では、追加したCGキャラクタの位置と向きデータが自動的に取得される。CGキャラクタのデータは、図1のキャラクタ設定のスタジオセットアップ仕込みウインドウ400に設定されている。
【0076】
また、ステップ1704において、ユーザ視点(CGキャラクタの前)の位置に関する内部データが自動的にメモリ102より取得される。
図19は、この図17のフローチャートにおけるユーザ視点を設定するときの位置データについて説明する図である。これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、1900はCGキャラクタ607のX−Z平面の位置を(原点:X’=0、Y’=0、Z’=0)とする座標系の中心、1901は座標系の中心1900の位置を原点としたX軸1801と平行でCGキャラクタ607の正面方向と垂直なX’軸。1902は座標系の中心1900の位置を原点としたZ軸1802と平行でCGキャラクタ607の正面方向と平行なZ′軸、1904はCGキャラクタ607の座標系の中心1900の位置を原点としたY軸1804と平行な高さ方向の位置を決めるY’軸、1903は見る方向のパラメータの1つでY’軸1904を正とした右ネジ方向の角度、1910はCGキャラクタ607の座標系の中心1900からの距離、1905はZ’軸1902のマイナス方向を角度零としているY’軸1904を正とした右ネジ方向の角度を示すパン(pan)角、1906はZ’軸1902のマイナス方向を角度零としているX’軸1901を正とした左ネジ方向の角度を示すチルト(tilt)角、1907はY’軸1904のプラス方向を角度零としているZ’軸1902を正とした右ネジ方向の角度を示すロール(roll)角、1908は視野角である。
【0077】
以上のように、この位置データは図19に示すようなキャラクタ607の中心1900を原点とし、キャラクタ607の正面を円周方向の角度の零点した場合の円筒座標系である。
【0078】
図17の説明に戻る。ステップ1705では、ステップ1703で取得されたCGスタジオに対するCGキャラクタの位置に、ステップ1704で取得されたCGキャラクタに対するユーザ視点の位置データを加算処理して、最終的なユーザ視点の位置、即ち、CGスタジオ座標に対する位置を計算する。
【0079】
それを基に、ステップ1706において、ユーザ視点(この例では、カメラ1207から見た視点)がCGキャラクタ607の前方の所定の位置に自動的に設定される。この場合、CGキャラクタ607が移動すると、カメラ1207はCGキャラクタ607との相対関係を維持しながら移動する。
【0080】
ユーザ視点を用いてCGキャラクタの配置を調整する場合、CGスタジオを見る視点をカメラの視点からユーザ視点に切り替える必要がある。その操作方法の一例を図1〜図12及び図20を用いて説明する。ここで、図9〜図11はユーザ視点の画面表示の一実施例を示した図である。図9と図10に表示されているスタジオセットアップ仕込みウインドウ400は、図5の場合と同様の方法で、ポップアップ表示したものである。また図20はプレビュー画面をカメラ視点からユーザ視点に切替える動作の一実施例を説明するためのフローチャートである。
【0081】
図9と図10では、これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−7と201−8は編集画面、600−1はプレビューウインドウ、701はプレビュー画面、702と802は視点メニュー、803は位置メニュー、804は射影変換メニュー、805は視点メニュー802中に表示されたユーザ視点メニュー、830はプレビューウインドウ、831はプレビュー画面、820はユーザ視点調整ウインドウ、821はユーザ視点位置表示欄、822はX座標テキストフィールド、824はY座標テキストフィールド、823はZ座標テキストフィールド、825はパン角度テキストフィールド、826はチルト角度テキストフィールド、827はロール角度テキストフィールド、828は視野角テキストフィールド、829は調整されたユーザ視点の位置とアングルを保存してあった値に戻すデフォルトボタン、840はユーザ視点調整ウインドウ820を閉じるボタンである。なお、図10で表示されているサブウインドウ803,804,805,820は、説明のために同一画面上に表示したが、実際には、全部同時に表示されることはない。
【0082】
まず図20のステップ2000において、オペレータはマウスを用いて、図1の視点メニュー602を選択し、「カメラ視点」から「ユーザ視点」に切替える。メニュー切替えの具体的な動作を説明すると、まず、マウスで視点メニュー602をクリックすると、視点のメニューが図10の視点メニュー802のような状態になる。この内、ユーザ視点805の方を選択すると、図9の視点メニュー702のように表示される。
【0083】
ステップ2000の次に、ステップ2001において、現在選択されているユーザ視点の位置の内部データを取得する。図9の場合、現在選択されているユーザ視点は、位置メニュー603で明示されているように、正面のユーザ視点(図12のカメラ1201からの視点)である。
【0084】
そして、次のステップ2002において、図9のプレビュー画面701のように、正面からのユーザ視点に切り替える。
この結果、オペレータはプレビュー画面701に表示されたユーザ視点で取得した画像を用いてCGキャラクタ606と607の位置をより正確に調節することができる。
【0085】
尚、ユーザ視点からカメラ視点に戻したいときは、視点メニュー602を「カメラ視点」に切り替えれば、図1に示すようなカメラ視点で取得したプレビュー画面に切り替わる。
【0086】
また、このユーザ視点の位置は、前述の通り正面だけでなく、CGスタジオ内の複数の位置に設定されている。正面とは別のユーザ視点からCGスタジオ内を見たい場合、オペレータは位置メニュー603をマウスで切り替えれば良い。例としてユーザ視点を正面から真上に切り替える場合を考える。これは、横(X)方向及び奥行(Z)方向のCGキャラクタの位置をより正確に把握したり、調整するため等に行う。その操作方法の一例を図1、図10、図13、図20〜図22を用いて説明する。図22はCGスタジオを真上から見たユーザ視点の場合のプレビューウインドウの一例を示す図であり、図21はカメラ視点からユーザ視点に切り替える動作の一実施例を説明するためのフローチャートである。
【0087】
図22では、これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−9は編集画面、600−4はプレビューウインドウ、2201はプレビュー画面、2203は位置メニューである。
【0088】
図22に表示されているスタジオセットアップ仕込みウインドウ400は、図5の場合と同様の方法でポップアップ表示したものである。
まず、オペレータは、図21のステップ2100において、図1の位置メニュー603を選択し、「正面」から「真上」に切り替える。メニュー切り替えの具体的な動作を説明すると、まず、マウスで位置メニュー603をクリックすると、位置メニューが図10の位置メニュー803のような状態になる。このうち、真上840の方を選択すると、図22に示すように位置メニュー2203が表示される。
【0089】
ステップ2100の次にステップ2101では、選択された真上のユーザ視点(図13のカメラ1204の視点)の位置の内部データを取得する。
そして次に、ステップ2102では、図22のプレビュー画面2201のように、真上からのユーザ視点に切り替える。
【0090】
この結果、オペレータはプレビュー画面2201に表示されたユーザ視点で取得した画像を用いてCGキャラクタ606と607の位置を正確に調節することができる。
ユーザ視点が正面(カメラ1201の視点)、右の真横(カメラ1202の視点)、左の真横(カメラ1203の視点)、真上(カメラ1204の視点)に設定してあると、位置メニュー603を切り替えさえすればCGスタジオの3面図の内の1面が得られ、CGスタジオ内のCGキャラクタなどの配置をより正確に把握できる。また、もしCGキャラクタがCGスタジオ内のカメラの視野から外れたとしても、CGキャラクタの位置はユーザ視点で見ることができる。
【0091】
更に、ユーザ視点が右斜め前(カメラ1205の視点)に設定してあると、CGスタジオ内のCGキャラクタなどの配置を立体的に把握し易くなる。
以上述べたように、このようなユーザ視点を用いることにより、CGスタジオ内全体を多角的に見ることができる。
【0092】
テレビ番組編集作業においては、画像のもっと細かいところをみたいということもある。例えば、CGキャラクタの動作をCGキャラクタの間近で確認したいという場合がこれに相当する。このために、CGキャラクタに付随したユーザ視点(カメラ1206の視点と1207の視点)が設定されている。この実施例を図14と図11とによって説明する。
【0093】
図14は、本発明のセリフ仕込みウインドウを使ってCGキャラクタのセリフを設定するために、ユーザ視点を設定する方法の一実施例を説明する画面である。また、図11はCGキャラクタのセリフを設定するためのユーザ視点調整ウインドウの別の実施例を表示した図である。図14では、これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−10は編集画面、600−2はプレビューウインドウ、1401はプレビュー画面、1403は位置メニューである。また図11では、その他、820’はユーザ視点調整ウインドウ、821’はユーザ視点位置表示欄、822’はX座標テキストフィールド、824’はY座標テキストフィールド、823’はZ座標テキストフィールド、825’はパン角度テキストフィールド、826’はチルト角度テキストフィールド、827’はロール角度テキストフィールド、828’は視野角テキストフィールド、829’は調整されたユーザ視点の位置とアングルを保存してあった値に戻すデフォルトボタン、840’はユーザ視点調整ウインドウ820’を閉じるボタンである。
【0094】
図14に示すようなセリフ仕込みウインドウ750でCGキャラクタ607(BOB)のセリフを設定する場合、オペレータは、CGキャラクタ607が喋るセリフに応じてCGキャラクタ607の口や唇の動きを間近で確認する必要を感じる。このときオペレータは、図20と図21の処理を行い、図14に示すように、マウスを用いて視点メニュー702を「ユーザ視点」にし、次に位置メニュー1403を「BOBの前」に設定する。このような操作をすると、ユーザ視点が図12のカメラ1207の位置に切り替わる。尚、図14に表示されているセリフ仕込みウインドウ750は、図7の場合と同様の方法でポップアップ表示したものである。その結果としてプレビュー画面1401には、ユーザ視点(カメラ1207の視点)から見たCGキャラクタ607が表示される。このユーザ視点で取得した画像によってオペレータは、セリフに応じたCGキャラクタ607の口の動きを間近で確認できる。
【0095】
また別の実施例を図15に示す。図15にはCGキャラクタにさせる動作の例として「おじぎ」を挙げた。図15は、本発明の動作仕込みウインドウを使ってCGキャラクタの動作を設定するために、ユーザ視点を設定する方法の一実施例を説明する画面である。図15ではこれまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−11は編集画面、600−3はプレビューウインドウ、1501はプレビュー画面、1503は位置メニュー、1551は動作対象メニュー、1552は動作メニュー、1553はキャラクタメニュー、1555はオプションメニュー群である。
【0096】
図15に示すような動作仕込みウインドウ851でCGキャラクタ606(MARY)の動作を設定する場合、オペレータは、図20と図21の処理を行い、CGキャラクタ606の動作を間近で確認したいときがある。尚、図15に表示されている動作仕込みウインドウ850は、図7の場合と同様の方法でポップアップ表示したものである。ただし、動作の内容が図7と異なっている。
【0097】
動作メニュー1552には、「おじぎ」が設定されている。また、キャラクタメニュー1553には、「MARY」というCGキャラクタが設定されている。スライダー群1554は、動作の速さ等を設定する部分であり、マウスで設定することができる。オプションメニュー群1555は、動作の程度等(例えば、「おじぎ」という動作であれば、深々とお辞儀するか、頭だけ軽く下げるか等)を設定する部分であり、マウスで設定する。)このときオペレータは、図15に示すように、マウスを用いて視点メニュー702を「ユーザ視点」にし、次に位置メニュー1503を「MARYの前」にする。このような操作をすると、ユーザ視点が図12のカメラ1206の位置に切り替わる。結果としてプレビュー画面1501には、ユーザ視点(カメラ1206)から見たCGキャラクタ606が表示される。このユーザ視点で取得した画像によってオペレータは、CGキャラクタ606の「おじぎ」の動きを間近で確認することができる。
【0098】
尚、このユーザ視点(カメラ1206の視点とカメラ1207の視点)は、CGキャラクタ606が移動するとそれと一緒に移動して、常にCGキャラクタ606の前にあるような位置と方向に維持されている。そのため、もしCGキャラクタ606がCGスタジオ内を歩いた後に、もう一度セリフを喋る口の動きや、おじぎの動作を確認したくなっても、視点メニュー702と位置メニュー1503を切り替えさえすれば、CGキャラクタの前方の画像がプレビュー画面1501に表示されるのである。
【0099】
次に図1の射影変換メニュー604について説明する。CGスタジオ内のオブジェクトの配置を奥行きに関係なく、より正確に設定するため、ユーザ視点の射影変換を透視法射影から正射影に切り替えることができる。
【0100】
射影変換が透視法射影の場合、CGスタジオ内のオブジェクトの見かけの配置と大きさは、奥行き方向(Z方向)の位置によって変化する。具体的には、奥の方にあるオブジェクト程、配置が消失点に向かってずれ、大きさが小さくなる。逆に射影変換が正射影の場合は、オブジェクトの見かげの配置と大きさは、奥行き方向に関係なく一定である。
【0101】
例えば、複数のCGキャラクタを奥行き方向に一列に整列したい場合、射影変換が透視法射影であると、個々のCGキャラクタの見かけの配置と大きさは奥行き方向に変化するため、一列に整列しているか確認しにくい。逆に正射影の場合は、個々のCGキャラクタの配置と大きさは奥行きに関係なく一定であるため、一列に整列しているか正確に確認でき、設定も容易になる。
【0102】
射影変換の切り替えを操作するためのGUIが射影変換メニュー604である。射影変換を正射影に切り替えるには、射影変換メニュー604で正射影を選択することで実行できる。射影変換メニューには図10の射影変換メニュー804に示すように「射影法射影」と「正射影」の2項目がある。
【0103】
次に図1の視点調整ボタン605について説明する。CGスタジオ内でのユーザ視点の位置の例は、図12と12に示してある。但し、オペレータが確認をしたいCGスタジオ内のオブジェクトが、ユーザ視点の視野外にあるという場合、またはオペレータが確認をしたいオブジェクトが、画像中に含まれる数あるオブジェクトの内の一部分だけという場合がある。更にまた、ユーザ視点とオペレータが確認したいオブジェクトの間に遮蔽物になるオブジェクトがあることもある。このような場合、オペレータ自身がユーザ視点の位置、及びアングルを調整して見たいオブジェクトを表示できるよう設定すれば、ユーザ視点の使い勝手は更に向上する。
【0104】
ユーザ視点の位置やアングルをオペレータが調整したい場合には、ユーザ視点調整ウインドウにてその調整を行う。ユーザ視点調整ウインドウの例を、図9と図15を用いて説明する。
【0105】
図9の場合は、図12の正面ユーザ視点(カメラ1201の視点)が選択されている。このユーザ視点を調整する場合、視点調整ボタン605をマウスでクリックすると、ユーザ視点調整ウインドウ820(図10)がポップアップ表示される。
【0106】
以下、ユーザ視点調整用ウインドウ820について説明する。ユーザ視点位置表示欄821には位置メニュー603で選択されたユーザ視点の位置が明示されている。また、X座標テキストフィールド822、Z座標テキストフィールド823、Y座標テキストフィールド824、パン角テキストフィールド825、チルト角テキストフィールド826、ロール角テキストフィールド827、視野角テキストフィールド828の値を変化させることによって、ユーザ視点の位置とアングルと視野角が設定する。
【0107】
これらの値は、図18に示す座標系の値を表している。その関係を述べると、X座標テキストフィールド822の値はX軸1801の値である。Z座標テキストフィールド823の値はZ軸1802の値である。Y座標テキストフィールド824の値はY軸1804の値である。これら3つの座標の単位は、例えば、メートルである。また、パン角テキストフィールド825の値はパン角1805の値である。チルト角テキストフィールド826の値はチルト角1806の値である。ロール角テキストフィールド827の値はロール角1807の値である。視野角テキストフィールド828の値は視野角1808の値である。これらの角度の単位は、例えば、メートルである。
【0108】
また、調整されたユーザ視点の位置、アングル、視野角は、デフォルトボタン829をマウスでクリックすることで初期状態に戻る。
また、ユーザ視点1206、1207などが選択されている場合、ユーザ視点調整ウインドウは図11に示すユーザ視点調整ウインドウ820’のようになる。このウインドウで設定されるパラメータの値は、図19に示す座標系の値を表している。その関係を述べると、見る方向テキストフィールド822’はY’軸1904を正とした右ネジ方向の角度1903の値、距離テキストフィールド823’はCGキャラクタ607の中心からの距離1910の値、見る高さテキストフィールド824’はY’軸方向の距離1909の値、見るパン角方向テキストフィールド825’はパン角1905の値、見るチルト角テキストフィールド826’はチルト角1906の値、見るロール角テキストフィールド827’はロール角1907の値、見る視野角テキストフィールド828’は視野角1908の値である。
【0109】
また、閉じるボタン840’をマウスでクリックすると、ユーザ視点の位置、アングル、視野角の調整した値が内部データに保存され、ユーザ視点調整ウインドウ820’が閉じる。
【0110】
また、図4に示すプレビューコントローラ301にて作成した、テレビ番組の初めから終りまでをプレビューする際、従来は、CGスタジオ内のカメラ視点が撮影した画像が表示されていたが、今回、ユーザ視点から見たテレビ番組をプレビューできるようにした。
【0111】
ユーザ視点からプレビューをする場合の処理の例を、図23と図24を用いて説明する。図23は本発明のプレビューウインドウの一実施例の示す図である。また、図24は本発明のプレビューウインドウの一実施例の動作を説明するフローチャートである。図23では、これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。
【0112】
初めに、ステップ2400において、オペレータはプレビューコントローラウインドウ301を図23のようにポップアップ表示させる。尚、この操作については、図4で説明したので説明を省略する。
【0113】
次に、ステップ2401において、視点をカメラ視点からユーザ視点に切り替える。図23の場合は、視点メニュー702がユーザ視点に、位置メニュー603が正面に切り替えられている。
【0114】
次にステップ2402において、プレビューコントローラウインドウ301の再生ボタンをマウスでクリックする。
それを受けて、ステップ2403において、番組のプレビューが開始される。そしてステップ2404において、番組の中の1つのイベントが読み込まれる。
【0115】
次にステップ2405において、ステップ2404で読み込まれたイベントがCGスタジオ内のカメラに関するイベントであるかどうかを判別する。そのイベントがカメラに関するイベントでない場合には、ステップ2406の処理を行い、そうでない場合は何も処理せずに次のステップ2407に進む。
【0116】
ステップ2407では、そのイベントを生成し、プレビュー画面2301に生成されたイベントを表示する。
そして、ステップ2407において、番組のイベントが終了したかを判別する。イベントが終了していない場合は、ステップ2404に戻り、次のイベントを読込む。イベントが終了した場合は、ステップ2408に進み、番組のプレビューが終了する。
【0117】
即ち、ステップ2404からステップ2407の間に、ステップ2405の条件分岐を入れることによって、CGスタジオ内のカメラに関するイベントのみはプレビューされないため、常にユーザ視点から見た画像が、プレビュー画面2301に表示されるのである。
【0118】
これによって、CGスタジオ内での番組の進行状況を、実際に再生や放送するためのカメラ映像を変更しないで、CGスタジオ全体に渡って見ることができたり、個別のCGキャラクタ前方の視点から目の前のCGキャラクタだけを見ることができるので、番組の進行状況が多角的にかつ迅速に把握できるようになる。
【0119】
上記の実施例では、CGキャラクタとして、人間を模して説明したが、人間に限らず、生物、植物、そのほか、現実的または仮想的に係わらず、画像として表示できるすべてのものについて本発明が適用できることはいうまでもない。
【0120】
更に上記の実施例では、CGスタジオ内に設置したカメラの位置は予め定められた所定の位置であるが、それ以外の場所でも良く、更に、編集の途中で、変更や追加できることはいうまでもない。更に、設定できる投影法や各パラメータも状況に応じて自由であることは自明である。
【0121】
上記の実施例では更にまた、テレビ番組の制作及び編集するテレビ番組編集装置について説明したが、テレビ番組に限らず、例えば、教育ビデオやデモンストレーションビデオ、会議用資料などの動画像編集装置等、映像情報を制作及び編集するためのあらゆる装置に適用できることは自明であり、また、実際のテレビスタジオを模したCGスタジオだけでなく、ヴァーチャルリアリティ(仮想現実空間)に相当するあらゆる画像(シーン)について、更に現実に撮影した画像(シーン)とヴァーチャルリアリティとの組み合わせた空間についても適用できることはいうまでもない。
【0122】
本発明の編集方法を実施する装置は、汎用のコンピュータで実現できる。本発明の編集方法を実施するシステムは、編集方法のプログラムに従って動作するCPUと、一時的に格納するためのRAMと、外部との信号のやり取りを制御する入出力インターフェースと、それらを結合するバスとを含む。
【0123】
また、本発明による編集方法のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納され、コンピュータの記憶装置にダウンロードして使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の編集画面の一実施例を示す図。
【図2】テレビ番組編集システムを構成するブロック図。
【図3】従来のテレビ番組編集装置の基本的な編集画面を示す図。
【図4】テレビ番組編集装置のプレビューウインドウを示す図。
【図5】スタジオセットアップ仕込みウインドウを示す図。
【図6】スタジオセットアップ仕込みウインドウを示す図。
【図7】セリフ仕込みウインドウを示す図。
【図8】動作仕込みウインドウを示す図。
【図9】本発明の編集画面の一実施例を示した図。
【図10】本発明の編集画面の一実施例を示した図。
【図11】本発明の編集画面の一実施例を示した図。
【図12】本発明のユーザ視点の配置の一実施例を示した図。
【図13】本発明のユーザ視点の配置の一実施例を示した図。
【図14】本発明のユーザ視点の設定方法の一実施例を説明するフローチャート。
【図15】本発明のユーザ視点の設定方法の一実施例を説明するフローチャート。
【図16】本発明のユーザ視点の設定方法の一実施例を説明するフローチャート。
【図17】本発明のユーザ視点の設定方法の一実施例を説明するフローチャート。
【図18】CGスタジオ内の座標系の一例を説明するための図。
【図19】本発明のユーザ視点の位置データの設定方法の一実施例を説明する図。
【図20】本発明のカメラ視点からユーザ視点に切り替える動作の一実施例を説明するためのフローチャート。
【図21】本発明のカメラ視点からユーザ視点に切替える動作の一実施例を説明するためのフローチャート。
【図22】CGスタジオを真上から見たユーザ視点の場合のプレビューウインドウの一例を示す図。
【図23】本発明のプレビューウインドウの一実施例を表示した図。
【図24】本発明のプレビューウインドウの一実施例の動作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0125】
101:CPU、 102:メモリ、 103:CGアニメーション生成部、104:音声合成装置、 105:シーケンサ部、 106:磁気記憶装置、107:動画像生成部、 108:モニタ、 109:入力装置、 110:バス、 201,201−1,201−2,201−3,201−4,201−5,201−6,201−7,201−8,201−9,201−10,201−11:編集画面、 202,202’:スタジオブロック、 203,203’:ムービーブロック、 204:タイトルブロック、 205:スーパーブロック、 206:サウンドブロック、 207:ナレーションブロック、 208:各種設定ブロック、 209:イベントマーク、 210:セリフ設定部分、 211:動き設定部分、 212:カメラワーク設定部分、 213,214:スライダー、 215:スタートブロック、 216:エンドブロック、220:イベントプルダウンメニュー、 301:プレビューコントローラウインドウ、 302:プレイボタン、 400,400−1:スタジオセットアップ仕込みウインドウ、 401:CGキャラクタ設定ボード、 402:X座標テキストフィールド、 403:Z座標テキストフィールド、 404:向き設定フィールド、 410:セットボタン、 411:設定ボード欄、 412:追加ボタン、 413:設定モードオプションメニュー、 414:スライダー、 421:CGキャラクタ設定ボード、 500,500−1:プレビューウインドウ、 501:カメラ設定ボード、 502:X座標テキストフィールド、 503:Z座標テキストフィールド、 504:Y座標テキストフィールド、 505:パン角テキストフィールド、 506:チルト角テキストフィールド、 507:ロール角テキストフィールド、 508:視野角テキストフィールド、 511:カメラ設定ボード欄、 512:追加ボタン、 513:設定モードオプションメニュー、 514:スライダー、 521:カメラ設定ボード、 600,600−1,600−2,600−3,600−4:プレビューウインドウ、 601:プレビュー画面、 602:視点メニュー、 603:位置メニュー、 604:射影変換メニュー、 605:視点調整ボタン、 606,607:CGキャラクタ、 650:ポインター、 701:プレビュー画面、 702:視点メニュー、 750:セリフ仕込みウインドウ、 751:キャラクタメニュー、 752:セリフ設定部、 753:スライダー群、754:オプションメニュー群、 755:スライダー、 802:視点メニュー、 803:位置メニュー、 804:射影変換メニュー、 805:ユーザ視点メニュー、 830:プレビューウインドウ、 831:プレビュー画面、820:ユーザ視点調整ウインドウ、 821:ユーザ視点位置表示欄、 822:X座標テキストフィールド、 824:Y座標テキストフィールド、 823:Z座標テキストフィールド、 825:パン角度テキストフィールド、826:チルト角度テキストフィールド、 827:ロール角度テキストフィールド、 828:視野角テキストフィールド、 829:デフォルトボタン、850:動作仕込みウインドウ、 851:動作対象メニュー、 852:動作メニュー、 853:キャラクタメニュー、 854:オプションメニュー、855:テキストフィールド群、 1200,1200−1,1200−2:CGスタジオ、 1201〜1207:カメラ、 1401:プレビュー画面、1403:位置メニュー、 1501:プレビュー画面、 1503:位置メニュー、 1550:動作仕込みウインドウ、 1551:動作対象メニュー、1552:動作メニュー、 1553:キャラクタメニュー、 1555:オプションメニュー、 1800:CGスタジオの中心(原点)、 1801:X軸、 1802:Z軸、 1804:Y軸、 1805:Y軸回転方向、 1803:Z軸回転方向の角度、 1806:X軸回転方向、 1807:Z軸回転方向、 1808:視野角、 1900:CGキャラクタ607の中心、 1901:X’軸、 1902:Z’軸、 1904:Y’軸、 1903:右ネジ方向の角度、 1910:CGキャラクタ607の中心からの距離、 1905:パン角、 1906:チルト角、 1907:ロール角、 2201:プレビュー画面、 2203:位置メニュー。
【技術分野】
【0001】
本説明は、映像情報の編集方法及び映像情報を編集する動画像編集装置に関わり、特にテレビジョン放送番組制作、ビデオ番組制作などに用いられるテレビ番組像編集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータグラフィックス(Computer Graphics:以降、CGと称する)アニメーション技術と音声合成技術、動画像再生技術等を融合し、一台のコンピュータによりテレビ番組を全て製作する、テレビ番組制作編集システムがある。
【0003】
テレビ番組の作成をユーザとコンピュータとの対話動作により行う映像システムの一例として、TVML(Tele−Vision Program Making Language)エディがある。このTVMLエディタは、ハードディスク装置のような大容量のランダムアクセス可能な記憶装置に格納されているアニメーションキャラクタやCGスタジオセット情報と、音声合成ツールやアニメーション作成ツールなどを使用して、実際のスタジオやキャラクタを使用せずに、コンピュータとそれに接続した画面上だけで仮想現実空間上でのスタジオ内で展開する番組を制作することができる。このTVMLエディタの編集画面では、編集中あるいは作成中の番組の画像を表示する(再生する)ことができる。表示される画像は、あらかじめ設定された撮像方向(カメラ視野角)、即ち、CGスタジオにおけるカメラ視点からの画像のみである。
【0004】
ビデオ番組等の映像の制作過程や編集途中では、しばしば、登場するCGキャラクタを移動させる処理やCGキャラクタのセリフを動作に合せて正確に設定するために、別の異なるカメラ方向やカメラ位置(カメラ視野角)から見た制作番組の画像を確認する必要が生じる。そのようなバーチャルスタジオの撮像方向やカメラ位置を変更するには、その都度、カメラ視点の設定値をいちいち変更する入力操作をして表示される編集画面の撮像方向を変える必要がある。
【0005】
そのような別視点の画像とは、例えば、CGスタジオの真上から下を見下ろした画像とか、CGキャラクタの口の部分のクローズアップ画像とか、編集中の画像のフレーム外の画像などである。そして、このような別の視点方向の画像を表示してCGキャラクタの動作等を確認した後には、また元のカメラ視点の画像に戻って編集を続けることになるので、編集者にとって操作上不便であり、編集に長時間を要する。
【0006】
また、登場するCGキャラクタを移動させる処理やCGキャラクタのセリフを動作に合せて正確に設定するためだけに変更しただけであるのに、編集された映像では変更されたカメラ視点から撮影された映像が再生されるため、シナリオとは異なる映像となり、編集意図と異なることになる。従って、このような別の視点から見た画像は、実際の番組にはほとんど使用されることがなく、削除されてしまうので、無駄な作業である。
【0007】
以下、CGアニメーションを含む動画像編集方法を説明する。TVMLを使用する従来の代表的なテレビ番組編集システムの一例を、図2によって説明する。図2はテレビ番組編集装置を構成するブロック図である。103はCGにより登場人物やスタジオセットのアニメーション生成を行うCGアニメーション生成部、104は登場人物の喋り声(セリフ)を生成する音声合成部、107は予め編集済みの動画像を表示するための動画像生成部、102はテレビ番組の台本に相当する「登場人物の喋り」や「登場人物の動作」や「動画像再生」等のイベントを記憶しておくためのメモリ、105はメモリ102に記憶されたテレビ番組のイベント情報を元にCGアニメーション生成部103や音声合成部104や動画像生成部107を制御してテレビ番組を順次生成するシーケンサ部、108は生成されたテレビ番組を表示したり番組の編集情報を表示するモニタ、109はシーケンサ部に再生の指示を与えたりメモリに記憶されているテレビ番組のイベント情報の編集を指示するためのマウスやキーボード等から成る入力装置、101はメモリ102に記憶されている番組の編集情報を操作するためのCPU(Central Processing Unit)、106は登場人物のモデリングデータやCGスタジオのデータや動画像の映像情報等を記憶するための磁気記憶装置、110はこれらの各部を接続するためのバスである。
【0008】
上記装置を用いることにより、テレビ番組のシナリオをモニタ108の表示画面に時系列順に並べ、テレビ番組制作者(以降、オペレータと称する)は入力装置109を用いて効率的に編集でき、その結果作成されたテレビ番組を生成し、出力することが可能となる。
【0009】
テレビ番組編集装置の表示画面の一例を図3に示す。図3は従来のテレビ番組編集装置のモニタに表示される基本的な編集画面である。201は編集画面、202はCGスタジオ内でCGキャラクタを喋らせ(セリフを言わせ)たり、歩かせ(動作させ)たり、カメラワークを指定したりすることを設定するためのスタジオブロック、203は予め用意した編集済みの動画像の再生制御を行うムービーブロック、204はテレビ画面に表示させる文字情報や静止画の制御を行うタイトルブロック、205は出力される映像にスーパーインポーズ文字を合成するスーパーブロック、206は映像に合成する音楽の制御を行うサウンドブロック、207はムービー再生中などにナレーションを映像に合成するナレーションブロック、208は待ち時間等の設定を行う各種設定ブロック、209はイベントマーク、210はCGキャラクタのセリフを設定するセリフ設定部分、211はCGキャラクタの動き等を設定する動き設定部分、212はCGスタジオ内のカメラワークを設定するカメラワーク設定部分、213と214は表示画面の表示をスライドさせるスライダー、215は番組の始まりを示すスタートブロック、216は番組の終わりを示すエンドブロック、220はプルダウンメニュー、410はセットアップボタン、650は入力装置109によってマウスを動かしたときの表示画面201上の位置を示すポインターである。
【0010】
図3において、編集画面201は縦軸方向が時間軸となっており、画面上から下方向に向って順に進行するようにテレビ番組が生成されることになる。
編集画面201の画面左側のスタジオブロック202、ムービーブロック203、タイトルブロック204等を持つ縦の列がテレビ画面に出力される映像を示している。スタジオブロック202内には、更にCGキャラクタのセリフを設定する部分210、CGキャラクタの動き等を設定する部分211、CGスタジオ内のカメラワークを設定する部分212がある。また、スタジオブロック202,ムービーブロック203,タイトルブロック204の各ブロックは、縦方向にいくつかのイベントと呼ばれる単位に分解されるが、イベントマーク209はその存在するイベントの1つ1つに対応するマークである。基本的にキャラクタのセリフや動きなどの全ての設定は一つのイベントに対応してそれぞれ1つだけ設定することができる。
【0011】
このようにして制作されたテレビ番組は、セリフ設定部分210,動作設定部分211,カメラ設定部分212のそれぞれの中にある1つの欄(これをセルと呼ぶ)をマウスでダブルクリックした時にポップアップ表示されるプレビューウインドウによって確認することができる。
【0012】
図4はテレビ番組編集装置の番組映像確認のプレビューウインドウを表示した例を示す図である。図3と同一の機能の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−1は編集画面、202’はスタジオブロック、203’はタイトルブロック、500はプレビューウインドウ、301はプレビューコントローラウインドウ、302はプレイボタン、500はプレビューウインドウ、606はCGキャラクタB、607はCGキャラクタAである。
【0013】
オペレータが、制作されたテレビ番組を、始め(スタートブロック215)から終り(エンドブロック216)まで、全体を通して確認する場合は、プレビューコントローラウインドウ301を使用する。このプレビューコントローラウインドウ301は、編集画面201の上側にあるプルダウンメニュー220の中にある「プレビュー」(プルダウンメニュー220の表示例は図示していない)を選択することによってポップアップ表示される。プルダウンメニューとは、プルダウンメニュー220のタイトル部分(例えば、プルダウンメニュー220の中にある「イベント」)が常時表示されていて、タイトル部分(「イベント」)をマウスでクリックするといくつかのメニュー項目の一欄が表示され、その中から1つのメニュー項目を選択してクリックすると、選択した項目に関連付けられた処理がなされ、同時にメニュー項目一欄が消え、元のタイトルの表示に戻るメニューのことである。
【0014】
プレビューコントローラウインドウ301のプレイボタン302をマウスでクリックすることにより、制作されたテレビ番組がイベント順にプレビューウインドウ500に次々と生成、表示される。このプレビューウインドウ500に表示される画像が、実際にテレビ放送される画像となる。
【0015】
このとき、イベントマーク209の所望の範囲を選択してから、プレイボタン302をマウスでクリックすると、選択されたイベントマーク209のイベントだけの画像が、イベントマークの並んで表示された上から順番に、プレビューウインドウ500に再生される。
【0016】
また、イベントマーク209を選択しないでプレイボタン302をマウスでクリックすると、編集されているイベントのすべての画像が、最初から最後まで順番に再生される。
このような番組の作成と編集作業の途中において、例えばCGスタジオ内でCGキャラクタの配置を決める場合がある。例えば、CGスタジオ内のCGキャラクタの配置やカメラの配置等を設定する場合、スタジオセットアップ仕込みウインドウによって設定を行う。このスタジオセットアップ仕込みウインドウは、スタジオブロック202’(図3ではスタジオブロック202)の右上に配置されたセットボタン410をマウスでクリックすることによりポップアップ表示される。この時、プレビューウインドウ500には、スタジオブロック202の先頭状態が表示され、その具体的な情報がスタジオセットアップ仕込みウインドウに表示される。
【0017】
図5はテレビ番組編集装置にスタジオセットアップ仕込みウインドウを表示した例を示す図である。これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−2は編集画面、400はスタジオセットアップ仕込みウインドウ、413は設定モードオプションメニュー、411は設定ボード欄、401と421はそれぞれCGキャラクタB606とCGキャラクタA607の配置等の設定を行うCGキャラクタ設定ボード、412はCGキャラクタの追加を行うときにマウスをクリックしてCGキャラクタの追加を行う追加ボタン、402はCGキャラクタA607のCGスタジオ内でのX座標の位置を設定するX座標テキストフィールド、403はCGキャラクタA607のZ座標の位置を設定するZ座標テキストフィールド、404はCGキャラクタA607の体の向きを設定する向き設定フィールド、414は設定ボード欄411の表示位置の変更を操作するスライダーである。
【0018】
図5において、スタジオセットアップ仕込みウインドウ400には、CGキャラクタに関する情報だけが表示されている。この状態をCGキャラクタ設定モードと呼ぶ。CGキャラクタ設定モードの時には、スタジオセットアップ仕込みウインドウ400内の設定モードオプションメニュー413の表示が「キャラクタ設定」となっている。
【0019】
以下、CGキャラクタ設定モードにおけるGUI(Graphical User Interface)操作例を図5と図18によって説明する。
CGキャラクタA607の設定を行うとき、オペレータは、CGキャラクタ設定ボード401内にあるX座標テキストフィールド402、Z座標テキストフィールド403、向き設定テキストフィールド404の値を変化させることによって、CGキャラクタA607の配置と体の向きを設定する。また、図5の例では、CGキャラクタは2体(CGキャラクタA607とCGキャラクタB606)設定されている。もしオペレータがCGキャラクタA607だけでなく、CGキャラクタB606の設定を行いたいときは、設定ボード欄411内のキャラクタボード421にある、同様の設定項目を変更することでCGキャラクタB606の位置や体の向きを設定することができる。また表示が隠れて見えない場合は、スライダー414でスクロール操作することによって隠れて見えない部分を表示させることによって設定を続ける。CGキャラクタの配置と体の向きを設定する具体的な座標系を図18に示す。
【0020】
図18はCGスタジオ内の座標系の一例を説明するための図である。1200はCGスタジオ、1800はCGスタジオ1200の中心(X座標0、Z座標0、Y座標0)、1801は中心1800を原点とした横方向の位置を示すためのX軸(オペレータからCGスタジオ1200を見て右方向が正)、1802は中心1800を原点とした奥行き方向の位置を示すためのZ軸(オペレータからCGスタジオ1200を見て前方向が正)、1804は中心1800を原点としたCGスタジオ1200の高さ方向の位置を示すためのY軸、1805はZ軸1802のプラス(正)方向を角度0としているY軸1804を中心とした右ネジ回転(pan)方向、1803はZ軸1802のプラス(正)方向軸を基準(角度0)としているY軸1804を正とした右ネジ回転方向の角度(d)、1806はZ軸1802のマイナス(負)方向軸を基準(角度0)としているX軸1801を正とした右ネジ回転(tilt)方向、1807はY軸1804のプラス(正)方向軸を基準(角度0)としているZ軸1802を正とした右ネジ回転(roll)方向、1808はX−Z平面の1点からY方向を見た視野角度(vangle)を示す垂直視野範囲角である。
【0021】
即ち、X座標テキストフィールド402、Z座標テキストフィールド403、向き設定フィールド404の値を変化させることによってCGキャラクタのX軸方向、Z軸方向の位置と体の向きを設定することができる。
【0022】
ここで、例えば図5では、各テキストフィールド内での座標は“m(メートル)”を単位とし、角度は“°(度)”を単位として用いる。
上記のキャラクタ設定モードにおいてオペレータがCGキャラクタの配置などを決める場合、Y軸方向の真上からCGスタジオ1200を見下ろすとCGキャラクタの配置が分かり易い。従来このような視点を得るために、オペレータは、カメラをCGスタジオ1200の真上に配置して、真下を見下ろすようにカメラアングルを調整する必要があった。
【0023】
このようなカメラアングルの調整のように、カメラワークを設定する場合には、図5における設定モードオプションメニュー413を「カメラ設定」モードに切替える必要がある。即ち、設定モードオプションメニュー413の右側をマウスでクリックすることにより表示される項目から「カメラ設定」を選択することによって、図5のスタジオセットアップ仕込みウインドウ400は、「カメラ設定」モードに切替える。設定モードオプションメニュー413の表示は「キャラクタ設定」から「カメラ設定」に変更される。
【0024】
図6はスタジオセットアップ仕込みウインドウがカメラ設定モードの場合の表示例を示す図である。これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−3は編集画面、400−1はスタジオセットアップ仕込みウインドウ、513は設定モードオプションメニュー、511はカメラ設定ボード欄、501と521はそれぞれカメラAとカメラBの配置等の設定を行うカメラ設定ボード、512はカメラの追加を行うときにマウスをクリックしてカメラの追加を行う追加ボタン、502はカメラのCGスタジオ1200内のX座標の位置を設定するX座標テキストフィールド、503はカメラのZ座標の位置を設定するZ座標テキストフィールド、504はカメラのY座標テキストフィールド、505はパン角(pan)テキストフィールド、506はチルト角(tilt)テキストフィールド、507はロール角(roll)テキストフィールド、508は視野角(vangle)テキストフィールド、514はカメラ設定ボード511の表示位置の変更を操作するスライダーである。
【0025】
図6において、プレビューウインドウ500に表示されているのは、現在撮影中のカメラ「Acam」からCGスタジオ1200内を撮影したとして取得した場合の画像である。カメラ「Acam」がCGスタジオ1200内のどの位置のどういうアングルで設定されているかは、カメラ「Acam」を設定するカメラ設定ボード501内のパラメータである各テキストフィールド502〜508の値が示している。このカメラ「Acam」をCGスタジオ1200の真上に設定する場合、オペレータはカメラ設定ボード501内の各テキストフィールド502〜508の設定座標値をCGスタジオ1200の真上に来るように変更する。
【0026】
但し、このようなCGスタジオ1200の真上から見下ろす視点のカメラを番組の進行中に使うこと(番組の放送用の映像として使用すること)はほとんどない。オペレータは、番組の映像として直接使われないカメラをCGキャラクタの配置を知るためだけにわざわざ設定しなければならない。そして、CGキャラクタ等のオブジェクトの配置または各オブジェクト同士の位置関係を知るためにカメラ視点を変更すると、編集された番組の映像として、そのカメラ視点から見た画像が再生または放送されるため、番組の編集の点では好ましくない。従って、確認した後は、その映像を削除する作業が必要となる。
【0027】
また、同じような不便さがCGキャラクタの動作確認の場合等にもあることを、図7のGUI操作を例にして説明する。図7はセリフ仕込みウインドウでCGキャラクタのセリフを設定する場合の表示例を示す図である。
【0028】
図7ではこれまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−4は編集画面、500−1はプレビューウインドウ、750はセリフ仕込みウインドウ、751はキャラクタメニュー、752はセリフ設定部、753はスライダー群、754はオプションメニュー群、755はセリフ設定部752の表示をスライドさせるスライダーである。
【0029】
CGキャラクタのセリフを設定する場合には、まず、図3のスタジオブロック202内にあるCGキャラクタのセリフ設定部分211において、1つのセルをマウスでダブルクリックすることによりセリフ仕込みウインドウ750をポップアップ表示する。この時、プレビューウインドウ500−1には、選択した(マウスでダブルクリックした)セルの動作の終了時(この例では、CGキャラクタがセリフを喋り終わった時)の映像が静止状態で表示される。
【0030】
図7において、セリフ仕込みウインドウ750でCGキャラクタのセリフを設定する場合において、キャラクタメニュー751は、セリフを話すキャラクタを設定する部分であり、マウスで設定することができる。例えば図7では、「BOB」という名前のCGキャラクタが設定されている。
【0031】
セリフ設定部752は、セリフの内容を設定する部分であり、セリフの中身は、例えば、キーボード入力により設定される。図7の例では、セリフの中身が「みなさん、こんにちは」と設定されている。
【0032】
スライダー群753は、セリフを喋る速さ、ボリューム(音量)、音質(例えば、男性の声とか女性の声、子供の声など)、イントネーションなどを設定する部分であり、マウスで設定する。オプションメニュー群754は、キャラクタが喋る最中に行う動作の設定、セリフの内容をプレビューウインドウ500に字幕で表示する等の設定を行う部分であり、マウスで設定する。
【0033】
このセリフ設定時において、オペレータは、プレビュー画面500上にCGキャラクタを大きく表示して、セリフに応じたCGキャラクタの口の動きを間近に見てセリフと口の動きが同期していることを確認したいときがある。このときも、オペレータはCGスタジオ1200内のカメラを操作して、CGキャラクタの間近にカメラを再設定する必要があった。
【0034】
更にまた、同様な不便さが、動作仕込みウインドウの中でCGキャラクタの歩き終わりの位置と方向を設定する場合にもあることを図8のGUI操作を例にして説明する。図8はCGキャラクタの動きを設定する場合の動作仕込みウインドウの表示例を示す図である。
【0035】
図8ではこれまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、850は動作仕込みウインドウ、851は動作対象メニュー、852は動作メニュー、853はキャラクタメニュー、854はオプションメニュー、855はテキストフィールド群である。
【0036】
図8に示すような動作仕込みウインドウ850でCGキャラクタの歩き終わりの位置と方向を設定する場合、動作対象メニュー851は、動作する対象を設定する部分であり、マウスで設定する。図8では、CGキャラクタが設定されている。その他に、例として、小道具の設定等がある。
【0037】
動作メニュー852は、CGキャラクタが行う動作を設定する部分であり、マウスで設定する。図8では、「歩く」が設定されているが、その他の例として、「おじぎ」、「震える」、「大口を開ける」等がある。
【0038】
キャラクタメニュー853は、動作をするCGキャラクタを設定する部分であり、マウスで設定する。図8では、「BOB」という名前のCGキャラクタが設定されている。
テキストフィールド群855は、歩き終わりの位置や体の向き等を設定する部分である。この座標系は、図5のスタジオセットアップ仕込みウインドウ400内のキャラクタ設定ボード401の各パラメータ402〜404と同様である。
【0039】
オプションメニュー854は、動作の程度等、例えば、「おじぎ」の動作であれば、深々とおじぎするか頭だけ軽く下げるか等の設定を行う部分であり、マウスで設定する。
この動作時において、オペレータは、プレビュー画面500−1の外までCGキャラクタを歩かせたいときがある。プレビュー画面500−1に表示されている画像が、例えばCGスタジオ1200内のカメラAcamで取得した画像だとすると、このときオペレータは、Acamとは別のカメラ視点をCGスタジオ1200内に設けて、CGキャラクタの歩き終わりの位置と方向を設定しなければならなかった。
【0040】
今、図8に示す画面上で、カメラAcamのカメラ視点から取得した映像がプレビューウインドウ500−1に表示されている状態で、その画像中のCGキャラクタAの動きを設定するための編集作業をしようとする状況を想定する。このときに、CGキャラクタAを動かす範囲が、カメラAcamにより取得できる番組の画像の撮影範囲の外となる場合には、撮影範囲内にCGキャラクタAが動く範囲が収まるような別のカメラBcamを設定する。そして、カメラBcamで取得した画像を見ながら、CGキャラクタAの動く範囲を動作仕込みウインドウ850上で設定する必要がある。
【0041】
そのためには、図8の画面でまず、動作仕込みウインドウ850を閉じる操作をする。次にスタジオセットアップ仕込みウインドウ400を立ち上げるために、図3のセットボタン410をマウス650でクリックする。スタジオセットアップ仕込みウインドウ400がポップアップ表示されると、図5の画面状態になる。プレビューウインドウ500にはカメラAcamで取得した画像が表示されている。さらに、設定モードをマウス650で「キャラクタ設定」から「カメラ設定」に切替える操作を行う。スタジオセットアップ仕込みウインドウ400がカメラ設定モードに変わると、図6の画面状態になる。この時点では、プレビューウインドウ500はカメラAcamで取得した画像を表示したままである。
【0042】
次に、カメラ設定ボード521内の任意のテキストフィールドをマウス650でクリックすると、カメラAcamから、別のカメラBcamに切り替わり、プレビューウインドウ500にはカメラBcamで取得した画像が表示される。
【0043】
次に、スタジオセットアップ仕込みウインドウ400を閉じる操作をすると、図3に示した画面内にプレビューウインドウ500が表示される状態になる。その後、動作仕込みウインドウ850を立ち上げる操作をして、図8の画面状態にして、プレビューウインドウ500−1のカメラBcamからの画像を見ながら、CGキャラクタAの動作についての設定値を入力する。
【0044】
以上のように、CGキャラクタの動作設定のためにカメラをAcamから、別のカメラBcamに切り替えるためには、数多くの操作ステップと画面の切り替えを経る必要があり、編集作業に時間を要し煩雑である。
【0045】
また、図8の画面でプレビューウインドウ500−1にカメラAcamからの画像が表示されているときに、動作仕込みウインドウ850を閉じてからカメラ仕込みウインドウ(図示しない。)を立ち上げて、そのウインドウ上でカメラAcamから別のカメラBcamに切替えるような別の方法もある。しかしこの別の方法も、上記の場合より以上に数多くの画面操作と画面切り替えをしてやっとカメラBcamの画像を表示しながら動作仕込みウインドウ850を立ち上げるようになるので、編集作業がもっと煩雑で不便である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0046】
前述の従来技術において、CGスタジオ内のオブジェクト(CGキャラクタやCG小道具)の配置やCGキャラクタの動作を確認するには、現在の編集画像のカメラ設定を変更し、確認用のカメラをCGスタジオ内に設定する必要があり、作業が煩雑になる欠点があった。
【0047】
本発明の目的は、上記のような欠点を除去し、テレビ番組の制作等の映像情報の編集作業の途中で、プレビュー表示中のカメラ視点の画像とは異なる、編集者が望む別の視点から見た画像を簡単な操作で即座に表示して、CGスタジオ内のオブジェクトの配置やCGキャラクタの動作確認等の作業を容易にして、番組制作あるいは映像情報の編集作業をより簡単に短時間で行うことのできる動画像編集方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0048】
上記の目的を達成するために、本発明の動画像編集方法は、CGスタジオ内のオブジェクトの配置やCGキャラクタの動作をプレビュー表示するための専用の視点を設けることによって、CGスタジオ内のオブジェクトの配置やCGキャラクタの動作確認等の作業がやり易い動画像編集方法を実現したものである。
【0049】
本発明によれば、カメラ視点の画像とユーザ視点の画像とが定義され、その視点に関するデータが設定される。カメラ視点は、従来のTVML編集と同じ編集中の映像情報の再生画像の視点、または、放送されるためにカメラが撮像する視点である。一方、ユーザ視点は、カメラ視点以外の編集用の視点である。カメラ視点とユーザ視点は画面上の操作で、簡単に交互に切り替えて表示できる。カメラ視点からユーザ視点に切り替えても、編集後に再生される画像は設定されているカメラ視点から見た画像である。
【0050】
また本発明によれば、CGスタジオの三次元座標上におけるカメラ視点とユーザ視点の座標のデータと方向のデータとが設定される。編集者は、ユーザ視点の設定データを変更することができる。また、ユーザ視点をCGスタジオ上のCGキャラクタの動作に合せて移動させることができる。ユーザ視点で取得した画像で編集作業をすると、それがカメラ視点で取得する画像に自動的に反映される。
【0051】
本発明による動画像編集方法は、ビデオ番組等の映像情報に関する画像データの情報を表示装置の画面に表示し、編集した番組の再生画像の視点であるカメラ視点と、カメラ視点以外の編集用の視点であるユーザ視点とを設定し、ユーザ視点から見た画像を表示装置で表示し、そのユーザ視点で取得した画像を参照しながらカメラ視点で取得する画像に関する設定データを操作して、カメラ視点から見た画像を編集する。
【0052】
本発明によるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータグラフィックスアニメーションを含む編集画像の表示であって、コンピュータ読み取り可能な符号化手段は、番組に関する画像データの情報を表示装置の画面上に表示させる手段と、番組の再生画像の視点であるカメラ視点と、カメラ視点以外の編集用のユーザ視点とに関するデータを記憶装置から読み出す手段と、ユーザ視点に関するデータに基づいて、ユーザ視点から見た画像を表示装置で表示する手段とを含む。
【0053】
即ち、本発明の動画像編集方法は、再生または放送されない画像を取得するための複数のユーザ視点をあらかじめ設定し、複数のユーザ視点のいずれかに切り替えて、切り替えたユーザ視点から見た編集中の動画像を参照し、参照した画像を確認しながら動画像編集を行う。
【0054】
そしてまた本発明の動画像編集方法は、ユーザ視点が画像中に存在するオブジェクトのそばに常に設定されて、オブジェクトの移動に応じてユーザ視点を移動する。
さらにまた、本発明の動画像編集方法は、ユーザ視点から見る画像を参照する射影方法を切り替える。
【0055】
さらにまた、本発明の動画像編集方法は、ユーザ視点が任意の位置と向きに調節が可能であり、ユーザ視点の位置と向きを調節するためのパラメータを可変するウインドウを表示し、ウインドウのパラメータを変更することによってユーザ視点を変更するものである。
【0056】
また、本発明の動画像編集方法は、仮想現実空間のスタジオ(以下、CGスタジオと称する)内で編集する動画像編集方法であって、再生または放送するための画像を取得するための視点として、CGスタジオ内の画像を取得するカメラ視点を設定し、編集中にオブジェクトの配置を確認する視点として、CGスタジオ内の画像を取得するユーザ視点を設定し、カメラ視点とユーザ視点の設定情報を記憶装置に格納し、記記憶装置から所望のカメラ視点とユーザ視点とを読み出し、読み出したユーザ視点によって編集中の画像を表示装置にプレビューし、プレビューされた画像を参照しながら、CGスタジオ内のオブジェクトの配置を操作して動画像の編集を行い、読み出したカメラ視点からの画像を再生または放送するための画像として編集するものである。
【0057】
さらにまた、本発明の動画像編集方法のユーザ視点は、選択されたオブジェクトの移動に応じて、CGスタジオ内の選択されたオブジェクトの指定の部分と相対関係を維持しながら移動する。
【0058】
また、本発明の動画像編集方法のユーザ視点はその他、動画像編集中に設定条件を変更することができる。
そしてまた、本発明の動画像編集方法は、ユーザ視点からCGスタジオを見た画像を、透視法射影表示とするか正射影表示するかを選択的に切り替える。
【0059】
また、本発明の動画像編集方法のユーザ視点を設定するデータは、CGスタジオをカメラが撮像するための位置と向きである。
【発明の効果】
【0060】
本発明によれば、CGスタジオ内にオブジェクトを配置する際に、CGスタジオ内に設定されたユーザ視点を用いて取得した画像を参照することで、オブジェクトの位置関係が容易に把握でき、オブジェクトの配置の作業を迅速に行うことができた。
【0061】
また本発明の第2の効果として、CGキャラクタの動作などを確認する際に、CGキャラクタの前方に常に設定されてあるユーザ視点を用いることによって、CGキャラクタの位置が移動している最中でもCGキャラクタの動作を間近で確認でき、番組編集作業を迅速に行うことができた。
【0062】
更にまた、本発明の第3の効果として、CGスタジオ内のオブジェクトの配置をより正確に把握したいとき、ユーザ視点の射影変換を正射影に変えることによって、奥行きに関係なく、オブジェクトの配置を正確に把握することができた。
【0063】
また本発明の第4の効果として、ユーザ視点の位置とアングルをオペレータ自身が容易に変更できることによって、オペレータ自身が確認したいオブジェクトだけをユーザ視点で見ることができた。
【0064】
また更に、本発明の第5の効果として、番組の全体プレビューをする際、カメラの視点ではなく、CGスタジオ全体から見渡すユーザ視点、もしくは個別のCGキャラクタに動作だけを見るユーザ視点を用いることによって、番組の進行状況が多角的にかつ迅速に把握できるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
以下本発明の一実施例を、図1によって説明する。図1は本発明の一実施例のテレビ番組編集方法を説明するための編集画面を示す図である。
図1では、これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−6は編集画面、600はプレビューウインドウ、601はプレビュー画面、602は視点のオプションメニュー(以下、視点メニューと称する)、603はユーザ視点の位置のオプションメニュー(以下、位置メニューと称する)、604は射影変換のオプションメニュー(以下、射影変換メニューと称する)、605ユーザ視点調整ボタン(以下、視点調整ボタンと称する)である。以下、このそれぞれの機能について説明する。
【0066】
まず、図1に示すような、CGスタジオ1200内のCGキャラクタの位置を設定する場合を例として、視点メニュー602、位置メニュー603を説明する。図1に表示されているスタジオセットアップ仕込みウインドウ400は、図5の場合と同様の方法でポップアップ表示したものである。プレビューウインドウ600内のプレビュー画面601には、図6のスタジオセットアップ仕込みウインドウ400のカメラ設定モードにおいて設定されたカメラから撮影した(取得した)CGスタジオ1200の画像が表示されている。プレビュー画面601に表示されている画像がテレビ番組として放送するためのカメラから撮影したものであることは、視点メニュー602が「カメラ視点」になっていることで示されている。
【0067】
図1の場合、CGスタジオのやや右側に配置されているカメラで取得した画像が、設定されたカメラ視点で取得した画像としてプレビュー画面601に表示されている。ここで例えば、オペレータが、CGキャラクタ606(名前はMARY)とCGキャラクタ607(名前はBOB)の配置をCGスタジオ1200の正面から見て調整したいという場合を考える。これは、CGスタジオのX方向のCGキャラクタの位置をより正確に把握しながら調整するために行う。
【0068】
この場合、オペレータはカメラの位置をCGスタジオの正面に変更してからCGキャラクタの配置を調整するのではなく、編集装置にあらかじめ設定されている別の視点を用いて調整を行う。このあらかじめ設定されている別の視点をユーザ視点と呼ぶ。
【0069】
このユーザ視点の位置の例を図12と図13に示す。図12はCGスタジオの上から見た、本発明のユーザ視点の配置の一実施例を示した図であり、図13はCGスタジオの正面から見た、本発明のユーザ視点の配置の一実施例を示した図である。これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、1200−1は上から見たCGスタジオ、1200−2は正面から見たCGスタジオ、1201〜1207はカメラで、それぞれCGスタジオ1200−1または1200−2に向って、カメラ1201は正面、カメラ1202は右の真横、カメラ1203は左の真横、カメラ1204は真上、カメラ1205は右斜め上に設定されており、カメラ1206はキャラクタ606の前、カメラ1206はキャラクタ607の前に設定されている。
【0070】
このユーザ視点の設定方法は、2通りある。それを図16と図17に示す。図16は、図12の正面のカメラ1201、右の真横のカメラ1202、左の真横のカメラ1203、真上のカメラ1204、右斜め上のカメラ1205の5つのユーザ視点についての設定方法を説明するフローチャートである。
【0071】
初めにステップ1600において、オペレータは編集装置を起動する。その結果、図3の編集画面201が図2のモニタ108上に表示される。
ステップ1601において、ユーザ視点(正面、右の真横、左の真横、真上、右斜め上)の位置に関する内部データがメモリ102より自動的に取得される。尚、この位置データは図18の座標系の値である。メモリ102にはあらかじめユーザ視点に関する位置データが格納されている。
【0072】
それを基にステップ1602において、ユーザ視点(カメラ1201〜1205)がCGスタジオ内の所定の位置に自動的に設定される。
図17は、図12のCGキャラクタの前に設置されたカメラ1206とカメラ1207のよる2つのユーザ視点についての設定方法を説明するフローチャートである。このユーザ視点は、CGキャラクタの動きに合せて移動する。
【0073】
初めにステップ1700において、オペレータは編集装置を起動する。その結果、図3の編集画面201が図2のモニタ108上に表示される。
次に、ステップ1701において、図5に示すセットアップボタン410をマウスでクリックし、スタジオセットアップ仕込みウインドウ400をポップアップ表示する。
【0074】
次に、ステップ1702において、キャラクタ追加ボタン412をマウスでクリックし、CGスタジオ内にCGキャラクタの追加を行う。CGキャラクタの追加とは、CGキャラクタをCGスタジオ内に設定(配置)することである。
【0075】
ステップ1703では、追加したCGキャラクタの位置と向きデータが自動的に取得される。CGキャラクタのデータは、図1のキャラクタ設定のスタジオセットアップ仕込みウインドウ400に設定されている。
【0076】
また、ステップ1704において、ユーザ視点(CGキャラクタの前)の位置に関する内部データが自動的にメモリ102より取得される。
図19は、この図17のフローチャートにおけるユーザ視点を設定するときの位置データについて説明する図である。これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、1900はCGキャラクタ607のX−Z平面の位置を(原点:X’=0、Y’=0、Z’=0)とする座標系の中心、1901は座標系の中心1900の位置を原点としたX軸1801と平行でCGキャラクタ607の正面方向と垂直なX’軸。1902は座標系の中心1900の位置を原点としたZ軸1802と平行でCGキャラクタ607の正面方向と平行なZ′軸、1904はCGキャラクタ607の座標系の中心1900の位置を原点としたY軸1804と平行な高さ方向の位置を決めるY’軸、1903は見る方向のパラメータの1つでY’軸1904を正とした右ネジ方向の角度、1910はCGキャラクタ607の座標系の中心1900からの距離、1905はZ’軸1902のマイナス方向を角度零としているY’軸1904を正とした右ネジ方向の角度を示すパン(pan)角、1906はZ’軸1902のマイナス方向を角度零としているX’軸1901を正とした左ネジ方向の角度を示すチルト(tilt)角、1907はY’軸1904のプラス方向を角度零としているZ’軸1902を正とした右ネジ方向の角度を示すロール(roll)角、1908は視野角である。
【0077】
以上のように、この位置データは図19に示すようなキャラクタ607の中心1900を原点とし、キャラクタ607の正面を円周方向の角度の零点した場合の円筒座標系である。
【0078】
図17の説明に戻る。ステップ1705では、ステップ1703で取得されたCGスタジオに対するCGキャラクタの位置に、ステップ1704で取得されたCGキャラクタに対するユーザ視点の位置データを加算処理して、最終的なユーザ視点の位置、即ち、CGスタジオ座標に対する位置を計算する。
【0079】
それを基に、ステップ1706において、ユーザ視点(この例では、カメラ1207から見た視点)がCGキャラクタ607の前方の所定の位置に自動的に設定される。この場合、CGキャラクタ607が移動すると、カメラ1207はCGキャラクタ607との相対関係を維持しながら移動する。
【0080】
ユーザ視点を用いてCGキャラクタの配置を調整する場合、CGスタジオを見る視点をカメラの視点からユーザ視点に切り替える必要がある。その操作方法の一例を図1〜図12及び図20を用いて説明する。ここで、図9〜図11はユーザ視点の画面表示の一実施例を示した図である。図9と図10に表示されているスタジオセットアップ仕込みウインドウ400は、図5の場合と同様の方法で、ポップアップ表示したものである。また図20はプレビュー画面をカメラ視点からユーザ視点に切替える動作の一実施例を説明するためのフローチャートである。
【0081】
図9と図10では、これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−7と201−8は編集画面、600−1はプレビューウインドウ、701はプレビュー画面、702と802は視点メニュー、803は位置メニュー、804は射影変換メニュー、805は視点メニュー802中に表示されたユーザ視点メニュー、830はプレビューウインドウ、831はプレビュー画面、820はユーザ視点調整ウインドウ、821はユーザ視点位置表示欄、822はX座標テキストフィールド、824はY座標テキストフィールド、823はZ座標テキストフィールド、825はパン角度テキストフィールド、826はチルト角度テキストフィールド、827はロール角度テキストフィールド、828は視野角テキストフィールド、829は調整されたユーザ視点の位置とアングルを保存してあった値に戻すデフォルトボタン、840はユーザ視点調整ウインドウ820を閉じるボタンである。なお、図10で表示されているサブウインドウ803,804,805,820は、説明のために同一画面上に表示したが、実際には、全部同時に表示されることはない。
【0082】
まず図20のステップ2000において、オペレータはマウスを用いて、図1の視点メニュー602を選択し、「カメラ視点」から「ユーザ視点」に切替える。メニュー切替えの具体的な動作を説明すると、まず、マウスで視点メニュー602をクリックすると、視点のメニューが図10の視点メニュー802のような状態になる。この内、ユーザ視点805の方を選択すると、図9の視点メニュー702のように表示される。
【0083】
ステップ2000の次に、ステップ2001において、現在選択されているユーザ視点の位置の内部データを取得する。図9の場合、現在選択されているユーザ視点は、位置メニュー603で明示されているように、正面のユーザ視点(図12のカメラ1201からの視点)である。
【0084】
そして、次のステップ2002において、図9のプレビュー画面701のように、正面からのユーザ視点に切り替える。
この結果、オペレータはプレビュー画面701に表示されたユーザ視点で取得した画像を用いてCGキャラクタ606と607の位置をより正確に調節することができる。
【0085】
尚、ユーザ視点からカメラ視点に戻したいときは、視点メニュー602を「カメラ視点」に切り替えれば、図1に示すようなカメラ視点で取得したプレビュー画面に切り替わる。
【0086】
また、このユーザ視点の位置は、前述の通り正面だけでなく、CGスタジオ内の複数の位置に設定されている。正面とは別のユーザ視点からCGスタジオ内を見たい場合、オペレータは位置メニュー603をマウスで切り替えれば良い。例としてユーザ視点を正面から真上に切り替える場合を考える。これは、横(X)方向及び奥行(Z)方向のCGキャラクタの位置をより正確に把握したり、調整するため等に行う。その操作方法の一例を図1、図10、図13、図20〜図22を用いて説明する。図22はCGスタジオを真上から見たユーザ視点の場合のプレビューウインドウの一例を示す図であり、図21はカメラ視点からユーザ視点に切り替える動作の一実施例を説明するためのフローチャートである。
【0087】
図22では、これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−9は編集画面、600−4はプレビューウインドウ、2201はプレビュー画面、2203は位置メニューである。
【0088】
図22に表示されているスタジオセットアップ仕込みウインドウ400は、図5の場合と同様の方法でポップアップ表示したものである。
まず、オペレータは、図21のステップ2100において、図1の位置メニュー603を選択し、「正面」から「真上」に切り替える。メニュー切り替えの具体的な動作を説明すると、まず、マウスで位置メニュー603をクリックすると、位置メニューが図10の位置メニュー803のような状態になる。このうち、真上840の方を選択すると、図22に示すように位置メニュー2203が表示される。
【0089】
ステップ2100の次にステップ2101では、選択された真上のユーザ視点(図13のカメラ1204の視点)の位置の内部データを取得する。
そして次に、ステップ2102では、図22のプレビュー画面2201のように、真上からのユーザ視点に切り替える。
【0090】
この結果、オペレータはプレビュー画面2201に表示されたユーザ視点で取得した画像を用いてCGキャラクタ606と607の位置を正確に調節することができる。
ユーザ視点が正面(カメラ1201の視点)、右の真横(カメラ1202の視点)、左の真横(カメラ1203の視点)、真上(カメラ1204の視点)に設定してあると、位置メニュー603を切り替えさえすればCGスタジオの3面図の内の1面が得られ、CGスタジオ内のCGキャラクタなどの配置をより正確に把握できる。また、もしCGキャラクタがCGスタジオ内のカメラの視野から外れたとしても、CGキャラクタの位置はユーザ視点で見ることができる。
【0091】
更に、ユーザ視点が右斜め前(カメラ1205の視点)に設定してあると、CGスタジオ内のCGキャラクタなどの配置を立体的に把握し易くなる。
以上述べたように、このようなユーザ視点を用いることにより、CGスタジオ内全体を多角的に見ることができる。
【0092】
テレビ番組編集作業においては、画像のもっと細かいところをみたいということもある。例えば、CGキャラクタの動作をCGキャラクタの間近で確認したいという場合がこれに相当する。このために、CGキャラクタに付随したユーザ視点(カメラ1206の視点と1207の視点)が設定されている。この実施例を図14と図11とによって説明する。
【0093】
図14は、本発明のセリフ仕込みウインドウを使ってCGキャラクタのセリフを設定するために、ユーザ視点を設定する方法の一実施例を説明する画面である。また、図11はCGキャラクタのセリフを設定するためのユーザ視点調整ウインドウの別の実施例を表示した図である。図14では、これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−10は編集画面、600−2はプレビューウインドウ、1401はプレビュー画面、1403は位置メニューである。また図11では、その他、820’はユーザ視点調整ウインドウ、821’はユーザ視点位置表示欄、822’はX座標テキストフィールド、824’はY座標テキストフィールド、823’はZ座標テキストフィールド、825’はパン角度テキストフィールド、826’はチルト角度テキストフィールド、827’はロール角度テキストフィールド、828’は視野角テキストフィールド、829’は調整されたユーザ視点の位置とアングルを保存してあった値に戻すデフォルトボタン、840’はユーザ視点調整ウインドウ820’を閉じるボタンである。
【0094】
図14に示すようなセリフ仕込みウインドウ750でCGキャラクタ607(BOB)のセリフを設定する場合、オペレータは、CGキャラクタ607が喋るセリフに応じてCGキャラクタ607の口や唇の動きを間近で確認する必要を感じる。このときオペレータは、図20と図21の処理を行い、図14に示すように、マウスを用いて視点メニュー702を「ユーザ視点」にし、次に位置メニュー1403を「BOBの前」に設定する。このような操作をすると、ユーザ視点が図12のカメラ1207の位置に切り替わる。尚、図14に表示されているセリフ仕込みウインドウ750は、図7の場合と同様の方法でポップアップ表示したものである。その結果としてプレビュー画面1401には、ユーザ視点(カメラ1207の視点)から見たCGキャラクタ607が表示される。このユーザ視点で取得した画像によってオペレータは、セリフに応じたCGキャラクタ607の口の動きを間近で確認できる。
【0095】
また別の実施例を図15に示す。図15にはCGキャラクタにさせる動作の例として「おじぎ」を挙げた。図15は、本発明の動作仕込みウインドウを使ってCGキャラクタの動作を設定するために、ユーザ視点を設定する方法の一実施例を説明する画面である。図15ではこれまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。その他、201−11は編集画面、600−3はプレビューウインドウ、1501はプレビュー画面、1503は位置メニュー、1551は動作対象メニュー、1552は動作メニュー、1553はキャラクタメニュー、1555はオプションメニュー群である。
【0096】
図15に示すような動作仕込みウインドウ851でCGキャラクタ606(MARY)の動作を設定する場合、オペレータは、図20と図21の処理を行い、CGキャラクタ606の動作を間近で確認したいときがある。尚、図15に表示されている動作仕込みウインドウ850は、図7の場合と同様の方法でポップアップ表示したものである。ただし、動作の内容が図7と異なっている。
【0097】
動作メニュー1552には、「おじぎ」が設定されている。また、キャラクタメニュー1553には、「MARY」というCGキャラクタが設定されている。スライダー群1554は、動作の速さ等を設定する部分であり、マウスで設定することができる。オプションメニュー群1555は、動作の程度等(例えば、「おじぎ」という動作であれば、深々とお辞儀するか、頭だけ軽く下げるか等)を設定する部分であり、マウスで設定する。)このときオペレータは、図15に示すように、マウスを用いて視点メニュー702を「ユーザ視点」にし、次に位置メニュー1503を「MARYの前」にする。このような操作をすると、ユーザ視点が図12のカメラ1206の位置に切り替わる。結果としてプレビュー画面1501には、ユーザ視点(カメラ1206)から見たCGキャラクタ606が表示される。このユーザ視点で取得した画像によってオペレータは、CGキャラクタ606の「おじぎ」の動きを間近で確認することができる。
【0098】
尚、このユーザ視点(カメラ1206の視点とカメラ1207の視点)は、CGキャラクタ606が移動するとそれと一緒に移動して、常にCGキャラクタ606の前にあるような位置と方向に維持されている。そのため、もしCGキャラクタ606がCGスタジオ内を歩いた後に、もう一度セリフを喋る口の動きや、おじぎの動作を確認したくなっても、視点メニュー702と位置メニュー1503を切り替えさえすれば、CGキャラクタの前方の画像がプレビュー画面1501に表示されるのである。
【0099】
次に図1の射影変換メニュー604について説明する。CGスタジオ内のオブジェクトの配置を奥行きに関係なく、より正確に設定するため、ユーザ視点の射影変換を透視法射影から正射影に切り替えることができる。
【0100】
射影変換が透視法射影の場合、CGスタジオ内のオブジェクトの見かけの配置と大きさは、奥行き方向(Z方向)の位置によって変化する。具体的には、奥の方にあるオブジェクト程、配置が消失点に向かってずれ、大きさが小さくなる。逆に射影変換が正射影の場合は、オブジェクトの見かげの配置と大きさは、奥行き方向に関係なく一定である。
【0101】
例えば、複数のCGキャラクタを奥行き方向に一列に整列したい場合、射影変換が透視法射影であると、個々のCGキャラクタの見かけの配置と大きさは奥行き方向に変化するため、一列に整列しているか確認しにくい。逆に正射影の場合は、個々のCGキャラクタの配置と大きさは奥行きに関係なく一定であるため、一列に整列しているか正確に確認でき、設定も容易になる。
【0102】
射影変換の切り替えを操作するためのGUIが射影変換メニュー604である。射影変換を正射影に切り替えるには、射影変換メニュー604で正射影を選択することで実行できる。射影変換メニューには図10の射影変換メニュー804に示すように「射影法射影」と「正射影」の2項目がある。
【0103】
次に図1の視点調整ボタン605について説明する。CGスタジオ内でのユーザ視点の位置の例は、図12と12に示してある。但し、オペレータが確認をしたいCGスタジオ内のオブジェクトが、ユーザ視点の視野外にあるという場合、またはオペレータが確認をしたいオブジェクトが、画像中に含まれる数あるオブジェクトの内の一部分だけという場合がある。更にまた、ユーザ視点とオペレータが確認したいオブジェクトの間に遮蔽物になるオブジェクトがあることもある。このような場合、オペレータ自身がユーザ視点の位置、及びアングルを調整して見たいオブジェクトを表示できるよう設定すれば、ユーザ視点の使い勝手は更に向上する。
【0104】
ユーザ視点の位置やアングルをオペレータが調整したい場合には、ユーザ視点調整ウインドウにてその調整を行う。ユーザ視点調整ウインドウの例を、図9と図15を用いて説明する。
【0105】
図9の場合は、図12の正面ユーザ視点(カメラ1201の視点)が選択されている。このユーザ視点を調整する場合、視点調整ボタン605をマウスでクリックすると、ユーザ視点調整ウインドウ820(図10)がポップアップ表示される。
【0106】
以下、ユーザ視点調整用ウインドウ820について説明する。ユーザ視点位置表示欄821には位置メニュー603で選択されたユーザ視点の位置が明示されている。また、X座標テキストフィールド822、Z座標テキストフィールド823、Y座標テキストフィールド824、パン角テキストフィールド825、チルト角テキストフィールド826、ロール角テキストフィールド827、視野角テキストフィールド828の値を変化させることによって、ユーザ視点の位置とアングルと視野角が設定する。
【0107】
これらの値は、図18に示す座標系の値を表している。その関係を述べると、X座標テキストフィールド822の値はX軸1801の値である。Z座標テキストフィールド823の値はZ軸1802の値である。Y座標テキストフィールド824の値はY軸1804の値である。これら3つの座標の単位は、例えば、メートルである。また、パン角テキストフィールド825の値はパン角1805の値である。チルト角テキストフィールド826の値はチルト角1806の値である。ロール角テキストフィールド827の値はロール角1807の値である。視野角テキストフィールド828の値は視野角1808の値である。これらの角度の単位は、例えば、メートルである。
【0108】
また、調整されたユーザ視点の位置、アングル、視野角は、デフォルトボタン829をマウスでクリックすることで初期状態に戻る。
また、ユーザ視点1206、1207などが選択されている場合、ユーザ視点調整ウインドウは図11に示すユーザ視点調整ウインドウ820’のようになる。このウインドウで設定されるパラメータの値は、図19に示す座標系の値を表している。その関係を述べると、見る方向テキストフィールド822’はY’軸1904を正とした右ネジ方向の角度1903の値、距離テキストフィールド823’はCGキャラクタ607の中心からの距離1910の値、見る高さテキストフィールド824’はY’軸方向の距離1909の値、見るパン角方向テキストフィールド825’はパン角1905の値、見るチルト角テキストフィールド826’はチルト角1906の値、見るロール角テキストフィールド827’はロール角1907の値、見る視野角テキストフィールド828’は視野角1908の値である。
【0109】
また、閉じるボタン840’をマウスでクリックすると、ユーザ視点の位置、アングル、視野角の調整した値が内部データに保存され、ユーザ視点調整ウインドウ820’が閉じる。
【0110】
また、図4に示すプレビューコントローラ301にて作成した、テレビ番組の初めから終りまでをプレビューする際、従来は、CGスタジオ内のカメラ視点が撮影した画像が表示されていたが、今回、ユーザ視点から見たテレビ番組をプレビューできるようにした。
【0111】
ユーザ視点からプレビューをする場合の処理の例を、図23と図24を用いて説明する。図23は本発明のプレビューウインドウの一実施例の示す図である。また、図24は本発明のプレビューウインドウの一実施例の動作を説明するフローチャートである。図23では、これまで説明した構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付した。
【0112】
初めに、ステップ2400において、オペレータはプレビューコントローラウインドウ301を図23のようにポップアップ表示させる。尚、この操作については、図4で説明したので説明を省略する。
【0113】
次に、ステップ2401において、視点をカメラ視点からユーザ視点に切り替える。図23の場合は、視点メニュー702がユーザ視点に、位置メニュー603が正面に切り替えられている。
【0114】
次にステップ2402において、プレビューコントローラウインドウ301の再生ボタンをマウスでクリックする。
それを受けて、ステップ2403において、番組のプレビューが開始される。そしてステップ2404において、番組の中の1つのイベントが読み込まれる。
【0115】
次にステップ2405において、ステップ2404で読み込まれたイベントがCGスタジオ内のカメラに関するイベントであるかどうかを判別する。そのイベントがカメラに関するイベントでない場合には、ステップ2406の処理を行い、そうでない場合は何も処理せずに次のステップ2407に進む。
【0116】
ステップ2407では、そのイベントを生成し、プレビュー画面2301に生成されたイベントを表示する。
そして、ステップ2407において、番組のイベントが終了したかを判別する。イベントが終了していない場合は、ステップ2404に戻り、次のイベントを読込む。イベントが終了した場合は、ステップ2408に進み、番組のプレビューが終了する。
【0117】
即ち、ステップ2404からステップ2407の間に、ステップ2405の条件分岐を入れることによって、CGスタジオ内のカメラに関するイベントのみはプレビューされないため、常にユーザ視点から見た画像が、プレビュー画面2301に表示されるのである。
【0118】
これによって、CGスタジオ内での番組の進行状況を、実際に再生や放送するためのカメラ映像を変更しないで、CGスタジオ全体に渡って見ることができたり、個別のCGキャラクタ前方の視点から目の前のCGキャラクタだけを見ることができるので、番組の進行状況が多角的にかつ迅速に把握できるようになる。
【0119】
上記の実施例では、CGキャラクタとして、人間を模して説明したが、人間に限らず、生物、植物、そのほか、現実的または仮想的に係わらず、画像として表示できるすべてのものについて本発明が適用できることはいうまでもない。
【0120】
更に上記の実施例では、CGスタジオ内に設置したカメラの位置は予め定められた所定の位置であるが、それ以外の場所でも良く、更に、編集の途中で、変更や追加できることはいうまでもない。更に、設定できる投影法や各パラメータも状況に応じて自由であることは自明である。
【0121】
上記の実施例では更にまた、テレビ番組の制作及び編集するテレビ番組編集装置について説明したが、テレビ番組に限らず、例えば、教育ビデオやデモンストレーションビデオ、会議用資料などの動画像編集装置等、映像情報を制作及び編集するためのあらゆる装置に適用できることは自明であり、また、実際のテレビスタジオを模したCGスタジオだけでなく、ヴァーチャルリアリティ(仮想現実空間)に相当するあらゆる画像(シーン)について、更に現実に撮影した画像(シーン)とヴァーチャルリアリティとの組み合わせた空間についても適用できることはいうまでもない。
【0122】
本発明の編集方法を実施する装置は、汎用のコンピュータで実現できる。本発明の編集方法を実施するシステムは、編集方法のプログラムに従って動作するCPUと、一時的に格納するためのRAMと、外部との信号のやり取りを制御する入出力インターフェースと、それらを結合するバスとを含む。
【0123】
また、本発明による編集方法のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納され、コンピュータの記憶装置にダウンロードして使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の編集画面の一実施例を示す図。
【図2】テレビ番組編集システムを構成するブロック図。
【図3】従来のテレビ番組編集装置の基本的な編集画面を示す図。
【図4】テレビ番組編集装置のプレビューウインドウを示す図。
【図5】スタジオセットアップ仕込みウインドウを示す図。
【図6】スタジオセットアップ仕込みウインドウを示す図。
【図7】セリフ仕込みウインドウを示す図。
【図8】動作仕込みウインドウを示す図。
【図9】本発明の編集画面の一実施例を示した図。
【図10】本発明の編集画面の一実施例を示した図。
【図11】本発明の編集画面の一実施例を示した図。
【図12】本発明のユーザ視点の配置の一実施例を示した図。
【図13】本発明のユーザ視点の配置の一実施例を示した図。
【図14】本発明のユーザ視点の設定方法の一実施例を説明するフローチャート。
【図15】本発明のユーザ視点の設定方法の一実施例を説明するフローチャート。
【図16】本発明のユーザ視点の設定方法の一実施例を説明するフローチャート。
【図17】本発明のユーザ視点の設定方法の一実施例を説明するフローチャート。
【図18】CGスタジオ内の座標系の一例を説明するための図。
【図19】本発明のユーザ視点の位置データの設定方法の一実施例を説明する図。
【図20】本発明のカメラ視点からユーザ視点に切り替える動作の一実施例を説明するためのフローチャート。
【図21】本発明のカメラ視点からユーザ視点に切替える動作の一実施例を説明するためのフローチャート。
【図22】CGスタジオを真上から見たユーザ視点の場合のプレビューウインドウの一例を示す図。
【図23】本発明のプレビューウインドウの一実施例を表示した図。
【図24】本発明のプレビューウインドウの一実施例の動作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0125】
101:CPU、 102:メモリ、 103:CGアニメーション生成部、104:音声合成装置、 105:シーケンサ部、 106:磁気記憶装置、107:動画像生成部、 108:モニタ、 109:入力装置、 110:バス、 201,201−1,201−2,201−3,201−4,201−5,201−6,201−7,201−8,201−9,201−10,201−11:編集画面、 202,202’:スタジオブロック、 203,203’:ムービーブロック、 204:タイトルブロック、 205:スーパーブロック、 206:サウンドブロック、 207:ナレーションブロック、 208:各種設定ブロック、 209:イベントマーク、 210:セリフ設定部分、 211:動き設定部分、 212:カメラワーク設定部分、 213,214:スライダー、 215:スタートブロック、 216:エンドブロック、220:イベントプルダウンメニュー、 301:プレビューコントローラウインドウ、 302:プレイボタン、 400,400−1:スタジオセットアップ仕込みウインドウ、 401:CGキャラクタ設定ボード、 402:X座標テキストフィールド、 403:Z座標テキストフィールド、 404:向き設定フィールド、 410:セットボタン、 411:設定ボード欄、 412:追加ボタン、 413:設定モードオプションメニュー、 414:スライダー、 421:CGキャラクタ設定ボード、 500,500−1:プレビューウインドウ、 501:カメラ設定ボード、 502:X座標テキストフィールド、 503:Z座標テキストフィールド、 504:Y座標テキストフィールド、 505:パン角テキストフィールド、 506:チルト角テキストフィールド、 507:ロール角テキストフィールド、 508:視野角テキストフィールド、 511:カメラ設定ボード欄、 512:追加ボタン、 513:設定モードオプションメニュー、 514:スライダー、 521:カメラ設定ボード、 600,600−1,600−2,600−3,600−4:プレビューウインドウ、 601:プレビュー画面、 602:視点メニュー、 603:位置メニュー、 604:射影変換メニュー、 605:視点調整ボタン、 606,607:CGキャラクタ、 650:ポインター、 701:プレビュー画面、 702:視点メニュー、 750:セリフ仕込みウインドウ、 751:キャラクタメニュー、 752:セリフ設定部、 753:スライダー群、754:オプションメニュー群、 755:スライダー、 802:視点メニュー、 803:位置メニュー、 804:射影変換メニュー、 805:ユーザ視点メニュー、 830:プレビューウインドウ、 831:プレビュー画面、820:ユーザ視点調整ウインドウ、 821:ユーザ視点位置表示欄、 822:X座標テキストフィールド、 824:Y座標テキストフィールド、 823:Z座標テキストフィールド、 825:パン角度テキストフィールド、826:チルト角度テキストフィールド、 827:ロール角度テキストフィールド、 828:視野角テキストフィールド、 829:デフォルトボタン、850:動作仕込みウインドウ、 851:動作対象メニュー、 852:動作メニュー、 853:キャラクタメニュー、 854:オプションメニュー、855:テキストフィールド群、 1200,1200−1,1200−2:CGスタジオ、 1201〜1207:カメラ、 1401:プレビュー画面、1403:位置メニュー、 1501:プレビュー画面、 1503:位置メニュー、 1550:動作仕込みウインドウ、 1551:動作対象メニュー、1552:動作メニュー、 1553:キャラクタメニュー、 1555:オプションメニュー、 1800:CGスタジオの中心(原点)、 1801:X軸、 1802:Z軸、 1804:Y軸、 1805:Y軸回転方向、 1803:Z軸回転方向の角度、 1806:X軸回転方向、 1807:Z軸回転方向、 1808:視野角、 1900:CGキャラクタ607の中心、 1901:X’軸、 1902:Z’軸、 1904:Y’軸、 1903:右ネジ方向の角度、 1910:CGキャラクタ607の中心からの距離、 1905:パン角、 1906:チルト角、 1907:ロール角、 2201:プレビュー画面、 2203:位置メニュー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータグラフィックスアニメーションを含む画像を仮想現実空間のスタジオ内で編集する動画像編集方法であって、
再生または放送するための画像を取得するための視点として、前記CGスタジオ内の画像を取得するカメラ視点を設定し、
編集中にオブジェクトの配置を確認するために使用する視点としてユーザ視点を設定し、
前記カメラ視点とユーザ視点の設定情報を記憶装置に格納し、
前記記憶装置から所望のカメラ視点とユーザ視点とを読み出し、
前記読み出したユーザ視点によって編集中の画像を表示装置に表示し、
前記表示されたユーザ視点でテレビ番組の初めから終わりまでをプレビューできることを特徴とする動画像編集方法。
【請求項1】
コンピュータグラフィックスアニメーションを含む画像を仮想現実空間のスタジオ内で編集する動画像編集方法であって、
再生または放送するための画像を取得するための視点として、前記CGスタジオ内の画像を取得するカメラ視点を設定し、
編集中にオブジェクトの配置を確認するために使用する視点としてユーザ視点を設定し、
前記カメラ視点とユーザ視点の設定情報を記憶装置に格納し、
前記記憶装置から所望のカメラ視点とユーザ視点とを読み出し、
前記読み出したユーザ視点によって編集中の画像を表示装置に表示し、
前記表示されたユーザ視点でテレビ番組の初めから終わりまでをプレビューできることを特徴とする動画像編集方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
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【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2006−73026(P2006−73026A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−285014(P2005−285014)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【分割の表示】特願2000−355034(P2000−355034)の分割
【原出願日】平成12年10月16日(2000.10.16)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【分割の表示】特願2000−355034(P2000−355034)の分割
【原出願日】平成12年10月16日(2000.10.16)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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