説明

動画内蔵プログラム

【課題】視聴者が多い動画コンテンツに宣伝映像や宣伝情報を組み込み、動画コンテンツの視聴と同時に宣伝映像や宣伝情報を視聴させることができる動画内蔵プログラムを提供すること。
【解決手段】
動画を内蔵したプログラムであって、インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって再生可能な動画、音楽等のコンテンツ情報と、前記インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって実行可能なアプリケーションプログラムを有し、前記アプリケーションプログラムは、当該アプリケーションプログラムに含まれる機能の一部を前記コンテンツ情報が実行された日付に基づいて実行又は制限する時限情報を有していること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、動画内蔵プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
動画の作成を行うプログラムソフトとしてアドビ社の「フラッシュ」(登録商標)が知られている。フラッシュによって作成された動画は、フラッシュプレイヤと呼ばれるソフトで再生される。最近では、多くの方が動画を作成するようになっており、作成された多くの動画がインターネットを通じて配信されている。一般的に、個人が作った動画はインターネット情報提供者が運営するサーバーにアップロードされ、他の視聴者が自由に閲覧できるようになっている。その他、映像配信に関して特許文献1記載の映像情報配信システムが知られている。
【特許文献1】特開2004−297743号公報
【0003】
テレビの場合、企業は、商品や企業の宣伝映像を作成しコマーシャルとして放映しており、最近ではインターネット上でも動画ファイルを公開し宣伝映像を閲覧させている。しかし、テレビの場合には、番組の合間にコマーシャルが入るので、視聴者に宣伝映像を見せることができるが、インターネット上で公開される宣伝映像を好んで見るものは少なく、無視されることが多い。したがって、宣伝映像を一般視聴者に見てもらうには、ユーザーが興味を持つコンテンツや映像に付属させて、違和感なく見てもらうのが良い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明は、上記観点から発明されたものであり、視聴者が多い動画コンテンツに宣伝映像や宣伝情報を組み込み、動画コンテンツの視聴と同時に宣伝映像や宣伝情報を視聴させることができる動画内蔵プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は下記の構成を有する。
インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって再生可能な動画、音楽等のコンテンツ情報と、前記インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって実行可能なアプリケーションプログラムを有し、
前記アプリケーションプログラムは、当該アプリケーションプログラムに含まれる機能の一部を前記コンテンツ情報が実行された日付に基づいて実行又は制限する時限情報を有していることを特徴とする動画内蔵プログラム。
【0006】
また、請求項2記載の発明は下記の構成を有する。
前記アプリケーションプログラムには、他のサーバーに用意されたホームページに接続するリンク情報が含まれていることを特徴とする請求項1記載の動画内蔵プログラム。
【0007】
また、請求項3記載の発明は下記の構成を有する。
前記アプリケーションプログラムには、前記
インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって表示される画像上に、マウス、トラックボール等のポインティング手段によって操作可能なボタン表示を行うプログラムが含まれていることを特徴とする請求項1記載の動画内蔵プログラム。
【0008】
また、請求項4記載の発明は下記の構成を有する。
インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって再生可能な動画、音楽等のコンテンツ情報と、前記インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって実行可能なアプリケーションプログラムを有し、
前記アプリケーションプログラムは、マウスやキーボード等の操作入力手段によって操作される可視又は不可視のスイッチ領域を前記動画が再生される画面上に設定し、動画の再生中または再生終了後の当該スイッチ領域の操作に応じて、
当該アプリケーションプログラムに記憶されているURLアドレスのホームページの表示、当該アプリケーションプログラムに含まれている他の動画や画像の再生を行うようになっていることを特徴とする動画内蔵プログラム。
【0009】
また、請求項5記載の発明は下記の構成を有する。
インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって再生可能な動画、音楽等のコンテンツ情報と、前記インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって実行可能なアプリケーションプログラムを有し、
前記アプリケーションプログラムは、動画の再生終了後にインターネット閲覧用ソフトウエアプログラムを起動して、当該アプリケーションプログラム内に記憶されているURLアドレスのホームページを表示するようになっていることを特徴とする動画内蔵プログラム。
【発明の効果】
【0010】
本願発明は、インターネット上で公開されるアニメーション等の動画コンテンツに関するものであり、アニメーションやCG、実写による動画などの動画データに、当該動画データの再生制御に関する情報を含めたものである。このような制御情報を有する動画データを使用することにより、ある一定の条件を満たさなくなると動画の視聴ができなくなる、ある一定の条件を満たすと動画の視聴が可能になる、あるいは複数内蔵している動画コンテンツを条件に応じて選択的に再生する等の制御が可能となっている。
当該動画内蔵プログラムを用いることで、例えばテレビ番組に付属してオンエアされるコマーシャル映像のように、視聴者が求める動画コンテンツにスポンサーとなる企業のコマーシャル映像を付属させ、一定期間経過すると企業のコマーシャル映像の再生を不可とし、あるいは動画コンテンツそのものの再生を制限する等の制御が可能となる。動画内蔵プログラムは、一旦インターネット上に掲載されると、複製されながら色々なサーバーに蓄積され、世界に広がる。したがって、一旦インターネット上にアップロードしたものを完全に消すことは難しく、古いコンテンツがそのまま残ることになる。しかし、動画コンテンツとともに企業の古いCMが何時までも視聴可能な状態となるのは好ましくない。本願発明は、このような場合を想定し、一定期間の経過あるいはサーバー接続による認証の手段等をもって動画の再生をコントロールすることができるという効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本願発明の実施に適したインターネット1の概略図である。インターネット1には、後述する動画内蔵プログラムPの発信元であるコンピュータ端末2と、多数の動画内蔵プログラムを蓄積して配信可能に形成されたコンテンツサーバー3、企業が自社の公告や企業情報を発信する企業コンピュータ(以下「企業端末」という)4(4a、4b・・)、前記コンテンツサーバー3が配信する動画内蔵プログラムを視聴する不特定の者が所有するコンピュータ端末(以下「視聴者端末」という)5(5a、5b、5c・・・)が接続されている。
コンピュータ端末2は、動画内蔵プログラムPをインターネット1を介してコンテンツ
サーバー3に蓄積する。コンテンツサーバー3は、不特定の視聴者端末5からの要求に応じて、蓄積した動画内蔵プログラムPを視聴者端末5に配信する。動画内蔵プログラムPが、企業端末4に対する接続情報(例えばURLアドレス)を有している場合には、視聴者端末5をインターネット閲覧用ソフトウエアプログラム(所謂ブラウザソフト)を用いて企業端末4に接続し、企業端末4が有している各種情報を掲載したホームページの閲覧、情報のダウンロードをさせることができるようになっている。
【0012】
動画内蔵プログラムPについて説明する。図2は、動画内蔵プログラムPの概念を表した説明図である。動画内蔵プログラムPは、インターネット上の通信によって電送可能な形式のコンテンツファイルであり、専用の再生ソフト、インターネット閲覧用のブラウザソフト、ブラウザソフトにアドインされる各種アプリケーションソフト等による、再生・視聴可能なコンテンツを情報として含んだものである。
なお、動画内蔵プログラムPには、動画ファイルの他に動画再生を制御する制御情報が含まれており、当該制御情報を実行可能な動画再生ソフトやブラウザソフト等では、前記制御情報に基づき動画の再生とホームページ表示等の所定の動作を行うようになっている。
【0013】
動画内蔵プログラムPは、主として動画本編を記録した動画データ、当該動画データとは異なる他の動画データ、静止画データ、およびこれら各データを制御するプログラムを一体化した状態でコンパイルした一つのデータファイルとして形成されている。前述したフラッシュを用いる場合には、フラッシュドキュメントという形式で提供されるファイルである。
動画本編を記録した動画データとは例えば1分〜5分程度のアニメーション動画6であり、他の動画データとは例えば10秒〜1分程度の商品や企業のコマーシャル動画7である。また、静止画データ8とは例えば動画再生後に固定的な映像として画像表示する動画提供のスポンサー名や、スポンサー企業のコマーシャル画像である。
図2(a)は、1個の動画内蔵プログラムPの概念を表しており、一例としてアニメーション動画6、コマーシャル動画7が時間t1、t2の経過に応じて順次再生するように形成されたものであり、最後に静止画データ8を表示して動画内蔵プログラムPの実行を終了するというものである。
動画内蔵プログラムPは、アニメーション動画6、コマーシャル動画7、静止画データ8を時間軸で連結し、さらに制御情報9を有したファイルである。図2(b)は、当該動画内蔵プログラムPに含まれる個々のコンテンツを分解して示した概念図である。
【0014】
前述したように動画内蔵プログラムPには、動画ファイルの他に動画再生を制御するプログラムが制御情報9として含まれている。制御情報9は、前述した通り再生ソフトによって実行可能な状態にコンパイルされたプログラムであり、当該再生ソフトを制御して動画再生、インターネットを介した通信、日付等のコンピュータ本体が有する情報の取得等の制御を行うものである。
当然ながら、制御情報9による上記制御は、コンピュータ本体が備えるCPU、メモリ、ハードディスク、ディスプレイ、通信インターフェイス、その他ハードウエア資源として搭載されている各種デバイスを動作させることにより行われる。
【0015】
制御情報9が備える主な機能を具体的に説明する。
第1に、動画内蔵プログラムP実行時の日時を取得する機能である。日時の取得には2通りの方法があるが、その一つは動画内蔵プログラムPが実行されるコンピュータが有するクロック情報を取得するものである。コンピュータは、水晶発振器を利用したクロックを有しており、CPUを制御するオペーレーションソフト(OS)を介して実行時の年月日を取得する。その他、第2の方式として、インターネット上のタイムサーバーに接続して年月日を取得するようにしてもよい。
第2に、前記取得された日時に応じて、アニメーション動画6、コマーシャル動画7、静止画データ8の再生あるいは再生の制限したり、設定された日時の経過が経過した際にのみ特別に用意した他の動画や静止画の再生を行ったり、ブラウザソフトを開いて企業端末4から表示可能な情報をダウンロードして表示する等の動作を行う機能を有している。
第3に、動画再生時の画面に、キーボード、マウス、トラックボール、デジタイザ等のポインティングデバイス(操作入力手段)で選択可能なスイッチ領域を設け、当該スイッチ領域の選択によって、他の動画の再生、画像の表示、予め記録していたアドレス(URL)に基づいてインターネット上のホームページを表示させる機能である。当該スイッチ領域は、視覚的に認識できない透明な領域(見えないスイッチ)であってもよく、当該領域を動画再生領域全面として設定したり、動画として再生される特定の画像に追従して領域を動かす設定としてもよい。また、当該スイッチ領域を、動画再生時のタイムテーブルに連動させ、一定の時間帯や動画再生終了時にのみ設ける構成としてもよい。
【0016】
本実施の形態では、動画内蔵プログラムPの作成にアドビ社(マクロメディア社)の「フラッシュ」(登録商標)を用いた例を説明する。また、動画内蔵プログラムPの再生には、同社の「フラッシュプレイヤー」を用いる。「フラッシュプレイヤー」は、インターネットエクスプローラー(マイクロソフト社の登録商標)等のブラウザソフトにプラグインされる(組み込まれる)ことにより、アニメーション動画の再生を行うとともに所定の制御情報に基づいてハードウエア手段の制御を行うものである。「フラッシュプレイヤー」で実行可能な動画内蔵プログラムは、通常「フラッシュドキュメント」と言われている。
【0017】
動画内蔵プログラムPの一例である「フラッシュドキュメント」に含まれるアニメーション等の動画は、複数の静止画をコマ送り式に連続再生する方式によるものの他、ビデオ撮影した種々の形式の動画ファイルを利用して作成したものである。インターネット上では、画像や動画に関して種々の圧縮ファイルが電送可能であるが、「フラッシュ」は現在一般的に使用されている動画ファイル、画像ファイル、サウンドファイル等を取り込んでアニメーション(フラッシュドキュメント)として一つのファイルに編集することができるものである。
【0018】
また、「フラッシュ」は「ActionScript」というプログラム言語が使用可能であり、当該言語で記述したプログラムによって「フラッシュプレイヤ」上で表示される動画、静止画、音楽、スイッチ等の各種コンテンツの制御、コンピュータの各種ハードウエア資源の制御を行うことができるようになっている。本実施の形態に係る動画内蔵プログラムPは、当該ActionScriptによって記述されたプログラム(制御情報9)に基づいて、制御、実行されるコンテンツファイルとなっている。
【0019】
動画内蔵プログラムPは、インターネット1に接続されたコンテンツサーバー3に蓄積されている。
クライアントとなる視聴者端末5は、ブラウザソフトを使用してコンテンツサーバー3にアクセスする。アクセスするとブラウザソフトによって表示されるディスプレイ上の画面には、ダウンロード可能な複数の動画内蔵プログラムのコンテンツリストが表示される。また、「フラッシュプレイヤー」が視聴者端末5にアドインされている場合には「フラッシュプレイヤー」によって動画表示用のフレーム画像が表示される。任意の動画内蔵プログラムが選択されると、動画内蔵プログラムのダウンロードを開始するとともに、「フラッシュプレイヤー」は順次ダウンロードしたファイルを解読して制御情報の実行や動画再生等の処理を開始する。
【0020】
図3は、「フラッシュプレイヤー」上で行われる動画内蔵プログラムPの処理内容の概略を表したフローチャートであり、コンテンツサーバーから動画内蔵プログラムのダウン
ロード開始(ステップS1)以降の処理を表している。
動画内蔵プログラムPのダウンロードが開始されると、順次ダウンロードしたファイルに含まれる制御情報を実行(ステップS2)し、ActionScriptによって記述されたプログラムに基づいて動画の再生が制御される。
動画内蔵プログラムPが制御情報を有していない場合もある。この場合には、再生条件(ステップS3)が無いので、含まれている全ての動画ファイルがそのまま再生される(ステップS4)。動画再生が終了(ステップS5)した後、動画内蔵プログラムPは特に制御情報を有していないので、Webアクセス等は行わず(ステップS7)、動画の再生終了とともに動画内蔵プログラムPの実行を終了する(ステップS16)。
【0021】
次に、動画内蔵プログラムPが動画再生に関して制御情報9を有している場合について説明する。動画内蔵プログラムPが有している制御情報の一つは、動画再生の可否をどのように判断するかというものである。本実施の形態においては、2通りの方法があり、一つは日付(暦による期限)を基準とした制限と、動画再生の可否をその都度webサーバー上に設けた認証サーバーとの通信結果に応じて判断する方法である(ステップS8)。
【0022】
動画内蔵プログラムPは、図2において説明した通り、一例としてアニメーション動画6、コマーシャル動画7、静止画データ8を有している。図2のステップS8に示した期限とは、再生を可能とする期間又は暦上の期日のことである。
例えば、アニメーション動画6の著作者が、スポンサー企業との契約などに基づき、インターネット上における公開に期間を設けたい場合がある。この場合、スポンサー企業は著作者との契約期間を超えてアニメーション動画を視聴させることはできない。このような場合に、予め視聴可能となる期間的制限を設けることができれば、著作者との契約に違反することはない。
また、コマーシャル動画7が、ライフサイクルの短い商品に関するものである場合、商品の製造終了後に引き続き商品に関するコマーシャル動画を視聴者に見せ続けることはできない。静止画データ8についても同様であり、動画提供者やスポンサー名を表示した画像である場合、いつまでも同様の画像を表示するのが適当では無い場合がある。このような場合に動画再生や画像表示の期限が設定される。
上記の観点から、一例としてアニメーション動画6、コマーシャル動画7、静止画データ8のそれぞれに、同一若しくは個々に異なる時間的な期限を設定し、当該設定に基づき動画再生の可否を決定するのが期限を設定した目的である。
【0023】
期限の確認には、2通りの方法(ステップS9、S10、S11)がある。一つは、視聴者端末5のハードウエア資源が有するクロック情報に基づいた歴情報を取得(PCアクセイ)し、当該歴情報に基づく日付を動画再生期限又は期間として使用するものである(ステップS10)。第2に、インターネット上に設けられたタイムサーバーと呼ばれる時刻情報を発信するサーバーから暦情報を取得(Webアクセス)し、当該暦情報に基づく日付を動画再生期限として使用するものである(ステップS11)。
上記いずれかの方法による期限又は期間の確認の後、どのような条件で動画を再生するか、若しくは再生しないかを判断し(ステップS12)、当該判断によって決定された条件に基づいて動画や画像の再生又は表示が行われる(ステップS13)。
【0024】
また、前述したステップS9〜S11で確認されるような動画再生期限を予め設定しないこともできる。このような場合には、再生時にWebサーバーに接続して再生の可否に関する情報を取得し、再生可能であるとの確認が出来た場合、または再生不可ではないとの確認が出来た場合に動画を再生させるようにすることができる(ステップS14→ステップS12→ステップS13)。
前記動画再生期限又はWebサーバーによる確認によって再生が行える場合、アニメーション動画6、コマーシャル動画7、静止画データ8に設定されたそれぞれの条件に従っ
て再生が行われる。例えば、アニメーション動画6のみを表示する場合、アニメーション動画6の再生後にコマーシャル映像を表示することなく静止画データ8を表示する等の形で再生が行われる。
【0025】
動画内蔵プログラムPに含まれるアニメーション動画6、コマーシャル動画7、静止画データ8の全て又は一部の再生が終了(ステップS5)した後、動画内蔵プログラムPにWebアクセスを行う命令が含まれている場合には、ブラウザを開いて当該命令に含まれる
アドレスのホームページを開き(ステップS15)、全てのプログラムを終了する(ステップS16)。
【0026】
以上、本願発明に係る動画内蔵プログラムは、視聴可能な複数の動画又は画像またはそれらの組み合わせを有し、さらに動画又は画像の再生条件を指定する制御情報を有しているものである。したがって、再生条件として期間や期日を設定したり、インターネットを介して再生の可否を決定したりすることができるものである。
動画内蔵プログラムは、視聴者の嗜好にあったアニメーションや動画といったコンテンツにテレビコマーシャルのような映像コンテンツをセットにして配信し、自由に視聴可能にしたものである。これにより、テレビによる時間帯が固定されたコマーシャル放映とは異なり、企業は時間や場所に制約されない公告媒体として動画内蔵プログラムを用いることができる。また、インターネット上で視聴可能とされたコンテンツは、違法にコピーされる等して、配信完了後もインターネット上で取得可能になる場合が多い。本願発明に係る動画内蔵プログラムは、このようなケースに鑑み、仮に違法コピーによってコンテンツがインターネット上に残存しても、時間や条件の設定によって再生できなくすることができる。特に、内部に複数のコンテンツを含むものについては、各コンテンツ毎に再生条件を設定し、コンテンツ個別に再生不可などの制御をすることができるという特徴を有している。
【0027】
また、以上説明した動画(無音動画、音付き動画の何れをも含むもの)内蔵プログラムは、主として動画を有するコンテンツを中心としたものであるが、当該動画内蔵プログラムに換えて、音楽のみあるいは音楽と静止画によるコンテンツを搭載した音楽内蔵プログラムでもよい。すなわち、音楽コンテンツを主として、音声による広告やコマーシャル画像を含んだものとして提供しても良いものである。
【0028】
次に、制御情報に含まれるプログラムの他の例を説明する。
一例として、前述した制御情報の例として動画を表示する領域(フレーム)内に、マウスやキーボード等の操作入力手段によって操作可能なスイッチを設けることが出来る。当該スイッチは、画像として可視できるものの他、透明(不可視)のスイッチ領域として設定することが出来る。また、当該スイッチ領域は、動画の再生を管理するタイムテーブルと連動して設定することができるので、例えば動画の有るシーンが表示されている間だけフレーム内のスイッチが有効になる等の設定をすることができる。
また、当該動画の再生終了後にフレーム内にスイッチを可視表示し、当該スイッチの操作によってブラウザを起動して予め記憶されているURLに基づいて企業のサーバーに接続し所定の画面を表示させるという機能を持たせることが出来る。
【0029】
また、制御情報に含まれるプログラムの他の例として、動画の再生終了後に自動的にインターネット閲覧用ソフトウエアプログラムを起動して、当該アプリケーションプログラム内に記憶されているURLアドレスのホームページを表示させることもできる。また当該機能に前述した期限を設定し、一定期間あるいは期日経過後には自動接続をしないように設定あるいは接続先を変更するなどの設定にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本願発明はインターネット上で自由に視聴可能な動画コンテンツに利用可能であり、特にスポンサーによる公告映像を有した動画コンテンツに利用可能である。
なお、本願発明に係る動画内蔵プログラムは、コンパイル(コーディング)されると、外観上は一つのデータファイルとなり、再びソースである各コンテンツに分解することができなくなる。即ち、各コンテンツ間の境界が不明になる。しかし、条件によって再生の可否が設定された複数の映像若しくは画像を含んでいるものであれば、本願発明の技術的範囲に属するものであると推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本願発明を用いるインターネット環境の説明図である。
【図2】本願発明に係る動画内蔵プログラムの概念図である。
【図3】本願発明に係る動画内蔵プログラムの動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0032】
1 インターネット
2 コンピュータ端末
3 コンテンツサーバー
4 企業端末
5 不特定コンピュータ(視聴者端末)
P 動画内蔵プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって再生可能な動画、音楽等のコンテンツ情報と、前記インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって実行可能なアプリケーションプログラムを有し、
前記アプリケーションプログラムは、当該アプリケーションプログラムに含まれる機能の一部を前記コンテンツ情報が実行された日付に基づいて実行又は制限する時限情報を有していることを特徴とする動画内蔵プログラム。
【請求項2】
前記アプリケーションプログラムには、他のサーバーに用意されたホームページに接続するリンク情報が含まれていることを特徴とする請求項1記載の動画内蔵プログラム。
【請求項3】
前記アプリケーションプログラムには、前記インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって表示される画像上に、マウス、トラックボール等のポインティング手段によって操作可能なボタン表示を行うプログラムが含まれていることを特徴とする請求項1記載の動画内蔵プログラム。
【請求項4】
インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって再生可能な動画、音楽等のコンテンツ情報と、前記インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって実行可能なアプリケーションプログラムを有し、
前記アプリケーションプログラムは、マウスやキーボード等の操作入力手段によって操作される可視又は不可視のスイッチ領域を前記動画が再生される画面上に設定し、動画の再生中または再生終了後の当該スイッチ領域の操作に応じて、
当該アプリケーションプログラムに記憶されているURLアドレスのホームページの表示、当該アプリケーションプログラムに含まれている他の動画や画像の再生を行うようになっていることを特徴とする動画内蔵プログラム。
【請求項5】
インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって再生可能な動画、音楽等のコンテンツ情報と、前記インターネット閲覧用ソフトウエアプログラム又は動画再生ソフトウエアプログラムによって実行可能なアプリケーションプログラムを有し、
前記アプリケーションプログラムは、動画の再生終了後にインターネット閲覧用ソフトウエアプログラムを起動して、当該アプリケーションプログラム内に記憶されているURLアドレスのホームページを表示するようになっていることを特徴とする動画内蔵プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−197928(P2008−197928A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−32684(P2007−32684)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(591155987)株式会社グッドハウス (5)
【Fターム(参考)】