説明

動画再生支援方法、動画再生支援プログラム、サーバ装置及びコンピュータシステム

【課題】 動画と動画の各画像の撮影位置情報との同時表示を、クライアント装置でサーバ装置の支援を受けて実現する。
【解決手段】 ウェブブラウザにより処理可能なスクリプトを含むHTMLファイルをサーバ装置10からクライアント装置20に送信し、当該スクリプトにしたがってクライアント装置により、再生すべき動画データをサーバ装置から取得し、当該動画データをクライアント装置の動画表示コンポーネントで再生させ、現に再生されている画像の動画内位置情報を動画表示コンポーネントから取得し、当該動画内位置情報と、サーバ装置に記憶された、上記動画データの撮影位置の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれの撮影位置と動画内位置情報とを含む代表点データとに基づいて、表示されている画像の撮影位置を決定し、当該撮影位置を示す情報を表示させる。例えば地図上に記号を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画データの再生と、当該動画データを構成する複数の画像のそれぞれの撮影位置を表す情報又は撮影位置と撮影方向を表す情報の同時表示を支援する動画再生支援方法、当該動画再生支援方法を実行するための動画再生支援プログラム、サーバ装置及び当該動画再生支援方法を実行するためのコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
不動産等の販売活動において、土地又は建物等の販売対象物件に関する情報以外に、販売対象物件の立地条件を顧客に説明することが有効である。そのような立地条件の説明資料として、販売対象物件の近傍の地域の地図を印刷して顧客に見せる場合がある。それにより、顧客は最寄り駅から販売対象物件までの経路に沿って存在する諸施設を知ることができる。また、顧客は販売対象物件の近傍にある店舗、学校、医院、病院等の諸施設の存在位置を知ることができる。したがって、販売対象物件の周辺の生活環境を判断するのが容易になる。
【0003】
このような印刷した地図の代わりに、コンピュータを利用する方法も提案されている。例えば特許文献1では、町の景観を表す動画を表示し、地図上に撮影位置を示す記号を表示することが提案されている。また、特許文献2では、地図上に撮影位置の他に撮影方向も示す記号を表示することが提案されている。しかし、特許文献1、2とも、そのような動画と撮影位置情報の同時表示をどのように実現するかについては記載していない。
【0004】
一方、特許文献3には、道路の景観を示す動画と、動画の各画像の撮影位置を地図上に示すための技術が具体的に示されている。特許文献3によれば、白地図上に基準点と、そこから所望の経路に沿って所定距離ずつ移動した位置を測定位置としてマークを付け、その白地図をスキャンしてラスター地図を生成し、ラスター地図からそれぞれの測定位置の当該ラスター地図上の座標(X,Y)を検出する。一方、等速に移動する自動車に搭載したディジタルビデオカメラから景観を撮影する。自動車が基準点から所定距離だけ移動する毎に、その位置を測定位置とし、その測定位置での自動車の距離計が示す走行距離を音声で読みビデオテープに録音させる。こうして、撮影時に撮影位置が測定位置であることを基準点からの走行距離で確認しながら、各測定位置に対応して音声が発せられた時点により、録画開始時点からの経過時間をビデオテープから判別する。こうして、基準点から所定の距離だけ離れた各測定位置に対応して、ラスター地図上の座標(X,Y)と経過時間との組を記録して、その記録を動画の各フレーム画像とラスター地図上に示される撮影位置とを対応付けるリンク情報として利用し、動画の任意のフレーム画像の撮影位置を上記ラスター地図上に表示可能にしている。以下では上記リンク情報又はそれに類似する情報を代表点データと呼ぶことがある。なお、特許文献3では一つのスタンドアロンのコンピュータ上で上記のような、動画と撮影位置の同時表示を行う例を示している。
【特許文献1】特開2001−297400号公報
【特許文献2】特開2002−117123号公報
【特許文献3】特開2004−191902号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3では一つのコンピュータ上で動画と撮影位置情報の同時表示を行う例を示しているが、本願の発明者は、検討の結果、以下に述べるように、サーバ装置とクライアント装置を使用して動画と撮影位置情報の同時表示を実現することが望ましいと考えるに至った。
【0006】
不動産の販売等の用途のためには、動画データと撮影位置情報の同時表示機能をネットワークにより接続された複数のコンピュータにより利用可能にすることが望ましい。例えば、同じ営業店に配置された複数のコンピュータ、更には、同じ企業の複数の営業店に配置されたより多くのコンピュータにより使用可能であることが望まれる場合が多い。
【0007】
このような用途では、動画データと代表点データを、複数のコンピュータの間で共用させることは、それらの動画データと代表点データのコンピュータへの格納、追加、修正等のデータ管理のうえでも望ましい。そのため、それらの複数のコンピュータに共通に設けたサーバ装置にそれらの動画データと代表点データを記憶させ、上記複数のコンピュータをクライアント装置としてそれらの動画データと代表点データを利用可能とすることが望ましい。更に、各クライアント装置に上記同時表示を実現するための動画再生プログラムを共通のサーバ装置に記憶しておくことが、上記動画再生プログラムの更新等の当該動画再生プログラムの管理するうえで望ましい。しかし、この動画再生プログラムを上記共通のサーバ装置上で複数のクライアント装置のために実行させると、サーバ装置の処理負荷が増大する。したがって、上記動画再生プログラムを上記サーバ装置に記憶させる場合には、当該サーバ装置の処理負荷を増やさないことが望ましい。
【0008】
なお、特許文献3に記載の技術では、白地図上で測定位置のマーク付け、白地図のスキャン等が必要であり、地図上の測定位置の座標の取得に要する労力が大きい。更に、このような方法では、白地図上の各測定位置にマークを付けてそのマーク付きの白地図をスキャンして得られるラスター地図しか撮影位置の表示に使用できない。一般に白地図をスキャンして得られるラスター地図は、鮮明度が劣るし、拡大して表示すると更に鮮明度が劣化する。したがって、もっと簡単に代表点データが取得できることが望まれる。また、ラスター地図よりも電子地図データで示される地図を動画のフレーム画像の撮影位置を示す地図に使用できることが鮮明度の点でも望ましい。
【0009】
したがって、本発明の目的は、動画データと撮影位置情報の同時表示を、ネットワークを介してクライアント装置に接続されたサーバ装置で支援して実現する、動画再生支援方法、その方法を実施するための動画再生支援プログラム及びその方法を実施するためのサーバ装置及びコンピュータシステムを提供することである。
【0010】
本発明の更に具体的な目的は、複数の動画データとそれぞれの動画データに対応する複数の代表点データと、動画データと撮影位置情報の同時表示を実現するための動画再生プログラムとを、前記サーバ装置により管理可能にし、同時に、当該サーバ装置の処理負荷を増やさないことを可能にするための、動画再生支援方法、そのための動画再生支援プログラム及びその方法を実施するためのサーバ装置及びコンピュータシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明に係る動画再生支援方法は、ネットワークに接続されたサーバ装置に当該ネットワークを介して接続され、ウェブブラウザを介して前記サーバ装置と通信可能なクライアント装置での動画の再生を、当該サーバ装置により支援する動画再生支援方法であって、前記サーバ装置は、複数の地域のそれぞれの景観を撮影して得られた複数の動画データと、それぞれ前記複数の動画データに対応した複数の代表点データとを記憶し、各代表点データは、対応する動画データが得られたときの複数の撮影位置の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれで撮影された画像の動画内位置情報とそれぞれの代表点の位置情報とを含むものであり、前記動画再生支援方法は、以下のステップを含むものである。
【0012】
前記サーバ装置から動画データを取得して前記クライアント装置に組み込まれた動画表示コンポーネントにより当該動画データに基づいて動画を再生させる処理を指示する、前記ウェブブラウザにより処理可能な動画再生プログラムの送信を要求する前記クライアント装置からの送信要求に応答して、前記サーバ装置により、前記要求された動画再生プログラムを含み、前記ウェブブラウザにより処理可能な所定の種別のファイルを前記サーバ装置から前記クライアント装置に送信し、前記送信された所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置により、利用者により選択された動画データの送信を、前記サーバ装置に要求させて取得させ、前記クライアント装置に組み込まれた前記動画表示コンポーネントにより当該取得された動画データに基づいて前記クライアント装置内の表示装置に動画を再生させ、前記動画データの再生中に、前記送信された所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置により、前記表示装置に再生中の画像の動画内位置情報を前記動画表示コンポーネントから取得することを繰り返させ、当該動画表示コンポーネントから動画内位置情報が取得される毎に、当該動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置により、当該取得された動画内位置情報と、前記サーバ装置に記憶された、前記選択された動画データに対応する代表点データとに基づいて、前記再生中の画像の撮影位置を決定させ、当該動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置により、当該決定された撮影位置を示す情報を前記表示装置に表示させる。
【0013】
これにより、ウェブブラウザを用いてサーバ装置と通信可能なクライアント装置における動画データと撮影位置情報の同時表示を、ネットワークを介して当該クライアント装置に接続されたサーバ装置からウェブブラウザにより処理可能な動画再生プログラムを供給することにより実現できる。更に、複数の動画データとそれぞれの動画データに対応する複数の代表点データと、動画データとの撮影位置情報の同時表示を実現するための動画表示プログラムとを前記サーバ装置により管理可能にすることができ、同時に、当該サーバ装置で上記動画表示プログラムを実行しないで、上記クライアント装置で実行させることができ、それにより上記動画表示プログラムの処理のための負荷は、上記サーバ装置に関してはそれほど大きくは増えないようにすることができる。なお、本発明では、上記に言う、ウェブブラウザにより処理可能な動画再生プログラムあるいはより一般的にはウェブブラウザにより処理可能なプログラムとは、当該プログラムを構成する各プログラム文が要求する処理をウェブブラウザが解読でき、当該処理が実行されるように、ウェブブラウザが制御することができることを意味する。なお、その処理の実行自体はウェブブラウザが行ってもよく、あるいは、ウェブブラウザが、その処理を実行可能な他のプログラムあるいは装置にその処理を実行させてもよい。
【0014】
なお、以上において、上記複数の動画データと対応する複数の代表点データを記憶するサーバ装置は同じであると記載しているが、これらのデータは物理的に異なるサーバ装置に記憶されていても、本発明に関する限り、同じサーバ装置であると考える。更に、上記動画表示プログラムを送信するサーバ装置は、上記複数の動画データと対応する複数の代表点データを記憶するサーバ装置は同じであると記載しているが、これらのデータを記憶するサーバ装置と物理的に異なるサーバ装置に上記動画表示プログラムが記憶されていても、本発明に関する限り、それらのサーバ装置は同じであると考える。
【0015】
請求項2に記載の本発明に係る動画再生支援方法の更に望ましい態様は、前記動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置により、前記選択された動画データが関係する地域を表す地図データを、前記サーバ装置内又は前記ネットワークに接続された他のサーバ装置に設けられた地図データ記憶装置から取得させるステップを更に含み、前記情報を表示させるステップは、当該動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置に組み込まれた空間情報表示用のコンポーネントにより、前記取得された地図データに基づいて上記地域の地図を前記表示装置に表示させ、前記決定された撮影位置を示す情報の表示として、前記決定された撮影位置に対応する、前記表示された地図上の位置を識別可能に表示させるものである。これにより、動画データの表示と並行して、地図データ上で撮影位置を識別可能にすることができる。
【0016】
請求項3に記載の本発明に係る動画再生支援方法の更に望ましい態様は、各代表点データは、対応する動画データが得られたときの複数の撮影位置の履歴と複数の撮影方向の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれで撮影された画像の動画内位置情報とそれぞれの代表点に対する、撮影位置及び撮影方向の少なくとも一方とを含み、前記撮影位置を決定させるステップは、前記動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置により、前記取得された動画内位置情報と前記選択された動画データに対応する前記代表点データとに基づいて前記再生中の画像の撮影位置と撮影方向とを決定させ、前記決定された撮影位置に対応する、前記表示された地図上の位置を識別可能に表示させるステップは、前記動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置に組み込まれた前記空間情報表示用のコンポーネントにより、前記決定された撮影位置に対応する前記表示された地図上の位置に、当該決定された撮影方向を識別可能にする記号を表示させるものである。これにより、動画データの再生と並行して、撮影位置と撮影方向を地図上で識別可能になる。
【0017】
請求項4に記載の本発明に係る動画再生支援方法の他の望ましい態様は、前記クライアント装置による前記動画再生プログラムの前記送信要求は、前記複数の動画データのうち利用者により選択された動画データを指定して前記サーバ装置に前記動画再生プログラムの送信を要求するものであり、前記所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムは、前記送信要求により指定された当該選択された動画データを前記サーバ装置に要求して取得する第1の処理の実行を前記クライアント装置に対して指示し、更に、前記複数の代表点データのうち、前記選択された動画データに対応する代表点データを前記サーバ装置に要求して取得する第2の処理の実行を前記クライアント装置に対して更に指示するものであり、前記動画を再生させるステップは、前記動画再生プログラムによる前記第1の処理の実行を指示する前記指示にしたがって前記クライアント装置により、前記利用者により選択された動画データを前記サーバ装置に要求させて取得させ、取得された前記選択された動画データに基づいて動画を再生させ、前記撮影位置を決定させるステップは、前記動画再生プログラムによる前記第2の処理の実行を指示する前記指示にしたがって前記クライアント装置により、前記選択された動画データに対応する前記代表点データを前記サーバ装置に要求させて取得させ、当該取得された対応する代表点データを、前記再生中の画像の撮影位置の前記決定に使用させるものである。これにより、利用者により選択された動画データに対応する代表点データを動画再生プログラムとは別に、当該動画再生プログラムの指示にしたがってサーバ装置からクライアント装置により取得させるので、動画再生プログラムと一緒に所定の種別のファイルに含ませて送信する場合に比べて所定の種別のファイルのサイズが小さくなり、送信に要する時間が少なくなり、動画再生プログラムの実行開始を早めることが可能になる。
【0018】
請求項5に記載の本発明に係る動画再生支援方法の他の望ましい態様は、前記サーバ装置に対して前記動画再生プログラムの送信を要求する前記クライアント装置からの前記送信要求に応答して、当該サーバ装置により、あらかじめ定められた構造を有する、前記複数の動画データに対して定められた基準動画再生プログラムを含む、前記複数の動画データに対して定められた所定の種別の基準ファイルから、前記送信要求で要求された前記動画再生プログラムを含む、前記送信ステップで送信する前記所定の種別のファイルを生成するステップを更に含み、前記生成するステップは、前記基準ファイルのうちの少なくとも前記基準動画再生プログラムを、前記要求により指定された前記利用者により選択された動画データに依存して、当該選択された動画データを前記サーバ装置に要求して取得する第1の処理の実行を前記クライアント装置に指示し更に前記複数の代表点データのうち、当該選択された動画データに対応する代表点データを前記サーバ装置に要求して取得する第2の処理の実行を前記クライアント装置に更に指示する、前記動画再生プログラムに変更することにより、前記送信する前記所定の種別のファイルを生成するものである。これにより、基準の動画再生プログラム、所定の種別の基準ファイルをサーバ装置に記憶して、複数の動画データに対して共通に使用できるので、複数の動画データに対応した複数の動画再生プログラムをそれぞれ含む複数の所定種別のファイルをサーバ装置に記憶する場合よりも、サーバ装置に記憶させるデータ量が少なくて済む。
【0019】
請求項6に記載の本発明に係る動画再生支援方法の他の望ましい態様は、前記クライアント装置による前記動画再生プログラムの前記送信要求は、前記複数の動画データのうち利用者により選択された動画データを指定して前記サーバ装置に前記動画再生プログラムの送信を要求するものであり、前記送信ステップは、前記所定の種別のファイルとして、前記要求された動画再生プログラムに加えて、前記複数の代表点データのうちの前記要求で指定された前記選択された動画データに対応する代表点データを含み、前記ウェブブラウザにより処理可能なファイルを送信するものであり、前記所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムは、前記動画再生プログラムの前記要求により指定された当該選択された動画データを前記サーバ装置に要求して取得する第1の処理の実行を指示し、更に、前記送信ステップで送信された前記所定の種別のファイルに含まれた、前記選択された動画データに対応する前記代表点データを、前記動画再生プログラムにより再生中の画像の撮影位置の決定に使用する第2の処理の実行を指示するものであり、前記動画を再生させるステップは、前記動画再生プログラムの前記第1の処理の実行を指示する前記指示にしたがって前記クライアント装置により、前記利用者により選択された動画データを前記サーバ装置に要求させて取得させ、取得された前記選択された動画データに基づいて動画を再生させ、前記撮影位置を決定させるステップは、前記動画再生プログラムの前記第2の処理の実行を指示する前記指示にしたがって、前記送信された所定の種別のファイルに含まれた当該対応する代表点データを前記再生中の画像の撮影位置の前記決定に使用させる。これにより、利用者により選択された動画データに対応する代表点データを、動画再生プログラムと一緒に所定の種別のファイルに含ませてサーバ装置からクライアント装置に送信できるので、クライアント装置が上記対応する代表点データを改めてサーバ装置から取得する必要はなく、クライアント装置での処理が簡単になることが期待される。
【0020】
請求項7に記載の本発明に係るコンピュータシステムは、ネットワークに接続されたサーバ装置と、当該サーバ装置に当該ネットワークを介して接続され、ウェブブラウザを介して当該サーバ装置と通信可能なクライアント装置とを備えるコンピュータシステムである。前記サーバ装置は、複数の地域のそれぞれの景観を撮影して得られた複数の動画データを記憶する動画データ記憶手段と、それぞれ前記複数の動画データに対応した複数の代表点データであって、各代表点データは、対応する動画データが得られたときの複数の撮影位置の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれで撮影された画像の動画内位置情報とそれぞれの代表点の撮影位置とを含む複数の代表点データを記憶する代表点データ記憶手段と、前記サーバ装置から動画データを取得して前記クライアント装置に組み込まれた動画表示コンポーネントにより当該動画データに基づいて動画を再生させる処理を指示する、前記ウェブブラウザにより処理可能な動画再生プログラムを含む、前記ウェブブラウザにより処理可能な所定の種別のファイルを、前記クライアント装置からの動画再生プログラムの送信要求に応答して前記クライアント装置に送信する所定種別ファイル送信手段と、を備えるものである。
【0021】
更に、前記クライアント装置は、前記動画再生プログラムの送信を前記サーバ装置に要求する動画再生プログラム送信要求手段と、表示装置と、前記動画表示コンポーネントが組み込まれ、前記サーバ装置から送信される前記所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムにしたがって、利用者により選択された動画データを前記サーバ装置に要求して取得し、前記クライアント装置に組み込まれた前記動画表示コンポーネントにより当該取得された動画データに基づいて前記表示装置に動画を再生する動画再生手段と、前記動画データの再生中に、前記所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムにしたがって、前記表示装置に再生中の画像の動画内位置情報を前記動画表示コンポーネントから取得することを繰り返し、当該動画表示コンポーネントから動画内位置情報が取得される毎に、当該動画再生プログラムにしたがって、当該取得された動画内位置情報と、前記サーバ装置に記憶された、前記選択された動画データに対応する、前記サーバ装置に記憶された代表点データとに基づいて、前記再生中の画像の撮影位置を決定する撮影位置決定手段と、当該決定された撮影位置を示す情報を前記表示装置に表示させる情報表示手段と、を備えるものである。これにより、請求項7によれば、請求項1に記載の動画再生支援方法を実現するコンピュータシステムが得られる。
【0022】
更に、請求項8及び9にそれぞれ記載のコンピュータシステムによれば、それぞれ請求項2又は3に記載の動画再生支援方法を実現するコンピュータシステムが得られる。
【0023】
請求項10に記載の本発明に係る動画再生支援プログラムは、ネットワークに接続されたサーバ装置に当該ネットワークを介して接続され、ウェブブラウザを介して前記サーバ装置と通信可能なクライアント装置での動画の再生を、当該サーバ装置により支援するための、当該サーバ装置により実行される動画再生支援プログラムであって、当該サーバ装置は、複数の地域のそれぞれの景観を撮影して得られた複数の動画データ及びそれぞれ前記複数の動画データに対応した複数の代表点データを記憶するものであり、各代表点データは、対応する動画データが得られたときの複数の撮影位置の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれで撮影された画像の動画内位置情報とそれぞれの代表点の撮影位置とを含むものであり、前記動画再生支援プログラムは、前記サーバ装置を、前記クライアント装置からの動画再生プログラムの送信要求に応答して、所定の種別のファイルを前記クライアント装置に送信する所定種別ファイル送信手段、として機能させるものであり、前記所定の種別のファイルは、前記サーバ装置から動画データを取得して前記クライアント装置に組み込まれた動画表示コンポーネントにより当該動画データに基づいて動画を再生させる処理を指示する、前記ウェブブラウザにより処理可能な動画再生プログラムを含む、前記ウェブブラウザにより処理可能なファイルである。
【0024】
更に、前記所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムは、前記クライアント装置を、利用者により選択された動画データを前記サーバ装置に要求して取得し、前記クライアント装置に組み込まれた前記動画表示コンポーネントにより当該動画データに基づいて前記クライアント装置内の表示装置に動画を再生する動画再生手段と、前記動画データの再生中に、前記表示装置に再生中の画像の動画内位置情報を前記動画表示コンポーネントから取得することを繰り返し、当該動画表示コンポーネントから動画内位置情報が取得される毎に、当該取得された動画内位置情報と、前記選択された動画データに対応する、前記サーバ装置に記憶された代表点データとに基づいて、前記再生中の画像の撮影位置を決定する撮影位置決定手段と、当該決定された撮影位置を示す情報を前記表示装置に表示させる情報表示手段、として機能させるものである。これにより、請求項10によれば、請求項1に記載の動画再生支援方法を実現するための動画再生支援プログラムが得られる。
【0025】
更に、請求項11及び12にそれぞれ記載のコンピュータシステムによれば、それぞれ請求項2又は3に記載の動画再生支援方法を実現するための動画再生支援プログラムが得られる。
【0026】
請求項13に記載の本発明に係るサーバ装置は、ウェブブラウザを介して外部と通信可能で、ネットワークに接続されたクライアント装置での動画の再生を支援する、当該ネットワークに接続された動画再生支援サーバ装置であって、複数の地域のそれぞれの景観を撮影して得られた複数の動画データを記憶する動画データ記憶手段と、それぞれ前記複数の動画データに対応した複数の代表点データを記憶するものであり、各代表点データは、対応する動画データが得られたときの複数の撮影位置の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれで撮影された画像の動画内位置情報とそれぞれの代表点の撮影位置とを含む複数の代表点データを記憶する代表点データ記憶手段と、前記サーバ装置から動画データを取得して前記クライアント装置に組み込まれた動画表示コンポーネントにより当該動画データに基づいて動画を再生させる処理を指示する、前記ウェブブラウザにより処理可能な動画再生プログラムを含む、前記ウェブブラウザにより処理可能な所定の種別のファイルを、前記クライアント装置からの動画再生プログラムの送信要求に応答して前記クライアント装置に送信する所定種別ファイル送信手段と、を備えるものである。
【0027】
更に、前記所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムは、前記クライアント装置を、利用者により選択された動画データを前記サーバ装置に要求して取得し、前記クライアント装置に組み込まれた前記動画表示コンポーネントにより当該動画データに基づいて前記クライアント装置内の表示装置に動画を再生する動画再生手段と、前記動画データの再生中に、前記表示装置に再生中の画像の動画内位置情報を前記動画表示コンポーネントから取得することを繰り返し、当該動画表示コンポーネントから動画内位置情報が取得される毎に、当該取得された動画内位置情報と、前記選択された動画データに対応する、前記サーバ装置に記憶された代表点データとに基づいて、前記再生中の画像の撮影位置を決定する撮影位置決定手段と、当該決定された撮影位置を示す情報を前記表示装置に表示させる情報表示手段、として機能させるものである。
【0028】
これにより、請求項13によれば、請求項1に記載の本発明に係る動画再生支援方法を実現可能にするサーバ装置が得られる。
【0029】
更に、請求項14及び15にそれぞれ記載のサーバ装置によれば、それぞれ請求項2又は3に記載の動画再生支援方法を実現するためのサーバ装置が得られる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、クライアント装置による動画データの再生と撮影位置情報の同時表示を、ネットワークを介して当該クライアント装置に接続されたサーバ装置により支援して実現される。更に、複数の動画データとそれぞれの動画データに対応する複数の代表点データと、動画データの再生と撮影位置情報の同時表示を実現するための動画再生プログラムとを、前記サーバ装置により管理可能にすることができ、同時に、当該サーバ装置で上記動画再生プログラムを実行しないで、上記クライアント装置で実行させることができ、上記動画再生プログラムの実行のための処理負荷は、上記サーバ装置に関してはそれほど大きくは増えないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明に係る動画再生支援方法、動画再生支援プログラム、サーバ装置及びコンピュータシステムの実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
【0032】
図1は、本発明に係るコンピュータシステムの一つの実施の形態の概略ブロック図である。コンピュータシステム100は、動画再生支援サーバ装置10と、クライアント装置20と、地図情報サーバ装置30と、これらを接続するためのインターネットあるいはイントラネット等のネットワーク40を備えている。クライアント装置20にはウェブブラウザが組み込まれており、動画再生支援サーバ装置10と地図情報サーバ装置30は、当該ウェブブラウザを介してクライアント装置20と通信可能になっているウェブサーバ装置である。クライアント装置20は、1台でもよいが、通常は複数台使用される。しかし、図では簡単化のために1台しか示していない。
【0033】
動画再生支援サーバ装置10は、CPU等からなる処理装置と、メインメモリとして使用されるRAM及び磁気ディスク記憶装置等の補助記憶装置からなる記憶装置と、CRT又は液晶を用いた表示装置と、キーボード及びマウス等のポインティングデバイスを含む入力装置とを備えているが、図ではこれらの装置は簡単化のために示されていない。動画再生支援サーバ装置10は、動画データ記憶部11、代表点データ記憶部12、動画再生支援部13、ネットワーク40に接続された通信部14とを備えている。動画再生支援サーバ装置10を構成する以上のブロックは、動画再生支援サーバ装置10を構成するハードウエアと動画再生支援サーバ装置10に組み込まれた動画再生支援プログラムとにより実現される機能ブロックである。したがって、以下に説明する動画再生支援サーバ装置10の処理の流れは、本発明に係る動画再生支援方法の一つの実施の形態を提供する。動画再生支援サーバ装置10は、本発明に係るサーバ装置の一つの実施の形態を提供する。動画再生支援サーバ装置10に組み込まれた上記動画再生支援プログラムは、本発明に係る動画再生支援プログラムの一つの実施の形態を提供する。
【0034】
動画データ記憶部11は、複数の動画データ111、…を記憶している。複数の動画データ111、…は、複数の地域のそれぞれの景観を、撮影位置を変えて撮影して得られた動画を表し、所定のコード化規則によりコード化されたものである。複数の動画データ111、…は、例えば販売用の複数の不動産物件に関する動画データであり、それぞれの物件の近傍の地域の景観を、例えば最寄り駅から当該物件の近傍までの道路に沿って撮影して得られるものである。代表点データ記憶部12は、複数の代表点データ121、…を記憶している。複数の代表点データ121、…は、動画データ記憶部11に記憶された複数の動画データ111、…にそれぞれ対応するものである。各代表点データ、例えば121は、対応する動画データ111で撮影されたときの撮影位置の履歴と撮影方向の履歴を代表する複数の代表点に関するデータであり、対応する動画データから動画が再生されたときに、再生されている画像の変化に合わせて、撮影位置を示す情報を表示させるか又は撮影位置を示す情報と撮影方向を示す情報を表示させるのに使用される。動画再生支援部13は、クライアント装置20から動画表示要求を受信したときに、当該表示要求で要求された動画データを再生するための、ウェブブラウザにより処理可能な動画再生プログラムを含む、ウェブブラウザにより処理可能な所定の種別のファイルをクライアント装置20に送信するものである。
【0035】
なお、動画再生支援サーバ装置10内の動画データ記憶部11、代表点データ記憶部12、動画再生支援部13は物理的に異なるウェブサーバ装置上に構成されてもよいが、その場合でも本発明に関する限り、それらのサーバ装置を動画再生支援サーバ装置10と見なすことにする。
【0036】
地図情報サーバ装置30は、クライアント装置20で表示させる地図を表す地図データを供給するものであり、地図データ記憶装置31と、ネットワーク40を介して他の装置と通信するための通信部32と、地図データ記憶装置31へのアクセスを制御するためのコントローラ33とを含んでいる。地図データ記憶装置31に記憶される地図データは、道路の境界線、敷地の境界線、建築物の輪郭線等を構成する複数の直線部分又は曲線部分の各々をベクトルデータで表すものであり、地図を拡大して表示させるときも鮮明度は劣化しないものである。地図データは、地名等の文字を表示するための文字コードあるいは特定の地図記号を表示するためのベクトルデータも含む。コントローラ33は、外部からの地図データの取得要求が、取得すべき地図データが表す地図の中心位置の経度と緯で指定し、地図存在範囲も経度と緯度で指定する場合、その中心とサイズの経度と緯度を地図上の座標に変換して、得られた地図座標が中心にきて、指定された範囲の地図データが含まれるように、取得すべき地図データの範囲を決定して、その決定された範囲の地図データを要求元に送付する。なお、地図データ記憶装置31は、動画再生支援サーバ装置10と物理的に同じサーバ装置内に設けてもよく、あるいは、動画再生支援サーバ装置10内に設けてもよいが、いずれの場合も、本発明に関する限り、地図データ記憶装置31は、地図情報サーバ装置30に設けられているとみなすことにする。
【0037】
クライアント装置20は、CPU等からなる処理装置50と、メインメモリとして使用されるRAM(図示せず)及び磁気ディスク記憶装置等の補助記憶装置(図示せず)とを含む記憶装置60と、CRT又は液晶を用いた表示装置70と、キーボード及びマウス等のポインティングデバイスを含む入力装置80とを備えている。クライアント装置20を構成する、以下に説明する複数のブロックは、クライアント装置20を構成するハードウエア50、60、70、80と、クライアント装置20に組み込まれたウェブブラウザと、動画再生支援サーバ装置10から送信され、上記クライアント装置に組み込まれる前記動画再生プログラム及び他のプログラムにより実現される機能ブロックである。
【0038】
クライアント装置20は、動画再生支援サーバ装置10に記憶された動画データを表示するための動画再生プログラムを要求する動画再生プログラム要求部51と、動画再生支援サーバ装置10から上記動画再生プログラムが送信されたときに、当該動画再生プログラムにしたがって動画再生支援サーバ装置10の動画データ記憶部11に記憶された複数の動画データのうち利用者が選択した動画データを要求して取得し、当該動画データに基づいて動画を再生して表示装置70に表示させる動画再生部52を備える。クライアント装置20には動画データに基づいて動画を再生する汎用の動画表示コンポーネント521が組み込まれており、動画再生部52は、動画再生プログラムにしたがって、動画表示コンポーネント521により、上記選択された動画データに基づいて動画を再生させて表示装置70に表示させる。更に、代表点データ取得部53が、動画再生プログラムにしたがって、利用者により選択された動画データに対応する代表点データのネットワークアドレス(例えば、いわゆるURL)を指定して、代表点データ記憶部12に記憶された当該代表点データを動画再生支援サーバ装置10に要求して取得する。このとき、後に述べるように、当該代表点データ620(図4(a))と一緒に地図領域データ630(図4(b))も取得される。
【0039】
更に、クライアント装置20は、動画再生プログラムにしたがって、利用者により要求された上記動画データが関係する地域を表す地図データを地図データ記憶装置31から通信部32を経由して取得する地図データ取得部54と、表示装置70に情報を表示させる情報表示部55とを備える。クライアント装置20には空間情報表示用のコンポーネント551が組み込まれており、情報表示部55は、当該空間情報表示用のコンポーネント551により、上記地図データ取得部54により取得された地図データに基づいて地図を表示装置70に表示させる。
【0040】
更に、撮影位置決定部56は、動画データの再生中に、動画再生プログラムにしたがって、表示装置70に再生中の画像の動画内位置情報(例えば、当該画像を撮影するまでの画像撮影経過時間又は当該画像のフレーム番号)を動画表示コンポーネント521から取得することを繰り返し、動画表示コンポーネント521から動画内位置情報が取得される毎に、動画再生プログラムにしたがって、取得された動画内位置情報と、動画再生支援サーバ装置10に記憶された、前記選択された動画データに対応する代表点データとに基づいて、表示装置70に再生中の画像の撮影位置と撮影方向を決定する。
【0041】
情報表示部55は撮影位置決定部56により決定された撮影位置を示す情報と撮影方向を示す情報とを表示装置70に表示させる。撮影位置を示す情報と撮影方向を示す情報は、それらの撮影位置と撮影方向を数値で示すものでもよい。しかし、本実施の形態では、情報表示部55は、動画再生プログラムにしたがって空間情報表示用のコンポーネント551により、上記地図データ取得部により取得された地図データに基づいて上記地域の地図を表示装置70に表示させた状態で、当該地図上の、上記決定された撮影位置に対応する位置に上記決定された撮影方向を示す記号、例えば矢印を表示させる。
【0042】
クライアント装置20は、ネットワーク40を介してサーバ装置と通信するための通信部57と、動画再生支援サーバ装置10に前記複数の動画データ111、…を記憶させるために動画再生支援サーバ装置10にそれらの動画データを送信する動画データ送信部58と、動画再生支援サーバ装置10に前記複数の代表点データ121、…を記憶させるために動画再生支援サーバ装置10にそれらの代表点データを送信する代表点データ送信部59とを更に備える。
【0043】
図2は、複数の原動画データと複数の原代表点データを生成するのに使用可能な景観情報収集装置90の一例を示す図である。複数の原動画データと複数の原代表点データは、それぞれ複数の動画データ111、…と複数の代表点データ121、…の生成に使用される。本装置90は、図1に示したコンピュータシステムによる、動画と撮影位置の同時表示機能を利用しようとする利用者によりあるいはその利用者のために作業する者により使用される。景観情報収集装置90は、ディジタルビデオカメラ91と、当該カメラで撮影されたビデオデータをVTR等の記録媒体92に記録するための映像記録部93の他に、当該カメラ91に固定され、水平面内での撮影方向θを検出するための電子方位センサ94と、景観情報収集装置90が存在する位置の経度と緯度(X,Y)をカメラ91による撮影位置として検出するためのGPS(Global Positioning System)装置95、携帯型パソコン96とを有する。
【0044】
携帯型パソコン96は、電子方位センサ94とGPS装置95から得られる撮影方向と撮影位置を各フレーム毎に記録媒体92の特定の一つ又は複数のトラック、例えば一つの音声トラック上の、各フレーム画像に対応する部分に記録させる。携帯型パソコン96は、一定時間間隔、例えば0.5秒毎に電子方位センサ94とGPS装置95の出力を取り込むとする。各フレームの画像に対する先頭の画像からの経過時間tは、映像記録部93により自動的に記録媒体92のその特定のトラック又は別の特定のトラックに記録される。このようにして記録媒体92に記録された画像データと測定点データを、原画像データ、測定点データと呼ぶことにする。操作者は、景観情報収集装置90を自動車に搭載してあるいは肩にかついで歩きながら移動して、ある不動産物件の近傍の経路に沿って景観を撮影する。本実施の形態では移動速度は一定でない場合でもよく、撮影の途中で停止してもよい。また、撮影方向も操作者により自由に変更可能である。例えば、特に景観を強調したい場所では、停止して撮影方向を変えて撮影してもよい。上記の測定値取り込みのための一定の時間間隔0.5秒は、景観情報収集装置90を自動車に搭載して景観を撮影する場合に使用可能な時間間隔であるが、この時間間隔の下では、自動車は停止、再始動しても、必要な測定データが得られる。また、操作者は、景観情報収集装置90を肩にかついで歩行して撮影する場合でも同じ時間間隔を使用することもできる。しかし、歩行して撮影する場合には、もっと長い時間間隔を使用してもよい。
【0045】
図3は、原画像データと測定点データの記録媒体92上での記録状況を模式的に示す図である。同図(a)は、各フレームの画像に対応する撮影位置(X,Y)と撮影方向θと経過時間tが同じ音声トラック上のそのフレーム画像92aに対応する部分92bに記録されている状況を模式的に示す。同図(b)は、各フレームに記憶される上記3つの情報をフレーム番号と対応させて模式的に示すものである。上記の記録方法では、フレーム周期が1/30であるときには、0.5秒間の間、すなわち第0フレームから第14フレームまでの連続する15フレームに対して同じデータが音声トラックに記録され、第15フレーム以降の連続する15フレームに次の新たなデータが記録されることになる。以下では、同図(b)に示すような内容を表すデータを便宜的に測定点データ610と呼ぶことにする。また、測定点データ610に含まれているデータが測定された点を以下では測定点と呼ぶことがある。
【0046】
図1に戻り、動画データ送信部57は、以上のようにして景観情報収集装置90により記録媒体92に記録された動画データを取り込み、所定のコード化規則でコード化してコンピュータで処理可能な動画データを生成して、通信部57を介して動画再生支援サーバ装置10に送信してそこに記憶させる。コード化には、現在市販のパソコン又はワークステーションで使用されている汎用のエンコーダを使用することができる。なお、動画データ送信部57により動画データをコード化するときには、表示する画像の解像度(縦横方向の画素数)と、表示時のフレームレート(フレーム数/秒)を指定することができる。この表示時のフレームレートが動画データが撮影されたときのフレームレートと等しいとき、すなわち、表示時のフレームレートと、動画データが撮影されたときのフレームレートとの比率が1であるとき、得られる動画を構成する画像数は撮影時と同じであり、動画は撮影時と同じ速度で表示される。したがって、画像中の物体は滑らかな動きをするが、コード化された動画データのデータ量は多い。一方、フレームレートが撮影時のフレームレートより少ないとき、すなわち、上記比率が1より小さいとき、例えば半分のとき、表示される動画は、撮影時の画像数を上記比率だけ少なくした数の画像がコード化動画データとして得られる。したがって、コード化動画データのデータ量は、その比率が1である場合に比べて、その比率(今の場合は1/2)だけ少なくなるが、動画が表示されたときの画像内の物体の動きは、撮影時に比べて断続的な動きになる。本実施の形態では、上記フレームレートの比率は1と仮定するが、その比率が1より小さい場合でも、本発明は適用することができる。
【0047】
本発明では、複数の動画データをエンコードで生成して動画再生支援サーバ装置10に記憶させた後に、いずれかの動画データをクライアント装置20上で再生可能になる。その再生のために動画データをクライアント装置20が取得して再生する方法として、動画データをクライアント装置20にダウンロードして、その後に動画データの再生を開始するというダウンロード形式の他に、動画データをクライアント装置20に送信する途中で、動画データの再生を並行して開始するというストリーミング形式を利用することもできる。いずれの形式を利用するかに応じて適切なエンコーダを選択する必要がある。
【0048】
代表点データ送信部58は、以上のようにして景観情報収集装置90により記録媒体92に記録された測定点データを取り込み、測定点データのデータ量を削減して代表点に関するデータ(代表点データ)を生成して、通信部57を介して当該代表点データを動画再生支援サーバ装置10に送信してそこに記憶させるものである。代表点データの生成は自動的に生成することができるが、手動で生成してもよい。代表点データの生成方法は後に説明する。代表点データ送信部58は、景観情報収集装置90により記録媒体92に記録された測定点データを読み込み、図3(b)に示したような内容を有する、コンピュータで処理可能な測定点データ610を生成し、更にこの測定点データ610のデータ量を削減して代表点データを生成する。
【0049】
図4は、代表点データ620の例を模式的に示す図である。図では、フレーム#0の測定点データの次のデータとしてフレーム#60の測定点データが含まれていて、それらの間のデータは削除されていることが分かる。更に、代表点データは、各代表点に関するフレーム番号と経過時間と撮影位置と撮影方向を含む。すなわち、各代表点に関するデータは、撮影位置の履歴と撮影方向の履歴の両方を代表するデータである。したがって、得られた代表点データに含まれている隣接する一組の測定点データを用いて、その一組のデータの間にあるフレーム番号又は経過時間の画像についての撮影位置と撮影方向を、その一組のデータを補間して決定することができる。
【0050】
各画像に対するフレーム番号と経過時間は、いずれも撮影された動画データ内の各画像の位置を識別するための情報の例であり、本明細書ではこのような情報を動画内位置情報と呼ぶ。この動画内位置情報は、後に動画を再生したときに、再生されている画像に対する撮影位置と撮影方向を補間により決定するときに使用される。補間時には、動画表示コンポーネント521に問い合わせて再生中の画像の動画内位置情報を取得し、その動画内位置情報と、代表点データとが使用される。動画表示コンポーネント521から得られる動画内位置情報が、フレーム番号か経過時間かに応じて、代表点データ620には動画内位置情報としてフレーム番号か経過時間の一方が含まれていればよい。しかし、以下では、図4(a)に示すように、代表点データ620は、フレーム番号と経過時間の両方を含むと仮定する。
【0051】
図1に戻り、代表点データ送信部58は、代表点データ620を決定するとともに、撮影位置と撮影方向の履歴を地図上に表示するために必要となる、表示すべき地図の区域を指定する地図領域データを決定する。例えば、代表点データ620に含まれた測定点データが示す撮影位置を全て包含する最少の矩形領域又はそれより少し大きな矩形領域を決定し、その矩形領域の中心位置を示す中心位置データを決定し、更に、その矩形領域の対向する一組の頂点の座標の水平方向(経度方向)の差と垂直方向(緯度方向)の差のうちの大きなほうの値を、表示すべき地域のサイズデータとして決定する。そのような中心位置データとサイズデータは、地図領域データとして代表点データの一部として使用される。図4(b)は、そのような地図領域データ630の例を示し、中心位置データ631、サイズデータ632を示している。代表点データ送信部58は、以上のようにして決定された代表点データ620と地図領域データ630を、代表点データとして動画再生支援サーバ装置10に送信し、そこに記憶させる。なお、送信に先立って、代表点データの形式を後に実行される、ウェブブラウザに組み込まれた動画再生プログラムで処理するのに都合がよい形式、例えばXML形式に変換して送信することが望ましい。
【0052】
図1に戻り、クライアント装置20では、利用者は、動画再生支援サーバ装置10の動画データ記憶部11に記憶された複数の動画データに関して動画再生支援サーバ装置10による動画と撮影位置情報の同時表示機能を利用するためには、クライアント装置20から動画再生プログラムを動画再生プログラム要求部51から動画再生支援サーバ装置10に要求させる。そのためには、クライアント装置20には組み込まれているウェブブラウザを起動した状態で、例えば販売不動産物件の案内の画面を表示させて、動画表示させたい不動産を営業担当者あるいは顧客(以下、いずれの場合も動画再生支援サーバ装置10の動画表示機能の利用者と言う意味で利用者とも呼ぶ)に選択させる。
【0053】
図5は、そのような販売不動産物件の案内画面の例を示す図である。図において、各行が一つの不動産物件に対応し、その物件に関する情報を表す。例えば、各行に、整理番号と、鉄道沿線名と最寄り駅名と、土地物件の場合は敷地面積、方位等の物件の詳細、1戸建ての家屋の場合には敷地面積の他に建坪等の物件の詳細と、価格と、その他の参考情報等が表示される。各行には、動画再生支援サーバ装置10内の動画再生支援部13(図1)を呼び出すためのネットワークアドレス(いわゆるURL)がリンクされており、そのネットワークアドレスに付加する引数として、その行に対応する不動産の近傍の景観を表す動画データのネットワークアドレスが付加されている。したがって、いずれかの不動産に関する行を利用者が選択すると、利用者により選択された動画データが、その選択された行にリンクされたネットワークアドレスに付加する引数により指定されることになる。したがって、利用者がいずれかの不動産を選択すると、当該不動産に関する動画を表す動画データが利用者により選択されたことになる。
【0054】
利用者がいずれかの物件に対応する行をマウス等のポインティングデバイスで選択すると、ウェブブラウザにより動画再生プログラム要求部51が起動され、当該動画再生プログラム要求部51により、通信部57、ネットワーク40、動画再生支援サーバ装置10の通信部14を介して、動画再生支援サーバ装置10の動画再生支援部13に対して、利用者が選択した動画データのURLを上記引数で指定して、動作再生プログラムの送信を要求する。動画再生支援部13は、上記動作再生プログラムの送信要求を受けると、上記動作再生プログラムとして、動画データとそれに対応する代表点データとを処理して動画と撮影位置の同時表示を実現するための、クライアント装置20のウェブブラウザにより処理可能な動画再生プログラムを含む、ウェブブラウザで処理可能な所定の種別のファイルをクライアント装置20に送信して、クライアント装置20によりその動画再生プログラムを実行させて上記同時表示を実現する。
【0055】
動画再生支援部13の処理の説明は後で行う。その前に当該所定の種別のファイルの内容の概略を説明する。本実施の形態では、上記動画再生プログラムは、ウェブブラウザにより解読可能なプログラム言語、例えばスクリプト言語で記述された、スクリプトと呼ばれるウェブブラウザにより処理可能なプログラムであり、上記所定の種別のファイルは当該スクリプトが埋め込まれた、クライアント装置20のウェブブラウザが処理可能なファイルであり、例えばいわゆるHTMLファイルである。HTMLファイルに含まれた上記スクリプト以外の部分はウェブブラウザによる表示を制御する情報その他を含んでいるものであり、本発明には直接関係がないので、そのHTMLファイルのスクリプト以外の部分の説明は省略する。以下では、上記スクリプトを動画再生スクリプトと呼ぶことがある。あるいは、クライアント装置20で実行されるスクリプトであるので、クライアントサイドスクリプトと呼ぶこともある。
【0056】
本実施の形態では、上記動画再生スクリプトの例として、利用者が選択した動画データのURLを指定してその動画データを動画再生支援サーバ装置10に要求する処理と、それに対応する代表点データのURLを指定してその代表点データを動画再生支援サーバ装置10に要求する処理と、それらの二つのデータに基づいて上記動画と撮影位置の同時表示を実現するための処理を指定するスクリプトを使用する。
【0057】
後に説明するように、上記動画再生スクリプトは、クライアント装置20により表示されるべき動画データと、対応する代表点データとして、先にクライアント装置20により送信された動画再生プログラム送信要求で指定されたネットワークアドレスの動画データの送信を動画再生支援サーバ装置10に要求するスクリプト文とそれに対応する代表点データの送信を要求するスクリプト文を含んでいる。したがって、上記スクリプトの内容は、要求された動画データ毎に変化する。動画再生支援部13は、そのようなスクリプトを各動画データに対応してあらかじめ用意しておくこともできる。
【0058】
しかし、本実施の形態では、所定種別基準ファイル記憶部131に基準のスクリプトとそれを含む所定の構造を有する基準のHTMLファイルを所定の種別の基準ファイルとして記憶しておき、所定種別ファイル生成部132において、いずれかの動画データを指定した動画再生プログラムの送信要求をクライアント装置20から受信したときに、当該送信要求で要求される、動画データとそれに対応する代表点データに合わせて上記所定の種別の基準ファイルを更新して、要求された動画データに対応する所定の種別のファイルを生成する。所定種別ファイル送信部133が、その生成された所定の種別のファイルを、通信部14を介して要求元のクライアント装置20に宛てて送信する。送信されたHTMLファイルは、その中の動画再生スクリプトを含めてクライアント装置20内のウェブブラウザにより処理される。
【0059】
図6は、上記動画再生スクリプトが指示する処理の概略フローチャートである。このフローチャートは、スクリプトが指示する処理を説明するためのフローチャートであり、各処理ブロックとスクリプト文との対応を厳密に表すものではない。すなわち、フローチャート内のいずれかの処理ブロックは一つのスクリプト文に対応していてもよく、あるいはその処理ブロックに対して複数のスクリプト文が対応していてもよく、逆に複数の処理ブロックに対して一つのスクリプト文が対応していてもよい。
【0060】
まず、動画再生部52は、動画再生スクリプトにしたがって、利用者により選択された動画データのネットワークアドレスを指定して、動画データ記憶部11に記憶された当該動画データを動画再生支援サーバ装置10に要求して取得し、取得された動画データに基づいて動画を再生し、表示装置70に表示させる(ステップS131)。動画再生部52は、クライアント装置20のハードウエアとソフトウエアである動画表示コンポーネント521を主に使用して実現される動画表示のための機能ブロックである。動画表示コンポーネント521は、所定のコード化規則にしたがってコード化された動画データを再生して動画を表示可能なものであり、パソコンあるいはワークステーション用に広く使用されている動画表示コンポーネントを使用することができる。
【0061】
ステップS131で要求される動画データは、先に動画再生プログラム要求部51で指定された動画データと同じである。先に要求された動画データの送信をクライアント装置20がステップS131で要求できるように、動画再生支援部13は、上記HTMLファイルを動画再生支援サーバ装置10に送信するときに、そのHTMLに含まれた動画再生スクリプトが、利用者により選択された動画データが動画データ記憶部11内で記憶されているフォルダと当該動画データのファイル名で定まる、当該動画データのネットワークアドレスを指定してその動画データを要求するように、所定種別基準ファイル記憶部131(図1)に記憶された所定の種別の基準ファイルを所定種別ファイル生成部132で書き換えるようになっている。
【0062】
図7(a)は、動画再生部52により表示装置70に表示される動画表示画面71の例を示す図であり、動画表示画面71には動画を表示する領域711と、動画表示の停止、表示、早送り、逆送り、逆方向の早送り等の操作を指示する複数のボタンを備えるコントロールパネル領域712も含まれている。
【0063】
図6に戻り、つぎに、代表点データ取得部53が、動画再生スクリプトにしたがって、利用者により選択された動画データに対応する代表点データのネットワークアドレスを指定して、代表点データ記憶部12に記憶された当該代表点データ620を動画再生支援サーバ装置10に要求して取得する(ステップS132)。このとき、当該代表点データ620(図4(a))と一緒に地図領域データ630(図4(b))も取得される。
【0064】
動画再生スクリプトにしたがって上記代表点データをクライアント装置20が動画再生支援サーバ装置10に要求できるようにするために、所定種別ファイル生成部132により、当該対応する代表点データのネットワークアドレスを指定するように上記動画再生スクリプトが生成される。なお、上記対応する代表点データのネットワークアドレスは、その代表点データが対応する上記利用者が選択した動画データのネットワークに対して、一定の関係を有することとする。すなわち、上記動画データと対応する代表点データは、同じフォルダに記憶され、ファイル名が同じで、拡張子のみが異なり、したがって、両方のネットワークアドレスは、それぞれのデータのファイル名の拡張子の部分のみが異なるとする。
【0065】
つぎに、地図データ取得部54は、動画再生スクリプトにしたがって、利用者が選択した動画データが関係する地域の地図を表示するための地図データを地図データ記憶装置31から取得する(ステップS133)。この取得すべき地図データを指定する情報として、ステップS132で代表点データ620と一緒に取得された地図領域データ630(図4(b))に含まれている、経度と緯度で表されている中心位置データ631と経度差と緯度差で表されているサイズデータ632を、地図情報サーバ装置30内のコントローラ33に送り、取得すべき地図データの範囲を指定することができる。このように、本実施の形態では、GPS装置を使用して撮影位置を経度と緯度で測定し、地図データとして取得する範囲を当該中心位置データ631とサイズデータ632のように経度と緯度及び経度差と緯度差で表して、地図データ記憶装置31から所望の範囲の地図データを取得することができる。したがって、撮影位置に対応する地図上の位置を決定することが容易である。
【0066】
情報表示部55は、表示装置70に当該地図データが表す地図を表示させる(ステップS134)。情報表示部55は、クライアント装置20のハードウエアとソフトウエアである空間情報表示用のコンポーネント551を主に使用して実現される、撮影位置情報及び地図を表示装置70に表示させるための機能ブロックである。
【0067】
その後ステップS135において、撮影位置決定部56は、動画再生部52の動画表示コンポーネント521に動画内位置情報を問い合わせて取得することを繰り返す。動画内位置情報は、既に説明したように、動画表示コンポーネント521により表示される動画のうち現に表示されている画像を当該動画内で識別する情報である。動画内位置情報は、例えば再生されている画像のフレーム番号又は動画の先頭の画像から現に表示されている画像を表示するまでの経過時間である。この経過時間は、動画を構成する複数の画像のうち現に表示されている画像についての、動画を所定の通常の再生速度で再生したときの当該画像の先頭からその画像が表示されるまでの経過時間(再生時間)である。したがって、動画の再生速度が増大されても動画内の同じ画像に対する経過時間には、通常の再生速度で再生されるときの経過時間がそのまま使用される。なお、本実施の形態では、動画表示コンポーネント521が問い合わせ元に対して出力する動画内位置情報は、本実施の形態では経過時間とする。なお、動画表示コンポーネント521がその問い合わせ元に対して出力する動画内位置情報が現在表示されている画像のフレーム番号である場合でも本発明は、後に述べるようにして適用することができる。
【0068】
上記問い合わせの結果として得られた動画内位置情報とステップS132で取得した代表点データとに基づいて補間法により、動画表示コンポーネント521により現在表示されている画像の撮影位置と撮影方向を決定する(ステップS136)。この決定は以下のように行うことができる。まず、問い合わせで得られた動画内位置情報が示す経過時間が、代表点データ内のいずれかの経過時間に等しいときには、その経過時間に対応して代表点データ内に含まれた撮影位置と撮影方向を、現在表示されている画像に対する撮影位置と撮影方向であると決定する。一方、問い合わせで得られた動画内位置情報が示す経過時間が、代表点データ内のいずれの経過時間とも等しくないときには、問い合わせで得られた動画内位置情報が示す経過時間の両側に位置する一組の経過時間、すなわち、先に取得された代表点データに含まれ、得られた動画内位置情報が示す経過時間より小さいほうの経過時間のうち一番近い経過時間と、得られた動画内位置情報が示す経過時間より大きくて一番近い経過時間とを代表点データから抽出して、それら一組の経過時間と、得られた動画内位置情報が示す経過時間とを用いて、上記一組の経過時間のそれぞれに対応して代表点データに含まれている一組の撮影位置と一組の撮影方向をそれぞれ補間して、表示中の画像に対する撮影位置と撮影方向を決定する。
【0069】
空間情報表示用のコンポーネント551は、現在表示されている地図上のその決定された撮影位置に対応する位置に、当該決定された撮影方向を示す記号、例えば矢印を表示させる(ステップS137)。その後、現在表示されている画像が、現在再生中の動画の最後の画像か否かを判定する(ステップS138)。この判定のためには、動画表示コンポーネント521から取得できた動画内位置情報が示す経過時間が、当該再生中の動画に対して動画表示コンポーネント521からあらかじめ得られる最大経過時間と同じか否かを判断すればよい。
【0070】
もし現在表示されている画像が、現在再生中の動画の最後の画像でないと判断されたときには、問い合わせステップS135以降の処理を繰り返す。上記問い合わせの繰り返し周期は、例えば、空間情報表示用のコンポーネント551による表示の切り替え周期に合わせればよい。例えば、その周期が、例えば1/30秒と等しければ、上記問い合わせの周期も同じく1/30秒とすればよい。このように問い合わせの周期を定めると、空間情報表示用のコンポーネント551による画像の表示を切り替えられる最短の周期で問い合わせをすることになる。ステップS138での判定の結果、現在表示されている画像が、現在再生中の動画の最後の画像であると判断されたときには、動画再生スクリプトの処理は終了する。
【0071】
図7(b)は、ステップS137において空間情報表示用のコンポーネント551により表示装置70に表示されている、地図と撮影位置・撮影方向指示記号を含む地図・記号表示画面72を模式的に示す図である。利用者は、地図・記号表示画面72内の地図と撮影位置・撮影方向指示記号721を見て、同図(a)に示すように表示されている画像に示される建築物等が、地図72上のどの位置でどの方向から撮影されたものであるかを知ることができ、その建築物等についての理解を深めることができる。なお、以上の説明から明らかなように、本実施の形態では、撮影位置の情報としてGPS装置95(図2)を用いて撮影位置の緯度と経度を検出しているので、検出された撮影位置に対応する地図上の位置を決定することが極めて容易である。地図情報サーバ装置30から読み出すべき地図データの範囲を示す、既に述べた地図領域データ630(図4(b))に含まれる中心位置データ631とサイズデータ632も緯度と経度の組と、緯度の差と経度の差の組を用いて表されるので、地図情報サーバ装置30から読み出すべき地図データの範囲を地図領域データ630から決定することも同様に容易である。
【0072】
以下では、代表点データ送信部58(図1)による代表点データ620(図4(a))を自動的に生成する方法の一例を説明する。代表点データ620は、景観情報収集装置90(図2)により得られた測定点データ610(図3(b))のうち、削減可能な測定データを削減して得られる。データ削減の第1歩は、図3(b)に示された測定点データ610について、連続して同じ測定値が記録されている15個のフレームに関する15個のデータを、一つのデータにて代表させることである。例えば、同じ15個のデータのうち先頭のフレームのデータのみを残す。
【0073】
図8は、測定点データ内の連続する15フレームの同じ値のデータを先頭の1フレームのデータに削減して得られる測定点データ611の例を示す図である。図に示すように、第0、第15、第30、…フレームの測定点データからなるデータ611が得られる。このデータ611もここでは測定点データを呼ぶことにする。測定点データ611に含まれているデータが測定された点も以下では測定点と呼ぶことにする。代表点データ送信部59は、測定点データ611のデータを更に圧縮する。圧縮する処理の原理は、圧縮により削減された結果得られる代表点データから、削減前の測定点データ611が補間により決定できればよいように削減することである。測定点データ611が復元できれば、そのデータから測定点データ610を復元できる。
【0074】
簡単化のために、測定点データ611が撮影方向を示すデータを含まない場合を先に説明する。隣接する一組の測定点P1、P2に対して、その一組の測定点間の経度方向の移動速度Vxと緯度方向の移動速度Vyを、それらの測定点データが示す二つの撮影位置の経度と緯度の差とそれらの測定点間の経過時間の差とから算定する。このように隣接する一組の測定点P1、P2に関して得られた経度方向の移動速度Vxと緯度方向の移動速度Vyを、更にそれらの一組の測定点P1、P2に隣接する一組の測定点、例えばP2、P3に関して得られた経度方向の移動速度Vxと緯度方向の移動速度Vyと比べ、両者の経度方向の移動速度Vxと緯度方向の移動速度Vyがともに実質的に同じであるか否かを判断する。この条件が満されたときに、撮影位置は測定点の二つの組の間で同じ速度で同じ方向に移動したことになる。したがって、両組の測定点は、実質的に両端の一組の測定点P1、P3により代表させてもよいことになり、両組の測定点データを統合して測定点P1、P3に関するデータを測定点データとして残し、測定点P2に関するデータは削除する。そうでないときには、二組の測定点データは別々の測定点データとして扱う。
【0075】
上記判断における、経度方向の移動速度Vx又は緯度方向の移動速度Vyがそれぞれ実質的に同じか否かは、例えば、経度方向の移動速度Vxの差又は緯度方向の移動速度Vyの差のそれぞれに関して定めた閾値を越えていないかあるいは越えているかにより判断することができる。このような処理を繰り返すことにより、測定点データの統合を繰り返し、測定点データの数を減らすことができる。以上において隣接する二組の測定点のデータを比較するときには、それぞれの組での経過時間の差が同じときには、それぞれの組での経度方向の移動距離と緯度方向の移動距離をそれぞれ比較してともに同じか否かを判定してもよい。
【0076】
測定点データが撮影方向に関するデータを含んでいる場合には、同様に一組の測定点P1、P2とそれに隣接する一組の測定点P2、P3に対して撮影方向の変化速度を計算し、両組の撮影方向の変化速度が実質的に同じか否かという判断を追加する。上記撮影位置の経度方向の移動速度Vxと緯度方向の移動速度Vyと撮影方向の移動速度が二組の測定点に関して全て実質的に同じであるときに、両組の測定点データを統合して、測定点データを削減することができる。この方法を繰り返して、データの統合を繰り返し、測定点データを削減して、最後に得られたデータを代表点データとして使用することができる。
【0077】
以上のような代表点データの生成においては、経度方向の移動速度Vxと緯度方向の移動速度Vyと撮影方向の変化速度のいずれかが隣接する二組の測定点データについて異なる場合には、それらの二組に関する測定点データの統合を行わないことにした。しかし、代表点データの生成方法は、他の方法により行うこともできる。例えば、経度方向の移動速度Vxと緯度方向の移動速度Vyが実質的に同じであるという条件で測定点データを統合して撮影位置の履歴を代表する第1の代表点データ(撮影位置代表点データ)を決定し、撮影方向の変化速度が実質的に同じであるという条件で測定点データを統合して撮影方向の履歴を代表する第2の代表点データ(撮影方向代表点データ)を決定するという方法を用いてもよい。
【0078】
図9は、そのようにして生成された第1の代表点データ(撮影位置代表点データ)と第2の代表点データ(撮影方向代表点データ)の例を示す図である。同図(a)に示す第1の代表点データ621は、撮影位置の履歴を代表するが、撮影方向の履歴を代表しない代表点データであり、フレーム番号と経過時間に対応して撮影位置を含むが、撮影方向は含まない。逆に、同図(b)に示す第2の代表点データ622は、撮影方向の履歴を代表するが、撮影位置の履歴を代表しない代表点データであり、撮影方向を含むが、撮影位置は含まない。したがって、撮影位置の測定点データ611(図8)のうち、撮影位置に関する部分は、第1の代表点データから補間により復元することができる。撮影位置の測定点データ611(図8)のうち、撮影方向に関する部分は、第2の代表点データから補間により復元することができる。この方法では、補間は、撮影位置と撮影方向に関して別の測定点データを使用して行うことになるが、使用する測定点データの総数は、先の述べた方法より少ないので、補間の計算のために一組の測定点データを記憶部から読み出し処理の回数が減り、補間に要する処理時間が少なくてよいことになる。なお、代表点データの生成のための測定点データの圧縮の方法は、以上に述べた二つの方法とは異なる他の方法を採ることもできる。
【0079】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で修正、変更することができるのは言うまでもない。
【0080】
例えば、以上の実施の形態では、動画表示コンポーネント521が問い合わせ元に対して出力する動画内位置情報は、動画を構成する複数の画像のうち現に表示されている画像についての経過時間(再生時間)であった。しかし、動画表示コンポーネント521がその問い合わせ元に対して出力する動画内位置情報が現在表示されている画像のフレーム番号である場合でも本発明は、以下のようにして適用することができる。
【0081】
動画データ送信部57(図1)による動画データの作成に関して説明したように、動画の表示時のフレームレート(フレーム数/秒)が、動画データが撮影されたときのフレームレートと等しくないとき、すなわち、表示時のフレームレートと動画データが撮影されたときのフレームレートとの比率が1より小さいこと、例えば1/2であることもあり得る。この場合、動画データを構成する画像の数がその比率だけ、撮影時に得られた動画を構成する画像数より少ない。したがって、動画データに基づいて表示したときの画像のフレーム番号は、元の撮影時に得られた動画の対応する画像のフレーム番号と比べると、上記比率の逆数だけ大きい。比率が1/2のときには、動画データに基づいて表示したときの画像のフレーム番号は、元の撮影時に得られた動画の対応する画像のフレーム番号と比べると、2倍の値を持つ。
【0082】
上記実施の形態では、代表点データに含まれたフレーム番号は、動画の撮影時の各画像のフレーム番号である。したがって、ステップS136で、撮影位置決定部56が、動画表示コンポーネント521に表示されている画像の動画内位置情報を問い合わせた結果として受け取ったフレーム番号と代表点データとを用いて撮影位置と撮影方向を決める場合、上記比率が1より小さいときには、動画内位置情報として受け取ったフレーム番号と代表点データ内のフレーム番号を比較するときには、前者に代えて前者とその比率との積を、代表点データ内のフレーム番号と比較するか、逆に、代表点データ内のフレーム番号をその比率で除算して得られる値を使用する必要がある。なお、上記比率が1より小さいときには、動画データ送信部57(図1)で代表点データが得られたときに、その代表点データ内のフレーム番号をその比率で除算して修正代表点データを生成して使用してもよい。その場合には、動画表示コンポーネント521から得られた動画内位置情報としてのフレーム番号を、修正代表点フレーム番号と直接比較して撮影位置と撮影方向を補間で決定することができる。
【0083】
また、以上の実施の形態では、撮影位置と撮影方向を利用者に知らせるようにしたが、撮影位置のみを使用してもよい。撮影方向も利用者に識別可能に通知することは利用者にとっても好都合であるが、撮影方向は通知されなくても再生された画像から撮影方向を概ね推測することもできる。したがって、撮影時に撮影位置を変えるとともに撮影方向も変化しながら撮影する場合でも、後に動画を表示するときには、撮影位置を利用者に通知するが、撮影方向は利用者に通知しないようにすることもできる。更に、撮影時に撮影方向を、進行方向に固定して撮影するという方法を採ってもよい。この場合も経路が曲がるところでは撮影方向は変化するが、後に動画を再生するときに、撮影方向を利用者に通知しなくても、経路を利用者に通知するだけで、利用者は経路の進行方向から撮影方向を判別することができる。
【0084】
また、以上の実施の形態では、撮影位置と撮影方向を地図上に表示させるという方法で利用者に通知するようにしたが、地図を表示した状態で、撮影位置としての経度と緯度を示すかあるいは地図上の2次元座標を示す数値を利用者に通知し、撮影方向も角度を示す数値を利用者に通知するようにしてもよい。あるいは地図も表示しないで、撮影位置としての経度と緯度を示すかあるいは地図上の2次元座標を示す数値を利用者に通知し、撮影方向も角度を示す数値を利用者に通知するようにしてもよい。
【0085】
また、以上の実施の形態では、撮影方向としてディジタルビデオカメラの水平面内での撮影方向を検出して利用したが、これに代えて、撮影方向として、ディジタルビデオカメラの実際の撮影方向と、ディジタルビデオカメラの撮影位置の移動方向との差で表される相対的な撮影方向を検出して利用するようにしてもよい。なお、撮影位置の移動方向は、2次元面内での撮影装置の位置の時間的な変化の比率から検出することができる。このような相対的な撮影方向を使用すると、ディジタルビデオカメラの撮影方向が、撮影位置の移動方向と同じである期間は、相対的な撮影方向は変化しないことになる。通常の道路に沿っての景観を撮影する時には、ディジタルビデオカメラの撮影方向が、撮影位置の移動方向に対して同じ値に保持され続ける期間がかなりある。このような期間では、相対的な撮影方向の変化がないことになる。したがって、撮影された動画データの全体における相対的な撮影方向の変化がすくなくなるという利点がある。なお、このような相対的な撮影方向の履歴を代表する複数の代表点データを決定した場合、後にディジタルビデオカメラの撮影方向の履歴aを決定するには、それらの複数の代表点データから撮影位置の履歴pを補間により決定し、決定された撮影位置の履歴から撮影位置の移動方向の履歴dを決定し、更に、上記複数の代表点データから相対的な撮影方向の履歴rを決定し、上記撮影位置の移動方向の履歴dと上記決定された相対的な撮影方向の履歴rとからディジタルビデオカメラの撮影方向の履歴aを決定すればよい。
【0086】
また、撮影位置と撮影方向を利用者に通知する方法としては、撮影地点から撮影方向を見たときの3次元空間に位置する物体を3次元グラフィックスを用いて模擬的に表す画像を表示してもよい。
【0087】
また、以上の実施の形態では、各動画データに対応する代表点データが、動画再生支援サーバ装置10内の代表点データ記憶部12に記憶され、スクリプトをクライアント装置20で実行するときに、スクリプトで指定される代表点データを代表点データ記憶部12から読み出した。しかし、クライアント装置20の動画再生プログラム要求部51から動画表示要求が動画再生支援サーバ装置10に送付されたときに、所定種別ファイル生成部132が、表示要求された動画データに対応する代表点データを読み出し、送信する所定の種別のファイルに含めたものを所定の種別のファイルとして生成し、所定種別ファイル送信部133が、当該ファイルを要求元のクライアント装置20に送付し、当該ファイルに含まれたスクリプトにより、当該ファイル内の上記代表点データを処理するようにしてもよい。この方法では、スクリプトの実行時に代表点データを代表点データ記憶部12から読み出す必要はないので、スクリプト実行開始後の処理時間が短くできる。ただし、この方法では送信される所定の種別のファイルのサイズが大きくなり、転送時間が増え、そのためスクリプトの実行開始時期が遅れることがある。しかし、実施の形態ので方法では、所定の種別のファイルのサイズが小さくてよく、所定の種別のファイルの処理の実行開始が早まると期待される。
【0088】
また、以上の実施の形態では、利用者は、再生すべき動画データを指定した後に、動画再生支援サーバ装置に動画再生を要求した。しかし、利用者は、動画再生支援サーバ装置を動画再生のためにアクセスした後に、動画再生すべき動画データを利用者が指定するように、例えば、再生すべき動画データを指定するための画面をクライアント装置に表示させて、再生すべき動画データを指定させてもよい。
【0089】
以上の実施の形態では、動画と撮影位置の同時表示のために必要な処理を指定するプログラム(動画再生スクリプト)の全体がHTMLに含まれていたが、上記処理の一部又は大部分を指定するプログラムをHTMLとは別の、ウェブブラウザによっては実行できないがパソコン等のハードウエアにより実行できる他の所定の種別のファイルに含め、当該HTMLファイルには、当該他の所定の種別のファイルに含まれた上記処理の一部又は大部分を指定するプログラムを呼び出す部分など上記必要な処理の一部のみを含ませるようにしてもよい。この場合、クライアント装置が動画再生支援サーバ装置に最初に動画再生を要求したときには、動画再生支援サーバ装置は、上記のようなHTMLファイルと当該他の所定の種別のファイルをクライアント装置に送信し、クライアント装置は、送信されたHTMLファイルに含まれたスクリプトと、当該他の所定の種別のファイルに含まれた上記処理の一部又は大部分を指定するプログラムとを実行させればよい。なお、同じクライアント装置が動画再生支援サーバ装置に再度動画再生を要求したときには、既に送信された上記他の所定の種別のファイルを再度使用させ、上記他の所定の種別のファイルの再度の送信を省略することもできる。
【0090】
また、以上に示した実施の形態では、図1に示したように、動画再生支援サーバ装置10に複数のクライアント装置20が接続され、それらのクライアント装置20の一つが動画データ及び代表点データを動画再生支援サーバ装置10に送信できるようになっていた。このようにいずれかのクライアント装置20から、動画データ及び代表点データを動画再生支援サーバ装置10に送信可能にしたコンピュータシステムは、再生支援サーバ装置10と複数のクライアント装置20が同一の企業等の組織により使用される場合に有効である。しかし、本発明は、サーバ装置10に格納すべき動画データ及び代表点データをいずれかのクライアント装置20から格納する方法に限定されるのではなく、他の方法を用いても動画データ及び代表点データをよいことはいうまでもない。例えば、動画再生用のクライアント装置と異なる他のコンピュータを用いてサーバ装置10に格納してもよい。
【0091】
更に、クライアント装置20は、上記のように、動画再生支援サーバ装置10と同じ企業等の組織により管理されているものでなくてもよい。例えば、クライアント装置20は、不特定多数の一般の利用者がそれぞれ所有する、ウェブブラウザが組み込まれたパソコンであってもよい。この場合、動画再生支援サーバ装置10はインターネットに接続されてあれば、一般の利用者は、自己が所有するパソコンを用いてインターネットを介して動画再生支援サーバ装置10に記憶された動画データと代表点データを用いた動画再生を、実施の形態で述べたのと同じように利用することが可能になる。この動画再生のためには、実施の形態で述べたように、それぞれのパソコンには動画表示コンポーネントと空間情報表示コンポーネントがあらかじめ組み込まれている必要があるが、動画再生プログラム自体は、事前にパソコンに組み込まれていなくてもよいので、異なる人が動画再生支援サーバ装置10に記憶された動画データによる動画再生を利用するのが容易になる。例えば、いろいろな賃貸対象あるいは販売対象の不動産物件に関する補助情報として、利用者がその物件の近傍の景観を動画でインターネットを介して、店頭まで行かなくても見ることが可能になり、所望の不動産物件の選択が容易になる。
【0092】
なお、動画表示コンポーネントと空間情報表示コンポーネントには、汎用で無料のものが使用可能であれば、動画再生プログラムとして、それらの無料の動画表示コンポーネントと空間情報表示コンポーネントに適合したプログラムを送信するように、動画再生支援サーバ装置10をプログラムしておけばよい。利用者は、動画再生の利用の前に自己のパソコンにそれらのコンポーネントをインストールしておけばよい。現に動画表示コンポーネントとしては、多くのパソコンに既に組み込まれて使用されている汎用のものがあるので、それを利用するようにすれば、その動画表示コンポーネントは、新たにパソコンに組み込む必要がない。空間情報表示コンポーネントには汎用のものを使用しない場合には、動画再生支援サーバ装置10からその空間情報表示コンポーネントを利用者がダウンロード可能にしておけば、利用者は、動画再生支援サーバ装置10による動画再生を利用する前に、その空間情報表示コンポーネントを動画再生支援サーバ装置10からダウンロードして自己のパソコンに組み込めばよい。動画表示コンポーネントと空間情報表示コンポーネントの組み込みは、動画再生プログラムのように応用プログラム自体を組み込むよりも短時間で終えることができる。しかも、これらのコンポーネントは一度パソコンに組み込めば、その後は組み込み処理を行わなくても利用することができる。したがって、動画再生時に動画再生支援サーバ装置10が生成した動画再生プログラムを利用できることは、利用者にとっては動画再生開始までの時間が短くてよいことになり、好都合である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係るコンピュータシステムの一つの実施の形態の概略ブロック図である。
【図2】複数の原動画データと複数の代表点データを生成するのに使用可能な景観情報収集装置の一例を示す図である。
【図3】原画像データと測定点データの記録媒体上での記録状況を模式的に示す図である。
【図4】代表点データの例を模式的に示す図である。
【図5】販売不動産物件の案内画面の例を示す図である。
【図6】クライアント装置のプログラム実行部が上記動画再生スクリプトを実行するときの処理の概略を示すフローチャートである。
【図7】(a)は、動画再生部により表示される動画表示画面の例を示す図である。(b)は空間情報表示コンポーネントにより表示装置に表示されている地図と撮影位置撮影方向指示記号を含む画像を模式的に示す図である。
【図8】測定点データ内の連続する15フレームの同じ値のデータを先頭の1フレームのデータに削減して得られる測定点データの例を示す図である。
【図9】第1の代表点データ(撮影位置代表点データ)と第2の代表点データ(撮影方向代表点データ)の例を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
10…動画再生支援サーバ装置、11…動画データ記憶部、12…代表点データ記憶部、13…動画再生支援部、20…クライアント装置、30…地図情報サーバ装置、40…ネットワーク、721…撮影位置・撮影方向指示記号、100…コンピュータシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されたサーバ装置に当該ネットワークを介して接続され、ウェブブラウザを介して前記サーバ装置と通信可能なクライアント装置での動画の再生を、当該サーバ装置により支援する動画再生支援方法であって、前記サーバ装置は、複数の地域のそれぞれの景観を撮影して得られた複数の動画データと、それぞれ前記複数の動画データに対応した複数の代表点データとを記憶し、各代表点データは、対応する動画データが得られたときの複数の撮影位置の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれで撮影された画像の動画内位置情報とそれぞれの代表点の位置情報とを含むものであり、
前記サーバ装置から動画データを取得して前記クライアント装置に組み込まれた動画表示コンポーネントにより当該動画データに基づいて動画を再生させる処理を指示する、前記ウェブブラウザにより処理可能な動画再生プログラムの送信を要求する前記クライアント装置からの送信要求に応答して、前記サーバ装置により、前記要求された動画再生プログラムを含み、前記ウェブブラウザにより処理可能な所定の種別のファイルを前記サーバ装置から前記クライアント装置に送信し、
前記送信された所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置により、利用者により選択された動画データの送信を、前記サーバ装置に要求させて取得させ、前記クライアント装置に組み込まれた前記動画表示コンポーネントにより当該取得された動画データに基づいて前記クライアント装置内の表示装置に動画を再生させ、
前記動画データの再生中に、前記送信された所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置により、前記表示装置に再生中の画像の動画内位置情報を前記動画表示コンポーネントから取得することを繰り返させ、当該動画表示コンポーネントから動画内位置情報が取得される毎に、当該動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置により、当該取得された動画内位置情報と、前記サーバ装置に記憶された、前記選択された動画データに対応する代表点データとに基づいて、前記再生中の画像の撮影位置を決定させ、
当該動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置により、当該決定された撮影位置を示す情報を前記表示装置に表示させる、
ステップを含むことを特徴とする動画再生支援方法。
【請求項2】
前記動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置により、前記選択された動画データが関係する地域を表す地図データを、前記サーバ装置内又は前記ネットワークに接続された他のサーバ装置に設けられた地図データ記憶装置から取得させるステップを更に含み、
前記情報を表示させるステップは、
当該動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置に組み込まれた空間情報表示用のコンポーネントにより、前記取得された地図データに基づいて上記地域の地図を前記表示装置に表示させ、
前記決定された撮影位置を示す情報として、前記決定された撮影位置に対応する、前記表示された地図上の位置を識別可能に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の動画再生支援方法。
【請求項3】
各代表点データは、対応する動画データが得られたときの複数の撮影位置の履歴と複数の撮影方向の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれで撮影された画像の動画内位置情報とそれぞれの代表点に対する、撮影位置及び撮影方向の少なくとも一方とを含み、
前記撮影位置を決定させるステップは、前記動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置により、前記取得された動画内位置情報と前記選択された動画データに対応する前記代表点データとに基づいて前記再生中の画像の撮影位置と撮影方向とを決定させ、
前記決定された撮影位置に対応する、前記表示された地図上の位置を識別可能に表示させるステップは、前記動画再生プログラムにしたがって前記クライアント装置に組み込まれた前記空間情報表示用のコンポーネントにより、前記決定された撮影位置に対応する前記表示された地図上の位置に、当該決定された撮影方向を識別可能にする記号を表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の動画再生支援方法。
【請求項4】
前記クライアント装置による前記動画再生プログラムの前記送信要求は、前記複数の動画データのうち利用者により選択された動画データを指定して前記サーバ装置に前記動画再生プログラムの送信を要求するものであり、
前記所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムは、前記送信要求により指定された当該選択された動画データを前記サーバ装置に要求して取得する第1の処理の実行を前記クライアント装置に対して指示し、更に、前記複数の代表点データのうち、前記選択された動画データに対応する代表点データを前記サーバ装置に要求して取得する第2の処理の実行を前記クライアント装置に対して更に指示するものであり、
前記動画を再生させるステップは、前記動画再生プログラムによる前記第1の処理の実行を指示する前記指示にしたがって前記クライアント装置により、前記利用者により選択された動画データを前記サーバ装置に要求させて取得させ、取得された前記選択された動画データに基づいて動画を再生させ、
前記撮影位置を決定させるステップは、前記動画再生プログラムによる前記第2の処理の実行を指示する前記指示にしたがって前記クライアント装置により、前記選択された動画データに対応する前記代表点データを前記サーバ装置に要求させて取得させ、当該取得された対応する代表点データを、前記再生中の画像の撮影位置の前記決定に使用させる、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の動画再生支援方法。
【請求項5】
前記サーバ装置に対して前記動画再生プログラムの送信を要求する前記クライアント装置からの前記送信要求に応答して、当該サーバ装置により、あらかじめ定められた構造を有する、前記複数の動画データに対して定められた基準動画再生プログラムを含む、前記複数の動画データに対して定められた所定の種別の基準ファイルから、前記送信要求で要求された前記動画再生プログラムを含む、前記送信ステップで送信する前記所定の種別のファイルを生成するステップを更に含み、
前記生成するステップは、前記基準ファイルのうちの少なくとも前記基準動画再生プログラムを、前記要求により指定された前記利用者により選択された動画データに依存して、当該選択された動画データを前記サーバ装置に要求して取得する第1の処理の実行を前記クライアント装置に指示し更に前記複数の代表点データのうち、当該選択された動画データに対応する代表点データを前記サーバ装置に要求して取得する第2の処理の実行を前記クライアント装置に更に指示する、前記動画再生プログラムに変更することにより、前記送信する前記所定の種別のファイルを生成する、
ことを特徴とする請求項4に記載の動画表示支援方法。
【請求項6】
前記クライアント装置による前記動画再生プログラムの前記送信要求は、前記複数の動画データのうち利用者により選択された動画データを指定して前記サーバ装置に前記動画再生プログラムの送信を要求するものであり、
前記送信ステップは、前記所定の種別のファイルとして、前記要求された動画再生プログラムに加えて、前記複数の代表点データのうちの前記要求で指定された前記選択された動画データに対応する代表点データを含み、前記ウェブブラウザにより処理可能なファイルを送信するものであり、
前記所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムは、前記動画再生プログラムの前記要求により指定された当該選択された動画データを前記サーバ装置に要求して取得する第1の処理の実行を指示し、更に、前記送信ステップで送信された前記所定の種別のファイルに含まれた、前記選択された動画データに対応する前記代表点データを、前記動画再生プログラムにより再生中の画像の撮影位置の決定に使用する第2の処理の実行を指示するものであり、
前記動画を再生させるステップは、前記動画再生プログラムの前記第1の処理の実行を指示する前記指示にしたがって前記クライアント装置により、前記利用者により選択された動画データを前記サーバ装置に要求させて取得させ、取得された前記選択された動画データに基づいて動画を再生させ、
前記撮影位置を決定させるステップは、前記動画再生プログラムの前記第2の処理の実行を指示する前記指示にしたがって、前記送信された所定の種別のファイルに含まれた当該対応する代表点データを前記再生中の画像の撮影位置の前記決定に使用させる、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の動画再生支援方法。
【請求項7】
ネットワークに接続されたサーバ装置と、当該サーバ装置に当該ネットワークを介して接続され、ウェブブラウザを介して当該サーバ装置と通信可能な少なくとも一つのクライアント装置とを備えるコンピュータシステムであって、
前記サーバ装置は、
複数の地域のそれぞれの景観を撮影して得られた複数の動画データを記憶する動画データ記憶手段と、
それぞれ前記複数の動画データに対応した複数の代表点データであって、各代表点データは、対応する動画データが得られたときの複数の撮影位置の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれで撮影された画像の動画内位置情報とそれぞれの代表点の撮影位置とを含む複数の代表点データを記憶する代表点データ記憶手段と、
前記サーバ装置から動画データを取得して前記クライアント装置に組み込まれた動画表示コンポーネントにより当該動画データに基づいて動画を再生させる処理を指示する、前記ウェブブラウザにより処理可能な動画再生プログラムを含む、前記ウェブブラウザにより処理可能な所定の種別のファイルを、前記クライアント装置からの動画再生プログラムの送信要求に応答して前記クライアント装置に送信する所定種別ファイル送信手段と、
を備え、
前記クライアント装置は、
前記動画再生プログラムの送信を前記サーバ装置に要求する動画再生プログラム送信要求手段と、
表示装置と、
前記サーバ装置から送信される前記所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムにしたがって、利用者により選択された動画データを前記サーバ装置に要求して取得し、前記クライアント装置に組み込まれた前記動画表示コンポーネントにより当該取得された動画データに基づいて前記表示装置に動画を再生する動画再生手段と、
前記動画データの再生中に、前記所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムにしたがって、前記表示装置に再生中の画像の動画内位置情報を前記動画表示コンポーネントから取得することを繰り返し、当該動画表示コンポーネントから動画内位置情報が取得される毎に、当該動画再生プログラムにしたがって、当該取得された動画内位置情報と、前記選択された動画データに対応する、前記サーバ装置に記憶された代表点データとに基づいて、前記再生中の画像の撮影位置を決定する撮影位置決定手段と、
当該決定された撮影位置を示す情報を前記表示装置に表示させる情報表示手段と、
を備える、ことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項8】
前記クライアント装置は、前記動画再生プログラムにしたがって、前記選択された動画データが撮影された地域を表す地図データを、前記サーバ装置内又は前記ネットワークに接続された他のサーバ装置に設けられた地図データ記憶装置から取得する地図データ取得手段を更に備え、
前記情報表示手段は、
前記動画再生プログラムにしたがって、前記クライアント装置に組み込まれた空間情報表示用のコンポーネントにより、前記取得された地図データに基づいて上記地域の地図を前記表示装置に表示させる地図表示手段と、
前記決定された撮影位置に対応する、前記地図表示手段により表示された前記地図上の位置を識別可能に表示させる位置識別可能表示手段と、
を備える、ことを特徴とする請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
各代表点データは、対応する動画データが得られたときの複数の撮影位置の履歴と複数の撮影方向の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれで撮影された画像の動画内位置情報とそれぞれの代表点に対する、撮影位置及び撮影方向の少なくとも一方とを含み、
前記撮影位置決定手段は、当該動画再生プログラムにしたがって、前記取得された動画内位置情報と、前記サーバ装置に記憶された、前記選択された動画データに対応する代表点データとに基づいて、前記再生中の画像の撮影位置と撮影方向とを決定し、
前記位置識別可能表示手段は、当該動画再生プログラムにしたがって、前記決定された撮影位置に対応する、前記地図表示手段により表示された前記地図上の位置に当該決定された撮影方向を識別可能にする記号を表示させる、
ことを特徴とする請求項6に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
ネットワークに接続されたサーバ装置に当該ネットワークを介して接続され、ウェブブラウザを介して当該サーバ装置と通信可能なクライアント装置での動画の再生を、当該サーバ装置により支援するための、当該サーバ装置により実行される動画再生支援プログラムであって、当該サーバ装置は、複数の地域のそれぞれの景観を撮影して得られた複数の動画データ及びそれぞれ前記複数の動画データに対応した複数の代表点データを記憶するものであり、各代表点データは、対応する動画データが得られたときの複数の撮影位置の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれで撮影された画像の動画内位置情報とそれぞれの代表点の撮影位置とを含むものであり、
前記動画再生支援プログラムは、前記サーバ装置を、前記クライアント装置からの動画再生プログラムの送信要求に応答して、所定の種別のファイルを前記クライアント装置に送信する所定種別ファイル送信手段、として機能させるものであり、
前記所定の種別のファイルは、前記サーバ装置から動画データを取得して前記クライアント装置に組み込まれた動画表示コンポーネントにより当該動画データに基づいて動画を再生させる処理を指示する、前記ウェブブラウザにより処理可能な動画再生プログラムを含む、前記ウェブブラウザにより処理可能なファイルであり、
前記所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムは、前記クライアント装置を、
利用者により選択された動画データを前記サーバ装置に要求して取得し、前記クライアント装置に組み込まれた前記動画表示コンポーネントにより当該動画データに基づいて前記クライアント装置内の表示装置に動画を再生する動画再生手段と、
前記動画データの再生中に、前記表示装置に再生中の画像の動画内位置情報を前記動画表示コンポーネントから取得することを繰り返し、当該動画表示コンポーネントから動画内位置情報が取得される毎に、当該取得された動画内位置情報と、前記選択された動画データに対応する、前記サーバ装置に記憶された代表点データとに基づいて、前記再生中の画像の撮影位置を決定する撮影位置決定手段と、
当該決定された撮影位置を示す情報を前記表示装置に表示させる情報表示手段、
として機能させるものであることを特徴とする動画再生支援プログラム。
【請求項11】
前記動画再生プログラムは、前記クライアント装置を、前記選択された動画データが関係する地域を表す地図データを、前記サーバ装置内又は前記ネットワークに接続された他のサーバ装置に設けられた地図データ記憶装置から取得する地図データ取得手段、として更に機能させ、
前記情報表示手段は、
前記クライアント装置に組み込まれた空間情報表示用のコンポーネントにより、前記取得された地図データに基づいて上記地域の地図を前記表示装置に表示させる地図表示手段と、
前記撮影位置決定手段により決定された前記撮影位置に対応する、前記地図表示手段により表示された前記地図上の位置を識別可能に表示させる位置識別可能表示手段と、
を備える、
ことを特徴とする請求項10に記載の動画再生支援プログラム。
【請求項12】
各代表点データは、対応する動画データが得られたときの複数の撮影位置の履歴と複数の撮影方向の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれで撮影された画像の動画内位置情報とそれぞれの代表点に対する、撮影位置及び撮影方向の少なくとも一方とを含み、
前記撮影位置決定手段は、前記取得された動画内位置情報と、前記選択された動画データに対応する前記代表点データとに基づいて前記再生中の画像の撮影位置と撮影方向とを決定し、
前記位置識別可能表示手段は、前記決定された撮影位置に対応する、前記地図表示手段により表示された前記地図上の位置に当該決定された撮影方向を識別可能にする記号を表示させる、
ことを特徴とする請求項11に記載の動画再生支援プログラム。
【請求項13】
ウェブブラウザを介して外部と通信可能で、ネットワークに接続されたクライアント装置での動画の再生を支援する、当該ネットワークに接続された動画再生支援サーバ装置であって、
複数の地域のそれぞれの景観を撮影して得られた複数の動画データを記憶する動画データ記憶手段と、
それぞれ前記複数の動画データに対応した複数の代表点データを記憶するものであり、各代表点データは、対応する動画データが得られたときの複数の撮影位置の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれで撮影された画像の動画内位置情報とそれぞれの代表点の撮影位置とを含む複数の代表点データを記憶する代表点データ記憶手段と、
前記サーバ装置から動画データを取得して前記クライアント装置に組み込まれた動画表示コンポーネントにより当該動画データに基づいて動画を再生させる処理を指示する、前記ウェブブラウザにより処理可能な動画再生プログラムを含む、前記ウェブブラウザにより処理可能な所定の種別のファイルを、前記クライアント装置からの動画再生プログラムの送信要求に応答して前記クライアント装置に送信する所定種別ファイル送信手段と、
を備え、
前記所定の種別のファイルに含まれた前記動画再生プログラムは、前記クライアント装置を、
利用者により選択された動画データを前記サーバ装置に要求して取得し、前記クライアント装置に組み込まれた前記動画表示コンポーネントにより当該動画データに基づいて前記クライアント装置内の表示装置に動画を再生する動画再生手段と、
前記動画データの再生中に、前記表示装置に再生中の画像の動画内位置情報を前記動画表示コンポーネントから取得することを繰り返し、当該動画表示コンポーネントから動画内位置情報が取得される毎に、当該取得された動画内位置情報と、前記選択された動画データに対応する、前記サーバ装置に記憶された代表点データとに基づいて、前記再生中の画像の撮影位置を決定する撮影位置決定手段と、
当該決定された撮影位置を示す情報を前記表示装置に表示させる情報表示手段、
として機能させるものである、
ことを特徴とする動画再生支援サーバ装置。
【請求項14】
前記動画再生プログラムは、前記クライアント装置を、前記選択された動画データが関係する地域を表す地図データを、前記サーバ装置内又は前記ネットワークに接続された他のサーバ装置に設けられた地図データ記憶装置から取得する地図データ取得手段、として更に機能させ、
前記情報表示手段は、
前記クライアント装置に組み込まれた空間情報表示用のコンポーネントにより、前記取得された地図データに基づいて上記地域の地図を前記表示装置に表示させる地図表示手段と、
前記撮影位置決定手段により決定された前記撮影位置に対応する、前記地図表示手段により表示された前記地図上の位置を識別可能に表示させる位置識別可能表示手段と、
を備える、
ことを特徴とする請求項13に記載の動画再生支援サーバ装置。
【請求項15】
各代表点データは、対応する動画データが得られたときの複数の撮影位置の履歴と複数の撮影方向の履歴を代表する複数の代表点のそれぞれで撮影された画像の動画内位置情報とそれぞれの代表点に対する、撮影位置及び撮影方向の少なくとも一方とを含み、
前記撮影位置決定手段は、前記取得された動画内位置情報と、前記選択された動画データに対応する前記代表点データとに基づいて前記再生中の画像の撮影位置と撮影方向とを決定し、
前記位置識別可能表示手段は、前記決定された撮影位置に対応する、前記地図表示手段により表示された前記地図上の位置に当該決定された撮影方向を識別可能にする記号を表示させる、
ことを特徴とする請求項14に記載の動画再生支援サーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−222901(P2006−222901A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36790(P2005−36790)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【出願人】(503340977)株式会社ジェイ・エス・ビー (4)
【Fターム(参考)】