説明

動画広告提供システム及び動画データの作成方法

【課題】動画データの再生が指示されてから実際に再生されるまでの待ち時間を解消した動画広告提供システム及び動画データの作成方法を提供すること。
【解決手段】サーバが、第1のスクリプトを有し、端末装置に表示される第1画面において動画広告として表示される第1の動画データを有する第1のデータと、第2のスクリプトを有し、第2画面において動画広告として表示される第2の動画データを有する第2のデータとを記録する記録部を備え、前記第1の動画データの再生及び前記第2のデータの読み込みが前記端末装置において並行して実行されるように設定された先読み開始命令と、前記第2画面へのジャンプ命令と、前記第2のデータが前記端末装置に読み込まれ、且つ前記ジャンプ命令が実行された後に再生されるように設定されたシーン変更命令とが記載された前記第1のスクリプトを有する前記第1のデータを前記端末装置に伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置に蓄積された動画データを端末装置に提供するシステムに関し、より詳細には、インターネットのウェブサイトにおいて提供される複数の動画広告の再生を指示してから実際に再生されるまでの待ち時間を解消した動画広告提供システム及び動画広告提供システムにおいて使用する動画データの作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットのウェブサイトにおいて広告を表示する方法に、バナー広告を用いる方法がある。バナー広告には主に静止画が用いられている。近年、ウェブサイト閲覧者に多様な情報を提供するために、従来の静止画に代えて動画データを用いる広告が提供されてきている。
【0003】
図14は、従来技術に係るインターネットにおけるユーザのコンピュータによる動画データの読み込み動作を説明するタイミングチャートである。以下、タイミングチャートの縦軸は画面を表し、横軸は時間を表す。
【0004】
図14に示すように、従来技術に係るインターネットにおいては、ユーザのコンピュータは、画面が遷移する度に動画データの読み込みを行う。即ち、例えばマウスのクリックにより画面が遷移し、各々の画面において動画データが再生表示される場合、第1画面において第1の動画データを再生中に第2画面へ遷移すると、ユーザのコンピュータは、第2画面において再生を行う第2の動画データの読み込みを開始し、第2の動画データの読み込みを完了した後に、第2画面において第2の動画データを再生する。
【0005】
一般に、動画は静止画と比較してデータサイズが大きい。そのため、サーバコンピュータからユーザのコンピュータへの動画データの伝送が完了、又は動画データの所定量のバッファリングが完了するまで、ウェブサイト閲覧者は待たされることになる。近年のブロードバンド接続の普及により、大容量のデータ伝送が可能となり、動画データの伝送時間は減少してきているが、動画データの再生を指示してから実際に再生されるまでの待ち時間は依然として解消されていない。
【0006】
待ち時間を解消するための例として、下記特許文献1には、動画情報提供システムが開示されている。この動画情報提供システムによると、常時接続によるインターネット利用者に、データ転送の待ち時間に伴うストレスを感じさせることなく、動画の広告を提供することができる。
【特許文献1】特開2004−048402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された動画情報提供システムでは、データ転送をしていない空き時間に動画データを送信することにより待ち時間を解消することができるが、クライアント端末用プログラムをインストールして、ユーザのキーストロークやマウスの入力操作に基づいてデータ伝送の空き時間を常に検知して動画データを受信しており、ユーザのコンピュータにとって負荷が大きくなるという問題がある。また、ユーザの操作に応じた動画データを受信するのではないので、結果的にユーザが表示を指示しなかった無駄な動画データまで受信するという問題がある。
【0008】
また、一つの画面内に複数の動画を表示することは、ユーザのコンピュータに高い処理能力を要求する。即ち、従来の動画広告の提供方法では、一つの画面内に複数の動画広告を表示することが困難であり、複数の動画広告の表示を望む広告サービス提供業者の要望に十分応えることができていないという問題がある。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、動画データの再生が指示されてから実際に再生されるまでの待ち時間を解消した、一つの画面内に複数の動画広告を同時に表示することができる動画広告提供システム及び動画広告提供システムにおいて使用する動画データの作成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的の達成のために、本発明に係る動画広告提供サーバは、第1のスクリプトを有し、ネットワークに接続される端末装置に表示される第1画面において複数の動画広告として表示される第1の動画データを有する第1のデータと、第2のスクリプトを有し、前記第1画面からの遷移先の第2画面において複数の動画広告として表示される第2の動画データを有する第2のデータとを記録する記録部を備え、前記第1の動画データの再生及び前記第2のデータの読み込みが前記端末装置において並行して実行されるように設定された先読み開始命令と、前記第2画面のアドレスを含む第1のジャンプ命令と、前記第2のデータが前記端末装置に読み込まれ、且つ前記第1のジャンプ命令が実行された後に再生されるように設定されたシーン変更命令とが記載された前記第1のスクリプトを有する前記第1のデータを、前記ネットワークを介して前記端末装置に伝送することを特徴とする。
【0011】
ここで、広告企業のウェブサイトのアドレスを含む第2のジャンプ命令が記載された前記第2のスクリプトを有する前記第2のデータを前記端末装置に伝送することができる。
【0012】
ここで、前記第1のスクリプト及び前記第2のスクリプトがActionScriptのプログラムであり、前記第1の動画データ及び前記第2の動画データがFlashVideo形式動画データであり、前記第1のデータ及び前記第2のデータがSWF形式データであることができる。
【0013】
また、上記目的の達成のために、本発明に係る動画データの作成方法は、第1動画データ及び該第1動画データに対するアクションを定義するスクリプトから生成され、前記第1動画データ及び前記スクリプトを含み、前記スクリプトに記載されたアクションに従って前記第1動画データを再生するデータを再生用データとし、コンピュータが、ネットワークに接続される端末装置において、対象画面の再生用データの再生、及び前記対象画面の遷移先画面の再生用データの読み込みが並行して実行されることを可能にする前記遷移先画面の再生用データの先読み開始命令と、前記遷移先画面のアドレスを含む第1のジャンプ命令と、前記遷移先画面の再生用データが前記端末装置に読み込まれ、且つ前記第1のジャンプ命令が実行された後に再生されることを可能にするシーン変更命令とを前記スクリプトに設定する第1ステップを含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記端末装置において、前記再生用データを再生した後に広告企業のウェブサイトが前記端末装置に表示されるように、前記コンピュータが、前記広告企業の前記ウェブサイトのアドレスを含む第2のジャンプ命令を前記スクリプトに設定する第2ステップをさらに含むことができる。
【0015】
また、前記対象画面の再生用データの再生時間が、前記遷移先画面の再生用データの読み込み時間よりも長くなるように、前記コンピュータが、前記遷移先画面の再生用データを所定のサイズで作成、若しくは、前記対象画面の再生用データのループ再生命令を前記スクリプトに設定する第3ステップをさらに含むことができる。
【0016】
また、前記コンピュータが記録部を備え、前記コンピュータが、3Dグラフィックデータを作成して前記記録部に記録する第4ステップと、前記コンピュータが、前記3Dグラフィックデータを所定のフレームレートでレンダリングすることにより複数の静止画データを作成し、作成した複数の前記静止画データから複数の静止画連番形式データを作成して前記記録部に記録する第5ステップと、前記コンピュータが、前記記録部に記録された所定の形式の複数の動画データをエンコードすることにより、所定の再生時間の複数の第2動画データを作成して前記記録部に記録する第6ステップと、前記コンピュータが、複数の前記静止画連番形式データを結合することにより、所定の再生時間の静止画シーケンスデータを作成して前記記録部に記録する第7ステップと、前記端末装置において、前記静止画シーケンスデータで表される画像の上に、前記第2動画データのサムネイル動画が複数表示されるように、前記コンピュータが、所定のフレームレートで、前記静止画シーケンスデータと複数の前記第2動画データとをレンダリングすることによりレンダリングデータを作成して前記記録部に記録する第8ステップと、前記コンピュータが、前記レンダリングデータをエンコードすることにより、前記第1動画データを作成して前記記録部に記録する第9ステップと、前記コンピュータが、前記第1動画データ及び前記スクリプトから前記再生用データを生成して前記記録部に記録する第10ステップと、前記コンピュータが、前記再生用データのアドレスを含むHTMLデータを作成し、前記再生用データ及び前記HTMLデータを前記記録部に記録する第11ステップとをさらに含むことができる。
【0017】
また、前記スクリプトがActionScriptのプログラムであり、前記第1動画データがFlashVideo形式動画データであり、前記再生用データがSWF形式データであることができる。
【0018】
また、前記第2動画データがH.264形式動画データであり、前記静止画連番形式データが、TIFF連番形式データ又はBMP連番形式データであり、前記静止画シーケンスデータが、TIFFシーケンスデータ又はBMPシーケンスデータであり、前記第9ステップにおいて、前記FlashVideo形式動画へのエンコードにOn2VP6コーデックを使用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、動画データの再生を指示してから実際に再生されるまでの待ち時間を解消することができ、これにより、ウェブサイト閲覧者にストレスを感じさせることなく動画広告を提供することができる。
【0020】
また、インターネットのウェブサイトにおいて、一つの画面内に複数の動画広告を同時に表示することができるため、複数の動画広告の表示を望む広告サービス提供業者の要望に応えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る動画広告提供システムはサーバ1及び端末装置2を備え、サーバ1と端末装置2とは広域ネットワーク3に接続されている。サーバ1は、後述するデータの演算を行うCPU10と、演算の作業領域に使用するメモリ11と、演算データを記録する記録部12と、各部の間でデータを伝送するバス13と、人によって操作される操作部14と、外部機器とのデータの入出力を行うインタフェース部15(以下、I/F部と記す)と、画像を表示する表示装置16とを備えている。端末装置2は、サーバ1と同様に、CPU20と、メモリ21と、記録部22と、バス23と、操作部24と、I/F部25と、表示装置26とを備えている。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおいて使用する動画データ及びHTMLデータの作成方法を示すフローチャートであり、図3は、図2に示すフローチャートに従って動画データ及びHTMLデータを作成する際のデータフローである。
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおいて使用する動画データ及びHTMLデータの作成方法について、図2に示すフローチャート及び図3に示すデータフローに基づいて詳細に説明する。
【0025】
以下の説明においては、サーバ1が行う処理は実際にはサーバ1のCPU10が、端末装置2が行う処理は端末装置2のCPU20が行う処理を意味する。CPU10、20はメモリ11、12を作業領域として必要なデータ(設定値、処理途中の中間データ等)を一時記憶し、記録部12、22に演算結果等の長期保存するデータを適宜記録する。また、CPU10、20は処理の必要に応じて操作部14、24からの入力を受け取り、メモリ11、12、又は記録部12、22に記録したデータに基づいて、画像や文字等を表示装置16、26に表示する。また、サーバ1は、以下で説明するステップS1〜S8の処理を行うために使用するプログラムを記録部12に予め記録しており、サーバ1は、オペレータからの入力を操作部14を介して受け取ることにより、記録部12に記録したプログラムを使用して処理を行う。また、図5〜図8に示す本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおける端末装置の画面に表示される画面表示の例も適宜参照して説明する。
【0026】
本実施の形態においては、以下に説明するステップS1〜ステップS8の処理を全てサーバ1が行う。
【0027】
ステップS1において、サーバ1は3Dグラフィックデータ30を作成して記録部12に記録する。具体的には、3D STUDIO MAX(米国Autodesk社)を用いて、3Dグラフィックを背景部と前景部とに分けてモデリングし、3Dグラフィックデータ30を作成する。
【0028】
図4は、3Dグラフィックのモデリングを説明するサーバ装置の表示装置に表示される画面の一例である。図4の例では、表示装置16の画面に表示された3Dグラフィック中に、例えばビル41や植木42等を含む背景部と、例えば自動車43等の前景部(動体部とも記す)とがモデリングされている。このように、3Dグラフィックデータ30の作成方法については公知の方法を用いる。
【0029】
ステップS2において、サーバ1は、ステップS1において作成した3Dグラフィックデータ30を用いて所定のフレームレートでレンダリングすることにより作成した複数の2次元画像(静止画)データを、静止画連番形式データ31として出力し、記録部12に記録する。ここで、静止画連番形式データ31とは、所定の枚数の静止画データの各々を、連続した番号のファイル名を付して記録部12に記録したものである。また、本明細書においてレンダリングとは、3Dグラフィックデータ30や、後述する静止画シーケンスデータ34等のデータを用いて、表示装置の画面に表示するための2次元画像を作成することを意味する。
【0030】
具体的には、3D STUDIO MAXを用いて、背景部及び動体部の3Dグラフィックデータ30を所定のフレームレートでレンダリングすることにより、2次元画像であるTIFF(非圧縮、以下同じ)画像を連番形式で出力する。これにより、背景部として、例えば60枚の966×621ピクセルの32ビットフルカラーTIFF画像(総ファイルサイズ約137MB)、及び動体部として、例えば600枚の966×621ピクセルの32ビットフルカラーTIFF画像(総ファイルサイズ約1.37GB)を作成する。上記の例では、背景部については、1ファイルあたり約2.3MBのTIFFファイルが、例えば、bg000.tiff〜bg059.tiffのファイル名を付して60ファイル作成される。また、この例では、背景部及び動体部の静止画データ(TIFF画像)は、画像サイズが同じなので、後述するようにこれらを合成するときに必要となる情報、例えばアルファチャンネル等の透過度情報を有している。
【0031】
ステップS3において、サーバ1は任意の形式の動画データ32をエンコードしてH.264形式動画データ33を作成し、記録部12に記録する。H.264形式は、データ量が少なくても画質がよい動画を提供可能な動画形式である。H.264形式動画データ33へのエンコード方法については公知の方法を用いる。
【0032】
具体的には、QuickTime(米国Apple社)を用いて、HDV1080/60i規格の広告動画のデータをエンコードし、H.264形式動画データ33(720×480ピクセル、再生時間15秒間、キーフレームレート30fps、及びビットレート6400kbps)を作成する。本ステップにおいては、後述するステップS5において使用する複数の広告動画のデータ各々をH.264形式にエンコードする。
【0033】
ステップS4において、サーバ1はステップS2において作成した静止画連番形式データ31を静止画シーケンスデータ34に変換して記録部12に記録する。ここで、静止画シーケンスデータ34とは、ステップS2において作成した複数のファイルである静止画連番形式データ31を所定の再生時間の動画データとして1つのファイルに結合したものである。
【0034】
具体的には、After Effects(米国Adobe Systems社)を用いて、静止画連番形式データ31であるTIFF連番形式データを、静止画シーケンスデータ34であるTIFFシーケンスデータに変換する。まず、背景部についての60ファイルの966×621ピクセルのTIFF連番形式データを結合し、背景部について15秒間のTIFFシーケンスデータを作成する。この際、TIFF画像のサイズを966×621ピクセルから720×480ピクセルにリサイズする。その結果、背景部については、サイズが約79MBのTIFFシーケンスデータが1つ作成される。同様に、動体部についても、600枚の966×621ピクセルのTIFF連番形式データを結合し、動体部について20秒間のTIFFシーケンスデータを作成する。この際、TIFF画像のサイズを966×621ピクセルから720×480ピクセルにリサイズする。次に、動体部についての20秒間のTIFFシーケンスデータの再生時間が、背景部についてのTIFFシーケンスデータの再生時間と同じ15秒間になるように、TIFFシーケンスデータの再生時間を規定するデュレーション値を設定する。
【0035】
ステップS5において、静止画シーケンスデータ34で表される背景部の画像の上に、H.264形式動画データ33がサムネイル動画として表示され、さらに動体部の画像が表示されるように、サーバ1は、所定のフレームレートで静止画シーケンスデータ34とH.264形式動画データ33とをレンダリングしてレンダリングデータ35を作成し、記録部12に記録する。即ち、例えば、図5に示すように、背景部及び動体部各々の静止画シーケンスデータ34を用いて背景部及び動体部が再生表示され、ビル41等の構造物をイメージする背景部に、H.264形式動画データ33から縦横のサイズが縮小されたサムネイル動画51が重ね合わされて複数表示されるように、レンダリングデータ35を作成する。
【0036】
具体的には、After Effectsを用いて、まず、ステップS3において作成したH.264形式動画データ33を読み込み、表示装置16の画面上に表示された、TIFFシーケンスデータである背景部の画像上の所定の位置に、読み込んだH.264形式動画データ33を所定の表示サイズのサムネイル動画51として表示されるように配置する。次に、背景部のTIFFシーケンスデータ、動体部のTIFFシーケンスデータ、及び複数のH.264形式動画データ33が同時に再生されるように、例えば、再生開始時間を規定するパラメータ値を同じにして、H.264形式(キーフレームレート30fps、ビットレート6400kbps)でレンダリングし、レンダリングデータ35を作成する。
【0037】
ステップS6において、サーバ1はステップS5において作成したレンダリングデータ35をエンコードしてFlashVideo形式動画データ36を作成し、記録部12に記録する。FlashVideo形式は、データ量が少なくても画質がよい動画を提供可能な動画形式であり、FlashVideo形式動画データ36は、後述するSWF形式データ38内に含められることで、SWF形式データ再生プログラムによって再生可能となる。FlashVideo形式動画データ36へのエンコード方法については公知の方法を用いる。
【0038】
具体的には、QuickTime(米国Apple社)を用いて、ステップS5において作成したレンダリングデータ35をエンコードして、FlashVideo形式動画データ36(ファイルサイズ約5.5MB)を作成する。エンコードに使用する動画コーデックには、圧縮効率が高くても画質が良い動画を提供可能なOn2VP6コーデックを使用する。
【0039】
ステップS7において、サーバ1はステップS6において作成したFlashVideo形式動画データ36とActionScript37とからSWF形式データ38を生成し、記録部12に記録する。SWF形式は、データ量が少なくても画質がよい動画を提供可能な形式であり、SWF形式データ38は、内部に含まれる動画データの再生やウェブサイトへのジャンプといったアクションを定義することができるActionScript37を有することができる。ここで、遷移先の画面において再生表示するSWF形式データ38の読み込みを、遷移先の画面に遷移する前に予め開始するように、ActionScript37を設定する。
【0040】
具体的には、まず、Macromedia Flash 8(米国Adobe Systems社)を用いて、ステップS6において作成したFlashVideo形式動画データ36を読み込み、ActionScriptの関数を含むソースコードを作成する。SWF形式データ38の先読み開始を設定するには、SWF形式データ38の再生時間軸上の所定の位置にActionScriptのloadMovieNum関数を記載し、先読みの完了したSWF形式データ38の再生(シーン変更)を設定するには、SWF形式データ38の再生時間軸上の所定の位置にActionScriptのnextScene関数を記載する。同様に、URLで指定されるウェブサイトへのジャンプを設定するには、SWF形式データ38の再生時間軸上の所定の位置にActionScriptのgetURL関数を記載する。
【0041】
図9は、SWF形式データが有するActionScriptのソースコードの一例である。URLがhttp://www.foo.com/index.htmlで指定されるウェブサイトへのジャンプを命令するためには、図9に示すソースコードをActionScript37に設定する。
【0042】
ActionScript37の設定を完了すると、次に、Macromedia Flash 8を用いて、作成したActionScript37と読み込んだFlashVideo形式動画データ36とをSWF形式で出力し、SWF形式データ38(ファイルサイズ約3.7MB)を生成する。
【0043】
ステップS8において、サーバ1はSWF形式データ38と関連するHTMLデータ39とを記録部12に記録する。具体的には、Dream Weaver(米国Adobe Systems社)を用いて、ステップS7において作成したSWF形式データ38のアドレスを含むHTMLデータ39を作成し、SWF形式データ38及びHTMLデータ39をサーバの記録部12に記録し、本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおいて使用する動画データ及びHTMLデータの作成を完了する。
【0044】
次に、本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムの動作を説明する。
【0045】
以下の説明においては、サーバ1は、端末装置2の表示装置26に表示する上記ステップS1〜ステップS8に基づいて作成されたSWF形式データ38、及びSWF形式データ38のアドレスを含むHTMLデータ39を記録部12に予め記録しているものとする。また、端末装置2が表示装置26に表示する画面は、第1画面(図5)から第4画面へ(図8)順に遷移し、端末装置2は、第1画面〜第4画面の各々に対応するHTMLデータ39を用いて、各々異なる内容のSWF形式データ38(1.swf〜4.swf)を再生表示する。即ち、端末装置2は、第1のHTMLデータ〜第4のHTMLデータ(1.html〜4.html)を用いて、第1のSWF形式データ〜第4のSWF形式データを再生表示するものとする。また、第1のSWF形式データ〜第4のSWF形式データは、各々対応する第1のActionScript〜第4のActionScriptを有するものとする。SWF形式データ38の再生及び画面遷移には、例えば、Microsoft Internet Explorer(登録商標、米国Microsoft社)等の公知のブラウザ、及び公知のブラウザに組み込まれた、例えばAdobe Flash Player(米国Adobe Systems社)等の公知のSWF形式データ再生プログラムを用いるものとする。
【0046】
図10は、本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおける端末装置によるSWF形式データの読み込み動作を説明するタイミングチャートである。タイミングチャートの縦軸は画面を表し、横軸は時間を表す。
【0047】
図10に示すように、本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおいては、端末装置2が、第1画面において再生する第1のSWF形式データの再生と、第2のSWF形式データの読み込みとを並行して実行する。ここで、第1のActionScriptには、第2のSWF形式データの先読み開始命令が記載されている。続いて、第1のActionScriptに記載されたジャンプ命令に基づいて、第1画面から第2画面へ画面が遷移すると、端末装置2は、第1のSWF形式データの再生を終えた後、第2のSWF形式データの再生と、第3のSWF形式データの読み込みとを並行して実行する。ここで、第2のActionScriptには、第3のSWF形式データの先読み開始命令が記載されている。以下、同様に、第2のActionScriptに記載されたジャンプ命令に基づいて、第2画面から第3画面へ画面が遷移すると、端末装置2は、第2のSWF形式データの再生を終えた後、第3のSWF形式データの再生と、第4のSWF形式データの読み込みとを並行して実行する。
【0048】
図5〜図8に示す本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおける端末装置の画面に表示される画面表示の例も適宜参照して、端末装置によるSWF形式データ38及びHTMLデータ39の読み込み動作をより詳細に説明すると、先ず、閲覧者が操作部24を操作して第1画面で表示されるウェブサイトのURLを入力し、端末装置2が、入力されたURLを操作部24を介して受け取ると、端末装置2は広域ネットワーク3を介してサーバ1に第1画面の閲覧要求(例えば、HTTPリクエスト)を送信する。サーバ1は、広域ネットワーク3を介して、閲覧要求を受けた第1画面の第1のHTMLデータ及び第1のSWF形式データを端末装置2に送信し、端末装置2は、第1のHTMLデータ及び第1のSWF形式データの読み込みを開始して記録部22に記録する。第1のSWF形式データの読み込みが完了すると、端末装置2は、第1のHTMLデータを用いて第1のSWF形式データを再生して第1画面(図5)を表示する。再生開始後、端末装置2は、第1のActionScriptに記載された先読み開始命令(例えば、loadMovieNum関数)に基づいて、サーバ1に第2画面の第2のSWF形式データの読み込み要求及び第2のSWF形式データのアドレス(ActionScriptに記載されている)を送信し、サーバ1は、広域ネットワーク3を介して、読み込み要求を受けた第2のSWF形式データを端末装置2に送信し、端末装置2は、第2のSWF形式データの読み込みを開始して記録部22に記録する。
【0049】
図5に示す第1画面は、例えば、本発明の動画広告提供システムを用いて提供されるウェブサイトのトップページを表す表示画面の一例であり、第1画面内には、ビル41や植木42等の背景部、自動車43等の動体部、及びサムネイル動画51が配置され、第1画面内では、動体部及び複数のサムネイル動画51が再生表示されている。即ち、第1のSWF形式データは、図5に示す第1画面を表示するように作成されたデータである。
【0050】
次に、第1画面から第2画面へ遷移する動作、例えば、閲覧者が操作部24を操作して第1画面中の領域A1を、例えばマウスでクリックして選択すると、第1のActionScriptに記載されたジャンプ命令(例えば、getURL関数)に基づいて、端末装置2は広域ネットワーク3を介してサーバ1に第2画面の閲覧要求を送信する。サーバ1は、広域ネットワーク3を介して、閲覧要求を受けた第2画面の第2のHTMLデータを端末装置2に送信し、端末装置2は、第2のHTMLデータを記録部22に記録する。端末装置2は、第1のActionScriptに記載されたシーン変更命令(例えば、nextScene関数)に基づいて、第2のHTMLデータを用いて、上記したように予め読み込んでおいた第2のSWF形式データを再生して第2画面(図6)を表示する。再生開始後、端末装置2は、第2のActionScriptに記載された先読み開始命令に基づいて、広域ネットワーク3を介してサーバ1に第3画面の第3のSWF形式データの読み込み要求及び第3のSWF形式データのアドレスを送信し、サーバ1は、広域ネットワーク3を介して、読み込み要求を受けた第3のSWF形式データを端末装置2に送信し、端末装置2は、第3のSWF形式データの読み込みを開始して記録部22に記録する。
【0051】
図6に示す第2画面は、例えば、第1画面と第3画面との間に表示される表示画面の一例であり、第1画面中の所定の領域A1が選択されることで、例えば、領域A1に拡大及び回転等の演出効果が加えられ、領域Bにぼかし等の演出効果が加えられた動画が再生表示される。即ち、第2のSWF形式データは、図6に示す第2画面を表示するように作成されたデータである。
【0052】
次に、第2画面から第3画面へ遷移する動作、例えば、端末装置2が第2のSWF形式データの再生を完了すると自動的に、第2のActionScriptに記載されたジャンプ命令に基づいて、端末装置2は広域ネットワーク3を介してサーバ1に第3画面の閲覧要求を送信する。サーバ1は、広域ネットワーク3を介して、閲覧要求を受けた第3画面の第3のHTMLデータを端末装置2に送信し、端末装置2は、第3のHTMLデータを記録部22に記録する。端末装置2は、第2のActionScriptに記載されたシーン変更命令に基づいて、第3のHTMLデータを用いて、予め読み込んでおいた第3のSWF形式データを再生して第3画面(図7)を表示する。再生開始後、端末装置2は、第3のActionScriptに記載された先読み開始命令に基づいて、広域ネットワーク3を介してサーバ1に第4画面の第4のSWF形式データの読み込み要求及び第4のSWF形式データのアドレスを送信し、サーバ1は、広域ネットワーク3を介して、読み込み要求を受けた第4のSWF形式データを端末装置2に送信し、端末装置2は、第4のSWF形式データの読み込みを開始して記録部22に記録する。
【0053】
図7に示す第3画面は、例えば、第1画面の所定の領域A1が拡大されて表示される表示画面の一例であり、第1画面において表示されていたビル41や植木42等の背景部、及びサムネイル動画51が、より大きい寸法で再生表示されている。即ち、第3のSWF形式データは、図7に示す第3画面を表示するように作成されたデータである。
【0054】
次に、第3画面から第4画面へ遷移する動作、例えば、閲覧者が操作部24を操作して図5中のサムネイル動画51を、例えばマウスでクリックして選択すると、第3のActionScriptに記載されたジャンプ命令に基づいて、端末装置2は広域ネットワーク3を介してサーバ1に第4画面の閲覧要求を送信する。サーバ1は、広域ネットワーク3を介して、閲覧要求を受けた第4画面の第4のHTMLデータを端末装置2に送信し、端末装置2は、第4のHTMLデータを記録部22に記録する。端末装置2は、第3のActionScriptに記載されたシーン変更命令に基づいて、第4のHTMLデータを用いて、予め読み込んでおいた第4のSWF形式データを再生して第4画面(図8)を表示する。
【0055】
図8に示す第4画面は、例えば、広告動画を再生する表示画面の一例であり、端末装置2が第4のSWF形式データ(即ち、広告動画)の再生を完了すると、広告企業のウェブサイト(http://www.hogefuga.com/)にジャンプするようにActionScript37が設定されている。即ち、第4のSWF形式データは、図8に示す第4画面を表示するように作成されたデータである。
【0056】
上記したように、本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおいては、対象とする画面のSWF形式データの読み込みが、対象とする画面から一つ前の画面のSWF形式データの再生開始後に行われるように、ActionScriptに先読み開始命令が記載されている。
【0057】
図11は、本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおいて端末装置が読み込むSWF形式データが有するActionScriptのソースコードの一例である。具体的には、図11の(a)〜(d)は、図10に示す上記した第1画面〜第4画面への画面遷移を実現する第1のActionScript〜第4のActionScriptである。
【0058】
SWF形式データのデータサイズは、想定するネットワークの伝送レートでSWF形式データの読み込み完了後から再生開始までの待機時間(図10中に記号Cで示す範囲)が発生するように決定されているのが望ましい。即ち、対象とする画面のSWF形式データの再生時間が、対象とする画面から一つ後の画面のSWF形式データの読み込み時間よりも長くなるように決定されているのが望ましい。若しくは、対象とする画面から一つ後の画面に遷移するまでのSWF形式データの実際の再生時間が、対象とする画面から一つ後の画面のSWF形式データの読み込み時間よりも長くなるように、対象とする画面のSWF形式データをループ再生させて、上記待機時間Cが発生するようにしてもよい。SWF形式データをループ再生させるには、ActionScriptにループ再生命令(例えば、gotoAndPlay関数)を設定すればよい。
【0059】
以上、本発明を実施の形態によって説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
【0060】
上記実施の形態では、図10に示すように、対象とする画面のSWF形式データの読み込みを、対象とする画面から一つ前の画面のSWF形式データの再生開始後に行っているが、図12の本発明の他の実施の形態に係る動画広告提供システムにおける端末装置によるSWF形式データの読み込み動作を説明するタイミングチャートに示すように、対象とする画面から少なくとも一つ以上前の画面のSWF形式データの再生開始後におこなっても良い。即ち、上記実施の形態において、第1のActionScriptに、第2のSWF形式データ〜第4のSWF形式データの先読み開始命令を全て記載しておき、端末装置2が、第1のSWF形式データの再生開始後に、第2のSWF形式データ〜第4のSWF形式データの読み込みを並行して実行してもよい。図13は、本発明の他の実施の形態に係る動画広告提供システムにおいて端末装置が読み込むSWF形式データが有するActionScriptのソースコードの一例である。具体的には、図13の(a)〜(d)は、図12に示す第1画面〜第4画面への画面遷移を実現する第1のActionScript〜第4のActionScriptである。
【0061】
また、上記実施の形態では、端末装置2が表示装置26に表示する画面は、第1画面(図5)から第4画面へ(図8)順に遷移しているが、第1画面中の所定の領域A2が選択されることで、第1画面から第5画面(図示せず)へ遷移するように第1画面に対応するSWF形式データが有するActionScriptにジャンプ命令を記載してもよく、その場合、端末装置2は、第1のSWF形式データの再生開始後に、第5画面で再生する第5のSWF形式データの読み込みも並行して実行すればよい。
【0062】
また、上記実施の形態では、SWF形式データの読み込みを完了した段階でSWF形式データの再生を開始しているが、SWF形式データの読み込みが完了するまで待機せずに、SWF形式データが端末装置2に所定のサイズだけバッファリングされた段階で、SWF形式データの再生を開始してもよい。即ち、SWF形式データはストリーミング型のデータ構造を有していても良い。
【0063】
また、上記実施の形態では、対象とする画面のSWF形式データの再生開始後、即ち、読み込みを完了した段階で、対象とする画面から一つ後の画面のSWF形式データの読み込みを開始しているが、SWF形式データの読み込みが完了するまで待機せずに、対象とする画面のSWF形式データが端末装置2に所定のサイズバッファリングされた段階で、対象とする画面から一つ後のSWF形式データの読み込みを開始してもよい。
【0064】
また、上記実施の形態では、第4画面において広告動画を再生した後にスポンサー企業のウェブサイトに無条件でジャンプするようにActionScript37にジャンプ命令が記載されているが、ジャンプする前にサーバ1又は端末装置2が正規乱数を発生させて懸賞の抽選を行い、ジャンプ先のウェブサイトにおいて利用できるポイントを閲覧者に付与してもよい。閲覧者に付与するポイントを管理するために、例えば、閲覧者が、第1画面において、操作部24を介して自動車43を選択することで、ジャンプ先のウェブサイトへのログインを行うようにしてもよい。ウェブサイトへのログインを行う手段、及び正規乱数を発生させて懸賞の抽選を行う手段は、公知の方法を用いてActionScript内に実装すればよく、閲覧者を識別するためのユーザID、パスワード、及び閲覧者毎の累積ポイント数等のポイント管理に必要なデータは、予めサーバ1の記録部12に、例えば操作部14を介して入力され、データベースとして記録されていればよい。特に、広告を最後まで見れば抽選があることを画面に表示し、広告動画の再生を完了した後に懸賞の抽選を行うようにすることにより、閲覧者はポイントを獲得するために、広告動画を最後まで見ることになるので、宣伝効果が増大する。従って、動画広告サービスの提供者は、広告効果が高いことをアピールして、多くの企業から広告の依頼を獲得することができる。
【0065】
また、上記実施の形態では、ステップS1において3Dグラフィックデータ30を作成し、ステップS2において3Dグラフィックデータ30から静止画連番形式データ31を作成し、ステップS4において静止画連番形式データ31から静止画シーケンスデータ34を作成しているが、予め作成しておいたこれら3Dグラフィックデータ30、静止画連番形式データ31、及び静止画シーケンスデータ34を使用してもよい。
【0066】
また、上記実施の形態では、ステップS3においてH.264形式動画データ33を作成しているが、予め作成しておいたH.264形式動画データ33を使用してもよい。
【0067】
また、上記実施の形態では、静止画のフォーマットにTIFF形式を使用しているが、BMP形式又はPICT形式等の任意の静止画の形式であってもよい。
【0068】
また、上記実施の形態では、HDV1080/60i規格の動画データをH.264形式動画データ33にエンコードしているが、H.264形式動画データ33へエンコード可能な他の形式の動画データであってもよい。
【0069】
また、上記実施の形態では、FlashVideo形式動画データ36のエンコードにOn2VP6コーデックを使用しているが、FlashVideo形式をサポートする他のコーデックであってもよい。
【0070】
また、上記実施の形態では、動体部についての20秒間のTIFFシーケンスデータの再生時間が、背景部についてのTIFFシーケンスデータの再生時間と同じ15秒間になるように、TIFFシーケンスデータの再生時間を規定するデュレーション値を設定しているが、初めから、動体部についてのTIFF連番形式データを450枚作成して、デュレーション値を変更せずに、15秒間のTIFFシーケンスデータを作成してもよい。
【0071】
また、上記実施の形態では、ステップS1〜S8において特定のプログラムを使用して処理を行っているが、使用するプログラムは実施の形態に記載のものに限定されず、各ステップS1〜S8において使用するプログラムと同等の機能を有する他のプログラムであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおいて使用する動画データ及びHTMLデータの作成方法を示すフローチャートである。
【図3】図2に示すフローチャートに従って動画データ及びHTMLデータを作成する際のデータフローである。
【図4】3Dグラフィックのモデリングを説明するサーバ装置の表示装置に表示される画面の一例である。
【図5】本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおける端末装置の表示装置に表示される画面の例である。
【図6】本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおける端末装置の表示装置に表示される画面の例である。
【図7】本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおける端末装置の表示装置に表示される画面の例である。
【図8】本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおける端末装置の表示装置に表示される画面の例である。
【図9】SWF形式データが有するActionScriptのソースコードの一例である。
【図10】本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおける端末装置によるSWF形式データの読み込み動作を説明するタイミングチャートである。
【図11】本発明の実施の形態に係る動画広告提供システムにおいて端末装置が読み込むSWF形式データが有するActionScriptのソースコードの一例である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係る動画広告提供システムにおける端末装置によるSWF形式データの読み込み動作を説明するタイミングチャートである。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る動画広告提供システムにおいて端末装置が読み込むSWF形式データが有するActionScriptのソースコードの一例である。
【図14】従来技術に係るインターネットにおけるユーザのコンピュータによる動画データの読み込み動作を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0073】
1 サーバ
2 端末装置
3 広域ネットワーク
10,20 CPU
11,21 メモリ
12,22 記録部
13,23 バス
14,24 操作部
15,25 I/F部
16,26 表示装置
30 3Dグラフィックデータ
31 静止画連番形式データ
32 任意の形式の動画データ
33 H.264形式動画データ
34 静止画シーケンスデータ
35 レンダリングデータ
36 FlashVideo形式動画データ
37 ActionScript
38 SWF形式データ
39 HTMLデータ
41 背景部のビル
42 背景部の植木
43 動体部の自動車
51 サムネイル動画

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のスクリプトを有し、ネットワークに接続される端末装置に表示される第1画面において複数の動画広告として表示される第1の動画データを有する第1のデータと、
第2のスクリプトを有し、前記第1画面からの遷移先の第2画面において複数の動画広告として表示される第2の動画データを有する第2のデータとを記録する記録部を備え、
前記第1の動画データの再生及び前記第2のデータの読み込みが前記端末装置において並行して実行されるように設定された先読み開始命令と、
前記第2画面のアドレスを含む第1のジャンプ命令と、
前記第2のデータが前記端末装置に読み込まれ、且つ前記第1のジャンプ命令が実行された後に再生されるように設定されたシーン変更命令とが記載された前記第1のスクリプトを有する前記第1のデータを、前記ネットワークを介して前記端末装置に伝送することを特徴とする動画広告提供サーバ。
【請求項2】
広告企業のウェブサイトのアドレスを含む第2のジャンプ命令が記載された前記第2のスクリプトを有する前記第2のデータを前記端末装置に伝送することを特徴とする請求項1に記載の動画広告提供サーバ。
【請求項3】
前記第1のスクリプト及び前記第2のスクリプトがActionScriptのプログラムであり、
前記第1の動画データ及び前記第2の動画データがFlashVideo形式動画データであり、
前記第1のデータ及び前記第2のデータがSWF形式データであることを特徴とする請求項1又は2に記載の動画広告提供サーバ。
【請求項4】
第1動画データ及び該第1動画データに対するアクションを定義するスクリプトから生成され、前記第1動画データ及び前記スクリプトを含み、前記スクリプトに記載されたアクションに従って前記第1動画データを再生するデータを再生用データとし、
コンピュータが、
ネットワークに接続される端末装置において、対象画面の再生用データの再生、及び前記対象画面の遷移先画面の再生用データの読み込みが並行して実行されることを可能にする前記遷移先画面の再生用データの先読み開始命令と、
前記遷移先画面のアドレスを含む第1のジャンプ命令と、
前記遷移先画面の再生用データが前記端末装置に読み込まれ、且つ前記第1のジャンプ命令が実行された後に再生されることを可能にするシーン変更命令とを前記スクリプトに設定する第1ステップを含むことを特徴とする動画データの作成方法。
【請求項5】
前記端末装置において、前記再生用データを再生した後に広告企業のウェブサイトが前記端末装置に表示されるように、前記コンピュータが、前記広告企業の前記ウェブサイトのアドレスを含む第2のジャンプ命令を前記スクリプトに設定する第2ステップをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の動画データの作成方法。
【請求項6】
前記対象画面の再生用データの再生時間が、前記遷移先画面の再生用データの読み込み時間よりも長くなるように、
前記コンピュータが、前記遷移先画面の再生用データを所定のサイズで作成、若しくは、前記対象画面の再生用データのループ再生命令を前記スクリプトに設定する第3ステップをさらに含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の動画データの作成方法。
【請求項7】
前記コンピュータが記録部を備え、
前記コンピュータが、3Dグラフィックデータを作成して前記記録部に記録する第4ステップと、
前記コンピュータが、前記3Dグラフィックデータを所定のフレームレートでレンダリングすることにより複数の静止画データを作成し、作成した複数の前記静止画データから複数の静止画連番形式データを作成して前記記録部に記録する第5ステップと、
前記コンピュータが、前記記録部に記録された所定の形式の複数の動画データをエンコードすることにより、所定の再生時間の複数の第2動画データを作成して前記記録部に記録する第6ステップと、
前記コンピュータが、複数の前記静止画連番形式データを結合することにより、所定の再生時間の静止画シーケンスデータを作成して前記記録部に記録する第7ステップと、
前記端末装置において、前記静止画シーケンスデータで表される画像の上に、前記第2動画データのサムネイル動画が複数表示されるように、前記コンピュータが、所定のフレームレートで、前記静止画シーケンスデータと複数の前記第2動画データとをレンダリングすることによりレンダリングデータを作成して前記記録部に記録する第8ステップと、
前記コンピュータが、前記レンダリングデータをエンコードすることにより、前記第1動画データを作成して前記記録部に記録する第9ステップと、
前記コンピュータが、前記第1動画データ及び前記スクリプトから前記再生用データを生成して前記記録部に記録する第10ステップと、
前記コンピュータが、前記再生用データのアドレスを含むHTMLデータを作成し、前記再生用データ及び前記HTMLデータを前記記録部に記録する第11ステップとをさらに含むことを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の動画データの作成方法。
【請求項8】
前記スクリプトがActionScriptのプログラムであり、
前記第1動画データがFlashVideo形式動画データであり、
前記再生用データがSWF形式データであることを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載の動画データの作成方法。
【請求項9】
前記第2動画データがH.264形式動画データであり、
前記静止画連番形式データが、TIFF連番形式データ又はBMP連番形式データであり、
前記静止画シーケンスデータが、TIFFシーケンスデータ又はBMPシーケンスデータであり、
前記第9ステップにおいて、前記FlashVideo形式動画へのエンコードにOn2VP6コーデックを使用することを特徴とする請求項8に記載の動画データの作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−160670(P2008−160670A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−349453(P2006−349453)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(506429400)
【Fターム(参考)】