説明

動画記録装置

【課題】動画を記録しているときにメモリの空き容量が不足した場合でも、動画の記録を中断することなく動画記録を続けることができる動画記録装置を提供すること。
【解決手段】制御部1は、ステップS3〜ステップS9の処理サイクルを繰り返すことによって、撮像部7により取得されたフレームデータを記憶部3に順次記録し、動画データファイルを記憶部3に記録する。制御部1はこの処理サイクルにおいて記憶部3の空き容量が不足しているか否かを判定する。記憶部3の空き容量が不足している場合には、制御部1は、ステップS3、ステップS5、ステップS21、ステップS23の処理サイクルを繰り返すことによって、撮像部7により取得されたフレームデータを記憶媒体9に記録し、動画データファイルを記憶媒体9に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画を記録する動画記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラの高機能化が進み、静止画だけでなく、動画も撮影することができるデジタルカメラも普及している。デジタルカメラは撮像素子で取得された動画や静止画をデジタルデータとして読み書き可能な不揮発性メモリに記録するものである。不揮発性メモリの高容量化が進んでいるが、より多くの動画や静止画を記録するために、複数の不揮発性メモリを用いたデジタルカメラが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数のメモリに静止画をデジタルデータとして記録するデジタルカメラについて記載されている。このデジタルカメラは、選択された1つのメモリの空き容量が不足した場合に、別のメモリを自動的に選択して、そのメモリに静止画を記録するものである。静止画を記録するデジタルカメラにあっては、静止画のデータ量がおおよそ定まっているので、そのデータ量を記録することができるメモリを予め選択して、そのメモリに静止画を記録することができる。
【特許文献1】特開2001−268508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、動画の場合には、動画のデータ量が定まっていないので、複数のメモリがあるときでも、記録するメモリを選択することができず、また、記録するメモリを選択したものとしても、そのメモリの容量を超える動画はそのメモリに記録することができない。それ故、従来のデジタルカメラやデジタルビデオカメラにあっては、メモリの空き容量が少なくなると、その旨を表示装置に表示させ、ユーザにメモリの交換を促す方法を採用している。しかし、メモリの交換時においては、動画を記録することができないので、大事な場面等を撮り逃してしまうことがある。
また、動画のデータが交換前のメモリと交換後のメモリに分かれてしまうため、撮影後に編集機を用いて、交換前のメモリに記録された動画のデータと、交換後のメモリに記録された動画のデータとを、連続した1つの動画データとして編集しなければならなかった。そのために、編集機が必要であり、編集の手間もかかる。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を解決しようとしてなされたものであり、動画を記録しているときにメモリの空き容量が不足した場合でも、動画の記録を中断することなく動画記録を続けることができる動画記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る動画記録装置は、動画データを第1のメモリに順次記録する第1の動画記録手段と、この第1の動画記録手段により前記第1のメモリに動画データが順次記録されている際に前記第1のメモリの空き容量を判定する判定手段と、この判定手段によって前記第1のメモリの空き容量が不足していると判定された際に以降の動画データを第2のメモリに順次記録する第2の動画記録手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、更に撮像手段を備え、前記第1のメモリ及び第2のメモリに記憶される動画データは、前記撮像手段によって取得された動画データであることを特徴とする。
【0008】
更に、請求項3の発明は、前記第1のメモリ及び第2のメモリに記憶される動画データは、外部から受信した動画データであることを特徴とする。
【0009】
更にまた、請求項4の発明は、前記第1及び第2の動画記録手段は前記動画データをファイル形式で前記第1のメモリ及び第2のメモリに記録する動画データファイル手段を有し、更に、前記第1のメモリに記録された動画データファイルを再生し、次に、前記第2のメモリに記録された動画データファイルを再生する動画再生手段を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、前記第1の動画記録手段によって前記第1のメモリに記録された動画データファイルと前記第2の動画記録手段によって前記第2のメモリに記録された動画データファイルとを結合する合成手段を更に備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6の発明は、前記第1の動画記録手段は前記動画データをMPEG規格に従って順次前記第1のメモリに記録し、前記第2の動画記録手段は前記第1のメモリに記憶された最後の動画データのIフレームと同じIフレームを前記第2のメモリに記録した後、前記動画データをMPEG規格に従って順次前記第2のメモリに記録することを特徴とする。
【0012】
更に、請求項7の発明は、前記第1のメモリ及び前記第2のメモリのうちの少なくとも何れか一方は前記動画記録装置に着脱可能な外部メモリであることを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明に係わる動画記録装置は、撮像手段によって取得される動画データ又は外部から受信する動画データを予め定められた時間毎にファイル化して第1のメモリに順次記録する第1の動画記録手段と、この第1の動画記録手段により前記第1のメモリに複数の動画データファイルが順次記録されている際に、前記第1のメモリの空き容量が不足しているか否かを判定する判定手段と、この判定手段によって前記第1のメモリの空き容量が不足していると判定された際に、続く動画データを予め定められた時間毎にファイル化して第2のメモリに順次記録する第2の動画記録手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項9の発明は、前記第1の動画記録手段によって前記第1のメモリに順次記録された複数の動画データのファイルと、前記第2の動画記録手段によって前記別のメモリに順次記録された複数の動画データのファイルとを結合する合成手段を更に備えることを特徴とする。
【0015】
更に、請求項10の発明は、前記第1の動画記録手段及び前記第2の動画記録手段は、各ファイルをMPEG規格に従ってファイル化し、各ファイルの最後のIフレーム画像データを次のファイルの先頭に記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、動画データが第1のメモリに記録されている時に、その第1のメモリの空き容量が不足しているか否か判定され、その第1のメモリの空き容量が不足している場合に、別のメモリに動画データが記録されるから、メモリの交換無しに続けざまに動画が記録される。そのため、大事な場面等の撮影中において第1のメモリの空き容量が不足した場合でも、その大事な場面等の撮り逃しを回避することができる。
また、第1のメモリに記録された動画データと、別のメモリに記録された動画データとが順に再生されたり、結合されたりするので、これらの動画データを編集する手間を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0018】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明を適用したデジタルカメラのブロック図である。図1において、制御部1は、CPU、ROM等から構成され、デジタルカメラ全体の動作を制御するためのプログラムを内部に備え、更に後述する動作を行うためのプログラムを備えている。この制御部1には、バスライン2を介して記憶部3、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)4、伝送制御部5、表示部6、撮像部7、入力部8及び記憶媒体駆動部10が接続されている。
【0019】
記憶部3は、デジタルカメラの内部に固定的に設けられ、通常状態では取り出すことができない内部メモリである。記憶部3は、読み書き可能な不揮発性のメモリ、例えばフラッシュメモリ等から構成されている。この記憶部3には、撮像部7で撮影された動画データがモーションJPEG又はMPEG圧縮されたファイル形式で記録される。なお、このデジタルカメラは静止画の撮影も可能であり、撮像部7で撮影された静止画データがJPEG圧縮されたファイル形式で記憶部3に記録される。
【0020】
RAM4は、一時的な記憶領域を制御部1に提供するメモリである。
【0021】
伝送制御部5は、外部の電子機器、例えばパーソナルコンピュータなどと接続され動画データ、静止画データ等の送受信を制御するものである。なお、外部機器との接続は、ケーブルなどによる有線でなく、赤外線や無線などのワイヤレス接続で行っても良い。
【0022】
表示部6は、例えばカラー液晶表示装置などから構成され、撮影又は再生時の動画又は静止画や各種設定情報、各種動作のガイダンス情報などを表示するものである。
【0023】
図2は、図1の撮像部7の詳細な構成を示したものである。撮影レンズ11の光束の開口量が絞り機構12によって調整され、被写体像が撮影レンズ11によってCCD等の撮像素子13上に結像される。合焦のために撮影レンズ11が光学系駆動部14によって光軸に沿って移動され、適切な露出となるように絞り機構12の開口量が光学系駆動部14によって制御される。測距センサや光量センサを含むセンサ部15によって検出された検出値がバスライン2を介して制御部1に送られ、制御部1によって検出値に基づいて演算された移動量や開口量を示す信号が光学系駆動部14に送られることによって、光学系駆動部14が撮影レンズ11の移動や絞り機構12の開口量を調整する。
【0024】
撮像素子13に被写体像が結像されることにより撮像素子13には入射光量に応じた電荷が蓄積され、蓄積された電荷は駆動回路16から与えられる駆動パルス信号によって順次読み出されアナログ処理回路17に送られる。アナログ処理回路17では、色分離やゲイン調整、ホワイトバランスなどの各種処理が行われ、処理された信号はA/D変換回路18を介してデジタルのフレームデータ(静止画データ)としてバッファレジスタ19に記憶される。
【0025】
バッファレジスタ19に記憶されたフレームデータは、信号処理回路20において輝度信号及び色差信号に変換されるとともに、圧縮伸長回路21によってMPEG規格に準じて圧縮されバスライン2を介して図1に示した記憶部3に順次記録される。記憶部3にフレームデータが順次記録されることによって、それらフレームデータからなる動画データが記憶部3に記録される。前述した如く動画データの記憶はMPEGファイル形式で記録され、また、このとき順次記録されているフレームが表示部6にも表示され、撮影した動画を確認できるようになっている。なお、静止画の撮影の場合には、バッファレジスタ19に記憶されたフレームデータが圧縮伸長回路21によってJPEG形式に圧縮され、バスライン2を介して図1に示した記憶部3に静止画データとして記録される。
【0026】
図1に示すように、入力部8は、動画記録を開始するための録画スタートキー81と、動画記録を終了するための録画ストップキー82と、各種の選択を決定するための実行キー83と、記録するメモリを指定するための指定キー84と、動画記録モード、静止画記録モード、再生モード、消去モードを順次切り換えるためのモード切換キー85と、電源オン・オフを行うための電源キー86と、各種の選択を行うために上下左右にそれぞれスイッチ操作部が設けられた十字キー87と、を備えている。
【0027】
記憶媒体駆動部10に対しては記憶媒体9が着脱可能となっている。記憶媒体駆動部10は、記憶媒体9に対して情報を記録したり、既に記録されている情報を読み出して再生したりする為の駆動回路である。記憶部3に動画データや静止画データが記録されるのと同様に、記憶媒体9にも動画データや静止画データが記録される。記憶媒体9としては、読み書き可能なメモリであり、例えば半導体回路を用いたICカード等が用いられる。なお、ICカードではなく、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の各種ディスクを記憶媒体9として用いても良く、記憶媒体駆動部10もこれら使用される記憶媒体9に応じた駆動回路となっていれば良い。
【0028】
図3は、RAM4の記憶領域を表した概略図である。図3に示すように、制御部1によってRAM4に作成される記憶領域は、モードフラグ記憶エリア41と、指定フラグ記憶エリア42と、変更フラグ記憶エリア43と、撮影条件記憶エリア44と、ワークエリア45とからなる。
【0029】
モードフラグ記憶エリア41は、設定された動作モードのフラグを記憶するための領域である。動作モードとしては、静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード、消去モード、編集モード及び送受信モードがある。入力部8のモード切換キー85が操作される毎に、上記各モードが順次切り換えられるもので、制御部1は、モード切換キー85の操作に応じた動作モードのフラグをモードフラグ記憶エリア41に記憶する。
【0030】
指定フラグ記憶エリア42は、記憶部3と記憶媒体9のうち記録する方を選択指定するためのフラグTを記憶するための領域である。ここで、フラグTがゼロの場合に、記憶部3に記録することを表し、フラグTが1の場合に、記憶媒体9に記録することを表す。指定は入力部8の切換キー84を操作する毎に交互に選択指定がなされるもので、記憶部3と記憶媒体9のうち選択指定されたメモリに応じたフラグTを制御部1が指定フラグ記憶エリア42に記憶する。
【0031】
変更フラグ記憶エリア43は、フラグTで指定されたメモリに記録するか、それともフラグTで指定されていないメモリに記録するかを表すためのフラグLを記憶するための領域である。ここで、フラグLがゼロの場合に、フラグTで指定されたメモリに記録することを表し、フラグLが1の場合に、フラグTで指定されたメモリとは別のメモリに記録することを表す。
【0032】
撮影条件記憶エリア44は、絞り機構12の開口量やホワイトバランス値、静止画撮影時のシャッタースピード等、撮影時の各種撮影条件を記憶するための領域である。ワークエリア45は、制御部1によって各種処理がなされる際の種々のデータを一時記憶するための領域である。
【0033】
次に、上記デジタルカメラの動作及び使用方法について説明する。
図4は、モードフラグ記憶エリア41のフラグが動画撮影モードとなっている場合において撮影がスタートした際(録画スタートキー81が操作された際)の制御部1の処理の流れを示したチャートである。尚、録画スタートに先立って、撮影データを記録部3及び記録媒体9のいずれに記録するのかを切換キー84で選択指定し、指定フラグ記憶エリア42のフラグTをゼロ又は1に設定しておく。
【0034】
制御部1は、入力部8の録画スタートキー81が操作されたか否かを判定する(ステップS1)。このとき、ユーザが入力部8の録画スタートキー81を操作すると(ステップS1:Yes)、動画撮影が行われる。動画撮影時においては、撮像素子13によって得られたフレームデータが圧縮伸長回路21によってMPEG規格に準じて圧縮され、圧縮されたフレームデータを制御部1が読み込んでRAM4のワークエリア45に一時格納する(ステップS3)。そして、制御部1は、変更フラグ記憶エリア43のフラグLがゼロであるか否かを判定するが(ステップS5)、動画撮影開始直後ではフラグLがゼロであるので、制御部1がフラグLをゼロと判定し、制御部1の処理がステップS7に移行する。
【0035】
次に、制御部1は、判定手段として機能し、指定フラグ記憶エリア42のフラグTで指定されたメモリの空き容量が不足している否かを判定する(ステップS7)。なお、以下の説明ではフラグTがゼロであって記憶部3が指定されているものとして説明するが、フラグTが1の場合には以下の説明における記憶部3と記憶媒体9の関係が逆になる。
【0036】
記憶部3の空き容量が不足していない場合には(ステップS7:No)、制御部1が圧縮されたフレームデータを記憶部3に記録する(ステップS9)。一方、記憶部3の空き容量が不足している場合には(ステップS7:Yes)、制御部1の処理がステップS13に移行する。ステップS13以降の処理については後述する。
【0037】
ステップS9の後、制御部1は、入力部8の録画ストップキー82が操作されたか否かを判定する(ステップS11)。このとき、ユーザが入力部8の録画ストップキー82を操作しなければ(ステップS11:No)、制御部1の処理がステップS3に戻る。以上のように制御部1はステップS3〜ステップS11の処理サイクルを繰り返しているときに第1の動画記録手段として機能し、この処理サイクルが一回行われるごとに一フレームのフレームデータが記憶部3に記録され、この処理サイクルが繰り返されることによってフレームデータが順次記憶部3に記録されていく。なお、この処理サイクルにおいて最初にフレームデータが記憶部3に記録される場合には、その最初のフレームデータがIフレーム(Intra frame)として記録される。
【0038】
ステップS3〜ステップS11の処理サイクルにおいて、ユーザが入力部8の録画ストップキー82を押せば、順次記録されたフレームデータをMPEG形式の動画データファイルとして記憶部3に記録する(ステップS31)。その後、制御部1は、変更フラグ記憶エリア43のフラグLがゼロであるか否かを判定するが(ステップS33)、ステップS3〜ステップS11のサイクル後ではフラグLがゼロであるので、制御部1の処理が終了する。
【0039】
ステップS3〜ステップS11の処理サイクルにおいて、指定されたメモリである記憶部3の空き容量が不足すると(ステップS7:Yes)、制御部1が他のメモリである記憶媒体9の空き容量が不足しているか否かを判定する(ステップS13)。
【0040】
記憶媒体9の空き容量が不足している場合には(ステップS13:Yes)、制御部1が録画処理を強制終了し(ステップS25)、順次記録されたフレームデータをMPEG形式の動画データファイルとしてファイル名を付して記憶部3に記録する(ステップS27)。そして、制御部1は、録画を強制終了した旨を表示部6に表示させる(ステップS29)。その後、制御部1は、変更フラグ記憶エリア43のフラグLがゼロであるか否かを判定するが(ステップS33)、制御部1の処理がステップS3〜ステップS11のサイクルからステップS25へ移行した場合ではフラグLがゼロであるので、制御部1の処理が終了する。
【0041】
一方、記憶媒体9の空き容量が不足していない場合には(ステップS13:No)、制御部1が圧縮されたフレームデータをIフレームとして記憶部3に記録するとともに、圧縮された同じフレームデータをIフレームとして記憶媒体9にも記録する(ステップS15)。制御部1は、それまで順次記録されたフレームデータをMPEG形式の動画データファイルとしてファイル名を付して記憶部3に記録する(ステップS17)。その後、制御部1が変更フラグ記憶エリア43のフラグLを1に書き換え(ステップS19)、制御部1の処理がステップS3に戻る。
【0042】
制御部1の処理がステップS19からステップS3に戻った場合には、同様にステップS3及びステップS5の処理が制御部1によって行われるが、フラグLが1であるために、制御部1の処理がステップS5からステップS21に移行する。ステップS21においては、制御部1が圧縮されたフレームデータを記憶媒体9に記録する。そして、制御部1が記憶媒体9の空き容量が不足している否かを判定する(ステップS23)。記憶媒体9の空き容量が不足していない場合には(ステップS23:No)、制御部1の処理がステップS3に戻る。このように、制御部1はステップS3、ステップS5、ステップS21、ステップS23の処理サイクルを繰り返している時に第2の動画記録手段として機能し、この処理サイクルが一回行われるごとに、一フレームのフレームデータが記憶媒体9に記録され、この処理サイクルが繰り返されることによってフレームデータが順次記憶媒体9に記録されていく。
【0043】
ステップS3、ステップS5、ステップS21、ステップS23の処理サイクルにおいて、記憶媒体9の空き容量が不足すると(ステップS23:Yes)、制御部1が録画処理を強制終了し(ステップS25)、順次記録されたフレームデータをMPEG形式の動画データファイルとしてファイル名を付して記憶媒体9に記録する(ステップS27)。尚、このステップS27においては、ステップS13からこのステップS27に進んだ場合にはファイル名が付された動画ファイルを記憶部3に記録し、ステップS23からこのステップS27に進んだ場合には動画ファイルを記憶媒体9に記録することになるが、この区分け処理は、まずフラグLの値を判断し、フラグLがゼロの時には記憶部3に記録し、1の時には記憶媒体9に記録することによって上記区分け処理を実現している。
しかして、制御部1は、録画を強制終了した旨を表示部6に表示させる(ステップS29)。その後、制御部1は、変更フラグ記憶エリア43のフラグLがゼロであるか否かを判定するが(ステップS33)、制御部1の処理がステップS3、ステップS5、ステップS21、ステップS23の処理サイクルからステップS25へ移行した場合ではフラグLが1であるので、制御部1の処理がステップS35に移行し、その後制御部1の処理が終了する。
【0044】
以上のように、ステップS3〜ステップS11の処理サイクルの後、ステップS3、ステップS5、ステップS21、ステップS23の処理サイクルが行われると、記憶部3のメモリ容量が不足するまでの動画データ(以下、これを前半部分の動画データと称呼する。)のファイルが記憶部3に記録されるとともに、これ以降の動画データ(以下、これを後半部分の動画データと称呼する。)のファイルが連続して記憶媒体9に記録される。そのため、大事な場面等の撮影中において記憶部3の空き容量が不足した場合でも、その大事な場面等の撮り逃しを回避することができる。
【0045】
ステップS35における合成処理は、記憶部3に記録された前半部分の動画データファイルと記憶媒体9に記録された後半部分の動画データファイルを合成するための処理である。ステップS35の合成処理について図5のフローチャートを用いて説明する。
【0046】
まず、制御部1は、記憶部3に記録された動画データファイルと、記憶媒体9に記録された動画データファイルとを合成するか否かを問い合わせるための画面を表示部6に表示させる(ステップSA1)。そして、制御部1は、入力部8の実行キー83が操作されたか否かを判定する(ステップSA3)。ユーザが入力部8の実行キー83を一定時間操作しなかった場合や、図示しないキャンセルキーを操作した場合には、ステップSA3での判断が「No」となって制御部1の処理が終了する。この場合には、記憶部3には前半部分の動画データファイルが格納され、記憶媒体9には後半部分の動画データファイルが格納された状態を保つ。
【0047】
一方、ユーザが入力部8の実行キー83を操作した場合には(ステップSA3:Yes)、制御部1は合成の実行が指示されたと見なし、ステップSA5以降の合成処理を実行する。この場合、合成処理されたデータを予め選択指定したメモリ(即ち本実施例では記憶部3)に記録する為には、選択指定したメモリ(記憶部3)に空き容量を形成しなければならないので、使用済み領域(本撮影による動画データファイルを除く。)をクリアすることを指示表示する。また、記録するメモリを変更して他のメモリ(記憶媒体9)に記録することも可能なので、記録するメモリを変更するかの問い合わせ表示も同時に行なう(ステップSA5)。
そして、制御部1は、記憶部3の使用領域がクリアされたか否か、又は記録するメモリを他のメモリ(記憶媒体9)に変更したか否かを判定する。記憶部3の使用領域がクリアされた場合又は記録するメモリを変更した場合には(ステップSA7:Yes)、それの空き容量が不足しているか否かを制御部1が判定する(ステップSA9)。その空き容量が不足している場合(ステップSA9:Yes)、制御部1は空き容量が不足している旨を表示部6に表示させて(ステップSA11)ステップSA7に戻り、更に使用領域をクリアするか又はメモリの変更を行なわせる。
【0048】
このようにして、十分な空き容量が確保できた場合には(ステップSA9:No)、制御部1は記憶部3に格納された前半部分の動画データファイルと、記憶媒体9に格納された後半部分の動画データファイルとを結合する(ステップSA13)。ここでは、前半部分の動画データファイルの最後のIフレームと、後半部分の動画データファイルの最初のIフレームとを基準として、これら動画データファイルを結合する。次に、制御部1がその結合動画データを一つのファイルにして記憶部3又は記憶媒体9に記録し(ステップSA15)、制御部1の処理が終了する。
【0049】
このような合成処理が行われると、記憶部3に記録された前半部分の動画データファイルと、記憶媒体9に記録された後半部分の動画データファイルとが結合されるので、これらの動画データファイルを編集する手間を省くことができる。
【0050】
以上のように図4及び図5を用いて説明してきたデジタルカメラの動作は動画記録動作である。モードフラグ記憶エリア41のフラグが再生モードとなっている場合には、デジタルカメラの表示部6で動画再生動作を行う。
【0051】
ステップSA15のように結合した動画データファイルが記憶部3又は記憶媒体9に記録された場合には、制御部1が結合動画データファイルを読み出して、その結合動画データファイルが圧縮伸長回路21にて伸長され、その動画が表示部6に表示される。
【0052】
一方、記憶部3に前半部分の動画データファイルが格納され、記憶媒体9に後半部分の動画データが格納された状態の場合には、図6のフローチャートのように制御部1が再生処理を行う。即ち、制御部1が記憶部3から前半部分の動画データファイルを読み出して、その動画データファイルが圧縮伸長回路21にて伸長され、その動画が表示部6に表示される(ステップSB1)。前半部分の動画データファイルの再生が終了したら(ステップSB3:Yes)、記憶媒体9に後半部分の動画データファイルが格納されているか否かを制御部1が判定する(ステップSB5)。記憶媒体9に動画データファイルが格納されていない場合には(ステップSB5:No)、制御部1の処理が終了し、記憶媒体9に動画データファイルが格納されている場合には(ステップSB5:Yes)、制御部1が記憶媒体9から後半部分の動画データファイルを読み出して、その動画データファイルが圧縮伸長回路21にて伸長され、その動画が表示部6に表示される(ステップSB7)。その動画データファイルの再生が終了したら(ステップSB9:Yes)、制御部1の処理が終了する。
【0053】
このように、記憶部3に記録された前半部分の動画データファイルが再生された後、記憶媒体9に記録された後半部分の動画データファイルが連続して再生されるので、これらの動画データファイルを編集する手間を省くことができる。
【0054】
〔第2の実施の形態〕
第2実施形態におけるデジタルカメラについて説明する。第2実施形態においても、デジタルカメラは、図1、図2のブロック図に示したように構成されている。そのため、第2実施形態のデジタルカメラの各構成要素については、第1実施形態のデジタルカメラと同一の構成要素と同一の符号を付す。
【0055】
但し、第2実施形態のデジタルカメラは、プラグラムによる制御部1の処理の流れが第1実施形態のデジタルカメラと異なる。以下、第2実施形態における制御部1の処理の流れについて図7、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0056】
制御部1は、入力部8の録画スタートキー81が操作されたか否かを判定する(ステップSC1)。このとき、ユーザが入力部8の録画スタートキー81を押すと(ステップSC1:Yes)、動画撮影が行われる。動画撮影時においては、撮像素子13によって得られたフレームデータが圧縮伸長回路21にて圧縮され、圧縮されたフレームデータを制御部1が読み込んでRAM4のワークエリア45に一時格納する(ステップSC3)。そして、制御部1は、変更フラグ記憶エリア43のフラグLがゼロであるか否かを判定するが(ステップSC5)、動画撮影開始直後ではフラグLがゼロであるので、制御部1がフラグLをゼロと判定し、制御部1の処理がステップSC7に移行する。
【0057】
次に、制御部1は、所定タイミング(例えば、五分間毎のタイミング)になったか否かを判定する(ステップSC7)。所定タイミングになっていない場合には(ステップSC7:No)、制御部1が、圧縮されたフレームデータを、指定フラグ記憶エリア42のフラグTで指定されたメモリに記録する(ステップSC9)。その後、制御部1の処理がステップSC3に戻る。なお、以下の説明ではフラグTがゼロであって記憶部3が指定されているものとして説明するが、フラグTが1の場合には以下の説明における記憶部3と記憶媒体9の関係が逆になる。
【0058】
以上のようなステップSC3〜ステップSC9の処理サイクルが制御部1によって一回行われるごとに、一フレームのフレームデータが記憶部3に記録され、この処理サイクルが繰り返されることによってフレームデータが順次記憶部3に記録されていく。この処理サイクルにおいて最初にフレームデータが記憶部3に記録される場合には、フレームデータがIフレームとして記録される。
【0059】
ステップSC3〜ステップSC9の処理サイクルにおいて、撮影開始後5分が経過すると、所定タイミングになったことが判断され(ステップSC7:Yes)、制御部1が、圧縮されたフレームデータを記憶部3に記録し(ステップSC11)、順次記録された5分間分のフレームデータをMPEG形式の動画データファイルとして一つにファイル化し、記憶部3に記録する(ステップSC13)。
【0060】
次に、制御部1は、記憶部3の空き容量が、次の5分間分の動画データファイルを記録するのに不足しているか否かを判定する(ステップSC15)。記憶部3の空き容量が不足していない場合には(ステップSC15:No)、制御部1が、入力部8の録画ストップキー82が操作された否かを判定し(ステップSC17)。記憶部3の空き容量が不足している場合には(ステップSC15:Yes)、制御部1の処理がステップSC23に移行する。ステップSC23以降の処理については後述する。
ステップSC17においてユーザが入力部8の録画ストップキー82を押さなければ、制御部1の処理がステップSC3に戻る。その後所定タイミングになるまで(ステップSC7:Yes)、ステップSC3〜ステップSC9の処理サイクルが繰り返され、所定タイミング毎に、制御部1が順次記録されたフレームデータをMPEG形式の動画データファイルとして記憶部3に記録する(ステップSC13)。以上のように、所定タイミングになるごとに(ステップSC7:Yes)、記憶部3には動画データファイルが順次記録されていき、複数の動画データファイルが生成される。
【0061】
一方、ステップSC17において、ユーザが入力部8の録画ストップキー82を操作すれば、制御部1が順次記録されたフレームデータをMPEG形式の動画データファイルとして記憶部3に記録する(図8、ステップSC19)。その後、制御部1は、変更フラグ記憶エリア43のフラグLがゼロであるか否かを判定するが(ステップSC21)、ステップSC15後ではフラグLがゼロであるので、制御部1の処理が終了する。
【0062】
即ち、記憶部3に撮影開始から停止までの動画データ記録するのに十分な空き容量があった場合には、記録部3に撮影された5分ごとの動画データファイルが順次記憶されて撮影動作が終了するものである。この場合、再生は記憶された5分ごとの動画データファイルを順次再生することによって連続した再生表示が出来るものである。
ステップSC3〜ステップSC17の処理サイクルにおいて、記憶部3の空き容量が少なくなり、次の5分間分の動画データを記憶できないことが判断されると(ステップSC15:YES)、制御部1が記憶媒体9の空き容量が次の5分間分の動画データを記憶できるか又は不足しているか否かを判定する(ステップSC23)。
【0063】
記憶媒体9の空き容量が不足している場合には(ステップSC23:Yes)、制御部1が録画処理を強制終了し(図8、ステップSC25)、順次記録されたフレームデータをMPEG形式の動画データファイルとして記憶部3に記録する(ステップSC27)。そして、制御部1は、録画を強制終了した旨を表示部6に表示させる(ステップSC29)。その後、制御部1は、変更フラグ記憶エリア43のフラグLがゼロであるか否かを判定するが(ステップSC21)、制御部1の処理がステップSC3〜ステップSC17のサイクルからステップSC25へ移行した場合ではフラグLがゼロであるので、制御部1の処理が終了する。
【0064】
一方、記憶媒体9の空き容量が不足していない場合には(図7、ステップSC23:No)、制御部1が圧縮されたフレームデータをIフレームとして記憶媒体9に記録するとともに、変更フラグ記憶エリア43のフラグLを1に書き換え(ステップSC31)、制御部1の処理がステップS3に戻る。
【0065】
制御部1の処理がステップSC31からステップS3に戻った場合には、同様にステップSC3及びステップSC5の処理が制御部1によって行われるが、フラグLが1であるために、制御部1の処理がステップSC5からステップSC33に移行する。ステップSC33においては、制御部1は、所定タイミングになったか否かを判定する。所定タイミングになっていない場合には(ステップSC33:No)、制御部1が、圧縮されたフレームデータを記憶媒体9に記録する(ステップSC9)。その後、制御部1の処理がステップSC3に戻る。以上のような制御部1の処理サイクル(ステップSC3、ステップSC5、ステップSC33、ステップSC41)が一回行われるごとに、一フレームのフレームデータが記憶媒体9に記録され、この処理サイクルが繰り返されることによってフレームデータが順次記憶部9に記録されていく。この処理サイクルにおいて最初にフレームデータが記憶部9に記録される場合には、フレームデータがIフレームとして記録される。
【0066】
ステップSC3、ステップSC5、ステップSC33、ステップSC41の処理サイクルにおいて、5分毎の所定タイミングになると(ステップSC33:Yes)、制御部1が、圧縮されたフレームデータを記憶媒体9に記録し(ステップSC35)、順次記録されたフレームデータをMPEG形式の動画データファイルとして記憶媒体9に記録する(ステップSC37)。次に、制御部1は、記憶媒体9の空き容量が不足しているか否かを判定する(ステップSC39)。記憶媒体9の空き容量が不足していない場合には(ステップSC39:No)、制御部1の処理がステップSC3に戻る。その後所定タイミングになるまで(ステップSC33:Yes)、ステップSC3、ステップSC5、ステップSC33〜ステップSC41の処理サイクルが繰り返され、所定タイミング後は、制御部1が順次記録されたフレームデータをMPEG形式の動画データファイルとして記憶媒体9に記録する(ステップSC37)。以上のように、所定タイミングになるごとに(ステップSC33:Yes)、記憶媒体9には動画データファイルが順次記録されていき、複数の動画データファイルが生成される。
【0067】
ステップSC3、ステップSC5、ステップSC33〜ステップSC41の処理サイクルにおいて、記憶媒体9の空き容量が不足すると(ステップSC39:Yes)、制御部1が順次記録されたフレームデータをMPEG形式の動画データファイルとして記憶媒体9に記録する(ステップSC19)。その後、制御部1は、変更フラグ記憶エリア43のフラグLがゼロであるか否かを判定するが(ステップSC21)、制御部1の処理がステップSC3、ステップSC5、ステップSC33〜ステップSC41の処理サイクルからステップSC21へ移行した場合ではフラグLが1であるので、制御部1の処理がステップSC43の合成処理に移行し、その後制御部1の処理が終了する。
【0068】
以上のように、ステップSC3〜ステップSC17の処理サイクルの後、ステップSC3、ステップSC5、ステップSC33〜ステップSC41の処理サイクルが行われると、前半部分の複数の動画データファイルが記憶部3に順次記録されるとともに、後半部分の複数の動画データファイルが記憶媒体9に記録される。そのため、大事な場面等の撮影中において記憶部3の空き容量が不足した場合でも、その大事な場面等の撮り逃しを回避することができる。
【0069】
ステップS43における合成処理は、記憶部3及び記憶媒体9に記録された複数の動画データファイルを合成するための処理である。ステップSC43の合成処理について説明する。
【0070】
まず、制御部1は、記憶部3及び記憶媒体9に記録された複数の動画データファイルを合成するか否かを問い合わせるための画面を表示部6に表示させる。ここで、ユーザが入力部8のキャンセルキー84を操作した場合には、制御部1の処理が終了する。この場合には、記憶部3には前半部分の複数の動画データファイルが格納され、記憶媒体9には後半部分の複数の動画データファイルが格納されている。
【0071】
一方、ユーザが入力部8の実行キー83を操作した場合に、制御部1が、記憶部3又は記憶媒体9の使用領域(但し、動画データファイルを除く。)をクリアすることを指示するための画面を表示部6に表示させる。そして、制御部1は、記憶部3又は記憶媒体9の使用領域(但し、動画データファイルを除く。)がクリアされたか否かを判定する。記憶部3又は記憶媒体9の使用領域(但し、動画データファイルを除く。)がクリアされた場合には、それの空き容量があるか否かを制御部1が判定する。その空き容量が不足している場合には、制御部1は空き容量が不足している旨を表示部6に表示させ、制御部1の処理が終了する。一方、その空き容量がある場合には、制御部1は、記憶部3に格納された前半部分の複数の動画データファイルを順次結合し、その結合した前半部分の動画データファイルに、記憶媒体9に格納された後半部分の複数の動画データファイルを順次結合する。次に、制御部1がその結合動画データファイルを記憶部3又は記憶媒体9に記録し、制御部1の処理が終了する。ここで、動画データファイルを順次結合するに際して、先の動画データファイルの最後のIフレームと、次の動画データファイルの最初のIフレームとを基準として、これら動画データファイルを順次結合する。また、動画データファイルを順次結合するに際して、制御部1は、上記動画記録処理において生成された順に動画データファイルを結合していく。
【0072】
以上のように説明してきたデジタルカメラの動作は動画記録動作である。モードフラグ記憶領域41のフラグが動画撮影モードとなっている場合には、デジタルカメラが動画再生動作を行う。
【0073】
動画記録動作において結合した動画データファイルが記憶部3又は記憶媒体9に記録された場合には、制御部1が結合動画データファイルを読み出して、その結合動画データファイルが圧縮伸長回路21にて伸長され、その動画が表示部6に表示される。
【0074】
一方、記憶部3に前半部分の複数の動画データファイルが格納され、記憶媒体9に後半部分の複数の動画データが格納された場合には、制御部1が記憶部3から前半部分の複数の動画データファイルを読み出して、動画データファイルが読み出される毎に動画データファイルが圧縮伸長回路21にて伸長され、動画が順次表示部6に表示される。その後、制御部1が記憶媒体9から後半部分の複数の動画データファイルを順次読み出して、動画データが読み出されるごとに動画データファイルが圧縮伸長回路21にて伸長され、動画が順次表示部6に表示される。ここで、動画データファイルを順次再生するに際して、制御部1は、上記動画記録処理において生成された順に動画データファイルを再生していく。
【0075】
〔変形例〕
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。例えば、上記各実施の形態では音声については言及していないが、マイクロフォン及びスピーカを備え、動画撮影時にマイクロフォンに入力される音声をMPEG規格に従って順次記録し、再生時には動画と同時に記憶された音声をスピーカから発生させてもよいものである。
【0076】
また、上記各実施形態では撮像素子13をCCD型の固体撮像素子としたが、CMOS型の固体撮像素子としても良い。CMOS型の撮像素子を用いた場合、周辺回路(例えば、駆動回路やCDS/AGC回路等)をCMOS型固体撮像素子用に適宜変更する。
【0077】
上記各実施形態では、動画データファイルが記録されるメモリが記憶部3と記憶媒体9の2つであったが、3つ以上のメモリを用い、指定されたメモリの記憶量がフルになった際に空き容量のある他のメモリをサーチして記録してもよく、或いは、3つ以上のメモリにわたって連続的に記録してもよい。
【0078】
また、上記各実施形態では、デジタルカメラに固定的に配置されたメモリが記憶部3の1つであり、デジタルカメラに着脱可能なメモリが記憶媒体9の1つであったが、デジタルカメラに固定的なメモリの数も、デジタルカメラに着脱可能なメモリの数も特に限定されない。勿論、デジタルカメラに着脱可能なメモリの数だけバスライン2に記憶媒体駆動部を接続させ、デジタルカメラに固定的なメモリは何れもドライバ等を介してバスライン2に接続させる。
【0079】
また、上記各実施形態では、本発明をデジタルカメラに適用したが、その他の電子機器、例えば、デジタルビデオカメラ、カメラ機能付の携帯電話機等、撮像機能付きの各種電子機器に本発明を適用しても良い。
更に、上記各実施形態では撮像装置を備え、撮像した動画データを記録する記録装置に適用する例について述べたが、撮像装置を備えていない電子機器、例えばテレビ放送の映像を受信して記録する動画録画装置、有線又は無線によって他の電子機器から動画データを入力して又は受信してメモリに記録する動画記録装置であっても本発明は適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明を適用したデジタルカメラのブロック図である。
【図2】撮像部7のブロック図である。
【図3】RAM4の記憶領域を表した概略図である。
【図4】第1実施形態における制御部1による動画記録処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】制御部1による合成処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】制御部1による動画再生処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】第2実施形態における制御部1による動画記録処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】第2実施形態における制御部1による動画記録処理の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
1 制御部(第1の動画記録手段、第2の動画記録手段、判定手段、再生手段、合成手段)
7 撮像部(撮像手段)
3 記憶部(第1のメモリ)
9 記憶媒体(第2のメモリ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画データを第1のメモリに順次記録する第1の動画記録手段と、
この第1の動画記録手段により前記第1のメモリに動画データが順次記録されている際に前記第1のメモリの空き容量を判定する判定手段と、
この判定手段によって前記第1のメモリの空き容量が不足していると判定された際に以降の動画データを第2のメモリに順次記録する第2の動画記録手段とを備えることを特徴とする動画記録装置。
【請求項2】
更に撮像手段を備え、
前記第1のメモリ及び第2のメモリに記憶される動画データは、前記撮像手段によって取得された動画データであることを特徴とする請求項1に記載の動画記録装置。
【請求項3】
前記第1のメモリ及び第2のメモリに記憶される動画データは、外部から受信した動画データであることを特徴とする請求項1に記載の動画記録装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の動画記録手段は前記動画データをファイル形式で前記第1のメモリ及び第2のメモリに記録する動画データファイル手段を有し、更に、前記第1のメモリに記録された動画データファイルを再生し、次に、前記第2のメモリに記録された動画データファイルを再生する動画再生手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の動画記録装置。
【請求項5】
前記第1の動画記録手段によって前記第1のメモリに記録された動画データファイルと前記第2の動画記録手段によって前記第2のメモリに記録された動画データファイルとを結合する合成手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の動画記録装置。
【請求項6】
前記第1の動画記録手段は前記動画データをMPEG規格に従って順次前記第1のメモリに記録し、前記第2の動画記録手段は前記第1のメモリに記憶された最後の動画データのIフレームと同じIフレームを前記第2のメモリに記録した後、前記動画データをMPEG規格に従って順次前記第2のメモリに記録することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の動画記録装置。
【請求項7】
前記第1のメモリ及び前記第2のメモリのうちの少なくとも何れか一方は前記動画記録装置に着脱可能な外部メモリであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の動画記録装置。
【請求項8】
撮像手段によって取得される動画データ又は外部から受信する動画データを予め定められた時間毎にファイル化して第1のメモリに順次記録する第1の動画記録手段と、
この第1の動画記録手段により前記第1のメモリに複数の動画データファイルが順次記録されている際に、前記第1のメモリの空き容量が不足しているか否かを判定する判定手段と、
この判定手段によって前記第1のメモリの空き容量が不足していると判定された際に、続く動画データを予め定められた時間毎にファイル化して第2のメモリに順次記録する第2の動画記録手段とを備えることを特徴とする動画記録装置。
【請求項9】
前記第1の動画記録手段によって前記第1のメモリに順次記録された複数の動画データのファイルと、前記第2の動画記録手段によって前記別のメモリに順次記録された複数の動画データのファイルとを結合する合成手段を更に備えることを特徴とする請求項8に記載の動画記録装置。
【請求項10】
前記第1の動画記録手段及び前記第2の動画記録手段は、各ファイルをMPEG規格に従ってファイル化し、各ファイルの最後のIフレーム画像データを次のファイルの先頭に記録することを特徴とする請求項8又は9に記載の動画記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−203539(P2006−203539A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12904(P2005−12904)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】