動的ギヤミスアライメント計測装置
【課題】動的ギヤミスアライメントの計測を精度高く行うことができる動的ギヤミスアライメント計測装置を提供する。
【解決手段】トランスミッションケースに組込まれているドライブギヤ1及びドリブンギヤ2を作動させることにより、ドライブギヤ用分力計16K及びドリブンギヤ用分力計16Hが、夫々、ドライブギヤ1及びドリブンギヤ2に作用するラジアル方向回りのモーメント、ラジアル方向荷重、スラスト方向荷重を検出し、パソコンの主演算部が、ドライブギヤ用分力計16K及びドリブンギヤ用分力計16Hの検出データに基づいて、平行度誤差及び食違い誤差(動的ギヤミスアライメント)を求める。このため、トランスミッションケースに組込まれるドライブギヤ1及びドリブンギヤ2のミスアライメントを実動運転状態で計測でき、動的ギヤミスアライメントの計測精度の向上を図ることができる。
【解決手段】トランスミッションケースに組込まれているドライブギヤ1及びドリブンギヤ2を作動させることにより、ドライブギヤ用分力計16K及びドリブンギヤ用分力計16Hが、夫々、ドライブギヤ1及びドリブンギヤ2に作用するラジアル方向回りのモーメント、ラジアル方向荷重、スラスト方向荷重を検出し、パソコンの主演算部が、ドライブギヤ用分力計16K及びドリブンギヤ用分力計16Hの検出データに基づいて、平行度誤差及び食違い誤差(動的ギヤミスアライメント)を求める。このため、トランスミッションケースに組込まれるドライブギヤ1及びドリブンギヤ2のミスアライメントを実動運転状態で計測でき、動的ギヤミスアライメントの計測精度の向上を図ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噛合わされる一対の被計測歯車の動的ミスアライメントを計測する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被計測歯車(ギヤ)の噛合い負荷変位によるミスアライメント(平行度誤差・食違い誤差)を計測する手法の一例として、ダイヤルゲージを用いた手法がある。
この手法は、図11に示すように、2つの被計測歯車(以下、便宜上、ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2という。)が噛合った状態で静的な負荷を与え、ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2における噛合い部3と反対側となるドライブギヤ1及びドリブンギヤ2の各外周部(以下、噛合い部反対側外周部という。)4の幅方向側部(各2箇所、計4箇所)、並びに噛合い部反対側外周部4から周方向に90度ずれたドライブギヤ1及びドリブンギヤ2の各外周部5の幅方向側部(各2箇所、計4箇所)〔図11に示す矢印の基端部分〕に夫々、ダイヤルゲージ(全体で8個)を当て、静的負荷変化量を計測する。そして、負荷変位差と、ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各幅寸法から、角度ずれ量を算出し、ドライブギヤ1及びドリブンギヤ2の平行度誤差・食違い誤差(ミスアライメント)を求めるようにしている。
【0003】
ここで、平行度誤差・食違い誤差(ミスアライメント)は、以下のように表現されるものである。
すなわち、図12(A)、(B)に示されるように、上下(左右でもよい。)に噛合わされたドライブギヤ1、ドリブンギヤ2を、側方から見たとき〔図12(A)A視〕のドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各回転軸6,7夫々の基準線T1、T2に対するずれ角度θa、θbにより、平行度誤差Δθ1が定められている。基準線T1、T2は平行に設定されている。具体的には、平行度誤差Δθ1は、次式(1)により定められている。
【0004】
Δθ1=|θa−θb|(ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各回転軸6,7が基準線T1、T2に対して図12(B)に示すように同方向の場合)又はΔθ1=|θa+θb|(ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各回転軸6,7が基準線T1に対して異なる方向の場合) … … (1)
【0005】
また、図12(A)、(C)に示されるドライブギヤ1、ドリブンギヤ2を、上方から見たとき〔図12(A)B視〕のドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各回転軸6,7の基準線T3に対するずれ角度θc、θdにより、食違い誤差Δθ2が定められている。具体的には、食違い誤差Δθ2は、次式(2)により定められている。
【0006】
Δθ2=|θc+θd|(ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各回転軸6,7が基準線T3に対して図12(C)に示すように異なる方向の場合)又はΔθ2=|θc−θd|(ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各回転軸6,7が基準線T3に対して同方向の場合) … (2)
【0007】
ところで、被計測歯車のミスアライメント(以下、適宜、ギヤミスアライメントという。)の計測は、実際には、静的でなく動的ミスアライメント(以下、適宜、動的ギヤミスアライメントという。)を計測するのが望ましい。しかしながら、上述した手法では、静的負荷変位量の計測は行えるものの、動的ギヤミスアライメントの計測を行うことは困難であった。
【0008】
また、他の従来技術として、特許文献1に示される歯車試験装置がある。この歯車試験装置は、基準歯車と被試験歯車とを、互いに近付く方向に付勢して噛合わせた状態で、基準歯車を被試験歯車と共に回転させることにより被試験歯車の歯溝の歪を測定するようにしている。
【特許文献1】特開2000−314679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1に示される前記技術では、被試験歯車を試験装置にセットして測定するため、実際に、例えばトランスミッションケースなどの被計測ユニットに組込んだ動的負荷状態を再現できておらず、正確な測定値を得ることができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、動的ギヤミスアライメントの計測を精度高く行うことができる動的ギヤミスアライメント計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の動的ギヤミスアライメント計測装置に係る発明は、互いに噛合わされる一対の被計測歯車が組込まれている被計測ユニットに固定されかつ前記一対の被計測歯車に対応して設けられる一対の外輪と、該一対の外輪の各内周側に配置され、前記一対の被計測歯車の各回転軸を回動可能に支持する軸受の外輪に保持されて前記軸受を介して前記一対の被計測歯車に作用する力学量を夫々受ける一対の内輪と、前記外輪に対する前記内輪の力学変化量について前記一対の被計測歯車毎に計測する計測手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の動的ギヤミスアライメント計測装置において、一対の被計測歯車に対応して設けられる前記一対の外輪及び内輪は、各一対の被計測歯車に対応して2組設けられることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の動的ギヤミスアライメント計測装置において、前記外輪及び前記内輪は連結部を介して接続され、前記計測手段は、前記連結部に配置された歪ゲージを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜3記載の発明によれば、被計測ユニットに組込まれている一対の被計測歯車を作動させることにより一対の内輪が被計測歯車に作用する力学量を受け、これに伴い、計測手段が前記外輪に対する前記内輪の力学変化量について前記一対の被計測歯車毎に計測するので、被計測ユニットに組込まれる一対の被計測歯車の実動運転時のミスアライメントを計測できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の第1実施の形態に係る動的ギヤミスアライメント計測装置10を図1ないし図7に基づいて説明する。
図1(A)、(B)、図2及び図3において、動的ギヤミスアライメント計測装置10は、動的ギヤミスアライメント(平行度誤差・食違い誤差)を計測するものであり、以下の(i)〜(vi)の構成要素を有している。
(i)駆動モータ11及び2個の吸収モータ12を備え、トランスミッション13のケース(以下、トランスミッションケース14という。被計測ユニットに相当する。)を載置可能な駆動ベンチ15。駆動モータ11は、トランスミッションケース14に配置されたドライブギヤ1の回転軸6に連結されてエンジンに代わってドライブギヤ1を駆動する。吸収モータ12は、トランスミッション13に配置されたドリブンギヤ2の回転軸7に連結されて、タイヤに代わってドリブンギヤ2からの力を吸収する。
【0014】
(ii)トランスミッション13に配置されたドライブギヤ1及びドリブンギヤ2に設けられ、各ギヤ(ドライブギヤ1及びドリブンギヤ2)のずれ角度(変位)を求める分力計16。以下、適宜、ドライブギヤ1に設けられる分力計16をドライブギヤ用分力計16K、ドリブンギヤ2に設けられる分力計16をドリブンギヤ用分力計16Hともいう。
(iii)分力計16で得られるずれ角度(変位)を示すアナログ電圧値を増幅する動歪みアンプ17。
(iv)動歪みアンプ17からの信号をデジタル信号に変換すると共に、定期的に記録(蓄積)しておくデータロガー18。
(v)データロガー18に蓄積されたデータを取り込んで演算処理・解析を行うパソコン19。
(vi)パソコン19の解析結果の表示及び記録を夫々行う表示器20、記録計21。
【0015】
パソコン19は、図1(B)に示すように、主演算部22と、演算プログラム及び図6を用いて後述する角度ずれ量と分力計16出力との対応関係(以下、角度ずれ量・分力計出力基準特性という。)を予め格納した主記憶部23と、主演算部22の作業エリアとなる作業用記憶部24と、を有している。
【0016】
主演算部22は、図5及び図7(B)、(C)に示すように、ドライブギヤ用分力計16Kから、動歪みアンプ17、データロガー18を介して分力計出力Mxa〔με〕の入力を受け、また、ドリブンギヤ用分力計16Hから動歪みアンプ17、データロガー18を介して分力計出力Mxb〔με〕の入力を受ける。主演算部22は、上述したのと同様に、図5及び図8(A)、(B)に示すように、ドライブギヤ用分力計16Kの分力計演算部30(図3参照)から動歪みアンプ17、データロガー18を介して分力計出力Mza〔με〕の入力を受け、また、ドリブンギヤ用分力計16Hの分力計演算部30から動歪みアンプ17、データロガー18を介して分力計出力Mzb〔με〕の入力を受ける。
【0017】
主演算部22は、図5及び図7(B)に示すように、入力を受けた分力計出力Mxa〔με〕について後述する式(3)の定数Aで除算して、分力計出力Mxaに対応する角度ずれ量θa〔μrad〕を得る。また、これに合わせて、図7(C)に示すように、入力を受けた分力計出力Mxb〔με〕について後述する式(4)の定数Aで除算して、分力計出力Mxbに対応する角度ずれ量θb〔μrad〕を得る。
また、主演算部22は、図5及び図8(A)に示すように、入力を受けた分力計出力Mza〔με〕について後述する式(3)の定数Bで除算して、分力計出力Mzaに対応する角度ずれ量θza〔μrad〕を得る。また、これに合わせて、図8(B)に示すように、入力を受けた分力計出力Mzb〔με〕について後述する式(4)の定数Bで除算して、分力計出力Mzbに対応する角度ずれ量θzb〔μrad〕を得る。
【0018】
主演算部22は、さらに、図7(D)に示すように角度ずれ量θa〔μrad〕から角度ずれ量θb〔μrad〕を減算し、又は加算を行い、その絶対値を求めて、平行度誤差Δθ1を得る。
また、同様にして、主演算部22は、図8(C)に示すように角度ずれ量θza〔μrad〕に角度ずれ量θzb〔μrad〕を加算し、又は減算を行い、その絶対値を求め、食違い誤差Δθ2を求める。
【0019】
ドライブギヤ1は、これに備えられる回転軸(以下、ドライブギヤ回転軸6という。)が挿通される軸受(以下、ドライブギヤ用軸受31という。)を介してトランスミッションケース14に回動可能に支持されている。ドライブギヤ用軸受31の外輪部(以下、ドライブギヤ用軸受外輪部31aと言う。)には、ドライブギヤ用分力計16Kの分力計内輪16bが嵌合して保持されている。ドライブギヤ用分力計16Kの分力計外輪16aはトランスミッションケース14に保持されている。
ドライブギヤ1は、図2及び図7(A)に示すように、その中心点がX、Y、Z軸(ドリブンギヤ2との配置と区別するためXa、Ya、Za軸という。)の交点(ゼロ点)に一致し、ドライブギヤ回転軸6が略Ya軸に沿って延び、かつXa、Za軸を含む平面に略沿うように配置されている。
【0020】
また、ドリブンギヤ2は、これに備えられる回転軸(以下、ドリブンギヤ回転軸7という。)が挿通される軸受(以下、ドリブンギヤ用軸受32という。)を介してトランスミッションケース14に回動可能に支持されている。ドリブンギヤ用軸受32の外輪部(以下、ドリブンギヤ用軸受外輪部32aと言う。)には、ドリブンギヤ用分力計16Hの分力計内輪16bが嵌合して保持されている。ドリブンギヤ用分力計16Hの分力計外輪16aはトランスミッションケース14に保持されている。
ドリブンギヤ2は、図2及び図7(A)に示すように、Za軸及びZb軸を一致させた状態でドライブギヤ1と噛合って配置されている。そして、ドリブンギヤ2は、その中心点が前記Xa、Ya、Za軸と対応して配置されるXb、Yb、Zb軸の交点に一致し、ドリブンギヤ回転軸7が略Yb軸に沿って延び、かつXb、Zb軸を含む平面に略沿うように配置されている。Xb、Yb、Zb軸で形成される座標系は、Xa、Ya、Za軸で形成される座標系に対して、Za軸(Zb軸)方向にずれて構成されている。
【0021】
分力計16は、後述する5分力の算出を行えるものであり、図3及び図4に示すように、下記(ア)〜(オ)の構成要素を備えている。
(ア)軸受外輪部(ドライブギヤ用軸受外輪部31a又はドリブンギヤ用軸受外輪部32a)に嵌合して保持される内輪(前記分力計内輪16b)。
(イ)分力計内輪16b外に同心状に配置され、トランスミッションケース14に固定される外輪(前記分力計外輪16a)。分力計外輪16aは、トランスミッションケース14に固定されることにより剛体とみなせるものになっている。分力計外輪16aひいては分力計16は小型化(外径寸法略25cm)されている。
(ウ)分力計内輪16b及び分力計外輪16aを連結する複数本のスポーク部33。
【0022】
(エ)複数本のスポーク部33に、夫々、複数個配置されて分力計外輪16aに対する分力計内輪16bの変位量(歪)を検出する歪ゲージ34。
(オ)複数個の歪ゲージ34からの歪検出値に基づいて、図3に示すように、X軸、Z軸回りのラジアル方向荷重、X軸、Z軸のラジアル方向回りのモーメント及びスラスト荷重、すなわち5分力を算出する演算部(前記分力計演算部30)。分力計演算部30は、上記算出データに基づいて、平行度誤差算出のためのX軸回りの変位量のMx成分(後述するMxa又はMxb)、食違い誤差算出のためのZ軸回りの変位量のMz成分(後述するMza又はMzb)を求めてこれらを分力計出力として出力する。また、分力計演算部30は、複数個の歪ゲージ34からの歪検出値の差に基づいて負荷方向を判別している。
【0023】
パソコン19の主記憶部23に記憶される角度ずれ量・分力計出力基準特性は、図6(A)に示すように、ドライブギヤ1及びドリブンギヤ2に装着される分力計16を用いた実験により求められる。この角度ずれ量・分力計出力基準特性は、平行度誤差及び食違い誤差を夫々対象にした平行度誤差用角度ずれ量・分力計出力基準特性(以下、平行度誤差用基準特性という。)と、食違い誤差用角度ずれ量・分力計出力基準特性(以下、食違い誤差用基準特性という。)と、からなっている。
【0024】
平行度誤差用基準特性及び食違い誤差用基準特性は、次のように求められる。
まず、図6(A)に示すように、分力計16を、分力計外輪16aの中心点がX、Y、Z軸の交点に一致し、かつX、Z軸を含む平面が分力計外輪16aに含まれるように配置する。
そして、分力計16を図6(A)A視方向から見た際における図6(B)に示される分力計内輪16bの軸中心線16bcのY軸に対する角度ずれ量θ〔歪〔με〕に相当する。〕が分力計16に生じるように分力計16の分力計内輪16bに静的負荷〔荷重〔N〕〕を加えて、図6(C)に示すように、分力計16の出力(分力計出力)Mx〔με〕を求める。これにより、次式(3)で表現される平行度誤差用基準特性が得られる。このデータは上述したように主記憶部23に予め記憶される。
前記分力計出力は電圧信号〔mV〕を用いて行われる。前記分力計内輪16bに作用する静的負荷〔荷重〔N〕〕、歪〔με〕及び分力計出力としての電圧信号〔mV〕は線形関係になっている。
【0025】
Mx=Aθ … … (3)
A:定数
【0026】
また、分力計16を図6(A)B視方向から見た際における図6(D)に示される分力計内輪16bの軸中心線16bcのX軸に対する角度ずれ量θが分力計16に生じるように分力計16の分力計内輪16bに静的負荷を加えて、図6(E)に示すように、分力計16の出力(分力計出力)Mz〔με〕を求める。これにより、次式(4)で表現される食違い誤差用基準特性が得られる。このデータは上述したように主記憶部23に予め記憶される。
【0027】
Mz=Bθ … … (4)
B:定数
【0028】
式(3)、(4)の定数A、Bを用いて、後述する実動状態の分力計出力を換算することが可能となっている。
【0029】
上述したように構成された動的ギヤミスアライメント計測装置10の作用を、以下に説明する。
まず、図6を用いて上述したように、平行度誤差用基準特性〔式(3)〕及び食違い誤差用基準特性〔式(4)〕を求め、この平行度誤差用基準特性(Mx=Aθ)及び食違い誤差用基準特性(Mz=Bθ)を主記憶部23に格納する。
次に、トランスミッション13のケース(トランスミッションケース14)内に収納されたドライブギヤ用軸受31及びドリブンギヤ用軸受32に夫々、分力計16(ドライブギヤ用分力計16K、ドリブンギヤ用分力計16H)を設け、このように分力計16を設けたトランスミッションケース14を、図1に示すように、駆動ベンチ15に設置する。ドライブギヤ回転軸6に駆動モータ11を連結し、ドリブンギヤ回転軸7に吸収モータ12を連結する。任意のトルク負荷を加えて駆動モータ11を作動させて実動運転を行う。この実動運転時に、主演算部22は、ドライブギヤ用分力計16K、ドリブンギヤ用分力計16Hからの分力計出力(Mxa、Mxb、Mza、Mzb)の入力を受ける。
【0030】
主演算部22は、入力を受けた分力計出力(Mxa、Mxb、Mza、Mzb)に対して、予め記憶している平行度誤差用基準特性(Mx=Aθ)の定数A及び食違い誤差用基準特性(Mz=Bθ)の定数Bを用いて上記演算を行って、平行度誤差Δθ1及び食違い誤差Δθ2(動的ギヤミスアライメント)を求める。主演算部22で得られた解析結果が表示器20に表示され、かつ記録計21により記録される。
上述したように本実施の形態によれば、トランスミッションケース14(被計測ユニット)に組込まれているドライブギヤ1及びドリブンギヤ2(一対の被計測歯車)を作動させることにより、ドライブギヤ用分力計16K及びドリブンギヤ用分力計16Hが、夫々、ドライブギヤ1及びドリブンギヤ2に作用するラジアル方向回りのモーメント、ラジアル方向荷重、スラスト方向荷重を検出する。そして、主演算部22が、ドライブギヤ用分力計16K及びドリブンギヤ用分力計16Hの検出データに基づいて、平行度誤差Δθ1及び食違い誤差Δθ2(動的ギヤミスアライメント)を求める。このため、トランスミッションケース14(被計測ユニット)に組込まれるドライブギヤ1及びドリブンギヤ2(一対の被計測歯車)のミスアライメントを実動運転状態で計測でき、動的ギヤミスアライメントの計測精度の向上を図ることができる。
【0031】
上記第1実施の形態では、計測対象のドライブギヤ1及びドリブンギヤ2が夫々片面側に軸受(ドライブギヤ用軸受31、ドリブンギヤ用軸受32)を有し、5分力の計測を行える分力計16(いわゆる5分力計)をドライブギヤ1及びドリブンギヤ2に設けて、平行度誤差Δθ1及び食違い誤差Δθ2(動的ギヤミスアライメント)を計測する場合を例にした。これに代えて、両側面に軸受を有する被計測歯車を対象にして、各被計測歯車に夫々、一対の分力計16(一対の被計測歯車に対して計4個の分力計16)を配置し、動的ギヤミスアライメントを計測するようにしてもよい(第2実施の形態)。この第2実施の形態を、図9及び図10に基づいて説明する。
【0032】
第2実施の形態では、図9及び図10に示すように、被計測歯車がプラネタリギヤ40のリングギヤ41(カウンタドライブギヤを兼ねている。)とされている。プラネタリギヤ40は、前記リングギヤ41、サンギヤ42、4個のピニオンギヤ43から大略構成されている。
リングギヤ41は、これの左右に備えられる2個の回転軸(以下、リングギヤ回転軸41aという。)が挿通される軸受(以下、リングギヤ用軸受44という。)を介してトランスミッションケース14に回動可能に支持されている。リングギヤ41には、カウンタドリブンギヤ47が噛合わされている。
【0033】
カウンタドリブンギヤ47は、これに備えられる中心軸(以下、カウンタドリブンギヤ回転軸51という。)が挿通される2個(図9左右)の軸受(以下、カウンタドリブンギヤ用軸受48という。)を介してトランスミッションケース14(図1参照)に回動可能に支持されている。カウンタドリブンギヤ47の図9右側のカウンタドリブンギヤ回転軸51におけるカウンタドリブンギヤ47とカウンタドリブンギヤ用軸受48との間には、カウンタドリブンギヤ回転軸51を同軸としてファイナルドライブギヤ49が備えられ、ファイナルドリブンギヤ55への動力伝達が行われ、更にファイナルドリブンギヤ55の回転軸56がディファレンシャルギヤ57へ連結され、ディファレンシャルギヤ57への動力伝達が行われるようになっている。
【0034】
前記2個のリングギヤ用軸受44には、その軸受外輪部に分力計内輪16bを嵌合させて分力計16(以下、リングギヤ用分力計16Pという。)が配置されている。リングギヤ用分力計16Pの分力計外輪16aは、トランスミッションケース14(図1参照)に固定されている。リングギヤ用分力計16Pは、X軸、Z軸回りのラジアル方向荷重及びスラスト荷重、すなわち3分力を計測し得るものになっている。本実施の形態では、図9左右のリングギヤ用分力計16Pの出力差を算出することにより、X軸回り、Z軸回りのモーメント成分を求めるようにしている。以下、便宜上、適宜、図9左右のリングギヤ用分力計16Pを、夫々、リングギヤ用第1、第2分力計16P1,16P2という。リングギヤ用第1、第2分力計16P1,16P2は、各分力計演算部30に接続したリングギヤ用分力計共通演算部60を含んでおり、X軸回り、Z軸回りのモーメント成分の算出処理を行うと共に各分力計演算部30が求めた演算結果信号をパソコン19(図1参照)の主演算部22に入力する。
【0035】
前記2個のカウンタドリブンギヤ用軸受48には、その軸受外輪部48aに分力計内輪16bを嵌合させて分力計16(以下、カウンタドリブンギヤ用分力計16Rという。)が配置されている。カウンタドリブンギヤ用分力計16Rの分力計外輪16aはトランスミッションケース14に保持されている。カウンタドリブンギヤ用分力計16Rは、X軸、Z軸回りのラジアル方向荷重及びスラスト荷重、すなわち3分力を計測し得るものになっている。本実施の形態では、図9左右のカウンタドリブンギヤ用分力計16Rの出力差を算出することにより、X軸回り、Z軸回りのモーメント成分を求めるようにしている。
以下、便宜上、適宜、図9左右のカウンタドリブンギヤ用分力計16Rを、夫々、カウンタドリブンギヤ用第1、第2分力計16R1,16R2という。カウンタドリブンギヤ用第1、第2分力計16R1,16R2は、各分力計演算部30に接続したカウンタドリブンギヤ用分力計共通演算部61を含んでおり、X軸回り、Z軸回りのモーメント成分の算出処理を行うと共に各分力計演算部30が求めた演算結果信号をパソコン19(図1参照)の主演算部22に入力する。
【0036】
この実施の形態では、リングギヤ用第1、第2分力計16P1,16P2の分力計出力差から算出されるX軸回り、Z軸回りのモーメント成分を用いて、リングギヤ41側の角度ずれ量を求める一方、カウンタドリブンギヤ用第1、第2分力計16R1,16R2の分力計出力差から算出されるX軸回り、Z軸回りのモーメント成分を用いて、カウンタドリブンギヤ47側の角度ずれ量を求める。そして、上述したようにして得たリングギヤ41側の角度ずれ量及びカウンタドリブンギヤ47側の角度ずれ量を用いて、前記第1実施の形態と同様にして、平行度誤差及び食違い誤差(動的ギヤミスアライメント)を求める。
本第2実施の形態によれば、いわゆる5分力計を用いずに、いわゆる3分力計(リングギヤ用分力計16P及びカウンタドリブンギヤ用分力計16R)を用いて、X軸回り、Z軸回りのモーメント成分ひいては動的ギヤミスアライメント(平行度誤差及び食違い誤差)の算出を行え、第1実施の形態と同様に、動的ギヤミスアライメントの計測を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る動的ギヤミスアライメント計測装置を模式的に示すブロック図である。
【図2】図1の動的ギヤミスアライメント計測装置の計測対象のドライブギヤ及びドリブンギヤ及びその近傍に設けられる部材を模式的に示す斜視図である。
【図3】図2の分力計を模式的に示す図である。
【図4】図4の分力計を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のG−G線に沿う断面図である。
【図5】図1の動的ギヤミスアライメント計測装置の作用を説明するためのブロック図である。
【図6】分力計を用いて得られる角度ずれ量・分力計出力基準特性の算出方法を説明するための図である。
【図7】図1の動的ギヤミスアライメント計測装置10による平行度誤差算出例を説明するための図である。
【図8】図1の動的ギヤミスアライメント計測装置10による食違い誤差算出例を説明するための図である。
【図9】本発明の第2実施の形態に係る動的ギヤミスアライメント計測装置が用いられるプラネタリギヤ及び軸受を模式的に示す図である。
【図10】図9のプラネタリギヤを模式的に示す図である。
【図11】ダイヤルゲージを用いた従来技術を模式的に示す図である。
【図12】平行度誤差・食違い誤差(ミスアライメント)を説明するための図である。
【符号の説明】
【0038】
1…ドライブギヤ、2…ドリブンギヤ、6…ドライブギヤ回転軸、7…ドリブンギヤ回転軸、10…動的ギヤミスアライメント計測装置、14…トランスミッションケース(被計測ユニット)、16…分力計、16K…ドライブギヤ用分力計、16H…ドリブンギヤ用分力計、16a…分力計外輪(外輪)、16b…分力計内輪(内輪)、22…主演算部(計測手段)、30…分力計演算部(計測手段)、31…ドライブギヤ用軸受、31a…ドライブギヤ用軸受外輪部、32…ドリブンギヤ用軸受、32a…ドリブンギヤ用軸受外輪部、34…歪ゲージ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、噛合わされる一対の被計測歯車の動的ミスアライメントを計測する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被計測歯車(ギヤ)の噛合い負荷変位によるミスアライメント(平行度誤差・食違い誤差)を計測する手法の一例として、ダイヤルゲージを用いた手法がある。
この手法は、図11に示すように、2つの被計測歯車(以下、便宜上、ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2という。)が噛合った状態で静的な負荷を与え、ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2における噛合い部3と反対側となるドライブギヤ1及びドリブンギヤ2の各外周部(以下、噛合い部反対側外周部という。)4の幅方向側部(各2箇所、計4箇所)、並びに噛合い部反対側外周部4から周方向に90度ずれたドライブギヤ1及びドリブンギヤ2の各外周部5の幅方向側部(各2箇所、計4箇所)〔図11に示す矢印の基端部分〕に夫々、ダイヤルゲージ(全体で8個)を当て、静的負荷変化量を計測する。そして、負荷変位差と、ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各幅寸法から、角度ずれ量を算出し、ドライブギヤ1及びドリブンギヤ2の平行度誤差・食違い誤差(ミスアライメント)を求めるようにしている。
【0003】
ここで、平行度誤差・食違い誤差(ミスアライメント)は、以下のように表現されるものである。
すなわち、図12(A)、(B)に示されるように、上下(左右でもよい。)に噛合わされたドライブギヤ1、ドリブンギヤ2を、側方から見たとき〔図12(A)A視〕のドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各回転軸6,7夫々の基準線T1、T2に対するずれ角度θa、θbにより、平行度誤差Δθ1が定められている。基準線T1、T2は平行に設定されている。具体的には、平行度誤差Δθ1は、次式(1)により定められている。
【0004】
Δθ1=|θa−θb|(ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各回転軸6,7が基準線T1、T2に対して図12(B)に示すように同方向の場合)又はΔθ1=|θa+θb|(ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各回転軸6,7が基準線T1に対して異なる方向の場合) … … (1)
【0005】
また、図12(A)、(C)に示されるドライブギヤ1、ドリブンギヤ2を、上方から見たとき〔図12(A)B視〕のドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各回転軸6,7の基準線T3に対するずれ角度θc、θdにより、食違い誤差Δθ2が定められている。具体的には、食違い誤差Δθ2は、次式(2)により定められている。
【0006】
Δθ2=|θc+θd|(ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各回転軸6,7が基準線T3に対して図12(C)に示すように異なる方向の場合)又はΔθ2=|θc−θd|(ドライブギヤ1、ドリブンギヤ2の各回転軸6,7が基準線T3に対して同方向の場合) … (2)
【0007】
ところで、被計測歯車のミスアライメント(以下、適宜、ギヤミスアライメントという。)の計測は、実際には、静的でなく動的ミスアライメント(以下、適宜、動的ギヤミスアライメントという。)を計測するのが望ましい。しかしながら、上述した手法では、静的負荷変位量の計測は行えるものの、動的ギヤミスアライメントの計測を行うことは困難であった。
【0008】
また、他の従来技術として、特許文献1に示される歯車試験装置がある。この歯車試験装置は、基準歯車と被試験歯車とを、互いに近付く方向に付勢して噛合わせた状態で、基準歯車を被試験歯車と共に回転させることにより被試験歯車の歯溝の歪を測定するようにしている。
【特許文献1】特開2000−314679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1に示される前記技術では、被試験歯車を試験装置にセットして測定するため、実際に、例えばトランスミッションケースなどの被計測ユニットに組込んだ動的負荷状態を再現できておらず、正確な測定値を得ることができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、動的ギヤミスアライメントの計測を精度高く行うことができる動的ギヤミスアライメント計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の動的ギヤミスアライメント計測装置に係る発明は、互いに噛合わされる一対の被計測歯車が組込まれている被計測ユニットに固定されかつ前記一対の被計測歯車に対応して設けられる一対の外輪と、該一対の外輪の各内周側に配置され、前記一対の被計測歯車の各回転軸を回動可能に支持する軸受の外輪に保持されて前記軸受を介して前記一対の被計測歯車に作用する力学量を夫々受ける一対の内輪と、前記外輪に対する前記内輪の力学変化量について前記一対の被計測歯車毎に計測する計測手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の動的ギヤミスアライメント計測装置において、一対の被計測歯車に対応して設けられる前記一対の外輪及び内輪は、各一対の被計測歯車に対応して2組設けられることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の動的ギヤミスアライメント計測装置において、前記外輪及び前記内輪は連結部を介して接続され、前記計測手段は、前記連結部に配置された歪ゲージを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜3記載の発明によれば、被計測ユニットに組込まれている一対の被計測歯車を作動させることにより一対の内輪が被計測歯車に作用する力学量を受け、これに伴い、計測手段が前記外輪に対する前記内輪の力学変化量について前記一対の被計測歯車毎に計測するので、被計測ユニットに組込まれる一対の被計測歯車の実動運転時のミスアライメントを計測できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の第1実施の形態に係る動的ギヤミスアライメント計測装置10を図1ないし図7に基づいて説明する。
図1(A)、(B)、図2及び図3において、動的ギヤミスアライメント計測装置10は、動的ギヤミスアライメント(平行度誤差・食違い誤差)を計測するものであり、以下の(i)〜(vi)の構成要素を有している。
(i)駆動モータ11及び2個の吸収モータ12を備え、トランスミッション13のケース(以下、トランスミッションケース14という。被計測ユニットに相当する。)を載置可能な駆動ベンチ15。駆動モータ11は、トランスミッションケース14に配置されたドライブギヤ1の回転軸6に連結されてエンジンに代わってドライブギヤ1を駆動する。吸収モータ12は、トランスミッション13に配置されたドリブンギヤ2の回転軸7に連結されて、タイヤに代わってドリブンギヤ2からの力を吸収する。
【0014】
(ii)トランスミッション13に配置されたドライブギヤ1及びドリブンギヤ2に設けられ、各ギヤ(ドライブギヤ1及びドリブンギヤ2)のずれ角度(変位)を求める分力計16。以下、適宜、ドライブギヤ1に設けられる分力計16をドライブギヤ用分力計16K、ドリブンギヤ2に設けられる分力計16をドリブンギヤ用分力計16Hともいう。
(iii)分力計16で得られるずれ角度(変位)を示すアナログ電圧値を増幅する動歪みアンプ17。
(iv)動歪みアンプ17からの信号をデジタル信号に変換すると共に、定期的に記録(蓄積)しておくデータロガー18。
(v)データロガー18に蓄積されたデータを取り込んで演算処理・解析を行うパソコン19。
(vi)パソコン19の解析結果の表示及び記録を夫々行う表示器20、記録計21。
【0015】
パソコン19は、図1(B)に示すように、主演算部22と、演算プログラム及び図6を用いて後述する角度ずれ量と分力計16出力との対応関係(以下、角度ずれ量・分力計出力基準特性という。)を予め格納した主記憶部23と、主演算部22の作業エリアとなる作業用記憶部24と、を有している。
【0016】
主演算部22は、図5及び図7(B)、(C)に示すように、ドライブギヤ用分力計16Kから、動歪みアンプ17、データロガー18を介して分力計出力Mxa〔με〕の入力を受け、また、ドリブンギヤ用分力計16Hから動歪みアンプ17、データロガー18を介して分力計出力Mxb〔με〕の入力を受ける。主演算部22は、上述したのと同様に、図5及び図8(A)、(B)に示すように、ドライブギヤ用分力計16Kの分力計演算部30(図3参照)から動歪みアンプ17、データロガー18を介して分力計出力Mza〔με〕の入力を受け、また、ドリブンギヤ用分力計16Hの分力計演算部30から動歪みアンプ17、データロガー18を介して分力計出力Mzb〔με〕の入力を受ける。
【0017】
主演算部22は、図5及び図7(B)に示すように、入力を受けた分力計出力Mxa〔με〕について後述する式(3)の定数Aで除算して、分力計出力Mxaに対応する角度ずれ量θa〔μrad〕を得る。また、これに合わせて、図7(C)に示すように、入力を受けた分力計出力Mxb〔με〕について後述する式(4)の定数Aで除算して、分力計出力Mxbに対応する角度ずれ量θb〔μrad〕を得る。
また、主演算部22は、図5及び図8(A)に示すように、入力を受けた分力計出力Mza〔με〕について後述する式(3)の定数Bで除算して、分力計出力Mzaに対応する角度ずれ量θza〔μrad〕を得る。また、これに合わせて、図8(B)に示すように、入力を受けた分力計出力Mzb〔με〕について後述する式(4)の定数Bで除算して、分力計出力Mzbに対応する角度ずれ量θzb〔μrad〕を得る。
【0018】
主演算部22は、さらに、図7(D)に示すように角度ずれ量θa〔μrad〕から角度ずれ量θb〔μrad〕を減算し、又は加算を行い、その絶対値を求めて、平行度誤差Δθ1を得る。
また、同様にして、主演算部22は、図8(C)に示すように角度ずれ量θza〔μrad〕に角度ずれ量θzb〔μrad〕を加算し、又は減算を行い、その絶対値を求め、食違い誤差Δθ2を求める。
【0019】
ドライブギヤ1は、これに備えられる回転軸(以下、ドライブギヤ回転軸6という。)が挿通される軸受(以下、ドライブギヤ用軸受31という。)を介してトランスミッションケース14に回動可能に支持されている。ドライブギヤ用軸受31の外輪部(以下、ドライブギヤ用軸受外輪部31aと言う。)には、ドライブギヤ用分力計16Kの分力計内輪16bが嵌合して保持されている。ドライブギヤ用分力計16Kの分力計外輪16aはトランスミッションケース14に保持されている。
ドライブギヤ1は、図2及び図7(A)に示すように、その中心点がX、Y、Z軸(ドリブンギヤ2との配置と区別するためXa、Ya、Za軸という。)の交点(ゼロ点)に一致し、ドライブギヤ回転軸6が略Ya軸に沿って延び、かつXa、Za軸を含む平面に略沿うように配置されている。
【0020】
また、ドリブンギヤ2は、これに備えられる回転軸(以下、ドリブンギヤ回転軸7という。)が挿通される軸受(以下、ドリブンギヤ用軸受32という。)を介してトランスミッションケース14に回動可能に支持されている。ドリブンギヤ用軸受32の外輪部(以下、ドリブンギヤ用軸受外輪部32aと言う。)には、ドリブンギヤ用分力計16Hの分力計内輪16bが嵌合して保持されている。ドリブンギヤ用分力計16Hの分力計外輪16aはトランスミッションケース14に保持されている。
ドリブンギヤ2は、図2及び図7(A)に示すように、Za軸及びZb軸を一致させた状態でドライブギヤ1と噛合って配置されている。そして、ドリブンギヤ2は、その中心点が前記Xa、Ya、Za軸と対応して配置されるXb、Yb、Zb軸の交点に一致し、ドリブンギヤ回転軸7が略Yb軸に沿って延び、かつXb、Zb軸を含む平面に略沿うように配置されている。Xb、Yb、Zb軸で形成される座標系は、Xa、Ya、Za軸で形成される座標系に対して、Za軸(Zb軸)方向にずれて構成されている。
【0021】
分力計16は、後述する5分力の算出を行えるものであり、図3及び図4に示すように、下記(ア)〜(オ)の構成要素を備えている。
(ア)軸受外輪部(ドライブギヤ用軸受外輪部31a又はドリブンギヤ用軸受外輪部32a)に嵌合して保持される内輪(前記分力計内輪16b)。
(イ)分力計内輪16b外に同心状に配置され、トランスミッションケース14に固定される外輪(前記分力計外輪16a)。分力計外輪16aは、トランスミッションケース14に固定されることにより剛体とみなせるものになっている。分力計外輪16aひいては分力計16は小型化(外径寸法略25cm)されている。
(ウ)分力計内輪16b及び分力計外輪16aを連結する複数本のスポーク部33。
【0022】
(エ)複数本のスポーク部33に、夫々、複数個配置されて分力計外輪16aに対する分力計内輪16bの変位量(歪)を検出する歪ゲージ34。
(オ)複数個の歪ゲージ34からの歪検出値に基づいて、図3に示すように、X軸、Z軸回りのラジアル方向荷重、X軸、Z軸のラジアル方向回りのモーメント及びスラスト荷重、すなわち5分力を算出する演算部(前記分力計演算部30)。分力計演算部30は、上記算出データに基づいて、平行度誤差算出のためのX軸回りの変位量のMx成分(後述するMxa又はMxb)、食違い誤差算出のためのZ軸回りの変位量のMz成分(後述するMza又はMzb)を求めてこれらを分力計出力として出力する。また、分力計演算部30は、複数個の歪ゲージ34からの歪検出値の差に基づいて負荷方向を判別している。
【0023】
パソコン19の主記憶部23に記憶される角度ずれ量・分力計出力基準特性は、図6(A)に示すように、ドライブギヤ1及びドリブンギヤ2に装着される分力計16を用いた実験により求められる。この角度ずれ量・分力計出力基準特性は、平行度誤差及び食違い誤差を夫々対象にした平行度誤差用角度ずれ量・分力計出力基準特性(以下、平行度誤差用基準特性という。)と、食違い誤差用角度ずれ量・分力計出力基準特性(以下、食違い誤差用基準特性という。)と、からなっている。
【0024】
平行度誤差用基準特性及び食違い誤差用基準特性は、次のように求められる。
まず、図6(A)に示すように、分力計16を、分力計外輪16aの中心点がX、Y、Z軸の交点に一致し、かつX、Z軸を含む平面が分力計外輪16aに含まれるように配置する。
そして、分力計16を図6(A)A視方向から見た際における図6(B)に示される分力計内輪16bの軸中心線16bcのY軸に対する角度ずれ量θ〔歪〔με〕に相当する。〕が分力計16に生じるように分力計16の分力計内輪16bに静的負荷〔荷重〔N〕〕を加えて、図6(C)に示すように、分力計16の出力(分力計出力)Mx〔με〕を求める。これにより、次式(3)で表現される平行度誤差用基準特性が得られる。このデータは上述したように主記憶部23に予め記憶される。
前記分力計出力は電圧信号〔mV〕を用いて行われる。前記分力計内輪16bに作用する静的負荷〔荷重〔N〕〕、歪〔με〕及び分力計出力としての電圧信号〔mV〕は線形関係になっている。
【0025】
Mx=Aθ … … (3)
A:定数
【0026】
また、分力計16を図6(A)B視方向から見た際における図6(D)に示される分力計内輪16bの軸中心線16bcのX軸に対する角度ずれ量θが分力計16に生じるように分力計16の分力計内輪16bに静的負荷を加えて、図6(E)に示すように、分力計16の出力(分力計出力)Mz〔με〕を求める。これにより、次式(4)で表現される食違い誤差用基準特性が得られる。このデータは上述したように主記憶部23に予め記憶される。
【0027】
Mz=Bθ … … (4)
B:定数
【0028】
式(3)、(4)の定数A、Bを用いて、後述する実動状態の分力計出力を換算することが可能となっている。
【0029】
上述したように構成された動的ギヤミスアライメント計測装置10の作用を、以下に説明する。
まず、図6を用いて上述したように、平行度誤差用基準特性〔式(3)〕及び食違い誤差用基準特性〔式(4)〕を求め、この平行度誤差用基準特性(Mx=Aθ)及び食違い誤差用基準特性(Mz=Bθ)を主記憶部23に格納する。
次に、トランスミッション13のケース(トランスミッションケース14)内に収納されたドライブギヤ用軸受31及びドリブンギヤ用軸受32に夫々、分力計16(ドライブギヤ用分力計16K、ドリブンギヤ用分力計16H)を設け、このように分力計16を設けたトランスミッションケース14を、図1に示すように、駆動ベンチ15に設置する。ドライブギヤ回転軸6に駆動モータ11を連結し、ドリブンギヤ回転軸7に吸収モータ12を連結する。任意のトルク負荷を加えて駆動モータ11を作動させて実動運転を行う。この実動運転時に、主演算部22は、ドライブギヤ用分力計16K、ドリブンギヤ用分力計16Hからの分力計出力(Mxa、Mxb、Mza、Mzb)の入力を受ける。
【0030】
主演算部22は、入力を受けた分力計出力(Mxa、Mxb、Mza、Mzb)に対して、予め記憶している平行度誤差用基準特性(Mx=Aθ)の定数A及び食違い誤差用基準特性(Mz=Bθ)の定数Bを用いて上記演算を行って、平行度誤差Δθ1及び食違い誤差Δθ2(動的ギヤミスアライメント)を求める。主演算部22で得られた解析結果が表示器20に表示され、かつ記録計21により記録される。
上述したように本実施の形態によれば、トランスミッションケース14(被計測ユニット)に組込まれているドライブギヤ1及びドリブンギヤ2(一対の被計測歯車)を作動させることにより、ドライブギヤ用分力計16K及びドリブンギヤ用分力計16Hが、夫々、ドライブギヤ1及びドリブンギヤ2に作用するラジアル方向回りのモーメント、ラジアル方向荷重、スラスト方向荷重を検出する。そして、主演算部22が、ドライブギヤ用分力計16K及びドリブンギヤ用分力計16Hの検出データに基づいて、平行度誤差Δθ1及び食違い誤差Δθ2(動的ギヤミスアライメント)を求める。このため、トランスミッションケース14(被計測ユニット)に組込まれるドライブギヤ1及びドリブンギヤ2(一対の被計測歯車)のミスアライメントを実動運転状態で計測でき、動的ギヤミスアライメントの計測精度の向上を図ることができる。
【0031】
上記第1実施の形態では、計測対象のドライブギヤ1及びドリブンギヤ2が夫々片面側に軸受(ドライブギヤ用軸受31、ドリブンギヤ用軸受32)を有し、5分力の計測を行える分力計16(いわゆる5分力計)をドライブギヤ1及びドリブンギヤ2に設けて、平行度誤差Δθ1及び食違い誤差Δθ2(動的ギヤミスアライメント)を計測する場合を例にした。これに代えて、両側面に軸受を有する被計測歯車を対象にして、各被計測歯車に夫々、一対の分力計16(一対の被計測歯車に対して計4個の分力計16)を配置し、動的ギヤミスアライメントを計測するようにしてもよい(第2実施の形態)。この第2実施の形態を、図9及び図10に基づいて説明する。
【0032】
第2実施の形態では、図9及び図10に示すように、被計測歯車がプラネタリギヤ40のリングギヤ41(カウンタドライブギヤを兼ねている。)とされている。プラネタリギヤ40は、前記リングギヤ41、サンギヤ42、4個のピニオンギヤ43から大略構成されている。
リングギヤ41は、これの左右に備えられる2個の回転軸(以下、リングギヤ回転軸41aという。)が挿通される軸受(以下、リングギヤ用軸受44という。)を介してトランスミッションケース14に回動可能に支持されている。リングギヤ41には、カウンタドリブンギヤ47が噛合わされている。
【0033】
カウンタドリブンギヤ47は、これに備えられる中心軸(以下、カウンタドリブンギヤ回転軸51という。)が挿通される2個(図9左右)の軸受(以下、カウンタドリブンギヤ用軸受48という。)を介してトランスミッションケース14(図1参照)に回動可能に支持されている。カウンタドリブンギヤ47の図9右側のカウンタドリブンギヤ回転軸51におけるカウンタドリブンギヤ47とカウンタドリブンギヤ用軸受48との間には、カウンタドリブンギヤ回転軸51を同軸としてファイナルドライブギヤ49が備えられ、ファイナルドリブンギヤ55への動力伝達が行われ、更にファイナルドリブンギヤ55の回転軸56がディファレンシャルギヤ57へ連結され、ディファレンシャルギヤ57への動力伝達が行われるようになっている。
【0034】
前記2個のリングギヤ用軸受44には、その軸受外輪部に分力計内輪16bを嵌合させて分力計16(以下、リングギヤ用分力計16Pという。)が配置されている。リングギヤ用分力計16Pの分力計外輪16aは、トランスミッションケース14(図1参照)に固定されている。リングギヤ用分力計16Pは、X軸、Z軸回りのラジアル方向荷重及びスラスト荷重、すなわち3分力を計測し得るものになっている。本実施の形態では、図9左右のリングギヤ用分力計16Pの出力差を算出することにより、X軸回り、Z軸回りのモーメント成分を求めるようにしている。以下、便宜上、適宜、図9左右のリングギヤ用分力計16Pを、夫々、リングギヤ用第1、第2分力計16P1,16P2という。リングギヤ用第1、第2分力計16P1,16P2は、各分力計演算部30に接続したリングギヤ用分力計共通演算部60を含んでおり、X軸回り、Z軸回りのモーメント成分の算出処理を行うと共に各分力計演算部30が求めた演算結果信号をパソコン19(図1参照)の主演算部22に入力する。
【0035】
前記2個のカウンタドリブンギヤ用軸受48には、その軸受外輪部48aに分力計内輪16bを嵌合させて分力計16(以下、カウンタドリブンギヤ用分力計16Rという。)が配置されている。カウンタドリブンギヤ用分力計16Rの分力計外輪16aはトランスミッションケース14に保持されている。カウンタドリブンギヤ用分力計16Rは、X軸、Z軸回りのラジアル方向荷重及びスラスト荷重、すなわち3分力を計測し得るものになっている。本実施の形態では、図9左右のカウンタドリブンギヤ用分力計16Rの出力差を算出することにより、X軸回り、Z軸回りのモーメント成分を求めるようにしている。
以下、便宜上、適宜、図9左右のカウンタドリブンギヤ用分力計16Rを、夫々、カウンタドリブンギヤ用第1、第2分力計16R1,16R2という。カウンタドリブンギヤ用第1、第2分力計16R1,16R2は、各分力計演算部30に接続したカウンタドリブンギヤ用分力計共通演算部61を含んでおり、X軸回り、Z軸回りのモーメント成分の算出処理を行うと共に各分力計演算部30が求めた演算結果信号をパソコン19(図1参照)の主演算部22に入力する。
【0036】
この実施の形態では、リングギヤ用第1、第2分力計16P1,16P2の分力計出力差から算出されるX軸回り、Z軸回りのモーメント成分を用いて、リングギヤ41側の角度ずれ量を求める一方、カウンタドリブンギヤ用第1、第2分力計16R1,16R2の分力計出力差から算出されるX軸回り、Z軸回りのモーメント成分を用いて、カウンタドリブンギヤ47側の角度ずれ量を求める。そして、上述したようにして得たリングギヤ41側の角度ずれ量及びカウンタドリブンギヤ47側の角度ずれ量を用いて、前記第1実施の形態と同様にして、平行度誤差及び食違い誤差(動的ギヤミスアライメント)を求める。
本第2実施の形態によれば、いわゆる5分力計を用いずに、いわゆる3分力計(リングギヤ用分力計16P及びカウンタドリブンギヤ用分力計16R)を用いて、X軸回り、Z軸回りのモーメント成分ひいては動的ギヤミスアライメント(平行度誤差及び食違い誤差)の算出を行え、第1実施の形態と同様に、動的ギヤミスアライメントの計測を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る動的ギヤミスアライメント計測装置を模式的に示すブロック図である。
【図2】図1の動的ギヤミスアライメント計測装置の計測対象のドライブギヤ及びドリブンギヤ及びその近傍に設けられる部材を模式的に示す斜視図である。
【図3】図2の分力計を模式的に示す図である。
【図4】図4の分力計を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のG−G線に沿う断面図である。
【図5】図1の動的ギヤミスアライメント計測装置の作用を説明するためのブロック図である。
【図6】分力計を用いて得られる角度ずれ量・分力計出力基準特性の算出方法を説明するための図である。
【図7】図1の動的ギヤミスアライメント計測装置10による平行度誤差算出例を説明するための図である。
【図8】図1の動的ギヤミスアライメント計測装置10による食違い誤差算出例を説明するための図である。
【図9】本発明の第2実施の形態に係る動的ギヤミスアライメント計測装置が用いられるプラネタリギヤ及び軸受を模式的に示す図である。
【図10】図9のプラネタリギヤを模式的に示す図である。
【図11】ダイヤルゲージを用いた従来技術を模式的に示す図である。
【図12】平行度誤差・食違い誤差(ミスアライメント)を説明するための図である。
【符号の説明】
【0038】
1…ドライブギヤ、2…ドリブンギヤ、6…ドライブギヤ回転軸、7…ドリブンギヤ回転軸、10…動的ギヤミスアライメント計測装置、14…トランスミッションケース(被計測ユニット)、16…分力計、16K…ドライブギヤ用分力計、16H…ドリブンギヤ用分力計、16a…分力計外輪(外輪)、16b…分力計内輪(内輪)、22…主演算部(計測手段)、30…分力計演算部(計測手段)、31…ドライブギヤ用軸受、31a…ドライブギヤ用軸受外輪部、32…ドリブンギヤ用軸受、32a…ドリブンギヤ用軸受外輪部、34…歪ゲージ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに噛合わされる一対の被計測歯車が組込まれている被計測ユニットに固定されかつ前記一対の被計測歯車に対応して設けられる一対の外輪と、
該一対の外輪の各内周側に配置され、前記一対の被計測歯車の各回転軸を回動可能に支持する軸受の外輪に保持されて前記軸受を介して前記一対の被計測歯車に作用する力学量を夫々受ける一対の内輪と、
前記外輪に対する前記内輪の力学変化量について前記一対の被計測歯車毎に計測する計測手段と、を備えたことを特徴とする動的ギヤミスアライメント計測装置。
【請求項2】
一対の被計測歯車に対応して設けられる前記一対の外輪及び内輪は、各一対の被計測歯車に対応して2組設けられることを特徴とする請求項1記載の動的ギヤミスアライメント計測装置。
【請求項3】
前記外輪及び前記内輪は連結部を介して接続され、前記計測手段は、前記連結部に配置された歪ゲージを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の動的ギヤミスアライメント計測装置。
【請求項1】
互いに噛合わされる一対の被計測歯車が組込まれている被計測ユニットに固定されかつ前記一対の被計測歯車に対応して設けられる一対の外輪と、
該一対の外輪の各内周側に配置され、前記一対の被計測歯車の各回転軸を回動可能に支持する軸受の外輪に保持されて前記軸受を介して前記一対の被計測歯車に作用する力学量を夫々受ける一対の内輪と、
前記外輪に対する前記内輪の力学変化量について前記一対の被計測歯車毎に計測する計測手段と、を備えたことを特徴とする動的ギヤミスアライメント計測装置。
【請求項2】
一対の被計測歯車に対応して設けられる前記一対の外輪及び内輪は、各一対の被計測歯車に対応して2組設けられることを特徴とする請求項1記載の動的ギヤミスアライメント計測装置。
【請求項3】
前記外輪及び前記内輪は連結部を介して接続され、前記計測手段は、前記連結部に配置された歪ゲージを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の動的ギヤミスアライメント計測装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−333421(P2007−333421A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−162364(P2006−162364)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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