動的情報検索システム
【課題】検索対象情報のデータ構造を一覧表示することで、検索対象情報全体の見通しを良くし、検索過程において、ユーザが指定した情報を表示すると共に、ユーザが必要とする当該情報の詳細情報を任意のレベルの状態で閲覧可能な動的情報検索システムを提供する。
【解決手段】情報端子11(1〜n)の配置は任意であるが、情報空間の何らかの構造を反映していてもよい。この構造は、物理的または論理的な構造であってもよい。物理的な構造の場合は、その物理的存在の形状を示す画像を追加表示することができる。前記情報端子の何れか1つがポインティングされると、当該情報端子の実体情報が実体情報表示画面に表示される。この実体情報表示画面には、元の画面に戻すための釦と、次検索画面に進める釦とが設けられている。次検索画面には、この実体情報のさらに詳細レベルの実体情報を検索するための情報端子群が配置されている。
【解決手段】情報端子11(1〜n)の配置は任意であるが、情報空間の何らかの構造を反映していてもよい。この構造は、物理的または論理的な構造であってもよい。物理的な構造の場合は、その物理的存在の形状を示す画像を追加表示することができる。前記情報端子の何れか1つがポインティングされると、当該情報端子の実体情報が実体情報表示画面に表示される。この実体情報表示画面には、元の画面に戻すための釦と、次検索画面に進める釦とが設けられている。次検索画面には、この実体情報のさらに詳細レベルの実体情報を検索するための情報端子群が配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示された情報を検索する情報検索システムに係り、特に、検索対象のデータベースに格納された情報や、ウェブ上の情報から、ユーザが必要とする情報を任意の深度レベルで迅速に見つけ出すことができる動的情報検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータで利用可能な情報空間は益々拡大する傾向にあり、このため、ユーザが必要とする情報をデータベースから迅速かつ的確に取得することが困難になってきている。また、ウェブ上で開示されている情報についても、従来型の検索エンジンが限界が近づきつつあることから、ユーザが必要とする情報の検索処理に多くの手間を要し、しかも、必ずしも的確な情報に遭遇できないという場面が増加している。
【0003】
図13は、従来の情報検索システムが検索情報として蓄積しているデータの構造を示す説明図であり、図13(a)は一般的な検索対象情報の集合を示し、図13(b)は検索対象情報のデータ構造を示す。図13(a)に示す検索対象情報の集合91には、検索対象情報(1〜k)が含まれる。図13(a)に示す一般的な検索対象情報(1〜k)は、コンピュータで利用可能な情報空間全体に含まれる情報を示しているので、必ずしも従来の情報検索システムのユーザだけが必要な情報とは限らない。また、このような情報には、既に何らかのデータベース上に、何らかのデータ構造に従って格納されているものも存在するが、或いはディジタル化すらなされていないレア(生)な情報なども含まれている。
【0004】
これに対し、図13(b)に構造が示される情報のデータ921(1〜n)は、業務上、検索システムのユーザが必要とするか、若しくは処理すべき情報だけが集められ、ディジタル化されていないものについてはディジタルのデータ921(1〜n)に変換されて、何らかの構造(ここではトリー構造)に従ってデータベース上に格納されている。
【0005】
しかしながら、図13(b)に示すデータ921(1〜n)の構造は、必ずしも検索エンジン側の検索処理の都合によって形成されたデータ構造ではない。通常、このような構造(ここではトリー構造)は、情報自体が論理的に有している構造であるに過ぎない。それでも、従来の情報検索システムでは、検索効率を向上させるために、情報自体が論理的に有している何らかのデータ構造(ここではトリー構造)を検索のアルゴリズムに利用することが多い。
【0006】
しかし、従来の情報検索システムのユーザには、このような構造(ここではトリー構造であるが、一般にはデータ間の結合関係)が一覧できる手段は与えられておらず、キーワードを論理変数とする論理式によってキーワード検索する手段だけが与えられていた。
【0007】
図14は、従来の情報検索システムが検索情報として蓄積しているデータの他の構造を示す説明図であり、図14(c)は同類のデータだけを集めたデータ領域の集合を示し、図14(d)はウェブページの構造を示す。
【0008】
図14(c)に示すデータ領域は、データの属性によって決められているものであり、この属性には論理的なものと物理的なものとが存在する。しかし、何れにしても、従来の情報検索システムのユーザには、このようなデータ領域の存在が知らされておらず、よって、このようなデータ領域の存在を検索に活用できる手段は与えられておらず、キーワードを論理変数とする論理式によってキーワード検索する手段だけが与えられていた。
【0009】
図14(d)に示すウェブページは、各ページ内に他のウェブページへのリンクが貼られていることを示している。このようなリンク構造によって、従来の情報検索システムのユーザは、いわゆる「ネットサーフィン」が可能となるが、やはり、リンク構造全体を一覧して検索に活用できる手段は与えられておらず、行き当たりばったりの漂流を続けたり、迷い子になることが多かった。
【0010】
このような状態に鑑みて、例えば、リモートセンシング等で得られた画像情報を検索キーワードにより検索するに際し、まず、この画像情報を表示装置で表示し、この表示において、この画像情報の特定部位の位置情報を入力することにより、検索キーワードによる検索の速度を向上させる技術が提案されるようになった(例えば、特許文献1)。
【0011】
また、工事計画情報等の線形図形に変換できる検索対象図形を、予め生成された複数の標準図形との部分的な一致を示すもの同士を1グループとする方法で予め分類しておく情報検索システムが提案されている(例えば、特許文献2)。
【0012】
さらに、図書情報を検索するに際し、予めデータを入力して3次元空間上のコンピュータグラフィックオブジェクトを描画し、このオブジェクトの部位をポインティングさせて、このポインティングされた部位からリンクされる図書情報を検索する情報検索システムが提案されている(例えば、特許文献3)。
【特許文献1】特開平5−12342号公報
【特許文献2】特開平7−262220号公報
【特許文献3】特開2000−250942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、このような従来のサブタイトルにおいては、例えば、図13(b)に構造が示される情報の場合は、前述のとおり、図13(b)に示されているようなトリー構造(一般にはデータ間の関係)を一覧できる手段は、従来の情報検索システムのユーザには与えられておらず、従来の情報検索システムのユーザにはキーワードを論理変数とする論理式によってキーワード検索する手段だけが与えられているに過ぎなかったので、検索対象情報の全体や、その構造については検索システムのユーザはさっぱり分からず、よって、従来の情報検索システムのユーザにとっては、五里霧中での検索の続行を余儀なくされ、検索に多大の時間を要するばかりではなく、得られた検索結果の情報は、必ずしも的確な情報ではなく、また、検索システムのユーザにとって、常に満足できる情報でもないという検索処理の失敗場面が頻発しているという問題点があった。
【0014】
また、図13(c)に構造が示される情報の場合は、前述のとおり、従来の情報検索システムのユーザには、このようなデータ領域の存在が知らされておらず、よって、このようなデータ領域を検索に活用できる手段は与えられておらず、キーワードを論理変数とする論理式によってキーワード検索する手段だけが与えられていたので、上記と同様の問題点があった。
【0015】
なお、上記の問題点は、従来のウェブ用の情報検索システムである検索エンジンの構造的欠陥として、既に問題視されている。また、図13(d)に構造が示される情報の場合は、前述のとおり、リンク構造全体を一覧して検索に活用できる手段は与えられておらず、よって、必要なウェブページに効率的に辿り着くことができず、しばしば迷路に入り込む結果となっていた。
【0016】
なお、前述の特許文献1に開示された情報検索システムは、扱っている検索対象情報が、大きさが規格化され、かつ内容が予め分かっている画像であり、しかも、このような画像が事前に大量に蓄積されているという特殊な場合にだけ適用されるシステムであり、一般の情報の検索には利用できない。また、前述の特許文献2に開示された情報検索システムは、線形図形に変換できる検索対象の検索システム(線形図形検索システム)としては有望であるが、そもそも図形では表せない一般の情報の検索には適していない。
【0017】
さらに、前述の特許文献3に開示された情報検索システムは、図形表示した検索対象の部位をポインティングする必要があるので、やはり図形で表現できない一般の情報の検索には適していないし、図形化できたとしても、ポインティング可能な部位(情報端子)が明示されていない。
【0018】
このため、本発明は、検索対象情報のデータ構造を一覧表示することで、検索対象情報全体の見通しを良くし、検索過程において、ユーザが指定した情報を表示すると共に、ユーザが必要とする当該情報の詳細情報は幾らでも掘り下げて閲覧できるようにすることで、検索効率を向上させることができる動的情報検索システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記した従来の情報検索システムの課題に鑑みてなされたものであり、コンピュータシステムでアクセス可能な情報を表示装置に表示し、前記表示された情報の内から、ユーザが必要とする情報だけを取得する動的情報検索システムであって、前記情報の各々に対応する情報端子の表示を含む検索情報の表示画面を前記表示装置に表示する手段と、前記表示された情報端子がポインティングされた時に、前記ポインティングされた情報端子に対応する情報の実体情報と画面操作釦類とを含む実体情報表示画面を前記表示装置に表示する手段と、前記画面操作釦類に含まれる操作釦の内、前検索画面への戻し釦が押下された時に、前記表示装置が表示する表示画面を1つ前の表示画面に戻す手段と、前記画面操作釦類に含まれる操作釦の内、次検索画面への進め釦が押下された時に、前記ポインティングされた情報端子に対応する情報よりも1レベル下のランクの詳細情報を検索するための検索情報の表示画面を前記表示装置に表示する手段と、を備えたことを特徴とする動的情報検索システムを提供するものである。
【0020】
このように構成したことにより、検索画面では検索対象情報のデータ構造を一覧させているので、検索対象情報全体の見通しが良くなり、また、検索過程においては、ユーザが指定した情報の表示はもとより、ユーザが必要とする当該情報の詳細情報は幾らでもランクを掘り下げて閲覧できるようになり、さらに、検索対象情報の構造も明示しているので、検索効率を向上させた動的情報検索システムを実現することができる。
【0021】
また、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面には、前記情報の各々に対応する情報端子の前記表示に加えて、前記情報間の関係を示す情報が表示されていることを特徴とする。また、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面には、前記情報の各々に対応する情報端子の前記表示に加えて、前記情報間の結合関係を示す実線が表示されていることを特徴とする。
【0022】
さらに、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面には、前記情報端子の前記表示に加えて、前記情報の情報源となる物理的存在の画像が表示され、かつ前記情報端子は、前記画像上の対応する部位に配置されていることを特徴とする。また、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面に表示される前記物理的存在の画像は、n次元ユークリッド空間内(n≧1)に示される画像であることを特徴とする。
【0023】
また、前記動的情報検索システムにおいいて、前記検索情報の表示画面に表示される前記物理的存在の画像は、ポリゴン(多角形)を敷き詰めて作成されたものであり、かつ前記ポリゴンを前記情報端子としたことを特徴とする。
【0024】
さらに、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面には、前記情報端子の前記表示に加えて、前記情報の参照回数を示す同心円が表示され、かつ前記情報端子は、対応する情報の参照回数の多さの順で、前記同心円の中心円から、順次、外側の同心円内に向かって配置されていることを特徴とする。また、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面には、前記情報端子の前記表示に加えて、前記情報間の包含関係を示す同心円が表示され、かつ前記情報端子は、対応する情報間の包含関係に従って前記同心円内に配置されていることを特徴とする。
【0025】
また、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面に表示される前記情報端子は、グループ分けされていることを特徴とする。
【0026】
また、前記動的情報検索システムにおいて、前記グループ分けは、前記情報端子に対応する情報間の論理的な関係、若しくは物理的な関係によってなされていることを特徴とする。さらに、前記動的情報検索システムにおいて、前記コンピュータシステムでアクセス可能な前記情報には、インターネット網上のウェブ情報も含まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、検索画面では検索対象情報のデータ構造を一覧できるようにして、検索対象情報全体の見通しを良くし、また、検索過程においては、ユーザが指定した情報の表示はもとより、ユーザが必要とする当該情報の詳細情報は幾らでもランクを掘り下げて閲覧できるように構成し、さらに、検索対象情報の構造も明示するようにしたので、検索効率を向上させた動的情報検索システムを提供することができる。また、インターネット網上に開示されたウェブ情報(ホームページ等)の検索が、とても簡単になる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の表示画面を示す説明図である。同図において、図13(従来例)と重複する部分には同一の符号を附して説明を省略する。
【0029】
本発明の実施形態に係る動的情報検索システムは、図13(a)に示す一般的な検索対象情報の集合91(一般的な情報空間)から、業務分野に応じて当該業務に関係するn個の検索対象情報だけを選択し、この選択したn個の情報の各々に情報端子(1〜n)を付与する。これらの情報端子は、図13(b)に示す検索対象情報の表示画面1において情報端子11(1〜n)として配置される。
【0030】
情報端子11(1〜n)の任意の2つの間には、如何なる包含関係も存在しない。また、何らかの関係を有していてもよいし、何の関係も有していなくてもよい。但し、図1(b)に示す情報端子11(1〜n)については、何らかの結合関係を有しているもの同士を実線で結んで表示しているが、一般には、このような結合関係が存在するとは限らないので、また、存在していても表示すべきとは限らないので、このような実線の表示は省略可能である。
【0031】
情報端子11(1〜n)の検索対象情報の表示画面1における配置方法は任意であり、検索システム側の都合だけで配置してもよいし、この配置が、前記選択されたn個の情報を含む情報空間(情報源)の何らかの構造を反映していてもよい。また、この構造は、物理的なもの(例えば、星座、地図、機械、建築物等)の構造であってもよいし、論理的なもの(例えば、職制、プログラム、人と人との繋がり等)の構造であってもよい。
【0032】
前記構造が、物理的なものの構造である場合は、情報端子11(1〜n)の表示に加えて、当該物理的存在のn次元ユークリッド空間内(n≧1)の画像(動画、静止画を問わない画像であり、例えば、星座、地図、機械、建築物等の画像)を、画像の表現を工夫して、さらに表示し、かつ情報端子11(1〜n)を、表示された画像上の対応する部位に配置することが可能である。これによって、情報端子11(1〜n)は、前記物理的存在のどの部位に相当するのかが明示されることになる。
【0033】
前記構造が、物理的存在の構造である場合は、さらに、この物理的存在をn個のポリゴン(多角形)を敷き詰めて画像表現することが可能であり(但し、多少の隙間が有ってもよい)、また、このn個のポリゴンを情報端子11(1〜n)に対応させて、情報端子11(1〜n)の機能を持たせることも可能である。さらに、このn個のポリゴン(多角形)の敷き詰めにより表現される画像を、3次元立体画像(動画、静止画を問わない)とすることが可能である。さらには、画像の表現を工夫して、一般には、n次元ユークリッド空間内(n≧1)の画像(動画、静止画を問わない)とすることが可能である。
【0034】
このような構造を有する情報の表示画面(図13(a)参照)は、検索画面の表示処理(ルーチン)によって表示されるが、このような表示が可能となるように、情報端子11(1〜n)は、事前に編集されて、データベース等に記憶されるものとする。
【0035】
情報端子11(1〜n)の何れか1つがポインティングされる(例えば、マウスでクリックされる)と、当該情報端子の実体情報が、実体情報の表示画面(図8参照)に表示される。この実体情報の表示画面には、元の画面に戻すための釦と、次検索画面に進める釦とが設けられている。
【0036】
この次検索画面とは、前記実体情報のさらに詳細レベルの実体情報を表示させるための情報端子群が配置された検索画面である。例えば、当該情報端子が、我々の銀河系の情報を示すものであった場合は、前記の次検索画面に進める釦を押下することによって、太陽系を含む恒星系の情報を示すための情報端子群を含む検索画面を表示させることができる。
【0037】
他画面結合子12(1〜m)は、実線で結ばれている直前の情報端子を画面の中心とする同レベルの情報端子群が配置された検索画面を表示させるための釦である。この新たな検索画面では、前の検索画面で既に表示済の情報端子については、色違いにしたり、表示の輝度を落としたりすることが可能である。
【0038】
なお、以下の説明では、前記情報端子と前記他画面結合子とを総称して「シンボル」と呼称する。
【0039】
図2は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の他の表示画面を示す説明図である。同図(c)に示す検索対象情報の表示画面2で表示された情報端子21(1〜n)及び他画面結合子22(1〜m)の機能は、図1(b)に示す検索対象情報の表示画面1で表示された情報端子11(1〜n)及び他画面結合子12(1〜m)の機能と同じであるが、情報端子21(1〜n)の配置方法が情報端子11(1〜n)の配置方法とは異なる。
【0040】
情報端子21(1〜n)は、その参照頻度に応じて鎖線で示す同心円内に配置される。前回までの検索において、参照頻度の最も多い情報端子(従って情報)については前記同心円の中心に配置される。以下、情報端子は、参照頻度の大きさの順で、その外側の同心円に配置される。この配置方法は、検索システム側のアルゴリズムだけで決定されているので、一般の情報空間から選択されたn個の情報を含む情報空間の構造は、何ら反映していない。しかし、情報の参照頻度の大きさは、検索において重要な手掛かりとなることがある。
【0041】
図3は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の他の表示画面を示す説明図である。同図(d)に示す検索対象情報の表示画面3で表示された情報端子31(1〜n)及び他画面結合子32(1〜m)の機能は、図1(b)に示す検索対象情報の表示画面1で表示された情報端子11(1〜n)及び他画面結合子12(1〜m)の機能と同じであるが、情報端子31(1〜n)の配置方法が情報端子11(1〜n)の配置方法とは異なる。
【0042】
情報端子31(1〜n)は、一般の情報空間から選択されたn個の情報を含む情報空間の階層構造(包含関係)に応じて実線で示す同心円内に配置される。階層レベルの最も高い情報端子(従って情報)については前記同心円の中心に配置される。以下、情報端子は、階層レベルの高さの順で、その外側の同心円に配置される。この配置方法は、一般の情報空間から選択されたn個の情報を含む情報空間の構造のうち、階層構造(包含関係)だけを反映するものである。しかし、情報空間の階層構造(包含関係)は、検索において重要な手掛かりとなることがある。
【0043】
図4は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の他の表示画面を示す説明図である。同図(e)に示す検索対象情報の表示画面4で表示された情報端子41(1〜n)及び他画面結合子42(1〜m)の機能は、図1(b)に示す検索対象情報の表示画面1で表示された情報端子11(1〜n)及び他画面結合子12(1〜m)の機能と同じであるが、情報端子41(1〜n)の配置方法が情報端子11(1〜n)の配置方法とは異なる。
【0044】
情報端子31(1〜n)は、一般の情報空間から選択されたn個の情報を含む情報空間のブロック構造(グループ分け)に応じて実線の円で示される複数のブロック(ここでは、ブロック(A〜G))の何れか1つを示す円内に配置される。この配置方法は、一般の情報空間から選択されたn個の情報を含む情報空間の構造のうち、ブロック構造(グループ分け)だけを反映するものである。しかし、情報空間のブロック構造(グループ分け)は、検索において重要な手掛かりとなることがある。
【0045】
図5は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムが参照する座標−アドレス変換対の構成を示す説明図である。同図に示すように、前述の各検索画面に表示されるシンボル(情報端子または多面結合子)(1〜n)の前記検索画面内の座標(位置情報)は、このシンボルに対応して検索システムが参照すべき情報(ここでは「内部情報」と呼称している)の格納アドレス(1〜n)と1対1対応に対応付けられて記憶されている。ここでは、このようにして記憶されたものを座標−アドレス変換対と呼称している。
【0046】
前記検索画面内の何れかのシンボルが、ポインティング(例えばマウス等によりクリックされることであるが、以下では「押下」と呼称する)されると、まず、当該シンボルの座標情報が入力され、次に、この「座標−アドレス変換対」が参照されて、このシンボルに対応する内部情報にアクセスされる。
【0047】
図6は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムが参照する内部情報のエントリ構成を示す説明図である。同図に示すように、内部情報を格納する各エントリの最初のフィールドには、当該シンボルの「端子番号シンボル種類」が割当てられる。この「端子番号シンボル種類」には、当該シンボルの番号と種類が格納される。通常、この端子番号の頭一文字には、シンボルの種類を示す記号(アルファベット等)が置かれる。
【0048】
その次のフィールドには、「自己座標」が割当てられる。この「自己座標」として当該シンボルの座標情報が格納される。この座標情報は、参照回数によって情報端子の配置を更新する処理を行う時などに参照される。また、その次のフィールドには、「関連情報エントリアドレス」が割当てられる。この関連情報エントリアドレス」として、当該シンボルで示される情報に関連する1つ以上の情報の内部情報のエントリアドレスが格納される。関連情報が無い時は空白が格納される。この関連情報の空白でないエントリアドレス(ウェブページのアドレス、即ちURLであってもよい)は、全て、後述する実体情報(図8参照)に含まれるアイコンに対応しているものであり、前記アイコンが押下された時に、対応するエントリアドレスに格納されている関連情報が表示される。
【0049】
その次のフィールドには、「実体情報エントリアドレス」が割当てられる。この「実体情報エントリアドレス」として、実体情報(図8参照)を格納したエントリのアドレスが格納される。また、その次のフィールドには、「参照回数」が割当てられる。この「参照回数」として、当該シンボルで示される情報の参照回数が格納される。この参照回数は、実体情報が表示される時に更新(+1の加算)がなされる。なお、当該シンボルが他画面結合子(1〜m)である場合は、「関連情報エントリアドレス」、及び「実体情報エントリアドレス」には空白が格納され、「前検索画面格納領域アドレス」には当該他画面結合子の直前に繋がれたシンボルの端子番号シンボル種類が格納される。
【0050】
図7は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムによって検索される情報の関連情報のアドレスを格納したエントリの構成を示す説明図である。同図に示す関連情報エントリは、押下されたシンボルに対応する情報に、関連情報が存在する場合、即ち、関連情報にリンクするための釦が設けられており、かつ前記押下されたシンボルに対応する情報の実体情報の表示領域内に当該釦が表示されている場合にのみ対応するエントリが作成され、このような関連情報が存在しない場合には作成されない。このような関連情報にリンクするための釦には、釦番号が付されており、この番号は関連情報にアクセスするためのアドレスを格納した「関連情報エントリアドレス」フィールドの番号に対応している。よって、関連情報にリンクするための何れかの釦が押下された時、この釦の釦番号に対応する「関連情報エントリアドレス」フィールドが格納しているアドレスの関連情報にアクセスすることができる。
【0051】
図8は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムによって検索される情報の実体情報を表示する表示画面の構成を示す説明図である。同図に示すように、実体情報の表示画面5には、実体情報を表示するための実体情報表示部50の他に、表示画面を1つ前の検索対象表示画面に戻すための前検索画面への戻し釦51と、1レベル下のランクの詳細情報を検索するための次検索対象情報の表示画面に進めるための次検索画面への進め釦52と、表示された実体情報のファイル化とファイル操作を行うためのファイル操作用釦部53と、実体情報表示部50及び実体情報の表示方法等を操作するための検索画面操作釦部54とが備えられており、さらに、実体情報がウェブページであった時に、当該ウェブページを操作するためのウェブページ操作釦部55と、当該ウェブページのアドレス(URL)を表示するためのウェブページのURL(56)とが備えられている。
【0052】
検索画面操作釦部54には、実体情報が動画である場合に備えて、動画の再生を操作する動画再生用釦群を備えることができる。
【0053】
表示される実体情報の種類は、数値を含む文字情報、静止画情報、アニメを含む動画情報、ウェブページ若しくはウェブ上の情報、等であってよい。また、この実体情報には関連情報を表示させるたかめの関連情報表示釦を埋め込むことができる。実体情報が動画である場合は、前記の動画再生用釦群の操作によって動画を静止させた時に、この静止画中に前記関連情報表示釦が埋め込まれている状態にすることができる。
【0054】
図9は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの全体構成を示す構成図である。同図に示す動的情報検索システム6は、インターネット網10で接続されたサーバ端末装置61及びユーザ端末装置62を備える。ここで、サーバ端末装置61は、主要な構成要素として、制御部611と、実体情報DB612と、検索画面DB613を備える(詳細構成は図10参照)。また、ユーザ端末装置62は、主要な構成要素として、CPU621と、表示装置622とを備える(詳細構成は図11参照)。
【0055】
サーバ端末装置61は、事前の登録業務として、前述の検索対象情報の表示画面1〜4及び実体情報の表示画面5を表示できるように、検索対象情報の集合91を編集する。また、これらの表示を行う処理ルーチンを保存する。また、サーバ端末装置61は、ユーザ端末装置62の表示装置622上に表示される前述の検索対象情報の表示画面1〜4を介して半自動でなされる前述の検索処理(途中でユーザによるポインティング操作が入る検索処理)のシステム側に必要な検索処理をユーザ端末装置62と協同して実行する。
【0056】
ユーザ端末装置62は、ユーザの操作により、表示装置622上に前述の検索対象情報の表示画面1〜4を表示し、その後も、ユーザの操作を介在させながら、サーバ端末装置61と協同してシステム側に必要な検索処理を実行する。
【0057】
本システムは、ユーザ端末装置62にハードディスク装置を備えないシンクライアントシステムとして構成してもよい。また、サーバ端末装置61とユーザ端末装置62との間の通信処理は、サーバ端末装置61が提供するホームページを介して行うことができる。
【0058】
図10は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムのサーバ端末装置の1構成例を示す構成図である。同図に例示するサーバ端末装置61は、全体を制御する制御部611と、実体情報及び実体情報の表示画面5を表示するために必要な情報を記憶する実体情報DB612と、検索対象情報の表示画面1〜4を表示するために必要な情報を記憶する検索画面DB613と、座標−アドレス変換対、内部情報エントリ、及び関連情報エントリを表示するために必要な情報を記憶する内部情報DB614と、を備え、さらに、ユーザ等を認証するための認証用DB615と、顧客の嗜好等の属性情報を記録する顧客情報DB616と、課金処理等の業務に必要なデータを記憶する業務用DB617と、検索処理等の実行に必要なデータや操作状況等を表示するための表示装置618と、指令やデータを入力するための入力装置619と、を備える。
【0059】
制御部611は、他の構成要素の処理を分担すると共に他の構成要素を制御するCPU6111と、検索処理に必要なプログラムやデータを記憶するRAM6112と、回線接続を制御する回線制御部6113と、インターネット網10等とのプロトコルを備えてユーザ端末装置62(図9)等との通信を行う通信制御部6114と、データベース612〜617を制御するDB管理部6115と、ウェブページの管理とアクセス制御とを行うウェブサーバ6116とを備える。
【0060】
CPU6111は、本装置全体を制御すると共に、他の主要な構成要素の処理を分担し、また、検索処理の進行を制御する。RAM6112は、検索処理に必要なプログラムやデータを記憶すると共に、検索処理等の実行に必要な一時的データ(テンポラリデータ)を記憶する。
【0061】
回線制御部6113は、インターネット網10等に接続するためのものであり、ディジタル終端接続装置(DSU)や侵入防止用のファイアウォールアプリケーションを実装したルータなどを備えて構成することができる。
【0062】
通信制御部6114は、ウェブサーバ6116などの各サーバを制御すると共に、複数のユーザ端末装置62等との回線接続を選択的に行う制御を実行する。なお、この通信制御部6114は、例えば、インターネット上での時刻同期用NTP(Network Time Protocol)サーバ、分散ファイルシステム用のNFS(Network File System)サーバなどを備えることができる。通信制御部6114は、さらに、個人情報などの秘密保持のための暗号化データ転送用の暗号化通信プロトコルを保持し、SSL(Secure
Sockets Layer)サーバの制御を実行することができる。
【0063】
DB管理部6115は、入出力バス620を介して、実体情報DB612、検索画面DB613、内部情報DB614、認証用DB615、顧客情報DB616、業務用DB617、を管理する。この管理には、オペレーティングシステムによるファイルの排他制御(占有制御)や、バッファリング技法が含まれる。
【0064】
ウェブサーバ6116は、インターネット網10上で基幹的な通信処理(ブラウジング)を実行するための主コンピュータとして動作する。このウェブサーバ6116は、インターネット網10上に開設されるホームページを運営するものであり、このホームページ上には前述の検索対象情報の表示画面1〜4や実体情報の表示画面5等を掲載することができる。
【0065】
認証用DB615は、顧客の認証に必要な認証用データを記憶している。このデータベースに記憶されているファイルは、認証処理の際に、認証を行うタスクから参照される。顧客情報DB616は、ユーザの嗜好等の属性情報を記憶している。業務用DB617は、課金処理等の一般業務に必要なデータを記憶している。入力装置619は、例えば、マウスやキーボードで構成することができる。
【0066】
図11は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムのユーザ端末装置の1構成例を示す構成図である。同図に例示するユーザ端末装置62は、本装置全体の制御を行うCPU621と、検索対象情報の表示画面1〜4や実体情報の表示画面5等を表示するための表示装置622と、手入力データや操作情報入力するため、及び検索対象情報の表示画面1〜4内や実体情報の表示画面5に表示される各種釦を押下するための入力装置623と、検索結果等を印刷するための印刷装置624と、インターネット網10等に対応した通信プロトコルを備えてサーバ端末装置61(図9)と通信する通信処理部625と、後述する検索結果保存用DB627を管理するデータベース管理部626と、検索結果を保存するための検索結果保存用DB627と、を備える。
【0067】
この他に、データやプログラムを格納するためのROM(図示は省略)が備えられている。さらに、シンクライアントシステムとする場合の大容量半導体メモリや、他のデータベース用のハードディスク装置を備えることができる。
【0068】
CPU621は、本装置全体の構成要素を制御する。
【0069】
表示装置622の画面には、検索処理の開始と共に、検索対象情報の表示画面1〜4(図1(b)〜図4(e))や、実体情報の表示画面5(図8)等が順次に表示される。入力装置623は、手入力データや検索の開始等に必要な操作情報入力するために使用されると共に、検索対象情報の表示画面1〜4内や実体情報の表示画面5に表示される各種釦を押下(ポインティング)するために使用される。
【0070】
印刷装置624は、検索結果等を印刷するために使用される。通信処理部625は、インターネット網10等に対応した通信プロトコルを備えており、サーバ端末装置61(図9)との間の通信処理を担う。この通信処理には、必要に応じてサーバ端末装置61が提供するホームページのブラウザ開設処理と、その運営処理を含ませることができる。データベース管理部626は、検索結果を保存する検索結果保存用DB627を管理する。検索結果保存用DB627は、検索結果を保存するために使用される。
【0071】
図12は、本実施形態に係る動的情報検索システムの検索処理時における処理手順を示すフローチャートである。以下に示す検索処理の手順は、検索対象情報の表示画面1〜4に共通であり、また、実際にはユーザ端末装置62とサーバ端末装置91とが協同して行う処理手順であるが、ここでは、あたかもユーザ端末装置62のCPU621が行っている処理として説明する。
【0072】
まず、検索対象情報の表示画面1〜4の何れか1つを選択して、表示装置622に検索開始画面として表示する。より具体的には、空白(開始画面を示す)をパラメタとして、検索画面表示ルーチンに制御を渡す。これにより、表示装置622に、検索の初期画面(検索対象情報のランクが最も高い画面)が表示される。(ステップS1)。前述の検索対象情報の表示画面1〜4の何れか1つを選択する選択処理は、検索システムのユーザからの指定によるものであってもよいし、検索システム側で最適のものを選択してもよい。
【0073】
次に、前記検索対象情報の表示画面上に表示された何れかのシンボルをユーザが押下するまで待機し、ユーザによる押下が確認されると、ステップS3に進む(ステップS2)。次に、前回の座標情報を座標情報退避領域(図示は省略)に退避するとともに、前記検索対象情報の表示画面上で前記押下されたシンボルの座標情報を取得する(ステップS3)。前回の座標情報が存在しない場合(開始画面の場合)は座標情報退避領域に空白を格納する。
【0074】
次に、この取得された座標情報を、アドレス変換対(図5)を参照して、対応する内部情報アドレスに変換する(ステップS4)。次に、この内部情報アドレスを使用して、対応する内部情報エントリ(図6参照)に格納されている各種の内部情報を取得する(ステップS5)。そして、この得られた内部情報の「端子番号シンボル種類」のフィールドを参照して、前記検索対象情報の表示画面上で前記押下されたシンボルが他画面結合子か否かを検証し、前記押下されたシンボルが他画面結合子である場合はステップS9に移り、前記押下されたシンボルが他画面結合子でない(従って情報端子である)場合はステップS7に進む(ステップS6)。
【0075】
次に、前記内部情報の「実体情報エントリアドレス」のフィールドに格納されている実体情報エントリアドレスを使用して、表示装置622に実体情報の表示画面5(図8参照)を表示する(ステップS7)。より具体的には、この実体情報エントリアドレスをパラメタとして、実体情報の表示画面5(図8)を表示する機能を有する実体情報表示サブルーチン(図示は省略するが、釦類等の設定機能も有している)に制御を渡す。また、この表示が完了すると、前記内部情報の「参照回数」のフィールドに格納されている参照回数を更新(参照回数に+1を加算)する。なお、この「実体情報エントリアドレス」における実体情報エントリというのは、実体情報の表示画面5のことではなく、実体情報だけを格納した領域(図示せず)のことである。
【0076】
次に、次検索画面の要求が有ったか否か、即ち、実体情報画面上の次検索画面への進め釦52が押下されたか否かを検証し、未だ、実体情報画面上の次検索画面への進め釦52が押下されていない時はステップS10に移り、実体情報画面上の次検索画面への進め釦52が押下された時はステップS9に進む(ステップS8)。ステップS9では、前記内部情報エントリの「端子番号シンボル種類」をパラメタとして、前述の検索画面表示ルーチンに制御を渡す。これにより、当該シンボルが情報端子(1〜n)である場合は、前記シンボルに対応する実体情報より1レベル下のランクの詳細な実体情報を検索することができる次検索対象情報の表示画面が表示装置622に表示される。また、当該シンボルが他画面結合子(1〜m)である場合は、他画面処理サブルーチン(図示は省略)を使用して、内部情報エントリの「前検索画面格納領域」に格納されている当該他画面結合子の直前に繋がれたシンボルを画面の中心とした検索画面情報の表示画面を表示させ、
このサブルーチンからの復帰後、ステップS2に戻る。次に、関連情報の表示要求が有ったか否か、即ち、実体情報の表示画面5(図8参照)の実体情報に埋め込まれた関連情報釦の押下がなされたか否かを検証し(ステップS10)、関連情報の表示要求が無い時はステップS12に移り、関連情報の表示要求が有る時はステップS11に進む。ステップS11では、前記内部情報の「関連情報エントリアドレス」のフィールドを参照し、かつ押下された関連情報釦の釦番号を参照して、この関連情報釦に対応した関連情報アドレス(URLであってもよい)を取得し、この関連情報アドレスをパラメタとして関連情報表示サブルーチン(図示は省略)に制御を渡し、関連情報を表示装置622に表示させると共に、この表示により、ユーザが次々と他の関連情報を要求する場合の当該関連情報の表示処理をさせる。
【0077】
次に、画面の終了(クローズ)がなされたか否か、即ち、実体情報の表示画面5(図8参照)に表示されている検索画面操作用釦部54で、実体情報の表示画面5を終了させる釦が押下されたか否かを検証し(ステップS12)、この釦が押下されていない時はステップS15に移り、この釦が押下されている時はステップS13に進む。ステップS13では、入力装置623から検索終了の指令が入力されたか否かを検証し、検索終了の指令が入力されていない場合はステップS8に戻り、検索終了の指令が入力された場合は直ちに検索処理を終了する。
【0078】
そして、前記内部情報の「実体情報エントリアドレス」のフィールドに格納されている実体情報エントリアドレスを使用して、表示装置622に実体情報の表示画面5(図8参照)を表示する(ステップS14)。より具体的には、この実体情報エントリアドレスをパラメタとして、実体情報の表示画面5(図8)を表示する機能を有する前述の実体情報表示サブルーチンに制御を渡し、復帰後にステップS15に移る。
【0079】
ステップS15では、前検索画面の要求が有ったか否か、即ち、実体情報画面上の前検索画面への戻し釦51が押下されたか否かを検証し、実体情報画面上の前検索画面への戻し釦52が押下されていない時はステップS8に移り、実体情報画面上の次検索画面への進め釦52が押下された時はステップS16に進む。
【0080】
ステップS16では、ステップS3で座標情報退避領域に退避していた前回の座標情報をパラメタとして、前述の検索画面表示ルーチンに制御を渡し、復帰後にステップS2に戻る。
【0081】
なお、前述の検索対象情報の表示画面(1〜4)及び実体情報の表示画面5に検索終了の釦を設ける構成も可能であり、その場合には、ステップS13では、検索終了か否かの判断に、この釦の押下があったか否かを検証することになる。
本実施形態では、検索に必要な処理の大部分をサーバ端末装置61側で実行する処理形態としたが、ユーザ端末装置62だけのスタンドアロン構成で全ての検索処理を実行する処理形態とすることも可能である。
【0082】
なお、本発明に係る動的情報検索システムの各構成要素の処理の少なくとも一部をコンピュータ制御により実行するものとし、かつ、上記処理を、図12のフローチャートで示した手順によりコンピュータに実行せしめるプログラムは、半導体メモリを始め、CD−ROMや磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配付してもよい。そして、少なくともマイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、汎用コンピュータを範疇に含むコンピュータが、上記の記録媒体から上記プログラムを読み出して、実行するものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、画像表示された情報を検索する情報検索システムに係り、特に、検索対象のデータベースに格納された情報や、ウェブ上の情報から、ユーザが必要とする情報を任意の深度レベルで迅速に見つけ出すことができる動的情報検索システムに関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の表示画面を示す。
【図2】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の他の表示画面を示す。
【図3】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の他の表示画面を示す。
【図4】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の他の表示画面を示す。
【図5】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムが参照する座標−アドレス変換対の構成を示す。
【図6】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムが参照する内部情報のエントリ構成を示す。
【図7】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムによって検索される情報の関連情報のアドレスを格納したエントリの構成を示す。
【図8】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムによって検索される情報の実体情報を表示する表示画面の構成を示す。
【図9】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの全体構成を示す。
【図10】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムのサーバ端末装置の1構成例を示す。
【図11】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムのユーザ端末装置の1構成例を示す。
【図12】本実施形態に係る動的情報検索システムの検索処理時における処理手順を示すフローチャートである。
【図13】従来の検索システムが検索情報として蓄積しているデータの構造を示す説明図であり、図13(a)は一般的な検索対象情報の集合を示し、図13(b)は検索対象情報のデータ構造を示す。
【図14】従来の検索システムが検索情報として蓄積しているデータの他の構造を示す説明図であり、図14(c)は同類のデータだけを集めたデータ領域の集合を示し、図14(d)はウェブページの構造を示す。
【符号の説明】
【0085】
1〜4:検索対象情報の表示画面
5:実体情報の表示画面
11、21、31、41:情報端子
12、22、32、42:他画面結合子
51:前検索画面への戻し釦
52:次検索画面への進め釦
53:ファイル操作用釦
54:検索画面操作用釦
55:ウェブページ操作釦
56:ウェブページのURL
611:制御部
612:実体情報DB(データベース)
613:検索画面DB
614:内部情報DB
621:CPU
622:表示装置(検索画面用)
A〜D:情報ブロック
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示された情報を検索する情報検索システムに係り、特に、検索対象のデータベースに格納された情報や、ウェブ上の情報から、ユーザが必要とする情報を任意の深度レベルで迅速に見つけ出すことができる動的情報検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータで利用可能な情報空間は益々拡大する傾向にあり、このため、ユーザが必要とする情報をデータベースから迅速かつ的確に取得することが困難になってきている。また、ウェブ上で開示されている情報についても、従来型の検索エンジンが限界が近づきつつあることから、ユーザが必要とする情報の検索処理に多くの手間を要し、しかも、必ずしも的確な情報に遭遇できないという場面が増加している。
【0003】
図13は、従来の情報検索システムが検索情報として蓄積しているデータの構造を示す説明図であり、図13(a)は一般的な検索対象情報の集合を示し、図13(b)は検索対象情報のデータ構造を示す。図13(a)に示す検索対象情報の集合91には、検索対象情報(1〜k)が含まれる。図13(a)に示す一般的な検索対象情報(1〜k)は、コンピュータで利用可能な情報空間全体に含まれる情報を示しているので、必ずしも従来の情報検索システムのユーザだけが必要な情報とは限らない。また、このような情報には、既に何らかのデータベース上に、何らかのデータ構造に従って格納されているものも存在するが、或いはディジタル化すらなされていないレア(生)な情報なども含まれている。
【0004】
これに対し、図13(b)に構造が示される情報のデータ921(1〜n)は、業務上、検索システムのユーザが必要とするか、若しくは処理すべき情報だけが集められ、ディジタル化されていないものについてはディジタルのデータ921(1〜n)に変換されて、何らかの構造(ここではトリー構造)に従ってデータベース上に格納されている。
【0005】
しかしながら、図13(b)に示すデータ921(1〜n)の構造は、必ずしも検索エンジン側の検索処理の都合によって形成されたデータ構造ではない。通常、このような構造(ここではトリー構造)は、情報自体が論理的に有している構造であるに過ぎない。それでも、従来の情報検索システムでは、検索効率を向上させるために、情報自体が論理的に有している何らかのデータ構造(ここではトリー構造)を検索のアルゴリズムに利用することが多い。
【0006】
しかし、従来の情報検索システムのユーザには、このような構造(ここではトリー構造であるが、一般にはデータ間の結合関係)が一覧できる手段は与えられておらず、キーワードを論理変数とする論理式によってキーワード検索する手段だけが与えられていた。
【0007】
図14は、従来の情報検索システムが検索情報として蓄積しているデータの他の構造を示す説明図であり、図14(c)は同類のデータだけを集めたデータ領域の集合を示し、図14(d)はウェブページの構造を示す。
【0008】
図14(c)に示すデータ領域は、データの属性によって決められているものであり、この属性には論理的なものと物理的なものとが存在する。しかし、何れにしても、従来の情報検索システムのユーザには、このようなデータ領域の存在が知らされておらず、よって、このようなデータ領域の存在を検索に活用できる手段は与えられておらず、キーワードを論理変数とする論理式によってキーワード検索する手段だけが与えられていた。
【0009】
図14(d)に示すウェブページは、各ページ内に他のウェブページへのリンクが貼られていることを示している。このようなリンク構造によって、従来の情報検索システムのユーザは、いわゆる「ネットサーフィン」が可能となるが、やはり、リンク構造全体を一覧して検索に活用できる手段は与えられておらず、行き当たりばったりの漂流を続けたり、迷い子になることが多かった。
【0010】
このような状態に鑑みて、例えば、リモートセンシング等で得られた画像情報を検索キーワードにより検索するに際し、まず、この画像情報を表示装置で表示し、この表示において、この画像情報の特定部位の位置情報を入力することにより、検索キーワードによる検索の速度を向上させる技術が提案されるようになった(例えば、特許文献1)。
【0011】
また、工事計画情報等の線形図形に変換できる検索対象図形を、予め生成された複数の標準図形との部分的な一致を示すもの同士を1グループとする方法で予め分類しておく情報検索システムが提案されている(例えば、特許文献2)。
【0012】
さらに、図書情報を検索するに際し、予めデータを入力して3次元空間上のコンピュータグラフィックオブジェクトを描画し、このオブジェクトの部位をポインティングさせて、このポインティングされた部位からリンクされる図書情報を検索する情報検索システムが提案されている(例えば、特許文献3)。
【特許文献1】特開平5−12342号公報
【特許文献2】特開平7−262220号公報
【特許文献3】特開2000−250942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、このような従来のサブタイトルにおいては、例えば、図13(b)に構造が示される情報の場合は、前述のとおり、図13(b)に示されているようなトリー構造(一般にはデータ間の関係)を一覧できる手段は、従来の情報検索システムのユーザには与えられておらず、従来の情報検索システムのユーザにはキーワードを論理変数とする論理式によってキーワード検索する手段だけが与えられているに過ぎなかったので、検索対象情報の全体や、その構造については検索システムのユーザはさっぱり分からず、よって、従来の情報検索システムのユーザにとっては、五里霧中での検索の続行を余儀なくされ、検索に多大の時間を要するばかりではなく、得られた検索結果の情報は、必ずしも的確な情報ではなく、また、検索システムのユーザにとって、常に満足できる情報でもないという検索処理の失敗場面が頻発しているという問題点があった。
【0014】
また、図13(c)に構造が示される情報の場合は、前述のとおり、従来の情報検索システムのユーザには、このようなデータ領域の存在が知らされておらず、よって、このようなデータ領域を検索に活用できる手段は与えられておらず、キーワードを論理変数とする論理式によってキーワード検索する手段だけが与えられていたので、上記と同様の問題点があった。
【0015】
なお、上記の問題点は、従来のウェブ用の情報検索システムである検索エンジンの構造的欠陥として、既に問題視されている。また、図13(d)に構造が示される情報の場合は、前述のとおり、リンク構造全体を一覧して検索に活用できる手段は与えられておらず、よって、必要なウェブページに効率的に辿り着くことができず、しばしば迷路に入り込む結果となっていた。
【0016】
なお、前述の特許文献1に開示された情報検索システムは、扱っている検索対象情報が、大きさが規格化され、かつ内容が予め分かっている画像であり、しかも、このような画像が事前に大量に蓄積されているという特殊な場合にだけ適用されるシステムであり、一般の情報の検索には利用できない。また、前述の特許文献2に開示された情報検索システムは、線形図形に変換できる検索対象の検索システム(線形図形検索システム)としては有望であるが、そもそも図形では表せない一般の情報の検索には適していない。
【0017】
さらに、前述の特許文献3に開示された情報検索システムは、図形表示した検索対象の部位をポインティングする必要があるので、やはり図形で表現できない一般の情報の検索には適していないし、図形化できたとしても、ポインティング可能な部位(情報端子)が明示されていない。
【0018】
このため、本発明は、検索対象情報のデータ構造を一覧表示することで、検索対象情報全体の見通しを良くし、検索過程において、ユーザが指定した情報を表示すると共に、ユーザが必要とする当該情報の詳細情報は幾らでも掘り下げて閲覧できるようにすることで、検索効率を向上させることができる動的情報検索システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記した従来の情報検索システムの課題に鑑みてなされたものであり、コンピュータシステムでアクセス可能な情報を表示装置に表示し、前記表示された情報の内から、ユーザが必要とする情報だけを取得する動的情報検索システムであって、前記情報の各々に対応する情報端子の表示を含む検索情報の表示画面を前記表示装置に表示する手段と、前記表示された情報端子がポインティングされた時に、前記ポインティングされた情報端子に対応する情報の実体情報と画面操作釦類とを含む実体情報表示画面を前記表示装置に表示する手段と、前記画面操作釦類に含まれる操作釦の内、前検索画面への戻し釦が押下された時に、前記表示装置が表示する表示画面を1つ前の表示画面に戻す手段と、前記画面操作釦類に含まれる操作釦の内、次検索画面への進め釦が押下された時に、前記ポインティングされた情報端子に対応する情報よりも1レベル下のランクの詳細情報を検索するための検索情報の表示画面を前記表示装置に表示する手段と、を備えたことを特徴とする動的情報検索システムを提供するものである。
【0020】
このように構成したことにより、検索画面では検索対象情報のデータ構造を一覧させているので、検索対象情報全体の見通しが良くなり、また、検索過程においては、ユーザが指定した情報の表示はもとより、ユーザが必要とする当該情報の詳細情報は幾らでもランクを掘り下げて閲覧できるようになり、さらに、検索対象情報の構造も明示しているので、検索効率を向上させた動的情報検索システムを実現することができる。
【0021】
また、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面には、前記情報の各々に対応する情報端子の前記表示に加えて、前記情報間の関係を示す情報が表示されていることを特徴とする。また、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面には、前記情報の各々に対応する情報端子の前記表示に加えて、前記情報間の結合関係を示す実線が表示されていることを特徴とする。
【0022】
さらに、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面には、前記情報端子の前記表示に加えて、前記情報の情報源となる物理的存在の画像が表示され、かつ前記情報端子は、前記画像上の対応する部位に配置されていることを特徴とする。また、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面に表示される前記物理的存在の画像は、n次元ユークリッド空間内(n≧1)に示される画像であることを特徴とする。
【0023】
また、前記動的情報検索システムにおいいて、前記検索情報の表示画面に表示される前記物理的存在の画像は、ポリゴン(多角形)を敷き詰めて作成されたものであり、かつ前記ポリゴンを前記情報端子としたことを特徴とする。
【0024】
さらに、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面には、前記情報端子の前記表示に加えて、前記情報の参照回数を示す同心円が表示され、かつ前記情報端子は、対応する情報の参照回数の多さの順で、前記同心円の中心円から、順次、外側の同心円内に向かって配置されていることを特徴とする。また、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面には、前記情報端子の前記表示に加えて、前記情報間の包含関係を示す同心円が表示され、かつ前記情報端子は、対応する情報間の包含関係に従って前記同心円内に配置されていることを特徴とする。
【0025】
また、前記動的情報検索システムにおいて、前記検索情報の表示画面に表示される前記情報端子は、グループ分けされていることを特徴とする。
【0026】
また、前記動的情報検索システムにおいて、前記グループ分けは、前記情報端子に対応する情報間の論理的な関係、若しくは物理的な関係によってなされていることを特徴とする。さらに、前記動的情報検索システムにおいて、前記コンピュータシステムでアクセス可能な前記情報には、インターネット網上のウェブ情報も含まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、検索画面では検索対象情報のデータ構造を一覧できるようにして、検索対象情報全体の見通しを良くし、また、検索過程においては、ユーザが指定した情報の表示はもとより、ユーザが必要とする当該情報の詳細情報は幾らでもランクを掘り下げて閲覧できるように構成し、さらに、検索対象情報の構造も明示するようにしたので、検索効率を向上させた動的情報検索システムを提供することができる。また、インターネット網上に開示されたウェブ情報(ホームページ等)の検索が、とても簡単になる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の表示画面を示す説明図である。同図において、図13(従来例)と重複する部分には同一の符号を附して説明を省略する。
【0029】
本発明の実施形態に係る動的情報検索システムは、図13(a)に示す一般的な検索対象情報の集合91(一般的な情報空間)から、業務分野に応じて当該業務に関係するn個の検索対象情報だけを選択し、この選択したn個の情報の各々に情報端子(1〜n)を付与する。これらの情報端子は、図13(b)に示す検索対象情報の表示画面1において情報端子11(1〜n)として配置される。
【0030】
情報端子11(1〜n)の任意の2つの間には、如何なる包含関係も存在しない。また、何らかの関係を有していてもよいし、何の関係も有していなくてもよい。但し、図1(b)に示す情報端子11(1〜n)については、何らかの結合関係を有しているもの同士を実線で結んで表示しているが、一般には、このような結合関係が存在するとは限らないので、また、存在していても表示すべきとは限らないので、このような実線の表示は省略可能である。
【0031】
情報端子11(1〜n)の検索対象情報の表示画面1における配置方法は任意であり、検索システム側の都合だけで配置してもよいし、この配置が、前記選択されたn個の情報を含む情報空間(情報源)の何らかの構造を反映していてもよい。また、この構造は、物理的なもの(例えば、星座、地図、機械、建築物等)の構造であってもよいし、論理的なもの(例えば、職制、プログラム、人と人との繋がり等)の構造であってもよい。
【0032】
前記構造が、物理的なものの構造である場合は、情報端子11(1〜n)の表示に加えて、当該物理的存在のn次元ユークリッド空間内(n≧1)の画像(動画、静止画を問わない画像であり、例えば、星座、地図、機械、建築物等の画像)を、画像の表現を工夫して、さらに表示し、かつ情報端子11(1〜n)を、表示された画像上の対応する部位に配置することが可能である。これによって、情報端子11(1〜n)は、前記物理的存在のどの部位に相当するのかが明示されることになる。
【0033】
前記構造が、物理的存在の構造である場合は、さらに、この物理的存在をn個のポリゴン(多角形)を敷き詰めて画像表現することが可能であり(但し、多少の隙間が有ってもよい)、また、このn個のポリゴンを情報端子11(1〜n)に対応させて、情報端子11(1〜n)の機能を持たせることも可能である。さらに、このn個のポリゴン(多角形)の敷き詰めにより表現される画像を、3次元立体画像(動画、静止画を問わない)とすることが可能である。さらには、画像の表現を工夫して、一般には、n次元ユークリッド空間内(n≧1)の画像(動画、静止画を問わない)とすることが可能である。
【0034】
このような構造を有する情報の表示画面(図13(a)参照)は、検索画面の表示処理(ルーチン)によって表示されるが、このような表示が可能となるように、情報端子11(1〜n)は、事前に編集されて、データベース等に記憶されるものとする。
【0035】
情報端子11(1〜n)の何れか1つがポインティングされる(例えば、マウスでクリックされる)と、当該情報端子の実体情報が、実体情報の表示画面(図8参照)に表示される。この実体情報の表示画面には、元の画面に戻すための釦と、次検索画面に進める釦とが設けられている。
【0036】
この次検索画面とは、前記実体情報のさらに詳細レベルの実体情報を表示させるための情報端子群が配置された検索画面である。例えば、当該情報端子が、我々の銀河系の情報を示すものであった場合は、前記の次検索画面に進める釦を押下することによって、太陽系を含む恒星系の情報を示すための情報端子群を含む検索画面を表示させることができる。
【0037】
他画面結合子12(1〜m)は、実線で結ばれている直前の情報端子を画面の中心とする同レベルの情報端子群が配置された検索画面を表示させるための釦である。この新たな検索画面では、前の検索画面で既に表示済の情報端子については、色違いにしたり、表示の輝度を落としたりすることが可能である。
【0038】
なお、以下の説明では、前記情報端子と前記他画面結合子とを総称して「シンボル」と呼称する。
【0039】
図2は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の他の表示画面を示す説明図である。同図(c)に示す検索対象情報の表示画面2で表示された情報端子21(1〜n)及び他画面結合子22(1〜m)の機能は、図1(b)に示す検索対象情報の表示画面1で表示された情報端子11(1〜n)及び他画面結合子12(1〜m)の機能と同じであるが、情報端子21(1〜n)の配置方法が情報端子11(1〜n)の配置方法とは異なる。
【0040】
情報端子21(1〜n)は、その参照頻度に応じて鎖線で示す同心円内に配置される。前回までの検索において、参照頻度の最も多い情報端子(従って情報)については前記同心円の中心に配置される。以下、情報端子は、参照頻度の大きさの順で、その外側の同心円に配置される。この配置方法は、検索システム側のアルゴリズムだけで決定されているので、一般の情報空間から選択されたn個の情報を含む情報空間の構造は、何ら反映していない。しかし、情報の参照頻度の大きさは、検索において重要な手掛かりとなることがある。
【0041】
図3は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の他の表示画面を示す説明図である。同図(d)に示す検索対象情報の表示画面3で表示された情報端子31(1〜n)及び他画面結合子32(1〜m)の機能は、図1(b)に示す検索対象情報の表示画面1で表示された情報端子11(1〜n)及び他画面結合子12(1〜m)の機能と同じであるが、情報端子31(1〜n)の配置方法が情報端子11(1〜n)の配置方法とは異なる。
【0042】
情報端子31(1〜n)は、一般の情報空間から選択されたn個の情報を含む情報空間の階層構造(包含関係)に応じて実線で示す同心円内に配置される。階層レベルの最も高い情報端子(従って情報)については前記同心円の中心に配置される。以下、情報端子は、階層レベルの高さの順で、その外側の同心円に配置される。この配置方法は、一般の情報空間から選択されたn個の情報を含む情報空間の構造のうち、階層構造(包含関係)だけを反映するものである。しかし、情報空間の階層構造(包含関係)は、検索において重要な手掛かりとなることがある。
【0043】
図4は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の他の表示画面を示す説明図である。同図(e)に示す検索対象情報の表示画面4で表示された情報端子41(1〜n)及び他画面結合子42(1〜m)の機能は、図1(b)に示す検索対象情報の表示画面1で表示された情報端子11(1〜n)及び他画面結合子12(1〜m)の機能と同じであるが、情報端子41(1〜n)の配置方法が情報端子11(1〜n)の配置方法とは異なる。
【0044】
情報端子31(1〜n)は、一般の情報空間から選択されたn個の情報を含む情報空間のブロック構造(グループ分け)に応じて実線の円で示される複数のブロック(ここでは、ブロック(A〜G))の何れか1つを示す円内に配置される。この配置方法は、一般の情報空間から選択されたn個の情報を含む情報空間の構造のうち、ブロック構造(グループ分け)だけを反映するものである。しかし、情報空間のブロック構造(グループ分け)は、検索において重要な手掛かりとなることがある。
【0045】
図5は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムが参照する座標−アドレス変換対の構成を示す説明図である。同図に示すように、前述の各検索画面に表示されるシンボル(情報端子または多面結合子)(1〜n)の前記検索画面内の座標(位置情報)は、このシンボルに対応して検索システムが参照すべき情報(ここでは「内部情報」と呼称している)の格納アドレス(1〜n)と1対1対応に対応付けられて記憶されている。ここでは、このようにして記憶されたものを座標−アドレス変換対と呼称している。
【0046】
前記検索画面内の何れかのシンボルが、ポインティング(例えばマウス等によりクリックされることであるが、以下では「押下」と呼称する)されると、まず、当該シンボルの座標情報が入力され、次に、この「座標−アドレス変換対」が参照されて、このシンボルに対応する内部情報にアクセスされる。
【0047】
図6は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムが参照する内部情報のエントリ構成を示す説明図である。同図に示すように、内部情報を格納する各エントリの最初のフィールドには、当該シンボルの「端子番号シンボル種類」が割当てられる。この「端子番号シンボル種類」には、当該シンボルの番号と種類が格納される。通常、この端子番号の頭一文字には、シンボルの種類を示す記号(アルファベット等)が置かれる。
【0048】
その次のフィールドには、「自己座標」が割当てられる。この「自己座標」として当該シンボルの座標情報が格納される。この座標情報は、参照回数によって情報端子の配置を更新する処理を行う時などに参照される。また、その次のフィールドには、「関連情報エントリアドレス」が割当てられる。この関連情報エントリアドレス」として、当該シンボルで示される情報に関連する1つ以上の情報の内部情報のエントリアドレスが格納される。関連情報が無い時は空白が格納される。この関連情報の空白でないエントリアドレス(ウェブページのアドレス、即ちURLであってもよい)は、全て、後述する実体情報(図8参照)に含まれるアイコンに対応しているものであり、前記アイコンが押下された時に、対応するエントリアドレスに格納されている関連情報が表示される。
【0049】
その次のフィールドには、「実体情報エントリアドレス」が割当てられる。この「実体情報エントリアドレス」として、実体情報(図8参照)を格納したエントリのアドレスが格納される。また、その次のフィールドには、「参照回数」が割当てられる。この「参照回数」として、当該シンボルで示される情報の参照回数が格納される。この参照回数は、実体情報が表示される時に更新(+1の加算)がなされる。なお、当該シンボルが他画面結合子(1〜m)である場合は、「関連情報エントリアドレス」、及び「実体情報エントリアドレス」には空白が格納され、「前検索画面格納領域アドレス」には当該他画面結合子の直前に繋がれたシンボルの端子番号シンボル種類が格納される。
【0050】
図7は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムによって検索される情報の関連情報のアドレスを格納したエントリの構成を示す説明図である。同図に示す関連情報エントリは、押下されたシンボルに対応する情報に、関連情報が存在する場合、即ち、関連情報にリンクするための釦が設けられており、かつ前記押下されたシンボルに対応する情報の実体情報の表示領域内に当該釦が表示されている場合にのみ対応するエントリが作成され、このような関連情報が存在しない場合には作成されない。このような関連情報にリンクするための釦には、釦番号が付されており、この番号は関連情報にアクセスするためのアドレスを格納した「関連情報エントリアドレス」フィールドの番号に対応している。よって、関連情報にリンクするための何れかの釦が押下された時、この釦の釦番号に対応する「関連情報エントリアドレス」フィールドが格納しているアドレスの関連情報にアクセスすることができる。
【0051】
図8は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムによって検索される情報の実体情報を表示する表示画面の構成を示す説明図である。同図に示すように、実体情報の表示画面5には、実体情報を表示するための実体情報表示部50の他に、表示画面を1つ前の検索対象表示画面に戻すための前検索画面への戻し釦51と、1レベル下のランクの詳細情報を検索するための次検索対象情報の表示画面に進めるための次検索画面への進め釦52と、表示された実体情報のファイル化とファイル操作を行うためのファイル操作用釦部53と、実体情報表示部50及び実体情報の表示方法等を操作するための検索画面操作釦部54とが備えられており、さらに、実体情報がウェブページであった時に、当該ウェブページを操作するためのウェブページ操作釦部55と、当該ウェブページのアドレス(URL)を表示するためのウェブページのURL(56)とが備えられている。
【0052】
検索画面操作釦部54には、実体情報が動画である場合に備えて、動画の再生を操作する動画再生用釦群を備えることができる。
【0053】
表示される実体情報の種類は、数値を含む文字情報、静止画情報、アニメを含む動画情報、ウェブページ若しくはウェブ上の情報、等であってよい。また、この実体情報には関連情報を表示させるたかめの関連情報表示釦を埋め込むことができる。実体情報が動画である場合は、前記の動画再生用釦群の操作によって動画を静止させた時に、この静止画中に前記関連情報表示釦が埋め込まれている状態にすることができる。
【0054】
図9は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの全体構成を示す構成図である。同図に示す動的情報検索システム6は、インターネット網10で接続されたサーバ端末装置61及びユーザ端末装置62を備える。ここで、サーバ端末装置61は、主要な構成要素として、制御部611と、実体情報DB612と、検索画面DB613を備える(詳細構成は図10参照)。また、ユーザ端末装置62は、主要な構成要素として、CPU621と、表示装置622とを備える(詳細構成は図11参照)。
【0055】
サーバ端末装置61は、事前の登録業務として、前述の検索対象情報の表示画面1〜4及び実体情報の表示画面5を表示できるように、検索対象情報の集合91を編集する。また、これらの表示を行う処理ルーチンを保存する。また、サーバ端末装置61は、ユーザ端末装置62の表示装置622上に表示される前述の検索対象情報の表示画面1〜4を介して半自動でなされる前述の検索処理(途中でユーザによるポインティング操作が入る検索処理)のシステム側に必要な検索処理をユーザ端末装置62と協同して実行する。
【0056】
ユーザ端末装置62は、ユーザの操作により、表示装置622上に前述の検索対象情報の表示画面1〜4を表示し、その後も、ユーザの操作を介在させながら、サーバ端末装置61と協同してシステム側に必要な検索処理を実行する。
【0057】
本システムは、ユーザ端末装置62にハードディスク装置を備えないシンクライアントシステムとして構成してもよい。また、サーバ端末装置61とユーザ端末装置62との間の通信処理は、サーバ端末装置61が提供するホームページを介して行うことができる。
【0058】
図10は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムのサーバ端末装置の1構成例を示す構成図である。同図に例示するサーバ端末装置61は、全体を制御する制御部611と、実体情報及び実体情報の表示画面5を表示するために必要な情報を記憶する実体情報DB612と、検索対象情報の表示画面1〜4を表示するために必要な情報を記憶する検索画面DB613と、座標−アドレス変換対、内部情報エントリ、及び関連情報エントリを表示するために必要な情報を記憶する内部情報DB614と、を備え、さらに、ユーザ等を認証するための認証用DB615と、顧客の嗜好等の属性情報を記録する顧客情報DB616と、課金処理等の業務に必要なデータを記憶する業務用DB617と、検索処理等の実行に必要なデータや操作状況等を表示するための表示装置618と、指令やデータを入力するための入力装置619と、を備える。
【0059】
制御部611は、他の構成要素の処理を分担すると共に他の構成要素を制御するCPU6111と、検索処理に必要なプログラムやデータを記憶するRAM6112と、回線接続を制御する回線制御部6113と、インターネット網10等とのプロトコルを備えてユーザ端末装置62(図9)等との通信を行う通信制御部6114と、データベース612〜617を制御するDB管理部6115と、ウェブページの管理とアクセス制御とを行うウェブサーバ6116とを備える。
【0060】
CPU6111は、本装置全体を制御すると共に、他の主要な構成要素の処理を分担し、また、検索処理の進行を制御する。RAM6112は、検索処理に必要なプログラムやデータを記憶すると共に、検索処理等の実行に必要な一時的データ(テンポラリデータ)を記憶する。
【0061】
回線制御部6113は、インターネット網10等に接続するためのものであり、ディジタル終端接続装置(DSU)や侵入防止用のファイアウォールアプリケーションを実装したルータなどを備えて構成することができる。
【0062】
通信制御部6114は、ウェブサーバ6116などの各サーバを制御すると共に、複数のユーザ端末装置62等との回線接続を選択的に行う制御を実行する。なお、この通信制御部6114は、例えば、インターネット上での時刻同期用NTP(Network Time Protocol)サーバ、分散ファイルシステム用のNFS(Network File System)サーバなどを備えることができる。通信制御部6114は、さらに、個人情報などの秘密保持のための暗号化データ転送用の暗号化通信プロトコルを保持し、SSL(Secure
Sockets Layer)サーバの制御を実行することができる。
【0063】
DB管理部6115は、入出力バス620を介して、実体情報DB612、検索画面DB613、内部情報DB614、認証用DB615、顧客情報DB616、業務用DB617、を管理する。この管理には、オペレーティングシステムによるファイルの排他制御(占有制御)や、バッファリング技法が含まれる。
【0064】
ウェブサーバ6116は、インターネット網10上で基幹的な通信処理(ブラウジング)を実行するための主コンピュータとして動作する。このウェブサーバ6116は、インターネット網10上に開設されるホームページを運営するものであり、このホームページ上には前述の検索対象情報の表示画面1〜4や実体情報の表示画面5等を掲載することができる。
【0065】
認証用DB615は、顧客の認証に必要な認証用データを記憶している。このデータベースに記憶されているファイルは、認証処理の際に、認証を行うタスクから参照される。顧客情報DB616は、ユーザの嗜好等の属性情報を記憶している。業務用DB617は、課金処理等の一般業務に必要なデータを記憶している。入力装置619は、例えば、マウスやキーボードで構成することができる。
【0066】
図11は、本発明の実施形態に係る動的情報検索システムのユーザ端末装置の1構成例を示す構成図である。同図に例示するユーザ端末装置62は、本装置全体の制御を行うCPU621と、検索対象情報の表示画面1〜4や実体情報の表示画面5等を表示するための表示装置622と、手入力データや操作情報入力するため、及び検索対象情報の表示画面1〜4内や実体情報の表示画面5に表示される各種釦を押下するための入力装置623と、検索結果等を印刷するための印刷装置624と、インターネット網10等に対応した通信プロトコルを備えてサーバ端末装置61(図9)と通信する通信処理部625と、後述する検索結果保存用DB627を管理するデータベース管理部626と、検索結果を保存するための検索結果保存用DB627と、を備える。
【0067】
この他に、データやプログラムを格納するためのROM(図示は省略)が備えられている。さらに、シンクライアントシステムとする場合の大容量半導体メモリや、他のデータベース用のハードディスク装置を備えることができる。
【0068】
CPU621は、本装置全体の構成要素を制御する。
【0069】
表示装置622の画面には、検索処理の開始と共に、検索対象情報の表示画面1〜4(図1(b)〜図4(e))や、実体情報の表示画面5(図8)等が順次に表示される。入力装置623は、手入力データや検索の開始等に必要な操作情報入力するために使用されると共に、検索対象情報の表示画面1〜4内や実体情報の表示画面5に表示される各種釦を押下(ポインティング)するために使用される。
【0070】
印刷装置624は、検索結果等を印刷するために使用される。通信処理部625は、インターネット網10等に対応した通信プロトコルを備えており、サーバ端末装置61(図9)との間の通信処理を担う。この通信処理には、必要に応じてサーバ端末装置61が提供するホームページのブラウザ開設処理と、その運営処理を含ませることができる。データベース管理部626は、検索結果を保存する検索結果保存用DB627を管理する。検索結果保存用DB627は、検索結果を保存するために使用される。
【0071】
図12は、本実施形態に係る動的情報検索システムの検索処理時における処理手順を示すフローチャートである。以下に示す検索処理の手順は、検索対象情報の表示画面1〜4に共通であり、また、実際にはユーザ端末装置62とサーバ端末装置91とが協同して行う処理手順であるが、ここでは、あたかもユーザ端末装置62のCPU621が行っている処理として説明する。
【0072】
まず、検索対象情報の表示画面1〜4の何れか1つを選択して、表示装置622に検索開始画面として表示する。より具体的には、空白(開始画面を示す)をパラメタとして、検索画面表示ルーチンに制御を渡す。これにより、表示装置622に、検索の初期画面(検索対象情報のランクが最も高い画面)が表示される。(ステップS1)。前述の検索対象情報の表示画面1〜4の何れか1つを選択する選択処理は、検索システムのユーザからの指定によるものであってもよいし、検索システム側で最適のものを選択してもよい。
【0073】
次に、前記検索対象情報の表示画面上に表示された何れかのシンボルをユーザが押下するまで待機し、ユーザによる押下が確認されると、ステップS3に進む(ステップS2)。次に、前回の座標情報を座標情報退避領域(図示は省略)に退避するとともに、前記検索対象情報の表示画面上で前記押下されたシンボルの座標情報を取得する(ステップS3)。前回の座標情報が存在しない場合(開始画面の場合)は座標情報退避領域に空白を格納する。
【0074】
次に、この取得された座標情報を、アドレス変換対(図5)を参照して、対応する内部情報アドレスに変換する(ステップS4)。次に、この内部情報アドレスを使用して、対応する内部情報エントリ(図6参照)に格納されている各種の内部情報を取得する(ステップS5)。そして、この得られた内部情報の「端子番号シンボル種類」のフィールドを参照して、前記検索対象情報の表示画面上で前記押下されたシンボルが他画面結合子か否かを検証し、前記押下されたシンボルが他画面結合子である場合はステップS9に移り、前記押下されたシンボルが他画面結合子でない(従って情報端子である)場合はステップS7に進む(ステップS6)。
【0075】
次に、前記内部情報の「実体情報エントリアドレス」のフィールドに格納されている実体情報エントリアドレスを使用して、表示装置622に実体情報の表示画面5(図8参照)を表示する(ステップS7)。より具体的には、この実体情報エントリアドレスをパラメタとして、実体情報の表示画面5(図8)を表示する機能を有する実体情報表示サブルーチン(図示は省略するが、釦類等の設定機能も有している)に制御を渡す。また、この表示が完了すると、前記内部情報の「参照回数」のフィールドに格納されている参照回数を更新(参照回数に+1を加算)する。なお、この「実体情報エントリアドレス」における実体情報エントリというのは、実体情報の表示画面5のことではなく、実体情報だけを格納した領域(図示せず)のことである。
【0076】
次に、次検索画面の要求が有ったか否か、即ち、実体情報画面上の次検索画面への進め釦52が押下されたか否かを検証し、未だ、実体情報画面上の次検索画面への進め釦52が押下されていない時はステップS10に移り、実体情報画面上の次検索画面への進め釦52が押下された時はステップS9に進む(ステップS8)。ステップS9では、前記内部情報エントリの「端子番号シンボル種類」をパラメタとして、前述の検索画面表示ルーチンに制御を渡す。これにより、当該シンボルが情報端子(1〜n)である場合は、前記シンボルに対応する実体情報より1レベル下のランクの詳細な実体情報を検索することができる次検索対象情報の表示画面が表示装置622に表示される。また、当該シンボルが他画面結合子(1〜m)である場合は、他画面処理サブルーチン(図示は省略)を使用して、内部情報エントリの「前検索画面格納領域」に格納されている当該他画面結合子の直前に繋がれたシンボルを画面の中心とした検索画面情報の表示画面を表示させ、
このサブルーチンからの復帰後、ステップS2に戻る。次に、関連情報の表示要求が有ったか否か、即ち、実体情報の表示画面5(図8参照)の実体情報に埋め込まれた関連情報釦の押下がなされたか否かを検証し(ステップS10)、関連情報の表示要求が無い時はステップS12に移り、関連情報の表示要求が有る時はステップS11に進む。ステップS11では、前記内部情報の「関連情報エントリアドレス」のフィールドを参照し、かつ押下された関連情報釦の釦番号を参照して、この関連情報釦に対応した関連情報アドレス(URLであってもよい)を取得し、この関連情報アドレスをパラメタとして関連情報表示サブルーチン(図示は省略)に制御を渡し、関連情報を表示装置622に表示させると共に、この表示により、ユーザが次々と他の関連情報を要求する場合の当該関連情報の表示処理をさせる。
【0077】
次に、画面の終了(クローズ)がなされたか否か、即ち、実体情報の表示画面5(図8参照)に表示されている検索画面操作用釦部54で、実体情報の表示画面5を終了させる釦が押下されたか否かを検証し(ステップS12)、この釦が押下されていない時はステップS15に移り、この釦が押下されている時はステップS13に進む。ステップS13では、入力装置623から検索終了の指令が入力されたか否かを検証し、検索終了の指令が入力されていない場合はステップS8に戻り、検索終了の指令が入力された場合は直ちに検索処理を終了する。
【0078】
そして、前記内部情報の「実体情報エントリアドレス」のフィールドに格納されている実体情報エントリアドレスを使用して、表示装置622に実体情報の表示画面5(図8参照)を表示する(ステップS14)。より具体的には、この実体情報エントリアドレスをパラメタとして、実体情報の表示画面5(図8)を表示する機能を有する前述の実体情報表示サブルーチンに制御を渡し、復帰後にステップS15に移る。
【0079】
ステップS15では、前検索画面の要求が有ったか否か、即ち、実体情報画面上の前検索画面への戻し釦51が押下されたか否かを検証し、実体情報画面上の前検索画面への戻し釦52が押下されていない時はステップS8に移り、実体情報画面上の次検索画面への進め釦52が押下された時はステップS16に進む。
【0080】
ステップS16では、ステップS3で座標情報退避領域に退避していた前回の座標情報をパラメタとして、前述の検索画面表示ルーチンに制御を渡し、復帰後にステップS2に戻る。
【0081】
なお、前述の検索対象情報の表示画面(1〜4)及び実体情報の表示画面5に検索終了の釦を設ける構成も可能であり、その場合には、ステップS13では、検索終了か否かの判断に、この釦の押下があったか否かを検証することになる。
本実施形態では、検索に必要な処理の大部分をサーバ端末装置61側で実行する処理形態としたが、ユーザ端末装置62だけのスタンドアロン構成で全ての検索処理を実行する処理形態とすることも可能である。
【0082】
なお、本発明に係る動的情報検索システムの各構成要素の処理の少なくとも一部をコンピュータ制御により実行するものとし、かつ、上記処理を、図12のフローチャートで示した手順によりコンピュータに実行せしめるプログラムは、半導体メモリを始め、CD−ROMや磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配付してもよい。そして、少なくともマイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、汎用コンピュータを範疇に含むコンピュータが、上記の記録媒体から上記プログラムを読み出して、実行するものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、画像表示された情報を検索する情報検索システムに係り、特に、検索対象のデータベースに格納された情報や、ウェブ上の情報から、ユーザが必要とする情報を任意の深度レベルで迅速に見つけ出すことができる動的情報検索システムに関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の表示画面を示す。
【図2】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の他の表示画面を示す。
【図3】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の他の表示画面を示す。
【図4】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの検索対象となる情報の他の表示画面を示す。
【図5】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムが参照する座標−アドレス変換対の構成を示す。
【図6】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムが参照する内部情報のエントリ構成を示す。
【図7】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムによって検索される情報の関連情報のアドレスを格納したエントリの構成を示す。
【図8】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムによって検索される情報の実体情報を表示する表示画面の構成を示す。
【図9】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムの全体構成を示す。
【図10】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムのサーバ端末装置の1構成例を示す。
【図11】本発明の実施形態に係る動的情報検索システムのユーザ端末装置の1構成例を示す。
【図12】本実施形態に係る動的情報検索システムの検索処理時における処理手順を示すフローチャートである。
【図13】従来の検索システムが検索情報として蓄積しているデータの構造を示す説明図であり、図13(a)は一般的な検索対象情報の集合を示し、図13(b)は検索対象情報のデータ構造を示す。
【図14】従来の検索システムが検索情報として蓄積しているデータの他の構造を示す説明図であり、図14(c)は同類のデータだけを集めたデータ領域の集合を示し、図14(d)はウェブページの構造を示す。
【符号の説明】
【0085】
1〜4:検索対象情報の表示画面
5:実体情報の表示画面
11、21、31、41:情報端子
12、22、32、42:他画面結合子
51:前検索画面への戻し釦
52:次検索画面への進め釦
53:ファイル操作用釦
54:検索画面操作用釦
55:ウェブページ操作釦
56:ウェブページのURL
611:制御部
612:実体情報DB(データベース)
613:検索画面DB
614:内部情報DB
621:CPU
622:表示装置(検索画面用)
A〜D:情報ブロック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムでアクセス可能な情報を表示装置に表示し、前記表示された情報の内から、ユーザが必要とする情報だけを取得する動的情報検索システムであって、
前記情報の各々に対応する情報端子の表示を含む検索情報の表示画面を前記表示装置に表示する手段と、
前記表示された情報端子がポインティングされた時に、前記ポインティングされた情報端子に対応する情報の実体情報と画面操作釦類とを含む実体情報表示画面を前記表示装置に表示する手段と、
前記画面操作釦類に含まれる操作釦の内、前検索画面への戻し釦が押下された時に、前記表示装置が表示する表示画面を1つ前の表示画面に戻す手段と、
前記画面操作釦類に含まれる操作釦の内、次検索画面への進め釦が押下された時に、前記ポインティングされた情報端子に対応する情報よりも1レベル下のランクの詳細情報を検索するための検索情報の表示画面を前記表示装置に表示する手段と、
を備えたことを特徴とする動的情報検索システム。
【請求項2】
前記検索情報の表示画面には、前記情報の各々に対応する情報端子の前記表示に加えて、前記情報間の関係を示す情報が表示されていることを特徴とする請求項1に記載の動的情報検索システム。
【請求項3】
前記検索情報の表示画面には、前記情報の各々に対応する情報端子の前記表示に加えて、前記情報間の結合関係を示す実線が表示されていることを特徴とする請求項2に記載の動的情報検索システム。
【請求項4】
前記検索情報の表示画面には、前記情報端子の前記表示に加えて、前記情報の情報源となる物理的存在の画像が表示され、かつ前記情報端子は、前記画像上の対応する部位に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の動的情報検索システム。
【請求項5】
前記検索情報の表示画面に表示される前記物理的存在の画像は、n次元ユークリッド空間内(n≧1)に示される画像であることを特徴とする請求項4に記載の動的情報検索システム。
【請求項6】
前記検索情報の表示画面に表示される前記物理的存在の画像は、ポリゴン(多角形)を敷き詰めて作成されたものであり、かつ前記ポリゴンを前記情報端子としたことを特徴とする請求項4又は5に記載の動的情報検索システム。
【請求項7】
前記検索情報の表示画面には、前記情報端子の前記表示に加えて、前記情報の参照回数を示す同心円が表示され、かつ前記情報端子は、対応する情報の参照回数の多さの順で、前記同心円の中心円から、順次、外側の同心円内に向かって配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかの項に記載の動的情報検索システム。
【請求項8】
前記検索情報の表示画面には、前記情報端子の前記表示に加えて、前記情報間の包含関係を示す同心円が表示され、かつ前記情報端子は、対応する情報間の包含関係に従って前記同心円内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかの項に記載の動的情報検索システム。
【請求項9】
前記検索情報の表示画面に表示される前記情報端子は、グループ分けされていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかの項に記載の動的情報検索システム。
【請求項10】
前記グループ分けは、前記情報端子に対応する情報間の論理的な関係、若しくは物理的な関係によってなされていることを特徴とする請求項9に記載の動的情報検索システム。
【請求項11】
前記コンピュータシステムでアクセス可能な前記情報には、インターネット網上のウェブ情報も含まれることを特徴とする請求項1乃至10の何れかの項に記載の動的情報検索システム。
【請求項1】
コンピュータシステムでアクセス可能な情報を表示装置に表示し、前記表示された情報の内から、ユーザが必要とする情報だけを取得する動的情報検索システムであって、
前記情報の各々に対応する情報端子の表示を含む検索情報の表示画面を前記表示装置に表示する手段と、
前記表示された情報端子がポインティングされた時に、前記ポインティングされた情報端子に対応する情報の実体情報と画面操作釦類とを含む実体情報表示画面を前記表示装置に表示する手段と、
前記画面操作釦類に含まれる操作釦の内、前検索画面への戻し釦が押下された時に、前記表示装置が表示する表示画面を1つ前の表示画面に戻す手段と、
前記画面操作釦類に含まれる操作釦の内、次検索画面への進め釦が押下された時に、前記ポインティングされた情報端子に対応する情報よりも1レベル下のランクの詳細情報を検索するための検索情報の表示画面を前記表示装置に表示する手段と、
を備えたことを特徴とする動的情報検索システム。
【請求項2】
前記検索情報の表示画面には、前記情報の各々に対応する情報端子の前記表示に加えて、前記情報間の関係を示す情報が表示されていることを特徴とする請求項1に記載の動的情報検索システム。
【請求項3】
前記検索情報の表示画面には、前記情報の各々に対応する情報端子の前記表示に加えて、前記情報間の結合関係を示す実線が表示されていることを特徴とする請求項2に記載の動的情報検索システム。
【請求項4】
前記検索情報の表示画面には、前記情報端子の前記表示に加えて、前記情報の情報源となる物理的存在の画像が表示され、かつ前記情報端子は、前記画像上の対応する部位に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の動的情報検索システム。
【請求項5】
前記検索情報の表示画面に表示される前記物理的存在の画像は、n次元ユークリッド空間内(n≧1)に示される画像であることを特徴とする請求項4に記載の動的情報検索システム。
【請求項6】
前記検索情報の表示画面に表示される前記物理的存在の画像は、ポリゴン(多角形)を敷き詰めて作成されたものであり、かつ前記ポリゴンを前記情報端子としたことを特徴とする請求項4又は5に記載の動的情報検索システム。
【請求項7】
前記検索情報の表示画面には、前記情報端子の前記表示に加えて、前記情報の参照回数を示す同心円が表示され、かつ前記情報端子は、対応する情報の参照回数の多さの順で、前記同心円の中心円から、順次、外側の同心円内に向かって配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかの項に記載の動的情報検索システム。
【請求項8】
前記検索情報の表示画面には、前記情報端子の前記表示に加えて、前記情報間の包含関係を示す同心円が表示され、かつ前記情報端子は、対応する情報間の包含関係に従って前記同心円内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかの項に記載の動的情報検索システム。
【請求項9】
前記検索情報の表示画面に表示される前記情報端子は、グループ分けされていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかの項に記載の動的情報検索システム。
【請求項10】
前記グループ分けは、前記情報端子に対応する情報間の論理的な関係、若しくは物理的な関係によってなされていることを特徴とする請求項9に記載の動的情報検索システム。
【請求項11】
前記コンピュータシステムでアクセス可能な前記情報には、インターネット網上のウェブ情報も含まれることを特徴とする請求項1乃至10の何れかの項に記載の動的情報検索システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図11】
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【図14】
【公開番号】特開2007−164556(P2007−164556A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−361305(P2005−361305)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(504171134)国立大学法人 筑波大学 (510)
【出願人】(899000080)株式会社筑波リエゾン研究所 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(504171134)国立大学法人 筑波大学 (510)
【出願人】(899000080)株式会社筑波リエゾン研究所 (6)
【Fターム(参考)】
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