説明

動的遭遇範囲を有するプライバシー対応のモバイルロケーターサービスのためのシステム及び方法

モバイル装置の他のバディ装置に関する可視性に関連した認識情報を管理するための方法及びシステムであって、システムは、モバイル装置と、1人以上のバディをリストするモバイルアプリケーションと、1人以上のバディのズーム操作及びレーダーズーム倍率を追跡するアプリケーションリスナーと、エンカウンター管理プログラム、アプローチ管理プログラム及び通知マーシャリングシステムを備えるサーバと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
[0001] 本出願は、2009年3月13日に出願された米国特許仮出願第61/159,977号に関連し、その優先権を主張し、その全内容及び開示が参照により本明細書中に組み込まれる。
【0002】
[発明の分野]
[0002] 本発明は、モバイル装置、通信システム及び位置プライバシーに関する。
【背景技術】
【0003】
[発明の背景]
[0003] 携帯電話、PDA及びスマートフォンを含むモバイル通信装置は、我々の社会において一般的になった。モバイルフォンの多くは、もはや単なる電話機として使用されるだけではなく、これらの装置は、より洗練されたアプリケーションを有する。例えば、スマートフォンは、電子メール、インターネットアクセス、テキストメッセージ、SMSメッセージ及びGPS測位の提供が可能である。スマートフォンの多くが、ユーザ位置を追跡することもでき、ユーザが自らの位置情報を「バディ(buddies)」のリストに対して開示することを許可することができる。これらのバディは、自らのモバイル装置を使用して他のバディの位置を判定することができるが、照会されたバディが、照会しているバディのアクセスを承諾する(例えば、バディリストを介して)ことを条件とする。
【0004】
[0004] 「モバイル版ファインドマイバディ(Mobile Find my Buddy)」アプリケーションは、モバイル装置のアプリケーションが、モバイル装置の画面上に地図を表示し、ユーザの任意のバディの位置を示すアプリケーションである。これは、ユーザの識別及び位置を記憶し管理するネットワークにおける1つ以上のサーバとの相互動作によって行われる。これらのシステムは、バディの現在状態(例えば、忙しい、音楽を聞いている、など)を表してもよく、表さなくてもよい。バディが他のバディを見る画面を「レーダー」と呼ぶこともある。画面は、モバイル装置において、及びデスクトップ装置においても表示される。これらのアプリケーションは、とりわけ「バディトラッカー(buddy trackers)」、「フレンドロケータ(friend locators)」などとしても知られている。
【0005】
[0005] 既存のバディアプリケーションでは、アプリケーションは、ユーザの位置をサーバに報告する。バディアプリケーションはその後、ユーザのバディの位置を取り出し、これらをユーザのために地図に表示する。ユーザがそのレーダー画面をパン及びズームすると、いま範囲内にいる新しいバディを表示することができる。バディがそのレーダー画面をパンしズームすると、バディの地図は、バディのレーダー画面の範囲内に以前はいなかったユーザの位置を表示することができる。
【0006】
[0006] 図1は、バディロケータサービスの現行モデルを示す。ユーザ2は、バディ4の識別情報を、ユーザ2のモバイル装置におけるアプリケーション3に入力する。バディ4は、ユーザ2の識別情報を、バディ4のモバイル装置におけるアプリケーション5に入力する。ユーザアプリケーション3及びバディアプリケーション5は、同一の入手されたソフトウェアプログラムであることができる。ユーザ2のアプリケーション3及びバディ4のアプリケーション5は、位置情報をサーバ6に送信する。サーバ6は、ユーザ2の位置情報をバディ4のアプリケーション5に送信する。サーバ6はまた、バディ4の位置情報をユーザ2のアプリケーション3に送信する。ユーザ2のアプリケーション3の地図表示が、バディ4がいる位置を含む場合、バディ4の位置は表示される。バディ4のアプリケーション5の地図表示が、ユーザ2がいる位置を含む場合、ユーザ2の位置は表示される。
【0007】
[0007] これらのバディロケータサービスの現行モデルは、所定のバディグループに対して可視となることをユーザが選択することができる。ユーザは、そのグループを変更することができ、バディリスト全体又はバディリストの個人に対する可視性(例えば、可視、不可視など)を変更することもできる。バディリストにおける他者に対して自らを可視にするユーザについては、典型的には自らのモバイル装置において設定を手動で変更する必要がある。
【0008】
[0008] 利用可能なサービスが増えるにつれて、所与のユーザが、ある時点又は地点においてどのバディに対して可視にすべきか、及びどのバディに対して不可視にすべきかを把握することは、ますます困難になる。例えば、ユーザが、2つ又は3つのバディマッピングサービスを利用して2つ又は3つの異なるバディリストを有する場合、バディごとに可視性を管理することはすぐに困難になる。さらに、個別のバディの位置又はそのバディが近い将来、ユーザの位置を閲覧するかどうかを知らない場合、バディについての設定を変更することは難しくなる。様々な理由から、ユーザは、多様な他のバディの装置及びバディグループの装置で時間及び位置にわたる自らの可視性に関する認識を得たいと思うだろう。
【0009】
[0009] ユーザにとって、プライバシーを望んでいる間、手動で不可視にするか、又はサービスを停止することは、煩わしく、混乱を引き起こし時間がかかるものである。単にバディマッピングサービスを遮断することはユーザの全てのバディに影響を与え、その結果は望ましくないだろう。バディごとに可視性をオフにしなくてはならいことはその後、ユーザを潜在的に多大な個別設定を管理させることになり、すぐに実現不能な規模になる。
【0010】
[0010] 現在利用可能なサービスは、ユーザのバディリストにおけるいずれのバディがユーザの位置を閲覧しているかについて、又は、ユーザのバディリストにおけるバディの1人がユーザの周りの特定の範囲内を物理的に移動すること、又はこのバディのモバイル装置における地図を検索することのいずれかによって、近い将来にユーザの位置を閲覧するようになるときについての事前の警告又は認識を提供しない。今のところ、ユーザの全てのバディアプリケーションにおいてリストされた全てのバディであって、ユーザが可視状態に設定したバディについて、ユーザは、これらのバディのレーダー画面上にユーザがいつでも出現しうると仮定しなくてはならない。
【0011】
[0011] 従って、バディマッピングアプリケーションのユーザにとっては、リストされたバディのうち任意の又は全ての個人のアクションに基づいて通知を受け、バディに対して可視になる前に可視性のオプションを得る必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
[0012] 従って、モバイル装置のモバイルバディマッピングアプリケーションに関する可視性を管理するため、及びエンドユーザの自らの可視性についての近実時間における認識を増大させるためのシステムが開示されている。モバイル装置の可視性を管理するためのシステムは、モバイル装置と、1人以上のバディをリストするモバイルアプリケーションと、1人以上のバディの地図での相互作用(例えば、ズーム倍率、パン操作など。地図はバディマッピンググラフィックインターフェースにおいて「レーダー画面」に類似して見えるように提示されることが多い)を追跡するアプリケーションリスナーと、エンカウンターマネージャー、アプローチマネージャー及び通知マーシャリングシステムを備えるサーバとを備える。
【0013】
[0013] システムはまた、学習構成要素を含む。システムのエンカウンターマネージャーは、様々な遭遇範囲(encounter horizon)に関する入力を受信することができる。
【0014】
[0014] モバイル装置の可視性を管理するための方法もまた開示される。モバイル装置の可視性を管理するための方法は、1人以上のバディをユーザのモバイルアプリケーションに入力するステップと、1人以上のバディのズーム操作及びレーダーズーム倍率を監視する(listening)ステップと、ユーザの位置の近々起こる検出(impending detection)を判定するステップと、1人以上のバディによって位置が検出されていることをユーザに通知するステップと、可視性オプションを選択するステップとを含む。
【0015】
[0015] モバイル装置の可視性を管理するための方法は、バディのレーダー上に出現させるオプション、出現させないオプション、匿名で出現させるオプション又は後から出現させるオプションを含むがこれらに限定されない可視性のオプションの選択肢を提供することができる。
【0016】
[0016] モバイル装置の可視性を管理するための方法において、ユーザの近々起こる検出の通知は、当事者の遭遇範囲に関連した所定のコンテクストにおいて生じることができる。この通知は、テキストメッセージ通知及び/又はグラフィックメッセージ通知であることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
[0017] 本発明のこれらの、及び他の特徴、利益及び利点は、以下の図への参照により明白となるだろう。図面において同様の参照符号は同様の構造を指す。
【0018】
[0018]
【図1】図1は、従来技術のバディロケータサービスを示す図である。[0019]
【図2】図2は、モバイル装置の可視性を管理するためのシステムの例示的アーキテクチャを示す図である。[0020]
【図3】図3は、バディがユーザに接近している状況の例を示す図である。[0021]
【図4】図4は、バディがズーム倍率を変更していて、ユーザが静止している状況の例を示す図である。[0022]
【図5】図5は、バディがマッピングズーム倍率を有する装置をオンにし、バディの地図表示がすでにユーザの位置を含む状況の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[詳細な説明]
[定義]
[0023] 本出願における記載のため、以下の定義が適用されるものとする。
【0020】
[0024] サーバとは、複数のユーザ機器から更新を受信する中央型アプリケーション装置を意味する。
【0021】
[0025] レーダー画面とは、ユーザのモバイル装置又はバディのモバイル装置において見られる特定の物理次元の地図表示を意味する。レーダー画面は典型的には、以下に詳述するモバイルアプリケーション14によって管理され、提示される。
【0022】
[0026] 本出願は、モバイル装置の可視性を管理するための方法及びシステムに関する。図2は、モバイル装置12と、1人以上のバディをリストするモバイルアプリケーション14と、1人以上のバディのズーム操作及びレーダーズーム倍率を追跡するアプリケーションリスナー16と、エンカウンターマネージャー20、アプローチマネージャー22及び通知マーシャリングシステム24を備えるサーバ18を含むモバイル装置の可視性を管理するためのシステム10の一例を示す。サーバ18は学習構成要素26も含むことができる。
【0023】
[0027] モバイル装置の可視性を管理する方法は、モバイル装置の可視性を管理するためのシステムの説明において以下に詳述するステップを備える。モバイル装置の可視性を管理する方法の第1のステップは、1人以上のバディの識別情報をユーザのモバイルアプリケーションに入力するステップである。ユーザのアプリケーションは、1人以上のバディが地理的に移動し、バディのレーダー画面における範囲及び領域を変更する際の活動を(更新を受信することによって)監視する。監視期間中に、ユーザが1人以上のバディによる近々起こる検出の対象になっているとユーザのアプリケーションが判断する場合、アプリケーションは、ユーザの位置が1人以上のバディから検出されることをユーザに通知する。「近々起こる検出」(可視性の認識(visibility awareness)としても知られる。)を定義する基準は、異なるバディについて異なるレベルで設定することができ、あるバディについてはより早く通知を送信し、他のバディについてはより遅く通知を送信することができる。通知の緊急性は、バディごとの設定又は包括的なバディリストのレベルに基づくことができる。通知を受けると、ユーザは、「可視にする」、「可視にしない」、「匿名で見せる」、又は「1つ以上の特定属性を用いて匿名で見せる」若しくは「後で(おそらく匿名で)1人以上のバディに見せる」などを含むがこれらに限定されない、選ぶべきいくつかの可視性オプションを有する。上述の可視性オプションは、網羅的でなく他の可視性オプションが可能である。
【0024】
[0028] モバイル装置の可視性を管理するためのシステムは、携帯電話、PDA、スマートフォン及びラップトップを含むがこれらに限定されないモバイルアプリケーション14のサポートが可能な任意のモバイル装置であるモバイル装置12を含む。モバイルアプリケーション14は、ユーザのモバイル装置12によってサポートされる。モバイルアプリケーション14は、1人以上のバディの識別情報の入力を受取り、これをリストとして記憶する。バディもまたユーザの識別情報を有することができる。モバイルアプリケーション14の一部として、アプリケーションリスナー16は、モバイル装置12におけるモバイルアプリケーション14のマッピング部分と一体化し、これと同期する構成要素である。ユーザとバディのどちらも、それぞれのモバイル装置12において実質的に同じモバイルアプリケーション14を有する。ユーザとバディのどちらも、それぞれのモバイル装置12におけるモバイルアプリケーション14の一部として、実質的に同じ個別のアプリケーションリスナーを有する。モバイルアプリケーション14にリストされたバディが物理的に移動するかレーダー画面上に現れる範囲を移動させると、アプリケーションリスナー16は、バディの物理的移動、バディの北、南、東又は西へのパン、又はバディのズームイン及びズームアウトを含む地図変更事象(例えば、パン及びズームアクションは、モバイルアプリケーション14との相互作用を介して発生し、アプリケーションリスナー16によって監視される)を監視する。
【0025】
[0029] アプリケーションリスナー16は、サーバ18と通信している。サーバ18は、エンカウンターマネージャー20、アプローチマネージャー22及び通知マーシャリングシステム24を含む。エンカウンターマネージャー20は、ユーザ位置及びユーザの他の対象物への近接に関連した準実時間(near real-time)情報を記憶し、可視状態になっているユーザ又は将来の可視性の苦境(predicaments)について、システムがどのように、いつ対応すべきかを把握する(captures)構成要素である。地図において見られる、遭遇範囲は、典型的にはユーザ位置から広がる円形である。遭遇範囲は、システムによって管理され自動的に作成されうるが、ユーザによって入力された情報(例えば、距離、アクション)を使用して遭遇範囲を作成してもよい。例えば、ユーザは、ユーザの現在位置から様々な距離で遭遇範囲を設定し、特定のバディ又はバディグループが横切ったときに作動するように設定しうる。実世界のバディがエンカウンター範囲の論理上の境界点を横切るか又はレーダー画面の範囲を移動させ遭遇範囲を横切った場合、エンカウンターマネージャー20は、通知マーシャリングシステム24に通知する。
【0026】
[0030] エンカウンターマネージャー20は、入力を受信し、それぞれの遭遇範囲に割り当てられた異なる重み付け又は重要度を有するいくつかの遭遇範囲を多様な距離で設置することができる。例えば、バディがユーザから最も遠い遭遇範囲を物理的に横切った場合又はレーダー画面の範囲を移動させて、ユーザから最も遠い最も外側の遭遇範囲を横切った場合、この事象には、低い重み付けが割り当てられる。低い重み付けとは、以下に記述するとおり、このレベルの重要度又は重みを示す通知を意味する。異なる重み付けが、ユーザのモバイルアプリケーション14においてリストされた異なるバディに割り当てられうる。例えば、ユーザに徐々に近くなる遭遇範囲の重み付けは、徐々に重要度が増す重みでタグ付けされることがでるため、システムは距離に比例する緊急度で対応することができる。エンカウンターマネージャー20は、特定の遭遇範囲に入っているユーザのバディリストにおけるそれぞれのバディの重要度についてユーザが入力したプリファランスを記憶することができる。例えば、当該マネージャー20は、あるバディには遠い距離において高い重要度を与え、別のバディには近い距離において低い重要度を与えることができる。
【0027】
[0031] サーバ18は、アプローチマネージャー22も含む。アプローチマネージャー22は、外部システムから、所与のバディ又はバディグループの移動の速度及び方向に関連する情報を受信する。いくつかの以前のデータをキャッシュすることによって、アプローチマネージャー22は方向及び速度を算出し、これを記憶することができる。システムは、現在位置ならびに方向及び速度を使用して、いつ遭遇範囲が横切られるかを推定することができる。バディが物理的に移動するか又はレーダー画面の範囲を移動させ、かつ、アプローチマネージャー22が、例えば、移動の速度及び接近のベクトルに基づき、バディの移動がユーザをバディのレーダー画面内に置くと判断した場合、アプローチ管理プログラム22は、適切な警告を発するよう通知マーシャリングシステム24に通知することができる。
【0028】
[0032] バディのレーダー画面がユーザの位置する領域を含んでいるか、すぐに含むことになるという情報をエンカウンター管理プログラム20又はアプローチ管理プログラム22のいずれかから受信すると、通知マーシャリングシステム24は、ユーザに可視性オプションを与える通知を送信することができる。通知マーシャリングシステム24は、「あなたは5分後にバディBのレーダー画面において可視になります」又は「あなたはもうすぐバディBのレーダー画面において可視になります」などの文言を含むことができる通知を送信することができる。通知マーシャリングシステム24は、テキストメッセージもしくは電子メールなどのテキスト通知、又は写真もしくは動画などのグラフィック通知を送信するようプログラムすることができる。
【0029】
[0033] 通知マーシャリングシステム24は、ユーザが選択することができるいくつかの可視性オプションを送信することもできる。これらの可視性オプションは、以下を含むことができる。通知マーシャルシステム24は、ユーザに選択されると、バディBがユーザをレーダー画面において見ることを許可する可視性オプションをユーザに送信することができる。通知マーシャルシステム24は、ユーザに選択されると、バディBがユーザをレーダー画面において見ることを許可しない、つまりユーザの位置を隠す可視性オプションをユーザに送信することができる。通知マーシャルシステム24は、ユーザに選択されると、バディBがユーザを匿名の人物としてレーダー画面において見ることを許可する可視性オプションをユーザに送信することができる。ユーザは、ユーザが匿名可視性オプションを選択した場合には、バディBのレーダー画面に表示されるものをユーザのモバイルアプリケーション14に入力することができる。ユーザは、匿名可視性オプションを選択した場合に、識別資料の代わりに例えば、「30歳男性」と表示するといった匿名のプロフィールをユーザのモバイルアプリケーション14に入力することができる。通知マーシャルシステム24は、バディBが所定の時間の後にレーダー画面においてユーザを見ることを許可する可視性オプションをユーザに送信することもできる。ユーザは、ユーザのモバイルアプリケーション14に期間の長さを入力することができる。
【0030】
[0034] ユーザが、通知マーシャリングシステム24によって送信された可視性オプションに応答しない場合、ユーザは、バディBのレーダー画面での表示は隠されたままとなる。ユーザは、可視性オプションに応答することなく、特定のバディに対しては自動的に見せるようユーザのモバイルアプリケーション14に入力することができる。
【0031】
[0035] ユーザの可視性選択は、サーバ18によって把握され、処理され、その後バディBのアプリケーションリスナー16に送信される。バディBのアプリケーションリスナー16は、ユーザがユーザの位置を見せるように許可している場合はユーザを表示し、ユーザがユーザの位置を見せないことを選択している場合はユーザを隠し、ユーザを匿名として表示し、又は一定時間が経過した後にユーザを表示することができる。或いは、ユーザの可視性に影響する器具がサーバ18の構成要素の1つにおいて存在してもよい。
【0032】
[0036] サーバ18は、ユーザが可視性オプションにどのように応答したか、個別のバディから標準技術を使用して時間とともに学習する学習構成要素26も含むことができる。学習構成要素26は、学習構成要素26が最終的には可視性オプションの決定をユーザのために自動的に行うことを許可する発見的学習を作成することができる。例えば、ユーザが、午前8時から午後10時までの間は常に、特定のバディに対してユーザ位置を閲覧することを許可する場合は、学習構成要素26は、この時間帯の間はこのバディにユーザを見せることを許可する可視性オプションを自動的に選択することができる。学習構成要素は、発見的学習を作成するために多様なニューラルネットアルゴリズム、及び統計的相関法を採用することができる。このような発見的学習を有することは、可視性オプションをユーザが明確に指定する必要がないのでシステムの有用性を高める。学習構成要素が可視性オプションを推測すると、ユーザにそのオプションを承認するよう尋ねる。
【0033】
[0037] 記載されたシステム及び方法は、ユーザのバディリストにおけるバディに対するモバイル装置の可視性を管理し、ユーザの可視性が曝露されるときにユーザを警告する。結果として、ユーザにとってより良いプライバシーの制御が得られる。さらに、バディごとの警告ポリシーが望ましい場合、ユーザのプライバシー選択に可視性オプションを選択するために必要な適切な情報を与える、ユーザを閲覧しようとするバディに関する情報をユーザは受信する。
【0034】
[0038] 本発明は本明細書において特定の例示的な実施形態を参照して記述された。特定の変更及び修正は、本発明の範囲を逸脱することなく当業者には明らかとなろう。例示的な実施形態は、説明的であり、本発明の範囲を限定するよう意図せず、本発明の範囲は添付のクレームによって画定される。
【0035】
[実施例]
[0039] 以下の例に関する条件は、問題となっているユーザがモバイルバディマッピングサービスを選択していて、モバイルバディマッピングサービスの他に、本発明のソフトウェア及び器具がロードされているモバイルデバイスを携帯しているという条件を含む。さらに、モバイルバディマッピングサービスにおいて、ユーザがバディを含むバディリストを有すること、及びバディがユーザを含むバディリストを有することが条件である。別の条件は、ユーザ及びバディの位置が、例えば、位置プロバイダーと提携すること又は全地球測位システム(GPS)ハードウェアとインターフェースすることによって把握されるか又はアプリケーション構成要素に対して可視にされることである。例では、別段の記述がない限り、ユーザ及びバディは、動かないか又は結果に影響することなく多様な方向及び多様なスピードで移動しうる。
【0036】
[実施例1]
[0040] システム設定。ユーザが包括的な「遭遇範囲」遷移アクションを設定するか、又はシステムがユーザの分類に基づきデフォルト規則を適用する。ユーザがバディごとの遭遇範囲遷移アクションを設定するか、又はシステムが全体規則を適用することができる。ユーザは、個別のバディに対してカスタマイズすること又は包括的に設定することができる匿名のプロファイル(例えば、「匿名として見せることを許可する場合はx、y又はzとして識別する」)を設定する。ユーザは、システムが送達すべきメッセージの種類及びどのように送達すべきかに関する個人別通知ポリシーを設定する。例えば、システムはテキストメッセージ、電子メール、動画メッセージ、写真メッセージなどを送信することができる。
【0037】
[実施例2]
[0041] バディがユーザに接近している場合の実施例。図3に示されるように、ユーザ30は、位置Pにおいて静止しており、バディ32は速度VでPに向かって移動している。ユーザ30は、遭遇範囲遷移を距離r 34及びr36において設定している(r<r)。ユーザが望む場合は、さらにいくつかの遭遇範囲遷移を設定することができる。バディ32のモバイル装置に示されるバディ32の現在のレーダー表示は、バディ範囲33によって表される。バディ範囲33が遭遇範囲遷移r36を横切ると、システムは事象(テキストメッセージなど)をトリガし、バディ32のレーダー表示を記憶する。バディ範囲33が遭遇範囲遷移r34を横切ると、システムは、バディ範囲33及びバディ32の算出された速度に基づき、ユーザがバディ32のレーダーにおいてもうすぐ可視となることをユーザ30に対して通知するときであると判断する。システムはその後、メッセージを送信し、可視にする、隠す、匿名で見せる、10分後に可視にするなどの可視性オプションをユーザ30に提供する。ユーザ30は、ユーザが応答するか、又はバディごと又は包括的な設定に基づき、一定の時間の後に可視にするまで、ユーザ30を隠すオプションを入力することができる。ユーザ30が可視性オプションを選択した後、ユーザ30は、バディ32のレーダーにおいてユーザとして特定されて出現するか、又はバディ32のレーダーにおいて匿名として出現するか、バディ32のレーダーに出現しないか、又はバディ32のレーダーに後から出現する。
【0038】
[実施例3]
[0042] バディがズーム倍率を変更し、ユーザが静止している場合の実施例。図4に示すとおり、ユーザ40は、位置Pにいて、バディ42は位置Pにいる。バディ42のモバイル装置において示される現在のレーダー表示はバディ範囲44によって表される。Pがバディ範囲44の範囲外にあるため、ユーザ40は、現在はバディ42のレーダーにおいて可視ではない。図4では、バディ42は、バディ42のレーダーにおいてズームアウトし始めているため、レーダー画面がより広い地理的領域を示し始めているか、又はバディ42がバディ42のレーダーの範囲を移動させ、異なる地理的領域を示そうとし始めている。バディ42のアプリケーションのアプリケーション監視構成要素は、ズーム操作を記録し、バディ42のレーダー範囲の移動のそれぞれは、メッセージが整えられ(marshaled)、サーバに送信されることを引き起こす。サーバは、バディ42のズーム操作の結果を追跡する。数回のズーム操作の後、バディ範囲44がユーザ40の位置をもうすぐ含むことが明らかとなる。ユーザ40をバディ42のレーダー内に置くバディ42のズーム操作に先立って、システムは新しい領域がユーザ40を可視にするおそれがあることを推測し、ユーザ40のアプリケーションのアプリケーション監視構成要素16は、近々起こる可視性についてユーザ40に通知し、可視にする、隠す、匿名で見せる、10分後に可視にする、などの可視性オプションをユーザ40に提供する。ユーザ40が応答するか、又はユーザが現在、装置を身に付けていない場合、自動的に隠す決定又は自動的に可視にする決定を含む予め設定したアクションがとられる。ユーザ40が可視性オプションを選択する場合、ユーザ40は、バディ42のレーダーにおいてユーザとして識別されて出現するか、又はバディ42のレーダーにおいて匿名として出現するか、バディ42のレーダーに出現しないか、又はバディ42のレーダーに後から出現する。サーバは、ユーザ40の選択を使用してバディ42のアプリケーションリスナーの通知に応答し、ユーザ40をバディ42のレーダーにおいて見せるか、ユーザ40をバディ42のレーダーにおいて見せないか、ユーザ40の匿名プロファイルを見せるか、又は後からユーザ40を見せる。
【0039】
[0043] 或いは、バディ42が、ズーム操作の代わりにパン操作を使用し、地図表示を変更する場合において、これらの表示がユーザ40を可視にするおそれがある場合、システムは、同様のステップをとって、ユーザ40を近々起きる可視性について認識させ、可視性オプションを与えることを確実にする。
【0040】
[実施例4]
[0044] バディ及びユーザの双方が互いに向かって移動している間にバディがズームアウトする場合の実施例。本例は、実施例3とよく似ているが、システムはそれぞれのズーム操作におけるバディのレーダー表示だけでなくバディの移動も追跡している。バディがユーザの最も外側の境界に入ることができるか、又はユーザがユーザの最も外側の境界内のバディがいる地点まで移動することができる。ユーザは移動しているということはシステムに影響しない。
【0041】
[実施例5」
[0045] ユーザの位置を既に含むレーダーズーム倍率で装置をオンにした場合の実施例。図5に示すとおり、ユーザ50及びバディ52は、互いに近接しており、もしバディ52のモバイル装置がオンであるならバディ52のバディ範囲56内にいるだろうが、バディ52の装置はオフである。バディ52が、バディ52のモバイル装置をオンにすると、アプリケーション14及びバディ52の装置のアプリケーション監視構成要素16は、サーバ6に「電源オン」事象を示すメッセージを送信し、バディ52の当初のバディ範囲56に関するメッセージも含むことができる。サーバはその後、どのユーザがバディ52のレーダーにおいて可視になるかを確認し、その結果、ユーザ50が可視になると推測する。サーバは、メッセージをユーザ50に送信し、可視にする、隠す、匿名で見せる、10分後に可視にする、などの可視性オプションをユーザ50に与える。ユーザ50の応答に基づき、バディ52のレーダー表示は、ユーザ50をユーザ50自身として出現させるか、匿名として出現させるか、出現させないか、又は後から出現させる。自動的にユーザ50をバディ52に対して可視にするようにユーザ50のアプリケーションがユーザ50によって設定されている場合、サーバ6はその後、バディ52のアプリケーション監視構成要素に通知し、ユーザ50をバディ52のレーダー表示において可視にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル装置と、
1人以上のバディをリスト化するモバイルアプリケーションと、
前記1人以上のバディのズーム、パン操作及びレーダーズーム倍率を追跡するアプリケーションリスナーと、
エンカウンターマネージャー、アプローチマネージャー及び通知マーシャリングシステムを備えるサーバと、
を備えるモバイル装置の可視性を管理するためのシステム。
【請求項2】
さらに学習構成要素を備える、請求項1に記載のモバイル装置の可視性を管理するためのシステム。
【請求項3】
前記エンカウンター管理プログラムが、遭遇範囲の入力を受信する、請求項1に記載のモバイル装置の可視性を管理するためのシステム。
【請求項4】
1人以上のバディをユーザのモバイルアプリケーションに入力することと、
前記1人以上のバディのズーム、パン操作及びレーダーズーム倍率を監視することと、
前記ユーザの位置の近々起こる検出を判定することと、
前記1人以上のバディによって位置が検出されることを前記ユーザに通知することと、
可視性オプションを選択することと、
選択された可視性オプションを1人以上のバディのアプリケーションにわたって有効にすることと、
を含む、モバイル装置の可視性を管理するための方法。
【請求項5】
前記可視性オプションがバディのレーダーに出現する、請求項4に記載のモバイル装置の可視性を管理するための方法。
【請求項6】
前記可視性オプションがバディのレーダーに出現しない、請求項4に記載のモバイル装置の可視性を管理するための方法。
【請求項7】
前記可視性オプションがバディのレーダーに匿名化されたプロファイルとして出現する、請求項4に記載のモバイル装置の可視性を管理するための方法。
【請求項8】
前記可視性オプションが特定の時間の後にバディのレーダーに出現する、請求項4に記載のモバイル装置の可視性を管理するための方法。
【請求項9】
前記ユーザの位置の前記近々起こる検出が、所定の遭遇範囲において起きる、請求項4に記載のモバイル装置の可視性を管理するための方法。
【請求項10】
前記ユーザの前記通知がテキストメッセージ通知である、請求項4に記載のモバイル装置の可視性を管理するための方法。
【請求項11】
前記ユーザの前記通知がグラフィックメッセージ通知である、請求項4に記載のモバイル装置の可視性を管理するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−520625(P2012−520625A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−554221(P2011−554221)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/027069
【国際公開番号】WO2010/105118
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(511130818)ティーティーアイ インベンションズ ディー エルエルシー (5)
【Fターム(参考)】