説明

包皮食品製造装置及びパレット

【課題】パレットの清掃が容易かつパレットからの包皮食品の取り出しを簡単な構成でもって容易に行うことのできる包皮食品製造装置及びパレットを提供する。
【解決手段】水平に走行自在なエンドレスチエーン9によって搬送されるパレット本体15を上記搬送方向に対して直交する方向に長く設けると共に、上記パレット本体15の一端側に内包材を収容するための容器本体を係合支持する本体係合凹部19を備え、前記パレット本体15の他端側に、前記容器本体に対応した蓋体を係合支持する蓋体係合凹部21を備え、前記本体係合凹部19に係合支持された容器本体に対して内包材を供給するための内包材供給手段41を備えると共に前記容器本体に対応して前記蓋本体を移載する蓋体移載手段53を備え、前記エンドレスチエーン9の走行方向に離隔して備えた複数のガイドピン11に対して前記パレット本体15を上下動自在かつ着脱自在に備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば最中のように、あん等の内包材を外皮によって包皮した包皮食品を製造するための包皮食品製造装置及び包皮食品製造装置に使用するパレットに関する。
【背景技術】
【0002】
最中のように、外皮によってあん等の内包材を包皮した包皮食品を製造する包皮食品製造装置は、エンドレス状のコンベアチエーンに、当該コンベアチエーンの走行方向に対して直交する方向に長い複数のパレットを備え、このパレットの長手方向の一端側に、内包材を収容するための外皮としての容器本体を係合支持する本体係合凹部を備え、前記パレットの他端側に、前記容器本体に蓋をする蓋体を係合支持する蓋体係合凹部を備えている。そして、前記コンベアチエーンによって搬送される搬送経路の途中に、前記容器本体に対して内包材を供給するための内包材供給手段を備えると共に、内包材を収容した容器本体上に蓋体係合凹部内の蓋体を移載する蓋体移載手段を備えている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特公昭50−15874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば最中などの包皮食品を製造する装置においては、エンドレス状のコンベアチエーンにパレットが一体的に取付けてあり、上記パレット等の清掃が厄介であるという問題があると共に、外皮の外形形状を、例えば4角形状から丸形状に変える場合、その変更が厄介であるという問題がある。また、パレットから包皮食品を取り出す場合、上記包皮食品を押上げるための機構を設ける必要があり、構成が複雑であるなどの問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、前述したごとき問題に鑑みてなされたもので、水平に走行自在なエンドレスチエーンによって搬送されるパレット本体を上記搬送方向に対して直交する方向に長く設けると共に、上記パレット本体の一端側に内包材を収容するための容器本体を係合支持する本体係合凹部を備え、前記パレット本体の他端側に、前記容器本体に対応した蓋体を係合支持する蓋体係合凹部を備え、前記本体係合凹部に係合支持された容器本体に対して内包材を供給するための内包材供給手段を備えると共に前記容器本体に対して前記蓋本体を移載する蓋体移載手段を備え、前記エンドレスチエーンの走行方向に離隔して前記エンドレスチエーンに備えた複数のガイド部材に対して前記パレット本体をそれぞれ上下動自在かつ着脱自在に備えていることを特徴とするものである。
【0005】
また、前記包皮食品製造装置において、前記内包材供給手段に対応した位置のパレット本体を上下動するためのパレット上下動手段を備えていることを特徴とするものである。
【0006】
また、前記包皮食品製造装置において、前記パレット本体の両端側を移動自在に支持するパレットガイドを、装置本体のフレームに対して着脱自在に備えていることを特徴とするものである。
【0007】
また、前記包皮食品製造装置に使用するパレットであって、前記エンドレスチエーンに備えたガイド部材と係合離脱自在な係合孔を、パレット本体の長手方向の中央部に備え、このパレット本体の一端側に備えた本体係合凹部及び他端側に備えた蓋体係合凹部の輪郭形状は、外形形状の異なる複数の容器本体の外形を重ね合わせた輪郭の形状であることを特徴とするものである。
【0008】
また、前記パレットにおいて、前記パレット本体の移動時に前記本体係合凹部に相対的に進入して製品を取り出すための取り出しフィンガーが通過可能な製品取り出し溝を、前記本体係合凹部に対応してパレット本体の長手方向に対して直交する方向に備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、エンドレスチエーンの走行方向に離隔して上記チエーンに備えた複数のガイド部材に対してパレット本体がそれぞれ上下動自在かつ着脱自在に備えられているので、エンドレスチエーンの走行時におけるパレットの水平方向への揺動を効果的に防止できると共に、エンドレスチエーンに対してパレットを着脱しての清掃を容易に行うことができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明するに、図1,図2に概念的、概略的に示したように、本実施形態に係る包皮食品製造装置1は、左右方向(搬送方向)に長い箱状の本体フレーム3を備えており、この本体フレーム3の一端部付近(図1,2において右端部付近)には、本体フレーム3に装着したモータMによって回転される駆動スプロケット5が回転自在に備えられている。また、前記本体フレーム3の他端部付近には従動スプロケット7が回転自在に備えられている。そして、上記駆動スプロケット5と従動スプロケット7にはエンドレス状の搬送体の一例としてのエンドレスチエーン9が掛回してある。
【0011】
上記エンドレスチエーン9に所定間隔に備えたリンクプレート9Aの外側にはプレート9Bが一体的に取付けてあり、このプレート9Bには、外方向へ突出したガイド部材が取付けてある。上記ガイド部材として、本例においてはエンドレスチエーン9の長手方向に離隔した複数のガイドピン11が設けられている。上記ガイド部材の構成としては、複数のガイドピン11に限ることなく、前記エンドレスチエーン9の長手方向を幅方向とするガイドプレートとすることも可能である。また、ガイド部材の構成としては、断面形状がT字形状やL字形状など適宜の形状とすることができる。このようにすることにより、パレット13の方向性を常に正しく保持してガイド部材と係合することができるものである。
【0012】
前記構成において、2本のガイドピン11に対してパレット13の長手方向の中央部が上下動自在かつ着脱自在に備えられている。なお、図1,2にはパレット13をまばらに示してあるが、実際には、エンドレスチエーン9の全長に亘って所定間隔にパレット13が備えられているものである。
【0013】
前記パレット13は、前記エンドレスチエーン9の長手方向(搬送方向)に対して直交する方向に長いパレット本体15(図3参照)を備えており、このパレット本体15の長手方向の中央部には、前記ガイド部材の一例としてのガイドピン11に係合離脱自在な係合孔17が備えられている。なお、上記係合孔17は、前記ガイド部材が前記ガイドプレートによって構成してある場合には、上記ガイドプレートに対応して長穴に形成されるものである。
【0014】
前記パレット本体15の一端側には、例えば最中などの包皮食品(図示省略)におけるあん等の内包材を収容するための容器本体(図示省略)を係合支持する本体係合凹部19が備えられており、当該パレット本体15の他端側には前記容器本体に対応した蓋体(図示省略)を係合支持する蓋体係合凹部21が備えられている。
【0015】
前記容器本体は、例えば最中などの包皮食品における下側外皮をなすもので、例えばあん等の内包材を受容するように、上側が開口した状態でもって前記本体係合凹部19内にセットされ係合支持されるものである。前記蓋体は、前記包皮食品における上側外皮をなすものであって、前記容器本体に対応した形状であり、下側が開口した状態でもって前記蓋体係合凹部21内にセットされ係合支持されるものである。
【0016】
前記本体係合凹部19及び蓋体係合凹部21の輪郭形状は、例えば4角形状の容器本体,蓋体及び丸形状の容器本体,蓋体を係合支持することができるように、4角形状の外形と丸形状の外形とを重ね合わせた輪郭の形状に形成してある。換言すれば、本体係合凹部19,蓋体係合凹部21の形状は、4角形状,丸形状,三角形状,楕円形状,長円形状など外形形状の異なる複数の容器本体の外形を重ね合わせた輪郭の形状に形成してある。したがって、本体係合凹部19、蓋体係合凹部21には外形形状の異なる複数種の容器本体,蓋体を係合支持することができるものである。よって内包材が同一であって外形形状が異なる包皮食品に切替えて製造する場合、迅速に対応し得るものである。
【0017】
前記パレット本体15に備えた前記本体係合凹部19に対応して、製品取り出し溝23が形成してある。この製品取り出し溝23は、前記エンドレスチエーン9の走行によって前記パレット本体15が一方向(図1,2において右方向,本体フレーム3の他端側から一端側方向)へ移動されているときに、包皮食品製造装置1に備えた取り出しフィンガー25が相対的に進入し通過可能に形成してある。より詳細には、前記製品取り出し溝23の底部27には、前記パレット本体15の移動方向の前側(図3(B)において下側)には、前記取り出しフィンガー25の先端部を製品取り出し溝23内に案内する傾斜面27Sが形成してある。
【0018】
前記エンドレスチエーン9に備えた前記ガイドピン11に係合孔17を係合した状態において移動されるパレット本体15の両端側を移動自在に支持するために、前記本体フレーム3の上面には、左右方向に長いレール状のパレットガイド29が本体フレーム3の上面に立設した複数のピン31に係合離脱自在、すなわち本体フレーム3に対して着脱自在に備えられている。さらに、エンドレスチエーン9の下部側の下方位置には、自重でもって下降するパレット本体15を支持するパレットガイド33が、本体フレーム3に備えたピン35に係合離脱自在,すなわち本体フレーム3に着脱自在に備えられている。
【0019】
既に理解されるように、複数のパレット本体15はエンドレスチエーン9に備えたガイドピン11に対して着脱自在であり、またパレット本体15を移動自在に支持する上下のパレットガイド29,33は、本体フレーム3に備えたピン31,35に対して着脱自在であるから、前記パレット本体15及び上下のパレットガイド29,33の取り外しを容易に行うことができ、装置及びパレット本体15、パレットガイド29,33の清掃を容易に行うことができるものであり、装置全体を常に清潔に保つことができるものである。
【0020】
前記エンドレスチエーン9によって移送されるパレット本体15を、前記駆動スプロケット5,従動スプロケット7に対応した位置で上下方向に案内するために、前記パレット本体15の両端部を係合案内する円弧状のガイド溝37を対向して備えた一対の端部ガイド部材39が前記駆動スプロケット5,従動スプロケット7を間にして前後に対向して前記本体フレーム3に備えられている。したがって、前記駆動スプロケット5,従動スプロケット7の位置において、エンドレスチエーン9の移動に従ってエンドレスチエーン9に備えたガイドピン11の傾斜角が次第に変化するとき、当該ガイドピン11に対してパレット本体15が相対的に上下に移動する傾向にあるが、前記ガイドピン11からパレット本体15が離脱することなく円滑に移送されるものである。
【0021】
前記エンドレスチエーン9によって移送されるパレット本体15の上流側(図1,2において左側)の位置には、前記パレット本体15の前記本体係合凹部19内に係合支持されている容器本体に対して、例えばあん等の内包材を供給するための内包材供給手段41が備えられている。この内包材供給手段41の構成は公知であり、例えば前記特許文献1に記載の内包材供給手段を採用可能であるので、内包材供給手段41についての詳細な説明は省略する。
【0022】
前記本体フレーム3において、前記内包材供給手段41に対応した位置には、内包材供給手段41に対応した位置に停止したパレット本体15を上下動するためのパレット上下動手段43が備えられている。より詳細には、前記内包材供給手段41に対応して本体フレーム3には上下方向のガイド部材45が備えられており、このガイド部材45には、前記本体フレーム3に装着した例えばエアーシリンダなどのごとき上下動用アクチュエータ47によって上下動される上下スライダ49が上下動自在に案内されている。そして、上記上下スライダ49には、前記内包材供給手段41に対応した位置に停止したパレット本体15を下方から押上げるための押上げ部材51が取付けてある。
【0023】
前記押上げ部材51は、前記パレット本体15と同様に、前記エンドレスチエーン9の搬送方向に対して直交する方向に長く構成してあって、当該押上げ部材51の両端側には、前記パレット本体15の両端部を、エンドレスチエーン9の走行方向に通過可能に案内するために、断面形状をL形状に形成したパレットガイド部51Gがそれぞれ形成してある。より詳細には、前記押上げ部材51は、上昇したときに前記エンドレスチエーン9と干渉することのない構成であって、前記パレットガイド部51Gは、前記押上げ部材51の両端側に高く構成してある。そして、前記パレット本体15の両端部付近の下面、端面及び両端部付近の上面を囲繞し通過可能に案内すべく、前記パレットガイド部51Gを搬送方向に見たとき、断面形状は上部に水平部を備え側部に垂直部を備えたL形状に形成してある。
【0024】
そして、前記パレット本体15における前記本体係合凹部19側のパレットガイド部51Gには、前記本体係合凹部19内にセットされている容器本体の外周縁の一部を押えるために、内方向へ比較的大きく延伸した押えプレート51Pが備えられており、この押えプレート51Pが前記本体係合凹部19に対応する部分には、内包材の供給時に邪魔にならないように切欠き凹部51Cが形成してある。
【0025】
したがって、前記押上げ部材51によってパレット本体15を上下動するとき、パレット本体15の長手方向の両端部付近の上面、下面及び端面は、押上げ部材51に備えたパレットガイド部51Gに係合し、搬送方向に対して直交する方向などへの移動を規制(拘束)された状態にあり、エンドレスチエーン9に備えたガイド部材(ガイドピン11)に対して上下動を円滑に行うことができるものである。また、パレット本体15の本体係合凹部19内にセットされている容器本体の外周縁の一部は押えプレート51Pによって上方向への浮き上がりを規制されており、パレット本体15の上下動時に容器本体に位置ずれを生じるようなことがないものである。
【0026】
前記構成により、前記内包材供給手段41から本体係合凹部19内の容器本体に対して内包材の供給を行うとき、パレット本体15を、内包材供給手段41における内包材吐出口に近接するように押上げることができ、かつ内包材の供給量に対応してパレット本体15を次第に下降することができるものである。よって、容器本体に対して内包材供給を行うとき、適正に供給することができるものである。例えば往復動又は開閉するカッターでもって内包材を切断するとき、上記カッターの下側における内包材はカッターから次第に下方向に離れることとなり、容器本体に供給された内包材の上端部の形状が前記カッターの往復動又は開閉動作の動きによって乱されるようなことがないものである。
【0027】
前述のごとくパレット本体15の上下動を行うとき、エンドレスチェーン9及びガイドピン11は定位置にあってパレット本体15のみを上下動するものでああるから、換言すればエンドレスチェーン9等を上下動することがないので、パレット本体15の上下動を容易に行い得るものである。
【0028】
前記内包材供給手段41の下流側には、前記パレット本体15の蓋体係合凹部21内の蓋体を、内包材を収容した本体係合凹部19内の容器本体上へ移動して容器本体に蓋をするための蓋体移載手段53を備えている。この蓋体移載手段53は、この蓋体移載手段53の下方位置に停止したパレット本体15における蓋体係合凹部21内の蓋体を吸着して持上げ、本体係合凹部19内の容器本体の上方位置へ移動し、上記容器本体に対応した位置において下降して前記蓋体を容器本体上に載置した後、前記蓋体の吸着を解除する作用をなすものである。
【0029】
なお、上記蓋体移載手段53としては、パレット本体15の蓋体係合凹部21内の蓋体を保持して本体係合凹部19内の容器本体上に移載する機能を備えていればよいものであって、例えば前記特許文献1に記載の蓋体移載手段の構成を採用することも可能である。また、例えばロボットハンドのごとき把持手段によって蓋体を把持する構成や、粘着手段によって蓋体を粘着し、突棒などのごとき突き落とし手段によって粘着した蓋体を突き落とす構成とすることも可能である。すなわち、蓋体移載手段の構成としては種々の構成が採用可能なものである。
【0030】
前記蓋体移載手段53の下流側には、内包材の供給を受けた前記容器本体上に移載した蓋体を押圧する蓋体押圧手段55が備えられている。この蓋体押圧手段55は、例えばエアーシリンダ等のごときアクチュエータによって上下動されピストンロッド等のごとき上下作動杆の下端部に、前記蓋体を前記容器本体に押圧する押圧パッドを備えた構成である。したがって、蓋体押圧手段によって蓋体を前記容器本体に押圧することができ、蓋体による容器本体の蓋をより確実に行うことができ、包皮食品の製造を行うことができるものである。
【0031】
前記蓋体押圧手段55の下流側で前記駆動スプロケット5に対応した位置には、前記取り出しフィンガー25が設けてある。この取り出しフィンガー25は、前述したように、蓋体によって容器本体を蓋した構成の包皮食品を、パレット本体15の本体係合凹部19から取り出すものであって、包皮食品を、例えば箱詰めなどの次工程へ移送する次工程移送部57に設けたベース本体59に取り付けてある。
【0032】
前記取り出しフィンガー25は、前記ベース本体59から湾曲して上方向へ延伸した幅の狭い板ばね状に形成してあり、その幅寸法は、前記パレット本体15に形成した前記製品取り出し溝23の幅寸法より小さく形成してある。前記取り出しフィンガー25の先端部は、前記製品取り出し溝23に入り易い位置に位置決めしてある。すなわち、前記駆動スプロケット5の外周に沿ってエンドレスチエーン9が移動する際、前記パレット本体15が水平移動から下方向への円弧移動に変化する位置、すなわち上面が水平状態に保持されていたパレット本体15が下方向に傾斜を開始する位置であって、この傾斜を開始するときのパレット本体15の製品取り出し溝23に前記取り出しフィンガー25の先端部が入り込むように位置せしめてある。
【0033】
したがって、パレット本体15が駆動スプロケット5の外周に沿って円弧状に下降を開始するとき、前記取り出しフィンガー25の先端部が製品取出し溝23における底部27の傾斜面27Sに沿って相対的に移動することとなり、パレット本体15の相対的な移動によって本体係合凹部19内の包皮食品を相対的に押し上げ、前記取り出しフィンガー25の上面に沿って前記包皮食品を滑落し、前記次工程移送部57へ取り出すことになるものである。
【0034】
以上のごとき構成において、図1,2において左側から右方向へ間欠的に移送されるパレット本体15における本体係合凹部19に容器本体をセットすると共に蓋体係合凹部21に蓋体をセットすると、容器本体及び蓋体を備えたパレット本体15が次第に右方向へ移送される。そして、内包材供給手段41に対応する位置へ移送され停止したパレット本体15はパレット上下動手段43によって上昇され、当該パレット本体15に備えた容器本体に対して内包材の供給が行われる。
【0035】
上述のように容器本体内に内包材が供給された後、パレット本体15を下降すると、当該パレット本体15は次第に右方向へ間欠的に移送される。そして、蓋体移送手段53に対応した位置に移送され停止されると、蓋体移送手段53によって蓋体が容器本体上に移載される。その後、蓋体押圧手段55に対応する位置へ移送され停止されると、蓋体が押圧され、蓋体によって容器本体を確実に閉じた状態の包皮食品が製造される。そして、パレット本体15が駆動スプロケット5に対応した移送終端に達して水平移動から下方向への円弧移動に変化するときに、取り出しフィンガー25がパレット本体15の製品取り出し溝23に相対的に入り込み、包皮食品の取り出しが行われる。
【0036】
すなわちパレット本体15からの包皮食品の取り出しは、取り出しフィンガー25に対してパレット本体15が相対的に移動し、かつ傾斜することによって自動的に行われるものであり、包皮食品の取り出しを簡単な構成でもって容易に行うことができるものである。
【0037】
以上のごとき説明より明らかなように、前記構成によれば、パレット本体15、パレットガイド29,33の着脱が容易であって、上記パレット本体15、パレットガイド29,33の清掃は勿論のこと、前記パレット本体15の循環経路の周囲近傍の清掃が容易であり、装置全体を常に清潔に保持できるものである。また、前記構成によれば、パレット本体15における本体係合凹部19に係合した容器本体への内包材の供給時に内包材の上部を乱すことなく供給することができる。
【0038】
さらに、前記構成により、搬送方向に対して直交する方向に長いパレット本体15の間欠移動時に、パレット本体15の揺動を抑制することができ、間欠的な搬送動作を円滑に行うことができるものである。また、パレット本体15における本体係合凹部19からの製品の取出しを自動的に行うことができ、製品の取出し機構の構成の簡素化を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る包皮食品製造装置を概念的,概略的に示した正面説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る包皮食品製造装置を概念的,概略的に示した平面説明図である。
【図3】パレットの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 包皮食品製造装置
3 本体フレーム
5 駆動スプロケット
7 従動スプロケット
9 エンドレスチエーン
11 ガイドピン
13 パレット
15 パレット本体
17 係合孔
19 本体係合凹部
21 蓋体係合凹部
23 製品取り出し溝
25 取り出しフィンガー
27 底部
27S 傾斜面
29 パレットガイド
31 ピン
33 パレットガイド
35 ピン
41 内包材供給手段
43 パレット上下動手段
51 押上げ部材
53 蓋体移載手段
55 蓋体押圧手段
57 次工程移送部
59 ベース本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に走行自在なエンドレスチエーンによって搬送されるパレット本体を上記搬送方向に対して直交する方向に長く設けると共に、上記パレット本体の一端側に内包材を収容するための容器本体を係合支持する本体係合凹部を備え、前記パレット本体の他端側に、前記容器本体に対応した蓋体を係合支持する蓋体係合凹部を備え、前記本体係合凹部に係合支持された容器本体に対して内包材を供給するための内包材供給手段を備えると共に前記容器本体に対して前記蓋本体を移載する蓋体移載手段を備え、前記エンドレスチエーンの走行方向に離隔して前記エンドレスチエーンに備えた複数のガイド部材に対して前記パレット本体をそれぞれ上下動自在かつ着脱自在に備えていることを特徴とする包皮食品製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載の包皮食品製造装置において、前記内包材供給手段に対応した位置のパレット本体を上下動するためのパレット上下動手段を備えていることを特徴とする包皮食品製造装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の包皮食品製造装置において、前記パレット本体の両端側を移動自在に支持するパレットガイドを、装置本体のフレームに対して着脱自在に備えていることを特徴とする包皮食品製造装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の包皮食品製造装置に使用するパレットであって、前記エンドレスチエーンに備えた前記ガイド部材と係合離脱自在な係合孔を、パレット本体の長手方向の中央部に備え、このパレット本体の一端側に備えた本体係合凹部及び他端側に備えた蓋体係合凹部の輪郭形状は、外形形状の異なる複数の容器本体の外形を重ね合わせた輪郭の形状であることを特徴とするパレット。
【請求項5】
請求項4に記載のパレットにおいて、前記パレット本体の移動時に前記本体係合凹部に相対的に進入して製品を取り出すための取り出しフィンガーが通過可能な製品取り出し溝を、前記本体係合凹部に対応してパレット本体の長手方向に対して直交する方向に備えていることを特徴とするパレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−295409(P2008−295409A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147215(P2007−147215)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000115924)レオン自動機株式会社 (98)
【Fターム(参考)】