包被されたパイル付き隙間遮蔽材及びそれを製造する方法
柔軟性材料(14)のフィルムで構成された包被材で覆われたパイル付き隙間遮蔽材であって、該隙間遮蔽材は、バッキング材(12)上に相互に隣接する形状に形成されたパイル(10)からなる一つ又はそれ以上の列(19)を有し、包被用フィルム材料は、パイルの列(19)の外側表面と一致して、内部が完全にパイルで充満されている一つ或いは複数の球状体を規定して、単一の列(19)からなる該隙間遮蔽材は、フィルム材料(14)をその端部に沿ってパイル(10)の下端部のバッキング材(12)を超音波溶接してパイル(10)をフィルム材料(14)で包被して製造される。その後、フィルム材料(14)は、ガイド部材(88)を通過する間にパイルの周りに曲げられて行く。次いで、フィルム材料(14)は、その反対側の端部に沿ってバッキング材に接合され、隙間遮蔽材の列(19)を完全に取り囲み包被する。フィルム材料の多孔性及びパイルの密度を選択することによって望ましい圧縮特性と空気及び水の浸透を制御する制御特性を有する隙間遮蔽材が製造出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイル付き隙間遮蔽材に関するものであり、特に詳しくは、柔軟性材料で包被され、当該パイルの外周部に鞘部が形成されている1つ或いは複数のパイルを有するパイル付き隙間遮蔽材に関するものである。
【0002】
更に、本発明は、従来のパイル付き隙間遮蔽材及び発泡材製の隙間遮蔽材とが有している遮蔽特性と空気及び水浸透制御特性を持ったパイル付き隙間遮蔽材を提供するものである。
【背景技術】
【0003】
米国、ニューヨーク州、ファーミントンのウルトラファブ株式会社から実質的にかなりの量で発売されている従来のパイル付き隙間遮蔽材は、内部的及び/又は外部的なフィン部を持ったパイルからなる列を含んでいる。
【0004】
この様なパイル付き隙間遮蔽材及びそれを製造する方法は、ラリー・イー・ジョンソンに1994年8月16日に与えられた米国特許第5338382号(特許文献1)及びラリー・イー・ジョンソンに1998年9月15日に与えられた米国特許第5807451号(特許文献2)、更には、此処で参照されている文献等に開示されている。
【0005】
又、発泡材製の隙間遮蔽材或いは隙間シール材(foam weatherstripping or weatherseals)は、発泡材からなるか或いはその他の伸縮性のある材料からなる弾力性のある細帯状体を、それ単独で若しくは当該細帯状体上に吐出された低機能性を持つ薄膜の協力を得る形で、有しているものであっても良い。
【0006】
この様な発泡材若しくは弾性材からなる隙間遮蔽材及びそれを製造する方法は、メルチノーク等に1993年3月9日に与えられた米国特許第5192586号(特許文献2)及びコリアンデルに1985年9月3日に与えられた米国特許第4538380号(特許文献3)等に開示されている。
【0007】
本発明は、望ましいシーリング特性、即ち、発泡材若しくは弾性材からなるタイプの隙間遮蔽材が持つ空気及び水の浸透特性に対する完全なシールから、パイル付き隙間遮蔽材に見られる制御された水及び空気の浸透特性と分散特性に至る様なシーリング特性を持つ様に設計されたパイル付き隙間遮蔽材を提供するものである。
【0008】
それに加えて、本発明により提供される包被されるか或いは鞘部付きのパイル付き隙間遮蔽材は、又力の大きさという意味での圧縮性を有し、隙間遮蔽材を押圧し、その厚みを、発泡材若しくは弾性材からなる隙間遮蔽材と対応する、例えば、2分の1の厚み迄減少させるものである。
【0009】
本発明により提供される当該鞘部付き隙間遮蔽材の他の特徴は、シールされる面がスライドする扉及び窓の様にスライド動作を受ける場所に応用された場合の信頼性である。
【0010】
当該スライド動作が適用される際の当該パイルの圧縮性は、発泡材若しくは弾性材からなる隙間遮蔽材が、仮に当該発泡材が非粘着性(低摩擦性)の薄膜で覆われていた場合でも、被る可能性のある傷が付いたり裂け目が出来たりする危険を減少させる。
【0011】
パイル付き隙間遮蔽材は、これまでパイルの外側に球状体を持つ様に或いは当該球状体内部にパイルを持つ様に設計されてきてはいるが、調整された圧縮特性と空気及び水の浸透特性を有し、発泡材若しくは弾性材からなるシール材(バルクシール)と競争できる特性は得られていなかった。
【0012】
過去長期間に亘って、多くの球状体/パイルの設計や形状が提案されて来た。
【0013】
例えば、以下の米国特許を参照されたい。
【0014】
1880年6月8日にグラントに与えられた米国特許第228526号、1895年8月6日にホール等に与えられた米国特許第543932号、1933年6月13日にシュレーゲルに与えられた米国特許第1914217号、1961年1月17日にブライトに与えられた米国特許第2968072号、1967年12月26日にコンドルフに与えられた米国特許第3359686号、1971年9月14日にヘスに与えられた米国特許第3604153号、1973年7月10日にジョンソン等に与えられた米国特許第3745053号、1977年6月7日にリンドに与えられた米国特許第4028456号、1980年8月5日にメッツェラーに与えられた米国再発行特許第30359号、1981年12月15日にボイスに与えられた米国特許第4305984号、1981年12月22日にヤッキューに与えられた米国特許第4307139号、1982年3月9日にランドレスに与えられた米国特許第4318249号及び1982年11月9日にミスカに与えられた米国特許第4358497号等である。
【特許文献1】米国特許第5338382号公報
【特許文献2】米国特許第5192586号公報
【特許文献3】米国特許第4538380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明によれば、発泡材からなる隙間遮蔽材と競争する為及びパイル付き隙間遮蔽材のシーリング特性及び空気と水の浸透特性を向上させる為に必要で且つ望ましい特性は、従来のパイル付き隙間遮蔽材の設計では、それらがパイルの効果的な包被或いは鞘形成に欠けているので、得られない事が判明した。
【0016】
本発明によれば、パイルを包み込みそして、例えば、パイルで完全に内部を充満させた球状体を形成する様に当該パイルに合わせる柔軟性材料からなる薄膜体を使用する事は、発泡材或いは弾性材料からなる隙間遮蔽材と似た隙間遮蔽材で且つ調整され空気及び水の浸透特性と圧縮特性を有する隙間遮蔽材を提供するのに効果的であることが判明した。
【0017】
当該柔軟性の薄膜体(フィルム)は、その一方の面はシール面であり、その他方の面は当該パイルによって変形可能に支えられている。
【0018】
本発明に於ける他の具体例によれば、効果的な圧縮性と流体浸透制御は、隣接した関係で相互に近接して配置されている2つのパイル列を持ったパイル付き隙間遮蔽材で得られる。
【0019】
かかる列の一つは、当該柔軟性フィルム状部材で包被されていても良く、それは、当該1つの列のパイルによって充満されている長手方向の球状体を形成する。
【0020】
他の列は、鞘部が形成されない形で残され、従って、当該隙間遮蔽材は、発泡材と競争する面の特性とパイル側の特性とを有するものである。
【0021】
本発明の他の具体例によれば、当該パイルの双方の列は当該柔軟性のフィルム状部材により球状体内に閉じ込められている。
【0022】
かかる二重の鞘部付きパイルはシーリング及び浸透性管理特性を向上させてきた。
【0023】
本発明により得られる改良されたパイル付き隙間遮蔽材製品を製造する為の方法によれば、上記で参照したラリー・イー・ジョンソンの米国特許に示す様に、パイルは、糸を無端状のマンドレル(mandrel)又はベルト部に巻き付ける事によって形成される。
【0024】
当該フィルム状部材、好ましくは、従来のパイル付き隙間遮蔽材に於けるフィン部として使用されているフェルト化されたか、或いはフロック化された繊維材料からなるウェッブが、当該パイルと共に、当該フィルム状部材の1つの端縁部に沿って、バッキング材に取り付けられる。
【0025】
当該当接操作は、好ましくは、超音波溶接方法によるものである。
【0026】
当該フィルム状部材は、当該パイルの高さを超えて延展し、当該パイルを完全にパイルが充満した球状体に包被するために、当該フィルム状部材を巻きつかせる様に屈曲せしめられる。
【0027】
当該フィルム状部材は、次いで、再び好ましくは超音波溶接方法によって、当該パイルが突出しているバッキング材に当接せしめられる。
【0028】
当該フィルム状部材を当該マンドレルの内側に配列し、パイルを形成する糸を当該フィルム状部材の上に巻きつけることによって、所定の長さの当該フィルム状部材が、当該パイルの内部から延展し、当該パイルを相互に隣接する列に分割する。
【0029】
かかるフィルム状部材はその後、1つ或いはそれ以上の列の上方で曲げられ、包被されたパイルからなる1つの列と包被されない自由な直立するパイルからなる他の列を持ったパイル付き隙間遮蔽材或いは2個(二重)の包被されたパイルの列を持ったパイル付き隙間遮蔽材が提供される。
【0030】
従って、改良されたパイル付き隙間遮蔽材を提供すること及び当該製品の製造方法を提供する事が本発明の主な特徴である。
【0031】
本発明に於けるより特定された特徴は、パイルからなる1つの列或いは一対のパイルからなる列の一方の列或いは双方の列の周囲に鞘部形成材料或いは包被材料を有する改良されたパイル付き隙間遮蔽材を提供すると共にその製造方法も提供するものである。
【0032】
本発明に於ける更なる特徴点としては、発泡材料或いは弾性材料からなる隙間遮蔽シール材に似た特性を持ち、且つ設計可能な圧縮特性と浸透性制御特性とを有する改良されたパイル付き隙間遮蔽材を提供すると共にその製造方法も提供するものである。
【0033】
本発明に於ける上記した或いはその他の特徴及び利点及び、全ての本発明に従った隙間遮蔽材製品及びそれを製造する為の方法に関する好ましい具体例は、添付されている図面を参照しながら、以下の説明を読む事によってより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1及び図2乃至図18は、図11の断面図に示される隙間遮蔽材を製造する為の方法と当該方法を実行する為の装置を示している。
【0035】
この隙間遮蔽材は図1及びそれに関連する図面等に示されている工程の生産物である。
【0036】
当該隙間遮蔽材そのものは、糸10からなるパイルであり、当該糸は、好ましくはこれまでウルトラファブ株式会社によって製造されて来ており、且つ上記で参照したラリー・イー・ジョンソンの米国特許でも説明されている様なパイル付き隙間遮蔽材で使用されて来たタイプであるポリプロピレンからなる糸である。
【0037】
当該パイルは、連続した長さを有し、上記で参照したラリー・イー・ジョンソンの米国特許に於いて開示されている様に、好ましくは同様にポリプロピレンからなるプラスチック材料からなるバッキング材12から上方に向けて延展している。
【0038】
当該パイルはフィルム状部材14によって包み込まれ或いは包被され、ひとつの球状体(bulb)内に閉じ込められ、それによって当該パイルは当該球状体を充満させ、当該フィルム状部材14と当該パイル10との間に、特には、当該パイルの上部端部或いはトップ部16に於いて、実質的な空間部を存在させない様に構成されている。
【0039】
図1及びそれと関連する図等に示される様な製造方法の結果、当該フィン部は当該パイルの一方の端部に沿った区域(zone)18(図10)或いは領域に於いて、当該パイルの下部に延展されており、当該パイル10及び当該バッキング用細帯状部は、相互に融着によって接合されている。
【0040】
かかる融着は、超音波エネルギーの使用を通して得られるものであり、そしてそれは超音波溶接として知られているものである。
【0041】
当該フィルム状部材の他の端部20に沿った領域(図10乃至図11)は、当該パイルの周りで折り曲げられたり或いは折り畳まれ、そして好ましくは超音波溶接によって他の区域22に取り付けられる。
【0042】
図11に示される鞘付きのパイルは、当該隙間遮蔽材の長さに延展している密閉された球状体の形状を有しており、窓、扉或いはその他の部材に於けるフレーム或いはサッシに対するシールを形成するパイルの頂部近傍の表面を提供する。
【0043】
当該シーリング効果は、当該パイル10と当該フィン部材14の双方によって制御される。
【0044】
当該隙間遮蔽材の圧縮性は、当該パイル10に於ける、当該糸の密度によって制御される。
【0045】
空気及び水の浸透及び拡散特性は、当該パイルの密度及び当該フィルム状部材の多孔性及び空気と水の浸透特性を選択する事によって得る事が出来る。
【0046】
当該隙間遮蔽材製品は、空気、水の浸透性、分散性、及び圧縮性に関する特定の特性を備える様に作り変えられる事が可能であり、そうする事によって発泡材或いは弾性材からなる隙間遮蔽材シール及びパイル付き隙間遮蔽材の各特性を結合する。
【0047】
本発明の付加的な特徴は、当該フィルム状部材として積層された不織布からなる薄膜を選択する事によって当該パイルは防水性となる。
【0048】
従って、隙間遮蔽材に於けるシールのコア部(当該薄膜下の球状体)は、効果が劣化することから保護される。例えば、水が当該コア部に浸入して氷結する場合の劣化効果は、当該水が氷に変換する際に膨張する事によって当該シールが破裂する危険に曝される。
【0049】
発泡材からなるシール材は、水がその中に浸透する孔部を有しており、それ故、上記した様な破裂効果に曝される。
【0050】
本発明により提供される当該隙間遮蔽材は、その様な劣化効果に曝される事はない。
【0051】
図9を参照するならば、区域26に於いて、超音波溶接によりパイル24の底部がバッキング用細帯状体(backing strip)28に当接せしめられた糸からなるパイル24を有しているパイル付き隙間遮蔽材が示されている。
【0052】
当該パイル24(パイル列27を形成している)は、好ましくは、材料14の様なフィン部材料からなるウェッブであるフィルム状部材25によって包被されている。
【0053】
当該フィルム状部材は、当該パイルを包み込み、それによって、鞘部用フィン部材料25により閉じ込められ、包み込まれたパイルで完全に充満された球状体が形成される。
【0054】
当該パイル両側の端縁部に沿った領域30及び32は、当該包み込み用フィルム25の脚部を規定し、そしてそれらは超音波溶接によって当該バッキング28と接合されても良く、それによって図11と関連して説明されている特性と類似した特性を有する一体化された鞘部付きのパイル付き隙間遮蔽材が形成される。
【0055】
図1を参照するならば、プーリー36の周りを移動する様に駆動される無端状のマンドレル或いはベルト部34が概略的に示されている。
【0056】
同じような無端状のマンドレル或いはベルト部は、当該パイル付き隙間遮蔽材を連続的に製造する為に、上記で参照したラリー・イー・ジョンソンの特許及びその中で参照されているホルトン特許に開示されている装置で使用されている。
【0057】
同様に、これらの特許に開示されており且つ連続的なマンドレルの助けを得ながらパイル付き隙間遮蔽材を製造する為に使用されているかかる方法に有っては、当該製造方法の第1の工程は、糸を巻き上げる工程38である。
【0058】
図2に示す様に、糸はマンドレル34の周りに巻きつけられる。
【0059】
次の工程は、フィルム状部材を適用する工程であり、当該フィルム状部材は、パイル付き隙間遮蔽材内のパイルの内部及び外部を形成するフィン部に使用される材料と同一の材料で作られているので、「フィン部」と呼ばれている。
【0060】
当該フィン部と言う用語は、フィン部を設ける際に使用されるウェッブと同じウェッブを含んでいる。
【0061】
図1に示されている方法を用いて、2つの隙間遮蔽材が同時に製造される。
【0062】
それらは、製造方法の終端部に於ける製品リール40及び42上に巻き上げられる隙間遮蔽材製品である。
【0063】
工程44に於いては、当該フィン部は、図3に示す様に、ガイド部材48の協力を得て糸の上で且つ当該マンドレル34の右側部に供給される。
【0064】
当該フィン部材料は、リールから巻き戻されて当該ガイド部材48と当該マンドレル34との間の隙間部に供給され、又糸は当該マンドレル34の端部の周りに巻きつけられる。
【0065】
当該マンドレル34が、当該無端状の周回路に沿って駆動されるに連れて、当該フィン部材料を引き出し、且つ当該リールから巻き戻す為に十分な圧力とそれに関連する摩擦が存在する。
【0066】
当該フィン部14が当該ガイド部材48を離れると、当該フィン部の上にバッキング用細帯状部12が供給され、そして当該バッキング用細帯状部から突出している畝状突起部51、52によって中央部分に位置決めされる。
【0067】
図10に示す区域18に於いて、当該バッキング用細帯状部12、当該フィン部14及び当該糸10を溶融させる為のエネルギーを供給する図4に示す超音波ホーン54によって、当該マンドレル34に向けた圧力が当該バッキング用細帯状部に印加される。
【0068】
同一の連続した製造方法によって、2つ目のパイル付き隙間遮蔽材を同時に製造する為に、別のフィン部14aがガイド部材48aによって案内され、それによって当該フィン部は、図5及び図6に示す様に、図3及び図4に示される当該フィン部14に対して実質的なミラーイメージ関係となる様に、当該マンドレルの反対側に配置される。
【0069】
当該フィン部14及び14aは、長手側部或いは足部15及び15aと短小側部17及び17aとを有するものである事が判る。
【0070】
当該長手側部は、当該製造方法に於けるその後の工程で、当該パイルの周囲に於いて折り畳まれるか折り曲げられ(つまり包み込む)、領域22に於いて、図10に示す様に、外側端部20に沿って溶接され、それによって当該パイルからなる球状体或いは当該パイルの鞘部を形成する。
【0071】
工程46は、別の超音波ホーン54aによる当該フィン部14aと糸10を別のバッキング用細帯状部12aに溶接する工程を含んでいる。
【0072】
図5に示す当該フィン部を適用する工程は、図1の56で示されており、又、図6に示されている様な左側に於ける当該バッキング用細帯状部の供給及び溶接は図1の58で示されている。
【0073】
当該製造方法に於ける次の工程は、当該マンドレル34の右側の端部60及び左側の端部の近傍で当該糸を切断するものである。
【0074】
この工程は、図1の64で示されている。
【0075】
説明を簡略化する為に、当該マンドレル34の右側に於ける糸の切断のみが図7及び図8に示されている。
【0076】
当該マンドレルの左側で糸10を切断する為に、同じ構造の切断装置が、図7及び図8に示す様な右側切断装置から離れた位置で、且つ図1に於ける矢印35によって示される様に反時計方向に当該マンドレル34が移動する際の移動方向(左方向)に当該マンドレルに沿って配置されている。
【0077】
図7及び図8に示す様な装置は、原理的な部品として、カッターホイール64、66とフィンガー部68,70を有している。
【0078】
当該フィンガー部は当該糸からなるパイル10を起立させると共に当該フィン部を持ち上げる為に当該フィン部に充分に接近している。
【0079】
次いで、当該カッターホイール64は糸を切断する。当該カッターホイール64の場合には矢印64aにより示される方向に駆動され、カッターホイール66に付いては反対の方向に駆動される。
【0080】
これによって2つの部分的に完成された糸のパイルを持つ隙間遮蔽材が形成される。
【0081】
当該糸パイル10は、部分的に完成された隙間遮蔽材が、当該マンドレルから離れた後に、それぞれの部分的に完成された隙間遮蔽材中で当該パイルの列19を形成する。
【0082】
当該フィン部14、14aは、当該パイルの一方の側面に沿って延展している当該フィン部14、14aの長手方向の側部を以って、当該パイルの下方部における一側面に沿って、それぞれ個々のバッキング用細帯状部12に接合される。
【0083】
当該製造方法の次の工程に於いては、図1に示す部分的に完成された隙間遮蔽材が2つの通路67、69に沿って分離される。
【0084】
当該隙間遮蔽材を完成させる為に、当該パイルの回りに当該フィン部を包被させ且つ溶接する為に同じ様な装置及び方法が、それぞれの部分的に完成された隙間遮蔽材に適用される。
【0085】
図示を簡略化する為に、これらの同様の装置の一つのみが図10、図12から図18に示されている。
【0086】
図14に示す様に、当該バッキング用細帯状部12は、梁部或いはガイドバー部74、76の下を通過せしめられ、それによって当該パイル10と当該フィン部14がチャネル78から突出する。
【0087】
当該ガイドバー部は、図12に示される様に基板80に接合されている。
【0088】
当該ガイドバー部74、76の上部には、円筒形状のガイド部82、84が設けられている。
【0089】
これらのガイド部82、84は、当該パイルよりも高く、然しながら、当該フィン部14の直立した部分15よりも低くなるように配置されている。
【0090】
当該ガイド部82、84は、図14に示す様に、当該パイル10の頂部16と接触する様に、当該フィン部14の長い部分15を折り曲げて且つ当該パイル10の頂部やその周りを包被すると共に、それらと緊密に当接させる。
【0091】
当該ガイドバー部74、76に続いて、図13から図18に示されるテーパー化されたトンネルガイド部88が設けられている。
【0092】
係るガイド部はフランジ部89を有し、当該フランジ部89からは、当該トンネルガイド部88が、超音波ホーン(或いはヘッド)92に向かう通路に沿って後ろ向きに突出している。
【0093】
当該超音波ホーン92は、図10に示す様にチャネル部92を有している。
【0094】
当該トンネルガイド部88は、マウンティングブロック96上に当該パイル10の高さによって指定される高さに搭載されている。
【0095】
当該マウンティングブロック96は、当該テーパー化されたトンネルガイド部88を保持している。
【0096】
当該隙間遮蔽材が、当該チャネル部78を介して移動する際に、当該トンネルガイド部88は、当該ベース部材80上に当該ブロック96を調整自在に搭載するブラケット98によって当該隙間遮蔽材と軸合わせを行う。
【0097】
当該ガイド部がテーパー化されており、又当該パイル部10と軸合わせされているので、当該フィン部14の長手方向側15は、当該パイルの周りを包被し、それによって完全に当該パイルを閉じ込め、包み込み、鞘部を形成する。
【0098】
図10に示す様に、当該鞘部付きパイルは当該超音波溶接ホーン92に於けるチャネル94を介して供給される。
【0099】
当該ホーン92は軸合わせが行われており、それによって当該ホーンの右側部分は、当該フィン部部材15の端部20に沿った溶接領域22と係合し、そこで超音波エネルギーが当該ホーン92を介して供給され、当該パイル10の列19をシールして当該フィン部14内にパイルを閉じ込めた球状体に形成すると共に図11に示す様に一体化された隙間遮蔽材製品を提供する。
【0100】
図9の具体例で示される他の単独の鞘部付き隙間遮蔽材からなる列は、上述した単独の鞘部付き隙間遮蔽材からなる列と同じ様に製造されるが、然しながら、その方法に於いては、糸からなるパイル(yarn pile、以下ヤーンパイルと称する)は当該マンドレル34に巻き付けられそして当該フィン部の介在なしにバッキング用細帯状部に溶接される。
【0101】
次いで、当該カッターホイール64、66は当該ヤーンパイルを切断し、2つの部分的に完成した隙間遮蔽材を提供した後、当該フィン部材料は、装置内に挿入される以前に部分的に完成した隙間遮蔽材のそれぞれの上記で得られたパイル列の上に供給される。
【0102】
当該装置に於いては、当該フィン部材料は、部材88によって当該パイル列の周りに折り曲げられ、且つ巻き付けられ、当該パイルを閉じ込め且つ包被しているパイルで充満された球状体を形成し、その後当該フィン部材料は当該領域30、32に於いて、ホーン92のチャネル94内でバッキング用細帯状部に溶接される。
【0103】
次いで、図19乃至図26を参照するならば、図26に示される様な、当該製造方法の最終段階に於ける二列状の包被され鞘部を持つパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法が示されている。
【0104】
当該図面に示されている様に、当該隙間遮蔽材は、2つのパイルからなる列100及び102を有しており、それぞれのパイル列は、前述した図面と関連して説明した単一のパイル列からなる隙間遮蔽材に於いて使用されたフィン部材料からなるフィルム104によって完全に囲いが施され2つの球状体に構成される。
【0105】
当該鞘部を形成するフィン部材料104によって形成された当該球状体は、パイルにより、特には当該パイルの頂部で充填されており、それが窓、扉枠等の部材に対してシール面を提供し、当該部材に於いては、当該二重の鞘付き隙間遮蔽材の列によりシーリングが効果的に得られる。
【0106】
バッキング用細帯状部106は、当該フィン部104の内部ループ部の下端部に接合されると共に、当該パイル列100と102の下端部と接合される。
【0107】
この接合は、当該バッキング用細帯状部106とループ108の下端部と、そして当該パイル列の下端部とを、当該バッキング用細帯状部106の上面に沿ってその長手方向に延展されている畝状部112の間に形成されたチャネルに於ける領域110に於いて、超音波溶接するものであっても良い。
【0108】
当該フィン部104の両端縁部に沿って形成された側縁部116に近接した領域114は、好ましくは超音波溶接によって当該バッキング用細帯状部106に接合される。
【0109】
図26に示す様に、溶接ホーン(或いは溶接ヘッド)122は、チャネル或いはスロット124を有している。
【0110】
当該鞘部付きパイルからなる球状体100及び102は当該チャネル124を通過する。
【0111】
当該ホーン122は、溶接の間、超音波エネルギーを当該領域114に印加し、当該エネルギーは、当該領域と当該バッキング用細帯状部106の上面とを溶融させそして接合する。
【0112】
図19に示す方法は、2列の鞘部付き隙間遮蔽材を同時に2つ製造する為の連続的製造方法である。
【0113】
当該方法は、図1に示したマンドレル34とプーリー36に類似したプーリー132、134の周りを移動する無端状のバンド部或いはマンドレル130を使用する。
【0114】
当該フィン部或いはフィン部材料からなるウェッブ104を、当該フィン部又は当該ウェッブが隣接して配列されている2つのパイルからなる列のそれぞれの周りに巻きつかせる事が出来る様に、配置する為に、ウェッブ104と別のウェッブ104aとが当該マンドレルまで案内され、そして当該マンドレルの対向する両端部140と142の周りに折り畳まれる。
【0115】
当該ウェッブの対向する両端部116及び116aに沿った領域は図20に示す様に、相互に重なり合う関係で配置される。
【0116】
これにより図19の「マンドレル上にフィン部を配置する」と言う工程は完了する。
【0117】
図21は、次の工程での結果を示すものであって、当該工程は、当該フィン部104、104aの中央部分(当該端部116及び116aが重なり合っている部分)の上にバンド部146と148とを配置するものである。
【0118】
この工程は、図19の144で示されている。又図21に於いて、当該バンド部146と148が示されている。
【0119】
これらのバンド部は、無端状バンドであり、当該マンドレル130の周りに搭載されており、プーリー132と134により駆動される。
【0120】
図36に於いては、当該バンド部146と148の通路が当該糸の中央部分を切断するための機構と共に示されている。
【0121】
当該バンド部は、当該フィン部104、104aの重なり合っている端部領域の上に配置されている。
【0122】
当該重なり合っている両端部領域に於ける両者の関係は、反転されているものであっても良く、或いは一方の端部116の組が一方の端部116aの組の内側或いは外側にある様になっているものであっても良い。
【0123】
次の工程149は糸を巻きつける工程である。
【0124】
当該巻き付け糸は、図19の方法により同時に形成される2つの隙間遮蔽材のそれぞれに於けるパイル列100と102を形成する。
【0125】
ヤーンパイル150は当該重なり合った端部116及び116aの上に巻きつけられ、そして、フィン部104、104a(図22及び図23参照)の当該重なり合った中央領域に対して当該バンド部146と148を押し付ける。
【0126】
次の工程152に於いて、バッキング用細帯状部106、106aが当接されそしてパイルに溶接される。
【0127】
次の工程154では、図23に示す様に、当該マンドレルの上で且つ当該バンド部146、148及び当該フィン部104、104aを裏側に配して巻き付いているパイルを持つ当該マンドレルは、切断機構により切断される。
【0128】
当該切断機構は、図35から図37により完全に示されている。
【0129】
当該切断機構に於ける切断操作の間、当該バンド部上にある当該糸の中央領域が好ましくは図35乃至図37に示される様にローラー156と158単独(図23に示される)若しくは図36と図37に示されている様に、当該プーリー168と170のセットの周りを移動するゴム製Vベルト162及び166によって押し付けられる。
【0130】
当該バンド部146と148の通路は、張力付与用アイドルローラー213、215(図35及び図36参照)を周回するものである。
【0131】
当該バンド部146は、当該マンドレルプーリー132と134の周りに配置された当該マンドレル130の外側面の周りにループを形成する。
【0132】
当該ベルトの駆動は、当該バンド部146は当該マンドレル130と摩擦的に当接しているので、当該マンドレル130から得る。
【0133】
当該バンド部148は、当該プーリー170、アイドラープーリー213、及び他のアイドラープーリー217により規定されるループを形成する。
【0134】
当該糸150は、ローラー156と158によって当該バンド部146と148に対して押し付けられる。
【0135】
当該フィン部104、104aは、同様に当該バンド部146と148を介して当該ローラー156と158によって押し付けられる。
【0136】
フィンガー部171、171、174、176は、当該糸150を持ち上げて、駆動されているカッターホイール178、180、182及び184に切断可能に係合させる。
【0137】
これらのホイールは駆動シャフト186及び188と係合して回転せしめられる。
【0138】
当該カッターホイールは当該シャフト186及び188上に配置され、且つロックナット194、196により当該駆動シャフト186及び188に固定されているカラー部190、192によって保持されている。
【0139】
当該カラー部は図37に詳細に示されている。
【0140】
当該プーリー168と170は、その周りにVベルト162及び166が延展されておりそして図37に示されている様に、ベアリングスリーブ198、200上に搭載せしめることによって自由回転する様に構成されている。
【0141】
図23に示す様に、当該カッターホイールは、当該糸の中央部分を取り除くものであって、これらの中央部分は、当該切断機構の周囲に沿って運ばれ、そしてそこから排出されて、当該プーリー168と170に近接している真空ピックアップ部203、205に至り、そこでそれらが当該切断機構から取り除かれる。
【0142】
当該真空ピックアップ部203、205の配置位置は図36に示されている。
【0143】
当該中央部分が切り取られ、そして切断機構によって取り除かれた後、重なり合った所定の長さのフィン部104によって分離された2つのパイル列100、102(図24参照)を有する2つのパイル付き隙間遮蔽材が残される。
【0144】
当該フィン部104は、当該パイルの列100、102の高さよりも長く、当該パイルの列100、102の周りに丸められ、そして巻きつけられるのに十分な長さを有している。
【0145】
当該フィン部104は、図24に示す様に、当該マンドレル130から取り外される際に効果的に圧縮される。
【0146】
かかる丸め込み工程及び巻きつけ工程204、206は、当該切断工程154と当該隙間遮蔽材の分離工程の後に実行される。
【0147】
当該分離された隙間遮蔽材は、次いで図25に示す様に、ガイド部208の様な丸め込みガイド部内に供給される。
【0148】
端部領域114は、当該バッキング用細帯状部106に向けて案内され、そして図26に示す様に、溶接ヘッド部122によって、当該バッキング用細帯状部に超音波的に溶接される。
【0149】
この様にして、工程204と206とから得られた当該隙間遮蔽材は、個別に製品リール42及び40に巻き取られる。
【0150】
図説の目的で、フィン部104とバッキング用細帯状部106を有する隙間遮蔽材のみが図24乃至図26に示されているが、然しながら、図19に示す様に、これらの図面に於いて示されている操作は、当該フィン部104aとバッキング用細帯状部106aを有する隙間遮蔽材にも実行されるものである。
【0151】
図34は、2つのパイル列212と214を持った隙間遮蔽材210であって、そのうちの1つのパイル列214がフィン部材料216によって包被されている隙間遮蔽材を示している。
【0152】
当該鞘部を構成するフィン部216は完全に当該列214で充満され当該列214を包み込んでいる球状体を形成している。
【0153】
当該パイルの列212と214及び当該フィン部216は共に超音波溶接によって当該バッキング用細帯状部218に当接せしめられている。
【0154】
単一の鞘部で2重のパイル列からなる隙間遮蔽材を製造する方法は、図26に示す、当該パイル列100と102の双方が鞘部を有している隙間遮蔽材を製造する方法と類似している。
【0155】
単一の鞘部を有する列からなる隙間遮蔽材210に於いて、フィン部材料216及び216aからなる、重なり合ったウェッブは、図27に示す様に、無端状のバンド部或いはマンドレル230上に配置された際には、J字型部を形成している。
【0156】
図28に示す様に、当該バンド部232、234は、当該マンドレル230に対して当該フィン部材料216及び216aの中央部分を押圧して把持する。
【0157】
図29に示す様に、当該ヤーンパイル233は当該フィン部216、216a及び当該バンド部232、234の上で当該マンドレル230に巻き付けられる。
【0158】
当該バッキング用細帯状部218、218aは、次いで、当該隙間遮蔽材218、218aを当該フィン部216、216a及び当該ヤーンパイル233の端部に当接させる事によって、当該隙間遮蔽材の端部に溶接される。
【0159】
当接された溶接隙間遮蔽材を有する当該マンドレルは、次いで図36及び図37に関係する機構と同じ切断機構に移動する。切断されようとする当該隙間遮蔽材は図31に示されている。
【0160】
切断が完了した後、当該隙間遮蔽材は分離され、そこで当該分離された隙間遮蔽材はそれぞれが直立したフィン部216を有する図32に示された様な構造を示す。
【0161】
当該フィン部は次の工程に於いて、パイル列214の回りで丸められ、当該パイル列214を包被し、そして当該外側の端部領域219はガイド部材208と同じガイド部材を使用して当該パイル列214の外側部で当該バッキング用細帯状部218に溶接される。
【0162】
当該丸め込み及び溶接工程に入る当該隙間遮蔽材210は図32に示されている。
【0163】
図33は、丸め込まれている当該フィン部216を有する隙間遮蔽材210を示している。
【0164】
最終的な一つの鞘部を有する列からなる隙間遮蔽材210は図34に示されている。
【0165】
図示の目的で、当該フィン部216と218を有する唯一つの隙間遮蔽材が図32乃至図34に示されており、そして図32乃至図34に示されていると同様の操作がフィン部216aとバッキング用細帯状部218aを有する隙間遮蔽材にも実行される。
【0166】
図9(単一の鞘部を有するパイル列)、図11(単一の鞘部を有するパイル列)、図26(2本の鞘部付きのパイル列)及び図34(二本のパイル列で一方のパイル列は鞘部を有し、他方は鞘部がない)等の互いに異なる具体例による完成した隙間遮蔽材製品は、当該柔軟性を持ったフィン部材料のパイル密度や多孔性、及び空気及び水の浸透特性を選択することによってえ得られる空気及び水の浸透特性及び分散特性を有しているものである。
【0167】
当該隙間遮蔽材製品は、空気及び水の浸透特性及び分散特性及び圧縮特性に関して特定の特性を有する様に調整する事が出来る。
【0168】
そして、そうする事によって、発泡材或いは弾性材料からなる隙間シール材及びパイル付き隙間遮蔽材がそれぞれ持つ特性を結合する事が出来る。
【0169】
更に、当該フィン部材料の為に繊維織物或いはウェッブの代わりに、ラミネートされた不織布からなる薄膜材を選択する事により、本具体例に於ける当該球状体を形成する当該フィン部材用内の当該パイル列は防水性を持つものとする事が出来る。
【0170】
上記した説明から、一つ或いは複数の鞘部を有するパイルからなる列を有する改良されたパイル付き隙間遮蔽材が提供される事は明らかである。
【0171】
上記で説明したパイル付き隙間遮蔽材の変更或いは改良である他の具体例及び当該製品の製造方法に於ける改良は、当業者にとって疑いなしに明らかである。
従って、上記した記述は、説明のためのものであって、如何なる限定の意味での説明ではない事と理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】図1は、本発明に於ける第1の具体例にかかるパイル付き隙間遮蔽材を製造する為の方法を示す工程ダイアグラムである。 尚、図1に示されている各図番号は、以下に示される通り、当該方法が実行されるそれぞれの工程としての製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面を示している。
【図2】図2は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図3】図3は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図4】図4は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図5】図5は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図6】図6は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図7】図7は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図8】図8は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図9】図9は、当該隙間遮蔽材製品の他の具体例を示す図である。
【図10】図10は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図11】図11は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図12】図12は、フィン部材料からなるウェッブにより供給されたフィルム状部材を曲げ、それによって当該パイルを取り込む為に丸めそして包被し、その後当該フィン部を溶接する為の装置を示す斜視図である。
【図13】図13は、当該パイルの周囲に当該フィン部材料からなるフィルム状部材を曲げそして包被するためのガイド部材を示す図である。
【図13A】図13Aは、図13の側面図である。
【図14】図14は、図12に示す包み込み機構前方端部を説明する図である。
【図15】図15から図18は、当該パイルの周囲に当該フィン部材料からなるフィルム状部材を曲げそして包被するためのガイド部材を示す断面図であって、図13Aに於ける線15−15、16−16、17−17、18−18に沿ってそれぞれ見た断面図である。
【図16】図16は、当該パイルの周囲に当該フィン部材料からなるフィルム状部材を曲げそして包被するためのガイド部材を示す断面図であって、図13Aに於ける線16−16に沿ってそれぞれ見た断面図である。
【図17】図17は、当該パイルの周囲に当該フィン部材料からなるフィルム状部材を曲げそして包被するためのガイド部材を示す断面図であって、図13Aに於ける線17−17に沿ってそれぞれ見た断面図である。
【図18】図18は、当該パイルの周囲に当該フィン部材料からなるフィルム状部材を曲げそして包被するためのガイド部材を示す断面図であって、図13Aに於ける線18−18に沿ってそれぞれ見た断面図である。
【図19】図19は、図1に類似した工程ダイアグラムであって、柔軟性のフィン部材料からなるウェッブにより供給されたフィルム状部材によって包被され鞘部が形成された2つの平行に配置されたパイルの列を有する本発明の更に別の具体例であるパイル付き隙間遮蔽材を製造する為の方法に於けるそれぞれの工程を示す図である。 当該図19に示されている図番は、以下に示す様に、本具体例の方法に従った製造方法のそれぞれの段階に於ける隙間遮蔽材を示している。
【図20】図20から図26は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図21】図21は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図22】図22は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図23】図23は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図24】図24は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図25】図25は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図26】図26は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図27】図27から図34は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図28】図28は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図29】図29は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図30】図30は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図31】図31は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図32】図32は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図33】図33は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図34】図34は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図35】図35は、当該糸を切断し、一方当該パイルの列又は複数の列の周りに巻きつけるのに利用できる柔軟性のフィルム状部材を残す為の機構に於けるベルト或いはバンド部の原理的な通路を簡略化された概略形式で示した図である。
【図36】図36は、図35に示されている切断機構の拡大図である。
【図37】図37は、図36に示されている機構の断面図であり、当該断面は、図36の線37−37に沿って見た図である。
【符号の説明】
【0173】
10、24 パイル
12、28 バッキング用細帯状部
14、25 フィン部
19、27 パイル列
34 マンドレル、ベルト部
48 ガイド部材
51、52 畝状部
64,66 カッターホイール
68 フィンガー部
92 超音波溶接ホーン部
146 バンド部
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイル付き隙間遮蔽材に関するものであり、特に詳しくは、柔軟性材料で包被され、当該パイルの外周部に鞘部が形成されている1つ或いは複数のパイルを有するパイル付き隙間遮蔽材に関するものである。
【0002】
更に、本発明は、従来のパイル付き隙間遮蔽材及び発泡材製の隙間遮蔽材とが有している遮蔽特性と空気及び水浸透制御特性を持ったパイル付き隙間遮蔽材を提供するものである。
【背景技術】
【0003】
米国、ニューヨーク州、ファーミントンのウルトラファブ株式会社から実質的にかなりの量で発売されている従来のパイル付き隙間遮蔽材は、内部的及び/又は外部的なフィン部を持ったパイルからなる列を含んでいる。
【0004】
この様なパイル付き隙間遮蔽材及びそれを製造する方法は、ラリー・イー・ジョンソンに1994年8月16日に与えられた米国特許第5338382号(特許文献1)及びラリー・イー・ジョンソンに1998年9月15日に与えられた米国特許第5807451号(特許文献2)、更には、此処で参照されている文献等に開示されている。
【0005】
又、発泡材製の隙間遮蔽材或いは隙間シール材(foam weatherstripping or weatherseals)は、発泡材からなるか或いはその他の伸縮性のある材料からなる弾力性のある細帯状体を、それ単独で若しくは当該細帯状体上に吐出された低機能性を持つ薄膜の協力を得る形で、有しているものであっても良い。
【0006】
この様な発泡材若しくは弾性材からなる隙間遮蔽材及びそれを製造する方法は、メルチノーク等に1993年3月9日に与えられた米国特許第5192586号(特許文献2)及びコリアンデルに1985年9月3日に与えられた米国特許第4538380号(特許文献3)等に開示されている。
【0007】
本発明は、望ましいシーリング特性、即ち、発泡材若しくは弾性材からなるタイプの隙間遮蔽材が持つ空気及び水の浸透特性に対する完全なシールから、パイル付き隙間遮蔽材に見られる制御された水及び空気の浸透特性と分散特性に至る様なシーリング特性を持つ様に設計されたパイル付き隙間遮蔽材を提供するものである。
【0008】
それに加えて、本発明により提供される包被されるか或いは鞘部付きのパイル付き隙間遮蔽材は、又力の大きさという意味での圧縮性を有し、隙間遮蔽材を押圧し、その厚みを、発泡材若しくは弾性材からなる隙間遮蔽材と対応する、例えば、2分の1の厚み迄減少させるものである。
【0009】
本発明により提供される当該鞘部付き隙間遮蔽材の他の特徴は、シールされる面がスライドする扉及び窓の様にスライド動作を受ける場所に応用された場合の信頼性である。
【0010】
当該スライド動作が適用される際の当該パイルの圧縮性は、発泡材若しくは弾性材からなる隙間遮蔽材が、仮に当該発泡材が非粘着性(低摩擦性)の薄膜で覆われていた場合でも、被る可能性のある傷が付いたり裂け目が出来たりする危険を減少させる。
【0011】
パイル付き隙間遮蔽材は、これまでパイルの外側に球状体を持つ様に或いは当該球状体内部にパイルを持つ様に設計されてきてはいるが、調整された圧縮特性と空気及び水の浸透特性を有し、発泡材若しくは弾性材からなるシール材(バルクシール)と競争できる特性は得られていなかった。
【0012】
過去長期間に亘って、多くの球状体/パイルの設計や形状が提案されて来た。
【0013】
例えば、以下の米国特許を参照されたい。
【0014】
1880年6月8日にグラントに与えられた米国特許第228526号、1895年8月6日にホール等に与えられた米国特許第543932号、1933年6月13日にシュレーゲルに与えられた米国特許第1914217号、1961年1月17日にブライトに与えられた米国特許第2968072号、1967年12月26日にコンドルフに与えられた米国特許第3359686号、1971年9月14日にヘスに与えられた米国特許第3604153号、1973年7月10日にジョンソン等に与えられた米国特許第3745053号、1977年6月7日にリンドに与えられた米国特許第4028456号、1980年8月5日にメッツェラーに与えられた米国再発行特許第30359号、1981年12月15日にボイスに与えられた米国特許第4305984号、1981年12月22日にヤッキューに与えられた米国特許第4307139号、1982年3月9日にランドレスに与えられた米国特許第4318249号及び1982年11月9日にミスカに与えられた米国特許第4358497号等である。
【特許文献1】米国特許第5338382号公報
【特許文献2】米国特許第5192586号公報
【特許文献3】米国特許第4538380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明によれば、発泡材からなる隙間遮蔽材と競争する為及びパイル付き隙間遮蔽材のシーリング特性及び空気と水の浸透特性を向上させる為に必要で且つ望ましい特性は、従来のパイル付き隙間遮蔽材の設計では、それらがパイルの効果的な包被或いは鞘形成に欠けているので、得られない事が判明した。
【0016】
本発明によれば、パイルを包み込みそして、例えば、パイルで完全に内部を充満させた球状体を形成する様に当該パイルに合わせる柔軟性材料からなる薄膜体を使用する事は、発泡材或いは弾性材料からなる隙間遮蔽材と似た隙間遮蔽材で且つ調整され空気及び水の浸透特性と圧縮特性を有する隙間遮蔽材を提供するのに効果的であることが判明した。
【0017】
当該柔軟性の薄膜体(フィルム)は、その一方の面はシール面であり、その他方の面は当該パイルによって変形可能に支えられている。
【0018】
本発明に於ける他の具体例によれば、効果的な圧縮性と流体浸透制御は、隣接した関係で相互に近接して配置されている2つのパイル列を持ったパイル付き隙間遮蔽材で得られる。
【0019】
かかる列の一つは、当該柔軟性フィルム状部材で包被されていても良く、それは、当該1つの列のパイルによって充満されている長手方向の球状体を形成する。
【0020】
他の列は、鞘部が形成されない形で残され、従って、当該隙間遮蔽材は、発泡材と競争する面の特性とパイル側の特性とを有するものである。
【0021】
本発明の他の具体例によれば、当該パイルの双方の列は当該柔軟性のフィルム状部材により球状体内に閉じ込められている。
【0022】
かかる二重の鞘部付きパイルはシーリング及び浸透性管理特性を向上させてきた。
【0023】
本発明により得られる改良されたパイル付き隙間遮蔽材製品を製造する為の方法によれば、上記で参照したラリー・イー・ジョンソンの米国特許に示す様に、パイルは、糸を無端状のマンドレル(mandrel)又はベルト部に巻き付ける事によって形成される。
【0024】
当該フィルム状部材、好ましくは、従来のパイル付き隙間遮蔽材に於けるフィン部として使用されているフェルト化されたか、或いはフロック化された繊維材料からなるウェッブが、当該パイルと共に、当該フィルム状部材の1つの端縁部に沿って、バッキング材に取り付けられる。
【0025】
当該当接操作は、好ましくは、超音波溶接方法によるものである。
【0026】
当該フィルム状部材は、当該パイルの高さを超えて延展し、当該パイルを完全にパイルが充満した球状体に包被するために、当該フィルム状部材を巻きつかせる様に屈曲せしめられる。
【0027】
当該フィルム状部材は、次いで、再び好ましくは超音波溶接方法によって、当該パイルが突出しているバッキング材に当接せしめられる。
【0028】
当該フィルム状部材を当該マンドレルの内側に配列し、パイルを形成する糸を当該フィルム状部材の上に巻きつけることによって、所定の長さの当該フィルム状部材が、当該パイルの内部から延展し、当該パイルを相互に隣接する列に分割する。
【0029】
かかるフィルム状部材はその後、1つ或いはそれ以上の列の上方で曲げられ、包被されたパイルからなる1つの列と包被されない自由な直立するパイルからなる他の列を持ったパイル付き隙間遮蔽材或いは2個(二重)の包被されたパイルの列を持ったパイル付き隙間遮蔽材が提供される。
【0030】
従って、改良されたパイル付き隙間遮蔽材を提供すること及び当該製品の製造方法を提供する事が本発明の主な特徴である。
【0031】
本発明に於けるより特定された特徴は、パイルからなる1つの列或いは一対のパイルからなる列の一方の列或いは双方の列の周囲に鞘部形成材料或いは包被材料を有する改良されたパイル付き隙間遮蔽材を提供すると共にその製造方法も提供するものである。
【0032】
本発明に於ける更なる特徴点としては、発泡材料或いは弾性材料からなる隙間遮蔽シール材に似た特性を持ち、且つ設計可能な圧縮特性と浸透性制御特性とを有する改良されたパイル付き隙間遮蔽材を提供すると共にその製造方法も提供するものである。
【0033】
本発明に於ける上記した或いはその他の特徴及び利点及び、全ての本発明に従った隙間遮蔽材製品及びそれを製造する為の方法に関する好ましい具体例は、添付されている図面を参照しながら、以下の説明を読む事によってより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1及び図2乃至図18は、図11の断面図に示される隙間遮蔽材を製造する為の方法と当該方法を実行する為の装置を示している。
【0035】
この隙間遮蔽材は図1及びそれに関連する図面等に示されている工程の生産物である。
【0036】
当該隙間遮蔽材そのものは、糸10からなるパイルであり、当該糸は、好ましくはこれまでウルトラファブ株式会社によって製造されて来ており、且つ上記で参照したラリー・イー・ジョンソンの米国特許でも説明されている様なパイル付き隙間遮蔽材で使用されて来たタイプであるポリプロピレンからなる糸である。
【0037】
当該パイルは、連続した長さを有し、上記で参照したラリー・イー・ジョンソンの米国特許に於いて開示されている様に、好ましくは同様にポリプロピレンからなるプラスチック材料からなるバッキング材12から上方に向けて延展している。
【0038】
当該パイルはフィルム状部材14によって包み込まれ或いは包被され、ひとつの球状体(bulb)内に閉じ込められ、それによって当該パイルは当該球状体を充満させ、当該フィルム状部材14と当該パイル10との間に、特には、当該パイルの上部端部或いはトップ部16に於いて、実質的な空間部を存在させない様に構成されている。
【0039】
図1及びそれと関連する図等に示される様な製造方法の結果、当該フィン部は当該パイルの一方の端部に沿った区域(zone)18(図10)或いは領域に於いて、当該パイルの下部に延展されており、当該パイル10及び当該バッキング用細帯状部は、相互に融着によって接合されている。
【0040】
かかる融着は、超音波エネルギーの使用を通して得られるものであり、そしてそれは超音波溶接として知られているものである。
【0041】
当該フィルム状部材の他の端部20に沿った領域(図10乃至図11)は、当該パイルの周りで折り曲げられたり或いは折り畳まれ、そして好ましくは超音波溶接によって他の区域22に取り付けられる。
【0042】
図11に示される鞘付きのパイルは、当該隙間遮蔽材の長さに延展している密閉された球状体の形状を有しており、窓、扉或いはその他の部材に於けるフレーム或いはサッシに対するシールを形成するパイルの頂部近傍の表面を提供する。
【0043】
当該シーリング効果は、当該パイル10と当該フィン部材14の双方によって制御される。
【0044】
当該隙間遮蔽材の圧縮性は、当該パイル10に於ける、当該糸の密度によって制御される。
【0045】
空気及び水の浸透及び拡散特性は、当該パイルの密度及び当該フィルム状部材の多孔性及び空気と水の浸透特性を選択する事によって得る事が出来る。
【0046】
当該隙間遮蔽材製品は、空気、水の浸透性、分散性、及び圧縮性に関する特定の特性を備える様に作り変えられる事が可能であり、そうする事によって発泡材或いは弾性材からなる隙間遮蔽材シール及びパイル付き隙間遮蔽材の各特性を結合する。
【0047】
本発明の付加的な特徴は、当該フィルム状部材として積層された不織布からなる薄膜を選択する事によって当該パイルは防水性となる。
【0048】
従って、隙間遮蔽材に於けるシールのコア部(当該薄膜下の球状体)は、効果が劣化することから保護される。例えば、水が当該コア部に浸入して氷結する場合の劣化効果は、当該水が氷に変換する際に膨張する事によって当該シールが破裂する危険に曝される。
【0049】
発泡材からなるシール材は、水がその中に浸透する孔部を有しており、それ故、上記した様な破裂効果に曝される。
【0050】
本発明により提供される当該隙間遮蔽材は、その様な劣化効果に曝される事はない。
【0051】
図9を参照するならば、区域26に於いて、超音波溶接によりパイル24の底部がバッキング用細帯状体(backing strip)28に当接せしめられた糸からなるパイル24を有しているパイル付き隙間遮蔽材が示されている。
【0052】
当該パイル24(パイル列27を形成している)は、好ましくは、材料14の様なフィン部材料からなるウェッブであるフィルム状部材25によって包被されている。
【0053】
当該フィルム状部材は、当該パイルを包み込み、それによって、鞘部用フィン部材料25により閉じ込められ、包み込まれたパイルで完全に充満された球状体が形成される。
【0054】
当該パイル両側の端縁部に沿った領域30及び32は、当該包み込み用フィルム25の脚部を規定し、そしてそれらは超音波溶接によって当該バッキング28と接合されても良く、それによって図11と関連して説明されている特性と類似した特性を有する一体化された鞘部付きのパイル付き隙間遮蔽材が形成される。
【0055】
図1を参照するならば、プーリー36の周りを移動する様に駆動される無端状のマンドレル或いはベルト部34が概略的に示されている。
【0056】
同じような無端状のマンドレル或いはベルト部は、当該パイル付き隙間遮蔽材を連続的に製造する為に、上記で参照したラリー・イー・ジョンソンの特許及びその中で参照されているホルトン特許に開示されている装置で使用されている。
【0057】
同様に、これらの特許に開示されており且つ連続的なマンドレルの助けを得ながらパイル付き隙間遮蔽材を製造する為に使用されているかかる方法に有っては、当該製造方法の第1の工程は、糸を巻き上げる工程38である。
【0058】
図2に示す様に、糸はマンドレル34の周りに巻きつけられる。
【0059】
次の工程は、フィルム状部材を適用する工程であり、当該フィルム状部材は、パイル付き隙間遮蔽材内のパイルの内部及び外部を形成するフィン部に使用される材料と同一の材料で作られているので、「フィン部」と呼ばれている。
【0060】
当該フィン部と言う用語は、フィン部を設ける際に使用されるウェッブと同じウェッブを含んでいる。
【0061】
図1に示されている方法を用いて、2つの隙間遮蔽材が同時に製造される。
【0062】
それらは、製造方法の終端部に於ける製品リール40及び42上に巻き上げられる隙間遮蔽材製品である。
【0063】
工程44に於いては、当該フィン部は、図3に示す様に、ガイド部材48の協力を得て糸の上で且つ当該マンドレル34の右側部に供給される。
【0064】
当該フィン部材料は、リールから巻き戻されて当該ガイド部材48と当該マンドレル34との間の隙間部に供給され、又糸は当該マンドレル34の端部の周りに巻きつけられる。
【0065】
当該マンドレル34が、当該無端状の周回路に沿って駆動されるに連れて、当該フィン部材料を引き出し、且つ当該リールから巻き戻す為に十分な圧力とそれに関連する摩擦が存在する。
【0066】
当該フィン部14が当該ガイド部材48を離れると、当該フィン部の上にバッキング用細帯状部12が供給され、そして当該バッキング用細帯状部から突出している畝状突起部51、52によって中央部分に位置決めされる。
【0067】
図10に示す区域18に於いて、当該バッキング用細帯状部12、当該フィン部14及び当該糸10を溶融させる為のエネルギーを供給する図4に示す超音波ホーン54によって、当該マンドレル34に向けた圧力が当該バッキング用細帯状部に印加される。
【0068】
同一の連続した製造方法によって、2つ目のパイル付き隙間遮蔽材を同時に製造する為に、別のフィン部14aがガイド部材48aによって案内され、それによって当該フィン部は、図5及び図6に示す様に、図3及び図4に示される当該フィン部14に対して実質的なミラーイメージ関係となる様に、当該マンドレルの反対側に配置される。
【0069】
当該フィン部14及び14aは、長手側部或いは足部15及び15aと短小側部17及び17aとを有するものである事が判る。
【0070】
当該長手側部は、当該製造方法に於けるその後の工程で、当該パイルの周囲に於いて折り畳まれるか折り曲げられ(つまり包み込む)、領域22に於いて、図10に示す様に、外側端部20に沿って溶接され、それによって当該パイルからなる球状体或いは当該パイルの鞘部を形成する。
【0071】
工程46は、別の超音波ホーン54aによる当該フィン部14aと糸10を別のバッキング用細帯状部12aに溶接する工程を含んでいる。
【0072】
図5に示す当該フィン部を適用する工程は、図1の56で示されており、又、図6に示されている様な左側に於ける当該バッキング用細帯状部の供給及び溶接は図1の58で示されている。
【0073】
当該製造方法に於ける次の工程は、当該マンドレル34の右側の端部60及び左側の端部の近傍で当該糸を切断するものである。
【0074】
この工程は、図1の64で示されている。
【0075】
説明を簡略化する為に、当該マンドレル34の右側に於ける糸の切断のみが図7及び図8に示されている。
【0076】
当該マンドレルの左側で糸10を切断する為に、同じ構造の切断装置が、図7及び図8に示す様な右側切断装置から離れた位置で、且つ図1に於ける矢印35によって示される様に反時計方向に当該マンドレル34が移動する際の移動方向(左方向)に当該マンドレルに沿って配置されている。
【0077】
図7及び図8に示す様な装置は、原理的な部品として、カッターホイール64、66とフィンガー部68,70を有している。
【0078】
当該フィンガー部は当該糸からなるパイル10を起立させると共に当該フィン部を持ち上げる為に当該フィン部に充分に接近している。
【0079】
次いで、当該カッターホイール64は糸を切断する。当該カッターホイール64の場合には矢印64aにより示される方向に駆動され、カッターホイール66に付いては反対の方向に駆動される。
【0080】
これによって2つの部分的に完成された糸のパイルを持つ隙間遮蔽材が形成される。
【0081】
当該糸パイル10は、部分的に完成された隙間遮蔽材が、当該マンドレルから離れた後に、それぞれの部分的に完成された隙間遮蔽材中で当該パイルの列19を形成する。
【0082】
当該フィン部14、14aは、当該パイルの一方の側面に沿って延展している当該フィン部14、14aの長手方向の側部を以って、当該パイルの下方部における一側面に沿って、それぞれ個々のバッキング用細帯状部12に接合される。
【0083】
当該製造方法の次の工程に於いては、図1に示す部分的に完成された隙間遮蔽材が2つの通路67、69に沿って分離される。
【0084】
当該隙間遮蔽材を完成させる為に、当該パイルの回りに当該フィン部を包被させ且つ溶接する為に同じ様な装置及び方法が、それぞれの部分的に完成された隙間遮蔽材に適用される。
【0085】
図示を簡略化する為に、これらの同様の装置の一つのみが図10、図12から図18に示されている。
【0086】
図14に示す様に、当該バッキング用細帯状部12は、梁部或いはガイドバー部74、76の下を通過せしめられ、それによって当該パイル10と当該フィン部14がチャネル78から突出する。
【0087】
当該ガイドバー部は、図12に示される様に基板80に接合されている。
【0088】
当該ガイドバー部74、76の上部には、円筒形状のガイド部82、84が設けられている。
【0089】
これらのガイド部82、84は、当該パイルよりも高く、然しながら、当該フィン部14の直立した部分15よりも低くなるように配置されている。
【0090】
当該ガイド部82、84は、図14に示す様に、当該パイル10の頂部16と接触する様に、当該フィン部14の長い部分15を折り曲げて且つ当該パイル10の頂部やその周りを包被すると共に、それらと緊密に当接させる。
【0091】
当該ガイドバー部74、76に続いて、図13から図18に示されるテーパー化されたトンネルガイド部88が設けられている。
【0092】
係るガイド部はフランジ部89を有し、当該フランジ部89からは、当該トンネルガイド部88が、超音波ホーン(或いはヘッド)92に向かう通路に沿って後ろ向きに突出している。
【0093】
当該超音波ホーン92は、図10に示す様にチャネル部92を有している。
【0094】
当該トンネルガイド部88は、マウンティングブロック96上に当該パイル10の高さによって指定される高さに搭載されている。
【0095】
当該マウンティングブロック96は、当該テーパー化されたトンネルガイド部88を保持している。
【0096】
当該隙間遮蔽材が、当該チャネル部78を介して移動する際に、当該トンネルガイド部88は、当該ベース部材80上に当該ブロック96を調整自在に搭載するブラケット98によって当該隙間遮蔽材と軸合わせを行う。
【0097】
当該ガイド部がテーパー化されており、又当該パイル部10と軸合わせされているので、当該フィン部14の長手方向側15は、当該パイルの周りを包被し、それによって完全に当該パイルを閉じ込め、包み込み、鞘部を形成する。
【0098】
図10に示す様に、当該鞘部付きパイルは当該超音波溶接ホーン92に於けるチャネル94を介して供給される。
【0099】
当該ホーン92は軸合わせが行われており、それによって当該ホーンの右側部分は、当該フィン部部材15の端部20に沿った溶接領域22と係合し、そこで超音波エネルギーが当該ホーン92を介して供給され、当該パイル10の列19をシールして当該フィン部14内にパイルを閉じ込めた球状体に形成すると共に図11に示す様に一体化された隙間遮蔽材製品を提供する。
【0100】
図9の具体例で示される他の単独の鞘部付き隙間遮蔽材からなる列は、上述した単独の鞘部付き隙間遮蔽材からなる列と同じ様に製造されるが、然しながら、その方法に於いては、糸からなるパイル(yarn pile、以下ヤーンパイルと称する)は当該マンドレル34に巻き付けられそして当該フィン部の介在なしにバッキング用細帯状部に溶接される。
【0101】
次いで、当該カッターホイール64、66は当該ヤーンパイルを切断し、2つの部分的に完成した隙間遮蔽材を提供した後、当該フィン部材料は、装置内に挿入される以前に部分的に完成した隙間遮蔽材のそれぞれの上記で得られたパイル列の上に供給される。
【0102】
当該装置に於いては、当該フィン部材料は、部材88によって当該パイル列の周りに折り曲げられ、且つ巻き付けられ、当該パイルを閉じ込め且つ包被しているパイルで充満された球状体を形成し、その後当該フィン部材料は当該領域30、32に於いて、ホーン92のチャネル94内でバッキング用細帯状部に溶接される。
【0103】
次いで、図19乃至図26を参照するならば、図26に示される様な、当該製造方法の最終段階に於ける二列状の包被され鞘部を持つパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法が示されている。
【0104】
当該図面に示されている様に、当該隙間遮蔽材は、2つのパイルからなる列100及び102を有しており、それぞれのパイル列は、前述した図面と関連して説明した単一のパイル列からなる隙間遮蔽材に於いて使用されたフィン部材料からなるフィルム104によって完全に囲いが施され2つの球状体に構成される。
【0105】
当該鞘部を形成するフィン部材料104によって形成された当該球状体は、パイルにより、特には当該パイルの頂部で充填されており、それが窓、扉枠等の部材に対してシール面を提供し、当該部材に於いては、当該二重の鞘付き隙間遮蔽材の列によりシーリングが効果的に得られる。
【0106】
バッキング用細帯状部106は、当該フィン部104の内部ループ部の下端部に接合されると共に、当該パイル列100と102の下端部と接合される。
【0107】
この接合は、当該バッキング用細帯状部106とループ108の下端部と、そして当該パイル列の下端部とを、当該バッキング用細帯状部106の上面に沿ってその長手方向に延展されている畝状部112の間に形成されたチャネルに於ける領域110に於いて、超音波溶接するものであっても良い。
【0108】
当該フィン部104の両端縁部に沿って形成された側縁部116に近接した領域114は、好ましくは超音波溶接によって当該バッキング用細帯状部106に接合される。
【0109】
図26に示す様に、溶接ホーン(或いは溶接ヘッド)122は、チャネル或いはスロット124を有している。
【0110】
当該鞘部付きパイルからなる球状体100及び102は当該チャネル124を通過する。
【0111】
当該ホーン122は、溶接の間、超音波エネルギーを当該領域114に印加し、当該エネルギーは、当該領域と当該バッキング用細帯状部106の上面とを溶融させそして接合する。
【0112】
図19に示す方法は、2列の鞘部付き隙間遮蔽材を同時に2つ製造する為の連続的製造方法である。
【0113】
当該方法は、図1に示したマンドレル34とプーリー36に類似したプーリー132、134の周りを移動する無端状のバンド部或いはマンドレル130を使用する。
【0114】
当該フィン部或いはフィン部材料からなるウェッブ104を、当該フィン部又は当該ウェッブが隣接して配列されている2つのパイルからなる列のそれぞれの周りに巻きつかせる事が出来る様に、配置する為に、ウェッブ104と別のウェッブ104aとが当該マンドレルまで案内され、そして当該マンドレルの対向する両端部140と142の周りに折り畳まれる。
【0115】
当該ウェッブの対向する両端部116及び116aに沿った領域は図20に示す様に、相互に重なり合う関係で配置される。
【0116】
これにより図19の「マンドレル上にフィン部を配置する」と言う工程は完了する。
【0117】
図21は、次の工程での結果を示すものであって、当該工程は、当該フィン部104、104aの中央部分(当該端部116及び116aが重なり合っている部分)の上にバンド部146と148とを配置するものである。
【0118】
この工程は、図19の144で示されている。又図21に於いて、当該バンド部146と148が示されている。
【0119】
これらのバンド部は、無端状バンドであり、当該マンドレル130の周りに搭載されており、プーリー132と134により駆動される。
【0120】
図36に於いては、当該バンド部146と148の通路が当該糸の中央部分を切断するための機構と共に示されている。
【0121】
当該バンド部は、当該フィン部104、104aの重なり合っている端部領域の上に配置されている。
【0122】
当該重なり合っている両端部領域に於ける両者の関係は、反転されているものであっても良く、或いは一方の端部116の組が一方の端部116aの組の内側或いは外側にある様になっているものであっても良い。
【0123】
次の工程149は糸を巻きつける工程である。
【0124】
当該巻き付け糸は、図19の方法により同時に形成される2つの隙間遮蔽材のそれぞれに於けるパイル列100と102を形成する。
【0125】
ヤーンパイル150は当該重なり合った端部116及び116aの上に巻きつけられ、そして、フィン部104、104a(図22及び図23参照)の当該重なり合った中央領域に対して当該バンド部146と148を押し付ける。
【0126】
次の工程152に於いて、バッキング用細帯状部106、106aが当接されそしてパイルに溶接される。
【0127】
次の工程154では、図23に示す様に、当該マンドレルの上で且つ当該バンド部146、148及び当該フィン部104、104aを裏側に配して巻き付いているパイルを持つ当該マンドレルは、切断機構により切断される。
【0128】
当該切断機構は、図35から図37により完全に示されている。
【0129】
当該切断機構に於ける切断操作の間、当該バンド部上にある当該糸の中央領域が好ましくは図35乃至図37に示される様にローラー156と158単独(図23に示される)若しくは図36と図37に示されている様に、当該プーリー168と170のセットの周りを移動するゴム製Vベルト162及び166によって押し付けられる。
【0130】
当該バンド部146と148の通路は、張力付与用アイドルローラー213、215(図35及び図36参照)を周回するものである。
【0131】
当該バンド部146は、当該マンドレルプーリー132と134の周りに配置された当該マンドレル130の外側面の周りにループを形成する。
【0132】
当該ベルトの駆動は、当該バンド部146は当該マンドレル130と摩擦的に当接しているので、当該マンドレル130から得る。
【0133】
当該バンド部148は、当該プーリー170、アイドラープーリー213、及び他のアイドラープーリー217により規定されるループを形成する。
【0134】
当該糸150は、ローラー156と158によって当該バンド部146と148に対して押し付けられる。
【0135】
当該フィン部104、104aは、同様に当該バンド部146と148を介して当該ローラー156と158によって押し付けられる。
【0136】
フィンガー部171、171、174、176は、当該糸150を持ち上げて、駆動されているカッターホイール178、180、182及び184に切断可能に係合させる。
【0137】
これらのホイールは駆動シャフト186及び188と係合して回転せしめられる。
【0138】
当該カッターホイールは当該シャフト186及び188上に配置され、且つロックナット194、196により当該駆動シャフト186及び188に固定されているカラー部190、192によって保持されている。
【0139】
当該カラー部は図37に詳細に示されている。
【0140】
当該プーリー168と170は、その周りにVベルト162及び166が延展されておりそして図37に示されている様に、ベアリングスリーブ198、200上に搭載せしめることによって自由回転する様に構成されている。
【0141】
図23に示す様に、当該カッターホイールは、当該糸の中央部分を取り除くものであって、これらの中央部分は、当該切断機構の周囲に沿って運ばれ、そしてそこから排出されて、当該プーリー168と170に近接している真空ピックアップ部203、205に至り、そこでそれらが当該切断機構から取り除かれる。
【0142】
当該真空ピックアップ部203、205の配置位置は図36に示されている。
【0143】
当該中央部分が切り取られ、そして切断機構によって取り除かれた後、重なり合った所定の長さのフィン部104によって分離された2つのパイル列100、102(図24参照)を有する2つのパイル付き隙間遮蔽材が残される。
【0144】
当該フィン部104は、当該パイルの列100、102の高さよりも長く、当該パイルの列100、102の周りに丸められ、そして巻きつけられるのに十分な長さを有している。
【0145】
当該フィン部104は、図24に示す様に、当該マンドレル130から取り外される際に効果的に圧縮される。
【0146】
かかる丸め込み工程及び巻きつけ工程204、206は、当該切断工程154と当該隙間遮蔽材の分離工程の後に実行される。
【0147】
当該分離された隙間遮蔽材は、次いで図25に示す様に、ガイド部208の様な丸め込みガイド部内に供給される。
【0148】
端部領域114は、当該バッキング用細帯状部106に向けて案内され、そして図26に示す様に、溶接ヘッド部122によって、当該バッキング用細帯状部に超音波的に溶接される。
【0149】
この様にして、工程204と206とから得られた当該隙間遮蔽材は、個別に製品リール42及び40に巻き取られる。
【0150】
図説の目的で、フィン部104とバッキング用細帯状部106を有する隙間遮蔽材のみが図24乃至図26に示されているが、然しながら、図19に示す様に、これらの図面に於いて示されている操作は、当該フィン部104aとバッキング用細帯状部106aを有する隙間遮蔽材にも実行されるものである。
【0151】
図34は、2つのパイル列212と214を持った隙間遮蔽材210であって、そのうちの1つのパイル列214がフィン部材料216によって包被されている隙間遮蔽材を示している。
【0152】
当該鞘部を構成するフィン部216は完全に当該列214で充満され当該列214を包み込んでいる球状体を形成している。
【0153】
当該パイルの列212と214及び当該フィン部216は共に超音波溶接によって当該バッキング用細帯状部218に当接せしめられている。
【0154】
単一の鞘部で2重のパイル列からなる隙間遮蔽材を製造する方法は、図26に示す、当該パイル列100と102の双方が鞘部を有している隙間遮蔽材を製造する方法と類似している。
【0155】
単一の鞘部を有する列からなる隙間遮蔽材210に於いて、フィン部材料216及び216aからなる、重なり合ったウェッブは、図27に示す様に、無端状のバンド部或いはマンドレル230上に配置された際には、J字型部を形成している。
【0156】
図28に示す様に、当該バンド部232、234は、当該マンドレル230に対して当該フィン部材料216及び216aの中央部分を押圧して把持する。
【0157】
図29に示す様に、当該ヤーンパイル233は当該フィン部216、216a及び当該バンド部232、234の上で当該マンドレル230に巻き付けられる。
【0158】
当該バッキング用細帯状部218、218aは、次いで、当該隙間遮蔽材218、218aを当該フィン部216、216a及び当該ヤーンパイル233の端部に当接させる事によって、当該隙間遮蔽材の端部に溶接される。
【0159】
当接された溶接隙間遮蔽材を有する当該マンドレルは、次いで図36及び図37に関係する機構と同じ切断機構に移動する。切断されようとする当該隙間遮蔽材は図31に示されている。
【0160】
切断が完了した後、当該隙間遮蔽材は分離され、そこで当該分離された隙間遮蔽材はそれぞれが直立したフィン部216を有する図32に示された様な構造を示す。
【0161】
当該フィン部は次の工程に於いて、パイル列214の回りで丸められ、当該パイル列214を包被し、そして当該外側の端部領域219はガイド部材208と同じガイド部材を使用して当該パイル列214の外側部で当該バッキング用細帯状部218に溶接される。
【0162】
当該丸め込み及び溶接工程に入る当該隙間遮蔽材210は図32に示されている。
【0163】
図33は、丸め込まれている当該フィン部216を有する隙間遮蔽材210を示している。
【0164】
最終的な一つの鞘部を有する列からなる隙間遮蔽材210は図34に示されている。
【0165】
図示の目的で、当該フィン部216と218を有する唯一つの隙間遮蔽材が図32乃至図34に示されており、そして図32乃至図34に示されていると同様の操作がフィン部216aとバッキング用細帯状部218aを有する隙間遮蔽材にも実行される。
【0166】
図9(単一の鞘部を有するパイル列)、図11(単一の鞘部を有するパイル列)、図26(2本の鞘部付きのパイル列)及び図34(二本のパイル列で一方のパイル列は鞘部を有し、他方は鞘部がない)等の互いに異なる具体例による完成した隙間遮蔽材製品は、当該柔軟性を持ったフィン部材料のパイル密度や多孔性、及び空気及び水の浸透特性を選択することによってえ得られる空気及び水の浸透特性及び分散特性を有しているものである。
【0167】
当該隙間遮蔽材製品は、空気及び水の浸透特性及び分散特性及び圧縮特性に関して特定の特性を有する様に調整する事が出来る。
【0168】
そして、そうする事によって、発泡材或いは弾性材料からなる隙間シール材及びパイル付き隙間遮蔽材がそれぞれ持つ特性を結合する事が出来る。
【0169】
更に、当該フィン部材料の為に繊維織物或いはウェッブの代わりに、ラミネートされた不織布からなる薄膜材を選択する事により、本具体例に於ける当該球状体を形成する当該フィン部材用内の当該パイル列は防水性を持つものとする事が出来る。
【0170】
上記した説明から、一つ或いは複数の鞘部を有するパイルからなる列を有する改良されたパイル付き隙間遮蔽材が提供される事は明らかである。
【0171】
上記で説明したパイル付き隙間遮蔽材の変更或いは改良である他の具体例及び当該製品の製造方法に於ける改良は、当業者にとって疑いなしに明らかである。
従って、上記した記述は、説明のためのものであって、如何なる限定の意味での説明ではない事と理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】図1は、本発明に於ける第1の具体例にかかるパイル付き隙間遮蔽材を製造する為の方法を示す工程ダイアグラムである。 尚、図1に示されている各図番号は、以下に示される通り、当該方法が実行されるそれぞれの工程としての製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面を示している。
【図2】図2は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図3】図3は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図4】図4は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図5】図5は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図6】図6は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図7】図7は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図8】図8は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図9】図9は、当該隙間遮蔽材製品の他の具体例を示す図である。
【図10】図10は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図11】図11は、図1に示されている方法に従った、異なる製造段階に於ける隙間遮蔽材の断面形状を示す図である。
【図12】図12は、フィン部材料からなるウェッブにより供給されたフィルム状部材を曲げ、それによって当該パイルを取り込む為に丸めそして包被し、その後当該フィン部を溶接する為の装置を示す斜視図である。
【図13】図13は、当該パイルの周囲に当該フィン部材料からなるフィルム状部材を曲げそして包被するためのガイド部材を示す図である。
【図13A】図13Aは、図13の側面図である。
【図14】図14は、図12に示す包み込み機構前方端部を説明する図である。
【図15】図15から図18は、当該パイルの周囲に当該フィン部材料からなるフィルム状部材を曲げそして包被するためのガイド部材を示す断面図であって、図13Aに於ける線15−15、16−16、17−17、18−18に沿ってそれぞれ見た断面図である。
【図16】図16は、当該パイルの周囲に当該フィン部材料からなるフィルム状部材を曲げそして包被するためのガイド部材を示す断面図であって、図13Aに於ける線16−16に沿ってそれぞれ見た断面図である。
【図17】図17は、当該パイルの周囲に当該フィン部材料からなるフィルム状部材を曲げそして包被するためのガイド部材を示す断面図であって、図13Aに於ける線17−17に沿ってそれぞれ見た断面図である。
【図18】図18は、当該パイルの周囲に当該フィン部材料からなるフィルム状部材を曲げそして包被するためのガイド部材を示す断面図であって、図13Aに於ける線18−18に沿ってそれぞれ見た断面図である。
【図19】図19は、図1に類似した工程ダイアグラムであって、柔軟性のフィン部材料からなるウェッブにより供給されたフィルム状部材によって包被され鞘部が形成された2つの平行に配置されたパイルの列を有する本発明の更に別の具体例であるパイル付き隙間遮蔽材を製造する為の方法に於けるそれぞれの工程を示す図である。 当該図19に示されている図番は、以下に示す様に、本具体例の方法に従った製造方法のそれぞれの段階に於ける隙間遮蔽材を示している。
【図20】図20から図26は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図21】図21は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図22】図22は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図23】図23は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図24】図24は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図25】図25は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図26】図26は、図19で示される方法に従ったそれぞれの製造段階に於ける包被された二重パイルを持つ隙間遮蔽材を説明する断面図である。
【図27】図27から図34は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図28】図28は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図29】図29は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図30】図30は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図31】図31は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図32】図32は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図33】図33は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図34】図34は、本発明の更に別の具体例に従った方法によって製造されたパイル付き隙間遮蔽材の当該製造工程に於ける連続する個々の段階に於ける断面図であり、当該パイルからなる隣接している2つの列の一つがフィルム状部材によって包被され或いは鞘部が設けられている隙間遮蔽材である。
【図35】図35は、当該糸を切断し、一方当該パイルの列又は複数の列の周りに巻きつけるのに利用できる柔軟性のフィルム状部材を残す為の機構に於けるベルト或いはバンド部の原理的な通路を簡略化された概略形式で示した図である。
【図36】図36は、図35に示されている切断機構の拡大図である。
【図37】図37は、図36に示されている機構の断面図であり、当該断面は、図36の線37−37に沿って見た図である。
【符号の説明】
【0173】
10、24 パイル
12、28 バッキング用細帯状部
14、25 フィン部
19、27 パイル列
34 マンドレル、ベルト部
48 ガイド部材
51、52 畝状部
64,66 カッターホイール
68 フィンガー部
92 超音波溶接ホーン部
146 バンド部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイル付き隙間遮蔽材であって、当該隙間遮蔽材は、パイルを形成する少なくとも一つの糸の列と、当該パイルを包み込み、当該パイルに一致する柔軟性材料からなるフィルム状部材とを含んでおり、当該フィルム状部材は、その一方の側に、シーリング面が形成されると共にその反対側に、当該パイルによって変形可能に支えられている面が形成されている事を特徴とするパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項2】
当該パイルは、当該フィルム状部材によって球状体内部に閉じ込められている事を特徴とする請求項1に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項3】
当該パイルは、当該フィルム状部材によって鞘状に包被されている当該糸からなる球状体である事を特徴とする請求項1に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項4】
当該球状体は、当該パイルによって充填されている事を特徴とする請求項3に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項5】
当該フィルム状部材は、繊維材料からなるウェッブである事を特徴とする請求項1に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項6】
当該パイルと当該ウェッブの材料は、当該ウェッブを通じて当該パイル内に浸透した空気と水を拡散させる事が可能である事を特徴とする請求項5に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項7】
当該フィルム状部材は、空気を浸透させることが可能な材料からなるフィン部である事を特徴とする請求項1に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項8】
当該ウェッブは、フェルト化或いはフロック化されたプラスチック繊維から成る布帛である事を特徴とする請求項5に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項9】
当該繊維がポリプロピレンから構成されている事を特徴とする請求項8に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項10】
当該パイルは、複数本の列の形で長手方向に延展しており、且つ当該フィルム状部材は少なくともひとつの当該列を包被している事を特徴とする請求項1に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項11】
当該2つの列が相互に隣接して配列されており、当該フィルム状部材は、当該2つの列の一つの列を包被しており、当該2つの列の他方の列は、独立して垂直に延展されているパイルである事を特徴とする請求項10に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項12】
当該複数の列は個別的に当該フィルム状部材によって包被されて包被された一対のパイルが別々に形成されており、且つ当該それぞれの列に一致している個々のフィルム状部材は個別的なシーリング面を提供している事を特徴とする請求項10に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項13】
当該複数個の列は、当該フィルム状部材によって包み込まれ且つ包被されている少なくとも一つの球状体内に閉じ込められており、一方、その他の列は包被されていない事を特徴とする請求項10に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項14】
当該複数個の列は、それぞれ個別に当該フィルム状部材によって閉じ込められ、隣接する複数の球状体を形成し、且つ、当該列は当該フィルム状部材によって包被されている事を特徴とする請求項10に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項15】
当該フィルム状部材は繊維材料からなるウェッブである事を特徴とする請求項13に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項16】
当該フィルム状部材は繊維材料からなるウェッブである事を特徴とする請求項14に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項17】
当該フィルム状部材は、織物繊維であり、当該織物繊維は、パイルと共に、一定の空気及び水の浸透性を有している事を特徴とする請求項15に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項18】
当該フィルム状部材は、当該織物を提供する為にフェルト化されているかフロック加工がなされている事を特徴とする請求項17に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項19】
当該繊維は、ポリプロピレン材料である事を特徴とする請求項18に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項20】
当該フィルム状部材は、積層化された不織布からなる水非浸透性薄膜(water impervious skin)である事を特徴とする請求項1に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項21】
パイル付き隙間遮蔽材を製造する方法であって、当該方法は、当該材料によって包被されるパイルからなる球状体を形成する為に、柔軟性材料からなるウェッブをパイル列の周りに巻きつける工程を含んでいる事を特徴とするパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項22】
当該球状体を閉鎖する為に、当該ウェッブを巻きつける前及び巻き付けた後に、当該ウェッブを超音波で溶接する工程を更に含んでいる事を特徴とする請求項21に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項23】
当該溶接工程は、当該パイルがそこから延展しているバッキング材に対し且つ当該パイルと当該バッキング材とが接合する領域に沿って実行される事を特徴とする請求項22に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項24】
当該包被工程は、当該ウェッブを当該パイルの外側面に於いて、当該パイルの形状と一致し、それによって当該鞘部を有する球状体を充満させる様に実行される事を特徴とする請求項21に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項25】
当該包被工程は、鞘部を持たない一つのパイルの列の側部に沿って鞘部を持つパイルからなる一つの球状体を形成するか或いは、鞘を有するパイルからなる隣接した一対の球状体を形成する為に、一対の隣接するパイルからなる列の少なくとも1つに対して実行される事を特徴とする請求項21に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項26】
当該パイルは、糸をバンド部の周りに巻きつける事により形成され、且つ当該ウェッブは、当該糸の上、若しくは当該バンド部と当該糸との間に於いて、当該糸の下に配置せしめられ、当該糸を当該パイルを形成する為に切断し、次いで巻きつける工程が実行され、それによって、当該包被工程後に、当該糸の上にある当該ウェッブを用いて1つの鞘を有するパイルの列を形成すると共に、当該糸の下にある当該ウェッブを用いて1つ或いは2の隣接する鞘を有するパイルからなる列を形成する事を特徴とする請求項25に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項27】
当該糸と、当該ウェッブの一方の端部に沿った部分とバッキング材とが第1の超音波溶接工程で組み立てられ、そして当該ウェッブが第2の超音波溶接工程で、当該包被工程後の当該一方の端部とは反対側の他の端部に沿って当該バッキング材に取り付けられる事を特徴とする請求項26に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項28】
当該包被工程は、当該パイルと当該ウェッブとが通過せしめられるガイド部材を用いて実行されるものであり、それによって当該ウェッブを当該パイルに一致する様な関係になる様に屈曲させ、鞘付きのパイルからなる1つ或いは複数の列を形成する様に実行される事を特徴とする請求項27に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項1】
パイル付き隙間遮蔽材であって、当該隙間遮蔽材は、パイルを形成する少なくとも一つの糸の列と、当該パイルを包み込み、当該パイルに一致する柔軟性材料からなるフィルム状部材とを含んでおり、当該フィルム状部材は、その一方の側に、シーリング面が形成されると共にその反対側に、当該パイルによって変形可能に支えられている面が形成されている事を特徴とするパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項2】
当該パイルは、当該フィルム状部材によって球状体内部に閉じ込められている事を特徴とする請求項1に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項3】
当該パイルは、当該フィルム状部材によって鞘状に包被されている当該糸からなる球状体である事を特徴とする請求項1に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項4】
当該球状体は、当該パイルによって充填されている事を特徴とする請求項3に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項5】
当該フィルム状部材は、繊維材料からなるウェッブである事を特徴とする請求項1に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項6】
当該パイルと当該ウェッブの材料は、当該ウェッブを通じて当該パイル内に浸透した空気と水を拡散させる事が可能である事を特徴とする請求項5に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項7】
当該フィルム状部材は、空気を浸透させることが可能な材料からなるフィン部である事を特徴とする請求項1に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項8】
当該ウェッブは、フェルト化或いはフロック化されたプラスチック繊維から成る布帛である事を特徴とする請求項5に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項9】
当該繊維がポリプロピレンから構成されている事を特徴とする請求項8に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項10】
当該パイルは、複数本の列の形で長手方向に延展しており、且つ当該フィルム状部材は少なくともひとつの当該列を包被している事を特徴とする請求項1に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項11】
当該2つの列が相互に隣接して配列されており、当該フィルム状部材は、当該2つの列の一つの列を包被しており、当該2つの列の他方の列は、独立して垂直に延展されているパイルである事を特徴とする請求項10に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項12】
当該複数の列は個別的に当該フィルム状部材によって包被されて包被された一対のパイルが別々に形成されており、且つ当該それぞれの列に一致している個々のフィルム状部材は個別的なシーリング面を提供している事を特徴とする請求項10に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項13】
当該複数個の列は、当該フィルム状部材によって包み込まれ且つ包被されている少なくとも一つの球状体内に閉じ込められており、一方、その他の列は包被されていない事を特徴とする請求項10に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項14】
当該複数個の列は、それぞれ個別に当該フィルム状部材によって閉じ込められ、隣接する複数の球状体を形成し、且つ、当該列は当該フィルム状部材によって包被されている事を特徴とする請求項10に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項15】
当該フィルム状部材は繊維材料からなるウェッブである事を特徴とする請求項13に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項16】
当該フィルム状部材は繊維材料からなるウェッブである事を特徴とする請求項14に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項17】
当該フィルム状部材は、織物繊維であり、当該織物繊維は、パイルと共に、一定の空気及び水の浸透性を有している事を特徴とする請求項15に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項18】
当該フィルム状部材は、当該織物を提供する為にフェルト化されているかフロック加工がなされている事を特徴とする請求項17に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項19】
当該繊維は、ポリプロピレン材料である事を特徴とする請求項18に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項20】
当該フィルム状部材は、積層化された不織布からなる水非浸透性薄膜(water impervious skin)である事を特徴とする請求項1に記載のパイル付き隙間遮蔽材。
【請求項21】
パイル付き隙間遮蔽材を製造する方法であって、当該方法は、当該材料によって包被されるパイルからなる球状体を形成する為に、柔軟性材料からなるウェッブをパイル列の周りに巻きつける工程を含んでいる事を特徴とするパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項22】
当該球状体を閉鎖する為に、当該ウェッブを巻きつける前及び巻き付けた後に、当該ウェッブを超音波で溶接する工程を更に含んでいる事を特徴とする請求項21に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項23】
当該溶接工程は、当該パイルがそこから延展しているバッキング材に対し且つ当該パイルと当該バッキング材とが接合する領域に沿って実行される事を特徴とする請求項22に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項24】
当該包被工程は、当該ウェッブを当該パイルの外側面に於いて、当該パイルの形状と一致し、それによって当該鞘部を有する球状体を充満させる様に実行される事を特徴とする請求項21に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項25】
当該包被工程は、鞘部を持たない一つのパイルの列の側部に沿って鞘部を持つパイルからなる一つの球状体を形成するか或いは、鞘を有するパイルからなる隣接した一対の球状体を形成する為に、一対の隣接するパイルからなる列の少なくとも1つに対して実行される事を特徴とする請求項21に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項26】
当該パイルは、糸をバンド部の周りに巻きつける事により形成され、且つ当該ウェッブは、当該糸の上、若しくは当該バンド部と当該糸との間に於いて、当該糸の下に配置せしめられ、当該糸を当該パイルを形成する為に切断し、次いで巻きつける工程が実行され、それによって、当該包被工程後に、当該糸の上にある当該ウェッブを用いて1つの鞘を有するパイルの列を形成すると共に、当該糸の下にある当該ウェッブを用いて1つ或いは2の隣接する鞘を有するパイルからなる列を形成する事を特徴とする請求項25に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項27】
当該糸と、当該ウェッブの一方の端部に沿った部分とバッキング材とが第1の超音波溶接工程で組み立てられ、そして当該ウェッブが第2の超音波溶接工程で、当該包被工程後の当該一方の端部とは反対側の他の端部に沿って当該バッキング材に取り付けられる事を特徴とする請求項26に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【請求項28】
当該包被工程は、当該パイルと当該ウェッブとが通過せしめられるガイド部材を用いて実行されるものであり、それによって当該ウェッブを当該パイルに一致する様な関係になる様に屈曲させ、鞘付きのパイルからなる1つ或いは複数の列を形成する様に実行される事を特徴とする請求項27に記載のパイル付き隙間遮蔽材を製造する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【公表番号】特表2007−521425(P2007−521425A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510608(P2005−510608)
【出願日】平成15年10月15日(2003.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2003/032753
【国際公開番号】WO2005/046982
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(503087821)ウルトラファブ インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年10月15日(2003.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2003/032753
【国際公開番号】WO2005/046982
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(503087821)ウルトラファブ インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】
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