説明

包装充填装置

【課題】折込み線に沿って折畳まれ、歪みやしわなどが発生がなく、所定の形状にきれいに適正に成形される包装充填装置を提供する。
【解決手段】流動性食品などが充填されたチューブ包装材料を容器毎に横シールして切断して容器とする包装充填装置であって、予備成形の上流側(上方)であって、一対のボリュームフラップ41、41が挟む方向AAと円周方向に垂直をなす方向BBで、チューブを外側から二対の予備成形ローラ50a、50bで、容器本体にフラップが折畳まれる本体側面に対応するチューブ面を押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性食品などが充填されたチューブ包装材料を容器毎に横シールして切断して容器とする包装充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳、ミネラルウォーター、茶、ジュース、スープ、アルコール類等の流動食品を収容する包装容器を製造する場合、折込み線が予め付けられたウェブ状(帯状)の包装積層材料が使用され、包装積層材料がヒートシール、超音波シール等によってシールされることにより、包装容器が形成される。例えば、包装充填装置において、帯状包装積層材料の縁部にストリップを前もって接合し、包装積層材料をチューブ状に成形し、チューブの内側から、包装積層材料の両縁部同士を、縦シール部の内側端面を保護するストリップと共に押し当てて縦シール装置によって長手方向(縦方向)にシールした後、チューブ状の包装積層材料の中に液体食品を充填しながら、横シール装置によって横方向にシールして切断し、枕状の予備成形体を形成し、該予備成形体を折込み線に沿って折畳んで最終形状に成形して包装容器を完成させる。
【0003】
図5は、包装充填装置の一例を示す概略斜視図である。ウェブ状の包装積層材料1は、リールの状態で包装充填装置に装填される。折込み線が予め付けられた包装積層材料1は、紙基材、及び該紙基材の両面にポリエチレン樹脂が積層された可撓性の積層体から成り、必要に応じて紙基材とフィルムとの間にアルミニウム箔、ガスバリヤ性樹脂等から成るバリヤ層が形成され、包装容器14の表面に相当する部分にあらかじめ外装用の印刷が施される。
【0004】
繰り出された包装積層材料1は、搬送手段の送り装置によって連続的に搬送され、ベンディングローラ、ダンパローラ等を経て、ストリップ貼着装置3に送られ、ストリップ貼着装置によって包装積層材料1の一方の縁部に沿ってストリップ2が貼着される。
【0005】
包装積層材料1は、必要に応じて、プルタブ貼着装置によってプルタブが貼着されてる。包装積層材料1は、殺菌槽4に送られ、殺菌槽4において過酸化水素等の殺菌液によって殺菌される。包装積層材料1は、エアナイフ5に送られ、エアナイフ5によって乾燥させられた後、無菌室40の室内に送られる。包装積層材料1は、成形リング6、その他の成形リングによって徐々に変形させられてチューブ状の形状にされる。
チューブ状包装積層材料1は、縦シール装置の予熱手段8によって予熱されて、縦方向にシールされ、充填パイプ7の下端から流動性食品がチューブ状包装積層材料1内に充填される。
【0006】
図5に示すように、チューブ状包装積層材料1は、下方に案内され、横シール装置10に送られ、挟まれて横方向にシールされると共に、容器形状に成形され、横シールされた包装積層材料は、ナイフなどで切断されて枕状の予備成形体13が形成される。
図4に横シール装置10の詳細一部断面図を示す。この態様では、食品が充填されたチューブ状包装材料1が、先ず、上側一対のシールジョー10a及び対向ジョー11により挟持される。包装容器1個分に相当する長さ分だけ下方に送られながら、上側一対のボリュームフラップ41,41により挟まれておおよその容器形状に予備成形される。横断方向に横シールして2本の横シール帯域を形成し、繋がった枕状予備成形体のシール帯域の中間をナイフ42により切断して個々の枕状予備成形体13に切り離す。
この態様では、高速に、横シール、予備成形及び切断を行うために、二対のシールジョー及び対向ジョー、並びに、ボリュームフラップを備え、横シール、予備成形及び切断ステップを終えた一対は、横に退避し上方に戻り、次の横シール、予備成形及び切断ステップを繰返す。
【0007】
チューブ状包装積層材料が横シールされる様子を示す斜視図の図3(A)を参照して、横シール形成を説明する。
内容液30が充填され、チューブ状包装積層材料1が垂直に下降する。シール装置で、チューブ状包装積層材料1を液面30a下で挟み、押圧し、内容液を押し出し、チューブ状包装積層材料の最内面同士を接触させる。加熱部材が包装材料の最内層を加熱溶融しシールする。2本の横シール帯域1d、1dが形成される。
図3(B)は、横シール帯域1dが切断され、折り込み線に沿って予備成形され、頂部や底部、側面にフィンやフラップが形成された予備成形体13を示す。側面から突出するフラップ13a、頂面及び底面からはみ出したフィン13bが予備成形体13にあり、フラップ13a及びフィン13bを折り畳んで最終形状容器を得る。
【0008】
図5に示すように、予備成形体13を、最終成形装置15によって搬送されて最終の形状に成形し、流動性食品を収容する包装容器14が完成する。
図2に、最終の形状に成形する様子を例示的に示す。
予備成形体13には、側面13cから突出する4片のフラップ13aと、頂面及び底面13dからそれぞれはみ出した2片のフィン13bがにある。予備成形体13は、搬送され回転しながら、頂面側のフラップ13aは側面13cに折畳まれ接着される。底面側のフラップ13aは底面13dに折畳まれ接着される。フィン13bは、それぞれ頂面及び底面13dに折畳まれる。このように、最終形状容器14を得る。
【特許文献1】実開平1ー82102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしなが、包装積層材料の材質、積層構成、積層厚み、折込み線の溝深さ、溝幅及び充填条件などによって、折込み線からずれたり、しわが発生したりなど、所定の形状に成形されない場合も想定される。
本発明は、折込み線に沿って折畳まれ、歪みやしわなどが発生がなく、所定の形状にきれいに適正に成形される包装充填装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の包装充填装置は、折込み線が付けられたウェブ状包装材料をチューブ状に成形し、包装材料の両端部でチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプから液体食品を、充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、液面下でチューブ横断方向にシールジョー及びカウンタージョーでチューブを挟んで引き下ろす間に横シールし、チューブを同時に一対のボリュームフラップで挟んで予備成形し、横シール帯域で切断して予備成形体を形成し、
予備成形及び横シールによって、形成された予備成形体のフラップ及びフィンを折込み線に沿って折畳んで最終形状に成形し、
包装容器を製造する包装充填装置であって、
予備成形及び横シールの上流側であって、一対のボリュームフラップが挟む方向とチューブ外周方向に垂直をなす方向で、チューブを外側から一対の予備成形ローラで、容器本体にフラップが折畳まれる本体側面に対応するチューブ面を押圧して、折畳み容易にし、
予備成形ローラによるチューブへの押圧を予備成形ローラ制御手段で制御する
ことを特徴とする。
【0011】
この発明の好ましい態様において、2対の予備成形ローラが、チューブ進行方向に直列に設けられている。
【0012】
この発明の好ましい態様において、予備成形ローラ制御手段が、予備成形ローラの位置を調節する。
【0013】
この発明の好ましい態様において、予備成形ローラ制御手段が、予備成形ローラによるチューブへの押圧力を調節する。
【発明の効果】
【0014】
この発明による包装充填装置は、ウェブ状包装材料をチューブ状に成形し、包装材料の両端部でチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプから液体食品を、充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、液面下でチューブ横断方向にシールジョー及びカウンタージョーでチューブを挟んで引き下ろす間に横シールし、チューブを同時にボリュームフラップで挟んで予備成形し、横シール帯域で切断して包装容器を製造する。
液体食品が充填されたウェブ状包装材料の液面下で、横シールするので、容器内に不要な空気等が残らず、品質保持に寄与する。
【0015】
更に、この発明による包装充填装置は、予備成形及び横シールによって、形成された予備成形体のフラップ及びフィンを折込み線に沿って折畳んで最終形状の容器に成形する。
折畳みにより、不要な出っ張り、突起などが無くなり、所定の最終形状、例えば、ブロック形状、角柱状、プリズム形状など成形することができる。
【0016】
ボリュームフラップがチューブを挟んで予備成形することによって、上記の最終形状への容器成形を容易にする。
しかしながら、包装積層材料の材質、積層構成、積層厚み、折込み線の溝深さ、溝幅及び充填条件などによって、折込み線からずれたり、しわが発生したりなど、所定の形状に成形されない場合もあることが予想される。
これは、折込み線に沿って折畳まれていないことによることが多い。
この発明による包装充填装置において、ボリュームフラップは、容器容量を規制し、容器胴体外形に相当する外型であり、2枚、すなわち一対からなる。チューブを一対のボリュームフラップで挟んで予備成形する。このチューブ挟持により、一対のボリュームフラップが挟む方向に対応する最終形状への容器成形での折畳み容易にする。
この発明による包装充填装置は、予備成形及び横シールの上流側であって、一対のボリュームフラップが挟む方向とチューブ外周方向に垂直をなす方向で、チューブを外側から一対の予備成形ローラで、容器本体にフラップが折畳まれる本体側面に対応するチューブ面を押圧する。
この発明による包装充填装置の予備成形ローラは、ボリュームフラップが挟む方向と異なる方向からチューブ面を押圧するので、ボリュームフラップによる予備成形を補完するものであるといえ、予備成形ローラとボリュームフラップとが、相俟って十分に予備成形する。
【0017】
この発明の好ましい態様において、2対の予備成形ローラが、チューブ進行方向に直列に設けられている。
1対の予備成形ローラでは、チューブ面に「く」字形の凹みを形成して押圧する。これによって、ボリュームフラップによる予備成形を補完することができる。
2対の予備成形ローラでは、チューブ面に、底が平坦な凹みを形成して押圧することができる。これによって、ボリュームフラップによる予備成形を良好に補完することができる。
【0018】
この発明による包装充填装置において、予備成形ローラによるチューブへの押圧を予備成形ローラ制御手段で制御する。
この制御で、包装積層材料の材質、積層構成、積層厚み、折込み線の溝深さ、溝幅及び充填条件などの変化に対応することができる。
この発明の好ましい態様において、予備成形ローラの位置を調節する予備成形ローラ制御手段であり、または/及び予備成形ローラによるチューブへの押圧力を調節するバネのような予備成形ローラ制御手段である。
【0019】
上記構成のこの発明による包装充填装置によって、折込み線に沿って折畳まれ、歪みやしわなどが発生がなく、所定の形状にきれいに適正に成形されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この発明による実施例の包装充填装置の予備成形ローラ及び近傍を示す一部断面正面図である。
図2は、包装充填装置の最終形状成形を説明する予備成形体/容器の概略図である。
図3は、包装充填装置の横シール及び予備成形を説明する予備成形体の概略図である。
図4は、包装充填装置の横シール装置を説明する断面正面図である。
図5は、この発明に使用できる包装充填装置の一例を示す概略斜視図である。
【0021】
この実施形態による包装充填装置は、図5に示すように、ウェブ状包装材料1をチューブ状に成形し、包装材料の両端部でチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプ7から液体食品を、充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、図3及び図4に示すように、液面下でチューブ横断方向にシールジョー10及びカウンタージョー11でチューブ1を挟んで引き下ろす間に横シールし、チューブを同時にボリュームフラップ41、41で挟んで予備成形し、横シール帯域でナイフ42で切断して原型包装容器13を製造する。
【0022】
図1の一部断面正面図に、実施例の包装充填装置の予備成形ローラ及び近傍を示す。
この実施例では、一対のボリュームフラップ41、41は、容器容量を規制し、容器胴体外形に相当する2枚の外型である。チューブ1をこの一対のボリュームフラップで挟んで予備成形する。このチューブ挟持により、一対のボリュームフラップが挟む方向AAに対応する最終形状への容器成形での折畳み容易にする。
この実施例では、この予備成形の上流側(上方)であって、一対のボリュームフラップ41、41が挟む方向AAとチューブ円周方向に垂直をなす方向BBで、チューブを外側から二対の予備成形ローラ50a、59b(それぞれ他方を図示せず)で、容器本体にフラップが折畳まれる本体側面(図3の13cに相当)に対応するチューブ面を押圧する。
この実施例の予備成形ローラ50a、59bは、ボリュームフラップが挟む方向AAと異なる方向BBからチューブ面を押圧する。予備成形ローラとボリュームフラップとが、相俟って十分に予備成形する。
【0023】
この実施例において、上述のように2対の予備成形ローラ50a、59bが、チューブ1進行方向に直列に設けられている。
2対の予備成形ローラでは、チューブ面に、底が平坦な凹みを形成して押圧することができる。
この包装充填装置において、予備成形ローラによるチューブへの押圧を予備成形ローラ制御手段で制御する。
この実施例において、予備成形ローラの位置を調節する予備成形ローラ制御手段(図示せず)及び、予備成形ローラによるチューブへの押圧力を調節するバネの予備成形ローラ制御手段を有する。
この制御で、包装積層材料の材質、積層構成、積層厚み、折込み線の溝深さ、溝幅及び充填条件などの変化に対応することができる。
【0024】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0025】
この発明の包装充填装置によって、牛乳、ジュース、ミネラルウォーターなどの飲料、流動食品などの包装容器を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明による実施例の包装充填装置の予備成形ローラ及び近傍を示す一部断面正面図である。
【図2】包装充填装置の最終形状成形を説明する予備成形体/容器の概略図である。
【図3】包装充填装置の横シール及び予備成形を説明する予備成形体の概略図である。
【図4】包装充填装置の横シール装置を説明する断面正面図である。
【図5】この発明に使用できる包装充填装置の一例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1 包装材料
41 ボリュームフラップ
50 予備成形ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折込み線が付けられたウェブ状包装材料をチューブ状に成形し、該包装材料の両端部でチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプから液体食品を、該充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、該液面下で該チューブ横断方向にシールジョー及びカウンタージョーで該チューブを挟んで引き下ろす間に横シールし、該チューブを同時に一対のボリュームフラップで挟んで予備成形し、該横シール帯域で切断して予備成形体を形成し、
該予備成形及び横シールによって、形成された予備成形体のフラップ及びフィンを該折込み線に沿って折畳んで最終形状に成形し、
包装容器を製造する包装充填装置であって、
該予備成形及び横シールの上流側であって、一対の該ボリュームフラップが挟む方向と該チューブ外周方向に垂直をなす方向で、該チューブを外側から一対の予備成形ローラで、該容器本体にフラップが折畳まれる該本体側面に対応する該チューブ面を押圧して、折畳み容易にし、
該予備成形ローラによる該チューブへの押圧を予備成形ローラ制御手段で制御する、
ことを特徴とする包装充填装置。
【請求項2】
2対の予備成形ローラが、該チューブ進行方向に直列に設けられている、請求項1記載の包装充填装置。
【請求項3】
該予備成形ローラ制御手段が、予備成形ローラの位置を調節する、請求項1記載の包装充填装置。
【請求項4】
該予備成形ローラ制御手段が、予備成形ローラによる該チューブへの押圧力を調節する、請求項1記載の包装充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−42831(P2010−42831A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207530(P2008−207530)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】