説明

包装容器

【課題】ストリップを包装材料の適正な位置に接合することができるとともに、縦シールを良好に行うことができる包装充填装置を提供する。
【解決手段】包装材料をストリップ接合手段3に送り、包装材料の一方の縁部に沿ってストリップ2を接合し、チューブ状に成形し、チューブ内に内容物を充填し、横線シールを施して枕状の包装体に成形し、切断し、最終形状に包装容器を成形する包装充填装置であって、ストリップ接合手段が、ストリップ供給部30と、ストリップを駆動ロールで挟んで送り出すテープフィダー31と、ストリップを一定のテンションに調整するダンサロールと、包装材料の縁部を加熱する予熱部と、縁部とストリップとを押圧して接合部とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛乳、ジュース、アルコール飲料、ミネラルウォータ、緑茶などを充填する包装容器の包装充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
柔軟性に富んだ紙製包装材料は多年にわたって液体食品を包装するために用いられてきた。牛乳、ジュース、清酒、焼酎、ミネラルウォーター及びその他飲料のための図5に示すような包装容器14は、例えば、繊維質基材(例えば、紙など)/プラスチック積層体に折目線が付けられたウェブ状包装材料を、その長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包装材料内に被充填物を充填し、チューブ状包装材料を横断方向に横線シールし、クッション形若しくは枕状の包装体(一次形状容器)に成形する。
枕状の包装体を横シール部分で容器1個分ごとに切断し、最終成形工程で、折目線に沿って山折り若しくは谷折に、フィン及びフラップを折畳んで、図5に示すレンガ状の容器14が成形される。
【0003】
前記包装材料をチューブ状にすると、包装材料の両縁が筒(チューブ)状包装材料の内外に段差を形成するが、筒状包装材料に液体食品が充填されるのに伴って、液体食品が前記段差を形成する包装材料の端面から包装材料内に滲み込むと、包装容器の機械的強度を弱め、漏れの原因になる恐れがある。
図5の部分断面図に示すように、長尺状のストリップ2を前記段差を跨(また)ぐように接合し、包装材料1の端面14aが液体食品に触れるのを防止するようにしている(例えば、特許文献1及び2、3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−315363号公報
【特許文献2】特開2007−168873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
包装充填装置においては、ストリップが適正な位置に接合されて、縦シールを良好に行うことができる。ストリップ2は、通常、使用されるまでは、図3に示すようなリール2aに巻かれ、ホルダからウェブ状になって繰り出され、搬送される包装材料の一方の縁に接合される。
しかしながら、ホルダからストリップが繰り出されるのに伴って、リール状に巻かれたストリップのリール径が変化するが、リール径の大小によって、ストリップに加わるテンションが変化する。
更に、ストリップの繰出の開始、停止の動作によって、ストリップに加わるテンションが変化する。
そのために、包装材料に対するストリップの位置が変化し、ストリップを適正な位置に接合することができなくなってしまう。
また、ストリップは、薄い樹脂フィルムによって形成されるので、ストリップが繰り出されるのに伴って、図4に示されるように、ストリップ2の縁2bが伸びて波打つことがある。
そのために、ストリップが蛇行し、ストリップを適正な位置に接合することができなくなってしまう。
【0006】
本発明の目的は、ストリップを包装材料の適正な位置に接合することができるとともに、縦シールを良好に行うことができる包装充填装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の包装充填装置は、折目線が付されたウェブ状包装材料をストリップ接合手段に送り、ストリップ接合手段によって包装材料の一方の縁部に沿ってストリップを接合し、ウェブ状包装材料を縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包装材料内に内容物を充填し、チューブ状包装材料の横断方向に横線シールを施して枕状の包装体に成形し、個々の包装体を切断し、折目線に沿って折畳んで頂壁、側壁及び底壁を形成し、形成されたフィン及びフラップを上記壁へ付けて最終形状に包装容器を成形する包装充填装置であって、
ストリップ接合手段が、リール状のストリップを繰り出すストリップ供給部と、繰り出されたストリップを駆動ロールで挟んで送り出すテープフィダーと、テープフィダーからのストリップを一定のテンションに調整するダンサロールと、包装材料の一方の縁部を加熱する予熱部と、加熱された縁部と一定テンションのストリップとを押圧して接合部とからなる
ことを特徴とする。
【0008】
この発明の好ましい態様において、ストリップ供給部とテープフィダーとの間に、繰り出されたストリップの一時的に蓄えるアキュムレーターを備える。
【発明の効果】
【0009】
上記構成の本発明によれば、以下の作用機能を発揮し、有利な効果が得られる。
本発明の包装充填装置は、折目線が付されたウェブ状包装材料をストリップ接合手段に送り、ストリップ接合手段によって包装材料の一方の縁部に沿ってストリップを接合し、ウェブ状包装材料を縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包装材料内に内容物を充填し、チューブ状包装材料の横断方向に横線シールを施して枕状の包装体に成形し、個々の包装体を切断し、折目線に沿って折畳んで頂壁、側壁及び底壁を形成し、形成されたフィン及びフラップを上記壁へ付けて最終形状に包装容器を成形する包装充填装置である。
包装材料をチューブ状にすると、包装材料の両縁が内外で段差を形成する。包装容器に液体食品が充填されると、液体食品が段差の包装材料の端面から包装材料内に滲み込み、容器の機械的強度を弱め、漏れの原因になる恐れがある。ストリップが段差を覆うように接合し、包装材料の端面から液体食品に触れるのを防止する。
【0010】
本発明の包装充填装置のストリップ接合手段では、ストリップ供給部が、ストリップのリールからストリップを繰り出す。
テープフィダーは、駆動ロールを有し、この駆動ロールが、繰り出されたストリップを挟んで送り出す。駆動ロールによるので、テープフィダー前のストリップのテンションに影響されない。
【0011】
下流のダンサロールが、テープフィダーからのストリップを一定のテンションに調整する。
ダンサロールは、例えば、ばねや空気、錘により一定方向に一定の大きさで力が加えられ、その位置の変動に拘わらず、ストリップに一定の張力(テンション)が加える。
ダンサロールを用いた場合には、テンションは駆動ロールの制御とは直接的には関係なく、上記のばねや錘により一定の大きさ力Fによって決る。なお、このダンサロールがテンション制御の機能を持つのは、その許容ストローク内にある場合に限られる。
【0012】
本発明のストリップ接合手段では、予熱部が包装材料の一方の縁部を加熱し、接合部が加熱された縁部と一定テンションのストリップとを押圧して、接合する。
【0013】
好ましい態様において、ストリップ供給部とテープフィダーとの間に、繰り出されたストリップの一時的に蓄えるアキュムレーターを備える。
アキュムレーターによって、ストリップ供給部から過剰のストリップが繰り出されたとき、また、テープフィダーの下流側で、過剰にストリップが使用されたとき、その過剰分を補って包装充填装置のスムーズな運転を可能にする。
上述のように、ストリップに一定の張力(テンション)を付することができるので、ストリップを包装材料の適正な位置に接合することができるとともに、縦シールを良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明によるストリップ接合手段の部分概略図である。
【図2】この発明によるストリップ接合手段のテープフィダーとダンサロールの実施例を示す部分斜視図である。
【図3】リール状のストリップを示す斜視図である。
【図4】縁が伸びて波打ったストリップの概略図である。
【図5】レンガ状包装容器とストリップ接合状態とを示す斜視図と部分断面図である。。
【図6】この発明で使用することができる包装充填装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図6に示される包装充填装置例によって、この形態を説明する。この装置例では、ウェブ状の包装材料1は、リール状で包装充填装置に収容される。包装材料1は、紙基材、及び該紙基材の両面にポリエチレン樹脂が積層された可撓性の積層体から成り、紙基材とフィルムとの間にアルミニウム箔などの導電層が形成され、包装容器の表面に相当する部分にあらかじめ外装用の印刷が施される。
【0016】
繰り出された包装材料1は、搬送手段によって連続的に搬送され、包装充填に供される。
包装材料1は、ストリップ接合手段3に送られ、ストリップ接合手段によって包装材料1の一方の縁部に沿ってストリップ2が接合される。
包装材料1は、殺菌槽4に送られ、殺菌槽4において過酸化水素等の殺菌液によって殺菌される。包装材料1は、エアナイフに送られ、エアナイフによって乾燥させられた後、無菌室16に送られる。包装材料1は、成形リング6によって徐々に変形させられてチューブ状の形状にされる。
【0017】
チューブ状に成形された包装材料の両縁部同士を、縦シール装置8によってストリップと共に押し当てて縦シールする。更に、充填パイプ7を介して供給された流動/液体食品がチューブ状包装材料1内に充填される。
チューブ状包装材料は、ローラによって案内され、横方向に横シール装置10によって横シールされ、横シールされた包装材料は、ナイフなどで切断されて枕状包装体13が形成される。
枕状包装体13は、最終形状成形装置15で最終の形状に成形され、流動性食品を収容する包装容器14が得られる。
【0018】
この形態による包装充填装置のストリップ接合手段3では、図1に示すように、ストリップ供給部30が、ストリップ2のリール2aからストリップ2を繰り出す。
この態様において、ストリップ供給部30とテープフィダー31との間に、繰り出されたストリップ2を一時的に蓄えるアキュムレーター32を備える。
アキュムレーター32によって、ストリップ供給部30から過剰のストリップ2が繰り出されたとき、また、テープフィダー31の下流側で、過剰にストリップ2が使用されたとき、その過剰分を補って包装充填装置のスムーズな運転を可能にする。
この態様のアキュムレーター32は、複数個のダンサロールからなり、ストリップ供給部30から過剰のストリップ2が繰り出されたときに、ストリップ2のテンションが下がるので、ダンサロールが降下し、その降下分が過剰分となるので、装置のスムーズな運転を可能にする。
【0019】
この形態による包装充填装置のストリップ接合手段3では、図1に示すように、テープフィダー31は、駆動ロール31aを有し、この駆動ロール31aが、対向ロール31bと共に、繰り出されたストリップ2を挟んでダンサロール33に送り出す。
駆動ロール31aにより、テープフィダー前のストリップ2のテンションに影響されない。
【0020】
この形態による包装充填装置のストリップ接合手段3では、図1に示すように、テープフィダー31下流のダンサロール33が、テープフィダー31からのストリップ2を一定のテンションに調整する。
図2に、テープフィダー31とダンサロール33とを示す。テープフィダー31は、駆動ロール31aを有し、この駆動ロール31aが、対向ロール31bと共に、繰り出されたストリップ2を挟んでダンサロール33に送り出す。
ダンサロール33は、ばねや錘などにより下方向に一定の大きさで力Fが加えられ、その位置の変動に拘わらず、ストリップ2に一定の張力(テンション)F/2を加える。
【0021】
このストリップ接合手段3では、予熱部(図示せず)が包装材料の一方の縁部を加熱し、接合部(図示せず)が加熱された縁部と一定テンションのストリップとを押圧して、接合する。
【0022】
上述のように、ストリップ2が段差を覆うように接合し、包装材料の端面14aから液体食品に触れるのを防止する。更に、ストリップ2に一定のテンションを付与することができるので、ストリップを包装材料の適正な位置に接合することができるとともに、縦シールを良好に行うことができる。
【0023】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0024】
この発明は、液体食品の包装充填の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0025】
2 ストリップ
3 ストリップ接合手段
30 ストリップ供給部
31 テープフィダー
32 アキュムレーター
31a駆動ロール
33 ダンサロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折目線が付されたウェブ状包装材料をストリップ接合手段に送り、該ストリップ接合手段によって該包装材料の一方の縁部に沿ってストリップを接合し、該ウェブ状包装材料を縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された該包装材料内に内容物を充填し、該チューブ状包装材料の横断方向に横線シールを施して枕状の包装体に成形し、個々の該包装体を切断し、折目線に沿って折畳んで頂壁、側壁及び底壁を形成し、形成されたフィン及びフラップを上記壁へ付けて最終形状に包装容器を成形する包装充填装置であって、
該ストリップ接合手段が、リール状の該ストリップを繰り出すストリップ供給部と、繰り出された該ストリップを駆動ロールで挟んで送り出すテープフィダーと、該テープフィダーからの該ストリップを一定のテンションに調整するダンサロールと、該包装材料の一方の縁部を加熱する予熱部と、加熱された該縁部と一定テンションの該ストリップとを押圧して接合部とからなる
ことを特徴とする包装充填装置。
【請求項2】
該ストリップ供給部と該テープフィダーとの間に、繰り出されたストリップの一時的に蓄えるアキュムレーターを備える請求項1記載の包装充填装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−131555(P2012−131555A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286832(P2010−286832)
【出願日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】