説明

包装方法及び包装機

【課題】包材を被包装物に巻始める際に、巻始め端部を被包装物に上手に巻付けて確実かつ綺麗に巻付けることができる包装方法及び包装機を提供。
【解決手段】包装用ヘッドの包材ロールから包材を被包装物Wに巻始める際に、包材の巻始め端部C’を被包装物Wから所定の距離離れた位置でクランプ部材41によりクランプさせた状態において、クランプ部材41より先端側寄りの包材の一方の面にガイド部材43を宛がわせた後、ガイド部材43より先端側寄りの包材の他方の面を押圧部材39により押圧してガイド部材43を支点として巻始め端部C’を屈折し、その巻始め端部C’をチャック部材21によりチャックし、この状態でクランプ41を解放させた後にチャック部材21を移動させて巻始め端部C’を被包装物Wに密着保持させ、その後、包材ロールを被包装物Wの周りに周回させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、パイプ、棒等の長尺な被包装物を包装する際に用いられる包装方法及び包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、製造後のパイプは、所定数本の束に結束された後に包装されて工場から出荷される。そこで、上述のパイプを包装するため、図11に示す如き長尺物の包装装置が開発されるに至った。
【0003】
前記長尺物の包装装置は、所定数本のパイプを予め番線等を用いて結束した被包装物Wを搬送する入口コンベア1と、被包装物Wを一次包材、例えばストレッチフィルムで一次包装する一次包装機、例えばストレッチ包装機2と、一次包装された被包装物Wを更に二次包材、例えばクロスシートで二次包装する二次包装機、例えばクロスシート包装機3と、二次包装された被包装物Wの長手方向の複数箇所を更に三次包材、例えば補強シート(例えばプラパール等)で三次包装する三次包装機、例えば補強シート包装機4と、被包装物Wの長手方向の複数箇所に三次包装された補強シートが解けないように結束バンドを結束するバンド結束機5と、入口コンベア1により搬送されてきた被包装物Wを入口コンベア1へ搬送し戻す出口コンベア6を備えている。
【0004】
入口コンベア1は、被包装物Wをストレッチ包装機2、クロスシート包装機3、バンド結束機5、補強シート包装機4を経て出口コンベア6へ搬送するものである。
【0005】
ストレッチ包装機2は、入口コンベア1で所定の速度で搬送される被包装物Wの外周にストレッチフィルムAを巻付けて一次包装するものである[図12(a)参照]。ストレッチフィルムとしては、例えばPE(ポリエチレン)からなるストレッチフィルム(例えば、厚み25μ、幅500mm、長さ2000m)が用いられる。ストレッチ包装機2は、被包装物Wが略中心部を通過し得るリング状の回転フライヤーを回転可能に支持させ、この回転フライヤーに一定幅のストレッチフィルムをロール状に巻取ったストレッチフィルムロールが回転自在に支持された一次包装用ヘッドを取付けている。そして、回転フライヤーを適宜の駆動手段、例えば、モータで回転することにより、一次包装用ヘッドに支持したストレッチフィルムロールからストレッチフィルムを繰り出しながら被包装物Wの外周に巻付けるようになっている。
【0006】
クロスシート包装機3は、ストレッチ包装機2によりストレッチフィルムAが一次包装された被包装物Wの外周に更にクロスシートBを巻付けて二次包装するものである[図12(b)参照]。クロスシートとしては、例えばPE(ポリエチレン)からなる発泡シートとPEからなる樹脂クロスとを積層したクロスシート(例えば、厚み1mm、幅500mm、長さ300m)を用いている。クロスシート包装機3は、被包装物Wが略中心部を通過し得るリング状の回転フライヤーを回転可能に支持させ、この回転フライヤーに一定幅のクロスシートをロール状に巻取ったクロスシートロールが回転自在に支持された二次包装用ヘッドを取付けている。そして、回転フライヤーを適宜の駆動手段、例えばモータで回転することにより、二次包装用ヘッドに支持したクロスシートロールからクロスシートを繰り出しながら被包装物Wの外周に一次包装されたストレッチフィルム上に重ねて巻付けて二次包装するようになっている。
【0007】
補強シート包装機4は、クロスシート包装機3によりクロスシートBが二次包装された被包装物Wの長手方向の複数個所(例えば、2〜8個所)の外周に補強シートCを巻付けて三次包装するものである[図12(c)参照]。補強シートとしては、例えばPP(ポリプロピレン)からなるプラパール(例えば、厚み3mm、幅500mm、長さ120m)を用いている。プラパールは、シート上に空気を内部に充填封入した円柱状のエンボスを多数突出して形成した構造となっている。補強シート包装機4は、被包装物Wが略中心部を通過し得るリング状の回転フライヤーを回転可能に支持させ、この回転フライヤーに一定幅の補強シートをロール状に巻取った補強シートロールが回転自在に支持された三次包装用ヘッドを取付けている。そして、回転フライヤーを適宜の駆動手段、例えば、モータで回転することにより、三次包装用ヘッドに支持した補強シートロールから補強シートを繰り出しながら被包装物Wの外周に一次包装及び二次包装されたストレッチフィルム及びクロスシート上に重ねて巻付けて三次包装するようになっている。
【0008】
バンド結束機5は、補強シート包装機4により被包装物Wに三次包装された補強シートC上に結束バンドDを装着して補強シートCを解けないように結束するものである[図12(d)参照]。結束バンドとしては、例えばPP(ポリプロピレン)からなるPPバンド(ポリプロピレン製バンド、例えば、厚み0.63mm、幅15.5mm、長さ2500m)を用いている。バンド結束機5は、テーブル上に結束バンド案内用の門型アーチを設けるとともに、テーブルの下側に結束バンドの送り出し、引き締め、接合、切断等を行う結束手段を設けている。そして、門型アーチと直交する状態で被包装物Wをテーブル上に載置した後、結束手段により結束バンドをアーチに沿って周回させて被包装物Wに三次包装された補強シート上に巻付け、その結束バンドの引き締めとバンド端の接合及び切断を行うことにより、被包装物Wに三次包装された補強シートを結束バンドで結束するようになっている。
【0009】
次に、上記のように構成された包装装置の動作について説明する。先ず、所定数本のパイプを予め番線等を用いて結束した被包装物Wを入口コンベア1に供給させ、入口コンベア1により被包装物Wをその始端部がストレッチ包装機2に至るまで搬送し、ここで入口コンベア1を停止して被包装物Wの搬送を一旦停止する。この状態において、ストレッチ包装機2の一次包装用ヘッドのストレッチフィルムロールから繰り出されるストレッチフィルムの巻始め端部を被包装物Wの始端部に密着させた後、ストレッチ包装機2の回転フライヤーを回転させ、一次包装用ヘッドを被包装物Wの始端部の周りで周回させる。これにより、一次包装用ヘッドのストレッチフィルムロールからストレッチフィルムが繰り出されながら被包装物Wの始端部の外周に同芯状に巻付けられる。
【0010】
そして、被包装物Wの始端部の外周にストレッチフィルムが同芯状に1周以上巻付けられたら入口コンベア1を駆動させ、入口コンベア1により被包装物Wを所定の速度で搬送する。このように被包装物Wを所定の速度で搬送させながらその周りで一次包装用ヘッドを所定の速度で周回させると、被包装物Wの外周にストレッチフィルムが所定のリードピッチでスパイラル状に連続して巻付けられる。
【0011】
そして、被包装物Wの終端部がストレッチ包装機2に至るまで搬送されたら入口コンベア1を停止して被包装物Wの搬送を一旦停止させ、被包装物Wの終端部にストレットフィルムを同芯状に巻付ける。そして、被包装物Wの終端部にストレットフィルムが同芯状に1周以上巻付けられたら回転フライヤーの回転を停止させ、一次包装用ヘッドのストレッチフィルムロールから繰り出される余分なストレッチフィルムを切断してその巻終り端部をストレッチフィルム自体の粘着性を利用して被包装物Wの終端部に止め、被包装物Wの一次包装が終了する。
【0012】
一方、前述した被包装物Wへの一次包装の途中で被包装物Wの始端部がクロスシート包装機3に搬送されると、ここで入口コンベア1を停止して被包装物Wの搬送を一旦停止する。この状態において、クロスシート包装機3の二次包装用ヘッドのクロスシートロールから繰り出されるクロスシートの巻始め端部を被包装物Wの始端部に密着させた後、クロスシート包装機3の回転フライヤーを回転させ、二次包装用ヘッドを被包装物Wの始端部の周りで周回させる。これにより、二次包装用ヘッドのクロスシートロールからクロスシートが繰り出されながら被包装物Wの始端部に同芯状に巻付けられる。
【0013】
そして、被包装物Wの始端部にクロスシートが同芯状に1周以上巻付けられたら入口コンベア1を駆動させ、入口コンベア1により被包装物Wをその長手方向に所定の速度で搬送する。このように被包装物Wを所定の速度で搬送しながらその周りで二次包装用ヘッドを所定の速度で周回させると、被包装物Wの外周にクロスシートが所定のリードピッチでスパイラル状に連続して巻付けられる。
【0014】
そして、被包装物Wの終端部がクロスシート包装機3に至るまで搬送されたら入口コンベア1を停止して被包装物Wの搬送を一旦停止させ、被包装物Wの終端部にクロスシートを同芯状に巻付ける。そして、被包装物Wの終端部にクロスシートが同芯状に1周以上巻付けられたら回転フライヤーの回転を停止させ、二次包装用ヘッドのクロスシートロールから繰り出される余分なクロスシートを切断してその巻終り端部を被包装物Wの終端部に粘着テープ等で止め、被包装物Wの二次包装が終了する。
【0015】
一方、前述した被包装物Wへの二次包装の途中で被包装物Wの長手方向の所定位置(三次包装する包装位置)が補強シート包装機4に搬送されると、ここで入口コンベア1を停止して被包装物Wの搬送を停止する。この状態において、補強シート包装機4の三次包装用ヘッドの補強シートロールから繰り出される補強シートの巻始め端部を被包装物Wの包装位置に密着させた後、補強シート包装機4の回転フライヤーを回転させ、三次包装用ヘッドを被包装物Wの包装位置の周りで周回させる。これにより、三次包装用ヘッドの補強シートロールから補強シートが繰り出されながら被包装物Wの包装位置に同芯状に巻付けられる。そして、被包装物Wの包装位置に補強シートが同芯状に所定周回(例えば、2〜3周)巻付けられたら回転フライヤーの回転を停止させ、三次包装用ヘッドの補強シートロールから繰り出される余分な補強シートを切断してその巻終り端部を被包装物Wの所定位置に粘着テープ等で止める。以後は前述した操作を所定の回数(例えば1〜7回)繰り返して被包装物Wの長手方向の複数の包装位置に補強シートを巻付ければ被包装物Wの三次包装が終了する。
【0016】
一方、前述した被包装物Wへの三次包装の途中で被包装物Wの先端部が出口コンベア6に至るまで搬送されたら出口コンベア6を駆動させ、出口コンベア6により被包装物Wを搬送する。そして、被包装物Wへの三次包装が終了したら三次包装された被包装物Wを出口コンベア6に一旦移載した後、出口コンベア6を逆転駆動させて三次包装された被包装物Wを入口コンベア1側へ送り戻すように搬送する。そして、被包装物Wをその三次包装された位置がバンド結束機5に至るまで搬送すると、ここで出口コンベア6を停止して被包装物Wの搬送を停止する。この状態において、バンド結束機5を駆動して被包装物Wに三次包装された補強シート上に結束バンドを巻付け、その結束バンドの引き締めとバンド端の接合及び切断を行い被包装物Wに三次包装された補強シートを結束バンドで結束する。以後は前述した操作を所定回数(例えば1〜7回)繰り返して被包装物Wの長手方向の複数の包装位置に三次包装された補強シートを結束バンドで結束すれば被包装物Wのバンド結束が終了する。
【0017】
以上のように、先ず、被包装物Wにストレッチ包装機2によりストレッチフィルムAを巻付けて一次包装し、続いて、一次包装された被包装物Wにクロスシート包装機3によりクロスシートBを巻付けて二次包装し、続いて、二次包装された被包装物Wの長手方向の複数の包装位置に補強シート包装機4により補強シートCを巻付けて三次包装し、続いて、被包装物Wの長手方向の複数箇所に三次包装された補強シートC上にバンド結束機5により結束バンドDを装着して補強シートCを結束することにより、長尺物の包装装置により被包装物Wは包装される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、補強シート包装機4においては、被包装物Wに補強シートCを巻付け終われば、図13に示すように、補強シートロール7から繰り出される余分な補強シートCをクランプ部材8によりクランプさせた後、カッター9により補強シートCをクランプ部材8がクランプする位置より被包装物W側寄りにおいて切断させ、その後、端末テーピングユニット10を被包装物Wに対してクランプ部材8との間を通過するように前進させて端末テーピングユニット10により補強シートCの巻終り端部を被包装物Wに粘着テープ等により止着させている。
【0019】
しかしながら、被包装物Wとクランプ部材8との間に端末テーピングユニット10を通過させるための隙間を設ける必要があるため、被包装物Wとクランプ部材8との間が離れるのが避けられない。このように被包装物Wとクランプ部材8との間が離れていると、被包装物Wの新たな包装位置に補強シートCを巻付ける際に、補強シートロール7から繰り出される補強シートCの巻始め端部C’が被包装物Wに密着していないため、補強シートCの巻始めにおいて補強シートCの巻始め端部C’が直ちに被包装物Wに巻付かず、補強シートCを被包装物Wに巻付けることができなかったり、補強シートCの巻始め端部C’を折り込んだ状態で巻付けてしまい、補強シートCを被包装物Wに確実にかつ綺麗に巻付けができないという不具合が明らかになった。特に、補強シートCが硬くて滑り易いプラパールの場合には、プラパールがストレッチフィルムやクロスシートに比べて硬くて滑り易いため、被包装物Wに確実にかつ綺麗に巻付けができない不具合が顕著である。
【0020】
このような事情から、本発明は包材を巻始める際に生じる不具合をなくして包材を被包装物に確実にかつ綺麗に巻付けることができる包装方法及び包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、本発明方法は、包材がロール状に巻取られた包材ロールを被包装物の周りに周回させることにより、包材ロールから包材を繰り出しながら被包装物に巻付ける包装方法において、包材ロールから引き出された包材を被包装物に巻始める際に、包材の巻始め端部を被包装物から所定の距離離れた位置で一方側方からクランプ部材によりクランプさせた状態において、該クランプ部材がクランプする位置より先端側寄りの包材の一方の面にガイド部材を宛がわせ、該ガイド部材が宛がわされた位置より先端側寄りの包材の他方の面を押圧部材により押圧してガイド部材を支点として包材の巻始め端部を屈折し、その屈折された包材の巻始め端部をチャック部材によりチャックし、この状態でクランプ部材のクランプを解放させた後にチャック部材を移動させて包材の巻始め端部を被包装物に密着保持させ、その後、包材ロールを被包装物の周りに周回させるようにした。
【0022】
上記方法によれば、包材ロールから繰り出された包材の巻始め端部を被包装物から所定の距離離れた位置で一方側方からクランプ部材によりクランプさせた状態において、包材の巻始め端部をガイド部材及び押圧部材により屈折させ、その屈曲された包材の巻始め端部をチャック部材によりチャックさせ、そのチャックした包材の巻始め端部をチャック部材により被包装物に密接保持させた後、包材ロールを被包装物の周りに周回させるようにしている。このように包材ロールから繰り出される包材の巻始め端部を被包装物に密着保持させた状態で、包装用ヘッドを被包装物の周りに周回させて包材を被包装物に巻付けると、被包装物に包材が1周以上巻付けられたら、包材の巻始め端部が被包装物とそれに巻付けられた包材との間に挟み込まれることになり、包材の巻始め端部を被包装物に対して巻付けることができる。即ち、包材の巻始め端部を被包装物に密着保持させているため、包材の巻始めにおいて包材の巻始め端部を被包装物に対して確実に巻付けることができる。
【0023】
また、チャック部材により被包装物に密着保持された包材の巻始め端部に対し空気を吹付けるようにした。チャック部材により被包装物に密着保持された包材の巻始め端部に対し空気を吹付けると、包材の巻始め端部の全域が風圧により押圧され、包材の巻始め端部のチャック部材にチャックされない部分を被包装物に対して密着させることができる。
【0024】
また、本発明装置は、包材がロール状に巻取られた包材ロールを回転自在に支持する包装用ヘッドを備え、該包装用ヘッドを被包装物の周りに周回させることにより包装用ヘッドの包材ロールから包材を繰り出しながら被包装物に巻付ける包装機において、包材ロールから繰り出された包材を被包装物に巻始める際に、包材の巻始め端部を被包装物から所定の距離離れた位置で一方側方からクランプするクランプ部材と、該クランプ部材がクランプする位置より先端側寄りの包材の一方の面に宛がわせるガイド部材と、該ガイド部材が宛がわれる位置より先端側寄りの包材の他方の面を押圧してガイド部材を支点として包材の巻始め端部を屈折させる押圧部材と、屈折された包材の巻始め端部をチャックするとともに、そのチャックした包材の巻始め端部を被包装物に密着保持させるチャック部材とを備えた。
【0025】
上記装置によれば、包装用ヘッドの包材ロールから繰り出された包材を被包装物に巻始める際に、包材の巻始め端部を被包装物から所定の距離離れた位置で一方側方からクランプ部材によりクランプさせた状態において、包材の巻始め端部の一方の面にガイド部材を宛がわせた後、包材の巻始め端部の他方の面に押圧部材を押圧させてガイド部材を支点に包材の巻始め端部を屈折する。次いで、屈折された包材の巻始め端部をチャック部材によってチャックし、その状態でクランプ部材のクランプを解放させた後にチャック部材を移動させて包材の巻始め端部を被包装物に密接させて保持する。その後、被包装物の周りに包装用ヘッドを周回させ、包装用ヘッドの包材ロールから包材を繰り出しながら被包装物に巻付ける。このように包材の巻始め端部を被包装物に密着保持させた状態で、包装用ヘッドを被包装物の周りに周回させて包材を被包装物に巻付けるようにしているので、被包装物に包材が1周以上巻付けられたら、包材の巻始め端部が被包装物とそれに巻付けられた包材との間に挟みこまれ、包材の巻始め端部を被包装物に対して確実に巻付けることができる。
【0026】
また、ガイド部材は、包材の幅方向の略全域にわたる長さを有するガイド棒体からなり、クランプ部材によりクランプされる包材の巻始め端部の幅方向と平行な姿勢で包材の巻始め端部の一方の面に対して当接離反移動する。包材ロールから繰り出される包材の巻始め端部をクランプ部材によりクランプさせた状態において、ガイド棒体を包材の巻始め端部の一方の面に当接するように移動させることにより、ガイド棒体を包材の巻始め端部に宛がわせるように配置させる。この状態で、包材の巻始め端部の他方の面を押圧部材により押圧すると、包材の巻始め端部がガイド棒体に受け支えられてガイド部材を支点として一方の面側に屈折される。
【0027】
また、押圧部材は、ガイド部材の軸線と直交する軸線を中心として回動可能に支持された棒体からなり、クランプ部材によりクランプされる包材の巻始め端部に対して押圧離間回動する。包材ロールから繰り出される包材の巻始め端部をクランプ部材によりクランプさせた状態において、包材の巻始め端部の一方の面にガイド部材を宛がわせた後、押圧棒体を包材の巻始め端部の他方の面に当接するように回動することにより、押圧棒体を包材の巻始め端部の他方の面に押圧させる。これにより、包材の巻始め端部がガイド部材を支点として一方の面側に屈折される。
【0028】
また、チャック部材は、前後及び上下への移動手段を備えている。包材の巻始め端部が押圧部材により屈折された後、前後移動手段によりチャック部材を前進して包材の屈曲された巻始め端部をチャックさせ、次いで、上下移動手段によりチャック部材を上昇させて被包装物に当接させることにより、包装用ヘッドの包材ロールから繰り出される包材の巻始め端部を被包装物に密着保持させる。
【0029】
また、チャック部材により被包装物に密着保持された包材の巻始め端部に対し空気を吹付ける空気吹付け手段を備えた。チャック部材により被包装物に密着保持された包材の巻始め端部に空気吹付け手段により空気を吹付けると、包材の巻始め端部の全域が風圧により押圧され、包材の巻始め端部のチャック部材にチャックされない部分を被包装物に密着させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、包材ロールを被包装物の周りに周回させることにより、包材ロールから包材を繰り出しながら被包装物に巻付ける包装方法及び包装機において、包材ロールから繰り出された包材を被包装物に巻始める際に、チャック部材により包材の巻始め端部を被包装物に密着保持させるため、包材の巻始めにおいて包材の巻始め端部を被包装物に対して確実に巻付けることができ、これにより、包材の巻始め端部が折り込まれた状態で巻付けられることがなく、包材を被包装物に確実にかつ綺麗に巻付けることができる。
【0031】
また、チャック部材により被包装物に密着保持された包材の巻始め端部に対し空気を吹付けさせるため、包材の巻始め端部の全域が風圧により押圧されて包材の巻始め端部のチャック部材にチャックされない部分を被包装物に対して密着されることになり、これによって包材の巻始め端部が幅方向の途中から折れ曲るのを防止し、包材の巻始め端部を被包装物に対してより確実に巻付けることができる。これにより、包材を被包装物により確実にかつ綺麗に巻付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、所定数本のパイプを予め番線等を用いて結束した被包装物Wに包材、例えばプラパール等の補強シートCを巻付けて包装する補強シート包装機に関するものである。
【0033】
先ず、補強シート包装機について説明する。補強シート包装機は、図1に示すように、移送手段(図示せず)により所定の速度で移送される被包装物Wが略中心部を通過するリング状の回転フライヤー11を回転可能に支持させ、この回転フライヤー11に所定幅の補強シートCをロール状に巻取った補強シートロール12が回転自在に支持された包装用ヘッド13を取付けている。そして、回転フライヤー11を適宜の駆動手段、例えば回転用モータ14で回転させることにより、包装用ヘッド13に支持した補強シートロール12から補強シートCを繰り出しながら被包装物Wの外周に巻付けるようになっている。
【0034】
本実施形態は、図2乃至図4に示すように、被包装物Wに包装用ヘッド13の補強シートロール12から繰り出される補強シートCを巻付ける際、補強シートCの巻始め端部C’を被包装物Wに巻付けるため、補強シートCの巻始め端部C’を被包装物Wに密着させて保持するチャック部材21を備えている。
【0035】
チャック部材21は、補強シートロール12から繰り出される補強シートCの巻始め端部C’をチャックするもので、チャック支持体22に固設された固定チャック体23と、この固定チャック体23の下側に軸24を介して回動可能に設けられた可動チャック体25とからなっている。
【0036】
チャック支持体22にはチャック開閉手段、例えばチャック開閉用シリンダ26が設けられ、このチャック開閉用シリンダ26のピストンロッド26aがチャック部材21の可動チャック体25に連結されている。
【0037】
チャック開閉用シリンダ26を伸長動作させると、チャック部材21の可動チャック体25が軸24を支点として閉じ方向(図2中、反時計方向)に回動し、開閉用シリンダ26を短縮動作させると、チャック部材21の可動チャック体25が軸24を支点として開き方向(図2中、時計方向)に回動する。即ち、チャック開閉用シリンダ26の伸縮動作に伴いチャック部材21が上下方向に開閉するようになっている。
【0038】
チャック支持体22は、チャック前後移動手段、例えばチャック前後用シリンダ27により水平方向(図2中、左右方向)に前後移動可能な前後プレート28に設けられている。チャック前後用シリンダ27の上部及び下部には一対のガイドロッド29,29がピストンロッド27aの軸線方向にスライド可能に支持され、チャック前後用シリンダ27のピストンロッド27a及び一対のガイドロッド29,29のそれぞれの先端に前後プレート28が連結固定されている。
【0039】
チャック前後用シリンダ27を伸縮動作させると、前後プレート28が前進方向(図2中、右側方向)に移動し、チャック前後用シリンダ27を短縮動作させると、前後プレート28が後退方向(図2中、左側方向に)に移動する。このとき、前後プレート28は、一対のガイドロット29,29により回転が防止されるようになっている。即ち、チャック前後用シリンダ27の伸縮動作に伴い前後プレート28が水平方向に前後移動し、これに伴いチャック支持体22が水平方向に前後移動することによりチャック部材21が水平方向に前後移動するようになっている。
【0040】
チャック前後用シリンダ27は、チャック上下移動手段、例えばチャック上下用シリンダ30により垂直方向(図2中、上下方向)に昇降可能な昇降プレート31にL字状部材32を介して設けられている。チャック上下用シリンダ30の両側部には一対のガイドロッド33,33がピストンロッド30aの軸線方向にスライド可能に支持され、チャック上下用シリンダ30のピストンロッド30a及び一対のガイドロッド33,33のそれぞれの先端に昇降プレート31が連結固定されている。そして、昇降プレート31にはL字状部材32の水平部が固定され、L字状部材32の垂直部にはチャック前後用シリンダ27が固定されている。
【0041】
チャック上下用シリンダ30を伸縮動作させると昇降プレート31が上方に上昇し、チャック上下用シリンダ30を短縮動作させると昇降プレート31が下方に下降する。このとき、昇降プレート31は、ガイドロッド33,33により回転が防止される。即ち、チャック上下用シリンダ30の伸縮動作に伴い昇降プレート31が垂直方向に昇降し、これに伴いL字状部材32、チャック前後用シリンダ27、前後プレート28及びチャック支持体22が垂直方向に昇降することによりチャック部材21が垂直方向に昇降するようになっている。
【0042】
チャック上下用シリンダ30は、基台34から立設された支持フレーム35に取付プレート36を介して設けられている。支持フレーム35は、基台34上に固定された下側横フレーム材35aと、下側横フレーム材35aの上方に所定の間隔を置いて配置された上側横フレーム材35bと、下側横フレーム材35aと上側横フレーム材35bの一端同士を連結する左側縦フレーム材35cと、下側横フレーム材35aと上側横フレーム材35bの中間同士を連結する右側縦フレーム材35dと、下側横フレーム材35aの他端と右側縦フレーム材35dの中間を連結する傾斜フレーム35eとからなっている。
【0043】
支持フレーム35の左側縦フレーム材35cと右側縦フレーム材35dの間には取付プレート36が取付けられ、この取付プレート36にチャック上下用シリンダ30を取付けることにより、支持フレーム35にチャック上下用シリンダ30が設けられている。
【0044】
支持フレーム35の上側横フレーム材35bの所定位置には、ロータリーアクチュエータ、例えば油圧モータ37が設けられている。油圧モータ37は、任意の角度で正逆回転が可能であり、上方に向って出力軸37aを突出させている。油圧モータ37の出力軸37aには取付部材38が設けられ、この取付部材38に押圧部材、例えば押圧棒体39が水平方向に設けられている。
【0045】
押圧棒体39は、補強シートロール12から繰り出される補強シートCの巻始め端部C’をチャック部材21でチャックできるように、補強シートCの巻始め端部C’を屈折させるために補強シートCの巻始め端部C’を押圧するもので、油圧モータ37を任意の角度で正逆回転させると、油圧モータ37により水平方向に任意の角度、例えば95°の範囲で正逆回動するようになっている。
【0046】
支持フレーム35の左側縦フレーム材35cの下端位置には空気を吹出す空気吹出し手段、例えばエアーブロー40が設けられている。エアーブロー40は、空気を上向きに吹出すように向けられて取付けられている。このエアーブロー40は、チャック部材21により補強シートCの巻始め端部C’を被包装物Wに密着保持させた際に、補強シートCの巻始め端部C’に空気を吹付け、その風圧により補強シートCの巻始め端部C’のチャック部材21にチャックされていない部分を被包装物Wに密着させるものである。
【0047】
図中41はクランプ部材であり、このクランプ部材41は被包装物Wに補強シートCを巻付け終わって補強シートCを切断する際に、補強シートCを切断し易いように補強シートCの一方側方をクランプさせるものである。クランプ部材41は、水平方向に対向配置された一対のクランプ体42,42をそれぞれ図示しない開閉用シリンダに連結し、この開閉用シリンダの伸縮動作に伴い一対のクランプ体42,42を当接離間させることにより開閉するようになっている。
【0048】
クランプ部材41は、補強シートロール12から繰り出される補強シートCの幅方向に移動可能な移動体(図示せず)に取付けられており、補強シートCの一方側方をクランプする際には移動体により補強シートCのクランプが可能な位置に前進し、被包装物Wに補強シートCを巻付ける際には移動体により補強シートCの巻付けを妨げない退避位置に後退するようになっている。
【0049】
図中43はガイド部材であり、このガイド部材43は補強シートCの巻始め端部C’をチャック部材21にチャックさせるため、補強シートCの巻始め端部C’を押圧棒体39により押圧させて屈折させる際に、補強シートCの巻始め端部C’を屈折し易いように補強シートCの後面に宛がわせるものである。
【0050】
ガイド部材43は、補強シートCの幅方向の略全域にわたる長さを有する棒体で形成されており、ガイド上下移動手段、例えばガイド上下用シリンダ44のピストンロッド44aに連結されている。ガイド部材43は、ガイド上下用シリンダ44を伸長動作させると上昇して補強シートCの巻始め端部C’の後面に宛がわされて補強シートCの巻始め端部C’を受け支え、ガイド上下用シリンダ44を短縮動作させると下降して補強シートCから離れるようになっている。このガイド部材43は、補強シートロール12から繰り出される補強シートCの幅方向に移動可能な移動体(図示せず)に取付けられており、被包装物Wに補強シートCを巻回する際には移動体により補強シートCの巻付けを妨げない位置に移動するようになっている。
【0051】
次に、上記のように構成された包材の巻始め端部巻込み装置の動作(包材の巻始め端部巻込み方法)について説明する。先ず、図5に示すように、包装用ヘッド13の補強シートロール12から繰り出される補強シートCの巻始め端部C’の一方側部をクランプ部材41によりクランプさせた状態において、被包装物Wに補強シートCを巻付ける際、図6に示すように、ガイド部材43をガイド上下用シリンダ44により上昇させて補強シートCの巻始め端部C’の後面に宛がわせる。このとき、ガイド部材43は、補強シートCのクランプ部材41がクランプする位置より先端側寄りの巻始め端部C’の後面に宛がうように配置される。
【0052】
次に、油圧モータ37により押圧棒体39を正方向(図2中、反時計方向)に回動させ、押圧棒体39を補強シートCの巻始め端部C’の前面に押圧させる。このとき、押圧棒体39は、補強シートCのガイド部材43を宛がわれた位置より先端側寄りの巻始め端部C’の前面を押圧する。そして、図7に示すように、押圧棒体39を所定角度まで回動させると、補強シートCの巻始め端部C’がガイド部材43を支点として略水平位置まで屈折される。
【0053】
次に、図8に示すように、チャック前後用シリンダ27により可動チャック体25が開いた状態のチャック部材21を前進させ、チャック部材21の固定チャック体23と可動チャック体25との間を補強シートCの屈折された巻始め端部C’の他方側部に嵌め込む。この状態でチャック開閉用シリンダ27によりチャック部材21の可動チャック体25を閉じ、チャック部材21により補強シートCの屈折された巻始め端部C’の他方側部をチャックする。
【0054】
次に、油圧モータ37により押圧棒体39を逆方向(図2中、時計方向)に回動させて元の位置に復帰させるとともに、クランプ部材41を開いて補強シートCの巻始め端部C’の一方側部のクランプを解放させた後、クランプ部材41を補強シートCの巻付けを妨げない位置に移動させ、更に、ガイド部材43を下降させて補強シートCの巻始め端部C’から離した後、ガイド部材43を補強シートCの巻付けを妨げない位置に移動させる。これにより、図9に示すように、補強シートロール12から繰り出される補強シートCは、その巻始め端部C’の他方側部をチャック部材21によりチャックされるのみとなる。
【0055】
次に、図10に示すように、チャック上下用シリンダ30によりチャック部材21を補強シートCの巻始め端部C’をチャックさせた状態で上昇させ、チャック部材21の上昇に伴い補強シートCの巻始め端部C’を持上げる。これにより、補強シートロール12から繰り出される補強シートCの巻始め端部C’が被包装物Wに密着保持される。
【0056】
この後、エアーブロー40から空気を吹出し、その吹出された空気を補強シートCの巻始め端部C’に吹付け、その風圧により補強シートCの巻始め端部C’のチャック部材21にチャックされていない部分も被包装物Wに密着させる。
【0057】
チャック部材21により補助シートCの巻始め端部C’を被包装物Wに密着保持させると、包装用ヘッド13を被包装物Wの周りに周回させ、包装用ヘッド13の補強シートロール12から補強シートCを繰り出しながら被包装物Wに巻付ける。そして、被包装物Wに補強シートCが所定の周、例えば2周以上巻付けたらチャック開閉用シリンダ26によりチャック部材21の可動チャック体25を開いて補強シートCの巻始め端部C’のチャックを解放しながらチャック前後用シリンダ27によりチャック部材21を後退させ、チャック部材21が元の位置に後退したところでチャック上下用シリンダ30によりチャック部材21を下降させて元の位置に復帰させれば補強シートCの巻始め端部C’の巻込み作業は終了する。
【0058】
本実施形態においては、被包装物Wに包装用ヘッド13の補強シートロール12から引き出された補強シートCを巻付ける際に、チャック部材21により補強シートCの巻始め端部C’を被包装物Wに密着保持させているため、被包装物Wに補強シートCが1周巻付けられると同時に、補強シートCの巻始め端部C’が被包装物Wとそれに巻付けられた補強シートCとの間に挟み込まれ、補強シートCの巻始め端部C’を被包装物Wに対して確実に巻付けることができる。補強シートCが硬くて滑り易いプラパールの場合でも、チャック部材21により補強シートCの巻始め端部C’を被包装物Wに密着保持させているため、補強シートCの巻始め端部C’を被包装物Wに対して確実に巻付けることができる。これにより、補強シートCの巻始め端部C’が折り込まれた状態で巻付けられることがなく、補強シートCを被包装物Wに確実にかつ綺麗に巻付けることができる。
【0059】
また、本実施形態においては、チャック部材21により補強シートCの巻始め端部C’の他方側部を被包装物Wに密着保持させた状態で、エアーブロー40により空気を補強シートCの巻始め端部C’に吹付けているため、その風圧により補強シートCの巻始め端部C’のチャック部材21にチャックされていない部分を被包装物Wに対して密着させることができる。これによって補強シートCの巻始め端部C’が途中から折れ曲るのを防止し、被包装物Wに対する補強シートCの巻始め端部C’の巻付けを確実にする。
【0060】
尚、上述した実施形態では被包装物としてパイプ等の被包装物を例示しているが、本発明は被包装物に限定されず、例えばドラム等の長尺でない被包装物にも適用することができる。
【0061】
また、上述した実施形態では包材としてプラパールを例示しているが、本発明はプラパールに限定されず、例えばクロスシート、ストレッチフィルム、紙製シート等の包材も適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る包装機の包装機構を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る包装機の要部を示す側面図である。
【図3】上記包装機の要部の正面図である。
【図4】上記包装機の要部の平面図である。
【図5】上記包装機における巻始め動作を説明する図面で、(a)は巻始め動作前のクランプ部材で巻始め端部をクランプした状態を示す概略斜視図、(b)はその概略正面図である。
【図6】上記包装機における巻始め動作を説明する図面で、(a)はガイド部材を宛がえた状態を示す概略斜視図、(b)はその概略正面図である。
【図7】上記包装機における巻始め動作を説明する図面で、(a)は押圧棒体で巻始め端部を屈折した状態を示す概略斜視図、(b)はその概略正面図である。
【図8】上記包装機における巻始め動作を説明する図面で、(a)はチャック部材で巻始め端部をチャックした状態を示す概略斜視図、(b)はその概略正面図である。
【図9】上記包装機における巻始め動作を説明する図面で、(a)はクランプ部材、ガイド部材及び押圧棒体が元の位置に復帰した状態を示す概略斜視図、(b)はその概略正面図である。
【図10】上記包装機における巻始め動作を説明する図面で、チャック部材で巻始め端部を被包装物に密着保持した状態を示す概略正面図である。
【図11】長尺物の包装装置を示す概略平面図である。
【図12】図11の長尺物の包装装置による被包装物の包装順を示す図面である。
【図13】図11の長尺物の包装装置の包装機における包材の端末処理を示す図面である。
【符号の説明】
【0063】
W…被包装物、C…補強シート(包材)、C’…補強シートの巻始め端部(包材の巻始め端部)、12…補強シートロール、13…包装用ヘッド、21…チャック部材、22…チャック支持体、23…固定チャック体、24…軸、25…可動チャック体、26…チャック開閉用シリンダ、27…チャック前後用シリンダ、30…チャック上下用シリンダ、35…支持フレーム、37…油圧モータ、39…押圧棒体(押圧部材)、40…エアーブロー、41…クランプ部材、43…ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材がロール状に巻取られた包材ロールを被包装物の周りに周回させることにより、包材ロールから包材を繰り出しながら被包装物に巻付ける包装方法において、
包材ロールから引き出された包材を被包装物に巻始める際に、包材の巻始め端部を被包装物から所定の距離離れた位置で一方側方からクランプ部材によりクランプさせた状態において、該クランプ部材がクランプする位置より先端側寄りの包材の一方の面にガイド部材を宛がわせ、該ガイド部材が宛がわされた位置より先端側寄りの包材の他方の面を押圧部材により押圧してガイド部材を支点として包材の巻始め端部を屈折し、その屈折された包材の巻始め端部をチャック部材によりチャックし、この状態でクランプ部材のクランプを解放させた後にチャック部材を移動させて包材の巻始め端部を被包装物に密着保持させ、その後、包材ロールを被包装物の周りに周回させるようにしたことを特徴とする包装方法。
【請求項2】
チャック部材により被包装物に密着保持された包材の巻始め端部に対し空気を吹付けるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の包装方法。
【請求項3】
包材がロール状に巻取られた包材ロールを回転自在に支持する包装用ヘッドを備え、該包装用ヘッドを被包装物の周りに周回させることにより包装用ヘッドの包材ロールから包材を繰り出しながら被包装物に巻付ける包装機において、
包材ロールから繰り出された包材を被包装物に巻始める際に、包材の巻始め端部を被包装物から所定の距離離れた位置で一方側方からクランプするクランプ部材と、該クランプ部材がクランプする位置より先端側寄りの包材の一方の面に宛がわせるガイド部材と、該ガイド部材が宛がわされる位置より先端側寄りの包材の他方の面を押圧してガイド部材を支点として包材の巻始め端部を屈折させる押圧部材と、屈折された包材の巻始め端部をチャックするとともに、そのチャックした包材の巻始め端部を被包装物に密着保持させるチャック部材とを備えたことを特徴とする包装機。
【請求項4】
ガイド部材は、包材の幅方向の略全域にわたる長さを有する棒状部材からなり、クランプ部材によりクランプされる包材の巻始め端部の幅方向と平行な姿勢で包材の巻始め端部の一方の面に対して当接離反移動することを特徴とする請求項3に記載の包装機。
【請求項5】
押圧部材は、ガイド部材の軸線と直交する軸線を中心として回動可能に支持された棒体からなり、クランプ部材によりクランプされる包材の巻始め端部の他方の面に対して押圧離間回動することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の包装機。
【請求項6】
チャック部材は、前後及び上下への移動手段を備えていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の包装機。
【請求項7】
チャック部材により被包装物に密着保持された包材の巻始め端部に対し空気を吹付ける空気吹付け手段を備えたことを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−62773(P2007−62773A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−249661(P2005−249661)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】