説明

包装材料およびその袋体

【課題】内容物の保護に遮光性が必要な包装材料において、包装材料臭が少なく、金属探知機適性も持ち合わせた安価に製造できる包装材料を提供すること。
【解決手段】フィルム基材層を最外層とし、熱接着性樹脂層を最内層として積層され、その層間に全面または部分的に遮光バリア層が設けられている包装材料であり、遮光バリア層が遮光インキ層または遮光インキ層とガスバリアコート層やガスバリア接着剤層の積層により設けられている包装材料とその袋体

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物の保護に遮光性が必要な包装材料分野に関し、特には、包装材料臭が少なく、金属探知機適性も持ち合わせた包装材料を安価に提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
内容物の光による変質を防ぐため、包装材料に遮光性を要する場合がある。包装材料に遮光性を付与する手法としては、先ず、アルミ箔の積層やフィルム基材へのアルミ蒸着加工という手法があるが、コストアップとなる他、梱包後は金属探知機が使用出来ない、内容物を視認出来ないというデメリットがある。特に、アルミ箔の積層に関しては腰が硬くなりピンホールが発生しやすくなるというデメリットもある。
【0003】
視認性を付与するために部分的にアルミ蒸着層を積層する手法として、蒸着時に邪魔板を設けることでフィルム基材の流れ方向にストライプ状に蒸着層を設ける手法があり、特にスライスチーズの外装材用途として多く用いられているが、この手法もやはりコストアップとなることと、特殊な生産設備を要する為に一般包装材料に汎用的には用いられていない。
また、部分・全面に限らずアルミ蒸着を積層した構成では、基材と蒸着層間の密着が得られない場合が多く、包装材料強度への影響も懸念される。
【0004】
これに対し、絵柄を印刷する際、同時に遮光性を有する顔料を分散させたインキ層を積層することで、全面または部分的に遮光性を付与する手法がある。特に、UV領域以外の400〜500nmの可視領域の光線透過を低減する必要がある油脂やビタミン類を含む内容物に対しては、UVカットインキと黄色顔料インキの積層や、アルミニウムペーストを分散したインキを遮光インキ層として積層することが効果的である。特に、絵柄インキの色味に影響しがたく、UV吸収顔料などの特殊材料を用いずにこの領域の光線透過を低減できるシルバー色は積層色として汎用性があり、特許文献1にも見られるような高輝度で隠蔽性の高い印刷インキが使用できる。
【0005】
シルバー色を付与する為のアルミペースト材料は、アルミニウム由来の高輝度性・隠蔽性を付与するため、金属表面の酸化を回避し、インキビヒクル中に均一に分散するために、アルミ薄膜または細粉をステアリン酸、オレイン酸などの有機脂肪酸、セルロース誘導体、メチルシリルイソシアネート、ミネラルスピリッツなどの石油系有機溶媒と練肉して表面改質しているが、印刷乾燥時にこれらの油状成分や、積層したアルミ顔料層内に滞留したインキ溶媒成分が不揮発成分として包装材料に残留し、包装材料の異臭原因となってしまうという問題がある。
【0006】
インキタイプを有機溶媒系から水−アルコール溶媒系に代替することで残留臭気は低減可能だが、水−アルコール系溶媒では有機溶媒と比べ乾燥に2倍以上の熱エネルギーを要することより加工スピードが上がらず加工コストが非常に厳しい。また印刷適性上の問題も多く必要とする遮光性能を安定的に付与することが厳しいため、遮光包装材料用途での汎用性は低い。
【特許文献1】特開2002−20668号公報
【特許文献2】特開2004−323731号公報
【特許文献3】特開2006−63139号公報
【特許文献4】特許第3438266号公報
【特許文献5】特開2005−139436号公報
【特許文献6】特開2005−139435号公報
【特許文献7】特開2004−10655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、内容物の保護に遮光性が必要な包装材料において、包装材料臭が少なく、金属探知機適性も持ち合わせた安価に製造できる包装材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1の発明は、フィルム基材層を最外層とし、熱接着性樹脂層を最内層として積層され、その層間に全面または部分的に遮光バリア層が設けられていることを特徴とする包装材料である。
本発明の請求項2の発明は、遮光バリア層が遮光インキ層とガスバリアコート層の積層により設けられていることを特徴とする請求項1記載の包装材料である。
本発明の請求項3の発明は、遮光バリア層が遮光インキ層とガスバリア接着剤層の積層により設けられていることを特徴とする請求項1記載の包装材料である。
本発明の請求項4の発明は、遮光バリア層が遮光顔料をガスバリアコート層に分散させた遮光インキ層からなることを特徴とする請求項1記載の包装材料である。
本発明の請求項5の発明は、遮光インキ層に分散されている顔料がステアリン酸、オレイン酸などの有機脂肪酸、セルロース誘導体、メチルシリルイソシアネート、ミネラルスピリッツなどの石油系有機溶媒との練肉により表面処理されたアルミニウム細粉または薄膜砕片であり、遮光領域に含有される金属量が0.05〜1.5g/m2であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の包装材料である。
本発明の請求項6の発明は、遮光インキ層がポリウレタン樹脂をビヒクルの主成分とし、ポリイソシアナート化合物を含有することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の包装材料である。
本発明の請求項7の発明は、ガスバリア層がポリウレタン樹脂組成物からなり、ウレタン基およびウレア基濃度の合計が15質量%以上であり、且つ酸基を有するポリウレタン樹脂と、ポリアミン化合物とを含む水性ポリウレタン樹脂からなることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の包装材料である。
本発明の請求項8の発明は、フィルム基材層と遮光バリア層の間に絵柄インキ層を設け、遮光バリア層と熱接着性樹脂層の間に接着層を設けたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の包装材料およびその袋体である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の包装材料は、金属層を含まないフィルム基材層と熱接着性樹脂層の層間に遮光バリア層が設けられていることを特徴とする包装材料である。この包装材料で包装された容器は、インキ層もしくは接着層を積層する工程で、紫外領域から380〜500nmの可視領域において高い遮光性を付与することが出来る。
【0010】
従来のアルミ蒸着層による遮光包装材料と比べ、特殊な加工・工程を要さないことから低コストで遮光性を付与することが出来、また、使用金属量も低減できることから金属異物探知機を使用することも可能である。また、部分的に遮光性を付与できることから、視認用の窓部を設けることも容易である。
【0011】
従来の遮光インキ構成、特に高い遮光性を有するがインキ由来の臭気が問題となり易い銀インキや有機系UV吸収剤を用いたインキ構成と比べ、遮光インキ層由来の異臭を低減させることが出来る。また、低臭遮光インキとして水性インキを用いた構成と比べ、生産性を低下させることなく加工が可能、大ロット連続生産においても安定して高い遮光性を付与することが可能である。
【0012】
また、特にウレタン系のバリア層を用いることにより、PVAやPVDCなど他のバリアコートを使用した構成と比べ、湿度依存性が低く安定した低臭性を付与することが出来、隣接したインキ層や接着剤層との密着適性が良い為、高い包装材料強度を保つことが出来、従来の包装材料と同様に扱うことが可能で、極めて実用的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の一つについて図を参照しながら説明する。
【0014】
本発明の遮光性包装材料は、図1に示すように、プラスチックのフィルム基材1に絵柄インキ層8と遮光バリア層2を全面または部分的に積層し、熱接着性樹脂層3を最内層として積層していることを基本構成としており、この包装材料の熱接着性樹脂層を面々で合わせた袋体や、被着体に対し熱融着樹脂層を熱融着した蓋材などに利用される包装材料である。
【0015】
印刷基材となるプラスチックのフィルム基材1としては、二軸延伸ナイロン(ONY)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)フィルム、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、二軸延伸ポリ塩化ビニル(OPV)フィルム、二軸延伸ポリ乳酸(OPLA)フィルムなどが列記できる。フィルム基材は単層または多層の構造をしており、層構成は必要とされるバリア性、コスト、物性強度などによって設計される。特に、バリア性を付与する目的でアルミナやシリカなどの透明蒸着層やバリア性コート層を積層することも可能である。このフィルム基材1は一般的に9〜25μm程度の厚さのものが好ましく用いられる。フィルム基材1には、あらかじめ必要な絵柄、文字等を表裏面への印刷加工により設けておくことが一般的である。
【0016】
当該の印刷絵柄層8の表面上、もしくは無地部であればフィルム基材1上に遮光バリア層2を積層する。この遮光バリア層2については、遮光インキ層4とガスバリアコート層5の積層により形成される場合、遮光インキ層4とガスバリア接着層6の積層により形成される場合、遮光顔料をガスバリアコート層に分散させた遮光バリアインキ層7からなる場合の3パターンの構成を含んでいる。
【0017】
この遮光インキ層4もしくは遮光バリアインキ層7は、顔料を適正な濃度で分散させることにより、必要とされる光線波長領域での遮光性を付与している。この場合、紫外線領域に関してはUV吸収顔料の使用、紫外線領域のみでなく可視領域の遮光性を要する場合にはアルミペーストやアルミニウム粉を使用することが有効である。高い隠蔽性を有するアルミペースト及びまたはアルミニウム粉を分散させたインキとしては、例えば特許文献2に所載の高輝度インキ、特許文献3に所載の遮光性インキなどが例として挙げられる。
【0018】
ガスバリアコート層5としては、ポリビニルアルコール(以下、PVAとする)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(以下、PVDCとする)などを主体としたコート剤、高い酸素バリア性を有するコート剤としては、特許文献4に所載のバリアコート剤などが例として挙げられる。また、特許文献5や特許文献6に所載のポリウレタン系バリアコート剤はウレタン系樹脂であるため、使用環境における湿度依存性も少なく、インキ層上への積層適性も良好で、特に遮光バリアインキ層7のベースインキとしての使用も可能である。
【0019】
ガスバリア接着層6としては、例えば特許文献7に所載のガスバリア性ラミネート用接着剤など、主剤樹脂の骨格構造を工夫して高密度化した2液硬化型ポリウレタン樹脂組成物を主成分とする接着剤が有効である。
【0020】
これらの遮光インキ層4、ガスバリアコート層5、ガスバリア接着層6、遮光バリアインキ層7はグラビア、フレキソ、シルクスクリーン、ホットガン等によって塗布するもの
である。当該インキ層は必ずしも包装材料全面に設ける必要はなく、製品側面からの内容物の視認性を与える為、製品正面に部分的に設けても何ら構わない。なお、本発明の遮光インキ層の具体的な材質、成分、コーティング方法等も決して上記実施形態に例示した如くは限定されない。遮光インキ層4は遮光性を有する顔料粒子を含有したインキ層であればよい。
【0021】
遮光バリア層2の表面上、もしくは無地部であればフィルム基材1上に熱接着性樹脂層3を積層する。積層の手法は特に限定されず、ドライラミネート接着剤層やノンソルベント接着剤層を介して熱接着樹脂フィルムを積層しても良いし、アンカーコート剤を介してエクストルーダー法により熱可塑性樹脂を積層することも、またコーティングにより積層することも可能である。好ましい熱接着樹脂層としては、ポリエチレン(PE)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVA)、プロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂、またはそれらの樹脂のポリマーアロイ層が例示できる。この熱接着樹脂層は単層または多層の構造をしており、層構成は必要とされる熱特性、コスト、物性強度などの適性により設計される。
【実施例】
【0022】
以下に本発明の具体的実施例について説明するが本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0023】
<実施例1>
実施例1では、本発明の遮光バリア層が、遮光インキ層とガスバリアコート層との積層によりなるパターンを示す。遮光インキは、ポリウレタン−塩酢ビ系樹脂をビヒクルとしている東洋インキ製造(株)社製「ファインスター」のメジウムに、東洋アルミニウム(株)社製「TD701」(ノンリーフィングタイプ)をメジウムに対し25質量%、LPS硬化剤を3質量%添加し、撹拌して作成した。ガスバリアコート層には、三井武田ケミカル(株)社製「タケラックW6601」を使用した。
【0024】
凸版印刷(株)社製のONYベース透明バリアフィルムのバリアコート面に、各種色インキ(東洋インキ製造(株)製「ファインスター」にLPS硬化剤3%添加)でデザイン印刷を行い、次いで遮光インキをスクリーン線数150線/インチ、セル深度30μmのグラビア版で乾燥塗布量が0.8g/m2になるように塗布・乾燥し、更にその上にガスバリアコート液をスクリーン線数175線/インチ、セル深度25μmのグラビア版で乾燥塗布量が0.5g/m2になるよう塗布・乾燥した。当該の印刷コート面にラミネート用接着剤(三井武田ケミカル(株)社製「タケラックA666」)を塗布量2.5g/m2になるよう塗布した後、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを貼り合わせ包装材料を得た。
【0025】
<実施例2>
実施例2では、実施例1と同じく本発明の遮光バリア層が、遮光インキ層とガスバリアコート層との積層によりなるが、遮光インキ層が銀インキではなく、透明UVカットインキ(有機系、東洋インキ製造(株)社製「Z1116UVカットインキ」)と透明黄(大日本インキ化学工業(株)社製「ユニビアNTR403 透明黄コンク」)の積層によりなるパターンを示す。
【0026】
実施例1と同様、ONYベース透明バリアフィルムのバリアコート面に、各種色インキでデザイン印刷を行い、次いでUVカットインキと透明黄をそれぞれスクリーン線数175線/インチ、セル深度25μmのグラビア版で乾燥塗布量が0.5g/m2になるように塗布・乾燥した。当該の印刷コート面にラミネート用接着剤「タケラックA666」を塗布量2.5g/m2になるよう塗布した後、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを貼り合わせ包装材料を得た。
【0027】
<実施例3>
実施例3では、本発明の遮光バリア層が、遮光インキ層とガスバリア接着層との積層によりなるパターンを示す。遮光インキは実施例1と同様の調整を行った。ガスバリア接着剤には三菱瓦斯化学(株)社製「MAXIVE」を使用した。
実施例1と同様、ONYベース透明バリアフィルムのバリアコート面に、各種色インキでデザイン印刷を行い、次いで遮光インキをスクリーン線数150線/インチ、セル深度30μmのグラビア版で乾燥塗布量が0.8g/m2になるように塗布・乾燥した。当該の印刷コート面にガスバリア接着剤を塗布量2.5g/m2になるよう塗布した後、LLDPEフィルムを貼り合わせ包装材料を得た。
【0028】
<実施例4>
実施例4では、本発明の遮光バリア層が、遮光バリアインキ層によりなるパターンを示す。遮光バリアインキは、水系ポリウレタン系樹脂を主成分としているガスバリアコート剤である三井武田ケミカル(株)社製「タケラックW6601」をインキベースとして使用、このインキベースに東洋アルミニウム(株)社製「TD701」を25質量%添加し、撹拌して作成した。
実施例1と同様、ONYベース透明バリアフィルムのバリアコート面に、各種色インキでデザイン印刷を行い、次いで遮光バリアインキをスクリーン線数150線/インチ、セル深度30μmのグラビア版で乾燥塗布量が0.8g/m2になるように塗布・乾燥した。当該の印刷コート面にラミネート用接着剤「タケラックA666」を塗布量2.5g/m2になるよう塗布した後、LLDPEフィルムを貼り合わせ包装材料を得た。
以下に本発明の比較例について説明する。
【0029】
<比較例1>
比較例1では、バリア層を配さず遮光銀インキ層のみのパターンを示す。遮光銀インキは実施例1と同様の調整を行った。
実施例1と同様、ONYベース透明バリアフィルムのバリアコート面に、各種色インキでデザイン印刷を行い、次いで遮光インキをスクリーン線数150線/インチ、セル深度30μmのグラビア版で乾燥塗布量が0.8g/m2になるように塗布・乾燥した。当該の印刷コート面にラミネート用接着剤「タケラックA666」を塗布量2.5g/m2になるよう塗布した後、LLDPEフィルムを貼り合わせ包装材料を得た。
【0030】
<比較例2>
比較例2では、インキ臭気を低減するため、遮光インキ層を白色により付与するパターンを示す。遮光インキは東洋インキ製造(株)社製「ファインスター」の651白を使用。
実施例1と同様、ONYベース透明バリアフィルムのバリアコート面に、各種色インキでデザイン印刷を行い、次いで遮光白インキをスクリーン線数150線/インチ、セル深度30μmのグラビア版で乾燥塗布量が0.8g/m2になるように塗布・乾燥した。当該の印刷コート面にラミネート用接着剤「タケラックA666」を塗布量2.5g/m2になるよう塗布した後、LLDPEフィルムを貼り合わせ包装材料を得た。
【0031】
<比較例3>
比較例3では、遮光層をインキではなくアルミ蒸着層を積層することにより付与するパターンを示す。
実施例1と同様、ONYベース透明バリアフィルムのバリアコート面に、各種色インキでデザイン印刷を行い、次いでアルミ蒸着用ACコート剤(東洋インキ製造(株)社製「MET17−7」に「CVLハードナー」を4%添加)をスクリーン線数250線/インチ
、セル深度25μmのグラビア版で乾燥塗布量が0.2g/m2になるように塗布・乾燥した。当該のACコート面にアルミ蒸着層を厚み800Åで積層した後、ラミネート用接着剤「タケラックA666」を塗布量2.5g/m2になるよう塗布した後、LLDPEフィルムを貼り合わせ包装材料を得た。
【0032】
<比較結果>
前記の実施例1〜4ならびに比較例1〜3に記載の包装材料について、以下の評価を実施した。
【0033】
<遮光性>
紫外・可視吸光光度計(日立製作所製、可視紫外分光光度計341型)を使用し、UV領域(200〜380nm)に加え、油成分やビタミン類の分解に関わる領域として380〜500nmまでの可視領域の光線透過率を測定した。200〜500nm間の光線透過率が5%以下の場合を○とし、5%以上の場合を×と表記した。
【0034】
<低臭性>
包装材料の表面積が0.25m2となるように採寸し、ガラス製のマヨネーズ瓶に詰め、40℃恒温槽で3日間保持した後、臭気の官能評価に用いた。官能評価はパネラー数は15人で行い、○:異臭少なく良好(有意水準1%)、×:異臭多く不良(有意水準1%)とした。
【0035】
<金属探知機使用適性>
金属探知機(日新電子工業(株)社製金属検出器「ND−810」)にて0.25m2サイズの包装材料を検出感度65.4(デジタル設定、製品影響減少はOFF)、検出信号電圧は3.0V以上の条件で、検出されない場合は○、検出される場合は×と表記した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】

本発明の実施例1から実施例4の包装材料ではいずれも低臭性、遮光性、金属探知機適性ともクリアし、目的とする特性を有する包装材料が得られた。
これに対して、遮光バリア層に代えて遮光銀インキ層のみの構成とした比較例1の包装材料は低臭性が×であった。
インキ臭気を低減するため遮光インキ層を白色により付与するパターンの比較例2の包装材料は、遮光性が×であった。
遮光層をインキではなくアルミ蒸着層を積層することにより付与するパターンの比較例3の包装材料は、金属探知機適性が×であった。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の包装材料の一例の断面模式図
【図2】本発明の包装材料の一例の断面模式図
【図3】本発明の包装材料の一例の断面模式図
【図4】本発明の包装材料の一例の断面模式図
【符号の説明】
【0038】
1…フィルム基材
2…遮光バリア層
3…熱接着性樹脂層
4…遮光インキ層
5…ガスバリアコート層
6…ガスバリア接着層
7…遮光バリアインキ層
8…絵柄インキ層
9…接着剤層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム基材層を最外層とし、熱接着性樹脂層を最内層として積層され、その層間に全面または部分的に遮光バリア層が設けられていることを特徴とする包装材料
【請求項2】
遮光バリア層が遮光インキ層とガスバリアコート層の積層により設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装材料
【請求項3】
遮光バリア層が遮光インキ層とガスバリア接着剤層の積層により設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装材料
【請求項4】
遮光バリア層が遮光顔料をガスバリアコート層に分散させた遮光バリアインキ層からなることを特徴とする請求項1に記載の包装材料
【請求項5】
遮光インキ層または遮光バリアインキ層に分散されている顔料が、有機脂肪酸、セルロース誘導体、メチルシリルイソシアネート、石油系有機溶媒との練肉により表面処理されたアルミニウム細粉または薄膜砕片であり、遮光領域に含有されるアルミニウム量が0.05〜1.5g/m2であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の包装材料
【請求項6】
遮光インキ層がポリウレタン樹脂をビヒクルの主成分とし、ポリイソシアナート化合物を含有することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の包装材料
【請求項7】
ガスバリア層がポリウレタン樹脂組成物からなり、ウレタン基およびウレア基濃度の合計が15質量%以上であり、且つ酸基を有するポリウレタン樹脂と、ポリアミン化合物とを含む水性ポリウレタン樹脂からなることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の包装材料
【請求項8】
フィルム基材層と遮光バリア層の間に絵柄インキ層を設け、遮光バリア層と熱接着性樹脂層の間に接着層を設けたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の包装材料およびその袋体

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−214919(P2009−214919A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62352(P2008−62352)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】