説明

包装用容器及びブランクシート

【課題】簡易な構造で、包装媒体の脱落を防止することが可能な包装用容器を提供する。
【解決手段】容器本体2は、容器本体2の前面板11の裏面側に折り返し可能な折返片17を有し、当該折返片17の両端から連接された第1の折込片18,18’と、前面板11の両端から連接された第2の折込片14,14’と、の間に空間50,50’を形成し、当該空間50,50’により、容器本体2の後面板13の両端から連接された第3の折込片16,16’が、容器本体2の内側に位置し、当該第3の折込片16,16’により包装媒体Rを保持することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻回された包装媒体、例えば、ラップフィルムに代表される樹脂製フィルムや紙、アルミホイル等を包装するための包装用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に知られているラップフィルム等の包装媒体を収容する包装用容器は、包装媒体を収納する容器本体と、当該容器本体に一体的に設けられた容器蓋と、を有して構成しており、円筒状の紙管(心材)にロール状に巻回された包装媒体を容器本体に収納することになる。
【0003】
なお、従来の包装用容器は、包装媒体を容器本体から引き出して使用する際に、その包装媒体が容器本体から飛び出してしまう虞があった。
【0004】
このようなことから、本発明より先に出願された技術文献として、シート状材料のロールの脱落を防止するためのロール保持部材を具備する分配容器について開示された文献がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平2−152650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に開示された分配容器は、ロール保持部材として機能させるための構造を形成するためには、その複雑な構造上、人手操作を伴うことになる。このため、上記特許文献1に開示された分配容器は、ロール保持部材として機能させるための構造を機械操作によって形成することが困難となる。このようなことから、簡易な構造で、包装媒体の脱落を防止することが可能な包装用容器の開発が必要視されることになる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述した課題である、簡易な構造で、包装媒体の脱落を防止することが可能な包装用容器、その容器を形成するためのブランクシートを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有することとする。なお、以下に説明する『』の中の記載は、『特許請求の範囲』と、『発明の実施の形態』と、の対応関係を明らかにするために付加したものであり、『特許請求の範囲』に記載されている発明の技術的範囲の解釈を意識的に限定するものではない。
【0008】
<包装用容器>
本発明にかかる包装用容器『1』は、ロール状に巻回された包装媒体『R』を収納する容器本体『2』と、前記容器本体『2』の開口部を被包する容器蓋『3』と、前記包装媒体『R』を切断する切断部『8』と、を有し、前記容器蓋『3』は、前記容器本体『2』の一頂縁『i』に連接し、前記一頂縁『i』を軸として前記容器本体『2』に対して回動可能な構造の包装用容器『1』であって、
前記容器本体『2』は、前記容器本体『2』の前面板『11』の裏面側に折り返し可能な折返片『17』を有し、当該折返片『17』の両端から連接された第1の折込片『18、18'』と、前記前面板『11』の両端から連接された第2の折込片『14、14'』と、の間に空間『50、50'』を形成し、当該空間『50、50'』により、前記容器本体『2』の後面板『13』の両端から連接された第3の折込片『16、16'』が、前記容器本体『2』の内側に位置し、当該第3の折込片『16、16'』により前記包装媒体『R』を保持することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる包装用容器『1』は、
前記第3の折込片『16、16'』には、前記包装媒体『R』が巻回された心材『R1』を保持するためのスリット『S』が形成されてなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかるブランクシートは、
上記記載の包装用容器『1』の構造を形成するためのブランクシートであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡易な構造で、包装媒体の脱落を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
まず、図3、図8を参照しながら、本実施形態の包装用容器(1)の概要について説明する。
【0013】
本実施形態における包装用容器(1)は、図3に示すように、ロール状に巻回されたロール状包装媒体(R)を収納する容器本体(2)と、容器本体(2)の開口部を被包する容器蓋(3)と、ロール状包装媒体(R)を切断する切断部(8)と、を有して構成する。なお、容器蓋(3)は、容器本体(2)の一頂縁『i』に連接し、一頂縁『i』を軸として容器本体(2)に対して回動可能な構造を構成する。
【0014】
また、容器本体(2)は、図3、図8に示すように、容器本体(2)の本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な折返片(17)を有しており、当該折返片(17)の両端から連接された第1の折込片(18、18')と、本体前面板(11)の両端から連接された第2の折込片(14、14')と、の間に空間(50、50')を形成する。そして、当該空間(50、50')により、容器本体(2)の本体後面板(13)の両端から連接された第3の折込片(16、16')が、容器本体(2)の内側に位置し、当該第3の折込片(16、16')によりロール包装媒体『R』を両端から保持することになる。これにより、本実施形態における包装用容器(1)は、簡易な構造で、ロール状材包装媒体(R)の容器本体(2)からの脱落を防止することが可能となる。また、ロール状包装媒体(R)の遊動を抑止し、ロール状包装媒体(R)の巻きのゆるみや、ロール状包装媒体(R)の先端部の巻き戻りを防止することが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態における包装用容器(1)について詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
<包装用容器:1の構成>
まず、図1〜図4を参照しながら、本実施形態における包装用容器(1)の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態における包装用容器(1)の外観斜視図である。図2は、開封片(5)を切取線(4)に沿って切除している状態の包装用容器(1)の外観斜視図である。図3は、開封片(5)を切除し、容器蓋(3)を開蓋した状態の外観斜視図である。図4は、容器蓋(3)を閉蓋した状態の外観斜視図である。
【0016】
本実施形態における包装用容器(1)は、図1に示すように、容器本体(2)と、当該容器本体(2)と連接した容器蓋(3)と、を有して構成している。
【0017】
なお、本実施形態における包装用容器(1)は、例えば、厚紙、ボール紙などの紙素材により形成することが可能である。また、包装用容器(1)は、複数枚、または、1枚の紙素材から形成することも可能である。また、本実施形態における包装用容器(1)を構成する容器本体(2)は、少なくとも、1度折り曲げても元に戻ろうとする復元性を有していることが好ましい。
【0018】
また、容器蓋(3)の掩蓋片(6)には、包装用容器(1)を使用する際に切除する開封片(5)が設けられており、図2に示すように、切取線(4)に沿って開封片(5)を切除することで、開封片(5)と容器本体(2)との接着部分である接着部(7)が層間剥離し、開封片(5)を容器本体(2)から剥離することで、図3に示すように、容器蓋(3)が容器本体(2)の一頂縁(i)を軸として容器本体(2)に対して回動可能な状態を構成することになる。
【0019】
そして、図4に示すように、容器本体(2)の開口部を容器蓋(3)で閉蓋した際に、包装用容器(1)が略直方体形状となるように構成している。なお、図1に示す切取線(4)は、開封片(5)を切取線(4)に沿って容易に切除することが可能な形状のミシン目が施されていることが好ましい。
【0020】
また、本実施形態における包装用容器(1)は、図2〜図4に示すように、容器蓋(3)の前面の掩蓋片(6)には、ロール状包装媒体(R)を切断するための切断部となる鋸刃状のカッター(8)が設けられている。なお、カッター(8)の形状は、特に限定するものではなく、あらゆる形状で構成することが可能であり、例えば、直線形状や、略中央部分が他の部分よりも突出する形状(V字形状)で構成することが可能である。また、カッター(8)の刃の種類としては、材質が金属、プラスチック、紙、バルカナイズド硬化紙等で、その端縁を、鋸刃状に加工したもの、砥粒を塗布加工したもの、或いは、両者の加工を併用したものが適用可能である。また、カッター(8)の配備方法としては、カッター(8)を掩蓋片(6)の適所に対しカシメ具や接着剤などで固定する方法などを採用することが可能である。なお、本実施形態における包装用容器(1)は、ロール状包装媒体(R)を切断することが可能であれば、カッター(8)に限定するものではなく、あらゆる構成の切断部を設けるように設計することが可能である。また、切断部の位置も特に限定するものではなく、ロール状包装媒体(R)を切断可能な任意の位置に設けることが可能である。例えば、ロール状包装媒体(R)としてアルミホイル等を適用する場合には、カッター(8)を設けず、掩蓋片(6)の先端部分や、折線(f)の部分を切断部として使用するように設計することも可能である。
【0021】
<包装用容器:1の展開図>
次に、図5を参照しながら、本実施形態における包装用容器(1)の概略展開図について説明する。なお、図5は、本実施形態における包装用容器(1)を展開したものである。
【0022】
本実施形態における包装用容器(1)は、ロール状包装媒体(R)を収納する容器本体(2)の部分と、容器本体(2)の開口部を被包する容器蓋(3)の部分と、から構成している。
【0023】
<容器本体:2>
容器本体(2)の部分は、本体前面板(11)と、本体底面板(12)と、本体後面板(13)と、が順次、折線(a)、(b)を介して連接している。
【0024】
また、本体前面板(11)の両側辺には、第2の折込片(14)、(14')がそれぞれ折線(c)、(c')を介して連接している。
【0025】
また、本体底面板(12)の両側辺には、本体側面板(15)、(15')がそれぞれ折線(d)、(d')を介して連接している。
【0026】
また、本体後面板(13)の両側辺には、第3の折込片(16)、(16')がそれぞれ折線(e)、(e')を介して連接している。
【0027】
また、本体前面板(11)の上辺には、折返片(17)が折線(f)を介して連接している。なお、折返片(17)の両側辺には、第1の折込片(18)、(18')がそれぞれ折線(m)、(m')を介して連接している。
【0028】
<容器蓋:3>
容器蓋(3)の部分は、蓋体蓋板(21)が本体後面板(13)に折線(i)を介して連接している。
【0029】
また、蓋体蓋板(21)には、掩蓋片(6)が折線(j)を介して連接している。
【0030】
また、蓋体蓋板(21)の両側辺には、蓋体側面板(23)、(23')がそれぞれ折線(k)、(k')を介して連接している。
【0031】
また、掩蓋片(6)の両側辺には、蓋体折込片(24)、(24')がそれぞれ折線(l)、(l')を介して連接している。
【0032】
また、掩蓋片(6)には、図2に示すように、カッター(8)を露出させるための開封片(5)が切取線(4:図1、図2参照)で区画されている。
【0033】
<包装用容器:1の製造工程>
次に、図5〜図7を参照しながら、図5に示す板紙製のブランクシートを組み立てて、図1に示すような包装用容器(1)を構成するまでの製造工程について説明する。なお、以下に説明する製造工程は一例であり、本実施形態の包装用容器(1)を構成することが可能であれば、当業者が適宜修正、変更を加え、様々な製造工程を適用することが可能であることは言うまでもない。
【0034】
本実施形態の包装用容器(1)を構成する製造工程の概略としては、図5に示す板紙製のブランクシートの必要な箇所に糊付を行い、図5に示す折線(f,a,i)に沿って折り曲げ、図6(a)に示す状態に折り畳まれた包装用容器(1)を作製し、その後、図6(a)に示す包装用容器(1)の中に、ロール状に巻回されたロール状包装媒体(R)を収納し、図6(c)に示す状態の包装用容器(1)を構成することになる。
【0035】
まず、図5に示す折返片(17)を折線(f)に沿って本体前面板(11)側に折り返す。なお、本実施形態における包装用容器(1)は、折返片(17)の領域(例えば、図5に示す30)に接着剤等を塗布し、折返片(17)と、本体前面板(11)と、を貼り付ける。これにより、折返片(17)と、本体前面板(11)と、の少なくとも1部分が接着した状態を構成し、折返片(17)が補強板として機能することになる。また、折返片(17)の両側辺に連接している第1の折込片(18、18')と、本体前面板(11)及びその本体前面板(11)の両側辺に連接している第2の折込片(14、14')と、が接触した状態を構成することになる。
【0036】
次に、折返片(17)及び第1の折込片(18、18')を折線(f)に沿って本体前面板(11)側に折り返した状態で、折線(a)に沿って、本体前面板(11)を内側に折り曲げ、更に、蓋体蓋板(21)を折線(i)に沿って折り曲げ、掩蓋片(6)を本体前面板(11)の上に重ね、掩蓋片(6)の開封片(5)と、本体前面板(11)と、を貼り合せる。
【0037】
これにより、図5に示す板紙製のブランクシートを折り畳んだ図6(a)に示す状態の包装用容器(1)を構成することになる。
【0038】
なお、本実施形態の包装用容器(1)は、図6(a)に示す状態で、保管、輸送等を行うことになる。図6(a)に示す状態の包装用容器(1)は、折返片(17)と、本体前面板(11)と、が接着した状態を構成する。また、開封片(5)と、本体前面板(11)と、が接着した状態を構成する。
【0039】
次に、図6(a)に示す状態に折り畳んだ包装用容器(1)に対し、ロール状包装媒体(R)を収納することになる。
【0040】
まず、図6(a)に示す状態に折り畳まれた包装用容器(1)を起こし、図6(b)に示すように、包装用容器(1)を四角柱形状に構成し、図6(c)に示すように、一方の側面の開口部からロール状包装媒体(R)を挿入する。
【0041】
なお、図6(c)に示すように、ロール状包装媒体(R)を包装用容器(1)内に挿入した後は、まず、図7(a)に示すように、本体後面板(13)に折線(e')を介して連接している第3の折込片(16')を容器本体の内側に折り曲げる。これにより、第3の折込片(16')は、本体側面板の内側を構成することになる。
【0042】
次に、図7(b)に示すように、本体前面板(11)に折線(c')を介して連接している第2の折込片(14')を容器本体の内側に折り曲げる。なお、本実施形態における包装用容器(1)は、図5に示す板紙製のブランクシートを折り畳んだ図6に示す状態では、図7(a)に示すように、第2の折込片(14')と、第1の折込片(18')と、が接触した状態を構成している。このため、第2の折込片(14')を容器本体の内側に折り曲げた場合には、図7(b)に示すように、第1の折込片(18')も一緒に容器本体の内側に折り曲がることになり、その結果、図7(b)に示すように、第2の折込片(14')と、第1の折込片(18')と、の間に空間(50')を形成することになる。このため、本体側面板の内側を構成する第3の折込片(16')は、その空間(50')により、図7(b)に示すように、容器本体の内側に位置することになる。
【0043】
次に、第2の折込片(14')上に本体側面板(15')を折り曲げ、第2の折込片(14')及び第3の折込片(16')と、本体側面板(15')と、を貼り合わせる。
【0044】
次に、蓋体折込片(24')を折り曲げ、その上に、蓋体側板(23')を折り曲げ、蓋体折込片(24')と、蓋体側板(23')と、を貼り合わせる。
【0045】
これにより、一方の側面を形成することになる。また、もう一方の側面についても同様に形成し、図1に示す包装用容器(1)を構成することになる。
【0046】
なお、上記方法では、容器本体(2)にロール状包装媒体(R)を挿入した後に、包装用容器(1)の両側面を形成することにしたが、例えば、一方の側面を形成した後に、容器本体(2)にロール状包装媒体(R)を挿入し、もう一方の側面を形成するようにすることも可能である。
【0047】
なお、本実施形態における包装用容器(1)は、容器(1)の両側面を形成した際に、図8に示すように、折返片(17)の両端から連接された第1の折込片(18、18')と、本体前面板(11)の両端から連接された第2の折込片(14、14')と、の間に空間(50、50')を形成し、その空間(50、50')により、本体後面板(13)の両端から連接された第3の折込片(16、16')が、容器本体の内側に位置し、ロール状包装媒体(R)の心材(R1)を両端から保持することになる。これにより、本実施形態における包装用容器(1)は、簡易な構造で、ロール状材包装媒体(R)の脱落を防止することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態における包装用容器(1)は、製造工程時において、上述したロール状材包装媒体(R)の脱落を防止するための構造を形成することが可能となるため、人的な操作を伴わず、機械的な操作で自動的に形成することが可能となる。
【0049】
なお、本実施形態における包装用容器(1)は、第1の折込片(18、18')と、第2の折込片(14、14')と、の間に空間(50、50')を形成することが可能であれば、第1の折込片(18、18')と、第2の折込片(14、14')と、の位置関係は、図8に示す状態に限定するものではなく、例えば、図9(a)に示すように、第1の折込片(18')が、第2の折込片(14')よりも長くなるように設計することも可能である。また、図9(b)に示すように、第1の折込片(18')が、第2の折込片(14')よりも短くなるように設計することも可能である。
【0050】
なお、本実施形態の包装用容器(1)を使用する際には、図2に示すように、掩蓋片(6)の開封片(5)を本体前面板(11)から剥がしながら切取線(4)に沿って切り取って除去する。
【0051】
そして、図3に示すように容器蓋(3)を開き、その容器蓋(3)を開いた状態で、ロール状包装媒体(R)の先端部を摘んで所望の長さだけ引き出し、その引き出したロール状包装媒体(R)をカッター(8)で切断することになる。
【0052】
この時、本実施形態における第3の折込片(16、16')は、ロール状包装媒体(R)の心材(R1)を両端から保持することになる。その結果、ロール状材包装媒体(R)の容器本体(2)からの脱落を防止することが可能となる。また、ロール状包装媒体(R)の遊動を抑止し、ロール状包装媒体(R)の巻きのゆるみや、ロール状包装媒体(R)の先端部の巻き戻りを防止することが可能となる。
【0053】
このように、本実施形態における包装用容器(1)は、図3、図8に示すように、本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な折返片(17)を有し、当該折返片(17)の両端から連接された第1の折込片(18、18')と、本体前面板(11)の両端から連接された第2の折込片(14、14')と、の間に空間(50、50')を形成し、当該空間(50、50')により、本体後面板(13)の両端から連接された第3の折込片(16、16')が、容器本体の内側に位置し、当該第3の折込片(16、16')によりロール包装媒体(R)が巻回された心材(R1)を両端から保持することになる。その結果、簡易な構造で、ロール状材包装媒体(R)の容器本体(2)からの脱落を防止することが可能となる。また、ロール状包装媒体(R)の遊動を抑止し、ロール状包装媒体(R)の巻きのゆるみや、ロール状包装媒体(R)の先端部の巻き戻りを防止することが可能となる。
【0054】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0055】
第2の実施形態における包装用容器(1)は、図10に示すように、本体後面板(13)の両端から連接された第3の折込片(16、16')には、心材(R1)を保持するためのスリット(S)が形成されていることを特徴とする。これにより、第3の折込片(16、16')に形成されたスリット(S)の少なくとも一部分の切込(41)に沿って心材(R1)を保持することが可能となるため、第1の実施形態よりも、更に心材(R1)を保持し易くすることが可能となる。その結果、第1の実施形態よりも、ロール状材包装媒体(R)の容器本体(2)からの脱落を防止することが可能となる。また、ロール状包装媒体(R)の遊動を抑止し、ロール状包装媒体(R)の巻きのゆるみや、ロール状包装媒体(R)の先端部の巻き戻りを防止することが可能となる。以下、図10、図11を参照しながら、本実施形態における包装用容器(1)について詳細に説明する。
【0056】
本実施形態における包装用容器(1)は、図10に示すように、本体後面板(13)の両端から連接された第3の折込片(16、16')には、心材(R1)を保持するためのスリット(S)が形成されている。図10に示すスリット(S)は、第3の折込片(16、16')に施された切込(41)により、穴(40)を有して構成している。なお、本実施形態におけるスリット(S)は、ロール状包装媒体(R)の心材(R1)の上方部分の少なくとも一部分に沿って当接するような形状(例えば、孤状)で形成することが好ましい。これにより、ロール状包装媒体(R)を容器本体(2)内に挿入した際に、図11に示すように、第3の折込片(16、16')に形成されたスリット(S)の少なくとも一部分の切込(41)に沿って心材(R1)を保持することが可能となる。その結果、第1の実施形態よりも、ロール状材包装媒体(R)の容器本体(2)からの脱落を防止することが可能となる。また、ロール状包装媒体(R)の遊動を抑止し、ロール状包装媒体(R)の巻きのゆるみや、ロール状包装媒体(R)の先端部の巻き戻りを防止することが可能となる。なお、スリット(S)の形状は、図10、図11に示す形状に限定するものではなく、心材(R1)を保持することが可能な形状であればあらゆる形状でスリット(S)を形成することが可能である。また、図10、図11では、スリット(S)は、穴(40)を有して構成することにしたが、切込(41)だけでスリット(S)を形成することも可能である。
【0057】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において当業者が上記実施形態の修正や代用を行い、種々の変更を施した形態を構築することが可能である。
【0058】
例えば、本実施形態における包装用容器(1)は、図8に示すように、第1の折込片(18、18')と、第2の折込片(14、14')と、の間に空間(50、50')を形成することが可能であれば、図5に示す折線(m)、(m')の位置は特に限定せず、あらゆる位置に折線(m)、(m')を形成することが可能である。なお、空間(50、50')を形成するためには、図5に示すように、折線(m)、(m')が、折線(c)、(c')の位置よりも内側に形成されていることが好ましい。
【0059】
また、本実施形態における包装用容器(1)は、図5に示す第1の折込片(18、18')と、本体前面板(11)及び第2の折込片(14、14')と、の間は、切込が施されているため、第1の折込片(18、18')が遊動し、板紙製のブランクシートの保管、輸送時等に支障が発生する虞がある。このため、図12に示すように、第1の折込片(18、18')と、本体前面板(11)及び第2の折込片(14、14')と、の間の少なくとも一部分に繋(60)が形成されていることが好ましい。この繋(60)により第1の折込片(18、18')の遊動を防止し、板紙製のブランクシートの保管、輸送時等の支障の発生を回避することが可能となる。また、繋(60)は、図8に示すように、第1の折込片(18、18')と、第2の折込片(14、14')と、の間に空間(50、50')を形成する際に自動的に切断されることになるため、空間(50、50')を形成する際の阻害要因にならずに、第1の折込片(18、18')の遊動を防止することが可能となる。
【0060】
また、上述した包装用容器(1)において、折返片(17)と、本体前面板(11)と、は図5に示す30の部分で接着することにしたが、図5に示す30に示す部分に限定するものではなく、あらゆる位置で、折返片(17)と、本体前面板(11)と、が接着するように構成することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、ロール状に巻回された包装媒体、例えば、ラップフィルムに代表される樹脂製フィルムや紙、アルミホイル等を包装するための容器に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本実施形態における包装用容器(1)の外観を示す斜視図である。
【図2】本実施形態における包装用容器(1)の外観を示す斜視図であり、開封片(5)を切取線(4)に沿って切除している状態を示す図である。
【図3】本実施形態における包装用容器(1)の外観を示す図であり、開封片(5)を切除し、容器蓋(3)を開蓋した状態を示す図である。
【図4】本実施形態における包装用容器(1)の外観を示す図であり、容器蓋(3)を閉蓋した状態を示す図である。
【図5】第1の実施形態における包装用容器(1)の概略展開図を示す図である。
【図6】第1の実施形態における包装用容器(1)を構成する際の製造工程を説明するための第1の図である。
【図7】第1の実施形態における包装用容器(1)を構成する際の製造工程を説明するための第2の図である。
【図8】本実施形態における包装用容器(1)の特徴を説明するための概略図である。
【図9】包装用容器(1)を構成する第1の折込片(18、18')と、第2の折込片(14、14')と、の位置関係を説明するための図である。
【図10】第2の実施形態における包装用容器(1)の概略展開図を示す図である。
【図11】第3の折込片(16、16')に形成されたスリット(S)により、心材(R1)を保持した状態を説明するための図である。
【図12】包装用容器(1)を構成する第1の折込片(18、18')と、本体前面板(11)及び第2の折込片(14、14')と、の間の少なくとも一部分に繋(60)を形成した構成を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 包装用容器
2 容器本体
3 容器蓋
4 切取線
5 開封片
6 掩蓋片
7 接着部
8 カッター(切断部)
11 本体前面板
12 本体底面板
13 本体後面板
14、14' 第2の折込片
15、15' 本体側面板
16、16' 第3の折込片
17 折返片
18、18' 第1の折込片
21 蓋体蓋板
23、23' 蓋体側面板
24、24' 蓋体折込片
30 接着部分
R ロール状包装媒体
R1 心材
S スリット
40 穴
41 切込
50 空間
60 繋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状に巻回された包装媒体を収納する容器本体と、前記容器本体の開口部を被包する容器蓋と、前記包装媒体を切断する切断部と、を有し、前記容器蓋は、前記容器本体の一頂縁に連接し、前記一頂縁を軸として前記容器本体に対して回動可能な構造の包装用容器であって、
前記容器本体は、前記容器本体の前面板の裏面側に折り返し可能な折返片を有し、
当該折返片の両端から連接された第1の折込片と、前記前面板の両端から連接された第2の折込片と、の間に空間を形成し、当該空間により、前記容器本体の後面板の両端から連接された第3の折込片が、前記容器本体の内側に位置し、当該第3の折込片により前記包装媒体を保持することを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記第3の折込片には、前記包装媒体が巻回された心材を保持するためのスリットが形成されてなることを特徴とする請求項1記載の包装用容器。
【請求項3】
請求項1または2記載の包装用容器の構造を形成するためのブランクシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−132397(P2009−132397A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308052(P2007−308052)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【特許番号】特許第4120003号(P4120003)
【特許公報発行日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(000162113)共同印刷株式会社 (488)
【Fターム(参考)】