包装用容器及びブランクシート
【課題】簡易な構造で、包装媒体の脱落を防止することが可能な包装用容器を提供する。
【解決手段】容器本体(2)の本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な第1の折返片(17)と、容器本体(2)の本体側面板(15、15')の内側に折り返し可能な第2の折返片(18')と、を有して構成し、第1の折返片(17)は、本体前面板(11)の裏面側に折り返されて、本体前面板(11)の裏面側に固定され、また、第2の折返片(18')は、本体側面板(15')の内側に折り返した状態で、本体前面板(11)の裏面側に固定された第1の折返片(17)に係止され、該係止された第2の折返片(18')により、包装媒体(R)の脱落を防止する。
【解決手段】容器本体(2)の本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な第1の折返片(17)と、容器本体(2)の本体側面板(15、15')の内側に折り返し可能な第2の折返片(18')と、を有して構成し、第1の折返片(17)は、本体前面板(11)の裏面側に折り返されて、本体前面板(11)の裏面側に固定され、また、第2の折返片(18')は、本体側面板(15')の内側に折り返した状態で、本体前面板(11)の裏面側に固定された第1の折返片(17)に係止され、該係止された第2の折返片(18')により、包装媒体(R)の脱落を防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心材に巻回された包装媒体、例えば、ラップフィルムに代表される樹脂製フィルムや紙、アルミホイル等を包装するための包装用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に知られているラップフィルム等の包装媒体を収容する包装用容器は、包装媒体を収納する容器本体と、当該容器本体に一体的に設けられた容器蓋と、を有して構成しており、円筒状の紙管(心材)にロール状に巻回された包装媒体を容器本体に収納することになる。
【0003】
なお、従来の包装用容器は、包装媒体を容器本体から引き出して使用する際に、その包装媒体が容器本体から飛び出してしまう虞があった。
【0004】
このようなことから、本発明より先に出願された技術文献として、シート状物を確実に一枚ずつ取り出すことができると共に、組み立てが容易で、製作コストを低減し得る飛出し防止付カートンについて開示された文献がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
上記特許文献1に開示されているカートンは、容器本体Aの側面板10の上縁に、両側部に被係止部12を有する飛出し防止片11を延設すると共に、側面板10の両側部に、係止部23を有する折込片21を延設し、係止部23に被係止部12を係合させ、容器本体Aの内側において飛出し防止片11の上方への動きを抑止することにしている。
【0006】
また、簡易な構成にして収容ロールに対する十分な抑止効果を有し、かつ製函適正に一層優れたロールシート収容容器組み立て用のブランクについて開示された文献がある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
上記特許文献2に開示されているブランクは、側面部6,6には折目gよりに折目kを介し外方向を頂点7aとするテーパー7bを有するところの突出用舌片7が、少なくとも該頂点7aと側面部6との係止を残して打ち抜かれており、また糊代フラップ8aおよび8bにはその略中央部寄りの位置から上記両側面部6寄りの角度に向けたスリット9と、該スリット9と交叉し上記テーパー7bに対応する角度の折目10を設けて上記スリット9と折目10で区画される折曲片9aを有せしめて構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−191950号公報
【特許文献2】実公昭61−22826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献1では、側面板10の両側部に、係止部23を有する折込片21を延設し、係止部23に被係止部12を係合させ、容器本体Aの内側において飛出し防止片11の上方への動きを抑止する構成を採用しているため、飛出し防止片11の上方への動きを抑止するための構造が複雑になっていると共に、多くの紙片を設ける必要がある。また、上記特許文献1には、容器本体Aの前面板1の裏面側に折り返し可能な折返片を用いて、飛び出し防止片11の上方への動きを抑止する点については何ら記載も示唆もされていない。
【0010】
また、上記特許文献2では、容器使用時に、側面部6,6の突出用舌片7,7を指等により内方へ押圧して頂点7aと側面部6,6との係止を解除し、突出用舌片7,7をロールシートの側面巻芯内に進入させるようにしている。このため、上記特許文献2の構造では、側面部6,6を破断することになる。また、上記特許文献2の構造では、突出用舌片7,7をロールシートの側面巻芯内に進入させているため、突出用舌片7,7をロールシートの側面巻芯内に一度進入させしまうと、ロールシートを容器から取り出すことが困難となる。その結果、ロールシートを全て使用した後の巻芯を容器から取り出すことが困難となる。また、上記特許文献2も上記特許文献1と同様に、容器本体の前面板の裏面側に折り返し可能な折返片を用いて、包装媒体の脱落を防止する点については何ら記載も示唆もされていない。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、容器本体の前面板の裏面側に折り返し可能な折返片を用いて、包装媒体の脱落を防止することが可能な包装用容器及びその容器を形成するためのブランクシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有することとする。
【0013】
<包装用容器>
本発明にかかる包装用容器は、
心材に巻回された包装媒体を収納する容器本体と、前記容器本体の開口部を被包する容器蓋と、前記包装媒体を切断する切断部と、を有し、前記容器蓋は、前記容器本体の一頂縁に連接し、前記一頂縁を軸として前記容器本体に対して回動可能な構造の包装用容器であって、
前記容器本体は、
前記容器本体の前面板の裏面側に折り返し可能な第1の折返片と、
前記容器本体の側面板の内側に折り返し可能な第2の折返片と、を有し、
前記第1の折返片は、前記前面板の裏面側に折り返されて、前記前面板の裏面側に固定されており、
前記第2の折返片は、前記側面板の内側に折り返した状態で、前記前面板の裏面側に固定された前記第1の折返片に係止され、該係止された前記第2の折返片により、前記包装媒体の脱落を防止することを特徴とする。
【0014】
<ブランクシート>
本発明にかかるブランクシートは、
上記記載の包装用容器の構造を形成するためのブランクシートであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、容器本体の前面板の裏面側に折り返し可能な折返片を用いて、包装媒体の脱落を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態における包装用容器(1)の外観を示す斜視図である。
【図2】本実施形態における包装用容器(1)の外観を示す斜視図であり、開封片(5)を切取線(4)に沿って切除している状態を示す図である。
【図3】本実施形態における包装用容器(1)の外観を示す図であり、開封片(5)を切除し、容器蓋(3)を開蓋した状態を示す図である。
【図4】本実施形態における包装用容器(1)の外観を示す図であり、容器蓋(3)を閉蓋した状態を示す図である。
【図5】本実施形態における包装用容器(1)の概略展開図を示す図である。
【図6】包装用容器(1)の概略展開図の一部を拡大した構成例を示す図である。
【図7】包装用容器(1)を構成する容器本体(2)の構成例を示す第1の図である。
【図8】包装用容器(1)を構成する容器本体(2)の構成例を示す第2の図である。
【図9】包装用容器(1)を構成する容器本体(2)の構成例を示す第3の図である。
【図10】包装用容器(1)を構成する際の製造工程を説明するための第1の図である。
【図11】包装用容器(1)を構成する際の製造工程を説明するための第2の図である。
【図12】包装用容器(1)を構成する際の製造工程を説明するための第3の図である。
【図13】本実施形態の包装用容器(1)を構成する第2の折返片(18、18')の変形例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
まず、図3、図5、図9を参照しながら、本実施形態の包装用容器(1)の概要について説明する。
【0018】
本実施形態における包装用容器(1)は、図3に示すように、心材(R1)に巻回された包装媒体(R)を収納する容器本体(2)と、容器本体(2)の開口部を被包する容器蓋(3)と、包装媒体(R)を切断する切断部(8)と、を有して構成する。なお、容器蓋(3)は、容器本体(2)の一頂縁(i)に連接し、一頂縁(i)を軸として容器本体(2)に対して回動可能な構造を構成する。
【0019】
本実施形態の包装用容器(1)を構成する容器本体(2)は、図5に示すように、容器本体(2)の本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な第1の折返片(17)と、容器本体(2)の本体側面板(15、15')の内側に折り返し可能な第2の折返片(18、18')と、を有して構成している。
【0020】
そして、図9に示すように、第1の折返片(17)は、本体前面板(11)の裏面側に折り返されて、本体前面板(11)の裏面側に固定されている。また、第2の折返片(18')は、本体側面板(15')の内側に折り返した状態で、本体前面板(11)の裏面側に固定された第1の折返片(17)に係止され、該係止された第2の折返片(18')により、包装媒体(R)の脱落を防止することにしている。なお、第2の折返片(18)も同様に包装媒体(R)の脱落を防止することになる。これにより、容器本体(2)の本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な第1の折返片(17)を用いて、簡易な構造で、包装媒体(R)の脱落を防止することが可能となる。
【0021】
また、本実施形態の包装用容器(1)を構成する第2の折返片(18')は、本体側面板(15')の内側に折り返した状態で、本体前面板(11)の裏面側に固定された第1の折返片(17)に係止され、該係止された第2の折返片(18')により、包装媒体(R)の脱落を防止することにしている。このため、第2の折返片(18')が第1の折返片(17)に係止された状態を解除することで、容器本体(2)から包装媒体(R)を容易に取り出すことができる。その結果、包装媒体(R)を全て使用した後の心材(R1)を容器本体(2)から容易に取り出すことが可能となる。
【0022】
また、新たな包装媒体(R)を容器本体(2)に挿入し、再び、第2の折返片(18')を第1の折返片(17)に係止された状態にすることができる。その結果、包装用容器(1)を再利用することができるため、資源の有効活用を図ることが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態における包装用容器(1)について詳細に説明する。
【0023】
<包装用容器:1の構成>
まず、図1〜図4を参照しながら、本実施形態における包装用容器(1)の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態における包装用容器(1)の外観斜視図である。図2は、開封片(5)を切取線(4)に沿って切除している状態の包装用容器(1)の外観斜視図である。図3は、開封片(5)を切除し、容器蓋(3)を開蓋した状態の外観斜視図である。図4は、容器蓋(3)を閉蓋した状態の外観斜視図である。
【0024】
本実施形態における包装用容器(1)は、図1に示すように、容器本体(2)と、当該容器本体(2)と連接した容器蓋(3)と、を有して構成している。
【0025】
本実施形態における包装用容器(1)は、例えば、厚紙、ボール紙などの紙素材により形成することが可能である。また、包装用容器(1)は、複数枚、または、1枚の紙素材から形成することも可能である。また、本実施形態における包装用容器(1)を構成する容器本体(2)は、少なくとも、1度折り曲げても元に戻ろうとする復元性を有していることが好ましい。
【0026】
また、容器蓋(3)の掩蓋片(6)には、包装用容器(1)を使用する際に切除する開封片(5)が設けられており、図2に示すように、切取線(4)に沿って開封片(5)を切除することで、開封片(5)と容器本体(2)との接着部分である接着部(7)が層間剥離し、開封片(5)を容器本体(2)から剥離することで、図3に示すように、容器蓋(3)が容器本体(2)の一頂縁(i)を軸として容器本体(2)に対して回動可能な状態を構成する。
【0027】
そして、図4に示すように、容器本体(2)の開口部を容器蓋(3)で閉蓋した際に、包装用容器(1)が略直方体形状となるように構成している。なお、図1に示す切取線(4)は、開封片(5)を切取線(4)に沿って容易に切除することが可能な形状のミシン目が施されていることが好ましい。
【0028】
また、本実施形態における包装用容器(1)は、図2〜図4に示すように、容器蓋(3)の前面の掩蓋片(6)には、包装媒体(R)を切断するための切断部となる鋸刃状のカッター(8)が設けられている。なお、カッター(8)の形状は、特に限定するものではなく、あらゆる形状で構成することが可能であり、例えば、直線形状や、略中央部分が他の部分よりも突出する形状(V字形状)で構成することが可能である。また、カッター(8)の刃の種類としては、材質が金属、プラスチック、紙、バルカナイズド硬化紙等で、その端縁を、鋸刃状に加工したもの、砥粒を塗布加工したもの、或いは、両者の加工を併用したものが適用可能である。また、カッター(8)の配備方法としては、カッター(8)を掩蓋片(6)の適所に対しカシメ具や接着剤などで固定する方法などを採用することが可能である。
【0029】
<包装用容器:1の展開図>
次に、図5を参照しながら、本実施形態における包装用容器(1)の概略展開図について説明する。なお、図5は、本実施形態における包装用容器(1)を展開したものである。
【0030】
本実施形態における包装用容器(1)は、包装媒体(R)を収納する容器本体(2)の部分と、容器本体(2)の開口部を被包する容器蓋(3)の部分と、で構成している。
【0031】
<容器本体:2>
容器本体(2)の部分は、本体前面板(11)と、本体底面板(12)と、本体後面板(13)と、が順次、折線(a)、(b)を介して連接している。
【0032】
また、本体前面板(11)の両側辺には、第1の折込片(14)、(14')がそれぞれ折線(c)、(c')を介して連接している。
【0033】
また、本体底面板(12)の両側辺には、本体側面板(15)、(15')がそれぞれ折線(d)、(d')を介して連接している。また、本体側面板(15)、(15')の両側辺には、本体側面板(15)、(15')の裏面側に折り返し可能な第2の折返片(18)、(18')が折線(m)、(m')を介して連接している。折線(m)、(m')の両端部や中央部には切込(10)、(10')が施されており、第2の折返片(18)、(18')が折線(m)、(m')を介して本体側面板(15)、(15')の裏面側に容易に折り返し可能な構造にしている。
【0034】
また、本体後面板(13)の両側辺には、第2の折込片(16)、(16')がそれぞれ折線(e)、(e')を介して連接している。
【0035】
また、本体前面板(11)の上辺には、第1の折返片(17)が折線(f)を介して連接している。
【0036】
<容器蓋:3>
容器蓋(3)の部分は、蓋体蓋板(21)が本体後面板(13)に折線(i)を介して連接している。
【0037】
また、蓋体蓋板(21)には、掩蓋片(6)が折線(j)を介して連接している。
【0038】
また、蓋体蓋板(21)の両側辺には、蓋体側面板(23)、(23')がそれぞれ折線(k)、(k')を介して連接している。
【0039】
また、掩蓋片(6)の両側辺には、蓋体折込片(24)、(24')がそれぞれ折線(l)、(l')を介して連接している。
【0040】
また、掩蓋片(6)には、図2に示すように、カッター(8)を露出させるための開封片(5)が切取線(4:図1、図2参照)で区画されている。
【0041】
<包装媒体(R)の脱落防止機能の構造>
次に、図5〜図9を参照しながら、包装媒体(R)の脱落防止機能の構造について説明する。図6は、図5に示す第1の折返片(17)、第1の折込片(14')、本体側面板(15')、第2の折返片(18')周辺の拡大構成例を示す。図7〜図9は、図5に示すブランクシートを用いて構成した容器本体(2)の構成例を示す。
【0042】
本実施形態の容器本体(2)は、図5、図6に示すように、第1の折返片(17)の長手方向の長さが、本体前面板(11)の長手方向の長さよりも短い形状で構成し、容器本体(2)を構成した際に、図7に示すように、第1の折返片(17)の端部と、本体側面板の内側を構成する第2の折込片(16')と、の間に隙間(50')を形成するように構成している。図7は、容器本体(2)を構成する一方の端部の拡大図を示すが、他方の端部でも同様な隙間(50)を形成することになる。図6に示す設計の場合には、隙間(50')の横幅は2mmであり、高さは5mmとなる。但し、隙間(50')の横幅や高さは、図5に示すブランクシートの層厚や形状に応じて任意に設計変更することになる。
【0043】
本実施形態の容器本体(2)は、本体側面板(15')と第2の折返片(18')とが折線(m')を介して連接しており、その折線(m')を介して第2の折返片(18')を本体側面板(15')の裏面側方向に折り返すことで、図8に示す状態を構成する。折線(m')の両端部や中央部には、図5、図6に示すように、切込(10')が施されており、第2の折返片(18')が折線(m')を介して本体側面板(15')の裏面側方向に容易に折り返し可能な構造にしている。図6に示す設計の場合には、折線(m')の両端には、8mmの線状の切込(10')を施し、中央部には、上底が10mm、下底が14mm、高さが2.9mmとなるような凸状の切込(10')を施す構成にしている。但し、切込(10')の形状や長さは、図5に示すブランクシートの層厚や形状に応じて任意に設計変更することになる。
【0044】
本実施形態の容器本体(2)は、第2の折返片(18')を本体側面板の内側を構成する第2の折込片(16')側に折り曲げ、第2の折返片(18')の一方の端部側を図7に示す隙間(50')に差し込むことで、図9に示すように、第2の折返片(18')の一方の端部側が第1の折返片(17)の端部に係止し、第2の折返片(18')の他方の端部側が心材(R1)に当接する構成となる。その結果、第1の折返片(17)と第2の折返片(18')とは、包装媒体(R)の脱落防止機能を構成することになる。なお、第2の折返片(18)も同様に包装媒体(R)の脱落防止機能を構成することになる。
【0045】
また、隙間(50')に差し込んだ第2の折返片(18')の一方の端部側をその隙間(50')から解放することで、第2の折返片(18')の一方の端部側が第1の折返片(17)の端部に係止した状態を解除することができる。これにより、容器本体(2)から包装媒体(R)を容易に取り出すことが可能となる。その結果、包装媒体(R)を全て使用した後の心材(R1)を容器本体(2)から容易に取り出すことが可能となる。
【0046】
また、新たな包装媒体(R)を容器本体(2)に挿入し、第2の折返片(18')を本体側面板の内側を構成する第2の折込片(16')側に折り曲げ、第2の折返片(18')の一方の端部側を隙間(50')に差し込むことで、第2の折返片(18')の一方の端部側が第1の折返片(17)の端部に係止し、第2の折返片(18')の他方の端部側が心材(R1)に当接する構成となる。このため、再び、第2の折返片(18')を第1の折返片(17)に係止された状態にすることができる。その結果、包装用容器(1)を再利用することができるため、資源の有効活用を図ることが可能となる。
【0047】
<包装用容器:1の製造工程>
次に、図5、図10〜図12を参照しながら、図5に示す板紙製のブランクシートを組み立てて、図1に示すような包装用容器(1)を構成するまでの製造工程について説明する。図10〜図12は、包装用容器(1)を構成する際の製造工程を説明するための図である。なお、以下に説明する製造工程は一例であり、本実施形態の包装用容器(1)を構成することが可能であれば、当業者が適宜修正、変更を加え、様々な製造工程を適用することが可能であることは言うまでもない。
【0048】
本実施形態の包装用容器(1)を構成する製造工程の概略としては、図5に示す板紙製のブランクシートの必要な箇所に糊付を行い、図5に示す折線(f,a,i)に沿って折り曲げ、図10(a)に示す状態に折り畳まれた包装用容器(1)を作製し、その後、図10(b)に示す状態時の包装用容器(1)の中に、ロール状に巻回された包装媒体(R)を収納し、図10(c)に示す状態の包装用容器(1)を構成する。
【0049】
まず、図5に示す第1の折返片(17)を折線(f)に沿って本体前面板(11)側に折り返す。なお、本実施形態における包装用容器(1)は、第1の折返片(17)の領域(例えば、図5に示す30)に接着剤等を塗布し、第1の折返片(17)と、本体前面板(11)と、を貼り付ける。これにより、第1の折返片(17)と、本体前面板(11)と、の少なくとも一部分が固定した状態を構成し、第1の折返片(17)を補強板として機能させることができる。
【0050】
次に、第1の折返片(17)を折線(f)に沿って本体前面板(11)側に折り返した状態で、折線(a)に沿って、本体前面板(11)を内側に折り曲げ、更に、蓋体蓋板(21)を折線(i)に沿って折り曲げ、掩蓋片(6)を本体前面板(11)の上に重ね、掩蓋片(6)の開封片(5)と、本体前面板(11)と、を貼り合せる。
【0051】
これにより、図5に示す板紙製のブランクシートを折り畳んだ図10(a)に示す状態の包装用容器(1)を構成する。
【0052】
本実施形態の包装用容器(1)は、図10(a)に示す状態で、保管、輸送等を行う。図10(a)に示す状態の包装用容器(1)は、第1の折返片(17)と、本体前面板(11)と、が接着した状態を構成する。また、開封片(5)と、本体前面板(11)と、が接着した状態を構成する。
【0053】
次に、図10(a)に示す状態に折り畳んだ包装用容器(1)に対し、包装媒体(R)を収納することになる。
【0054】
この場合、まず、図10(a)に示す状態に折り畳まれた包装用容器(1)を起こし、図10(b)に示すように、包装用容器(1)を四角柱形状に構成し、図10(c)に示すように、一方の側面の開口部から包装媒体(R)を挿入する。
【0055】
なお、図10(c)に示すように、包装媒体(R)を包装用容器(1)内に挿入した後は、まず、図11(d)に示すように、本体後面板(13)に折線(e')を介して連接している第2の折込片(16')を容器本体(2)の内側に折り曲げる。これにより、第2の折込片(16')は、本体側面板の内側を構成することになる。
【0056】
次に、図11(e)に示すように、本体前面板(11)に折線(c')を介して連接している第1の折込片(14')を容器本体(2)の内側に折り曲げる。
【0057】
次に、図11(f)に示すように、第1の折込片(14')上に本体側面板(15')を折り曲げ、第1の折込片(14')及び第2の折込片(16')と、本体側面板(15')と、を貼り合わせる。本実施形態の本体側面板(15')には、折線(m')を介して第2の折返片(18')が連接されているため、第2の折返片(18')を折線(m')を介して本体側面板(15')の内側に折り曲げ、第1の折込片(14')及び第2の折込片(16')と、蓋体蓋板(21)と、の隙間(50)に第2の折返片(18')を差し込み、第2の折返片(18')が容器本体(2)の内部に位置するようにする。
【0058】
次に、図12(g)に示すように、蓋体折込片(24')を折り曲げ、その上に、図12(h)に示すように、蓋体側板(23')を折り曲げ、蓋体折込片(24')と、蓋体側板(23')と、を貼り合わせる。
【0059】
これにより、一方の側面を形成することになる。また、もう一方の側面についても同様に形成し、図1に示す包装用容器(1)を構成することになる。
【0060】
なお、上記方法では、容器本体(2)に包装媒体(R)を挿入した後に、包装用容器(1)の両側面を形成することにしたが、例えば、一方の側面を形成した後に、容器本体(2)に包装媒体(R)を挿入し、もう一方の側面を形成するように構築することも可能である。
【0061】
上述した製造工程で形成された包装用容器(1)を使用する際には、図2に示すように、掩蓋片(6)の開封片(5)を本体前面板(11)から剥がしながら切取線(4)に沿って切り取って除去する。
【0062】
次に、図3に示すように容器蓋(3)を開き、その容器蓋(3)を開いた状態で、第2の折返片(18、18')を折線(m、m')を介して本体側面板(15、15')の内側に折り返し、第2の折返片(18、18')の一方の端部側を第1の折返片(17)の端部に係止させ、第2の折返片(18、18')の他方の端部側を心材(R1)に当接させる。そして、第2の折返片(18、18')の他方の端部側が心材(R1)に当接した状態で、包装媒体(R)の先端部を摘んで所望の長さだけ引き出し、その引き出した包装媒体(R)をカッター(8)で切断する。
【0063】
本実施形態の包装用容器(1)は、第1の折返片(17)の端部に係止させた第2の折返片(18、18')が心材(R1)に当接し、第2の折返片(18、18')が包装媒体(R)の心材(R1)を両端から保持することになる。その結果、包装媒体(R)の容器本体(2)からの脱落を防止することが可能となる。また、包装媒体(R)の遊動を抑止し、包装媒体(R)の巻きのゆるみや、包装媒体(R)の先端部の巻き戻りを防止することが可能となる。また、第2の折返片(18、18')を心材(R1)に当接させ、第2の折返片(18、18')を包装媒体(R)と極力接触させないような構造を採用しているため、包装媒体(R)の破断も防止することが可能となる。
【0064】
また、本実施形態の包装用容器(1)は、本体前面板(11)の裏面側に固定された第1の折返片(17)の端部に、第2の折返片(18、18')の一方の端部側を係止させ、該係止させた第2の折返片(18、18')の他方の端部側を心材(R1)に当接させ、包装媒体(R)の脱落を防止する構成にしている。これにより、容器本体(2)の本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な第1の折返片(17)を用いて、簡易な構造で、包装媒体(R)の脱落を防止させることが可能となる。
【0065】
<本実施形態の包装用容器;1の作用・効果>
このように、本実施形態の包装用容器(1)を構成する容器本体(2)は、容器本体(2)の本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な第1の折返片(17)と、容器本体(2)の本体側面板(15、15')の内側に折り返し可能な第2の折返片(18、18')と、を有して構成し、第1の折返片(17)は、本体前面板(11)の裏面側に折り返されて、本体前面板(11)の裏面側に固定され、また、第2の折返片(18、18')は、本体側面板(15、15')の内側に折り返した状態で、本体前面板(11)の裏面側に固定された第1の折返片(17)に係止され、該係止された第2の折返片(18、18')により、包装媒体(R)の脱落を防止することにしている。
【0066】
これにより、本実施形態の包装用容器(1)は、容器本体(2)の本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な第1の折返片(17)を用いて、簡易な構造で、包装媒体(R)の脱落を防止することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態の包装用容器(1)を構成する第2の折返片(18、18')は、本体側面板(15、15')の内側に折り返した状態で、本体前面板(11)の裏面側に固定された第1の折返片(17)に係止され、該係止された第2の折返片(18、18')により、包装媒体(R)の脱落を防止することにしている。このため、第2の折返片(18、18')が第1の折返片(17)に係止された状態を解除することで、容器本体(2)から包装媒体(R)を容易に取り出すことができる。その結果、包装媒体(R)を全て使用した後の心材(R1)を容器本体(2)から容易に取り出すことが可能となる。
【0068】
また、新たな包装媒体(R)を容器本体(2)に挿入し、再び、第2の折返片(18、18')を第1の折返片(17)に係止された状態にすることができる。その結果、包装用容器(1)を再利用することができるため、資源の有効活用を図ることが可能となる。
【0069】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において当業者が上記実施形態の修正や代用を行い、種々の変更を施した形態を構築することが可能である。
【0070】
例えば、図13に示すように、第2の折返片(18、18')の一方の端部側に突起部(60、60')を設けるように構成することも可能である。これにより、突起部(60')を図7に示す隙間(50')に差し込んだ際に、その突起部(60')の復元力(1度折り曲げても元に戻ろうとする力)により、第2の折返片(18')の一方の端部側が本体前面板(11)側に接することになる。その結果、第2の折返片(18')の一方の端部側が第1の折返片(17)の端部に係止し易くなるため、その係止された第2の折返片(18')により、包装媒体(R)の脱落を防止することが可能となる。なお、突起部(60、60')の形状は、図13に示す形状に限定するものではなく、任意に設計変更することは可能である。
【0071】
また、本実施形態における包装用容器(1)は、包装媒体(R)を切断することが可能であれば、カッター(8)に限定するものではなく、あらゆる構成の切断部を設けるように設計することが可能である。また、切断部の位置も特に限定するものではなく、包装媒体(R)を切断可能な任意の位置に設けることが可能である。例えば、包装媒体(R)としてアルミホイル等を適用する場合には、カッター(8)を設けず、掩蓋片(6)の先端部分や、折線(f)の部分を切断部として使用するように設計することも可能である。
【0072】
また、上述した包装用容器(1)において、第1の折返片(17)と、本体前面板(11)と、は図5に示す30の部分で接着することにしたが、図5に示す30に示す部分に限定するものではなく、あらゆる位置で、第1の折返片(17)と、本体前面板(11)と、を接着させるように構成することは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、ロール状に巻回された包装媒体、例えば、ラップフィルムに代表される樹脂製フィルムや紙、アルミホイル等を包装するための容器に適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 包装用容器
2 容器本体
3 容器蓋
4 切取線
5 開封片
6 掩蓋片
7 接着部
8 カッター(切断部)
11 本体前面板
12 本体底面板
13 本体後面板
14、14' 第1の折込片
15、15' 本体側面板
16、16' 第2の折込片
17 第1の折返片
18、18' 第2の折返片
21 蓋体蓋板
23、23' 蓋体側面板
24、24' 蓋体折込片
30 接着部分
R 包装媒体
R1 心材
50 隙間
60、60' 突起部
m、m' 折線
10 切込
【技術分野】
【0001】
本発明は、心材に巻回された包装媒体、例えば、ラップフィルムに代表される樹脂製フィルムや紙、アルミホイル等を包装するための包装用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に知られているラップフィルム等の包装媒体を収容する包装用容器は、包装媒体を収納する容器本体と、当該容器本体に一体的に設けられた容器蓋と、を有して構成しており、円筒状の紙管(心材)にロール状に巻回された包装媒体を容器本体に収納することになる。
【0003】
なお、従来の包装用容器は、包装媒体を容器本体から引き出して使用する際に、その包装媒体が容器本体から飛び出してしまう虞があった。
【0004】
このようなことから、本発明より先に出願された技術文献として、シート状物を確実に一枚ずつ取り出すことができると共に、組み立てが容易で、製作コストを低減し得る飛出し防止付カートンについて開示された文献がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
上記特許文献1に開示されているカートンは、容器本体Aの側面板10の上縁に、両側部に被係止部12を有する飛出し防止片11を延設すると共に、側面板10の両側部に、係止部23を有する折込片21を延設し、係止部23に被係止部12を係合させ、容器本体Aの内側において飛出し防止片11の上方への動きを抑止することにしている。
【0006】
また、簡易な構成にして収容ロールに対する十分な抑止効果を有し、かつ製函適正に一層優れたロールシート収容容器組み立て用のブランクについて開示された文献がある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
上記特許文献2に開示されているブランクは、側面部6,6には折目gよりに折目kを介し外方向を頂点7aとするテーパー7bを有するところの突出用舌片7が、少なくとも該頂点7aと側面部6との係止を残して打ち抜かれており、また糊代フラップ8aおよび8bにはその略中央部寄りの位置から上記両側面部6寄りの角度に向けたスリット9と、該スリット9と交叉し上記テーパー7bに対応する角度の折目10を設けて上記スリット9と折目10で区画される折曲片9aを有せしめて構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−191950号公報
【特許文献2】実公昭61−22826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献1では、側面板10の両側部に、係止部23を有する折込片21を延設し、係止部23に被係止部12を係合させ、容器本体Aの内側において飛出し防止片11の上方への動きを抑止する構成を採用しているため、飛出し防止片11の上方への動きを抑止するための構造が複雑になっていると共に、多くの紙片を設ける必要がある。また、上記特許文献1には、容器本体Aの前面板1の裏面側に折り返し可能な折返片を用いて、飛び出し防止片11の上方への動きを抑止する点については何ら記載も示唆もされていない。
【0010】
また、上記特許文献2では、容器使用時に、側面部6,6の突出用舌片7,7を指等により内方へ押圧して頂点7aと側面部6,6との係止を解除し、突出用舌片7,7をロールシートの側面巻芯内に進入させるようにしている。このため、上記特許文献2の構造では、側面部6,6を破断することになる。また、上記特許文献2の構造では、突出用舌片7,7をロールシートの側面巻芯内に進入させているため、突出用舌片7,7をロールシートの側面巻芯内に一度進入させしまうと、ロールシートを容器から取り出すことが困難となる。その結果、ロールシートを全て使用した後の巻芯を容器から取り出すことが困難となる。また、上記特許文献2も上記特許文献1と同様に、容器本体の前面板の裏面側に折り返し可能な折返片を用いて、包装媒体の脱落を防止する点については何ら記載も示唆もされていない。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、容器本体の前面板の裏面側に折り返し可能な折返片を用いて、包装媒体の脱落を防止することが可能な包装用容器及びその容器を形成するためのブランクシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有することとする。
【0013】
<包装用容器>
本発明にかかる包装用容器は、
心材に巻回された包装媒体を収納する容器本体と、前記容器本体の開口部を被包する容器蓋と、前記包装媒体を切断する切断部と、を有し、前記容器蓋は、前記容器本体の一頂縁に連接し、前記一頂縁を軸として前記容器本体に対して回動可能な構造の包装用容器であって、
前記容器本体は、
前記容器本体の前面板の裏面側に折り返し可能な第1の折返片と、
前記容器本体の側面板の内側に折り返し可能な第2の折返片と、を有し、
前記第1の折返片は、前記前面板の裏面側に折り返されて、前記前面板の裏面側に固定されており、
前記第2の折返片は、前記側面板の内側に折り返した状態で、前記前面板の裏面側に固定された前記第1の折返片に係止され、該係止された前記第2の折返片により、前記包装媒体の脱落を防止することを特徴とする。
【0014】
<ブランクシート>
本発明にかかるブランクシートは、
上記記載の包装用容器の構造を形成するためのブランクシートであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、容器本体の前面板の裏面側に折り返し可能な折返片を用いて、包装媒体の脱落を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態における包装用容器(1)の外観を示す斜視図である。
【図2】本実施形態における包装用容器(1)の外観を示す斜視図であり、開封片(5)を切取線(4)に沿って切除している状態を示す図である。
【図3】本実施形態における包装用容器(1)の外観を示す図であり、開封片(5)を切除し、容器蓋(3)を開蓋した状態を示す図である。
【図4】本実施形態における包装用容器(1)の外観を示す図であり、容器蓋(3)を閉蓋した状態を示す図である。
【図5】本実施形態における包装用容器(1)の概略展開図を示す図である。
【図6】包装用容器(1)の概略展開図の一部を拡大した構成例を示す図である。
【図7】包装用容器(1)を構成する容器本体(2)の構成例を示す第1の図である。
【図8】包装用容器(1)を構成する容器本体(2)の構成例を示す第2の図である。
【図9】包装用容器(1)を構成する容器本体(2)の構成例を示す第3の図である。
【図10】包装用容器(1)を構成する際の製造工程を説明するための第1の図である。
【図11】包装用容器(1)を構成する際の製造工程を説明するための第2の図である。
【図12】包装用容器(1)を構成する際の製造工程を説明するための第3の図である。
【図13】本実施形態の包装用容器(1)を構成する第2の折返片(18、18')の変形例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
まず、図3、図5、図9を参照しながら、本実施形態の包装用容器(1)の概要について説明する。
【0018】
本実施形態における包装用容器(1)は、図3に示すように、心材(R1)に巻回された包装媒体(R)を収納する容器本体(2)と、容器本体(2)の開口部を被包する容器蓋(3)と、包装媒体(R)を切断する切断部(8)と、を有して構成する。なお、容器蓋(3)は、容器本体(2)の一頂縁(i)に連接し、一頂縁(i)を軸として容器本体(2)に対して回動可能な構造を構成する。
【0019】
本実施形態の包装用容器(1)を構成する容器本体(2)は、図5に示すように、容器本体(2)の本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な第1の折返片(17)と、容器本体(2)の本体側面板(15、15')の内側に折り返し可能な第2の折返片(18、18')と、を有して構成している。
【0020】
そして、図9に示すように、第1の折返片(17)は、本体前面板(11)の裏面側に折り返されて、本体前面板(11)の裏面側に固定されている。また、第2の折返片(18')は、本体側面板(15')の内側に折り返した状態で、本体前面板(11)の裏面側に固定された第1の折返片(17)に係止され、該係止された第2の折返片(18')により、包装媒体(R)の脱落を防止することにしている。なお、第2の折返片(18)も同様に包装媒体(R)の脱落を防止することになる。これにより、容器本体(2)の本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な第1の折返片(17)を用いて、簡易な構造で、包装媒体(R)の脱落を防止することが可能となる。
【0021】
また、本実施形態の包装用容器(1)を構成する第2の折返片(18')は、本体側面板(15')の内側に折り返した状態で、本体前面板(11)の裏面側に固定された第1の折返片(17)に係止され、該係止された第2の折返片(18')により、包装媒体(R)の脱落を防止することにしている。このため、第2の折返片(18')が第1の折返片(17)に係止された状態を解除することで、容器本体(2)から包装媒体(R)を容易に取り出すことができる。その結果、包装媒体(R)を全て使用した後の心材(R1)を容器本体(2)から容易に取り出すことが可能となる。
【0022】
また、新たな包装媒体(R)を容器本体(2)に挿入し、再び、第2の折返片(18')を第1の折返片(17)に係止された状態にすることができる。その結果、包装用容器(1)を再利用することができるため、資源の有効活用を図ることが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態における包装用容器(1)について詳細に説明する。
【0023】
<包装用容器:1の構成>
まず、図1〜図4を参照しながら、本実施形態における包装用容器(1)の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態における包装用容器(1)の外観斜視図である。図2は、開封片(5)を切取線(4)に沿って切除している状態の包装用容器(1)の外観斜視図である。図3は、開封片(5)を切除し、容器蓋(3)を開蓋した状態の外観斜視図である。図4は、容器蓋(3)を閉蓋した状態の外観斜視図である。
【0024】
本実施形態における包装用容器(1)は、図1に示すように、容器本体(2)と、当該容器本体(2)と連接した容器蓋(3)と、を有して構成している。
【0025】
本実施形態における包装用容器(1)は、例えば、厚紙、ボール紙などの紙素材により形成することが可能である。また、包装用容器(1)は、複数枚、または、1枚の紙素材から形成することも可能である。また、本実施形態における包装用容器(1)を構成する容器本体(2)は、少なくとも、1度折り曲げても元に戻ろうとする復元性を有していることが好ましい。
【0026】
また、容器蓋(3)の掩蓋片(6)には、包装用容器(1)を使用する際に切除する開封片(5)が設けられており、図2に示すように、切取線(4)に沿って開封片(5)を切除することで、開封片(5)と容器本体(2)との接着部分である接着部(7)が層間剥離し、開封片(5)を容器本体(2)から剥離することで、図3に示すように、容器蓋(3)が容器本体(2)の一頂縁(i)を軸として容器本体(2)に対して回動可能な状態を構成する。
【0027】
そして、図4に示すように、容器本体(2)の開口部を容器蓋(3)で閉蓋した際に、包装用容器(1)が略直方体形状となるように構成している。なお、図1に示す切取線(4)は、開封片(5)を切取線(4)に沿って容易に切除することが可能な形状のミシン目が施されていることが好ましい。
【0028】
また、本実施形態における包装用容器(1)は、図2〜図4に示すように、容器蓋(3)の前面の掩蓋片(6)には、包装媒体(R)を切断するための切断部となる鋸刃状のカッター(8)が設けられている。なお、カッター(8)の形状は、特に限定するものではなく、あらゆる形状で構成することが可能であり、例えば、直線形状や、略中央部分が他の部分よりも突出する形状(V字形状)で構成することが可能である。また、カッター(8)の刃の種類としては、材質が金属、プラスチック、紙、バルカナイズド硬化紙等で、その端縁を、鋸刃状に加工したもの、砥粒を塗布加工したもの、或いは、両者の加工を併用したものが適用可能である。また、カッター(8)の配備方法としては、カッター(8)を掩蓋片(6)の適所に対しカシメ具や接着剤などで固定する方法などを採用することが可能である。
【0029】
<包装用容器:1の展開図>
次に、図5を参照しながら、本実施形態における包装用容器(1)の概略展開図について説明する。なお、図5は、本実施形態における包装用容器(1)を展開したものである。
【0030】
本実施形態における包装用容器(1)は、包装媒体(R)を収納する容器本体(2)の部分と、容器本体(2)の開口部を被包する容器蓋(3)の部分と、で構成している。
【0031】
<容器本体:2>
容器本体(2)の部分は、本体前面板(11)と、本体底面板(12)と、本体後面板(13)と、が順次、折線(a)、(b)を介して連接している。
【0032】
また、本体前面板(11)の両側辺には、第1の折込片(14)、(14')がそれぞれ折線(c)、(c')を介して連接している。
【0033】
また、本体底面板(12)の両側辺には、本体側面板(15)、(15')がそれぞれ折線(d)、(d')を介して連接している。また、本体側面板(15)、(15')の両側辺には、本体側面板(15)、(15')の裏面側に折り返し可能な第2の折返片(18)、(18')が折線(m)、(m')を介して連接している。折線(m)、(m')の両端部や中央部には切込(10)、(10')が施されており、第2の折返片(18)、(18')が折線(m)、(m')を介して本体側面板(15)、(15')の裏面側に容易に折り返し可能な構造にしている。
【0034】
また、本体後面板(13)の両側辺には、第2の折込片(16)、(16')がそれぞれ折線(e)、(e')を介して連接している。
【0035】
また、本体前面板(11)の上辺には、第1の折返片(17)が折線(f)を介して連接している。
【0036】
<容器蓋:3>
容器蓋(3)の部分は、蓋体蓋板(21)が本体後面板(13)に折線(i)を介して連接している。
【0037】
また、蓋体蓋板(21)には、掩蓋片(6)が折線(j)を介して連接している。
【0038】
また、蓋体蓋板(21)の両側辺には、蓋体側面板(23)、(23')がそれぞれ折線(k)、(k')を介して連接している。
【0039】
また、掩蓋片(6)の両側辺には、蓋体折込片(24)、(24')がそれぞれ折線(l)、(l')を介して連接している。
【0040】
また、掩蓋片(6)には、図2に示すように、カッター(8)を露出させるための開封片(5)が切取線(4:図1、図2参照)で区画されている。
【0041】
<包装媒体(R)の脱落防止機能の構造>
次に、図5〜図9を参照しながら、包装媒体(R)の脱落防止機能の構造について説明する。図6は、図5に示す第1の折返片(17)、第1の折込片(14')、本体側面板(15')、第2の折返片(18')周辺の拡大構成例を示す。図7〜図9は、図5に示すブランクシートを用いて構成した容器本体(2)の構成例を示す。
【0042】
本実施形態の容器本体(2)は、図5、図6に示すように、第1の折返片(17)の長手方向の長さが、本体前面板(11)の長手方向の長さよりも短い形状で構成し、容器本体(2)を構成した際に、図7に示すように、第1の折返片(17)の端部と、本体側面板の内側を構成する第2の折込片(16')と、の間に隙間(50')を形成するように構成している。図7は、容器本体(2)を構成する一方の端部の拡大図を示すが、他方の端部でも同様な隙間(50)を形成することになる。図6に示す設計の場合には、隙間(50')の横幅は2mmであり、高さは5mmとなる。但し、隙間(50')の横幅や高さは、図5に示すブランクシートの層厚や形状に応じて任意に設計変更することになる。
【0043】
本実施形態の容器本体(2)は、本体側面板(15')と第2の折返片(18')とが折線(m')を介して連接しており、その折線(m')を介して第2の折返片(18')を本体側面板(15')の裏面側方向に折り返すことで、図8に示す状態を構成する。折線(m')の両端部や中央部には、図5、図6に示すように、切込(10')が施されており、第2の折返片(18')が折線(m')を介して本体側面板(15')の裏面側方向に容易に折り返し可能な構造にしている。図6に示す設計の場合には、折線(m')の両端には、8mmの線状の切込(10')を施し、中央部には、上底が10mm、下底が14mm、高さが2.9mmとなるような凸状の切込(10')を施す構成にしている。但し、切込(10')の形状や長さは、図5に示すブランクシートの層厚や形状に応じて任意に設計変更することになる。
【0044】
本実施形態の容器本体(2)は、第2の折返片(18')を本体側面板の内側を構成する第2の折込片(16')側に折り曲げ、第2の折返片(18')の一方の端部側を図7に示す隙間(50')に差し込むことで、図9に示すように、第2の折返片(18')の一方の端部側が第1の折返片(17)の端部に係止し、第2の折返片(18')の他方の端部側が心材(R1)に当接する構成となる。その結果、第1の折返片(17)と第2の折返片(18')とは、包装媒体(R)の脱落防止機能を構成することになる。なお、第2の折返片(18)も同様に包装媒体(R)の脱落防止機能を構成することになる。
【0045】
また、隙間(50')に差し込んだ第2の折返片(18')の一方の端部側をその隙間(50')から解放することで、第2の折返片(18')の一方の端部側が第1の折返片(17)の端部に係止した状態を解除することができる。これにより、容器本体(2)から包装媒体(R)を容易に取り出すことが可能となる。その結果、包装媒体(R)を全て使用した後の心材(R1)を容器本体(2)から容易に取り出すことが可能となる。
【0046】
また、新たな包装媒体(R)を容器本体(2)に挿入し、第2の折返片(18')を本体側面板の内側を構成する第2の折込片(16')側に折り曲げ、第2の折返片(18')の一方の端部側を隙間(50')に差し込むことで、第2の折返片(18')の一方の端部側が第1の折返片(17)の端部に係止し、第2の折返片(18')の他方の端部側が心材(R1)に当接する構成となる。このため、再び、第2の折返片(18')を第1の折返片(17)に係止された状態にすることができる。その結果、包装用容器(1)を再利用することができるため、資源の有効活用を図ることが可能となる。
【0047】
<包装用容器:1の製造工程>
次に、図5、図10〜図12を参照しながら、図5に示す板紙製のブランクシートを組み立てて、図1に示すような包装用容器(1)を構成するまでの製造工程について説明する。図10〜図12は、包装用容器(1)を構成する際の製造工程を説明するための図である。なお、以下に説明する製造工程は一例であり、本実施形態の包装用容器(1)を構成することが可能であれば、当業者が適宜修正、変更を加え、様々な製造工程を適用することが可能であることは言うまでもない。
【0048】
本実施形態の包装用容器(1)を構成する製造工程の概略としては、図5に示す板紙製のブランクシートの必要な箇所に糊付を行い、図5に示す折線(f,a,i)に沿って折り曲げ、図10(a)に示す状態に折り畳まれた包装用容器(1)を作製し、その後、図10(b)に示す状態時の包装用容器(1)の中に、ロール状に巻回された包装媒体(R)を収納し、図10(c)に示す状態の包装用容器(1)を構成する。
【0049】
まず、図5に示す第1の折返片(17)を折線(f)に沿って本体前面板(11)側に折り返す。なお、本実施形態における包装用容器(1)は、第1の折返片(17)の領域(例えば、図5に示す30)に接着剤等を塗布し、第1の折返片(17)と、本体前面板(11)と、を貼り付ける。これにより、第1の折返片(17)と、本体前面板(11)と、の少なくとも一部分が固定した状態を構成し、第1の折返片(17)を補強板として機能させることができる。
【0050】
次に、第1の折返片(17)を折線(f)に沿って本体前面板(11)側に折り返した状態で、折線(a)に沿って、本体前面板(11)を内側に折り曲げ、更に、蓋体蓋板(21)を折線(i)に沿って折り曲げ、掩蓋片(6)を本体前面板(11)の上に重ね、掩蓋片(6)の開封片(5)と、本体前面板(11)と、を貼り合せる。
【0051】
これにより、図5に示す板紙製のブランクシートを折り畳んだ図10(a)に示す状態の包装用容器(1)を構成する。
【0052】
本実施形態の包装用容器(1)は、図10(a)に示す状態で、保管、輸送等を行う。図10(a)に示す状態の包装用容器(1)は、第1の折返片(17)と、本体前面板(11)と、が接着した状態を構成する。また、開封片(5)と、本体前面板(11)と、が接着した状態を構成する。
【0053】
次に、図10(a)に示す状態に折り畳んだ包装用容器(1)に対し、包装媒体(R)を収納することになる。
【0054】
この場合、まず、図10(a)に示す状態に折り畳まれた包装用容器(1)を起こし、図10(b)に示すように、包装用容器(1)を四角柱形状に構成し、図10(c)に示すように、一方の側面の開口部から包装媒体(R)を挿入する。
【0055】
なお、図10(c)に示すように、包装媒体(R)を包装用容器(1)内に挿入した後は、まず、図11(d)に示すように、本体後面板(13)に折線(e')を介して連接している第2の折込片(16')を容器本体(2)の内側に折り曲げる。これにより、第2の折込片(16')は、本体側面板の内側を構成することになる。
【0056】
次に、図11(e)に示すように、本体前面板(11)に折線(c')を介して連接している第1の折込片(14')を容器本体(2)の内側に折り曲げる。
【0057】
次に、図11(f)に示すように、第1の折込片(14')上に本体側面板(15')を折り曲げ、第1の折込片(14')及び第2の折込片(16')と、本体側面板(15')と、を貼り合わせる。本実施形態の本体側面板(15')には、折線(m')を介して第2の折返片(18')が連接されているため、第2の折返片(18')を折線(m')を介して本体側面板(15')の内側に折り曲げ、第1の折込片(14')及び第2の折込片(16')と、蓋体蓋板(21)と、の隙間(50)に第2の折返片(18')を差し込み、第2の折返片(18')が容器本体(2)の内部に位置するようにする。
【0058】
次に、図12(g)に示すように、蓋体折込片(24')を折り曲げ、その上に、図12(h)に示すように、蓋体側板(23')を折り曲げ、蓋体折込片(24')と、蓋体側板(23')と、を貼り合わせる。
【0059】
これにより、一方の側面を形成することになる。また、もう一方の側面についても同様に形成し、図1に示す包装用容器(1)を構成することになる。
【0060】
なお、上記方法では、容器本体(2)に包装媒体(R)を挿入した後に、包装用容器(1)の両側面を形成することにしたが、例えば、一方の側面を形成した後に、容器本体(2)に包装媒体(R)を挿入し、もう一方の側面を形成するように構築することも可能である。
【0061】
上述した製造工程で形成された包装用容器(1)を使用する際には、図2に示すように、掩蓋片(6)の開封片(5)を本体前面板(11)から剥がしながら切取線(4)に沿って切り取って除去する。
【0062】
次に、図3に示すように容器蓋(3)を開き、その容器蓋(3)を開いた状態で、第2の折返片(18、18')を折線(m、m')を介して本体側面板(15、15')の内側に折り返し、第2の折返片(18、18')の一方の端部側を第1の折返片(17)の端部に係止させ、第2の折返片(18、18')の他方の端部側を心材(R1)に当接させる。そして、第2の折返片(18、18')の他方の端部側が心材(R1)に当接した状態で、包装媒体(R)の先端部を摘んで所望の長さだけ引き出し、その引き出した包装媒体(R)をカッター(8)で切断する。
【0063】
本実施形態の包装用容器(1)は、第1の折返片(17)の端部に係止させた第2の折返片(18、18')が心材(R1)に当接し、第2の折返片(18、18')が包装媒体(R)の心材(R1)を両端から保持することになる。その結果、包装媒体(R)の容器本体(2)からの脱落を防止することが可能となる。また、包装媒体(R)の遊動を抑止し、包装媒体(R)の巻きのゆるみや、包装媒体(R)の先端部の巻き戻りを防止することが可能となる。また、第2の折返片(18、18')を心材(R1)に当接させ、第2の折返片(18、18')を包装媒体(R)と極力接触させないような構造を採用しているため、包装媒体(R)の破断も防止することが可能となる。
【0064】
また、本実施形態の包装用容器(1)は、本体前面板(11)の裏面側に固定された第1の折返片(17)の端部に、第2の折返片(18、18')の一方の端部側を係止させ、該係止させた第2の折返片(18、18')の他方の端部側を心材(R1)に当接させ、包装媒体(R)の脱落を防止する構成にしている。これにより、容器本体(2)の本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な第1の折返片(17)を用いて、簡易な構造で、包装媒体(R)の脱落を防止させることが可能となる。
【0065】
<本実施形態の包装用容器;1の作用・効果>
このように、本実施形態の包装用容器(1)を構成する容器本体(2)は、容器本体(2)の本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な第1の折返片(17)と、容器本体(2)の本体側面板(15、15')の内側に折り返し可能な第2の折返片(18、18')と、を有して構成し、第1の折返片(17)は、本体前面板(11)の裏面側に折り返されて、本体前面板(11)の裏面側に固定され、また、第2の折返片(18、18')は、本体側面板(15、15')の内側に折り返した状態で、本体前面板(11)の裏面側に固定された第1の折返片(17)に係止され、該係止された第2の折返片(18、18')により、包装媒体(R)の脱落を防止することにしている。
【0066】
これにより、本実施形態の包装用容器(1)は、容器本体(2)の本体前面板(11)の裏面側に折り返し可能な第1の折返片(17)を用いて、簡易な構造で、包装媒体(R)の脱落を防止することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態の包装用容器(1)を構成する第2の折返片(18、18')は、本体側面板(15、15')の内側に折り返した状態で、本体前面板(11)の裏面側に固定された第1の折返片(17)に係止され、該係止された第2の折返片(18、18')により、包装媒体(R)の脱落を防止することにしている。このため、第2の折返片(18、18')が第1の折返片(17)に係止された状態を解除することで、容器本体(2)から包装媒体(R)を容易に取り出すことができる。その結果、包装媒体(R)を全て使用した後の心材(R1)を容器本体(2)から容易に取り出すことが可能となる。
【0068】
また、新たな包装媒体(R)を容器本体(2)に挿入し、再び、第2の折返片(18、18')を第1の折返片(17)に係止された状態にすることができる。その結果、包装用容器(1)を再利用することができるため、資源の有効活用を図ることが可能となる。
【0069】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において当業者が上記実施形態の修正や代用を行い、種々の変更を施した形態を構築することが可能である。
【0070】
例えば、図13に示すように、第2の折返片(18、18')の一方の端部側に突起部(60、60')を設けるように構成することも可能である。これにより、突起部(60')を図7に示す隙間(50')に差し込んだ際に、その突起部(60')の復元力(1度折り曲げても元に戻ろうとする力)により、第2の折返片(18')の一方の端部側が本体前面板(11)側に接することになる。その結果、第2の折返片(18')の一方の端部側が第1の折返片(17)の端部に係止し易くなるため、その係止された第2の折返片(18')により、包装媒体(R)の脱落を防止することが可能となる。なお、突起部(60、60')の形状は、図13に示す形状に限定するものではなく、任意に設計変更することは可能である。
【0071】
また、本実施形態における包装用容器(1)は、包装媒体(R)を切断することが可能であれば、カッター(8)に限定するものではなく、あらゆる構成の切断部を設けるように設計することが可能である。また、切断部の位置も特に限定するものではなく、包装媒体(R)を切断可能な任意の位置に設けることが可能である。例えば、包装媒体(R)としてアルミホイル等を適用する場合には、カッター(8)を設けず、掩蓋片(6)の先端部分や、折線(f)の部分を切断部として使用するように設計することも可能である。
【0072】
また、上述した包装用容器(1)において、第1の折返片(17)と、本体前面板(11)と、は図5に示す30の部分で接着することにしたが、図5に示す30に示す部分に限定するものではなく、あらゆる位置で、第1の折返片(17)と、本体前面板(11)と、を接着させるように構成することは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、ロール状に巻回された包装媒体、例えば、ラップフィルムに代表される樹脂製フィルムや紙、アルミホイル等を包装するための容器に適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 包装用容器
2 容器本体
3 容器蓋
4 切取線
5 開封片
6 掩蓋片
7 接着部
8 カッター(切断部)
11 本体前面板
12 本体底面板
13 本体後面板
14、14' 第1の折込片
15、15' 本体側面板
16、16' 第2の折込片
17 第1の折返片
18、18' 第2の折返片
21 蓋体蓋板
23、23' 蓋体側面板
24、24' 蓋体折込片
30 接着部分
R 包装媒体
R1 心材
50 隙間
60、60' 突起部
m、m' 折線
10 切込
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心材に巻回された包装媒体を収納する容器本体と、前記容器本体の開口部を被包する容器蓋と、前記包装媒体を切断する切断部と、を有し、前記容器蓋は、前記容器本体の一頂縁に連接し、前記一頂縁を軸として前記容器本体に対して回動可能な構造の包装用容器であって、
前記容器本体は、
前記容器本体の前面板の裏面側に折り返し可能な第1の折返片と、
前記容器本体の側面板の内側に折り返し可能な第2の折返片と、を有し、
前記第1の折返片は、前記前面板の裏面側に折り返されて、前記前面板の裏面側に固定されており、
前記第2の折返片は、前記側面板の内側に折り返した状態で、前記前面板の裏面側に固定された前記第1の折返片に係止され、該係止された前記第2の折返片により、前記包装媒体の脱落を防止することを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記係止された前記第2の折返片が前記心材に当接し、前記包装媒体の脱落を防止することを特徴とする請求項1記載の包装用容器。
【請求項3】
前記第2の折返片は、
前記第2の折返片の一方の端部側が前記第1の折返片の端部に係止され、前記第2の折返片の他方の端部側が前記心材に当接することを特徴とする請求項1または2記載の包装用容器。
【請求項4】
前記第1の折返片の長手方向の長さは、前記前面板の長手方向の長さよりも短い形状で構成されており、前記第1の折返片の端部と、前記容器本体の側面板の内側と、の間に隙間を形成し、該隙間に前記第2の折返片の一方の端部側を差し込み、前記第2の折返片の一方の端部側が前記第1の折返片の端部に係止されることを特徴とする請求項3記載の包装用容器。
【請求項5】
前記第2の折返片の一方の端部側には、突起部を有することを特徴とする請求項3または4記載の包装用容器。
【請求項6】
前記第2の折返片を前記側面板の内側に折り返すための折線には、切込が施されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の包装用容器。
【請求項7】
前記切込は、前記折線の端部に少なくとも施されていることを特徴とする請求項6記載の包装用容器。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れかの請求項に記載の包装用容器の構造を形成するためのブランクシート。
【請求項1】
心材に巻回された包装媒体を収納する容器本体と、前記容器本体の開口部を被包する容器蓋と、前記包装媒体を切断する切断部と、を有し、前記容器蓋は、前記容器本体の一頂縁に連接し、前記一頂縁を軸として前記容器本体に対して回動可能な構造の包装用容器であって、
前記容器本体は、
前記容器本体の前面板の裏面側に折り返し可能な第1の折返片と、
前記容器本体の側面板の内側に折り返し可能な第2の折返片と、を有し、
前記第1の折返片は、前記前面板の裏面側に折り返されて、前記前面板の裏面側に固定されており、
前記第2の折返片は、前記側面板の内側に折り返した状態で、前記前面板の裏面側に固定された前記第1の折返片に係止され、該係止された前記第2の折返片により、前記包装媒体の脱落を防止することを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記係止された前記第2の折返片が前記心材に当接し、前記包装媒体の脱落を防止することを特徴とする請求項1記載の包装用容器。
【請求項3】
前記第2の折返片は、
前記第2の折返片の一方の端部側が前記第1の折返片の端部に係止され、前記第2の折返片の他方の端部側が前記心材に当接することを特徴とする請求項1または2記載の包装用容器。
【請求項4】
前記第1の折返片の長手方向の長さは、前記前面板の長手方向の長さよりも短い形状で構成されており、前記第1の折返片の端部と、前記容器本体の側面板の内側と、の間に隙間を形成し、該隙間に前記第2の折返片の一方の端部側を差し込み、前記第2の折返片の一方の端部側が前記第1の折返片の端部に係止されることを特徴とする請求項3記載の包装用容器。
【請求項5】
前記第2の折返片の一方の端部側には、突起部を有することを特徴とする請求項3または4記載の包装用容器。
【請求項6】
前記第2の折返片を前記側面板の内側に折り返すための折線には、切込が施されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の包装用容器。
【請求項7】
前記切込は、前記折線の端部に少なくとも施されていることを特徴とする請求項6記載の包装用容器。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れかの請求項に記載の包装用容器の構造を形成するためのブランクシート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−280415(P2010−280415A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134970(P2009−134970)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000162113)共同印刷株式会社 (488)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000162113)共同印刷株式会社 (488)
【Fターム(参考)】
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