説明

包装硬貨取扱装置および包装硬貨トレイ

【課題】本発明は、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の金種や数などを検出する精度の向上を図ることを目的とする。
【解決手段】所定枚数の硬貨を金種別に包装した包装硬貨の払い出しを行なう包装硬貨取扱装置は、包装硬貨を収納するための包装硬貨トレイと、包装硬貨トレイを着脱自在に保持する包装硬貨トレイ装填部と、包装硬貨トレイに収納された包装硬貨と接触する領域に配置され、包装硬貨トレイに収納された包装硬貨と接触する面積に応じた検出情報を出力する静電センサと、静電センサから出力された検出情報を用いて、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数および金種および状態の少なくとも1つを判定する判定部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装硬貨の払い出しを行なう包装硬貨取扱装置と、包装硬貨を収納する包装硬貨トレイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、所定枚数の硬貨を重ねて包装した包装硬貨を包装硬貨トレイに収納し、必要に応じて収納した包装硬貨の取り出しをおこなう包装硬貨取扱装置が知られている。この包装硬貨取扱装置に関して、包装硬貨トレイの側面からセンサ光を投射し、包装硬貨による遮光を検出して包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数や金種を検出する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−249139号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記技術の場合、例えば、包装硬貨トレイに金種の異なる包装硬貨が収納されたときや、包装硬貨が正しい体勢で収納されていないときなどにおいて、包装硬貨の数や金種を誤検出する虞があった。
【0005】
本発明は、上記した従来の課題の少なくとも一部を解決するためになされた発明であり、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の金種や数などを検出する精度の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の少なくとも一部を解決するために本願発明は以下の態様を採る。
【0007】
第1の態様は、所定枚数の硬貨を金種別に包装した包装硬貨の払い出しを行なう包装硬貨取扱装置を提供する。第1の態様に係る包装硬貨取扱装置は、前記包装硬貨を収納するための包装硬貨トレイと、前記包装硬貨トレイを着脱自在に保持する包装硬貨トレイ装填部と、前記包装硬貨トレイに収納された前記包装硬貨と接触する領域に配置され、前記包装硬貨トレイに収納された包装硬貨と接触する面積に応じた検出情報を出力する静電センサと、前記静電センサから出力された前記検出情報を用いて、前記包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数および金種および状態の少なくとも1つを判定する判定部と、を備える。
【0008】
第1の態様に係る包装硬貨取扱装置によれば、静電センサから出力された検出情報を用いて、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数および金種および状態を判定するため、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の金種や数などを検出する精度の向上を図ることができる。
【0009】
第1の態様に係る包装硬貨取扱装置において、前記包装硬貨トレイは、収納した前記包装硬貨を支持する底面部を備え、前記静電センサは、前記包装硬貨トレイの前記底面部に配置されていてもよい。この場合、包装硬貨トレイに収納された包装硬貨は、包装硬貨トレイの底面部に配置された静電センサと接触するため、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の金種や数などを検出する精度の向上を図ることができる。
【0010】
第1の態様に係る包装硬貨取扱装置において、前記包装硬貨トレイは、前記包装硬貨を一列に並べて収納し、前記静電センサは、互いに隣接する前記包装硬貨とそれぞれ接触する面積が異なるような形状を備えていてもよい。この場合、静電センサは、互いに隣接する包装硬貨ごとに異なる検出情報を出力するため、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の金種や数などを検出する精度の向上を図ることができる。
【0011】
第1の態様に係る包装硬貨取扱装置において、前記静電センサは、前記包装硬貨トレイの異なる複数の領域に配置されていてもよい。この場合、それぞれの領域に配置された静電センサごとに検出情報を出力することができるため、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の金種や数などを検出する精度の向上を図ることができる。
【0012】
第1の態様に係る包装硬貨取扱装置において、前記静電センサは、三角形状を備えていてもよい。この場合、静電センサは、互いに隣接する包装硬貨とそれぞれ接触する面積が異なるため、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の金種や数などを検出する精度の向上を図ることができる。
【0013】
第1の態様に係る包装硬貨取扱装置において、前記判定部は、前記検出情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数を判定してもよい。この場合、検出情報を閾値と比較することで、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数を検出する精度の向上を図ることができる。
【0014】
なお、本発明は、上記以外の種々の形態で実現することが可能であり、例えば、包装硬貨の数および金種および状態のいずれかの判定方法、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記憶媒体等の形態で実現することができる。また、本発明に係る包装硬貨取扱装置は、適宜、他の部材と組み合わせて適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例としての包装硬貨取扱装置を組み込んだ現金自動取引装置の概略構成を例示した説明図である。
【図2】包装硬貨取扱装置の概略構成を例示した説明図である。
【図3】包装硬貨トレイの外観を例示した説明図である。
【図4】第1実施例に係る包装硬貨トレイの概略構成を例示した説明図である。
【図5】第1実施例における静電センサと包装硬貨との位置関係を例示した説明図である。
【図6】現金自動取引装置の制御部を説明するための説明図である。
【図7】包装硬貨検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】静電センサの電位を説明するための説明図である。
【図9】第2実施例に係る包装硬貨トレイ300の概略構成を例示した説明図である。
【図10】第2実施例における静電センサと包装硬貨との位置関係を例示した説明図である。
【図11】静電センサの電位を説明するための説明図である。
【図12】第2実施例において静電センサと包装硬貨との位置関係の第2の例を示した説明図である。
【図13】第2の例における静電センサの電位を説明するための説明図である。
【図14】第2実施例において静電センサと包装硬貨との位置関係の第3の例を示した説明図である。
【図15】第3の例における静電センサの電位を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
【0017】
A.第1実施例
A1.全体構成:
図1は、本発明の一実施例としての包装硬貨取扱装置を組み込んだ現金自動取引装置の概略構成を例示した説明図である。現金自動取引装置100は、銀行、コンビニエンスストア、ショッピングセンター等に設置され(以下、この設置場所を以下「店舗」と呼ぶ)、入金された貨幣を包装硬貨へ両替する自動両替機として機能する。現金自動取引装置100は、操作パネル110と、硬貨入金部120と、明細書発行部130と、硬貨返却部140と、紙幣入出金部150と、包装硬貨取扱装置200とを備えている。包装硬貨取扱装置200は、現金自動取引装置100の一部として取り付けられ、外面には扉160と、包装硬貨取出部170とを備えている。
【0018】
利用者は、操作パネル110を操作することにより、所望の取引をおこなうことができる。例えば、両替動作は以下のようにおこなわれる。利用者が、硬貨入金部120及び紙幣入出金部150に紙幣、硬貨を入金し、包装硬貨の金種と本数とを入力すると、この入力に応じた本数の包装硬貨が包装硬貨取出部170から払い出される。その後、取引の内容を記載した明細書が明細書発行部130から出力される。また、釣銭がある場合には硬貨返却部140から返却される。なお、両替に使用される包装硬貨は、係員により、あらかじめ包装硬貨取扱装置200内部に充填されている。この包装硬貨の充填作業は、包装硬貨取扱装置200の前面に設けられる扉160を開放することにより行われる。ここで、包装硬貨とは、同一金種の硬貨を所定枚数(例えば50枚)重ねて紙やビニール等のシートで棒状(円柱状)に包装した硬貨の束(棒金)である。
【0019】
図2は、包装硬貨取扱装置の概略構成を例示した説明図である。包装硬貨取扱装置200は、包装硬貨PCを複数収納する包装硬貨トレイ300が装填されるワゴン部210と、ワゴン部210から包装硬貨PCを取り込む包装硬貨取込部250とを備える。
【0020】
ワゴン部210は、上下方向に段形状となるように配置された複数のトレイ台215を備えている。ワゴン部210は、一のトレイ台215に一の包装硬貨トレイ300が装填されることにより複数の包装硬貨トレイ300を収納する。ワゴン部210に収納された包装硬貨トレイ300は、トレイ台215から着脱可能に支持されている。それぞれのトレイ台215は、水平方向に対して斜めになるように配置されている。そのため、包装硬貨トレイ300は包装硬貨取込部250側が下方となるように勾配を付けて斜めに装填される。係員による包装硬貨PCの補充等は、ワゴン部210に装填される包装硬貨トレイ300を出し入れすることによりおこなわれる。
【0021】
図3は、包装硬貨トレイの外観を例示した説明図である。包装硬貨トレイ300は、上部の大部分が開口した箱体で、複数の包装硬貨PCを一列に並べて収容している。なお、1つの包装硬貨トレイ300には同一金種の包装硬貨PCが収容される。包装硬貨トレイ300の前方には、包装硬貨取出口310が設けられている。包装硬貨トレイ300は、包装硬貨取出口310側への下り勾配となるよう勾配をつけてワゴン部210に収納される。そのため、ワゴン部210に収納された包装硬貨トレイ300の内部では、包装硬貨PCが常に包装硬貨取出口310側へ寄った状態となる。以後、包装硬貨トレイ300において、包装硬貨PCの並んでいる方向を「並列方向」と呼ぶ。包装硬貨トレイ300の詳細については後述する。
【0022】
包装硬貨取込部250は、図示しないエレベータ構造により、ワゴン部210に装填された複数の包装硬貨トレイ300の各先端に沿って上下方向に昇降する。包装硬貨取込部250は、半回転可能なアーム部252を備え、このアーム部252と図示しない包装硬貨転送機構によって、包装硬貨取出口310に位置する包装硬貨PCを一つずつ包装硬貨トレイ300から取り出す。前述のように包装硬貨トレイ300は、水平方向に対して斜めに装填されることから、包装硬貨取出口310から包装硬貨PCが一つ取り出されると、包装硬貨トレイ300に残った包装硬貨PCは自重により包装硬貨取出口310側に送られる。このようにして、包装硬貨取込部250により、包装硬貨PCは、包装硬貨トレイ300から一つずつ取り出されて収容部254に収容される。包装硬貨取込部250は、包装硬貨トレイ300から包装硬貨PCを取り込むと、エレベータ構造の最上位の位置に移動する。包装硬貨取込部250の上方には、シャッタ175を有する包装硬貨取出部170が配置され、利用者は、シャッタ175が開いた包装硬貨取出部170から収容部254に収容された包装硬貨PCを取り出すことができる。
【0023】
図4は、第1実施例に係る包装硬貨トレイの概略構成を例示した説明図である。包装硬貨トレイ300は、収納した包装硬貨PCを支持する底面部320と、底面部320に接続された一対の側面部325と、側面部325と接続され、収納した包装硬貨PCの少なくとも一部を覆うように形成された上面部327と、を備えている。包装硬貨トレイ300は、底面部320に静電センサ331を備えている。また、包装硬貨トレイ300は、側面部325にセンサ制御基板334と、通信部335と、を備えている。静電センサ331と、センサ制御基板334と、通信部335とを含めてセンサ部330とも呼ぶ。
【0024】
静電センサ331は、三角形の平板状に形成され、センサ制御基板334以外とは電気的に孤立した導体であり、所定の静電容量を有している。本実施例では、静電センサ331は、包装硬貨トレイ300の底面部320において並列方向に並んで4つ配置されている。底面部320に配置された静電センサ331は、それぞれ包装硬貨トレイ300の前方側にいくに従って、並列方向と直交する方向の幅が縮小するように配置されている。
【0025】
図5は、第1実施例における静電センサと包装硬貨との位置関係を例示した説明図である。図5には、包装硬貨トレイ300の底面部320に配置された4つ静電センサ331のうちの1つが示されている。図5に示すように、静電センサ331は、包装硬貨トレイ300の前方側(図5上側)にいくに従って、並列方向と直交する方向の幅が縮小するように配置されている。そのため、静電センサ331上において互いに隣接する包装硬貨PC1および包装硬貨PC2、もしくは、包装硬貨PC2および包装硬貨PC3は、それぞれ静電センサ331と接触する接触領域At1および接触領域At2、もしくは、接触領域At2および接触領域At3のそれぞれの面積が互いに異なる。具体的には、包装硬貨取出口310側に最も近い包装硬貨PC1の接触領域At1の面積は、包装硬貨PC2の接触領域At2の面積よりも小さく、包装硬貨取出口310から最も遠い包装硬貨PC3の接触領域At3の面積は、包装硬貨PC2の接触領域At2の面積よりも大きい。
【0026】
センサ制御基板334は、静電センサ331と電気的に接続され、静電センサ331に対して所定の電圧を加えるとともに、静電センサ331の電位を検出する。通信部335は、センサ制御基板334と、後述する制御部とを電気的に接続する。センサ部330は、静電センサ331に電圧を加えることにより静電センサ331の表面に電荷の集中状態を形成する。そして、包装硬貨PCが静電センサ331と接触すると、電荷が包装硬貨PCに放電されるにより表面電荷に変化が生じる。センサ部330は、この表面電荷の変化を検出することにより、静電センサ331に包装硬貨PCが接触していることを検知する。センサ部330は、表面電荷の変化を静電センサ331の電位の降下により検出する。そのため、センサ部330は、電位の降下量から包装硬貨PCと静電センサ331との接触領域の大小の程度や、包装硬貨PCの金種ごとの放電量の違いから、静電センサ331と接触している包装硬貨PCの金種を判別することができる。静電センサ331から検出される電位は、特許請求の範囲における「検出情報」に該当する。
【0027】
図6は、現金自動取引装置の制御部を説明するための説明図である。図6に示すように、制御部180は、CPU181やメモリ182を備え、バス183を介して操作パネル110と、硬貨入金部120と、明細書発行部130と、硬貨返却部140と、紙幣入出金部150と、包装硬貨取込部250と、センサ部330と、互いに接続されている。制御部180は、現金自動取引装置100の全体の動作を制御するほか、種々のデータについての処理を行う。制御部180は、CPU181がメモリ182に格納されているプログラムを処理することにより、後述する包装硬貨検出処理を実行する。また、この包装硬貨検出処理において、包装硬貨トレイ300に収納されている包装硬貨PCの数や金種および状態を判定する判定部としての機能を実現する。本実施例では、制御部180は、CPU181がプログラムを処理することにより実現されるソフトウェア的な態様で示されているが、集積回路等により実現されるハードウェア的な態様としてもよい。
【0028】
A2.包装硬貨検出処理:
図7は、包装硬貨検出処理の流れを示すフローチャートである。本実施例における包装硬貨検出処理は、包装硬貨トレイ300に収納されている包装硬貨PCの数を検出するための処理である。
【0029】
制御部180は、静電センサ331に電圧を印加する(ステップS100)。具体的には、制御部180は、センサ部330を制御して静電センサ331に電圧を加える。制御部180が静電センサ331に電圧を加えるタイミングについては特に限定はなく、例えば、制御部180は、一定の間隔で静電センサ331に電圧を加えてもよいし、利用者が現金自動取引装置100により取引をおこなう際など所定のタイミングにおいて静電センサ331に電圧を加えてもよい。
【0030】
制御部180は、静電センサ331の電位を検出する(ステップS110)。図8は、静電センサの電位を説明するための説明図である。静電センサ331に電圧が加えられた後、所定時間経過後に検出される静電センサ331の電位は、図8に示すように、電圧を加えられた時点の電位V0から所定値低い電位となる。これは、静電センサ331上の包装硬貨PCにより静電センサ331に集中した電荷が放電されるためである。このとき、包装硬貨PC1、PC2、PC3は、それぞれ静電センサ331との接触領域At1、At2、At3の面積は異なるため、包装硬貨PC1、PC2、PC3ごとに放電量が異なる。すなわち、静電センサ331の電位は、接触する包装硬貨PCの接触領域の面積に比例して降下する。本実施例では、3つの包装硬貨PC1、PC2、PC3のうち、最も静電センサ331との接触面積の小さい包装硬貨PC1による静電センサ331の電位降下量ΔV1が最も小さく、3つの包装硬貨PC1、PC2、PC3のうち、最も静電センサ331との接触面積の大きい包装硬貨PC1による静電センサ331の電位降下量ΔV3が最も大きい。また、包装硬貨PC2による静電センサ331の電位降下量ΔV2は、電位降下量ΔV1より大きく、電位降下量ΔV3より小さい。
【0031】
包装硬貨トレイ300に包装硬貨PC1のみが存在する場合、静電センサ331の電位降下量は包装硬貨PC1による電位降下量ΔV1であり、電位はV1となる。すなわち、V0−ΔV1=V1が成り立つ。包装硬貨トレイ300に2つの包装硬貨PC1、PC2が存在する場合、静電センサ331の電位降下量は包装硬貨PC1による電位降下量ΔV1および包装硬貨PC2による電位降下量ΔV2の和であり、電位はV2となる。すなわち、V0−(ΔV1+ΔV2)=V2が成り立つ。包装硬貨トレイ300に3つの包装硬貨PC1、PC2、PC3が存在する場合、静電センサ331の電位降下量は、包装硬貨PC1による電位降下量ΔV1と、包装硬貨PC2による電位降下量ΔV2と、包装硬貨PC3による電位降下量ΔV3の和であり、電位はV3となる。すなわち、V0−(ΔV1+ΔV2+ΔV3)=V3が成り立つ。このとき、電位V0から電位V1への降下量(ΔV1)と比べて、電位V1から電位V2への降下量(ΔV2)や、電位V2から電位V3への降下量(ΔV3)が大きくなる。そのため、制御部180は、包装硬貨トレイ300に包装硬貨PC1のみが存在する場合に比べて、包装硬貨PC2もしくは包装硬貨PC3が存在する場合の方がより精度よく電位の降下を検出することができる。
【0032】
制御部180は、包装硬貨の数を判定する(ステップS120)。具体的には、制御部180は、ステップS110において検出した静電センサ331の電位と予め設定された閾値Thとを比較することにより、包装硬貨トレイ300に格納されている包装硬貨PCの数を判定する。閾値Thは、静電センサ331に加える電圧や、包装硬貨PCによる静電センサ331の電位降下量に基づいて設定され、予めメモリ182に記憶されている値である。
【0033】
制御部180は、例えば、検出した電位V1が閾値Th1より小さく、かつ、閾値Th2より大きいとき(Th1>V1>Th2)、包装硬貨トレイ300に収納されている包装硬貨PCの数を「1」と判定する。また、制御部180は、検出した電位V2が閾値Th2より小さく、かつ、閾値Th3より大きいとき(Th2>V2>Th3)、包装硬貨トレイ300に収納されている包装硬貨PCの数を「2」と判定する。また、制御部180は、検出した電位V3が閾値Th3より小さく、かつ、閾値Th4より大きいとき(Th3>V3>Th4)、包装硬貨トレイ300に収納されている包装硬貨PCの数を「3」と判定する。制御部180が判定する包装硬貨PCの数は、静電センサ331の位置によって予め定められている。
【0034】
本実施例では、静電センサ331は、包装硬貨トレイ300に4つ配置されているため、それぞれの静電センサ331から検出された電位と閾値Thとを比較することにより、1つの静電センサ331を用いて判定する場合よりも包装硬貨PCの数を詳細に判定することができる。すなわち、1つの静電センサ331で1〜4までの包装硬貨PCの数が検出できる場合、静電センサ331が1つであれば、連続する4つの数についての包装硬貨PCの数のみが検出可能となる。すなわち、底面部320に配置された静電センサ331の位置により、
包装硬貨PCの数が「1」「2」「3」「4」や、「8」「9」「10」「11」などの場合に数の検出が可能となる。
【0035】
一方、静電センサ331の静電センサ331が4つあれば、静電センサ331ごとの連続する4つの数の組み合わせにより、例えば、「1」〜「16」や、「1」〜「8」、「13」〜「20」など、包装硬貨PCの数について16の数を検出することができる。なお、本実施例では、制御部180は、検出した電位と閾値Thとを比較して、包装硬貨PCの数を判定しているが、これに限られず、制御部180は、電位降下量と閾値とを比較することにより包装硬貨PCの数を判定する態様であってもよい。なお、制御部180は、ステップS120で示したように、検出した電位から包装硬貨PCの数を判定する機能を備えており、特許請求の範囲仁おける「判定部」に該当する。
【0036】
以上説明した、第1の実施例に係る現金自動取引装置100によれば、静電センサから出力された検出情報を用いて、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数を判定するため、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数などを検出する精度の向上を図ることができる。具体的には、包装硬貨トレイ300の底面部など、包装硬貨PCと接触する領域に配置された静電センサ331は、包装硬貨PCと接触することにより放電して電位が降下する。そのため、静電センサ331の電位を検出することで、静電センサ331の電位降下量から包装硬貨トレイ300に収納されている包装硬貨PCの数を判定することができる。
【0037】
第1の実施例に係る現金自動取引装置100によれば、静電センサ331は、包装硬貨トレイ300の底面部320に配置されているため、包装硬貨トレイ300に収納された包装硬貨PCは、移動により静電センサ331と接触することができる。そのため、静電センサ331と包装硬貨PCとの不接触による包装硬貨数の誤判定を抑制することができる。
【0038】
第1の実施例に係る現金自動取引装置100によれば、静電センサ331は、互いに隣接する包装硬貨PCとそれぞれ接触する面積が異なるような形状を備えているため、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数などを検出する精度の向上を図ることができる。具体的には、静電センサ331は、互いに隣接する包装硬貨PCとそれぞれ接触する面積が異なるような形状を備えているため、互いに隣接する包装硬貨ごとに異なる電位降下量を示す。そのため、包装硬貨PCの数を正確に判定する必要のある範囲においては電位降下量を大きくすることで検出する精度を向上させることができる。本実施例では、静電センサ331は、三角形状を備えているため、互いに隣接する包装硬貨PCとそれぞれ接触する面積が異なり、互いに隣接する包装硬貨PCごとに異なる電位降下量を示すことができる。
【0039】
第1の実施例に係る現金自動取引装置100によれば、静電センサ331は、包装硬貨トレイ300の異なる複数の領域に配置されているため、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数などを検出する精度の向上を図ることができる。具体的には、静電センサ331は、包装硬貨トレイ300に複数配置されているため、それぞれの静電センサ331から検出された電位を用いて包装硬貨PCの数を判定することで、1つの静電センサ331を用いて判定する場合よりも広い範囲において包装硬貨PCの数を判定することができる。具体的には、1つの静電センサ331で1〜4までの包装硬貨PCの数が検出できる場合、静電センサ331が4つあれば、1〜16までの包装硬貨PCの数を検出することができる。
【0040】
また、静電センサ331は、表面全体の面積に対する包装硬貨PCとの接触領域の面積の割合ができるだけ大きくなることが望ましい。表面全体の面積に対する包装硬貨PCとの接触領域の面積の割合が大きいと、接触による電位降下量が大きくなり、検出が容易となるためである。静電センサ331を複数に分割して設置することにより、それぞれの静電センサ331の表面全体の面積を小さくすることができ、それぞれの静電センサ331において包装硬貨PCとの接触による電位降下量を大きくすることができる。
【0041】
第1の実施例に係る現金自動取引装置100によれば、判定部は、検出情報(電位)と、閾値Thとを比較することにより、包装硬貨トレイ300に収納されている包装硬貨PCの数を判定するため、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数を検出する精度の向上を図ることができる。具体的には、静電センサ331の静電容量、静電センサ331に与える電圧、包装硬貨PCによる電位降下量などが一定であるため、静電センサ331から検出される電位と、静電センサ331と接触している包装硬貨PCの数とを対応付けることができる。そのため、静電センサ331の静電容量、静電センサ331に与える電圧、包装硬貨PCによる電位降下量などに基づき設定された閾値Thと、検出した電位とを比較することにより、包装硬貨PCの数を精度良く検出することができる。
【0042】
B.第2実施例:
B1.全体構成:
第2実施例では、静電センサ331の形状が第1実施例と異なる現金自動取引装置100について説明する。静電センサ331の形状以外については第1実施例と同様であるため説明を省略する。また、第1実施例と同じ符号を付した機能部・構成部分については、第1実施例と同様の機能・構成を有している。
【0043】
図9は、第2実施例に係る包装硬貨トレイ300の概略構成を例示した説明図である。第2実施例における静電センサ331は、第1実施例と同様に三角形の平板状に形成されている。しかし、第1実施例では、静電センサ331は、包装硬貨トレイ300の前方側にいくに従って、並列方向と直交する方向の幅が縮小するように配置されていたが、本実施例における静電センサ331は、包装硬貨PCが並列に並んで配置され、包装硬貨取出口310側に偏った状態で静止している位置(以後、「静止位置」とも呼ぶ)において、包装硬貨PCとの接触領域の面積が最大となり、静止位置の前後では接触領域の面積が減少する形状となっている。すなわち、静電センサ331は、包装硬貨PCの静止位置から、包装硬貨トレイ300の前方側にいくに従って並列方向と直交する方向の幅が縮小するとともに、包装硬貨PCの静止位置から、包装硬貨トレイ300の後方側にいくに従っても並列方向と直交する方向の幅が縮小するように配置される。
【0044】
また、第1実施例では、静電センサ331は、包装硬貨トレイ300の底面部320において並列方向に並んで4つ配置されていたが、本実施例では、4つに限られず、包装硬貨PCの静止位置ごとに複数配置されている。なお、静電センサ331は、包装硬貨PCのすべての静止位置に配置する必要はない。
【0045】
図10は、第2実施例における静電センサと包装硬貨との位置関係を例示した説明図である。図10(a)には、包装硬貨トレイ300の底面部320に配置された複数の静電センサ331のうちの3つが示されている。また、図10(a)には、3つの包装硬貨PC4、PC5、PC6が示されている。このうち、包装硬貨PC4および包装硬貨PC5は包装硬貨トレイ300に収容されるべき適正な同種の包装硬貨(以後、「適正包装硬貨」とも呼ぶ)である。一方、包装硬貨PC6は、包装硬貨トレイ300に収容されるべき金種と異なる金種の包装硬貨(以後、「異種包装硬貨」とも呼ぶ)である。
【0046】
静電センサ331は、適正包装硬貨の静止位置において接触面積が最大となるように配置されているため、包装硬貨PC4および包装硬貨PC5の接触領域At4および接触領域At5の面積は等しく、一方、包装硬貨PC6の接触領域At6の面積は、接触領域At4および接触領域At5の面積に比べて小さくなる。これは、図10(b)に示すように、適正包装硬貨の直径D1と異種包装硬貨の直径D2とが異なるため、適正包装硬貨と異種包装硬貨とが接触した並列状態において、異種包装硬貨が静電センサ331と接する位置が、適正包装硬貨同士が互いに接した並列状態において、適正包装硬貨が静電センサ331と接する位置と異なるためである。
【0047】
B2.包装硬貨検出処理:
本実施例における包装硬貨検出処理は、包装硬貨トレイ300に収納されている包装硬貨PCの数のみでなく、金種および状態を検出するための処理である。本実施例における包装硬貨検出処理の流れは第1実施例と同様であるためフローチャートを省略する。静電センサ331への電圧印加(ステップS100)、静電センサ331の電位検出(ステップS110)については第1実施例と同様である。
【0048】
図11は、静電センサの電位を説明するための説明図である。図11は、図10に示した3つの静電センサ331にそれぞれ同じ電圧を印加した後、それぞれの静電センサ331から検出した電位を1つの表にまとめて表示している。図11に示すように、静電センサ331と包装硬貨PC4との接触による電位降下量ΔV4と、静電センサ331と包装硬貨PC5との接触による電位降下量ΔV5とは等しい。すなわち、ΔV4=ΔV5が成り立つ。また、静電センサ331と包装硬貨PC6との接触による電位降下量ΔV6は、電位降下量ΔV4および電位降下量ΔV5より小さい。すなわち、ΔV4=ΔV5>ΔV6が成り立つ。これは、上述のように、適正包装硬貨と異種包装硬貨で静電センサ331との接触面積が異なるためである。
【0049】
制御部180は、包装硬貨の数および金種を検出する(ステップS120)。具体的には、制御部180は、包装硬貨トレイ300に配置された各静電センサ331がそれぞれ包装硬貨PCと接触しているか否かを検出することにより、包装硬貨トレイ300に収容されている包装硬貨PCの数を判定する。制御部180は、例えば、各静電センサ331の包装硬貨PCとの接触の有無と、包装硬貨PCの数との関係が示されている図示しない対応テーブルを備え、この対応テーブルを用いることにより、包装硬貨PCの数を判定することができる。
【0050】
また、制御部180は、ぞれぞれの静電センサ331の電位降下量からそれぞれの静電センサ331と接触している包装硬貨PCの金種を判定する。具体的には、静電センサ331は、包装硬貨PCの直径の違いにより電位降下量が異なるため、金種ごとに電位降下量を予め閾値として設定することで、検出された電位降下量から金種を判定することができる。例えば、図11に示すように、検出された電位と閾値Th5との比較により、適正包装硬貨である包装硬貨PC4、PC5と、異種包装硬貨である包装硬貨PC6の金種の違いを判定することができる。具体的には、検出された電位V4が閾値Th5より小さい場合、静電センサ331と接触している包装硬貨PCは適正包装硬貨であると判定し、検出された電位V6が閾値Th5より大きい場合、静電センサ331と接触している包装硬貨PCは異種包装硬貨であると判定することにより、静電センサ331と接触している包装硬貨PCの金種を判定することができる。
【0051】
図12は、第2実施例において静電センサと包装硬貨との位置関係の第2の例を示した説明図である。上述では、金種の判定を金種ごとの直径の違いを用いて判定していたが、異金種の直径が同じであっても、硬貨の原料の違いを用いて判定することもできる。図12に示すように、適正包装硬貨である包装硬貨PC7と、異種包装硬貨である包装硬貨PC8は、直径が等しいため、包装硬貨トレイ300において、静電センサ331と接触する接触領域At7および接触領域At8の面積は等しい。
【0052】
図13は、第2の例における静電センサの電位を説明するための説明図である。図13は、図12に示した2つの静電センサ331にそれぞれ所定時間(図中、充電時間として示す)電圧を印加して同じ電位とした後、それぞれの静電センサ331から検出された電位の時間経過を1つの表にまとめて表示している。図13に示すように、充電により静電センサ331の電位をV0とした後、所定時間経過後(図中、T1として示す)のそれぞれの静電センサ331の電位は、電位V7および電位V8と異なる値となっている。これは、包装硬貨PC7および包装硬貨PC8と静電センサ331との接触面積が同じであっても、硬貨の原料の違いにより、接触面の放電特性が異なるためである。よって、制御部180は、静電センサ331への充電後、所定時間T1が経過した後にそれぞれの電位を検出し、それぞれの電位の差(電位差)を用いて金種を判定することができる。例えば、閾値として、電位V7より小さく電位V8より大きい値を予め設定することにより、制御部180は、この閾値と、検出された電位とを比較することによって金種の違いを判定することができる。
【0053】
図14は、第2実施例において静電センサと包装硬貨との位置関係の第3の例を示した説明図である。上述のステップS120において、制御部180は、包装硬貨の数および金種の検出をおこなっているが、制御部180は、さらに、包装硬貨トレイ300に収容されている包装硬貨の状態についても判定することができる。図14には、2つの包装硬貨PC9、PC10と5つの静電センサ331が示されている。一方の包装硬貨PC9は、長手方向が包装硬貨トレイ300の並列方向と直交する方向であり、静止位置に適正に配置された状態(以後、「適正配置状態」とも呼ぶ)となっている。他方の包装硬貨PC10は、長手方向が包装硬貨トレイ300の並列方向と直交する方向以外の方向であり、静止位置と異なる位置に配置された状態(以後、「不適正配置状態」とも呼ぶ)となっている。この場合、適包装硬貨PC9の静電センサ331との接触領域At9の面積は、包装硬貨PC10と接触する4つの静電センサ331のそれぞれの接触領域At10、At11、At12、At13のいずれの面積よりも大きい。
【0054】
図15は、第3の例における静電センサの電位を説明するための説明図である。図15は、図14に示した5つの静電センサ331にそれぞれ同じ電圧を印加した後、それぞれの静電センサ331から検出した電位を1つの表にまとめて表示している。図15に示すように、包装硬貨PC9との接触による静電センサ331の電位降下量ΔV9は、包装硬貨PC10と4つの静電センサ331との接触によるそれぞれの電位降下量ΔV10、ΔV11、ΔV12、ΔV13より大きい。すなわち、ΔV9>ΔV10〜ΔV13が成り立つ。これは、上述のように、適正配置状態の包装硬貨PCと不適正配置状態の包装硬貨PCとで静電センサ331に対する接触面積が異なるためである。すなわち、本実施例で示した静電センサ331は、適正配置状態の包装硬貨PCと接触する面積が不適正配置状態の包装硬貨PCと接触する面積よりも大きくなるような形状・配置を備えている。
【0055】
制御部180は、ぞれぞれの静電センサ331の電位降下量からそれぞれの静電センサ331と接触している包装硬貨PCの状態を判定する。具体的には、不適正配置状態の包装硬貨PCとの接触による電位降下量(ΔV10〜ΔV13)は、適正配置状態の包装硬貨PCとの接触による電位降下量(ΔV9)に満たないため、例えば、図15に示すように、制御部180は、予め設定されている閾値Th6と、検出された電位とを比較することによって包装硬貨PCの状態を判定することができる。すなわち、制御部180は、検出した電位が閾値Th6より小さい場合には、静電センサ331に接触している包装硬貨PCは適正配置状態であると判定し、検出した電位が閾値Th6より大きい場合には、静電センサ331に接触している包装硬貨PCは不適正配置状態であると判定する。
【0056】
以上説明した、第2の実施例に係る現金自動取引装置100によれば、静電センサから出力された検出情報を用いて、包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数のみではなく、金種や状態を判定することができる。具体的には、制御部180は、金種ごとの直径の違いにより生じる静電センサ331jとの接触面積の違いを用いて、金種を判定することができる。また、制御部180は、金種ごとの原料の違いにより生じる放電特性の違いを用いて、金種を判定することができる。さらに、制御部180は、適正配置状態の包装硬貨PCと不適正配置状態の包装硬貨PCとの静電センサ331に対する接触面積の違いを用いて、包装硬貨トレイ300に収納されている包装硬貨PCの状態を検出することができる。
【0057】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0058】
C1.変形例1:
本実施例では、静電センサ331は、包装硬貨トレイ300の底面部320に配置されているが、静電センサ331は包装硬貨トレイ300に収納されている包装硬貨PCと接触可能な場所であれば、これ以外の場所に配置されていてもよい。例えば、静電センサ331は、包装硬貨トレイ300の側面部325や上面部327に配置されていてもよいし、ワゴン部210のトレイ台215など、包装硬貨トレイ300以外の場所に配置されていてもよい。
【0059】
C2.変形例2:
本実施例では、制御部180は、閾値Th6との比較により包装硬貨PCの状態を検出しているが、制御部180は、静電センサ331を用いてこれ以外の方法により包装硬貨PCの状態を検出してもよい。例えば、制御部180は、隣り合う2つの静電センサ331のうち、包装硬貨トレイ300の前方側の静電センサ331について包装硬貨PCとの接触が検出されず、後方側の静電センサ331について包装硬貨PCとの接触が検出された場合には、不適正配置状態の包装硬貨PCが存在していると判定してもよい。また、制御部180は、連続する複数の静電センサ331のそれぞれから検出された電位がすべて閾値より大きい場合にのみ不適正配置状態の包装硬貨PCが存在すると判定してもよい。
【0060】
C3.変形例3:
本実施例では、静電センサ331は、現金自動取引装置100が備えるすべての包装硬貨トレイ300に配置されているが、現金自動取引装置100が備える一部の包装硬貨トレイ300のみに静電センサ331を配置してもよい。
【0061】
C4.変形例4:
本実施例では、静電センサ331は三角形状を有しているが、静電センサ331は三角形状以外の形状であってもよい。例えば、静電センサ331は、長手方向が包装硬貨トレイ300の並列方向に沿った長方形状であってもよいし、多角形形状や円形形状であってもよい。
【0062】
C5.変形例5:
本実施例では、静電センサ331は、互いに隣接する包装硬貨PCとそれぞれ接触する面積が異なるような形状を備えているが、静電センサ331は、並列に並んだ複数の包装硬貨PCとの接触面積がすべて同じとなる形状であってもよい。
【0063】
C6.変形例6:
本実施例の現金自動取引装置100は、包装硬貨トレイ300に収納されている包装硬貨PCの数、金種、状態について判定をおこなうことが可能であるが、本発明は、包装硬貨トレイ300に収納されている包装硬貨PCの数、金種、状態の少なくとも一部のみを判定する現金自動取引装置100としても実現することができる。
【0064】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、包装硬貨の数および金種および状態のいずれかの判定方法、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記憶媒体等の形態で実現することができる。また、本発明に係る包装硬貨取扱装置は、適宜、他の部材と組み合わせて適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
100…現金自動取引装置
110…操作パネル
120…硬貨入金部
130…明細書発行部
140…硬貨返却部
150…紙幣入出金部
160…扉
170…包装硬貨取出部
175…シャッタ
180…制御部
181…CPU
182…メモリ
183…バス
200…包装硬貨取扱装置
210…ワゴン部
215…トレイ台
250…包装硬貨取込部
252…アーム部
254…収容部
300…包装硬貨トレイ
310…包装硬貨取出口
320…底面部
325…側面部
327…上面部
330…センサ部
331…静電センサ
334…センサ制御基板
335…通信部
PC…包装硬貨

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定枚数の硬貨を金種別に包装した包装硬貨の払い出しを行なう包装硬貨取扱装置であって、
前記包装硬貨を収納するための包装硬貨トレイと、
前記包装硬貨トレイを着脱自在に保持する包装硬貨トレイ装填部と、
前記包装硬貨トレイに収納された前記包装硬貨と接触する領域に配置され、前記包装硬貨トレイに収納された包装硬貨と接触する面積に応じた検出情報を出力する静電センサと、
前記静電センサから出力された前記検出情報を用いて、前記包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数および金種および状態の少なくとも1つを判定する判定部と、を備える包装硬貨取扱装置。
【請求項2】
請求項1に記載の包装硬貨取扱装置において、
前記包装硬貨トレイは、収納した前記包装硬貨を支持する底面部を備え、
前記静電センサは、前記包装硬貨トレイの前記底面部に配置されている包装硬貨取扱装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に包装硬貨取扱装置において、
前記包装硬貨トレイは、前記包装硬貨を一列に並べて収納し、
前記静電センサは、互いに隣接する前記包装硬貨とそれぞれ接触する面積が異なるような形状を備えている包装硬貨取扱装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の包装硬貨取扱装置において、
前記静電センサは、前記包装硬貨トレイの異なる複数の領域に配置されている包装硬貨取扱装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の包装硬貨取扱装置において、
前記静電センサは、三角形状を備えている包装硬貨取扱装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の包装硬貨取扱装置において、
前記判定部は、前記検出情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記包装硬貨トレイに収納されている包装硬貨の数を判定する包装硬貨取扱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−118582(P2011−118582A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274406(P2009−274406)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】