説明

包装箱

【課題】作業工数を増やすことなく、積み重ね用の位置決め構造を形成する。
【解決手段】天蓋および底蓋を、側壁11A,11Bに連設した内フラップ15A,15B,16A,16Bと、端壁12A,12Bに連設した外フラップ17A,17B,18A,18Bとで構成し、内フラップ15A,15B,16A,16Bに差込穴20を設けるとともに、外フラップ17A,17B,18A,18Bに差込片26と差込用補助線30A,30Bとを設け、かつ、4面の外フラップ17A,17B,18A,18Bのうち2面に、差込用補助線30Aに沿った外フラップ17A,17B,18A,18Bの折り曲げにより外向きに突出する係止片31を設けるとともに、4面の外フラップ17A,17B,18A,18Bのうち他の2面に、係止片31を挿入係止する係止穴33を設けた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一方の蓋を粘着テープなどを使用することなく閉塞可能なインターロック方式の包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品を収容する包装箱は、各一対の側壁および端壁を有し、これらの上下端の開口を天蓋および底蓋によって閉塞している。天蓋および底蓋は、端壁に連設した内フラップと側壁に連設した外フラップとを備え、互いに向かい合う外フラップの先端を粘着テープで貼着する汎用のテープ封緘方式のものがある。また、天蓋および底蓋は、側壁に連設した内フラップと端壁に連設した外フラップとを備え、内フラップに差込穴を設けるとともに外フラップに差込片を設け、差込片を差込穴に差し込むことによりロックするインターロック方式のものがある。
【0003】
一方、この種の包装箱は、倉庫で保管する際や輸送する際に、複数個を積み重ねることがある。しかし、包装箱を整列して積み重ねるのは、非常に困難である。そこで、特許文献1の包装箱では、天蓋に舌状部を重畳配置するとともに、底蓋にくり抜き部または切込み部を設け、くり抜き部または切込み部の内部に舌状部を嵌め込むことにより、上下の包装箱を位置決めできるようにしている。
【0004】
しかしながら、特許文献1の包装箱は、内フラップまたは外フラップに切起構造の舌状部を設けている。そして、舌状部を切り起こした状態で、その舌状部を設けたフラップを折り曲げた後、その上に舌状部を設けていないフラップを重畳させて折り曲げ、その上側に切り起こした舌状部を重畳配置する構成としている。そのため、通常の閉塞作業とは別に舌状部を配置する作業が必要であるため、作業性が悪いという問題がある。また、舌状部は自由に移動可能であり、紙の腰により浮き上がるように作用するため、粘着テープなどによって貼着しなければ邪魔になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3890084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、作業工数を増やすことなく、積み重ね用の位置決め構造を形成可能な包装箱を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、第1の発明の包装箱は、各一対の側壁および端壁を有し、これら側壁および端壁によって囲繞された上下端の開口を天蓋および底蓋により閉塞した包装箱において、前記天蓋および前記底蓋を、前記各側壁の上下端縁に連設した内フラップと、前記各端壁の上下端縁に連設した外フラップとで構成し、前記各内フラップに、前記外フラップの内側に少なくとも一部が位置するように差込穴を設けるとともに、前記各外フラップに、前記差込穴に差し込んでロックする差込片と、連続する前記端壁との境界線に沿って延びる差込用補助線とを設け、かつ、4面の前記外フラップのうち2面に、前記差込用補助線に沿った前記外フラップの折り曲げにより外向きに突出する係止片を設けるとともに、4面の前記外フラップのうち他の2面に、前記係止片を挿入係止する係止穴を設けた構成としている。
ここで、4面の外フラップのうち2面および他の2面とは、天蓋を構成する一対の上側外フラップ、底蓋を構成する一対の下側外フラップ、一方の上側外フラップと一方の下側外フラップなどの種々の組み合わせを意味する。また、外向きに突出する係止片とは、上側外フラップに形成した場合には上向き、下側外フラップに形成した場合には下向きを意味する。
【0008】
この包装箱は、一対の内フラップを内向きに折り曲げた後、一対の外フラップを差込用補助線に沿って折り曲げながら端壁に対して折り曲げる。そして、差込片を差込穴に差し込むことにより天蓋および底蓋で閉塞される。この状態では、外フラップは、差込用補助線から先端側が下向きに傾斜した状態をなし、これにより係止片が外向きに突出する。
【0009】
このように、本発明の包装箱は、インターロック方式の蓋の通常の閉塞作業を行うことにより、外向きに突出する係止片を形成することができる。そのため、閉塞作業性を損なうことはない。しかも、係止片は、外フラップに設けたものであるため、粘着テープなどによる位置決めは必要ない。そのため、この点からも閉塞作業性を損なうことを防止できる。そして、包装箱の上に同様の他の包装箱を積み重ねる際には、上下に位置する係止片と係止穴を一致させて配置することにより、確実に整列して積み重ねることができる。
【0010】
第1の発明の包装箱では、前記係止片を設けた前記外フラップの差込用補助線と、前記係止穴を設けた前記外フラップの差込用補助線とは、前記端壁との境界線からの距離が異なることが好ましい。このようにすれば、積み重ねた上下の包装箱において、差込用補助線に沿って山折り状態をなす外フラップの頂部が離れて位置し、傾斜面同士が面接触した状態となる。そのため、積み重ねた状態の安定性を向上できる。
【0011】
また、第2の発明の包装箱は、各一対の側壁および端壁を有し、これら側壁および端壁によって囲繞された上下端の開口を天蓋および底蓋により閉塞した包装箱において、前記天蓋および前記底蓋のうち一方を、前記各側壁の端縁に連設した内フラップと、前記各端壁の端縁に連設した外フラップとで構成し、前記各内フラップに、前記外フラップの内側に少なくとも一部が位置するように差込穴を設けるとともに、前記各外フラップに、前記差込穴に差し込んでロックする差込片と、連続する前記端壁との境界線に沿って延びる差込用補助線とを設け、かつ、前記外フラップに、前記差込用補助線に沿った前記外フラップの折り曲げにより外向きに突出する係止片を設けるとともに、前記天蓋および前記底蓋のうち他方に、前記係止片を挿入係止する係止穴を設けた構成としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装箱では、通常の閉塞作業を行うことにより、外向きに突出する係止片を形成することができる。そのため、閉塞作業性を損なうことなく、確実に積み重ね用の位置決め構造を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る実施形態の包装箱を示す斜視図である。
【図2】包装箱を積み重ねた状態を示す斜視図である。
【図3】図2の断面図である。
【図4】閉塞作業の一工程を示す斜視図である。
【図5】包装箱のブランクを示す平面図である。
【図6】包装箱の変形例を示す斜視図である。
【図7】包装箱の他の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る包装箱10を示す。この包装箱10は、外周壁の上下端の開口を粘着テープなどを使用することなく閉塞可能なインターロック方式の天蓋および底蓋によって閉塞するようにしたものである。そして、本発明では、天蓋および底蓋を構成する外フラップ17A,17B,18A,18Bに、上下に積み重ねる際の位置決め構造として、係止片31と係止穴33を設けたものである。
【0016】
この包装箱10は、表ライナおよび裏ライナの間に波状の中しんを配設した周知の段ボール紙を、周知の紙器打抜装置(図示せず)によって連続した一枚のブランクとして打ち抜き、所定部位を糊付けし、折り曲げることによって成形される。
【0017】
包装箱10のブランクは、図5に示すように、外周壁を構成する各一対の側壁11A,11Bおよび端壁12A,12Bを備えている。これらは、横方向に交互かつ直線的に連続するように設けられている。これらのうち、左側端部に位置する側壁11Aの側縁には、右側端部に位置する端壁12Bに貼着するための糊代部13が連設されている。そして、側壁11Aと端壁12Aの境界部分、端壁12Aと側壁11Bの境界部分、側壁11Bと端壁12Bの境界部分、および、糊代部13と側壁11Aの境界部分には、それぞれ肉厚を圧縮するように罫を入れて形成した第1折曲線14が縦方向に延びるように設けられている。
【0018】
側壁11A,11Bには、上端縁に上側内フラップ15A,15Bが連設され、下端縁に下側内フラップ16A,16Bが連設されている。また、端壁12A,12Bには、上端縁に上側外フラップ17A,17Bが連設され、下端縁に下側外フラップ18A,18Bが連設されている。そして、側壁11A,11Bおよび端壁12A,12Bと、各フラップ15A,15B〜18A,18Bの境界部分には、第1折曲線14と同様の第2折曲線19が設けられている。
【0019】
内フラップ15A,15B,16A,16Bは、閉塞状態で互いの先端縁が向かい合って当接する寸法で形成されている。各内フラップ15A,15B,16A,16Bには、外フラップ17A,17B,18A,18Bの内側に位置するように差込穴20が設けられている。この差込穴20は、側壁11A,11Bとの境界線である第2折曲線19上に位置する第1切断部21と、この第1切断部21の外側端から先端縁に向けて直交方向に延びる第3折曲線22とを備える。また、第1切断部21の内側端から先端縁に向けて直交方向に延びる第2切断部23と、この第2切断部23の先端から第3折曲線22の先端に向けて内側に迂回して延びる第3切断部24とを備える。これにより囲繞された内部が、切起構造の差込穴20を構成する。この差込穴20内は、第3折曲線22を設けた側が差込方向手前であり、後述する差込片26を差し込むことにより、内部の切起部25が第3折曲線22に沿って内向きに撓む。
【0020】
外フラップ17A,17B,18A,18Bは、内フラップ15A,15B,16A,16Bと同一の突出寸法で突設されている。各外フラップ17A,17B,18A,18Bの中央には、端壁12A,12Bに向けて窪むように打抜部を設けることにより、差込穴20に差し込んでロックするための一対の差込片26,26が設けられている。これら差込片26,26の間には、三角形状をなすように突出する押圧部27が設けられている。この押圧部27の先端頂部には、差込片26を引き抜く際に指を当てるための指当部28が略半円形状の切り欠きにより形成されている。なお、差込片26と押圧部27とが交わる角部には、破断を防止するための切込線29が円弧状をなすように設けられている。また、外フラップ17A,17B,18A,18Bには、連続する端壁12A,12Bとの境界線である第2折曲線19に沿って平行に延びる差込用補助線30A,30Bが設けられている。これら差込用補助線30A,30Bは、第1折曲線14と同様に、肉厚を圧縮するように罫を入れて形成した折曲線からなる。
【0021】
以上の構成は従来のインターロック方式の天蓋および底蓋と同様である。そして、本実
形態の外フラップ17A,17B,18A,18Bには、積み重ね用の位置決め構造として係止片31が上側外フラップ17A,17Bに設けられ、係止穴33が下側外フラップ18A,18Bに設けられている。これら係止片31および係止穴33は、差込用補助線30A,30B上の中央に位置するように設けられている。そして、差込用補助線30A,30Bは、係止片31および係止穴33を除く両側に位置するように、外フラップ17A,17B,18A,18Bに設けられている。また、係止片31を形成する上側外フラップ17A,17Bの差込用補助線30Aと、係止穴33を形成する下側外フラップ18A,18Bの差込用補助線30Bとは、端壁12A,12Bとの境界線である第2折曲線19からの距離D1,D2が異なる(D1<D2)ように形成されている。
【0022】
係止片31は、略円弧状をなす打抜溝32を設けることにより、その内部に形成されている。打抜溝32は、両端が差込用補助線30Aより端壁12A,12Bの側に位置し、差込用補助線30Aを超えて上側外フラップ17A,17Bの先端側に延びる。言い換えれば、打抜溝32の両側から上側外フラップ17A,17Bの両側縁にかけて差込用補助線30Aが設けられている。これにより、端壁12A,12Bの側から差込用補助線30Aを超えて延びる台形状の係止片31が形成されている。
【0023】
係止穴33は、係止片31に対して対称に位置するように、下側外フラップ18A,18Bに係止片31より若干大きい台形状の打抜部を設けることにより形成される。この係止穴33の先端は、差込用補助線30B上に位置するように設けられる。言い換えれば、係止穴33の先端両側から下側外フラップ18A,18Bの両側縁にかけて差込用補助線30Bが設けられている。
【0024】
この包装箱10のブランクは、端壁12Aに対して側壁11Aを折り曲げるとともに、側壁11Bに対して端壁12Bを折り曲げ、重畳する糊代部13と端壁12Bとを、酢酸ビニルエマルジョン系などの接着剤により糊付けする。そして、この折畳状態で所定の製造メーカ等に納品される。
【0025】
次に、包装箱10の組立方法について説明する。なお、上側フラップ15A,15B,17A,17Bからなる天蓋と、下側フラップ16A,16B,18A,18Bからなる底蓋の閉塞作業は同じである。そのため、以下の説明では、上側フラップ15A,15B,17A,17Bを例に説明する。
【0026】
包装箱10を組み立てる際には、図4に示すように、側壁11A,11Bおよび端壁12A,12Bが四角筒状をなすように広げ、側壁11A,11Bに対して上側内フラップ15A,15Bを内向きに折り曲げる。その後、上側外フラップ17A,17Bを差込用補助線30Aに沿って内向き折り曲げ(山折り)ながら、端壁12A,12Bに対して上側外フラップ17A,17Bを内向きに折り曲げる。そして、上側外フラップ17A,17Bの各差込片26,26の先端を、上側内フラップ15A,15Bの差込穴20上に位置させる。その後、差込用補助線30Aに沿って折り曲げた上側外フラップ17Aを延ばすようにして、差込片26によって切起部25を内向きに撓ませながら、差込片26を差込穴20内に差し込む。これにより、図1および図3に示すように、包装箱10の上端開口を閉塞できる。この際、本実施形態の差込穴20は内部に切起部25を設けた構成であるため、差込片26の先端が内部に収容した商品に突き刺さることを防止できる。
【0027】
この閉塞状態では、外フラップ17A,17B,18A,18Bに設けた押圧部27が、内フラップ15A,15B,16A,16Bの突き合わさった先端部分の外面を押圧保持する。また、外フラップ17A,17B,18A,18Bの差込片26は、内部に収容した商品により、内フラップ15A,15B,16A,16Bの間に挟まれる。そのため、外フラップ17A,17B,18A,18Bを意図的に外向きにスライドさせなければ、閉塞状態を解除することはできない。
【0028】
この閉塞状態では、外フラップ17A,17B,18A,18Bは、差込用補助線30A,30Bから先端側が下向きに傾斜した状態をなし、これにより係止片31が外(上)向きに突出する。即ち、本実施形態の包装箱10は、インターロック方式の蓋の通常の閉塞作業を行うことにより、外向きに突出する係止片31を形成することができる。そのため、閉塞作業性を損なうことはない。しかも、係止片31は、外フラップ17A,17B,18A,18Bに設けたものであるため、粘着テープなどによる位置決めは必要ない。そのため、この点からも閉塞作業性を損なうことを防止できる。
【0029】
そして、2以上の包装箱10,10を積み重ねる際には、図1に示すように、先に載置した包装箱10の上に他の包装箱10を配置し、係止片31と係止穴33を一致させて配置する。これにより、図2および図3に示すように、下側の包装箱10の係止片31を上側の包装箱10の係止穴33内に嵌め込んで、整列して積み重ねることができる。しかも、本実施形態では、係止片31を設けた上側外フラップ17A,17Bの差込用補助線30Aと、係止穴33を設けた下側外フラップ18A,18Bの差込用補助線30Bとは、第2折曲線19からの距離が異なるようにしている。そのため、包装箱10を上下に積み重ねると、差込用補助線30A,30Bに沿って山折り状態をなす外フラップ17A,17B,18A,18Bの頂部が離れて位置する。その結果、外フラップ17A,17B,18A,18Bの傾斜面同士が面接触した状態となる。よって、積み重ねた状態の安定性を向上できる。
【0030】
なお、本発明の包装箱10は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0031】
例えば、前記実施形態では、4面の外フラップ17A,17B,18A,18Bのうち上側外フラップ17A,17Bの2面に係止片31を設け、他の下側外フラップ18A,18Bの2面に係止穴33を設けたが、下側外フラップ18A,18Bに係止片31を設け、上側外フラップ17A,17Bに係止穴33を設けてもよい。また、図6に示すように、端壁12Aに連設した上側外フラップ17Aと端壁12Bに連設した下側外フラップ18Bに係止片31を設け、端壁12Aに連設した下側外フラップ18Aと端壁12Bに連設した上側外フラップ17Bに係止穴33を設けてもよい。勿論、端壁12Aに連設した外フラップ17A,18Aに係止片31を設け、端壁12Bに連設した外フラップ17B,18Bに係止穴33を設けてもよい。即ち、4面の外フラップ17A,17B,18A,18Bのうち、2面に係止片31を設け、他の2面に係止穴33を設ければよい。そして、これらの構成では、差込用補助線30Aに沿って外フラップ17A,17B,18A,18Bを折り曲げることにより、上側外フラップ17A,17Bの場合には上向きに突出する係止片31、下側外フラップ18A,18Bの場合には下向きに突出する係止片31を形成することができる。
【0032】
また、前記実施形態では、天蓋および底蓋の両方をインターロック方式としたが、図7に示すように、天蓋だけをインターロック方式とし、底蓋は汎用のテープ封緘方式としてもよい。この場合、天蓋の上側外フラップ17A,17Bに係止片31を設ける。また、底蓋は、端壁12A,12Bに下側内フラップ34A,34Bを連設するとともに、側壁11A,11Bに下側外フラップ35A,35Bを連設する。そして、これら下側外フラップ35A,35Bに、係止穴33を設ける。また、各フラップ17A,17B,35A,35Bに形成する係止片31および係止穴33は、それぞれ2個づつ両側に設ける。勿論、底蓋をインターロック方式とし、天蓋をテープ封緘方式としてもよい。
【0033】
また、前記実施形態では、側壁11A,11Bを端壁12A,12Bより横幅を広く形成したが、側壁11A,11Bを端壁12A,12Bより横幅が狭くなるように形成してもよいうえ、同一幅で形成してもよい。また、内フラップ15A,15B,16A,16Bは、互いの先端縁が当接する寸法で形成したが、所定間隔をもって位置するショートフラップにより構成してもよい。この場合、図7の変形例に示すように、係止片31および係止穴33は両側に位置するように2以上形成する。
【0034】
また、前記実施形態では、係止穴33は、ニの字状をなすように第2折曲線19に対して直交方向に延びるように形成したが、ハの字状をなすように第2折曲線19に対して所定角度で傾斜させて形成してもよい。さらに、前記実施形態では、差込穴20は、全体が外フラップ17A,17B,18A,18Bの内側に位置するように形成したが、第3折曲線22の側の一部だけが外フラップ17A,17B,18A,18Bの内側に位置するように形成してもよい。
【0035】
また、前記実施形態では、係止片31および係止穴33を台形状をなすように形成したが、その形状は三角形状や半円形状など、希望に応じて変更が可能である。さらに、前記実施形態では、係止片31は、先端が差込片26の突出方向に延びるように形成したが、先端が端壁12A,12Bの側に延びるように形成してもよい。そして、前記実施形態では、包装箱10を平面視四角形状をなすように構成したが、所定の側壁11A,11Bと端壁12A,12Bの間に面取壁を介設した平面視五角形状以上の多角形状をなすように構成してもよい。
【符号の説明】
【0036】
10…包装箱
11A,11B…側壁
12A,12B…端壁
15A,15B…上側内フラップ(天蓋)
16A,16B…下側内フラップ(底蓋)
17A,17B…上側外フラップ(天蓋)
18A,18B…下側外フラップ(底蓋)
19…第2折曲線(境界線)
20…差込穴
25…切起部
26…差込片
27…押圧部
30A,30B…差込用補助線
31…係止片
33…係止穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各一対の側壁および端壁を有し、これら側壁および端壁によって囲繞された上下端の開口を天蓋および底蓋により閉塞した包装箱において、
前記天蓋および前記底蓋を、前記各側壁の上下端縁に連設した内フラップと、前記各端壁の上下端縁に連設した外フラップとで構成し、
前記各内フラップに、前記外フラップの内側に少なくとも一部が位置するように差込穴を設けるとともに、
前記各外フラップに、前記差込穴に差し込んでロックする差込片と、連続する前記端壁との境界線に沿って延びる差込用補助線とを設け、かつ、
4面の前記外フラップのうち2面に、前記差込用補助線に沿った前記外フラップの折り曲げにより外向きに突出する係止片を設けるとともに、
4面の前記外フラップのうち他の2面に、前記係止片を挿入係止する係止穴を設けた
ことを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記係止片を設けた前記外フラップの差込用補助線と、前記係止穴を設けた前記外フラップの差込用補助線とは、前記端壁との境界線からの距離が異なることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
各一対の側壁および端壁を有し、これら側壁および端壁によって囲繞された上下端の開口を天蓋および底蓋により閉塞した包装箱において、
前記天蓋および前記底蓋のうち一方を、前記各側壁の端縁に連設した内フラップと、前記各端壁の端縁に連設した外フラップとで構成し、
前記各内フラップに、前記外フラップの内側に少なくとも一部が位置するように差込穴を設けるとともに、
前記各外フラップに、前記差込穴に差し込んでロックする差込片と、連続する前記端壁との境界線に沿って延びる差込用補助線とを設け、かつ、
前記外フラップに、前記差込用補助線に沿った前記外フラップの折り曲げにより外向きに突出する係止片を設けるとともに、
前記天蓋および前記底蓋のうち他方に、前記係止片を挿入係止する係止穴を設けた
ことを特徴とする包装箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−39948(P2013−39948A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178340(P2011−178340)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】