説明

包装袋の製造装置、包装袋の製造方法、及び包装袋

【課題】無駄なく内容物を取り出せ、かつ、内容物に関する表示する領域を十分に備える包装袋に関する技術を提供する。
【解決手段】収容部と、該収容部と並列に配置され、内容物に関する情報を表示する表示部と、収容部の周囲に設けられるシール部と、を有する包装袋を製造する包装袋の製造装置であって、フィルムを供給するフィルム送り手段と、フィルムの幅方向に収容部と表示部とが並列に配置されるようにシール部を形成する第一シール手段であって、シール部のうち、幅方向に存在する側部を接続する第一シール手段と、フィルムの送り方向の下流側に存在する奥部と上流側に存在する手前部を接続する第二シール手段と、第二シール手段が、奥部を接続後、かつ手前部の接続前、前記手前部から前記収容部に内容物を充填する充填手段と、帯状の二枚のフィルムから包装袋を切り離す切断手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋の製造装置、包装袋の製造方法、及び包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧水、美容液、シャンプー、コンディショナーなどの化粧品やお菓子などの製品を少量収容する包装袋が知られている。少量の製品を収容した包装袋は、製品を市場に流通させて販売するに際して、製品の宣伝や広告を目的として消費者に無償若しくは安価にて配られる。
【0003】
上記包装袋の一例として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、薄膜状のプラスチックシートを重ね合わせ、プラスチックシートの周辺部にシールを施し、その内部に内容物を収納可能な収納部を備える包装袋が開示されている。この包装袋は、収納部の表面面積を包装袋の表面面積に対して10%から50%とし、残余の部分に所定の表示をする表示部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−291545号公報
【特許文献2】特開2007−1611号公報
【特許文献3】特開平11−348151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
化粧水、美容液、シャンプー、コンディショナーなどの化粧品やお菓子などの製品を少量収容する包装袋が知られている。包装袋には、一回で使用できる程度の製品(内容物)が充填される。ここで、図1は、従来の包装袋の一例の平面図を示す。また、図2は、従来技術において、内容物を包装袋へ充填する様子を示す。従来の包装袋100xは、2枚のフィルム1xを重ね合わせることで形成され、収容部2x、表示部3x、シール部4x、切欠部5xを有する。収容部2xは、内容物を収容する。表示部3xは、内容物や商品名などを表示する。シール部4xは、2枚のフィルム1xが接続される領域であり、収容部2xの周囲および表示部3xの周囲に設けられている。切欠部5xは、収容部2xの開封を容易にする。
【0006】
包装袋100xへの内容物の充填は、図2に示すように、包装袋100xを構成するフィルム1xの送り方向(フィルムの長手方向)上に一対の表示部3xと収容部2xが配置された状態で行われる。フィルム1xは、同時に二つの包装袋を形成できるよう、包装袋包装袋100xの二つ分の幅を有している。内容物を充填する充填ノズル6xは、2基並列に配置されており、同時に二つの収容部2xに対して充填が行われる。従来の包装袋100xの製造方法では、効率よく包装袋100xを製造することができる。また、製造された上記包装袋100xは、表示部3xの表示面積も十分に確保されていることから、使用方法、内容表示を記載した台紙などを別途添付する必要もない。
【0007】
ここで、内容物によっては、収容部2xの収容量を極めて小さく設計することが好ましい場合がある。例えば、化粧水や美容液などの化粧品の場合、収容部2xは、一回の使用量さえ収容できる容量を有していればよい。換言すると、収容部2xが大きすぎると、収容部2x内には一回分の内容物が収容されているにもかかわらず、内容物が収容部2xの内壁に付着してしまい、一回分の内容物を取り出しきれないことがある。内容物に対して
収容部2xの容量が大きい場合、一回分の内容物を確実に取り出せるよう、内容物を多めに充填することが考えられるが、この場合内容物の無駄が生じる。一方で収容部2xの容量を小さく設計した場合でも、表示部3xの表示面積は確保することが要求される。表示部3xの表示面積が小さくなると、使用方法や内容表示を記載した台紙等を別途添付する必要が生じるからである。
【0008】
上述した包装袋の製造方法において、収容部2xの容量を小さく設計する場合、収容部2xの幅(図1においてaで示す)を小さくすると表示部3xの表示面積も小さくなってしまう。従って、収容部2xの容量を小さく設計する場合、収容部2xの深さ(図1においてbで示す)を小さくすることになる。しかしながら、この場合、収容部2xの深さが浅くなり、充填ノズル6xと収容部2xが接触することが想定され充填ノズルの位置調整が難しい。また、内容物の充填後、充填ノズル6xの挿入口をシールする際、内容物の液面レベルが上昇し、シール部4xに内容物が進入し、シールを確実に行えないことが懸念される。また、このような事態を防止する為の調整は、非常に困難である。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、無駄なく内容物を取り出せ、かつ、内容物に関する表示する領域を十分に備える包装袋に関する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、上述した課題を解決するために、表示部と収容部とが並列に配置された包装袋を製造するに際し、包装袋を構成する帯状のフィルムの幅方向に表示部と収容部とが並列になるようにシールすることした。また、フィルムの送り方向の上流側から収容部に内容物を充填する充填部を挿入した状態で内容物を充填することとした。
【0011】
詳細には、本発明は、二枚のフィルムを張り合わせることで形成され、内容物を収容する収容部と、該収容部と並列に配置され、前記内容物に関する情報を表示する表示部と、少なくとも前記収容部の周囲に設けられ、前記二枚のフィルムが接続されるシール部と、を有する包装袋の製造装置であって、帯状の前記二枚のフィルムを、互いに重ねた状態で供給するフィルム送り手段と、前記フィルム送り手段から供給される前記帯状の二枚のフィルムの幅方向に前記収容部と前記表示部とが並列に配置されるように、前記二枚のフィルムを接続して前記シール部を形成する第一シール手段であって、前記シール部のうち、前記幅方向に存在する側部を接続する第一シール手段と、前記第一シール手段によってシールされていないシール部として、前記フィルムの送り方向の下流側に存在する奥部と該フィルムの送り方向の上流側に存在する手前部を接続する第二シール手段と、前記第二シール手段が、前記奥部を接続後、かつ手前部の接続前、前記手前部から前記収容部に内容物を充填する充填手段と、前記第二シール手段によるシール部形成後、前記帯状の二枚のフィルムから包装袋を切り離す切断手段と、を備える。
【0012】
本発明に係る包装袋の製造装置では、帯状の二枚のフィルムの幅方向に収容部と表示部とが並列に配置されるようにシール部が形成される。その結果、本発明によれば、収容部の収容量の調整を収容部の幅を調整することで実現することができ、特に収容部の容量を小さくしたい場合に優れた効果を発揮する。収容部の容量を小さくしたい場合、帯状のフィルムの長手方向(フィルムの送り方向)に一つの包装袋を構成する一対の収容部と表示部が配置されるようにシール部を形成する従来技術では、収容部の深さ(送り方向の収容部の長さ)を浅くせざるを得なかった。収容部の深さが浅くなると、内容物を充填するノズルと収容部との接触、ノズル位置の調整が困難、内容物が液体の場合における液面上昇によるシール部の不良が発生することが懸念された。これに対し、本発明に係る包装袋の製造装置では、収容部の深さを一定深さ確保した上で、収容部の幅を狭くすることで収容部の容量を小さくすることができる。従って、上記従来技術における問題が生じることも
ない。すなわち、本発明によれば、無駄なく内容物を取り出せ、かつ、内容物に関する表示する領域を十分に備える包装袋の製造装置を提供することができる。
【0013】
フィルム送り手段は、帯状の二枚のフィルムを互いに重ねた状態で供給する。フィルムは、内容物に応じて選択可能であるが、内容物が漏洩しない素材とする必要がある。フィルムの表示部には、予め内容物に関する情報を印刷しておくことが好ましい。また、表示部に限らず包装袋に表示すべき情報は、表面裏面を問わず予め印刷しておくことが好ましい。本発明では、帯状のフィルムの幅方向に収容部と表示部が並列に配置されるように二枚のフィルムが接続される。従って、表示部等の表示は、並列に配置された一対の収容部と表示部をフィルムの送り方向に連続して予め印刷しておくことが好ましい。なお、表示部は、シール部として構成してもよい。表示部において二枚のフィルムを接続することで表示部の強度が向上する。
【0014】
第一シール手段は、フィルム送り手段から供給される帯状の二枚のフィルムに対してシール部の一部を形成する。より詳細には、第一シール手段は、帯状の二枚のフィルムの幅方向に収容部と表示部が並列に配置されるように二枚のフィルムを、例えば溶着により接続する。シール部は、内容物が収容部から漏洩するのを防止する為、最終的に少なくとも収容部の周囲に渡って形成されるが、第一シール手段では、フィルムの幅方向に存在する側部が接続される。なお、表示部をシール部として構成する場合には、第一シール手段若しくは第二シール手段によって、表示部に対応する二枚のフィルムを溶着することができる。
【0015】
第二シール手段も、第一シール手段と同じく、帯状の二枚のフィルムの幅方向に収容部と表示部が並列に配置されるように二枚のフィルムを、例えば溶着により接続する。但し、第二シール手段は、第一シール手段によってシールされていないシール部の他部として、例えばフィルムの送り方向の下流側に存在する奥部と該フィルムの送り方向の上流側に存在する手前部を接続する。なお、手前部は、充填手段が内容物を充填する際に用いられる。第一シール手段によるシール部形成後、充填手段を上記手前部から挿入してもよいが、シール部形成の際、この手前部も二枚のフィルムが接しており、挿入が困難になることが想定される。従って、第一シール手段によってシール部を形成する際、充填手段を予めこの手前部から収容内に挿入しておくことが好ましい。すなわち、二枚のフィルムの間に充填手段を配置しておくことが好ましい。
【0016】
充填手段は、手前部から前記収容部に内容物を充填する。なお、上記のように、第一シール手段によるシール部形成後、充填手段を手前部から挿入すると、挿入が困難になることが想定されることから、充填手段は、第一シール手段によってシール部を形成する際、予め上記手前部から収容部内に挿入しておくことが好ましい。なお、内容物には、化粧水、美容液、シャンプー、コンディショナーなどの化粧品やお菓子などが例示される。
【0017】
切断手段は、第二シール手段によるシール部形成後、帯状の二枚のフィルムから包装袋を切り離す。これにより、包装袋が完成する。
【0018】
ここで、上述した本発明に係る包装袋の製造装置において、前記第一シール手段は、前記幅方向に存在する側部同士の間隔を調整して、前記収容部の収容量を調整するようにしてもよい。幅方向(帯状のフィルムの幅方向)に存在するシール部同士の間隔を狭くすると、収容部の容量が小さくなる。一方、幅方向に存在するシール部同士の間隔を広くすると、収容部の容量が大きくなる。本発明によれば、収容部の深さを一定深さ確保した上で、収容部の幅を狭くすることで収容部の容量を小さくすることができる。
【0019】
また、上述した本発明に係る包装袋の製造装置において、前記第二シール手段は、前記
下流側に存在する包装袋のシール部の手前部と該包装袋の上流側に存在する包装袋のシール部の奥部とを一度に接続し、前記切断手段は、前記下流側に存在する包装袋のシール部の手前部と該包装袋の上流側に存在する包装袋のシール部の奥部との間を切断するようにしてもよい。これにより、効率よく包装袋を製造することができる。
【0020】
また、上述した本発明に係る包装袋の製造装置において、前記包装袋は、前記幅方向の端部に前記包装袋の開封を容易にする切欠部を更に有し、前記シール部は、前記包装袋が開封される際、前記切欠部を基点として包装袋の一部をちぎる方向を誘導する誘導部を含み、前記包装袋の製造装置は、前記包装袋の切欠部を形成する切欠形成手段を更に備え、前記第一シール手段は、前記包装袋をちぎる際の抵抗が周囲のシール部よりも小さくなるように前記誘導部を形成するようにしてもよい。第一シール手段によってシール部を形成する際、ちぎる際の抵抗が周囲のシール部よりも小さくなる誘導部を形成することで、包装袋の開封が容易になる。
【0021】
なお、本発明に係る包装袋の製造装置は、上記に加えて、生産や出荷の単位を表すロット番号を包装袋に対して刻印する刻印手段更に備える構成としてもよい。
【0022】
ここで、本発明は、上述した包装袋の製造装置に対応する包装袋の製造方法としてもよい。具体的には、二枚のフィルムを張り合わせることで形成され、内容物を収容する収容部と、該収容部と並列に配置され、前記内容物に関する情報を表示する表示部と、少なくとも前記収容部の周囲に設けられ、前記二枚のフィルムが接続されるシール部と、を有する包装袋の製造方法であって、帯状の前記二枚のフィルムを、互いに重ねた状態で供給するフィルム送り工程と、前記フィルム送り工程で供給される前記帯状の二枚のフィルムの幅方向に前記収容部と前記表示部とが並列に配置されるように、前記二枚のフィルムを接続して前記シール部を形成する第一シール工程であって、前記シール部のうち、前記幅方向に存在する側部を接続する第一シール工程と、前記第一シール工程で接続されていないシール部として、前記フィルムの送り方向の下流側に存在する奥部と該フィルムの送り方向の上流側に存在する手前部を接続する第二シール工程と、前記第二シール工程で、前記奥部を接続後、かつ手前部の接続前、前記手前部から前記収容部に内容物を充填する充填工程と、前記第二シール工程におけるシール部形成後、前記帯状の二枚のフィルムから包装袋を切り離す切断工程と、を備える包装袋の製造方法である。
【0023】
ここで、本発明は、上述した本発明に係る製造装置や製造方法によって製造される包装袋としてもよい。具体的には、本発明は、二枚のフィルムを張り合わせることで形成される包装袋であって、内容物を収容する収容部と、前記収容部と並列に配置され、前記内容物に関する情報を表示する表示部と、少なくとも前記収容部の周囲に設けられ、前記二枚のフィルムが接続されるシール部と、前記収容部の開放端部に設けられ、前記包装袋の開封を容易にする切欠部と、前記シール部に設けられ、前記包装袋が開封される際、前記切欠部を基点として包装袋の一部をちぎる方向を誘導する誘導部と、を備える。誘導部を備えることで、包装袋の開封が更に容易となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、無駄なく内容物を取り出せ、かつ、内容物に関する表示する領域を十分に備える包装袋に関する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来技術の包装袋の一例の平面図を示す。
【図2】従来技術において、内容物を包装袋へ充填する様子を示す。
【図3】実施形態に係る包装袋の平面図を示す。
【図4】実施形態に係る製造装置の概略構成を示す。
【図5】実施形態に係る製造装置の構成例を示す。
【図6】実施形態に係る製造装置による充填の様子を示す。
【図7】実施形態に係る包装袋の製造工程フローを示す。
【図8】変形例1に係る包装袋の平面図を示す。
【図9】変形例2に係る包装袋の平面図を示す。
【図10】変形例3に係る包装袋の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0027】
(包装袋)
まず、後述する実施形態に係る包装袋の製造装置(以下、単に製造装置という)200で製造される包装袋100について説明する。図3は、実施形態に係る包装袋100の平面図を示す。包装袋100は、2枚のフィルム1を重ね合わせることで形成され、収容部2、表示部3、シール部4、切欠部5を有する。実施形態に係る包装袋100は、横長の長方形であり、幅方向(フィルム1の幅方向であり、紙面横方向)に夫々の四角形の収容部2と表示部3が並んで設けられている。
【0028】
収容部2は、内容物を収容する。実施形態に係る収容部2は、縦長の長方形、換言すると、フィルム1の送り方向と直交する方向に長い長方形である。実施形態に係る包装袋100では、収容部2も「○○エッセンス」、「サンプル」などの内容物に関する情報が印刷されている。また、収容部2の裏面も表示機能を有しており、「全成分表示」いった内容物に関する情報が印刷されている。
【0029】
表示部3は、内容物や商品名など、内容物に関する情報を表示する。実施形態に係る表示部3は、横長の長方形である。実施形態では、表示部3の表面に、内容物に関する情報として「効能」、「ご使用方法」、「ご使用ステップ」が印刷されている。また、表示部3の裏面には、「○○エッセンス」、「試供見本」が印刷されている。表示部3には、バーコードなどの識別情報を表示してもよい。
【0030】
シール部4は、2枚のフィルム1が接続される領域であり、収容部2の周囲および表示部3の周囲に設けられている。また、本実施形態に係る包装袋100は、表示部3に対応するフィルム1も互いに溶着されていることから、表示部3もシール部4に含まれることになる。実施形態に係るシール部4は、収容部2及び表示部3の周囲に設けられるシール部4は、いずれも所定の幅を有する直線状である。所定の幅は、収容部2からの内容物の漏洩を防止できる長さとして適宜設計することができる。表示部3の周囲にも同様の幅のシール部4を設けることで表示部の強度をさらに向上させることができる。実施形態に係る包装袋100では、収容部2からの内容物の漏洩をより確実に防止すべく、収容部2及び表示部3の周囲に設けられるシール部4がゴザ目(茣蓙目)形状である。なお、シール部4は、内容物の漏洩をより確実に防止できる形状であればよく、網の目状などでもよい。なお、シール部4は、説明の便宜上、送り方向下流側のシール部4を奥側シール部401、送り方向上流側のシール部4を手前側シール部402、幅方向の端部のうち収容部2側の端部を収容部側シール部403、収容部2と表示部3との境界のシール部を境界シール部404、幅方向の端部のうち表示部3側の端部を表示部側シール部403と称する。
【0031】
切欠部5は、収容部2の開封を容易にする。実施形態に係る包装袋100では、収容部側シール部403の上流側(上部側)を切り欠くことで形成されている。切欠部4は、単なる切込み線でもよく、また三角形であってもよい。
【0032】
(製造装置)
次に上述した実施形態に係る包装袋100を製造する製造装置について説明する。図4は、実施形態に係る製造装置200の概略構成を示し、図5は、実施形態に係る製造装置200の構成例を示す。図5の中央に位置する図は、正面図を示し、図5の右に位置する図は、断面図を示す。実施形態に係る製造装置200は、フィルム送り装置10、第一シール装置20、充填装置30、第二シール装置(ベタ)40、第二シール装置(ゴザ目)50、刻印装置60、切欠形成装置70、押さえ装置80、切断装置90、制御装置210を備える。
【0033】
制御装置210は、フィルム送り装置10、第一シール装置20、充填装置30、第二シール装置(ベタ)40、刻印装置60、第二シール装置(ゴザ目)50、切欠形成装置70、押さえ装置80、切断装置90の動作を制御する。制御装置210は、例えば、フィルム1を送る際の速度、第一シール装置20等の回転速度等を予め設定されたプログラムに基づいて制御する。制御装置210は、CPU(Central Processing Unit)、メモ
リ(揮発性のRAM(Random Access Memory)や、不揮発性のROM(Read Only Memory)を含む。)等を含むコンピュータとコンピュータ上で実行されるプログラムによって実現することができる。
【0034】
フィルム送り装置10は、帯状の二枚のフィルム1を互いに重ねた状態で第一シール装置20に向けて供給する。フィルム1は、例えば、表面層をポリエステルなどの合成樹脂とし、中間層をアルミなどの金属とし、最下層を低密度のポリエチレンなどの合成樹脂とする、積層シートにより構成することができる。但し、フィルムの素材は、内容物に応じて選択可能であり、例えば単層シートでもよく、内容物が漏洩しない素材であれば特に限定されない。なお、フィルム1には、予め内容物に関する情報が印刷されている。具体的には、並列に配置された一対の収容部2と表示部3がフィルム1の送り方向に連続して予め印刷されている。
【0035】
第一シール装置20は、円筒状の第一シール装置本体21を二基備える。各第一シール装置本体21は、回転軸としての第一シール装置本体軸22、第一シール装置本体21の外周に沿って設けられ、外側に向けて突出するリング状の第一シール装置押圧部23、24、25を備える。第一シール装置本体軸22は、二枚のフィルム1が各第一シール装置本体21の間を通過するよう、所定の間隔を空けて互いに平行に配置されている。第一シール装置押圧部23、24、25は、シール部4のうち、収容部側シール部403、境界シール部404、表示部側シール部405及び表示部3に対応するよう配置されている。収容部側シール部403、境界シール部404は、本発明における側部に相当する。なお、第一シール装置押圧部23、24、25は、何れか一方の第一シール装置本体21にのみ設けるようにしてもよい。第一シール装置押圧部23、24、25の表面形状は、形成するシール部4に応じて適宜設計することができる。本態様では、収容部側シール部403、境界シール部404、表示部側シール部405に対してゴザ目形状を形成すべく、第一シール装置押圧部23、24、25の表面には凹凸が設けられている。また、表示部3に対して平面状のシール部(ベタ)を形成するべく、第一シール装置押圧部23、24、25の表面のうち、表示部3に対応する部分の表面が平面状に形成されている。第一シール装置本体21の内部には、ヒータが内蔵されており(図示せず)所定の熱をフィルム1に与えながら押圧することで、第一シール装置押圧部23、24、25と接した領域の二枚のフィルムが溶着される。その結果、シール部4のうち、幅方向に存在するゴザ目形状を有するシール部4(三本の直線状のシール部である、収容部側シール部403、境界シール部404、表示部側シール部405)がゴザ目状に形成される。また、表示部3が平面状に溶着される。ヒータは、第一シール装置本体21の外部に設け、外部からフィルム1に熱を与えるようにしてもよい。
【0036】
充填装置30は、収容部2に内容物を充填する。本態様では、内容物として美容液が充
填される。但し、内容物は、美容液に限定されず、化粧水、シャンプー、コンディショナーなどの化粧品やお菓子などでもよい。充填装置30は、細長状の充填ノズル31を備える。充填ノズル31は、内容物を収容するホッパとチューブ(いずれも図示せず)を介して接続されている。充填ノズル31は、充填ノズル31の長手方向が送り方向と平行、かつ収容部2の位置と一致するように配置されており、第一シール装置20によってシール部4がまだ形成されていない上流側(手前側シール部402)から挿入されて内容物を充填する。なお、第一シール装置20では、幅方向に存在するシール部4(収容部側シール部403、境界シール部404、表示部側シール部403)及び表示部3が溶着されることから、充填装置による内容物の充填は、次に説明する第二シール装置(ベタ)40により奥側シール部401が形成された後に開始される。ここで、図6は、実施形態に係る製造装置による充填の様子を示す。図6に示すように、充填ノズル31は、フィルム1同士の間に配置され、充填ノズル31の先端が、第二シール装置(ベタ)40と第一シール装置20との間に配置されている。そして、第二シール装置(ベタ)40により奥側シール部401が形成されると、充填が開始される。内容物が充填された包装袋100は、送り方向に送られることから、奥側シール部401を形成した第二シール装置(ベタ)40によって、奥側シール部401に続いて充填ノズル31が挿入されていた手前側シール部402が形成される。
【0037】
第二シール装置(ベタ)40は、第一シール装置20によってシールされていないシール部4の他部のうち、奥側シール部401及び手前側シール部402を平面状(ベタ)に溶着する。第二シール装置(ベタ)40は、円筒状の第二シール装置本体(ベタ)41を二基備える。各第二シール装置本体(ベタ)41は、回転軸としての第二シール装置本体軸(ベタ)42、表示部用第二シール装置押圧部(ベタ)43、シール部用表示部用第二シール装置押圧部(ベタ)44を備える。第二シール装置本体軸(ベタ)42は、二枚のフィルム1が各第二シール装置本体(ベタ)41の間を通過するよう、所定の間隔を空けて互いに平行に配置されている。第二シール装置押圧部(ベタ)43は、横長の長方形の表示部3に応じてその形状が設計され、外側に向けて突出している。シール部用第二シール装置押圧部(ベタ)44は、表示部用第二シール装置押圧部(ベタ)43に隣接して設けられ、奥側シール部401と手前側シール部402を形成するよう、第二シール装置本体(ベタ)41の外側に送り方向と直交する方向に直線状に設けられ、かつ、外側に向けて突出している。表示部用第二シール装置押圧部(ベタ)43及びシール部用第二シール装置押圧部(ベタ)44の表面形状は、形成するシール部4に応じて適宜設計することができるが、本態様では、平面形状を形成すべく、平面状に形成されている。
【0038】
なお、表示部用第二シール装置押圧部(ベタ)43及びシール部用第二シール装置押圧部(ベタ)44は、何れか一方の第二シール装置本体(ベタ)41にのみ設けるようにしてもよい。また、本態様では、第二シール装置(ベタ)40は、第一シール装置20と同じく、第二シール装置本体(ベタ)41の内部のヒータによって所定の熱をフィルム1に与えながら押圧し、二枚のフィルムを溶着する。但し、ヒータは、第二シール装置本体(ベタ)41の外部に設け、外部からフィルム1に熱を与え、二枚のフィルムを溶着してもよい。
【0039】
第二シール装置(ゴザ目)50は、第一シール装置20によってシールされていないシール部4の他部のうち、奥側シール部401と手前側シール部402をゴザ目状に溶着する。奥側シール部401と手前側シール部402は、第二シール装置(ベタ)40を通過することで平面状のシールが形成されている。第二シール装置(ゴザ目)50を通過することで、奥側シール部401と手前側シール部402の強度がより向上する。第二シール装置(ゴザ目)50は、円筒状の第二シール装置本体(ゴザ目)51を二基備える。各第二シール装置本体(ゴザ目)51は、回転軸としての第二シール装置本体軸(ゴザ目)52、第二シール装置押圧部(ゴザ目)53を備える。第二シール装置本体軸(ゴザ目)5
2は、二枚のフィルム1が各第二シール装置本体(ゴザ目)51の間を通過するよう、所定の間隔を空けて互いに平行に配置されている。第二シール装置押圧部(ゴザ目)53は、奥側シール部401と手前側シール部402を形成するよう、第二シール装置本体(ゴザ目)51の外側に送り方向と直交する方向に直線状に設けられ、外側に向けて突出している。第二シール装置押圧部(ゴザ目)53の表面形状は、形成するシール部4に応じて適宜設計することができるが、本態様では、ゴザ目形状を形成すべく、第二シール装置押圧部(ゴザ目)53の表面は凹凸状に形成されている。第二シール装置押圧部(ゴザ目)53は、奥側シール部401と先行する包装袋100の手前側シール部402とを一度に溶着する。従って、第二シール装置押圧部(ゴザ目)53の送り方向における幅は、シール部4の幅の二倍に設計されている。なお、本態様では、第二シール装置(ゴザ目)50は、第一シール装置20や第二シール装置(ベタ)40と同じく、第二シール装置本体(ゴザ目)51の内部のヒータによって所定の熱をフィルム1に与えながら押圧し、二枚のフィルムを溶着する。但し、ヒータは、第二シール装置本体(ゴザ目)51の外部に設け、外部からフィルム1に熱を与え、二枚のフィルムを溶着してもよい。
【0040】
刻印装置60は、生産や出荷の単位を表すロット番号を包装袋に対して刻印する。刻印装置60は、第二シール装置(ゴザ目)50に設けられている。より詳細には、第二シール装置押圧部(ゴザ目)53の一部として組み込まれている。従って、刻印装置60が組み込まれている部分に関しては、第二シール装置(ゴザ目)50を通過すると、ロット番号が刻印される。
【0041】
切欠形成装置70は、包装袋100の切欠部5を形成する。具体的には、切欠形成装置70は、収容部側シール部403の上流側(上部側)に切欠部5を形成する。切欠形成装置70は、円筒状の切欠形成装置本体71を備え、この切欠形成装置本体71は、回転軸としての切欠形成装置本体軸72、先端が鋭角な刃部73二条を備える。また、切欠形成装置70は、円筒状の切欠形成装置本体71と対向する位置に、刃部73を受け止める受け部75を備える。なお、本態様では、刃部73が二条設けられていることから、切欠形成装置本体71が一回転することで、二つの包装袋の切欠部5を形成可能である。ここで、本態様では、円筒状の切欠形成装置本体71を備える構成としたが、フィルム1の表面に対して直交する方向から刃部73を往復運動させて、切欠部5を形成するようにしてもよい。
【0042】
押さえ装置80は、包装袋100を押さえる。押さえ装置80は、円筒状の押さえ装置本体81と、受けローラ86を備える。押さえ装置本体81は、回転軸としての押さえ装置本体軸82、押さえ装置本体81の外周に沿って設けられ、外側に向けて突出するリング状の押さえ部83、84、85を備える。押さえ装置本体軸82は、二枚のフィルム1が各押さえ装置本体81の間を通過するよう、受けローラ86の受けローラ軸87と所定の間隔を空けて互いに平行に配置されている。押さえ部83、84、85は、ゴム素材からなり、収容部側シール部403、境界シール部404、表示部側シール部405に対応する位置に配置されている。受けローラ86は、表面がゴム素材からなり、押さえ装置本体81に合わせて回転可能である。押さえ装置80は、帯状の二枚のフィルム1を正しい方向に送り出す。その結果、切断装置90が正確に切断することが可能となる。
【0043】
切断装置90は、帯状の二枚のフィルム1から包装袋2を切り離す。本態様では、奥側シール部401と先行する包装袋100の手前側シール部402とが一度に溶着されている。従って、切断装置90は、奥側シール部401と先行する包装袋100の手前側シール部402との間を直線状に切断する。実施形態に係る切断装置90は、先端が鋭角な直線状の切断部91と、切断部91と対向する位置に、切断部91を受け止める切断受け部92を備える。切断部91は、長手方向が送り方向と直交するように配置されており、切断部91と切断受け部92とで挟み込んでフィルム1から包装袋100を切り離す。なお
、切断部91は、回転可能な円盤体とし、円盤体を回転させながら送り方向と直交する方向に移動させ、円盤体の外周に設けられた刃によってフィルム1から包装袋100を切り離すようにしてもよい。これにより、包装袋100が完成する。完成した包装袋100は、例えばベルトコンベアなどの搬送装置(図示せず)により、所定の位置まで搬送される。
【0044】
(製造方法)
次に上述した製造装置200を用いた包装袋100の製造方法について説明する。ここで、図7は、実施形態に係る包装袋の製造工程フローを示す。図7に示す製造工程は、制御装置210がフィルム送り装置10や第一シール装置20等を制御することで実行される。
【0045】
フィルム送り工程(ステップS01)では、フィルム送り装置10により、フィルムが供給される。フィルム送り装置10は、帯状の二枚のフィルム1を互いに重ねた状態で第一シール装置20に向けて供給する。次に、第一シール工程(ステップS02)では、第一シール装置20により、フィルム送り装置10から供給される帯状の二枚のフィルム1に対してシール部4の一部として、収容部側シール部403、境界シール部404、表示部側シール部405がゴザ目形状に溶着される。第一シール工程が終了すると、充填・第二シール工程へ進む。
【0046】
充填・第二シール工程では、第二シール装置(ベタ)40により、第一シール装置20によってシールされていないシール部4の他部のうち、奥側シール部401及び手前側シール部402が平面状(ベタ)に溶着され、かつ、充填装置30により内容物が充填される。続いて、刻印・第二シール(ゴザ目)工程(ステップS04)では、刻印装置60により、ロット番号が刻印され、かつ、第二シール装置(ゴザ目)50により、奥側シール部401及び手前側シール部402がゴザ目形状に溶着される。刻印・第二シール(ゴザ目)工程が終了すると、切り欠き形成工程へ進む。
【0047】
切り欠き形成工程(ステップS05)では、切欠形成装置70により、収容部側シール部403の上流側(上部側)に切欠部5が形成される。続いて、押さえ工程(ステップS06)では、押さえ装置80により、包装袋100が押さえられ、帯状の二枚のフィルム1が正しい方向に送り出される。そして、切断工程(ステップS07)では、押さえ装置80によって送り出される帯状の二枚のフィルム1から、切断装置90により、包装袋2が切り離される。これにより、包装袋100が完成する。完成した包装袋100は、例えばベルトコンベアなどの搬送装置(図示せず)により、所定の位置まで搬送すればよい。
【0048】
(効果)
以上、説明した実施形態に係る包装袋の製造装置及び製造方法によれば、帯状の二枚のフィルム1の幅方向に収容部2と表示部3とが並列に配置されるようにシール部4が形成される。その結果、収容部2の収容量の調整を収容部2の幅(図2においてAで示す)を調整することで実現することができ、特に収容部2の容量を小さくしたい場合に優れた効果を発揮する。従来の技術(図1、2参照)では、収容部2xの容量を小さくしたい場合、収容部2xの深さ(図1においてbで示す)を浅くせざるを得なかった。しかしながら、収容部2xの深さが浅くなると、内容物を充填する際、内容物を充填するノズルと収容部2xとの接触、ノズル位置の調整が困難、内容物が液体の場合における液面上昇によるシール部4xの不良が発生することが懸念された。これに対し、実施形態に係る包装袋の製造装置・製造方法によれば、収容部2の深さ(図3でAで示す。)を一定深さ確保した上で、収容部2の幅(図3でBで示す。)を狭くすることで収容部2の容量を小さくすることができる。従って、上記従来技術における問題が生じることもなく、また、無駄なく内容物を取り出せ、かつ、内容物に関する表示する領域を十分に備える包装袋を提供する
ことができる。
【0049】
<変形例>
次に、変形例に係る包装袋100a、100b、100c及びその製造装置、製造方法について説明する。図8は、変形例1に係る包装袋100aの平面図を示す。図9は、変形例2に係る包装袋100bの平面図を示す。図10は、変形例3に係る包装袋100cの平面図を示す。いずれの変形例に係る包装袋100a、100b、100cも、基本的な構成は、上述した実施形態に係る包装袋100と同じであるが、収容部2の形態が異なる。従って、以下の説明では、収容部2を中心に説明する。変形例に係る包装袋100a、100b、100cは、製造装置及び製造方法も上述した実施形態に係る製造装置及び製造方法によって製造可能である。そこで、以下の説明では、変形例に係る包装袋100a、100b、100cを製造するに際し、上述した実施形態に係る製造装置及び製造方法との相違点を中心に説明する。なお、同一の構成には、同一符号を付すものとする。また、説明の便宜上、所定の構成に対して符号の後にアルファベットを付すが、特に言及する場合を除き、同一符号が付された構成は、同等の機能及び作用効果を有する。
【0050】
(変形例1)
変形例1に係る包装袋100aは、2枚のフィルム1を重ね合わせることで形成され、収容部2a、表示部3a、シール部4a、切欠部5aを有する。変形例1に係る包装袋100aは、横長の長方形であり、幅方向に収容部2aと表示部3aが並んで設けられている。収容部2aは、本体部2a1、肩部2a2、先端部2a3を有する。先端部2a3の幅は、本体部2a1の幅の半分程度である。肩部2a2の幅は、本体部2a1と先端部2a3とを連続して接続するよう、本体部2a1から先端部2a3に向けて徐々に狭くなっている。収容部2は、先端部2a3に向けて徐々に狭くなる構成を採用することで、内容物がより取り出し易くなっている。
【0051】
シール部4aは、収容部2aの周囲に設けられ、収容部2aの形状に合わせて設計されている。また、本態様では、収容部2aの周囲に存在するシール部4aを含め、全てがゴザ目形状となっている。ゴザ目形状を有するシール部4aは、ゴザ形状を有しないシール部(例えば、ベタ加工)に比べて、収容部2aからの内容物の漏洩をより確実に防止するとともに包装袋100aをちぎる際の抵抗が大きいといった特性を有する。このような特性を有するゴザ目形状を有するシール部4aを収容部2aの周囲に設けることで、切欠部5aを基点として包装袋100aをちぎって開封する際、収容部2aの先端部2a3を通過することで一端小さくなった抵抗は、先端部2a3と表示部3との間に存在するシール部4aに達した時点で再度大きくなる。この抵抗の変化がユーザに伝達されると、ユーザが開封動作を止めることになり、切欠部5aよりも上部が開封によって分離することが防止される。
【0052】
ここで、変形例1に係る包装袋100aの製造方法について言及すると、変形例1に係る包装袋100aは、上述した実施形態に係る製造装置200によって製造可能である。第一シール装置20の第一シール装置押圧部23、24、25の形状を変更すればよい。すなわち、実施形態に係る製造装置200では、第一シール装置押圧部23、24、25は、同じ幅のリングによって形成されていたが、本態様では、収容部2の幅に応じて第一シール装置押圧部23、24、25の幅を設計すればよい。具体的には、変形例1に係る第一シール装置押圧部23、24、25は、本体部2a1の幅方向に存在するシール部4aを形成する部分の幅は小さくし、先端部2a3の幅方向に存在するシール部4aを形成する部分の幅は大きくすればよい。なお、製造方法は、上述した実施形態と同様であるため説明は割愛する。
【0053】
(変形例2)
変形例2に係る包装袋100bは、2枚のフィルム1を重ね合わせることで形成され、収容部2b、表示部3b、シール部4b、切欠部5bを有する。変形例2に係る包装袋100bは、横長の長方形であり、幅方向に収容部2bと表示部3bが並んで設けられている。収容部2bは、本体部2b1、肩部2b2、先端部2b3を有する。変形例2に係る収容部2bも、変形例1に係る収容部2aと同じく、収容部2bの幅が、本体部2b1、肩部2b2先端部2b3の順に狭くなっている。但し、変形例2に係る収容部2bは、収容部2bの幅方向の一方の辺が直線状であり、他方の辺の形状が変更されることで、収容部の形状に変化が与えられている。このような構成とすることで、内容物がより取り出し易くなっている。
【0054】
シール部4bは、収容部2bの周囲に設けられ、収容部2bの形状に合わせて設計されている。また、シール部4bは、ゴザ目形状となっている。その結果、変形例1に係る包装袋100aと同じく、切欠部5bを基点として包装袋100bをちぎって開封する際、切欠部5bよりも上部が開封によって分離することが防止される。
【0055】
なお、変形例2に係る包装袋100bの製造方法について言及すると、変形例2に係る包装袋100bも、上述した実施形態に係る製造装置200によって製造可能である。第一シール装置20の第一シール装置押圧部23、24、25の形状を、収容部2bに応じて設計すればよい。なお、製造方法は、上述した実施形態と同様であるため説明を割愛する。
【0056】
(変形例3)
変形例3に係る包装袋100cは、2枚のフィルム1を重ね合わせることで形成され、収容部2c、表示部3c、シール部4c、切欠部5cを有する。変形例3に係る包装袋100cは、横長の長方形であり、幅方向に収容部2cと表示部3cが並んで設けられている。また、収容部2cは、変形例2の収容部2b同形状であり、本体部2c1、肩部2c2、先端部2c3を有する。その結果、内容物がより取り出し易くなっている。
【0057】
シール部4cは、収容部2bの周囲に設けられ、収容部2cの形状に合わせて設計されている。また、シール部4cには、全体としてゴザ目加工が施されているが、先端部2c3の側方であって、表示部3c側の側方に、表示部3cに向かって徐々にその幅が狭くなるベタ領域4c1(本発明の誘導部に相当する)が設けられている。このベタ領域4c1は、周囲のゴザ目が施されたシール部4cと比較すると、包装袋100cをちぎって開封する際の抵抗が小さい。従って、切欠部5cを基点として包装袋100cをちぎって開封する際、ちぎる方向が幅方向に規制され、切欠部5cよりも上部が開封によって分離することがより確実に防止される。
【0058】
なお、変形例3に係る包装袋100cの製造方法について言及すると、変形例3に係る包装袋100cも、上述した実施形態に係る製造装置200によって製造可能である。第一シール装置20の第一シール装置押圧部23、24、25の形状及び第二シール装置(ベタ)40の第二シール装置押圧部(ベタ)43の形状を、収容部2cに応じて設計すればよい。なお、製造方法は、上述した実施形態と同様であるため説明は割愛する。
【0059】
以上説明した変形例に係る包装袋100a、100b、100cによれば、収容部2a、2b、2cの形状が工夫されることで、内容物の取り出しが更に容易になっている。また、収容部2a、2b、2cを囲むシール部4a、4b、4cにゴザ目形状が採用されることで、切欠部5a、5b、5cを基点として包装袋100a、100b、100cをちぎって開封する際、切欠部5a、5b、5cよりも上部が開封によって分離することが防止される。更に、変形例3に係る包装袋3cでは、ちぎる方向が幅方向に規制され、切欠部5cよりも上部が開封によって分離することがより確実に防止される。また、変形例に
係る包装袋3a、3b、3cは、包装袋を製造する際、収容部2a、2b、2cの幅方向に存在するシール部4の形状を調整することで実現される。換言すると、供給される帯状の二枚のフィルムの幅方向に収容部と表示部とが並列に配置されるように、二枚のフィルムを接続してシール部を形成することで実現される。従って、実施形態で説明した製造装置200や製造方法は、変形例に係る包装袋の製造に特に適している。
【0060】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の包装袋、包装袋の製造装置及び製造方法に関する技術はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
【符号の説明】
【0061】
1、1a、1b、1c・・・フィルム
2、2a、2b、2c・・・収容部
3、3a、3b、3c・・・表示部
4、4a、4b、4c・・・シール部
5、5a、5b、5c・・・切欠部
10・・・フィルム送り装置
20・・・第一シール装置
30・・・充填装置
40・・・第二シール装置(ベタ)
50・・・刻印装置
60・・・第二シール装置(ゴザ目)
70・・・切欠形成装置
80・・・押さえ装置
90・・・切断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二枚のフィルムを張り合わせることで形成され、内容物を収容する収容部と、該収容部と並列に配置され、前記内容物に関する情報を表示する表示部と、少なくとも前記収容部の周囲に設けられ、前記二枚のフィルムが接続されるシール部と、を有する包装袋の製造装置であって、
帯状の前記二枚のフィルムを、互いに重ねた状態で供給するフィルム送り手段と、
前記フィルム送り手段から供給される前記帯状の二枚のフィルムの幅方向に前記収容部と前記表示部とが並列に配置されるように、前記二枚のフィルムを接続して前記シール部を形成する第一シール手段であって、前記シール部のうち、前記幅方向に存在する側部を接続する第一シール手段と、
前記第一シール手段によってシールされていないシール部として、前記フィルムの送り方向の下流側に存在する奥部と該フィルムの送り方向の上流側に存在する手前部を接続する第二シール手段と、
前記第二シール手段が、前記奥部を接続後、かつ手前部の接続前、前記手前部から前記収容部に内容物を充填する充填手段と、
前記第二シール手段によるシール部形成後、前記帯状の二枚のフィルムから包装袋を切り離す切断手段と、
を備える包装袋の製造装置。
【請求項2】
前記第一シール手段は、前記幅方向に存在する側部同士の間隔を調整して、前記収容部の収容量を調整する請求項1に記載の包装袋の製造装置。
【請求項3】
前記第二シール手段は、前記下流側に存在する包装袋のシール部の手前部と該包装袋の上流側に存在する包装袋のシール部の奥部とを一度に接続し、
前記切断手段は、前記下流側に存在する包装袋のシール部の手前部と該包装袋の上流側に存在する包装袋のシール部の奥部との間を切断する請求項1または2に記載の包装袋の製造装置。
【請求項4】
前記包装袋は、前記幅方向の端部に前記包装袋の開封を容易にする切欠部を更に有し、前記シール部は、前記包装袋が開封される際、前記切欠部を基点として包装袋の一部をちぎる方向を誘導する誘導部を含み、
前記包装袋の製造装置は、前記包装袋の切欠部を形成する切欠形成手段を更に備え、
前記第一シール手段は、前記包装袋をちぎる際の抵抗が周囲のシール部よりも小さくなるように前記誘導部を形成する、請求項1から3の何れか一に記載の包装袋の製造装置。
【請求項5】
二枚のフィルムを張り合わせることで形成され、内容物を収容する収容部と、該収容部と並列に配置され、前記内容物に関する情報を表示する表示部と、少なくとも前記収容部の周囲に設けられ、前記二枚のフィルムが接続されるシール部と、を有する包装袋の製造方法であって、
帯状の前記二枚のフィルムを、互いに重ねた状態で供給するフィルム送り工程と、
前記フィルム送り工程で供給される前記帯状の二枚のフィルムの幅方向に前記収容部と前記表示部とが並列に配置されるように、前記二枚のフィルムを接続して前記シール部を形成する第一シール工程であって、前記シール部のうち、前記幅方向に存在する側部を接続する第一シール工程と、
前記第一シール工程で接続されていないシール部として、前記フィルムの送り方向の下流側に存在する奥部と該フィルムの送り方向の上流側に存在する手前部を接続する第二シール工程と、
前記第二シール工程で、前記奥部を接続後、かつ手前部の接続前、前記手前部から前記収容部に内容物を充填する充填工程と、
前記第二シール工程におけるシール部形成後、前記帯状の二枚のフィルムから包装袋を切り離す切断工程と、
を備える包装袋の製造方法。
【請求項6】
二枚のフィルムを張り合わせることで形成される包装袋であって、
内容物を収容する収容部と、
前記収容部と並列に配置され、前記内容物に関する情報を表示する表示部と、
少なくとも前記収容部の周囲に設けられ、前記二枚のフィルムが接続されるシール部と、
前記収容部の開放端部に設けられ、前記包装袋の開封を容易にする切欠部と、
前記シール部に設けられ、前記包装袋が開封される際、前記切欠部を基点として包装袋の一部をちぎる方向を誘導する誘導部と、を備える包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−25948(P2011−25948A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171756(P2009−171756)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【出願人】(509207726)株式会社ナガセ (1)
【Fターム(参考)】