説明

包装装置におけるフィルムセット機構

【課題】 フィルムを新たにセットする場合にフィルム始端の引き出し案内セットが非常に容易に行えることとなり、また更に、例えばフィルム切れなどフィルム取り替えにあたってフィルム端同志を繋ぎ作業するに際して、従来の包装装置の前述のような問題点を解決し、(通常はフィルムガイド面として機能させることも可能であるが)フィルム切れしてフィルムを繋ぎ合わせ作業するに際しては、この作業台として機能する平坦作業面を設けることで、極めて簡単にフィルム繋ぎ作業が行える画期的な包装装置におけるフィルムセット機構を提供すること。
【解決手段】 ピロー式包装装置Aのフィルムガイド装置に、前記原反ロール1Aから引き出される前記フィルム1を略水平案内する水平案内部10Aをこの原反ロール1Aの近傍に設け、前記水平案内部10Aとして若しくはこの水平案内部10Aの下方に、フィルム終端1Bと新たにセットされるフィルム始端1Cとを繋ぐフィルム繋ぎ作業を行う作業面として使用できる平坦作業面8を設けた包装装置におけるフィルムセット機構。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば新たにフィルムをセットする時、原反ロールから引き出したフィルムを引き回し案内し易く、また、例えば原反ロールのフィルムがなくなりフィルム切れした時、このフィルム終端と、新たにセットする原反ロールのフィルム始端とを繋ぐ作業が容易に行える包装装置におけるフィルムセット機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】原反ロールから引き出されたフィルムをフォーマーによって筒状に製袋しつつこの筒状フィルムの開口側を開口保持し被包装物をこのフィルム内へ供給し、被包装物の供給部より被包装物を供給した前記フィルムを搬送装置によって搬送し、前記フォーマーの前記搬送装置によるフィルム搬出側に設けられ、前記筒状フィルムの開口側をセンターシール装置によって筒状に閉塞シールし、この筒状フィルムをフィルム搬送方向と直交する方向にエンドシール装置によってヒートシールし、これらの各シール装置によって形成される被包装物を収容した包装袋を順次切断する前記切断装置7とを備えた包装装置において、例えば新たにフィルムをセットする場合、原反ロールをロール保持部に回転可能にセットし、片手でこの原反ロールを回動操作しつつもう一方の手でフィルム始端をもって引き出し、フィルムガイド装置の案内部に引き回してフォーマーへとセットするが、水平案内される箇所がないため、このフィルムセット作業は容易には行かない。
【0003】また、例えば原反ロールのフィルムがなくなりフィルム切れすると、たとえ直ちに搬送装置を停止しても引き出し搬送による慣性や、一般にフィルムガイド装置にはフィルムに所定のテンションを付与するためのフィルムテンション装置が設けられているため、フィルム終端はフィルムガイド装置の案内部をかなり搬送通過してしまう。
【0004】そのため、このフィルム終端に継ぎ合わせるべく新たにセットした原反ロールからフィルムを手で引き出し、このフィルム始端を前記通過した案内部を通して前記フィルム切れしたフィルム終端まで引き回し、このフィルム端同志を重合止着してフィルムをつないでいる。
【0005】しかしながら、このフィルム繋ぎ作業は前述のようにたとえ直ちに搬送装置を止めてもかなりフィルム端は搬送されてしまうため、新たな原反ロールからフィルムを引き回すフィルムセットが厄介となるだけでなく、フィルム切れしたフィルム終端と新たなフィルム始端を繋ぎ合わせるフィルム繋ぎ作業を案内部の途中で行わなければならない。
【0006】即ち、包装装置の下方部であったり、フィルムが傾斜搬送される位置であったり、折り返し案内される箇所で手が届きにくいところであったり、繋ぎ作業が容易に行えるような作業スペースがないところであったりする場合があり、フィルム繋ぎ作業は非常に厄介であった。
【0007】本発明は、フィルムを新たにセットする場合にフィルム始端の引き出し案内セットが非常に容易に行えることとなり、また更に、例えばフィルム切れなどフィルム取り替えにあたってフィルム端同志を繋ぎ作業するに際して、従来の包装装置の前述のような問題点を解決し、(通常はフィルムガイド面として機能させることも可能であるが)フィルムを繋ぎ合わせする際に、この作業台として機能する平坦作業面を設けることで、極めて簡単にフィルム繋ぎ作業が行える画期的な包装装置におけるフィルムセット機構を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】原反ロール1Aを回転可能に支持するロール保持部21と、この原反ロール1Aから引き出されるフィルム1を案内する案内部10と、この案内部10の前記ロール保持部21の近傍に設けられ前記フィルム1を略水平案内する水平案内部10Aと、前記案内部10を介して引き出されたフィルム1を二つ折り状態に折り返し案内してフィルム1を筒状に製袋しつつこの筒状フィルム1の開口側を開口保持し被包装物3をこのフィルム1内へ供給するための供給部11を形成するフォーマー12と、この供給部11より被包装物3を供給した前記フィルム1を搬送する前記搬送装置4と、前記フォーマー12の前記搬送装置4によるフィルム搬出側に設けられ、前記筒状フィルム1の開口側をシール閉塞するセンターシール装置2と、この筒状フィルムをフィルム搬送方向と直交する方向にシールするエンドシール装置6と、これらのシール装置2・6によって形成される被包装物3入包装袋5を順次切断する前記切断装置7とを備えたことを特徴とする包装装置におけるフィルムセット機構に係るものである。
【0010】また、前記案内部10に、フィルム搬出時に所定のテンションを付与するフィルムテンション装置9を設け、このフィルムテンション装置9より搬入側であって前記原反ロール1Aの近傍に前記水平案内部10Aを設けたことを特徴とする請求項1記載の包装装置におけるフィルムセット機構に係るものである。
【0011】また、前記水平案内部10Aとして若しくはこの水平案内部10Aの下方に、フィルム終端1Bと新たにセットされるフィルム始端1Cとを繋ぐフィルム繋ぎ作業を行う作業面として使用できる平坦作業面8を設けたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の包装装置におけるフィルムセット機構に係るものである。
【0012】また、前記原反ロール1Aから引き出される前記フィルム1を支承するガイド面となると共に、フィルム終端1Bと新たにセットされるフィルム始端1Cとを繋ぐフィルム繋ぎ作業を行う作業面となる前記平坦作業面8を設けて前記水平案内部10Aを構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装装置におけるフィルムセット機構に係るものである。
【0013】また、前記原反ロール1Aから引き出される前記フィルム1を支承する平板材8Aを配設してこの上面を、前記水平案内部10Aとなる前記平坦作業面8としたことを特徴とする請求項4記載の包装装置におけるフィルムセット機構に係るものである。
【0014】また、前記平坦作業面8は、前記フィルム1の横幅と略同等の横幅若しくはそれ以上の横幅を有する大きさに設定したことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の包装装置におけるフィルムセット機構に係るものである。
【0015】また、前記平坦作業面8を前記フォーマー12に対して上側若しくは下側に配設したことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の包装装置におけるフィルムセット機構に係るものである。
【0016】また、前記原反ロール1Aからのフィルム1切れの有無を検知するフィルム切れ検知装置13を設け、このフィルム切れ検知装置13によってフィルム切れを検知したときに、前記搬送装置4を自動停止作動するように構成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の包装装置におけるフィルムセット機構に係るものである。
【0017】また、前記フィルム切れ検知装置13を、前記平坦作業面8上を案内搬送されるフィルム1に対して検知作動するように構成したことを特徴とする請求項8記載の包装装置におけるフィルムセット機構に係るものである。
【0018】また、前記平坦作業面8の側端部に、この平坦作業面8上に支承されている前記フィルム1の側端部に達する切欠凹部14を平坦作業面8の中央側に向けて凹設し、この切欠凹部14を介して挾持具15により前記平坦作業面8上にフィルム1を挾持固定し得るように構成したことを特徴とする請求項9記載の包装装置におけるフィルムセット機構に係るものである。
【0019】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0020】原反ロール1Aから引き出されるフィルム1は、先ず水平案内部10Aによって略水平に案内された後、例えばフィルムテンション装置9のテンションロール(可動ロール9A)や折り返し反転用の案内ロール10Bなどを介して傾斜案内されてフォーマー12へと案内されるが、新たにフィルム1をセットする場合、例えば原反ロール1Aから引き出したフィルム1を一旦水平案内部10Aに支承させておくことができるため、この水平案内部10A上にフィルム1を余分に引き出しておいて、このフィルム始端1Cを次々と所定の案内ロール10Bへと引き回しセットすることができ、非常にフィルムセットが容易に行える。即ち、従来のように水平案内部がないために、フィルム始端1Cを手で持ちながらもう一方の手で原反ロール1Aをゆっくりと回転操作して案内部10を引き回すようなことをせずとも、原反ロール1Aの近傍に設けた水平案内部10Aに支承させるようにして先ず一挙にある程度フィルム1を引き出した後、このフィルム始端1Cを引き回すことができるため、非常にフィルムセットが容易に行える。
【0021】また、請求項3記載の発明においては、例えば原反ロール1Aのフィルム1がなくなりフィルム切れした場合には、フィルム終端1Bを平坦作業面8上に配すると共に、新たにセットした原反ロール1Aから引き出したフィルム始端1Cもこの平坦作業面8上に配してこのフィルム端同志を平坦作業面8上にて繋ぐことができる。即ち、この平坦作業面8を作業面として利用しフィルム繋ぎ作業を行うことができる。
【0022】従って、平坦作業面8をフィルム繋ぎ作業の作業台面としてフィルム繋ぎ作業を行うことができるから、従来のようにフィルム1が傾斜搬送される位置や十分な作業スペースがない位置でフィルム繋ぎ作業を行うことなく、常に作業し易い平坦作業面8上でフィルム繋ぎ作業が行え、非常に画期的な包装装置におけるフィルムセット機構となる。
【0023】例えば、この平坦作業面8上でのフィルム繋ぎ作業が一層し易いように、平坦作業面8を通常はフィルムガイド面として機能するように前記水平案内部10Aとして設け、フィルム切れしたとき直ちにこの平坦作業面8にフィルム端をセットし易くしたり、また、平坦作業面8の横幅を十分に幅広く確保したり、また、フィルム切れしたとき、搬送装置4が停止してもフィルムテンションによって平坦作業面8を超えて案内部10を通過搬送しないように平坦作業面8をフィルムテンション装置9に近接配置させたり、作業し易い高さに平坦作業面8を配置しても良い。
【0024】従って、これらの設計を行えば、更にフィルム切れしたフィルム終端1Bを容易に平坦作業面8上に載せ、更に新たな原反ロール1Aから引き出したフィルム始端1Cも容易に平坦作業面8上に載せ、十分に広い平坦作業面8上で非常に能率良く簡単にフィルム繋ぎ作業が行えることとなる。
【0025】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0026】連続的にロール状にフィルム1を巻いた原反ロール1Aをロール保持部21に回転可能に支持し、この原反ロール1Aから引き出されるフィルム1を案内する案内部10と、この途中に設けられ、フィルム1に所定のテンションを付与するフィルムテンション装置9と、この案内部10を介して引き出されたフィルム1を二つ折り状態に折り返し案内してフィルム1を筒状に製袋しつつこの筒状フィルム1の開口側(本実施例では下側)を開口保持し被包装物3をこのフィルム1内へ供給するための供給部11を形成するフォーマー12と、この供給部11より供給搬送装置18によって被包装物3を送り込み供給した前記フィルム1を挾持ローラ4A,切断装置搬入側に設ける搬入側コンベア装置19,切断装置搬出側に設ける搬出側コンベア装置20によって水平方向の一方側(搬出側)へ間欠搬送する前記搬送装置4と、前記フォーマー12の前記搬送装置4によるフィルム搬出側に設けられ、前記筒状フィルム1の開口側をセンターシール閉塞するセンターシール装置2と、この筒状フィルム1をフィルム搬送方向と直交する方向に二条にシールするエンドシール装置6と、これらの各シール装置2・6によって形成される被包装物3入包装袋5の前記二条のシール間を間欠搬送停止時に切断してこの被包装物3入包装袋5を一つずつ順次切断する前記切断装置7とを備えた構成の包装装置Aに本発明を適用した実施例であって、前記案内部10に前記原反ロール1Aから引き出されるフィルム1を支承する水平ガイド面となると共に、フィルム終端1Bと新たにセットされるフィルム始端1Cとを繋ぐフィルム繋ぎ作業を行う水平作業面となる平坦作業面8を水平案内部10Aとして設けている。
【0027】また本実施例では、原反ロール1Aから引き出されるフィルム1を支承する平板材(水平テーブル板)8Aを機体に架設配設してこの上面を、前記水平案内部10Aとなる平坦作業面8としている。
【0028】尚、本実施例では、平坦作業面8を設けることで水平案内部10Aを設けたが、単に一対の案内ロールを水平方向に対設することで水平案内部10Aを設けても良いし、フィルム搬送方向に長さを有するガイドレールを対設して水平案内部10Aを設けても良く、この水平案内部10Aの下方に通常はフィルムガイドとはならない平坦作業面8を配設しても良いし、フィルム切れして繋ぎ作業を行うときに、この水平案内部10Aの下方や前記ガイドレール間に架設セットできるように構成しても良い。
【0029】また、本実施例のこの平坦作業面8は、フィルム1の横幅よりやや大きい横幅を有する大きさに設定し、十分な作業スペースを確保すると共に、フィルム1の左右縁まで完全にこの平坦作業面8に載るため、フィルムガイド機能が良好となりまたフィルム繋ぎ作業が一層能率良く行えるようにしている。
【0030】また、本実施例の平坦作業面8は、原反ロール1Aのフィルム引き出し側に近接した位置であって、フィルムテンション装置9のフィルム引き出し側と反対側に近接した位置に略水平に配設している。即ち、原反ロール1Aのセット位置とフィルムテンション装置9との間に配設されフィルム1を水平支承する水平案内部10Aとして構成している。
【0031】本実施例のフィルムテンション装置9は、一対のガイドロール9B間にフィルム1を引き回す可動ロール9Aを上下方向に可動自在に設け、この可動ロール9Aに負荷を与えることでフィルム1に一定のテンションを与えるように構成しており、このフィルムテンション装置9のフィルム搬入側に水平案内部10Aとなる平坦作業面8を配設している。従って、新たにフィルム1をセットする場合、例えば原反ロール1Aから一旦水平案内部10Aにフィルム1を余分に引き出しておいて、このフィルム始端1Cを次々と所定の案内部10へと引き回しセットすることができ、非常にフィルムセットが容易に行える。即ち、従来のように水平案内部がないために、フィルム始端1Cを手で持ちながらもう一方の手で原反ロール1Aをゆっくりと回転操作して案内部10を引き回すようなことをせずとも、原反ロール1Aの近傍に設けた水平案内部10Aに支承させるようにして先ず一挙にある程度フィルム1を引き出した後、このフィルム始端1Cを引き回すことができるため、非常にフィルムセットが容易に行える。
【0032】また、フィルム切れが生じたときには、たとえ直ちに搬送装置4が停止してもこの可動ロール9Aによるフィルムテンションによってフィルム終端1Bは原反ロールセット位置より搬送する場合もあるが、この平坦作業面8がこのロールセット位置に近いため平坦作業面8上でこの過搬送が停止し、そのまま繋ぎ作業が行えるように設計することも可能となる。
【0033】また、この平坦作業面8はフィルムテンション装置9に近く、案内部10の傾斜搬送するような位置にはないから、たとえテンションによってフィルム終端1Bが平坦作業面8から落ちても、これを持ち上げ容易に平坦作業面8上に載せることができる。しかも、新たにセットする原反ロール1Aから引き出したフィルム始端1Cも案内部10を引き回すことなく、すぐ隣りの平坦作業面8上に載せることができ、フィルム繋ぎ作業が極めてスピーディーに行える。また、本実施例の平坦作業面8は、前記フォーマー12に対して上側に設けて、作業者が立った状態で前記フィルム繋ぎ作業を行えるに適した高さに配設している。
【0034】本実施例のような包装装置では、フォーマー12,搬送装置4(挾持ローラ4A),センターシール装置2,エンドシール装置6,切断装置7,その他脱気装置や押さえ込み整袋装置などをフォーマー12に対して水平方向の一方側へ直線的に配置し、原反ロール1Aからフォーマー12へフィルム1を案内するフィルムガイド装置も同方向に配置するが、本実施例では、フォーマー12の上側に原反ロール1A,水平案内部10A(平坦作業面8),フィルムテンション装置9,その他の案内部10を配置し、これを上段とした機体の下段に前記各装置を配置し、フィルム1が反転用の案内ロール10Bによって反転ガイドされてフォーマー12へと案内される構成とすることで、原反ロール1Aと平坦作業面8とを作業者が立ったまま繋ぎ作業が行える適正高さに配置できる構成とすると共に、作業し易いように十分な長さも確保した平坦作業面8を設けても包装装置A全体が二段構成となることによってコンパクトとなりスペースをとらないように構成している。
【0035】また、原反ロール1Aからのフィルム1の搬送の有無を検知するフィルム切れ検知装置13を設け、このフィルム切れ検知装置13によってフィルム切れを検知したときに、前記搬送装置4を直ちに自動停止作動するように構成している。
【0036】従って、フィルム切れしたときフィルム終端1Bが平坦作業面8を超えて過搬送しないようにフィルム1の搬送が直ちに自動停止するように構成している。
【0037】具体的には、フィルム切れ検知装置13を、前記平坦作業面8上を案内搬送されるフィルム1に対して検知作動するように構成するが、本実施例では、平坦作業面8のフィルム1が案内搬送される位置に開口部16を形成し、この開口部16を介して平坦作業面8(平板材8A)の下側からフィルム1に当接する検知部17を設け、この検知部17にフィルム1が接触していることをもってフィルム1が正常に送り出されていると判断し、フィルム1からなくなると検知部17上のフィルム1がなくなるか、テンションがなくなることあるいは原反ロール1Aの芯とフィルム終端がテープ止めされていることからフィルム1が平坦作業面8上より上方へ少し浮き上がったときでも検知部17が付勢力で開口部16を介して上方へ突出することでフィルム切れを検知するように構成している。従って、開口部16をフィルム1が通り過ぎても逸速くフィルム切れを検知できる構成といえる。また、光センサーなどによって開口部16を介してフィルム1の有無を検知する非接触構造としても良い。
【0038】従って、この平坦作業面8(水平テーブル板8A)を利用することでこのフィルム切れ検知装置13も容易に設けることができる。尚、このフィルム切れ検知装置13を設ける開口部16はできるだけ早くフィルム切れを検知すべく平坦作業面8の基端側に設ける。
【0039】また本実施例では、平坦作業面8の左右側端部に、この平坦作業面8上に支承されている前記フィルム1の左右側端部に達する深さの切欠凹部14を平坦作業面8の中央側に向けて凹設し、この切欠凹部14を介してクリップなどの挾持具15により前記平坦作業面8上にフィルム1を挾持固定し得るように構成している。
【0040】従って、フィルム繋ぎ作業を行う場合には、図4に示すようにフィルム1の左右側端部を挾持具15で平坦作業面8(水平テーブル板8A)に挟みこんで挾持固定し、この仮固定した状態で図5に示すように、フィルム端同志を少し重合させて止着し、挾持具15を取り外すことでスピーディーに作業を終えることができるように構成している。
【0041】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、新たにフィルムをセットする場合、例えば原反ロールから一旦水平案内部にフィルムを余分に引き出しておいて、このフィルム始端を次々と所定の案内部へと引き回しセットすることができ、非常にフィルムセットが容易に行える画期的な包装装置におけるフィルムセット機構となる。
【0042】また、請求項2記載の発明においては、前記作用・効果が一層確実に発揮される包装装置におけるフィルムセット機構となる。
【0043】また、請求項3記載の発明においては、例えばフィルム切れなどフィルム取り替えにあたってフィルム端同志を繋ぎ作業するに際して、作業台面として機能する平坦作業面を備えているため、極めて簡単にフィルム繋ぎ作業が行える画期的な包装装置におけるフィルムセット機構となる。
【0044】即ち、従来のようにフィルムが傾斜搬送される位置や十分な作業スペースがない位置でフィルム繋ぎ作業を行うことなく、常に作業し易い平坦な作業面上でフィルム繋ぎ作業が行え、極めて能率良くスピーディーに作業が行え、フィルムセットが良好に行える画期的な包装装置におけるフィルムセット機構となる。
【0045】また、請求項4記載の発明においては、通常はフィルムガイド面として機能する平坦作業面であるから、フィルム切れしたフィルム端をこの平坦作業面上に配置し易く、また新たにセットする原反ロールから引き出すフィルム端も原反ロール近傍のこの平坦作業面上にセットし易く、一層フィルム繋ぎ作業がスピーディーに行える包装装置におけるフィルムセット機構となる。
【0046】また、請求項5記載の発明においては、平坦な作業面(平坦作業面)を容易に実現でき、また、請求項6記載の発明においては、十分な作業スペースが確保され、一層フィルム繋ぎ作業がし易く能率良く行える包装装置におけるフィルムセット機構となる。
【0047】また、請求項7記載の発明においては、十分な作業スペースが確保される平坦作業面を備えつつも、包装装置全体を上下二段式に構成することでコンパクトに設計可能となり、設置スペースもとらない実用性に秀れた包装装置におけるフィルムセット機構となる。
【0048】また、請求項8記載の発明においては、フィルム切れに際してフィルムの過搬送を自動的に阻止でき、また、請求項9記載の発明においては、平坦作業面を利用することで簡単な構成にして容易にフィルム切れ検知装置を設けることができ、一層実用性に秀れた包装装置におけるフィルムセット機構となる。
【0049】また、請求項10記載の発明においては、たとえ平坦作業面の横幅が作業し易いようにフィルム幅より広く確保されていても、切欠凹部を介して挾持具で一方のフィルムあるいは双方のフィルムを平坦作業面上に挾持固定でき、一層フィルム繋ぎ作業がスピーディーに能率良く行える画期的な包装装置におけるフィルムセット機構となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の概略構成説明側面図である。
【図2】本実施例の概略構成説明斜視図である。
【図3】本実施例のフィルム切れした状態の要部の概略構成説明側面図である。
【図4】本実施例のフィルム切れした後フィルム端を平坦作業面上に挾持具によって挾持固定した状態の要部の概略構成説明斜視図である。
【図5】本実施例のフィルム切れした後フィルム端と新たにセットした原反ロールから引き出したフィルム端とを重合止着してフィルム繋ぎ作業を終了した状態の要部の概略構成説明斜視図である。
【符号の説明】
1 フィルム
1A 原反ロール
1B フィルム終端
1C フィルム始端
2 センターシール装置
3 被包装物
4 搬送装置
5 包装袋
6 エンドシール装置
7 切断装置
8 平坦作業面
8A 平板材(水平テーブル板)
9 フィルムテンション装置
10 案内部
10A 水平案内部
11 供給部
12 フォーマー
13 フィルム切れ検知装置
14 切欠凹部
15 挾持具
21 ロール保持部
A 包装装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】 原反ロールを回転可能に支持するロール保持部と、この原反ロールから引き出されるフィルムを案内する案内部と、この案内部の前記ロール保持部の近傍に設けられ前記フィルムを略水平案内する水平案内部と、前記案内部を介して引き出されたフィルムを二つ折り状態に折り返し案内してフィルムを筒状に製袋しつつこの筒状フィルムの開口側を開口保持し被包装物をこのフィルム内へ供給するための供給部を形成するフォーマーと、この供給部より被包装物を供給した前記フィルムを搬送する前記搬送装置と、前記フォーマーの前記搬送装置によるフィルム搬出側に設けられ、前記筒状フィルムの開口側をシール閉塞するセンターシール装置と、この筒状フィルムをフィルム搬送方向と直交する方向にシールするエンドシール装置と、これらのシール装置によって形成される被包装物入包装袋を順次切断する前記切断装置とを備えたことを特徴とする包装装置におけるフィルムセット機構。
【請求項2】 前記案内部に、フィルム搬出時に所定のテンションを付与するフィルムテンション装置を設け、このフィルムテンション装置より搬入側であって前記原反ロールの近傍に前記水平案内部を設けたことを特徴とする請求項1記載の包装装置におけるフィルムセット機構。
【請求項3】 前記水平案内部として若しくはこの水平案内部の下方に、フィルム終端と新たにセットされるフィルム始端とを繋ぐフィルム繋ぎ作業を行う作業面として使用できる平坦作業面を設けたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の包装装置におけるフィルムセット機構。
【請求項4】 前記原反ロールから引き出される前記フィルムを支承するガイド面となると共に、フィルム終端と新たにセットされるフィルム始端とを繋ぐフィルム繋ぎ作業を行う作業面となる前記平坦作業面を設けて前記水平案内部を構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装装置におけるフィルムセット機構。
【請求項5】 前記原反ロールから引き出される前記フィルムを支承する平板材を配設してこの上面を、前記水平案内部となる前記平坦作業面としたことを特徴とする請求項4記載の包装装置におけるフィルムセット機構。
【請求項6】 前記平坦作業面は、前記フィルムの横幅と略同等の横幅若しくはそれ以上の横幅を有する大きさに設定したことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の包装装置におけるフィルムセット機構。
【請求項7】 前記平坦作業面を前記フォーマーに対して上側若しくは下側に配設したことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の包装装置におけるフィルムセット機構。
【請求項8】 前記原反ロールからのフィルム切れの有無を検知するフィルム切れ検知装置を設け、このフィルム切れ検知装置によってフィルム切れを検知したときに、前記搬送装置を自動停止作動するように構成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の包装装置におけるフィルムセット機構。
【請求項9】 前記フィルム切れ検知装置を、前記平坦作業面上を案内搬送されるフィルムに対して検知作動するように構成したことを特徴とする請求項8記載の包装装置におけるフィルムセット機構。
【請求項10】 前記平坦作業面の側端部に、この平坦作業面上に支承されている前記フィルムの側端部に達する切欠凹部を平坦作業面の中央側に向けて凹設し、この切欠凹部を介して挾持具により前記平坦作業面上にフィルムを挾持固定し得るように構成したことを特徴とする請求項9記載の包装装置におけるフィルムセット機構。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【公開番号】特開2001−180610(P2001−180610A)
【公開日】平成13年7月3日(2001.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−375079
【出願日】平成11年12月28日(1999.12.28)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】