説明

包装陳列用ケース

【課題】透明又は半透明のプラスチックシートで形成される包装陳列用ケースについて、スティック状物品を体裁よく安定して収納できるようにし、同時に陳列効果も高める。
【解決手段】透明又は半透明のプラスチックシートを折り曲げて構成される包装陳列用ケース1に、筒状胴部2と、上蓋3及び底蓋4と、筒状胴部の内部を平面視で2分する位置に配置される物品保持部5を備えさせる。物品保持部5は、前記プラスチックシートの筒状胴部2を形成する部分に連ならせた保持部用第1シート12と保持部用第2シート13を互いに折り重ねて重ね面の下端近傍を接着して形成し、その物品保持部の保持部用第1シートと保持部用第2シート間にスティック状物品30を挟み込んで収納するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、店頭において陳列販売がなされるスティック状の物品、例えば、ペンシル型化粧品などを収納するのに好適な包装陳列用ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
上記ペンシル型化粧品として、例えば、アイライナー、リップライナー、コンシーラ、口紅といったものが市場に供されている。この種化粧品は、容器のデザインや色彩を重視したものが多く、そのため、内部が透けて見える包装用ケースやブリスターパックに商品を入れて店頭に陳列することがなされている。
【0003】
プラスチックシートで形成された透明包装用ケース(クリアケース)は、台紙とプラスチックトレーを組み合わせたブリスターパックよりも高級感がある。従って、高級な化粧品などの包装には、透明或いは半透明のプラスチックシートを曲げ加工して作られた包装用ケースが利用されることが多い。
【0004】
その種の包装用ケースは、例えば、下記特許文献1に記載されている。同文献が開示している筒状物品収納ケースは、環状片の外周に接線方向に延びる舌片を設けた保持部材を併用している。その保持部材を、環状片の内側に嵌合させた物品(収納対象商品)と一緒にケースに収納し、前記舌片をケース内壁に当接させる。
【0005】
こうすることで、ケース内での保持部材の回転を阻止し、それにより、保持部材に保持された物品のケース内での回転を防止して物品が正確に正面を向いた姿勢で陳列されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−153370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願人が特許文献1で提案している筒状物品収納ケースは、ケースから独立した保持部材を用いるため、物品をケースに収めるまでのケースの在庫管理が面倒になる。
【0008】
また、円筒状をなす物品の外周を保持部材の環状片の内側に嵌合させてケース内での物品の回転を阻止するので、環状片の長さと物品の周長の関係を厳密に設定する必要があり、収納する物品の種類やサイズの変化に対する対応の自由度が低い。
【0009】
さらに、保持部材による物品の保持が物品の底部近傍でのみなされて物品の上側部分の保持が不十分になるため、ケース内壁との間に大きな隙間ができるペンシル型化粧品などのスティック状物品を収納すると、ケース内で物品が傾き易く、体裁の良い収納が望み難い。
【0010】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、透明又は半透明のプラスチックシートで形成される包装陳列用ケースについて、スティック状物品を体裁よく安定して収納できるようにし、同時に陳列効果も高められるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、この発明においては、透明又は半透明のプラスチックシートを折り曲げて形成される包装陳列用ケースを以下の通りに構成した。すなわち、
筒状胴部と、その筒状胴部の上部開口、下部開口を個別に閉鎖する上蓋及び底蓋と、前記筒状胴部の内部を平面視で2分する位置に配置される物品保持部を有し、
前記物品保持部は、前記プラスチックシートの筒状胴部を形成する部分の胴部周方向端部に連ならせた保持部用第1シートと保持部用第2シートを互いに折り重ね、重ね面の下端近傍を接着して形成されており、その物品保持部の前記保持部用第1シートと保持部用第2シート間にスティック状物品を挟み込んで収納するようにした。
【0012】
この包装陳列用ケースの好ましい形態を以下に列挙する。
(1)前記筒状胴部を偶数角の多角形の筒にし、その筒状胴部の対角部間に前記物品保持部を配置したもの。
(2)前記筒状胴部とほぼ同等の高さ寸法を持つ物品保持部を設けたもの。
(3)前記保持部用第1シートと保持部用第2シートのいずれか一方に、スティック状物品の下部を入り込ませて係止させる切抜き部を設けたもの。
(4)前記筒状胴部の前記物品保持部によって2分された内室の一方に、内面が鏡面に加工された鏡面シートを筒状胴部の内面に沿わせて挿入したもの。
(5)前記プラスチックシートの胴部周方向他端側に、前記筒状胴部の側方と上方にせり出す土台シートを連設し、前記筒状胴部の上方において、前記土台シートにフック掛け孔を設けたもの。
(6)前記筒状胴部の下端に、筒状胴部を支える複数の脚を閉鎖位置にある前記底蓋よりも下側に突出させて設けたもの。
【発明の効果】
【0013】
この発明の包装陳列用ケースは、筒状胴部の内部に設けた物品保持部で収納対象のスティック状物品を挟みつけて保持するので、収納したスティック状物品が搬送中の振動などで回転することがない。
【0014】
また、物品保持部の高さを筒状胴部の高さを越えない範囲で十分に高くすることができるため、ケース内壁との間に大きな隙間ができるスティック状物品を収納するときにもケース内での物品の傾きが起こらない。従って、収納した物品が正面を向き、起立姿勢も保持されて体裁のよい陳列がなされる。これに加え、収納した物品が宙に浮いているように見えるため、アピール効果が高まる。
【0015】
内面が鏡面に加工された鏡面シートを筒状胴部の物品保持部によって2分された内室の一方の内部に挿入したものは、ケースを正面から見たときに、収納した物品の背面側が鏡面シートの鏡面に映って物品が宙に浮いている感じが強調される。中でも、筒状胴部を六角形や八角形の筒にしたものは、複数の鏡面に物品が映るため、万華鏡のような様相を呈し、より良いアピール効果が期待できる。
【0016】
また、物品保持部は、互いに折り重ねた物品保持部用の第1、第2シートで物品を挟みつけて保持する構造になっているため、物品の種類やサイズ(特に周長)の変化に対する対応の自由度も高く、同一ケースを異種物品や異サイズ物品の収納に利用することも可能になる。
【0017】
このほか、筒状胴部と物品保持部が一体になっているため、物品をケースに収めるまでのケースの在庫管理も楽になる。また、筒状胴部の内室を2分する位置にある物品保持部によってケースが補強されるため、材料のプラスチックシートを薄くすることができ、コスト面でも有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の包装陳列用ケースの第1の形態を示す部分破断斜視図
【図2】図1のケースの長手方向断面図
【図3】(A):図2のA−A線に沿った断面図、(B):図2のB−B線に沿った断面図
【図4】図1のケースのプラスチックシート(ブランクシート)の展開図
【図5−I】図1のケースの組み立て手順の説明図(その1)
【図5−II】図1のケースの組み立て手順の説明図(その2)
【図5−III】図1のケースの組み立て手順の説明図(その3)
【図6】この発明の包装陳列用ケースの第2の形態を示す斜視図
【図7】図6のケースの長手直角方向断面図
【図8】図6のケースの使用状態を示す斜視図
【図9】図6のケースのプラスチックシート(ブランクシート)の展開図
【図10−I】図6のケースの組み立て手順の説明図(その1)
【図10−II】図6のケースの組み立て手順の説明図(その2)
【図10−III】図6のケースの組み立て手順の説明図(その3)
【図11】この発明の包装陳列用ケースの第3の形態を示す部分破断斜視図
【図12】図11のケースの長手方向断面図
【図13】(C):図12のC−C線に沿った断面図、(D):図12のD−D線に沿った断面図
【図14】図11のケースのプラスチックシート(ブランクシート)の展開図
【図15−I】図11のケースの組み立て手順の説明図(その1)
【図15−II】図11のケースの組み立て手順の説明図(その2)
【図15−III】図11のケースの組み立て手順の説明図(その3)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面の図1〜図15−IIIに基づいて、この発明の包装陳列用ケースの実施の形態を説明する。
【0020】
図1に示した第1の形態の包装陳列用ケース1は、透明又は半透明のプラスチックシート(ブランクシート)を折り曲げて形成されたものであって、筒状胴部2と、その筒状胴部の上部開口、下部開口を個別に閉鎖する上蓋3及び底蓋4と、筒状胴部2の内部を平面視で2分する位置に配置される物品保持部5を有している。
【0021】
この第1の形態の包装陳列用ケース1は、筒状胴部2を断面方形の筒にしている。また、物品保持部5は、2つに折り重ねたシートで形成している。その物品保持部5は、ケースを形成するプラスチックシートの一部で形成されており、物品保持部5は、筒状胴部2に一体に連なっている。
【0022】
この第1の形態の包装陳列用ケース用のプラスチックシート(ブランクシート)6を図4に示す。このプラスチックシート6は、一方の側面パネル7、前面パネル8、他方の側面パネル9、背面パネル10、糊代11、保持部用第1シート12、保持部用第2シート13を、それぞれのパネル、シート間に配置する折り目線L〜Lを介して順に横に連ならせている。保持部用第1シート12と保持部用第2シート13の高さは、前面、側面、背面の各パネルの高さとほぼ同等である(厳密には僅かに小さい)。
【0023】
そしてさらに、前面パネル8の上縁と下縁に、蓋パネル14と差し込み片15を、それぞれ折り目線L,Lを介して順に連ならせ、なおかつ、側面パネル7,9の上縁と下縁に折り目線L介してフラップ16を連設してなる。
【0024】
17は、前面パネル8と背面パネル10の下縁に設ける脚である。この脚17は、物品30を収納した包装陳列用ケース(商品)の起立安定性を高めるのに役立つが、表品は横倒しにして陳列することもできるので、脚17は必須ではない。なお、前面パネル10の下縁の脚17は、底蓋4となす前面パネル下縁側の蓋パネルの一部を切り起して形成される。
【0025】
18は、差し込み片15の係止効果を高める切り込みである。この切り込み18は、必要に応じて差し込み片15の基端の両側に設けられる。
【0026】
19は、必要に応じて保持部用第2シート13(又は保持部用第1シート12)の下端近くに設ける切抜き部である。この切抜き部19はケースに収納される物品の下部の位置決めに利用される。
【0027】
20は、保持部用第2シート13の保持部用第1シート12に対する接着領域、一点鎖線で隔した帯状の領域21は、側面パネル7に対する糊代11の接着領域である。
【0028】
このプラスチックシート10を、図5−I〜図5−IIIの手順に基づいてケースに組立てる。先ず、図5−I(a)に示すように、プラスチックシート6を折り目線Lの位置で谷折りして保持部用第2シート13を保持部用第1シート12上に重ね、接着領域20において保持部用第2シート13と保持部用第1シート12を接着して物品保持部5を形成する。
【0029】
次に、図5−I(b)に示すように、プラスチックシート6を折り目線Lの位置で谷折りして物品保持部5を糊代11のある側に重ね、さらに、図5−II(c)に示すように、プラスチックシート6を折り目線Lの位置で谷折りして物品保持部5のある側を前面パネル8と側面パネル9上に重ねる。そして、さらに、図5−II(d)に示すように、プラスチックシート6を折り目線Lの位置で谷折りして側面パネル7を糊代11上に重ね、糊代11の接着領域21を側面パネル7の内面に接着する。以上で、潰した姿の包装陳列用ケース1ができる。
【0030】
その後、図5−III(e)に示すように、側面パネル7,9を立ち上がらせて筒状胴部2を筒にし、さらに、フラップ16を内側に折り曲げ、図4の下側の蓋パネル14(底蓋4)を閉じる。このとき、物品保持部5は、筒状胴部2の対角部間に位置して筒状胴部2の内室をほぼ2分し、さらに、補強効果を生じてケースを強化する。
【0031】
ケースの組立作業を行うのは、包装陳列用ケース1に物品30を収納するときでよい。底蓋4を閉じたら、筒状胴部2の上部開口からケースの内部にスティック状物品30を入れる。そのスティック状物品30は、自由状態、すなわち、図3(B)に鎖線で示す状態のときには、互いに接近している物品保持部5の保持部用第1シート12と保持部用第2シート13を弾性変形させて離反させ(押し広げ)、両シート間に挿入する。
【0032】
物品保持部5の片方のシートに切抜き部19が設けられていると、挿入された物品30の下側部分が、図2及び図3(A)に示すように、切抜き部19に嵌り込んで切抜き部19による物品30の挿入規制と位置決めがなされる。
【0033】
保持部用第1シート12と保持部用第2シート13は、自己の弾性復元力で挿入された物品30を挟みつける。その挟みつけが広範な領域でなされ、そのために、ケース内での物品30の回転が確実に阻止され、搬送中の振動などで正面を前にした物品30の姿勢が崩れることがなくなる。
【0034】
また、保持部用第1シート12と保持部用第2シート13間に挿入された物品30は、両シートによる締め付け力によって物品保持部5の中央に自然に押し寄せられる。物品保持部5は、筒状胴部2の内室を2分する位置にあるので、上記の押し寄せ作用で物品30が筒状胴部2の中心付近に安定して位置決めされる。また、筒状胴部2の中心付近に位置決めされた物品30は、物品保持部が透明又は半透明であるので、あたかも宙に浮いたように見え、高級感をかもし出す陳列、興味をそそる陳列がなされる。
【0035】
なお、物品保持部5によって2分された筒状胴部2の内室の一方には、内面が鏡面に加工された鏡面シートを筒状胴部の内面に沿うように挿入することができる。その鏡面シートを設けると、物品保持部5に保持された物品が鏡面シートの鏡面に映り、物品が宙に浮いている感じが強調される。
【0036】
図6〜図8に、第2の形態の包装陳列用ケースを示す。この第2の形態の包装陳列用ケース1Aは、第1の形態の包装陳列用ケースに土台シート22を追加したものと考えてよい。土台シート22は、筒状胴部2の側方と上方にせり出す平板のシートであって、筒状胴部2と一体に形成されている。
【0037】
この第2の形態の包装陳列用ケース用のプラスチックシート6を図9に示す。この図9のプラスチックシート6は、背面パネルを兼用した土台シート22の一側縁に側面パネル7、前面パネル8、側面パネル9、糊代11、保持部用第1シート12、保持部用第2シート13を、それぞれ折り目線L〜Lを介して順に連ならせている。
【0038】
また、上蓋および下蓋となす蓋パネル14を側面パネル9の上縁と下縁に連ならせて設け、蓋パネル14の内側に折り込むフラップ16を側面パネル7と前面パネル8の上縁と下縁にそれぞれ連ならせて設け、蓋パネル14に連ならせた差し込み片15が差し込まれる切れ目23を、側面パネル7とそれに連なるフラップ16の境界部に形成している。24は、土台シート22に設けたフック掛け孔であり、ケースが組立てられたときに筒状胴部2の直上にくる位置に設けられている。
【0039】
その他の構成は図4の第1の形態用のプラスチックシートと同じであるので同一要素については、同一符合を付して説明を省く。
【0040】
この図9のプラスチックシート6も、図10−I(a)に示すように、プラスチックシート6を折り目線Lの位置で谷折りして保持部用第2シート13を保持部用第1シート12上に重ね、接着領域20を接着して物品保持部5を形成する。
【0041】
また、図10−II(b)、(c)に示すように、プラスチックシート6を折り目線Lの位置と、折り目線Lの位置で順に谷折りし、物品保持部5のある側を前面パネル8と側面パネル7上に重ねる。そして、図10−III(d)に示すように、プラスチックシート6を折り目線Lの位置で谷折りして土台シート22を糊代11上に重ね、接着領域21を土台シート22の一部で構成される背面パネル10に接着する。以上で、潰した姿の包装陳列用ケース1ができる。
【0042】
この図6の包装陳列用ケース1も、図10−III(e)に示すように、側面パネル7,9を立ち上がらせて筒状胴部2を筒にし、フラップ16を内側に折り曲げ、底蓋用の蓋パネル14を閉じる。そして、図7に示すように、物品保持部5の第1シート12と第2シート13間に物品30を挿入し、上蓋3を閉じる。
【0043】
この第2の形態の包装陳列用ケース1は、土台シート22の筒状胴部2の側方への張り出し部に商品説明用の表示ラベルなどを貼ることができる。また、フック掛け孔24を有するので、図8のようにフック31による吊り下げ陳列が行える。
【0044】
図11〜図13は、第3の形態の包装陳列用ケースである。この第3の形態の包装陳列用ケース1は、第1の形態の包装陳列用ケースの筒状胴部2を長手直角断面が六角形をなすものに置き換えたものである。
【0045】
この第3の形態の包装陳列用ケース用のプラスチックシート6を図14に示す。この図14のプラスチックシート6は、第1〜第6の側面パネル7−1〜7−6を、折り目線L−1〜L−5を介して順に連ならせ、さらに、側面パネル7−6に、折り目線L−6を介して糊代11を、糊代11に、折り目線L−7、折り目線L−8を介して保持部用第1シート12と保持部用第2シート13を順に連ならせている。
【0046】
また、側面パネル7−3の上縁と下縁に、折り目線L−9,L−10を介して六角形の蓋パネル14と差し込み片15をそれぞれ連設し、さらに、側面パネル7−1と7−5と7−6の上縁と下縁に、折り目線L−11を介してフラップ16をそれぞれ連設している。差し込み片15は、蓋パネル14の3辺に設けているが、折り目線L−10を介して蓋パネル14に連なったもののみにしてもよい。
【0047】
25は、保持部用第2シート13に連ならせて設けた連結部である。この連結部25は、糊付け部11に接着される。その接着によって保持部用第2シート13の上側の逃げ(保持部用第1シート12からの離反)が起こり難くなり、その逃げによる物品保持部5の保持力低下が抑制される。
【0048】
図14のプラスチックシート6も、図15−I(a)に示すように、プラスチックシート6を折り目線L−8の位置で谷折りして保持部用第2シート13を保持部用第1シート12上に重ね、両シートの接着領域20を接着し、さらに、連結部25の接着領域20を糊代11に接着して物品保持部5を形成する。
【0049】
次いで、図15−II(b)、(c)に示すように、プラスチックシート6を折り目線L−7と、折り目線L−4の位置で順に谷折りし、物品保持部5のある側を側面パネル7−1のある側に重ねる。そして、図15−III(d)に示すように、プラスチックシート6を折り目線L−1の位置で谷折りして土台シート22を糊代11上に重ね、接着領域21を側面パネル7−1の内面に接着する。以上で、潰した姿の包装陳列用ケース1ができる。
【0050】
図11の包装陳列用ケース1も、図15−III(e)に示すように、五つの側面パネルを立ち上がらせて筒状胴部2を筒にし、フラップ16を内側に折り曲げ、底蓋4用の蓋パネル14を閉じる。そして、筒状胴部2の内部に形成された物品保持部5の第1シート12と第2シート13間にスティック状物品を挿入し、図15−III(f)に示すように、上蓋3を閉じる。
【0051】
図13の26は、物品保持部5によって2分された筒状胴部の内室の一方に挿入された鏡面シートである。必要に応じて設けるその鏡面シート26は、内面が鏡面Mfに加工されている。
【0052】
この鏡面シート26を、筒状胴部2の内面に沿わせて片方の内室に挿入すると、ケースを正面から見たときに、物品保持部5に保持された物品30の背面側が鏡面Mfに映り、物品が宙に浮いている感じが強調される。また、筒状胴部を六つ以上の角を有する多角形の筒にしたものは、複数の鏡面に物品が映って万華鏡のような様相を呈し、興味を引く陳列が期待できる。
【0053】
第3の実施形態のケースのその他の構成は、既述の第1、第2の実施形態と共通しているので、共通の要素については、同一符合を付して説明を省く。
【符号の説明】
【0054】
1 包装陳列用ケース
2 筒状胴部
3 上蓋
4 底蓋
5 物品保持部
6 プラスチックシート
7,9 側面パネル
8 前面パネル
10 背面パネル
11 糊代
12 保持部用第1シート
13 保持部用第2シート
14 蓋パネル
19 切抜き部
20,21 接着領域
22 土台シート
24 フック掛け孔
25 連結部
26 鏡面シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明又は半透明のプラスチックシート(6)を折り曲げて形成される包装陳列用ケースであって、筒状胴部(2)と、その筒状胴部(2)の上部開口、下部開口を個別に閉鎖する上蓋(3)及び底蓋(4)と、前記筒状胴部(2)の内部を平面視で2分する位置に配置される物品保持部(5)を有し、
前記物品保持部(5)は、前記プラスチックシート(6)の筒状胴部(2)を形成する部分の胴部周方向端部に連ならせた保持部用第1シート(12)と保持部用第2シート(13)を互いに折り重ね、重ね面の下端近傍を接着して形成されており、その物品保持部の前記保持部用第1シート(12)と保持部用第2シート(13)間にスティック状物品(30)を挟み込んで収納するようにした包装陳列用ケース。
【請求項2】
前記筒状胴部(2)を偶数角の多角形の筒にし、その筒状胴部(2)の対角部間に前記物品保持部(5)を配置した請求項1に記載の包装陳列用ケース。
【請求項3】
前記物品保持部(5)を前記筒状胴部(2)とほぼ同等の高さ寸法を持つものにした請求項1又は2に記載の包装陳列用ケース。
【請求項4】
前記保持部用第1シート(12)と保持部用第2シート(13)のいずれか一方に、前記スティック状物品(30)の下部を入り込ませて係止させる切抜き部(19)を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の包装陳列用ケース。
【請求項5】
前記筒状胴部(2)の前記物品保持部(5)によって2分された内室の一方に、内面が鏡面(Mf)に加工された鏡面シート(26)を筒状胴部(2)の内面に沿わせて挿入した請求項1〜4のいずれかに記載の包装陳列用ケース。
【請求項6】
前記プラスチックシート(6)の胴部周方向他端側に、前記筒状胴部(2)の側方と上方にせり出す土台シート(22)を連設し、前記筒状胴部(2)の上方において、前記土台シート(22)にフック掛け孔(24)を設けた請求項1〜5のいずれかに記載の包装陳列用ケース。
【請求項7】
前記筒状胴部(2)の下端に、筒状胴部(2)を支える複数の脚(17)を閉鎖位置にある前記底蓋(4)よりも下側に突出させて設けた請求項1〜6のいずれかに記載の包装陳列用ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−I】
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【図5−II】
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【図5−III】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−I】
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【図10−II】
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【図10−III】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15−I】
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【図15−II】
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【図15−III】
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【公開番号】特開2012−201370(P2012−201370A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64491(P2011−64491)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(392031859)上六印刷株式会社 (8)
【Fターム(参考)】