説明

化合物

本発明は、式(I):{ここで、Aは、多数の特定の環から選択されるオルト置換された環であり;R1は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ若しくはC1-4ハロアルコキシ又は任意に置換されたC2-4アルケニル、任意に置換されたC2-4アルキニル若しくは任意に置換されたSO2(C1-4)アルキル(ここで、任意に置換された部分は、それぞれ最大3個の置換基を有することがあり、これらはそれぞれ独立してハロゲン及びC1-4アルコキシから選択される)であり;R2は、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル若しくはC1-4アルキルチオ(C1-4)アルキル又は[任意に置換されたアリール](C1-4)アルキル−若しくは[任意に置換されたアリール]オキシ(C1-4)アルキル(ここで、任意に置換されたアリール部分は、それぞれ最大3個の置換基を有することがあり、これらはそれぞれ独立してハロゲン及びC1-4アルコキシから選択される)であり;R3は、水素、CH2C=CR4、CH2CR4=C(H)R4、CH=C=CH2若しくはCOR5又は任意に置換されたC1-4アルキル、任意に置換されたC1-4アルコキシ若しくは任意に置換された(C1-4)アルキルC(=O)O(ここで、任意に置換された部分は、それぞれ最大3個の置換基を有することがあり、これらはそれぞれ独立してハロゲン及びC1-4アルコキシ、C1-4アルキル、C1-2ハロアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、メチルスルホニル及びエチルスルホニルから選択される)}の化合物は、殺微生物活性、特に殺真菌活性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺微生物(microbiocidal)活性、特に殺真菌活性を有する新規1,2,3−トリアゾール誘導体に関する。本発明はまた、これらの化合物の調製において使用される新規中間体、当該新規化合物のうちの少なくとも1つを活性成分として含んで成る農芸化学組成物、及び、植物病原性微生物、好ましくは真菌による植物への蔓延を防ぎ、又は予防するための農業又は園芸における前記活性成分又は組成物の使用、に関する。
【0002】
本発明は、式(I):
【化1】

{ここで、Aは、式(A1)〜(A22);
【化2】

【化3】

【化4】

(Qは単結合又は二重結合であり;XはO、N(R18)、S又は(CR1920)(CR2122m(CR2324nである)から選択される、オルト置換された環であり;R1は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ又は任意に置換されたC2-4アルケニル、任意に置換されたC2-4アルキニル若しくは任意に置換されたSO2(C1-4)アルキル(ここで、任意に置換された部分は、それぞれ最大3個の置換基を有することがあり、これらはそれぞれ独立してハロゲン及びC1-4アルコキシから選択される)であり;R2は、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル若しくはC1-4アルキルチオ(C1-4)アルキル又は[任意に置換されたアリール](C1-4)アルキル−若しくは[任意に置換されたアリール]オキシ(C1-4)アルキル−(ここで、任意に置換されたアリール部分は、それぞれ最大3個の置換基を有することがあり、これらはそれぞれ独立してハロゲン及びC1-4アルコキシから選択される)であり;R3は、水素、CH2C≡CR4、CH2CR4=C(H)R4、CH=C=CH2若しくはCOR5又は任意に置換されたC1-4アルキル、任意に置換されたC1-4アルコキシ若しくは任意に置換された(C1-4)アルキルC(=O)(O(ここで、任意に置換された部分は、それぞれ最大3個の置換基を有することがあり、これらはそれぞれ独立してハロゲン、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、C1-2ハロアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、メチルスルホニル及びエチルスルホニルから選択される)であり;各R4は、独立して、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ又はC1-4アルコキシ(C1-4)アルキルであり;R5は、水素又は任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC1-4アルコキシ、任意に置換されたC1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、任意に置換されたC1-4アルキルチオ(C1-4)アルキル若しくは任意に置換されたアリール(ここで、任意に置換された部分は、それぞれ最大3個の置換基を有することがあり、これらはそれぞれ独立してハロゲン、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルから選択される)であり;R6はフェニル[ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C1-4ハロアルキルチオ、C(H)=N−OH、C(H)=N−O(C1-6アルキル)、C(C1-6アルキル)=N−OH、C(C1-6アルキル)=N−O−(C1-6アルキル)、(Z)pC≡CR28及び(Z)pC≡CR25=CR2627からそれぞれ独立して独立して選択される最大3個の置換基によって、任意に置換される]、5−6員の複素環[ここで、当該環は1〜3個のヘテロ原子(それぞれ独立して、酸素、硫黄及び窒素から選択される)を含み、且つ当該環は、任意に最大3個の置換基によって選択され、これらはそれぞれ独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C(H)=N−O−(C1-6アルキル)及びC(C1-6アルキル)=N−O−(C1-6アルキル)から選択される]、C3-12アルキル[ハロゲン、シアノ、C1-4アルコキシ、C1-4チオアルキル、COO−(C1-4アルキル)、=N−OH、=N−O−(C1-4アルキル)、C3-8シクロアルキル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)及びC4-8シクロアルケニル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)からそれぞれ独立して選択される、最大6個の置換基によって任意に置換される]、C2-12アルケニル[ハロゲン、シアノ、C1-4アルコキシ、C1-4チオアルキル、COO−C1-4アルキル、=N−OH、=N−O−(C1-4アルキル)、C3-8シクロアルキル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)及びC4-8シクロアルケニル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)からそれぞれ独立して選択される、最大6個の置換基によって任意に置換される]、C2-12アルキニル[ハロゲン、シアノ、C1-4アルコキシ、C1-4チオアルキル、COO−C1-4アルキル、=N−OH、=N−O−(C1-4アルキル)、C3-8シクロアルキル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)、Si(CH33及びC4-8シクロアルケニル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)からそれぞれ独立して選択される、最大6個の置換基によって任意に置換される]、C3-8シクロアルキル[ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C1-4チオアルキル、C3-6シクロアルキル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)及びフェニル(これ自体が、最大5個の独立して選択されたハロゲン原子によって任意に置換される)からそれぞれ独立して選択される、最大3個の置換基によって任意に置換される]、C4-8シクロアルケニル[ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C1-4チオアルキル、C3-6シクロアルキル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)及びフェニル(これ自体が、最大5個の独立して選択されるハロゲン原子によって任意に置換される)からそれぞれ独立して選択される、最大3個の置換基によって任意に置換される]、C6-12ビシクロアルキル[ハロゲン、C1-4アルキル及びC1-4ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される、最大3個の置換基によって任意に置換される]又は脂肪族の飽和若しくは不飽和の基[ここで、当該基は3〜13個の炭素原子及び少なくとも1個のケイ素原子並びに、任意に、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1〜3個のヘテロ原子、を含み、且つ当該基は任意に最大4個の独立して選択されるハロゲン原子によって置換される];R7、R8、R9、R10、R11及びR12はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C1-4チオアルキル又はC1-4チオハロアルキルであり;R13、R14、R15、R16及びR17はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C(O)CH3、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C1-4チオアルキル、C1-4チオハロアルキル、ヒドロキシメチル又はC1-4アルコキシメチルであり;R18は、水素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、ホルミル、C(=O)C1-4アルキル(ハロゲン又はC1-4アルコキシによって任意に置換される)又はC(=O)O−C1-6アルキル(ハロゲン、C1-4アルコキシ又はCNによって任意に置換される)であり;R19、R20、R21、R22、R23及びR24はそれぞれ、独立して、C1-6アルキル、C1-6アルケニル[共に、ハロゲン、ヒドロキシ、=O、C1-4アルコキシ、O−C(O)−C1-4アルキル、アリール又は3〜7員の炭素環(これ自体が、最大3個のメチル基によって任意に置換される)によって任意に置換される]、3〜7員の炭素環(最大3個のメチル基によって任意に置換され、且つ、窒素及び酸素から選択される1つのヘテロ原子を任意に含む)、水素、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-4アルコキシであり;あるいはR1920は、それらが結合する炭素原子と一緒に、カルボニル基、3〜5員の炭素環(最大3個のメチル基によって任意に置換される)、C1-6アルキリデン(最大3個のメチル基によって任意に置換される)又はC3-6シクロアルキリデン(最大3個のメチル基によって任意に置換される)であり;R25は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C1-4ハロアルコキシ(C1-4)アルキル又はSi(C1-4アルキル)3であり;R26及びR27はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、C1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルであり;R28は水素、C1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルであり;mは0又は1であり;nは0又は1であり;pは0又は1であり;且つZはC1-4アルキレンである}の化合物を提供する。
【0003】
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
【0004】
各アルキル部分は直鎖又は分枝鎖であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、neo−ペンチル、n−ヘプチル、1,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチルペンチル、1−メチル−3−エチル−ブチル又は1,3,3−トリメチルブチルである。
【0005】
ハロアルキル部分は、1又は複数の同一の又は異なるハロゲン原子によって置換されているアルキル部分であり、例えばCF3、CF2Cl、CHF2、CH2F、CCl3、CF3CH2、CHF2CH2、CH2FCH2、CH3CHF又はCH3CF2である。
【0006】
アルケニル部分及びアルキニル部分は、直鎖又は分枝鎖の形態がありうる。当該アルケニル部分は、妥当な場合、(E)−立体配置又は(Z)−立体配置のいずれのものでもよい。例としては、ビニル、アリル、エチニル及びプロパルギルがある。
【0007】
アルキリデン部分は、直鎖又は分枝鎖の形態がありうる。アルキリデンには、メチリデン[CH2=C]、エチリデン[CH3C=(H)C]、n−プロピリデン、i−プロピリデン[(CH32C=C]、n−ブチリデン、i−ブチリデン、2−ブチリデン、n−ペンチリデン、i−ペンチリデン、neo−ペンチリデン、2−ペンチリデン、n−ヘキシリデン、2−ヘキシリデン、3−ヘキシリデン、i−ヘキシリデン及びneo−ヘキシリデンが含まれる。
【0008】
シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが含まれる。
【0009】
シクロアルケニルには、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びシクロヘプテニルが含まれる。
【0010】
シクロアルキリデンには、シクロプロピリデン[c(C34)=C]、シクロブチリデン、シクロペンチリデン及びシクロヘキシリデンが含まれる。
【0011】
ビシクロアルキルには、ビシクロ[1,1,1]ペンチル、ビシクロ[2,1,1]ヘキシル、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル、ビシクロ[2,2,2]オクチル、ビシクロ[3,2,1]オクチル及びビシクロ[3,2,2]ノニルが含まれる。
【0012】
アリールには、フェニル、ナフチル、アントラシル(anthracyl)、フルオレニル及びインダニル(indanyl)が含まれるが、好ましくはフェニルである。
【0013】
本発明のある態様においては、Aは上文で定義したとおりであるが、但し、(A1)ではない。
【0014】
本発明の別の態様において、R6は上文で定義したとおりであるが、但し、脂肪族の飽和又は不飽和の基[ここで、当該基は3〜13個の炭素原子及び少なくとも1個のケイ素原子並びに、任意に、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1〜3個のヘテロ原子、を含み、且つ当該基は任意に最大4個の独立して選択されるハロゲン原子によって置換される]ではない。
【0015】
本発明の更なる態様において、Aは上文で定義したとおりであるが、但し、R6が脂肪族の飽和又は不飽和の基[ここで、当該基は3〜13個の炭素原子及び少なくとも1個のケイ素原子並びに、任意に、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1〜3個のヘテロ原子、を含み、且つ当該基は任意に最大4個の独立して選択されるハロゲン原子によって置換される]である場合には(A1)ではない。
【0016】
好ましくは、Qは単結合である。
【0017】
好ましくは、nは0である。
【0018】
好ましくは、mは0である。
【0019】
好ましくは、Aは式(A1)、(A2)、(A3)、(A16)、(A17)、(A18)、(A19)、(A20)及び(A22)から選択される。
【0020】
更に好ましくは、Aは式(A1)、(A2)、(A18)、(A19)及び(A22)から選択される。
【0021】
より更に好ましくは、Aは、以下のオルト置換された環:
【化5】

(ここで、R13及びR14はそれぞれ、独立して、H及びC1-4アルキルから選択される)のうちの1つから選択される。
【0022】
好ましくは、XはO、NR18又は(CR1920)(CR2122m(CR2324nである。
【0023】
更に好ましくは、XはO又は(CR1920)(CR2122m(CR2324nである。
【0024】
より更に好ましくは、Xは(CR1920)(CR2122m(CR2324nである。
【0025】
最も好ましくは、Xは(CR1920)である。
【0026】
好ましくは、R1はC1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、NO2、CN又はOCF3である。
【0027】
更に好ましくは、R1はCHF2、CF3、CH2F、CF2Cl、CH3又はC25である。
【0028】
より更に好ましくは、R1はCHF2、CF3、CH2F、CF2Cl又はCH3である。
【0029】
最も好ましくは、R1はCHF2、CF3又はCH2Fである。
【0030】
好ましくは、R2はC1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル又はC1-4アルキルチオ(C1-4)アルキルである。
【0031】
更に好ましくは、R2はCH3、CF3、C25、CH2OCH3又はCH2SCH3である。
【0032】
より更に好ましくは、R2はCH3又はCF3である。
【0033】
最も好ましくは、R2はCH3である。
【0034】
好ましくは、R3は水素、CH2C≡CR4、CH2CR4=C(H)R4、CH=C=CH2又はCOR5である。
【0035】
更に好ましくは、R3はH、CH2C≡CH、CH=C=CH2、CH2CH=CH2又はCOCH3である。
【0036】
また更に好ましくは、R3はH、CH2C≡CH、CH=C=CH2又はCH2CH=CH2である。
【0037】
より更に好ましくは、R3はH、CH2C≡CH又はCH=C=CH2である。
【0038】
最も好ましくは、R3はHである。
【0039】
好ましくは、各R4は、独立して、水素、ハロゲン、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシである。
【0040】
更に好ましくは、各R4は、独立して、H、Cl、Br、CH3又はCH3Oである。
【0041】
また更に好ましくは、各R4は、独立して、H、Cl又はCH3である。
【0042】
最も好ましくは、各R4はHである。
【0043】
好ましくは、R5はH、C1-6アルキル、C1-4アルコキシ又はC1-4アルコキシ(C1-4)アルキルである。
【0044】
更に好ましくは、R5はH、メチル、OC(CH33又はCH2OCH3である。
【0045】
より更に好ましくは、R5はH又はメチルである。
【0046】
好ましくは、R6はC3-10アルキル、C3-9ハロアルキル、C3-7シクロアルキル[任意にC3シクロアルキル(これ自体が任意にC1-2アルキルで置換される)又は最大2個のC1-4アルキル基で置換される]、脂肪族基[3〜10個の炭素原子及び少なくとも1個のケイ素原子並びに、任意に、1つの酸素原子を含む]、チエニル[任意にハロ置換される]、フリル[任意にハロ置換される]、ピリジル[任意にハロ置換される]、オキサゾリル、イソキサゾリル及び
【化6】

{ここで、Rc及びRdは、独立して、H、Cl、Br、F、I、CN、NO2、C1-4アルキル、CF3SCF3、OCF3、CH=NOH、CH=N−OC1-6アルキル、C≡CH、C≡C−Si(CH33、C(H)=CH2又はC(H)=CH(C1-4アルキル)である}から選択される。
【0047】
更に好ましくは、R6はC3-7アルキル、C3-6シクロアルキル[任意にC1-4アルキル又はC3シクロアルキル(これ自体が、任意にC1-2アルキルで置換される)で置換される]、脂肪族基(3〜8個の炭素原子及び少なくとも1個のケイ素原子を含む)又は
【化7】

(ここで、ReはCl、Br、F、CF3、OCF3、CH=N−OC1-4アルキル、C≡CH、C≡C−Si(CH33又はC(H)=CH2である)である[ある態様においては、ReはCl、Br、F、CF3、OCF3、CH=N−OC1-4アルキル、C≡CH又はC(H)=CH2であることが好ましい]。
【0048】
より更に好ましくは、R6は以下の部分:
【化8】

(ここで、ReはCl、Br、F、CF3、C≡CH、C≡C−Si(CH33又はCH=N−OC1-4アルキルである)のうちの1つから選択される[ある態様においては、ReはCl、Br、F、CF3、C≡CH又はCH=N−OC1-4アルキルであることが好ましい]。
【0049】
好ましくは、R7はH、F又はCH3である。
【0050】
好ましくは、R8はHである。
【0051】
好ましくは、R9はHである。
【0052】
好ましくは、R10はHである。
【0053】
好ましくは、R11はHである。
【0054】
好ましくは、R12はHである。
【0055】
好ましくは、R13、R14、R15、R16はそれぞれ、独立して、H、CH3、C25、CF3、CH3O、C(O)CH3又はCH3OCH2である。
【0056】
更に好ましくは、R13、R14、R15、R16はそれぞれ、独立して、H又はCH3である。
【0057】
好ましくは、R17はHである。
【0058】
好ましくは、R18はH、CH3、C25、C(O)OC1-4アルキル(任意にハロゲン又はOC1-4アルコキシで置換される)又はCOHである。
【0059】
更に好ましくは、R18はC(O)OC1-4アルキル(任意にハロゲン又はC1-4アルコキシで置換される)又はCOHである。
【0060】
より更に好ましくは、R18はC(O)OC1-4アルキル(任意にハロゲン又はOC1-4アルコキシで置換される)である。
【0061】
最も好ましくは、R18はC(O)OC1-4アルキルである。
【0062】
好ましくは、R19及びR20はそれぞれ、独立して、H、ハロゲン、C1-5アルキル、C1-3アルコキシ、CH2O、C3-6シクロアルキル、CH2O−C(=O)CH3、CH2−C3-6シクロアルキル又はベンジルであり;あるいはR19及びR20は、それらが結合する炭素原子と一緒に、カルボニル基、3〜5員の炭素環、C1-5アルキリデン又はC3-6シクロアルキリデンを形成する。
【0063】
更に好ましくは、R19及びR20はそれぞれ、独立して、H,CH3、C25、n−C37、i−C37、i−C49、CH(C252、CH2−シクロプロピル又はシクロペンチルであり;R19及びR20は、それらが結合する炭素原子と一緒に、3員の炭素環を形成する。
【0064】
好ましくは、R21はH又はCH3である。
【0065】
好ましくは、R22はH又はCH3である。
【0066】
好ましくは、R23はH又はCH3である。
【0067】
好ましくは、R24はH又はCH3である。
【0068】
式(II):
【化9】

(ここで、R1及びR2は式(I)の化合物について上文で定義した通りであり、Yはハロゲン、ヒドロキシ又はC1-5アルコキシである)の化合物は、式(I)の化合物の調製における中間体として有用である。
【背景技術】
【0069】
式(II)のうちの幾つかの化合物は既に文献公知であるが[B. Iddon et al. J.Chem. Soc. PerkinTrans. 1, 1341 (1996); M. Begtrup et al., Acta Chemica Scand.,19, 2022 (1965); D. R. Buckle etal., J. Chem. Res, Syn. 10, 292(1982) ;及びA.Peratoner et al., Sci. Fis. Mat. Nat. Rend 5, 16 (1907)]、他のものは新規である。
【0070】
従って、別の態様において、本発明は、式(II)(ここで、R1及びR2は式(I)の化合物について上文で定義した通りであり、Yはハロゲン、ヒドロキシ又はC1-5アルコキシである;但し、R1がクロロであり、且つR2が4−CH3O−C64−CH2−である場合、YはC25Oではない;R1がCH3Oであり、且つR2がCH3である場合、YはC25Oではない;R1がブロモであり、且つR2がCH3OCH2である場合、YはCH3Oではない;そして、R1がCH3であり、且つR2がC25である場合、YはOHではない)の化合物を提供する。
【0071】
好ましくは、Yはヒドロキシ、クロロ、フルオロ又はC1-3アルコキシである。
【0072】
式(IIIa)のうちの幾つかの化合物も新規ではあるが、幾つかは文献に記載されている[例えば、L. A Paquette et al., J. Amer. Chem Soc. 99, 3734 (1977); H. Plieninger et al., Chem. Ber.109, 2121 (1976); Kasansski et al. , Zh. Obshch. Khim. (1959), 29, 2588 ; 及びA. J.Kirby et al., J. Chez. Soc., Perkin Trans.2, 1997,1081を参照のこと]。
【化10】

【0073】
式(IIIa)のアニリンは、R13、R14、R15、R16、Q及びXが式(I)の化合物について上文で定義した通り(但し、R13、R14、R15及びR16がそれぞれHである場合、Xは、Qが二重結合である場合にはCH2ではなく、そしてXは、Qが単結合又は二重結合である場合には、CH2CH2ではない;そして、R13がCH3であり、R14がOCH3であり、R15及びR16が共にHである場合、Xは、Qが単結合である場合には、CH2CH2ではない)の場合に新規である。
【0074】
従って、更なる態様において、本発明は、式(IIIa)(ここで、R13、R14、R15、R16、Q及びXが式(I)の化合物について上文で定義した通りである;但し、R13、R14、R15及びR16がそれぞれHである場合、Xは、Qが二重結合である場合にはCH2ではなく、そしてXは、Qが単結合又は二重結合である場合には、CH2CH2ではない;そして、R13がCH3であり、R14がOCH3であり、且つR15及びR16が共にHである場合、Xは、Qが単結合である場合には、CH2CH2ではない)の化合物を提供する。
【0075】
式(I)、(II)及び(IIIa)の化合物は、異なる幾何異性体又は光学異性体として、あるいは異なる互変異性の形態で存在することがある。この発明は、各式につき、全ての前記異性体及び互変異性体並びに全ての比率のそれらの混合物の他、同位体の形態、例えば重化水素化合物、も網羅する。
【0076】
以下の表1〜28の化合物は、本発明の化合物を例示する。
【0077】
表1は、59個の式(II)(ここで、R1、R2及びYは表1において定義する通りである)の化合物を提供する。
【0078】
【化11】

【化12】

【化13】

【0079】
表Xは、表2[Xが2である場合]、表3[Xが3である場合]、表4[Xが4である場合]、表5[Xが5である場合]、表6[Xが6である場合]及び表7[Xが7である場合]、を表す。
【0080】
【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【0081】
表2は、457個の式(I−2):
【化23】

(ここで、R2、R3、R6及びR7は表2において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0082】
表3は、457個の式(I−3):
【化24】

(ここで、R2、R3、R6及びR7は表3において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0083】
表4は、457個の式(I−4):
【化25】

(ここで、R2、R3、R6及びR7は表4において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0084】
表5は、457個の式(I−5):
【化26】

(ここで、R2、R3、R6及びR7は表5において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0085】
表6は、457個の式(I−6):
【化27】

(ここで、R2、R3、R6及びR7は表6において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0086】
表7は、457個の式(I−7):
【化28】

(ここで、R2、R3、R6及びR7は表7において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0087】
表Yは、表8[Yが8である場合]、表9[Yが9である場合]、表10[Yが10である場合]、表11[Yが11である場合]、表12[Yが12である場合]、表13[Yが13である場合]、表14[Yが14である場合]、表15[Yが15である場合]、表16[Yが16である場合]、表17[Yが17である場合]、表18[Yが18である場合]及び表19[Yが19である場合]、を表す。
【0088】
【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【0089】
表8は、364個の式(I−8):
【化37】

(ここで、R2、R3及びR6は表8において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0090】
表9は、364個の式(I−9):
【化38】

(ここで、R2、R3及びR6は表9において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0091】
表10は、364個の式(I−10):
【化39】

(ここで、R2、R3及びR6は表10において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0092】
表11は、364個の式(I−11):
【化40】

(ここで、R2、R3及びR6は表11において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0093】
表12は、364個の式(I−12):
【化41】

(ここで、R2、R3及びR6は表12において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0094】
表13は、364個の式(I−13):
【化42】

(ここで、R2、R3及びR6は表13において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0095】
表14は、364個の式(I−14):
【化43】

(ここで、R2、R3及びR6は表14において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0096】
表15は、364個の式(I−15):
【化44】

(ここで、R2、R3及びR6は表15において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0097】
表16は、364個の式(I−8):
【化45】

(ここで、R2、R3及びR6は表16において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0098】
表17は、364個の式(I−17):
【化46】

(ここで、R2、R3及びR6は表17において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0099】
表18は、364個の式(I−18):
【化47】

(ここで、R2、R3及びR6は表18において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0100】
表19は、364個の式(I−19):
【化48】

(ここで、R2、R3及びR6は表19において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0101】
表Zは、表20[Zが20である場合]、表21[Zが21である場合]、表22[Zが22である場合]、表23[Zが23である場合]、表24[Zが24である場合]及び表25[Zが25である場合]、を表す。
【0102】
【化49】

【化50】

【化51】

【化52】

【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

【化57】

【化58】

【化59】

【化60】

【化61】

【0103】
表20は、182個の式(I−20):
【化62】

(ここで、R2、R3及びAは表20において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0104】
表21は、182個の式(I−21):
【化63】

(ここで、R2、R3及びAは表21において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0105】
表22は、182個の式(I−22):
【化64】

(ここで、R2、R3及びAは表22において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0106】
表23は、182個の式(I−23):
【化65】

(ここで、R2、R3及びAは表23において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0107】
表24は、182個の式(I−24):
【化66】

(ここで、R2、R3及びAは表24において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0108】
表25は、182個の式(I−25):
【化67】

(ここで、R2、R3及びAは表25において定義する通りである)の化合物を提示する。
【0109】
表26は、133個の式(IIIa)(ここで、R13、R14、R15、R16、Q及びXは、表26において定義する通りである)の化合物を提示する。Qは単結合(−)又は二重結合(=)のいずれかであることを示す。
【0110】
【化68】

【化69】

【化70】

【化71】

【0111】
表ZZは、表27(ZZが27である場合)及び表28(ZZが28である場合)を表す。
【0112】
【化72】

【化73】

【0113】
表27は、42個の式(I−27):
【化74】

(ここで、R1、R2、R3及びR6は表9において定義した通りである)の化合物を提示する。
【0114】
表28は、42個の式(I−28):
【化75】

(ここで、R1、R2、R3及びR6は表10において定義した通りである)の化合物を提示する。
【0115】
この明細書を通じて、温度は摂氏で示し;「NMR」は核磁気共鳴スペクトルを意味し;MSは、質量スペクトルを意味し;そして「%」は、特に相当する濃度が他の単位で示されていない限り、重量%であり;「Syn」は、アニール化されたベンゼン環に関して関連する置換基のsyn配置を意味し;そして「anti」は、アニール化されたベンゼン環に関して関連する置換基のanti配置を意味する。
【0116】
以下の略語は、本明細書を通じて使用される:
m.p.=融点 b.p.=沸点
s=シングレット br=ブロード
d=ダブレット dd=2つのダブレット
t=トリプレット q=カルテット
m=マルチプレット ppm=100万分の1
【0117】
表29は、表1〜28の化合物について選択された融点のデータを示す。
【0118】
【化76】

【化77】

【化78】

【0119】
式(I)に従う化合物は、以下の反応スキームに従い調製されうる。
【0120】
(a)式(II)の化合物の調製
スキーム1,2及び3は、式E、H、K、L、N、O、P、R、S、T、U、V、W、Y又はZ[ここで、R1及びR2は式(II)について上文で定義した通りであり;そしてR’はC1-5アルキルである]の化合物{これらのそれぞれが、上文で定義したような、式(II)の化合物である}が、式A[Y. Tanaka et al., Tetrahedron, 29, 3271 (1973)][ここで、各R’は、独立して、C1-5アルキルである]の1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸ジエステル(好ましくはジメチルエステルである)から出発する反応順序で調製されうる。
【0121】
【化79】

【0122】
アルキル化剤[例えば、R2−ハロ(ここで、R2は式(II)について上文で定義した通りであり;そしてハロは好ましくはヨードである)又は適当な硫酸エステル、スルホン酸エステル若しくは炭酸エステル]による、塩基[例えば、K2CO3、Na2CO3又はNEt3]の存在下での、適当な溶媒[例えば、アセトニトリル、DMF又はジメチルアセトアミド]中での、周囲温度から高温でのAの処理は、常用の方法によって分離され得る、式B及びCの、位置異性体混合物を提供する。最大1等量の塩基[例えば、KOH、NaOH又はLiOH]による、プロトン性溶媒[例えばメタノール]中での、好ましくは還流条件下での式Bの化合物の鹸化は、式Dのモノエステルを提供する。フッ素化剤[例えば、DAST(三フッ化ジエチルアミノ硫黄)又は、好ましくは、SF4]による、フッ化水素酸の存在下での式Dの化合物のその後の反応は、式Eの5−CF3−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エステルをもたらす。
【0123】
あるいは、塩素化剤[例えば、塩化チオニル又はホスゲン]による、標準的な条件下での式Dの化合物の処理は、式Fの酸塩化物をもたらし、これは、不活性溶媒[例えば、酢酸エチル又はTHF]中、塩基[例えば、Hunig塩基]の存在下で接触還元されて式Gの化合物を生成し得る(改良型のRosenmund条件)。DAST、ジメトキシ−DAST又はSF4による、フッ化水素酸の存在下での、任意に溶媒を用いる、好ましくは高温での式Gの化合物のフッ素化は、式Hの5−ジフルオロメチル−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エステルを形成する。
【0124】
メタノール中での、式Gの化合物の金属水素化物還元[例えば、NaBH4又はLiBH4によるもの]は、式Jの5−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリアゾールを提供し、これから、式Kの5−フルオロメチル誘導体が、穏やかな条件下での、好ましくはDASTによる、低温(0〜−78℃)での、不活性溶媒[例えば、ジクロロメタン]中でのフッ素化によって得られる。
【0125】
あるいは、式Jの化合物の、常用の方法による水素化物還元[例えば、そのメシラート、トシラート又はヨウ化物を介するもの]は、式Lの5−メチル−1,2,3−トリアゾールをもたらす。
【0126】
式Dの化合物の塩素化[例えば、塩化チオニルによるもの]、続く、アンモニアによる、好ましくは、プロトン性溶媒[例えば、水、メタノール又はエタノール]中での処理は、式Mのアミドを提供し、これから式Nの5−シアノ−1,2,3−トリアゾールが、脱水剤[例えば、ホスホリルクロリド]によって得られる。
【0127】
【化80】

【0128】
式(II)[ここで、R1及びR2は式(I)について上文で定義した通りであり;YはOR’であり、且つR’はC1-5アルキルである]の化合物を調製するための更なる転換には、NaOBr又はNaOClによる、NaOHの存在下での式Mのアミドのホフマン転移が含まれ、これにより式Oの5−アミノ−1,2,3−トリアゾールがもたらされる。
【0129】
亜硝酸ナトリウムによる、水性の酸性条件下[例えば硫酸]での、又は亜硝酸エステル[例えば(i)−亜硝酸アミル]を用いた、有機溶媒[例えば、アセトン、ジクロロメタン又はTHF]中での、ハロゲン化物[例えば、CuCl又はCuBr]の存在下での、式Oの化合物のジアゾタート化(diazotation)は、式P[ここで、ハロはCl又はBrである]の5−ハロ−1,2,3−トリアゾールをもたらし、これは、フッ素化剤[例えばKF又はCsF]による、好ましくはDMF又はN−メチルピロリドン中での、高温での処理で、式Vの5−フルオロ−1,2,3−トリアゾールをもたらす。
【0130】
式Oの化合物のジアゾタート化及び及び加熱のもとでの酸性水性加水分解により、式Qの5−ヒドロキシ−1,2,3−トリアゾールが得られる。アルキル化剤[ヨウ化メチル、硫酸ジメチル又は炭酸ジメチル]及び塩基[例えば、NaH、K2CO3又はNa2CO3]による、極性溶媒[例えば、DMF、DMSO又はCH3CN]中での式Qの化合物の処理は、式Rの5−メトキシ−1,2,3−トリアゾールをもたらし、これはアゾイソブチロニトリル(AIBN)の存在下、塩素化剤[例えば塩素]により、又は紫外線照射により、高温で、式Sのトリクロロメトキシ誘導体に変換され得る。フッ素化剤[例えばKF又はSbF3]による式Sの化合物の処理により、式Tの5−トリフルオロメトキシ−1,2,3−トリアゾールが調製され得る。
【0131】
式Oの化合物の酸化[例えば過ホウ酸ナトリウムによるもの]又はA. Sudalai等による処理[Angew.Chem. Int. Ed. 40, 405 (2001)]は、式Uの5−ニトロ誘導体を導く。あるいは、式Uの化合物はまた、NaNO2による、極性溶媒[例えば、DMF、スルホラン(sulpholane)又はN−メチルピロリドン]中での、高温での式P又はVの化合物の処理により得られる。
【0132】
【化81】

【0133】
式(II’)[ここで、R1及びR2は式(I)について上文で定義した通りであり;YはOR’であり、且つR’はC1-5アルキルである]の化合物の、式(II)[ここで、R1及びR2は式(I)の化合物について上文で定義した通りであり、Yはハロ又はヒドロキシである]の化合物をもたらす転換には、塩基[例えばKOH又はNaOH]による、プロトン性溶媒[例えば、メタノール、エタノール又は水]中での、周囲温度又は高温での、式Wの1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸をもたらす鹸化が含まれる。標準的な条件下での式Wの化合物の塩素化[例えば、塩化チオニル、ホスゲン又は塩化オキサリルによるもの]は、式Yの酸塩化物を生成せしめる。
【0134】
DAST又はSF4による、穏やかな条件下[低温から周囲温度]での、好ましくは不活性溶媒[例えばジクロロメタン]中での式Wの化合物のフッ素化は、式Zの酸フッ化物をもたらす。
【0135】
(b)式(III)の化合物の調製
式(III)
2N−A (III)
(ここで、Aは式(I)の化合物について上文で定義した通りである)の化合物は、式(I)の化合物の調製における中間体として有用である。
【0136】
式(III)の化合物のうち大部分のo−置換アミノアリール及びアミノ−ヘテロアリールが文献公知であるが、幾つかは新規である。
【0137】
式(IIIa)の化合物は、スキーム4に従い得られる:
【化82】

【0138】
式AA(ここで、R13、R14、R15、R16及びXは式(I)の化合物について上文で定義した通りである)のオルト置換ニトロベンゾノルボナジエン[in situで生成したベンジンのディールス−アルダー付加を介して、例えばL. Paquette et al, J. Amer.Chemin. Soc.99, 3734 (1977)に記載のように6−ニトロアントラニル酸から若しくは他の適当なベンジン前駆体(H. Pellissier et al. Tetrahedron, 59, 701 (2003)を参照のこと)と、5〜7員環の1,4−ジエンとから出発して、L. Paquette et al, J. Amer.Chem. Soc.99, 3734 (1977), D. Gravel et al. Can.J. Chem. 69, 1193 (1991), J. R. Malpass et al. Tetrahedron, 48, 861 (1992), D. E. Lewis et al. Synthetic Communications, 23, 993 (1993), R. N. Warrener et al. Molecules, 6, 353 (2001), R. N. Warrener et al. Molecules, 6, 194 (2001)又はI. Fleming et al.J.Chem. Soc., Perkin Trans. l, 2645 (1998)に従い、又はそれらと同様にして得られるもの]の、Znによる、塩化アンモニウム又はアルミニウムアマルガムの存在下での、プロトン性溶媒[例えば、エタノール又は水]中での処理は、式CCのアニリンをもたらし、一方、式AAの化合物の、例えばRaNi、Pd/C又はRh/Cによる、溶媒[例えば、THF、酢酸エチル、メタノール又はエタノール]の存在下での接触水素化は、式BBのアニリンを産出せしめる。
【0139】
式(IIIb)
【化83】

{ここで、R6は、脂肪族又は脂環式の、飽和又は不飽和基[ここで、当該基は3〜13個の炭素原子及び少なくとも1個のケイ素原子並びに、任意に、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1〜3個のヘテロ原子、を含み、且つ当該基は任意に最大4個の独立して選択されるハロゲン原子によって置換される]であり、且つR7-10は式(I)において定義した通りである}は、文献の実施例から類推して調製され得る。文献には、例えばE. A. Chernyshew et al., Bull. Acad. Sci. USSR, 1960, 1323; K. T. Kang et al. , Tetrahedron Letters,32, 4341 (1991), Synthetic Comm., 24, 1507 (1994); M. Murata et al., Tetrahedron Letters 40, 9255 (1999); A. Falcou et al., Tetrahedron 56, 225 (2000); A. Arcadi et al., Tetrahedron Letters 27,6397 (1986); K. C. Nicolaou et al., Chef. Eur. J.1, 318 (1995); N. Chatani et al., J. Org.Chez. 60,834 (1995); T. Stuedemann et al., Tetrahedron 54, 1299 (1998); P. F. Hurdlik et al.,J.Org. Chem. 54, 5613 (1989); K. Karabelas et al., J. Org Chem. 51, 5286 (1986); T. Jeffery, Tetrahedron Letters 40, 1673 (1999)及びTetrahedron Letters 41, 8445 (2000); K. Olofson et al., J. Org Chem. 63, 5076 (1998); H. Uirata et al., Bull. Chem. Soc. Jap. 57, 607 (1984);及びG. Maas et al., Tetrahedron 49, 881 (1983);並びにそれらの中で引用されている文献、が含まれる。
【0140】
フェニル誘導体内へのSi含有官能性の導入についての最近のレビューは、「The Chemistry of Organosilicon Compounds」, Vols. 1-3, S. Patai, Z. Rappaport and Z. Rappaport, Y. Apeloid eds. , Wiley 1989,1998, 2001及び「Houben-Weyl Science and Synthesis」, Organometallics Vol. 4, I. Fleming ed. , G. Thieme 2002.において見ることができる。
【0141】
アニリンの別の基は、式(IIIc)
【化84】

{ここで、R’は、C2-4アルキル、C2-4ハロアルキル又はC3-6シクロアルキル(これ自体、ハロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル及びC1-4ハロアルコキシから独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)を表す}の化合物を含んで成る。
【0142】
式(IIIc)の化合物は、ベンズアルデヒドと式CH3C(O)R’[ここで、R’は式(IIIc)の化合物について上文で定義した通りである]のケトンとの、NaOH又はKOHの存在下での、溶媒(例えば水又はエタノール)中での、且つ概して還流条件下での交差アルドール縮合から出発する反応順序によって、あるいはベンズアルデヒドとウィッティッヒ試薬との標準的な条件下での反応によって調製される。結果として生じる式(IV)[ここで、R’は式(IIIc)の化合物について上文で定義した通りである]:
【化85】

のα,β−不飽和ケトンは、続いて式(V’)[ここで、R’は式(IIIc)の化合物について上文で定義した通りである]:
【化86】

の化合物へと、最初にヒドラジン一水和物とエタノール中で還流条件下反応させ、そして次にKOHの存在下で加熱(150〜250℃の範囲)する(前記溶媒を蒸留する)ことによって、変換され得る。HNO3−H2O又はHNO3−無水酢酸による、冷却容器(−30℃〜0℃の範囲)内でのニトロ化の後、結果として生じる式(VI)[ここで、R’は式(IIIc)の化合物について上文で定義した通りである]:
【化87】

のニトロベンゼンのo/p混合物は続いて分離され、そして溶媒(例えば、メタノール、エタノール又はTHF)中、周囲温度で接触還元(Pt/C/H2又はRa−Ni/H2)されて式(IIIc)の化合物を生成し得る。
【0143】
あるいは、式(IIId)[ここで、R’aは水素又はメチルである]
【化88】

の化合物の合成は、o−ニトロベンズアルデヒドと、強塩基[例えばNaH]の存在下溶媒[例えばDMSO]中、0〜85℃の範囲でシクロプロピルメチルトリフェニルホスホニウムブロミドから調製されるイリドとの、ウィッティッヒ反応によって出発する反応順序によって達成され得る。結果として生じる式(VII)
【化89】

[ここで、、R’aは水素又はメチルである]の化合物のE/Z混合物は、式(VIII)
【化90】

の化合物に、シモンズ−スミス反応(Zn−Cu、CH22、溶媒としてのエーテル)を式(VII)の化合物のオレフィン基に適用することによって変換されて、式(VIII)の化合物を生成し得る。式(IIIc)の化合物を生成するための式(VIII)の化合物のニトロ部分の還元は、式(VI)の化合物について上文で定義したのと同一の条件によって実施され得る。
【0144】
(c)式(I)の化合物の調製
【化91】

【0145】
式(I)[ここで、A、R1及びR2は上文で定義した通りであり、R3はHである]の化合物は、式(II’)[ここで、R1及びR2は上文で定義した通りであり、R’はC1-5アルキルである]の化合物と式(III)[ここで、Aは、式(I)の化合物について上文で定義した通りである]のアニリンとを、NaN(TMS)2の存在下で、−10℃から周囲温度で、好ましくは無水THF中で、J. Wang et al., Synlett,2001,1485によって説明されているように反応させることによって合成され得る。
【0146】
【化92】

【0147】
あるいは、式(I)[ここで、A、R1及びR2は上文で定義した通りであり、R3はHである]の化合物は、式(II)[ここで、R1及びR2は上文で定義した通りであり、YはOHである]の化合物と、式(III)[ここで、Aは式(I)の化合物について上文で定義した通りである]の化合物とを、活性化剤[例えばBOP−Cl]及び2等量の塩基[例えばNEt3]の存在下で反応させることによって、あるいは式(II)[ここで、YはCl、Br又はFである]の化合物と式(III)の化合物とを、1等量の塩基[例えば、NEt3、NaHCO3、KHCO3、Na2CO3又はK2CO3]の存在下、溶媒[例えば、ジクロロメタン、酢酸エチル又はDMF]中、好ましくは−10〜30℃で反応させることによって調製され得る。
【0148】
【化93】

【0149】
式(I)[ここで、R3は式(I)の化合物について、それが水素でないことを除き、上文で定義した通りである]は、式(I)[ここで、R3は水素である]の化合物と、種Y−R3[ここで、R3は式(I)の化合物について、それが水素でないことを除き、上文で定義した通りであり;Yはハロゲン、好ましくはCl、Br又はIであり;あるいはYはY−R3が無水物であるようなものであり:すなわち、R3がCOR*である場合、YはOCOR*である]とを、塩基[例えば、NaH、NEt3、NaHCO3又はK2CO3]の存在下、適切な溶媒[例えば酢酸エチル]中又は二相性混合物[例えばジクロロメタン/水の混合物]中、−10〜30℃で反応させることによって調製され得る。
【0150】
驚いたことに、今回、式(I)の新規化合物が、実用目的で、真菌並びに細菌及びウイルスによって引き起こされる疾患から植物を保護するのに、非常に有利な活性範囲を有することが明らかとなった。
【0151】
式(I)の化合物は、植物防除のための活性成分としての用途で、農業部門及び関連領域で使用されうる。当該新規化合物は、低散布量で優れた活性により、植物がより耐えられることにより、そして環境的に安全であることにより区別される。それらは、非常に有用な治療的、予防的且つ全身的特性を有し、そして多数の栽培植物を保護するために使用される。式Iの化合物は、有用な植物の異なる作物の植物又は植物の一部(果実、花、葉、茎、塊茎、根)上に発生する害虫を阻害又は破壊するために使用され、一方で、同時に、例えば植物病原性微生物から、後に生育する植物のそれらの一部を保護もする。
【0152】
また、式(I)の化合物は、植物繁殖材料、特に種子(果実、塊茎、穀類)及び植物の挿し木(例えば、コメ)の処理のために、真菌の感染並びに土壌中で発生する植物病原性真菌からの保護のために、ドレッシング剤として使用することも可能である。
【0153】
更に、本発明に従う化合物は、関連領域、例えば技術的な材料、例えば木及び木に関連する技術品の保護、食品の保存、衛生管理等において真菌を防除するために使用されうる。
【0154】
式(I)の化合物は、例えば、以下の綱の植物病原性真菌:不完全真菌(Fungi imperfecti)(例えば、ボトリチス(Botrytis)、ピリキュラリア(Pyricularia)、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)、フサリウム(Fusarium)、セプトリア(Septoria)、サーコスポラ(Cercospora)及びアルテルナリア(Alternaria))及び担子菌類(Basidiomycetes)(例えば、リゾクトニア(Rhizoctonia)、ヘミレイア(Hemileia)、プクシニア(Puccinia))、に対して有効である。更に、それらはまた、子嚢菌綱(例えば、ベンツリア(Venturia)及びエリシフェ(Erysiphe)、ポドスファエラ(Podosphaera)、モニリニア(Monilinia)、ウンキヌラ(Uncinula))、及び卵菌綱(例えば、フィトフソラ(Phytophthora)、ピシウム(Pythium)、プラスモパラ(Plasmopara))に対しても有効である。顕著な活性がうどん粉病(エリシフェ種)に対して観察されている。更に、式Iの新規化合物は、植物病原性細菌及びウイルス(例えば、ザントモナス種(Xanthomonas spp)、シュードモナス種(Pseudomonas spp)、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)並びにタバコモザイクウイルス)に対しても有効である。
【0155】
本発明の範囲において、保護される標的作物は、典型的に以下の植物種を含んで成る:穀類(コムギ、オオムギ、ライムギ、オーツムギ、コメ、トウモロコシ、モロコシ及び関連種);ビート(サトウダイコン又は飼料用ビート);ナシ状果、石果及び柔らかい果物(リンゴ、洋ナシ、プラム、モモ、アーモンド、チェリー、ストロベリー、ラズベリー及びブラックベリー);マメ科植物(マメ、レンズマメ、エンドウマメ、ダイズ);油脂植物(ナタネ、カラシナ、ポピー、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ヒマシ油植物、カカオマメ、ラッカセイ);ウリ科植物(カボチャ、キュウリ、メロン);繊維植物(綿、亜麻、麻、ジュート);柑橘植物(オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン);野菜(ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、パプリカ);クスノキ科(アボカド、シナモン、ショウノウ)又はタバコ、ナッツ、コーヒー、ナス、サトウキビ、チャ、コショウ、蔓植物、ホップ、バナナ及び天然ゴム植物、並びに観葉植物のような植物。
【0156】
式(I)の化合物は、修飾されていない形態で、又は、好ましくは製剤業界で従来採用されている佐剤と一緒に使用される。この目的のために、それらは乳剤、散布可能なペースト、直接的にスプレー可能な又は希釈可能な溶液、希釈した乳濁液、水和剤、可溶性粉末、ダスト、顆粒、そして更にはカプセル化、例えばポリマー物質でのカプセル化に対して知られている方法で都合よく調製される。組成物の型と同様に、散布方法、例えばスプレー、噴霧、散粉、散乱、コーティング又は注ぎ込みが、意図する目的及び現況に従い選択される。組成物はまた、更に佐剤、例えば安定化剤、消泡剤、粘性調節剤、結合剤又は粘着付与剤、並びに肥料、微量栄養素供与体又は特別作用を得るための他の製剤、を含むことがある。
【0157】
適当な担体及び佐剤は、固体又は液体であってもよく、そして、製剤技術において有用な物質、例えば、天然の又は再生した無機物質、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、結合剤又は肥料である。そのような担体は、例えば、WO97/33890に記載されている。
【0158】
式(I)の化合物は、通常組成物の形態で使用され、そして処置される作物領域又は植物に対し、追加の化合物と同時に又は連続して散布されうる。これらの追加の化合物は、例えば肥料又は微量栄養素又は植物の成長に影響を与える他の調製物であってもよい。それらはまた、選択的除草剤並びに殺虫剤、殺真菌剤、殺菌剤、殺線虫剤、殺軟体動物剤(molluscicide)又は複数のこれらの調製物の混合物であってもよく、所望により、これらは追加の担体、界面活性剤又は製剤業界で習慣的に採用されている、散布を促進する佐剤と一緒である。
【0159】
式(I)の化合物は、他の殺真菌剤と混合されて、時に予想されない相乗的な活性をもたらすこともある。特に好ましい混合成分は、アゾール、例えばアザコナゾール、BAY14120、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェンコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアフォル、ヘキサコナゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ピリフェノックス、プロクロラズ、プロピコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール;ピリミジニルカルビノール、例えば、アンシミドール、フェナリモール、ヌアリモール;2−アミノ−ピリミジン、例えばブピリメート、ジメチリモール、エチリモール;モルホリン、例えばドデモルフ、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、sピロキサミン、トリデモルフ;アニリノピリミジン、例えばシプロジニル、メパニピリム、ピリメタニル、;ピロール、例えばフェンピクロニル、フルジオキソニル;フェニルアミド、例えばベナラキシル、フララキシル、メタラキシル、R−メタラキシル、オフレース、オキサジキシル;ベンズイミダゾール、例えばベノミル、カルベンダジム、デバカルブ、フベリダゾール、チアベンダゾール;ジカルボキシイミド、例えばクロゾリネート、ジクロゾリン、イプロジオン、ミクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン;カルボキサミド、例えばカルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、メプロニル、オキシカルボキシン、チフルザミド;グアニジン、例えばグアザチン、ドジン、イミノクタジン;ストロビルリン、例えばアゾキシストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、SSF−129、トリフロキシストロビン、ピコキシストロビン、BAS500F(推奨名ピラクロストロビン)、BAS520;ジチオカルバメート、例えばフェルバム、マンコゼブ、マネブ、メチラム、プロピネブ、チラム、ジネブ、ジラム;N−ハロメチルチオテトラヒドロフタルイミド、カプタホル、カプタン、ジクロフルアニド、フルオロミド、フォルペット、トリフルアニド;銅化合物、例えばボルドー液、水酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、亜酸化銅、マンカッパー(mancopper)、オキシン銅;ニトロフェノール誘導体、例えばジノカップ、ニトロタール−イソプロピル、有機リン誘導体、例えばエディフェノフォス、イプロベンフォス、イソプロチオラン、ホスダイフェン、ピラゾフォス、トルクロフォス−メチル;その他大勢、例えばアシベンゾラル−S−メチル、アニラジン、ベンチアバリカルブ、ブラスチシジン−S、チノメチオネート、クロロネブ、クロロタロニル、シフルフェナミド、シモキサニル、ジクロン、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジメトモルフ、SYP−LI90(推奨名:フルモルフ)、ジチアノン、エタボキサム、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェノキサニル、フェンチン、フェリムゾン、フルアジナム、フルスルファミド、フェンヘキサミド、フォセチル−アルミニウム、ヒメキサゾール、イプロバリカルブ、IKF−916(シアゾファミド)、カスガマイシン、メタスルフォカルブ、メトラフェノン、ニコビフェン、ペンシクロン、フタリド、ポリオキシン、プロベナゾール、ピロキロン、キノキシフェン、キントゼン、サルファー、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリフォリン、バリダマイシン、ゾキサミド(RH7281)、である。
【0160】
式(I)の化合物、又は少なくとも1つの当該化合物を含む農薬組成物の好ましい散布方法は、葉面散布である。散布頻度及び散布量は、相当する病原による蔓延の危険性に依存する。しかしながら、式Iの化合物はまた、植物の一部を液体製剤に浸すことによって、又は固体、例えば顆粒型の当該化合物を土壌に散布することによって(土壌散布)、土壌を介して根から植物に浸透しうる(全身作用)。水稲作物において、そのような顆粒は、水田に散布されうる。式Iの化合物はまた、前記殺真菌剤の液体製剤により種子又は塊茎を含浸することによって、又はそれらを固体製剤でコーティングすることによって種子に対して適用(コーティング)されうる。
【0161】
製剤[すなわち、式(I)の化合物を含む組成物]、及び所望により固体又は液体の佐剤は、既知の方法で、典型的にはよく混合し、そして/あるいは当該化合物を、増量剤、例えば溶媒、固体担体及び、任意に界面活性化合物(界面活性剤)と一緒に粉砕することによって調製される。
【0162】
当該農薬製剤は、通常0.1〜99重量%、好ましくは0.1〜95重量%の式Iの化合物、99.9〜1重量%、好ましくは99.8〜5重量%の固体又は液体佐剤、及び0〜25重量%、好ましくは0.1〜25重量%の界面活性剤を含む。
【0163】
有利な散布量は、通常、1ヘクタール(ha)あたり5g〜2kgの活性成分(a.i.)好ましくは10g〜1kga.i./ha、最も好ましくは20g〜600ga.i./haである。種子のドレンチング剤を使用する場合、都合のよい量は種子1kgあたり10mg〜1gの活性成分である。
【0164】
濃縮物として商品を調製するのが好ましいが、最終消費者は通常希釈製剤を使用する。
【0165】
以下の非限定的な実施例は、上述の発明をより詳細に例示する。
【0166】
実施例1
この実施例は、化合物番号1.15[2−メチル−5−トリフルオロメチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルエステル]及び化合物番号1.13[2−メチル−5−トリフルオロメチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸]の調製を例示する。
【0167】
a)2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸ジメチルエステル及び1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸ジメチルエステルの調製
1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸ジメチルエステル(Y. Tanaka et al.Tetrahedrosl 29, 3271 (1973))(74.06g;0.40mol)、炭酸カリウム(110.57g;0.80mol)及びヨウ化メチル(73.81g;0.52mol)を、アセトニトリル(1000ml)中、40℃で20分、そして次に周囲温度で20時間反応させた。混合物を氷水上に注ぎ、そしてエーテルで抽出して、異性体混合物として粗製生成物(70.66g)を生成せしめた。酢酸エチル−ヘキサン(2:3)中でのシリカゲル上での分離は、36.51g(46%)の2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸ジメチルエステル[m. p. 86-87℃; 1H-NMR (300 MHz,DMSO-d6), δ(ppm): 4.27(s, 3H), 3.88 (s, 6H) ]及び26.92g(34%)の1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸ジメチルエステル[m. p.63-64℃; 1H-NMR (300MHz, DMSO-d6), δ(ppm): 4.19(s, 3H), 3.93(s, 3H), 3. 87(s, 3H)]を生成させた。
【0168】
b)2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸モノメチルエステルの調製
30mlのメタノール中の2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸ジメチルエステル(1.2g;6mmol)の溶液に対し、358mgのKOH(アッセイ86%;5.5mmol)を添加した。混合物を還流温度で48時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣を続いて水に取り込み、そして酢酸エチルで抽出した(3回)。一緒になった有機相は反応しなかった出発材料を含んでいた。水相を2NのHCl(pH2〜3)で酸性化し、そして酢酸エチルで抽出した(3回)。抽出物を一緒にし、乾燥させ(無水MgSO4)、そして乾燥するまで蒸発させて803mg(72%)の所望の化合物(m. p.125-126℃;1H-NMR (300 MHz,DMSO-d6), δ(ppm): 13.7(br.s, lH, D20と交換可能), 4.24 (s, 3H), 3.84 (s, 3H))を生成せしめた。
【0169】
c)2−メチル−5−トリフルオロメチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルエステル[化合物番号1.15]の調製
2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸モノメチルエステル(2.9g;15.66mmol)及びジクロロメタン(160ml)を0.3リットルのモネルオートクレーブ内に据えた。不活性雰囲気のもと、且つドライアイスで冷却して、気体のHF(27g)を−50℃で導入し、これに気体のSF4(蒸留したもの、6.9g;64.23mmolを続けて導入した。オートクレーブを80℃で6時間加熱した。最大圧力は9.8バールに達した。周囲温度に冷却した後、反応混合物を氷−ジクロロメタン上に注ぎ、そして水性NaHCO3でpH7に調整した。ジクロロメタンによる抽出(3回)、Na2SO4上での乾燥、そして減圧下での蒸発は、粗製生成物をもたらした。3ミリバールで且つ約180℃でのkugelrohr蒸留による生成は、黄色がかった液体として、2.8g(85%)の化合物番号1.15を生成せしめる。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3), δ(ppm): 4.29(s, 3H), 3.97(s, 3H);
19F-NMR (235 MHz,Cl3), δ(ppm):-61.7.
13C-NMR (125 MHz,CDCl3), δ(ppm) : 159.05, 139.65(q,JC(5)F= 40.8 Hz), 137.20, 119.63 (q, JCF= 269.4 Hz, CF3), 52.96, 43.01.
【0170】
d)2−メチル−5−トリフルオロメチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸(化合物番号1.13)の調製
THF(50ml)中の、2−メチル−5−トリフルオロメチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルエステル[化合物番号1.15](2.09g;0.01mmol)及びKOH(86%;0.783g;1.2等量)の溶液を還流温度で3.5時間加熱した。当該溶液を蒸発させ、残渣を水に溶解し、そしてHCl(1M)でpH1〜2に酸性化した。当該水溶液の蒸発、これに続く酢酸エチル中での20時間の連続抽出は、結晶性固体として化合物番号1.13(2.11g;100%)を生成せしめた。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6), δ(ppm): 4.19 (s, 3H).
19F-NMR (235 MHz, DMSO-d6), δ(ppm) : -59.3.
13C-NMR (125 MHz,DMSO-d6), δ(ppm) : 160.74, 144.08, 135.81(q, JC(5)F= 38. 1 Hz), 120.63 (q, JCF= 268.4 Hz, CF3), 42.20.
【0171】
実施例2
この実施例は、化合物番号1.03[2−メチル−5−ジフルオロメチル−2H−1,2,3−トリアゾール−5−カルボン酸メチルエステル]の調製を例示する。
【0172】
a)5−クロロカルボニル−2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルエステルの調製
メチル2−メチル−1,2,3−トリアゾール4,5−ジカルボキシラート(2.3g;0.011mmol)を、塩化オキサリル(1.46ml;0.014mol)及び2滴のDMFとジクロロメタン(20ml)中で、20℃で反応させた。激しい反応が終了したとき、温度を15時間還流温度に上昇させた。この混合物を乾燥するまで蒸発させ、2.7gの酸塩化物を固体として生成せしめた。1H-NMR (300 MHz, CDCl3), δ(ppm): 4.48(s, H), 4.0(s, 3H).
【0173】
b)5−ホルミル−2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルエステルの調製
新たに調製した5−クロロカルボニル−2−メチル−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルエステル(2.7g;約13mmol)のTHF(270ml)溶液に対し、エチル−ジイソプロピル−アミン(1.88g;1.1等量)を添加した。この混合物を2.7gの10%Pd/Cの存在下、0〜5℃で、標準圧で2時間半水素化し、そして次に触媒から濾過した。この透明な溶液を蒸発させて、固体としての粗製生成物を生成させ、これを再び酢酸エチル中で溶解し、そして数分シリカゲルと一緒に攪拌した。濾過及び蒸発の後、1.77g(84%)の純粋な生成物がオフホワイトの結晶として得られた[m. p.107-108℃; IH-NMR (300 MHz, CDCl3), δ(ppm) : 10.43(s, 1H), 4.33(s, 3H), 4.01(s, 3H)]。
【0174】
c)2−メチル−5−ジフルオロメチル−2H−1,2,3−トリアゾール−5−カルボン酸メチルエステル[化合物番号1.03]の調製
0.5mlのCHCl3中の5−ホルミル−2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−5−カルボン酸メチルエステル(600mg;3.5mmol)を、(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)スルフトリフルオリド(1350mg;6.1mmol)と周囲温度から50℃で6日間反応させた。結果として生じた橙色の溶液を、慎重に6mlの飽和NaHCO3水溶液でクエンチングし(激しい反応)、そして酢酸エチルで抽出した(2回)。一緒にした有機相をNaHCO3水溶液で洗浄し、無水MgSO4上で脱水し、そして蒸発させて351mg(52%)の無色の結晶を生成せしめた。
1H-NMR(300MHz,Cl3), δ(ppm): 7.15 (t,JHF = 53.5 Hz, 1H,H-CF2), 4.30(s, 3H), 3.98(s, 3H); 19F-NMR (235 MHz, CDCl3), δ(ppm):-116. 1;13C-NMR (125MHz,CDCl3), δ(ppm) : 160. 0, 143.6(t, JC(5)F=25.6 Hz), 137.2, 108.0(t, J(CF)= 237.8 Hz, CHF2), 52.6, 42.7].
【0175】
実施例3
この実施例は、化合物番号1.50[2−メチル−5−フルオロメチル−2H−1,2,3−トリアゾール−5−カルボン酸メチルエステル]の調製を例示する。
【0176】
a)5−ヒドロキシメチル−2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルエステルの調製
メタノール(100ml)中の2.6g(13.3mmol)の5−ホルミル−2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルエステル(実施例2aを参照のこと)をNaBH4(601mg)を用いて、拡販しながら、周囲温度で1時間処理した。この反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチングし、酢酸エチルで抽出し、Na2SO4で脱水し、そして蒸発させて粗製物を油として生成せしめた。酢酸エチル−ヘキサン(2:1)中でのシリカゲル上での分離により、1.85g(81%)の結晶性生成物(m. p.112-113℃)が生成した。
1H-NMR(300MHz, CDCl3), δ(ppm): 4.86(d, J= 6.9 Hz, 1H), 4.22(s, 3H), 3.98(s, 3H), 3.53(t; J= 6.9 Hz, D20と交換可能).
【0177】
b)2−メチル−5−フルオロメチル−2H−1,2,3−トリアゾール−5−カルボン酸メチルエステル[化合物番号1.50]の調製
CH2Cl2(15ml)中の5−ヒドロキシメチル−2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルエステル(200mg;1.1mmol)を、0.26mlのジエチルアミノスルフトリフルオリド(2mmol)と15分間−40℃で反応させ、続いてこれを周囲温度で15時間反応させた。蒸発後、粗製生成物を酢酸エチル−ヘキサン(3:1)中でのシリカゲル上で生成し、181mg(95%)の所望の生成物(m. p.64-66℃)を生成せしめた
1H-NMR(300MHz, CDCl3), δ(ppm): 5.66 (d,JHF = 47.5 Hz, 2H, H2-CF), 4.26(s, 3H), 3.96(s, 3H).
9F-NMR (235 MHz,CDCl3), δ(ppm) : -214.
13C-NMR (125MHz,CDCl3), δ(ppm) : 161.6, 145. 86 (d, JC(5)F= 18.7 Hz), 137.09, 74.82 (d,JCF=166. 6 Hz, CH2F), 52.2, 42.3.
【0178】
実施例4
この実施例は、化合物番号3.017[5−ジフルオロメチル−2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸(4’−クロロ−ビフェニル−2−イル)−アミド]の調製を例示する。
【0179】
2−メチル−5−ジフルオロメチル−2H−1,2,3−トリアゾール−5−カルボン酸メチルエステル(300mg;1.57mmol)及び4’−クロロ−ビフェニル−2−イルアミン(320mg;1.57mmol)のTHF(3ml)溶液に対し、ナトリウムビス(トリメチルシリル)−アミド(THF中0.88ml、2M;1.76mmol;1.12等量)をシリンジにより0℃で15分かけて添加した。反応混合物を0℃で15分攪拌し、そして次に周囲温度で22時間攪拌した。続いてそれを冷却した飽和NH4Cl溶液上に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。塩水で洗浄した後、これを乾燥させ(無水MgSO4)、そして乾燥するまで蒸発させて固体を生成せしめ、これをヘキサンで粉砕した。無色の結晶生成物を濾過し、そして乾燥させた:300mg(53%)[m. p.155-156℃; 1H-NMR(300MHz, CDCl3), δ(ppm): 8.5 (br, D20と交換可能, 1H), 8.4 (d, 1H), 7.5-7. 2 (m, 7H), 7.38 (t,JHF= 52.5 Hz, 1H, CHF2), 4.2 (s, 3H), LC-MS: 363(M+H)]。
【0180】
実施例5
この実施例は、化合物番号2.219[2−メチル−5−トリフルオロメチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸[2−(1,3−ジメチル−ブチル)−フェニル]−アミド]の調製を例示する。
【0181】
2−メチル−5−トリフルオロメチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルエステル(150mg;0.75mmol)及び2−(1,3−ジメチル−ブチル)−フェニルアミン(133mg;0.75mmol)の1.5mlのTHF溶液に対し、ナトリウムビス(トリメチルシリル)−アミド(THF中0.638ml、2M;1.7等量)をシリンジにより周囲温度で添加した。反応混合物を20時間攪拌し、そして次に冷却した飽和NH4Cl上に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。塩水で洗浄した後、これを乾燥させ(無水MgSO4)、そして乾燥するまで蒸発させて粗製生成物を生成せしめ、これをシリカゲル上、シクロヘキサン−酢酸エチル(18:1)において精製した。結晶性の生成物をヘキサン中で粉砕し、濾過し、そして真空で乾燥させて130mg(49%)の化合物番号2.219を生成せしめた[mp 94.6-95.4℃; 1H-NMR(300MHz, CDCl3), δ(ppm) : 8.5 (br. s, D2Oと交換可能, 1H), 8.0(d, lH), 7.3-7. 15(m, 3H), 4.33(s, 3H), 3.0(m,lH),1. 55-1.35(m, 3H), 1.26(d, 3H), 0.9(2d,6H) ; LC-MS: 355.6 (M+H) ]。
【0182】
実施例6
この実施例は、化合物番号26.014[1,8−ジメチル−11−オキサ−トリシクロ[6.2.1.0*2.7*]ウンデカ−2,4,6−トリエン−3−イル−アミン]の調製を例示する。
【0183】
1,4−ジメチル−5−ニトロ−1,4−ジヒドロ−エポキシナフタレン(5.49g;25.27mmol)(T. Nishiyama et al., Rikagaku-ken, 28, 37-43 (2000)を参照のこと)の55mlのTHF溶液をRaNi(1.1g)の存在下周囲温度で水素化した。水素の摂取は、18時間後には2.23リットル(97%)であった。触媒を濾過した後、濾液を蒸発させ、そしてエーテル内に取り込み、NaHCO3水溶液で洗浄し、そして乾燥させて(Na2SO4)4.60gの粗製生成物を油として生成させた。ヘキサン及び微量のエーテルによる粉砕は、全量4.5g(94%)の赤色がかった融点92〜93℃の結晶性生成物を生成させた。
1H-NMR (300 MHz, CDC13), δ(ppm): 7.05 (t, 1H), 6.7(t, 2H), ca. 5 (br., D20と交換可能, 2H), 2.0(s, 3H),1. 9(m, 2H), 1.8(s, 3H), 1.7(m,lH), 1.5(m, 1H).
【0184】
実施例7
この実施例は、化合物番号26.001[1,8−ジメチル−11−オキサ−トリシクロ[6.2.1.0*2.7*]ウンデカ−2,4,6,9−テトラエン−3−イル−アミン]の調製を例示する。
【0185】
エタノール(60ml)中の1,4−ジメチル−5−ニトロ−1,4−ジヒドロ−エポキシナフタレン(4.22g;19.43mmol)(実施例6を参照のこと)に対し、H2O(5.2ml)の塩化アンモニウム(2.08g)の溶液を47℃で添加した。激しく攪拌しながら、亜鉛粉末(9.10g;0.14mol)を一部5分間かけて添加した。懸濁液を加熱して5時間半還流させ、続いてHyflo(商標)を介して濾過し、透明な黄色い濾液を生成させた。蒸発後、粗製生成物が、粘性のある油として、4.57gに達した。シリカゲル上での、酢酸エチル−ヘキサン(1:4)中でのカラムクロマトグラフィーは、所望の生成物を茶色がかった融点92〜96℃の結晶としてもたらした。
1H-NMR (300 MHz, Cl3), δ(ppm): 6.85 and 6.7(two m, 2x2H), 6.47(t,lH), ca. 5-3 (br. ,D20と交換可能, 2H), 2.07(s, 3H), 1.85(s, 3H).
【0186】
式(I)の化合物の製剤例
式Iの製剤、例えば乳剤、溶液、顆粒、ダスト及び水和剤を調製するための作業手順は、WO97/33890に記載されている。
【0187】
生物学的実施例:殺真菌作用
実施例B−1:プクシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)に対する作用/コムギ(コムギに対する褐色のさび病(Brownrust))
一週齢のコムギ植物品種アリーナ(Arina)を、スプレーチャンバーにおいて、調製した試験化合物(0.02%の活性成分)で処理する。散布から一日後、コムギ植物は、胞子懸濁液(1x105夏胞子/ml)を試験植物上にスプレーすることによって植菌される。20℃で且つ95%の相対湿度での2日間のインキュベーション期間の後、植物を20℃で且つ60%の相対湿度で、8日間温室内で維持する。病気の発生は植菌から10日後に評価する。
【0188】
蔓延は、化合物2.273, 3.219, 3.273, 3.321, 8.189, 9.189, 20.017, 20.022, 21.017及び21.022のそれぞれを用いて、実質的に完全に予防される(0〜5%の蔓延)。
【0189】
実施例B−2:ポドスファエラ・ロイコトリチャ(Podosphaera leucotricha)に対する作用/リンゴ(リンゴに対するうどん粉病(Powderv mildew))
5週齢のリンゴの苗(品種マッキントッシュ(McIntosh))を、スプレーチャンバーにおいて、調製した試験化合物(0.02%の活性成分)で処理する。散布から一日後、リンゴ植物は、上述のリンゴのうどん粉病に感染した植物を試験植物と一緒に振とうすることによって植菌される。22℃且つ60%の相対湿度で、14/10時間(明/暗)の光周期のもとでの12日間のインキュベーション期間の後、当該病気の発生を評価する。
【0190】
化合物2.005, 3.017, 3.219及び 9.189は、それぞれ強力な効果を示す(<20%の蔓延)。
【0191】
実施例B−3:ベンツリア・イナエカリス(Venturia inaequalis)に対する作用/リンゴ(リンゴに対する黒星病(Scrab))
4週齢のリンゴの苗(品種マッキントッシュ(McIntosh))を、スプレーチャンバーにおいて、調製した試験化合物(0.02%の活性成分)で処理する。散布から一日後、リンゴ植物は、胞子懸濁液(4x105分生子/ml)を試験植物上にスプレーすることによって植菌される。21℃で且つ95%の相対湿度での4日間のインキュベーション期間の後、当該植物は、21℃で且つ60%の相対湿度で、温室内に4日間据えられる。21℃で且つ95%の相対湿度での更なる4日間のインキュベーション期間の後、当該病気の発生を評価する。
【0192】
化合物3.017, 3.219及び9.189は、それぞれ強力な効果を示す(<20%の蔓延)。
【0193】
実施例B−4:エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)に対する作用/オオムギ(オオムギに対するうどん粉病)
一週齢のオオムギ植物(品種レッジーナ(Regina))を、スプレーチャンバーにおいて、調製した試験化合物(0.02%の活性成分)で処理する。散布から一日後、オオムギ植物は、上述のうどん粉病に感染した植物を試験植物と一緒に振とうすることによって植菌される。20℃/18℃(昼/夜)で60%の相対湿度での6日間の温室内でのインキュベーション期間の後、当該病気の発生を評価する。
【0194】
化合物2.017, 2.029, 2.273, 3.005, 3.017, 3.029, 3.067, 3.070, 3.219, 3.273, 3.321, 3.407, 8. 189,9. 189及び21.017は、それぞれ強力な効果を示す(<20%の蔓延)。
【0195】
実施例B−5:ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に対する作用/ブドウ(ブドウに対する灰色カビ病(Botrytis))
5週齢のブドウの苗(品種グートエーデル(Gutedel))を、スプレーチャンバーにおいて、調製した試験化合物(0.02%の活性成分)で処理する。散布から2日後、当該ブドウ植物は、胞子懸濁液(1x106分生子/ml)を試験植物上にスプレーすることによって植菌される。21℃で且つ95%の相対湿度での4日間のインキュベーション期間の後、当該病気の発生を評価する。
【0196】
化合物2.029, 3.017及び3.219は、それぞれこの試験において良好な効果を示す(<50%の病気の発生)。
【0197】
実施例B−6:ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に対する作用/トマト(トマトに対する灰色カビ病)
4週齢のトマト植物(品種ローターノーム(Roter Gnom))を、スプレーチャンバーにおいて、調製した試験化合物(0.02%の活性成分)で処理する。散布から2日後、トマト植物は、胞子懸濁液(1x105分生子/ml)を試験植物上にスプレーすることによって植菌される。20℃で且つ95%の相対湿度での4日間のインキュベーション期間の後、当該病気の発生を評価する。
【0198】
化合物2.029, 3.005, 3.029, 3.067, 3.070, 3.219, 3.273, 9.189及び20.017は、それぞれ強力な効果を示す(<50%の病気の発生)。
【0199】
実施例B−7:セプトリア・ノドラム(Septoria nodorum)に対する作用/コムギ(コムギに対するセプトリア葉枯病(Septoria leaf spot))
一種例のコムギ植物(品種アリーナ(Arina)を、スプレーチャンバーにおいて、調製した試験化合物(0.02%の活性成分)で処理する。散布から一日後、コムギ植物は、胞子懸濁液(5x105分生子/ml)を試験植物上にスプレーすることによって植菌される。20℃で且つ95%の相対湿度での1日間のインキュベーション期間の後、植物を20℃で且つ60%の相対湿度で、10日間温室内で維持する。当該病気の発生は植菌から11日後に評価する。
【0200】
化合物3.273及び9.189は、それぞれ本試験において良好な活性を示す(<50%の病気の発生)。
【0201】
実施例B−8:ヘルミントスポリウム・テレス(Helminthosporium teres)に対する作用/オオムギ(オオムギに対する網斑病)
一週齢のオオムギ植物(品種レッジーナ(Regina))を、スプレーチャンバーにおいて、調製した試験化合物(0.02%の活性成分)で処理する。散布からニ日後、当該オオムギ植物は、胞子懸濁液(3x104分生子/ml)を試験植物上にスプレーすることによって植菌される。20℃で且つ95%の相対湿度での4日間の温室内でのインキュベーション期間の後、当該病気の発生が評価される。
【0202】
化合物2.005, 2.017, 2.029, 2.067, 2.070, 2.273, 3.005, 3.017, 3.029, 3.067, 3.070, 3.219, 3.407, 9.189及び21.017は、それぞれこの試験において良好な効果を示す(<20%の病気の発生)。
【0203】
実施例B−9:アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)に対する作用/トマト(トマトに対する夏疫病(Early blight))
四週齢のトマト植物(品種ローターノーム(Roter Gnom))を、スプレーチャンバーにおいて、調製した試験化合物(0.02%の活性成分)で処理する。散布からニ日後、当該トマト植物は、胞子懸濁液(2x105分生子/ml)を試験植物上にスプレーすることによって植菌される。20℃で且つ95%の相対湿度での3日間のグロースチャンバー内でのインキュベーション期間の後、当該病気の発生が評価される。
【0204】
化合物2.005, 2.029, 3.005, 3.017, 3.029及び9.189は、それぞれこの試験において良好な効果を示す(<20%の病気の発生)。
【0205】
実施例B−10:ウンキヌラ・ネカトル(Uncinula necator)に対する作用/ブドウ(ブドウに対するうどん粉病)
5週齢のブドウの苗(品種グートエーデル(Gutedel))を、スプレーチャンバーにおいて、調製した試験化合物(0.02%の活性成分)で処理する。散布から一日後、当該ブドウ植物は、上述のうどん粉病に感染した植物を試験植物と一緒に振とうすることによって植菌される。26℃で且つ60%の相対湿度で、14/10時間(昼/夜)の光周期のもとでの7日間のインキュベーション期間の後、当該病気の発生が評価される。
【0206】
化合物3.017, 3.219及び9.189は、それぞれこの試験において良好な効果を示す(<20%の病気の発生)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

{ここで、Aは、式(A1)〜(A22);
【化2】

【化3】

(Qは単結合又は二重結合であり;XはO、N(R18)、S又は(CR1920)(CR2122m(CR2324nである)から選択される、オルト置換された環であり;R1は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ又は任意に置換されたC2-4アルケニル、任意に置換されたC2-4アルキニル若しくは任意に置換されたSO2(C1-4)アルキル(ここで、任意に置換された部分は、それぞれ最大3個の置換基を有することがあり、これらはそれぞれ独立してハロゲン及びC1-4アルコキシから選択される)であり;R2は、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル若しくはC1-4アルキルチオ(C1-4)アルキル又は[任意に置換されたアリール](C1-4)アルキル−若しくは[任意に置換されたアリール]オキシ(C1-4)アルキル−(ここで、任意に置換されたアリール部分は、それぞれ最大3個の置換基を有することがあり、これらはそれぞれ独立してハロゲン及びC1-4アルコキシから選択される)であり;R3は、水素、CH2C≡CR4、CH2CR4=C(H)R4、CH=C=CH2若しくはCOR5又は任意に置換されたC1-4アルキル、任意に置換されたC1-4アルコキシ若しくは任意に置換された(C1-4)アルキルC(=O)O(ここで、任意に置換された部分は、それぞれ最大3個の置換基を有することがあり、これらはそれぞれ独立してハロゲン、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、C1-2ハロアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、メチルスルホニル及びエチルスルホニルから選択される)であり;各R4は、独立して、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ又はC1-4アルコキシ(C1-4)アルキルであり;R5は、水素又は任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC1-4アルコキシ、任意に置換されたC1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、任意に置換されたC1-4アルキルチオ(C1-4)アルキル若しくは任意に置換されたアリール(ここで、任意に置換された部分は、それぞれ最大3個の置換基を有することがあり、これらはそれぞれ独立してハロゲン、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルから選択される)であり;R6はフェニル[ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C1-4ハロアルキルチオ、C(H)=N−OH、C(H)=N−O(C1-6アルキル)、C(C1-6アルキル)=N−OH、C(C1-6アルキル)=N−O−(C1-6アルキル)、(Z)pC≡CR25及び(Z)pC≡CR28=CR2627からそれぞれ独立して独立して選択される最大3個の置換基によって、任意に置換される]、5〜6員の複素環[ここで、当該環は1〜3個のヘテロ原子(それぞれ独立して、酸素、硫黄及び窒素から選択される)を含み、且つ当該環は、任意に最大3個の置換基によって置換され、これらはそれぞれ独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C(H)=N−O−(C1-6アルキル)及びC(C1-6アルキル)=N−O−(C1-6アルキル)から選択される]、C3-12アルキル[ハロゲン、シアノ、C1-4アルコキシ、C1-4チオアルキル、COO−C1-4アルキル、=N−OH、=N−O−(C1-4アルキル)、C3-8シクロアルキル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)及びC4-8シクロアルケニル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)からそれぞれ独立して選択される、最大6個の置換基によって任意に置換される]、C2-12アルケニル[ハロゲン、シアノ、C1-4アルコキシ、C1-4チオアルキル、COO−(C1-4アルキル)、=N−OH、=N−O−(C1-4アルキル)、C3-8シクロアルキル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)及びC4-8シクロアルケニル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)からそれぞれ独立して選択される、最大6個の置換基によって任意に置換される]、C2-12アルキニル[ハロゲン、シアノ、C1-4アルコキシ、C1-4チオアルキル、COO−C1-4アルキル、=N−OH、=N−O−(C1-4アルキル)、C3-8シクロアルキル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)、Si(CH33及びC4-8シクロアルケニル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)からそれぞれ独立して選択される、最大6個の置換基によって任意に置換される]、C3-8シクロアルキル[ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C1-4チオアルキル、C3-6シクロアルキル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)及びフェニル(これ自体が、最大5個の独立して選択されたハロゲン原子によって任意に置換される)からそれぞれ独立して選択される、最大3個の置換基によって任意に置換される]、C4-8シクロアルケニル[ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C1-4チオアルキル、C3-6シクロアルキル(これ自体が、C1-4アルキル、ハロゲン、C1-4アルコキシ及びC1-4ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される最大3個の置換基によって任意に置換される)及びフェニル(これ自体が、最大5個の独立して選択されるハロゲン原子によって任意に置換される)からそれぞれ独立して選択される、最大3個の置換基によって任意に置換される]、C6-12ビシクロアルキル[ハロゲン、C1-4アルキル及びC1-4ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される、最大3個の置換基によって任意に置換される]又は脂肪族の飽和若しくは不飽和の基[ここで、当該基は3〜13個の炭素原子及び少なくとも1個のケイ素原子並びに、任意に、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1〜3個のヘテロ原子、を含み、且つ当該基は任意に最大4個の独立して選択されるハロゲン原子によって置換される];R7、R8、R9、R10、R11及びR12はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C1-4チオアルキル又はC1-4チオハロアルキルであり;R13、R14、R15、R16及びR17はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C(O)CH3、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C1-4チオアルキル、C1-4チオハロアルキル、ヒドロキシメチル又はC1-アルコキシメチルであり;R18は、水素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、ホルミル、C(=O)C1-4アルキル(ハロゲン又はC1-4アルコキシによって任意に置換される)又はC(=O)O−C1-6アルキル(ハロゲン、C1-4アルコキシ又はCNによって任意に置換される)であり;R19、R20、R21、R22、R23及びR24はそれぞれ、独立して、C1-6アルキル、C1-6アルケニル[共に、ハロゲン、ヒドロキシ、=O、C1-4アルコキシ、O−C(O)−C1-4アルキル、アリール又は3〜7員の炭素環(これ自体が、最大3個のメチル基によって任意に置換される)によって任意に置換される]、3〜7員の炭素環(最大3個のメチル基によって任意に置換され、且つ、窒素及び酸素から選択される1つのヘテロ原子を任意に含む)、水素、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-4アルコキシであり;あるいはR1920は、それらが結合する炭素原子と一緒に、カルボニル基、3〜5員の炭素環(最大3個のメチル基によって任意に置換される)、C1-6アルキリデン(最大3個のメチル基によって任意に置換される)又はC3-6シクロアルキリデン(最大3個のメチル基によって任意に置換される)であり;R25は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C1-4ハロアルコキシ(C1-4)アルキル又はSi(C1-4アルキル)3であり;R26及びR27はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、C1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルであり;R28は水素、C1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルであり;mは0又は1であり;nは0又は1であり;pは0又は1であり;且つZはC1-4アルキレンである}の化合物。
【請求項2】
Aが式(A1)、(A2)、(A3)、(A16)、(A17)、(A18)、(A19)、(A20)及び(A22)から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
1がC1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、NO2、CN又はOCF3である、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
2がC1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル又はC1-4アルキルチオ(C1-4)アルキルである、請求項1、2又は3に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
3が水素、CH2C≡CR4、CH2CR4=C(H)R4、CH=C=CH2又はCOR5である、請求項1、2、3又は4に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
式(II)
【化4】

(ここで、R1及びR2は請求項1で定義した通りであり、Yはハロゲン、ヒドロキシ又はC1-5アルコキシである;但し、R1がクロロであり、且つR2が4−CH3O−C64−CH2−である場合、YはC25Oではない;R1がCH3Oであり、且つR2がCH3である場合、YはC25Oではない;R1がブロモであり、且つR2がCH3OCH2である場合、YはCH3Oではない;そして、R1がCH3であり、且つR2がC25である場合、YはOHではない)の化合物。
【請求項7】
式(IIIa)
【化5】

{ここで、R13、R14、R15、R16、X及びQは請求項1で定義した通りである;但し、R13、R14、R15及びR16がそれぞれHである場合、Xは、Qが二重結合である場合にはCH2ではなく、そしてXは、Qが単結合又は二重結合である場合には、CH2CH2ではない;そして、R13がCH3であり、R14がOCH3であり、R15及びR16が共にHである場合、Xは、Qが単結合である場合には、CH2CH2ではない}の化合物。
【請求項8】
植物への微生物の攻撃又は蔓延を防ぎ又は予防するための組成物であって、活性成分が適当な担体と一緒の請求項1に記載の式(I)の化合物である、組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の式(I)の化合物の、植物、その一部又はその部位(locus)に対する散布により植物病原性微生物の栽培植物への蔓延を防ぎ又は予防する方法。

【公表番号】特表2006−502244(P2006−502244A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501204(P2005−501204)
【出願日】平成15年8月18日(2003.8.18)
【国際出願番号】PCT/EP2003/009111
【国際公開番号】WO2004/018438
【国際公開日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】