説明

化学脱水剤を用いて紙を脱水するプレス部及びパルプ乾燥機を制御するためのシステム及び方法

本発明は、自動制御システム、方法及びこのような制御システムを使用して製紙プロセスにおいて紙ウェブに適用する化学脱水剤の定量的な適用によってプレス部における脱水量を自動的に制御する製紙機械を提供する。この制御システムは、紙ウェブに適用する化学脱水剤の量を制御するためのフィードバック制御器と、プレス部を出る紙ウェブの水分の測定値を取得する監視装置とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定量的に化学脱水剤を適用することによってプレス部を制御し、プレス部の固結工法によって与えられる様々なシートの特性に対して好ましい効果を有する製紙システム及びパルプ乾燥製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な製紙機械における製紙プロセスの際に、繊維の原料及び水分が移動する形成ファブリックに供給される。そして、水分の多くがファブリックを通って排出され、紙の繊維を有する繊維状のウェブ又は繊維マットを製紙原料からファブリックの上に形成する。大部分の製紙機械では、75から80%の水分を含む紙ウェブがクーチを出る。
【0003】
湿ったウェブは、クーチから含水量を機械的に45−60%に減らすことのできるプレス部に移動する。製紙機械のプレス部は、油圧を利用して一連のプレスニップを通してウェブに圧縮力を加え、シートが乾燥部に進み続ける前に、ウェブからできるだけ多くの水分を取り除く。また、プレス部は、シートを固めてシートの強さを改善し、容量を減らし、シートの滑らかさを増やし、横断方向(CD)の水分分布を確実に均一にする。
【0004】
そして、ウェブは、乾燥部に移動して蒸発によってウェブの含水量を最終的な所望のレベルまで減らす乾燥ドラムを横切り、切断又はそうでなければ加工及び包装可能な紙製品をもたらす。一般的に、乾燥部が、5−10%の水分を含む紙のシートを生産する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
乾燥部の前にプレス部がウェブから水分を取り除く程度は、乾燥部が大量のエネルギを消費するため、効率的且つ経済的な製紙機械の動作を達成するのに最も重要である。乾燥部は、蒸気熱を使用してシートから自由且つ結合水分を蒸発させるものであり、資本コスト及び動作コストの点から観ると、製紙機械の最も高価な部分である。乾燥部において製紙原料のほんの1%の水分が除去されるが、除去される水分の単位当たりのコストは、プレス部におけるそれよりも20倍以上である。
【0006】
乾燥部における蒸気の消費量は、入ってくるシートの含水量が増加するにつれて劇的に増加する。例えば、乾燥部に入るシートの水分が7%増加すると、乾燥されたシートが同じ水分を得るのに蒸気の使用量が34%増加する。さらに、蒸気の圧力が高くなるにつれて蒸気の潜熱が減って、蒸気温度が高くても高い蒸気圧で乾燥機を作動させるのによりコストがかかる。結果として、ウェブが乾燥部に入る前に、ウェブから水分の除去を最大限にするのが望ましい。
【0007】
湿ったウェブがプレス部を横切る際に、湿ったウェブは1又はそれ以上のプレスファブリック、又は、本書の目的では一種のプレスファブリックとして定義できるベルトと接触する。ウェブのプレスは、プレスニップの2つのロールの間で行われる。ウェブがニップの中に入ると、ウェブ及びプレスファブリックの圧縮が、取り込まれた空気がウェブ及びファブリックの双方から流れ出ることで始まる。油圧が増加すると、水がウェブからファブリックに移動する。ファブリックが飽和すると、余分な水がファブリックから流れ出る。この時点で、ウェブがロール間で最も接近した地点にあり、油圧は最大となっている。ウェブがこの地点から出ると、圧力がゼロに戻り、紙のシートが最も乾いた状態となる。最終的に、紙及びファブリックがプレスニップから出て互いに離れることで、紙の中に僅かな減圧が生じて紙のシートが多少再び濡れる。
【0008】
このような水分の再吸収は好ましくなく、プレス部の供給業者及び製紙機械による布地の製造業者によって、このような影響を最小限にするための取り組みがなされている。機械について言えば、シート及びファブリックの急速な分離が、再び濡れる時間を減らすために行われる。さらに、様々なタイプの水の容器を設けて、ファブリックから水が除去されるのを促進している。また、製紙機械による布地の製造業者は、特定のプレス位置に不透水性のベルト又は低透水性のファブリックを使用して、再び濡れてしまう影響を減らしている。
【0009】
プレス部でウェブから除去される水の量を決定する操作因子を、機械の構造と、原料及びシートの性質と、動作要素と含む3つのカテゴリーに分けることができる。機械の構造の因子は、機器製造者によって決定され、プレス部のオペレータによって制御されない。これらの因子は、ロールの硬さ及び直径、プレス機の構成、及びプレスニップの構造を含む。
【0010】
プレス部に入るウェブの性質のばらつきによって、プレス部を出るシートの含水量に影響を与える。これらの性質は、製紙原料のタイプ、自由度、繊維の細かさ、充てん物の量、固有の保水性、圧縮性、坪量、ウェブの温度、及び水分レベルを含む。製紙プロセスの際に、これらの特性は、特徴のない様式で様々な程度変動し、プレス部を出るシートの最終的な含水量のばらつきをもたらす。これらのばらつきを最小限にする試みがなされているが、紙の製造の際にある程度の成功しか収めていない。
【0011】
プレス部では、機械のスピード、プレス負荷、及びプレスファブリックの構造及びメンテナンスといった操作因子を制御して、プレス部の性能を最適化できる。実際のところ、これらの因子は、各々の因子がシートの水分にどの程度影響するのかが一般に知られていないため、制御するのが難しい。プレスファブリックの洗浄及び耐用年数は、プレス部全体の作動における実質的影響を有し、オペレータによって製紙機の重要なコストとして注意が払われる。
【0012】
上記の因子は、最終製品に影響を与えるプロセスの相違として機能する。現在のところ、製紙作業の際に、たとえ有ったとしても、これらの因子のほとんどは測定されていない。
【0013】
製紙作業において、均一な坪量の分布を具えた高品質の紙を製造するため、シートを形成する際にシート全体で均一な水分分布を維持するのが望ましい。質が悪い水分分布によって、局所的な乾燥のし過ぎ又は乾燥の不足、粗悪な紙質、機械の動作コストの増加、及び性能の減少をもたらす。このため、稼働時に、プレス部よりも前の特に横断方向のウェブの水分は、測定及び制御すべき潜在的に最も重要なパラメータである。しかしながら、コスト及び実施の難しさのために、過去に、このようなことがなされていない。
【0014】
水分を測定すれば、様々なプロセスパラメータを制御するためのフィードフォワード制御方法によって、各紙質及び紙の坪量の生産をより正確に制御することを開発できるであろう。これを実現するために、水分センサを使用して、ウェブがプレス部に入る直前のウェブの水分を測定できる。制御器が、この水分値を使用してプレス部を出る製品の見込まれる水分を予測して、必要ならば、制御要素を調整するための制御動作を決定できる。例えば、プレス負荷、プレスの真空度又はプレス部におけるシャワーの水温を、プレス部を出るシートの見込まれる水分をより望ましい値にするように、調整できるであろう。
【0015】
フィードフォワード法は、プレス部の動作パラメータが、変動する入ってくる水分を有する紙ウェブの脱水にどのように影響を及ぼすかといった、理解力があり量的な知識を要し、ウェブの特性及び作製する紙の型といった何らかの他の計り知れない外乱の変動が、このような調整によってどのように影響を受けるかといった量的な知識を要するため、開発するのが困難である。さらに、フィードフォワード制御は、制御されている実際のプレス装置のみに適用できるため、このような情報は、各プレスアッセンブリで唯一である。
【0016】
プロセス制御のためのもう一つの可能性のある方法は、フィードバック・ループを使用することであり、プレス部から出るシートの水分といった測定した出力変数を監視する。そして、フィードバック制御器は、製品がより望ましい特性を有するように、必要に応じて、蒸気の供給量といったプロセス変数を制御できる。フィードバック制御のアルゴリズムは、プロセスに従って特定の外乱に気付かないが、この値を操作する機能が有効である限り所望の値の出力を維持でき、制御アルゴリズムを規定する外側の領域でプロセスが実行することを引き起こさない。
【0017】
フィードバック法及びそのいくつかの変形(比例動作、比例動作+積分動作、又は比例動作+積分動作+微分動作)は、液面制御及び温度制御といった、他の産業上の利用で実施されている。
【0018】
フィードバック制御は、シートの最終的な水分をガンマゲージ又は赤外線モニタといった水分モニタを用いて測定する何らかの装置によって実行される。これらの測定器具は、固定されてそこでシートの横断方向のある場所での含水量を得たり、又は移動式であって紙の幅に沿った水分分布を得る。水分値は、リアルタイムで制御器に入力され、最終的なシートの好適な湿度レベルと比較される。このような差異に基づいて、ヘッドボックスの流れの純化又は希釈の度合いといった製紙プロセスの初期段階で、適切な制御要素に正確な制御動作を適用して、より望ましい最終的なシートの特性を得る。
【0019】
しかしながら、プレス部の脱水を制御するプロセスを実行する前に、制御動作とそれらのプレス部の脱水への影響との間の関係を規定するための詳細な研究が必要である。例えば、初めのニップ圧が46psi/パーセント湿度増加すると、水の除去が59.2から62.8%に増加し、ウェブが、77.1から79.2%の初期の水分レベルと、61から82g/mの範囲の坪量とを有する場合、103から112°F(39から45℃)の温度範囲の軽量な板材の原料について、シートスピードは805から1023ft/min(240から310m/min)である。適切な制御アルゴリズムは複雑で開発するのに時間がかかることに留意されたい。
【0020】
フィードフォワード及びフィードバック方法では、制御動作を一連の限られた動作条件及び出力値で特定できる。しかしながら、何らかの特徴のない乱れが、制御アルゴリズムの精度に影響を与える。アルゴリズムの修正は、多くの場合、紙質又は最終的なシートの仕様を変更したルーチンを要する。また、新たな紙質に対するプレス部の動作は、適切なアルゴリズムの開発に先立って特徴付けられなければならない。さらに、フィードフォワードとフィードバック制御を比較すると、処理の遅延時間に依存するためフィードバック制御の方が遅い。しかしながら、フィードバック制御の方が、プロセスが完全に特徴付けられないようなような状況で、許容される可能性がある。
【0021】
入力と出力との間の量的な関係についての詳細な知識を要さずに、製紙プロセスの基本的な理解のみを要する新たな制御システム及び方法が必要とされる。理想的には、このような方法は、任意のプレス部における脱水を最適化でき、紙又は板紙製品が増加し、紙ウェブの乱れ又は機械の型式についての未知のばらつきにかかわらず、シートの特性改善が直接発生する。付加的に、プレス部を出るシートの水分の改善の結果によって、ファブリックの構造、プレス負荷及びロールカバーの特性といった他のプレス動作の選択に影響を与えることができ、これらの選択によって改善された最終的なシートの特性が常に達成できる。また、このような方法を使用して蒸気圧を下げることができ、乾燥機部においてより低いロール温度の使用が可能となる。より低いロール温度の使用の他の利点は、放射損失が少なく、蒸気漏れのリスクがあまりなく、そして多くのケースで、より低い接触表面温度で高い紙質を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、製紙プロセスにおいて、紙ウェブ又は製紙機械のウェットエンドに適用する化学脱水剤の定量的な適用によって、プレス部における脱水量を自動的に制御する製紙機械に使用する自動制御システム及び方法を提供する。この制御システムは、適用する化学脱水剤の量を制御するためのフィードバック制御器と、適切な場所における紙ウェブの含水量の直接的又は間接的な測定値を得るための監視装置とを有する。
【0023】
制御システムは多くの方法で作動できる。例えば、このシステムは、紙ウェブの水分の第1の測定値を取得することによって作動できる。そして、それは、紙ウェブ又は製紙機械のウェットエンドに適用する化学脱水剤の量を調整し、又は水分の第2の測定値を取得できる。水分の測定値を比較して応答を判断できる。応答が条件を満足する場合、紙ウェブ化学脱水剤の量の調整が同様に繰り返される。応答が条件を満足しない場合、調整を無効にする。
【0024】
また、この制御システムは、第2の測定値が第1の測定値よりも所望の設定値により近付く場合に比較が満足するように、作動できる。代替的に、この制御システムは、ウェブの水分が減少する場合に比較が満足するように、作動できる。
【0025】
また、本発明は、このような制御システムを有するプレス部を有する製紙機械又はパルプ乾燥機械を提供する。
【0026】
本発明のある実施例では、紙の水分を間接的に測定する。
【0027】
本発明のある実施例では、紙の水分を、乾燥機部の蒸気消費量を測定することによって測定する。
【0028】
本発明のある実施例では、紙の水分を、堰付きの箱を使用して測定する。
【0029】
本発明のある実施例では、水分の測定が、シートがプレス部に入る前とシートがプレス部を出た後の水分の差異である。
【0030】
本発明のある実施例では、紙の水分を、プレスニップ間からの流水量を測定することによって測定する。
【0031】
本発明のある実施例では、紙の水分を直列形流量計を用いて測定する。
【0032】
本発明のある実施例では、紙の水分を音響流量測定装置を用いて測定する。
【0033】
本発明のある実施例では、紙の水分をガンマゲージを用いて測定する。
【0034】
本発明のある実施例では、紙の水分を赤外線ゲージを用いて測定する。
【0035】
本発明のある実施例では、化学脱水剤を、典型的なウェットエンドの追加の供給位置の製紙原料に添加する。
【0036】
本発明のある実施例では、化学脱水剤を紙ウェブに直接的にスプレーする。
【0037】
本発明のある実施例では、化学脱水剤を紙ウェブの全域にわたって(CD方向の)様々なレベルで直接的にスプレーする。
【0038】
また、本発明は、プレス部における紙ウェブの脱水を制御する方法を包含する。ある方法が、紙ウェブの水分の第1の測定値を取得するステップと、紙ウェブに適用する化学脱水剤の量を調整するステップと、紙ウェブの水分の第2の測定値を取得するステップと、第1及び第2の測定値を比較するステップとを含む。そして、比較が条件を満足する場合、紙ウェブに適用する化学脱水剤の量の調整を繰り返す。比較が条件を満足しない場合、異なる調整を行う。
【0039】
本発明の付加的な態様及び利点が、以下の本発明の詳細な説明及び図面に記載され、これらから明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明で、「脱水プレス部」を、プレス機及びこれに関連する機械的負荷の下で紙ウェブから水分を除去することとして定義し、プレス部で生じるもの又は任意の個々のプレス動作による水分の除去の総量として特定できる。
【0041】
「予測制御」を、適切な測定方法の欠如、コストの制限、又は過度の処理時間の遅れによって役立ちそうにない実際の出力値よりは、むしろ監視する変数の二次計測の使用として定義する。二次計測を本発明で使用して、プロセス出力特性へのプロセス外乱の影響を推測できる。
【0042】
予測制御では、製紙プロセスにとって適切な材料及びエネルギバランスとともに、二次計測した出力を使用して非計測の制御変数の値を数学的に計算する。これらの計算した値を制御器によって使用して、操作する変数の値を調整できる。このような演算手順を、膨大な処理変数が関与する場合に、様々な工業プロセスで過度に複雑化してもよい。
【0043】
乾燥プレス部の予測制御モデルの開発を単純化するため、摂動フィードバック制御を使用できる。このような方法では、紙ウェブに添加する化学脱水剤の設定した投与量といった設定ポイント又は操作変数を、制御器によって所定の範囲にわたって周期的に変更又は意図的に摂動でき、得られるシートの水分といった実測した変数に対する影響を監視できる。マイクロプロセッサを使用して、操作変数の変更がプロセス出力に関して満足するか否かを判断できる。実質的に、制御器は試行錯誤によって操作変数の最適な値を連続的に探す。操作変数の範囲における設定限界といった安全措置を設置して、好ましくない状況を防止できる。
【0044】
本発明の脱水する製紙プレス部の一例として、制御される出力変数をプレス部から出るシートの水分量とすることができる。このようなシートの水分量を、直接的又は間接的に測定できる。直接的な測定を、ガンマゲージ又は赤外線監視といった水分監視を用いて行うことができる。これらの測定装置は、固定されてそこでシートの横断方向のある場所での含水量を得たり、紙の幅方向に沿った又は横断方向に連続した水分の分布を得る移動するものであったり、又は多重測定装置によって多重測定を行うことが可能である。
【0045】
ある実施例及び方法では、プレス部からの流水量、乾燥部からのプレスサイズ又は蒸気使用率といった他のパラメータを監視することによって、水分を推定することができる。除去され又は抜き出される水の量を正確に判断できる何らかの適切な方法によって流水量を測定できる。流水量の測定方法を、例えば、既知の切欠付きの堰の上の水深を利用する平板状の方法によるもの、又は磁気、重量測定、超音波推定といった様々な型式の流管によるもの、又は機械的な変位によるものとすることができる。また、使用蒸気監視装置は、周知で、一般に製紙工場で使用される。
【0046】
また、本発明の操作変数は、紙ウェブ又は製紙機械のウェットエンドに適用する化学脱水剤の供給量とすることができる。化学脱水剤を製紙機械のウェットエンドの任意の領域に添加することができる。例えば、脱水剤を、パルプボックスの下がっている脚部、ファンポンプ及び製紙機械のチェストの入口といった標準的なウェットエンド添加剤適用ポイントに適用することができる。脱水剤を製紙原料に添加するときに、それを連続的又は断続的流れで吹き込むことができる。
【0047】
より好適には、化学脱水剤を、プレス部に入る直前にウェブに直接添加する。任意の適切な方法によって化学脱水剤をウェブに添加できる。例えば、従来の散水管技術又はHydrosizer(商標)といったカーテン被覆装置を用いて脱水剤を紙ウェブに添加できるが、紙ウェブに化学脱水剤を導入できる明らかに何らかの型式の装置が条件を満足するであろう。噴射の適用及びウェブの幅の機能として水分を監視する場合について言えば、散布量をウェブの幅にわたって変えて、ウェブにわたってより均一な水分を保持することがことができる。これは、ウェブ支持部にわたって延びるブームに複数のスプレーヘッドを取り付け、各スプレーヘッドからウェブにスプレーされる化学脱水剤の量を制御することによって実現できる。このようなシステムを、図1に示す。図1は、多くのスプレーノズルN1−N10を取り付けたスプレーブーム(27)を示す。このスプレーノズルを使用して、ウェブ(30)にわたって化学的脱水剤を適用できる。図示するように、このような構成では、スプレーが重なり合うかスプレーをほぼ別々に分けることができる。脱水剤を適用してウェブ(30)にわたって均一な水分を保持できるように、各ノズル(N1−N10)を別々に制御することができる。ノズルを何個でも使用でき、化学的脱水剤の送出に適した何らかのノズルを使用できる。
【0048】
プレス部の化学脱水剤は当技術分野で既知であり、使用可能である。適切な量の化学脱水剤を使用できる。例えば、適切な量は、動作において少なくとも同量のコスト削減を達成するような量であるが、プレス部において水を除去するのを直接補助できる何らかの化学薬剤を使用できる。一般に、本発明に従って適用する化学脱水剤は、その投与量が脱水した紙の約5.0ポンド(actives)/トンまで増加するにつれて、プレス部における水流出の速度及び規模が増加する。このような化学脱水剤を用いる制御方式では、コントローラが、所定の範囲内の周期的なステップで化学薬剤の供給速度を変更することができる。この範囲は、ある方法では、製造される紙の約0.5ポンド(actives)/トンから約5ポンド(actives)/トンで、またある方法では、この範囲は、製造される紙の約1ポンド(actives)/トンから約2又は3又は4ポンド(actives)/トンである。追加する脱水剤の量の増分調整は、約0.1ポンド(actives)/トンから約0.5ポンド(actives)/トンとすることができる。増加する投与量は、投与システムによって制御可能なくらい低くすることができる。これは、MD(流れ方向)の水分変動を制御するのに投与する場合に、製造される紙の1トン当たり0.1ポンドに低くすることができる。また、これは、横断方向の水分変動を制御するのに投与する場合に同様に低くすることができる。例えば、2インチのCD方向の領域への脱水剤の流れが50ml/min変化すると、42ポンドのライナーボードを製造する200インチ幅の機械について0.05ポンド(actives)/トンに低くなるが、同じ流れの変化によって、70ポンドのオフセット印刷用紙を製造する300インチ幅の機械について0.015ポンド(actives)/トンになる。紙ウェブからの水分の除去速度は、監視される。
【0049】
図2は、本発明に係る製紙装置の一構成例を示す。図2は、形成部及びプレス部(30)の一部を有する製紙装置を示す。製紙原料が準備されて製紙機械の形成ファブリック(40)の上に置かれる。残っている水分がウェブ及びファブリックから流れ出ると、ウェブが重力及び真空によって脱水される。形成ファブリックはロールに沿って移動し、紙ウェブがプレス部にやってくる。ウェブが形成部の端のクーチロール(50)に近付くと、化学脱水剤をスプレーノズル(60)といった適切な装置から適用する。当技術分野で周知のように、Distributed Control System(DCS)(90)といった、手動又はより好適には制御システムによってデータが入力されるフィードバック制御器(80)によって制御される薬剤ポンプ(70)によって、圧力を装置に加える。
【0050】
ウェブがクーチロール(50)の上を通過した後に、ウェブが吸引ロール(100)によって形成ファブリックから持ち上げられてプレス部(30)に入る。プレス部(30)では、紙ウェブが、圧力を加えて余分な水を取り除く1又はそれ以上のプレスニップ(110)の組を通って導かれる。紙ウェブは、プレスニップ(110)から出て、図示しない乾燥部の中に移動する。そして、プレス部を横切ってウェブを支持するプレスファブリック(120)は、一連のロール、真空要素、及び図示しない洗浄処理を通って導かれ、それらが、ウェブを支持及び乾燥するのに適切な状態にプレスファブリックを絶えず保持する。
【0051】
図2は、ウェブからの流水量を、それがプレスニップ(110)から出る際に水流測定装置(130)によって測定できることを示す。また、水が真空箱(140)でプレスファブリックを出る際に、流水量を水流測定装置(150)によって測定できる。様々な実施例では、水流装置が、互いに連動するか又は各々を別々に使用して水を測定できる。いずれのケースにおいても、測定値が、化学脱水剤の効果を予測して化学ポンプ(70)を介したその供給量を制御するフィードバック制御装置(80)に伝送される。
【0052】
プレス部の出力変数を、プレス部を出るシートの含水率としたり、又は例えばサイズプレスといった特定の場所でのウェブの含水率としたりできる。この変数を、例えば、当業者に周知のシステムで全体の水分バランスを把握することによって、間接的に測定できる。制御方式の1つの目的は、このような測定値を超える制御を提供することである。プレス部を出るシートの含水率の間接的な測定値である、プレス部からの流水量Wを、プレス部を出るシートの水分の制御が望ましし場合に、測定した出力変数とすることができる。操作変数は、化学的な供給量Fである。他の未知の外乱が、上記のような処理において影響を与える可能性がある。
【0053】
本制御方法を使用して、紙ウェブの長手方向に沿った含水量を制御できる。このような目的のために、ある地点でのウェブの所望の含水量WCを規定して、制御プロセスを用いてこのようなレベルにウェブの含水量を保持できる。ウェブの水分を測定する何らかの適切な方法を用いることができる。例えば、音響測定をプレスニップ及び真空箱における流れに行うことができ、又は通過する紙ウェブからサンプルをランダムにサンプリングする方法でシートの水分を測定でき、又は既知の乾燥質量から推定水分量を算出するガンマゲージを用いた核の質量測定によってシートの水分を判定できる。
【0054】
このような目的のため、初期設定で、制御器が化学的供給量を公称値Fに設定する。含水量を測定して、新たな応答Wとして制御器に入力する。処理に適した遅延時間の後、供給量を例えば10%高い値Fに調整する。含水量Wを再び測定する。所定の望ましい含水量WCとして、差WC−W及びWC−Wを算出する。そして、|WC−W|<|WC−W|の場合、前回の処置が満足のいくものであり、すなわち、含水量はより望ましい。そして、制御器が、含水量が所望の含水量に近付くよう変わることを目指して、(W−W)/(F−F)に比例する量に化学的供給量をさらに増加させる。しかしながら、|WC−W|>|WC−W|の場合、前回の処置が満足のいくものではなく、すなわち、この場合、含水量は望ましくなく、投与量が減らされる。
【0055】
このような模索する手続きが、投与量が通常のプロセス変動に応じて上下する間に、所定の頻度で繰り返され、所望の含水量に含水量を制御するよう常に努める。
【0056】
ある方法では、制御によってウェブのいたる所で均一な含水量を与えることが可能である。例えば、CD方向について言えば、適切に並設された噴霧器を用いてCD方向にウェブに加えられる脱水剤の量の制御を行うことによって水分を制御して、ウェブのいたるところで様々な量の薬剤を送出する。上記のように、このようなことは、シートにわたって含水量を測定して、シートにわたって化学的脱水剤を程度の差はあるが加えることによって実現でき、必要に応じてより均一な含水量を得る。
【0057】
代替的に、この制御方法を使用してシートの脱水を最大限にすることができる。このような目的のため、初期設定で、制御器が公称値Fに化学的供給量を設定する。水流を測定して新たな応答Wnewとして制御器に入力する。処理に適した遅延時間の後に、供給量を例えば10%高い新たな値Fに調整する。水の流量を再び測定してWnewとし、前回と値をWoldとする。差Wnew−Woldを算出して正又は負のいずれであるかを検査する。正の値は、満足のいく応答を示す、すなわち、水の流量を増やして紙のシートがプレス部から出る際に乾かされる。そして、制御器が、再び脱水を改善することを目指して、(Wnew−Wold)/(F−F)に比例する量に化学的供給量をさらに増加させる。
【0058】
このような模索する手続きが、投与量が通常のプロセス変動に応じて上下する間に、所定の頻度で繰り返され、水流出を最大限にするよう常に努める。化学的な効果が増加した脱水を常にもたらす場合、投与は制御アルゴリズムによって課せられる許容最大限に近付くであろう。一回の最適な化学的投与がある場合、制御器が通常の処理及びウェブの変化応じて振動させる方法で供給ポンプを制御する。このような方法の利点は、未知又は予期しない処理の変化に対して耐性を示し、いかなる紙の品質、機械の型、プレス機の構成又はプレス部の性能へのその適用に万能であることである。
【0059】
本発明のある実施例では、従来の単一のニップ、単一又は2つのフェルトのプレス部を採用できる。このような構成で脱水するプレス部の制御によって、減少したプレス負荷を使用可能で、駆動する紙の品質のためのキャリパにとって改善した紙の厚さ及びより低い坪量を与えることができる。これは、典型的なプレス負荷がある機器構成で最大限であるか又はそれに近い状況で特に有用である。脱水又は出て行くプレス部の水分を制御することによって、プレス負荷をその限界まで近付けるのを必ずしも要しないように、プレス部のプレス負荷のためのオペレーティング・ウィンドウ(operating window)を増やすことができる。これまでのところ、脱水制御が無かったので、厚手の紙質に対するプレス負荷が減少すると、入ってくるプレス部の固形物が適切でない場合に、製造速度の減少をもたらす。結果として、プレス部の固形物を特別に測定及び制御することができないため、現在のところ、プレス部のより多くの作動パラメータが、オペレータが制御しない「設定及び忘却」モードで構成される。本方法の使用によって、プレス負荷に関して幅広い動作画面が可能で、同じ最大回転速度及びより低い坪量又はより厚い製品厚さが可能となる。また、本方法によって、円滑さを改善するための日時調整の機会を増やすことができる。
【0060】
ある実施例では、上部脱水ユニットを具えた多数重なったギャップフォーマー(gapformer)又は長網抄紙機(fourdrinier)を採用できる。このような構成によって、必要に応じて、本発明を各層で使用できる。本発明を使用することによって、オペレータが、1層毎の化学脱水剤の総量を変えて、所定の坪量の範囲にわたったプレス部における一定の固形物を保持することができる。このような方法は、層の重さのばらつきによるプレス部のばらつきを減らす利点及び典型的なギャップフォーマー構成における早めの排水によって「密着する」可能性を提供するであろう。また、それは、プレス部にわたって分布する層の接着、張力、滑らかさのばらつきを最小限にする利点を提供するであろう。現在のところ、これらの変数を、層の重量の変更、真空度の変更、ヘッドボックスの濃度の変更、精製の変更によって制御している。これらの制御変数全てを使用してシート全体の特性の全体的な調整を行えるが、脱水制御はプレス部の固形物の制御に特に向けられる。
【0061】
何らかのプレス構成又は品質の計画を与えることによって、横断方向(CD)の制御構成で使用する本発明が、脱水するプレス部の改善したCD制御を提供する。これによって、クラウン制御のプレス機と同様な利益を提供するが、より小さな領域にわたってより大きな制御を与える。また、CD方向に動作する場合、本発明は、ウェブのCD領域にわたって様々な化学作用の適用を提供し、様々なシートの特性を作り上げる。これによって、坪量及び水分の双方のより大きなCDプロファイル制御及び通常の状況下での制御規制の強化が可能である。このような方法の使用によって、エンドユーザの仕様に合わせると同時に、より低い坪量又は改善した容量を提供できる。
【0062】
実施例1
本実施例は、様々な量の化学脱水剤を付加した後に得られるプレス部における脱水効果を示す。
【0063】
プレス部に入るのに先だって紙ウェブに化学脱水剤をスプレーすることによって、板紙製紙機に対して比較試験を行った。製品の投与量を4時間周期で0−1.5ポンド(actives)/トンに変えた。シートがプレス部に入る前及びシートがプレス部を出る前の薬剤の投与量の変更と一致するある一定期間に、シートの濃度の測定を周期的に行った。シートの濃度測定を、通過する紙ウェブのランダムな抽出法、又は既知の乾燥質量から推定水分を算出する原子核の質量測定(ガンマゲージ)によって行うことができる。化学添加剤は、DADMAC(diallyldimethylammonium chloride)/AcAm(アンモニウム)の型の異なるバリエーションで、製紙機は、100%再生紙(通常、80/20の割合のOCC(古い段ボール箱)/MW(混合廃棄物)からなる)を使用した段ボール用中芯を製造した。
【0064】
結果は、試験した2つの製品について、シートの固形分の増加によって判断されるプレス部で脱水するシートの増加を示す。水分の除去は、化学薬剤を加えない場合の約20.9%から、0.5ポンド(actives)/トンの化学薬剤を加えた場合に約21.7%及び22.4%に増加し、1ポンド(actives)/トンの化学薬剤を加えた場合に約22.1%及び22.5%に増加し、紙1トン当たりに1.5ポンドactivesの化学脱水剤を加えた場合に約22.4%及び23.1%に増加した。
【0065】
当然のことながら、本書に記載された現状の好適な実施例に様々な変更及び修正を行うことは、当業者にとって明らかなことである。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その意図する利点を損なうことなしに、このような変更及び修正を行うことができる。このため、このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によってカバーされる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、製紙機械のフェルトにわたってCD方向に多くの噴霧器を保持するスプレーブームを示す。
【図2】図2は、製紙機械及び紙ウェブへの化学薬剤の適用を制御する制御システムの一実施例の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス部を有する製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システムであって、
前記制御システムが、
(a)紙ウェブ又は製紙機械のウェットエンドに適用する化学脱水剤の量を制御するためのフィードバック制御器と、
(b)紙ウェブの水分を測定して、前記フィードバック制御器に信号を送信するマイクロプロセッサに測定値を与える監視装置とを具え、
前記フィードバック制御器が、紙ウェブに適用する化学脱水剤の量を前記信号に応じて調整することを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記制御システムが、
紙ウェブの水分の第1の測定値を取得し、
紙ウェブに適用する化学脱水剤の量を調整し、
紙ウェブの水分の第2の測定値を取得し、
第1及び第2の測定値を比較し、
前記比較が条件を満足する場合に紙ウェブに適用する前記化学脱水剤の量の調整を繰り返し、
前記比較が条件を満足しない場合に異なる調整を適用することによって作動することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記比較が、前記第2の測定値が前記第1の測定値よりも設定値により近付く場合に満足することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記比較が、前記ウェブの水分が減少する場合に満足することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
紙の水分が間接的に測定されることを特徴とする請求項1に記載の製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システム。
【請求項6】
紙の水分が、乾燥機部の蒸気消費量を測定することによって測定されることを特徴とする請求項1に記載の製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システム。
【請求項7】
紙の水分が堰付きの箱を使用して測定されることを特徴とする請求項1に記載の製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システム。
【請求項8】
前記水分の測定が、シートが前記プレス部に入る前とシートが前記プレス部を出た後の水分の差異であることを特徴とする請求項1に記載の製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システム。
【請求項9】
紙の水分が、プレスニップ間からの流水量を測定することによって測定されることを特徴とする請求項1に記載の製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システム。
【請求項10】
紙の水分が直列型流量計を用いて測定されることを特徴とする請求項1に記載の製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システム。
【請求項11】
紙の水分が音響流量測定装置(sonic flow measurement device)を用いて測定されることを特徴とする請求項1に記載の製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システム。
【請求項12】
紙の水分がガンマゲージを用いて測定されることを特徴とする請求項1に記載の製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システム。
【請求項13】
紙の水分が赤外線ゲージを用いて測定されることを特徴とする請求項1に記載の製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システム。
【請求項14】
前記化学脱水剤を前記ウェットエンドの製紙原料に添加することを特徴とする請求項1に記載の製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システム。
【請求項15】
前記化学脱水剤を前記紙ウェブに直接的にスプレーすることを特徴とする請求項1に記載の製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システム。
【請求項16】
前記化学脱水剤を前記紙ウェブにCD方向(横断方向)の様々なレベルで直接的にスプレーすることを特徴とする請求項1に記載の製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システム。
【請求項17】
前記フィードバック制御器が手動の制御動作であることを特徴とする請求項1に記載の製紙機械又はパルプ乾燥機械のための制御システム。
【請求項18】
紙ウェブの脱水を制御する方法であって、
前記方法が、
(a)前記紙ウェブの水分の第1の測定値を取得するステップと、
(b)前記紙ウェブに適用する化学脱水剤の量を調整するステップと、
(c)前記紙ウェブの水分の第2の測定値を取得するステップと、
(d)前記第1及び第2の測定値を比較するステップと、
(e)前記比較が条件を満足する場合に紙ウェブに適用する化学脱水剤の量の調整を繰り返し、前記比較が条件を満足しない場合に異なる調整を適用するステップと、
を具えることを特徴とする方法。
【請求項19】
形成部と、プレス部と、乾燥部とを具えた製紙機械であって、
(a)紙ウェブに適用する化学脱水剤の量を制御するためのフィードバック制御器と、
(b)紙ウェブの水分を測定して、前記フィードバック制御器に信号を送信するマイクロプロセッサに測定値を与える監視装置とを具え、
前記フィードバック制御器が、紙ウェブに適用する化学脱水剤の量を前記信号に応じて調整することを特徴とする製紙機械。
【請求項20】
制御システムが、
前記紙ウェブの水分の第1の測定値を取得し、
前記紙ウェブに適用する化学脱水剤の量を調整し、
前記紙ウェブの水分の第2の測定値を取得し、
前記第1及び第2の測定値を比較し、
前記比較が条件を満足する場合に紙ウェブに適用する化学脱水剤の量の調整を繰り返し、前記比較が条件を満足しない場合に異なる調整を適用することによって作動することを特徴とする請求項18に記載の製紙機械。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−533313(P2008−533313A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552349(P2007−552349)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/002332
【国際公開番号】WO2006/081199
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(507248837)ナルコ カンパニー (91)
【Fターム(参考)】