説明

化粧シートおよびその製造方法

【課題】意匠性、耐擦傷性、耐候性、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、容易に貼付可能かつ粘着転着性が低い化粧シートを提供する。
【解決手段】本発明の化粧シート10は、アクリル系粘着剤からなる粘着剤層12と、アクリル系オリゴマーおよび重合性モノマーを含む放射線硬化型材料の硬化物を含有する放射線硬化型塗料層15と、これら層の間に配置されたプライマ層14とを有し、プライマ層14は、アクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂の硬化物を25〜75重量%含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、建物の外壁、住宅の玄関扉などの建築部材、自動車の外装・内装、車両・船舶の外装・内装、看板・サインなどに使用可能な化粧シートおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、建物の外壁、住宅の玄関扉などの建築部材、自動車の外装・内装、車両・船舶の外装・内装、看板・サインなどの意匠性を高めるために、着色などの化粧が施された化粧シートを貼付することがある。
従来の化粧シートとして、耐候性が求められる場合、裏面側に化粧が施されたアクリル樹脂フィルムを使用することがある。あるいは、フッ素樹脂が積層されたフッ素樹脂積層シートが使用されることがある。
ところが、表面層にアクリル系樹脂フィルムが使用された化粧シートは、その表面の硬度が鉛筆硬度で2B〜4Bと低く、耐擦傷性が不足していた。そのため、製造時あるいは使用時に、表面に傷が付きやすく、意匠性が低下することがあり、化粧シートとしての目的を十分に果たせないことがあった。
また、アクリル系樹脂フィルムは、シンナーやケトン類の溶剤に対する耐溶剤性、アルカリに対する耐薬品性が低いという問題を有していた。さらに、温水白化するという問題を有していた。
また、フッ素系樹脂が使用された化粧シートは、フッ素系樹脂が高価である結果、コストが高いという問題を有していた。また、耐汚染性を有するフッ素樹脂はインキに対する密着性に問題があり、インキや塗料に制限があるので、自由な化粧を施すことができず、十分満足な程度にまで意匠性を向上させることができなかった。
また、化粧シートは、作業効率の向上を目的として、容易に貼付できることが要求される。さらに、粘着剤や接着剤により貼付された化粧シートの表面が傷付いた場合、化粧シートを剥がして、新たな化粧シートを貼付することがある。しかしながら、化粧シートを剥がした際、粘着剤や接着剤が、貼付されていた面に転着してしまうことがあった。そのため、新たな化粧シートを貼付する際には、転着した粘着剤を剥がさなければならず、貼り替え作業効率が低かった。
特許文献1は、離型シートに接する印刷層と、この印刷層に接する熱硬化性真放射線硬化性樹脂塗料を硬化して形成した塗料層とからなる化粧シートを開示している。この化粧シートは粘着剤や接着剤によって基材に接着されるので上記問題を有する。
なお、本明細書において、化粧シートに塗布された粘着剤が、貼付されていた面に転着する性質のことを粘着転着性という。
【特許文献1】特開2001−1483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、前記事情を鑑みて行われたものであり、意匠性、耐擦傷性、耐候性、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、容易に貼付可能かつ粘着転着性が低い化粧シートを提供することを目的とする。また、このような特徴を有する化粧シートを効率的にかつ高品質に製造可能な化粧シートの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のことを内容とする。
[1] アクリル系粘着剤からなる粘着剤層と、アクリル系オリゴマーおよび重合性モノマーを含む放射線硬化型材料の硬化物を含有する放射線硬化型塗料層と、これら層の間に配置されたプライマ層とを有し、
前記プライマ層は、アクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂の硬化物を25〜75重量%含有することを特徴とする化粧シート。
[2] 前記粘着剤層と前記プライマ層との間に化粧層が配置され、該化粧層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂およびウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂を25重量%以上含有するバインダ成分と、着色成分とを含有する着色インキによる印刷模様を有することを特徴とする[1]に記載の化粧シート。
[3] 剥離フィルム上に、アクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂を25〜75重量%含有するプライマ材料を塗布し、乾燥してプライマ層を形成するプライマ層形成工程と、
前記プライマ層上に、アクリル系オリゴマーおよび重合性モノマーを含む放射線硬化型塗料を含有する放射線硬化型塗料層を形成する工程と、
少なくとも該放射線硬化型塗料層に紫外線または電子線を照射し、該放射線硬化型塗料およびプライマ材料を硬化させる硬化工程と、
前記プライマ層から剥離フィルムを剥離し、該プライマ層上に、アクリル系粘着剤からなる粘着剤層を形成させる粘着剤層形成工程とを有することを特徴とする化粧シートの製造方法。
[4] 前記プライマ層形成工程の前に、
剥離フィルム上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂およびウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂を25重量%以上含有するバインダ成分と、着色成分とを含有する着色インキにより印刷模様を施して化粧層を形成する化粧層形成工程を有し、該化粧層の上にプライマ層を形成することを特徴とする[3]に記載の化粧シートの製造方法。
【発明の効果】
【0005】
本発明の化粧シートは、アクリル系オリゴマーおよび重合性モノマーからなる無溶剤型の放射線硬化型樹脂の硬化物を含む放射線硬化型塗料層を表層に有しているときは、耐候性、耐擦傷性、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、収縮率が小さい。また、本発明の化粧シートは粘着転着性を低下させることできる。その結果、転着した粘着剤を除去する作業が簡略化されるので、貼り替え作業の効率が向上する。また、本発明の化粧シートは粘着剤層を有しているときは、容易に貼り付け可能である。従って、本発明の化粧シートは外装化粧シートとして、特に有用である。
さらに、本発明の化粧シートを接着剤で接合する場合も、各層間の剥離強度が高く、接着剤との密着性が良好であるので、強固に接合できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(第1の実施形態)
本発明に係る第1の実施形態の化粧シートを、図1を参照しながら説明する。この化粧シート10は、離型シート11と、粘着剤層12と、粘着剤層12に接する化粧層13と、化粧層13に接するプライマ層14と、プライマ層14に接する放射線硬化型塗料層15とを有するものである。
【0007】
離型シート11は、粘着剤が接着しないものであれば制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるシート、シリコーンなどの離型剤がコーティングされた紙などが挙げられる。
離型シート11の厚さは、取扱性やコストなどの点から、25〜50μmであることが好ましい。
【0008】
粘着剤層12は特に制限されないが、化粧層13に接着すると共に、耐候性が優れる粘着剤からなるものが好ましい。このような粘着剤としては、例えば、アクリル重合体と粘着付与剤とを含有するアクリル系粘着剤が挙げられる。ここで、アクリル系粘着剤のアクリル重合体を構成する単量体単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。ここに、(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸又はアクリル酸を意味する。また、粘着付与剤としては、ロジン系、テルペン系、フェノール系、クマロン系などの粘着付与剤が挙げられる。
【0009】
粘着剤層12の厚さは、30〜100μmであることが好ましく、35〜80μmであることがさらに好ましい。粘着剤層12の厚さが30μm未満であると、化粧シート10を基材に粘着させた際、粘着強度が不十分となるおそれがあり、100μmを超えると、必要以上の厚さとなるので、コストを高くするだけである。
【0010】
化粧層13は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも1つを含む熱可塑性樹脂25重量%以上、好ましくは50重量%以上含有するバインダ成分と、着色成分とを含有する着色インキにより印刷模様を有して、意匠を向上させるための化粧が施されたものである。化粧としては、多色の模様や絵柄の印刷であってもよい。
【0011】
バインダ成分として使用される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂としては特に制限されないが、インキ用として適していることから、共重合樹脂中の塩化ビニル/酢酸ビニルの重量比が92/8〜75/25、重量平均分子量が2.5万〜4万の範囲であることが好ましい。また、アクリル系樹脂は、インキ用として適したアクリルポリオール系のアクリル系樹脂などが好ましい。
このように、化粧層13のバインダ成分に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも1つを含む熱可塑性樹脂が25重量%以上含有されていると、粘着剤層12との密着性を向上させることができるので、粘着転着性を低下させることができる。なお、着色インキのバインダ成分において、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも1つを含む熱可塑性樹脂が100重量%であってもよい。
また、他のバインダ成分として、ウレタン樹脂などの熱可塑性樹脂や、プライマ層14に使用されるアクリル系オリゴマーを配合することができる。
【0012】
化粧層13に含有可能な着色成分としては、例えば、ラーベン420(コロンビアン社製)、カーボンブラックFW200(デグッサ社製)、モナーク1000(キャボット社製)、カーボンブラック2400B(三菱化学社製)などの黒色のカーボン系顔料、ヘリオゲンブルーL−6900、ヘリオゲングリーンL−8605(以上、BASF社製)、パロマーンブルーB−4806(バイエル社製)、ファーストゲンブルー5030F、ファーストゲングリーンS(大日本インキ化学工業)などのブルー系、グリーン系の顔料、酸化チタンなどの白色系顔料、他の色の顔料などが挙げられる。
さらに、意匠性をさらに高めることを目的として、光輝顔料を添加することもできる。光輝顔料としては、例えば、アルミペースト8820YF、アルミペースト7130N(東洋アルミニウム社製)、SAP210N、SAPFM4000(昭和アルミパウダー社製)などのアルミニウム系メタリック顔料、イリオジン101、イリオジン205、イリオジン321(以上、メルク社製)、エクステリアマーリンブライトホワイト1389X、エクステリアマーリンスーパーゴールド239Z、エクステリアマーリンスーパーブロンズ259X(以上、マール社製)などのパール顔料が挙げられる。
以上に例示した着色成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。このような着色成分を含む化粧層13を設けることにより、化粧シート10の意匠性を向上させることができる。
【0013】
プライマ層14は、ウレタンアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレートなどのアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂の硬化物、アクリルポリオール系などのアクリル系樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも1つを25重量%以上、好ましくは30〜95重量%含有するものである。プライマ層14がアクリル系オリゴマーの硬化物、アクリル樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも1つを25重量%以上含有することにより、放射線硬化型塗料層15との密着性を向上させることができる。プライマ材料には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも一方を含む熱可塑性樹脂を樹脂成分中の75重量%未満の範囲で含有させることができる。プライマ材料に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも一方を含む熱可塑性樹脂を樹脂成分中の75重量%未満の範囲で含有させると、化粧層13との密着性をさらに向上させることができる。なお、プライマ層において、アクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂の硬化物が100重量%であってもよく、アクリルポリオール系などのアクリル系樹脂が100重量%であってもよく、ウレタン系樹脂が100重量%であってもよい。
上述したアクリル系オリゴマーの中でも、ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレートが好ましい。なお、プライマ層14と放射線硬化型塗料層15との両方にウレタンアクリレートオリゴマーを用いた場合には、プライマ層14に含まれるウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、放射線硬化型塗料層15に使用されたウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量と略同等であることが好ましい。このようなウレタンアクリレートオリゴマーは、溶剤による粘度の調整および熱可塑性樹脂との分散性が良好であり、プライマ材料の塗膜形成の作業性をも良好にする。
また、アクリル樹脂アクリレートとは、ポリメチルメタクリレートを主成分とするアクリル共重合樹脂中に予め、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシル基などの官能基を持つ(メタ)アクリレートモノマーを共重合せしめ、各々の官能基に対応して付加反応する官能基を持つアクリレート系モノマーと付加反応させて二重結合が導入されたものである。このアクリル樹脂アクリレートの硬化物も、ウレタンアクリレートオリゴマーの硬化物と同様に、耐候性、耐溶剤性に優れている。
【0014】
プライマ層14に使用されるアクリル系オリゴマーの具体例としては、昭和インク工業所製「CSEB5メジューム」(ウレタンアクリレートオリゴマー)、「CSEB12メジューム」(アクリル樹脂アクリレート系オリゴマー)などが挙げられる。また、アクリルポリオール系のアクリル系樹脂の具体例としては、昭和インク工業所製「MKAメジューム」が挙げられる。
【0015】
また、プライマ層14は、アクリル系オリゴマー以外のオリゴマーの硬化物を少量含んでもよい。アクリル系オリゴマー以外のオリゴマーとしては、例えば、アリルエーテル系オリゴマー、アリルウレタン系オリゴマー、ビニルエーテル系オリゴマーなどが挙げられる。
また、プライマ層14は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも一方を含む熱可塑性樹脂が75重量%未満の範囲で含むことができる。プライマ層に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂またはウレタン系樹脂が含まれていると、プライマ層との密着性をさらに向上させることができる。
上記ウレタン系樹脂としては、インキ用として適している、例えばアクリルポリオールとジイソシアネートとの反応で得られるアクリルウレタン樹脂が挙げられる。また、アクリルポリオールの代わりに、他のポリオール、例えばポリカーボネートジオール、ポリオールジエーテル、ポリウレタンポリオール等を使用して得られるアクリルウレタン樹脂であってもよく、更に2種以上のポリオールを併用して得られるアクリルウレタン樹脂であってもよい。
【0016】
放射線硬化型塗料層15は、放射線の照射により硬化された放射線硬化型材料の硬化物を含有する。放射線硬化型材料とは、例えば、ウレタンアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレート等のアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂と、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの重合性モノマーとを含むものが挙げられる。また、放射線硬化型塗料層15が紫外線により硬化される場合は光開始剤などが含まれる。
ここで、アクリル系オリゴマーとしては、高分子量のイソシアネートとヒドロキシル基を有するアクリレートとからなるウレタンアクリレートオリゴマーが好ましく、重量平均分子量は、通常400〜7000である。重量平均分子量が400〜7000のウレタンアクリレートオリゴマーは、耐候性、可撓性に特に優れる。
ウレタンアクリレートオリゴマーを構成する高分子量のイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族系イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネートが挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するアクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレートなどが挙げられる。
なお、ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、耐候性、可撓性、密着性が特に優れることから、脂肪族イソシアネートとヒドロキシル基を有するアクリレートとからなる脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーが好ましい。脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーと重合性モノマーとを含む無溶剤型の放射線硬化型塗料としては、例えば、ダイセルUCB社製「KRM7818」「KRM7842」「KRM7946」などを挙げることができる。また、ウレタンアクリレートオリゴマーは、3官能以下であることが好ましい。
【0017】
また、放射線硬化型塗料層15には、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とが含まれることが好ましい。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とが含まれると、耐候性をさらに向上させることができる。なお、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤のいずれか一方のみを含有させることも可能であるが、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤を併用すると、相乗効果が発現するので、併用した方が耐候性をより向上させることができる。
なお、これらベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤は、放射線硬化型塗料層15以外の層にも含有させることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、チヌビンP(2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール),234,400(以上、チバスペシャリティケミカルズ社製)、Sumisorb300(住友化学工業社製)などが挙げられる。また、ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、チヌビン292,622LD(以上、チバスペシャリティケミカルズ社製)、サノールLS770,765(以上、三共化成工業社製)などが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤は、放射線硬化型塗料100重量部に対して、それぞれ0.1〜5.0重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3.0重量部であり、特に好ましくは0.8〜2.0重量部である。0.1重量部未満であると、耐候性を向上させることができないことがあり、5.0重量部を超えると、添加量に比した効果が発揮されず、コストを高くするだけである。
【0018】
さらに、必要に応じて、その他の添加剤として、他の紫外線吸収剤、他の光安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、レベリング剤、帯電防止剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、無機系充填剤、有機系充填剤、紫外線吸収能や近赤外線吸収能を有する酸化チタン、酸化亜鉛、ITOなどの金属(複合)酸化物微粒子等を添加することもできる。
【0019】
また、放射線硬化型塗料層15には、着色顔料を含有させることができる。射線硬化型塗料層15に含有可能な着色顔料としては、例えば、ラーベン420(コロンビアン社製)、カーボンブラックFW200(デグッサ社製)、モナーク1000(キャボット社製)、カーボンブラック2400B(三菱化学社製)などの黒色のカーボン系顔料、ヘリオゲンブルーL−6900、ヘリオゲングリーンL−8605(以上、BASF社製)、パロマーンブルーB−4806(バイエル社製)、ファーストゲンブルー5030F、ファーストゲングリーンS(大日本インキ化学工業)などのブルー系、グリーン系の顔料、酸化チタンなどの白色系顔料、他の色の顔料などが挙げられる。
さらに、意匠性をさらに高めることを目的として、光輝顔料を添加することもできる。光輝顔料としては、例えば、アルミペースト8820YF、アルミペースト7130N(東洋アルミニウム社製)、SAP210N、SAPFM4000(昭和アルミパウダー社製)などのアルミニウム系メタリック顔料、イリオジン101、イリオジン205、イリオジン321(以上、メルク社製)、エクステリアマーリンブライトホワイト1389X、エクステリアマーリンスーパーゴールド239Z、エクステリアマーリンスーパーブロンズ259X(以上、マール社製)などのパール顔料が挙げられる。
以上に例示した着色顔料は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。このように、放射線硬化型塗料層15に着色顔料を添加することにより、自由に着色可能で、しかも透明にすることも可能であるため、意匠性を向上させることができる。
【0020】
放射線硬化型塗料層15の厚さは、10〜500μm、好ましくは20〜300μmの範囲である。放射線硬化型塗料層14の厚さが10μm未満であると、意匠性が発揮されないので、化粧シートとしての用をなすことが困難となり、500μmを超えると、化粧シートの可撓性が低くなり、取扱性が低下することがある。
【0021】
なお、上述した第1の実施形態の化粧シートにおいて、化粧層14を放射線硬化型塗料層15側から見る場合、化粧層13だけでなく、プライマ層14および/または、放射線硬化型塗料層15にも着色成分を含有させることができる。その際、使用される着色成分としては、化粧層13で使用される着色成分を使用することができる。化粧層13だけでなく、プライマ層14、放射線硬化型塗料層15に着色成分を含有させると、化粧の深みがさらに増すので、得られる化粧シート10の意匠性をさらに向上させることができる。
また、放射線硬化型塗料層15を、図2に示すように、複数の層で構成することもできる(図示例では、放射線硬化型塗料層15が上層21と下層22とから構成されている)。この場合、複数の層に、それぞれ別の着色成分を含有させることができる。放射線硬化型塗料層15が複数の層から構成され、その複数の層がそれぞれ別の着色成分を含有していると、意匠性をさらに向上させることができる。
【0022】
次に、第1の実施形態の化粧シートを製造する製造方法について、図3を参照しながら説明する。
この製造方法では、まず、図3Aに示すように、化粧層形成工程において、剥離フィルム31上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも1つを含む熱可塑性樹脂を樹脂成分中に25重量%以上含有するバインダ成分と、着色成分とを含有する着色インキにより印刷模様を施して化粧層32を形成させる。ここで、剥離フィルム31とは、着色インキやプライマ材料が接着しないような表面を有するフィルムであり、例えば、離型シート11と同様のもので、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるシート、シリコーンなどの離型剤がコーティングされた紙などが挙げられる。また、着色インキの塗工方法としては、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などの方法が挙げられる。なお、着色インキのバインダ成分において、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも1つを含む熱可塑性樹脂が樹脂成分中の100重量%であってもよい。
【0023】
次いで、図3Bに示すように、プライマ塗膜形成工程において、化粧層32上に、アクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂、アクリル樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも1つを樹脂成分中に25重量%以上含有するプライマ材料を塗布し、乾燥してプライマ塗膜33を形成させる。
このまま、次の工程に進むこともできるが、剥離フィルム31上に化粧層32、プライマ塗膜33が形成されたシートを、図5に示すように巻き取って、次の工程が行われる場所に輸送することもできる。この際、プライマ塗膜33が剥離フィルム31に接着しないように、プライマ塗膜33の組成を選択することが好ましい。
【0024】
次いで、図3Cに示すように、放射線硬化型塗料塗布工程において、形成されたプライマ塗膜33上に、放射線硬化型塗料34を塗布する。
次いで、図3Dに示すように、硬化工程において、少なくとも放射線硬化型塗料34に電子線(EB)を、例えば、窒素ガス雰囲気中(残存酸素濃度100ppm)、吸収線量7Mrad、通過速度50m/分の条件で照射する。プライマ材料にアクリル系オリゴマーが配合された場合、プライマ塗膜33のオリゴマー成分および放射線硬化型塗料34に含まれるオリゴマー成分や重合性モノマーに電子線(EB)が照射されると、アクリレートの不飽和基にラジカルが発生し、このラジカルによってアクリレートが重合して硬化する。その結果、図3Eに示すように、プライマ塗膜33が硬化してプライマ層35が形成すると同時に、放射線硬化型塗料34が硬化して放射線硬化型塗料層36が形成する。なお、プライマ材料にアクリル系オリゴマーなどの放射線硬化型樹脂を含有せず、アクリル系樹脂のみを含有する場合には、電子線によって放射線硬化型塗料のみが硬化する。
【0025】
次いで、図4Aに示すように、粘着剤層形成工程において、化粧層32から剥離フィルム31を剥離する。これとは別に、粘着シート形成工程において、図4Bに示すように、離型シート38上に粘着剤を塗布して粘着剤層39を形成させて粘着シート40を得る。そして、図4Cに示すように、化粧層32上に、粘着シート40の粘着剤層39側の面を貼り合わせ、40〜50℃にて2日間養生して、化粧シート30を得る。
さらに、図4Dに示すように、得られた化粧シート30の放射線硬化型塗料層36上に、ポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどからなる保護フィルム41を貼り合わせてもよい。保護フィルム41を貼り合わせておくと、使用する前に化粧シートが傷付くことを防止できる。
【0026】
上述した製造方法において、放射線硬化型塗料34には、粘度調節や硬度調節を目的として、重合性モノマーを含有している。この重合性モノマーは、電子線または紫外線が照射された際に、アクリル系オリゴマーなどの放射線硬化型樹脂とともに硬化する。
重合性モノマーとしては、例えば、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、エトキシエトキシ−エチルアクリレート、ラウリルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、N−ビニルホルムアミド、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ビニル−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートが挙げられる。これらの中でも、耐候性に優れることから、イソボルニルアクリレートが好ましい。
【0027】
なお、上述した製造方法において、プライマ材料、放射線硬化型塗料の塗布方法には制限はなく、例えば、バーコート法、ロールコート法、エアドクターコート法、ブレードコート法、スクイズコート法、エアナイフコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、トランスファコート法、ファウンテンコート法、ダイコート法などにより塗布することができる。これらの中でも、グラビアコート法によりプライマ材料を塗布することが好ましい。グラビアコート法によりプライマ材料を塗布すると、塗布厚さを均一に薄くでき、かつ表面にきめ細かい凹凸を形成させることができる。その結果、放射線硬化型塗料34と物理的に良好に密着させることができ、化粧シート30の粘着転着性をより低くできる。なお、グラビアコート法でプライマ材料を塗布する際には、80メッシュから150メッシュのグラビア製板ロールを使用することが好ましく、塗布量は2〜6g/mであることが好ましい。
また、放射線硬化型塗料34の塗布では、ダイコート法が好ましい。放射線硬化型塗料34をダイコート法により塗布すると、泡や異物の巻き込みが少なくなるので、表面欠陥がなくなり、外観が良好となる。また、厚み精度を向上させることができ、具体的には厚み誤差を3%以下とすることができる。
【0028】
また、上述した化粧シート30の製造方法においては、アクリル系オリゴマーが配合されたプライマ材料および放射線硬化型塗料34に光開始剤を添加し、プライマ材料および放射線硬化型塗料34に紫外線を照射して硬化させることもできる。光開始剤が添加されたプライマ材料および放射線硬化型塗料34に紫外線を照射すると、紫外線によって光開始剤がラジカルを発生し、このラジカルによってアクリレートが重合して硬化する。紫外線照射の条件としては、例えば、窒素ガス雰囲気中(残存酸素100ppm)、長波長域型高圧水銀灯120W/cm×2灯を点灯下、30m/分で通過させる条件とすることができる。
【0029】
ここで、光開始剤としては紫外線によりラジカルを発生するものであれば制限されないが、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィネート、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどが好ましい。これらの市販品としては、Irgacure184、651,500,907,369,784,819,2959(以上、チバスペシャリティケミカルズ社製)、Lucirin TPO、LR8893(以上、BASF社製)、Darocur1116、1173(以上、メルク社製)、ユベクリルP36(以上、UCB社製)、ESCACURE KIP150、ESCACURE KIP100F(以上、LAMBERTI社製)などを挙げられる。
これら光開始剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合してもよい。2種類以上混合する場合には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンと2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンとの併用、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドと2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンとの併用が好ましい。
このような光開始剤の添加量は、2〜5重量部であることが好ましい。光開始剤の添加量が2重量部未満であると、硬化速度を上げられず、アクリル系オリゴマーや放射線硬化型塗料を十分に硬化させることができないおそれがあり、5重量部を超えると、必要以上に添加されるのでコストが高くなる。
さらに、光開始剤とともに、光開始助剤を添加することにより、紫外線によるラジカル発生効率を高めることもできる。
【0030】
以上説明した第1の実施形態における化粧シート10では、放射線硬化型塗料層15が、アクリル系オリゴマーと重合性モノマーとの硬化物を含有する無溶剤型の塗料であるので、化粧シート10の耐候性、耐溶剤性、耐薬品性に優れている。また、オリゴマーや低分子量成分が架橋したものであり、内部の歪みが小さいから、化粧シート10の寸法安定性に優れる。
また、化粧層13を有し、深みのある化粧が可能となり、光輝調とすることも可能なので、化粧シート10の意匠性に優れている。
また、化粧シート10は、可塑剤を含有しないので、ブリードアウトが少なく、耐汚染性が低い。
また、第1の実施形態における化粧シート30の製造方法では、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも1つを含む熱可塑性樹脂をバインダ成分とした着色インキによる化粧層32を形成させ、この化粧層32と粘着剤層39とを接着させるので、化粧層32と粘着剤層39との密着性を高くできる。さらに、プライマ層35を形成させ、このプライマ層35によって化粧層32と放射線硬化型塗料層36と接着させるので、化粧層32と放射線硬化型塗料層36との密着性を高くできる。その結果、化粧シート30の粘着転着性を低くできる。
また、硬化工程において、塗布された無溶剤型の放射線硬化型塗料34に電子線(EB)または紫外線を照射して放射線硬化型塗料層36を形成させることができる。そのため、化粧シートの製造が効率的である。また、溶剤の使用量を減少させることができるので、作業環境を改善するための費用を少なくできる。また、化粧シートの大部分が放射線硬化型塗料で形成されているので、得られる化粧シート30の歪みが小さく、寸法安定性に優れ、収縮率を小さくできる。
また、粘着剤層形成工程において、化粧層32から剥離フィルム31を剥離し、粘着シート形成工程で得た粘着シート40の粘着剤層39を貼り合わせると、簡便であるとともに、表面に傷などを付けにくいから、上述した化粧シート30を容易にかつ高品質に製造することができる。
【0031】
(第2の実施形態)
本発明に係る第2の実施形態は他の化粧シートである。この化粧シートを、図6を参照しながら説明する。この化粧シート110は、プライマ層が一層であり、離型シート111と、離型シート111に接する粘着剤層112と、粘着剤層112に接するプライマ層113と、プライマ層113に接する放射線硬化型塗料層114とを有するものである。
放射線硬化型塗料層114は、第1の実施形態における放射線硬化型塗料層15と同じ構成を有するものであり説明を省略する。
【0032】
プライマ層113は、アクリル系オリゴマーを含む放射線硬化型樹脂の硬化物25〜75重量%、好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは35〜65重量%と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも1つを含む熱可塑性樹脂25〜75重量%、好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは35〜65重量%とを含有する。
この放射線硬化型樹脂の硬化物の配合量が25重量%未満であると、このプライマ層113に接する放射線硬化型塗料層114との剥離強度が劣るようになり、また、上記の熱可塑性樹脂の配合量が25重量%未満であると、粘着剤層112との剥離強度が劣るようになる。
【0033】
プライマ層113に使用される放射線硬化型樹脂には、アクリル系オリゴマーが含まれる。アクリル系オリゴマーとしては、放射線硬化型塗料層114と同様に、ウレタンアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレートなどが挙げられるが、中でも、ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレートが好ましい。なお、プライマ層113と放射線硬化型塗料層114との両方にウレタンアクリレートオリゴマーを用いた場合には、プライマ層113に含まれるウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、放射線硬化型塗料層114に使用されたウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量と略同等であることが好ましい。このウレタンアクリレートオリゴマーは、溶剤による粘度の調整および熱可塑性樹脂との分散性が良好となり、プライマ材料の塗膜形成の作業性も良好となる。
また、アクリル樹脂アクリレートとは、ポリメチルメタクリレートを主成分とするアクリル共重合樹脂中に予め、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシル基などの官能基を持つ(メタ)アクリレートモノマーを共重合せしめ、各々の官能基に対応して付加反応する官能基を持つアクリレート系モノマーと付加反応させて二重結合が導入されたものである。このアクリル樹脂アクリレートの硬化物も、ウレタンアクリレートオリゴマーの硬化物と同様に、耐候性、耐溶剤性に優れている。
また、アクリル系オリゴマー以外のオリゴマーとしては、例えば、アリルエーテル系オリゴマー、アリルウレタン系オリゴマー、ビニルエーテル系オリゴマーなどが挙げられる。
また、プライマ層113に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂およびウレタン系樹脂の少なくとも1つを含む熱可塑性樹脂が含まれると、粘着剤との密着性を向上させることができるので、粘着転着性を低下させることができる。また、グラビアコートの適性や塗膜の物性を向上させることができる。
使用される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては特に制限されないが、インキ用として適していることから、共重合体中の塩化ビニル/酢酸ビニルの重量比が92/8〜75/25、重量平均分子量が2.5万〜4万の範囲であることが好ましい。
このプライマ層113に、アクリルポリオールなどのアクリル系樹脂が含まれると、塗料を硬化する際の反応性を向上させることができる。また、粘着剤との密着性をさらに向上させ、粘着転着性を低くすることができる。また、グラビアコートの適性をさらに向上させる。
【0034】
また、プライマ層113に、上述したベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤を含有させることができる。プライマ層113に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤が含まれると、化粧シートの耐候性をさらに向上させることができる。
また、プライマ層113には、着色顔料を含有させることもできる。着色顔料としては、放射線硬化型塗料層114に含有可能なものと同じものを使用することができる。プライマ層113に着色顔料を含有させると、得られる化粧シートの意匠性をさらに向上させることができる。
【0035】
プライマ層113の厚さは、0.3〜10μm、好ましくは0.5〜7μmの範囲である。プライマ層113の厚さが0.3μm未満であると、放射線硬化型塗料層114と粘着剤層112との接着強度が不十分となるおそれがあり、10μmを超えると、必要以上の厚さとなるので、コストを高くするだけである。
【0036】
粘着剤層112としては特に制限されないが、プライマ層に接着すると共に、耐候性が優れる粘着剤からなるものが好ましい。このような粘着剤としては、例えば、アクリル重合体と粘着付与剤とを含有するアクリル系粘着剤が挙げられる。ここで、アクリル系粘着剤のアクリル重合体を構成する単量体単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。また、粘着付与剤としては、ロジン系、テルペン系、フェノール系、クマロン系などの粘着付与剤が挙げられる。
粘着剤層112の厚さは、通常用いられる範囲で使用できるが、30〜100μmであることが好ましい。粘着剤層112の厚さが30μm未満であると、化粧シートを基材に粘着させた際、粘着強度が不十分となるおそれがあり、100μmを超えると、必要以上の厚さとなるので、コストを高くするだけである。
【0037】
離型シート111は、粘着剤が接着しないものであれば制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるシート、シリコーンなどの離型剤がコーティングされた紙などが挙げられる。
離型シート111の厚さは、取扱性やコストなどを点から、25〜50μmであることが好ましい。
【0038】
なお、上述した第2の実施形態の化粧シートにおいて、例えば、硬化型塗料層114を、図7に示すように、複数の層で構成することもできる(図示例では、放射線硬化型塗料層114が上層121と下層122とから構成されている)。この場合、複数の層に、それぞれ別の着色顔料を含有させることができる。放射線硬化型塗料層114が複数の層から構成され、その複数の層がそれぞれ別の着色顔料を含有していると、意匠性をさらに向上させることができる。また、上層を透明に、下層に着色顔料を含有させることにより、表面光沢性を向上させることができる。
【0039】
次に、上述した化粧シートを製造する製造方法について、図8を参照しながら説明する。
この製造方法では、まず、図8Aに示すように、プライマ塗膜形成工程において、剥離フィルム131上に、ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレートなどのアクリル系オリゴマーを含む放射線硬化型樹脂を樹脂成分中に25〜75重量%と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂およびアクリル系樹脂の少なくとも一方を含む熱可塑性樹脂を樹脂成分中に25〜75重量%とを含有し、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤や、酢酸エチルなどのエステル系溶剤の混合溶剤で希釈されたプライマ材料溶液(固形分含有量:25〜40重量%程度に希釈)を塗布し、乾燥機などにより乾燥してプライマ塗膜132を形成させる。ここで、剥離フィルム131とは、プライマ塗膜132が接着しないような表面を有するフイルムであり、例えば、離型シート111と同様のもので、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるシート、シリコーンなどの離型剤がコーティングされた紙などが挙げられる。
【0040】
次いで、図8Bに示すように、硬化型塗料塗布工程において、形成されたプライマ塗膜132上に、市販の放射線硬化型塗料133を塗布する。
次いで、図8Cに示すように、硬化工程において、プライマ塗膜132および放射線硬化型塗料133に電子線(EB)を、例えば、窒素ガス雰囲気中(残存酸素濃度100ppm)、吸収線量7Mrad、通過速度50m/分の条件で照射する。プライマ塗膜132および放射線硬化型塗料133に含まれるウレタンアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレートなどのアクリル系オリゴマーや反応性モノマーに電子線(EB)が照射されると、アクリレートの不飽和基にラジカルが発生し、このラジカルによってアクリレートが重合して硬化する。その結果、図8Dに示すように、プライマ塗膜132が硬化してプライマ層134を形成すると同時に、放射線硬化型塗料133が硬化して放射線硬化型塗料層135を形成する。
次いで、図8Eに示すように、粘着剤層形成工程において、プライマ層134から剥離フィルム131を剥離する。これとは別に、粘着シート形成工程において、図8Fに示すように、離型シート137上に粘着剤を塗布して粘着剤層136を形成させて粘着シート138を得る。そして、図8Gに示すように、プライマ層134上に、粘着シート138の粘着剤層136側の面を貼り合わせ、40〜50℃にて2日間養生して、化粧シート130を得る。
さらに、図8Hに示すように、得られた化粧シート130の放射線硬化型塗料層135上に、ポリオレフィンフイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルムなどからなる保護フィルム139を貼り合わせてもよい。保護フィルム139を貼り合わせておくと、使用する前に化粧シートが傷付くことを防止できる。
【0041】
プライマ材料および放射線硬化型塗料の塗布、プライマ材料、放射線硬化型塗料、光開始剤の添加および硬化、光開始剤の種類および添加量並びに光開始助剤の添加については、第1の実施形態において述べたのと同じことが言えるので、説明を省略する。
【0042】
以上のように、第2の実施形態の化粧シート110では、プライマ層113が、耐候性に優れたウレタンアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレートなどのアクリル系オリゴマーを含む放射線硬化型樹脂の硬化物と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などの熱可塑性樹脂とを含有するので、放射線硬化型塗料層114との密着性および粘着剤層112との密着性を向上させることができ、粘着転着性を低下させることができる。
また、通常アクリル系オリゴマーを含む放射線硬化型樹脂の硬化物は、低分子量成分が架橋硬化したもので、内部の歪みが小さいから、化粧シート110の寸法安定性に優れ、耐熱試験による収縮率を低くできる。また、放射線硬化型塗料層114およびプライマ層113を自由に着色でき、しかも透明とすることも可能であるので、化粧シート110の意匠性を向上させることができる。また、可塑剤を含有しないので、ブリードアウトが少なく、耐汚染性が低い。また、放射線硬化型樹脂の硬化物は硬度を任意に設定できるので、表層の成分に含まれれば、耐擦傷性や可撓性を向上させることができる。
また、化粧シートの製造方法では、硬化工程において、塗布されたプライマ塗膜132および放射線硬化型塗料133に電子線(EB)を照射してプライマ層134と硬化型塗料層135とを同時に形成させることができる。そのため、化粧シートの製造が効率的である。また、溶剤の使用量を減少させることができるので、作業環境を改善するための費用を少なくできる。また、低分子量成分を塗布し、硬化するので、得られる化粧シート130の歪みが小さく、耐熱試験による収縮率を小さくできる。
また、放射線硬化型塗料層135と粘着剤層136とをプライマ層134を介して接着するので、粘着転着性を低くできる。
また、粘着剤層形成工程において、プライマ層134から剥離フィルム131を剥離し、粘着シート形成工程で得た粘着シート138の粘着剤層136を貼り合わせると、簡便であるとともに、表面に傷などを付けにくいから、上述した化粧シート130を容易にかつ高品質に製造することができる。
【0043】
以上説明したような、本発明の化粧シートは、意匠性、耐擦傷性、耐候性、耐溶剤性に優れることから、例えば、壁、柱、扉などの建築部材用、車両・船舶用、看板・サイン用に利用できるが、特に、耐熱試験による収縮率が小さいことから自動車のサッシテープとして好適に利用できる。
【実施例】
【0044】
(実施例1)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(昭和インク工業所社製「MKKメジューム」、固形分含有量:25重量%)50重量部(樹脂成分中の50重量%)と、ウレタンアクリレートオリゴマー(昭和インク工業所社製「CSBE5メジューム」、固形分含有量:40重量%)50重量部(樹脂成分中の50重量%)と、これらの混合物100重量部に対して1.5重量部の光開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社「IRGACURE819」)とを含有し、希釈溶剤で固形分30重量%に希釈したプライマ材料溶液を、剥離フィルムである延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、グラビアコート法により塗布し、乾燥して厚さ2μmのプライマの塗膜を形成させた。
次いで、プライマの塗膜上に、無溶剤型放射線硬化型塗料(ダイセルUCB社製「KRM7818」、ウレタンアクリレート系)100重量部に、光開始剤1(チバスペシャリティケミカルズ社製「IRGACURE184」)および光開始剤2(チバスペシャリティケミカルズ社「IRGACURE819」)をそれぞれ1.5重量部と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャリティケミカルズ社製「チヌビン400」)1.0重量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製「チヌビン290」)1.0重量部とを配合した塗料をダイコート法により200μmの厚さに塗布した。
次いで、塗布された放射線硬化型塗料上より、窒素ガス雰囲気中(残存酸素100ppm)、長波長域型高圧水銀灯120W/cm×2灯を点灯下、30m/分で通過させて紫外線を照射して硬化させて、プライマ層および放射線硬化型塗料層(表面硬度:鉛筆硬度F)を形成させた。次いで、プライマ層からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、プライマ層に、離型シート上に形成された厚さ40μmの粘着剤層(ビックテクノス社製、「リキダインAR−2120」)を貼り合わせ、40〜50℃にて2日間養生して、外装用化粧シートを得た。
得られた外装用化粧シートを下記試験により評価した。その結果を表1に示す。
【0045】
(初期剥離強度)
得られた化粧シートを150mm×150mmの正方形に切断し、粘着剤層を厚さ1mmのアルミニウム板に貼付し、23℃で2日間養生した後、幅25mmに切断したシートを、室温で剥離速度200m/分で180°剥離を行い、サンプル5個の平均値で、次の基準で評価した。
○:シートの粘着剤層がシートに90%以上の面積で残ったもの。
△:シートの粘着剤層がシートに30%以上、90%未満の面積で残ったもの。
×:シートの粘着剤層がシートに30%未満の面積で残ったもの。
【0046】
(耐熱試験後の剥離強度)
得られた化粧シートを150mm×150mmの正方形に切断し、粘着剤層を厚さ1mmのアルミニウム板に貼付し、23℃で1日間養生した後、80℃の恒温槽で48時間放置し、更に室温で24時間放置した後、幅25mmに切断したシートを、室温で剥離速度200m/分で180°剥離を行い、サンプル5個の平均値で、次の基準で評価した。
○:シートの粘着剤層がシートに90%以上の面積で残ったもの。
△:シートの粘着剤層がシートに30%以上、90%未満の面積で残ったもの。
×:シートの粘着剤層がシートに30%未満の面積で残ったもの。
【0047】
(耐候試験後の剥離強度)
得られた化粧シートを150mm×150mmの正方形に切断し、粘着剤層を厚さ1mmのアルミニウム板に貼付し、23℃で1日間養生した後、サンシャインウェザメータ(スガ試験機社製、「WEL−SUN−DC型」)に2000時間暴露し、更に室温で24時間戻した後、幅25mmに切断したシートを、室温で剥離速度200m/分で180°剥離を行い、サンプル5個の平均値で、次の基準で評価した。
○:シートの粘着剤層がシートに90%以上の面積で残ったもの。
△:シートの粘着剤層がシートに30%以上、90%未満の面積で残ったもの。
×:シートの粘着剤層がシートに30%未満の面積で残ったもの。
【0048】
【表1】

【0049】
(実施例2)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(昭和インク工業所社製「MKKメジューム」)50重量部(樹脂成分中の50重量%)と、ウレタンアクリレートオリゴマー(昭和インク工業所社製「CSEB5メジューム」)25重量部(樹脂成分中に25重量%)と、アクリル樹脂アクリレート(昭和インク工業所社製「CSEB12メジューム」)25重量部(樹脂成分中に25重量%)を含有し、希釈溶剤で固形分30重量%に希釈したプライマ材料溶液を、剥離フィルムである延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、グラビアコート法により塗布し、乾燥して厚さ2μmのプライマの塗膜を形成させた。
次いで、プライマの塗膜上に、無溶剤型ウレタンアクリレートオリゴマー系放射線硬化型塗料(ダイセルUCB社製「KRM7818」)100重量部に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャリティケミカルズ社製「チヌビン400」)1.0重量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製「チヌビン290」)1.0重量部とを配合した塗料をダイコート法により200μmの厚さに塗布した。
次いで、塗布された放射線硬化型塗料上より、窒素ガス雰囲気中(残存酸素100ppm)、吸収線量7Mrad、通過速度50m/分の条件で電子線を照射して硬化させて、プライマ層および放射線硬化型塗料層(表面硬度:鉛筆硬度F)を形成させた。次いで、プライマ層からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、プライマ層に、離型シート上に形成された厚さ50μmの粘着剤層(ビックテクノス社製、「リキダインAR−2120」)を貼り合わせ、40〜50℃にて2日間養生して、外装用化粧シートを得た。
得られた外装用化粧シートを実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0050】
(比較例1)
プライマ材料およびを用いず、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(昭和インク工業所製「MKKメジューム」、固形分含有量:25重量%)100重量部(樹脂成分中の100重量%)に各種の着色顔料を配合した複数の着色インキを用意し、剥離フィルムである延伸ポリエチレンテレフタレート上に、多色グラビア印刷機を用いて部分印刷模様を施して化粧層を形成させた。
次いで、この化粧層の上に、ウレタンアクリレートオリゴマー(ダイセルUCB社製「KRM7818」)100重量部と、光開始剤1(チバスペシャリティケミカルズ社製「IRGACURE184」)および光開始剤2(チバスペシャリティケミカルズ社「IRGACURE819」)をそれぞれ1.5重量部と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャリティケミカルズ社製「チヌビン400」)1.0重量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製「チヌビン290」)1.0重量部を含有する塗料をダイコート法により150μmの厚さに塗布した。
次いで、塗布された放射線硬化型塗料上より、窒素ガス雰囲気中(残存酸素100ppm)、長波長域型高圧水銀灯120W/cm×2灯を点灯下、30m/分で通過させて紫外線を照射して硬化させて、放射線硬化型塗料層(表面硬度:鉛筆硬度F)を形成させた。次いで、化粧層からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、化粧層に、離型シート上に形成された厚さ50μmの粘着剤層を貼り合わせ、40〜50℃で2日間養生して、化粧シートを得た。この化粧シートの評価結果を表1に示す。
【0051】
実施例1,2では、プライマ層にアクリルオリゴマーからなる放射線硬化型樹脂の硬化物を含有していたので、初期、耐熱試験後、耐候性試験後の各層間の剥離強度に優れていた。
比較例1では、プライマ層を有していないので、初期および耐熱試験後、耐候試験後の剥離強度が劣っていた。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る第1の実施形態における化粧シートを示す断面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態における化粧シートにおいて、放射線硬化型塗料層が2層である例を示す断面図である。
【図3】図3のA〜Eは、本発明に係る第1の実施形態における化粧シートの製造方法を工程順に示す断面図である。
【図4】図4のA〜Dは、本発明に係る第1の実施形態における化粧シートの製造方法を工程順に示す断面図である。
【図5】剥離フィルム上にプライマ材料が塗布されたシートを巻き取る様態を模式的に示した図である。
【図6】本発明に係る第2の実施形態における化粧シートの一例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る第2の実施形態における化粧シートの他の例を示す断面図である。
【図8】図8のA〜Hは、本発明に係る第2の実施形態における化粧シートの製造方法の一例を工程順に示す断面図である。
【符号の説明】
【0053】
10,110 化粧シート
11,111 離型シート
12,112 粘着剤層
13 化粧層
14,113 プライマ層
15,114 放射線硬化型塗料層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル系粘着剤からなる粘着剤層と、アクリル系オリゴマーおよび重合性モノマーを含む放射線硬化型材料の硬化物を含有する放射線硬化型塗料層と、これら層の間に配置されたプライマ層とを有し、
前記プライマ層は、アクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂の硬化物を25〜75重量%含有することを特徴とする化粧シート。
【請求項2】
前記粘着剤層と前記プライマ層との間に化粧層が配置され、該化粧層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂およびウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂を25重量%以上含有するバインダ成分と、着色成分とを含有する着色インキによる印刷模様を有することを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
【請求項3】
剥離フィルム上に、アクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂を25〜75重量%含有するプライマ材料を塗布し、乾燥してプライマ層を形成するプライマ層形成工程と、
前記プライマ層上に、アクリル系オリゴマーおよび重合性モノマーを含む放射線硬化型塗料を含有する放射線硬化型塗料層を形成する工程と、
少なくとも該放射線硬化型塗料層に紫外線または電子線を照射し、該放射線硬化型塗料およびプライマ材料を硬化させる硬化工程と、
前記プライマ層から剥離フィルムを剥離し、該プライマ層上に、アクリル系粘着剤からなる粘着剤層を形成させる粘着剤層形成工程とを有することを特徴とする化粧シートの製造方法。
【請求項4】
前記プライマ層形成工程の前に、
剥離フィルム上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂およびウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂を25重量%以上含有するバインダ成分と、着色成分とを含有する着色インキにより印刷模様を施して化粧層を形成する化粧層形成工程を有し、該化粧層の上にプライマ層を形成することを特徴とする請求項3に記載の化粧シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−296593(P2008−296593A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206175(P2008−206175)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【分割の表示】特願2003−572761(P2003−572761)の分割
【原出願日】平成15年3月3日(2003.3.3)
【出願人】(000106726)シーアイ化成株式会社 (267)
【出願人】(500585890)
【出願人】(595164073)
【Fターム(参考)】