説明

化粧料又は化粧品の装飾方法並びに装飾される化粧品

【課題】光を照射することにより化粧料又は化粧料を容器に収納した化粧品を装飾し、意匠性に優れた化粧料又は化粧料を容器に収納した化粧品を提供すること。
【解決手段】半透明化粧料に光を照射し、それによって半透明化粧料が光って化粧料が装飾される化粧料の装飾方法。容器に半透明化粧料を収納した化粧品の、前記半透明化粧料に光を照射し、それによって半透明化粧料が光って化粧品が装飾される化粧品の装飾方法。容器に設けた発光体から光を照射することを特徴とする前記化粧品の装飾方法。さらに、前記方法における容器に発光体を設けた化粧品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料又は化粧料が容器に収納された化粧品の前記化粧料に光を照射して化粧料を光らして化粧料又は化粧品を装飾する方法、並びに前記化粧品において、容器に設けた発光体からの光を前記化粧料に照射すると該化粧料が光り装飾されるようにした化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料及びそれを容器に収納した化粧品は、それらの機能はもとより、意匠的に優れたものが使用者の心を和ませること等から好まれている。従来、化粧料又は化粧料を容器に収納した化粧品(以下、「化粧料収納化粧品等」ともいう。)の意匠性をアップするために、容器の形状、色調、模様等のデザイン、化粧料の色、模様等を工夫していた。
【0003】
光で化粧料収納化粧品等を装飾することも意匠性をアップする一つの方法であり、従来容器を光らせる技術が開発されており、例えば、飲料用のカップ、グラス等に対し光の照射乃至発散性のイルミネーション機能をもたせ、特にそのボトム部分で所定形状の光輝部分が形成されるようにした照明型容器に関する技術(特許文献1参照。)、導電体をもつ容器及びこの導電体に接触給電する給電ディスクと、給電を受け発光する発光装飾体で構成される化粧品等の瓶に照明を施す装飾照明付容器に関する技術(特許文献2参照。)等が開示されている。しかしながら、これらは、化粧品用の容器でなかったり、化粧品用であっても単に容器に光を照射して明るくしたり、光りの色によって色づけしたりするに過ぎず、化粧料収納化粧品等の意匠性としては充分でなかった。
【0004】
【特許文献1】特開2004−105231号公報
【特許文献2】特開平8−124410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、光を照射することにより化粧料収納化粧品等を装飾し、意匠性に優れた化粧料収納化粧品等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、半透明化粧料に光を照射したところ半透明化粧料がきれいに光ってみえ、従来にない意匠性に優れた化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、第一発明は、化粧料に光を照射し、それによって化粧料が光って化粧料が装飾される化粧料の装飾方法であって、前記化粧料が半透明化粧料であることを特徴とする前記化粧料の装飾方法である。
【0008】
また、第二発明は、容器に化粧料を収納した化粧品の、前記化粧料に光を照射し、それによって化粧料が光って化粧品が装飾される化粧品の装飾方法であって、前記化粧料が半透明化粧料であることを特徴とする前記化粧品の装飾方法である。
【0009】
また、第三発明は、容器に設けた発光体から光を照射することを特徴とする前記化粧品の装飾方法である。
【0010】
また、第四発明は、化粧料を該化粧料に光を照射する機能を有する発光体を設けた容器に収納した化粧品であって、前記化粧料が半透明化粧料であり、該半透明化粧料が前記発光体からの光の照射によって光ることを特徴とする前記化粧品である。
【0011】
本発明において、透明、半透明、不透明は、この順に連続的に変化する状態であり、それぞれ当業者間で認識されている状態のものである。
【0012】
本発明において、液状、半固形、固形等の用語は常温での状態を示す。例えば、半固形、固形とは、常温において流動性を有しないもの。また、液状とは、常温において流動性を有する、例えば液体をいう。なお、液状油分、半固形油分、固形油分等はいずれも当業者の間で認識されているものである。
【0013】
本発明において、光透過性容器は光を透過する性質を有する容器であり、容器内の内容物を蓋を取り外すことなく容器壁面を隔て観察することのできる容器のことをいう。光透過性容器の全光線透過率は1〜100%の範囲を示す。なお、該容器の全光線透過率はJIS K7105、JIS K7361に準じて測定される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、半透明化粧料に光を照射するようにしたので、前記半透明化粧料に光が照射されると該半透明化粧料がきれいに光ってみえ、前記半透明化粧料に優れた意匠性を付与することができる。前記半透明化粧料を、容器に充填すると、容器が光透過性の場合、容器をとおしてきれいに光った化粧料が見え、化粧料が収納された化粧品が優れた意匠性が付与される。また、前記半透明化粧料を容器への収納状態を工夫することにより、例えば、グラデーション模様を形成させたりすることができる。また、光を発する発光体を容器に設けて半透明化粧料に光を照射するようにすることにより、発光体とともに化粧品を移動することができ、携帯用の優れた意匠性の化粧品として使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳述する。
【0016】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る化粧料又はそれを容器に収納した化粧品(以下、「本発明化粧料収納化粧品等」ともいう。)の装飾方法及び本発明化粧料収納化粧品等について詳説する。
【0017】
図1は本発明の一つの実施の形態に係る化粧品10を示す概念的な図である。また、図2は、図1の化粧品10の構造を説明するために図1の化粧品10の一部の内部構造が見えるように示した概念的な図である。
【0018】
図1及び2における化粧品10は、円柱形の光透過性の容器(光透過性容器45)(高さ45mm、直径20mm)内にリップグロスが収納されている。前記リップグロスは表1に記載の組成の外観半透明状の半透明化粧料20であり、液状油分を油ゲル化剤でゲル化した半透明油性ゲル状化粧料である。なお、リップグロスは以下のようにして製造した。すなわち、(2)〜(7)の油性成分にパルミチン酸デキストリンを加熱溶解し油性ゲルを調製したものに、ジメチルシリル化シリカを均一に混練り分散した後、防腐剤、香料を添加して、油性ゲル状のリップグロスを製造した。
【0019】
【表1】

【0020】
(注)レオパールKL(千葉製粉株式会社製)
【0021】
なお、前記光透過性容器45は透明なPET製であり、キャップ41(高さ40mm、直径20mm)によって蓋がされている。キャップ41には先端に塗布具44を設けた樹脂製の透明軸43が取り付けられリップグロス中に垂下している。前記軸43の基部にはしごき42部材が設けられており、リップグロスを塗布具44により塗布する際に、不要のリップグロスを取り除く機能を有している。化粧品10の使用に当たっては、前記キャップ41を開けて軸43についたリップグロスを適用部位に該軸43を用いて塗布する。
【0022】
キャップ41の内側には光源として一個の光度1500mcdのLED31からなる発光体30がそれを発光させる電池50に電気的に接続されて内蔵されている。図2において、電池50によってLED31が通電されると、LED31は発光し、発光した光はリップグロスを上方から縦方向に照射し、リップグロス内に入射する。
【0023】
図3には、図1(図2)の化粧品10のリップグロス(半透明化粧料20)に照度1500lxの光を照射した状態の光りの具合を概念的に示した。図3の化粧料の白い部分が光っていることを示すものである。なお、以下、本明細書において、同様の概念的に示す図においても、図の化粧料の白い部分が光っていることを示すものである。また、60は入射光を示すものである。
【0024】
本発明においては半透明の化粧料のみが光りが照射されることにより光る。透明な化粧料は光らない。また、光が透過しない不透明な化粧料でも光らない。
【0025】
本発明における半透明化粧料20は、光の光直進透過率が0.050〜90.000%の範囲のものであり、この範囲においてきれいな光りを見ることができる。なお、前記光直進透過率は、分光光度計(例えば、島津製作所製、分光光度計UV−2550)により、10mmの角型石英セルを用いて室温で測定される光直進透過率で示したものである。本発明において示した光直進透過率は全て上記の条件で測定された光直進透過率である。なお、光直進透過率の単位は%である。
【0026】
なお、前記光直進透過率は光の波長により異なるが、本発明における半透明化粧料20の光直進透過率は、400〜750nmのいずれかの波長の光において、上記範囲のものであればよい。前記図1に係るリップグロスの波長680nm、530nm、470nmの光の光直進透過率はそれぞれ75.635%(680nm)、67.048%(530nm)、59.536%(470nm)である。以下、波長680nm、530nm、470nmの光の光直進透過率をこのように表す。
【0027】
本発明における半透明状の化粧料は、該化粧料を透過する光の拡散光によって光るものと考えられる。すなわち、半透明化粧料20に入射された光は、ゲル等の組成、粉体(以下、粉末ともいう。)等の物質、粒子・界面・結晶等の構成等によって屈折、散乱、反射等を起こし、進行方向や空間的な分布等に変化を受けて、透過する光の一部が拡散等によって妨げられることによって光ってみえると考えられる。
【0028】
半透明化粧料20又はそれを容器に収納した化粧品10(以下、「半透明化粧料収納化粧品等」ともいう。)の光ることによる装飾の状態は自在にコントロールすることができる。例えば、半透明化粧料20の分散制御、屈折率の制御、結晶状態の制御等によって散乱・透過・偏光等の光拡散能を制御することで様々な光具合を呈するようにすることができる。
【0029】
前記図1における実施の形態では、光透過性容器45内に収納される本発明に係る半透明化粧料20として、前記半透明油性ゲル状のリップグロスを用いた例について説明したが、本発明においては、前記リップグロスに限られることはない。
【0030】
本発明に係る半透明化粧料20としては、例えば、次の(A)〜(D)の半透明化粧料20が挙げられる。
(A)半透明油性化粧料
(B)水、油分、界面活性剤を含有した、エマルジョンからなる半透明化粧料20
(C)液晶からなる半透明化粧料20
(D)半透明水性化粧料
【0031】
以下、前記(A)〜(D)の半透明化粧料20について、詳述する。
【0032】
(A)半透明油性化粧料について
半透明油性化粧料は液状油分を半透明化した化粧料であれば特に限定されず、例えば、
(A1)液状油分及び油ゲル化剤を含有した、液状油分を油ゲル化剤でゲル化した油性ゲル状化粧料、(A2)液状油分及び固形状油分を含有した、液状油分を固形状油分で増粘乃至固化した油性化粧料等が挙げられる。これらの半透明油性化粧料は、液状油分を油ゲル化剤でゲル化する、液状油分に固形状油分を配合する等により調製される。例えば、前記(A1)の油性化粧料における油ゲル化剤の配合量は特に限定されないが、前記油性化粧料全量中1〜20質量%の範囲で配合すれば充分である。また、前記(A2)の油性化粧料における固形状油分の配合量は特に限定されることなく、固形状油分の種類、配合量を調整することによって流動性を有するものから固形化されたものまでを得ることができる。本発明においては、液状油分を油ゲル化剤でゲル化して半透明化した油性化粧料であると、光の照射によって特にきれいに見られる。
【0033】
(B)エマルジョンからなる半透明化粧料20について
エマルジョンからなる半透明化粧料20は、外観が半透明を呈するエマルジョンからなる化粧料である。該化粧料は、エマルジョンを製造する一般的な方法で調整される。例えば、エマルジョンを構成する分散相と分散媒相の屈折率の差、油分量、界面活性剤量を調整して乳化することによって調製することができる。
【0034】
(C)液晶からなる半透明化粧料20について
液晶からなる半透明化粧料20は液晶により半透明を呈するものであり、前記液晶としては、スメティック液晶、ネマティック液晶、コレステリック液晶等が用いられる。また、液晶を形成する化合物としては、例えば、リン脂質、多価アルコール、低級アルコール、コレステロール誘導体等が挙げられる。
【0035】
(D)半透明水性化粧料について
半透明水性化粧料は水を半透明化した化粧料であれば特に限定されず、例えば、(D1)水及び水ゲル化剤を含有した、水を水ゲル化剤でゲル化した水性ゲル状化粧料等が挙げられる。これらの半透明水性化粧料は、水を水ゲル化剤でゲル化する等の方法で調製される。例えば、前記(D1)の水性化粧料における水ゲル化剤の配合量は特に限定されないが、前記水性化粧料全量中1〜20質量%の範囲で配合すれば充分である。
【0036】
本発明に係る半透明化粧料20における構成成分である、液状油分、油ゲル化剤、固形状油分、界面活性剤、水ゲル化剤、水は、化粧料に一般的に用いられるものから選択して用いることができる。
【0037】
例えば、液状油分としては、例えば、マカデミアナッツ油、月見草油、ホホバ油、重質流動イソパラフィン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、パルミチン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、リンゴ酸ジイソステアリル、イソステアリン酸、オレイルアルコール、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、パーフロロポリエーテル等が挙げられる。
【0038】
油ゲル化剤としては、パルミチン酸デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸石けん等の金属石鹸、ジメチルシリル化シリカ等の処理シリカ、シロキサンベースのポリアミド類等が挙げられる。
【0039】
固形状油分としては、例えば、硬化油、モクロウ、パラフィンワックス、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ミツロウ、ラノリン、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ホホバロウ、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セチルアルコール、トリミリスチン酸グリセリル等が挙げられる。
【0040】
界面活性剤としては、化粧料に一般的に用いられるものが挙げられる。例えば、パルミチン酸ナトリウム、アシルメチルタウリン塩等のアニオン界面活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤;2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等の両性界面活性剤;
【0041】
ソルビタンモノステアレート、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸プロピレングリコール、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン(以下、POEという。)ソルビタンモノオレエート、POEソルビットモノラウレート、POEソルビタンモノオレート、POEグリセリンモノイソステアレート、ポリエチレングリコール(以下、PEGという。)モノオレート、PEGジステアレート、POE2−オクチルドデシルエーテル、プルロニック型類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという。)2−デシルテトラデシルエーテル、POE硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
【0042】
水ゲル化剤としては、デンプングリコール酸ナトリウム、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、ヒアルロン酸、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、セルロース、アルギン酸塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド共重合体、ベントナイト、ラポナイト、微粉酸化ケイ素、コロイダルアルミナ等が挙げられる。
【0043】
本発明に係る半透明化粧料20には、それらの化粧料の半透明性を逸脱しない範囲で、化粧料に一般的に用いられる成分を適宜配合することができる。
【0044】
前記任意配合成分としては、例えば、ラメ材、顔料(有機、無機、パール顔料等)、シリカ、高分子材料、シリコーン系粉体等の粉体が挙げられる。該粉体は半透明化粧料20の光直進透過率を調整することができる。
【0045】
前記ラメ材としては、具体的に、(PET/PMMA)ラミネート、(PET/ポリオレフィン)ラミネート、(PET/Al/エポキシ樹脂)ラミネート等が挙げられる。
【0046】
前記有機顔料としては、具体的に、赤色202号、赤色201号、赤色228号、赤色226号、青色404号、黄色4号、黄色5号等が挙げられる。
【0047】
前記無機顔料としては、具体的に、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛、窒化ホウ素等が挙げられる。
【0048】
前記パール顔料としては、具体的に、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス、ホウケイ酸(Ca/Al)等が挙げられる。
【0049】
前記高分子材料としては、具体的に、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリアミド樹脂粉末、セルロース粉末等が挙げられる。
【0050】
前記シリコーン系粉体としては、具体的に、オルガノポリシロキサンエラストマー等が挙げられる。
【0051】
その他、任意配合成分として、例えば、前記以外の油分、保湿剤、多価アルコール、増粘剤、前記以外の水溶性高分子、皮膜形成剤、非水溶性高分子、高分子エマルジョン、低級アルコール、糖類、紫外線吸収剤、アミノ酸類、ビタミン類、美白剤,皮膚賦活剤,血行促進剤,抗脂漏剤,抗炎症剤(消炎剤)等の薬剤、植物抽出物、有機酸、有機アミン、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌剤、防腐剤、収斂剤、清涼剤、香料等を挙げることができる。
【0052】
本発明における半透明化粧料20の形態としては液状、半固形状、固形状等いずれでもよい。これらは、光透過性容器45に収納して化粧品10として容器(光透過性容器45)をとおして光の状態を見ることができる。また、前記固形状のものであれば容器をとおさずに光りの状態を見ることができる。
【0053】
本発明における前記半透明化粧料20の具体的応用例としては、例えば、固形状タイプの棒状化粧料(口紅、リップクリーム、ファンデーション、化粧下地等)、化粧石鹸等、液状、半固形状タイプの口紅、リップクリーム、ファンデーション、化粧下地等、リップグロス、ヘアワックス、コールドクリーム、ヘアカラー、洗顔料、化粧水、乳液、美容液、シャンプー、リンス、オーデコロン、練り香水、爪クリーム、エナメル、バスオイル等が挙げられる。
【0054】
前記図1〜3を用いて説明した実施の形態では、光源としての発光体30としてLED31の例について説明したが、発光体30はこれに限られず、光を発して、前記本発明化粧料収納化粧品等の収納物を照射する機能を有するものであればよく、例えば、紫外線ライト、蛍光体を使用することも可能である。例えば、紫外線ライトを発光体30とした場合、照射部分に紫外線にて発光する成分又は材料等があれば、審美的な発光を得ることができる。また、蛍光体を発光体30とした場合は、電源が不要のため、省スペースにて半永久的に発光を得ることができる。
【0055】
発光体30の取り付け位置については、前記実施の形態では、発光体30は容器(光透過性容器45)のキャップ41の内側に内蔵されている例について説明したが、特に限定されるものではなく、容器の底部等他の部位に内蔵しても構わず、また塗布具44の付いた化粧品10等のように部材を設けた化粧品10においては、塗布具44等の部材を蛍光材料で形成して発光体30としてもよい。また、前記実施の形態では、発光体30を1個設けた例について説明したが、発光体30の個数は任意に設定することができる。また発光体30を容器とは別体にした装置に設けてもよい。該別体の装置は容器に組み込んでも、また容器とは別体を維持して外部から照射しても構わない。発光体30を光源として利用するために発光体30を光らす方法は、電池50によるものに限られず、種々の方法を利用することができる。発光体30からの光を化粧品10の収納物に照射するに当たっては、特に限定されないが、化粧品10の収納物の全体に照射しても、また一部でも構わない。本発明において、照射する光りは、白色光、着色光等いずれでも構わない。
【0056】
光量についても、種々変化させることにより、異なった趣のある光を見ることができる。例えば、光量を弱めたLED31を照射すると、半透明化粧料20の視覚効果が増大し、光によるグラデーション効果が得られる。また、光量を強めLED31を照射すると、光拡散効果により全体が光って見える。LED31の色は、白色、赤色、緑色いずれでも利用可能である。
【0057】
容器の形態としては、特に限定されることなく、化粧品用容器として一般的なものが用いられる。例えば、円柱、直方体、立方体、球状等の形状を有するものいずれでも構わない。また、容器のタイプで示せば、前記ボトルタイプ以外に、ジャー、チューブ、コンパクト容器、ポンプ容器、口紅容器等とすることができる。図4、5には、化粧水瓶、ジャータイプの容器に収納した化粧料に光を照射した概念的な図を示した。
【0058】
また、前記実施の形態では、容器が光透過性素材で形成された透明な光透過性容器45の例について説明したが、このものに限定されるものではなく、半透明であってもよい。光透過性容器45は透明であることが好ましい。また、光透過性容器45は全てが光透過性素材でなくても一部が光透過性であればよい。また、半透明化粧料20が、容器に収納され容器に収納されたものをそのまま使用するような化粧料の場合、容器は光透過性容器45である必要があるが、半透明化粧料20が、例えば棒状のリップスティックのように固体状で、繰り出し式容器に収納されて、化粧料が容器から飛び出るものである場合、容器は必ずしも光透過性容器45でなくても構わない。また、容器の材質としては前記PET等の樹脂以外に、ガラス、金属等を用いることができる。
【0059】
以上説明したように、本発明は、化粧料に光を照射し、それによって化粧料が光って化粧料が装飾される化粧料の装飾方法であって、前記化粧料が半透明化粧料20であることを特徴とする前記化粧料の装飾方法を提供する。さらに、容器に化粧料を収納した化粧品10の、前記化粧料に光を照射し、それによって化粧料が光って化粧品10が装飾される化粧品10の装飾方法であって、前記化粧料が半透明化粧料20であることを特徴とする前記化粧品10の装飾方法を提供する。
【0060】
これらの方法によれば、半透明化粧料20に光が照射されるので、半透明化粧料20はきれいに光り、半透明化粧料20又は半透明化粧料20を収納した化粧品10に優れた意匠性を付与することができる。例えば、光った半透明化粧料20によって様々なイルミネーションなどを見ることができる。また、例えば、半透明化粧料20を縦長の光透過性容器45に充填し、上方から光を照射すると内容物(収納物)がグラデーションに見えるようになる。また、例えば、前記半透明化粧料20の容器への充填に際して、充填物のデザインを工夫したり、グラデーションを形成したりして工夫すれば、視覚効果を向上させることもできる。
【0061】
前記装飾方法の一実施態様として、容器に設けた発光体30から光を照射することを特徴とする前記化粧品10の装飾方法を採用することができる。これによれば、前記意匠性に優れた化粧品10を携帯用として移動することができる。
【0062】
また、本発明においては、前記方法を用いて、化粧料を該化粧料に光を照射する機能を有する発光体30を設けた容器に収納した化粧品10であって、前記化粧料が半透明化粧料20であり、該半透明化粧料20が前記発光体30からの光の照射によって光ることを特徴とする前記化粧品10が提供される。なお、前記容器は、光透過性容器45であることが好ましい。
【0063】
このように、前記発光体30を容器に設けた化粧品10とすることにより、発光体30とともに化粧品10を移動することができる。携帯用として、前記方法によって得られる優れた意匠性の化粧品10を具現化できる。
【実施例】
【0064】
以下、さらに実施例を挙げて本発明について説明する。配合量は質量%である。
【0065】
[実施例1]
液状油分を油ゲル化剤でゲル化した油性ゲル状化粧料が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0066】
油性ゲル状化粧料の調製
成分 配合量(質量%)
(1)パルミチン酸デキストリン(注) 5.0
(2)重質流動イソパラフィン 40.0
(3)メチルフェニルポリシロキサン 10.0
(4)ミネラルオイル 残量
(5)リンゴ酸ジイソステアリル 20.0
(6)消泡剤 適量
(7)酸化防止剤 適量
(8)赤色202号 x(表2中に記載の量)
(9)ジメチルシリル化シリカ 3.0
(10)防腐剤 適量
(11)香料 適量
合計100.0
【0067】
(注)レオパールKL(千葉製粉株式会社製)
【0068】
(2)〜(7)の油性成分にパルミチン酸デキストリンを加熱溶解し油性ゲルを調製したものに、ジメチルシリル化シリカ、赤色202号を均一に混練分散した後、防腐剤、香料を添加して、油性ゲル状化粧料を製造した。これらの油性ゲル状化粧料はいずれも半透明状であった。該油性ゲル状化粧料の光直進透過率を表2に示した。
【0069】
【表2】

【0070】
化粧品10の調製
前記油性ゲル状化粧料を図1〜3における化粧品10で用いた光透過性容器45とほぼ同じ光透過性容器45に充填して、化粧品10を製造した。なお、前記実施例1における光透過性容器45は、ほぼ円柱形のPET製光透過性容器45(高さ;53mm、直径;最小17mm、最大20mm)であり、照明関連の機構は図2と同じである。次いで、図3における場合と同様に照度1500lxのLED31にて、上方から縦方向に照射し、横方向から目視にて光具合を観察して評価した。下記評価基準によって評価した結果を、表2に示した。なお、実施例における光具合の評価は、すべて下記評価基準によって評価したものである。
【0071】
[評価基準]
◎:非常にきれいに光っている。
○:光っている。
×:光らない。
【0072】
表2より、半透明の油性ゲル状化粧料は光ってみえ、該油性ゲル状化粧料及び該油性ゲル状化粧料を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏することが分かる。図6には、実施例1の処方Aの油性ゲル状化粧料を前記実施例1における光透過性容器45に充填した化粧品10に光を照射した状態の写真図を示したが、前記油性ゲル状化粧料が光っていることが分かる。
【0073】
図7には、比較として透明化粧料を図1〜3と同様の容器(光透過性容器45)に収納した化粧品10に図3と同様に光を照射した写真図を示した。また、図8に同様に不透明化粧料の場合の写真図を示した。いずれも光っていないことが分かる。なお、図7における透明化粧料、図8における不透明化粧料の処方、製造方法及び光直進透過率は以下のとおりである。
【0074】
[透明化粧料]
成分 配合量(質量%)
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 0.1
イソステアリン酸PEG−15グリセリル 0.5
PEG−40水添ひまし油 1.0
プルラン 0.1
1,3−BG 6.0
グリセリン 4.0
水 残量
防腐剤 適量
合計100.0
【0075】
(製造方法)
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、イソステアリン酸PEG−15グリセリル、PEG−40水添ひまし油を混合し、加熱した(A部)。一方、他の成分を混合、加熱した後、前記A部を添加しながら乳化して、エマルジョンからなる化粧料を製造した。
【0076】
(光直進透過率)
98.890%(680nm)、99.060%(530nm)、99.605%(470nm)
【0077】
[不透明化粧料]
成分 配合量(質量%)
(1)パルミチン酸デキストリン(注) 5.0
(2)トリエチルヘキサノイン 残量
(3)メチルフェニルポリシロキサン 10.0
(4)リンゴ酸ジイソステアリル 20.0
(5)酸化チタン 2.6
(6)赤色202号 0.2
(7)黄色4号 1.5
(8)酸化防止剤 適量
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
合計100.0
【0078】
(注)レオパールKL(千葉製粉株式会社製)
【0079】
(製造方法)
(2)〜(4)の油性成分にパルミチン酸デキストリンを溶解し、油性ゲルを調製後、(5)〜(7)の着色顔料を投入し均一に分散した後、酸化防止剤、防腐剤、香料を添加して、不透明な油性ゲル状化粧料を製造した。
【0080】
(光直進透過率)
0.000%(680nm)、0.000%(530nm)、0.000%(470nm)
【0081】
[実施例2]
液状油分を固形状油分で増粘した油性液状化粧料が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0082】
油性液状化粧料の調製
成分 配合量(質量%)
(1)マイクロクリスタリンワックス 0.5
(2)ミネラルオイル 残量
(3)水添ポリイソブテン 60.0
(4)消泡剤 適量
(5)酸化防止剤 適量
(6)赤色202号 x(表3中に記載の量)
(7)ジメチルシリル化シリカ 3.0
(8)防腐剤 適量
(9)香料 適量
合計100.0
【0083】
(1)〜(5)の油性成分を加熱溶解したものに、赤色202号、ジメチルシリル化シリカを均一に混練分散した後、防腐剤、香料を添加して、油性液状化粧料化粧料を製造した。これらの油性液状化粧料はいずれも半透明状であった。該油性液状化粧料の光直進透過率を表3に示した。
【0084】
【表3】

【0085】
化粧品10の調製
実施例1と同様の方法で前記油性液状化粧料を充填した化粧品10を製造し、前記化粧品10の光り具合を実施例1と同様にして評価し、表3に示した。表3より、半透明の油性液状化粧料は光ってみえ、該油性液状化粧料及び該油性液状化粧料を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏することが分かる。図9には、実施例2の処方Aの油性液状化粧料を前記図6と同様の光透過性容器45に充填した化粧品10に光を照射した状態の写真図を示したが、前記油性液状化粧料が光っていることが分かる。
【0086】
[実施例3]
液状油分を固形状油分で固化させた油性固形化粧料が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0087】
油性固形化粧料の調製
成分 配合量(質量%)
(1)ヒドロキシステアリン酸 10.0
(2)水添アビエチン酸グリセリル 8.0
(3)ミネラルオイル 残量
(4)イソノナン酸イソトリデシル 10.0
(5)ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2 50.0
(6)酸化防止剤 適量
(7)ジメチルシリル化シリカ 3.0
(8)防腐剤 適量
(9)香料 適量
合計100.0
【0088】
(1)〜(6)の油性成分を加熱溶解したものに、ジメチルシリル化シリカを均一に混練分散した後、防腐剤、香料を添加して、油性固形化粧料を製造した。該油性固形化粧料は半透明状であった。前記油性固形化粧料の光直進透過率を表4に示した。
【0089】
【表4】

【0090】
化粧品10の調製
実施例1と同様の方法で前記油性固形化粧料を充填した化粧品10を製造し、前記化粧品10の光り具合を実施例1と同様にして評価し、表4に示した。表4より、半透明の油性固形化粧料は光ってみえ、該油性固形化粧料及び該油性固形化粧料を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏することが分かる。なお、光り具合は図6とほぼ同様である。
【0091】
[実施例4]
エマルジョンからなる半透明化粧料20が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0092】
エマルジョンからなる化粧料の調製
【0093】
表5及び表6の処方におけるジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、イソステアリン酸PEG−15グリセリル、PEG−40水添ひまし油を混合し、加熱した(A部)。一方、他の成分を混合、加熱した後、前記A部を添加しながら乳化して、エマルジョンからなる化粧料を製造した。これらの化粧料はいずれも半透明状であった。該エマルジョンからなる半透明化粧料20の光直進透過率を表7及び表8に示した。
【0094】
【表5】

【0095】
【表6】

【0096】
【表7】

【0097】
【表8】

【0098】
化粧品10の調製
実施例1と同様の方法で前記エマルジョンからなる半透明化粧料20を充填した化粧品10を製造し、前記化粧品10の光り具合を実施例1と同様にして評価し、表7及び表8に示した。表7及び表8より、エマルジョンからなる半透明化粧料20は光ってみえ、該エマルジョンからなる半透明化粧料20及び該エマルジョンからなる半透明化粧料20を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏することが分かる。図10には、実施例4の処方Bのエマルジョンからなる半透明化粧料を前記図6と同様の光透過性容器45に充填した化粧品10に光を照射した状態の写真図を示したが、前記エマルジョンからなる半透明化粧料20が光っていることが分かる。
【0099】
[実施例5]
液晶からなる半透明化粧料20が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0100】
液晶からなる化粧料の調製
成分 配合量(質量%)
(1)オレイン酸ジヒドロコレステリル 30.0
(2)オレイン酸フィトステアリル 5.0
(3)酪酸コレステリル 20.0
(4)酪酸ジヒドロコレステリル 15.0
(5)ノナン酸コレステリル 30.0
合計100.0
【0101】
全成分を加熱混合して、液晶からなる化粧料を製造した。該化粧料は半透明状であった。該液晶からなる半透明化粧料20の光直進透過率を表9に示した。
【0102】
【表9】

【0103】
化粧品10の調製
実施例1と同様の方法で前記液晶からなる半透明化粧料20を充填した化粧品10を製造し、前記化粧品10の光り具合を実施例1と同様にして評価し、表9に示した。表9より、液晶からなる半透明化粧料20は光ってみえ、該油液晶からなる半透明化粧料20及び該液晶からなる半透明化粧料20を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏することが分かる。図11には、実施例5の液晶からなる半透明化粧料20を前記図6と同様の光透過性容器45に充填した化粧品10に光を照射した状態の写真図を示したが、前記液晶からなる半透明化粧料20が光っていることが分かる。
【0104】
[実施例6]
液状油分を油ゲル化剤でゲル化した油性ゲル状化粧料が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0105】
油性ゲル状化粧料の調製
表10に示した処方の油性ゲル状化粧料を以下のようにして製造した。すなわち、重質流動イソパラフィンから酸化防止剤までの油性成分にパルミチン酸デキストリンを加熱溶解し油性ゲルを調製したものに、ジメチルシリル化シリカを均一に混練分散した後、防腐剤、香料を添加して、油性ゲル状化粧料を製造した。これらの油性ゲル状化粧料はいずれも半透明状であった。該油性ゲル状化粧料の光直進透過率を表11に示した。
【0106】
【表10】

【0107】
(注)レオパールKL(千葉製粉株式会社製)
【0108】
【表11】

【0109】
化粧品10の調製
実施例1と同様の方法で前記油性ゲル状化粧料を充填した化粧品10を製造し、前記化粧品10の光り具合を実施例1と同様にして評価し、表11に示した。表11より、半透明の油性ゲル状化粧料は光ってみえ、該油性ゲル状化粧料及び該油性ゲル状化粧料を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏することが分かる。なお、光り具合はいずれも図6と同様である。
【0110】
[実施例7]
液状油分を油ゲル化剤でゲル化した油性ゲル状化粧料が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0111】
油性ゲル状化粧料の調製
表12に示した処方の油性ゲル状化粧料を以下のようにして製造した。すなわち、(2)〜(7)の油性成分にパルミチン酸デキストリンを加熱溶解し油性ゲルを調製したものに、ジメチルシリル化シリカ、赤色202号を均一に混練分散した後、(PET/PMMA)ラミネート、防腐剤、香料を添加して、油性ゲル状化粧料を製造した。該油性ゲル状化粧料はいずれも半透明状であった。該油性ゲル状化粧料の光直進透過率を表13に示した。
【0112】
【表12】

【0113】
(注)レオパールKL(千葉製粉株式会社製)
【0114】
【表13】

【0115】
化粧品10の調製
実施例1と同様の方法で前記油性ゲル状化粧料を充填した化粧品10を製造し、前記化粧品10の光り具合を実施例1と同様にして評価し、表13に示した。表13より、半透明の油性ゲル状化粧料は光ってみえ、該油性ゲル状化粧料及び該油性ゲル状化粧料を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏することが分かる。なお、光り具合は図6と同様である。
【0116】
[実施例8]
水を水ゲル化剤でゲル化した水性ゲル状化粧料が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0117】
水性ゲル状化粧料の調製
表14に示した処方の水性ゲル状化粧料を以下のようにして製造した。すなわち、(1)〜(3)を充分溶解し、該溶解物に(4)〜(6)を溶解した後、(7)〜(8)を添加しpH調整を行った後、(9)を添加し分散させて水性ゲル状化粧料を製造した。これらの水性ゲル状化粧料はいずれも半透明状であった。該水性ゲル状化粧料の光直進透過率を表15に示した。
【0118】
【表14】

【0119】
【表15】

【0120】
化粧品10の調製
実施例1と同様の方法で前記水性ゲル状化粧料を充填した化粧品10を製造し、前記化粧品10の光り具合を実施例1と同様にして評価し、表15に示した。表15より、半透明の水性ゲル状化粧料は光ってみえ、該水性ゲル状化粧料及び該水性ゲル状化粧料を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏することが分かる。図12には、実施例8の処方Aの水性ゲル状化粧料を前記図6と同様の光透過性容器45に充填した化粧品10に光を照射した状態の写真図を示したが、前記水性ゲル状化粧料が光っていることが分かる。
【0121】
[実施例9]
水を水ゲル化剤でゲル化した水性ゲル状化粧料が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0122】
水性ゲル状化粧料の調製
成分 配合量(質量%)
(1)キサンタンガム 0.5
(2)1,3−BG 5.0
(3)グリセリン 10.0
(4)水 残量
合計100.0
【0123】
(4)の水に(1)のキサンタンガムを常温にて充分分散した後、加熱溶解し、該溶解物に(2)〜(3)を均一分散して、水性ゲル状化粧料を製造した。この水性ゲル状化粧料は半透明状であった。該水性ゲル状化粧料の光直進透過率を表16に示した。
【0124】
【表16】

【0125】
化粧品10の調製
実施例1と同様の方法で前記水性ゲル状化粧料を充填した化粧品10を製造し、前記化粧品10の光り具合を実施例1と同様にして評価し、表16に示した。表16より、半透明の水性ゲル状化粧料は光ってみえ、該水性ゲル状化粧料及び該水性ゲル状化粧料を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏することが分かる。なお、光り具合は図12と同様である。
【0126】
[実施例10]
液状油分を固形状油分で固化させた油性固形化粧料が繰り出し式の容器40に収納された化粧品10(リップスティック)
【0127】
油性固形化粧料の調製
成分 配合量(質量%)
(1)ヒドロキシステアリン酸 10.0
(2)水添アビエチン酸グリセリル 8.0
(3)ミネラルオイル 残量
(4)イソノナン酸イソトリデシル 10.0
(5)ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2 50.0
(6)ジメチルシリル化シリカ 3.0
(7)赤色202号 0.05
(8)防腐剤 適量
(9)酸化防止剤 適量
(10)香料 適量
合計100.0
【0128】
(製造方法)
(1)〜(5)を加熱溶解したものに、(6)〜(7)を混練分散後、(8)〜(10)を添加し分散させて油性固形化粧料を製造した。製造された油性固形化粧料は半透明状であった。製造された油性固形化粧料を、加熱溶解した後、リップステイックの成型型に流し込み冷却固化し、リップステイック状の油性固形化粧料を製造した。該化粧料の光直進透過率を表17に示した。
【0129】
【表17】

【0130】
化粧品10の調製
前記スティック状の油性固形化粧料を、口紅用繰り出し式の容器40(繰り出し式容器ともいう。)の中皿に差し込みセットし、リップスティックを製造した。なお、前記繰り出し式容器の中皿にセットしたリップスティックは砲弾型であり、該砲弾型リップスティックの底面の直径は11.8mmであり、高さは30mmである。次いで、前記口紅用繰り出し式容器から繰り出したリップスティックに外部より光度1500mcdの光を照射し、前記リップスティックの光り具合を実施例1と同様にして評価し、表17に示した。表17より、半透明のリップスティックは非常にきれいに光ってみえ、該リップスティック及び該リップスティックを充填した化粧品10は優れた意匠性を奏することが分かる。図13には、前記リップスティックにに光を照射した状態の写真図を示したが、前記リップスティックが光っていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る化粧品10を示す概念的な図である。
【図2】図1の化粧品10の構造を説明するために図1の化粧品10の一部の内部構造が見えるように示した概念的な図である。
【図3】図1(図2)の化粧品10のリップグロス(半透明化粧料20)に光を照射した状態の光りの具合を示した概念的な図である。
【図4】半透明化粧料20を化粧水瓶に収納した化粧品10の前記半透明化粧料20に光を照射した状態の光りの具合を概念的に示す図である。
【図5】半透明化粧料20をジャータイプの容器に収納した化粧品10の前記半透明化粧料20に光を照射した状態の光りの具合を概念的に示す図である。
【図6】半透明の油性ゲル状化粧料Aを充填した実施例1に係る化粧品10の前記油性ゲル状化粧料Aに光を照射した状態の写真図である。
【図7】透明化粧料を収納した化粧品10の前記透明化粧料に光を照射した状態の写真図である。
【図8】不透明化粧料を収納した化粧品10の前記不透明化粧料に光を照射した状態の写真図である。
【図9】半透明の油性液状化粧料Aを充填した実施例2に係る化粧品10の前記油性液状化粧料Aに光を照射した状態の写真図である。
【図10】エマルジョンからなる半透明化粧料Bを充填した実施例4に係る化粧品10の前記エマルジョンからなる半透明化粧料Bに光を照射した状態の写真図である。
【図11】液晶からなる半透明化粧料を充填した実施例5に係る化粧品10の前記液晶からなる半透明化粧料に光を照射した状態の写真図である。
【図12】水性ゲル状化粧料Aを充填した実施例8に係る化粧品10の前記水性ゲル状化粧料Aに光を照射した状態の写真図である。
【図13】実施例10のリップスティックに光を照射した状態の写真図である。
【符号の説明】
【0132】
10 化粧品
20 半透明化粧料
30 発光体
31 LED
40 容器
41 キャップ
42 しごき
43 軸
44 塗布具
45 光透過性容器
50 電池
60 入射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料に光を照射し、それによって化粧料が光って化粧料が装飾される化粧料の装飾方法であって、前記化粧料が半透明化粧料であることを特徴とする前記化粧料の装飾方法。
【請求項2】
容器に化粧料を収納した化粧品の、前記化粧料に光を照射し、それによって化粧料が光って化粧品が装飾される化粧品の装飾方法であって、前記化粧料が半透明化粧料であることを特徴とする前記化粧品の装飾方法。
【請求項3】
容器に設けた発光体から光を照射することを特徴とする請求項2記載の化粧品の装飾方法。
【請求項4】
化粧料を該化粧料に光を照射する機能を有する発光体を設けた容器に収納した化粧品であって、前記化粧料が半透明化粧料であり、該半透明化粧料が前記発光体からの光の照射によって光ることを特徴とする前記化粧品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−99227(P2010−99227A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272857(P2008−272857)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(390041036)株式会社日本色材工業研究所 (37)
【Fターム(参考)】