化粧材の製造方法,及び化粧材
【課題】デザイン性を高め、しかも床材としてのサネ加工を施すことが可能な化粧材の製造方法及び化粧材を提供する。
【解決手段】本発明に係る化粧材の製造方法は、矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、化粧シートの四隅に、切欠部を形成するように、基材の所定深さまで到達する切り込みを形成するステップと、基材において対向する第1の一対の側面に、化粧シートの端部の直下に形成され切り込みの深さよりも厚さの薄い薄厚部、当該薄厚部の基端部から他方面側に延び薄厚部が貼り合わされる貼り付け面、及び貼り付け面から他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、基材において対向する第2の一対の側面に、第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、基材の四辺の薄厚部を、化粧シートとともに折り曲げ、貼り付け面にそれぞれ貼り合わせるステップと、を備えている。
【解決手段】本発明に係る化粧材の製造方法は、矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、化粧シートの四隅に、切欠部を形成するように、基材の所定深さまで到達する切り込みを形成するステップと、基材において対向する第1の一対の側面に、化粧シートの端部の直下に形成され切り込みの深さよりも厚さの薄い薄厚部、当該薄厚部の基端部から他方面側に延び薄厚部が貼り合わされる貼り付け面、及び貼り付け面から他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、基材において対向する第2の一対の側面に、第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、基材の四辺の薄厚部を、化粧シートとともに折り曲げ、貼り付け面にそれぞれ貼り合わせるステップと、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形の板状基材に化粧シートが貼り付けられた化粧材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
棚板、天板などの家具は、基材の表面に化粧シートが貼り付けられたものが多く用いられている。その際、基材表面の対向する二辺の角を削って傾斜面、または曲面を形成し、この部分に化粧シートを巻き付けることがあり、これによって、高級感、立体感を付与している。このような化粧シートの貼り付けについては、例えば、特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2001−313411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年、上記のような化粧材を床材として用いることが多くなっている。しかしながら、床材として用いるには、化粧材の側面に凹部や凸部を形成するいわゆるサネ加工を施す必要がある。また、化粧材のデザイン性を高めるには、基材正面の四辺ともに化粧シートを折り曲げて覆う必要がある。したがって、化粧材を床材として用いるには、通常の家具用の化粧材に加え、種々の要求を満たさなければならない。しかしながら、現在のところ、このような化粧材は提案されていない。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、デザイン性を高め、しかも床材としてのサネ加工を施すことが可能な化粧材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る第1の化粧材の製造方法は、上記問題を解決するためになされたものであり、矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、前記化粧シートの四隅に、切欠部を形成するように、所定深さの切り込みを形成するステップと、前記化粧シート及び基材における対向する第1の一対の側面部に、前記切り込みの深さよりも厚さが薄く少なくとも前記化粧シートの一部の端部を含むシート状の折り曲げ部、当該折り曲げ部の基端部から前記基材の他方面側に延び前記折り曲げ部が貼り合わされる貼り付け、及び前記貼り付け面から前記他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、前記基材において対向する第2の一対の側面部に、前記第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、前記四隅の切欠部を取り除き、当該四隅において連結されていた前記折り曲げ部を、前記4つの側面部に沿ってそれぞれ延びるように分割するステップと、前記各折り曲げ部を折り曲げ、前記貼り付け面にそれぞれ貼り合わせるステップと、を備えている。
【0006】
この第1の製造方法において、折り曲げ部は、化粧シートと、当該化粧シートの端部の直下に形成される基材のうち厚さの薄い薄厚部とで、構成することができる。或いは、厚みの大きい化粧シートを用いる場合には、折り曲げ部を化粧シートのみで形成することもできる。
【0007】
本発明に係る第2の化粧材の製造方法は、上記問題を解決するためになされたものであり、矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、前記基材において対向する第1の一対の側面に、前記化粧シートの端部の直下に形成される所定厚さの薄厚部、当該薄厚部の基端部から他方面側に延び前記薄厚部が貼り合わされる貼り付け面、及び前記貼り付け面から他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、前記第1の一対の側面において、前記薄厚部を前記化粧シートとともに折り曲げて、前記貼り付け面に貼り合わせるステップと、前記基材において対向する第2の一対の側面に、前記第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、前記第2の一対の側面において、前記薄厚部を前記化粧シートとともに折り曲げて、前記貼り付け面に貼り合わせるステップと、を備えている。
【0008】
本発明に係る第3の化粧材の製造方法は、上記問題を解決するためになされたものであり、矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、前記基材において対向する第1の一対の側面に、前記化粧シートの端部の直下に形成される所定厚さの薄厚部、当該薄厚部の基端部から他方面側に延び前記薄厚部が貼り合わされる貼り付け面、及び前記貼り付け面から他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、前記基材において対向する第2の一対の側面に、前記第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、前記化粧シートの四隅に、前記薄厚部とともに切り取られる切欠部を形成するステップと、前記基材の四辺の薄厚部を、前記化粧シートとともに折り曲げ、前記貼り付け面にそれぞれ貼り合わせるステップと、を備えている。
【0009】
上記各発明において、貼り付け面に、薄厚部の基端部から延びる傾斜面を設けることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る化粧材は、上記問題を解決するためになされたものであり、上記のいずれかに記載の方法により製造される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、デザイン性を高め、しかも床材としてのサネ加工を施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1実施形態)
まず、本発明に係る化粧材の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る化粧材の端部の断面図、図2は製造過程にある化粧材の端部の断面図である。図1に示すように、この化粧材は、床材として用いられるものであり、矩形の板状基材1の表面に化粧シート2が貼り付けられている。基材としては、例えば合板、MDF、パーティクルボード、合成樹脂などを用いることができる。また、化粧シートは、公知のものを用いることができ、一般的なシート、フィルムなどを用いることができる。
【0013】
そして、基材1の4辺の側面には、上面から連続する傾斜面31が形成されており、この傾斜面31と、その下方の所定長さの垂直面32とに亘って化粧シートの端部が折り曲げられて貼り付けられている。また、4つの側面には、それぞれ凸部または凹部が形成されたいわゆるサネ加工が施されている。
【0014】
このような側面の加工工程についてより詳細に説明すると、化粧シート2が貼り付けられた後、基材1の側面は、図2に示すように加工される。すなわち、加工後の基材1の側面には、化粧シート2の直下に位置する薄厚部4、この薄厚部4の基端部から下面側に延び、化粧シート2が貼り付けられる貼り付け面3、及び貼り付け面3から下面側に延び、凸部または凹部が形成されたサネ加工部5が形成される。このとき、薄厚部4の厚さは、材料の曲げ及び切削の特性にもよるが、例えば、0.2〜0.8mmとすることができる。なお、貼り付け面3は、上述した傾斜面31と垂直面32で構成されている。このような加工面は、テノーナーと呼ばれる加工機械によって、基材1の側面を削り取ることで形成される。図2に示すDの部分がテノーナーによって切削加工が施された部分である。このような切削加工の後、化粧シート2がその直下の薄厚部4とともに、折り曲げられて貼り付け面3に貼り付けられる。
【0015】
以上のような化粧材は、種々の方法で作成することができるが、以下では3つの方法について説明する。
【0016】
(第1実施形態)
本発明に係る床材の製造方法の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図3から図7はこの化粧材の製造方法を示す図である。まず、図3に示すように、木製の基材1の上面に、同じ大きさの公知の化粧シート2を接着剤により貼り付ける。次に、図4に示すように、この基材1を所望の大きさに切断する。この例では、基材1を化粧シート2とともに長手方向に切断し、3つに分割している。
【0017】
続いて、図5に示すように、各床材上面の四隅の角部に切り込みSを形成する。図5は、四隅のうちの一つの拡大平面図(a)及び長辺側から見た断面図(b)である。上述したように、この床材は、化粧シート2の端部を四辺に沿って折り曲げているため、化粧シート2の四隅は、折り曲げを容易にするためには、不要な部分となる。したがって、この不要な部分を切り離すための前段階として、切り込みSを形成しておく。この切り込みSは、化粧シート2を貫通し、基材1表面の一部まで届く深さに形成される。すなわち、切り込みSの化粧シート2表面からの深さHは、化粧シートの厚みh1と薄厚部4の厚みh2の合計厚さh(折り曲げ部の厚さ)よりも若干大きくなっている。
【0018】
ここで、図5に示す各線及び点は、以下の通り設定されている。
【0019】
x:傾斜面31の上端Pに対応する、短辺に沿う折り曲げ線
y:傾斜面31の下端Qに対応する、短辺に沿う折り曲げ線
X:傾斜面31の上端Pに対応する、長辺に沿う折り曲げ線
Y:傾斜面31の下端Qに対応する、長辺に沿う折り曲げ線
a:長辺A側の垂直面32の端縁に沿う線
b:短辺B側の垂直面32の端縁に沿う線
M:線xと線Xの交点
N:線yと線Yの交点
R:線Xにて化粧シートを長辺Aに向かって折り曲げた時、点Nと一致する点
T:線xから化粧シートを短辺Bに向かって折り曲げた時、点Nと一致する点
より詳細には、切り込み線Sは、長辺A側から線aに沿って延び、点Rから点Mに向かって延びるように形成されている。同様に、短辺B側からも線bに沿って延び、交点Tで折れ曲がって交点Mで合流する切り込みSが形成されている。こうして、図5に示すように、化粧シート2の隅部には、この切り込み線Sで囲まれた領域Wが形成され、この領域Wが折り曲げ時に不要な領域となる。ここで、後述するように、化粧シート2が折り曲げられた完成時には、点Rと点Tとが一致するように設計されている。
【0020】
こうして、化粧シート2の四隅に切り込みSを形成した後、両短辺Bについて上述した切削加工を行う。同様に、両長辺Aについても切削加工を行う。このとき、切り込みSの深さHは、薄厚部4の厚みhよりも若干大きいので、切削加工を行ったときには、薄厚部4において、切り込みSで囲まれた領域W(切欠部)が離脱する。これに続いて、図6に示すように、両短辺Bの傾斜面31及び垂直面32に、接着剤を塗布した後、化粧シート2の端部を薄厚部4とともに、線x,線yで折り曲げて、薄厚部4を傾斜面31及び垂直面32に貼り付ける。その後、長辺Aについても、同様に接着剤の塗布と化粧シート2の折り曲げ、貼り付けを行うと、図7に示すように、化粧シート2の切り込みSのR−M及びT−Mが、長辺A側及び短辺B側の傾斜面31の交線上で一致し、化粧材が完成する。
【0021】
この実施形態によれば、化粧シート2の表面に切り込みを形成した後、切削加工を行っている。このとき、切り込みSの深さHは、薄厚部4の厚みhよりも若干大きいので、切削加工を行ったときには、薄厚部4において、切り込みSで囲まれた部分が離脱する。したがって、化粧シート2の折り曲げ時にふような部分を簡単に除去することができ、製造工程を簡単にすることができる。このように、予め切り込みを形成しておけば、上記のように、貼り付け面3を化粧シート2で過不足なく覆うことができ、化粧材の仕上がりを美しくすることができる。
【0022】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る床材の製造方法の第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。図8から図10は、この実施形態に係る化粧材の製造方法を示す図である。第1実施形態と同様に、基板に化粧シートを貼り付けた後、所定の大きさに切断する。これに続いて、図8に示すように、長辺に沿う側面に切削加工を施した後、図9に示すように、化粧シート2の端部を薄厚部4とともに、折り曲げ、接着剤によって貼り付け面3に貼り付ける。この状態から、短辺側についても切削加工を行うと、図10の状態になる。このとき、化粧シート2の隅部の不要な部分は、切り取られる。これに続いて、短辺側の化粧シート2の端部を薄厚部4とともに、折り曲げ、接着剤により貼り付け面3に貼り付けると、化粧材が完成する。
【0023】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る床材の製造方法の第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。図11から図13はこの化粧材の製造方法を示す図である。第1実施形態と同様に、基板1に化粧シート2を貼り付けた後、所定の大きさに切断する。これに続いて、図11に示すように、長辺、短辺ともに切削加工を行う。これに続いて、化粧シート2の隅部の不要な部分の切断を行うのであるが、この方法は、種々の方法が考えられる。例えば、図12に示すように、位置決め部材10を基材1の短辺及び長辺に沿う傾斜面31の上端に当接した後、上記不要な隅部の下方に板状の支持部材20を配置する。続いて、上述した切り込み線Sに沿って、打ち抜き加工を行い、不要な隅部W(切欠部)の除去を行う。或いは、図13に示すように、切り込み線Sに沿うような一対の下刃30を、切り込み線Sの周囲から薄厚部4の下側に配置するとともに、切り込み線Sに沿う打ち抜き用の上刃を準備し、両下刃30の間に上刃を下降させると、上刃と下刃30のせん断により不要な隅部の除去を行うことができる。これに続いて、化粧シート2の端部を薄厚部4とともに折り曲げ、接着剤により貼り付け面3に貼り付けると、化粧材が完成する。
【0024】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、上記傾斜面31は、円弧状にすることもできる。また、垂直面32も厳密な垂直でなくてもよく、例えば、やや傾斜したり、或いは上部が突き出したような形状にすることもできる。或いは、傾斜面自体を形成せず、垂直面だけを貼り付け面とすることもできる。
【0025】
また、化粧シート2を線X,xで折り曲げやすくするには、例えば、図14に示すように、切削加工時に薄厚部4の基端部付近41の厚みを薄くすればよい。すなわち、薄厚部4の下面における基端部付近41をさらに削り取るようにする。こうすることで、化粧シート2が折り曲げやすくなり、折り曲げ線X,xを美しく仕上げることができる。このとき、図15に示すように、基端部付近で、薄厚部4を完全に削り取り、化粧シート2が露出するようにすることもできる。
【0026】
また、上記第1実施形態では、化粧シート2の直下に薄厚部4を形成しているが、化粧シート2の厚みが大きい場合、例えば、0.05〜0.6mm程度の場合には、薄厚部を形成せず、化粧シート2のみを折り曲げて貼り付け面3に貼り付けるようにすることもできる。すなわち、薄厚部を形成せず、図16に示すように、化粧シート2の下面が露出するように切削加工をしたり、或いは、図17に示すように、化粧シート2の一部を基材1とともに削り取るように切削加工をしてもよい。そして、このような加工の後、化粧シート2の端部を折り曲げて、貼り付け面3に貼り合わせる。なお、図16及び図17のいずれの場合も、切り込み深さHは、折り曲げようとする化粧シートの厚さh(折り曲げ部としての化粧シートの厚さ)よりも大きくする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態に係る化粧材の端部の断面図である。
【図2】製造過程にある化粧材の端部の断面図である。
【図3】第1実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図4】第1実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図5】第1実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図6】第1実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図7】第1実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図8】第2実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図9】第2実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図10】第2実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図11】第3実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図12】第3実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図13】第3実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図14】本発明に係る化粧材の製造方法の他の例を示す図である。
【図15】本発明に係る化粧材の製造方法の他の例を示す図である。
【図16】本発明に係る化粧材の製造方法の他の例を示す図である。
【図17】本発明に係る化粧材の製造方法の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1 基材
2 化粧シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形の板状基材に化粧シートが貼り付けられた化粧材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
棚板、天板などの家具は、基材の表面に化粧シートが貼り付けられたものが多く用いられている。その際、基材表面の対向する二辺の角を削って傾斜面、または曲面を形成し、この部分に化粧シートを巻き付けることがあり、これによって、高級感、立体感を付与している。このような化粧シートの貼り付けについては、例えば、特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2001−313411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年、上記のような化粧材を床材として用いることが多くなっている。しかしながら、床材として用いるには、化粧材の側面に凹部や凸部を形成するいわゆるサネ加工を施す必要がある。また、化粧材のデザイン性を高めるには、基材正面の四辺ともに化粧シートを折り曲げて覆う必要がある。したがって、化粧材を床材として用いるには、通常の家具用の化粧材に加え、種々の要求を満たさなければならない。しかしながら、現在のところ、このような化粧材は提案されていない。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、デザイン性を高め、しかも床材としてのサネ加工を施すことが可能な化粧材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る第1の化粧材の製造方法は、上記問題を解決するためになされたものであり、矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、前記化粧シートの四隅に、切欠部を形成するように、所定深さの切り込みを形成するステップと、前記化粧シート及び基材における対向する第1の一対の側面部に、前記切り込みの深さよりも厚さが薄く少なくとも前記化粧シートの一部の端部を含むシート状の折り曲げ部、当該折り曲げ部の基端部から前記基材の他方面側に延び前記折り曲げ部が貼り合わされる貼り付け、及び前記貼り付け面から前記他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、前記基材において対向する第2の一対の側面部に、前記第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、前記四隅の切欠部を取り除き、当該四隅において連結されていた前記折り曲げ部を、前記4つの側面部に沿ってそれぞれ延びるように分割するステップと、前記各折り曲げ部を折り曲げ、前記貼り付け面にそれぞれ貼り合わせるステップと、を備えている。
【0006】
この第1の製造方法において、折り曲げ部は、化粧シートと、当該化粧シートの端部の直下に形成される基材のうち厚さの薄い薄厚部とで、構成することができる。或いは、厚みの大きい化粧シートを用いる場合には、折り曲げ部を化粧シートのみで形成することもできる。
【0007】
本発明に係る第2の化粧材の製造方法は、上記問題を解決するためになされたものであり、矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、前記基材において対向する第1の一対の側面に、前記化粧シートの端部の直下に形成される所定厚さの薄厚部、当該薄厚部の基端部から他方面側に延び前記薄厚部が貼り合わされる貼り付け面、及び前記貼り付け面から他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、前記第1の一対の側面において、前記薄厚部を前記化粧シートとともに折り曲げて、前記貼り付け面に貼り合わせるステップと、前記基材において対向する第2の一対の側面に、前記第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、前記第2の一対の側面において、前記薄厚部を前記化粧シートとともに折り曲げて、前記貼り付け面に貼り合わせるステップと、を備えている。
【0008】
本発明に係る第3の化粧材の製造方法は、上記問題を解決するためになされたものであり、矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、前記基材において対向する第1の一対の側面に、前記化粧シートの端部の直下に形成される所定厚さの薄厚部、当該薄厚部の基端部から他方面側に延び前記薄厚部が貼り合わされる貼り付け面、及び前記貼り付け面から他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、前記基材において対向する第2の一対の側面に、前記第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、前記化粧シートの四隅に、前記薄厚部とともに切り取られる切欠部を形成するステップと、前記基材の四辺の薄厚部を、前記化粧シートとともに折り曲げ、前記貼り付け面にそれぞれ貼り合わせるステップと、を備えている。
【0009】
上記各発明において、貼り付け面に、薄厚部の基端部から延びる傾斜面を設けることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る化粧材は、上記問題を解決するためになされたものであり、上記のいずれかに記載の方法により製造される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、デザイン性を高め、しかも床材としてのサネ加工を施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1実施形態)
まず、本発明に係る化粧材の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る化粧材の端部の断面図、図2は製造過程にある化粧材の端部の断面図である。図1に示すように、この化粧材は、床材として用いられるものであり、矩形の板状基材1の表面に化粧シート2が貼り付けられている。基材としては、例えば合板、MDF、パーティクルボード、合成樹脂などを用いることができる。また、化粧シートは、公知のものを用いることができ、一般的なシート、フィルムなどを用いることができる。
【0013】
そして、基材1の4辺の側面には、上面から連続する傾斜面31が形成されており、この傾斜面31と、その下方の所定長さの垂直面32とに亘って化粧シートの端部が折り曲げられて貼り付けられている。また、4つの側面には、それぞれ凸部または凹部が形成されたいわゆるサネ加工が施されている。
【0014】
このような側面の加工工程についてより詳細に説明すると、化粧シート2が貼り付けられた後、基材1の側面は、図2に示すように加工される。すなわち、加工後の基材1の側面には、化粧シート2の直下に位置する薄厚部4、この薄厚部4の基端部から下面側に延び、化粧シート2が貼り付けられる貼り付け面3、及び貼り付け面3から下面側に延び、凸部または凹部が形成されたサネ加工部5が形成される。このとき、薄厚部4の厚さは、材料の曲げ及び切削の特性にもよるが、例えば、0.2〜0.8mmとすることができる。なお、貼り付け面3は、上述した傾斜面31と垂直面32で構成されている。このような加工面は、テノーナーと呼ばれる加工機械によって、基材1の側面を削り取ることで形成される。図2に示すDの部分がテノーナーによって切削加工が施された部分である。このような切削加工の後、化粧シート2がその直下の薄厚部4とともに、折り曲げられて貼り付け面3に貼り付けられる。
【0015】
以上のような化粧材は、種々の方法で作成することができるが、以下では3つの方法について説明する。
【0016】
(第1実施形態)
本発明に係る床材の製造方法の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図3から図7はこの化粧材の製造方法を示す図である。まず、図3に示すように、木製の基材1の上面に、同じ大きさの公知の化粧シート2を接着剤により貼り付ける。次に、図4に示すように、この基材1を所望の大きさに切断する。この例では、基材1を化粧シート2とともに長手方向に切断し、3つに分割している。
【0017】
続いて、図5に示すように、各床材上面の四隅の角部に切り込みSを形成する。図5は、四隅のうちの一つの拡大平面図(a)及び長辺側から見た断面図(b)である。上述したように、この床材は、化粧シート2の端部を四辺に沿って折り曲げているため、化粧シート2の四隅は、折り曲げを容易にするためには、不要な部分となる。したがって、この不要な部分を切り離すための前段階として、切り込みSを形成しておく。この切り込みSは、化粧シート2を貫通し、基材1表面の一部まで届く深さに形成される。すなわち、切り込みSの化粧シート2表面からの深さHは、化粧シートの厚みh1と薄厚部4の厚みh2の合計厚さh(折り曲げ部の厚さ)よりも若干大きくなっている。
【0018】
ここで、図5に示す各線及び点は、以下の通り設定されている。
【0019】
x:傾斜面31の上端Pに対応する、短辺に沿う折り曲げ線
y:傾斜面31の下端Qに対応する、短辺に沿う折り曲げ線
X:傾斜面31の上端Pに対応する、長辺に沿う折り曲げ線
Y:傾斜面31の下端Qに対応する、長辺に沿う折り曲げ線
a:長辺A側の垂直面32の端縁に沿う線
b:短辺B側の垂直面32の端縁に沿う線
M:線xと線Xの交点
N:線yと線Yの交点
R:線Xにて化粧シートを長辺Aに向かって折り曲げた時、点Nと一致する点
T:線xから化粧シートを短辺Bに向かって折り曲げた時、点Nと一致する点
より詳細には、切り込み線Sは、長辺A側から線aに沿って延び、点Rから点Mに向かって延びるように形成されている。同様に、短辺B側からも線bに沿って延び、交点Tで折れ曲がって交点Mで合流する切り込みSが形成されている。こうして、図5に示すように、化粧シート2の隅部には、この切り込み線Sで囲まれた領域Wが形成され、この領域Wが折り曲げ時に不要な領域となる。ここで、後述するように、化粧シート2が折り曲げられた完成時には、点Rと点Tとが一致するように設計されている。
【0020】
こうして、化粧シート2の四隅に切り込みSを形成した後、両短辺Bについて上述した切削加工を行う。同様に、両長辺Aについても切削加工を行う。このとき、切り込みSの深さHは、薄厚部4の厚みhよりも若干大きいので、切削加工を行ったときには、薄厚部4において、切り込みSで囲まれた領域W(切欠部)が離脱する。これに続いて、図6に示すように、両短辺Bの傾斜面31及び垂直面32に、接着剤を塗布した後、化粧シート2の端部を薄厚部4とともに、線x,線yで折り曲げて、薄厚部4を傾斜面31及び垂直面32に貼り付ける。その後、長辺Aについても、同様に接着剤の塗布と化粧シート2の折り曲げ、貼り付けを行うと、図7に示すように、化粧シート2の切り込みSのR−M及びT−Mが、長辺A側及び短辺B側の傾斜面31の交線上で一致し、化粧材が完成する。
【0021】
この実施形態によれば、化粧シート2の表面に切り込みを形成した後、切削加工を行っている。このとき、切り込みSの深さHは、薄厚部4の厚みhよりも若干大きいので、切削加工を行ったときには、薄厚部4において、切り込みSで囲まれた部分が離脱する。したがって、化粧シート2の折り曲げ時にふような部分を簡単に除去することができ、製造工程を簡単にすることができる。このように、予め切り込みを形成しておけば、上記のように、貼り付け面3を化粧シート2で過不足なく覆うことができ、化粧材の仕上がりを美しくすることができる。
【0022】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る床材の製造方法の第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。図8から図10は、この実施形態に係る化粧材の製造方法を示す図である。第1実施形態と同様に、基板に化粧シートを貼り付けた後、所定の大きさに切断する。これに続いて、図8に示すように、長辺に沿う側面に切削加工を施した後、図9に示すように、化粧シート2の端部を薄厚部4とともに、折り曲げ、接着剤によって貼り付け面3に貼り付ける。この状態から、短辺側についても切削加工を行うと、図10の状態になる。このとき、化粧シート2の隅部の不要な部分は、切り取られる。これに続いて、短辺側の化粧シート2の端部を薄厚部4とともに、折り曲げ、接着剤により貼り付け面3に貼り付けると、化粧材が完成する。
【0023】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る床材の製造方法の第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。図11から図13はこの化粧材の製造方法を示す図である。第1実施形態と同様に、基板1に化粧シート2を貼り付けた後、所定の大きさに切断する。これに続いて、図11に示すように、長辺、短辺ともに切削加工を行う。これに続いて、化粧シート2の隅部の不要な部分の切断を行うのであるが、この方法は、種々の方法が考えられる。例えば、図12に示すように、位置決め部材10を基材1の短辺及び長辺に沿う傾斜面31の上端に当接した後、上記不要な隅部の下方に板状の支持部材20を配置する。続いて、上述した切り込み線Sに沿って、打ち抜き加工を行い、不要な隅部W(切欠部)の除去を行う。或いは、図13に示すように、切り込み線Sに沿うような一対の下刃30を、切り込み線Sの周囲から薄厚部4の下側に配置するとともに、切り込み線Sに沿う打ち抜き用の上刃を準備し、両下刃30の間に上刃を下降させると、上刃と下刃30のせん断により不要な隅部の除去を行うことができる。これに続いて、化粧シート2の端部を薄厚部4とともに折り曲げ、接着剤により貼り付け面3に貼り付けると、化粧材が完成する。
【0024】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、上記傾斜面31は、円弧状にすることもできる。また、垂直面32も厳密な垂直でなくてもよく、例えば、やや傾斜したり、或いは上部が突き出したような形状にすることもできる。或いは、傾斜面自体を形成せず、垂直面だけを貼り付け面とすることもできる。
【0025】
また、化粧シート2を線X,xで折り曲げやすくするには、例えば、図14に示すように、切削加工時に薄厚部4の基端部付近41の厚みを薄くすればよい。すなわち、薄厚部4の下面における基端部付近41をさらに削り取るようにする。こうすることで、化粧シート2が折り曲げやすくなり、折り曲げ線X,xを美しく仕上げることができる。このとき、図15に示すように、基端部付近で、薄厚部4を完全に削り取り、化粧シート2が露出するようにすることもできる。
【0026】
また、上記第1実施形態では、化粧シート2の直下に薄厚部4を形成しているが、化粧シート2の厚みが大きい場合、例えば、0.05〜0.6mm程度の場合には、薄厚部を形成せず、化粧シート2のみを折り曲げて貼り付け面3に貼り付けるようにすることもできる。すなわち、薄厚部を形成せず、図16に示すように、化粧シート2の下面が露出するように切削加工をしたり、或いは、図17に示すように、化粧シート2の一部を基材1とともに削り取るように切削加工をしてもよい。そして、このような加工の後、化粧シート2の端部を折り曲げて、貼り付け面3に貼り合わせる。なお、図16及び図17のいずれの場合も、切り込み深さHは、折り曲げようとする化粧シートの厚さh(折り曲げ部としての化粧シートの厚さ)よりも大きくする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態に係る化粧材の端部の断面図である。
【図2】製造過程にある化粧材の端部の断面図である。
【図3】第1実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図4】第1実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図5】第1実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図6】第1実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図7】第1実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図8】第2実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図9】第2実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図10】第2実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図11】第3実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図12】第3実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図13】第3実施形態に係る化粧材の製造方法を説明する図である。
【図14】本発明に係る化粧材の製造方法の他の例を示す図である。
【図15】本発明に係る化粧材の製造方法の他の例を示す図である。
【図16】本発明に係る化粧材の製造方法の他の例を示す図である。
【図17】本発明に係る化粧材の製造方法の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1 基材
2 化粧シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、
前記化粧シートの四隅に、切欠部を形成するように、所定深さの切り込みを形成するステップと、
前記化粧シート及び基材における対向する第1の一対の側面部に、前記切り込みの深さよりも厚さが薄く少なくとも前記化粧シートの一部の端部を含むシート状の折り曲げ部、当該折り曲げ部の基端部から前記基材の他方面側に延び前記折り曲げ部が貼り合わされる貼り付け面、及び前記貼り付け面から前記他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、
前記基材において対向する第2の一対の側面部に、前記第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、
前記四隅の切欠部を取り除き、当該四隅において連結されていた前記折り曲げ部を、前記4つの側面部に沿ってそれぞれ延びるように分割するステップと、
前記各折り曲げ部を折り曲げ、前記貼り付け面にそれぞれ貼り合わせるステップと、
を備えている、化粧材の製造方法。
【請求項2】
前記折り曲げ部は、前記化粧シートと、当該化粧シートの端部の直下に形成される前記基材のうち厚さの薄い薄厚部と、からなる請求項1に記載の化粧材の製造方法。
【請求項3】
矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、
前記基材において対向する第1の一対の側面部に、前記化粧シートの端部の直下に形成される所定厚さの薄厚部、当該薄厚部の基端部から他方面側に延び前記薄厚部が貼り合わされる貼り付け面、及び前記貼り付け面から他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、
前記第1の一対の側面部において、前記薄厚部を前記化粧シートとともに折り曲げて、前記貼り付け面に貼り合わせるステップと、
前記基材において対向する第2の一対の側面部に、前記第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、
前記第2の一対の側面において、前記薄厚部を前記化粧シートとともに折り曲げて、前記貼り付け面に貼り合わせるステップと、
を備えている、化粧材の製造方法。
【請求項4】
矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、
前記基材において対向する第1の一対の側面部に、前記化粧シートの端部の直下に形成される所定厚さの薄厚部、当該薄厚部の基端部から他方面側に延び前記薄厚部が貼り合わされる貼り付け面、及び前記貼り付け面から他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、
前記基材において対向する第2の一対の側面部に、前記第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、
前記化粧シートの四隅に、前記薄厚部とともに切り取られる切欠部を形成するステップと、
前記基材の四辺の薄厚部を、前記化粧シートとともに折り曲げ、前記貼り付け面にそれぞれ貼り合わせるステップと、
を備えている、化粧材の製造方法。
【請求項5】
前記貼り付け面は、前記薄厚部の基端部から延びる傾斜面を含む、請求項1から4のいずれかに記載の化粧材の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の方法により製造される化粧材。
【請求項1】
矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、
前記化粧シートの四隅に、切欠部を形成するように、所定深さの切り込みを形成するステップと、
前記化粧シート及び基材における対向する第1の一対の側面部に、前記切り込みの深さよりも厚さが薄く少なくとも前記化粧シートの一部の端部を含むシート状の折り曲げ部、当該折り曲げ部の基端部から前記基材の他方面側に延び前記折り曲げ部が貼り合わされる貼り付け面、及び前記貼り付け面から前記他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、
前記基材において対向する第2の一対の側面部に、前記第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、
前記四隅の切欠部を取り除き、当該四隅において連結されていた前記折り曲げ部を、前記4つの側面部に沿ってそれぞれ延びるように分割するステップと、
前記各折り曲げ部を折り曲げ、前記貼り付け面にそれぞれ貼り合わせるステップと、
を備えている、化粧材の製造方法。
【請求項2】
前記折り曲げ部は、前記化粧シートと、当該化粧シートの端部の直下に形成される前記基材のうち厚さの薄い薄厚部と、からなる請求項1に記載の化粧材の製造方法。
【請求項3】
矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、
前記基材において対向する第1の一対の側面部に、前記化粧シートの端部の直下に形成される所定厚さの薄厚部、当該薄厚部の基端部から他方面側に延び前記薄厚部が貼り合わされる貼り付け面、及び前記貼り付け面から他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、
前記第1の一対の側面部において、前記薄厚部を前記化粧シートとともに折り曲げて、前記貼り付け面に貼り合わせるステップと、
前記基材において対向する第2の一対の側面部に、前記第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、
前記第2の一対の側面において、前記薄厚部を前記化粧シートとともに折り曲げて、前記貼り付け面に貼り合わせるステップと、
を備えている、化粧材の製造方法。
【請求項4】
矩形の板状基材の一方面に、化粧シートを貼り付けるステップと、
前記基材において対向する第1の一対の側面部に、前記化粧シートの端部の直下に形成される所定厚さの薄厚部、当該薄厚部の基端部から他方面側に延び前記薄厚部が貼り合わされる貼り付け面、及び前記貼り付け面から他方面側に延び凹部または凸部が形成されたサネ加工部を有する第1の加工面を形成するステップと、
前記基材において対向する第2の一対の側面部に、前記第1の加工面と同一構成の第2の加工面を形成するステップと、
前記化粧シートの四隅に、前記薄厚部とともに切り取られる切欠部を形成するステップと、
前記基材の四辺の薄厚部を、前記化粧シートとともに折り曲げ、前記貼り付け面にそれぞれ貼り合わせるステップと、
を備えている、化粧材の製造方法。
【請求項5】
前記貼り付け面は、前記薄厚部の基端部から延びる傾斜面を含む、請求項1から4のいずれかに記載の化粧材の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の方法により製造される化粧材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−119603(P2009−119603A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292510(P2007−292510)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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