説明

化粧柱

【課題】 施工が容易で意匠的に優れ、丸みを帯びさせ安全な化粧柱8で、組み立て式であるため化粧柱全体を工場から出荷し、搬送する必要がなく、しかも一種類の部材で構成されるため、生産が楽で、在庫を削減できるものとする。
【解決手段】 木質系基材3の両端がR面取り加工されるとともにメラミン樹脂化粧板5が接着され、一端の側面に嵌合凹部が設けられるとともに他端の裏面には嵌合凹部が設けられた化粧パネル1を4枚用いて、4枚の化粧パネルを嵌合させながら基礎支柱9の外周を被覆する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎支柱の外周面を化粧板により装飾された化粧柱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に装飾を施した化粧柱が知られ、芯材に、木質材や合成樹脂複合材、或いは鋼製の角パイプなどが用いられ、外周面には建物の外装または内装とデザイン的或いは色彩的に調和するように繊維補強プラスチックや、クロスなどの装飾材が取り付けられている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−45486号公報
【特許文献2】特開平6−193194号公報
【特許文献3】特開平7−305490号公報
【特許文献4】実開平5−71339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、取り付け作業が煩雑であり、ビス留めをすると外観を損ねるなどの問題があった。また、平板の化粧合板を用いるとピン角である上、基材の合板が剥き出しになり見苦しいといった問題があった。
更に、クロス貼りしたものはキズが入り、破れやすく、継ぎ目があり、下地の不陸の影響を受けやすく、施工するには熟練度を要するものとなっていた。
更にまた、押し出し成形品や繊維補強プラスチックは重く施工作業性が悪く、高価であった。
【0005】
本発明の目的は、安全性を向上させるとともに施工作業の容易化、施工時間の短縮化を図り、化粧柱の外観が損なわれることのない安価な化粧柱を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、かかる状況に鑑み検討されたもので、以下のことを特徴とする発明である。すなわち本発明は、木質系基材3の両端がR面取り加工されるとともにメラミン樹脂化粧板5が接着され、一端の側面に嵌合凹部が設けられるとともに他端の裏面には嵌合凹部が設けられた化粧パネル1で、基礎支柱9が囲繞されてなることを特徴とする化粧柱8である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の化粧柱は施工も容易で意匠的に優れ、丸みを帯びているので安全である。また、本発明の化粧柱は組み立て式であるため化粧柱全体を工場から出荷し、搬送する必要がない。しかも一種類の部材で構成されるため、生産が楽で、在庫を削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について図面に基づいて詳細に説明する。
図1は化粧パネルの構成断面図、図2は本発明の化粧柱8の構成断面図を示し、化粧パネル1は、木質系基材3として合板を用い、表面両端を3Rに面取り加工され、厚み1.2mmのメラミン樹脂化粧板5が合成ゴム系の接着剤で接着され、組み付けるため一端の側面に嵌合凹部6が設けられるとともに他端の裏面にも嵌合凹部6´が切削加工されている。
他端の裏面に設けた嵌合凹部6´から側面に至る部分が嵌合凸部7になり、他の化粧パネルの一端の側面に設けられた嵌合凹部6に嵌合される。
【0009】
化粧パネル1の表面の両端上部を曲面にすることにより、手、足、頭などをぶつけた際けがをするのを防止することができる。直角であるとけがをし、物が当った時破損しやすくなる。化粧パネル1は熱可塑性樹脂の成型品であってもよく、木粉などを混入することにより木目調など意匠性に優れたものとなる。
【0010】
メラミン樹脂化粧板5は、その表面物性、例えば、耐摩耗性、耐熱性、耐衝撃性、強度などに優れることから好適に用いられるが、特に高い表面物性を必要としない場合には、メラミン樹脂化粧板5、5´の代わりにジアリルフタレート樹脂化粧板、オレフィンシートなどを用いてもよい。
【0011】
メラミン樹脂化粧板5は、クラフト紙にフェノール樹脂を含浸した樹脂含浸コア紙と、化粧紙にメラミン樹脂を含浸したメラミン樹脂含浸化粧紙と、必要に応じて表面紙にメラミン樹脂を含浸したメラミン樹脂含浸表面紙とを積層し、熱圧成形したものである。
【0012】
本発明では、前述の安全性を確保するとともに、メラミン樹脂化粧板を曲面貼りすることにより、合板の木口面の茶色が現れないようになっている。木口面が現れると意匠的に見苦しい感じを与え、これを解消しようとすると木口面に塗料を塗るなどの処理が必要で、手間がかかり、施工費用がかさむ。
【0013】
本発明では、合板とメラミン樹脂化粧板5を接着する際は接着剤として合成ゴム系接着剤を用いているが、両材料に適する公知の接着剤であれば特に制約はなく、例えば、水性ビニールウレタン系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ユリア系接着剤、エポキシ系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤などが挙げられる。
【0014】
両者を一体化するにあたっては、夫々に接着剤を塗布し、ピンチローラーにて平面部を圧締し、R部は連続ロール方式にて加熱圧締する、或いは加熱曲げ加工しハンドローラーで圧締するなどの公知の手段を用いればよい。
【0015】
図2の化粧柱の構成断面図において、基礎支柱9の周囲が4枚の化粧パネル1で囲繞されて4枚が嵌脱自在状態である。尚、図示はしないが、上端部、下端部には台座が設けられている。基礎支柱9との間に隙間が生じ、ガタツク場合は接着剤を充填する、上下端部をビス留めし巾木などで隠せばよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】化粧パネルの構成断面図。
【図2】本発明の化粧柱の構成断面図。
【符号の説明】
【0017】
1 化粧パネル
3 木質系基材
5 メラミン樹脂化粧板
6 嵌合凹部
6´ 嵌合凹部
7 嵌合凸部
8 化粧柱
9 基礎支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質系基材3の両端がR面取り加工されるとともにメラミン樹脂化粧板5が接着され、一端の側面に嵌合凹部6が設けられるとともに他端の裏面には嵌合凹部6´が設けられた化粧パネル1で、基礎支柱9が囲繞されてなることを特徴とする化粧柱8。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−16839(P2006−16839A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195083(P2004−195083)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000100698)アイカ工業株式会社 (566)
【Fターム(参考)】