説明

化粧用組成物、化粧用組成物の付与方法及び化粧用組成物の製造方法

化粧用組成物はタルク又はタルク代替物と、雲母と、酸化鉄とを含む。化粧用組成物は随意的にでんぷん、タピオカ、及び酸化亜鉛を含む。化粧用組成物をボディパウダー等としてユーザーの肌に付与する際、化粧用組成物はユーザーがパウダーの色合いを制御することを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照情報:本出願は、2005年3月4日に提出された米国仮出願第60/658,180号の利益を主張し、その開示を援用して本文の記載の一部とする。
【背景技術】
【0002】
本発明は一般的に、人間が使用する化粧用組成物であって、変わる色調で、異なった肌の色調を補い且つ異なった肌の色調と調和し得る、人間が使用する化粧用組成物に関するものである。本発明はまた、一般的に、化粧用組成物をユーザーの肌に付与する(付ける)方法に関する。本発明はまた、一般的に、化粧用組成物を製造又は混合する方法に関する。
【0003】
アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック、アジア人及びその他の民族集団の合衆国における及び国際的な購買力が増大していることを鑑み、これらの民族集団に特有且つ固有の要求に、彼らの肌の色調に依存するものとして(関数として)、応え得るスキンケア商品に対する必要性及び切実な需要が高まっている。
【0004】
アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック、アジア人及びその他の民族集団はボディパウダーを使用しているが、彼らのうち多くの者は生来のより濃い肌の色調に調和するように設計された、許容可能なボディパウダーは今日の市場にはないと感じている。その代わりに、非白人は通常ベビーパウダーを使用するという手段をとらなくてはならず、それはユーザーにとってしばしば見苦しい、白く、剥がれ易い残留物を残す。
【0005】
非白人はしばしば、皮脂がより多いため、そして文化的な認識のために、皮脂が溜まるのを防ぐため且つ体臭を最小限に抑えて爽快な気分を得る目的でタルカム・パウダーを過度の量で用いる。
【0006】
非白人は様々な理由により非常に特有なスキンケアを必要とし、これらの理由には粉っぽさ、多量な角質、ケロイド、メラニンのアンバランス、油っぽさ、及び白斑等が含まれる。粉っぽさとは、肌が常に新しい細胞が絶えず皮下層から表皮へと上方に向かう再生状態にあるため、皮膚細胞の最上層は絶えず乾燥し剥がれ落ちることである。多量な角質とは、特に皮膚が乾燥又は老化したときに皮膚表面で白又は灰色の粉っぽさとして現れることである。ケロイドについては、より濃い色の肌はケロイドが周辺組織よりも濃くなる傾向がある。メラニンのアンバランスとは、より濃い色の肌はメラニンを多く含有していることにより、他の種類の肌とは化学的に区別されることである(メラニンは自然の色素であり、肌の最上層のみに発生する。より濃い色の肌においてメラニンは不均一に分布するため、美容上非常に厄介なより薄い又はより濃い斑点が生じる)、脂っぽさは、表面の皮脂は濃い色の肌に極めてはっきりと現れるため、余分な皮脂は非白人にとって面倒な問題である。白斑とは、肌の領域に生じる、いかなる形又は大きさになり得る色素の損失であり、そのような領域の境界は、その人の通常の肌の色調より濃くなり得る。
【0007】
従来のベビーパウダーのよくある使用法では、ユーザーの体に、見苦しく且つ美容上不快な白い残留物を残すことがある。
【0008】
従来のボディー/ベビーパウダーは一般的に、皮脂の問題のために人体の上又は周囲に置かれて、体臭を隠し、爽快な気分を提供する。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、同様の特性を持ったボディパウダーであって、より濃い肌の色調の人々を具体的に対象としているボディパウダーは存在しないと考えられているという点で、独特である。従来のボディパウダーは、白い色を有するために、ボディパウダーが付与された体の領域すべてに、剥がれ易い皮殻質の残留物を残すことがある。本発明に従う化粧用組成物は、従来のパウダーよりも優れた吸収性を有するとともに、ユーザーの肌と調和するだけでなくユーザーの色調を補完し、そしていかなる肌の欠点を隠す。このような利点を提供する、匹敵する商品は現在の市場にはないと考えられる。
【0010】
瓶に入れられた状態では、本発明の一つの態様に従うパウダーは、その色を白、ベージュ又は茶色に見えるようにし得る。一般的に、ユーザーは、ユーザーの肌の色に依存して(関数として)、いくつかの異なる色調のうち、肌に付与された際に肌の自然な色と調和し得る一つを選ぶ。
【0011】
パウダーがユーザーの肌に付与される際に、パウダーの美容上望ましい色合い又は濃淡(例えば、暗さ)は、こすりつけるか又はマッサージする動作を介して、パウダーに与えられる摩擦量に正比例して得てもよい。以下の理論に制限されることを望むものではないが、パウダーをより強くこすりつけること及び/又は皮膚の上における摩擦は、たとえば、パウダー組成物中の色素が壊れる原因となることがある。ユーザーがより少ない色調(例えば、薄い色調)を望むのであれば、パウダーを肌にのせて軽くマッサージし、例えばブラシをかけて又は転がり落とさせて、余分な色素を取り除けばよい。反対に、ユーザーがより多い色調を望むのであれば、パウダーを肌により強くこすりつけ、そうすることによって望ましい暗さを得るであろう。
【0012】
パウダーは、さらに、カメレオンの様な効果を持ち得る。ユーザーの肌の色調によって、パウダーは異なる色調を有するように見え得る。より濃い肌の色調のユーザーに付与されると、そのパウダーはより濃い色に見え得る。より薄い肌の色調のユーザーに付与されると、そのパウダーはより薄い色に見え得るが、これは、どちらの場合もこすり付けられる度合いが類似であるにも関わらずそのようになる。
【0013】
パウダーは、さらに、肌を紫外線から保護するのに役立つ成分を少なくとも一つ含み得る。従って、この組成物は肌の健康を維持するのに役立ち得る。
【0014】
日焼け防止効果のある化学成分は、中波長紫外線(UVB:例えば、日焼け光線)又は長波長紫外線(UVA:例えば、皮膚の老化及び皮膚がんの原因になり得る)の一部を吸収するように設計され得、化学成分はしばしば組み合わせて使用されて、適切なUVBからの保護は可能だが、UVAからの保護は限られている。酸化亜鉛は、太陽光線の「広帯域スペクトル」のすべてから保護し得る、今日入手できる透明な日焼け防止成分である。さらに、多くの日焼け防止効果のある化学成分と異なり、酸化亜鉛は安定しており且つ日に当たっても劣化しないことが可能である。
【0015】
酸化亜鉛のパーセンテージは、そのSPF(太陽光線保護指数)評価の値に比例し得、例えば、総量の15%であればSPF15に等しく、太陽の日焼け光線の93%を効果的に防ぐ。しかしながら、典型的には、ボディパウダーがSPFを1〜3%より多く含むことは稀である。
【0016】
パウダーのさらなる用途は、同様の基本的な配合で、より肌の色が薄いユーザーに対しては異なったマーケティング戦略と関連してよく、より肌の色が薄いユーザーがパウダーをサンレス・タナー(太陽光線を浴びずに日焼けしたような肌を作る日焼け剤)として使用することにより、パウダーの付与を享受し得る。白い肌のユーザーは、同様に、この商品を、日光にさらされることによるあらゆる被害を受けることなしに、一時的に(日焼けの様な)より濃い色の肌を得る目的のために付与することができるであろう。
【0017】
この製品の別の用途は、シマー製品(肌にきらめきを与える製品)と関連してよく、配合は実質的に同じであるが化粧用目的のシマー(きらめき)を伴う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
一般的に、本発明の組成物は、例えば、少なくとも一種のタルク(滑石)(又はタルク代替物)と、少なくとも一種の雲母と、少なくとも一種の酸化鉄との、少なくとも三つの成分を含み得る。酸化鉄は、本組成物の特性の主要な源を提供すると考えられる。
【0019】
特に具体的にそうではないと述べられていない限り、すべてのパーセンテージは組成全体の重量に対するものであり、そしてすべてのパーセンテージ及びその他の数値は近似値である。
【0020】
本文において、「タルク」(もしくは、「タルカム(滑石粉)」)とは、粉末状の含水ケイ酸マグネシウムだけでなく、その他の化学物質及び/又は市販のタルク含有組成物の中に通常見いだされる鉱物を指す。本発明の組成物に使用される好適な例は、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(aluminum magnesium silicate)を含むが、これに限定されるものではない。さらに、タルクはアルミニウム、鉄、マンガン、及び/又はチタンを含み得る。さらに、本文において「タルク」とは、その組成物が美容上受け入れられる限り、特定の粒度又は特定の粒度分布を指すものではない。当業者には、好適であるがこれに限定されないタルクの代替物は、例えば、スターチ(でんぷん:例えば、コーンスターチ、米でんぷん、ジャガイモでんぷん、サゴでんぷん、タピオカでんぷん、小麦でんぷん、改質でんぷんなど、及びそれらの混合物を含む)、炭酸カルシウム、シリカ(ケイ土:ヒュームド・シリカ/沈降シリカを含む)、カオリン、ベントナイト、粘土、カロミン等を含み得る、ということを理解するであろう。当業者は、このリストに限られるものではないこと、及び、化粧用組成物に使用される場合にタルクは一部分又は全てが、少なくとも一種の実質的にタルクと同様の特性を持つ組成物に置き換えられ得る(すなわち、合理的な消費者の観点からして、タルク代替物は商業的に受け入れ可能なタルクの代わりとなるものでなくてはならない)ということが分かるであろう。この点において、タルク又はタルク代替物は、例えば、吸収剤及び/又は色素担体の役目をするであろう。好適なタルクは例えば、ルゼナック社により販売されているLuzenac Imperial 200を含む。
【0021】
本発明の化粧用組成物は好ましくは、例えば、10〜90%及びその間に含まれる全ての範囲のタルク及び/又はタルク代替物を含み、より好ましくは、25〜90%及びその間に含まれる範囲(sub ranges)のタルク及び/又はタルク代替物、さらに好ましくは、40〜90%及びその間に含まれる範囲のタルク及び/又はタルク代替物、またさらに好ましくは、50〜90%及びその間に含まれる範囲のタルク及び/又はタルク代替物、またさらに好ましくは、60〜80%及びその間に含まれる範囲のタルク及び/又はタルク代替物、そして最も好ましくは、70%のタルク及び/又はタルク代替物を含む。
【0022】
本文において、「雲母」とは広くすべての種類の雲母を指し、例えば、絹雲母、黒雲母、白雲母、鱗雲母、金雲母、リチア雲母、蛭石(バーミキュライト)、イライト、パラゴナイト、合成雲母等を含む。これらの中で、絹雲母が好ましい。本発明の化粧用組成物は好ましくは、例えば、1〜50%及びその間に含まれる範囲の雲母を含み、より好ましくは、5〜40%及びその間に含まれる範囲の雲母、さらに好ましくは、5〜20%及びその間に含まれる範囲の雲母、またさらに好ましくは、10〜20%及びその間に含まれる範囲の雲母、またさらに好ましくは、13〜17%及びその間に含まれる範囲の雲母、そして最も好ましくは、15%の雲母を含む。化粧用組成物における雲母のパーセンテージが増加すると、タルク(もしくはタルク代替物)のパーセンテージは典型的には減少する。例えば、組成物が60%のタルクを含むとき、組成物は25%の雲母を含み得る。別の例としては、組成物が70〜75%のタルクを含むとき、組成物は15%の雲母を含み得る。好適な雲母は、例えば、ミネラル アンド ピグメント ソリューションズ社(MPSI社)により販売されている「Sericite BC」を含む。
【0023】
本文において、「酸化鉄」とは広くすべての種類の酸化鉄を指し、例えば、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄(黄鉄)、茶色酸化鉄、及び黒色酸化鉄を含むが、これらに限定されない。これらの中で、茶色酸化鉄及び黄色酸化鉄が好ましい。本発明の化粧用組成物は好ましくは、例えば、1〜10%及びその間に含まれる範囲の酸化鉄を含み、より好ましくは、3〜7%及びその間に含まれる範囲の酸化鉄、そして最も好ましくは、4〜5%及びその間に含まれる範囲の酸化鉄を、含む。好適な酸化鉄は、例えば、Light Brown Cosmetic Iron Oxide CG−925、Brown Iron Oxide GC−940,Brown Iron Oxide GC−994、Brown Iron Oxide GC−929,Brown Iron Oxide GC−974、Yellow Iron Oxide YO−2087、及びYellow Iron Oxide YO−3587を含み、これら全てはMPSI社によって販売されている。
【0024】
化粧用組成物は、例えば、少なくとも一種の香料を含み得る。本文において、「香料」とは広く、化粧用組成物に芳香を与えるいかなる物質(例えば、パウダー及び/又は液体を含む)を指す。この芳香は例えば、ベビーパウダーの芳香と類似にし得る。本発明の化粧用組成物は好ましくは、例えば、0.001〜10%及びその間に含まれる範囲の香料を含み、より好ましくは、0.1〜7.5%及びその間に含まれる範囲の香料、さらに好ましくは、4〜6%及びその間に含まれる範囲の香料、そして最も好ましくは、3〜5%及びその間に含まれる範囲の香料を含む。好適な香料は例えば、カルーバ(Carrubba)社により販売されている「Soothing Vanilla」、「Lavender Blossoms」及び「Chamomile Bouquet」を含む。
【0025】
化粧用組成物は、例えば、コーンスターチ、米でんぷん、ジャガイモでんぷん、サゴでんぷん、タピオカでんぷん、小麦でんぷん、改質でんぷん等からなる一群から選ばれる少なくとも一つのスターチを含み得る。これらの中で、コーンスターチが好ましい。本発明の化粧用組成物は好ましくは、例えば、0〜90%及びその間に含まれる範囲のスターチを含み、より好ましくは、1〜70%及びその間に含まれる範囲のスターチ、さらに好ましくは、5〜60%及びその間に含まれる範囲のスターチ、さらに好ましくは、5〜30%及びその間に含まれる範囲のスターチ、さらに好ましくは、5〜20%及びその間に含まれる範囲のスターチ、そして最も好ましくは、10〜15%及びその間に含まれる範囲のスターチを含む。上述したように、スターチはタルク代替物とすることが出来、そして化粧用組成物におけるタルクのパーセンテージが減少すれば、スターチのパーセンテージは増加し得る。例えば、組成物が10〜30%のタルクを含む場合、組成物は30〜60%のスターチを含み得る。別の例としては、組成物が60〜80%のタルクを含む場合、組成物は5〜20%のスターチを含み得る。別の例としては、組成物が70〜75%のタルクを含む場合、組成物は5〜10%のスターチを含み得る。好適なスターチは例えば、ナショナル スターチ アンド パーソナル ケア社により販売されているPURITY(登録商標)21C(28−1801)を含む。
【0026】
化粧用組成物は、例えば、タピオカ(タピオカでんぷんとしても知られている)を含み得る。本発明の化粧用組成物は、例えば、0〜15%及びその間に含まれる範囲のタピオカを含み得、より好ましくは、0.001〜10%及びその間に含まれる範囲のタピオカ、さらに好ましくは、0.001〜5%及びその間に含まれる範囲のタピオカ、そして最も好ましくは、0.001〜3%及びその間に含まれる範囲のタピオカを含み得る。好適なタピオカは例えば、ナショナル スターチ アンド パーソナル ケア社により販売されているTAPIOCA PURE(28−1810)を含む。
【0027】
化粧用組成物は、例えば、酸化亜鉛を含み得る。本発明の化粧用組成物は、例えば、0.05〜20%及びその間に含まれる範囲の酸化亜鉛を含み得、また0.1〜10%及びその間に含まれる範囲の酸化亜鉛、より好ましくは、0.1〜7%及びその間に含まれる範囲の酸化亜鉛、さらに好ましくは、0.1〜3%及びその間に含まれる範囲の酸化亜鉛、そして最も好ましくは、0.25〜1%及びその間に含まれる範囲の酸化亜鉛を含み得る。好適な酸化亜鉛は例えば、ホースヘッド社により販売されているKadox 720を含む。
【0028】
化粧用組成物は、例えば、カオリン、粘土又はベントナイトを含み得る。本発明の化粧用組成物は、例えば、0.05〜20%及びその間に含まれる範囲のカオリン、粘土又はベントナイトを含み得る。より好ましくは、本発明の化粧用組成物は、例えば、0.1〜5%及びその間に含まれる範囲のカオリン、粘土又はベントナイトを含み得る。好適なカオリンは例えば、MPSI社により販売されているKaolin 2457BCを含む。
【0029】
化粧用組成物は、例えば、付加的な成分を含み得、その成分は例えば、二酸化チタンを含む。所望される場合、ボディパウダー組成物に通常見いだされるその他の成分もまた、本発明の組成物に添加され得る。そのような成分は流動化剤、薬剤、香水、防臭剤、殺菌剤、抗真菌剤、皮膚保護剤、抗菌剤、固結防止剤、着色剤、安定剤、制汗剤、皮膚軟化剤、結合剤、充填剤、増量剤、及びそれらの混合物並びに希釈物を含むが、それらに限定されない。好ましくは、そのような添加物は5%までの量で含まれる。それにもかかわらず、添加物の選択や本発明の意図する用途などの要因次第では、さらに多くの量(例えば、25%までの量)の添加物が使用され得る。例としては、本発明に従う組成物は25%までの量の抗真菌剤を含み得る。
【0030】
下記の理論に拘束されることを望むものではないが、本発明者らは、細かく粉砕されたコーンスターチ及び/又は化粧用タルクはより良い付着性及び吸収性をもたらし得、でんぷん及び/又はタルクは色素担体として使用され得、化粧用絹雲母は全体的に柔らかで絹のような質感に貢献し得、タピオカは美的なスキンコンディショナーとして作用し得、及び、酸化鉄顔料(色素)は着色及び/又は色合いを付ける効果を提供し得ると考えている。
【0031】
本発明の一つの態様に従えば、化粧用組成物の製造方法が提供される。でんぷん(例えば、コーンスターチ)及びタルク(又はタルク代替物)を順不同で乾式混合し、所望の調度(consistency)を生成する。色素(すなわち、酸化鉄)は圧力により分解して多様な色調を形成し得る。それらの色素は、その他の原料と共に、所望の「基本」色調に応じて、でんぷん及びタルク(又はタルク代替物)と一緒に粉砕される。この所望の基本色調は、エンドユーザーの実際の体の色に応じて、エンドユーザーによって改質されて最終的な色合いに「微調整」されることが出来る。改質は化粧用組成物をユーザーの肌にこすり付け、又はマッサージすることによって発生し得る。
【0032】
一般的に言って、化粧用組成物の材料の多くは元来、鉱物である。本発明の一実施形態に従えば、集合体製品はタルク、雲母、酸化亜鉛、でんぷん、及び酸化鉄化合物を含む。製造する量によって、混合容器の大きさは変動するが、完成品の量に関わらず方法は概して同じである。タルクと雲母(好ましくは絹雲母)化合物は通常、製品の大部分を占めるので、それらをまず混合容器内で混ぜ合わせる。次に、酸化亜鉛とでんぷん化合物を、実質的にむらのない均質性を得るためにゆっくりと加える。これらの成分(すなわち、酸化亜鉛とでんぷん)をタルク/雲母混合物に加える順序は重要ではない。酸化鉄色素化合物をその後、必要とされる正確な色に調整するために非常にゆっくりと加える。適切な量の酸化鉄を添加することは工程のうちで最も難しい部分であり得、所望の色を試すために、酸化鉄の添加中に少量のサンプルを取ることが必要となり得る。酸化鉄の量は様々な要因に依存し、これらの要因は所望の色合い並びに環境及び/又は天候状況を含むが、これに限定されない。最終製品はその後、個別容器に充填され得る。
【0033】
本発明の別の実施形態に従えば、化粧用組成物をユーザーの肌に付与する方法が提供される。その方法は下記の工程を含み得る:化粧用組成物をユーザーの肌に付与すること、及び化粧用組成物をこすり付けて所望の色合い又は暗さ(例えば濃淡)を得ること。余分なパウダーがもしあれば、例えば重力、ブロー(例えば、息や送風機による)又はブラッシングを含む様々な方法を使って除去し得る。本発明のこの実施形態に従う方法は、薄くない肌の色調に調和させることを望む人々にとって、特に有益であり得る。
【0034】
製品は、ユーザー個人の自然な肌の色合いの美しさを高めながら、例えば吸湿、防湿、及び皮膚沈静してもよい。
【0035】
本文においては、本発明の化粧用組成物は主にボディパウダー組成物として記載されているが、本発明の化粧用組成物は例えばクリーム製剤、リップスティック、日焼け防止商品、アイシャドー、フェイスパウダー、ヘア製品、ボディーローション、セルフタナー、フェイスブロンザー、及びシマー製品等の他の化粧用媒体として利用されてもよい。
【0036】
一つの態様の例としては、パウダー組成物は下記の成分を含む:
【表1】

【0037】
別の態様の例としては、パウダー組成物は下記の成分を含む:
【表2】

【0038】
当業者は、酸化鉄の種類の精密な混合物は、例えば、所望の色合いだけでなく天候及び環境に関連した事項を含む、様々な要因によってバッチ(1回の生産)ごとで変動する、ということが分かるであろう。従って、典型的に4%の酸化鉄が使われていても、精密な組成物は、ある場合はより多くの薄茶色の酸化鉄を含んでもよく、別の場合はより多くの茶色酸化鉄を含んでもよく、そしてさらに別の場合はより多くの黄色酸化鉄を含んでもよい。例えば、4%の酸化鉄は2.75%の薄茶色の酸化鉄と1.25%の黄色酸化鉄からなり得る。従って、酸化鉄の精確なパーセンテージは常に前もって決定されていなくてよく、状況が異なれば、酸化鉄のパーセンテージの異なる範囲は適切であり得る。
【0039】
本発明はこれらの成分又はリストに記載された比率に限定されることを意図していない。比率をわずかに変更して、製品の機能性に影響を及ぼすことなく組成物を改良してもよいということを、当業者は理解するであろう。
【0040】
パウダーのさらなる用途は、同様の基本的な配合で、より肌の白いユーザーに対しては異なるマーケティング戦略と関連してよく、より肌の白いユーザーはサンレス・タナーとして使用することにより、パウダーを付けることを満喫するであろう。色の薄い肌のユーザーは、同様に、日光にさらされることによるあらゆる被害を受けることなく一時的に(日焼けの様な)より濃い色の肌を得る目的でこの商品を付与するであろう。
【0041】
本発明の製品の別の用途は、シマー製品(肌にきらめきを与える製品)と関連してよく、配合は実質的に同じであるが化粧用目的のシマー(きらめき)を伴う。
【0042】
本発明は、現在最も実用的且つ好ましい実施例と考えられるものとの関係で記載してきたが、本発明は開示された実施例に限定されるものではなく、むしろ、添付の請求項の精神とその範囲内に含まれる様々な改良や等価な改変をも包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧用組成物をユーザーの肌に付与する方法であって、
前記化粧用組成物を前記ユーザーの肌に付与する工程と;
前記化粧用組成物をこすり付けて所望の色合いを得る工程とを含み;
前記色合いが、こすり付ける工程に依存して変動し;
前記化粧用組成物が、10〜90%のタルク又はタルク代替物と;1〜50%の雲母と;1〜10%の酸化鉄とを含む、化粧用組成物をユーザーの肌に付与する方法。
【請求項2】
前記化粧用組成物が、さらに0〜90%のスターチを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化粧用組成物が、さらに0.001〜15%のタピオカを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記化粧用組成物が、さらに0.05〜20%の酸化亜鉛を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記化粧用組成物が、60〜80%のタルクと;10〜15%の雲母と;5〜20%のスターチと;3〜7%の酸化鉄とを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記化粧用組成物が、さらに0.001〜5%のタピオカと0.1〜7%の酸化亜鉛とを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記雲母が、絹雲母である請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記スターチが、コーンスターチである請求項5に記載の方法。
【請求項9】
50〜90%のタルクと、5〜20%の雲母と、5〜20%のスターチと、0.05〜20%の酸化亜鉛と、1〜10%の酸化鉄を含む化粧用組成物を製造する方法であって、
前記タルクと前記雲母を容器中で混合する工程と、
前記容器に前記酸化亜鉛を加える工程と、
前記容器に前記スターチを加える工程と、
前記容器に前記酸化鉄を加えて所望の着色を得る工程とを含む、化粧用組成物を製造する方法。
【請求項10】
前記酸化鉄を加える前に前記容器に0.001〜10%のタピオカを加える工程をさらに含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
化粧用組成物であって、
10〜90%のタルク又はタルク代替物と;
1〜50%の雲母と;
1〜10%の酸化鉄とを含み、
前記化粧用組成物が、ユーザーの肌に前記組成物がこすり付けられる度合いに応じて変動する色合いを持つ化粧用組成物。
【請求項12】
50〜90%のタルクを含む請求項11に記載の化粧用組成物。
【請求項13】
60〜80%のタルクを含む請求項11に記載の化粧用組成物。
【請求項14】
5〜40%の雲母を含む請求項11に記載の化粧用組成物。
【請求項15】
10〜20%の雲母を含む請求項11に記載の化粧用組成物。
【請求項16】
前記雲母が絹雲母である請求項15に記載の化粧用組成物。
【請求項17】
60〜80%のタルクと5〜20%のスターチとを含む請求項11に記載の化粧用組成物。
【請求項18】
前記スターチがコーンスターチである請求項17に記載の化粧用組成物。
【請求項19】
10〜90%のスターチを含む請求項11に記載の化粧用組成物。
【請求項20】
30〜60%のスターチと10〜30%のタルクとを含む請求項11に記載の化粧用組成物。
【請求項21】
0.001〜15%のタピオカを含む請求項11に記載の化粧用組成物。
【請求項22】
0.001〜5%のタピオカを含む請求項20に記載の化粧用組成物。
【請求項23】
0.05〜20%の酸化亜鉛を含む請求項11に記載の化粧用組成物。
【請求項24】
0.1〜3%の酸化亜鉛を含む請求項20に記載の化粧用組成物。
【請求項25】
60〜80%のタルクと;10〜20%の雲母と;5〜20%のスターチと;3〜7%の酸化鉄と;0.001〜5%のタピオカと;0.1〜3%の酸化亜鉛とを含む請求項11に記載の化粧用組成物。
【請求項26】
実質的に、60〜80%のタルクと;10〜20%の雲母と;5〜20%のスターチと;3〜7%の酸化鉄と;0.001〜5%のタピオカと;0.1〜3%の酸化亜鉛とからなる請求項25に記載の化粧用組成物。
【請求項27】
0.05〜20%のカオリンをさらに含む請求項25に記載の化粧用組成物。
【請求項28】
0.1〜5%のカオリンをさらに含む請求項25に記載の化粧用組成物。
【請求項29】
0.001〜10%の香料をさらに含む請求項25に記載の化粧用組成物。
【請求項30】
4〜6%の香料をさらに含む請求項25に記載の化粧用組成物。
【請求項31】
カオリン、粘土、及びベントナイトから成る群から選ばれる少なくとも一つの成分をさらに含む請求項11に記載の化粧用組成物。
【請求項32】
前記化粧用組成物が0.1〜5%のカオリン、粘土又はベントナイトを含む請求項31に記載の化粧用組成物。
【請求項33】
前記化粧用組成物がボディパウダー、クリーム製剤、リップスティック、日焼け防止商品、アイシャドー、フェイスパウダー、ヘア製品、又はボディーローション、セルフタナー、フェイスブロンザー、又はシマー製品の形態である請求項11に記載の化粧用組成物。

【公表番号】特表2008−531724(P2008−531724A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558265(P2007−558265)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/007592
【国際公開番号】WO2006/096506
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(507297385)
【Fターム(参考)】