説明

医用画像システム、検査オーダ発生装置及びプログラム

【課題】追加検査が必要になった際の検査オーダ発行における利便性を向上させる。
【解決手段】検査オーダ発生装置において、HL7レポートオブジェクトを解析し(ステップS42)、読影レポート情報から検査オーダ情報を抽出する(ステップS44)。そして、検査情報及び/又は検査オーダ情報に基づいて、検査オーダの発行について臨床医の承認の要否を判定する(ステップS45)。臨床医の承認が不要である場合には(ステップS45;NO)、検査オーダ情報等に基づいて、検査オーダメッセージを生成し(ステップS46)、該当する検査部門システムの情報管理装置に送信する(ステップS47)。臨床医の承認が必要である場合には(ステップS45;YES)、読影レポート情報中の承認フラグをOFFからONに変更後(ステップS49)、電子カルテサーバに送信する(ステップS48)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像システム、検査オーダ発生装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療の分野では、患者を撮影した医用画像のデジタル化が実現されている。例えば、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の撮影装置により撮影され、デジタル化された医用画像は、患者情報や検査情報等とともにPACS(Picture Archiving and Communication System)に保存され、管理されている。これに伴い、フィルムに出力された画像からモニタに表示された画像へと、医師による画像診断の対象が移行してきている。
【0003】
ところで、撮影装置の種類も増え、より高解像度の画像が得られる等、技術の進歩により、医師の診断においても、より高度な専門性が要求されてきている。また、撮影される画像量が多くなってきているため、臨床医が患者と対面しながら画像診断をすることは困難である。そのため、大規模な病院では、読影専門の医師(読影医)が画像を診断し、読影レポート(報告書)を作成し、その結果に基づいて、臨床医が病名診断を行う場合が多い。
【0004】
例えば、病院内において、放射線科の部門内の情報を管理するRIS(Radiological Information System)サーバ、医用画像を保存する画像サーバ、画像診断のレポートを作成するレポートサーバ等の連携を図り、レポート作成時にそのレポートに対応する画像が画像サーバに保管されていることを保証するために、RISサーバが画像サーバへの画像の配送状況を管理する医用画像管理システムが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−241504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、検査後に、読影医の判断によって追加検査が必要となったり、検査結果の精度が低いために再検査が必要となったりする場合も多い。現状では、追加検査の要求は電子カルテ/オーダリングシステムからしか行えず、そのシステムを利用するための端末は、主に臨床医がいる診察室に設置されている。そのため、各部門の医師が追加検査を依頼する場合には臨床医に対して電話や伝票で連絡し、改めて臨床医が検査オーダを入力する必要があった。このように、読影医が直接検査を依頼することができないため、作業が煩雑であり、検査が遅れる場合があった。
【0006】
本発明は上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、追加検査が必要になった際の検査オーダ発行における利便性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、医用画像の読影レポートを生成するレポート生成サーバと、検査オーダ発生装置と、前記医用画像に関する診療録データを生成する電子カルテサーバとが通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された医用画像システムであって、前記レポート生成サーバは、検査オーダを含む読影レポートを生成し、当該生成した読影レポートを前記検査オーダ発生装置に送信する制御手段を備え、前記検査オーダ発生装置は、前記レポート生成サーバから受信した読影レポートから検査オーダを抽出し、前記読影レポートに付帯された検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダに基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定し、承認が不要であると判定した場合に、前記抽出した検査オーダを発行するとともに前記読影レポートを前記電子カルテサーバに送信し、承認が必要であると判定した場合に、前記読影レポートに承認が必要であることを示す情報を付加して前記電子カルテサーバに送信する制御手段を備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像システムにおいて、前記検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダは、当該検査オーダの作成者を示す情報を含み、前記検査オーダ発生装置の制御手段は、前記検査オーダの作成者に基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用画像システムにおいて、前記検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダは、当該検査オーダに基づく検査が再検査か否かを示す情報を含み、前記検査オーダ発生装置の制御手段は、前記検査オーダに基づく検査が再検査か否かに基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の医用画像システムにおいて、前記検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダは、当該検査オーダの発行先を示す情報を含み、前記検査オーダ発生装置の制御手段は、前記検査オーダの発行先に基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の医用画像システムにおいて、ユーザによる操作に基づいて、検査オーダの発行を承認する旨の指示信号を出力する操作手段を更に備え、前記電子カルテサーバは、前記検査オーダ発生装置から受信した読影レポートに前記承認が必要であることを示す情報が付加されている場合に、前記読影レポートから検査オーダを抽出し、前記操作手段から入力される指示信号に基づいて、前記抽出した検査オーダを発行する制御手段を備える。
【0012】
請求項6に記載の検査オーダ発生装置は、検査オーダを含む読影レポートから前記検査オーダを抽出し、前記読影レポートに付帯された検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダに基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定し、承認が不要であると判定した場合に、前記抽出した検査オーダを発行するとともに前記読影レポートを医用画像に関する診療録データを生成する電子カルテサーバに送信し、承認が必要であると判定した場合に、前記読影レポートに承認が必要であることを示す情報を付加して前記電子カルテサーバに送信する制御手段を備える。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の検査オーダ発生装置において、前記検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダは、当該検査オーダの作成者を示す情報を含み、前記制御手段は、前記検査オーダの作成者に基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定する。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の検査オーダ発生装置において、前記検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダは、当該検査オーダに基づく検査が再検査か否かを示す情報を含み、前記制御手段は、前記検査オーダに基づく検査が再検査か否かに基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定する。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項6から8のいずれか一項に記載の検査オーダ発生装置において、前記検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダは、当該検査オーダの発行先を示す情報を含み、前記制御手段は、前記検査オーダの発行先に基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定する。
【0016】
請求項10に記載の発明は、コンピュータを、検査オーダを含む読影レポートから前記検査オーダを抽出し、前記読影レポートに付帯された検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダに基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定し、承認が不要であると判定した場合に、前記抽出した検査オーダを発行するとともに前記読影レポートを医用画像に関する診療録データを生成する電子カルテサーバに送信し、承認が必要であると判定した場合に、前記読影レポートに承認が必要であることを示す情報を付加して前記電子カルテサーバに送信する制御手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1、6、10に記載の発明によれば、検査オーダの発行について承認が不要である場合には、検査オーダ発生装置が検査オーダを発行するので、追加検査が必要になった際の検査オーダ発行における利便性を向上させることができる。
【0018】
請求項2、7に記載の発明によれば、検査オーダの作成者に基づいて、検査オーダの発行について承認の要否を判定することができる。
【0019】
請求項3、8に記載の発明によれば、検査オーダに基づく検査が再検査か否かに基づいて、検査オーダの発行について承認の要否を判定することができる。
【0020】
請求項4、9に記載の発明によれば、検査オーダの発行先に基づいて、検査オーダの発行について承認の要否を判定することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、検査オーダの発行について承認が必要である場合には、電子カルテサーバにおいて、検査オーダの発行を承認する旨の指示信号に基づいて、検査オーダを発行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明に係る医用画像システムの一実施形態について説明する。
【0023】
[医用画像システムのシステム構成]
図1に、医用画像システム1のシステム構成を示す。図1に示すように、医用画像システム1は、電子カルテサーバ10と、検査オーダ発生装置20と、臨床医用PC(Personal Computer)端末30と、内視鏡部門システム2、病理部門システム3等の各検査部門システムとから構成されており、各装置及び各システムは通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0024】
内視鏡部門システム2は、内視鏡科の部門内におけるシステムである。内視鏡科では、内視鏡を患者の体内に挿入して内部の状態を観察し、撮影を行う。内視鏡部門システム2は、EIS(Endoscopy Information System)40と、内視鏡装置50と、画像サーバ60と、レポート生成サーバ70と、読影医用PC端末80とから構成されており、各装置は通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0025】
EIS40は、内視鏡科の部門内における診療予約、実績管理、材料在庫管理等の情報管理を行う情報管理装置である。EIS40は、電子カルテサーバ10又は検査オーダ発生装置20から受信した検査オーダメッセージを内視鏡装置50、画像サーバ60、レポート生成サーバ70に送信する。検査オーダメッセージとは、検査オーダ情報に患者情報及び検査情報が付帯された情報である。検査オーダ情報は、患者の検査(撮影)を依頼するための情報である。患者情報は、患者氏名、患者ID、生年月日、性別等の患者に関する情報である。検査情報は、検査を識別する検査インスタンスUID、検査日、検査時刻、受付番号、検査部位、撮影手技、体位、依頼医師、依頼科等の検査に関する情報である。
【0026】
内視鏡装置50は、EIS40から受信した検査オーダメッセージに従って、患者を撮影し、医用画像の画像データ(以下、医用画像データという。)を生成する撮影装置である。また、内視鏡装置50は、検査オーダメッセージに含まれる患者情報及び検査情報に基づいて、医用画像データに関する付帯情報を生成する。そして、内視鏡装置50は、医用画像データに付帯情報を付帯させて、DICOM規格に則ったDICOM画像データを生成し、画像サーバ60に送信する。付帯情報は、患者情報、検査情報、シリーズ情報等を含む。シリーズ情報は、一つの検査の中で生成される撮影装置毎の一連の医用画像の単位(シリーズ)を示すシリーズインスタンスUIDや撮影装置の種別を含むデータである。
【0027】
画像サーバ60は、内視鏡装置50により生成されたDICOM画像データ等を記憶する記憶装置を備え、DICOM画像データ等を保存し、管理する。画像サーバ60は、他装置から受信するデータ取得要求に応じて、DICOM画像データ、DICOM画像データの付帯情報に含まれる患者情報、検査情報等を当該他装置に提供する。
【0028】
レポート生成サーバ70は、内視鏡装置50において撮影された医用画像の読影レポート情報を生成し、生成した読影レポート情報に患者情報及び検査情報を付帯させてHL7(Health Level Seven)規格に則ったHL7レポートオブジェクト(図4(a)及び(b)参照)を生成するレポート生成機能を有し、当該生成したHL7レポートオブジェクト等を保存する。レポート生成サーバ70は、読影医用PC端末80や図示しないその他のクライアント端末からの指示信号に基づいて、HL7レポートオブジェクトを生成する。
【0029】
読影医用PC端末80は、医用画像を表示するモニタを有し、内視鏡科専門の読影医が医用画像の読影レポートを作成することを主な目的として設置されるPC端末である。読影医用PC端末80は、読影医による操作に基づいて、画像サーバ60にDICOM画像データの取得要求を送信し、DICOM画像データを取得する。そして、当該DICOM画像データに基づいてモニタに医用画像を表示する。また、読影医用PC端末80は、読影医による操作に基づいて、レポート生成サーバ70に読影レポート生成のための指示信号を送信する。
【0030】
病理部門システム3は、病理科の部門内におけるシステムである。病理科では、患者から採取された組織や細胞等の病理診断を行う。病理部門システム3は、PIS(Pathology Information System)90と、顕微鏡装置100と、画像サーバ110と、レポート生成サーバ120と、読影医用PC端末130とから構成されており、各装置は通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0031】
PIS90は、病理科の部門内における診療予約、実績管理、材料在庫管理等の情報管理を行う情報管理装置である。PIS90は、電子カルテサーバ10又は検査オーダ発生装置20から受信した検査オーダメッセージを顕微鏡装置100、画像サーバ110、レポート生成サーバ120に送信する。
【0032】
顕微鏡装置100は、PIS90から受信した検査オーダメッセージに従って、検体を撮影し、医用画像データを生成する撮影装置である。また、顕微鏡装置100は、検査オーダメッセージに含まれる患者情報及び検査情報に基づいて、医用画像データに関する付帯情報を生成する。そして、顕微鏡装置100は、医用画像データに付帯情報を付帯させて、DICOM規格に則ったDICOM画像データを生成し、画像サーバ110に送信する。
【0033】
画像サーバ110は、顕微鏡装置100により生成されたDICOM画像データ等を記憶する記憶装置を備え、DICOM画像データ等を保存し、管理する。画像サーバ110は、他装置から受信するデータ取得要求に応じて、DICOM画像データ、DICOM画像データの付帯情報に含まれる患者情報、検査情報等を当該他装置に提供する。
【0034】
レポート生成サーバ120は、顕微鏡装置100において撮影された医用画像の読影レポート情報を生成し、生成した読影レポート情報に患者情報及び検査情報を付帯させてHL7レポートオブジェクトを生成するレポート生成機能を有し、当該生成したHL7レポートオブジェクト等を保存する。レポート生成サーバ120は、読影医用PC端末130や図示しないその他のクライアント端末からの指示信号に基づいて、HL7レポートオブジェクトを生成する。
【0035】
読影医用PC端末130は、医用画像を表示するモニタを有し、病理科専門の読影医が医用画像の読影レポートを作成することを主な目的として設置されるPC端末である。読影医用PC端末130は、読影医による操作に基づいて、画像サーバ110にDICOM画像データの取得要求を送信し、DICOM画像データを取得する。そして、当該DICOM画像データに基づいてモニタに医用画像を表示する。また、読影医用PC端末130は、読影医による操作に基づいて、レポート生成サーバ120に読影レポート生成のための指示信号を送信する。
【0036】
電子カルテサーバ10は、医用画像に関する診療録データを生成する電子カルテ機能を有し、患者の病状や診断結果等を保存する。電子カルテサーバ10は、臨床医用PC端末30や図示しないその他のクライアント端末からの指示信号に基づいて、診療録データを生成する。また、電子カルテサーバ10は、臨床医用PC端末30等のクライアント端末からの指示信号に基づいて、患者の検査を依頼するための検査オーダ情報に患者情報及び検査情報を付帯させて検査オーダメッセージを生成し、EIS40やPIS90等の該当する検査部門システムの情報管理装置に検査オーダメッセージを送信する。
【0037】
検査オーダ発生装置20は、レポート生成サーバ70又はレポート生成サーバ120から受信したHL7レポートオブジェクトに基づいて、検査オーダメッセージを生成し、EIS40やPIS90等の該当する検査部門システムの情報管理装置に検査オーダメッセージを送信する。
【0038】
臨床医用PC端末30は、臨床医による電子カルテの作成や検査オーダの発行を主な目的として設置されるPC端末である。臨床医用PC端末30は、臨床医による操作に基づいて、電子カルテサーバ10に診療録データを生成する旨の指示信号や検査オーダの発行を承認する旨の指示信号等を出力する操作部を備える。そして、電子カルテサーバ10は、臨床医用PC端末30から送信された指示信号に基づいて、診療録データの生成や検査オーダの発行を行う。
【0039】
[レポート生成サーバの機能的構成]
図2に、内視鏡部門システム2内のレポート生成サーバ70の機能的構成を示す。図2に示すように、レポート生成サーバ70は、制御部71、操作部72、表示部73、通信部74、ROM(Read Only Memory)75、記憶部76を備えて構成され、各部はバス77により接続されている。
【0040】
制御部71は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、レポート生成サーバ70の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部72から入力される操作信号又は通信部74により受信される指示信号に応じて、ROM75に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0041】
操作部72は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部71に出力する。
【0042】
表示部73は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部71から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0043】
通信部74は、LAN(Local Area Network)アダプタ、ルータ、TA等を備え、通信ネットワークNを介して接続された検査オーダ発生装置20、EIS40、読影医用PC端末80等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0044】
ROM75は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0045】
記憶部76は、ハードディスク等から構成され、制御部71によって生成されるHL7レポートオブジェクト等の各種データを記憶する。また、記憶部76には、発行権限テーブル761が記憶されている。発行権限テーブル761は、各読影医に対応するログイン名毎に、検査オーダの発行権限が対応付けられているテーブルである。発行権限として、例えば、「再検査のみ検査オーダを発行可能」、「同一部門内における検査のみ検査オーダを発行可能」、「他部門における検査の検査オーダも発行可能」、「検査オーダの発行不可」等が予め定められている。ここで、検査オーダの発行とは、検査オーダメッセージをEIS40やPIS90等の該当する検査部門システムの情報管理装置に送信することをいう。
【0046】
制御部71は、通信部74を介して読影医用PC端末80から画面表示要求を受信すると、EIS40から受信した検査オーダメッセージに基づいて、レポート生成画面831(図3参照)の表示データを生成し、通信部74を制御して、生成した表示データを読影医用PC端末80に送信させる。レポート生成画面831は、読影医によるレポート作成作業の際に読影医用PC端末80に表示される。
【0047】
図3に、読影医用PC端末80に表示されるレポート生成画面831の画面例を示す。図3に示すように、レポート生成画面831は、発行ボタンd1、保存ボタンd2、患者/検査情報表示部d3、所見入力欄d4、オーダ入力欄d5等から構成される。
【0048】
患者/検査情報表示部d3には、読影対象となる医用画像に対応する患者情報と検査情報が表示される。所見入力欄d4には、読影医による読影結果がテキスト入力される。オーダ入力欄d5には、検査オーダ情報を生成するための情報(検査部位、手技、検査予定日、検査予定時刻等)が選択入力される。
【0049】
発行ボタンd1は、所見入力欄d4に入力されたテキスト情報を読影レポートとしてレポート生成サーバ70に保存させるとともに、オーダ入力欄d5に入力された選択情報に基づいた検査オーダを発行させるためのボタンである。発行ボタンd1が押下されると、読影医用PC端末80は、検査オーダ情報を含む読影レポート情報を生成する旨の指示信号と、所見入力欄d4に入力されたテキスト情報と、オーダ入力欄d5に入力された選択情報とをレポート生成サーバ70に送信する。
【0050】
保存ボタンd2は、所見入力欄d4に入力されたテキスト情報を読影レポートとしてレポート生成サーバ70に保存させるためのボタンである。保存ボタンd2が押下されると、読影医用PC端末80は、読影レポート情報を生成する旨の指示信号と、所見入力欄d4に入力されたテキスト情報とをレポート生成サーバ70に送信する。なお、保存ボタンd2が押下された場合には、オーダ入力欄d5に入力された選択情報はレポート生成サーバ70に送信されない。
【0051】
制御部71は、読影医用PC端末80にレポート生成画面831を表示させる際に、記憶部76に記憶されている発行権限テーブル761に基づいて、オーダ入力欄d5において、各読影医(ログイン名)に対応する発行権限に応じた内容の検査のみを選択可能に表示させる。例えば、「再検査のみ検査オーダを発行可能」と定められている読影医の場合には、読影対象画像と同一の検査のみを選択可能とし、「同一部門内における検査のみ検査オーダを発行可能」と定められている読影医の場合には、内視鏡部門システム2内における検査のみを選択可能とし、「他部門における検査の検査オーダも発行可能」と定められている読影医の場合には、内視鏡部門システム2内だけでなく病理部門システム3内の検査についても選択可能とする。また、「検査オーダの発行不可」と定められている読影医については、オーダ入力欄d5を表示させないこととしてもよい。
【0052】
制御部71は、読影医用PC端末80から受信したテキスト情報や選択情報に基づいて、読影結果を示す読影レポート情報を生成し、患者情報及び検査情報を付帯させてHL7レポートオブジェクトを生成する。図4(a)及び(b)に、HL7レポートオブジェクトのデータ構成を示す。読影医の判断により追加検査が依頼される場合には、図4(b)に示すように、読影レポート情報に追加検査を依頼するための検査オーダ情報が含まれる。すなわち、検査オーダ情報は、読影医が追加検査が必要であると判断した場合(読影医用PC端末80からオーダ入力欄d5に入力された選択情報を受信した場合)にのみ読影レポート情報に付加されるものである。追加検査が不要である場合には、図4(a)に示すように、読影レポート情報に検査オーダ情報は含まれない。また、読影レポート情報には、承認フラグが含まれる。承認フラグとは、検査オーダの発行について臨床医の承認の要否を示す情報であり、承認フラグがONの場合には承認が必要であることを示し、承認フラグがOFFの場合には承認が不要であることを示す。なお、承認フラグの初期設定はOFFである。また、HL7レポートオブジェクトは、対象検査のキー画像の医用画像データを含むこととしてもよい。
【0053】
追加検査が必要とされる場合の例として、検査の精度が低く再検査を必要とする場合、検査部位の範囲を広げたい場合(消化器に胃を加える等)、内視鏡検査において腫瘍の疑いがあった際に病理検査や核医学等の他部門の検査を必要とする場合等がある。
【0054】
また、制御部71は、通信部74を制御して、生成されたHL7レポートオブジェクトを検査オーダ発生装置20に送信させる。
【0055】
なお、病理部門システム3内のレポート生成サーバ120についても、レポート生成サーバ70と同様の構成である。
【0056】
[検査オーダ発生装置の機能的構成]
図5に、検査オーダ発生装置20の機能的構成を示す。図5に示すように、検査オーダ発生装置20は、制御部21、操作部22、表示部23、通信部24、ROM25、記憶部26を備えて構成され、各部はバス27により接続されている。
【0057】
制御部21は、CPU、RAM等から構成され、検査オーダ発生装置20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部22から入力される操作信号又は通信部24により受信される指示信号に応じて、ROM25に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0058】
操作部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部21に出力する。
【0059】
表示部23は、LCDにより構成され、制御部21から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0060】
通信部24は、LANアダプタ、ルータ、TA等を備え、通信ネットワークNを介して接続された電子カルテサーバ10、レポート生成サーバ70、レポート生成サーバ120等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0061】
ROM25は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0062】
記憶部26は、ハードディスク等から構成され、各種データを記憶する。記憶部26には、承認要否テーブル261が記憶されている。承認要否テーブル261は、検査オーダを作成した読影医と、検査オーダのオーダ内容(再検査か否か、検査オーダの発行先等)と、臨床医による検査オーダ発行の承認の要否とが対応付けられているテーブルであり、各読影医及びオーダ内容の組み合わせに対して臨床医による承認の要否が設定されている。例えば、研修医(経験の浅い読影医)によって作成された他部門検査の検査オーダについては「承認必要」と設定されており、承認医(承認権限を持つ読影医)によって作成された検査オーダについては全ての検査に対して「承認不要」と設定されている。
【0063】
制御部21は、通信部24を介してレポート生成サーバ70又はレポート生成サーバ120から受信したHL7レポートオブジェクトを解析し、読影レポート情報に検査オーダ情報が含まれるか否かを判定する。
【0064】
読影レポート情報に検査オーダ情報が含まれる場合には、制御部21は、読影レポート情報から検査オーダ情報を抽出し、読影レポート情報に付帯された検査情報及び/又は抽出した検査オーダ情報に基づいて、検査オーダの発行について臨床医の承認の要否を判定する。具体的には、検査情報及び/又は検査オーダ情報は、検査オーダの作成者(読影医)を示す情報、検査オーダに基づく検査が再検査か否かを示す情報、検査オーダの発行先(検査部門システム)を示す情報を含み、制御部21は、検査オーダの作成者、検査オーダに基づく検査が再検査か否か、検査オーダの発行先に基づいて、記憶部26に記憶されている承認要否テーブル261を参照して、読影医及びオーダ内容の組み合わせに対応する承認の要否を取得する。
【0065】
臨床医の承認が不要であると判定した場合には、制御部21は、抽出した検査オーダ情報に、HL7レポートオブジェクトに含まれる患者情報及び検査情報を付帯させて検査オーダメッセージを生成する。そして、制御部21は、通信部24を制御して、検査オーダメッセージを、EIS40やPIS90等の該当する検査部門システムの情報管理装置に送信させる(検査オーダの発行)とともに、HL7レポートオブジェクトを電子カルテサーバ10に送信させる。
【0066】
臨床医の承認が必要であると判定した場合には、制御部21は、HL7レポートオブジェクトに含まれる読影レポート情報に承認が必要であることを示す情報を付加する。具体的には、制御部21は、HL7レポートオブジェクトに含まれる読影レポート情報中の承認フラグをOFFからONに変更する。そして、制御部21は、通信部24を制御して、変更後のHL7レポートオブジェクトを電子カルテサーバ10に送信させる。
【0067】
読影レポート情報に検査オーダ情報が含まれない場合には、制御部21は、通信部24を制御して、レポート生成サーバ70又はレポート生成サーバ120から受信したHL7レポートオブジェクトをそのまま電子カルテサーバ10に送信させる。
【0068】
[電子カルテサーバの機能的構成]
図6に、電子カルテサーバ10の機能的構成を示す。図6に示すように、電子カルテサーバ10は、制御部11、操作部12、表示部13、通信部14、ROM15、記憶部16を備えて構成され、各部はバス17により接続されている。
【0069】
制御部11は、CPU、RAM等から構成され、電子カルテサーバ10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部12から入力される操作信号又は通信部14により受信される指示信号に応じて、ROM15に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0070】
操作部12は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部11に出力する。
【0071】
表示部13は、LCDにより構成され、制御部11から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0072】
通信部14は、LANアダプタ、ルータ、TA等を備え、通信ネットワークNを介して接続された検査オーダ発生装置20、臨床医用PC端末30、EIS40、PIS90等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0073】
ROM15は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0074】
記憶部16は、ハードディスク等から構成され、各種データを記憶する。
【0075】
制御部11は、通信部14を介して検査オーダ発生装置20から受信したHL7レポートオブジェクトを解析し、読影レポート情報に検査オーダ情報が含まれるか否かを判定する。
【0076】
読影レポート情報に検査オーダ情報が含まれる場合には、制御部11は、読影レポート情報に承認が必要であることを示す情報が付加されているか否か、すなわち、読影レポート情報中の承認フラグがONに設定されているか否かを判定する。
【0077】
承認フラグがONの場合には、制御部11は、読影レポート情報から検査オーダ情報を抽出する。そして、制御部11は、抽出された検査オーダ情報、HL7レポートオブジェクトに含まれる患者情報に基づいて、オーダ生成画面331(図7参照)の表示データを生成し、通信部14を制御して、生成した表示データを臨床医用PC端末30に送信させる。オーダ生成画面331は、検査オーダ発行について臨床医による承認が必要である場合に臨床医用PC端末30に表示される。
【0078】
図7に、臨床医用PC端末30に表示されるオーダ生成画面331の画面例を示す。図7に示すように、オーダ生成画面331は、発行ボタンd11、患者情報表示部d12、オーダ入力欄d13等から構成される。
【0079】
患者情報表示部d12には、HL7レポートオブジェクトに含まれる患者情報が表示される。オーダ入力欄d13には、抽出された検査オーダ情報(検査部位、手技、検査予定日、検査予定時刻等)が表示される。
【0080】
発行ボタンd11は、各検査部門に設置されているレポート生成サーバ70又はレポート生成サーバ120において生成された検査オーダ情報に基づく検査オーダを発行させるためのボタンである。すなわち、読影医の判断に基づいて生成された検査オーダ情報について、臨床医が承認を行うためのボタンである。
【0081】
なお、臨床医がオーダ入力欄d13の検査オーダの項目情報を選択入力することにより、検査オーダ情報を上書き(更新)することも可能である。
【0082】
臨床医は、読影医の判断に基づく検査オーダの発行について承認する場合には、臨床医用PC端末30の操作部を操作して、オーダ生成画面331の発行ボタンd11を押下する。すると、臨床医用PC端末30の操作部から検査オーダの発行を承認する旨の指示信号が電子カルテサーバ10に出力される。制御部11は、臨床医用PC端末30の操作部から入力される指示信号を通信部14を介して受信し、当該指示信号に基づいて、検査オーダ情報に患者情報及び検査情報を付帯させて検査オーダメッセージを生成する。そして、制御部11は、通信部14を制御して、検査オーダメッセージを、EIS40やPIS90等の該当する検査部門システムの情報管理装置に送信させる(検査オーダの発行)。
【0083】
[医用画像システムの動作]
次に、動作を説明する。
図8は、臨床医の指示により内視鏡部門システム2において検査が行われる場合の処理の一例を示すラダーチャートである。
【0084】
まず、電子カルテサーバ10において、臨床医による臨床医用PC端末30からの操作に基づいて、内視鏡部門システム2内の検査を依頼するための検査オーダメッセージが生成される(ステップS1)。次に、電子カルテサーバ10から内視鏡部門システム2のEIS40に検査オーダメッセージが送信される(ステップS2)。この場合、検査オーダは臨床医の責任で発行される。
【0085】
EIS40では、電子カルテサーバ10から受信した検査オーダメッセージが保存され、EIS40から内視鏡装置50に検査オーダメッセージが送信される(ステップS3)。
【0086】
内視鏡装置50では、EIS40から受信した検査オーダメッセージに従って、検査対象患者が撮影され、医用画像データに付帯情報が付帯されてDICOM画像データが生成される(ステップS4)。そして、内視鏡装置50から画像サーバ60にDICOM画像データが送信される(ステップS5)。
【0087】
画像サーバ60では、内視鏡装置50から受信したDICOM画像データが記憶装置に保存される(ステップS6)。
【0088】
以上、図8を参照して内視鏡部門システム2において検査が行われる場合について説明したが、病理部門システム3において検査が行われる場合についても同様である。
【0089】
次に、図9を参照して、内視鏡部門システム2において読影が行われる際に、読影医の判断によって内視鏡部門システム2内の追加検査が必要となった場合の処理の一例を説明する。図9は、電子カルテサーバ10において臨床医の承認が不要である場合の例である。
【0090】
まず、レポート生成サーバ70では、読影医による読影医用PC端末80からの操作に基づいて、検査オーダ情報を含む読影レポート情報が生成され、読影レポート情報に患者情報及び検査情報が付帯されてHL7レポートオブジェクト(図4(b)参照)が生成される(ステップS11)。次に、レポート生成サーバ70から検査オーダ発生装置20にHL7レポートオブジェクトが送信される(ステップS12)。
【0091】
検査オーダ発生装置20では、レポート生成サーバ70から受信したHL7レポートオブジェクトが解析され、読影レポート情報から検査オーダ情報が抽出される(ステップS13)。そして、検査オーダ発生装置20により、抽出された検査オーダ情報に患者情報及び検査情報が付帯され、検査オーダメッセージが生成される(ステップS14)。
【0092】
次に、検査オーダ発生装置20からEIS40に検査オーダメッセージが送信される(ステップS15)。この場合、検査オーダは読影医の責任で発行される。EIS40では、検査オーダ発生装置20から受信した検査オーダメッセージが保存され、EIS40から内視鏡装置50に検査オーダメッセージが送信される(ステップS16)。
【0093】
次に、検査オーダ発生装置20から電子カルテサーバ10にHL7レポートオブジェクトが送信される(ステップS17)。電子カルテサーバ10では、検査オーダ発生装置20から受信したHL7レポートオブジェクトが保存される(ステップS18)。
【0094】
以上、図9を参照して内視鏡科の読影医の判断によって内視鏡部門システム2内の追加検査が必要となった場合について説明したが、内視鏡科の読影医の判断によって病理部門システム3内の追加検査が必要となった場合、病理科の読影医の判断によって内視鏡部門システム2内の追加検査が必要となった場合、病理科の読影医の判断によって病理部門システム3内の追加検査が必要となった場合についても同様である。
【0095】
次に、図10を参照して、内視鏡部門システム2において読影が行われる際に、読影医の判断によって内視鏡部門システム2内の追加検査が必要となった場合の処理の一例を説明する。図10は、電子カルテサーバ10において臨床医の承認が必要である場合の例である。
【0096】
まず、レポート生成サーバ70では、読影医による読影医用PC端末80からの操作に基づいて、検査オーダ情報を含む読影レポート情報が生成され、読影レポート情報に患者情報及び検査情報が付帯されてHL7レポートオブジェクト(図4(b)参照)が生成される(ステップS21)。次に、レポート生成サーバ70から検査オーダ発生装置20にHL7レポートオブジェクトが送信される(ステップS22)。
【0097】
検査オーダ発生装置20では、レポート生成サーバ70から受信したHL7レポートオブジェクトに含まれる読影レポート情報中の承認フラグがOFFからONに変更され(ステップS23)、変更後のHL7レポートオブジェクトが電子カルテサーバ10に送信される(ステップS24)。
【0098】
電子カルテサーバ10では、検査オーダ発生装置20から受信したHL7レポートオブジェクトが保存される(ステップS25)。次に、電子カルテサーバ10では、HL7レポートオブジェクトが解析され、読影レポート情報から検査オーダ情報が抽出される(ステップS26)。
【0099】
臨床医用PC端末30において臨床医がオーダ生成画面331(図7参照)の発行ボタンd11を押下し、検査オーダ発行の承認が行われると(ステップS27)、電子カルテサーバ10により、抽出された検査オーダ情報に患者情報及び検査情報が付帯され、検査オーダメッセージが生成される(ステップS28)。
【0100】
次に、電子カルテサーバ10からEIS40に検査オーダメッセージが送信される(ステップS29)。この場合、検査オーダメッセージは臨床医の責任で発行される。EIS40では、電子カルテサーバ10から受信した検査オーダメッセージが保存され、EIS40から内視鏡装置50に検査オーダメッセージが送信される(ステップS30)。
【0101】
以上、図10を参照して内視鏡科の読影医の判断によって内視鏡部門システム2内の追加検査が必要となった場合について説明したが、内視鏡科の読影医の判断によって病理部門システム3内の追加検査が必要となった場合、病理科の読影医の判断によって内視鏡部門システム2内の追加検査が必要となった場合、病理科の読影医の判断によって病理部門システム3内の追加検査が必要となった場合についても同様である。
【0102】
次に、レポート生成サーバ70の動作を詳細に説明する。
図11は、レポート生成サーバ70において実行される読影レポート生成処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部71のCPUと、ROM75に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0103】
まず、読影医の操作に基づいて、読影医用PC端末80において、レポート生成サーバ70にログインが行われ、読影が開始される。読影医用PC端末80では、画像サーバ60に保存されているDICOM画像データが取得され、モニタに読影対象の医用画像が表示される。また、読影医用PC端末80には、レポート生成サーバ70から送信される表示データに基づいて、レポート生成画面831(図3参照)が表示される。読影医は医用画像の読影を行い、読影医用PC端末80から所見入力欄d4に読影結果を入力し、必要に応じてオーダ入力欄d5に検査オーダの項目情報(検査オーダ情報を生成するための情報)を入力する。
【0104】
読影医が読影医用PC端末80に表示されているレポート生成画面831(図3参照)の発行ボタンd1を押下した場合(ステップS31;YES)、すなわち、通信部74により、読影医用PC端末80から検査オーダ情報を含む読影レポート情報を生成する旨の指示信号と、所見入力欄d4に入力されたテキスト情報と、オーダ入力欄d5に入力された選択情報とが受信された場合には、制御部71により、読影医用PC端末80から受信した各種情報に基づいて、検査オーダ情報を含む読影レポート情報が生成される(ステップS32)。
【0105】
一方、読影医が読影医用PC端末80に表示されているレポート生成画面831(図3参照)の保存ボタンd2を押下した場合(ステップS31;NO,ステップS33;YES)、すなわち、通信部74により、読影医用PC端末80から読影レポート情報を生成する旨の指示信号と、所見入力欄d4に入力されたテキスト情報とが受信された場合には、制御部71により、読影医用PC端末80から受信した各種情報に基づいて、検査オーダ情報を含まない読影レポート情報が生成される(ステップS34)。
【0106】
ステップS32又はステップS34の後、制御部71により、生成された読影レポート情報等に基づいて、HL7レポートオブジェクトが生成される(ステップS35)。具体的には、制御部71により、読影レポート情報に患者情報及び検査情報が付帯され、HL7レポートオブジェクトが生成される。そして、制御部71により、生成されたHL7レポートオブジェクトが記憶部76に保存される(ステップS36)。
【0107】
次に、制御部71の制御に従って、通信部74により、HL7レポートオブジェクトが検査オーダ発生装置20に送信される(ステップS37)。
以上で、読影レポート生成処理が終了する。
【0108】
次に、検査オーダ発生装置20の動作を詳細に説明する。
図12は、検査オーダ発生装置20において実行される検査オーダ発生処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部21のCPUと、ROM25に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0109】
まず、通信部24により、レポート生成サーバ70又はレポート生成サーバ120からHL7レポートオブジェクトが受信されると(ステップS41;YES)、制御部21により、HL7レポートオブジェクトが解析され(ステップS42)、読影レポート情報に検査オーダ情報が含まれるか否かが判定される(ステップS43)。
【0110】
読影レポート情報に検査オーダ情報が含まれる場合には(ステップS43;YES)、制御部21により、読影レポート情報から検査オーダ情報が抽出され(ステップS44)、読影レポート情報に付帯された検査情報及び/又は抽出された検査オーダ情報に基づいて、検査オーダの発行について臨床医の承認の要否が判定される(ステップS45)。具体的には、制御部21により、検査情報及び/又は検査オーダ情報に含まれる検査オーダの作成者(読影医)を示す情報、検査オーダに基づく検査が再検査か否かを示す情報、検査オーダの発行先(検査部門システム)を示す情報に基づいて、記憶部26に記憶されている承認要否テーブル261が参照され、読影医及びオーダ内容の組み合わせに対応する承認の要否が取得される。
【0111】
臨床医の承認が不要である場合には(ステップS45;NO)、制御部21により、抽出された検査オーダ情報等に基づいて、検査オーダメッセージが生成される(ステップS46)。具体的には、制御部21により、検査オーダ情報に、HL7レポートオブジェクトに含まれる患者情報及び検査情報が付帯され、検査オーダメッセージが生成される。
【0112】
次に、制御部21の制御に従って、通信部24により、生成された検査オーダメッセージがEIS40やPIS90等の該当する検査部門システムの情報管理装置に送信される(ステップS47)。この場合、検査オーダは読影医の責任で発行される。
【0113】
次に、制御部21の制御に従って、通信部24により、HL7レポートオブジェクトが電子カルテサーバ10に送信される(ステップS48)。
【0114】
ステップS45において、臨床医の承認が必要である場合には(ステップS45;YES)、制御部21により、HL7レポートオブジェクトに含まれる読影レポート情報中の承認フラグがOFFからONに変更され(ステップS49)、制御部21の制御に従って、通信部24により、変更後のHL7レポートオブジェクトが電子カルテサーバ10に送信される(ステップS48)。
【0115】
ステップS43において、読影レポート情報に検査オーダ情報が含まれない場合には(ステップS43;NO)、制御部21の制御に従って、通信部24により、HL7レポートオブジェクトが電子カルテサーバ10に送信される(ステップS48)。
以上で、検査オーダ発生処理が終了する。
【0116】
次に、電子カルテサーバ10の動作を詳細に説明する。
図13は、電子カルテサーバ10において実行される検査オーダ承認処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部11のCPUと、ROM15に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0117】
まず、通信部14により、検査オーダ発生装置20からHL7レポートオブジェクトが受信されると(ステップS51;YES)、制御部11により、HL7レポートオブジェクトが記憶部16に保存される(ステップS52)。
【0118】
次に、制御部11により、HL7レポートオブジェクトが解析され(ステップS53)、読影レポート情報に検査オーダ情報が含まれるか否かが判定される(ステップS54)。
【0119】
読影レポート情報に検査オーダ情報が含まれる場合には(ステップS54;YES)、制御部11により、読影レポート情報中の承認フラグがONに設定されているか否か、すなわち、臨床医の承認が必要であるか否かが判定される(ステップS55)。
【0120】
承認フラグがONの場合には(ステップS55;YES)、制御部11により、読影レポート情報から検査オーダ情報が抽出される(ステップS56)。そして、制御部11により、抽出された検査オーダ情報、HL7レポートオブジェクトに含まれる患者情報に基づいて、オーダ生成画面331(図7参照)の表示データが生成され、通信部14により、臨床医用PC端末30に送信される。臨床医用PC端末30では、電子カルテサーバ10から送信された表示データに基づいて、オーダ生成画面331が表示される(ステップS57)。
【0121】
次に、臨床医が検査オーダの発行を承認するために、臨床医用PC端末30に表示されているオーダ生成画面331の発行ボタンd11を押下した場合(ステップS58;YES)、すなわち、臨床医用PC端末30の操作部から電子カルテサーバ10に検査オーダを承認する旨の指示信号が入力された場合には、制御部11により、抽出された検査オーダ情報等に基づいて、検査オーダメッセージが生成される(ステップS59)。具体的には、制御部11により、検査オーダ情報に、HL7レポートオブジェクトに含まれる患者情報及び検査情報が付帯され、検査オーダメッセージが生成される。
【0122】
次に、制御部11の制御に従って、通信部14により、生成された検査オーダメッセージがEIS40やPIS90等の該当する検査部門システムの情報管理装置に送信される(ステップS60)。この場合、検査オーダは臨床医の責任で発行される。
【0123】
ステップS54において読影レポート情報に検査オーダ情報が含まれない場合(ステップS54;NO)、又は、ステップS55において承認フラグがOFFの場合には(ステップS55;NO)、そのまま処理が終了する。
以上で、検査オーダ承認処理が終了する。
【0124】
なお、図13に示す検査オーダ承認処理では、ステップS58において、臨床医が検査オーダを承認することを前提として説明したが、臨床医がオーダ内容を変更してから発行する場合や、臨床医の判断により検査オーダを発行しない場合も考えられる。
【0125】
以上説明したように、医用画像システム1によれば、検査オーダの発行について臨床医による承認が不要である場合には、検査オーダ発生装置20が読影医の判断に基づいた検査オーダを発行するので、追加検査が必要になった際の検査オーダ発行における利便性を向上させることができる。
【0126】
検査オーダ発生装置20では、検査オーダの作成者、検査オーダに基づく検査が再検査か否か、検査オーダの発行先に基づいて、検査オーダの発行について承認の要否を判定することができる。
【0127】
また、検査オーダの発行について承認が必要である場合には、電子カルテサーバ10において、検査オーダの発行を承認する旨の指示信号に基づいて、検査オーダを発行することができる。
【0128】
また、検査オーダ発生装置20から電子カルテサーバ10に検査オーダ情報を含む読影レポート情報(HL7レポートオブジェクト)を送信するので、臨床医が電子カルテサーバ10から読影レポートを参照する際に検査オーダについても参照することができる。
【0129】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る医用画像システムの一例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
【0130】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の実施の形態における医用画像システムのシステム構成図である。
【図2】内視鏡部門システム内のレポート生成サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】読影医用PC端末に表示されるレポート生成画面の画面例である。
【図4】(a)は、読影レポート情報に検査オーダ情報が含まれない場合のHL7レポートオブジェクトのデータ構成を示す図である。(b)は、読影レポート情報に検査オーダ情報が含まれる場合のHL7レポートオブジェクトのデータ構成を示す図である。
【図5】検査オーダ発生装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】電子カルテサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図7】臨床医用PC端末に表示されるオーダ生成画面の画面例である。
【図8】臨床医の指示により内視鏡部門システムにおいて検査が行われる場合の処理の一例を示すラダーチャートである。
【図9】読影医の判断によって内視鏡部門システム内の追加検査が必要となった場合であって臨床医の承認が不要である場合の処理の一例を示すラダーチャートである。
【図10】読影医の判断によって内視鏡部門システム内の追加検査が必要となった場合であって臨床医の承認が必要である場合の処理の一例を示すラダーチャートである。
【図11】レポート生成サーバにおいて実行される読影レポート生成処理を示すフローチャートである。
【図12】検査オーダ発生装置において実行される検査オーダ発生処理を示すフローチャートである。
【図13】電子カルテサーバにおいて実行される検査オーダ承認処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0132】
1 医用画像システム
2 内視鏡部門システム
3 病理部門システム
10 電子カルテサーバ
11 制御部
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 ROM
16 記憶部
17 バス
20 検査オーダ発生装置
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 通信部
25 ROM
26 記憶部
27 バス
30 臨床医用PC端末
40 EIS
50 内視鏡装置
60 画像サーバ
70 レポート生成サーバ
71 制御部
72 操作部
73 表示部
74 通信部
75 ROM
76 記憶部
77 バス
80 読影医用PC端末
90 PIS
100 顕微鏡装置
110 画像サーバ
120 レポート生成サーバ
130 読影医用PC端末
261 承認要否テーブル
331 オーダ生成画面
761 発行権限テーブル
831 レポート生成画面
d1 発行ボタン
d2 保存ボタン
d3 患者/検査情報表示部
d4 所見入力欄
d5 オーダ入力欄
d11 発行ボタン
d12 患者情報表示部
d13 オーダ入力欄
N 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像の読影レポートを生成するレポート生成サーバと、検査オーダ発生装置と、前記医用画像に関する診療録データを生成する電子カルテサーバとが通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された医用画像システムであって、
前記レポート生成サーバは、検査オーダを含む読影レポートを生成し、当該生成した読影レポートを前記検査オーダ発生装置に送信する制御手段を備え、
前記検査オーダ発生装置は、前記レポート生成サーバから受信した読影レポートから検査オーダを抽出し、前記読影レポートに付帯された検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダに基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定し、承認が不要であると判定した場合に、前記抽出した検査オーダを発行するとともに前記読影レポートを前記電子カルテサーバに送信し、承認が必要であると判定した場合に、前記読影レポートに承認が必要であることを示す情報を付加して前記電子カルテサーバに送信する制御手段を備える医用画像システム。
【請求項2】
前記検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダは、当該検査オーダの作成者を示す情報を含み、
前記検査オーダ発生装置の制御手段は、前記検査オーダの作成者に基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定する、
請求項1に記載の医用画像システム。
【請求項3】
前記検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダは、当該検査オーダに基づく検査が再検査か否かを示す情報を含み、
前記検査オーダ発生装置の制御手段は、前記検査オーダに基づく検査が再検査か否かに基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定する、
請求項1又は2に記載の医用画像システム。
【請求項4】
前記検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダは、当該検査オーダの発行先を示す情報を含み、
前記検査オーダ発生装置の制御手段は、前記検査オーダの発行先に基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の医用画像システム。
【請求項5】
ユーザによる操作に基づいて、検査オーダの発行を承認する旨の指示信号を出力する操作手段を更に備え、
前記電子カルテサーバは、前記検査オーダ発生装置から受信した読影レポートに前記承認が必要であることを示す情報が付加されている場合に、前記読影レポートから検査オーダを抽出し、前記操作手段から入力される指示信号に基づいて、前記抽出した検査オーダを発行する制御手段を備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の医用画像システム。
【請求項6】
検査オーダを含む読影レポートから前記検査オーダを抽出し、前記読影レポートに付帯された検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダに基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定し、承認が不要であると判定した場合に、前記抽出した検査オーダを発行するとともに前記読影レポートを医用画像に関する診療録データを生成する電子カルテサーバに送信し、承認が必要であると判定した場合に、前記読影レポートに承認が必要であることを示す情報を付加して前記電子カルテサーバに送信する制御手段を備える検査オーダ発生装置。
【請求項7】
前記検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダは、当該検査オーダの作成者を示す情報を含み、
前記制御手段は、前記検査オーダの作成者に基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定する、
請求項6に記載の検査オーダ発生装置。
【請求項8】
前記検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダは、当該検査オーダに基づく検査が再検査か否かを示す情報を含み、
前記制御手段は、前記検査オーダに基づく検査が再検査か否かに基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定する、
請求項6又は7に記載の検査オーダ発生装置。
【請求項9】
前記検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダは、当該検査オーダの発行先を示す情報を含み、
前記制御手段は、前記検査オーダの発行先に基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定する、
請求項6から8のいずれか一項に記載の検査オーダ発生装置。
【請求項10】
コンピュータを、
検査オーダを含む読影レポートから前記検査オーダを抽出し、前記読影レポートに付帯された検査情報及び/又は前記抽出した検査オーダに基づいて、前記抽出した検査オーダの発行について承認の要否を判定し、承認が不要であると判定した場合に、前記抽出した検査オーダを発行するとともに前記読影レポートを医用画像に関する診療録データを生成する電子カルテサーバに送信し、承認が必要であると判定した場合に、前記読影レポートに承認が必要であることを示す情報を付加して前記電子カルテサーバに送信する制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−146340(P2009−146340A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325780(P2007−325780)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】