説明

医用画像処理装置及び医用画像処理方法

【課題】画像ヒストグラムにおいて低ヒストグラム領域にある要素の損失を小さくし、画像ヒストグラム領域の伸張を抑制し、画像全体のコントラストを向上させる技術を提供する。
【解決手段】コントラストを強調された画像を出力可能である医用画像処理装置及びその方法を提供するために、画像を読み込む入力部と、画像を処理する画像処理部と、処理によって得られる画像を出力する出力部とを備える医用画像処理装置であって、画像処理部において、画像を高ヒストグラム領域と低ヒストグラム領域とに分割できるような閾値を決定する手段と、該閾値によって各画素に対する重みを決定する手段と、重みを画素に付加する手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MRI装置に代表される医用画像診断装置から得られた医用画像を用いた医用画像処理装置及び画像処理方法に係り、例えば、画像コントラストを強調するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル画像を用いたコントラスト強調の公知の技術として、画像ヒストグラムを用いたヒストグラムを、伸張化する方法、平坦化する方法がある。伸張化は、画像上の画素値が、ヒストグラム上において偏りがある場合、濃度の範囲を広げるという方法である。平坦化法は、ヒストグラムの度数を平坦にすることで、画像にメリハリをつけるという方法である。
【0003】
また、これらの他にも、特許文献1に示すような、画像ヒストグラムのシフト、ウェーブレット変換のような多重解像度解析などを用いて、コントラスト強調を行う手法もある。
さらに、特許文献2に示すような、アンシャープマスク処理を用いた手法もあり、特許文献2では、アンシャープマスク法を用いて、最終的には鮮鋭化画像を取得しているが、過程の中でコントラスト強調画像を取得している。
また、MRI装置に代表される医用画像診断装置から得られる画像は、一般的な濃淡画像で用いられる256階調よりも大きな値となる場合もあり、画像全体の画素値を256階調へ縮めて、医用画像表示装置に表示する方法や、ウィンドウ幅、ウィンドウレベルの技術を取り入れ、256階調へ変換し、医用画像表示装置に表示する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−41744号公報
【特許文献2】特開2010−136779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すような手法で処理を行った場合、ウェーブレット変換の繰り返し回数によっては、演算量の増加が課題となる。また、ウェーブレット変換の特性上、2×2の正方形画像以外に対しては、実施形態が異なり、様々な場合に対して処理の切り分けが必要となり、処理が複雑になる。
【0006】
また、特許文献2に示すような手法では、画像の鮮鋭化が目的であるため、コントラスト強調と同時に、エッヂ強調処理も含まれることとなり、純粋にコントラスト強調を行う場合には不向きである。
【0007】
また、前記ウィンドウ幅、ウィンドウレベルの技術により、伸張化によるコントラスト強調法は不向きである。
【0008】
また、濃淡画像の画像ヒストグラムにおいて、画素値が小さい低ヒストグラム領域にある画素は背景、画素値が大きい高ヒストグラム領域にある画素は重要な要素であるということが一般に知られており、ある閾値によって低ヒストグラム領域と高ヒストグラム領域とを分割し、低ヒストグラムのコントラストは低下、高ヒストグラム領域のコントラストは向上させ、画像全体のコントラストを強調する手法も知られている。しかし、MRI装置などの医用画像撮影装置で取得できる医用画像では、低ヒストグラム領域にある画素であっても、重要な要素である場合もあるため、低ヒストグラム領域のコントラストを低下させることは、画像情報の損失となる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、これらの問題に鑑みてなされたもので、画像ヒストグラムにおいて低ヒストグラム領域にある要素の損失を小さくし、画像ヒストグラム領域の伸張を抑制し、画像全体のコントラストを向上させる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するための本発明の医用画像処理装置の主なものは、以下の特徴を有する。
(1)画像を含む情報を読み込む情報入力部と、画像に対して画像処理を実行する画像処理部と、画像処理部により処理された画像を出力し表示する画像表示部を備える医用画像処理装置であって、読み込んだ画像の各画素値と該各画素値に対応する度数を基に該画像全体のヒストグラム作成する手段と、ヒストグラムにおいて第1ヒストグラム領域と第1ヒストグラム領域の各画素が有する画素値より低い画素値を有する第2ヒストグラム領域とに分割する際の基準値となる閾値を決定する手段と、決定した閾値を用いて、画像の各画素に対して第1ヒストグラム領域における重みと、第2ヒストグラム領域における重みとを、それぞれ決定する手段と、決定した重みを画素の各画素値に付加して、画像のコントラスト強調を実行する手段とを備えることを特徴とする。
(2)上記(1)において、閾値を決定する手段は、第2ヒストグラム領域における重みを“1”とし、当該領域に対してはコントラスト強調を加えないことを特徴とする。
(3)上記(1)において、第1ヒストグラム領域における重みは、閾値における画素値に対して決定されるコントラスト強調度を基に調整されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の医用画像処理方法の主なものは、以下の特徴を有する。
(4)画像を含む情報を読み込む情報入力部と、画像に対して画像処理を実行する画像処理部と、画像処理部により処理された画像を出力し表示する画像表示部を備える医用画像処理装置を用いた医用画像処理方法であって、読み込んだ画像において第1ヒストグラム領域と第1ヒストグラム領域の各画素が有する画素値より低い画素値を有する第2ヒストグラム領域とに分割する際の基準値となる閾値を決定するステップと、読み込んだ画像の各画素値と該各画素値に対応する度数を基に該画像全体のヒストグラム作成するステップと、決定した閾値を用いて、画像の各画素に対して第1ヒストグラム領域における重みと、第2ヒストグラム領域における重みとを、それぞれ決定するステップと、決定した前記重みを画素の各画素値に付加して、画像のコントラスト強調を実行するステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像それぞれに対して求められた閾値によって、適切に高ヒストグラム領域と低ヒストグラム領域とに分割し、高ヒストグラム領域にのみコントラストを強調させる補正を行い、画像全体のコントラストが向上したコントラスト強調画像を出力する画像処理装置を提供することができる。
【0013】
また、画像ヒストグラムを処理の基本としているため、2×2の正方形画像以外の場合であっても、同様の処理で実施することが可能である。また、多重解像度解析のような繰り返し演算は含まれないことから、演算量は増加しない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ヒストグラムの変化(処理前と処理後)を示す図。
【図2】処理対象となる画像(処理前)を示す図。
【図3】処理後の画像を示す図(minA=0.7の場合)。
【図4】本発明の医用画像処理装置のハードウェア構成を示す図。
【図5】実施例1の処理の流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に従って、本発明に係る医用画像処理装置の好ましい実装形態について説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより、重複説明を省略することにする。
【0016】
以下に、図2に一例として示す被検体の頭部をMRI装置にて撮像した断面画像のコントラストを強調する処理方法について説明する。
【0017】
まず、図2で示す縦方向の二本のカーソル線および横方向の二本のカーソル線で囲まれた領域における画素I(x,y)を以下の処理対象の一つとする。また、本処理は、図中の横方向範囲を”width”とし、縦方向範囲を”height”とした範囲内にある各画素I(x,y)のそれぞれに対して行い、断面画像の全体に対してコントラスト強調処理を施す。
【0018】
図1は、対象とする断面画像のヒストグラムを示す。このヒストグラムは、横軸に画素値をとり、縦軸に各画素に対応する度数をプロットして得られる分布であり、図2で示す断面画像(処理前)に対するヒストグラムを実線で示している。なお、破線で示すヒストグラムは、後述する処理後に得られた断面画像のヒストグラムを示す。
【0019】
図1において、画素値がhigh側(図中の右方向)を高ヒストグラム領域とし、画素値がlow側(図中の左方向)を低ヒストグラム領域として切り分けるための基準値となる閾値(threshold)を縦の点線で示す。
【0020】
以下に、この閾値を用いて断面画像に付加する重みの決定方法、画像コントラストの強調方法を具体的に説明する。
【0021】
まず、画素I(x,y)に対する重みを決定する数式を以下に示す。


--------------(数式1)
【0022】
上記(数式1)において、対象画像をIとし、ある画素をI(x,y)とする。weight(x,y)は、画素I(x,y)に対する重みであり、bin(I(x,y))は、画素I(x,y)以下の画素の総数である。また、n、aはそれぞれ、画素値が閾値より大きい画素の総数、閾値以下の画素の総数である。これらのbin(I(x,y))、n、aは、以下の数式によって求められる。
【0023】


--------------(数式2)
【0024】

--------------(数式3)
【0025】


--------------(数式4)
【0026】
ここで、Histgram(i)は、画素値iを持つ画素の個数を求めるものである。
次に、上記によって求められた重みweight(x,y)を、対象画像Iに付加し、処理画像Inewを作成する。
【0027】

--------------(数式5)
【0028】
また、minAは強調度を表す。minAは、操作者が直接設定してもよいし、予め装置が所持している値でもよい。minAの値は、0以上1未満の値をとり、1に近いほど、コントラスト強調の程度は小さくなる。minAは、閾値と同値をとる画素について、どの程度の重みを付加するかを決定するためのパラメータである。すなわち、画素値I(x,y)の値iが閾値と同値i−thresholdであった場合、
【0029】

--------------(数式6)
【0030】
となる。また、画素値I(x,y)が、対象画像Iの最大画素値i−maxであるとき、threshold、minAがどんな値であっても、weight(x,y)は1であり、処理画像Inewの最大画素値は、対象画像Iの最大画素値が保存される。
【0031】
図3は、図2で示す断面画像のI(x,y)に対して重みづけをして求めたInew(x、y)を基に画像を再構成したものである。図で示すように画像の内側における濃淡が図2に比べて、より強調されたコントラストとなっている。
【0032】
なお、図3の処理画像は、minAの値を0.7とした場合を例示している。
【0033】
上述したように、本発明では、I(x,y)が閾値より低い場合は、(数式1)よりweight(x,y)=1となる。すなわち、Inew(x,y)=I(x,y)であり、もとのままのヒストグラムであるので、低ヒストグラム領域のコントラストを低下させる危険性はなく、画像情報の損失を回避している。
【0034】
一方、I(x,y)が閾値より高い場合は、(数式1)よりInew(x,y)=weight(x,y)*I(x,y)となる。(数式1)より、weight(x,y)<1となるので、点線で示すInew(x,y)は、図中の左方向、すなわち画素値がlow側にシフトする。これにより、高ヒストグラム領域のみコントラストを強調するこができる。
【0035】
次に、上記演算を実現する装置について以下に説明をする。
図4は、医用画像処理装置1のハードウェア構成を示す図である。医用画像処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)2、主メモリ3、データ記憶装置4、表示メモリ5、モニタ6、マウス8に接続されたコントローラ7、キーボード9、ネットワークアダプタ10が、システムバス11によって信号送受可能に接続されて構成される。医用画像処理装置1は、ネットワーク12を介して医用画像DB(データベース)13や医用画像撮影装置14と信号送受可能に接続される。ここで、「信号送受可能に」とは、電気的に、光学的に有線、無線を問わずに、相互あるいは一方から他方への信号送受可能な状態を示す。
【0036】
CPU2は、各構成要素の動作を制御する装置である。CPU2は、データ記憶装置4に格納されるプログラムやプログラム実行に必要なデータを主メモリにロードして実行する。データ記憶装置4は、医用画像撮影装置14により撮影された医用画像情報を格納する装置であり、具体的にはハードディスク等である。また、データ記憶装置4は、フレキシブルディスク、光(磁気)ディスク、ZIPメモリ、USBメモリ等の可搬性記録媒体とデータの受け渡しをする装置であってもよい。医用画像情報はLAN(Local Area Network)等のネットワーク12を介して医用画像撮影装置14や医用画像DB13が取得される。また、データ記憶装置4には、CPU2が実行するっプログラムやプログラム実行に必要なデータ格納される。主メモリ3は、CPU2が実行するプログラムや演算処理の途中経過を記憶するものである。
【0037】
表示メモリ5は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)等の表示装置6に表示するための表示データを一時格納するものである。マウス8やキーボード9は、操作者が医用画像処理装置1に対して操作指示を行う操作デバイスである。マウス8はトラックパッドやトラックボール等の他のパインティングデバイスであってもよい。コントローラ7は、マウス8の状態を検出して、表示装置6上のマウスポインタの位置を取得し、取得した位置情報などをCPU2へ出力するものである。ネットワークアダプタ10は、医用画像処理装置1をLAN、電話回線、インターネット等のネットワーク12に接続するためのものである。
【0038】
医用画像撮影装置14は、被検体の断層画像等の医用画像情報の取得する装置である。医用画像撮影装置14は、例えば、MRI装置やX線CT装置、超音波診断装置、シンチレーションカメラ装置、PET装置、SPECT装置などである。医用画像DB13は、医用画像撮影装置14によって撮影された医用画像情報を記憶するデータベースシステムである。
【0039】
CPU2が後述する方法を実行することにより、コントラスト強調画像が作成され、作成されたコントラスト強調画像は表示装置6に表示される。また、作成されたコントラスト強調画像は、医用画像DB13に保存されても良い。
【実施例】
【0040】
図5は、CPU2が本発明の画像処理部を実行する処理の流れを示す図である。
以下、図5の各ステップについて詳細に説明する。
【0041】
Step1:対象画像を高ヒストグラム領域と低ヒストグラム領域とに分割できるような閾値(threshold)を決定する。前記閾値を決定する方法は、画像を2値化するために用いられるような、p−tile法やモード法、判別分析法などの方法が考えられる。また、操作者がヒストグラムを観察し、閾値を指定するような方法や、予めCPU2が所持している値を用いる方法であってもよい。
【0042】
Step2:対象画像全体のヒストグラムを作成し、各画素値における度数を計上し、主メモリ3に保存する。このステップは、後の計算を簡単に行うためのものであり、このステップを省略してもよい。
【0043】
Step3:(数式3)、(数式4)に示す、n、aをそれぞれ求める。Step1で決定した閾値は、対象画像において、一定のものであるため、n、aも一定である。このステップは、後の計算を簡単に行うためのものであり、このステップを省略してもよい。
【0044】
Step4:対象画像上の全ての画素に対して処理を行うための準備を行う。このステップは、計算機実装によるものであり、本発明によるものではない。これ以降、Step5からStep10までは、各画素に対しての繰り返しの処理となる。
【0045】
Step5:対象画像における画素I(x,y)が、閾値(threshold)未満である場合はStep6の処理を、閾値以上である場合はStep7の処理を行う。この分岐処理は、(数式1)における分岐処理に該当する。また、このステップでの分岐ではなく、Step7とStep8の間に、このステップと同等の処理を設けてもよい。
【0046】
Step6:対象画像における画素I(x,y)が、閾値(threshold)未満である場合は、重みweight(x,y)は1とするため、画素I(x,y)に対応する、処理画像Inewの画素Inew(x,y)の画素値は、I(x,y)と同値となる。このステップの処理後は、Step11の処理を行う。
【0047】
Step7:対象画像における画素I(x,y)以下の画素値を持つ画素の総数bin(I(x,y))を求める。このとき、Step2で求めた、対象画像全体のヒストグラムを用いてもよい。
【0048】
Step8:対象画像における画素I(x,y)に対する重みweight(x,y)を、(数式1)に基づいて求める。また、Step5の分岐処理は、このステップの直前に行い、weight(x,y)を1として、時ステップへ移行してもよい。
【0049】
Step9:対象画像における画素I(x,y)に、Step8で求めた重みweight(x,y)を付加する。
【0050】
Step10:Step9の計算結果を処理画像Inewの画素Inew(x,y)として保存する。
【0051】
Step11:Step5からStep10の処理を画像の横方向に対してx>=widthとなるまで繰り返す。
Step12:Step5からStep10の処理を画像の縦方向に対してy>=heightとなるまで繰り返す。
【0052】
以上、本発明の実施形態を述べたが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0053】
1:医用画像処理装置、2:CPU、3:主メモリ、4:データ記憶装置、5:表示メモリ、6:モニタ、7:コントローラ、8:マウス、9:キーボード、10:ネットワークアダプタ、11:システムバス、12:ネットワーク、13:医用画像DB(データベース)、14:医用画像撮影装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を含む情報を読み込む情報入力部と、前記画像に対して画像処理を実行する画像処理部と、前記画像処理部により処理された画像を出力し表示する画像表示部を備える医用画像処理装置であって、
読み込んだ前記画像の各画素値と該各画素値に対応する度数を基に該画像全体のヒストグラム作成する手段と、
前記ヒストグラムにおいて第1ヒストグラム領域と前記第1ヒストグラム領域の各画素が有する画素値より低い画素値を有する第2ヒストグラム領域とに分割する際の基準値となる閾値を決定する手段と、
決定した前記閾値を用いて、前記画像の各画素に対して前記第1ヒストグラム領域における重みと、前記第2ヒストグラム領域における重みとを、それぞれ決定する手段と、
決定した前記重みを前記第1ヒストグラム領域における前記画素の各画素値に付加して、前記画像のコントラスト強調を実行する手段とを備えることを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項2】
前記閾値を決定する手段は、前記第2ヒストグラム領域における重みを“1”とし、当該領域に対しては前記各画素にコントラスト強調を加えないことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記第1ヒストグラム領域における重みは、前記閾値における画素値に対して決定されるコントラスト強調度を基に調整されることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記コントラスト強調度は、前記入力部から操作者により入力された情報を基に決定されることを特徴とする請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記コントラスト強調度は、前記画像処理部に予め設定された情報を基に決定されることを特徴とする請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記閾値を決定する手段は、前記第1ヒストグラム領域における最大値をとる画素値に対して、前記第1ヒストグラム領域における重みを“1”とし、当該最大値を有する画素値が保存されることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
画像を含む情報を読み込む情報入力部と、前記画像に対して画像処理を実行する画像処理部と、前記画像処理部により処理された画像を出力し表示する画像表示部を備える医用画像処理装置を用いた医用画像処理方法であって、
読み込んだ前記画像において第1ヒストグラム領域と前記第1ヒストグラム領域の各画素が有する画素値より低い画素値を有する第2ヒストグラム領域とに分割する際の基準値となる閾値を決定するステップと、
読み込んだ前記画像の各画素値と該各画素値に対応する度数を基に該画像全体のヒストグラム作成するステップと、
決定した前記閾値を用いて、前記画像の各画素に対して前記第1ヒストグラム領域における重みと、前記第2ヒストグラム領域における重みとを、それぞれ決定するステップと、
決定した前記重みを前記第1ヒストグラム領域における前記画素の各画素値に付加して、前記画像のコントラスト強調を実行するステップとを備えることを特徴とする医用画像処理方法。
【請求項8】
前記重みは、下記の(数式1)〜(数式4)を用いて決定されることを特徴とする請求項7に記載の医用画像処理方法。

--------------(数式1)


--------------(数式2)


--------------(数式3)


--------------(数式4)

ここで、上記記号は以下のように定義する。threshold:閾値、I(x,y):対象の画素、weight(x,y):画素I(x,y)に対する重み、bin(I(x,y)):画素I(x,y)より小さい画素値を有する画素の総数、n:画素値が閾値より大きい画素の総数、a:画素値が閾値以下の画素の総数、N:画素の総数、Histgram(i):画素値iを持つ画素の個数、minA:コントラスト強調度。
【請求項9】
前記コントラスト強調度は、前記入力部から操作者により入力された情報を基に決定されることを特徴とする請求項8に記載の医用画像処理方法。
【請求項10】
前記コントラスト強調度は、前記画像処理部に予め設定された情報を基に決定されることを特徴とする請求項8に記載の医用画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−34660(P2013−34660A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173066(P2011−173066)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】