説明

医用画像撮像装置及び医用画像撮像方法

【課題】被検体の体動量を高精度に検知すること。
【解決手段】データ収集部11は、被検体を対象とした第1の位置に関する第1の生データを収集し、被検体を対象とした第2の位置に関する第2の生データを収集する。処理部12は、第1の生データの収集時刻と第2の生データの収集時刻との間における被検体の体動量を評価する。処理部12は、第1の位置と第2の位置とを含む試験平面での第1の平面積分の微分を第1の生データを利用して算出し、試験平面での第2の平面積分の微分を第2の生データを利用して算出し、第1の平面積分の微分と前記第2の平面積分の微分との差分を利用して体動量を評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像撮像装置及び医用画像撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、医用撮像データは、静的な被検体を想定している。すなわち、医用撮像データは、被検体が静止している状態で収集されていると想定されている。被検体の体動は、データ収集中における身体の動作と体内の臓器の動きとを含んでいる。体動を反映したデータに基づいて医用画像が再構成された場合、再構成された医用画像は、体動アーチファクトを含んでしまう。このような医用画像は、医師の誤診断を招きやすい。
【0003】
画質向上のためのアプローチの一つとして、収集データのうちの最小の体動量の部分を同定する方法がある。同定された部分が最小の体動量を有しているので、最小の体動量を有する収集データから医用画像が再構成された場合、再構成された医用画像は、体動アーチファクトによる影響が少ない。このアプローチは、体動量が最も小さい期間に収集されたデータを同定するために体動インデックスを利用している。
【0004】
既存の体動インデックスは、Helgason-Ludwigのconsistency condition、相補レイ、及びサイノグラムに基づいている。この技術は、様々な投影データセットがおかれる様々な状況及び不正確さに適用することができない。このように、様々なアプリケーションや投影データセットに対して新規の体動インデックスが望まれ続けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施形態の目的は、被検体の体動量を高精度に検知することが可能な医用画像撮像装置及び医用画像撮像方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る医用画像撮像装置は、被検体を対象とした第1の位置に関する第1の生データを収集し、前記被検体を対象とした第2の位置に関する第2の生データを収集するデータ収集部と、前記第1の生データの収集時刻と前記第2の生データの収集時刻との間における前記被検体の体動量を評価する処理部であって、前記第1の位置と前記第2の位置とを含む試験平面での第1の平面積分の微分を前記第1の生データを利用して算出し、前記試験平面での第2の平面積分の微分を前記第2の生データを利用して算出し、前記第1の平面積分の微分と前記第2の平面積分の微分との差分を利用して前記体動量を評価する処理部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態に係るX線CT撮像装置の構成を示す図。
【図2】本実施形態に係る体動インデックスの決定方法を説明するための図。
【図3】本実施形態に係る体動マップを決定するための既定のX線管軌道上の3点を示す図。
【図4】本実施形態に係る体動インデックスの決定方法を説明するための他の図。
【図5】本実施形態に係る体動インデックスの決定方法を説明するための他の図。
【図6】本実施形態に係る体動インデックスの正確性と時間分解能とを示すための数値シミュレーションを示す図。
【図7A】本実施形態に係る心臓スキャンにおいて円軌道を連続的に4回転する場合における、1回転目の平面積分の微分(DPI)の推移を示す図。
【図7B】本実施形態に係る心臓スキャンにおいて円軌道を連続的に4回転する場合における、2回転目の平面積分の微分(DPI)の推移を示す図。
【図7C】本実施形態に係る心臓スキャンにおいて円軌道を連続的に4回転する場合における、3回転目の平面積分の微分(DPI)の推移を示す図。
【図7D】本実施形態に係る心臓スキャンにおいて円軌道を連続的に4回転する場合における、4回転目の平面積分の微分(DPI)の推移を示す図。
【図8】本実施形態に係る1拍動中のDPIの推移を示す図。
【図9】図8に示される選択されたハーフスキャン投影データに応じた再構成画像を示す図。
【図10】本実施形態に係るPET(positron emission tomography)撮像装置100の構成を示す図。
【図11】図10のPET撮像装置に含まれる検出器リングを示す図。
【図12】本実施形態に係るSPECT(single photon emission computed tomography)撮像装置の構成を示す図。
【図13】図12のSPECT撮像装置に含まれる、被検体S内の関心領域から放出されるガンマ放射線を直接的に計測するガンマカメラを示す図。
【図14】本実施形態に係る処理の典型的な流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
画像再構成の質を向上させるアプローチの一つは、体動量が最も小さいデータ部分を同定することである。すなわち、このアプローチは、関心領域において体動が最も小さい期間に収集された投影データの一部分を同定する方法である。同定された投影データ部分が最小の体動量を有しているので、同定された投影データに基づいて再構成された画像は、体動アーチファクト成分をほとんど有していない。換言すれば、本実施形態に係るアプローチは、投影データのコンシステント(consistent)部分を利用する。より詳細には、この再構成アプローチは、コンシステント部分を中心とした所定範囲の投影データを利用する。同定された投影データは、再構成画像上の体動アーチファクト成分を実質的に低減させる。
【0009】
なお、投影データは、ビュー単位で管理される。ここで、ビュー毎の投影データの集合を投影データセットと呼ぶことにする。投影データの一部分とは、撮像期間において収集された全ての投影データのうちの、所定のビューに関する投影データセットを意味する。本実施形態においてコンシステントとは、異なるビューにおけるX線の透過経路上の物質の解剖学的同一性を意味する。換言すれば、コンシステントとは、比較対象となる複数のビューに亘って、被検体の体動に起因する体動インデックス値の変動が比較的小さいことを意味する。コンシステントな投影データは、比較対象となる複数のビューに亘って被検体の体動アーチファクト成分をあまり含んでいない。なお、本実施形態に係る体動インデックスの詳細については後述する。投影データのコンシステント部分とは、全ての投影データのうちの、体動量の変動が比較的小さいビュー範囲に属する投影データセットを意味する。一方、本実施形態において非コンシステント(inconsistent)とは、比較対象となる複数のビューに亘って、被検体の体動に起因する体動インデックス値の変動が比較的大きいことを意味する。投影データの非コンシステント部分とは、全ての投影データのうちの、体動量の変動が比較的大きいビュー範囲に属する投影データセットを意味する。
【0010】
図1は、本実施形態に係るX線CT撮像装置の構成を示す図である。本実施形態に係るX線CT撮像装置は、架台1を有している。架台1は、X線管3と2次元アレイ型のX線検出器5とを装備している。X線管3とX線検出器5とは、被検体を挟んで対向するように回転リング2に設けられている。被検体は、天板6に載置されている。回転リング2は、既定の回転軸に沿って既定の速度で移動する間、この回転軸回りに回転する。架台/寝台制御部9は、回転リング2の回転と天板6のスライド移動とを同期制御する。ヘリカルスキャンモードの場合にはX線管3が螺旋軌道を移動する間、円軌道スキャンモードの場合にはX線管3が円軌道を移動する間、投影データが収集される。
【0011】
X線管3は、コーンビームすなわち略コーン形状のX線束をX線フィルタ4を介して被検体に照射する。X線制御部8は、高電圧発生器7にトリガ信号を供給する。高電圧発生器7は、トリガ信号を受けて高電圧をX線管3に印加する。システム制御部10は、回転リング2が回転し且つ天板6が移動する間、X線管3からX線が連続的または間欠的に等角度間隔で照射されるようにX線制御部8と架台/寝台制御部9とを統括的に制御する。
【0012】
被検体を透過したX線は、X線検出器5により電気信号として検出される。X線検出器5において、複数の検出素子が各列に配列される。これら複数の列が2次元アレイを構成するように配列される。例えば、一つの検出素子が一つのチャンネルに対応する。データ収集部11は、X線検出器5からの出力をチャンネル毎に増幅し、デジタル信号(投影データ)に変換する。
【0013】
処理部12は、データ収集部11から伝送された投影データに種々の処理を施す。例えば、処理部12は、データサンプリング、データシフト、フィルタリング、選択、逆投影、及び再構成等の所望の処理を投影データに施す。
【0014】
処理部12は、投影データに基づいて逆投影データを算出する。コーンビームX線を使用する円軌道スキャンシステムにおいて、撮像領域(実効FOV)は、回転軸を中心軸とした半径Rを有する円柱形状を有する。処理部12は、撮像領域における複数のボクセル(3次元ピクセル)を決定し、各ボクセルについて逆投影データを算出する。処理部12は、逆投影データに基づいて3次元画像データまたは断層画像データを発生する。表示部14は、3次元画像データに応じた3次元画像または断層画像データに応じた断層画像を表示する。
【0015】
後述するように、処理部12は、逆投影及び再構成の前段において投影データの所定部分の選択処理を実行する。例えば、処理部12は、逆投影及び再構成の前段において、投影データのうちの、既定の体動インデックスに応じた最小の体動を有する一部分または複数部分を選択する。この投影データの選択は、心臓や肺のような非静的な臓器に関する画質を向上させるために重要な処理である。
【0016】
よく知られているように、被検体すなわち患者は、X線ビーム(レイ)を減衰する。検出素子kにおいて検出された減衰後のX線ビームの強度Iは、下記の(1)式により規定されている。
【数1】

【0017】
ここでμ(x)は再構成対象の減弱係数関数である。Iは、X線フィルタを透過した後のμ(x)により減衰される前のX線ビーム強度である。∫μ(x)dxは、直線Lに沿うμ(x)の線積分である。数学的にμ(x)は、複数の直線Lにそれぞれ対応する複数の線積分のセットとして再構成される。計測されたX線ビーム強度Iは、下記の(2)式に従って線積分に変換される。
【数2】

【0018】
X線断層撮像は、データ収集、データ処理、及びデータ再構成の3つの主要ステップを含んでいる。データ収集において、X線ビーム強度のデータは、架台1の回転中、各ビュー角度βにおいてX線検出器5の各検出素子で収集される。X線検出器5は、エネルギー(電荷)を積分することにより、または、X線フォトンを計数することにより、入射X線を検出する。検出された入射X線は、電気信号に変換される。電気信号は、架台1の回転部から固定部に伝送される。
【0019】
処理部12によるデータ処理により、データ処理部11からの投影データは、X線強度計測値から(2)式に応じた線積分値に対応する投影データに変換される。また、散乱やビームハードニングのような物理現象による影響を低減したりノイズを低減したりし、各検出素子の非均一応答関数を補償するために、種々の補正処理が施される。
【0020】
本実施形態において処理部12は、以下の実施例において例示するようにデータ選択処理を実行する。データ選択は体動のみに関連したものである。体動は、平面積分の微分((derivative of planar integral、以下、DPIと称す。)のような所定のインデックスにより決定される。なお、データ選択処理はこれのみに限定されず、種々の方法により任意に実施されても良い。
【0021】
臨床応用における主要な体動は、心臓の動き(心臓動)と肺の動き(肺動)とである。心臓データは、典型的には、冗長データが同期再構成(gated reconstruction)に十分利用可能なように、比較的低ヘリカルピッチで幾つかの心拍に亘って得られる。データ収集中において、心臓動についての情報として心電図(ECG)も収集される。
【0022】
なお、心臓データとは、心臓を対象とした撮像においてデータ収集部11により収集された投影データを意味する。心臓撮像における同期再構成とは、典型的には、心電同期再構成である。
【0023】
体動に基づく投影データ部分を選択することに関して、肺データは、以下のように収集される。典型的には、肺データは、幾つかの冗長データが利用可能なように比較的高ヘリカルピッチで収集されるが、通常、同期再構成においては十分でない。肺データは、高度に制限された同期再構成についてのみ満足される。心臓動についてのECGとは異なり、肺データに関しては、外的な体動情報は再構成に利用されない。上記の臨床データに加えて、データ収集中に患者が動くことにより体動が生じうる。この患者の動作は、臓器の動きと組み合わされる。
【0024】
なお、肺データとは、肺を対象とした撮像においてデータ収集部11により収集された投影データを意味する。肺撮像における同期再構成とは、典型的には、呼吸同期再構成を意味する。
【0025】
心臓と肺との両方の場合において、利用可能な冗長データは、被検体の体動に基づいて選択される。この根幹的なアイディアは、DPIのような予め設定された体動インデックスを使用することである。体動インデックスの使用により、例えば、投影データのコンシステント部分を選択することができる。下記の実施例において示すように、処理部12または処理部12に等価な装置は、投影データに基づく体動インデックス値の算出処理と、体動インデックス値に基づく投影データのコンシステント部分の選択処理とを実行する。同様に、下記の実施例において示すように、データ処理ステップは、典型的には、上記の決定及び選択機能に関連する複数のステップや複数のサブステップを含む。
【0026】
本実施形態に係る体動インデックスを理解するために、線積分、平面積分、及びDPIの間の関係式について説明する。画像関数f(・)の3次元コーンビーム投影は、下記の(3)式により表現される。
【数3】

【0027】
ここで、g(a ̄(λ),β^)は投影(線積分)であり、a ̄(λ)はX線管位置である。また、β^=e ̄(α,γ)は、X線管位置a ̄(λ)、コーン角α、及びファン角γまたはβ^により規定される3次元画像空間における単位ベクトルである。rは、X線管から被検体内の注目点までの距離パラメータである。
【0028】
平面積分は、下記の(4)式により規定される。
【数4】

【0029】
ここで、n^は平面の法線であり、lは平面の原点からの距離である。
【0030】
グランギート(Grangeat)の公式を導出するため、下記の(5)式について考察する。
【数5】

【0031】
(3)式の右辺を(5)式のg(a ̄(λ),β^)に代入することにより、(5)式の右辺が算出される。さらにx ̄=a ̄+rβ^は下記の(6)式であると仮定される。
【数6】

【0032】
(4)式を利用してrを消去することにより、下記の(7)式が得られる。
【数7】

【0033】
一方、(4)式を微分することにより、下記の(8)式がDPIとして算出される。
【数8】

【0034】
条件a ̄(λ)・n^=lが真であるという仮定のもとに(7)式と(8)式とを比較することにより、グランギートの公式として下記の(9)式が導出される。(5)式を参照すればわかるように、DPIは、グランギートの公式によりコーンビーム投影データに関連付けられる。
【数9】

【0035】
ここで、g(a ̄(λ),β^)は投影(線積分)であり、a ̄(λ)はX線管位置である。また、β^=e ̄(α,γ)は、X線管位置a ̄(λ)、コーン角α、及びファン角γまたはβ^により規定される3次元画像空間における単位ベクトルである。
【0036】
このように、(9)式は下記の(10)式のように書き換えることができる。
【数10】

【0037】
(10)式に示すように、DPIはビュー毎に投影データに基づいて算出される。算出されたDPI値は、投影データがコンシステントの場合、同一となる。これは、平面積分が画像関数f(x ̄)のみに依存することに起因する。DPIもこの性質を有している。CT撮像では、撮像中、被検体が静的であり、画像関数が不変であると仮定されている。従ってDPIは、特定の画像関数(被検体)について、単一の平面上において均一である。換言すれば、DPIは、その取得方法及び取得位置(すなわち、異なる位置の異なる線積分)に依存しない。同一平面上における異なるX線管位置(すなわち、X線管位置の移動)に関するDPIの差分は、撮像中における画像関数の変化を必然的に示している。換言すれば、体動が無い場合、DPI値は同一となる。
【0038】
すなわち、比較対象となる複数のビューに亘って投影データがコンシステントである場合、複数のビューに関する複数のDPIは、理論的には同一となる。換言すれば、試験平面上でのコーンビームX線の透過経路上の減弱合計が複数のビューで一致している場合、複数のビューに亘って投影データがコンシステントであるといえる。
【0039】
上述の議論から分かるように、DPIは、試験平面に垂直な体動成分により変動する。例えば、2つのビューに亘って試験平面に交差する方向に体動が発生した場合、2つのビューに関する2つのDPIの差分は、理想的には非ゼロとなる。一方、2つのビューに亘って試験平面に平行する方向のみに体動が発生した場合、2つのビューに関する2つのDPIの差分は、理想的には略ゼロとなる。すなわち、ある試験平面に関するDPIは、体動の検出に関して、その試験平面の向きに応じた方向依存性を有している。
【0040】
本実施形態は、DPIに関する上記の性質を体動インデックスとして利用する。隣接する2つのビューに関する2つのDPI値は、体動インデックスとして利用され、コンシステント性(consistency)を検証するために比較される。時間分解能は、2つのビューの収集時間により決定される。しかしながら、エイリアシングとノイズとにより、隣接する2つのビューの比較についての信頼性が低い。このため、エイリアシング誤差とノイズとに由来する悪影響を低減することを目的として、例えば、連続的な63のビュー等の既定数のビューに亘るDPIの移動平均が体動量を評価する際に使用されても良い。
【0041】
DPIが体動インデックスとして使用された場合、瞬間的あるいは急速な体動の検出に関する時間分解能が実質的に向上する。他の体動インデックス(例えば、相補的なビュー)においては、略180度間隔で収集された二つの投影データセットが要求される。X線管が180度移動する間、心臓等の被検体は、細かな反復運動を行う。換言すれば、X線管が180度移動している間、被検体の一部は、他の位置に移動し、そして元の位置に戻る。このように、二つの投影データセットの収集時のタイムラグにより、高速で移動する被検体の体動を検知する際に欠陥が生じる。
【0042】
図2は、本実施形態に係る体動インデックスの決定方法を説明するための示す図である。体動インデックスは、投影データのコンシステント部分を選択するために利用される。典型的には、コーンビームX線は、既定のX線管軌道STに沿って移動するX線管3から放出される。x軸に関する投影角度β毎に、コーン角αとファン角γとを有するX線が放出され、撮像領域(SFV:scanned field of view)中の被検体を透過する。そして、投影データは、上述のようにデータ収集部11により収集される。
【0043】
図2に示すように、平面P−1は、試験平面(test plane)であり、点2−3を含んでいる。試験平面P−1は、単位ベクトルn^に垂直である。単位ベクトルn^は、X軸、Y軸、及びZ軸の原点から距離lだけ離れた位置で試験平面P−1に交差する。平面P−2は、X軸及びZ軸により規定される平面である。3次元X線管軌跡ST上の点2−1、及び点2−2が試験平面P−1上に位置するとする。点2−1のビューに関する投影データセットと点2−2のビューに関する投影データセットとが収集される。一つの試験平面P−1について、点2−1及び点2−2の各々のコーンビーム投影データからDPIが算出される。点2−1及び点2−2に関する投影データがコンシステント(すなわち、体動無し)の場合、点2−1に関するDPIは、点2−2に関するDPIに等しい。2つのDPIの差分は、2つのビューに関する2つの投影データセットの非コンシステント性(inconsistency)を表現している。非コンシステント性が主として体動により生じると仮定した場合、2つのDPIの差分は、体動量を規定し、体動インデックスとして用いられる。
【0044】
換言すれば、撮像期間中、データ収集部11は、点2−1に関する投影データセットと点2−1に関する投影データセットとを収集する。処理部12は、点2−1と点2−2とを含む試験平面P−1を設定し、点2−1に関する試験平面P−1でのDPIを点2−1に関する投影データセットを利用して算出し、点2−2に関する試験平面P−1でのDPIを点2−2に関する投影データセットを利用して算出する。DPIは、例えば、投影データセットから(10)式に従って算出される。より詳細には、処理部12は、まず、点2−1に関する試験平面P−1での平面積分を点2−1に関する投影データセットに基づいて算出し、点2−2に関する試験平面P−1での平面積分を点2−2に関する投影データセットに基づいて算出する。ここで、点2−1に関する平面積分の積分平面と点2−2に関する平面積分の積分平面とは、同一の平面、すなわち、試験平面P−1である。平面積分は、例えば、試験平面P−1に交差するX線検出器5上の検出素子列に沿って、この検出素子列に含まれる複数の検出素子からの線積分値を線積分することにより算出される。次に処理部12は、点2−1に関する平面積分を利用して点2−1に関するDPIを算出し、点2−2に関する平面積分を利用して点2−2に関するDPIを算出する。そして、処理部12は、点2−1に関するDPIと点2−2に関するDPIとの差分を算出する。算出された差分は、被検体の体動量を評価するための体動インデックスとして利用される。
【0045】
なお、図2において点2−1と点2−2とは、180度だけ離間している。点2−1がX線管軌道STに沿って点2−2まで架台略半回転に亘って移動しなければならないので、点2−1に関する投影データセットと点2−2に関する投影データセットとの収集時刻差は、点2−1と点2−2との角度間隔が180度未満の場合に比して、相対的に長い時間間隔を有している。換言すれば、2点2−1及び2−2に関する投影データセットは、適切な時間分解能を有していない。
【0046】
上述においては、2点間の体動を評価するためのDPIの利用方法について説明した。本実施形態に係る体動の評価方法は、2点のみに限定されず、3点以上の如何なる点についても適用可能である。次に、3点以上の体動の評価方法の一例として、3点間の体動を評価するためのDPIの利用方法について説明する。この場合、3点以上間の体動の評価には、例えば、体動マップが利用されると良い。
【0047】
図3は、本実施形態に係る体動マップを算出するための、X線管軌道上の3点を示す図である。3次元X線管軌道ST、3次元X線管軌道ST上の点3−1、点3−2、及び点3−3が試験平面を規定すると仮定する。既に記載したように、(3)式から(11)式を参照すれば分かるように、DPIは、グランギートの公式により線積分に関連づけられている。試験平面上の3点3−1、3−2、及び3−3の各々についてDPIが決定される。典型的には、3点3−1、3−2、及び3−3の投影データセットがコンシステントであれば、3つのDPI値は同一となる。一方、3点3−1、3−2、及び3−3の投影データセットがコンシステントでなければ、これら3つのDPI値間の差分は、投影データの非コンシステント、すなわち体動量を表している。
【0048】
換言すれば、撮像期間中、データ収集部11は、3点3−1、3−2、及び3−3の各々に関する投影データセットを収集する。処理部12は、3点3−1、3−2、及び3−3を含む試験平面を設定し、上述の方法により、点3−1に関する試験平面でのDPIを点3−1に関する投影データセットを利用して算出し、点3−2に関する試験平面でのDPIを点3−2に関する投影データセットを利用して算出し、点3−3に関する試験平面でのDPIを点3−3に関する投影データセットを利用して算出する。そして、処理部12は、点3−1に関するDPI、点3−2に関するDPI、及び点3−3に関するDPIに基づいて体動マップを算出する。
【0049】
投影データの非コンシステント性が体動に起因すると仮定した場合、本実施形態に係る体動マップMは、下記の(11)式のように規定される。
【数11】

【0050】
ここで、M(λ,λ)は、3点3−1、3−2、及び3−3のDPI間の差分を示している。すなわち、2点3−1及び3−3間のDPIの差分は、2点3−1及び3−2間のDPIの差分と2点3−2及び3−3間のDPIの差分との総和に基づいている。二つのDPIの差分の各々がゼロの場合、二つのDPI差分の総和もゼロになる。この場合、投影データがコンシステントであることを示している。一方、二つのDPI差分の少なくとも一方がゼロでない場合、二つのDPI差分の総和は非ゼロとなる。この場合、投影データが非コンシステントであることを示している。
【0051】
上述の2点間の体動を評価するためのDPIの利用方法についての説明においては、2点間は180度だけ離間しているとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。2点間は、180未満であっても良い。次に、180度未満だけ離間した2点間の体動の評価方法について説明する。
【0052】
図4は、本実施形態に係る体動インデックスの決定方法を示す他の図である。体動インデックスは、投影データのコンシステント部分を選択するために利用される。典型的には、コーンビームX線は、既定のX線管軌道STに沿って移動するX線管3から放出される。投影角度毎にコーン角αとファン角γとを有するX線が放出され、撮像領域(SFV:scanned field of view)中の被検体を透過する。そして、投影データは、上述のようにデータ収集部11により収集される。
【0053】
図4に示すように、平面P−4は、試験平面であり、点4−1を含んでいる。試験平面P−4は、単位ベクトルn^に垂直である。単位ベクトルn^は、X軸、Y軸、及びZ軸の原点から角度φ及びθの方向に距離lだけ離れた位置で試験平面P−4に交差する。平面P−5は、X軸及びZ軸で規定される平面である。3次元X線管軌跡ST上の点A及び点Bは、試験平面P−4上に位置するとする。複数の2点セットは、試験平面として用いられる複数の平面の集合(ファミリー:family)を規定する。なお2点セットは、3次元X線管軌跡ST上にある任意の2点A及びBの組合せである。図4においては、単一の試験平面P−4のみ示しているが、実際には複数の試験平面からなるファミリーが存在する。換言すれば、試験平面毎にDPIは、点Aに関するコーンビーム投影データと点Bに関するコーンビーム投影データとからそれぞれ算出される。点A及び点Bからの投影データがコンシステント(すなわち、体動無し)の場合、点Aに関するDPIは、点Bに関するDPIに等しい。2つのDPIの差分は、2つのビューに関する2つの投影データセットの非コンシステント性を表現している。非コンシステント性が主として体動に起因すると仮定した場合、2つのDPIの差分は、体動量を表し、体動インデックスとして用いられる。
【0054】
図4において点Aと点Bとは、180度よりも狭い角度範囲だけ離間しており、十分に接近している。点AがX線管軌道STに沿って短距離にある点Bまで移動するので、点Aに関する投影データセットと点Bに関する投影データセットとの収集時刻差は、点Aと点Bとの角度間隔が180度の場合に比して短い。換言すれば、点Aに関する投影データセットと点Bに関する投影データセットとは、十分に適切な時間分解能を有しているといえる。
【0055】
上記の説明において試験平面は、比較対象の2点を含むこと以外に特に制約が設けられていなかった。換言すれば、上記の試験平面は、投影中心線から試験平面への角度(コーン角)は任意であった。次に、試験平面として中間平面(middle plane)を利用したDPIの算出について説明する。中間平面とは、比較対象の2点を含み、且つ、コーン角α=0度の傾き角度を有する平面である。
【0056】
図5は、本実施形態に係る体動インデックスの決定方法を示す他の図である。体動インデックスは、投影データのコンシステント部分を選択するために利用される。典型的には、コーンビームX線は、X線管軌道STに沿って移動するX線管3から放出される。図4に示したように、投影角度毎に、コーン角αとファン角γとを有するX線が放出され、被検体Oを透過する。図5においてコーン角αとファン角γとは示されていない。投影データは、上記の方法によりデータ収集部11により収集される。
【0057】
図5に示すように、平面P−4は中間平面である。中間平面は、点A及びBを通過する円周状のX線管軌道STを含んでいる。円軌道によるコーンビームスキャンを想定した場合、中間平面は、他の平面のファミリーから試験平面として採用される。中間平面でのDPIは、中間平面に空間的に近い投影データから得られる。微分を計算するため、ビュー毎に少なくとも2つの投影データセットが必要である。各ビューに関するDPIは、投影データセットがコンシステントの場合、同一である。一方、投影データセットが非コンシステントの場合、DPIの変動はゼロではない。如何なる場合においても、瞬時または微細な体動に対する時間分解能は、膨大な計算をすること無く、DPIを利用して正確に検出される。これは、X線管3の2つの回転位置間の角度間隔によらず、2つのDPIの差分を算出することができるからである。すなわち、Δt(X線管3が第1の位置から第2の位置へ移動する時間)を、隣接する2つのX線管3の角度間隔と同程度にすることができる。それに加え、試験平面は、柔軟に選択することができる。(10)式から、円周状軌道についての中間平面でのDPIは、下記の(12)式により決定される。これは、中間平面においてコーン角αが0であると仮定したことによる。
【数12】

【0058】
図5に関連して、他の複数の平面からなるファミリーは、複数の平面からなるファミリーに関連するDPIに基づいて複雑な体動を分析することに利用される。例えば、心臓動は、全方向に亘って不均一である。複数の平面が不均一な心臓動についての試験平面として使用された場合、複数の平面からなる第1のファミリーに関連する複数のDPIのセットは、ある方向における体動を示しうり、一方、複数の平面からなる第2のファミリーに関連する同一の複数のDPIは、他の如何なる方向の体動をも示すことができない。
【0059】
図6は、DPIの精度と時間分解能とを示すための数値シミュレーションを示す図である。数値シミュレーションにおいては、心臓を直径30mmの外壁と直径25mmの内壁とを有する中空の楕円体とみなした。また、数値シミュレーションにおいて心臓は、楕円体の中心が固定のZ位置に配置された状態で楕円体がx及びz方向に沿って伸縮するものとした。心臓動に対するDPI体動インデックスの効果を確認するために、シミュレーションおいて心臓は、種々の周期及び振幅で不規則に伸縮するものとした。図6に示すように、DPIは実線で示され、心臓のZ方向の変位は点線で示される。Z方向の変位として示される心臓動の位相は、各拍動においてDPI曲線に略一致する。換言すれば、DPIは、心臓動の種々の動作パターンを実質的に反映している。
【0060】
図7A、7B、7C、及び7Dは、心臓スキャンにおいて円軌道を連続的に4回転する場合のDPIの推移を示す。各回転において、DPIは、63、127、及び159の3つの幅に平均化される。90度及び300度の近傍において、ビームハードニングに起因する2つのピークが出現する。これは、心臓動として誤って解釈されてしまう可能性がある。この偽ピークは、回転とデータセットとの組合せによっては他の回転とデータセットとの組合せに比してより顕著になりうる。
【0061】
より詳細には、図7A、7B、7C、及び7Dの実線(D2S63)は、DPIの移動平均の項数が63であることを示し、点線(D2D159)は、DPIの移動平均の項数が159であることを示し、一点鎖線(D2S127)は、DPIの移動平均の項数が127であることを示している。すなわち、実線(D2S63)の各点の値は、その点を中心とする63のビューのDPIの平均値であり、点線(D2D159)の各点の値は、その点を中心とする159のビューのDPIの平均値であり、一点鎖線(D2S127)の各点の値は、その点を中心とする127のビューのDPIの平均値である。
【0062】
図8は、1拍動中のDPIの推移を示す図である。また、図7において既に説明したビームハードニング効果についても同様の周期的特徴が出現するが、DPI値は、心臓動に応じて迅速に変化する。図8に示すようにデータ収集範囲は、X軸に規定され、約600回転角度分の範囲をカバーしている。各回転角におけるDPI値はY軸にプロットされている。図8のグラフには、3つのDPI推移曲線が示されている。さらに、図8のグラフは、3種類の水平線を含んでいる。各水平線は、ハーフスキャンのビュー範囲を示している。各ハーフスキャンのビュー範囲は、前のビュー範囲から100ビューだけシフトされている。二重点線は相対的に小さい心臓動量を含むビュー範囲を表し、実線や太点線は相対的に大きい心臓動量を含むビュー範囲を表す。例えば、約500度から約800度に亘る範囲に属する複数の投影データセットは、小さい心臓動量を含んでいる。この範囲に属する投影データセットは、約200度から約400度に亘る範囲に属するシングルハーフスキャンビュー範囲から除外されている。太点線で示されるように、シングルハーフスキャンビューは、大きな体動量を含んでいるが、このシングルハーフスキャンビューに属する投影データセットに基づく再構成画像が体動アーチファクト成分をあまり含まない理由は明らかではない。
【0063】
このように、処理部12は、DPIを利用して、撮像期間中に収集された投影データの中から、体動量が比較的小さいビュー範囲に属する投影データを選択することができる。例えば、処理部12は、上記の方法により、任意の再構成範囲(例えば、ハーフスキャンビュー範囲、フルスキャンビュー範囲など)に属する複数の投影データセットに基づいて複数のDPIをそれぞれ算出する。処理部12は、複数のDPIに基づいて体動マップを算出する。そして処理部12は、体動マップが予め設定された閾値以下の場合、この再構成範囲に属する投影データを選択し、選択された投影データに基づいて画像を再構成する。再構成された画像は、体動アーチファクト成分をあまり含まない。一方、体動マップが予め設定された閾値より大きい場合、この再構成範囲に属する投影データは非コンシステントである。従って、この再構成範囲に属する投影データに基づいて再構成された画像は、体動アーチファクトを比較的多く含む。
【0064】
図9は、図8に示されるハーフスキャン投影データに基づく再構成画像を示す図である。二重点線で標識された再構成画像は、図8の二重点線のハーフスキャンビュー範囲に属する投影データから再構成されたものである。二重点線で標識されたハーフスキャン再構成画像は、図9の上段左端の画像中の白い円により示される動脈の近傍に体動アーチファクトを含んでいない。明らかに、動脈近傍の体動アーチファクトは、心臓動が生じている期間に収集された投影データにより発生する。点線で標識された画像は、その例外である。点線で標識された画像は、図8の点線で示された単一のハーフスキャンビュー範囲に属する投影データから再構成されたものである。点線で標識された再構成画像は、上段左端の画像中の白い円により示される動脈と同一の動脈の近傍においてほとんど体動アーチファクトを含んでいない。この画像は、図8のDPI曲線に応じた体動による悪影響を受けているように思えるが、体動アーチファクトに無関係である。
【0065】
上述の説明において医用画像撮像装置は、X線CT撮像装置であるとした。しかしながら、本実施形態に係る医用画像撮像装置は、これに限定されず、PET(positron emission tomography)撮像装置にも、SPECT(single photon emission computed tomography)撮像装置にも適用可能である。以下、本実施形態に係るPET撮像装置とSPECT撮像装置とを順番に説明する。
【0066】
図10は、本実施形態に係るPET撮像装置100の構成を示す図である。PET撮像装置100は、PET検出部105を含んでいる。PET検出部105は、2次元アレイ型の複数のガンマ線検出器110を収容している。ガンマ線検出器110は、被検体Sを取り囲む検出器リング110Rに設けられている。被検体Sは、天板120に載置されている。寝台制御部120Aは、複数のガンマ線検出器110により既定される平面の法線方向に沿う天板120のスライド移動を制御する。既定の速度で検出器リング110Rの中心軸に沿って天板120が移動している間、検出器リング110Rは静的である。すなわち、検出器リング110Rは、データ収集期間に亘って静的である。
【0067】
データ収集部140は、複数のガンマ線検出器110を制御し、複数のガンマ線検出器110により検出されたガンマ線フォトンデータを受信する。X線CT撮像装置とは異なり、PET撮像装置100は、放出データ(emission data)を収集する。すなわち、PET撮像は、被検体の関心領域内のトレーサーアイソトープから放出されるガンマ線フォトンに基づいて行われる。前処理部145は、放出データから投影データに変換することによる再構成の前段において、放出データに前処理を施す。さらに、前処理部145は、本実施形態に係るDPIを利用して投影データ毎に体動インデックス値を決定する。さらに前処理部145は、体動インデックス値に基づいて、データ収集期間における最小の体動量を反映する投影データを選択する。再構成部150は、選択された投影データに基づいて複数の画像を再構成する。表示部160は、最小量の体動アーチファクトを有する複数の画像を表示する。システム制御部130は、寝台制御部120Aとデータ収集部140とを順番に制御する。本実施形態において、放出データは、天板120が移動している間、上述の方法により収集される。
【0068】
PET撮像装置100は、PET撮像がトレーサーアイソトープの濃度分布に基づくような態様で動作する。この点に関し、PETスキャンの前段において、トレーサーアイソトープは、FDG(fluorodeoxyglucose)のような生物学的活性分子の中に化学的に包含される。活性化分子が関心組織に集積させるまでの待機期間の後、PET撮像装置100は、トレーサーアイソトープが崩壊するに従って患者から生データを収集する。より詳細には、陽電子放出崩壊中、トレーサーアイソトープは、陽電子を放出する。陽電子は、電子と相互作用するまで、運動エネルギーを消失しながら組織内の微小距離を伝播する。結果的に、陽電子は電子と対消滅し、511keVのエネルギーを有する2つのガンマ線フォトンを略180度の間隔を空けて正反対方向に放出する。そして、2つのガンマ線フォトンは、ガンマ線検出器110により略同時に検出される。
【0069】
図11は、PET撮像装置100に含まれる検出器リング110Rを示す図である。PET検出部105は、人間のような長体の被検体をカバーするように複数の検出器リング110Rから構成される。各検出器リング110Rは、光電子増倍管やアバランシェ・フォトダイオード(SiAPD)等の複数のガンマ線検出器110から構成される。生データは、対のガンマ線検出器110により収集され、対消滅フォトンの略同時検出を一覧で表現する同時計数イベント(コインシデンスイベント)のリストを記憶する。同時計数イベントにより、二つのガンマ線検出器110を結び直線が規定される。この直線は、対消滅点を通過する空間上の直線である。例えば、被検体S内の点Aから一方のフォトンがγ方向に沿ってガンマ線検出器110Aに向けて放出され、もう一方のフォトンがγ方向に沿ってガンマ線検出器110Fに向けて放出される。これら2つのフォトンは、二つの矢印で示すように、約180度間隔を空けて正反対方向に伝播する。図11においては、上記と同様の態様でフォトンが放出される、同一の被検体内の他の対消滅点も示している。すなわち、110A/110C、110A/110D、110A/110E、110A/110G、及び110A/110Hのような他のガンマ線検出器対も対消滅フォトンを略同時に時系列で検出する。放出データは、再構成処理の前段において前処理される。
【0070】
本実施形態に係る前処理部145において、同時計数イベントは、ビュー角及びチルト角に基づくサイノグラムのような投影画像に分類される。換言すれば、サイノグラム画像は、CTスキャンにより収集された投影に類似する。サイノグラム画像はCTと同様の方法により再構成されるが、標準的なPETデータセットがデータ収集全体で数百万カウント有しているが、CTデータセットが数10兆カウントに達するので、PETデータは、CTデータに比して散乱及びランダムイベントのようなアーチファクトによる影響を劇的に受ける。上述の理由により、多大な前処理量がPETデータに要求され、ランダム同時計数に対する補正、散乱フォトンの推定及び減算に対する補正、検出器不感時間補正、及び検出感度補正が前処理に含まれる。
【0071】
それに加え、前処理部145は、投影データのうちの最小体動部分を選択する。積分された同時計数信号は、下記の(13)式により表される。
【数13】

【0072】
ここで(z,φ)及び(z´,φ´)は二つの検出器の位置を示している。a(x ̄)はトレーサーアイソトープ濃度であり、μ(x ̄)は減弱係数マップである。積分は、2つの検出器により決定される直線に沿って行われる。
【0073】
減弱係数マップが既知である場合、補正されたデータは下記の(14)式のように表される。
【数14】

【0074】
一検出部に固定した場合、補正されたデータは、トレーサーアイソトープ濃度a(x ̄)のコーンビーム投影である。a(x ̄)の平面積分の微分(DPI)は、補正されたデータg(z,φ;z´,φ´)から算出される。DPIに基づいて、前処理部145は、投影の最小体動量部分を選択する。
【0075】
図12は、本実施形態に係るSPECT撮像装置200の構成を示す図である。SPECT撮像装置200は、少なくとも一つのガンマ線検出部(ガンマカメラ)205を有している。ガンマ線検出部205は、2次元アレイ型のガンマ線検出器210を装備している。ガンマカメラ205は、被検体Sを覆うように設けられる。被検体Sは、天板220に載置される。回転制御部215は、点線で示すように、ガンマカメラ205を被検体S回りに回転させる。寝台制御部220Aは、天板220の移動を制御する。ガンマカメラ205は、天板220がデータ収集時において回転の中心軸に沿って既定の速度で移動している間、被検体Sの周りを回転する。
【0076】
データ収集部240は、ガンマ線検出器210を制御し、ガンマ線検出器210により検出された放出データを受信する。X線CT撮像装置とは異なり、SPECT撮像システム200は、ガンマ線フォトンデータを収集する。すなわち、SPECT撮像は、被検体の関心領域内のトレーサーアイソトープから放出されるガンマ線フォトンに基づいて行われる。前処理部245は、放出データ(emission data)を投影データに変換することによる再構成の前段において、放出データに前処理を施す。さらに、前処理部245は、本実施形態に係る平面積分の微分(DPI)を利用して投影データ毎に体動インデックス値を決定する。前処理部245は、体動インデックス値に基づいて、データ収集期間における最小の体動量を反映する投影データを選択する。再構成部250は、選択された投影データに基づいて複数の画像を再構成する。表示部260は、最小量の体動アーチファクトを有する複数の画像を表示する。システム制御部230は、寝台制御部220Aとデータ収集部240とを順番に制御する。本実施形態において、放出データは、天板220が移動している間、上述の方法により収集される。
【0077】
SPECT撮像装置200は、SPECT撮像がトレーサーアイソトープの濃度分布に基づくような態様で動作する。この点に関し、SPECTスキャンの前段において、ガンマ放射線を放出するトレーサーアイソトープが患者体内に注入される。SPECT用のトレーサーアイソトープは、標準的には、PET用のトレーサーアイソトープに比して、半減期が長く且つ容易に入手可能なアイソトープである。放射性を有するトレーサーアイソトープは、特定の組織に特異的に結合する化学的性質を有する特別な放射性リガンドに結合される。SPECT撮像装置200は、トレーサーアイソトープがガンマ放射線を放出するに従って、患者から生データを収集する。
【0078】
図13は、被検体S内の関心領域から放出されるガンマ放射線を直接的に計測するガンマカメラ205を示す図である。例示された関心領域において、矢印で示されるように、4つの位置A、B、C及びDからガンマ線が放出される。ガンマカメラ205が点線で示される回転軌道RP上のある位置に位置している場合、2次元アレイ型検出器210は、ピンホール225を通過するガンマ線の生データを収集する。すなわち、選択されたガンマ線が検出され、対応する生データが収集される。例えば、被検体S内の点Aから複数のガンマ線が異なる方向に放出されるが、矢印で示されるようなピンホール225を通過したガンマ線が記録される。図13に示すように、同一の被検体内の他の点からもガンマ線が放出され、ガンマカメラ205が既定の回転軌道RPに沿って回転している間、放出されたガンマ線は略同一の態様で記録される。これら放出データは、再構成処理の前段において前処理される。
【0079】
本実施形態に係る前処理部245において、ガンマ線イベントは、ビュー角及びチルト角に基づくサイノグラムのような投影画像に分類される。換言すれば、サイノグラム画像は、CTスキャンにより収集された投影に類似する。PETの場合と同様、多大な前処理量がPETデータに要求され、ランダム同時計数に対する補正、散乱フォトンの推定及び減算に対する補正、検出器不感時間補正、及び検出感度補正が前処理に含まれる。
【0080】
ピンホールSPECT撮像装置200において、2次元アレイ型検出器上で計測された信号は、下記の(15)式のように表現される。
【数15】

【0081】
ここでx ̄はピンホール位置を示し、(u,v)は2次元検出器上の位置、a(・)はトレーサー濃度を示し、μ(・)は減弱係数マップを示している。単位ベクトルe^は、ピンホール位置x ̄と検出器位置(u,v)とに基づいて決定される。近似により減弱係数を無視する場合、SPECTスキャンにおける投影データは、下記の(16)式のように表現される。
【数16】

【0082】
(16)式は、トレーサー濃度のコーンビーム変換である。このようにグランギートの公式は、上記のSPECTデータについてa(・)に関するDPIを得るために利用される。前処理部245は、DPIを利用して投影データのうちの最小体動量部分を選択する。
【0083】
図14は、本実施形態に係る、略最小体動量を有する画像を再構成するための投影データのコンシステント部分の選択をする処理の典型的な流れを示す図である。本実施形態に係る処理は、まずステップS10において、被検体内の関心領域に関する投影データを収集する。例えば、投影データは、X線CTスキャナにより直接的に収集される。また、投影データは、PETスキャナにより放出データに基づいて間接的に収集されても良い。ステップS20において、投影データからDPIが算出される。CTにおいて、DPIは投影データから(10)式に従って決定される。PETにおいて、a(x ̄)のDPIは補正されたデータから(14)式に従って算出される。SPECTにおいて、(16)式に示すように、SPECTデータからa(・)に関するDPIを得るために、グランギートの公式が利用される。ステップS30において、DPIが比較され、異なるDPI間の差分に基づいて関心領域における体動量が決定される。すなわち、差分が小さければ、関心領域の体動量が小さい。ステップS40において、最終的に処理部12が略最小の体動アーチファクトを有する画像を再構成するように、ステップS30の比較結果に基づいて投影データの一部分が選択される。
【0084】
上記の説明により、本実施形態に係る医用画像撮像装置は、少なくともデータ収集部11,140,240と処理部12,145,245とを有している。データ収集部11,140,240は、被検体を対象とした第1の位置に関する第1の生データを収集し、第2の位置に関する第2の生データを収集する。例えば、X線CT撮像装置の場合、「位置」はX線管の位置であり、「生データ」は投影データである。処理部12,145,245は、第1の生データの収集時刻と第2の生データの収集時刻との間における被検体の体動量を評価する。具体的には、処理部12,145,245は、第1の位置と第2の位置とを含む試験平面での第1のDPIを第1の生データを利用して算出し、この試験平面での第2のDPIを第2の生データを利用して算出する。そして処理部12,145,245は、第1のDPIと第2のDPIとの差分を利用して体動量を評価する。
【0085】
より詳細には、処理部12,145,245は、第1の生データに基づいて第1の位置に関する第1の複数の積分値のセットを算出し、第2の生データに基づいて第2の位置に関する第2の複数の積分値のセットを算出する。次に処理部12,145,245は、第1の複数の積分値のセットに基づいて第1の平面積分を算出し、第2の複数の積分値のセットに基づいて第2の平面積分を算出する。そして処理部12,145,245は、第1の平面積分を利用して第1のDPIを算出し、第2の平面積分を利用して第2のDPIを算出し、第1のDPIと第2のDPIとの差分を算出する。
【0086】
DPI及びDPIの差分は、新規の体動インデックスとして利用される。この新規の体動インデックスは、グランギートの公式に基づいており、数学的に厳密に体動を検知することできる。本実施形態に係る体動インデックスは、例えば、投影データのうちのコンシステント部分を同定するために利用される。上記の同定されたコンシステント部分に基づいて処理部により画像が再構成される。再構成された画像は、体動アーチファクトをあまり含まない。このように画質が改善された画像は、医師による不正確な診断を防止する。また、本実施形態に係る体動インデックスは、被検体の位置決め等に用いられても良い。本実施形態に係る体動インデックスを利用することにより高時間分解能で体動を検知できるので、高精度に被検体の位置決めを行うこともできる。この他、本実施形態に係る体動インデックスは、体動の評価に関する様々な局面で利用可能である。
【0087】
かくして本実施形態によれば、被検体の体動量を高精度に検知することが可能な医用画像撮像装置及び医用画像撮像方法を提供することが可能となる。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0089】
1…架台、2…回転リング、3…X線管、4…X線フィルタ、5…X線検出器、6…天板、7…高電圧発生器、8…X線制御部、9…架台/寝台制御部、10…システム制御部、11…データ収集部、12…処理部、14…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を対象とした第1の位置に関する第1の生データを収集し、前記被検体を対象とした第2の位置に関する第2の生データを収集するデータ収集部と、
前記第1の生データの収集時刻と前記第2の生データの収集時刻との間における前記被検体の体動量を評価する処理部であって、前記第1の位置と前記第2の位置とを含む試験平面での第1の平面積分の微分を前記第1の生データを利用して算出し、前記試験平面での第2の平面積分の微分を前記第2の生データを利用して算出し、前記第1の平面積分の微分と前記第2の平面積分の微分との差分を利用して前記体動量を評価する処理部と、
を具備する医用画像撮像装置。
【請求項2】
前記被検体にX線を照射し、前記第1の位置と前記第2の位置とを含む既定の軌道を移動するX線管と、
前記X線管に対向して配置され、前記X線管から照射され前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、をさらに備え、
前記データ収集部は、前記X線管が前記第1の位置から照射したX線に由来する前記第1の生データを前記X線検出器を介して収集し、前記X線管が前記第2の位置から照射したX線に由来する前記第2の生データを前記X線検出器を介して収集する、
請求項1記載の医用画像撮像装置。
【請求項3】
前記X線管は、コーンビームX線を放出する、請求項2記載の医用画像撮像装置。
【請求項4】
前記試験平面は、予め設定された前記コーンビームのコーン角に応じて決定される、請求項3記載の医用画像撮像装置。
【請求項5】
前記コーン角はゼロである、請求項4記載の医用画像撮像装置。
【請求項6】
前記第1の位置と前記第2の位置とは、前記既定の軌道上の任意の角度に配置される、請求項1記載の医用画像撮像装置。
【請求項7】
前記第1の位置と前記第2の位置とは、前記既定の軌道上において180度以下だけ離間している、請求項1記載の医用画像撮像装置。
【請求項8】
前記既定の軌道は円形状を有する、請求項2記載の医用画像撮像装置。
【請求項9】
前記既定の軌道は螺旋形状を有する、請求項2記載の医用画像撮像装置。
【請求項10】
前記処理部は、前記第1の生データに基づいて前記第1の位置に関する第1の複数の線積分を算出し、前記第2の生データに基づいて前記第2の位置に関する第2の複数の線積分を算出し、前記第1の複数の線積分に基づいて前記試験平面での第1の平面積分を算出し、前記第2の複数の線積分に基づいて前記試験平面での第2の平面積分を算出し、
前記第1の複数の線積分と前記第2の複数の線積分との各々は空間的に連続する既定数のビューを含んでいる、請求項1記載の医用画像撮像装置。
【請求項11】
複数の平面積分の微分は複数の平面についての方向依存性体動を分析するために用いられる、請求項1記載の医用画像撮像装置。
【請求項12】
前記被検体にX線を照射し、前記第1の位置と前記第2の位置とを含む既定の軌道を移動するX線管と、
前記X線管に対向して配置され、前記X線管から照射され前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、をさらに備え、
前記データ収集部は、前記X線管が前記第1の位置から照射したX線に由来する前記第3の生データを前記X線検出器を介して収集し、前記X線管が前記第2の位置から照射したX線に由来する前記第4の生データを前記X線検出器を介して収集し、
前記処理部は、前記第1の位置と前記第2の位置とを含む試験平面での第3の平面積分の微分を前記第3の生データを利用して算出し、前記試験平面での第4の平面積分の微分を前記第4の生データを利用して算出し、前記第3の平面積分の微分と前記第4の平面積分の微分との差分を利用して前記第3の生データの収集時刻と前記第4の生データの収集時刻との間における前記被検体の第2の体動量を評価する、
請求項1記載の医用画像撮像装置。
【請求項13】
前記平面積分の微分は、前記被検体の体動について方向依存性を有する、請求項12記載の医用画像撮像装置。
【請求項14】
前記被検体の体動は最小量が選択される、請求項1記載の医用画像撮像装置。
【請求項15】
前記第1の移動量は既定値と比較される、請求項1記載の医用画像撮像装置。
【請求項16】
前記データ収集部は、前記生データとしてガンマフォトンデータを収集し、前記被検体の既定位置からの第1のガンマフォトンデータを前記第1の位置にて収集し、前記被検体の既定位置からの第2のガンマフォトンデータを前記第2の位置にて収集することであって、前記第2の位置は前記第1の位置から略180度だけ離間している、請求項1記載の医用画像撮像装置。
【請求項17】
前記データ収集部は、前記生データとしてガンマ線データを収集し、前記被検体から第1のガンマ線データを前記第1の位置にて収集し、前記被検体から第2のガンマ線データを前記第2の位置にて収集する、請求項1記載の医用画像撮像装置。
【請求項18】
CTスキャナ、PETスキャナ、またはSPECTスキャナを利用して、前記被検体を対象とした第1の位置に関する第1の生データを収集し、
前記CTスキャナ、前記PETスキャナ、または前記SPECTスキャナを利用して、前記被検体を対象とした第2の位置に関する第2の生データを収集し、
前記第1の位置と前記第2の位置とを含む試験平面での第1の平面積分の微分を前記第1の生データを利用して算出し、
前記試験平面での第2の平面積分の微分を前記第2の生データを利用して算出し、
前記第1の平面積分の微分と前記第2の平面積分の微分との差分を利用して前記第1の生データの収集時刻と前記第2の生データの収集時刻との間における前記被検体の体動量を評価する、
ことを具備する医用画像撮像方法。
【請求項19】
前記CTスキャナを使用し、
前記第1の位置と前記第2の位置とを含む既定の軌道を移動するX線管から前記被検体にX線を照射する、
ことをさらに具備する請求項18記載の医用画像撮像方法。
【請求項20】
前記X線管は、コーンビームX線を放出する、請求項19記載の医用画像撮像方法。
【請求項21】
前記試験平面は、予め設定された前記コーンビームのコーン角に応じて決定される、請求項20記載の医用画像撮像方法。
【請求項22】
前記コーン角はゼロである、請求項21記載の医用画像撮像方法。
【請求項23】
前記第1の位置と前記第2の位置とは、前記既定の軌道上の任意の角度に配置される、請求項18記載の医用画像撮像方法。
【請求項24】
前記第1の位置と前記第2の位置とは、前記既定の軌道上において180度以下だけ離間している、請求項18記載の医用画像撮像方法。
【請求項25】
前記既定の軌道は円形状を有する、請求項19記載の医用画像撮像方法。
【請求項26】
前記既定の軌道は螺旋形状を有する、請求項19記載の医用画像撮像方法。
【請求項27】
前記第1の生データに基づいて前記第1の位置に関する第1の複数の線積分を算出し、
前記第2の生データに基づいて前記第2の位置に関する第2の複数の線積分を算出し、
前記第1の複数の線積分に基づいて前記試験平面での第1の平面積分を算出し、
前記第2の複数の線積分に基づいて前記試験平面での第2の平面積分を算出する、ことをさらに備え、
前記第1の複数の線積分と前記第2の複数の線積分との各々は空間的に連続する既定数のビューを含んでいる、
請求項18記載の医用画像撮像方法。
【請求項28】
複数の平面積分の微分は複数の平面についての方向依存性体動を分析するために用いられる、請求項18記載の医用画像撮像方法。
【請求項29】
前記第1の位置と前記第2の位置とを含む既定の軌道を移動するX線管から前記被検体にX線を照射し、
前記X線管から照射され前記被検体を透過したX線をX線検出器により検出し、
前記X線管が前記第1の位置から照射したX線に由来する前記第3の生データを前記X線検出器を介して収集し、
前記X線管が前記第2の位置から照射したX線に由来する前記第4の生データを前記X線検出器を介して収集し、
前記第1の位置と前記第2の位置とを含む試験平面での第3の平面積分の微分を前記第3の生データを利用して算出し、
前記試験平面での第4の平面積分の微分を前記第4の生データを利用して算出し、
前記第3の平面積分の微分と前記第4の平面積分の微分との差分を利用して前記第3の生データの収集時刻と前記第4の生データの収集時刻との間における前記被検体の第2の体動量を評価する、
ことをさらに具備する請求項18記載の医用画像撮像方法。
【請求項30】
前記平面積分の微分は、前記被検体の体動について方向依存性を有する、請求項29記載の医用画像撮像方法。
【請求項31】
前記被検体の体動は、最小量が選択される、請求項30記載の医用画像撮像方法。
【請求項32】
前記第1の移動量は既定値と比較される、請求項18記載の医用画像撮像方法。
【請求項33】
PETスキャナを用いて前記生データとしてガンマフォトンデータを収集し、
前記被検体の既定位置からの第1のガンマフォトンデータを前記第1の位置にて収集し、
前記被検体の既定位置からの第2のガンマフォトンデータを前記第2の位置にて収集することであって、前記第2の位置は前記第1の位置から略180度だけ離間している、
ことをさらに具備する請求項18記載の医用画像撮像方法。
【請求項34】
SPECTスキャナを用いて前記生データとしてガンマ線データを収集し、
前記被検体から第1のガンマ線データを前記第1の位置にて収集し、
前記被検体から第2のガンマ線データを前記第2の位置にて収集する、
ことをさらに具備する請求項18記載の医用画像撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−170824(P2012−170824A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−31855(P2012−31855)
【出願日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】