説明

医用画像管理システム

【課題】医用画像の生成及び生成された医用画像と患者情報との対応付けをより効率的に行えるようにする。
【解決手段】小規模診断システム1によれば、クライアント装置3bにおいて、操作部34により診断対象の患者が指定され画像取込ボタン74が押下されると、指定された患者の医用画像の取込要求が通信部36によりサーバ装置3aに送信される。サーバ装置3aにおいては、医用画像の取込要求が受信されると、ネットワーク5に接続されたリーダ2のうち現在使用されていないリーダの何れかと、取込要求の送信元のクライアント装置3b及び当該クライアント装置3bにおいて指定された患者との対応付けが行われる。また、リーダ2から医用画像が受信されると、当該受信された医用画像が当該医用画像の送信元のリーダ2に対応する患者の患者情報と対応付けられて画像DB331に記憶される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、開業医やクリニック等の小規模医療施設向けに、患者を撮影して得られた医用画像を簡単な操作で間違いなくその患者の患者情報と対応付けて保存するための各種技術が提案されている。例えば、特許文献1には、操作部により指定された患者の診断用画面が表示されている間に、画像生成装置から医用画像が受信されると、受信された医用画像の取込みを指示するためのオンラインボタンを点滅させ、点滅されたオンラインボタンが押下されると、受信された医用画像を上記診断用画面に表示するとともに自動的に上記指定された患者の患者情報に対応付けてデータベースに保存する医用画像管理装置が記載されている。このような医用画像管理装置では、大病院等で行われている撮影オーダ情報の発行が必要なく、便利である。
【特許文献1】特開2007−330592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、医用画像管理装置と同種の画像生成装置とが1:1で接続されていることが前提となっている。そのため、複数の医用画像管理装置と複数の画像生成装置を接続したシステムを構築することができず、医療施設における作業効率を向上させることができないという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、医用画像の生成及び生成された医用画像と患者情報との対応付けをより効率的に行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
医用画像を生成する複数の画像生成装置と、サーバ装置と、クライアント装置と、を備えて構成され、前記サーバ装置が前記画像生成装置及び前記クライアント装置とデータ送受信可能に接続された医用画像管理システムであって、
前記クライアント装置のそれぞれは、
診断対象となる患者を指定するための操作手段と、
前記指定された患者の医用画像を取込む指示を入力するための取込み指示手段と、
前記取込み指示手段による指示が入力された際に、前記操作手段により指定された患者の医用画像の取込要求を前記サーバ装置に送信する取込要求手段と、を備え、
前記サーバ装置は、
医用画像を記憶する医用画像記憶手段と、
患者情報を記憶する患者情報記憶手段と、
前記複数のクライアント装置の何れかから医用画像の取込要求を受信した際に、前記複数の画像生成装置のうち現在使用されていない画像生成装置の何れかと、前記取込要求の送信元のクライアント装置及び当該クライアント装置において指定された患者とを対応付け、前記画像生成装置から医用画像を受信した際に、当該受信した医用画像を当該医用画像の送信元の画像生成装置と対応付けられている患者の患者情報と対応付けて前記医用画像記憶手段に記憶させる制御手段と、
を備える。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記サーバ装置の制御手段は、前記現在使用されていない画像生成装置のうち予め定められた優先順位が最も高い画像生成装置と、前記取込要求の送信元のクライアント装置及び当該クライアント装置において指定された患者とを対応付ける。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記サーバ装置は、前記医用画像の送信元の画像生成装置と対応付けられているクライアント装置に前記受信した医用画像を転送する転送手段を備え、
前記クライアント装置は、前記サーバ装置から転送された医用画像を表示する表示手段を備える。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記サーバ装置は、前記クライアント装置の操作手段、取込み指示手段及び取込要求手段を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、医用画像の生成及び生成された医用画像と患者情報との対応付けをより効率的に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0011】
〔小規模診断システム1の構成〕
図1は、本実施の形態における小規模診断システム1のシステム構成を示すブロック図である。
【0012】
小規模診断システム1は、開業医やクリニック等の比較的小規模の医療施設に適用されるシステムであり、図1に示すように、画像生成装置としての複数のリーダ2と、サーバ装置3aと、複数のクライアント装置3bと、受付装置4と、を備えて構成されている。リーダ2には、それぞれリーダ識別情報としてのリーダIDが付与されている。また、クライアント装置3bには、それぞれ装置識別情報としての装置IDが付与されている。
【0013】
小規模診断システム1を構成する各装置は、例えば図示しないスイッチングハブ等を介してLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク(以下単に「ネットワーク」という)5に接続されている。
【0014】
病院内の通信方式としては、一般的に、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格が用いられており、LAN接続された各装置間の通信では、DICOM MWM(Modality Worklist Management)やDICOM MPPS(Modality Performed Procedure Step)が用いられる。なお、本実施の形態に適用可能な通信方式はこれに限定されない。
【0015】
〔小規模診断システム1の各装置の装置構成〕
以下、小規模診断システム1を構成する各装置について説明する。
リーダ2は、CR(Computed Radiography)カセッテ(図示せず)に記録されている放射線画像情報を読み取って医用画像を生成するものである。
【0016】
CRカセッテは、例えば放射線エネルギーを蓄積する輝尽性蛍光体シートを備える放射線画像変換プレートを内蔵しており、撮影時には放射線撮影装置の放射線源(図示せず)から照射される放射線の照射領域内に配置される。CRカセッテは、放射線が照射されると被写体の放射線透過率分布に従った量の放射線を輝尽性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に蓄積させ、この輝尽性蛍光体層に被写体の放射線画像情報を記録する。
リーダ2は、被写体の放射線画像情報が記録されたCRカセッテが装填されると、装置内に装填されたCRカセッテ内の輝尽性蛍光体シートに励起光を照射し、これによりシートから発光される輝尽光を光電変換し、得られた画像信号をA/D変換して医用画像の画像データを生成する。そして、生成された医用画像にUID(Unique ID)、検査情報(検査ID、検査部位、撮影日付等)を付与してサーバ装置3aに送信する。
なお、リーダ2は、放射線撮影装置と一体となった一体型の装置であってもよい。
【0017】
サーバ装置3aは、クライアント装置3bから送信される医用画像の取込要求に基づいて、リーダ2において生成された医用画像を患者情報と対応付けて画像DB(Data Base)331に保存したり、リーダ2において生成された医用画像をクライアント装置3bに送信したりする。
【0018】
図2に、サーバ装置3aの機能構成例を示す。
サーバ装置3aは、図2に示すように、制御部31、RAM32、記憶部33、操作部34、表示部35、通信部36を備えて構成されており、各部はバス37により接続されている。
【0019】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、記憶部33に
記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAM32に展開し、展開されたプログラムに従って後述するサーバ処理A(図8参照)、サーバ処理B(図10参照)をはじめとする各種処理を実行する。
【0020】
RAM32は、制御部31により実行制御される各種処理において、記憶部33から読み出された制御部31で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶する。例えば、RAM32は、患者情報記憶手段として受付装置4から受信された患者情報のリストを記憶する。
また、RAM32は、後述する管理テーブル341(図9参照)を格納するための管理テーブル領域を有している。
【0021】
記憶部33は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等により構成さ
れる。記憶部33は、各種プログラムを記憶するほか、医用画像を診断に適した画質に調整するための画像処理パラメータ(階調処理に用いる階調曲線を定義したルックアップテーブル、周波数処理の強調度等)等を記憶している。
【0022】
また、記憶部33は、優先順位テーブル330を記憶している。図3に、優先順位テーブル330のデータ格納例を示す。優先順位テーブル330は、ネットワーク5に接続されるリーダ2を使用する際の優先順位を示す情報を格納するテーブルであり、図3に示すように、優先順位を示す番号とリーダ2のリーダIDとが対応付けて格納されている。
【0023】
また、記憶部33は、リーダ2から送信された医用画像を格納するための画像DB331を有しており、医用画像記憶手段として医用画像を記憶する。
【0024】
画像DB331は、当該画像DB331に格納されている医用画像に関する情報を格納するための画像情報テーブル331aを有している。図4に、画像情報テーブル331aの一例を示す。図4に示すように、画像情報テーブル331aは、「レコード番号」フィールド、「UID」フィールド、「撮影日時」フィールド、「検査ID」フィールド、「検査部位」フィールド、「患者ID」フィールド、・・・「ファイル格納場所」フィールド等を有し、リーダ2から送信された各医用画像に関する検査情報(撮影日時、検査ID、検査部位等)、患者情報(患者ID等)、ファイル格納場所等を1レコードとして格納する。なお、「ファイル格納場所」フィールドには、医用画像のファイル格納場所を示す情報が格納される。
【0025】
操作部34は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部31に出力する。
【0026】
表示部35は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成されており、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0027】
通信部36は、ネットワークインターフェース等により構成され、スイッチングハブを介してネットワーク5に接続されたリーダ2や受付装置4との間でデータの送受信を行う。
【0028】
クライアント装置3bは、例えば診察室に設置され、医師が患者の医用画像を表示させて読影診断を行うための装置である。クライアント装置3bの構成は、図2に示すサーバ装置3aの構成と略同様である。即ち、クライアント装置3bは、制御部31、RAM32、記憶部33、操作部34、表示部35、通信部36を備えて構成されており、各部はバス37により接続されている。
【0029】
クライアント装置3bは、記憶部33に記憶されているプログラムやデータがサーバ装置3aと異なる。具体的には、クライアント装置3bの記憶部33には、クライアント処理プログラムが記憶されている。クライアント装置3bの制御部31は、クライアント処理プログラムとの協働により、クライアント処理(図7参照)を実行する。一方、クライアント装置3bの記憶部33には、上述の優先順位テーブル330及び画像DB331は備えられていない。また、サーバ処理A(図8参照)を行うためのサーバ処理Aプログラム、サーバ処理B(図10参照)を行うためのサーバ処理Bプログラムも備えられていない。
【0030】
受付装置4は、来院した患者の受付登録、会計計算、保険点数計算等を行うためのコンピュータ装置であり、CPU、ROM、RAM等により構成される記憶部、キーボードやマウス等により構成される入力部、CRTやLCD等により構成される表示部、ネットワーク5に接続された各装置との通信を制御する通信部(いずれも図示せず)等を備えて構成されている。受付装置4は、入力部より受付入力画面の表示が指示されると、CPUと記憶部に記憶されたプログラムとの協働によるソフトウエア処理により、表示部に図示しない受付入力画面を表示する。この受付入力画面を介して入力部により受付情報(受付番号+患者情報等)が入力されると、受付された患者の患者情報リストを作成(更新)して記憶部に記憶し、通信部により適宜サーバ装置3a及びクライアント装置3bに対して送信する。
【0031】
〔診察の流れ〕
次に、小規模診断システム1が適用された小規模な医療施設における、一の患者についての診察の流れについて説明する。
【0032】
患者が来院すると、受付において、患者に対し受付番号札が付与され、受付装置4において、入力部の操作により受付された患者の受付番号及び患者氏名等、患者情報リストを構成する各種の患者情報の入力(受付入力)が行われる。受付装置4においては、患者の受付番号及び患者情報等が入力されると、患者情報のリスト(患者情報リスト)が生成(更新)され、受付装置4内の記憶部の所定領域に格納される。患者情報リストは、例えば、その日の最初の患者が受付入力されると生成され、次の患者が受付入力される毎に新しい患者情報リストに更新される。患者情報リストは、受付装置4内の記憶部から適宜サーバ装置3a及び全てのクライアント装置3bに送信され、RAM32に記憶される。
【0033】
受付番号が付与された患者が診察室に移動すると、医師は患者に問診を行い、撮影を行うか否かを決定する。撮影が必要であると決定した場合、医師は、クライアント装置3bにおいて、操作部34の所定の操作により、受付装置4から送信された患者情報のリストを表示する患者情報リスト画面350を表示部35に表示し、表示された患者情報リストの中から診断対象の患者の患者情報を指定することにより、表示部35に当該患者についてのビューア画面351を表示する。
【0034】
図5に、患者情報リスト画面350の一例を示す。図5に示すように、患者情報リスト画面350には、来院した患者の診療日、受付時間、受付番号、診療料、担当医、患者ID、患者氏名(漢字・カナ・ASCII)、性別、生年月日、年齢といった患者情報が一覧として表示される。なお、患者情報リスト画面350に表示される内容はここに例示したものに限定されない。このうちの一部のみでもよいし、さらに多くの項目が表示されるようになっていてもよい。
【0035】
患者情報リスト画面350に表示された患者の中から任意の患者の欄を指定(画面上の任意の患者の欄をマウス等の操作部34で選択する)ことにより、患者が指定されると、表示部35の表示画面が、当該指定された患者に対応するビューア画面351に遷移する。
このように、本実施形態では、表示部35の患者情報リスト画面350から診断対象の患者を指定することができるようになっており、患者情報リスト画面350と操作部34により診断対象の患者を指定するための操作手段が構成されている。
【0036】
図6に、ビューア画面351の一例を示す。ビューア画面とは、診断に用いる医用画像を表示し、医師が読影診断を行うための診断用画面である。図6に示すように、ビューア画面351には、患者表示欄71、リスト画面ボタン72、画像表示欄73、画像取込ボタン74、各種ツールボタン75、診断終了ボタン76等が設けられている。
【0037】
患者表示欄71は、診断対象として指定された患者の患者ID及び患者氏名を表示する。この患者表示欄71により、現在どの患者のビューア画面351が表示されているかを医師が視認できるようになっている。
リスト画面ボタン72は、患者情報リスト画面350に戻る指示を入力するためのボタンである。
画像表示欄73は、医用画像を表示するための領域である。
画像取込ボタン74は、画像取込モードへの移行を指示するためのボタンである。画像取込モードは、ネットワーク5に接続されているリーダ2において取得された医用画像を現在診断対象となっている患者(患者表示欄71に表示されている患者)の医用画像として取込むモードである。画像取込ボタン74は、即ち、リーダ2から送信される医用画像を診断対象となっている患者の医用画像として取込むことを指示する取込み指示手段として機能する。画像取込みモードでは、具体的には、リーダ2において取得された医用画像が診断対象となっている患者の患者情報に対応付けて画像DB331に保存される。
各種ツールボタン75は、画像表示欄73に表示された医用画像を見やすく表示するための各種機能を実行させるためのボタンである。ツールボタン75としては、例えば、表示された医用画像に濃度コントラスト調整処理、白黒反転処理、拡大縮小処理等の画像処理を施すための各種画像処理ボタン、診断用画像の病変部に重畳するアノテーションの形状を選択するためのボタン等がある。
診断終了ボタン76は、ビューア画面351を閉じて患者情報リスト画面350に戻る指示を入力するためのボタンである。
【0038】
医師は、上記のビューア画面351が表示されると、操作部34により画像取込ボタン74を押下する。その後、撮影技師又は看護士等の撮影を行う撮影実施者は、放射線撮影装置の前に患者を連れて行き、診断対象部位を被写体として撮影を行う。具体的には、放射線撮影装置の放射線源とCRカセッテの間に患者の診断対象部位を配置して撮影を行う。撮影が終了すると、撮影実施者は、撮影済みのCRカセッテをリーダ2にセットする。
リーダ2においては、CRカセッテがセットされると、セットされたCRカセッテからの画像の読み取りが行われる。読み取りにより得られた医用画像は、ネットワーク5を介してサーバ装置3aに送信される。また、サーバ装置3aによりクライアント装置3bに転送される。クライアント装置3bにおいては、サーバ装置3aから転送された医用画像がビューア画面351に表示される。
【0039】
撮影が終了すると、患者は診察室に戻る。医師は、ビューア画面351に表示された医用画像に基づいて、患者の画像診断を行う。
【0040】
なお、本実施の形態においては、リーダ2及びクライアント装置3bが複数設置されているので、或る患者の撮影中に他の患者の問診を行い、別のクライアント装置3bで他の患者のビューア画面351を表示して、画像取込ボタン74を押下し、撮影及び読み取り操作を行うことができる。即ち、或る患者の撮影〜診断の終了を待たずとも、他の患者の問診や撮影等を進めることが可能である。
【0041】
〔クライアント装置3bの動作〕
次に、クライアント装置3bの動作について説明する。
図7に、クライアント装置3bの制御部31により実行されるクライアント処理のフローチャートを示す。当該処理は、クライアント装置3bの制御部31と記憶部33に記憶されているクライアント処理プログラムとの協働により実行される。
【0042】
まず、RAM32から患者情報のリストが読み出され、表示部35に、患者情報リスト画面350が表示される(ステップS1)。操作部34により診断対象となる患者が患者情報リスト画面350から指定されると(ステップS2)、指定された患者のビューア画面351が表示部35に表示される(ステップS3)。
【0043】
次いで、操作部34により画像取込ボタン74が押下され、画像取込モードへの移行が指示されたか否かが判断される(ステップS4)。画像取込ボタン74が押下されていないと判断されると(ステップS4;NO)、処理はステップS10に移行する。
【0044】
一方、操作部34により画像取込ボタン74が押下され、画像取込モードへの移行が指示されたと判断されると(ステップS4;YES)、指定された患者の医用画像の取込要求が通信部36によりサーバ装置3aに送信される(ステップS5;取込要求手段)。具体的には、自己の装置ID及び上記指定された患者の患者IDを含む画像取込要求データが作成され、サーバ装置3aに送信される。そして、サーバ装置3aからの医用画像の受信が待機される。
【0045】
サーバ装置3aでは、詳細を後述するが、クライアント装置3bからの医用画像の取込要求が受信されると、予め定められた優先順位に基づいて、リーダ2と、取込要求の送信元のクライアント装置3b及び上記指定された患者とが対応付けられる(図8ステップT3参照)。そして、リーダ2から医用画像が受信されると、受信された医用画像が送信元のリーダ2に対応付けられているクライアント装置3bに転送される(図8ステップT7参照)。
【0046】
通信部36によりサーバ装置3aから送信された医用画像が受信されると(ステップS6;YES)、受信された医用画像が表示部35に表示されているビューア画面351の画像表示欄73に表示され(ステップS7)、処理はステップS8に移行する。サーバ装置3aから医用画像が受信されない場合(ステップS6;NO)、処理はステップS8に移行する。
【0047】
ステップS8においては、操作部34により診断終了ボタン76又はリスト画面ボタン72が押下されたか否かが判断され、診断終了ボタン76又はリスト画面ボタン72が押下されていないと判断されると(ステップS8;NO)、処理はステップS4に戻る。診断終了ボタン76又はリスト画面ボタン72が押下されたと判断されると(ステップS8;YES)、画像取込みモードが解除されてサーバ装置3aに対し通信部36により画像取込解除通知が送信され(ステップS9)、処理はステップS1に戻り、表示部35に患者情報リスト画面350が表示される。
【0048】
一方、ステップS4において、操作部34による画像取込ボタン74が押下されていない、即ち、画像取込モードへの移行が指示されていないと判断されると(ステップS4;NO)、通信部36によりサーバ装置3aからの画像取込ボタン無効指示が受信されたか否かが判断される。
サーバ装置3aにおいては、詳細を後述するが、現在使用されていない(クライアント装置3bに対応付けられていない)リーダ2がなくなると、クライアント装置3bに画像取込ボタン無効指示が送信される(図8ステップT4参照)。ステップS4では、この画像取込ボタン無効指示が受信されたか否かが判断される。
【0049】
サーバ装置3aから画像取込ボタン無効指示が受信されていないと判断されると(ステップS10;NO)、処理はステップS4に戻る。サーバ装置3aから画像取込ボタン無効指示が受信されたと判断されると(ステップS10;YES)、画像取込ボタン74が無効とされる(ステップS11)。具体的には、画像取込ボタン74からの入力が受け付けられなくなる。そして、サーバ装置3aからの画像取込ボタン有効指示が待機される。通信部36によりサーバ装置3aから画像取込ボタン有効指示が受信されたと判断されると(ステップS12;YES)、画像取込ボタン74が有効とされ(ステップS13)、処理はステップS4に戻る。
【0050】
上記クライアント処理は、クライアント装置3bの電源がOFFされるまで繰り返し実行される。
【0051】
〔サーバ装置3aの動作〕
次に、サーバ装置3aにおいて実行されるサーバ処理A、サーバ処理Bについて説明する。
図8に、サーバ装置3aの制御部31により実行されるサーバ処理Aのフローを示す。当該処理は、サーバ装置3aの制御部31と記憶部33に記憶されているサーバ処理Aプログラムとの協働により実行される。
【0052】
通信部36によりクライアント装置3bから医用画像の取込要求(画像取込要求データ)が受信されると(ステップT1)、使用されていないリーダ2があるか否かが判断される(ステップT2)。ここで、サーバ装置3aにおいては、RAM32に図9に示す管理テーブル341が作成され、各リーダ2の使用状況が管理されている。管理テーブル341において、使用中であるリーダ2のリーダIDには、そのリーダ2と対応付けられている、即ち、そのリーダ2を使用しているクライアント装置3bの装置ID及び患者IDが対応付けて格納されている。ステップT2においては、管理テーブル341が参照され、装置ID及び患者IDが対応付けられていないリーダIDがあった場合に、使用されていないリーダ2があると判断される。
【0053】
使用されていないリーダ2があると判断されると(ステップT2;YES)、優先順位テーブル330により規定されている優先順位に基づいて、リーダ2と、取込要求の送信元(取込要求元という)のクライアント装置3b及び患者とが対応付けられ(ステップT3)、処理はステップT5に移行する。
ステップT3においては、具体的には、管理テーブル341において、装置ID、患者IDが対応付けられていないリーダ2のうち、優先順位の最も高いリーダ2が使用されるリーダ2として決定される。そして、管理テーブル341において、上記決定されたリーダ2のリーダIDに対応付けて、医用画像の取込要求をしたクライアント装置3bの装置ID、患者IDが格納される。なお、上記決定されたリーダ2には、対応付けされたクライアント装置3bの装置ID及び/又は患者の患者IDが送信される。リーダ2においては、受信された装置ID及び/又は患者IDが表示される。撮影技師は、表示された患者IDの患者についてのCRカセッテをそのリーダ2に装填して医用画像の読み取りを行う。
【0054】
ステップT2において、使用されていないリーダ2がないと判断されると(ステップT2;NO)、全クライアント装置3bに対し通信部36により画像取込ボタン無効指示が送信され(ステップT4)、サーバ処理Aは終了する。
【0055】
ステップT5においては、ステップT3で取込要求元のクライアント装置3bと対応付けられたリーダ2からの医用画像が通信部36により受信されたか否かが判断される。取込要求元のクライアント装置3bと対応付けられたリーダ2からの医用画像が受信されていないと判断されると(ステップT5;NO)、処理はステップT8に移行する。
【0056】
一方、ステップT3で取込要求元のクライアント装置3bと対応付けられたリーダ2からの医用画像が通信部36により受信されたと判断されると(ステップT5;YES)、受信された医用画像は、管理テーブル341において送信元のリーダ2に対付けられている患者の患者情報と対応付けて画像DB331に記憶される(ステップT6)。具体的には、受信された医用画像が画像DB331に格納されるとともに、画像DB331に格納された医用画像に関する情報、即ち、UID、検査情報、患者情報、ファイル格納場所が画像情報テーブル331aに格納される。患者情報としては、管理テーブル341において送信元のリーダ2のリーダIDに対応付けて記憶されている患者IDや、RAM32においてこの患者IDに対応付けて記憶されている患者情報(患者氏名等)等が格納される。
そして、通信部36により、管理テーブル341において送信元のリーダ2に対応付けられている装置IDのクライアント装置3b、即ち取込要求元のクライアント装置3bに、受信された医用画像が転送され(ステップT7;転送手段)、処理はステップT8に移行する。
【0057】
ステップT8においては、取込要求元のクライアント装置3bの画像取込みが解除されたか否かが判断される。ここで、後述するサーバ処理Bにおいては、クライアント装置3bから画像取込解除通知が受信されると、管理テーブル341からそのクライアント装置3bの装置ID及び患者IDが削除される。ステップT8においては、管理テーブル341が参照され、取込要求元のクライアント装置3bの装置IDが格納されているか否かによって、取込要求元のクライアント装置3bの画像取込みが解除されたか否かが判断される。
【0058】
取込要求元のクライアント装置3bの画像取込みが解除されていないと判断されると(ステップT8;NO)、処理はステップT5に戻る。取込要求元のクライアント装置3bの画像取込みが解除されたと判断されると(ステップT8;YES)、サーバ処理Aは終了する。
【0059】
図10に、サーバ装置3aの制御部31により実行されるサーバ処理Bのフローを示す。当該処理は、サーバ装置3aの制御部31と記憶部33に記憶されているサーバ処理Bプログラムとの協働により実行される。
【0060】
通信部36によりクライアント装置3bから画像取込解除通知が受信されると(ステップT11)、画像取込解除通知の送信元のクライアント装置3bとリーダ2との対応付けが解除される(ステップT12)。具体的には、管理テーブル341に格納されている、画像取込解除通知の送信元のクライアント装置3bの装置ID及びこれに対応する患者IDが管理テーブル341から削除される。
【0061】
次いで、全クライアント装置3bに対し、画像取込ボタンの有効指示が送信される(ステップT12)。また、画像取込無効フラグがOFFに設定される(ステップT13)。そして、サーバB処理は終了する。
【0062】
例えば、装置ID=303のクライアント装置3bで患者Aのビューア画面351を開いて画像取込ボタン74が押下されると、優先順位テーブル330に格納されている優先順位に従って、図11に示すように、装置ID=303のクライアント装置3b及び患者AがリーダID=201のリーダ2に対応付けられる(図11のA1)。リーダID=201のリーダ2で読み取られた医用画像は、患者Aの患者情報と対応付けて画像DB331に保存されるとともに、装置ID=303のクライアント装置3bにおいて患者Aのビューア画面351に表示される。
更に、装置ID=302のクライアント装置3bで患者Bのビューア画面351を開いて画像取込ボタン74が押下されると、優先順位テーブル330に格納されている優先順位に従って、装置ID=302のクライアント装置3b及び患者BがリーダID=202のリーダ2に対応付けられる(図11のA2)。リーダID=202のリーダ2で読み取られた医用画像は、患者Bの患者情報と対応付けて画像DB331に保存されるとともに、装置ID=302のクライアント装置3bにおいて患者Bのビューア画面351に表示される。
装置ID=302のクライアント装置3b及び患者BがリーダID=202のリーダ2に対応付けられた時点で、装置ID=301のクライアント装置3bの画像取込ボタン74が無効にされ、装置ID=301のクライアント装置3bは、装置ID=302又は装置ID=303のクライアント装置3bで画像取込モードが解除されるまでは画像取込モードへの移行が不可となる。
【0063】
以上説明したように、小規模診断システム1によれば、クライアント装置3bにおいて、操作部34により診断対象の患者が指定され、次いで、画像取込ボタン74が押下され医用画像の取込みが指示されると、指定された患者の医用画像の取込要求がサーバ装置3aに送信される。サーバ装置3aにおいては、医用画像の取込要求が受信されると、制御部31により、ネットワーク5に接続されたリーダ2のうち現在使用されていないリーダの何れかと、取込要求の送信元のクライアント装置3b及び当該クライアント装置3bにおいて指定された患者との対応付けが行われる。また、リーダ2から医用画像が受信されると、制御部31により、当該受信された医用画像が当該医用画像の送信元のリーダ2に対応する患者の患者情報と対応付けられて画像DB331に記憶される。
【0064】
従って、複数のクライアント装置3bから患者を指定して医用画像の取込みを指示する操作を並行して行ったり、複数の画像生成装置で複数患者の医用画像の生成を並行して行ったりすることが可能となるので、患者の撮影及び読み取り(医用画像の生成)及び生成された医用画像と患者情報との対応付けを効率的に行うことが可能となる。
【0065】
また、リーダ2とクライアント装置3b及び患者との対応付けを行う際には、現在使用されていないリーダ2のうち予め定められた優先順位が最も高いリーダ2と、取込要求の送信元のクライアント装置3b及び当該クライアント装置3bにおいて指定された患者とが対応付けられるので、優先順位の高いリーダ2を優先的に使用することが可能となる。
【0066】
また、リーダ2から受信された医用画像は、送信元のリーダ2と対応付けられているクライアント装置3bに転送されるので、クライアント装置3bにおいて、医師は、診断対象として指定した患者の医用画像を表示して診断を行うことが可能となる。
【0067】
上記実施の形態においては、サーバ装置3aとクライアント装置3bを別々の装置とした例を説明したが、サーバ装置3aは、クライアント処理プログラムを搭載し、クライアント装置3bの有する機能を内蔵する構成であってもよい。このように構成すれば、サーバ装置3aにおいても診断対象の患者を指定して医用画像の取込み指示を入力する操作を行うことが可能となるので、利便性が向上する。
【0068】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態においては、使用されていないリーダ2がなくなった場合、サーバ装置3aからクライアント装置3bに画像取込ボタン74の無効指示を送信することとしたが、クライアント装置3bから一定時間毎にサーバ装置3aに問い合わせを行って、サーバ装置3aから使用されていないリーダ2がなくなった旨が応答された場合に、クライアント装置3bにおいて、画像取込ボタン74を無効にすることとしてもよい。また、画像取込ボタン74を無効にする他、画像取込ボタン74の近傍に禁止マーク等を表示してユーザに現在リーダ2が使用できないことを通知するようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施の形態においては、医用画像を生成する画像生成装置としてリーダ2を用いた場合を例にとり説明したが、FPD(Flat Panel Detector)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、又はCT(Computed Tomography)等の他の種類の画像生成装置としてもよい。
【0070】
また、例えば、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてHDDや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0071】
その他、小規模診断システム1を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本実施形態における小規模診断システムの全体構成例を示す図である。
【図2】図1に示すサーバ装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す優先順位テーブルのデータ格納例を示す図である。
【図4】図2に示す画像DBの画像情報テーブルのデータ格納例を示す図である。
【図5】図2の表示部に表示される患者情報リスト画面の一例を示す図である。
【図6】図2の表示部に表示されるビューア画面の一例を示す図である。
【図7】図1のクライアント装置の制御部により実行されるクライアント処理を示すフローチャートである。
【図8】図1のサーバ装置の制御部により実行されるサーバ処理Aを示すフローチャートである。
【図9】図1のサーバ装置のRAMに作成される管理テーブルの一例を示す図である。
【図10】図1のサーバ装置の制御部により実行されるサーバ処理Bを示すフローチャートである。
【図11】図1の小規模診断システムにおける動作例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0073】
1 小規模診断システム
2 リーダ
3a サーバ装置
3b クライアント装置
4 受付装置
5 ネットワーク
31 制御部
32 RAM
33 記憶部
330 優先順位テーブル
331 画像DB
34 操作部
35 表示部
350 患者情報リスト画面
351 ビューア画面
71 患者表示欄
72 リスト画面ボタン
73 画像表示欄
74 画像取込ボタン
75 ツールボタン
76 診断終了ボタン
36 通信部
37 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像を生成する複数の画像生成装置と、サーバ装置と、クライアント装置と、を備えて構成され、前記サーバ装置が前記画像生成装置及び前記クライアント装置とデータ送受信可能に接続された医用画像管理システムであって、
前記クライアント装置のそれぞれは、
診断対象となる患者を指定するための操作手段と、
前記指定された患者の医用画像を取込む指示を入力するための取込み指示手段と、
前記取込み指示手段による指示が入力された際に、前記操作手段により指定された患者の医用画像の取込要求を前記サーバ装置に送信する取込要求手段と、を備え、
前記サーバ装置は、
医用画像を記憶する医用画像記憶手段と、
患者情報を記憶する患者情報記憶手段と、
前記複数のクライアント装置の何れかから医用画像の取込要求を受信した際に、前記複数の画像生成装置のうち現在使用されていない画像生成装置の何れかと、前記取込要求の送信元のクライアント装置及び当該クライアント装置において指定された患者とを対応付け、前記画像生成装置から医用画像を受信した際に、当該受信した医用画像を当該医用画像の送信元の画像生成装置と対応付けられている患者の患者情報と対応付けて前記医用画像記憶手段に記憶させる制御手段と、
を備える医用画像管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置の制御手段は、前記現在使用されていない画像生成装置のうち予め定められた優先順位が最も高い画像生成装置と、前記取込要求の送信元のクライアント装置及び当該クライアント装置において指定された患者とを対応付ける請求項1に記載の医用画像管理システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記医用画像の送信元の画像生成装置と対応付けられているクライアント装置に前記受信した医用画像を転送する転送手段を備え、
前記クライアント装置は、前記サーバ装置から転送された医用画像を表示する表示手段を備える請求項1又は2に記載の医用画像管理システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記クライアント装置の操作手段、取込み指示手段及び取込要求手段を備える請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−122943(P2010−122943A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296547(P2008−296547)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】