医用診断レポートシステム、当該システムとして機能させるためのプログラム、および医用診断レポート作成支援方法
【課題】
医用診断レポートの作成を支援し、質の高い且つ統一性のある医用診断レポートを作成できる医用診断レポートシステムを提供する。
【解決手段】
医用診断レポートシステムにおいて、医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を、或いは、入力または選択した単語204を、読影チェック項目として抽出する単語抽出部と、分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成しデータベースに格納する読影チェックリスト作成部と、前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語204に続く次の単語を検索する単語検索部と、検索された単語を候補単語205として表示する単語表示部とを備える。
医用診断レポートの作成を支援し、質の高い且つ統一性のある医用診断レポートを作成できる医用診断レポートシステムを提供する。
【解決手段】
医用診断レポートシステムにおいて、医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を、或いは、入力または選択した単語204を、読影チェック項目として抽出する単語抽出部と、分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成しデータベースに格納する読影チェックリスト作成部と、前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語204に続く次の単語を検索する単語検索部と、検索された単語を候補単語205として表示する単語表示部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用装置に係り、特に医用画像を読影医が読影してレポートを作成する画像診断の支援技術に属する医用診断レポートシステム、当該システムとして機能させるためのプログラム、および医用診断レポート作成支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1にも記載されているように、画像診断装置によって撮影された診断画像を読影して画像の特徴を記録するとともに、これらの特徴から判断される病名などを記録したレポートは「医用診断レポート」と呼ばれている。大きな病院では、この医用診断レポートの作成を専門とする読影医と呼ばれる専門医がおり、画像解析に基づく医用診断レポートの作成を行っている。
【0003】
特許文献1には、医用診断レポートシステムの機能を更に発展させて、文書における省略語の部分を自動的に解析して、省略語の部分を指摘または修正するシステムを提供することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2009−15554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、例え文章として正しい医用診断レポートが作成されたとしても、医用画像の観察箇所を見落としている場合もあり、また、観察箇所を見落としていないとしても、医用診断レポートへ全く記述していない、若しくは記述を簡略している場合もある。また、読影医により医用診断レポートおよびその文章の構成がバラバラで、診察医にとって読みにくいものとなっている。
【0006】
本発明は、医用診断レポートの作成を支援し、質の高い且つ統一性のある医用診断レポートを作成できる医用診断レポートシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明の医用診断レポートシステムは、医用画像を含む医療情報について所見とレポート画像を含む医用診断レポートに、データベースを参照して診断情報を入力する医用診断レポートシステムにおいて、作成した医用診断レポートのインデックス情報を分類条件として医用診断レポートを分類し前記データベースに格納するレポート分類部と、医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を、或いは、入力または選択した単語を、読影チェック項目として抽出する単語抽出部と、前記分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベースに格納する読影チェックリスト作成部と、前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語に続く次の単語を検索する単語検索部と、検索された単語を候補単語として表示する単語表示部とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の医用診断レポートシステムにおいて、前記読影チェックリスト作成部は、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語に対して出現箇所および出現頻度に基づいたプライオリティの値を付して格納し、当該プライオリティの値を基に、前記読影チェックリストを作成するものでよい。
また、本発明の医用診断レポートシステムにおいて、前記読影チェックリストは、前単語と次の単語に限らず、前々単語および前単語と次の単語、更には、前々々単語、前々単語および前単語と次の単語を対応付けるものであり、前記単語検索部は、前単語に限らず、前々単語および前単語、更には、前々々単語、前々単語および前単語から次の単語を検索するものでよい。
また、本発明の医用診断レポートシステムにおいて、さらに、検査情報から検査部位情報を抽出する検査部位抽出部を備え、前記単語検索部は、読影チェックリストに従って、抽出した検査部位情報から予測される単語を検索し、前記単語表示部は、検索された単語を候補単語として表示するものでよい。
【0009】
本発明の医用診断レポートシステムとして機能させるプログラムは、コンピュータを、医用画像を含む医療情報について所見とレポート画像を含む医用診断レポートに、データベースを参照して診断情報を入力する医用診断レポートシステムとして機能させるために、作成した医用診断レポートのインデックス情報を分類条件として医用診断レポートを分類し前記データベースに格納するレポート分類部と、医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を、或いは、入力または選択した単語を、読影チェック項目として抽出する単語抽出部と、前記分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベースに格納する読影チェックリスト作成部と、前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語に続く次の単語を検索する単語検索部と、検索された単語を候補単語として表示する単語表示部として機能させるものである。
【0010】
また、本発明の医用診断レポートシステムとして機能させるプログラムにおいて、さらに、検査情報から検査部位情報を抽出する検査部位抽出部として、また、前記単語検索部は、読影チェックリストに従って、抽出した検査部位情報から予測される単語を検索し、前記単語表示部は、検索された単語を候補単語として表示するように機能させるものでよい。
【0011】
本発明の医用診断レポート作成支援方法は、医用画像を含む医療情報について所見とレポート画像を含む医用診断レポートに、データベースを参照して診断情報を入力する医用診断レポート作成支援方法において、作成した医用診断レポートのインデックス情報を分類条件として医用診断レポートを分類し前記データベースに格納するステップと、医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を読影チェック項目として抽出するステップと、前記分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベースに格納するステップと、入力または選択した単語を読影チェック項目として抽出するステップと、前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語に続く次の単語を検索するステップと、検索された単語を候補単語として表示するステップとを備えることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の医用診断レポート作成支援方法において、さらに、検査情報から検査部位情報を抽出するステップと、前記格納された読影チェックリストに従って、抽出した検査部位情報から予測される単語を検索するステップと、検索された単語を候補単語として表示するステップとを備えるものでよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、医用診断レポートの作成を支援し、質の高い且つ統一性のある読影レポートを作成できる医用診断レポートシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の医用診断レポートシステムの全体構成を示すブロック図。
【図2】本発明の医用診断レポートシステムを構成する制御部の詳細を示すブロック図。
【図3】実施例1の医用診断レポートの作成処理を示すフロー図。
【図4】実施例1の読影チェックリストの作成処理を示すフロー図。
【図5】実施例1の読影チェックリストの単語表示処理を示すフロー図。
【図6】実施例2の検査部位抽出処理を示すフロー図。
【図7】医用診断レポートの作成処理を示すフローにおけるステップ102の表示例。
【図8】医用診断レポートの作成処理を示すフローにおけるステップ103の表示例。
【図9】医用診断レポートの作成処理を示すフローにおけるステップ109の表示例1。
【図10】医用診断レポートの作成処理を示すフローにおけるステップ109の表示例2。
【図11】医用診断レポートの作成処理を示すフローにおけるステップ109の表示例3。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明の医用診断レポートシステムの全体構成を示すブロック図、図2は図1の制御部のブロック図、図3〜図6は医用診断レポートシステムの動作を説明するフロー図である。図7はステップ102の表示例、図8はステップ103の表示例、図9〜11はステップ109の表示例を示す図である。
【0016】
本発明の医用診断レポートシステムは、図1に示すように、制御部1と、制御部1に接続されたモニタ2、入力部3、データベース4を有している。制御部1は、システム全体を制御する。モニタ2は、過去に読影を行った医用診断レポート、読影に利用する医用画像および所見箇所を簡略化したシェーマ図など医用情報を表示する。入力部3は、キーボード、マウスを含む各種ポインティングデバイス、音声認識に用いるマイクなどの入力手段およびカードリーダ、指紋認証装置などのセキュリティ機器を備えており、操作者は、入力手段およびセキュリティ機器を利用して医用診断レポートシステムにログインする。ログインした操作者は、モニタ2に表示される医用画像を観察し、前記入力部3を用いて医用診断レポートの所見を入力する。データベース4は、予め前記医用診断レポート、医用画像およびシェーマ図など医用情報および操作者のユーザ情報などを記憶しておき、これらの情報を基に医用診断レポートを作成するためのデータベース装置である。データベース装置には、RAID装置に代表されるデータベース装置を保護する機能を持った記憶ドライブや、CD−R,DVD−Rなどのメディアを読み書きすることのできる記憶ドライブが接続されており、これらの記憶ドライブに医用診断レポートを保存できる。また、このデータベースは既知のものであって、例えばリレーショナルデータベースなどがあり、ネットワークを介して医用診断レポートを保存することもできる。
【0017】
図2に、制御部1の詳細な構成を示す。制御部1は、ログイン処理部11と、レポート選択部12と、レポート作成部13と、レポート分類部14と、単語抽出部15と、読影チェックリスト作成部16と、単語検索部17と、単語表示部18と、検査部位抽出部19を有している。
ログイン処理部11は、前記操作者のログイン情報を基にデータベース4からユーザ情報を取得する。
レポート選択部12は、前記医用診断レポートに関連する患者関連情報、オーダ情報及びレポート情報を含むレポートインデックス情報を入力部3又は前記データベース4の少なくとも一方の入力によって一覧表示し、操作者に所望の医用診断レポートを選択させる。
レポート作成部13は、診断情報を入力部3又は前記データベース4の少なくとも一方によって入力し医用診断レポートを作成する。
レポート分類部14は、前記レポート作成部13によって作成した医用診断レポートの前記レポートインデックス情報の組合せを分類条件として医用診断レポートを分類し、前記データベース4に格納する。
単語抽出部15は、前記データベース4に格納された医用診断レポートの所見から読影箇所を特定する単語を、或いは、入力または選択した単語を、読影チェック項目として抽出する。
読影チェックリスト作成部16は、前記レポート分類部14により分類した分類条件で、前記単語抽出部15により抽出した複数の読影チェック項目からそれぞれ複数の読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し、前記データベース4に格納する。
単語検索部17は、前記データベース4に格納された読影チェックリストを検索する。
単語表示部18は、検索した単語を候補単語としてモニタに表示する。
検査部位抽出部19は、検査情報から検査部位情報を抽出する。
【実施例1】
【0018】
以上の構成に基づき、図3〜図5のフロー図を用いて、本発明の医用診断レポートシステムの第1の実施例の動作を説明する。
【0019】
[医用診断レポートの作成]
図2のブロック図と、図3のフロー図とを用いて、操作者が医用診断レポートを作成する動作について説明する。
操作者は、医用診断レポートシステムに前記入力部3を利用してログインする。ここでログイン処理部11は、ユーザ名、パスワード、生体情報などのログイン情報を基にデータベース4からユーザ名、ユーザレベルなどの操作者のユーザ情報を取得する。(ステップ101)
レポート選択部12は、データベース4から患者関連情報、オーダ情報、及びレポート情報を含むレポートインデックス情報を読み出し、図7に示すようにモニタ2に一覧表示する。(ステップ102)
患者関連情報は、性別、年齢、体重、身長、移動方法、入院外来区分、特記事項などからなる。オーダ情報は、医師関連情報(依頼医師名、依頼科など)と、当該医師の希望する複数の撮影画像に関する情報(撮影日時、撮影装置、撮影部位、撮影方法など)とからなる。レポート情報は、レポート番号、レポート作成日時、レポート作成者などからなる。
ここで図7の画像上部のレポートインデックス情報検索項目および自由文検索項目に所望する医用診断レポートの条件を記入し、図7に示す検索ボタン201を押下すると、条件に合った医用診断レポートに対応するレポートインデックス情報をデータベース4から読み出し、一覧表示する。
操作者は、モニタ2に一覧表示されたレポートインデックス情報から所望する医用診断レポートを選択する。また、医用診断レポートを新規に作成する場合には、図7に示す新規作成ボタン202を押下する。(ステップ102)
【0020】
レポート作成部13は、操作者が選択した医用診断レポートをデータベース装置4から読み出し、図8に示すようにモニタ2に表示する。図7に示す新規作成ボタン202を押下した場合は、図8に示す各診断項目を空欄にしてモニタ2に表示する。
操作者は、入力部3を操作して該表示された診断項目に従って診断情報を入力して、医用診断レポートを作成する。また、過去に読影を行った医用診断レポートなどデータベース4に予め記憶されている診断情報を読み出し、利用することで医用診断レポートを作成する。
操作者が図8に示す保存ボタン203を押下することで、医用診断レポートをデータベース4に格納する。(ステップ103)
【0021】
[読影チェックリストの作成]
図8に示す保存ボタン203を押下することで、レポート分類部14により、作成した医用診断レポートのレポートインデックス情報の組合せを分類条件として分類する。(ステップ104)
【0022】
図4のフロー図で、医用診断レポートから読影チェックリストを作成する動作について説明する。
単語抽出部15は、前記データベース4に格納された医用診断レポートを取得する。取得した医用診断レポートの所見をテキストマイニング(形態素解析)し、単語単位に分割する。分割した単語から読影箇所を特定する単語を読影チェック項目として抽出する。(ステップ105)
形態素解析は、日本語の場合は分かち書き+品詞付け、英語の場合は原型還元などで文書を構成する単語を同定する手法のことで、これらの手法については特定しない。両言語とも、商用・研究用を問わずさまざまな手法が公開されている。
形態素解析により、例えば「肺野に明らかな異常を認めず。」という文は、「肺野に/明らかな/異常を/認めず/。」のように、文を構成する単語の列に分解される。
【0023】
読影チェック項目は分類条件ごとに設定された読影箇所を特定する単語の一覧である。レポートでは「肺野に(部位)、明らかに(量)、異常を(状態)、認めず(結果)」と4分類から構成されており、部位→量→状態→結果の順に構成されている。この場合、部位、量、状態、結果がそれぞれ読影チェック項目に該当する。
前記例文の場合、部位は「肺野に」を抽出する。「肺野に」の後に続く「明らかに」は、「肺野に」の後に入力される単語としてプライオリティの値を付してデータベース4に格納する。(ステップ106)
「肺野に」→「明らかに」の後に続く、「異常を」も「肺野に」→「明らかに」の後に入力される単語としてプライオリティの値を付して、データベース4に格納する。結果である「認めず」も同じようにデータベース4に格納する。(ステップ106)
「肺野が」、「肺野は」は、「肺野に」とは異なる単語とし、別にデータベース4に格納される。サーバ/クライアント構成であれば、クライアントから登録した情報はサーバのデータベースに格納される。
読影チェックリスト作成部16は、前記レポート分類部14により分類した分類条件で、前記単語抽出部15により抽出したそれぞれの読影チェック項目に含まれる単語に対して出現箇所および出現頻度に基づいたプライオリティの値を付して、データベース4に格納する。(ステップ106)
ここでプライオリティの値は、医用診断レポートの所見の中で出現箇所が早い程大きく、また出現頻度が高いほど大きく設定されている。
【0024】
読影チェックリスト作成部16は、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語に対応付けられたプライオリティの値を基に、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベース4に格納する。(ステップ107)
【0025】
[単語表示]
図5のフロー図で、読影チェックリストを表示する動作について説明する。
操作者が図9に示す入力値204「肺野に」と入力すると、単語抽出部15は入力した単語を読影チェック項目として抽出する。(ステップ105)
そして、単語検索部17は、抽出された単語である「肺野に」をキーとし前記データベース4に格納された読影チェックリストに従って、次の単語を検索する。(ステップ108)
検索した単語を図9に示すように候補単語205としてモニタ2に表示する。(ステップ109)
操作者は、表示された候補単語205から選択もしくは別の単語を入力する。
【0026】
操作者が図10に示す入力値206「肺野に明らかな」と入力および選択することで、単語検索部17は、「肺野に」と「明らかな」をキーにして前記データベース4に格納された読影チェックリストに従って、次の単語を検索する。(ステップ108)
検索した単語を、図10に示すように候補単語207としてモニタ2に表示する。(ステップ109)
操作者は表示された候補単語207から選択もしくは別の単語を入力する。
操作者が図11に示す入力値208「肺野に明らかな異常を」と入力および選択することで、単語検索部17は、「肺野に」と「明らかな」と「異常を」をキーにして前記データベース4に格納された読影チェックリストに従って、次の単語を検索する。(ステップ108)
検索した単語を図11に示すように候補単語209としてモニタ2に表示する。(ステップ109)
操作者は表示された候補単語209から選択もしくは別の単語を入力する。
【0027】
なお、候補単語205、207、209の表示が、読影の所見入力に影響がある場合には、図9〜11とは異なる位置に参考情報として表示すればよい。
以上の説明は、異常を「認めず」の事例で説明したが、異常を「認める」場合も同様に読影レポートを作成することができる。
以上の説明で、医用診断レポートの作成に引き続いて、読影チェックリストの作成が行われるように説明したが、予め[医用診断レポートの作成](図3)のステップ101〜103の処理が実施されていれば、[読影チェックリストの作成](図4)のステップ104〜107の処理を別のタイミングにまとめて実施して読影チェックリストを作成してもよい。
【0028】
実施例1によれば、読影チェックリストを当てはめた読影レポートを読影医に提示できるため、観察箇所の見落としを防止でき、質の高い且つ統一性のある読影レポートを作成できる。また、読影チェックリストを当てはめた読影レポートを診察医に提示できるため、参照効率が上がる。
読影チェックリストは、検査装置(図8の検査情報では「CT」)、検査部位(図8の検査情報では「胸部」)、部位(図8の入力にある「肺野に」)の分類にて管理するため、予想される単語が膨大に表示されることを防いでいる。そのため、円滑に読影環境が提供できる。
【実施例2】
【0029】
本発明の医用診断レポートシステムの第2の実施例は、図2の制御部の構成として、さらに「検査部位抽出部19」を備えるものである。
実施例2の動作を、図6のフロー図を用いて説明する。
【0030】
医用診断レポートの所見を入力する際に、先ず検査部位抽出部19は、検査情報中の検査部位などの項目から検査部位情報を抽出する。(ステップ110)
そして、単語検索部17は、検査部位情報をキーとして読影チェックリストに従って予測される単語を検索する(ステップ108)
取得した単語を最初の候補単語としてモニタ2に表示する。(ステップ109)
【0031】
実施例2によれば、検査情報を認識し、モダリティ、部位から単語候補を表示するため、所見のはじめの単語を統一することができ、統一性のある読影レポートを作成することができる。
【符号の説明】
【0032】
1…制御部、2…モニタ、3…入力部、4…データベース、
11…ログイン処理部、12…レポート選択部、13…レポート作成部、14…レポート分類部、15…単語抽出部、16…読影チェックリスト作成部、17…単語検索部、18…単語表示部、19…検索部位抽出部、
201…検索ボタン、202…新規作成ボタン、203…保存ボタン、204…入力値1、205…候補単語1、206…入力値2、207…候補単語2、208…入力値3、209…候補単語3。
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用装置に係り、特に医用画像を読影医が読影してレポートを作成する画像診断の支援技術に属する医用診断レポートシステム、当該システムとして機能させるためのプログラム、および医用診断レポート作成支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1にも記載されているように、画像診断装置によって撮影された診断画像を読影して画像の特徴を記録するとともに、これらの特徴から判断される病名などを記録したレポートは「医用診断レポート」と呼ばれている。大きな病院では、この医用診断レポートの作成を専門とする読影医と呼ばれる専門医がおり、画像解析に基づく医用診断レポートの作成を行っている。
【0003】
特許文献1には、医用診断レポートシステムの機能を更に発展させて、文書における省略語の部分を自動的に解析して、省略語の部分を指摘または修正するシステムを提供することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2009−15554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、例え文章として正しい医用診断レポートが作成されたとしても、医用画像の観察箇所を見落としている場合もあり、また、観察箇所を見落としていないとしても、医用診断レポートへ全く記述していない、若しくは記述を簡略している場合もある。また、読影医により医用診断レポートおよびその文章の構成がバラバラで、診察医にとって読みにくいものとなっている。
【0006】
本発明は、医用診断レポートの作成を支援し、質の高い且つ統一性のある医用診断レポートを作成できる医用診断レポートシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明の医用診断レポートシステムは、医用画像を含む医療情報について所見とレポート画像を含む医用診断レポートに、データベースを参照して診断情報を入力する医用診断レポートシステムにおいて、作成した医用診断レポートのインデックス情報を分類条件として医用診断レポートを分類し前記データベースに格納するレポート分類部と、医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を、或いは、入力または選択した単語を、読影チェック項目として抽出する単語抽出部と、前記分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベースに格納する読影チェックリスト作成部と、前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語に続く次の単語を検索する単語検索部と、検索された単語を候補単語として表示する単語表示部とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の医用診断レポートシステムにおいて、前記読影チェックリスト作成部は、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語に対して出現箇所および出現頻度に基づいたプライオリティの値を付して格納し、当該プライオリティの値を基に、前記読影チェックリストを作成するものでよい。
また、本発明の医用診断レポートシステムにおいて、前記読影チェックリストは、前単語と次の単語に限らず、前々単語および前単語と次の単語、更には、前々々単語、前々単語および前単語と次の単語を対応付けるものであり、前記単語検索部は、前単語に限らず、前々単語および前単語、更には、前々々単語、前々単語および前単語から次の単語を検索するものでよい。
また、本発明の医用診断レポートシステムにおいて、さらに、検査情報から検査部位情報を抽出する検査部位抽出部を備え、前記単語検索部は、読影チェックリストに従って、抽出した検査部位情報から予測される単語を検索し、前記単語表示部は、検索された単語を候補単語として表示するものでよい。
【0009】
本発明の医用診断レポートシステムとして機能させるプログラムは、コンピュータを、医用画像を含む医療情報について所見とレポート画像を含む医用診断レポートに、データベースを参照して診断情報を入力する医用診断レポートシステムとして機能させるために、作成した医用診断レポートのインデックス情報を分類条件として医用診断レポートを分類し前記データベースに格納するレポート分類部と、医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を、或いは、入力または選択した単語を、読影チェック項目として抽出する単語抽出部と、前記分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベースに格納する読影チェックリスト作成部と、前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語に続く次の単語を検索する単語検索部と、検索された単語を候補単語として表示する単語表示部として機能させるものである。
【0010】
また、本発明の医用診断レポートシステムとして機能させるプログラムにおいて、さらに、検査情報から検査部位情報を抽出する検査部位抽出部として、また、前記単語検索部は、読影チェックリストに従って、抽出した検査部位情報から予測される単語を検索し、前記単語表示部は、検索された単語を候補単語として表示するように機能させるものでよい。
【0011】
本発明の医用診断レポート作成支援方法は、医用画像を含む医療情報について所見とレポート画像を含む医用診断レポートに、データベースを参照して診断情報を入力する医用診断レポート作成支援方法において、作成した医用診断レポートのインデックス情報を分類条件として医用診断レポートを分類し前記データベースに格納するステップと、医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を読影チェック項目として抽出するステップと、前記分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベースに格納するステップと、入力または選択した単語を読影チェック項目として抽出するステップと、前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語に続く次の単語を検索するステップと、検索された単語を候補単語として表示するステップとを備えることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の医用診断レポート作成支援方法において、さらに、検査情報から検査部位情報を抽出するステップと、前記格納された読影チェックリストに従って、抽出した検査部位情報から予測される単語を検索するステップと、検索された単語を候補単語として表示するステップとを備えるものでよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、医用診断レポートの作成を支援し、質の高い且つ統一性のある読影レポートを作成できる医用診断レポートシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の医用診断レポートシステムの全体構成を示すブロック図。
【図2】本発明の医用診断レポートシステムを構成する制御部の詳細を示すブロック図。
【図3】実施例1の医用診断レポートの作成処理を示すフロー図。
【図4】実施例1の読影チェックリストの作成処理を示すフロー図。
【図5】実施例1の読影チェックリストの単語表示処理を示すフロー図。
【図6】実施例2の検査部位抽出処理を示すフロー図。
【図7】医用診断レポートの作成処理を示すフローにおけるステップ102の表示例。
【図8】医用診断レポートの作成処理を示すフローにおけるステップ103の表示例。
【図9】医用診断レポートの作成処理を示すフローにおけるステップ109の表示例1。
【図10】医用診断レポートの作成処理を示すフローにおけるステップ109の表示例2。
【図11】医用診断レポートの作成処理を示すフローにおけるステップ109の表示例3。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明の医用診断レポートシステムの全体構成を示すブロック図、図2は図1の制御部のブロック図、図3〜図6は医用診断レポートシステムの動作を説明するフロー図である。図7はステップ102の表示例、図8はステップ103の表示例、図9〜11はステップ109の表示例を示す図である。
【0016】
本発明の医用診断レポートシステムは、図1に示すように、制御部1と、制御部1に接続されたモニタ2、入力部3、データベース4を有している。制御部1は、システム全体を制御する。モニタ2は、過去に読影を行った医用診断レポート、読影に利用する医用画像および所見箇所を簡略化したシェーマ図など医用情報を表示する。入力部3は、キーボード、マウスを含む各種ポインティングデバイス、音声認識に用いるマイクなどの入力手段およびカードリーダ、指紋認証装置などのセキュリティ機器を備えており、操作者は、入力手段およびセキュリティ機器を利用して医用診断レポートシステムにログインする。ログインした操作者は、モニタ2に表示される医用画像を観察し、前記入力部3を用いて医用診断レポートの所見を入力する。データベース4は、予め前記医用診断レポート、医用画像およびシェーマ図など医用情報および操作者のユーザ情報などを記憶しておき、これらの情報を基に医用診断レポートを作成するためのデータベース装置である。データベース装置には、RAID装置に代表されるデータベース装置を保護する機能を持った記憶ドライブや、CD−R,DVD−Rなどのメディアを読み書きすることのできる記憶ドライブが接続されており、これらの記憶ドライブに医用診断レポートを保存できる。また、このデータベースは既知のものであって、例えばリレーショナルデータベースなどがあり、ネットワークを介して医用診断レポートを保存することもできる。
【0017】
図2に、制御部1の詳細な構成を示す。制御部1は、ログイン処理部11と、レポート選択部12と、レポート作成部13と、レポート分類部14と、単語抽出部15と、読影チェックリスト作成部16と、単語検索部17と、単語表示部18と、検査部位抽出部19を有している。
ログイン処理部11は、前記操作者のログイン情報を基にデータベース4からユーザ情報を取得する。
レポート選択部12は、前記医用診断レポートに関連する患者関連情報、オーダ情報及びレポート情報を含むレポートインデックス情報を入力部3又は前記データベース4の少なくとも一方の入力によって一覧表示し、操作者に所望の医用診断レポートを選択させる。
レポート作成部13は、診断情報を入力部3又は前記データベース4の少なくとも一方によって入力し医用診断レポートを作成する。
レポート分類部14は、前記レポート作成部13によって作成した医用診断レポートの前記レポートインデックス情報の組合せを分類条件として医用診断レポートを分類し、前記データベース4に格納する。
単語抽出部15は、前記データベース4に格納された医用診断レポートの所見から読影箇所を特定する単語を、或いは、入力または選択した単語を、読影チェック項目として抽出する。
読影チェックリスト作成部16は、前記レポート分類部14により分類した分類条件で、前記単語抽出部15により抽出した複数の読影チェック項目からそれぞれ複数の読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し、前記データベース4に格納する。
単語検索部17は、前記データベース4に格納された読影チェックリストを検索する。
単語表示部18は、検索した単語を候補単語としてモニタに表示する。
検査部位抽出部19は、検査情報から検査部位情報を抽出する。
【実施例1】
【0018】
以上の構成に基づき、図3〜図5のフロー図を用いて、本発明の医用診断レポートシステムの第1の実施例の動作を説明する。
【0019】
[医用診断レポートの作成]
図2のブロック図と、図3のフロー図とを用いて、操作者が医用診断レポートを作成する動作について説明する。
操作者は、医用診断レポートシステムに前記入力部3を利用してログインする。ここでログイン処理部11は、ユーザ名、パスワード、生体情報などのログイン情報を基にデータベース4からユーザ名、ユーザレベルなどの操作者のユーザ情報を取得する。(ステップ101)
レポート選択部12は、データベース4から患者関連情報、オーダ情報、及びレポート情報を含むレポートインデックス情報を読み出し、図7に示すようにモニタ2に一覧表示する。(ステップ102)
患者関連情報は、性別、年齢、体重、身長、移動方法、入院外来区分、特記事項などからなる。オーダ情報は、医師関連情報(依頼医師名、依頼科など)と、当該医師の希望する複数の撮影画像に関する情報(撮影日時、撮影装置、撮影部位、撮影方法など)とからなる。レポート情報は、レポート番号、レポート作成日時、レポート作成者などからなる。
ここで図7の画像上部のレポートインデックス情報検索項目および自由文検索項目に所望する医用診断レポートの条件を記入し、図7に示す検索ボタン201を押下すると、条件に合った医用診断レポートに対応するレポートインデックス情報をデータベース4から読み出し、一覧表示する。
操作者は、モニタ2に一覧表示されたレポートインデックス情報から所望する医用診断レポートを選択する。また、医用診断レポートを新規に作成する場合には、図7に示す新規作成ボタン202を押下する。(ステップ102)
【0020】
レポート作成部13は、操作者が選択した医用診断レポートをデータベース装置4から読み出し、図8に示すようにモニタ2に表示する。図7に示す新規作成ボタン202を押下した場合は、図8に示す各診断項目を空欄にしてモニタ2に表示する。
操作者は、入力部3を操作して該表示された診断項目に従って診断情報を入力して、医用診断レポートを作成する。また、過去に読影を行った医用診断レポートなどデータベース4に予め記憶されている診断情報を読み出し、利用することで医用診断レポートを作成する。
操作者が図8に示す保存ボタン203を押下することで、医用診断レポートをデータベース4に格納する。(ステップ103)
【0021】
[読影チェックリストの作成]
図8に示す保存ボタン203を押下することで、レポート分類部14により、作成した医用診断レポートのレポートインデックス情報の組合せを分類条件として分類する。(ステップ104)
【0022】
図4のフロー図で、医用診断レポートから読影チェックリストを作成する動作について説明する。
単語抽出部15は、前記データベース4に格納された医用診断レポートを取得する。取得した医用診断レポートの所見をテキストマイニング(形態素解析)し、単語単位に分割する。分割した単語から読影箇所を特定する単語を読影チェック項目として抽出する。(ステップ105)
形態素解析は、日本語の場合は分かち書き+品詞付け、英語の場合は原型還元などで文書を構成する単語を同定する手法のことで、これらの手法については特定しない。両言語とも、商用・研究用を問わずさまざまな手法が公開されている。
形態素解析により、例えば「肺野に明らかな異常を認めず。」という文は、「肺野に/明らかな/異常を/認めず/。」のように、文を構成する単語の列に分解される。
【0023】
読影チェック項目は分類条件ごとに設定された読影箇所を特定する単語の一覧である。レポートでは「肺野に(部位)、明らかに(量)、異常を(状態)、認めず(結果)」と4分類から構成されており、部位→量→状態→結果の順に構成されている。この場合、部位、量、状態、結果がそれぞれ読影チェック項目に該当する。
前記例文の場合、部位は「肺野に」を抽出する。「肺野に」の後に続く「明らかに」は、「肺野に」の後に入力される単語としてプライオリティの値を付してデータベース4に格納する。(ステップ106)
「肺野に」→「明らかに」の後に続く、「異常を」も「肺野に」→「明らかに」の後に入力される単語としてプライオリティの値を付して、データベース4に格納する。結果である「認めず」も同じようにデータベース4に格納する。(ステップ106)
「肺野が」、「肺野は」は、「肺野に」とは異なる単語とし、別にデータベース4に格納される。サーバ/クライアント構成であれば、クライアントから登録した情報はサーバのデータベースに格納される。
読影チェックリスト作成部16は、前記レポート分類部14により分類した分類条件で、前記単語抽出部15により抽出したそれぞれの読影チェック項目に含まれる単語に対して出現箇所および出現頻度に基づいたプライオリティの値を付して、データベース4に格納する。(ステップ106)
ここでプライオリティの値は、医用診断レポートの所見の中で出現箇所が早い程大きく、また出現頻度が高いほど大きく設定されている。
【0024】
読影チェックリスト作成部16は、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語に対応付けられたプライオリティの値を基に、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベース4に格納する。(ステップ107)
【0025】
[単語表示]
図5のフロー図で、読影チェックリストを表示する動作について説明する。
操作者が図9に示す入力値204「肺野に」と入力すると、単語抽出部15は入力した単語を読影チェック項目として抽出する。(ステップ105)
そして、単語検索部17は、抽出された単語である「肺野に」をキーとし前記データベース4に格納された読影チェックリストに従って、次の単語を検索する。(ステップ108)
検索した単語を図9に示すように候補単語205としてモニタ2に表示する。(ステップ109)
操作者は、表示された候補単語205から選択もしくは別の単語を入力する。
【0026】
操作者が図10に示す入力値206「肺野に明らかな」と入力および選択することで、単語検索部17は、「肺野に」と「明らかな」をキーにして前記データベース4に格納された読影チェックリストに従って、次の単語を検索する。(ステップ108)
検索した単語を、図10に示すように候補単語207としてモニタ2に表示する。(ステップ109)
操作者は表示された候補単語207から選択もしくは別の単語を入力する。
操作者が図11に示す入力値208「肺野に明らかな異常を」と入力および選択することで、単語検索部17は、「肺野に」と「明らかな」と「異常を」をキーにして前記データベース4に格納された読影チェックリストに従って、次の単語を検索する。(ステップ108)
検索した単語を図11に示すように候補単語209としてモニタ2に表示する。(ステップ109)
操作者は表示された候補単語209から選択もしくは別の単語を入力する。
【0027】
なお、候補単語205、207、209の表示が、読影の所見入力に影響がある場合には、図9〜11とは異なる位置に参考情報として表示すればよい。
以上の説明は、異常を「認めず」の事例で説明したが、異常を「認める」場合も同様に読影レポートを作成することができる。
以上の説明で、医用診断レポートの作成に引き続いて、読影チェックリストの作成が行われるように説明したが、予め[医用診断レポートの作成](図3)のステップ101〜103の処理が実施されていれば、[読影チェックリストの作成](図4)のステップ104〜107の処理を別のタイミングにまとめて実施して読影チェックリストを作成してもよい。
【0028】
実施例1によれば、読影チェックリストを当てはめた読影レポートを読影医に提示できるため、観察箇所の見落としを防止でき、質の高い且つ統一性のある読影レポートを作成できる。また、読影チェックリストを当てはめた読影レポートを診察医に提示できるため、参照効率が上がる。
読影チェックリストは、検査装置(図8の検査情報では「CT」)、検査部位(図8の検査情報では「胸部」)、部位(図8の入力にある「肺野に」)の分類にて管理するため、予想される単語が膨大に表示されることを防いでいる。そのため、円滑に読影環境が提供できる。
【実施例2】
【0029】
本発明の医用診断レポートシステムの第2の実施例は、図2の制御部の構成として、さらに「検査部位抽出部19」を備えるものである。
実施例2の動作を、図6のフロー図を用いて説明する。
【0030】
医用診断レポートの所見を入力する際に、先ず検査部位抽出部19は、検査情報中の検査部位などの項目から検査部位情報を抽出する。(ステップ110)
そして、単語検索部17は、検査部位情報をキーとして読影チェックリストに従って予測される単語を検索する(ステップ108)
取得した単語を最初の候補単語としてモニタ2に表示する。(ステップ109)
【0031】
実施例2によれば、検査情報を認識し、モダリティ、部位から単語候補を表示するため、所見のはじめの単語を統一することができ、統一性のある読影レポートを作成することができる。
【符号の説明】
【0032】
1…制御部、2…モニタ、3…入力部、4…データベース、
11…ログイン処理部、12…レポート選択部、13…レポート作成部、14…レポート分類部、15…単語抽出部、16…読影チェックリスト作成部、17…単語検索部、18…単語表示部、19…検索部位抽出部、
201…検索ボタン、202…新規作成ボタン、203…保存ボタン、204…入力値1、205…候補単語1、206…入力値2、207…候補単語2、208…入力値3、209…候補単語3。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像を含む医療情報について所見とレポート画像を含む医用診断レポートに、データベースを参照して診断情報を入力する医用診断レポートシステムにおいて、
作成した医用診断レポートのインデックス情報を分類条件として医用診断レポートを分類し前記データベースに格納するレポート分類部と、
医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を、或いは、入力または選択した単語を、読影チェック項目として抽出する単語抽出部と、
前記分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベースに格納する読影チェックリスト作成部と、
前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語に続く次の単語を検索する単語検索部と、
検索された単語を候補単語として表示する単語表示部と
を備えたことを特徴とする医用診断レポートシステム。
【請求項2】
請求項1記載の医用診断レポートシステムにおいて、
前記読影チェックリスト作成部は、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語に対して出現箇所および出現頻度に基づいたプライオリティの値を付して格納し、当該プライオリティの値を基に、前記読影チェックリストを作成することを特徴とする医用診断レポートシステム。
【請求項3】
請求項1記載の医用診断レポートシステムにおいて、
前記読影チェックリストは、前単語と次の単語に限らず、前々単語および前単語と次の単語、更には、前々々単語、前々単語および前単語と次の単語を対応付けるものであり、
前記単語検索部は、前単語に限らず、前々単語および前単語、更には、前々々単語、前々単語および前単語から次の単語を検索することを特徴とする医用診断レポートシステム。
【請求項4】
請求項1記載の医用診断レポートシステムにおいて、
さらに、検査情報から検査部位情報を抽出する検査部位抽出部を備え、
前記単語検索部は、読影チェックリストに従って、抽出した検査部位情報から予測される単語を検索し、
前記単語表示部は、検索された単語を候補単語として表示する
ことを特徴とする医用診断レポートシステム。
【請求項5】
コンピュータを、
医用画像を含む医療情報について所見とレポート画像を含む医用診断レポートに、データベースを参照して診断情報を入力する医用診断レポートシステムとして機能させるために、
作成した医用診断レポートのインデックス情報を分類条件として医用診断レポートを分類し前記データベースに格納するレポート分類部と、
医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を、或いは、入力または選択した単語を、読影チェック項目として抽出する単語抽出部と、
前記分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベースに格納する読影チェックリスト作成部と、
前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語に続く次の単語を検索する単語検索部と、
検索された単語を候補単語として表示する単語表示部として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5記載のプログラムにおいて、さらに、
検査情報から検査部位情報を抽出する検査部位抽出部として、また、
前記単語検索部は、読影チェックリストに従って、抽出した検査部位情報から予測される単語を検索し、
前記単語表示部は、検索された単語を候補単語として表示するように機能させるためのプログラム。
【請求項7】
医用画像を含む医療情報について所見とレポート画像を含む医用診断レポートに、データベースを参照して診断情報を入力する医用診断レポート作成支援方法において、
作成した医用診断レポートのインデックス情報を分類条件として医用診断レポートを分類し前記データベースに格納するステップと、
医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を読影チェック項目として抽出するステップと、
前記分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベースに格納するステップと、
入力または選択した単語を読影チェック項目として抽出するステップと、
前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語に続く次の単語を検索するステップと、
検索された単語を候補単語として表示するステップと
を備えることを特徴とする医用診断レポート作成支援方法。
【請求項8】
請求項7記載の医用診断レポート作成支援方法において、
さらに、検査情報から検査部位情報を抽出するステップと、
前記格納された読影チェックリストに従って、抽出した検査部位情報から予測される単語を検索するステップと、
検索された単語を候補単語として表示するステップと
を備えることを特徴とする医用診断レポート作成支援方法。
【請求項1】
医用画像を含む医療情報について所見とレポート画像を含む医用診断レポートに、データベースを参照して診断情報を入力する医用診断レポートシステムにおいて、
作成した医用診断レポートのインデックス情報を分類条件として医用診断レポートを分類し前記データベースに格納するレポート分類部と、
医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を、或いは、入力または選択した単語を、読影チェック項目として抽出する単語抽出部と、
前記分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベースに格納する読影チェックリスト作成部と、
前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語に続く次の単語を検索する単語検索部と、
検索された単語を候補単語として表示する単語表示部と
を備えたことを特徴とする医用診断レポートシステム。
【請求項2】
請求項1記載の医用診断レポートシステムにおいて、
前記読影チェックリスト作成部は、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語に対して出現箇所および出現頻度に基づいたプライオリティの値を付して格納し、当該プライオリティの値を基に、前記読影チェックリストを作成することを特徴とする医用診断レポートシステム。
【請求項3】
請求項1記載の医用診断レポートシステムにおいて、
前記読影チェックリストは、前単語と次の単語に限らず、前々単語および前単語と次の単語、更には、前々々単語、前々単語および前単語と次の単語を対応付けるものであり、
前記単語検索部は、前単語に限らず、前々単語および前単語、更には、前々々単語、前々単語および前単語から次の単語を検索することを特徴とする医用診断レポートシステム。
【請求項4】
請求項1記載の医用診断レポートシステムにおいて、
さらに、検査情報から検査部位情報を抽出する検査部位抽出部を備え、
前記単語検索部は、読影チェックリストに従って、抽出した検査部位情報から予測される単語を検索し、
前記単語表示部は、検索された単語を候補単語として表示する
ことを特徴とする医用診断レポートシステム。
【請求項5】
コンピュータを、
医用画像を含む医療情報について所見とレポート画像を含む医用診断レポートに、データベースを参照して診断情報を入力する医用診断レポートシステムとして機能させるために、
作成した医用診断レポートのインデックス情報を分類条件として医用診断レポートを分類し前記データベースに格納するレポート分類部と、
医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を、或いは、入力または選択した単語を、読影チェック項目として抽出する単語抽出部と、
前記分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベースに格納する読影チェックリスト作成部と、
前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語に続く次の単語を検索する単語検索部と、
検索された単語を候補単語として表示する単語表示部として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5記載のプログラムにおいて、さらに、
検査情報から検査部位情報を抽出する検査部位抽出部として、また、
前記単語検索部は、読影チェックリストに従って、抽出した検査部位情報から予測される単語を検索し、
前記単語表示部は、検索された単語を候補単語として表示するように機能させるためのプログラム。
【請求項7】
医用画像を含む医療情報について所見とレポート画像を含む医用診断レポートに、データベースを参照して診断情報を入力する医用診断レポート作成支援方法において、
作成した医用診断レポートのインデックス情報を分類条件として医用診断レポートを分類し前記データベースに格納するステップと、
医用診断レポートの所見を単語単位に分割した読影箇所を特定する単語を読影チェック項目として抽出するステップと、
前記分類条件ごとに、それぞれの読影チェック項目に含まれる単語を対応付ける読影チェックリストを作成し前記データベースに格納するステップと、
入力または選択した単語を読影チェック項目として抽出するステップと、
前記格納された読影チェックリストに従って、前記単語抽出部で抽出した入力または選択した単語に続く次の単語を検索するステップと、
検索された単語を候補単語として表示するステップと
を備えることを特徴とする医用診断レポート作成支援方法。
【請求項8】
請求項7記載の医用診断レポート作成支援方法において、
さらに、検査情報から検査部位情報を抽出するステップと、
前記格納された読影チェックリストに従って、抽出した検査部位情報から予測される単語を検索するステップと、
検索された単語を候補単語として表示するステップと
を備えることを特徴とする医用診断レポート作成支援方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−145935(P2011−145935A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7026(P2010−7026)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]