説明

医療デバイスの収縮/偏向のための回転カム機構を備える制御ハンドル

【課題】医療デバイスを提供する。
【解決手段】医療デバイスは、回転カム、シャフト、及び滑車を用いた制御アセンブリを備える制御ハンドル16によって変化させることが可能な構成を有する遠位部材を有し、この回転カムは、使用者による回転のために、制御ハンドルの一部分上に回転式に載置される。回転カムは、シャフトに対して動作し、回転方向に応じて、近位又は遠位にシャフトを移動させ、このことが同様に滑車を回転させて、医療デバイスの遠位部材の構成を変化させるように牽引ワイヤーを引き出すか又は解放する。シャフトは、制御ハンドルの部分内の2つの軸方向誘導スロットを通って延び、回転カムの内表面上に形成された2つの対向する螺旋状の軌道に位置する、2つの末端部を有する。誘導スロットは、制御ハンドルの長手方向軸と平行であることにより、回転カムが回転して近位又は遠位にシャフトを移動させる際に、シャフトの直径配向を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルに関し、特に、医療デバイスの部分を偏向及び収縮させるための複数の制御機構を有する制御ハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
電極カテーテルは、長年にわたり医療行為で一般的に用いられている。電極カテーテルは心臓内の電気的活動を刺激及びマッピングし、異常な電気的活動が見られる部位を切除するために用いられる。心房細動は、一般的な持続性心不整脈であり、脳卒中の主な原因である。この病状は、異常な心房組織基質内で伝播するリエントラント型ウェーブレットによって持続される。ウェーブレットを遮断するために、外科的すなわちカテーテル媒介の心房切開を含めた、様々な方法が開発されている。病状を治療する前に、まず、ウェーブレットの位置を判定しなければならない。そのような判定を行うために、構造の内周周囲の肺静脈、冠状静脈洞、又は他の管状構造内の活動を測定するように適合されたマッピングアセンブリを備えるカテーテルの使用を含めた、様々な技術が提案されている。1つのそのようなマッピングアセンブリは、カテーテル本体を概ね横断し、その遠位にある、概ね円形の主要領域を含み、外周、及び主要領域の遠位にある概ね直線状の遠位領域を有する、管状構造を有する。管状構造は、少なくともマッピングアセンブリの主要領域上に、非導電性カバーを含む。形状記憶を有する支持部材が、少なくともマッピングアセンブリの主要領域内部に配置される。それぞれ2つの環電極を含む複数個の電極対が、マッピングアセンブリの概ね円形の主要領域によって担持される。
【0003】
使用中、電極カテーテルは、主要静脈又は動脈、例えば、大腿動脈に位置付けられている誘導シース内に挿入され、心室内に誘導される。心室内部で、カテーテルは、誘導シースの遠位端を通過して延び、マッピングアセンブリを露出させる。カテーテルは、マッピングアセンブリが心室内の管状領域に位置付けられるように、カテーテルの遠位部分の偏向を含む動作を介して操作される。カテーテルの正確な位置及び配向、並びにマッピングアセンブリの構成を制御する能力は、非常に重要であり、カテーテルがどれほど有用であるかを大きく決定する。
【0004】
可動型カテーテルは、一般的に公知である。例えば、米国再発行特許第34,502号は、その遠位端にピストンチャンバを有するハウジングを含む制御ハンドルを有するカテーテルを記載している。ピストンは、ピストンチャンバ内に載置され、長手方向の移動が可能である。細長いカテーテル本体の近位端が、ピストンに取り付けられる。牽引ワイヤーが、ハウジングに取り付けられ、ピストンを通り、カテーテル本体を通り、カテーテル本体の遠位端の先端区域内へと延びる。牽引ワイヤーの遠位端は、カテーテルの先端区域に係留される。この配置構成では、ハウジングに対するピストンの長手方向の移動が、カテーテル先端区域の偏向を生じさせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
米国再発行特許第34,502号に記載される設計は、全般的に、単一の牽引ワイヤーを有するカテーテルに限定される。双方向の偏向が望ましい場合には、2つ以上(more than on)の牽引ワイヤーが必要となる。更には、マッピングアセンブリの収縮などの、更なる制御が望ましい場合には、追加の牽引ワイヤーが必要とされる。制御ハンドル内部の空間は制限されており、牽引ワイヤー制御機構の操作は、リードワイヤー、ケーブル、及び潅注管などの制御ハンドルを通って延びる構成要素を妨害してはならない。更には、カテーテルが使用者によって片手で操作できるように、制御機構が配置構成されることが望ましい。したがって、好ましくは使用者の片手での操作を介した、カテーテルシャフトの双方向の偏向及びマッピングアセンブリの収縮などの、少なくとも2つの独立した動作のために、3つの牽引ワイヤーを移動させることが可能な制御ハンドルに対する要求が存在する。牽引ワイヤー、収縮ワイヤー、又は別の構成要素のいずれであっても、偏向/収縮を達成させる引張構成要素に、過度の応力又はよじれをもたらすことのない、偏向/収縮機構に対する更なる要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、回転カム、シャフト、及び滑車を用いた制御アセンブリを備える制御ハンドルによって変化させることが可能な構成を有する遠位部材を有する、医療デバイスを目的とし、この回転カムは、使用者による回転のために、制御ハンドルの一部分上に回転式に載置される。回転カムは、シャフトに対して動作し、回転方向に応じて、近位又は遠位にシャフトを移動させ、このことが同様に滑車を回転させて、医療デバイスの遠位部材の構成を変化させるように牽引ワイヤーを引き出すか又は解放する。シャフトは、制御ハンドルの直径に沿って配向される。シャフトは、制御ハンドルの一部分内の2つの軸方向誘導スロットを通って延び、回転カムの内表面上に形成された2つの対向する螺旋状の軌道に位置する、2つの末端部を有する。誘導スロットは、制御ハンドルの長手方向軸と平行であることにより、回転カムが回転して近位又は遠位にシャフトを移動させる際に、シャフトの直径配向を維持する。制御アセンブリによる牽引ワイヤーの作動によって、偏向、収縮、及び/又は拡張を含めた、遠位部材の構成の変化を生じさせることができる。
【0007】
一実施形態では、患者の心臓内での使用のための、特に心臓の管状領域のマッピングのためのカテーテルは、カテーテル本体と、カテーテル本体の遠位の偏向可能な中間区域と、を含む。中間区域の遠位には、心臓の管状領域上又は管状領域内に位置するように適合された概ね円形の部分を有する、マッピングアセンブリがある。カテーテルの制御ハンドルは、偏向制御アセンブリ及び回転制御アセンブリによって、中間区域を偏向させ、マッピングアセンブリを収縮させることができる様々な制御機構の片手操作を可能にする。偏向制御アセンブリは、偏向アーム及びロッカー部材を有する。回転制御アセンブリは、外側回転カム、シャフト、及び滑車を有する。一対の牽引部材が、偏向制御アセンブリに反応して、中間区域を双方向に偏向させる。第3の牽引部材が、回転制御アセンブリに反応して、マッピングアセンブリの概ね円形の部分を収縮させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、添付図面と合わせて考慮するとき、以下の詳細な説明を参照することにより、より十分に理解されるであろう。選択した構造及び特徴は、残りの構造及び特徴のより良好な表示を提供するために、特定の図面には示されていないことを理解されたい。
【図1】本発明のカテーテルの一実施形態の上部平面図。
【図2a】第1の直径に沿った、カテーテル本体と中間区域との連結部の一実施形態の側断面図。
【図2b】第1の直径に概ね垂直な第2の直径に沿った、図2aの連結部の実施形態の側断面図。
【図3】中間区域及びマッピングアセンブリを含む、図1のカテーテルの遠位部分の側面図。
【図4】線4−4に沿った、図3の中間区域の長手方向側断面図。
【図5】環電極の1つの配置構成を示す、マッピングアセンブリの概略図。
【図6】線6−6に沿った、図3のマッピングアセンブリの長手方向断面図。
【図7】図3のマッピングアセンブリの遠位端の一実施形態の側断面図。
【図8a】第1の直径に沿った、中間区域とマッピングアセンブリとの間の連結部の一実施形態の側断面図。
【図8b】第1の直径と概ね垂直な第2の直径に沿った、中間区域とマッピングアセンブリとの間の連結部の一実施形態の側断面図。
【図9】偏向制御アセンブリの実施形態を含む、制御ハンドルハウジングの半分体の一実施形態の上部平面図。
【図10】偏向制御アセンブリのロッカー部材の一実施形態の上部斜視図。
【図11】ロッカー部材の一実施形態の底面斜視図。
【図12】偏向制御アセンブリの滑車の一実施形態の側面図。
【図13a】中立構成及び回転構成における偏向制御アセンブリの一実施形態の概略図。
【図13b】中立構成及び回転構成における偏向制御アセンブリの一実施形態の概略図。
【図13c】中立構成及び回転構成における偏向制御アセンブリの一実施形態の概略図。
【図14】制御ハンドル上に載置される偏向制御アセンブリ及び張力制御アセンブリの一実施形態の長手方向断面図。
【図14a】保持ナット及び張力ネジの一実施形態を含む、図14の一部分の詳細図。
【図15】第1の制御ハンドルハウジングの半分体の一実施形態の部分斜視図。
【図16】偏向アームの一実施形態の斜視図。
【図17】張力制御ダイアルの一実施形態の斜視図。
【図18】係止プレートの一実施形態の斜視図。
【図19】制御ハンドルの一実施形態の一部分の部分的斜視図。
【図20】制御ハンドル上に載置された偏向アーム及び張力制御部材の一実施形態の一部分の部分的斜視図。
【図21】第2の制御ハンドルハウジングの半分体及び保持ナットの一実施形態の一部分の部分的斜視図。第2の制御ハウジングの半分体は、第1の制御ハンドルハウジングの半分体と反対になるように適合される。
【図22】組み立てられた状態の、図17の張力制御ダイアル及び図18の係止プレートの斜視図。
【図23】回転制御アセンブリの一実施形態の斜視図。
【図24】図23の回転制御アセンブリの分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照すると、本発明は、心臓のマッピング及び/又は切除に関する複数の制御能力を有するカテーテル10を目的とする。図1に示す実施形態では、カテーテル10は、細長いカテーテル本体12と、カテーテル本体12の遠位端の偏向可能な中間区域14と、中間区域14の遠位端のマッピングアセンブリ17を含む先端区域15と、このカテーテルの部分を制御するための、例えば、中間区域14を偏向させ、マッピングアセンブリ17を収縮させるためのカテーテル本体12の近位端の多機能性制御ハンドル16と、を含む。
【0010】
図2A及び図2Bを参照すると、カテーテル本体12は、単一の、中央すなわち軸性のルーメン18を含む。カテーテル本体12は可撓性、すなわち屈曲可能であるが、その長さに沿って実質的に圧縮不可能である。カテーテル本体12は、任意の好適な構造のものとすることができ、任意の好適な材料で作製することができる。好適な構造は、ポリウレタン又はナイロン製の外壁22を含む。外壁22は、カテーテル本体12の捩れ剛性を上昇させるために、ステンレス鋼などの埋め込み式の編組みメッシュを含むことにより、制御ハンドル16が回転されるとき、カテーテル10の先端区域が対応する方式で回転する。
【0011】
カテーテル本体12の外径は重要ではないが、好ましくは、約0.267cm(8フレンチ)以下である。同様に外壁22の厚さも重要ではない。外壁22の内表面は、任意の好適な材料、例えば、ポリイミドから作製することが可能な補強管20で覆われる。補強管20は、カテーテル本体12の近位端で、外壁22に対して適所に保持される。第1の糊接合部23は、第1の乾燥糊、例えば、Super Glue.RTMにより、補強管20の遠位端と外壁22との間に作られる。その後、第2の糊接合部25が、より遅乾性ではあるが、より強力な糊、例えば、ポリウレタンを使用して、補強管20の近位端と外壁22の近位端との間に形成される。
【0012】
補強管は、編組みされた外壁22と共に、改善された捩れ安定性を提供する一方で、同時にカテーテルの壁厚を最小化することによって、単一ルーメンの直径を最大化する。補強管20の外径は、外壁22の内径とほぼ同一であるか又は若干それよりも小さい。ポリイミド管材は、非常に薄い壁でありながら、非常に良好な剛性を提供し得るため、好適である。このことは、強度及び剛性を犠牲にすることなく、ルーメン18の直径を最大化する。ポリイミド材料は、屈曲する際によじれる傾向があるために、典型的には、補強管に使用されない。しかしながら、特にステンレス鋼の編組みメッシュを有する、ポリウレタン、ナイロン、又は他の同様な材料の外壁22と組み合わせると、ポリイミド補強管20が屈曲する際によじれる傾向は、カテーテルが使用される用途に関して、本質的に除去される。
【0013】
一実施形態では、外壁22は、約0.234cm(0.092インチ)の外径、及び約0.160cm(0.063インチ)の内径を有し、ポリイミド補強管20は、約0.1562cm(0.0615インチ)の外径、及び0.132cm(0.052インチ)の内径を有する。
【0014】
図2A、2B、及び図4に示すように、中間区域14は、複数の軸外ルーメン、例えば、第1のルーメン30、第2のルーメン31、第3のルーメン32、及び第4のルーメン33を有する、管材19の短い区域を含む。管材19は、好ましくは、カテーテル本体12よりも可撓性である、好適な非毒性材料で作製される。管材19に好適な材料は、編組みポリウレタン、すなわち編組みされたステンレス鋼のメッシュなどが埋め込まれたポリウレタンである。カテーテル本体12の外径と同様に、中間区域14の外径は、好ましくは、約0.267cm(8フレンチ)以下である。ルーメンの寸法は、重要ではない。一実施形態では、中間区域は約0.234cm(7フレンチ、0.092インチ)の外径を有し、ルーメンは、ほぼ同一の寸法であり、約0.056cm(0.022インチ)の直径を有し、選択されたルーメンは、約0.091cm(0.036インチ)のわずかに大きな直径を有することができる。
【0015】
カテーテル本体12を中間区域14に取り付ける手段の1つが、図2A及び図2Bに示されている。中間区域14の近位端は、ポリイミド補強材20の外表面を受容する内部カウンターボア24を含む。中間区域14とカテーテル本体12とは、糊29などによって取り付けられる。
【0016】
図2A及び図2Bに示すように、様々な構成要素、例えば、リードワイヤー及び複数の牽引部材、並びに任意の他のワイヤー又はケーブルが、カテーテル本体12の単一ルーメン18を通って延びる。カテーテル本体12に対する牽引部材の長手方向の移動は、使用者が制御ハンドルを介してカテーテルの様々な部品を制御することを可能にさせる。一実施形態では、牽引部材は、中間区域14を偏向させるための一対の偏向牽引部材42、及び先端区域15のマッピングアセンブリ17を調節するための収縮牽引部材35を含む。
【0017】
単一ルーメンカテーテル本体12は、単一ルーメン18本体が、カテーテル10を回転しているときに、より良好な先端制御を可能にすることができるため、多ルーメン本体よりも好ましい場合がある。単一ルーメン18は、その中を通過する構成要素が、カテーテル本体内部を自由に浮遊ことを可能にする。そのような構成要素が複数のルーメン内部で制限される場合には、それらの構成要素が、ハンドル16が回転されるときに、エネルギーを蓄積することによって、例えば、ハンドルが解放された場合には逆回転し、又は湾曲部周辺で屈曲した場合には裏返る傾向を有するカテーテル本体12をもたらす可能性があり、こうした傾向はいずれも望ましくない性能特性である。
【0018】
偏向牽引部材42は、カテーテル本体12の中央ルーメン18を通って、中間区域14の第2のルーメン31内へと延びる。別の偏向牽引部材42は、中央ルーメン18を通って、中間区域14の第4のルーメン33内へと延びる。偏向牽引部材42の遠位端は、Tアンカー83によって、中間区域14の遠位端付近の管材19の壁に係留される(図8B)。中間区域14では、各偏向牽引部材42は、プラスチックの、例えばTeflon.RTM.のシース81を通って延び、このシース81は、中間区域14が偏向されるとき、偏向牽引部材42が中間区域14の管材19の壁に切り込むことを防止する。
【0019】
図2Bに示すように、偏向牽引部材42に対して囲繞する圧縮コイル44は、カテーテル本体12の近位端から中間区域14の近位端へと延びる。圧縮コイル44は、任意の好適な金属、例えば、ステンレス鋼から作製される。圧縮コイル44は、それ自体にきつく巻き付けられ、可撓性、すなわち屈曲を提供するが、圧縮に抵抗する。圧縮コイル44の内径は、好ましくは、牽引ワイヤー42の直径よりもわずかに大きいものである。例えば、牽引部材42が約0.018cm(0.007インチ)の直径を有するとき、圧縮コイル44は、好ましくは、約0.020cm(0.008インチ)の内径を有する。牽引部材42をコーティングするTeflon.RTM.は、牽引部材42が圧縮コイル44内部を自由に摺動することを可能にする。圧縮コイル44の外表面は、可撓性で非導電性シース27で被覆され、圧縮コイル44とリードワイヤー及びケーブルなどの他の構成要素との間の接触を防止する。非導電性シースは、ポリイミド管材から作製することが可能である。
【0020】
圧縮コイル44は、その近位端で、糊接合部50(図2B)によって、カテーテル本体12内の補強管20の近位端に係留され、その遠位端で、糊接合部49(図2B)によって、第2のルーメン31及び第4のルーメン33内の中間区域14の近位端付近に係留される。
【0021】
図3を参照すると、中間シャフト14の遠位端に、マッピングアセンブリ17がある。マッピングアセンブリ17は、概ね直線状の近位領域38及び、概ね円形の主要領域39を含む。近位領域38は、以下で詳細に説明するように、近位領域38が中間区域14の概ね線形延長であるように、中間区域14上に載置される。一実施形態では、近位領域38は、例えば、中間区域14内部に含まれない、約3mm〜約12mmの範囲の、より好ましくは約3mm〜約8mmの範囲の、更により好ましくは約5mmの露出した長さを有するが、所望により異なり得る。
【0022】
概ね円形の主要領域39は、カテーテル本体12に対して、垂直とまではいかなくとも、概ね横断方向である。概ね円形の主要領域39は、平坦な円形を形成してもよく、又は極わずかに螺旋状であってもよい。一実施形態では、主要領域39は、約10mm〜約25mm、より好ましくは約12〜約20mmの範囲の外径を有する。概ね円形の主要領域39は、時計方向、又は反時計方向に湾曲させることが可能である。図5、6及び図7に示すように、マッピングアセンブリ17は、所望により任意の断面形状を有し得る、非導電性カバー又は管材52で形成される。非導電性カバー52は、任意の好適な材料で作製することが可能であり、好ましくは、ポリウレタン又はPEBAXなどの生体適合性プラスチックから作製される。非導電性カバー52は、概ね円形の主要領域39の、所望の概ね円形形状へと事前に形成することができる。あるいは、概ね円形の主要領域39の形状は、非導電性カバー52を通って延びる、ワイヤー又は他の構成要素によって画定することができる。
【0023】
図示の実施形態では、事前に形成された支持部材54が、非導電性カバー52を通って延び、概ね円形の主要領域39の形状を画定する。支持部材54は、形状記憶を有する材料、すなわち、力を加えると、その本来の形状から離れて伸張させるか又は屈曲させることが可能であり、かつ力を取り除くと、実質的に本来の形状に戻ることが可能である材料から作製される。支持部材54の好適な材料は、ニッケル/チタン合金である。このような合金は、典型的には、約55%のニッケルと45%のチタンを含むが、約54%〜約57%のニッケルと、チタンである残部を含んでもよい。好適なニッケル/チタン合金は、延性、強度、耐食性、電気抵抗、及び温度安定性と共に、優れた形状記憶を有する、ニチノールである。
【0024】
一連の環電極26は、図5に示すように、マッピングアセンブリ17の概ね円形の主要領域39の非導電性カバー52上に載置される。環電極26は、プラチナ若しくは金、又はプラチナ及びイリジウムの組み合わせなどの任意の好適な固体導電性材料で作製することが可能であり、糊などで非導電性カバー52の上に載置することが可能である。あるいは、環電極26は、非導電性カバー52を、プラチナ、金、及び/又はイリジウムなどの導電性材料でコーティングすることによって形成することができる。コーティングは、スパッタリング、イオンビーム蒸着、又は等価の技術を使用して適用することができる。好適なマッピングアセンブリは、米国特許第7274957号に記載され、その全ての開示は、参照により本明細書に組み込まれる。所望の場合、更なる電極(図示せず)を、中間区域14及び/又は概ね直線状の近位区域38に沿って載置することができる。
【0025】
収縮牽引部材35、例えば収縮牽引ワイヤーは、例えば、心臓の円形領域又は管状領域をマッピングするか又は切除する際に、概ね円形の主要領域39を収縮させることによって、その直径を変化させるか又は低減させるために提供される。収縮ワイヤー35は、制御ハンドル16内に係留される近位端を有し、以下で更に説明するように、この制御ハンドルを使用して収縮ワイヤーを操作する。収縮ワイヤー35は、カテーテル本体12の中央ルーメン18を通り、中間区域14の第3のルーメン32を通り、マッピングアセンブリ17の非導電性カバー52内へと延びる。非導電性カバー52を通って延びる収縮ワイヤー35の部分は、図6に最も良く示すように、概ね円形の主要領域39の、概ね円形の主要領域の中心により近い側に位置付けられる。概ね円形の主要領域の中心は、概ね円形の主要領域によって形成された円の中心を指す。この配置構成で、概ね円形の主要領域39の収縮は、収縮ワイヤー35の位置がさほど制御されていない配置構成よりも著しく改善される。
【0026】
図5及び図6に示すように、マッピングアセンブリ17内部で、収縮ワイヤー35は、プラスチック管55を通って延びる。一実施形態では、プラスチック管55は、当該技術分野において一般的に周知のように、その上に編組み層が形成されるポリイミドの内部層、編組みステンレス鋼メッシュなどを備える編組み層などを含めた、3つの層を含む。編組み層は、プラスチック管55の強度を増強し、収縮ワイヤー35が、マッピングアセンブリ17の事前に形成された湾曲を伸張させる傾向を、低減する。編組み層が非導電性カバー52内部でリードワイヤー40と絡まらないようにするために、ポリテトラフルオロエチレンの薄いプラスチック層が、編組み層上に提供される。プラスチック管55は、第3のルーメン32内で、糊などによって中間区域14の遠位端に係留される、近位端を有する(図8a)。支持部材54は、収縮ワイヤー35を有するプラスチック管55を通って延びる(図8a)。支持部材54の遠位端及び収縮ワイヤー35の遠位端は、小さなステンレス鋼管53に、はんだ付けされるか又は別の方法で取り付けられる(図7)。この配置構成で、収縮ワイヤー35及び支持部材54の相対位置は、上述のように、収縮ワイヤーを、概ね円形の領域39の、概ね円形の領域39の中心により近い側に位置付け得るように、制御することができる。湾曲の内側の収縮ワイヤー35は、支持部材54を湾曲の内側に引き寄せ、概ね円形の領域39の収縮を増強する。更に、プラスチック管55が編組み層を含む場合、編組み層は、収縮ワイヤー35が非導電性カバー52を貫通して引き裂くことを防ぐ。
【0027】
第3の圧縮コイル46が、カテーテル本体12及び中間区域シャフト14の内部で、収縮ワイヤー35を囲繞する関係で位置する(図2A)。第3の圧縮コイル46は、カテーテル本体12の近位端から中間区域14の第3のルーメン32の遠位端付近へと延びる。第3の圧縮コイル46は、例えば、ステンレス鋼などの任意の好適な金属で作製され、それ自体にきつく巻き付けられ、可撓性、すなわち屈曲を提供するが、圧縮に抵抗する。第3の圧縮コイル46の内径は、好ましくは、収縮ワイヤー35の直径よりもわずかに大きい。圧縮コイル46の外表面は、例えば、ポリイミド管材製などの、可撓性の非導電性シース68によって被覆される。第3の圧縮コイル46は、正方形又は長方形の断面積を有するワイヤーから形成することが可能であり、このことは、円形の断面積を有するワイヤーから形成される圧縮コイルよりも圧縮性を低くさせる。その結果、第3の圧縮コイル46は、より多くの圧縮を吸収するため、収縮ワイヤー35がマッピングアセンブリ17を収縮させるように操作されたときに、カテーテル本体12、特に、中間区域14を偏向させないようにする。
【0028】
第3の圧縮コイル46は、その近位端で、近位の糊接合部50によって、カテーテル本体12の外壁20に係留され、遠位の糊接合部72によって、中間区域14に係留される。
【0029】
カテーテル10全域の糊接合部は、ポリウレタンの糊などを含み得ることが理解されよう。糊は、管壁内に作製された孔を通して、シリンジなどによって適用することができる。そのような孔は、例えば、管壁を穿刺する針などによって形成することができ、その場合、針は永久的な孔を形成するために十分に加熱される。次いで、糊が、孔を通して導入され、管材内部の構成要素の周囲にウィッキングして、構成要素の全周囲の周りに糊接合部を形成する。
【0030】
図7に示す実施形態では、マッピングアセンブリ17の遠位端は、ポリウレタンの糊などのドーム51で密閉される。金属又はプラスチック、例えば、ポリアミドから作製される短いリング56が、非導電性カバー52の遠位端内に載置される。短いリング56は、非導電性カバー52の遠位端が崩壊することを防ぎ、それによって非導電性カバーの遠位端での直径を維持する。
【0031】
図8a及び図8bに示すように、中間区域14とマッピングアセンブリ17との連結部で、非導電性カバー52は、糊などによって中間区域14に取り付けられる。プラスチック管55は、その近位端を、中間区域14の遠位端内に挿入され、糊接着される。プラスチック管55からの糊(図示せず)は、第3のルーメン32内部に定置される第3の圧縮コイル46の遠位端を係留する役割を更に果たし得る。支持部材54は、第3のルーメン32から非導電性カバー52内部のプラスチック管55内へと延びる。支持部材54の近位端は、中間区域14の偏向させる能力に悪影響を及ぼさないように、第3のルーメン32の遠位端から近位の、約5mmの短い距離で終端する。しかしながら、所望の場合、支持部材54の近位端は、更に中間区域14及び/又はカテーテル本体12内へと、近位に延びることができる。
【0032】
環電極26に取り付けられたリードワイヤー40は、中間区域14の第1のルーメン30を通り(図2A)、カテーテル本体12の中央ルーメン18を通り、制御ハンドル16を通って延び、コネクタ(図示せず)内のこれらの近位端で終結し、このコネクタは、環電極26から受信される情報を受信して表示するための、適切なモニター又は他のデバイスに連結される。カテーテル本体12の中央ルーメン18、制御ハンドル16、及び中間区域14の近位端を通って延びるリードワイヤー40の部分は、ポリイミドなどの任意の好適な材料で作製することが可能な保護シース62内部に封入される。保護シース62は、それをポリウレタンの糊などでリードワイヤールーメン30内に糊接着して糊接合部73を形成することによって、その遠位端で、中間区域14の近位端に係留される。
【0033】
リードワイヤー40は、任意の従来技術によって、環電極26に取り付けられる。一実施形態では、各環電極26は、最初に非導電性カバー52内に孔を形成することによって載置される。電極リードワイヤー40は、孔を通して送り込まれ、環電極26は、リードワイヤー及び非導電性カバー52上の定位置で溶接される。
【0034】
図1を参照すると、制御ハンドル16は、好適な成形プロセスによって構成されたプラスチックなどの、任意の好適な剛性材料で作製することが可能な、概ね細長いハンドルハウジングを含む。図示の実施形態では、ハウジングは、互いに概ね鏡像関係であって、糊、超音波接合、又は他の好適な手段によって、ハウジングの周囲の長手方向の周囲継ぎ目28に沿って接合される、2つの対向する半分体16a及び16bを含む。図示の実施形態では、対向する半分体によって形成されるハンドル16の横断面は、ハンドルの長さに沿って変化する。より遠位の部分112は、より小さく、概ね長方形の横断面を有する。中央部分114は、より大きく、概ね長方形の横断面を有する。より近位の部分116は、概ね円形の横断面を有する。
【0035】
図1及び図9に示す実施形態では、制御ハンドル16は、中央部分114内に、偏向制御アセンブリ74の構成要素を収容する。偏向制御アセンブリは、中間区域14の偏向を制御するように操作者によって直接操作されることが可能な、偏向部材すなわちアーム75を含む。偏向アーム75は、制御ハンドルの長手方向軸に対して概ね横断方向であるか又は垂直である軸76を中心として回転可能である。偏向制御アセンブリ74は、偏向牽引部材42に対して作用し、中間区域14を偏向させる回転可能のロッカー部材78を有する。
【0036】
ロッカー部材78は、長さLの寸法、幅Wの寸法、及び厚さTの寸法を有する(図10及び図11)。その厚さ寸法Tに沿って、ロッカー部材78は、全体の厚さを貫通して延びる中心孔すなわち通路143を画定する、2つの対向する環状形成物140a及び140bで構成される。中心孔143は、偏向アーム75の回転軸76と合致する。その長さ寸法Lに沿って、ロッカー部材78はまた、中心孔143を挟んで互いに対向する、2つのより小さい孔146も有する。各孔には、滑車147、例えば、軸76に平行な回転軸を有するスナップベアリング(図12)が位置している。各偏向牽引部材42は、スロット148を通ってロッカー部材に進入し、一部分は、対応する滑車147の周囲に巻き付けられる。
【0037】
当業者には理解されるように、ロッカー部材78及び滑車147は、軸76を中心とするロッカー部材の一方向での回転が、一方の牽引部材42を引き戻して、中間区域14をその方向へ偏向させるように配置構成される。図13a〜13cを参照すると、ロッカー部材78を偏向アームを使用して回転させると(線75によって示すように)、滑車147が中立位置(図13a)から変位し、一方の滑車147は、牽引部材42を、その係留された近位端に対抗してカテーテル本体12の一方の側で引き出し、その側へ向けて中間区域14を偏向させる(図13b及び図13c)。
【0038】
各偏向牽引部材42は、複数のセグメントを含み得る。図9に示すように、各偏向牽引部材は、ロッカー部材78より遠位の制御ハンドル16内部の位置で接合されるか又は接続される、遠位の牽引ワイヤー42a及び近位の繊維42bを有する。各偏向牽引部材の牽引ワイヤー42a及び引張繊維42bは、連結装置154によって、例えば、収縮管材によって被覆された圧着黄銅フェルールによって、互いに接続されるか又は固定される。各牽引ワイヤー42aは、カテーテル本体12及び中間区域14を通って延びる。各引張繊維42bは、制御ハンドル16の内側に延びる。このように、滑車147と相互作用し、偏向操作中に繰り返される屈曲及び伸張を受けるのは、より可撓性の引張繊維42bであるが、これは、引張繊維42bが曲げ応力及び疲れ破損を受けにくいためである。
【0039】
各牽引ワイヤー42aは、ステンレス鋼又はニチノールなどの、任意の好適な金属で作製される。好ましくは、各牽引ワイヤーは、Teflon.RTM.のコーティングなどの、低摩擦コーティングを有する。各牽引ワイヤーは、好ましくは約0.015cm(0.006インチ)〜約0.0305cm(0.012インチ)の範囲の直径を有する。好ましくは、双方の牽引ワイヤーは、同一の直径を有する。平坦な牽引ワイヤーを、丸い牽引ワイヤーの代わりに使用してもよい。平坦な牽引ワイヤーの断面寸法は、丸い牽引ワイヤーと同等の引張強度を提供するようなものにするべきである。
【0040】
各引張繊維42bは、好ましくは、実質的に2480〜3200Mpa(412〜463ksi)の範囲の最大引張強度を有する、高分子密度ポリエチレン(例えば、Spectra(商標)又はDyneema(商標))、又は紡糸パラ−アラミド繊維ポリマー(例えば、Kevlar(商標))、又は溶融紡糸液晶ポリマー繊維ロープ(melt spun liquid crystal polymer fiber rope)(例えば、Vectran(商標))、又は高強度セラミック繊維(例えば、Nextel(商標))などの、高弾性率の繊維材料のものとすることができる。「繊維」(fiber)という用語は、引張繊維(tensile fiber)が織られた又は編まれた構造体であり得るという点で、本明細書では複数形の繊維(fibers)という用語と互換的に使用される。いかなる場合においても、これらの材料は可撓性の傾向があり、カテーテル先端部を偏向させる際のより大きな動作のために滑車などとの巻き付き係合に使用される場合に、適切な耐久性を提供する。更に、それらの材料は実質的に非伸縮性であり、このことが制御ハンドルの操作に対する反応性を増大させ、また非磁性であることにより、MRIで概ね透明に見える。材料が低密度であることは、その材料を、X線機器に対してほぼ透明にさせる。材料は、短絡を防止するために、非電導性とすることもできる。例えば、Vectran(商標)は、高い強度、高い耐摩耗性を有する、電気絶縁体、非磁性のポリマーであり、持続した負荷状態の下での低い伸長性を有する。
【0041】
図9に示す実施形態では、各引張繊維42bは、連結装置154からロッカー部材78に向かって近位に延び、そこで各引張繊維は、対応する滑車147の周囲に巻き付き、約180度回転して、制御ハンドルの遠位端に向かって逆戻りする。引張部材42bの各近位端は、一対又は複数のラック92、スラグ94、及びストップ96を含むアンカーアセンブリ90によって係留される。各引張繊維22bの近位端は、一対のラック92によって画定されたチャネル91の間に延び、各引張繊維の近位端は、チャネル91内に適合し、並進するように寸法決めされた成形部材すなわちスラグ94の内部に包み込まれるスラグよりも近位に、例えば、ラック及びストップ内に形成された互いに噛み合う歯98などの手段によって、ラック92に沿って選択された位置に調節可能に位置決めされ、移動に対抗して、選択された場所に解放可能に係止する、ストップ96がある。ストップ96は、スラグ94がそれらを通過して近位に移動することを阻止する一方で、各対応する引張繊維42bが、ストップ96を通って、又はその下を摺動することができるように形成される。したがって、ストップ96は、スラグ94の近位への移動を制限し、引張繊維42bの近位端を係留して、引張繊維42bそれぞれが偏向制御アセンブリ74により近位に引き出されるときに、偏向を達成させる。2つのハウジングの半分体16a、16bを接合する前の、制御ハンドル16の組み立て中に、ストップ96は、各引張部材での所望の張力を達成するように、ラック92の間に選択的に位置付けられる。互いに噛み合うラック92の歯98及びストップ96は、張力を設定する際の微調整を可能にする。
【0042】
制御ハンドル16上の偏向アーム75及び張力調節部材101を含む、偏向制御アセンブリ74の構造及び組み立てを以下に説明する。図14及び図14aを参照すると、アセンブリ74のロッカー部材78は、制御ハンドル16の2つの半分体16aと16bとの間に位置し、環状形成体140a及び140bのそれぞれは、ハウジングの半分体16a及び16bのそれぞれの遠位部分114内に形成された開口部120a、120bをそれぞれ通って延びる。
【0043】
環状形成体140aは、偏向アーム75の接面154(図16)から突出する突出部152を受容して、偏向アーム75とロッカー部材78とを回転式に連結させる、開口部120a(図15)を通って露出する凹部160(図10)を有する。突出部152は、凹部160内にスナップ嵌めすることができ、かつ/又は接着剤、糊、超音波接合などによって固定することができる。偏向アーム75からの中央の円形突出部156は、ロッカー部材78の環状形成体140aによって外接された孔143内に適合する。好適な偏向アセンブリ及び制御ハンドルが、2008年12月30日に出願され「DEFLECTABLE SHEATH INTRODUCER」と題された、同時係属中の米国特許出願第12/346,834号に記載されており、その全ての開示は、参照により本明細書に組み込まれる。偏向感度を有する別の好適な偏向アセンブリは、2008年9月16日に出願され「CATHETER WITH ADJUSTABLE DELFECTION SENSITIVITY」と題された、同時係属中の米国特許出願第12/211,728号に記載されており、その全ての開示は、参照により本明細書に組み込まれる。それらにおいて、偏向感度ノブに反応するカムは、2つの滑車147間の分離距離を変化させることによって、偏向アームの偏向感度を変更することができる。
【0044】
様々な機構及び部品によってロッカー部材78と結合し、かつ間接的に係合している偏向張力調整部材すなわちダイアル101(図17及び図20)は、偏向アーム75に対向しており、偏向アーム75を回転させることができる容易性を操作者が調整することを可能にする。ハウジングの半分体16b上に主として載置される、張力調節アセンブリ100の図示の実施形態は、調節ダイアル101(図17)、係止プレート102(図18)、張力キャップネジ103、保持ナット136、及びワッシャ119(図14及び図14aを参照)を含む。使用者は、ダイアル101を回転させて、ワッシャ119(例えば、ベルビル型)及び制御ハンドルハウジングの半分体16bに対して、ロッカー部材78を効果的に圧縮するか又は解放することによって、偏向アーム75の回転移動の締め付け又は張力を調節する。
【0045】
ダイアル101は概ね円形の断面を有し、周縁115は摩擦を誘起する表面を有する(図17)。中央の円形突出部105及び複数個の突起部106(図17)は、ダイアルの直径に沿って位置し、ダイアル101の表面104から突出する。
【0046】
係止プレート102は、ダイアル101とハンドルハウジング16bとの間に挟まれる(図20)。係止プレート102(図18)は、中央のより大きな孔107、及び2つのより小さな孔108を有し、その3つの全ては、係止プレートの全体の厚さを貫通して延びる。ダイアル101の2つの突起部106は、より小さな孔108を通ってプレート102(図21)内に挿入され、ハウジングの半分体16bの外表面内に形成された半円形の溝109(図19)内に受容されるように適合される。溝109は、時計方向及び半時計方向での、ダイアル101の回転角度を制限する。プレート102の中央孔107(図18)は、より大きな円形横断面107a及びより小さな円形横断面107bを含む、異なる横断面を有する。より大きな円形横断面107aは、キャップネジ103の頭112を受容し、より小さな円形横断面107bは、キャップネジ103のネジ付き本体115を受容する(図14a)。
【0047】
係止プレート102の中央孔107を通って延びるキャップネジ103のネジ付き本体115は、ロッカー部材78の開口部143内に位置する保持ナット136と係合する。ナットの頭115は、ロッカー部材78の開口部143の内表面に形成されたネック132に対して接触し、係留される。ハウジングの半分体16b内の開口部120b(図21)は、より大きな横断面122及びより小さな横断面124を有する。より小さな横断面124は、ナット136がハウジングハンドル16bに対する回転に対して効果的に係止されるように、ナット136の多角形(例えば、六角形)の末端部126と一致する多角形の形状を有する。
【0048】
ダイアル101の中央突出部105(図17)は、キャップネジ103の頭112との圧力嵌め又は締まり嵌めを形成して、これらの2つの構成要素の間に回転整列を作り出す。ダイアル101の突起部106は、ダイアル101と係止プレート102とを係止して回転連結させ、キャップネジ103は、係止プレート102に回転連結される。ダイアル101と係止プレート102との連結はまた、2つの構成要素を共に溶接することによって達成することもできる。その場合、突起部106は、ダイアル101から突出する必要はないが、その代わりに、係止プレート102から延びることができる。
【0049】
ナット136の多角形の末端部126とハウジングハンドル16bとの間に、ワッシャ119があり、ナット136及びハウジングハンドル16bに対するワッシャ119の圧縮が、キャップネジ103とナット136との間の係合を締め付けるか又は解放するダイアル101の使用者による回転によって調節可能であり、それゆえ、ロッカー部材78、またしたがって偏向アーム75を回転させることができる容易性を増大させるか又は減少させる。
【0050】
例えば、リードワイヤー40及び収縮ワイヤー35を含めた、制御ハンドルを通って延びる構成要素も、制御ハンドルに遠位端で進入する。図9に示す実施形態では、これらの構成要素は、制御ハンドルの長手方向軸に沿って延びる。構成要素がその中を通って延びる保護管材152(protective tubing 152)が、2つの偏向牽引部材42の間に、ロッカー部材78の幅寸法Wを貫通して形成されたチャネル150を通って配置され、提供することができる(図11)。チャネル150の遠位部分及び近位部分は、ロッカー部材78が、所定の角度範囲内で、例えば、制御ハンドル16の長手方向軸に対して約±45度で、管材152(tubing 152)及びその中を通る構成要素によって妨害されることなく、自由に回転することができるように、例えば三角形又は楔型の、へこみ151(図9及び図11)を有する。
【0051】
あるいは、収縮ワイヤー35を除く、制御ハンドルを通って延びる構成要素は、制御ハンドル16の遠位端内への入口で偏向牽引部材42から枝分かれする、軸外の経路153上に経路指定される。したがって、構成要素は、ロッカー部材78を避けて、ハウジングハンドルの周辺部に沿って延びる。
【0052】
圧縮コイル44の遠位端と中間区域14内の各偏向牽引部材42の遠位の係留部位との間の距離が、偏向牽引部材方向への中間区域14の湾曲を決定することが理解されよう。例えば、2つの偏向牽引部材42が圧縮コイル44の遠位端から異なる距離で係留される配置構成は、第1の平面内に長いリーチの湾曲、並びに第1の平面から90度の平面内に短いリーチの湾曲を可能にし、すなわち、偏向される前の中間区域14の軸に概ね沿う1つの平面内にある、第1の湾曲、及び第1の平面に対して横断方向の、好ましくは垂直の平面内にある、第1の湾曲に対して遠位の第2の湾曲を可能にする。カテーテルの中間区域14の高いトルク特性は、一方向での偏向が、その偏向を他の方向に変形させる傾向を減少させる。そのようなカテーテルでの使用に好適な偏向制御ハンドル及びその部品は、1997年9月5日に出願され「Omni−Directional Steerable Catheter」と題された、米国特許出願第08/924,611号、1998年8月7日に出願され「Bi−Directional Control Handle for Steerable Catheter」と題された、同第09/130,359号、及び1998年8月28日に出願され「Bidirectional Steerable Catheter with Bidirectional Control Handle」と題された、同第09/143,426号に記載されており、その全ての開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
第3の牽引部材、例えば、収縮ワイヤー35によってマッピングアセンブリ17を調節するために、制御ハンドル内の2つの偏向牽引部材42の間に延びる収縮ワイヤーの遠位端は、回転制御アセンブリ200による作動のために制御ハンドル内に係留される。図23に示す実施形態では、回転制御アセンブリ200は、外側回転カム202、滑車シャフト204、及び第3の牽引部材35が周りに巻き付けられる滑車206を含む。カム202は、制御ハンドルの近位部分116を密接に囲繞し、近位部分116が円筒形の形状を有するため、回転カムは、近位部分と円周方向関係にあることにより、近位部分の外表面208上で、近位部分116の長手方向中心軸205を中心として回転可能であり、使用者と回転制御アセンブリ200の内部構成要素との間の、回転式インターフェースとしての機能を果たし得る。その関連で、外表面208は、カム202が最小限の摩擦力で外表面208上を回転することができるように、十分に平滑である。摩擦を誘起する表面がカム202の外表面上に提供され、使用者による操作及び回転を容易にすることができる。
【0054】
カム202の下方の近位部分116は、近位部分116の長手方向軸205に平行な方向で軸方向に延びる、2つの直径方向で対向する誘導スロット208を有する。カム202は、その内表面上に、長手方向軸205を中心に延びる、2つの対向する螺旋状の軌道すなわち溝210を有する。螺旋状の溝210は、長手方向軸に垂直ないずれの平面も、近位部分116の直径に沿って溝と交差するように構成される。シャフト204は、2つの誘導スロット208の間で直径方向に延び、長手方向軸205に概ね垂直な角度で、近位部分の内部を横断する。誘導スロット208は、シャフト204がスロットを通過して、その2つの反対側末端部212のそれぞれを、カムの内表面上の対応する螺旋状の溝内に受容させることができるように寸法決めされる。そのため、シャフトの長さは、近位部分116の外径よりも大きいが、カム202の外径よりは小さい。したがって、螺旋状の溝210は、末端部212を受容し、末端部がその中で摺動することが可能であるように寸法決めされる。
【0055】
第3の牽引部材が巻き付けられる滑車206は、シャフト上に、例えばシャフトの長さの中間点に、又はその付近に載置される。牽引ワイヤー又は収縮ワイヤーを含めた、任意の好適な材料であり得る第3の牽引部材は、誘導スロットの遠位端から遠位の位置で、制御ハンドルに、又は制御ハンドル内部の任意の他の堅固に載置された構成要素に係留される近位端(図示せず)を有する。カテーテル本体12に対する収縮ワイヤー35の長手方向の移動によって、例えば、マッピングアセンブリ17の収縮及び拡張を、達成することができる。
【0056】
図1、23、及び図24の実施形態を参照すると、回転制御アセンブリ200は、偏向制御アセンブリ74の近位に位置付けられるが、回転制御アセンブリ200を偏向制御アセンブリ74の遠位に位置付けてもよいことが理解されよう。開示される実施形態では、カム202は、制御ハンドルの近位部分116上に載置される。カム202は、近位部分上で摺動する固体片として形成することができ、シャフト204の2つの末端部212の上からスナップ嵌めされる。あるいは、カムは、シャフトの2つの末端部の上から、互いにスナップ嵌めされるか、又は糊若しくは超音波接合によって接合される、2つの半分体で形成することができる。
【0057】
操作中、回転制御アセンブリ200は、カム202によって操作される。使用者が、制御ハンドル16を保持し、マッピングアセンブリを収縮させるか又は拡張させるために、使用者の親指及び人差し指でカムを回転させると、内表面上の2つの対向する螺旋状の軌道210が、近位部分116に対して回転されることにより、軌道210内に受容される末端部212を介して、シャフト204に対し、制御ハンドルの中心長手方向軸205を中心として直径方向で回転する力が加わる。しかしながら、シャフト204は、近位部分116の誘導スロット208を通って延びるため、誘導スロットは、末端部212が螺旋状の軌道210内を摺動する際に、カム202の回転方向に応じて、長手方向軸に沿った近位又は遠位への並進運動に、シャフトを制限する。シャフト204が近位又は遠位に移動すると、シャフト204上の滑車206が、対応して近位又は遠位に移動することにより、第3の牽引部材35を引き出すか又は解放する。有利には、回転制御アセンブリは、使用者によって制御される動作の量に関しての、より高い感度を使用して、第3の牽引部材の直線運動の増大をもたらす。図24に開示される実施形態では、各螺旋210は、約540°(360°+180°)の回転を有する。しかしながら、各螺旋の回転は、どの程度の収縮/偏向が望ましいか、及び/又はどの程度の感度が望ましいかに応じて、約180°〜720°の範囲であり得ることが理解されよう。
【0058】
リードワイヤー及び他の構成要素(例えば、熱電対ワイヤー、ケーブル、潅注管)は、回転制御アセンブリの内部構成要素を妨害しないように、保護管材内で近位部分116を通って延びる。
【0059】
使用中、好適な誘導シースが患者内に挿入され、その遠位端が、望ましいマッピング位置に位置付けられる。本発明に関連して使用するための好適な誘導シースの例は、Biosense Webster,Inc.(Diamond Bar,Calif.)から市販の、Preface(商標)Braiding Guiding Sheathである。シースの遠位端は、心室のうちの1つ、例えば、心房内に誘導される。本発明によるカテーテルは、その遠位端が誘導シースの遠位端から外へ延びるまで、誘導シースを通して供給される。カテーテルが誘導シースを通して供給される際、マッピングアセンブリ17は、伸張され、シースをかろうじて通リ抜ける。カテーテルの遠位端が望ましいマッピング位置に位置付けられると、誘導シースは、近位に引き出され、偏向可能な中間区域14及びマッピングアセンブリ17が、シースの外側に延びることが可能になり、マッピングアセンブリ17は、支持部材54の形状記憶により、その本来の形状に戻る。
【0060】
偏向制御アセンブリ74の偏向アーム75を操作及び回転させ、中間区域14を偏向させることによって、次いで、マッピングアセンブリ17は、アセンブリ17の概ね円形の主要領域39の外周が管状領域の内側の周囲と接触するように、肺静脈又は他の管状領域(上大静脈又は下大静脈など)内に挿入される。偏向アーム75の一方向への回転は、中間区域14をその方向に偏向させる。偏向75の反対方向への回転は、中間区域14をその反対方向に偏向させる。偏向75の張力は、ダイアル101を操作及び回転させることによって調節される。ダイアル101の一方向への回転は、張力を増加させる。ダイアル101の反対方向への回転は、張力を減少させる。概ね円形である主要領域の周囲の、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約70%、更により好ましくは少なくとも約80%は、管状領域の内側の周囲に接触する。
【0061】
電極26の円形の配置構成によって、管状構造の周囲での電気的活動の測定が可能になることにより、電極間の異所性拍動を特定することができる。概ね円形の主要領域39の寸法は、円形主要領域が、肺静脈又は冠状静脈洞の直径に概ね対応する直径を有するため、肺静脈の直径、又は心臓の、若しくはその付近の他の管状構造の直径に沿った電気的活動の測定を可能にする。回転アセンブリ200のカム202を操作及び回転させることによって、アセンブリ17、特に、概ね円形の主要領域39は、肺静脈又は他の冠状構造に適合するように収縮される。
【0062】
本発明の特徴によれば、カムの回転運動が、制御ハンドルの中心長手方向軸に沿った、シャフト及び滑車の直線運動を生じさせる。シャフトは、カムが回転されると、カムの螺旋状の溝に沿って進む。制御ハンドルの近位部分の、対向する直線状の誘導スロットは、シャフトがその概ね垂直な配向を維持することを確実にして、近位部分に対するシャフトの直線運動を生じさせる。シャフトが長手方向軸に沿って並進すると、滑車もまた移動し、その直線変位は、第3の牽引部材の2倍の直線変位を生じさせる。開示される実施形態では、収縮ワイヤーは、カムを一方向に回転させると、回転制御アセンブリによって近位に引き出されて、概ね円形の領域39の直径を締め付けて減少させる。カムを反対方向に回転させることによって、収縮ワイヤー35が解放され、概ね円形の領域39がその直径を拡張させるように、概ね円形の領域39を解放する。
【0063】
前述の説明は、本発明の現在好ましい実施形態を参照して提示されてきた。当業者は、記載した構造の代替及び変更が、本発明の原理、趣旨、及び範囲を大きく逸脱することなく実施できることを理解するであろう。本発明は、開示される電気生理学カテーテルを含めた医療デバイス内部で、挿入、除去、若しくは張力を必要とする、牽引ワイヤー、収縮ワイヤー、又は任意の他の対象物の直線運動を増大させるために適用可能であることが理解されよう。当業者によって理解されるように、図面は必ずしも縮尺通りではない。したがって、上述の記載は、記述され以下の添付図に説明された厳密な構造のみに関係付けられるものとして読解されるべきではなく、むしろ、以下の最も完全で公正な範囲を有するとされる特許と一致し、かつそれらを補助するものとして読解されるべきである。
【0064】
〔実施の態様〕
(1) 細長い本体と、
前記細長い本体の遠位にある部材であって、前記部材は1つの構成を有する、部材と、
前記細長い本体の近位にある制御ハンドルであって、前記制御ハンドルは長手方向軸を有する、制御ハンドルと、
回転カム、シャフト、及び滑車を含む制御アセンブリであって、前記回転カムが、前記制御ハンドルの一部分と円周方向関係にあり、前記長手方向軸を中心とする回転に適合され、前記回転カムが、2つの対向する螺旋状の軌道を備える内表面を有し、前記制御ハンドルの前記一部分が、前記長手方向軸と平行に延びる2つの対向する直線状の誘導スロットを有し、前記シャフトが、前記制御ハンドルの前記一部分の直径に沿って、前記長手方向軸に対して概ね垂直に延び、前記シャフトが、2つの反対側末端部を有し、それら末端部のそれぞれが、対応する誘導スロットを通って延び、対応する螺旋状の軌道内に受容され、前記滑車が、前記シャフト上に載置される、制御アセンブリと、
前記滑車の周りに巻き付けられる牽引部材と、を含み、
使用者による、前記長手方向軸を中心とする前記回転カムの回転が、前記制御ハンドルに対する、前記長手方向軸に沿った前記シャフトの移動を作動させることにより、前記滑車を介して、前記牽引部材に対し、前記部材の前記構成を変化させるように作用する、医療デバイス。
(2) 前記使用者が前記回転カムを回転させるとき、前記部材が収縮する、実施態様1に記載の医療デバイス。
(3) 前記使用者が前記回転カムを回転させるとき、前記部材が拡張する、実施態様1に記載の医療デバイス。
(4) 前記部材が偏向される、実施態様1に記載の医療デバイス。
(5) 前記シャフトが、前記回転カムによって作動されるとき、その長手方向軸を中心として回転し、前記制御ハンドルの前記長手方向軸に沿って並進する一方で、前記長手方向軸に対して概ね垂直に維持される、実施態様1に記載の医療デバイス。
(6) 前記回転カムが、円周方向関係にある前記制御ハンドルの前記一部分の外側にある、実施態様1に記載の医療デバイス。
(7) 前記カムの一方向での回転が、前記遠位部材を拡張させ、前記カムの反対方向での回転が、前記遠位部材を収縮させる、実施態様1に記載の医療デバイス。
(8) 前記シャフトの前記末端部は、前記カムが回転されると、前記螺旋状の溝に沿って進む、実施態様1に記載の医療デバイス。
(9) 前記シャフトは、前記カムが回転されると、長手方向軸に対して概ね垂直に維持される、実施態様1に記載の医療デバイス。
(10) 前記シャフトは、前記カムが回転されると、前記直線状の誘導スロットの内部に沿って移動する、実施態様1に記載の医療デバイス。
【0065】
(11) カテーテル本体と、
前記カテーテル本体の遠位にある偏向可能な中間区域と、
前記中間区域の遠位にあるマッピングアセンブリであって、前記マッピングアセンブリは概ね円形の部分を有する、マッピングアセンブリと、
前記カテーテル本体の近位にある制御ハンドルであって、前記制御ハンドルは、
偏向制御アセンブリと、
回転カム、シャフト、及び滑車を含む制御アセンブリであって、前記回転カムが、前記制御ハンドルの一部分と円周方向関係にあり、前記長手方向軸を中心とする回転に適合され、前記回転カムが、2つの対向する螺旋状の軌道を備える内表面を有し、前記制御ハンドルの前記一部分が、前記長手方向軸と平行に延びる2つの対向する誘導スロットを有し、前記シャフトが、前記制御ハンドルの前記一部分の直径に沿って、前記長手方向軸に対して概ね垂直に延び、前記シャフトが、2つの反対側末端部を有し、それら末端部のそれぞれが、対応する誘導スロットを通って延び、対応する螺旋状の軌道内に受容され、前記滑車が、前記シャフト上に載置される、制御アセンブリと、を有する、制御ハンドルと、
前記中間区域を偏向させるように適合された、前記偏向制御アセンブリに反応する第1及び第2の牽引部材と、
前記マッピングアセンブリの前記概ね円形の部分を収縮させるように適合された、前記回転制御アセンブリに反応する第3の牽引部材と、を含む、カテーテル。
(12) 前記第3の牽引部材の近位端が、前記シャフトの遠位の位置で、前記制御ハンドルの内側に係留される、実施態様11に記載のカテーテル。
(13) 前記回転カムが、円周方向関係にある前記制御ハンドルの前記一部分の外側にある、実施態様11に記載のカテーテル。
(14) 前記使用者が前記回転カムを回転させるとき、前記マッピングアセンブリが収縮する、実施態様11に記載のカテーテル。
(15) 前記使用者が前記回転カムを回転させるとき、前記マッピングアセンブリが拡張する、実施態様11に記載のカテーテル。
(16) 前記シャフトが、前記回転カムによって作動されるとき、その長手方向軸を中心として回転し、前記制御ハンドルの前記長手方向軸に沿って並進する一方で、前記長手方向軸に対して概ね垂直に維持される、実施態様11に記載のカテーテル。
(17) 前記回転カムが、円周方向関係にある前記制御ハンドルの前記一部分の外側にある、実施態様11に記載のカテーテル。
(18) 前記カムの一方向での回転が、前記遠位部材を拡張させ、前記カムの反対方向での回転が、前記遠位部材を収縮させる、実施態様11に記載のカテーテル。
(19) 前記シャフトの前記末端部は、前記カムが回転されると、前記螺旋状の溝に沿って進む、実施態様11に記載のカテーテル。
(20) 前記シャフトは、前記カムが回転されると、長手方向軸に対して概ね垂直に維持される、実施態様11に記載のカテーテル。
【0066】
(21) 前記シャフトは、前記カムが回転されると、前記直線状の誘導スロットの内部に沿って移動する、実施態様11に記載のカテーテル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い本体と、
前記細長い本体の遠位にある部材であって、前記部材は1つの構成を有する、部材と、
前記細長い本体の近位にある制御ハンドルであって、前記制御ハンドルは長手方向軸を有する、制御ハンドルと、
回転カム、シャフト、及び滑車を含む制御アセンブリであって、前記回転カムが、前記制御ハンドルの一部分と円周方向関係にあり、前記長手方向軸を中心とする回転に適合され、前記回転カムが、2つの対向する螺旋状の軌道を備える内表面を有し、前記制御ハンドルの前記一部分が、前記長手方向軸と平行に延びる2つの対向する直線状の誘導スロットを有し、前記シャフトが、前記制御ハンドルの前記一部分の直径に沿って、前記長手方向軸に対して概ね垂直に延び、前記シャフトが、2つの反対側末端部を有し、それら末端部のそれぞれが、対応する誘導スロットを通って延び、対応する螺旋状の軌道内に受容され、前記滑車が、前記シャフト上に載置される、制御アセンブリと、
前記滑車の周りに巻き付けられる牽引部材と、を含み、
使用者による、前記長手方向軸を中心とする前記回転カムの回転が、前記制御ハンドルに対する、前記長手方向軸に沿った前記シャフトの移動を作動させることにより、前記滑車を介して、前記牽引部材に対し、前記部材の前記構成を変化させるように作用する、医療デバイス。
【請求項2】
前記使用者が前記回転カムを回転させるとき、前記部材が収縮する、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記使用者が前記回転カムを回転させるとき、前記部材が拡張する、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記部材が偏向される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記シャフトが、前記回転カムによって作動されるとき、その長手方向軸を中心として回転し、前記制御ハンドルの前記長手方向軸に沿って並進する一方で、前記長手方向軸に対して概ね垂直に維持される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記回転カムが、円周方向関係にある前記制御ハンドルの前記一部分の外側にある、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記カムの一方向での回転が、前記遠位部材を拡張させ、前記カムの反対方向での回転が、前記遠位部材を収縮させる、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記シャフトの前記末端部は、前記カムが回転されると、前記螺旋状の溝に沿って進む、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記シャフトは、前記カムが回転されると、長手方向軸に対して概ね垂直に維持される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記シャフトは、前記カムが回転されると、前記直線状の誘導スロットの内部に沿って移動する、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項11】
カテーテル本体と、
前記カテーテル本体の遠位にある偏向可能な中間区域と、
前記中間区域の遠位にあるマッピングアセンブリであって、前記マッピングアセンブリは概ね円形の部分を有する、マッピングアセンブリと、
前記カテーテル本体の近位にある制御ハンドルであって、前記制御ハンドルは、
偏向制御アセンブリと、
回転カム、シャフト、及び滑車を含む制御アセンブリであって、前記回転カムが、前記制御ハンドルの一部分と円周方向関係にあり、前記長手方向軸を中心とする回転に適合され、前記回転カムが、2つの対向する螺旋状の軌道を備える内表面を有し、前記制御ハンドルの前記一部分が、前記長手方向軸と平行に延びる2つの対向する誘導スロットを有し、前記シャフトが、前記制御ハンドルの前記一部分の直径に沿って、前記長手方向軸に対して概ね垂直に延び、前記シャフトが、2つの反対側末端部を有し、それら末端部のそれぞれが、対応する誘導スロットを通って延び、対応する螺旋状の軌道内に受容され、前記滑車が、前記シャフト上に載置される、制御アセンブリと、を有する、制御ハンドルと、
前記中間区域を偏向させるように適合された、前記偏向制御アセンブリに反応する第1及び第2の牽引部材と、
前記マッピングアセンブリの前記概ね円形の部分を収縮させるように適合された、前記回転制御アセンブリに反応する第3の牽引部材と、を含む、カテーテル。
【請求項12】
前記第3の牽引部材の近位端が、前記シャフトの遠位の位置で、前記制御ハンドルの内側に係留される、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記回転カムが、円周方向関係にある前記制御ハンドルの前記一部分の外側にある、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記使用者が前記回転カムを回転させるとき、前記マッピングアセンブリが収縮する、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記使用者が前記回転カムを回転させるとき、前記マッピングアセンブリが拡張する、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記シャフトが、前記回転カムによって作動されるとき、その長手方向軸を中心として回転し、前記制御ハンドルの前記長手方向軸に沿って並進する一方で、前記長手方向軸に対して概ね垂直に維持される、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記回転カムが、円周方向関係にある前記制御ハンドルの前記一部分の外側にある、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記カムの一方向での回転が、前記遠位部材を拡張させ、前記カムの反対方向での回転が、前記遠位部材を収縮させる、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記シャフトの前記末端部は、前記カムが回転されると、前記螺旋状の溝に沿って進む、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記シャフトは、前記カムが回転されると、長手方向軸に対して概ね垂直に維持される、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項21】
前記シャフトは、前記カムが回転されると、前記直線状の誘導スロットの内部に沿って移動する、請求項11に記載のカテーテル。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図14】
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【図14a】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−115679(P2012−115679A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−264494(P2011−264494)
【出願日】平成23年12月2日(2011.12.2)
【出願人】(508080229)バイオセンス・ウエブスター・インコーポレーテツド (79)
【Fターム(参考)】