説明

医療器具を展開するための送達システム

カテーテル上に装着された医療器具を選択的に覆い、また露出する様式で相互に対して移動する同心管に、対面端部で接続されるシースを含む、カテーテル。シースの一部分は、一方の管に関連するもう一方の管の軸方向運動が、反転ポイントを装置上または離れた位置に同時に移動させ、選択的に、医療器具を覆うかまたは露出するように、それ自体の上で反転するように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、送達カテーテル等の低侵襲的送達システムに医療器具を装着し、その器具を標的部位で展開するための機器および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
概略的には大動脈疾患、詳細には大動脈弁狭窄症の治療に対して、非常に効果的で安全な代替案を提供するための経皮的大動脈弁置換(PAVR)技術の開発が進んでいる。歴史的に、大動脈弁置換術には、付随リスクおよびコストを伴う手術が必要であった。外科手術による欠損心臓弁の置換は、まず胸部を開き、患者に体外循環または末梢動静脈補助心臓を装着して一時的に心停止させ、弁欠損を露出させ切除し、その後、その場所に人工弁を移植するというステップを必要としている。この施術は、患者の長期入院が必要な不便さ、ならびに大がかり且つしばしば広範囲に痛みを伴う回復が必要であるというデメリットがあった。安全で効果的だが、置換術は高度の複雑さと多額のコストが必要となる。しかしながら、一部の患者にとって、1つまたは多くの考えられる理由によって手術は選択肢とはならない。このため、動脈疾患を患う患者の多くが、処置を受けることができない。
【0003】
心臓切開移植に関するリスクに対処するため、心臓弁をより低侵襲の手段によって置換するための装置および方法が開発されている。例えば、カリフォルニア、アーバインにあるCoreValve社は、送達カテーテルに挿入できる折り畳みおよび拡張可能な支持フレームに固定された人工弁を開発した。このような人工器官は、低侵襲で脈管構造を通過して配置することができ、患者のリスクは低く、且つ外傷は極めて小さい。CoreValve社の生体人工器官の記述および様々な実施形態は、米国特許第7,018,406号明細書および7,329,278号明細書、および出願公開2004/0210304号公報および2007/0043435号公報に掲載されている。低侵襲心臓弁置換術の使用によって、患者の回復は、外科手術の場合より極めて早くなる。CoreValve社の装置における支持フレームは、ニチノールのような形状記憶材料から作られる。他のカテーテル送達式弁置換システムはステンレス鋼を使用するか、または剛性フレームに依存しない。
【0004】
今日まで成功的に実証されてきたように、経皮経管術を用いる経皮大動脈弁置換術は、展開のため、人工弁を弁疾患部位に送達し、そして、バルーンを使用して弁支持体をネイティブ管腔に対して拡張させるか或いは現場で自己拡張支持体を露出させ弁支持体を適所で拡張させることによって進められる。後者では、自己拡張フレームが、標的部位に到着するまでの送達の間、シースに覆われている。フレームは、シースが引かれた際の早期展開を避けるため、カテーテルに固着されているのが有利である。CoreValve社の人工器官において、ハブは、2つの横方向ボタンを備え、送達の間、それぞれのボタンの周囲に各フレームジグが存在している。シースの内部半径方向への力が、フレームを、横方向ボタンの周囲の適所のフレームジグを含むカテーテル上に圧縮した状態を保つ。カテーテルは、概略的には、人工器官を支持する内側の管とシースを支持する外側の管の少なくとも2つの管を含み、シースは人工器官に対して移動できる。
【0005】
従来の心臓血管介入療法と同様に、経皮経管(trans-catheter)装置の配置は、正常血流に対して逆行するか、または血流と順行して進められる可能性がある。大動脈弁置換術において、大腿動脈を介しての挿入は逆行型で、腸骨動脈、下行大動脈を通り、大動脈弓を通り、ネイティブの弁輪に到達するように進められる。幾つかの場合において、挿入は、大動脈弓にさらに近い部分、例えば左鎖骨下動脈を介して行われる。順行性治療は、送達が静脈系を通して経中隔的にネイティブの大動脈弁輪に到達するかどうかで実施されてきた。最近では、心臓外科医が左室心尖を介して標的部位にカテーテルを送達するトランスアピカル治療が実施されている。
【0006】
逆行性配置では、装置が弁輪部位の望ましい位置に位置決めされるように、カテーテルが脈管構造内を進行していくことが一般的には望ましい。開発中の幾つかの実施形態では、望ましい部位は弁輪自体である。CoreValve社の装置では、望ましい部位は、所与の相対的長さで、弁輪から上行大動脈へ延在する。大腿部経由法においては、CoreValve社の器具が所望部位に位置決めされると、(好ましくは、ネイティブ弁輪に位置決めされた)器具の流入部が拡張しネイティブ弁尖を径方向外方に押す位置まで、シースは後退させられる。シースは、軸線方向に後退し続け、人工器官が露出するにつれて拡張し、最終的に、シースは、ハブ耳に依然として固定されている人工器官の流出部だけを覆うことになる。体内での装置の軸線方向位置の任意の再調整を、処置中の電子視覚フィードバックに基づいて、この処置中に行うことができる。適切に位置決めされると、シースは完全に後退させられ、器具は適所で完全に拡張し、カテーテルは基部の中心を通って脈管構造から引き抜かれる。シースを遠位方向に後退させ人工器官の流出部がまず展開するように人工器官を展開させることが可能であるが、このような構成では、シースの遠位側に連結されたカテーテルの外側の管を遠位方向に動かすことが必要である。大腿部切開の逆行性送達の場合、外側の管が左心室へ大きく突出するという望まれない事態をひきおこすかもしれない。順行性の方法、例えば、トランスアピカル送達では、逆の状況が存在する。先ずネイティブ弁輪で人工器官の流入部を露出させるためにシースを遠位方向に前進させることがより望ましい。ネイティブ生体構造は、シースを支持している外側の管が、大動脈弓に向かって上行大動脈を前進するため、この遠位側展開に適応し得る。逆行性の方法のように、一度人工器官弁が完全に配置されると、カテーテルは人工器官の中心を介して後退させられ、心尖を介して取外される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
低侵襲心臓弁置換術では、自己拡張型弁付きフレームのシース(またはカプセル)への装着が、フレームがシースを出入りする移動を抑制する摩擦力によって困難になることがあることが解る。自己拡張型フレームに伴う半径方向力が、シースに対するフレームの軸線方向運動中に、フレームをシースの内壁に押しつけている。摩擦はより大きな軸線方向力に変わり、この力が滑らか且つ信頼性のある装着に適用され遠位シース内からフレームを展開する。精密さが求められる場合、より大きな軸線方向力を加えることが必要となるこのような摩擦は、正確な配置をより困難にする。従って、装着と展開を行う間に、摩擦力の抑制特質を軽減する送達カテーテルを用いた自己拡張型弁付きフレームを装着および展開するのに適したシステムと方法に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、医療器具を患者に低侵襲で送達するための実施形態を含む。本機器は、選択的に医療器具を覆い、露出する方法で相互に対して移動する同心管の対向する先端部に接続されるシースを含む。シースの一部分は、反転ポイントを生じながらシース自体の上で反転するように構成されている。他方の管に対する一方の管の軸線方向運動が、同時に、反転ポイントを、医療器具上かまたはこれから離れた位置に移動させることが考えられる。この態様では、反転ポイントと器具(例えば、自己拡張型フレーム等)の間は、殆ど摩擦が無い接触となる。考えられるように、本願特許請求の範囲に記載された発明は、2以上の反転ポイントを含む様々な異なる実施形態において採用され得る。以下、本発明の実施形態のこれら及び他の特徴、態様、および利点を、本発明の実施形態を源的にではなく示す装置および方法の図面を参照して、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】A〜Cは、器具送達システムの1つの実施形態の断面図であり、外側の管に対する内側の管の軸線方向の順次的な動きを示す。
【図2】A〜Cは、器具送達システムの第2の実施形態の断面図であり、外側の管に対する内側の管の軸線方向の順次的な動きを示す。
【図3】AおよびBは、器具送達システムのもう一つの実施形態の断面図であり、外側の管に対する内側の管の軸線方向の順次的な動きを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1A〜図1Cを参照すると、医療器具12のために改良された送達システム10の1つの代表的な実施形態が、遠位端部16および近位端部18を有するカテーテル14を備えている。図示された例示の医療器具12は自己拡張型フレームである。
【0011】
カテーテル14は、さらに第1の内側の管22および外側の管24を含む。外側の管24の遠位端部で、キャップ26が外側の管24に取り付けられている。キャップ26は、好ましくは、最末端の遠位端部が、滑らかに丸みを帯びた表面を有するように構成されている。本明細書での説明を単純化するために、図1Aは、内側の管22の遠位端部が、外側の管24の遠位端部に近位側に位置決めされているシステム10を示し、図1Bは近位方向に引かれた内側の管22を示すのに対して、図1Cはさらに近位方向に引かれた内側の管を示す。
【0012】
カテーテル14は、さらに、好ましくは、これらの分野で使用されるような弾性柔軟材料から作られるシース30を含む。シースは、全体または一部が、組物構造、織物構造、或いは縫合構造を備え、ポリマーを備え、又は膨張可能なバルーンを備えていてもよい。シース30の第1の端部32は、外側の管24の遠位端部に取り付けられたキャップ26の外面に取り付けられている。シース30の第2の端部34は、内側の管22の遠位端部の外面に取り付けられている。図1Aで示されるように、シース30は標的部位に送達するための折り畳み位置に医療器具12を拘束するように構成されている。
【0013】
シース30は、カテーテル14の外部表面上にそれ自体が重なり、遠位端の近位側に反転ポイント36を形成するように構成されている。シース30は、キャップ26の滑らかに丸みを帯びた遠位表面へ適合し、内側の管が近位方向へ後退させられるにつれてキャップの上を摺動し反転ポイント36を遠位側に移動させるように形成されている。図1Aから図1Cはこの過程を示す。シース30は反転ポイント36が遠位方向に移動するように後退させられるにつれて、医療器具12は徐々に露出され、所望のように拡張させる。
【0014】
図1A〜図1Cで示される実施形態において、内側の管22は、外側の管24の遠位キャップ26を超えて遠位側に前進する必要はない。実際に、カテーテル14は、医療器具12の標的部位よりもさらに遠位側に位置される必要はない。このように、本実施形態を用いた医療器具の配置は、多くの可能な方向の一つの方向で、脈管構造を介して経管腔的に行われ得る。例えば、大動脈弁置換術において、医療器具12が拡張可能な弁付きフレームであるときには、カテーテル14を、大腿経由で、端部動脈経由で、または鎖骨下動脈経由で通すことができる。医療器具12は、動脈または静脈系を介して、順行または逆行で送達できる。医療器具12を展開した後、カテーテル14の全体を標的部位から近位側に後退させても良い。
【0015】
カテーテル14の外側の管24への医療器具12の装着は、外側の管24の外面上に医療器具を折り畳み、次いで反転ポイント36が医療器具12上を近位側に移動するように外側の管24に対して内側の管22の遠位側に移動させることを伴うことが解る。図1Aで示されるように、反転ポイントがその最近位部に到達したとき、カテーテル14は医療器具12を送達するために使用できる。自己拡張型フレームの場合、例えば、温度の低下によって折り畳みが誘導される。拡張可能な風船フレームの場合、機器12は多くの既知の様式で外側の管24を押さえつけることができる。その場合、外側の管24は、現場展開用の膨張型風船を含む。
【0016】
図1A〜図1Cの実施形態の変形例が図2A〜図2Cに示され、構成要素は同一のものである。カテーテル114の実施形態において、シースの第2末端部34は、近位方向ではなく遠位方向への内側の管22の効果的な前進を可能とするように、内側の管22に取付けられている。内側の管22が遠位方向に向かうにつれて、反転ポイント36もまた遠位方向に進み、医療器具12は露出する。図2A〜図2Cの実施形態は、図1A〜図1Cの実施形態で上述されているように、様々な送達方向で使用され得るが、このカテーテル実施形態14を使用した医療器具12への標的部位は、内側の管22を効果的に前進させることができるように、標的部位の遠位側に十分な空間があることが望ましい。
【0017】
図3Aおよび図3Bを参照すると、第3の実施形態が示されている。本実施形態では、医療器具212は、上記カテーテル14および114と類似しているが幾分異なる構成のカテーテル214内にシースに覆われている。カテーテル214は、近位端部216および遠位端部218を有し、また内側の管222および外側の管224を備え、これら外側の管および内側の管は互いに移動することができる。カラー226が、内側の管222の外側に固定されている。医療器具212を覆っているシース230は、カラー226に取り付けられた第1の先端部232と、外側の管224の外方遠位端部に取りつけられた第2の先端部234を有している。シース230は、遠位位置に反転ポイント236を作り出すように構成されている。外側の管224が近位方向に後退させられると、反転ポイント236も同様に近位方向に移動し、他の実施形態で説明されたのと同様に医療器具212を露出させる。
【0018】
これらの任意の実施形態、またはこれら実施形態の任意の変形例において、医療器具が展開中に静止しておらず標的部位に対して移動することになるが、医師が医療器具を露出させるために内側または外側の管を選択的に操作してもよいことが解る。例えば、第1の実施形態において内側の管22を近位方向に後退させる代わりに、外側の管24が遠位方向に前進させることで、医療器具12を露出させることができる。結果は同様であり、反転ポイント36が遠位方向に前進する。同様に、図2A〜2Cの実施形態で、内側の管を遠位方向に前進させるのではなく外側の管24を近位方向に後退させてもよく、また図3A〜3Cの実施形態で、外側の管を近位方向に進めるのではなく内側の管222を遠位方向に後退させてもよい。
【0019】
反転するシースを使用して医療器具を装着し展開する方法の1つの利点は、シースが摺動運動よりむしろ主に転動によって、医療器具を選択的に覆いまた露出することであり、この結果、医療器具とシースの間の摩擦がより少なくなる。これは、シースを後退させるために必要な力を減少させ、例えば、送達カテーテルの圧縮および伸張を減少することによって、展開位置のより高い調節を可能にする。加えて、医療器具が自己拡張型フレームに接合された人工器官組織利用心臓弁を備えている場合、患者の体温によってフレームを元の拡張形状に戻ろうとさせることができ、これによって、シースに対して外向きの力を与える。展開中、シースと医療器具の間の摩擦が、組織利用心臓弁および接合部に損傷を与える可能性がある。従って、摺動運動ではなく回転動を用いて、シースと医療器具の間に生じる摩擦を減少させることは、医療器具への損傷を減少させるのを助け、医療器具の状態を保つことに役立つ。他の場合において、医療器具は薬剤または生体活性材料でコーティングされている場合があり、シース外にコーティングされたステントを摺動させることによって生じる摩擦は、薬剤または生体活性材料のいくらかの部分を除去する結果となり得る。
【0020】
幾つかの実施形態において、医療器具に接触するシースの表面は粘着性であってよく、それは、粘着性の表面が摩擦的に医療器具と係合し、医療器具とシースの間の摺動運動を減少させることを可能にする。例えば、ポリウレタンまたは別の熱可塑性エラストマーのような高分子材料を表面に塗布すること、または、粘着素材で表面を形成することにより、この表面を粘着性にできる。
【0021】
反転する際にシース自体に接触するシースの表面は、潤滑コーティングを備えるか、または潤滑素材で作成されるのがよいことが解る。潤滑コーティングまたは潤滑素材は、例えば、PTFE、ePTFE、親水性材料、または反転したシースがシース自体の上を摺動する際の摩擦を減少させる他の任意の材料から作成され得る。所望により、シースは張力が加わった際に、シースの伸張を最小限に抑えるように補強されてもよい。例えば、軸線方向に配向した、超高分子量ポリエチレン、ケブラー、カーボン、鋼鉄、チタニウム、モノフィラメント形状、または繊維状のもののような引張係数の高い素材を有する張力ベルト(図示せず)を、シース内またはシース上に組み込むのがよい。
【0022】
施術中、前述のカテーテルは、特に、正確な配置が重要とされる心臓弁の送達に適している。他の重大な、およびより重大でない標的部位もまた考えられる。自己拡張型の大動脈弁置換術の場合、カテーテルは、他の可能性がある挿入方法の中で、大腿、経中隔、末端または鎖骨下動脈を介して、送達され得る。1つの施術において、カテーテルは、弁付きフレームが標的部位と全体的に整列するように(例えば、大動脈弁輪が上行大動脈まで)配置される。フレームは、それから送達の方向次第で、外側の管に対して内側の管を前進させること(図2の実施形態)、または同じく逆に(図1の実施形態)、または外側シャフトの引き戻し(図3の実施形態)のいずれかによって、一方の先端部から他の先端部まで露出される可能性がある。フレームが露出されていくと、フレームは、外側に拡張して血管内膜に係合し、配置精度は最大化する。シースが、完全に取り除かれ、フレームが最も拡張すると、カテーテルはそれから機能的人工弁を通して引かれ、患者から取り除かれる。
【0023】
本発明の実施形態が、特定の好ましい実施形態および例で開示されているが、本発明の実施形態が、具体的に開示されている実施形態の枠を超えて他の代替の実施形態および/または発明への使用と自明な変更例およびその均等物に及ぶということが、当業者に理解できる。特に、本装着システムおよび方法は、特に好ましい実施形態の状況において説明されているが、技術者は、開示を考慮して、特定の利点、特性、システムの態様が他の様々な出願において実現され、そのうち多数が上述されているということを理解できる。加えて、前述の本発明の様々なシステムの態様および特性は独立して、組み合わさって、または相互に置換されて実施されることができ、また特徴と態様の種々のコンビネーションおよびサブコンビネーションを行うことができ、こららも依然として本発明の範囲内に入る。このように、本明細書で開示される本発明の範囲は、上記の開示された実施形態に限定されず、特許請求の範囲の正しい解釈によってのみ決定されるべきである。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図3A】

【図3B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
低侵襲で医療器具を患者体内の標的部位に送達する機器であって、
静止位置でその上に折り畳まれた医療器具を受け入れるのに適した外面を有する第1の管と、
前記第1の管に対して移動可能で該第1の管と組合わされる第2の管と、
シース材であって、前記第1の管に取り付けられた第1の端部と前記第2の管に取り付けられた第2の端部とを有し、前記機器に装着された際に、該シース材の一部が、前記医療器具の少なくとも一部を覆うシース材とを備え、
前記第1および前記第2の管は、一方の管が他の管に対して移動されたとき、前記シース材に反転ポイントを作るように同心円上に整列し、
前記機器は、標的部位で前記医療器具が拡張することが望まれたとき前記医療器具が露出して拡張するように、前記機器に装着される際に一方の管に対する他の管の移動が医療器具に対して前記反転ポイントを移動させるように構成されている、
ことを特徴とする機器。
【請求項2】
前記第1の管が、前記シース材の一部がその上を摺動し得る滑らかな表面を有するキャップを備えている、
請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記シース材が、前記シース材に張力が加わった際に、伸張を最小限にするように補強されている、
請求項1に記載の機器。
【請求項4】
前記シース材が、反転された時に、前記シース材自体と接触する滑らかなコーティングを表面に備えている、
請求項1に記載の機器。
【請求項5】
カテーテル上に装着される医療器具の送達方法であって、
第1の管を同心の第2の管に対して位置決めし、前記第1の管に取付けられた第1の端部と前記第2の管に取り付けられた第2の端部とを有するシース材が少なくとも1つの反転ポイントを形成するようにするステップと、
前記第1の管を前記第2の管に対して第1の方向に移動させ、前記医療器具が、前記反転ポイントの軸線方向運動により、前記シース材の一部によって、少なくとも部分的に覆われるようにするステップと、
患者の体内に前記カテーテルを送達し、前記医療器具が、所望の治療標的部位に対して位置決めするステップと、
前記第1の管を前記第2の管に対して第2の方向に移動させ、前記反転ポイントが、前記機器を拡張することが所望されるとき、前記医療器具が露出するように移動し、それによって前記標的部位で前記医療器具の拡張が可能になるようにするステップと、を備えている、
ことを特徴とする送達方法。
【請求項6】
前記第2の管に対する前記第1の管の第1の方向への移動が、前記第1の管の前記方向に前記反転ポイントを移動させる、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の管に対する前記第1の管の第1の方向への移動が、前記第1の管の反対方向に前記反転ポイントを移動させる、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
患者の体内の部位に医療器具を送達するための機器であって、
カテーテルを備え、該カテーテルが、
遠位端部および近位端部と、
一方が少なくとも部分的に他方の内側に位置し相互移動可能な第1および第2の管と、
前記管の一方の外面に設けられた前記医療器具を受ける領域と、
前記医療器具を保持するための可撓性シースであって、前記領域に配置した際に、外側部分および内側部分を有するようにそれ自体の上に折り重なり、前記外側部分は、前記管の移動が、少なくとも部分的に前記領域を覆う位置から少なくとも部分的に前記領域を露出する位置までの前記シースの前記外側部分の移動を引き起こすように、前記管の一方に直接的または間接的に取付けられている可撓性シースと、を備えている、
ことを特徴とする機器。
【請求項9】
前記シースの外側部分が、少なくとも部分的に前記領域を露出させるように、遠位方向に移動可能である、
請求項8に記載の機器。
【請求項10】
前記シースが直接的または間接的に前記内側の管に取り付けられ、前記内側の管の移動によって、前記シースの前記外側部分が少なくとも部分的に前記領域を露出させるように移動可能である、
請求項8に記載の機器。
【請求項11】
前記内側の管が、前記シースの前記外側部分を移動させて、少なくとも部分的に前記領域を露出させるように、前記近位方向へ移動可能である、
請求項10に記載の機器。
【請求項12】
前記内側の管が、前記シースの前記外側部分を移動させて、少なくとも部分的に前記領域を露出させるように、前記遠位方向へ移動可能である、
請求項10に記載の機器。
【請求項13】
前記シースが直接的または間接的に前記外側の管に取り付けられ、
前記シースの前記外側部分は、前記外側の管の移動によって、少なくとも部分的に前記領域を露出させるように移動可能である、
請求項8に記載の機器。
【請求項14】
請求項1に記載の前記機器および医療器具を含むキット。
【請求項15】
請求項8に記載の前記機器および医療器具を含むキット。
【請求項16】
前記医療器具が自己拡張型装置である、
請求項14に記載のキット。
【請求項17】
前記医療器具が自己拡張型装置である、
請求項15に記載のキット。
【請求項18】
前記医療器具が心臓弁人工器官である、
請求項14に記載のキット。
【請求項19】
前記医療器具が心臓弁人工器官である、
請求項15に記載のキット。

【公表番号】特表2012−502751(P2012−502751A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527958(P2011−527958)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/057315
【国際公開番号】WO2010/033698
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(511070031)メドトロニック コアヴァルヴ エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】