説明

医療機関における駐車場予約装置

【課題】診察予約とともに駐車場予約を行い、駐車場の空きがないことによる患者の不便を解消することができる駐車場予約装置および方法を提供すること。
【解決手段】診察区分とそれに対応する診察時間とを予め記憶する診察時間記憶手段と、診察に付随する複数の事項とそれに所要する時間とを、予め記憶する付随所要時間記憶手段と、診察予約を行う際に、ユーザ端末にて入力された診察予定日時、診察区分、患者識別子等を含む診察予約情報に基づいて、診察時間記憶手段から取得した診察時間を用いて、予測診察時間を算出する診察時間予測手段と、診察予約情報に基づいて、付随所要時間記憶手段から取得した複数の付随所要時間と、予測診察時間とを用いて、駐車開始・終了時刻を決定する駐車時刻決定手段と、診察予約情報に含まれる患者識別子と、駐車開始時刻と、駐車終了時刻とを駐車情報記憶手段に記憶する駐車場予約手段と、を備える駐車場予約装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診察予約とともに、駐車場予約を行うことができる駐車場予約装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院や診療所等の医療機関において患者が医師から診察を受ける日時を、医師又は患者がコンピュータを用いて予約することができるようにした診察予約のシステムが数多く提案されている。それらのシステムの中には、医療機関に車で訪れる患者が多いことに着目し、診察予約システムに、医療機関の駐車場(以下、単に駐車場という)の空き状況を提供する機能を備えた病院受付方法(特許文献1)や駐車場の待ち時間を提供する機能を備えた診察予約システム(特許文献2)がある。
【特許文献1】特開2002−73804号公報
【特許文献2】特開平9−282380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、駐車場の空き状況や待ち時間を確認してから患者が医療機関に向かったとしても、患者が駐車場に着いた時には駐車場の空きがなくなっていることや、待ち時間が長くなっていることがある。そのため、患者は駐車場が空くまで待つか、医療機関の駐車場ではなく遠くの一般の駐車場に車を駐車することとなる。その結果、診察予約をしている患者が診察時間に間に合わず他の患者の診察が遅れる、医療機関の空いている駐車場がないために一般の駐車場や路上に車を駐車する、車を駐車するため予約時刻よりも早くに医療機関に来なければならない等の不便が生じている。
【0004】
本発明は上記課題に鑑み、診察予約とともに駐車場予約を行い、駐車場の空きがないことによる患者の不便を解消することができる駐車場予約装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)診察予約システムに診察予約を行うユーザ端末とネットワークを介して接続され、前記診察予約とともに医療機関の駐車場予約を行う駐車場予約装置であって、
複数の診察区分それぞれを識別する診察区分識別子と前記複数の診察区分それぞれに対応する複数の診察に所要する見込み診察時間とを対応付けて、予め、記憶する診察時間記憶手段と、
診察に付随する複数の事項それぞれを識別する付随事項識別子と前記診察に付随する複数の事項それぞれに所要する見込み付随所要時間とを対応付けて、予め、記憶する付随所要時間記憶手段と、
前記診察予約を行う際に、前記ユーザ端末にて入力された少なくとも診察予定日時、診察科、複数の患者それぞれを識別するための患者識別子を含む診察予約情報に基づいて、前記診察時間記憶手段から取得した見込み診察時間を用いて、患者識別子にて特定される患者の予測診察時間を算出する診察時間予測手段と、
前記診察予約情報に基づいて、前記付随所要時間記憶手段から取得した複数の見込み付随所要時間と、前記予測診察時間とを用いて、駐車開始時刻および駐車終了時刻を決定する駐車時刻決定手段と、
前記診察予約情報に含まれる患者識別子と、前記駐車開始時刻と、前記駐車終了時刻とを駐車情報記憶手段に記憶する駐車場予約手段と、
を備える駐車場予約装置。
【0006】
(1)の構成によれば、駐車場予約装置は、診察時間記憶手段から診察予約情報に基づいて取得された1以上の見込み診察時間を用いて算出した患者の予測診察時間と、付随所要時間記憶手段から診察予約情報に基づいて取得された複数の見込み付随所要時間とを用いて駐車開始時刻および駐車終了時刻を決定する。また、駐車場予約装置は、診察予約情報に含まれる患者識別子および診察予定日時と、駐車開始時刻と、駐車終了時刻とを駐車情報記憶手段に記憶することにより駐車場予約を行う。
【0007】
ここで、「診察区分」とは、診察を区分する項目であり、例えば、診察科目、担当医師、検査項目、患者の病状等である。また、「診察に付随する事項」とは、診察に医療機関を訪れた患者が行う診察以外の事項であり、例えば、会計、駐車場から外科への移動、診察待ち等である。「駐車場」とは、1台の車を止めることができる場所が集まり、複数台の車を止めることができる場所を意味する。また、「医療機関の駐車場」とは、医療機関が所有する駐車場に限らず、医療機関と提携している近隣の駐車場も含む。
【0008】
それにより、患者は、診察予約とともに駐車場予約を行うことができるので、診察に訪れた際に、空いている駐車場がないという事態が発生せず、空いている駐車場がないことによる路上駐車や駐車場が空くまで待つことによる見込み診察時間の遅れを解消することができ、患者の不便を解消できる。また、前記診察予約システムに診察予約を行うために、ユーザ端末に入力する情報を活用して駐車場予約を行うことができることにより、ユーザは新たな作業負担無しに駐車場予約を行うことができる。また、予測診察時間と、診察に医療機関を訪れた患者が行う診察に付随する複数の事項それぞれに所要する見込み付随所要時間とを用いることにより、駐車開始時刻および駐車終了時刻を決定することにより、適切な時間、駐車場を確保することができる。その結果、患者に駐車場利用の機会を多く提供することができ、空いている駐車場がないといった不便を解消することができる。
【0009】
(2)患者の診察予定日が同一であって、かつ、診察科目が異なる診察予約を行う際に、
更に、前記診察予約情報に含まれる診察予定日、患者識別子に基づいて前記駐車情報記憶手段を検索して、前記患者識別子の患者が前記診察予定日に駐車場予約を行っているか否か確認する予約確認手段を備え、
前記予約確認手段にて、前記診察予定日に駐車場予約を行っていることが確認された際に、
前記駐車時刻決定手段は、前記駐車開始時刻の決定に、前記診察予約情報に含まれる診察予定日および患者識別子に基づいて前記駐車情報記憶手段から取得した駐車開始時刻を更に用い、前記駐車終了時刻の決定に、前記診察予約情報に含まれる診察予定日および患者識別子に基づいて前記駐車情報記憶手段から取得した駐車終了時刻を更に用いる(1)に記載の駐車場予約装置。
【0010】
(2)の構成によれば、駐車場予約装置は、駐車場予約を行おうとしている駐車場利用予定日に患者が既に駐車場予約を行っているか確認を行う予約確認手段を備え、前記駐車時刻決定手段が駐車開始時刻を決定する際に、診察時間予測手段にて算出された予測診察時間、および付随所要時間記憶手段から取得した複数の付随所要時間だけでなく、既にされている駐車場予約の駐車開始時刻をも用い、また、駐車終了時刻を決定する際に、診察時間予測手段にて算出された予測診察時間、および付随所要時間記憶手段から取得した複数の付随所要時間だけでなく、既にされている駐車場予約の駐車終了時刻をも用いる。それにより、駐車場予約の際に、先にされている同一駐車場利用予定日の駐車場予約を考慮し、それら駐車場予約をつなぎ合わせて1つの駐車場予約とすることができる。その結果、複数の診察科を同日受診する際の駐車場予約に対応することができる。
【0011】
(3)前記診察時間予測手段は、前記診察時間記憶手段から取得した見込み診察時間に対して、曜日および時間帯における過去の混雑状況に基づく重み付けを行って、前記予測診察時間を算出し、
前記駐車時刻決定手段は、前記付随所要時間記憶手段から取得した複数の見込み付随所要時間に、前記重み付けを行って、前記駐車開始時刻および前記駐車終了時刻を算出する(1)又は(2)に記載の駐車場予約装置。
【0012】
(3)の構成によれば、駐車場予約装置は、1以上の見込み診察時間および複数の見込み付随所要時間に曜日および時間帯における過去の混雑状況に基づく重み付けを行うことにより、駐車場予約装置は、混雑状況を加味した駐車開始時刻および駐車終了時刻を決定する。それにより、より適切な時間、駐車場を確保することができ、駐車場をより無駄なく利用することができ、患者に駐車場利用の機会をより多く提供することができる。
【0013】
(4)更に、患者識別子と、前記複数の患者それぞれの属性を示す患者情報とを対応付けて記憶する患者情報記憶手段を備え、
前記診察予約情報に含まれる患者識別子に基づいて、前記患者情報記憶手段から取得した患者情報と、前記駐車開始時刻と、前記駐車終了時刻とを用いて、駐車場における駐車位置を決定する駐車位置決定手段と、
を備える(1)から(3)のいずれか一項に記載の駐車場予約装置。
【0014】
(4)の構成によれば、駐車場予約装置は、患者情報と、駐車開始時刻と、駐車終了時刻と、に基づいて、駐車場における駐車位置を決定し、予約する。ここで、「患者情報」とは、駐車位置を決定する際に考慮すべき患者の属性情報であり、例えば、年齢、車椅子使用の可否である。また、「駐車位置」とは、駐車場内の車を置く場所のことである。患者情報と駐車開始時刻と駐車終了時刻とに基づいて駐車場における駐車位置を決定することにより、患者に適した駐車位置、例えば、車椅子を使用している患者であれば車椅子用車を駐車できる駐車位置、を予約することができる。その結果、患者の駐車位置による不便を解消することができる。
【0015】
(5)診察予約システムに診察予約を行うユーザ端末とネットワークを介して接続されたサーバが、前記診察予約とともに駐車場予約を行う駐車場予約方法であって、
複数の診察区分それぞれを識別する診察区分識別子と、前記複数の診察区分それぞれに対応する複数の診察に所要する見込み診察時間とを対応付けて、予め、記憶するステップと、
診察に付随する複数の事項それぞれを識別する付随事項識別子と、前記診察に付随する複数の事項それぞれに所要する見込み付随所要時間とを対応付けて、予め、記憶するステップと、
前記診察予約を行う際に、前記ユーザ端末にて入力された少なくとも診察予定日時、診察科、複数の患者それぞれを識別するための患者識別子を含む診察予約情報に基づいて取得した見込み診察時間を用いて、予測診察時間を算出するステップと、
前記診察予約情報に基づいて取得した複数の見込み付随所要時間と、前記予測診察時間とを用いて、駐車開始時刻および駐車終了時刻を算出するステップと、
前記診察予約情報に含まれる患者識別子と、前記駐車開始時刻と、前記駐車終了時刻とを駐車情報として記憶するステップと、
を備える駐車場予約方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、診察予約とともに駐車場予約を行い、駐車場の空きがないことによる患者の不便を解消することができる駐車場予約装置および方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0018】
[駐車場予約装置を取り囲むネットワーク構成および機能構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車場予約装置100と、診察予約システム200と、ユーザ端末300とから構成されるシステムのネットワーク構成、および駐車場予約装置100の機能構成を示す図である。駐車場予約装置100は、ユーザ端末300と、診察予約システム200とネットワーク400を介して接続される。図1において、ユーザ端末300の台数は1台で示されているが、これに限らず複数台であってもよい。また、診察予約システム200の数も同様に複数システムであってもよい。但し、複数の診察予約システム200は1つの医療機関の診察予約システムである。
【0019】
診察予約システム200は、ユーザ端末300から受信した診察予約情報に基づいて診察予約を受け付け、診察予約の完了情報をユーザ端末300へ返信する。また、診察予約システム200は、ユーザ端末300から受信した診察予約情報を管理し、ユーザ端末300からの要求に応じて、管理している診察予約情報から作成した予約判断情報をユーザ端末300に提供する。なお、診察予約システムは上述した機能を有すれば、公知技術(例えば、特開2002−7563等を参照)を用いてもよい。
【0020】
診察予約システム200にて診察予約できる医療機関は、1以上の診察科があり、1以上の医師所属している医療機関であればよい。以下の説明においては、診察予約システム200にて診察予約できる医療機関は、複数の診察科を有し、複数の医師が所属しているとして説明する。
【0021】
ここで、予約判断情報とは、例えば、複数の診察科目のうち特定の診察科目、複数の担当医師のうち特定の担当医師、複数の診察科のうち特定の診察科の診察時間の空き状況等患者が診察を予約する為の判断材料となる情報である。診察予約情報とは、少なくとも診察予定日時と複数の診察区分ID(診察区分識別子)とを含む。診察区分IDとは、例えば、診察科目を識別するための診察科目ID、患者を識別するための患者ID(患者識別子)等患者が診察を予約する為に必要となる情報である。例えば、患者甲さんが2008年8月31日10時に外科の予約をした際に、診察予約情報は、甲さんの患者ID=250、診察予定日時=2008年8月31日10時、外科の診察科目ID=A01から構成される。診察予約の完了情報とは、診察予約が完了したことをユーザ端末300のユーザに知らせる情報と、例えば、診察予定日時、診察科目等患者の診察予約の控えとなる情報とである。
【0022】
ユーザ端末300は、診察予約システム200によって提供されている予約判断情報にアクセスし、アクセスした予約判断情報をユーザ端末300の画面に表示する。ユーザ端末300は、ユーザがキーボード等にて入力した診察予約情報を診察予約システム200へネットワーク400を介して送信する。診察予約システム200は、ユーザ端末300が送信した診察予約情報を受け付け、診察予約の処理を行い、診察予約の完了情報をユーザ端末300へ返信する。ユーザ端末300は、診察予約システム200から返信された診察予約の完了情報をユーザ端末300の画面に表示する。ユーザ端末300は、診察予約の完了情報をプリンターにて紙に出力してもよい。
【0023】
なお、診察予約は医師が患者に代わって行っても、患者自身が行ってもよいので、ユーザ端末300のユーザは医師又は患者である。また、ネットワーク400は、イントラネット、インターネット等問わない。
【0024】
また、ユーザ端末300は、駐車場予約装置100の駐車情報送信手段107によって提供されている駐車情報にアクセスし、アクセスした駐車情報をユーザ端末300の画面に表示する機能を有する。駐車情報の表示は、予約判断情報とともにされるのが望ましい。合わせて表示することで駐車場の予約ができる時間に診察予約をすることができ、患者は空いている駐車場があるか否かの心配をせずに済み、また、駐車場がいっぱいの時に空くまで待つといったこと等もなくなり、患者の駐車場確保に伴う不便がなくなるからである。
【0025】
ユーザ端末300は、診察予約情報を診察予約システム200へネットワーク400を介して送信するとともに、駐車場予約装置100にもネットワーク400を介して同じ診察予約情報を送信する。駐車場予約装置100は、ユーザ端末300が送信した診察予約情報を受け付け、駐車場予約の処理を行い、駐車場予約の完了情報をユーザ端末300へ返信する。ユーザ端末300は、駐車場予約装置100から返信された駐車予約の完了情報をユーザ端末300の画面に表示する。ユーザ端末300は、駐車予約の完了情報をプリンターにて紙に出力してもよい。なお、ユーザ端末300は、診察予約システム200を介して駐車場予約装置100に診察予約情報を送信してもよい。
【0026】
ここで、駐車情報とは、例えば、予約が可能な駐車場の住所、駐車場の空き状況等駐車予約する為の判断材料となる情報である。なお、駐車情報は、後述する駐車情報記憶手段123に格納されている。駐車予約の完了情報は、駐車予約が完了したことをユーザに知らせる情報と、例えば、駐車場の住所、駐車場予約日時等患者の駐車場予約の控えとなる情報とである。
【0027】
駐車場予約装置100は、予約情報受信手段101と、予約確認手段102と、診察時間予測手段103と、駐車時刻決定手段104と、駐車位置決定手段105と、駐車場予約手段106と、駐車情報送信手段107と、診察時間記憶手段120と、付随所要時間記憶手段121と、患者情報記憶手段122と、駐車情報記憶手段123と、を備える。なお、駐車位置決定手段105は、必須ではなく、必要に応じて備えればよい。
【0028】
予約情報受信手段101は、ユーザ端末300に入力された診察予約情報を受信する。予約情報受信手段101は、受信した診察予約情報のうち駐車場を予約する為に使用しない情報を削除してもよい。診察予約情報は、診察予約を行うために必要な複数の情報で構成されているので、駐車場予約を行うのに必要な情報以外の情報が含まれる場合がある。例えば、診察予約情報が、患者IDと、診察予定日時と、患者の電話番号とである場合に、予約情報受信手段101は駐車場の予約、つまり駐車時間や駐車位置の決定に使用しない患者の電話番号を削除する。
【0029】
予約確認手段102は、予約情報受信手段101にて受信した診察予約情報に基づいて、患者の診察予定日、言い換えると駐車予定日に既にその患者の駐車予約があるか確認する。具体的には、予約確認手段102は、診察予約情報に基づいて、駐車情報記憶手段123から駐車情報を検索し、駐車情報が取得できたか否かによって駐車予定日に既に駐車予約があるか確認を行う。駐車情報記憶手段123に格納されている駐車情報とは、例えば、駐車予定日時、駐車開始時刻、駐車終了時刻等駐車場予約に関する情報である。詳細については後述する。
【0030】
診察時間予測手段103は、予約情報受信手段101にて受信した診察予約情報に含まれる複数の診察区分IDに基づいて、診察時間記憶手段120から複数の診察区分IDそれぞれに対応付けられている見込み診察時間を取得する。予約確認手段102は、例えば、診察予約情報が患者ID、診察科目ID、担当医師IDを含む場合には、患者IDに対応付けられている見込み診察時間、診察科目IDに対応付けられている見込み診察時間、担当医師IDに対応付けられている診察時間を取得する。ここで、見込み診察時間とは、過去何年か分の診察時間の実績値から得られた診察区分毎の平均診察時間である。診察時間の実績値は、診察区分と対応付けてデータベース等に格納されており、データベース等に格納されている診察区分と診察時間の実績値とに基づいて、別装置や別システムにて見込み診察時間は求められる。
【0031】
また、診察時間予測手段103は、複数の診察区分IDそれぞれに対して診察時間記憶手段120から取得した見込み診察時間に基づいて、予測診察時間を算出する。具体的には、予測診察時間は、取得した見込み診察時間の合計を見込み診察時間の取得数で割った平均値として算出する。診察時間記憶手段120については後述する。
【0032】
更に、診察時間予測手段103は、複数の診察区分IDそれぞれに対して診察時間記憶手段120から取得した見込み診察時間に、重み付けを行う。見込み診察時間は、過去何年か分の診察時間の実績値から得られた平均診察時間であるため、混雑時や閑散時では駐車場予約装置100にて算出される予測診察時間と現実の診察時間とには差異が生じてしまう。それを解決し、精度のよい予測診察時間を算出するために、見込み診察時間に重み付けを行う。
【0033】
重み付けに用いる値は、曜日、時間、および時間帯に対して設定されており、見込み診察時間を求める際にも用いられた過去何年か分の診察時間の実績値から算出した値であるのが望ましい。例えば、月曜日午前の診察は混雑するので診察時間を1.2倍、水曜日午後の診察は空いている診察時間を0.9倍するというように重み付け値を決定する。なお、診察時間にではなく、予測診察時間に重み付けを行ってもよい。
【0034】
このように、予測診察時間を算出することにより、診察予約の際に患者が指定した診察科や担当医等診察区分条件に当てはまった診察時間を予測することができ、適切な駐車開始・終了時刻を決定することにつながる。
【0035】
駐車時刻決定手段104は、患者の駐車開始時刻と駐車終了時刻を決定する。駐車時刻決定手段104は、付随所要時間取得手段108と、駐車開始時刻決定手段109と、駐車終了時刻決定手段110とを備える。付随所要時間取得手段108は、予約情報受信手段101にて受信した診察予約情報に基づいて、付随所要時間記憶手段121から複数の見込み付随所要時間を取得する。また、付随所要時間取得手段108は、診察時間予測手段103と同様に見込み付随所要時間に混雑時や閑散時を考慮するために重み付けを行うことができる。なお、付随所要時間記憶手段121には、複数の付随事項それぞれに対応する、複数の見込み付随所要時間が格納されている。詳細は後述する。
【0036】
ここで、見込み付随所要時間とは、例えば、駐車場から診察科まで等の医療機関内の移動時間、会計の所要時間、診察科での待ち時間であり、診察に医療機関を訪れた患者が行う診察に付随する複数の事項(以下、付随事項という)それぞれに所要する時間である。なお、複数の付随事項には診察予約情報に関係ない付随事項が含まれる。診察予約情報に関係ない付随事項とは、例えば、会計や薬に関する時間である。これらについては、診察予約情報と関係なく見込み付随所要時間が取得される。見込み付随所要時間は、見込み診察時間同様、過去何年か分の付随所要時間の実績値から得られた付随事項毎の平均所要時間である。
【0037】
駐車開始時刻決定手段109は、付随所要時間取得手段108にて取得した付随所要時間のうち診察より前に患者が行う付随事項に対応つけられた付随所要時間と、予約情報受信手段101から受信した診察予約情報の診察予定時刻とに基づいて、駐車開始時刻を決定する。具体的には、診察予定時刻から、付随所要時間取得手段108にて取得した駐車場から診察科までの移動時間分、診察予定時刻から遡った時刻を駐車開始時刻と決定する。診察予定時刻とは、診察開始時刻であり、患者は診察科に着いていなければならない時刻であるため、駐車開始時刻決定手段109は、駐車場から診察科までの移動時間を考慮して駐車開始時刻を決定する必要があるからである。
【0038】
また、駐車開始時刻決定手段109は、予約確認手段102にて取得した既にされている駐車予約(以下、既駐車予約という)の駐車予約情報に含まれる駐車開始時刻と駐車開始時刻決定手段109にて決定した駐車開始時刻とを比較し、最終的に駐車開始時刻を決定する。具体的には、駐車開始時刻決定手段109は、既駐車場予約の駐車開始時刻と駐車開始時刻決定手段109にて決定した駐車開始時刻とのうち早い方を駐車開始時刻と決定する。
【0039】
駐車終了時刻決定手段110は、付随所要時間取得手段108にて取得した見込み付随所要時間のうち診察以後に患者が行う付随事項に対応つけられた見込み付随所要時間と、予約情報受信手段101から受信した診察予約情報の診察予定時刻とに基づいて、駐車開始時刻を決定する。具体的には、診察予定時刻に、付随所要時間取得手段108にて取得した診察科から会計までの移動時間と会計時間(待ち時間含む)と会計から駐車場までの時間とを足した時間と、更にそれに予測診察時間を足した時間、駐車終了時刻をして決定する。なお、ここで挙げた付随事項以外の付随事項、例えば、薬がある場合には薬を受け取るまでの所要時間、を適宜追加することができる。
【0040】
また、駐車終了時刻決定手段110は、予約確認手段102にて取得した既駐車場予約の駐車予約情報に含まれる駐車終了時刻と駐車終了時刻決定手段110にて決定した駐車終了時刻とを比較し、最終的に駐車終了時刻を決定する。具体的には、既駐車場予約の駐車終了時刻と駐車終了時刻決定手段110にて決定した駐車開始時刻とのうち遅い方を駐車開始時刻と決定する。
【0041】
このようにして、診察予定時刻と、予測診察時間、待ち時間や会計といった付随事項に所要する時間とを用いて駐車開始時刻および駐車終了時刻を決定することができことによって、患者に駐車場利用の機会をより多く提供することができ、患者が安心して医療機関に車で訪れることができる。また、既にされた駐車場予約と後からされた駐車場予約とをマージして、駐車開始時刻および駐車終了時刻を決定することができことによって、複数の診察科を受信する患者の駐車場予約にも対応できる。
【0042】
駐車位置決定手段105は、予約情報受信手段101から受信した診察予約情報と、駐車時刻決定手段104にて決定された駐車開始時刻および駐車終了時刻とに基づいて、駐車位置を決定する。具体的には、駐車開始時刻から駐車終了時刻までの間空いている駐車位置を取得し、駐車予約をする患者の情報に基づいて、駐車位置を決定する。例えば、歩行が困難な患者には空いている駐車位置の中から入り口に近い駐車位置を割り当てる。
【0043】
駐車場予約手段106は、予約情報受信手段101から受信した診察予約情報と、駐車時刻決定手段104にて決定された駐車開始時刻および駐車終了時刻、駐車位置決定手段105にて決定された駐車位置を受信し、それらを駐車情報記憶手段123に格納する。なお、駐車位置を決定しなかった場合には、駐車場予約手段106が任意に駐車位置を決定する。
【0044】
駐車情報送信手段107は、駐車場予約手段106にて駐車情報記憶手段123に格納された情報を、駐車場予約手段106から受信し、ユーザ端末300に送信する。また、駐車情報送信手段107は、ユーザ端末300からの駐車情報要求に応じて、駐車情報を送信する。
【0045】
診察時間記憶手段120は、診察区分IDと見込み診察時間とを対応付けて格納する。図2は、本発明の一実施形態に係る診察時間記憶手段120に格納されるテーブルの一例を示す図である。例えば、図2に示すように診察区分の診察科目、担当医師、患者毎に分けたテーブルに格納される。図2は例示であり、図2に示されるテーブル以外を有してもよいし、診察区分の種類毎のテーブルに分けずに1つのテーブルに格納してもよい。
【0046】
各テーブルは、診察区分IDと、見込み診察時間とを少なくとも含む。診察区分ID(診察科目ID、医師ID、患者ID)は、診察区分(診察科目、医師、患者)を一意に特定するための、数字や英語からなる文字列である。見込み診察時間は、上述したとおり、過去何年か分の診察時間の実績値から得られた平均診察時間である。なお、予測診察時間の精度をあげるために、見込み診察時間を初診と再診とに分けてもよい。
【0047】
ここで、予約診察時間の算出について図2を用いて説明する。患者である甲さん(患者ID=250)の内科(診察科目ID=B)、乙先生(担当医師ID=B10)の診察予約の場合に、内科(診察科目ID=B)の見込み診察時間は8分、乙先生(担当医師ID=B10)の見込み診察時間は11.5分、甲さん(患者ID=250)の内科(診察科目ID=B)での見込み診察時間は12分と3つの見込み診察時間が診察時間予測手段103にて取得される。予測診察時間は、取得された3つの見込み診察時間の平均であるので、(8+11.5+12)/3=10.5(分)として算出される。
【0048】
付随所要時間記憶手段121は、付随事項識別情報と付随事項の所要時間とを対応付けて格納する。図3は、本発明の一実施形態に係る付随所要時間記憶手段121に格納されるテーブルの一例を示す図である。例えば、図3に示すように付随事項の経路、待ち時間、会計・薬毎に分けたテーブルに格納される。図3は例示であり、図3に示されるテーブル以外を有してもよいし、付随事項の種類毎のテーブルに分けずに1つのテーブルに格納してもよい。
【0049】
各テーブルは、付随事項ID(付随事項識別子)と付随事項の所要時間とを少なくとも含む。付随事項ID(経路ID、待ち時間ID、会計・薬ID等)は付随事項(経路、待ち時間、会計・薬)を一意に特定するための、数字や英語からなる文字列である。見込み付随所要時間は、上述したとおり、過去何年か分の付随所要時間の実績値から得られた見込み付随所要時間である。
【0050】
例えば、上述した患者甲さんが11時に診察予約した場合の駐車開始時刻および駐車終了時刻の決定について図3、および上記にて算出した予想診察時間を用いて説明する。図3に示される付随所要時間記憶手段121から、見込み付随所要時間として、駐車場から内科へ移動時間15分、内科から会計への移動時間6分、会計から駐車場へ移動時間7分、内科での待ち時間36分、会計所要時間24分が取得される。駐車開始時刻は、11時−15分(駐車場からの移動時間)=10時45分と決定される。一方、駐車終了時刻は、11時+36分(待ち時間)+10.5(見込み診察時間)+6(会計への移動時間)+24(会計時間)+7(駐車場への移動時間)=12時16.5分と決定される。なお、駐車開始時刻および駐車終了時刻は、なんらかの出来事等に備えて、余裕を付け加えてもよい。
【0051】
患者情報記憶手段122は、患者の個人情報を管理するために用意されたものであり、患者を一意に特定する患者ID、その氏名、性別、年齢、血液型、生年月日、車椅子使用の要否、等のデータが患者毎に格納されている。駐車情報記憶手段123は、駐車場予約の管理を行うために容易されたものであり、患者ID、駐車場利用日、駐車場利用開始時間、駐車場利用終了時間、駐車位置等の情報が格納されている。また、駐車情報記憶手段123は、複数の駐車場がある場合には、それぞれの駐車場の名称や地図を格納してもよい。
【0052】
[駐車場予約装置のハードウェア構成]
図4は、本実施形態に係る駐車場予約装置100、およびユーザ端末300のハードウェア構成を示す図である。本発明が実施される装置は標準的なものでよく、以下に構成の一例を示す。なお駐車場予約装置100、およびユーザ端末300を、コンピュータを典型とする情報処理装置1000として全般的な構成を説明する。
【0053】
情報処理装置1000は、制御部1300を構成するCPU(Central Processing Unit)1310(マルチプロセッサ構成ではCPU1320等複数のCPUが追加されてもよい)、バスライン1200、通信I/F(I/F:インターフェイス)1330、メインメモリ1340、BIOS(Basic Input Output System)1350、表示装置1360、I/Oコントローラ1370、キーボードおよびマウス等の入力装置1380、ハード・ディスク1390、光ディスク・ドライブ1400、並びに半導体メモリ1420を備える。なお、ハード・ディスク1390、光ディスク・ドライブ1400、並びに半導体メモリ1420はまとめて記憶装置1430と呼ぶ。
【0054】
制御部1300は、情報処理装置1000を統括的に制御する部分であり、ハード・ディスク1390(後述)に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0055】
通信I/F1330は、情報処理装置1000が、ネットワークを介してメールサーバと情報を送受信する場合のネットワーク・アダプタである。通信I/F1330は、モデム、ケーブル・モデムおよびイーサネット(登録商標)・アダプタを含んでよい。
【0056】
BIOS1350は、情報処理装置1000の起動時にCPU1310が実行するブートプログラムや、情報処理装置1000のハードウェアに依存するプログラム等を記録する。
【0057】
表示装置1360は、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。
【0058】
I/Oコントローラ1370には、ハード・ディスク1390、光ディスク・ドライブ1400、および半導体メモリ1420等の記憶装置1430を接続することができる。
【0059】
入力装置1380は、情報処理装置1000のユーザによる入力の受け付けを行うものである。
【0060】
ハード・ディスク1390は、本ハードウェアを情報処理装置1000として機能させるための各種プログラム、本発明の機能を実行するプログラムおよび後述するテーブルおよびレコードを記憶する。なお、情報処理装置1000は、外部に別途設けたハード・ディスク(図示せず)を外部記憶装置として利用することもできる。
【0061】
光ディスク・ドライブ1400としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−RAMドライブ、CD−RAMドライブを使用することができる。この場合は各ドライブに対応した光ディスク1410を使用する。光ディスク1410から光ディスク・ドライブ1400によりプログラムまたはデータを読み取り、I/Oコントローラ1370を介してメインメモリ1340またはハード・ディスク1390に提供することもできる。
【0062】
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置1430、制御部1300等を備えた一または複数の情報処理装置1000により構成される。また、駐車場予約装置100の各手段は、制御部1300によってコンピュータプログラムが実行されることで実現される。また、駐車場予約装置100の各記憶手段は、主としてハード・ディスク1390に実装されるが、既に述べたように、他の記憶装置を用いてもよい。
【0063】
[駐車場予約処理]
図5は、本発明の一実施形態に係る、駐車場予約処理を示すフローチャートである。
患者が担当医師に診察予約をしてもらう際又は、患者自身が診察予約をする際に、診察予約情報(診察予定日時、診察科目ID、患者ID等)を入力後、駐場予約も合わせてすることを入力すると処理が開始する。つまり、患者又は医師が入力した診察予約情報がユーザ端末300から駐車場予約装置100に送信されると処理が開始する。
【0064】
S100:予約情報受信手段101は、ユーザ端末300から送信された診察予約情報を受信する。
【0065】
S110:予約確認手段102は、ステップS100で受信した診察予約情報に含まれる診察予定日と患者IDとに該当する駐車場予約があるか否か駐車情報記憶手段123を検索する。該当する駐車場予約が検索された場合には、その駐車場予約の情報を取得する。ここで取得されるのは、既駐車場予約の駐車情報である。
S120:予約確認手段102は、ステップS110において駐車場予約が取得できたか否か判断する。この判断がNOの場合は処理をステップS130に移し、YESの場合は、処理をAに移す。A以降の処理については後述する。
【0066】
S130:診察時間予測手段103は、ステップS100で受信した診察予約情報に含まれる複数の診察区分IDに基づいて、診察時間記憶手段120を検索し、複数の診察区分IDそれぞれに対応する見込み診察時間を取得する。
S140:診察時間予測手段103は、診察区分IDそれぞれに対応するステップS130で取得した見込み診察時間に基づいて、予測診察時間を算出する。
【0067】
S150:付随所要時間取得手段108は、ステップS100で受信した診察予約情報に含まれる診察区分IDに基づいて、付随所要時間記憶手段121を検索し、複数の見込み付随所要時間を取得する。
【0068】
S160:駐車開始時刻決定手段109は、ステップS150にて取得した複数の見込み付随所要時間のうち診察より前に患者が行う付随事項に対応付けられた見込み付随所要時間と、ステップS100で受信した診察予約情報の診察予定時刻とに基づいて、駐車開始時刻を決定する。
S170:駐車終了時刻決定手段110は、ステップS150にて取得した複数の見込み付随所要時間のうち診察以後に患者が行う付随事項に対応付けられた見込み付随所要時間と、ステップS100で受信した診察予約情報の診察予定時刻と、ステップS140にて算出された予測診察時間とに基づいて、駐車終了時刻を決定する。
【0069】
S180:駐車位置決定手段105は、ステップS100で受信した診察予約情報に含まれる患者IDに基づいて、患者情報記憶手段122を検索し、患者情報を取得する。
S190:駐車位置決定手段105は、診察予約情報に含まれる診察予定日と、ステップS160、S170にて決定された駐車開始時刻および駐車終了時刻とに基づいて、駐車情報記憶手段112を検索し、空いている駐車位置を取得する。
【0070】
S200:駐車位置決定手段105は、ステップS180で取得した患者情報と、ステップS190で取得した空き駐車位置とに基づいて、駐車位置を決定する。例えば、歩行が困難な患者には、入り口に近い駐車位置を割り当てる。なお、ステップS180、S190、およびS200の処理は必須ではなく、駐車位置を決定したい場合に実行されればよい。
【0071】
S210:駐車場予約手段106は、ステップS100で受信した診察予約情報に含まれる診察予定日および患者IDと、ステップS160にて算出された予測駐車時間と、ステップS200にて駐車位置が決定された場合には駐車位置とを駐車情報記憶手段123に格納する。
S220:駐車情報送信手段107は、ステップS210で駐車情報記憶手段123に格納された情報を、診察予約と合わせて駐車場予約を行ったユーザ端末300に送信する。
【0072】
[駐場予約更新処理]
図6は、本発明の一実施形態に係る、駐車場予約更新処理を示すフローチャートである。なお、図5に示した駐車場予約処理と同じ処理については、同一であるステップを特定し、説明を省略する。
【0073】
S300:予約確認手段102は、処理している駐車場予約が既にされている駐車場予約の変更であるか否かの判断を行う。この判断は、駐車場予約を行ったユーザ端末から送信された診察予約情報に含まれる診察予約が変更であるか否かの情報に基づいて行う。この判断がNOの場合は処理をステップS310に移し、YESの場合は、処理をB、つまり、図5におけるステップS130に移す。B以降の処理については上述したとおりである。既駐車場予約の変更である場合には、再度予約を取り直し、変更でない場合には、先の駐車場予約と本処理の駐車場予約とをマージする。既駐車場予約の変更でない場合とは、例えば、先にされた駐場予約の元である診察予約と同一診察予定日かつ別の診察科の診察予約と合わせてされた駐場予約である。
【0074】
ステップS310からS340、およびS360は図5におけるステップS130からS160、およびS170とそれぞれ同じである。
【0075】
S350:駐車開始時刻決定手段109は、図5におけるステップS110にて取得した既駐車場予約の情報に含まれる駐車開始時刻とステップS340にて決定した駐車開始時刻とを比較し、早い方を駐車開始時刻として決定する。
S370:駐車終了時刻決定手段110は、図5におけるステップS110にて取得した既駐車場予約の情報に含まれる駐車終了時刻とステップS360にて決定した駐車終了時刻とを比較し、遅い方を駐車終了時刻として決定する。本ステップおよび、ステップS350にて、既駐車場予約の駐車開始時刻および駐車終了時刻を考慮することにより、新旧2つの予約をマージすることができ、複数の診察科にて診察を受ける場合、診察予約は診察科それぞれに対して行われるため複数となるが、駐車場予約は1つとすることができる。
【0076】
ステップS380およびS390は、図5におけるステップS180およびS190と同じである。
【0077】
S400:駐車位置決定手段105は、ステップS380にて取得した患者情報と、ステップS360にて取得された空き駐車位置とに基づいて、駐車位置を再決定する。ただし、図5におけるステップS110にて取得した空き駐車位置に既駐車場予約の情報に含まれる場合には、既駐車場予約と同じ駐車位置とするのが望ましい。駐車位置の変更による、患者の混乱を避けるためである。
【0078】
S410:駐車場予約手段106は、図5におけるステップS100で受信した診察予約情報に含まれる診察予定日および患者IDにて特定される情報を、ステップS350にて決定された駐車開始時刻およびステップS370にて決定された駐車終了時刻にて更新する。
S420:駐車情報送信手段107は、ステップS410で駐車情報記憶手段123に格納された情報を、診察予約と合わせて駐車場予約を行ったユーザ端末300に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態に係る駐車場予約装置と、診察予約システムと、ユーザ端末とから構成されるシステムのネットワーク構成、および駐車場予約装置の機能構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る診察時間記憶手段に格納されるテーブルの一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る付随所要時間記憶手段に格納されるテーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る駐車場予約装置、およびユーザ端末のハードウェア構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る駐車場予約処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る駐車場予約更新処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
100 駐車場予約装置
101 予約情報受信手段
102 予約確認手段
103 診察時間予測手段
104 駐車時刻決定手段
105 駐車位置決定手段
106 駐車場予約手段
107 駐車情報送信手段
108 付随所要時間取得手段
109 駐車開始時刻決定手段
110 駐車終了時刻決定手段
120 診察時間記憶手段
121 付随所要時間記憶手段
122 患者情報記憶手段
123 駐車情報記憶手段
200 診察予約システム
300 ユーザ端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診察予約システムに診察予約を行うユーザ端末とネットワークを介して接続され、前記診察予約とともに医療機関の駐車場予約を行う駐車場予約装置であって、
複数の診察区分それぞれを識別する診察区分識別子と前記複数の診察区分それぞれに対応する複数の診察に所要する見込み診察時間とを対応付けて、予め、記憶する診察時間記憶手段と、
診察に付随する複数の事項それぞれを識別する付随事項識別子と前記診察に付随する複数の事項それぞれに所要する見込み付随所要時間とを対応付けて、予め、記憶する付随所要時間記憶手段と、
前記診察予約を行う際に、前記ユーザ端末にて入力された少なくとも診察予定日時、診察科、複数の患者それぞれを識別するための患者識別子を含む診察予約情報に基づいて、前記診察時間記憶手段から取得した見込み診察時間を用いて、患者識別子にて特定される患者の予測診察時間を算出する診察時間予測手段と、
前記診察予約情報に基づいて、前記付随所要時間記憶手段から取得した複数の見込み付随所要時間と、前記予測診察時間とを用いて、駐車開始時刻および駐車終了時刻を決定する駐車時刻決定手段と、
前記診察予約情報に含まれる患者識別子と、前記駐車開始時刻と、前記駐車終了時刻とを駐車情報記憶手段に記憶する駐車場予約手段と、
を備える駐車場予約装置。
【請求項2】
患者の診察予定日が同一であって、かつ、診察科目が異なる診察予約を行う際に、
更に、前記診察予約情報に含まれる診察予定日、患者識別子に基づいて前記駐車情報記憶手段を検索して、前記患者識別子の患者が前記診察予定日に駐車場予約を行っているか否か確認する予約確認手段を備え、
前記予約確認手段にて、前記診察予定日に駐車場予約を行っていることが確認された際に、
前記駐車時刻決定手段は、前記駐車開始時刻の決定に、前記診察予約情報に含まれる診察予定日および患者識別子に基づいて前記駐車情報記憶手段から取得した駐車開始時刻を更に用い、前記駐車終了時刻の決定に、前記診察予約情報に含まれる診察予定日および患者識別子に基づいて前記駐車情報記憶手段から取得した駐車終了時刻を更に用いる請求項1に記載の駐車場予約装置。
【請求項3】
前記診察時間予測手段は、前記診察時間記憶手段から取得した見込み診察時間に対して、曜日および時間帯における過去の混雑状況に基づく重み付けを行って、前記予測診察時間を算出し、
前記駐車時刻決定手段は、前記付随所要時間記憶手段から取得した複数の見込み付随所要時間に、前記重み付けを行って、前記駐車開始時刻および前記駐車終了時刻を算出する請求項1又は2に記載の駐車場予約装置。
【請求項4】
更に、患者識別子と、前記複数の患者それぞれの属性を示す患者情報とを対応付けて記憶する患者情報記憶手段を備え、
前記診察予約情報に含まれる患者識別子に基づいて、前記患者情報記憶手段から取得した患者情報と、前記駐車開始時刻と、前記駐車終了時刻とを用いて、駐車場における駐車位置を決定する駐車位置決定手段と、
を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の駐車場予約装置。
【請求項5】
診察予約システムに診察予約を行うユーザ端末とネットワークを介して接続されたサーバが、前記診察予約とともに駐車場予約を行う駐車場予約方法であって、
複数の診察区分それぞれを識別する診察区分識別子と、前記複数の診察区分それぞれに対応する複数の診察に所要する見込み診察時間とを対応付けて、予め、記憶するステップと、
診察に付随する複数の事項それぞれを識別する付随事項識別子と、前記診察に付随する複数の事項それぞれに所要する見込み付随所要時間とを対応付けて、予め、記憶するステップと、
前記診察予約を行う際に、前記ユーザ端末にて入力された少なくとも診察予定日時、診察科、複数の患者それぞれを識別するための患者識別子を含む診察予約情報に基づいて取得した見込み診察時間を用いて、予測診察時間を算出するステップと、
前記診察予約情報に基づいて取得した複数の見込み付随所要時間と、前記予測診察時間とを用いて、駐車開始時刻および駐車終了時刻を算出するステップと、
前記診察予約情報に含まれる患者識別子と、前記駐車開始時刻と、前記駐車終了時刻とを駐車情報として記憶するステップと、
を備える駐車場予約方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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