説明

医療用インプラント及びその使用方法

【解決手段】孔(14、114)が貫通形成されている骨プレート(12)を含んでいる医療用のインプラント(10)が提供されている。孔(14、114)は、骨アンカー(20、120)の一部を受け入れる。保持機構(30)は、骨プレート(12)に連結されている。保持機構(30)は、保持具(16、116)と付勢部材(18)を含んでいる。付勢部材(18)は、少なくとも保持具(16、116)と作動的に係合している。骨アンカー(20、120)を孔(14、114)に挿入することにより、保持具(16、116)は、第1位置に動き、付勢部材(18)を弾性変形させる。付勢部材(18)は、保持具(16、116)を第2位置に動かし、骨アンカー(20、120)を骨プレート(12)内に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には骨プレートに関し、より具体的には、本発明は、1つ又は複数の骨アンカーを骨プレートに保持すると共に、1つ又は複数の骨アンカーが前記骨プレートから外れないようにする、保持機構を保有している骨プレートに関する。
【背景技術】
【0002】
各種医療処置には、患者の骨要素の固定が関与している。具体的に、脊椎に関連する医療処置では、椎体の固定は、外傷又は様々な脊椎の病変、異常、又は障害が原因で行われる。それら医療処置では、椎体の固定は、通常、脊椎の不安定性又は椎体の脊椎融合に関係する不安定性を解消するために使用される。因みに、椎体の固定は、脊椎の特定の領域の機構的安定性を提供し及び/又は応力又は動きを抑制する。骨要素の固定には幾つかの機構が使用される。その様な装置の1つに骨プレートがある。脊椎に関係する医療処置では、骨プレートは、1つ又は複数の骨アンカーを使用して、1つ又は複数の椎体に固定され及び/又は植え込まれる。骨プレートの使用に伴って、骨プレートの植え込み又は固定と組み合わせて、及び/又は隣接する椎体の融合が望ましい場合に、骨移植片材料及び骨成長蛋白質がしばしば使用される。
【0003】
骨プレートが患者の1つ又は複数の椎体に固定され及び/又は植え込まれた後、骨プレート及び骨アンカーは、患者の身体及び脊椎の正常な動作によって、様々な応力と力に曝される。具体的には、この応力と力は、骨アンカーを骨プレートから外れさせる恐れがある。また、この応力と力は、骨プレート又は骨アンカーを、装着相手の1つ又は複数の椎体から後退させ及び/又は引き抜いてしまう恐れもある。骨アンカーが椎体から引き抜かれ又は骨プレートから外れてしまうのは特に望ましくない。
【0004】
骨アンカーが骨プレートから外れるのを防止するために、幾種類かの保持機構が設計されている。第1に、保持機構の1つの設計は、骨アンカー及び骨プレートとは別になっているカバープレートを含んでいる。この設計では、カバープレートは、骨プレートの上を覆って取り付けられ、骨アンカーを骨プレートに保持するのを支援する、追加的なプレートである。このカバープレートは、骨プレートが1つ又は複数の椎体に植え込まれ又は取り付けられた後で、カバープレートを係合させる追加的段階を必要とする。第2に、別の設計は、骨アンカー側に設置された保持機構を含んでいる。通常、この設計は、骨アンカーに取り付けられるか一体に形成された造形を含んでおり、骨アンカーが骨要素に挿入されるとき、この造形が骨プレートと係合する。通常、それら骨アンカー側に設置された保持機構は製造及び製作が難しく、その結果、骨アンカーの製造に付帯する費用が嵩む。また、更に他の保持機構の設計は、骨プレートに取り付けられるか又はこれと一体に形成された保持機構を含んでいる。それら骨プレート側に設置される設計では、幾つかの保持機構は、骨アンカーが骨プレート及び/又は骨要素に挿入された後で、保持機構を係合させる段階を必要とする。また、他の骨プレート側に設置された保持機構では、骨アンカーを骨プレート又は骨要素に挿入する前、挿入中、又は挿入後に、骨アンカーの一部を特定的に設置することが必要になる。また、更に別の骨プレート側に設置された保持機構でも、骨アンカーを骨プレートに維持するために、骨アンカーに又はその周りにインサート又はカラーを使用することが必要になる。通常、それらインサート及びカラーでは、骨アンカーを、骨プレートに対して特別に設計された角度又は方向で挿入する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それら先行技術による保持機構に基づき、当技術では、骨アンカーを骨プレートに保持するのに追加的なプレートの取り付けを必要としない保持機構を有する骨プレートが求められている。また、骨プレート又は付帯する骨アンカーの製造又は製作費用が実質的に高くならない、骨保持機構が求められている。また、骨アンカーが骨プレートに挿入されるか骨要素に取り付けられた後に、保持機構を係合させる追加的段階を必要としない保持機構が求められている。また、骨アンカーを骨プレート又は骨要素に挿入する前、挿入中、又は挿入後に、骨アンカーの一部を特定的に設置することを必要としない保持機構が求められている。また、可変角度骨アンカーに対応することができる保持機構、及び骨アンカーが複数の及び/又は異なる角度又は方向で挿入できるようにする機構が求められている。最後に、操作が複雑でなく、骨アンカーを骨プレートに堅固にしかも可逆的に保持できるようにする保持機構が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施形態では、骨要素への取り付けに骨アンカーを使用する医療用インプラントが提供されている。医療用インプラントは、孔が貫通形成された骨プレートを含んでいる。孔は、骨アンカーの少なくとも一部を受け入れる。保持機構は骨プレートに連結されている。保持機構は、保持具と付勢部材を含んでおり、付勢部材は少なくとも1つの保持具と作動的に係合されている。保持具は、少なくとも第1位置及び第2位置へ、及び前記各位置から、動かすことができる。第1位置は、骨プレートが骨アンカーを孔に受け入れることができるようにする。第2位置は、保持機構が骨アンカーを骨プレートに保持することができるようにする。骨アンカーを孔に挿入すると、保持具が第1位置に動き、付勢部材を弾性変形させる。付勢部材は、保持具を第2位置に動かし、骨アンカーを骨プレートに保持する。
【0007】
別の実施形態では、骨要素への取り付けに第1及び第2骨アンカーを使用する医療用のインプラントが提供されている。医療用インプラントは、第1孔と第2孔を有する骨プレートを含んでいる。第1及び第2孔は、骨プレートを貫通して設置されている。第1孔は、第1骨アンカーの少なくとも一部を受け入れる。第2孔は、第2骨アンカーの少なくとも一部を受け入れる。保持機構は骨プレートに連結されている。保持機構は、保持具と、少なくとも保持具と係合する付勢部材を含んでいる。保持具は、少なくとも第1位置と、第2位置と、第3位置に、及び前記各位置から、動かすことができる。第1位置は、骨プレートが第1孔に第1骨アンカーを受け入れることができるようにする。第2位置は、骨プレートが第2孔に第2骨アンカーを受け入れることができるようにする。第3位置は、保持機構が第1及び第2骨アンカーを骨プレートに保持できるようにする。第1骨アンカーを第1孔に挿入すると、保持具が第1位置に動き、付勢部材を弾性変形させる。第2骨アンカーを第2孔に挿入すると、保持具が第2位置に動き、付勢部材を弾性変形させる。付勢部材は、保持具を第3位置に動かし、第1及び第2骨アンカーを骨プレートに保持する。
【0008】
更に別の実施形態では、骨アンカーを医療用インプラント内に保持する方法が提供されている。この方法は、孔が貫通形成されている骨プレートを提供する段階を含んでいる。骨プレートは、更に、保持具と付勢部材を有する保持機構を含んでいる。保持具は、少なくとも第1位置及び第2位置へ、及び前記各位置から、動かすことができる。第1位置は、骨プレートが孔に骨アンカーを受け入れることができるようにする。第2位置は、保持機構が骨アンカーを骨プレートに保持できるようにする。骨アンカーは孔に挿入される。骨アンカーを孔に挿入する際、骨アンカーの頭部が保持機構に接触する。骨アンカーの頭部が保持具と接触したとき、保持具は第2位置に動かされる。保持具が第1位置から第2位置に動かされるとき、付勢部材は弾性変形する。骨アンカーの一部が保持機構の一部の下方に配置されると、骨アンカーの頭部は孔の中に保持される。保持具は、付勢部材の弾性変形により与えられる力を使用して、第2位置から第1位置へ動かされる。骨アンカーは、保持具が第1位置にあるとき、骨プレート内に保持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の原理の理解を促すために、これより各図に示している各実施形態を参照してゆくが、説明に際して特定の言語を使用する。しかしながら、これによって本発明の範囲を限定する意図はなく、またそのように解釈されるべきではないものと理解頂きたい。図示している装置及び説明している方法に対するその様な変更や更なる修正、及びここに示す本発明の原理のその様な他の応用は、本発明が関係する分野の当業者であれば普通に想起されるものと考えられる。
【0010】
図1及び図2に示す1つの実施形態では、骨アンカー20を使用して骨要素に固定される医療用装置10が提供されている。1つの実施形態では、骨要素は、脊柱の少なくとも1つの椎体を備えていると理解頂きたい。また、骨アンカー20は、例えば、スクリュー、多軸スクリュー、ステープル、又はスパイクを備えていると理解頂きたい。医療用インプラント10は、孔14を有する骨プレート12を含んでいる。孔14は、骨プレート12を貫通して設けられている穴又は開口部を備えている。骨アンカー20は頭部22を含んでいる。骨プレート12は、頭部22が骨プレート12を完全に貫通しないようにして、頭部22を孔14に保持するようになっている。頭部22は、更に、頭部22の上面70(図3)に配置されている受け入れ部分26を含んでいる。受け入れ部分26は、骨アンカー20を骨要素に挿入するのに使用されるドライバの先を受け入れることができるようになっており、及び/又はそうできる形状に作られていると理解頂きたい。また、受け入れ部分26は、図1及び図2に示すものでは、雌型部分であると理解頂きたい。別の実施形態では、受け入れ部分26は、雄型部分を備えている。図1に示すように、保持機構30は骨プレート12に連結されている。保持機構30は、保持具16と付勢部材18を含んでいる。保持具16は、第1端54と第2端56を有しており、第1端54は第2端56とは反対側に位置している。保持具16の第1端54は、輪郭が付けられた縁部36を含んでいる。保持具16の第2端56は、付勢部材18と作動的に係合する。付勢部材18は、骨プレート12の座44に設けられている。1つの実施形態では、付勢部材18はばねである。別の実施形態では、付勢部材18は可撓リングである。更に別の実施形態では、付勢部材18は、形状記憶合金である。1つの実施形態では、形状記憶合金は、ニチノールの様なニッケルチタン合金である。
【0011】
図1に示すように、保持具16は、骨プレート12内で、少なくとも第1位置Aと第2位置Bに動かすことができる。第1位置Aでは、保持具16は骨アンカー20を骨プレート12に維持する。第2位置Bでは、保持具16は、骨アンカー20を孔14に挿入させることができるようにする。骨アンカー20が骨プレート12内に保持されているとき、骨アンカー20は孔14から後退して出るのが防止され、骨プレート12によって孔14に保持される。図1に示すように、骨アンカー20は、係合部分40を含んでいる。1つの実施形態では、保持具16が第1位置Aにあるときで且つ骨アンカー20が孔14に挿入された後、保持具16の輪郭が付けられた縁部36は、係合部分40に隣接して配置されるので、保持具16は、骨アンカー20が孔14から後退して出るのを防止する。別の実施形態では、輪郭が付けられた縁部36は、保持具16が第1位置Aにあるとき、骨アンカー20の係合部分40に接触し又は触れている状態であると理解頂きたい。而して、この位置では、保持具16は、骨アンカー20を骨プレート12内に維持し、骨アンカー20が孔14から後退して出るのを防止する。
【0012】
また、図1に示すように、骨アンカー20が骨プレート12の孔14に挿入される前は、保持機構30の保持具16は、通常、第1位置Aにある。1つの実施形態では、付勢部材18は、保持具16を、付勢部材18からの付勢力によって第1位置Aに保持する。骨アンカー20が孔14に挿入される際、骨アンカー20のねじ部分24(図3)は、骨プレート12の孔14に通される。更に、骨アンカー20が引き続き孔14の中に挿入されると、骨アンカー20の頭部22は保持具16と接触する。頭部22が保持具16と接触すると、保持具16は方向D2に動いて、この動きにより付勢部材18が弾性変形する。保持具16の方向D2への動きは、使用者が骨アンカー20を孔14に挿入する力により生じる。骨アンカー20が引き続き挿入されると、保持具16は、第2位置Bに達するまで方向D2に動き続ける。第2位置Bでは、骨アンカー20の頭部22の最大幅部分を孔14に挿入することができるようになると理解されたい。頭部22の最大幅部分が孔14に挿入された後、付勢部材18は、保持具16を第1位置Aに跳ね返し及び/又は動かして戻す。骨アンカー20を孔14に挿入することにより生じた付勢部材18の弾性変形により、付勢部材18は、骨アンカー20の最大幅部分が孔14に挿入された後、力をD1の方向に働かせる。付勢部材18によるこの力によって、保持具16は、方向D1に第1位置Aまで跳ね返り、復帰し、及び/又は動く。保持具16が第1位置Aに戻った後、頭部22の一部は、保持具16の一部の下方に配置される。また、付勢部材18が保持具16を位置Aに跳ね返し及び/又は動かして戻したとき、保持具16の第1端54の一部は、頭部22の一部を覆い又は覆うように配置されている。1つの実施形態では、保持具16の第1端54の当該部分が骨アンカー20の頭部22を覆うように配置されているとき、保持具16の輪郭が付けられた縁部36は、骨アンカー20の係合部分40を覆うように配置されている。輪郭が付けられた縁部36を骨アンカー20の係合部分40を覆うように配置することで、骨アンカー20は骨プレート12に保持され、骨アンカー20が孔14から後退して抜け出るのが防止される。1つの実施形態では、保持具16の線Dに沿うD1及びD2方向への動きは、骨プレート12の上面70(図3)に対する直線方向の動きであると理解頂きたい。骨アンカー20は、骨アンカー20が骨プレート12に挿入されて保持された後に、骨プレート12の孔14から取り出すことができると理解頂きたい。骨アンカー20を取り出す場合、保持具16を、器具を介して又は使用者が位置Bまで手動で動かす。一旦、保持具16が位置Bまで動かされその位置に保持されると、骨アンカー20は、例えば、引っ張るか、骨アンカー20を骨要素から緩めて外すかにより、孔14から取り出すことができる。この様に、骨アンカー20の骨プレート12に対する保持は、使用者による可逆性を有している。
【0013】
図3及び図4に示す別の実施形態では、医療用インプラント10は、骨プレート12と、第1骨アンカー20と、第2骨アンカー120を含んでいる。図3に示すように、骨プレート12は、上面70と下面72を含んでいる。患者に植え込まれたとき、骨プレート12の下面72は、第1及び第2骨アンカー20と120が取り付けられる骨要素に隣接して又は当接して設置されていると理解頂きたい。また、骨プレート12は、第1孔14と第2孔114を含んでいる。また、図3及び図4に示すように、医療器具10、即ち図3に示しているものは、第1骨アンカー20と第2骨アンカー120を使用して、骨要素に取り付けられる。これより前の説明と同じように、第1骨アンカー20は、ねじ部24と頭部22を含んでおり、第2骨アンカー120も、ねじ部124と頭部122を含んでいる。また、骨アンカー20の頭部22は、受け入れ部分26と係合部分40を含んでいる。同様に、骨アンカー120の頭部122も、受け入れ部分126と係合部分140を含んでいる。
【0014】
図3及び図4に示す1つの実施形態では、保持機構30は骨プレート12に連結されている。保持機構30は、保持具16と付勢部分18を含んでいる。付勢部分18は、骨プレート12の座44に配置されると共に、保持具16の開口部32内に配置されている。この実施形態では、保持具16は、第1骨アンカー20を第1孔14に保持することができ、且つ第2骨アンカー120を第2孔に保持することができる。図4に示すように、保持具16は、骨プレート12内で、少なくとも第1位置A、第2位置B、及び第3位置Cに動くことができる。第1位置Aでは、保持具16が第1骨アンカー20と第2骨アンカー120を骨プレート12に保持する。第2位置Bでは、保持具16は、第1骨アンカー20を第1孔14に挿入できるようにする。第3位置Cでは、保持具16は、第2骨アンカー120を第2孔114に挿入できるようにする。第1骨アンカー20と第2骨アンカー120が骨プレート12に保持されているとき、第1骨アンカー20と第2骨アンカー120は、第1及び第2孔14と114それぞれから後退して抜け出るのが防止され、骨プレート12によって第1及び第2孔14と114それぞれに保持されていると理解頂きたい。更に図4に示すように、第1骨アンカー20は係合部分40を含んでおり、第2骨アンカー120は係合部分140を含んでいる。保持具16が第1位置Aにあるときで、且つ第1骨アンカー20と第2骨アンカー120が第1及び第2孔14と114それぞれに挿入された後、保持具16の第1及び第2の輪郭が付けられた縁部36と136は、係合部分40と係合部分140それぞれに隣接して配置されている。而して、この位置では、保持具16は第1骨アンカー20と第2骨アンカー120を、第1及び第2孔14と114それぞれに保持している。別の実施形態では、保持具16が第1位置Aにあるとき、第1及び第2の輪郭が付けられた縁部36と136は、第1係合部分40と第2係合部分140それぞれと接触した又は触れた状態にあるので、保持具16は、第1及び第2骨アンカー20と120を第1及び第2孔14と114それぞれに保持すると理解頂きたい。
【0015】
先に図4のところで説明し示したように、第1骨アンカー20と第2骨アンカー120が、骨プレート12の第1孔14と第2孔114それぞれに挿入される前、保持機構30の保持具16は、通常、第1位置Aにある。1つの実施形態では、付勢部材18は、付勢部材18による付勢力により、保持具16を第1位置Aに保持する。第1骨アンカー20が第1孔14に挿入される際、第1骨アンカー20のねじ部分24は、骨プレート12の第1孔14に通される。更に、第1骨アンカー20が引き続き第1孔14の中に挿入されると、第1骨アンカー20の頭部22は保持具16と接触する。頭部22が保持具16と接触すると、保持具16は方向D1に動き、この動きにより付勢部材18が弾性変形する。保持具16の方向D1への動きは、使用者が第1骨アンカー20を第1孔14に挿入する力により生じる。第1骨アンカー20が引き続き挿入されると、保持具16は、第2位置Bに達するまで方向D1に動き続ける。第2位置Bでは、第1骨アンカー20の頭部22の最大幅部分を第1孔14に挿入することができると理解頂きたい。頭部22の最大幅部分が第1孔14に挿入された後、付勢部材18は、保持具16を方向D2に第1位置Aへと跳ね返し及び/又は動かして戻す。第1骨アンカー20を第1孔14に挿入することにより生じる付勢部材18の弾性変形により、付勢部材18は、第1骨アンカー20の最大幅部分が第1孔14に挿入された後で、力をD2の方向に働かせる。付勢部材18によるこの力によって、保持具16は、第1位置Aまで跳ね返り、復帰し、及び/又は動く。保持具16が第1位置Aに戻った後、頭部22の一部は保持具16の下方に配置されている。また、付勢部材18が保持具16を第1位置Aに跳ね返し及び/又は動かして戻したとき、保持具16の第1の輪郭が付けられた縁部36の一部は、頭部22の一部を覆い又は覆うように配置されている。1つの実施形態では、保持具16の第1の輪郭が付けられた縁部36の当該部分が第1骨アンカー20の頭部22を覆うように配置されているとき、保持具16の第1の輪郭が付けられた縁部36は、第1骨アンカー20の第1係合部分40を覆うように配置されている。第1の輪郭が付けられた縁部36を第1骨アンカー20の第1係合部分40を覆うように配置することで、第1骨アンカー20は骨プレート12に保持され、第1骨アンカー20が第1孔14から後退して抜け出るのが防止される。
【0016】
第2骨アンカー120に関して、第2骨アンカー120が第2孔114に挿入されるとき、第2骨アンカー120のねじ部分124は、骨プレート12の第2孔114に通される。更に、第2骨アンカー120が引き続き第2孔114の中に挿入されると、第2骨アンカー120の頭部122は保持具16と接触する。頭部122が保持具16と接触すると、保持具16は方向D2に動いて、この動きにより付勢部材18が弾性変形する。保持具16の方向D2への動きは、使用者が第2骨アンカー120を第2孔114に挿入する力により生じる。第2骨アンカー120が引き続き挿入されると、保持具16は、第3位置Cに達するまで方向D2に動き続ける。第3位置Cでは、第2骨アンカー120の頭部122の最大幅部分を第2孔114に挿入することができると理解頂きたい。頭部122の最大幅部分が第2孔114に挿入された後、付勢部材18は、保持具16を方向D2に第1位置Aへと跳ね返し及び/又は動かして戻す。第2骨アンカー120を第2孔114に挿入することにより生じた付勢部材18の弾性変形により、付勢部材18は、第2骨アンカー120の最大幅部分が第2孔114に挿入された後、力をD1の方向に働かせる。付勢部材18によるこの力によって、保持具16は、第1位置Aまで跳ね返り、復帰し、及び/又は動く。保持具16が第1位置Aに戻った後、頭部122の一部は保持具16の下方に配置されている。また、付勢部材18が保持具16を位置Aに跳ね返し及び/又は動かして戻したとき、保持具16の第2の輪郭が付けられた縁部136の一部は、頭部122の一部を覆い又は覆うように配置されている。1つの実施形態では、保持具16の第2の輪郭が付けられた縁部136の当該部分が第2骨アンカー120の頭部122を覆うように配置されているとき、保持具16の第2の輪郭が付けられた縁部136は、第2骨アンカー120の第2係合部分140を覆うように配置されている。第2の輪郭が付けられた縁部136を第2骨アンカー120の第2係合部分140を覆うように配置することで、第2骨アンカー120は骨プレート12内に保持され、第2骨アンカー120が第2孔114から後退して抜け出るのが防止される。1つの実施形態では、保持具16の線Dに沿うD1及びD2方向の動きは、骨プレート12の上面70に対する直線方向の動きであると理解頂きたい。
【0017】
図3に示すように、孔14は、上面70から下面72まで伸張する内側部分を有している。1つの実施形態では、内側部分は円筒形である。上面70は、下面72の反対側に位置しており、下面72は、通常、医療用インプラント10が患者に植え込まれたとき骨要素に隣接して配置される。骨アンカー20は、頭部22とねじ部分24を含んでいる。1つの実施形態では、ねじ部分24の直径は頭部22の直径より小さい。孔14は、ねじ部分24を骨プレートに通すことができるようにすると同時に、頭部22を孔14で保持して、骨プレート12を完全に通過させない大きさに作られている。ねじ部分24を通し且つ頭部22を保持できるようにするため、孔14は、骨プレート12の上面70では広く、骨プレート12の下面72では狭くなっている。1つの実施形態では、孔14の内側部分は、上面70から下面72に向けて先細になっている。
【0018】
図5に示すように、保持具16の1つの実施形態は、保持具16の側部に配置されたタブ34を含んでいる。開口部32が、保持具16に設けられている。図6に、保持具16の底部を示している。1つの実施形態では、保持具16の底部は、骨アンカー20が孔14に挿入されたときに、骨アンカー20の頭部22に面する保持具16の部分である。保持具16の底部は、開口部32の周りに配置された4つの接触部分50を含んでいる。接触部分50のそれぞれは縁部52を保有している。図7に示すように、1つの実施形態では、骨プレート12は、第1孔14と第2孔114の間に配置された、溝通路42、溝46、段48、及び座44を含んでいる。溝通路42は、保持具16のタブ34を受け入れるようになっている。保持具16が様々な位置に、及びそれら各位置から動くと、保持具16のタブ34が骨プレート12の溝通路42内を動く。また、溝通路42は、更に、保持具16を骨プレート12内に保持する。因みに、タブ34は、溝通路42がタブ34を骨プレート12内に捕捉することができるように、溝通路42内に滑動可能に係合されている。また、タブ34が溝通路42に係合しているので、保持具16の接触部分50は、骨プレート12の溝46を通って動くことができる。更に座44は、付勢部材18を受け入れ、付勢部材18は、段48により座44に保持される。1つの実施形態では、付勢部材18は、可撓リングを備えている。所定の位置に置かれると、保持部材18は、保持部材18が段48に押し付けて付勢されるように、座44に納まる。この状態で、付勢力が保持部材18により段48に対して加えられ、この付勢力によって、保持部材18は座44の所定の位置に保持される。
【0019】
この実施形態では、保持機構30は、保持具16のタブ34を溝通路42に滑り込ませることにより、骨プレート12に連結される。上で述べたように、タブ34が溝通路34の中に係合されると、保持具16の接触部分50が骨プレート12の溝46の中を滑動する。保持具16のタブ34は、保持具16の開口部32が座44の上方に位置決めされるまで、溝通路42の中を動かされる。開口部32が座44の上方に位置決めされると、付勢部材18が開口部32を通して座44に挿入される。上で述べたように、付勢部材18は、段48を押し付けるように付勢され、骨プレート12の所定の位置に保持される。保持具18のこの位置は、図4に示す位置Aに対応する。保持機構30が骨プレート12に連結された後、付勢部材18は、保持具16の動きに影響を与える。保持具16が動かされると、保持具16の接触部分50の縁部52は、接触部分50が溝46の中を動く際に付勢部材18と接触する。縁部52と付勢部材18の接触により、付勢部材18から力が生じる。この力によって、付勢部材18は、保持具16を位置A(図4)に復帰させる。この様に、保持機構30は、様々な位置に動いて骨アンカー20と120を挿入できるようにし、保持具16が付勢部材18により加えられる力によって位置A(図4)に復帰することになる。保持具16のこの動きにおいて、付勢部材18による力は使用者による相互作用を何ら要しないことを理解頂きたい。
【0020】
図8に示す別の実施形態では、保持具16は、開口部32の周りの互いに反対側に配置された2つの接触部分50を含んでいる。この実施形態では、骨プレート12は、接触部分50を受け入れるよう配置されている溝46を含んでいる。この実施形態の保持具30の連結と作動は、図5及び図6に関連して上で論じたものと同様である。
【0021】
図10に示す更に別の実施形態では、医療用インプラント10は、骨プレート12に連結された保持機構30を含んでいる。この実施形態では、保持機構30は、第1保持具16と第2保持具116に係合するようになっている付勢部材18を含んでいる。図10に示す実施形態では、骨プレート12は、第1孔14と第2孔114にそれぞれ挿入される骨アンカー20と120を受け入れる。1つの実施形態では、第1及び第2骨アンカー20と120は、互いに対して及び/又は骨プレート12に関して、異なる角度で挿入される。図11に示すように、第1保持具16は第1の輪郭が付けられた縁部36を含んでおり、第2保持具116は第2の輪郭が付けられた縁部136を含んでいる。これまでに論じたように、第1及び第2の輪郭が付けられた縁部36と136は、第1及び第2の係合部分40と140にそれぞれ接触し又は隣接して設置され、第1及び第2骨アンカー20と120それぞれを骨プレート12内に保持する。また、付勢部材18は、付勢部材18による付勢力によって、第1及び第2保持具16と116を第1位置A及びA’それぞれに保持する。
【0022】
図11に示すように、第1保持具16に関して、第1骨アンカー20が第1孔14に差し込まれる際、第1骨アンカー20のねじ部分24は骨プレート12の第1孔14を通過する。更に、第1骨アンカー20が引き続き第1孔14の中に挿入されると、骨アンカー20の頭部22は第1保持具16と接触する。頭部22が第1保持具16と接触すると、第1保持具16は方向D1に動き、この動きにより付勢部材18が弾性変形する。第1保持具16の方向D1への動きは、使用者が第1骨アンカー20を第1孔14に挿入する力により生じる。第1骨アンカー20が引き続き挿入されると、第1保持具16は、第2位置Bに達するまで方向D1に動き続ける。第2位置Bでは、第1骨アンカー20の頭部22の最大幅部分を第1孔14に挿入することができると理解頂きたい。頭部22の最大幅部分が第1孔14に挿入された後、付勢部材18は、第1保持具16を第1位置Aに跳ね返し及び/又は動かして戻す。第1骨アンカー20を第1孔14に挿入することにより生じた付勢部材18の弾性変形により、付勢部材18は、第1骨アンカー20の最大幅部分が第1孔14に挿入された後で、力をD2の方向に働かせる。付勢部材18によるこの力によって、第1保持具16は、方向D2に第1位置Aまで跳ね返り、復帰し、及び/又は動く。第1保持具16が第1位置Aに戻った後、頭部22の一部は第1保持具16の下方に配置されている。また、付勢部材18が第1保持具16を第1位置Aに跳ね返し及び/又は動かして戻したとき、第1保持具16の一部は、頭部22の一部を覆い又は覆うように配置されている。1つの実施形態では、第1保持具16の当該部分が第1骨アンカー20の頭部22を覆うように配置されているとき、第1保持具16の第1の輪郭が付けられた縁部36は、第1骨アンカー20の第1係合部分40を覆うように配置されている。第1の輪郭が付けられた縁部36を第1骨アンカー20の第1係合部分40を覆うように配置することで、第1骨アンカー20は骨プレート12内に保持され、骨アンカー20が第1孔14から後退して抜け出るのが防止される。1つの実施形態では、保持具16の線Dに沿うD1及びD2の方向への動きは、骨プレート12の上面70に対する直線方向の動きであると理解頂きたい。
【0023】
更に図11に示すように、第2保持具116の作動は、第1保持具16に関連して示した作動と同様である。しかしながら、第2保持具116は、第1位置A’と第2位置B’に配置される。また、第2保持具116の線Dに沿う動きは、第1保持具16の動きと反対である。因みに、第2保持具16は、D2の方向に動かされ、第2骨アンカー120を第2孔114に挿入することができるようにし、第2保持具116は、動かされたときに付勢部材18により与えられる力によって、D1の方向に跳ね返り又は動く。
【0024】
また、図12に示すように、骨プレート12は、鍵穴60とスロット58を含んでいる。付勢部材18は、スロット58に配置され、付勢部材18は、スロット58により骨プレート12内に保持される。更に図13と図14に示すように、第1及び第2保持具16と116は、それぞれ鍵穴60に配置されて保持される鍵形の端部62と162含んでいる。図12及び図14に示すように、骨プレート12は、差込口68を更に含んでいる。鍵形の端部62と162は、第1及び第2保持具16と116が骨プレート1内に保持されるように、差込口68を通して設置される。骨プレート12内での第1及び第2保持具16と116の動きは、鍵穴60内の動きである。付勢部材18は、鍵穴60内の第1及び第2保持具16と116の動きによって付勢部材18が弾性変形するように、配置される。而して、第1及び第2保持具16と116は、動かされたとき、弾性変形した付勢部材18による力によって、位置AとA’それぞれに動いて戻されることになる。
【0025】
図1から図4及び図10と図11に関して更に示したように、孔14は上面70から下面72まで先細になっていてもよい。骨プレート12の孔14は、頭部22の先細部分64(図13)又は頭部22全体が、骨プレート12の上面70(図3)よりも下に着座できるように、骨アンカー20の頭部22と相補的な皿穴寸法になっていてもよいと理解頂きたい。また、骨プレート12の孔14の説明は何れも、骨プレートが2つ以上の孔14を有している場合に、骨プレート12の全ての孔14に拡大的に適用されるものと理解頂きたい。
【0026】
本発明に関する以上の論議は、例示と説明を目的としている。また、説明は、本発明をここに開示している形態に限定するものではない。よって、上記教示に相応し関連技術の技量及び知識に相応する各種変形及び修正は、本発明の範囲に含まれる。ここで上に説明した実施形態は、本発明を実施する上で現時点で既知の最適な実施形態を説明するよう意図しており、当業者が本発明を、その様なものとして、又は他の実施形態として、また、当業者による本発明の具体的な適用又は使用に必要な各種修正を加えて、利用できるようにすることを意図している。特許請求の範囲は、先行技術により許容される範囲で代替実施形態を含むように解釈されるよう意図している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】骨プレートの1つの実施形態の部分的3次元上面図である。
【図2】骨プレート、保持機構、及び骨アンカーの1つの実施形態の断面図である。
【図3】骨プレート、保持機構、及び骨アンカーの1つの実施形態の斜視図である。
【図4】保持機構を備えた骨プレートの別の実施形態の部分的3次元上面図である。
【図5】保持具の1つの実施形態の前面図である。
【図6】保持具の1つの実施形態の底面図である。
【図7】骨プレートの別の実施形態の部分的3次元上面図である。
【図8】保持具の別の実施形態の底面図である。
【図9】骨プレートの更に別の実施形態の部分的3次元上面図である。
【図10】骨プレート、保持機構、及び骨アンカーの更に別の実施形態の斜視図である。
【図11】骨プレートの更に別の実施形態の部分的3次元上面図である。
【図12】骨プレートの更に別の実施形態の部分的3次元上面図である。
【図13】骨プレート、保持機構、及び骨アンカーの更に別の実施形態の部分的断面図である。
【図14】鍵穴の1つの実施形態の3次元上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨要素への取り付けに骨アンカーを使用する医療用インプラントにおいて、
孔が貫通形成された骨プレートであって、前記孔は、前記骨アンカーの少なくとも一部を受け入れるようになっている、骨プレートと、
前記骨プレートに連結された保持機構であって、前記保持機構は、保持具と、少なくとも前記保持具と作動的に係合されるようになっている付勢部材とを備えており、前記保持具は、少なくとも第1位置及び第2位置へ、及び前記各位置から、動かすことができ、前記第1位置は、前記骨プレートが前記骨アンカーを前記孔に受け入れることができるようにし、前記第2位置は、前記保持機構が前記骨アンカーを前記骨プレート内に保持することができるようにする、保持機構と、を備えており、
前記骨アンカーを前記孔に挿入することにより、前記保持具は、前記第1位置に動き、前記付勢部材を弾性変形させ、また、前記付勢部材は、前記保持具を前記第2位置に動かし、前記骨アンカーを前記骨プレート内に保持する、医療用インプラント。
【請求項2】
前記骨プレートは、前記保持機構を収納する溝通路を更に備えている、請求項1に記載の医療用インプラント。
【請求項3】
前記保持具の前記第1位置及び前記第2位置への、及び前記各位置からの、動きは、前記溝通路内での前記保持具の一部分の動きを含んでいる、請求項2に記載の医療用インプラント。
【請求項4】
前記保持具の前記第1位置及び前記第2位置への、及び前記各位置からの、動きは、直線方向の動きを含んでいる、請求項1に記載の医療用インプラント。
【請求項5】
前記付勢部材はばねを備えている、請求項1に記載の医療用インプラント。
【請求項6】
前記付勢部材は可撓リングを備えている、請求項1に記載の医療用インプラント。
【請求項7】
前記可撓リングは形状記憶合金を備えている、請求項6に記載の医療用インプラント。
【請求項8】
前記骨アンカーは、頭部の周りに円周方向に設けられた先細部分を有する頭部を更に備えており、前記骨アンカーを前記孔に挿入することにより、前記先細部分が前記保持具に接触して、前記保持具を前記第1位置に動かす、請求項1に記載の医療用インプラント。
【請求項9】
前記保持具は、第1端と、前記第1端の反対側に位置する第2端を備えており、前記第1端は前記付勢部材と係合するようになっており、前記第2端は前記骨アンカーの前記頭部の前記先細部分と接触させるための輪郭が付けられた縁部を備えている、請求項8に記載の医療用インプラント。
【請求項10】
前記骨アンカーは、前記頭部分の頂部に配置された係合部分を更に備えており、前記係合部分は前記保持具と接触して、前記骨アンカーを前記骨プレート内に保持する、請求項8に記載の医療用インプラント。
【請求項11】
前記保持具が前記第2位置にあるときには、前記骨アンカーの前記頭部の一部分は、前記保持具の一部の下方に配置されている、請求項10に記載の医療用インプラント。
【請求項12】
前記骨プレートは、複数の孔と複数の保持機構を更に備えており、前記複数の保持機構の内の1つは、前記複数の孔の内の1つに対応している、請求項1に記載の医療用インプラント。
【請求項13】
前記骨プレートは第1孔と第2孔を更に備えており、前記骨アンカーは第1骨アンカーと第2骨アンカーを含んでおり、前記保持具は、少なくとも第1位置と、第2位置と、第3位置へ、及び前記各位置から、動かすことができ、前記第1位置は、前記骨プレートが前記第1骨アンカーを前記第1孔に受け入れることができるようにし、前記第2位置は、前記骨プレートが前記第2骨アンカーを前記第2孔に受け入れることができるようにし、前記第3位置は、前記保持機構が前記第1骨アンカーを前記骨プレートの前記第1孔内に、前記第2骨アンカーを前記骨プレートの前記第2孔内に保持できるようにしており、
前記第1骨アンカーを前記第1孔に挿入することにより、前記保持具は、前記第1位置に動き、前記付勢部材を弾性変形させ、前記第2アンカーを前記第2孔に挿入することにより、前記保持具は、前記第2位置に動き、前記付勢部材を弾性変形させ、また、前記付勢部材は、前記保持具を前記第3位置に動かし、前記第1及び第2骨アンカーを前記骨プレート内に保持する、請求項1に記載の医療用インプラント。
【請求項14】
骨要素への取り付けに第1及び第2骨アンカーを使用する医療用インプラントにおいて、
第1孔及び第2孔を有する骨プレートであって、前記第1及び第2孔は、前記骨プレートを貫通して設けられており、前記第1孔は前記第1骨アンカーの少なくとも一部を受け入れるようになっており、前記第2孔は前記第2骨アンカーの少なくとも一部を受け入れるようになっている、骨プレートと、
前記骨プレートに連結された保持機構であって、前記保持機構は、保持具と、少なくとも前記保持具に作動的に係合されるようになっている付勢部材とを備えており、前記保持具は、少なくとも第1位置と、第2位置と、第3位置へ、及び前記各位置から、動かすことができ、前記第1位置は、前記骨プレートが前記第1骨アンカーを前記第1孔に受け入れることができるようにし、前記第2位置は、前記骨プレートが前記第2骨アンカーを前記第2孔に受け入れることができるようにし、前記第3位置は、前記保持機構が前記第1及び前記第2骨アンカーを前記骨プレート内に保持できるようにしている、保持機構と、を備えており、
前記第1骨アンカーを前記第1孔に挿入することにより、前記保持具は、前記第1位置に動き、前記付勢部材を弾性変形させ、前記第2アンカーを前記第2孔に挿入することにより、前記保持具は、前記第2位置に動き、前記付勢部材を弾性変形させ、また、前記付勢部材は、前記保持具を前記第3位置に動かし、前記第1及び第2骨アンカーを前記骨プレート内に保持する、医療用インプラント。
【請求項15】
前記骨プレートは、前記保持機構を収納する溝通路を更に備えている、請求項14に記載の医療用インプラント。
【請求項16】
前記保持具の前記第1位置、前記第2位置、及び前記第3位置への、及び前記各位置からの、動きは、前記溝通路内での前記保持具の一部分の動きを含んでいる、請求項15に記載の医療用インプラント。
【請求項17】
前記保持具の前記第1位置、前記第2位置、及び前記第3位置への、及び前記各位置からの、動きは、直線方向の動きを含んでいる、請求項14に記載の医療用インプラント。
【請求項18】
前記付勢部材はばねを備えている、請求項14に記載の医療用インプラント。
【請求項19】
前記付勢部材は可撓リングを備えている、請求項14に記載の医療用インプラント。
【請求項20】
前記可撓リングは形状記憶合金を備えている、請求項19に記載の医療用インプラント。
【請求項21】
骨アンカーを医療用インプラント内に保持する方法において、
孔が貫通して設けられている骨プレートを提供する段階であって、前記骨プレートは、保持具と付勢部材を有する保持機構を更に備えており、前記保持具は、少なくとも第1位置及び第2位置へ、及び前記各位置から、動かすことができ、前記第1位置は、前記骨プレートが前記骨アンカーを前記孔に受け入れることができるようにし、前記第2位置は、前記保持機構が前記骨アンカーを前記骨プレート内に保持できるようにしている、骨プレートを提供する段階と、
前記骨アンカーを前記孔に挿入する段階と、
前記骨アンカーを前記孔に挿入する前記段階により、前記アンカーの頭部を前記保持機構の前記保持具と接触させる段階と、
前記骨アンカーの前記頭部を前記保持具と接触させる前記段階により、前記保持具を前記第2位置に動かす段階と、
前記保持具を前記第1位置から前記第2位置に動かす前記段階により、前記付勢部材を弾性変形させる段階と、
前記骨アンカーの前記頭部を前記孔に受け入れる段階であって、前記骨アンカーの一部が前記保持機構の一部の下方に配置される、前記骨アンカーの前記頭部を前記孔に受け入れる段階と、
前記付勢部材の弾性変形により与えられる力を使用して、前記保持具を前記第2位置から前記第1位置へ動かす段階と、
前記保持具が前記第1位置にあるとき、前記骨アンカーを前記骨プレート内に保持する段階と、を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2008−539822(P2008−539822A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509240(P2008−509240)
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/016727
【国際公開番号】WO2006/119242
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】