説明

医療用ポンプ取付台

【課題】医療用ポンプを取り付けできるとともに、その他の用途に使用しても作業性がよい医療用ポンプ取付台を提供すること。
【解決手段】天板2と、天板2を支持する複数本の支持脚3とを備えた医療用ポンプ取付台1であって、天板2は、凹部15が設けられた上面5aを有する天板本体5と、医療用ポンプ100が着脱自在に取り付けられるポンプ取付部22が第1面21aに設けられ且つ凹部15内に配置された着脱プレート6とを含む。さらに、凹部15が、着脱プレート6の厚さと同じ深さを有しており、天板本体5には、第1面21aを上面及び下面のいずれとした場合においても着脱プレート6が凹部15の底面16によって支持されるように、凹部15の底面16から天板本体5の下面に達する貫通孔13が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸液ポンプやシリンジポンプのような人体に薬剤等の注入を行う医療用ポンプが取り付けられる、医療用ポンプ取付台に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用ポンプが取り付けられる医療器具としては医療用スタンド(例えば、特許文献1の図1参照)が知られているが、手術時等においては、医療用ポンプは医療用スタンドから取り外されて載置台に置かれていることが多い。このような医療用ポンプが載置される載置台に関する技術としては、例えば特許文献2に記載されたものがある。特許文献2に記載された医療電子機器用カートは、載置台2と支持部材8とローラ7とを有した医療電子機器用カートであり、載置台2の上に複数の輸液装置1a〜1dが載置可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−137680号公報
【特許文献2】特開2002−177347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に記載された医療電子機器用カートにおいては、輸液装置(以下、医療用ポンプと記載する。)が載置台に固定されていないため、医療用ポンプが載置台の上を移動したり、最悪の場合には載置台から落ちてしまう可能性があり、不安全である。一方、載置台は、作業スペース等その他の用途としても使用されることが多くあり、医療用ポンプを固定するための取付部が載置台の上面に設けられているのも都合が悪い。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、医療用ポンプを取り付けできるとともに、その他の用途に使用した場合にも作業性のよい医療用ポンプ取付台を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の医療用ポンプ取付台は、天板と、前記天板を支持する複数本の支持脚とを備えた医療用ポンプ取付台であって、前記天板は、凹部が設けられた上面を有する天板本体と、医療用ポンプが着脱自在に取り付けられるポンプ取付部が一方の面に設けられ且つ前記凹部内に配置された着脱プレートとを含んでおり、前記凹部が、前記着脱プレートの厚さと同じ深さを有しており、前記天板本体には、前記一方の面を上面及び下面のいずれとした場合においても前記着脱プレートが前記凹部の底面によって支持されるように、前記凹部の前記底面から前記天板本体の下面に達する貫通孔が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
この構成によると、ポンプ使用時にはポンプ取付部の設けられた一方の面を上面として着脱プレートを凹部内に配置し、ポンプ不使用時にはポンプ取付部の設けられた一方の面を下面としてポンプが取り外された着脱プレートを凹部内に配置することができる。したがって、医療用ポンプを医療用ポンプ取付台に取り付けることができるとともに、着脱プレートを上下反転させるだけで、その他の作業を作業性よく行うことができるようになる。また、凹部が着脱プレートの厚さと同じ深さを有しているので、着脱プレートが上下いずれの向きに配置されている場合であっても、天板上面をより凹凸の少ない使用しやすいものとすることができる。さらに、貫通孔が設けられているので、凹部の深さと同じ厚みを有している着脱プレートの凹部からの取り外し作業が容易となる。
【0008】
また本発明において、前記ポンプ取付部が前記着脱プレートの前記一方の面から突出した凸部であり、前記一方の面を下面として前記着脱プレートが前記凹部内に配置されたときに、前記着脱プレートが前記ポンプ取付部以外の領域で前記凹部の前記底面によって支持されると共に、前記貫通孔が前記凸部の少なくとも一部を収容することが好ましい。
【0009】
この構成によると、ポンプ取付部が凸部である場合においても、着脱プレートを上下反転させることができる。
【0010】
また本発明において、前記着脱プレートの他方の面が平面となっていることことが好ましい。
【0011】
この構成によると、ポンプ不使用時に医療用ポンプ取付台での作業性が向上する。
【0012】
また本発明において、前記凹部の開口形状と前記着脱プレートの他方の面の平面形状とが同じであることが好ましい。
【0013】
この構成によると、ポンプ不使用時に天板本体と着脱プレートとの間に隙間ができないため、医療用ポンプ取付台での作業性が向上する。
【0014】
また本発明において、前記着脱プレートには、前記着脱プレートの側面から突出した突出位置と、前記着脱プレートの前記側面から突出しない引っ込み位置とを、選択的に取り得るラッチが取り付けられており、前記一方の面を上面として前記着脱プレートが前記凹部内に配置されたときに、前記ラッチがユーザに操作されることによって、前記ラッチが前記突出位置と前記引っ込み位置との間を移動し、前記ラッチは、前記一方の面を下面として前記着脱プレートが前記凹部内に配置されたときに、前記凹部の前記底面と干渉することがなく、前記凹部を画定する前記天板本体の内周面には、前記一方の面を上面として前記着脱プレートが前記凹部内に配置されたときに前記突出位置にある前記ラッチを収容する穴が設けられていることが好ましい。
【0015】
この構成によると、ポンプが取り付けられた着脱プレートが凹部から飛び出すのを簡単な操作だけで未然に防止することが可能となる。
【0016】
また本発明において、前記天板本体にはそれぞれに前記貫通孔が形成された複数の前記凹部が設けられていると共に、前記凹部と同数の前記着脱プレートを備えていることが好ましい。
【0017】
この構成によると、複数の医療用ポンプを医療用ポンプ取付台に取り付けることができる。また、医療用ポンプの取り付け位置を選択することも可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の医療用ポンプ取付台によれば、ポンプ使用時にはポンプ取付部の設けられた一方の面を上面として着脱プレートを凹部内に配置し、ポンプ不使用時にはポンプ取付部の設けられた一方の面を下面としてポンプが取り外された着脱プレートを凹部内に配置することができる。したがって、医療用ポンプを医療用ポンプ取付台に取り付けることができるとともに、着脱プレートを上下反転させるだけで、その他の作業を作業性よく行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る医療用ポンプ取付台の斜視図である。
【図2】図1に示した医療用ポンプ取付台の要部拡大図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係る医療用ポンプ取付台1の斜視図である。なお、同図においては、構造の理解を容易とするため、着脱プレート6d、6gが医療用ポンプ取付台1から取り外された状態を示している。
【0021】
医療用ポンプ取付台1は、図1に示すように、天板2と、複数本の支持脚3と、キャスター4とを有しており、天板2はさらに、天板本体5と、9つの着脱プレート6a〜6i(互いの区別が必要ないときは、単に着脱プレート6と記載する。)とを有している。着脱プレート6は、天板本体5の上面5aに設けられた凹部15の内部に配置されている。着脱プレート6には、ポンプ取付部22が設けられており、医療用ポンプ100が着脱自在に取り付けられる。医療用ポンプ100からはチューブ(不図示)が延びており、薬剤等が入った輸液バッグ(不図示)や患者等(不図示)に接続され、薬剤等が医療用ポンプ100により患者等(不図示)に注入される。なお、キャスター4は必要に応じて設置されるものであり、なくてもよい。
【0022】
天板本体5は、台座固定板11の上に台座固定板11と幅(X方向)及び長さ(Y方向)が同じである台座12が固定されて形成されている。台座固定板11には、開口形状が矩形状の貫通孔13が9つ形成されている。9つの貫通孔13は全て同一形状であり、台座固定板11の幅方向(X方向)及び長さ方向(Y方向)においてそれぞれ一定の間隔をあけてマトリクス状に設けられている(図1において、着脱プレート6a〜6iが配置された位置に設けられている。)。台座12には、貫通孔13よりも幅(X方向)及び長さ(Y方向)がともに大きく、開口形状が正方形をした貫通孔14が9つ形成されている。9つの貫通孔14は全て同一形状であり、その中心が貫通孔13の中心と同一位置となる位置に設けられている。したがって、この貫通孔14を画定する内周面14aと、貫通孔13と貫通孔14との大きさの違いにより形成された段差部(図1のハッチング部分(以下、底面16と記載する。))とにより前記した凹部15が形成され、凹部15は天板本体5の上面5aに9つ形成されることになる。また、貫通孔13は、この底面16から天板本体5の下面に達するように設けられていることになる。なお、天板本体5は、台座固定板11と台座12とが一体に形成されていてもよいが、2枚の部材を重ね合わせて形成した方が、天板本体5の成形費を抑えることができるので好ましい。
【0023】
9つの凹部15の内部には、着脱プレート6a〜6iがそれぞれ配置されている。着脱プレート6は、図1に示すように、プレート本体21とプレート本体21の一方の面である第1面21aから突出した凸状のポンプ取付部22とを有しており、プレート本体21の第1面21aを上面及び下面のいずれとした場合においても、着脱プレート6を凹部15の内部に配置できるようになっている。即ち、着脱プレート6を上下反転させて配置することが可能となる。図1において、着脱プレート6a、6c、6iは、第1面21aを上面として凹部15の内部に配置されたものであり、着脱プレート6b、6e、6f、6hは、第1面21aを下面として凹部15の内部に配置されたものである。
【0024】
このように、第1面21aを上面として凹部15の内部に配置した場合には、ポンプ取付部22が上方を向くことになり、医療用ポンプ100をこの着脱プレート6に取り付けることができる。したがって、医療用ポンプ100を医療用ポンプ取付台1に固定可能となり、従来例(例えば、特許文献2)と比較して医療用ポンプ100を安全に使用できる。一方、医療用ポンプ100をポンプ取付部22から取り外して第1面21aを下面として凹部15の内部に配置した場合には、ポンプ取付部22が下方を向くことになり、天板本体をその他の作業、例えば手術時における簡単な作業を作業性よく行うことができる。このように、医療用ポンプの使用又は不使用に合わせて着脱プレート6を上下反転させることで、着脱プレート6を用途に応じて適切に使い分けることができる。
【0025】
次に、着脱プレート6の構造の詳細について図2〜図4を参照しつつ説明する。図2は図1に示した医療用ポンプ取付台1の要部拡大図、図3は図1のIII−III断面図、図4は図1のIV−IV断面図である。まず、図2を参照しつつプレート本体21の形状について説明する。プレート本体21は、嵌入部25がないとすると直方体形状であり、凹部15の幅(X方向)及び長さ(Y方向)と同じ幅及び長さを有し、凹部15の深さと同じ厚みを有している。このように、プレート本体21の幅及び長さが凹部15の幅及び長さと同じであるので、着脱プレート6が凹部15の内部に上下いずれの向きに配置されている場合であっても、着脱プレート6が凹部15の底面16によって支持される。また、プレート本体21の厚みが凹部15の深さと同じであるので、天板上面をより凹凸の少ない使用しやすいものとすることができる。また、プレート本体21の他方の面である第2面21bが平面であるので、第2面21bを上面として(第1面21aを下面として)着脱プレート6を凹部15の内部に配置した場合に天板上面での作業性が向上する。さらに、プレート本体21の幅及び長さが凹部15の幅及び長さと同じであるので、第2面21bの平面形状が凹部15の開口形状と同じとなり、ポンプ不使用時に天板本体5と着脱プレート6との間に隙間ができず、天板上面での作業性がより向上する。
【0026】
また、天板本体5には、凹部15の底面16から天板本体5の下面に達するように貫通孔13が形成されているので、天板本体5の下面側から着脱プレート6を天板本体5の上面5a側に押し出す操作が可能となり、凹部15の深さと同じ厚みを有している着脱プレート6の凹部15からの取り外し作業を容易に行うことができる。
【0027】
また、本実施形態においては、プレート本体21は嵌入部25がないとすると直方体形状であるが、プレート本体21の第2面21bが平面であり、且つ、第2面21bの平面形状が凹部15の開口形状と同じであれば、必ずしも直方体形状である必要はない。直方体形状の場合と比較しても、天板上面での作業性は変わらないからである。
【0028】
また、天板上面での作業性が多少劣ることになるが、第2面21bは必ずしも平面である必要はない。さらに、プレート本体21の平面形状の大きさは、第1面21aを上面及び下面のいずれとした場合においても着脱プレート6が凹部15の底面16によって支持されるのであれば、凹部15の開口形状の大きさよりも小さくてよい。
【0029】
また、本実施形態においては、凹部15の開口形状を正方形とし、着脱プレート6の平面形状も凹部15の開口形状と同じ大きさを有した正方形としているが、凹部15の開口形状及び着脱プレート6の平面形状は、第1面21aを上面及び下面のいずれとした場合においても着脱プレート6が凹部15の内部に配置可能である形状であれば、様々な形状とすることができる。このような形状としては、任意の直線に対して線対称となる形状であることが必要条件となり、例えば正多角形、長方形、円、楕円などが挙げられる。
【0030】
次に、ポンプ取付部22について説明する。ポンプ取付部22は凸状であり、一端部がねじ23(図3参照)により、プレート本体21の中央部に着脱自在に取り付けられている。ポンプ取付部22の他端部には、ねじ部24が設けられており、このねじ部24に医療用ポンプ100が着脱自在に取り付けられる。ここで、凸状とは、例えば円柱形状が挙げられるが、その他の形状であってもよい。また、ポンプ取付部22は、ねじ以外の手段によりプレート本体21に固定されていてもよいし、プレート本体21とポンプ取付部22は一体に形成されていてもよい。さらに、ポンプ取付部22と医療用ポンプ100との接続も、着脱自在であれば、ねじ以外の手段により接続されていてよい。
【0031】
なお、本実施形態においては、医療用ポンプ100を、ポンプ本体100aと固定部100bとから形成し、固定部100bがポンプ取付部22に取り付けられるようにしているが、ポンプ本体100aをポンプ取付部22に直接に取り付けるようにしてもよい。
【0032】
ポンプ取付部22が取り付けられた面(第1面21a)を下面として、着脱プレート6が凹部15の内部に配置される場合、ポンプ取付部22が凹部15の底面16に干渉することがないように、第1面21aのうちポンプ取付部22以外の領域で着脱プレート6が凹部15の底面16によって支持されるようになっている。したがって、図4に示すように、ポンプ取付部22が貫通孔13を突き抜けるようにして、着脱プレート6が凹部15の内部に配置されていることになる。言い換えると、貫通孔13はポンプ取付部22の一部を収容していると言える。なお、ポンプ取付部22の長さは、貫通孔13を突き抜けるまでの長さとする必要はなく、貫通孔13が設けられた領域の厚さ(即ち、台座固定板11の厚さ)よりも短くしてもよい。その場合、貫通孔13はポンプ取付部22の全部を収容していると言える。
【0033】
また、第1面21aを下面として着脱プレート6が凹部15の内部に配置される際に、着脱プレート6がポンプ取付部22以外の領域で凹部15の底面16によって支持される範囲であれば、ポンプ取付部22はプレート本体21の中央部以外に取り付けられていてもよい。
【0034】
また、本実施形態において、ポンプ取付部22は凸状としているが、ねじ穴等の凹状であってもよい。その場合には、医療用ポンプ100に、この凹状部に着脱可能な接続部材を備えておく必要がある。また、ポンプ取付部22が凹状である場合には、第1面21aを下面として着脱プレート6が凹部15の内部に配置されたときに、凹部15の底面16にポンプ取付部22を含む領域が支持されていてもよい。
【0035】
次に、着脱プレート6の天板本体5への取り付けについて説明する。プレート本体21には、プレート本体21の第1面21a及び側面が開放側となるように2つの陥入部25が形成されており、それぞれの陥入部25にはラッチ機構31が複数のねじ32により取り付けられている。ラッチ機構31は、ラッチ33とこのラッチ33を収納する収納部34とから形成されている。ラッチ33は、図3に示すように、L字形であり、Y方向に延びた突起35と素手で操作しやすいように先端に球体36aを備え且つZ方向に延びた操作部36とを有している。収納部34は、陥入部25よりも小さい筐体であり、収納部34の厚み方向(図2のZ方向)に貫通し且つY方向を長手方向とする長孔37と、収納部34の上面34aとは反対側の面において、長孔37から収納部34の側面34bまで延在するように設けられた溝38とを有している。そして、ラッチ33の操作部36は、球体36aが上面34aから突出するように長孔37に収納されており、ラッチ33の突起35は溝38に収納されている。操作部36は、長孔37の長手方向の範囲内(図3に示す範囲L)において摺動可能であり、操作部36を摺動させることにより、突起35を、プレート本体21の側面から突出した突出位置(図3に示した状態)と、プレート本体21の側面から突出しない引っ込み位置(図4に示した状態)との間で移動させることができる。
【0036】
また、天板本体5の内周面14aには、穴39が設けられており、プレート本体21の第1面21aを上面として着脱プレート6が凹部15の内部に配置されたときに、前記した突出位置にある突起35を収容するようになっている。したがって、操作部36を摺動させて、突起35を前記した突出位置に移動させることで、突起35と穴39とは係合し、着脱プレート6は天板本体5に取り付けられる。また、突起35を前記した引っ込み位置に移動させることで、突起35と穴39とは係合しないようになり、着脱プレート6と天板本体5との固定は解除される。このように、簡単な操作で着脱プレート6を天板本体5に取り付けでき、医療用ポンプ100が取り付けられた着脱プレート6が、例えば医療用ポンプ100から延びたコードに使用者が足を引っ掛けるなどして、凹部15から飛び出すのを未然に防止することができる。なお、本実施形態において、ラッチ機構31は2つとしているが、2つに限られるものではなく、1つとしてもよいし、3つ以上あってもよい。
【0037】
一方、図4に示すように、プレート本体21の第1面21aを下面として着脱プレート6が凹部15の内部に配置されたときには、ラッチ機構31を操作することはせず、天板本体5と着脱プレート6との固定はされないままとしている。ポンプ不使用時には、着脱プレート6が凹部15から飛び出す可能性が低いためである。なお、もちろん、ラッチ機構31を操作して、着脱プレート6と天板本体5とを固定しておいてもよい。
【0038】
また、この場合においては、図4に示すように、ラッチ33の操作部36が貫通孔13に収容されるようになっており、ラッチ機構31が凹部15の底面16に干渉しないようになっている。なお、ラッチ機構31がプレート本体21の第1面21aから突出しないようにして、ラッチ機構31と凹部15の底面16との干渉を防止してもよい。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
【0040】
本実施形態において、医療用ポンプ取付台1は、9つの凹部15と9つの着脱プレート6とを有しているが、凹部15は少なくとも1つあればよく、着脱プレート6も凹部15と同数であればいくつであってもよい。また、着脱プレート6には、ラッチ機構31が設けられているが、ラッチ機構31はなくてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1:医療用ポンプ取付台
2:天板
3:支持脚
4:キャスター
5:天板本体
5a:上面
6:着脱プレート
13、14:貫通孔
15:凹部
16:底面
21:プレート本体
21a:第1面(一方の面)
21b:第2面(他方の面)
22:ポンプ取付部
31:ラッチ機構
33:ラッチ
39:穴
100:医療用ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、前記天板を支持する複数本の支持脚とを備えた医療用ポンプ取付台であって、
前記天板は、凹部が設けられた上面を有する天板本体と、医療用ポンプが着脱自在に取り付けられるポンプ取付部が一方の面に設けられ且つ前記凹部内に配置された着脱プレートとを含んでおり、
前記凹部が、前記着脱プレートの厚さと同じ深さを有しており、
前記天板本体には、前記一方の面を上面及び下面のいずれとした場合においても前記着脱プレートが前記凹部の底面によって支持されるように、前記凹部の前記底面から前記天板本体の下面に達する貫通孔が形成されていることを特徴とする医療用ポンプ取付台。
【請求項2】
前記ポンプ取付部が前記着脱プレートの前記一方の面から突出した凸部であり、
前記一方の面を下面として前記着脱プレートが前記凹部内に配置されたときに、前記着脱プレートが前記ポンプ取付部以外の領域で前記凹部の前記底面によって支持されると共に、前記貫通孔が前記凸部の少なくとも一部を収容することを特徴とする請求項1に記載の医療用ポンプ取付台。
【請求項3】
前記着脱プレートの他方の面が平面となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用ポンプ取付台。
【請求項4】
前記凹部の開口形状と前記着脱プレートの他方の面の平面形状とが同じであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用ポンプ取付台。
【請求項5】
前記着脱プレートには、前記着脱プレートの側面から突出した突出位置と、前記着脱プレートの前記側面から突出しない引っ込み位置とを、選択的に取り得るラッチが取り付けられており、
前記一方の面を上面として前記着脱プレートが前記凹部内に配置されたときに、前記ラッチがユーザに操作されることによって、前記ラッチが前記突出位置と前記引っ込み位置との間を移動し、
前記ラッチは、前記一方の面を下面として前記着脱プレートが前記凹部内に配置されたときに、前記凹部の前記底面と干渉することがなく、
前記凹部を画定する前記天板本体の内周面には、前記一方の面を上面として前記着脱プレートが前記凹部内に配置されたときに前記突出位置にある前記ラッチを収容する穴が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療用ポンプ取付台。
【請求項6】
前記天板本体にはそれぞれに前記貫通孔が形成された複数の前記凹部が設けられていると共に、前記凹部と同数の前記着脱プレートを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用ポンプ取付台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−59367(P2013−59367A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197938(P2011−197938)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(500409219)学校法人関西医科大学 (36)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)
【Fターム(参考)】