説明

医療用モニターユーザーインターフェース

【課題】患者を監視し、生理的パラメータの値を監視および表示するのに有用な方法および装置が開示される。
【解決手段】一実施形態の医療用監視装置のユーザーインターフェースはカレント値画面およびトレンド画面を備える監視画面を有する。カレント値画面は、カレント期間に亘るなど、経時的な生理的パラメータの値のグラフ図を表示することができ、トレンド画面は、ヒストリカル期間に亘るなど、経時的な生理的パラメータの平均値のグラフ図を表示することができる。期間は調節可能である。生理的パラメータの限界値を超える状態が暗くした部分によって示されることができる。カレント値画面は、生理的パラメータの値を表すトレンドラインと、アラーム閾値を設定する閾値ラインとの間の暗くした部分を表示することができる。ヒストリカル値画面は、生理的パラメータの値を表すトレンドラインと、別の閾値ラインとの間の暗くした部分を表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔分野〕
本発明は、一般的に、患者を監視するための方法および装置、ならびに、生理的パラメータの値を監視および表示するための方法および装置に関する。
【0002】
〔背景〕
患者の監視には様々な形態をとることができ、様々な生理的データを収集することができる。表示される事柄および表示方法を含むそのようなデータの表示は、医師および看護士といった介護者がその表示を解釈し、その表示に基づいて行動する能力に影響を及ぼし得る。例えば、頭蓋内圧力(intercranial pressure)は、外傷性脳損傷の患者に対する標準的な監視様式である。治療指針は、頭蓋内圧力の閾値を規定している場合がある。例えば、脳外傷財団(Brain Trauma Foundation)の指針は、頭蓋内圧力が2666.45Pa(20水銀柱ミリメートル)〜3333.06Pa(25水銀柱ミリメートル(mmHg))を超える場合には、頭蓋内圧力を低減させるために臨床行為が取られるべきであると規定している。しかしながら、患者の生理機能、監視システムの騒音、および介護者によって取られる行為を含む、数多くの要因が頭蓋内圧力に過渡変化をもたらし得る。
【0003】
患者を監視するために、介護者が、図1に示されているような、コドマンアイシーピーエクスプレス(Codman ICP Express)などの監視装置を用いる。図示されているように、この監視装置は、頭蓋内圧力の表示部、頭蓋内圧力の収縮期および拡張期の値の表示部、ならびに、アラームを有する。介護者は、頭蓋内圧力を確認するために表示部を見ることができる。介護者はまた、チャートを用いることができ、例えば、介護者は、患者に関連する事象をチャートに手動で記録することができる。
【0004】
頭蓋内圧力を表示するための改良された方法および装置によって、例えば、臨床意思決定を支援するためなど、患者の状態のより完璧な臨床像が可能になる。さらに、そのような考察は、頭蓋内圧力だけでなく、他の生理的パラメータを含む様々な患者の監視様式にも適用することができる。したがって、患者を監視し、生理的パラメータの値を監視および表示するための改良された装置および方法が必要とされている。
【0005】
〔概要〕
一実施形態では、医療用監視装置のためのユーザーインターフェースが提供される。ユーザーインターフェースは、第一の期間に亘る生理的パラメータ(例えば、患者から測定される頭蓋内圧力または他のパラメータ)の値のグラフ図を表示するカレント値画面(current value screen)を含んでいてもよい。ユーザーインターフェースはまた、第二の期間に亘る生理的パラメータの平均値のグラフ図を表示するトレンド画面(trend screen)を含んでいてもよい。カレント値画面およびトレンド画面は各々、監視画面上に表示されることができる。カレント値画面および/またはトレンド画面上に表示される、描かれたグラフ図は、トレンドラインであってもよい。ある実施形態では、カレント値画面は、生理的パラメータの値が所定の閾値を超える時に、トレンドラインの下の領域を暗くすることによって、これらの期間の限界値を超える状態(out-of-limit condition)を示すように構成されていてもよく、および/または、トレンド画面は、生理的パラメータの平均値が所定の閾値を超える時に、トレンドラインの下の領域を暗くすることによって、これらの期間の限界値を超える状態(out-of-limit condition)を示すように構成されていてもよい。
【0006】
ある実施形態では、ユーザーインターフェースは入力装置を含んでいてもよい。例えば、入力装置は、前述の第二の期間の長さを選択するために、ユーザーの入力を受信することができる。ユーザーインターフェースはまた、生理的パラメータの値を閾値と比較して限界値を超える状態を検出するための処理回路であって、この処理回路が限界値を超える状態を検出した時だけ、信号を監視画面に送信してトレンド画面を表示する、処理回路を含んでいてもよい。さらに、ユーザーインターフェースは、トレンド画面上に表示されるグラフ図上に配置される事象マーカー(event marker)を含んでいてもよい。事象マーカーは、医療関連の事象が起こった時刻であって、前述の第二の期間の範囲内にある時刻に対応する点に、配置されていてもよい。
【0007】
医療用監視装置の別の例示的なユーザーインターフェースは、所与の期間に亘る生理的パラメータ(例えば、患者から測定される頭蓋内圧力または他のパラメータ)の値のグラフ図を表示するトレンド画面を含んでいてもよい。ユーザーインターフェースはまた、医療関連の事象が起こった時刻であって、この所与の期間の範囲内にある時刻に対応する点において、グラフ図上に配置される事象マーカーを含んでいてもよい。事象マーカーは、事象ラインまたは事象アイコンであってもよく、限界値を超える状態またはアラーム状態の開始または終了と関連していてもよい。ある実施形態では、ユーザーインターフェースは、生理的パラメータの平均値を計算することができる処理回路を含んでいてもよく、トレンド画面上に表示されるグラフ図は、その所与の期間に亘る生理的パラメータの平均値のグラフ図であってもよい。ユーザーインターフェースはまた、トレンド画面およびカレント値画面を表示するように構成された監視画面を含んでいてもよい。
【0008】
多くのさらなる変更および追加の特徴が可能である。例えば、ユーザーインターフェースは、生理的パラメータの平均値を計算する処理回路を含んでいてもよく、トレンド画面は、その所与の期間に亘る生理的パラメータの平均値のグラフ図を表示するように構成されていてもよい。ユーザーインターフェースは、ユーザーが事象マーカーを選択することができるように構成されているポインティング・デバイスを含んでいてもよい。マークされた事象の情報画面が提供され、選択された事象マーカーに関する情報を表示することができる。
【0009】
他の態様では、生理的パラメータを監視するための方法が提供される。一実施形態では、例示的な方法は、経時的な生理的パラメータ(例えば、患者から測定される頭蓋内圧力または他のパラメータ)の値を表すデータを受信することを含む。方法は、カレント値画面およびトレンド画面を監視画面上に表示することと、第一の期間に亘る生理的パラメータの値のグラフ図(例えば、トレンドライン)を、カレント値画面上に描くことと、を、さらに含んでいてもよい。方法は、経時的な生理的パラメータの値の平均値を決定することと、第二の期間に亘る生理的パラメータの平均値のグラフ図(例えば、トレンドライン)を、トレンド画面上に描くことと、を、さらに含んでいてもよい。
【0010】
方法はまた、限界値を超える状態を示すこともできる。例えば、方法は、生理的パラメータの値を閾値と比較して、限界値を超える状態を検出することを含んでいてもよい。カレント値が閾値を超える時に限界値を超える状態が起こり得る。ある実施形態では、限界値を超える状態が検出された時だけ、トレンド画面が表示されることができる。他の実施形態では、方法は、トレンド画面上の、トレンドラインと、閾値ライン(所定の閾値に対応することができる)との間の領域を暗くして、生理的パラメータの平均値が限界値を超える状態であることを示すことを含んでいてもよい。方法はまた、カレント値画面上の、トレンドラインと、閾値ライン(所定の閾値に対応することができる)との間の領域を暗くして、生理的パラメータの値が限界値を超える状態であることを示すことを含んでいてもよい。
【0011】
様々なさらなる変形が可能である。方法は、ユーザーの入力に応答してトレンド画面を再描画して、第二の期間の長さを変更すること、および/または、事象マーカーを用いて、(例えば、トレンド画面上に)生理的パラメータの平均値のグラフ図をマークすること、を含んでいてもよい。事象マーカーは、医療関連の事象が起こった時刻であって、第二の期間の範囲内にある時刻に対応する点に、配置されていてもよい。
【0012】
生理的パラメータを監視するための別の例示的な方法は、経時的な生理的パラメータ(例えば、患者から測定される頭蓋内圧力または他のパラメータ)の値を表すデータを受信することを含んでいてもよい。方法は、所与の期間に亘る生理的パラメータの値のグラフ図(例えば、トレンドライン)を、トレンド画面上に描くことと、事象マーカーを用いてグラフ図をマークすることと、をさらに含んでいてもよい。事象マーカーは、(例えば、その所与の期間の範囲内にある)医療関連の事象が起こった時刻に対応する点に、配置されていてもよい。ある実施形態では、事象マーカーは、グラフ図またはトレンドライン上の点に関連する事象アイコンを含んでいてもよい。例えば、事象マーカーは、限界値を超える状態の開始または終了と関連していてもよい。他の実施形態では、方法は、ユーザーからの入力を受信してマークするための事象の種類を選択することと、事象マーカーを用いてグラフ図をマークすることと、を含んでいてもよい。事象マーカーは、ユーザーによって選択される事象の種類と関連していてもよい。方法は、ユーザーからの入力を受信して事象マーカーを選択することと、選択された事象マーカーに関連する事象に関する情報を表示することと、をさらに含んでいてもよい。情報は、例えば、医療関連の事象が起こった時刻を含んでいてもよい。
【0013】
様々なさらなる変形が可能である。例えば、方法はまた、第二の期間に亘る生理的パラメータの値のグラフ図をカレント値画面上に描くことも含んでいてもよい。さらに、経時的な生理的パラメータの平均値を決定することができ、その期間に亘る生理的パラメータの平均値のグラフ図(例えば、トレンドライン)が、トレンド画面上に描かれることができる。カレント値画面および前述のトレンド画面の各々は、監視画面の一部に描かれることができる。
【0014】
本発明は、添付の図面とともに以下の詳細な記載を読めば、より十分に理解されるであろう。
【0015】
〔詳細な説明〕
本明細書に開示される装置および方法の構造、機能、製造、および使用の原理を総体的に理解するために、ある例示的な実施形態が以下に記載されるであろう。これらの実施形態の1または複数の例が、添付の図面に図示されている。当業者であれば理解されるであろうが、本明細書に具体的に記載され、添付の図面に図示されている装置および方法は、非限定的で例示的な実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ規定される。一つの例示的な実施形態に関して図示および記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような変更および変形は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0016】
本出願は、患者を監視し、生理的パラメータを表示および監視するのに有用な方法および装置を開示する。多くの場合、説明には例示的な生理的パラメータとして頭蓋内圧力を使用するが、これは単なる例示に過ぎない。本明細書に記載される方法および装置は、実質的には任意の監視様式および/または生理的パラメータに適用できる。
【0017】
図2は、カレント値画面202およびトレンド画面204を表示する監視画面200を有する医療用装置のユーザーインターフェースの一つの例示的な実施形態を示す。この例では、カレント値画面202およびトレンド画面204は、例えば、水銀柱ミリメートルの単位の頭蓋内圧力を表示するが、前述したように、任意の他の生理的パラメータが適切な単位で表示されることができる。カレント値画面202は、例えば、約5〜10秒前、または、患者の直前の数回の鼓動といった、カレント期間(current time period)に亘る生理的パラメータの値を表示することができる。カレント期間(current time period)はまた、1回の鼓動であってもよい。表示された値は、例えば、コドマン・マイクロセンサ・アイシーピー・トランスデューサ(Codman Microsensor ICP Transducer)を介するなど、当該技術分野で従来既知の任意の方法により監視装置が受信したデータに基づいていてもよい。図示されているように、生理的パラメータ(例えば、頭蓋内圧力)の値は、トレンドライン206によってグラフで表されているが、実質的には、棒グラフまたは別個のデータ点のプロットまたは他の画像表示など、任意のグラフ図が使用されてもよい。カレント期間の長さは、調節可能である。ある実施形態では、こういう種類のユーザー入力を受信するために、医療用監視装置は、タッチスクリーン、キーパッド、タッチパッド、ポインティング・デバイス、マウス、ボタン、ノブ、ダイアルなどの入力装置を含むことができるか、またはそのような入力装置に結合されることができる。例えば、医療用監視装置はタッチスクリーンを含んでいてもよく、ユーザーがトレンド画面自体を押す時、または、ユーザーが監視画面上に表示されたメニューもしくはソフトボタンを起動する時、期間を調節することができる。時間範囲の調節は、様々な臨床プロトコルを可能にすることができ、したがって、そのようなプロトコルは異なる期間に亘ってパラメータの追跡を要求し得る。カレント値画面の縦軸の目盛りもまた、同様の要領で調節可能である。
【0018】
図2のカレント値画面202の下に示されているトレンド画面204は、別の期間210に亘る生理的パラメータの値を表示することができる。一般的には、期間は、例えばこの例では15分で、カレント期間よりも長くてもよいが、実質的には任意の期間を使用することができる。他の実施形態では、期間210は、時間数、日数、またはそれより長くてもよく、カレント値画面202に対して上述のように調節可能である。多くの実施形態では、期間210は、目的の特定の監視プロトコルの必要条件に適応することができる。例えば、期間は頭蓋内圧力監視に関する期間に対応することができ、それにより、介護者がこの期間を観察することが可能である。図2に示されているように、トレンド画面204は、生理的パラメータの平均値212、例えば2〜3秒ごとといったサンプル期間に亘って計算される生理的パラメータの平均値を表示する(しかし、平均値は任意のサンプル期間に亘って計算することができる)。さらに、トレンド画面は、トレンドライン212、または、カレント値画面202に関して前述されたような、例えば棒グラフ、プロット点といった、平均値の他のグラフ図を表示することができる。代替的に、トレンド画面204は、例えば、中央値、正規化値などの生理的パラメータに基づく別の統計値の値を表示することができる。
【0019】
監視画面200は、様々な他の特徴を有することができ、様々な他のデータを表示することができる。例えば、図2に示されているように、監視画面200は、例えば、カレント平均頭蓋内圧力といった生理的パラメータのカレント平均値を示すために、テキスト表示部214を有していてもよい。監視画面200はまた、患者の状態のより完璧な臨床像を可能にするために、他の生理的パラメータの値を表示することもできる。図に示されているように、監視画面は、脳灌流圧(CPP)(例えば、図2における、平均動脈圧(MAP)から頭蓋内圧力(ICP)を引いたもの)を示すテキスト表示部216と、(例えば、図2に摂氏温度で表示されている)温度を示すテキスト表示部218と、(例えば、医療用監視装置に結合されているパルス酸素濃度計を介して得られる)酸素飽和度pO(oxygen saturation pO2)を示すテキスト表示部220と、を含む。監視画面200は、監視しやすい、実質的に任意の他の生理的パラメータを表示することができ、および/または、そのような表示部を搭載するために他の監視画面が含まれていてもよい。限界値を超える閾値またはアラーム閾値は、テキスト表示部214〜220の隣に表示することができる(例えば、図2は、CPPを示す下部の限界値を超える閾値が60であり、上部の閾値が80である、一組のアラーム閾値222を示す)。ある実施形態では、そのようなパラメータは、それら自体のカレント値画面、および/またはヒストリカル値画面を伴う。監視装置200はまた、その上側に沿って1または複数の制御部を含むこともできる。例えば、メニューボタン224はメニューへのアクセスを提供することができ、医療用監視装置のシステム構成を変更し、および/または、医療用監視装置の他の特徴部を起動させ、ならびに、カレント値画面202もしくはトレンド画面204の時間範囲の設定などの選好(preferences)を変更する。以下により詳細に記載されているように、トレンドボタン226は、経時的なパラメータの値を示すことができるヒストリカルトレンド画面を起動することができる。以下により詳細に記載されているように、事象マーキングボタン228は、ヒストリカルトレンド画面(または、監視画面200上のトレンド画面204)上のマークされた事象を入力するために、事象マーキング画面へのアクセスを提供することができる。停止ボタン230は表示部を一時的に停止またはフリーズさせることができ、このことは、トレーニングの目的のために、または、表示部の特定のアスペクトをより詳細に精査するために有利でありうる。印刷ボタン232は、監視画面200またはその一部を印刷することができ、例えば、取り付けられたプリンタまたは医療用監視装置に一体化されたプリンタがある。監視画面200はまた、ステータスインジケータを表示することもできる。例えば、図2では、電力インジケータ234は、監視装置内のバッテリーの現在の充電を表示し、かつ、装置が外部の電源に接続されているかどうかを表示する。
【0020】
図2に図示されている画面の相対的な大きさおよび位置は、本来は例示的であり、当業者であれば理解されるであろうが、画面のうちいずれもが、実質的には任意の大きさおよび任意の位置を有することができる。ある実施形態では、トレンド画面204がカレント値画面202より大きくなるように大きさを決めるか、またはトレンド画面204を単独で(例えば患者のヒストリーまたはトレンドを観察する状態で)表示することは有利であり得る。ユーザーインターフェースはまた、カレント値画面202を単独で(例えばカレント値のみを監視する状態で)表示することもできる。
【0021】
図3は、例えば、監視された生理的パラメータが医療用監視装置に格納された閾値を超える時など、医療用監視装置が限界値を超える状態またはアラーム状態を検出する時のユーザーインターフェースを示す。限界値を超える状態は様々な方法で表示されることができるが、図3では、いくつかの異なる視覚的アラームインジケータを示す。例えば、カレント値画面202は、トレンドライン206と閾値ライン302との間に、暗くした部分300(shading 300)を表示することができ、生理的パラメータが閾値を上回ることを示す。暗くした部分300は、生理的パラメータの値が閾値ライン302を超える量を目立たせることもでき、例えば、カレント値画面202の暗くした部分は、直前の数回の鼓動が閾値302と比較してどのようであるかを視覚的に示すことができる。暗くした部分300はまた、任意の色であってよく、かつ実線、模様の付いたもの、点滅するものなどであってもよい。トレンド画面204はまた、トレンドラインと閾値ライン306との間の暗くした部分304を表示することもでき、これはユーザーまたは所定のレベルによって設定することができる。トレンド画面204に関して、暗くした部分は、生理的パラメータが閾値306を上回る期間の長さを示すことができ、また、その期間に生理的パラメータの値が閾値を超える量を目立たせることができる。例えば、図3は、限界値を超える状態の開始から約30秒間のユーザーインターフェースを示す。図4は、限界値を超える状態が約5分間持続したあとの図3のユーザーインターフェースを示す。暗くした部分300、306はまた、介護者が、限界値を超える状態が開始した時刻を決定し、かつ/または、患者の近時のヒストリーを評価することを可能にでき、このことは、限界値を超える状態の開始時に介護者の手が空いていない場合に有利である。暗くした部分300、306はまた、介護者が、一時的に限界値を超える状態を識別して、それらの重要性を評価することも可能にする。ある実施形態では、トレンド画面204は、生理的パラメータが限界値を超える状態の時にだけ現れることができ(例えば、カレント値画面は他の時に単独で現れることができる)、一方で他の実施形態では、トレンド画面204は監視画面200上に常に存在することができる。ユーザーインターフェースは、生理的パラメータの現在の平均を示すテキスト表示部214を点滅させることによって、限界値を超える状態の別の視覚的インジケータを提供することができる。追加として、アラームサイレンスボタン308を提供することができ、例えば、監視装置が限界値を超える状態を示すために可聴アラームを含む実施形態において、可聴アラームの音を消すことができる。多くの実施形態において、アラームサイレンスボタン208は、監視装置が限界値を超える状態を検出する時にだけ現れることができる。
【0022】
前述したように、ユーザーインターフェースは、ヒストリカルトレンド画面などの、(例えば、監視画面200とは別個の)別個のトレンド画面を含むことができる。ヒストリカルトレンド画面は、前述したように、監視画面200上のヒストリカルトレンド画面ボタン226を介してアクセス可能である。図5に示されているように、一実施形態では、ヒストリカルトレンド画面500は、所与の期間に亘る生理的パラメータの値を示す(任意の他のグラフ図も可能であるが)トレンドライン502を表示し、監視された生理的パラメータに関する患者のヒストリーを、介護者が観察するのを可能にする。この例では、ヒストリカルトレンド画面500は2時間の期間に亘る頭蓋内圧力の平均値を表示する。図2に示されているトレンド画面204と図5に示されているヒストリカルトレンド画面500とは、本明細書においては「ヒストリカル」という用語により区別されているが、ある実施形態では、トレンド画面204とヒストリカルトレンド画面500とは類似または同じ期間を含むことができ、またある実施形態では、トレンド画面204はヒストリカルトレンド画面500に比べてより長い期間を含むことができる、ということに留意されるべきである。さらに、ヒストリカルトレンド画面500は、トレンド画面204に関して前述した特徴のいずれかを有していてもよい。例えば、ヒストリカルトレンド画面500上に示された期間は調節可能であり、かつ/または、ヒストリカルトレンド画面500は、限界値を超える状態を示すために、トレンドライン502と閾値ライン506との間の暗くした部分504を表示することができる。ヒストリカルトレンド画面500はまた、生理的パラメータの平均値のテキスト表示部508、ならびに、メニューボタン510、ホームボタン512、ボタン514、停止ボタン516および印刷ボタン518を含むこともできる。
【0023】
ヒストリカルトレンド画面500は、事象が起こった時刻を示す事象マーカー520を表示することができる。一般的にそのような事象は、例えば、介護者による薬剤の投与、頭蓋内圧力を監視するセンサの調節、患者の体温の測定、介護者の観察などの医療関連の事象である。このようにして、ユーザーインターフェースは監視されるパラメータと外部の事象との間の相関関係を可能にする。事象マーカー520は実質的には任意の形態を有することができるが、図5に示されているように、事象マーカー520は、ヒストリカルトレンド画面500の底部に配置されたアイコンである。マークされた事象ライン522はアイコンをトレンドラインに結びつけることができる。ある実施形態では、すべての事象マーカー520は同一であってよいが、他の実施形態では、事象マーカー520は、事象のカテゴリーを表す様々なシンボルを含んでいてもよく、色分けされていてもよく、かつ/または、別様に異なる種類の事象に対して区別されていてもよい。事象マーキングがこれまでヒストリカルトレンド画面500に関して記載されてきたが、ある実施形態では、監視画面200上に表示されたトレンド画面204は、例えば、ヒストリカルトレンド画面500上の事象マーキングに追加して、またはヒストリカルトレンド画面500上の事象マーキングの代わりに、事象マーカーを表示することができる。
【0024】
ユーザーインターフェースは、事象マーカーの選択の際に、例えばタッチスクリーンまたはポインティング・デバイスを介して、マークされた事象の情報画面を表示することができる。図6は、事象マーカー情報画面600の一例を示す。マークされた事象の情報画面600は、ヒストリカルトレンド画面500または監視画面200を覆うウィンドウとして表示されることができ、選択されたマークされた事象604についての情報602を表示することができる。情報602は、マークされた事象の種類、事象が起きた時刻、および/または、介護者によって入力される可能性がある他の情報を含むことができる。いくつかの場合では、情報602は期間内の点における監視された生理的パラメータの値を含むことができる。前に戻る事象ボタン(previous event button)606、および、次に進む事象ボタン(next event button)608は、ユーザーがヒストリカルトレンド画面500上のマークされた事象520をスクロールすることを可能にする。マークされた事象の情報画面600はまた、マークされた事象の情報画面600を閉じるためのコントロールボタン610を有することもできる。
【0025】
事象のマーキングは様々な方法で行うことができる。例えば、限界値を超える状態の開始または終了時に、ユーザーインターフェースは事象マーカーを用いてトレンドラインを自動的にマークすることができる。他の実施形態では、ユーザーインターフェースは、ユーザーがマークされた事象を手動で入力することを可能にする事象マーキング画面を含むことができる。図7は、マークされた事象を手動で入力する例示的な事象マーキング画面700を示す。事象マーキング画面700は、例えば、前述したように、監視画面200上の事象マーキングボタン228をユーザーが選択する際に表示することができる。図示されているように、事象マーキング画面700は、ヒストリカルトレンド画面500または監視画面200を覆うウィンドウとして表示されることができる。図7に示されているように、事象マーキング画面700は、スクロール制御部704によってアクセスされるリスト702の中に1または複数の事象を含むことができる。リスト702内の事象は、あらかじめ決定することができ、実行される監視の種類に適合するように作られることができる。例えば、図7では、リスト702は頭蓋内圧力の監視に関連する事象を含む。例えば、「中核体温上昇(Core Temperature Elevated)」の事象は、医療用監視装置に接続された温度センサによって温度が読み取られた結果を示すことができる。「脳脊髄液排液(CSF Drain)」の事象は、介護者が患者から脳脊髄液を排液したことを示すことができ、このことは頭蓋内圧力の読み取りに影響を及ぼし得る。ある実施形態では、「脳脊髄液排液」の事象マーカーは、例えば「脳脊髄液排液5〜10ccs(CSF Drain 5-10 ccs)」など、量によってさらに分類することができる。「頭蓋内圧力レベル調整(ICP Level Regulated)」の事象は、外圧トランスデューサ(例えば、基準圧力トランスデューサ)が介護者によって移動または調節されたこと、あるいは、患者が移動されたこと、を示すことができる。「マンニトールが患者に与えられる(Mannitol Given To Patient)」という事象、または同様の事象は、介護者が薬剤を患者に投与したことを示すことができる。使用の際に、ユーザーは、例えばタッチスクリーンまたはポインティング・デバイスを介して、リスト702から事象を選択することができる。ユーザーは、事象に関する追加の情報、ならびに、事象の時刻を入力することができるが、ある実施形態では、事象の時刻は、事象が事象マーキング画面700上で選択された時刻として自動的に記録されることができる。
【0026】
図2〜図7に関して記載されているユーザーインターフェースは、例えば、監視装置、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ハンドヘルドコンピュータ、タブレット型パソコン、または他のコンピュータ装置などの実質的には任意の装置上で実現することができる。多くの実施形態では、装置は、センサからデータを受信するため、センサのデータを記録された限界値を超える閾値と比較するためなどの、処理回路を有するであろう。当業者であれば理解されるように、ブラウン管(CRTs)、液晶ディスプレー画面、タッチスクリーンなどを含む様々な表示部が、装置から信号を受信し、本明細書に記載されるスクリーンおよび他の視覚的アスペクトを表示することができる。さらに、様々なソフトウェアパッケージが、装置上で実行されることができ、かつ/または、前述の画面、および例えばフラッシュ・マクロメディア(Flash Macromedia)を含む他の要素を発達させるために使用されることができる。
【0027】
図8は、図2〜図7に示されるようなユーザーインターフェースを実現することができる装置(例えば監視装置)の一例を示す。装置800は、前述されたような画面を表示するための表示部802を含むことができる。表示部802は、プロセッサ、ビデオカード、および/または、実質的に任意の種類の電子回路を含むことができる処理回路804から信号を受信することができる。処理回路804はソフトウェアを実行して、例えば、ユーザーの入力、および/あるいは、1または複数の検出装置808からのデータを表すなど、1または複数の入力装置806からのデータに応答して適切な画面を描画することができる。別個の装置として示されているが、入力装置806と検出装置808とは、装置800に一体化することができる。入力装置806は、ポインティング・デバイス、キーボード、ボタン、マイクロホン、ソフトキー(soft-keys)、タッチスクリーンなどを含むことができる。入力装置806は、装置インターフェース810を介して処理回路804に通信接続されることができる。検出装置808は、頭蓋内圧力トランスデューサ、温度センサ、血圧モニター、パルス酸素濃度計、または、生理的パラメータを検出し、それについて報告するように構成された実質的に任意の他の装置を含むことができる。検出装置は、装置インターフェース812を介して処理回路に通信接続されることができる。メモリ814は、監視ソフトウェア、検出装置808からのデータ、限界値を超える閾値もしくはアラーム閾値、および/または、患者のデータなどの様々なデータを記憶するための処理回路804に接続されることができる。追加として、装置800は、例えば、可聴または視覚的なアラームを提供するために、アラーム機構816を含むことができる。
【0028】
当業者であれば、上記した実施形態に基づいたさらなる特徴および利点を理解されるであろう。したがって、本出願は、添付の特許請求の範囲によって示されることを除いては、具体的に図示および記載されることによって限定されるべきではない。本明細書に引用されるすべての刊行物および参照文献は、その内容全体が参照により本明細書にはっきりと組み込まれるものとする。
【0029】
〔実施の態様〕
(1)生理的パラメータを監視するための方法において、
経時的な生理的パラメータの値を表すデータを受信することであって、前記生理的パラメータは患者から測定される、データを受信することと、
カレント値画面およびトレンド画面を、監視画面上に表示することと、
第一の期間に亘る前記生理的パラメータの前記値のグラフ図を、前記カレント値画面上に描くことと、
経時的な前記生理的パラメータの平均値を決定することと、
第二の期間に亘る前記生理的パラメータの前記平均値のグラフ図を、前記トレンド画面上に描くことと、
を含む、方法。
(2)実施態様1に記載の方法において、
前記カレント値画面上に描かれた前記グラフ図は、トレンドラインを含み、
前記方法は、
前記トレンドラインと、所定の閾値に対応する閾値ラインとの間の領域を暗くして、前記生理的パラメータの限界値を超える状態を示すこと、
をさらに含む、方法。
(3)実施態様1に記載の方法において、
前記トレンド画面上に描かれた前記グラフ図は、トレンドラインを含み、
前記方法は、
前記トレンドラインと、所定の閾値に対応する閾値ラインとの間の領域を暗くして、前記生理的パラメータの限界値を超える状態を示すこと、
をさらに含む、方法。
(4)実施態様1に記載の方法において、
前記生理的パラメータは、頭蓋内圧力である、方法。
(5)実施態様1に記載の方法において、
ユーザーの入力に応答して前記トレンド画面を再描画して、前記第二の期間の長さを変更すること、
をさらに含む、方法。
(6)実施態様1に記載の方法において、
ある時点における前記生理的パラメータの値を閾値と比較して、限界値を超える状態を検出すること、をさらに含み、
前記限界値を超える状態は、前記生理的パラメータの前記値が前記閾値を超える時に起こり、
前記トレンド画面の表示は、前記限界値を超える状態が検出された時だけ行われる、方法。
(7)実施態様1に記載の方法において、
医療関連の事象が起こった時刻であって、前記第二の期間の範囲内にある、時刻に配置されている事象マーカーを用いて、前記生理的パラメータの前記平均値の前記グラフ図にマークすること、
をさらに含む、方法。
(8)医療用監視装置のためのユーザーインターフェースにおいて、
第一の期間に亘る生理的パラメータの値のグラフ図を表示するカレント値画面であって、前記生理的パラメータは患者から測定される、カレント値画面と、
第二の期間に亘る前記生理的パラメータの平均値のグラフ図を表示するトレンド画面と、
を含み、
前記カレント値画面および前記トレンド画面は各々、監視画面の一部として表示される、ユーザーインターフェース。
(9)実施態様8に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記カレント値画面上の前記生理的パラメータの前記値の前記グラフ図は、トレンドラインであり、
前記カレント値画面は、前記トレンドラインの下の領域を暗くすることによって、前記生理的パラメータの前記値が所定の閾値を超える時に、限界値を超える状態を示すように構成されている、ユーザーインターフェース。
(10)実施態様8に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記トレンド画面上の前記生理的パラメータの前記平均値の前記グラフ図は、トレンドラインであり、
前記トレンド画面は、前記トレンドラインの下の領域を暗くすることによって、前記生理的パラメータの前記平均値が所定の閾値を超える時に、限界値を超える状態を示す、ユーザーインターフェース。
【0030】
(11)実施態様8に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記第二の期間の長さを選択するために、ユーザーの入力を受信するための入力装置、
をさらに含み、
前記トレンド画面は、前記ユーザーが選択した第二の期間に亘る前記生理的パラメータの前記平均値の前記グラフ図を表示するように構成されている、ユーザーインターフェース。
(12)実施態様8に記載のユーザーインターフェースにおいて、
ある時点における前記生理的パラメータの値を閾値と比較して、限界値を超える状態を検出するための処理回路であって、前記処理回路が前記限界値を超える状態を検出した時だけ、信号を前記監視画面に送信して前記トレンド画面を表示する、処理回路、
をさらに含む、ユーザーインターフェース。
(13)実施態様8に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記トレンド画面上に表示される前記グラフ図上に配置される事象マーカー、
をさらに含み、
前記事象マーカーは、医療関連の事象が起こった時刻であって、前記第二の期間の範囲内にある時刻に対応する点に、配置されている、ユーザーインターフェース。
(14)生理的パラメータを監視するための方法において、
経時的な生理的パラメータの値を表すデータを受信することであって、前記生理的パラメータは患者から測定される、データを受信することと、
所与の期間に亘る前記生理的パラメータの前記値のグラフ図を、トレンド画面上に描くことと、
医療関連の事象が起こった時刻であって、前記期間の範囲内にある、時刻の点に配置されている事象マーカーを用いて、前記グラフ図にマークすることと、
を含む、方法。
(15)実施態様14に記載の方法において、
前記グラフ図は、トレンドラインであり、
前記事象マーカーは、前記トレンドライン上の点に関連する事象アイコンを含む、方法。
(16)実施態様14に記載の方法において、
ユーザーからの入力を受信してマークするための事象の種類を選択することと、
前記ユーザーによって選択される前記事象の種類と関連する事象マーカーを用いて、前記グラフ図にマークすることと、
をさらに含む、方法。
(17)実施態様14に記載の方法において、
ユーザーからの入力を受信して前記事象マーカーを選択することと、
選択された前記事象マーカーに関連する前記事象に関する情報を表示することであって、前記情報は、前記医療関連の事象が起こった前記時刻を含む、情報を表示することと、
をさらに含む、方法。
(18)実施態様14に記載の方法において、
前記事象マーカーは、限界値を超える状態の開始または終了のいずれかと関連している、方法。
(19)実施態様14に記載の方法において、
第二の期間に亘る前記生理的パラメータの値のグラフ図を、カレント値画面上に描くこと、
をさらに含み、
前記カレント値画面および前記トレンド画面の各々は、監視画面の一部に描かれる、方法。
(20)実施態様14に記載の方法において、
前記生理的パラメータは、頭蓋内圧力である、方法。
【0031】
(21)実施態様14に記載の方法において、
カレント値画面および前記トレンド画面を、監視画面上に表示することと、
第二の期間に亘る前記生理的パラメータの値のグラフ図を、前記カレント値画面上に描くことと、
経時的な前記生理的パラメータの平均値を決定することと、
をさらに含み、
前記グラフ図の前記値を前記トレンド画面上に描くことは、前記期間に亘る前記生理的パラメータの前記平均値のグラフ図を描くことによって実行される、方法。
(22)医療用監視装置のためのユーザーインターフェースにおいて、
所与の期間に亘る生理的パラメータの値のグラフ図を表示するトレンド画面であって、前記生理的パラメータは患者から測定される、トレンド画面と、
医療関連の事象が起こった時刻であって、前記期間の範囲内にある、時刻に対応する点において、前記グラフ図上に配置されている、事象マーカーと、
を含む、ユーザーインターフェース。
(23)実施態様22に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記生理的パラメータの平均値を計算する処理回路、
をさらに含み、
前記トレンド画面は、前記期間に亘る前記生理的パラメータの前記平均値のグラフ図を表示するように構成されている、ユーザーインターフェース。
(24)実施態様22に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記事象マーカーは、限界値を超える状態の開始または終了のいずれかと関連している事象ラインおよび事象アイコンのいずれかを含む、ユーザーインターフェース。
(25)実施態様22に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記ユーザーが事象マーカーを選択することができるように構成された、ポインティング・デバイスと、
選択された前記事象マーカーに関する情報を表示する、マークされた事象の情報画面と、
をさらに含む、ユーザーインターフェース。
(26)実施態様22に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記生理的パラメータは、頭蓋内圧力である、ユーザーインターフェース。
(27)実施態様22に記載のユーザーインターフェースにおいて、
監視画面であって、前記トレンド画面、および第二の期間に亘る前記生理的パラメータの前記値のグラフ図を表示するカレント値画面を表示するように構成された、監視画面と、
前記生理的パラメータの平均値を計算する処理回路と、
をさらに含み、
前記トレンド画面上に表示された前記グラフ図は、前記期間に亘る前記生理的パラメータの前記平均値のグラフ図である、ユーザーインターフェース。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】モニターの従来技術の図である。
【図2】カレント値画面およびトレンド画面のグラフ図を表示する監視画面を有する医療用監視装置の例示的なユーザーインターフェースの図である。
【図3】カレント値画面およびトレンド画面が、限界値を超える状態の生理的パラメータのグラフ図を表示する、図2に示されたユーザーインターフェースの図である。
【図4】カレント値画面およびトレンド画面が、所与の期間に亘って継続する、限界値を超える状態の生理的パラメータのグラフ図を表示する、図2に示されたユーザーインターフェースの図である。
【図5】経時的な生理的パラメータの値のグラフ図、および、グラフ図上に配置された事象マーカーを表示する、図2に示されるユーザーインターフェースのヒストリカルトレンド画面の図である。
【図6】選択された、マークされた事象に関する情報を表示する、図1に示されたユーザーインターフェースの、事象をマークする情報画面の図である。
【図7】事象をマークするためにユーザーの入力を受信するための、図2に示されたユーザーインターフェースの事象マーキング画面の図である。
【図8】図1に示されるユーザーインターフェースを実行するための、例示的な装置を概略的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理的パラメータを監視するための方法において、
経時的な生理的パラメータの値を表すデータを受信することであって、前記生理的パラメータは患者から測定される、データを受信することと、
カレント値画面およびトレンド画面を、監視画面上に表示することと、
第一の期間に亘る前記生理的パラメータの前記値のグラフ図を、前記カレント値画面上に描くことと、
経時的な前記生理的パラメータの平均値を決定することと、
第二の期間に亘る前記生理的パラメータの前記平均値のグラフ図を、前記トレンド画面上に描くことと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記カレント値画面上に描かれた前記グラフ図は、トレンドラインを含み、
前記方法は、
前記トレンドラインと、所定の閾値に対応する閾値ラインとの間の領域を暗くして、前記生理的パラメータの限界値を超える状態を示すこと、
をさらに含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記トレンド画面上に描かれた前記グラフ図は、トレンドラインを含み、
前記方法は、
前記トレンドラインと、所定の閾値に対応する閾値ラインとの間の領域を暗くして、前記生理的パラメータの限界値を超える状態を示すこと、
をさらに含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記生理的パラメータは、頭蓋内圧力である、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
ユーザーの入力に応答して前記トレンド画面を再描画して、前記第二の期間の長さを変更すること、
をさらに含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
ある時点における前記生理的パラメータの値を閾値と比較して、限界値を超える状態を検出すること、
をさらに含み、
前記限界値を超える状態は、前記生理的パラメータの前記値が前記閾値を超える時に起こり、
前記トレンド画面の表示は、前記限界値を超える状態が検出された時だけ行われる、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
医療関連の事象が起こった時刻であって、前記第二の期間の範囲内にある、時刻に配置されている事象マーカーを用いて、前記生理的パラメータの前記平均値の前記グラフ図にマークすること、
をさらに含む、方法。
【請求項8】
医療用監視装置のためのユーザーインターフェースにおいて、
第一の期間に亘る生理的パラメータの値のグラフ図を表示するカレント値画面であって、前記生理的パラメータは患者から測定される、カレント値画面と、
第二の期間に亘る前記生理的パラメータの平均値のグラフ図を表示するトレンド画面と、
を含み、
前記カレント値画面および前記トレンド画面は各々、監視画面の一部として表示される、ユーザーインターフェース。
【請求項9】
請求項8に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記カレント値画面上の前記生理的パラメータの前記値の前記グラフ図は、トレンドラインであり、
前記カレント値画面は、前記トレンドラインの下の領域を暗くすることによって、前記生理的パラメータの前記値が所定の閾値を超える時に、限界値を超える状態を示すように構成されている、ユーザーインターフェース。
【請求項10】
請求項8に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記トレンド画面上の前記生理的パラメータの前記平均値の前記グラフ図は、トレンドラインであり、
前記トレンド画面は、前記トレンドラインの下の領域を暗くすることによって、前記生理的パラメータの前記平均値が所定の閾値を超える時に、限界値を超える状態を示す、ユーザーインターフェース。
【請求項11】
請求項8に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記第二の期間の長さを選択するために、ユーザーの入力を受信するための入力装置、
をさらに含み、
前記トレンド画面は、前記ユーザーが選択した第二の期間に亘る前記生理的パラメータの前記平均値の前記グラフ図を表示するように構成されている、ユーザーインターフェース。
【請求項12】
請求項8に記載のユーザーインターフェースにおいて、
ある時点における前記生理的パラメータの値を閾値と比較して、限界値を超える状態を検出するための処理回路であって、前記処理回路が前記限界値を超える状態を検出した時だけ、信号を前記監視画面に送信して前記トレンド画面を表示する、処理回路、
をさらに含む、ユーザーインターフェース。
【請求項13】
請求項8に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記トレンド画面上に表示される前記グラフ図上に配置される事象マーカー、
をさらに含み、
前記事象マーカーは、医療関連の事象が起こった時刻であって、前記第二の期間の範囲内にある、時刻に対応する点に、配置されている、ユーザーインターフェース。
【請求項14】
生理的パラメータを監視するための方法において、
経時的な生理的パラメータの値を表すデータを受信することであって、前記生理的パラメータは患者から測定される、データを受信することと、
所与の期間に亘る前記生理的パラメータの前記値のグラフ図を、トレンド画面上に描くことと、
医療関連の事象が起こった時刻であって、前記期間の範囲内にある、時刻の点に配置されている事象マーカーを用いて、前記グラフ図にマークすることと、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記グラフ図は、トレンドラインであり、
前記事象マーカーは、前記トレンドライン上の点に関連する事象アイコンを含む、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、
ユーザーからの入力を受信してマークするための事象の種類を選択することと、
前記ユーザーによって選択される前記事象の種類と関連する事象マーカーを用いて、前記グラフ図にマークすることと、
をさらに含む、方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法において、
ユーザーからの入力を受信して前記事象マーカーを選択することと、
選択された前記事象マーカーに関連する前記事象に関する情報を表示することであって、前記情報は、前記医療関連の事象が起こった前記時刻を含む、情報を表示することと、
をさらに含む、方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法において、
前記事象マーカーは、限界値を超える状態の開始または終了のいずれかと関連している、方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法において、
第二の期間に亘る前記生理的パラメータの値のグラフ図を、カレント値画面上に描くこと、
をさらに含み、
前記カレント値画面および前記トレンド画面の各々は、監視画面の一部に描かれる、方法。
【請求項20】
請求項14に記載の方法において、
前記生理的パラメータは、頭蓋内圧力である、方法。
【請求項21】
請求項14に記載の方法において、
カレント値画面および前記トレンド画面を、監視画面上に表示することと、
第二の期間に亘る前記生理的パラメータの値のグラフ図を、前記カレント値画面上に描くことと、
経時的な前記生理的パラメータの平均値を決定することと、
をさらに含み、
前記グラフ図の前記値を前記トレンド画面上に描くことは、前記期間に亘る前記生理的パラメータの前記平均値のグラフ図を描くことによって実行される、方法。
【請求項22】
医療用監視装置のためのユーザーインターフェースにおいて、
所与の期間に亘る生理的パラメータの値のグラフ図を表示するトレンド画面であって、前記生理的パラメータは患者から測定される、トレンド画面と、
医療関連の事象が起こった時刻であって、前記期間の範囲内にある、時刻に対応する点において、前記グラフ図上に配置されている、事象マーカーと、
を含む、ユーザーインターフェース。
【請求項23】
請求項22に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記生理的パラメータの平均値を計算する処理回路、
をさらに含み、
前記トレンド画面は、前記期間に亘る前記生理的パラメータの前記平均値のグラフ図を表示するように構成されている、ユーザーインターフェース。
【請求項24】
請求項22に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記事象マーカーは、限界値を超える状態の開始または終了のいずれかと関連している事象ラインおよび事象アイコンのいずれかを含む、ユーザーインターフェース。
【請求項25】
請求項22に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記ユーザーが事象マーカーを選択することができるように構成された、ポインティング・デバイスと、
選択された前記事象マーカーに関する情報を表示する、マークされた事象の情報画面と、
をさらに含む、ユーザーインターフェース。
【請求項26】
請求項22に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記生理的パラメータは、頭蓋内圧力である、ユーザーインターフェース。
【請求項27】
請求項22に記載のユーザーインターフェースにおいて、
監視画面であって、前記トレンド画面、および第二の期間に亘る前記生理的パラメータの前記値のグラフ図を表示するカレント値画面を表示するように構成された、監視画面と、
前記生理的パラメータの平均値を計算する処理回路と、
をさらに含み、
前記トレンド画面上に表示された前記グラフ図は、前記期間に亘る前記生理的パラメータの前記平均値のグラフ図である、ユーザーインターフェース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−6147(P2009−6147A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−166883(P2008−166883)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(500140415)コドマン・アンド・シャートレフ・インコーポレイテッド (34)
【氏名又は名称原語表記】Codman & Shurtleff, Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham, Massachusetts 02767−0350, U.S.A.
【Fターム(参考)】