説明

医療用加速装置における機能監視のための方法

【課題】医療用加速装置における改善された機能監視を可能にする方法を提供する。
【解決手段】医療用加速装置における機能監視のための方法において、少なくとも1つの医療用加速器の動作を定性的に特徴づける少なくとも1つの信号が、自動的に検出されてディジタル化され、ディジタル化された形で後続のコンピュータ支援による加速装置機能検査の枠内での評価のために提供すべくデータ処理装置に保存される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用加速装置における機能監視のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高エネルギー電磁放射線もしくは粒子放射線が発生させられる加速装置は、放射線治療医学において使用される。このために患者の身体範囲に放射線が照射され、それによって、この範囲に細胞構成要素に変化をひき起こすためのエネルギーが伝達される。放射線治療は、特に癌治療において、腫瘍細胞の分裂能力を阻止するため、もしくはこれらの細胞を殺すために使用される。加速装置には線形加速器も円形加速器も使用される。
【0003】
この種の医療用加速装置における機能監視を実現するために、従来は、動作にとって重要な装置信号を評価できるようにするために、装置もしくは加速器のコンソール室におけるボックスに手作業でオシロスコープを接続することが必要である。この場合、オシロスコープの時間のかかる調整が必要であり、そして得られた信号情報がわざわざ例えば紙に書き留められなければならない。装置が治療のために使用される期間における監視は、ほとんどできないか、あるいは困難をともなってしかできない。なぜならば、コンソール室内における技術者の存在が、装置に付いて仕事をしている臨床医の妨げになることがあるからである。
【0004】
得られた情報は個々に書き留められなければならないために、僅かだけの信号データ、例えば振幅および幅が取得され、このデータ取得自体は、一般に約3か月という長いメンテナンス間隔でしか行なわれない。
【0005】
更に、モデムごとに得られた信号を点検装置に伝送する発端においても、まずオシロスコープを接続すべきであり、それにより使用者の介入が、データ伝送のためにも依然として必要であるという問題が存在する。データ取得は、オシロスコープが接続されている短い時間に限定され、すなわち一般には治療時間外において、故障の時や、定められた長い整備間隔での定期整備の時に限定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、医療用加速装置における改善された機能監視を可能にする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題の解決のために、医療用加速装置における機能監視を可能のための方法において、本発明によれば、少なくとも1つの医療用加速器の動作を定性的に特徴づける少なくとも1つの信号が、自動的に検出されてディジタル化され、ディジタル化された形で後続のコンピュータ支援による加速装置の機能検査の枠内における評価のために提供すべくデータ処理装置に保存される。
【0008】
本発明によれば、装置の1つの医療用加速器または複数の医療用加速器の動作にとって重要な1つまたは複数の信号が自動的に取得されてディジタル化される。加速器もしくは多数の加速器、例えば3〜5台の加速器を含み得る加速装置の使用者または点検技術者の介入は、もはや必要でない。
【0009】
自動的な信号取得は常時、したがって治療中および/または技術者の不在時にも行なわれ得る。加速器の動作を定性的に特徴づける信号が取得され、つまりその信号の定量的および定性的な特性により加速器の動作の良さについての推定可能である信号が取得される。例えば、加速器の種々の構成部分において得られる信号は、構成要素の動作状態が他の構成要素との相互作用において良好とみなされるか、平均的にみなされるか、あるいは不良とみなされるかについての情報を供給する。
【0010】
まずアナログの取得信号が、電子的なデータ処理を受けることができるようにするためにディジタル化される。電子的に読取可能なディジタル形式にて信号の記憶が、現在重要な機能監視のために短期的に、あるいは後でのコンピュータ支援による長時間の評価に向けての提供のために行なわれる。最も簡単な場合、機能検査は次のように行なわれる。すなわち、ディジタル化された信号が一人または複数の技術者により呼び出され、次によって特異性が調べられる。すなわち、技術者が信号特性を注視し、この信号特性を異論のない動作もしくは誤りのある動作についての既知の信号と比較することによって特異性が調べられる。
【0011】
機能監視自体に対しては、本発明による方法の場合、1つまたは多数の信号が自動的に取得されてディジタル化されることから、技術者の介入を必要としない。取得は、メンテナンス間隔または医療用加速器の使用に関係なく行うことができるので、時間的圧迫もしくは予め与えられた時間制限なしに質的に改善された正確な機能監視が可能になる。
【0012】
データ処理装置により、少なくとも1つの信号の振幅および/または幅および/または包絡線および/または形状が評価されることが好ましい。この場合に評価も機能検査の枠内においてデータ処理装置によって行なわれ、場合によってメンテナンスおよび誤り診断における機能監視のためのプログラム手段に基づいて行なわれる。この評価は、例えば、定められた時間間隔にて、あるいはデータが新たに受け入れられた後に自動的に行なうことができるが、しかし、この評価は、使用者が評価のためのプログラム手段を明確に始動させるか、もしくは評価を生じさせる特定の入力をなしたときに行なわれてもよい。多数の信号特性が加速器動作にとって特徴的であるが、それらのうちから、とりわけ振幅もしくは幅または信号曲線の形状ならびに包絡線を挙げることができる。例えば、通常動作時に比べて、過小な信号振幅は加速器における過少な粒子数への注意を喚起し、これに対してそれのパラメータまたは基本形状の変化した包絡線は不安定性、同期問題またはトリガ問題等への注意を喚起する。したがって、データ処理装置は、評価の枠内において更なる処理ステップを実行し、それによって技術者は負担を軽減されか、もしくは現場における存在が必ずしも必要でなくなり、控えめな評価をしたとしても更なる介入は必要でない。
【0013】
本発明によれば、動作を定性的に特徴づける少なくとも1つの信号が、データ処理装置により、予め与えられた規則に依存しておよび/または他の取得されたまたは予め与えられた少なくとも1つの基準信号との比較に依存して評価される。このために、データ処理装置は記憶された規則セットを持ち、この規則セットはエキスパートシステム等の形で存在する。その中には1つ以上の定められた信号の信号曲線に関する定められた規則、例えば振幅または信号長に関する規則が格納されていて、しかも規則は階層的に構成することができる。このような階層的構成は、まず基本的構成または基本的誤りが定められた規則に基づいて識別され、それから詳細解析が下位の規則セットの処理によって行われる。規則は使用者側で予め与えられ、あるいは使用者によって補充される。その都度の加速器もしくは加速装置の複数の加速器の個別的な特性を考慮するために基準信号にアクセスすることが有利である。これらの基準信号はわざわざ加速装置にて取得されるとよく、あるいは定められた加速器型式の動作にとって特徴的であるとよい。それらは、誤りのない動作についての基準信号として、あるいはこの加速器において既に以前にまたはこの型式の加速器において一般的に発生させられる特定の誤りを有する動作についての基準信号として用いられる。基礎信号として役立つ基準信号に対していかなる偏差が認識されたかの事情次第で、1つ以上の基準信号との比較が多数のステップにおいて行なわれる。
【0014】
更に、本発明によれば、データ処理装置による評価の際に加速器の動作状態に関する予測が行なわれる。例えば、対比可能な加速器または同じ型の加速器の典型的な動作時間に基づいて、誤りのない動作の場合に、つまり目立たない信号の場合に、さらに予想される動作持続時間を指示することができる。これに対して、消耗に対する注意を喚起する信号の場合には、例えばクライストロンインピーダンスの変化時に、相応の構成要素の交換が必要となるまでに予想ではどのくらいの期間なおも加速器を使用することができるかを指示することができる。
【0015】
評価結果が、予め与えられたおよび/または技術者の如き使用者により確定可能な時間の間、データ処理装置に保存されるとよい。例えばテキスト形式またはグラフィック形式にて、あるいはテキスト要素とグラフィック要素との複合にて作成される評価結果は、例えば定められた個数の他の信号が取得され、相応の新しい評価結果が得られるまでの間記憶される。記憶すべき評価結果もしくは定められた強調すべき評価結果の個数は、データ処理装置の使用者により確定される。これは信号評価のためのプログラム手段における入力を介して行なわれる。評価結果は、定められた問題の解決もしくは誤りの訂正の後にその都度消去してもよい。場合によっては余裕のないメモリ資源の場合に手動の消去を行なうために、評価結果をまずは定められていない時間にて格納することもできる。
【0016】
少なくとも1つの特徴的信号が、予め与えられたおよび/または使用者により確定可能な時間の間、データ処理装置に保存されるとよい。例えば、評価結果のみならず、取得された特徴的信号も、定められた時間間隔の間、または新たに取得された信号もしくは当面の問題の除去に依存して保存することができる。それによって、本発明による方法は、信号が取得時点もしくは評価結果のためだけでなく、すなわち信号評価直後に存在するだけでなく、より長い時間の間、信号がアクセス可能に保たれるように時間に関して一体化を生じさせる。
【0017】
このように行なわれる保存によって、信号経過もしくは評価結果における傾向、例えば装置の緩やかな劣化を認識することができる。同時に機能監視の時間依存性がなくなり、それにもかかわらず信号を問題なく後の時点で呼び出すことができ、もしくはこれがなおもアーカイブに存在するかぎりデータ処理装置または手動により評価することができる。アーカイブにおけるこれらのデータの「寿命」は、メンテナンスもしくは整備者の要求に合わせられる。アーカイブは、一方では自動的なルーチンに基づいてアクセス可能であり、他方では時間に関係なく離れた場所からのアクセスが、例えば加速器製造元の点検者によって可能であるという利点を提供する。
【0018】
本発明によれば、特徴的信号は、取得設定に依存して、とりわけ連続的または定められた時点にておよび/または時間間隔にておよび/または少なくとも1つトリガ信号に依存しておよび/または繰り返し取得されることができる。場合によっては古い信号の消去によってメモリオーバーフローが防止されている連続的信号取得の場合には、メンテナンス目的のためにまたは誤り発生時に常に、動作を特徴づける全ての重要な信号を呼び出せることが保証されている。信号取得は、定められた時点において、例えば毎日同じ時刻に、あるいは週または月に一度行なうこともできる。同様に、定められた時間間隔での取得も可能であり、これは、従来のメンテナンス間隔に応じて、または場合によってはより多くのそしてそれにより訴える力のあるデータ量をアクセスできるように高頻度にて行なうことができる。
【0019】
この場合に、信号を繰り返し取得することは有意義であり、それにより後でデータ処理装置または点検技術者による比較のために装置側基準信号もしくは故障発生経過を再現する信号が存在する。更に、同期により過去に遡ることができる場合には、誤りの原因を分析できるようにするために、加速器のインターロックもしくは遮断時に動作を定性的に特徴づける信号を取得することが有意義である。更に、同期は、加速器の動作位相、例えば放射位相またはランプアップ位相もしくはランプダウン位相に依存して行なうとよい。そのようにしてトリガ時点を用いた、もしくは同期時間標識に依存した状態に基づくメンテナンスを実現することができる。
【0020】
種々の特徴的信号、とりわけアクセス可能なあらゆる特徴的信号が取得されることが好ましい。状態を基礎とした効果的なメンテナンスもしくは機能監視のために、少なくともほとんど全ての特徴的信号を求めることが有意義であり、例えば癌研究における典型的な線形加速器については10以下の個数の信号を挙げることができる。
【0021】
本発明にしたがって、多数の加速器の信号が取得されるとよい。専門病院における加速装置は、一般に、病院の専門性に応じて同じまたは異なる型の2、3またはそれ以上の加速器を含む。同様に、専門的な、例えば同様に存在する他のデータを用いた評価、または中央の装置における熟練者による評価を行なうことができるようにするために、1つの合同の異なる病院の加速器もしくは1つのサービス提携に属する加速器の信号を本発明による方法において一緒に取得することもできる。それにより、全体として本発明による方法により場所に関する一体化が簡単に可能である。
【0022】
複数の加速器、とりわけ構造の同じおよび/または類似の加速器の取得された信号が互いに比較されることが望ましい。例えば、構造類似の加速器の場合には、例えば損耗への注意を喚起する信号が比較されることによって、場合によってはどの型が特定の用途に好適であるかを判定することができる。これに対して、構造の同じ加速器の信号比較によって、場合によってはどのようにして加速器の運転を最適化するか、またはどの理由が誤りやすい動作に対して責任があるかを確認することができる。場合によっては誤り発生を予測の枠内で早期に予測することができるようにするために、普通の信号取得の枠から生じる信号も、以前のデータの構造の同じ加速器の誤り信号と比較されるとよい。
【0023】
少なくとも1つのディジタル化された特徴的信号および/または評価結果および/または基準信号および/またはデータ処理装置の側に存在する少なくとも1つの他の装置固有の情報が、データ接続を介してデータ処理装置と接続されている1つ以上の画面に、とりわけプログラム手段の呼び出しにしたがって表示されることが好ましい。一人以上の関与する点検技術者が、特徴的信号だけでなく、評価の結果もしくは評価の基礎をなす基準信号または他の装置側情報にアクセスすることができる。表示のために使用される画面は、データ処理装置に直接に付設されているか、または技術者のワークステーションの画面であってもよい。加速装置においてまたは合同体の装置においてもしくは個別の点検装置において仕事をしている多数の点検技術者が、場合によっては誤り分析またはメンテナンスの際に一緒に作業するために、同じデータにアクセスすることができる。モニタ、ディスプレイ等の形にて画面を有するワークステーション自体が、ここでもネットワークの枠内で信号等が保存されているデータ処理装置に接続されたコンピュータ装置を持っている。
【0024】
本発明によれば、少なくとも1つの特徴的信号および/または評価結果が、移動式画面および/または加速装置から離れた画面に表示可能である。場合によっては分離された加速装置への使用のために構想を練られた移動式の画面への表示は、点検技術者がちょうどデータ処理室にいない場合にも、現在において重要な誤り分析を可能にする。このような移動式画面は、ノートパソコンの画面であってよいが、しかし、場合によっては加速装置への使用に適した手持ち寸法を有する小型の装置の画面であってもよい。離れた画面での表示によって、外部の専門家、例えば製造元の専門家の呼び出しが簡単になる。大規模な加速装置の場合におけるもしくは根拠のある誤り評価およびメンテナンスに必要な大きな知識ゆえの情報伝達の障害は、このような位置に関する一体化によって克服される。
【0025】
表示は、本発明にしたがって、数値にておよび/またはグラフィックにておよび/または加速器の動作状態に依存して行なわれるとよい。振幅または信号幅等の数値が出力される一方で、そのほかにまたは代替として信号がグラフィック表示されるとよい。例えば、技術者またはその他の使用者に結果の容易かつ直観的な結果受け入れを可能にするために、評価結果もグラフィック形式で処理されて表示されるとよい。更に、表示が加速器の動作状態に、例えば次のように依存するとよい。正常な機能の場合には、まず動作に影響を及ぼさないために符号または記号が表示され、これに対して詳細データのためにはプログラム手段における定められた呼び出しが実行に移されるべきである。基準に合ってない動作への注意を喚起するデータだけが表示され、正常運転時のデータには別にアクセスされることも考えられ得る。
【0026】
少なくとも1つの特徴的信号が波動信号であるとよい。医療用加速器の場合には原理に応じて電子ビーム、光子ビームまたは粒子ビームが通常はパルス形式で伝達され、その都度のエネルギーもしくはパルスの強さによって特徴づけられる。加速器の種々の構成から取り出される動作状態を特徴づける信号は、たいてい波動信号もしくは波形である。この場合に、波動信号または波形とは、直流信号ではないと理解され、つまり、とりわけパルス化された信号でもあると理解される。しかし、もちろん、動作状態にとって定性的に特徴的であるかぎり、他の信号を取得してもよい。
【0027】
本発明にしたがって、特徴的信号として、ターゲットの信号および/または加速器室の信号および/またはクライストロンの信号および/または放射線源の信号および/または発生放射線の信号が使用されるとよい。例えば、典型的な線形加速器の場合には、電子が放射線源、この場合には電子銃によって導波管に運び込まれる。更に、電子を加速するために、導波管にエネルギーがもたらされる。これは高周波源の高周波である。エネルギー量は、運び込まれた電子の量に合わせられなければならず、これに対して高周波放射線の周波数は、導波管のジオメトリ、したがって与えられたセル寸法に対応しなければならない。高周波放射線は、例えばクライストロン管またはマグネトロン管において高周波を増幅または発生させるために、キャパシタバンクが僅かのミリ秒の間で充電され、このエネルギーが数マイクロ秒の間で高エネルギーパルスにて放出されることによって生じる。
【0028】
これらの過程の全てが、加速器の動作を定性的に特徴づける信号、とりわけ波動信号もしくは波形に結びつけられている。例えば加速器の構成部分に割り当てられた信号の振幅、幅または包絡線の変化が、加速器の機能障害への注意を喚起する。波形とは、例えばオシロスコープにて観察することができる任意の信号、狭義には直流信号ではない信号のことであると理解することができる。
【0029】
本発明にしたがって、特徴的信号として、ビーム流および/または線量パルスおよび/または放射線源の電圧および/または放射線源の電流および/または注入電流および/または発生放射線パルスおよび/または反射された発生放射線および/または放射線発生を特徴づける信号、とりわけ電流および/または電圧および/またはパルスが取得されるとよい。電子がターゲットに衝突するときにビーム流が発生させられる。この信号の面積、すなわち幅と振幅との積は、個々の放射線パルスに割り当てられている線量に比例する。振幅が単独で強さのための尺度であり、したがって、小さい振幅はターゲットに到達する電子が十分でないことを示唆する。異常な幅の場合は誤った同期化が存在し、これに対して、角張った信号の代わりに角の丸くなった信号が得られるような包絡線変化は、高周波エネルギーの誤った量への注意を喚起する。クライストロンのインピーダンスの変化、すなわちクライストロンの電圧と電流との比の変化は、間もなく交換が必要であることへの注意を喚起する。この場合には、例えば連鎖による動作中断のような動作障害が起きる前に、交換を実施することができる。同様に注入電流は、注入装置の品質もしくは機能性に対する尺度である。反射された高周波放射線についての誤りのある信号は、高周波放射線が発生されていないこと、または場合によっては高周波放射線が測定されていないことへの注意を喚起し、これに対して、信号の振幅は線量質に到達する加速器の電子の量に依存し、日を追っての振幅のドリフトは注入装置側からのドリフト等への注意を喚起する。
【0030】
本発明にしたがって、少なくとも1つの他の装置固有の情報は、とりわけエネルギー供給および/または温度監視および/または水流センサに関する情報が取得されおよび/または評価のために考慮されるとよい。このような他の情報は、同様に誤り診断もしくは状態に基づくメンテナンスのための役割を演じるが、しかし、動作を定性的に特徴づける信号に比べて加速器動作に関して静的な情報である。これらの情報は、走行位相中に装置全体の情景を得るために単独では十分でない。これらの他の装置固有の情報を同様に取得し、評価にも取り入れることは有利であるにもかかわらず、しかし誤りのある温度調整の場合もしくはエネルギー供給または冷却に関する問題の場合には、動作の阻害およびそれにともなって当該動作を定性的に特徴づける信号の阻害が一般に不可避である。このために訴える力のある基礎データの付加的な取得およびそれの評価によって、基礎として観察すべき第1の基礎検査が行なわれるとよい。例えば信号の高速の不安定性を評価するために、加速装置への外部のオシロスコープの接続も行なわれるとよい。オシロスコープにより、補足的なデータ取得または場合によっては、例えばリアルタイム観察のための高分解能による信号取得も行なわれるとよい。これは、自動的な信号取得による本発明による機能監視をこれ関して拡張するためである。
【0031】
データ処理装置による評価の枠内において識別される誤り発生の場合に、誤り警報が発生させられことおよび/または加速器動作が調整、特に中断されることが好ましい。したがって、この場合に、評価結果が発生され、そして場合によって保存されるだけでなく、加速装置の使用者が、例えば光および/または音響により行なうことができる誤り警報を明確に得ることができる。例えば、画面上における点滅により強調された誤りを指示するテキスト警報と連係した警告音の発生によって行なわれる。加速装置の詳細な信号の観察に点検技術者の注意を向けさせようとするこのような誤り警報は、その他の活動から使用者の注意がそらされるように出力される。場合によっては、加速器動作が自動的にまたは技術者の介入にしたがって調整、特に中断される。本発明による方法では、データ処理装置を介して、従来の加速装置において用意された遮断の可能性を超える更なる安全性が用意されている。加速器動作は、場合によってはプログラム手段における基準に基づく設定または技術者の相応の入力に依存して、例えばエネルギー供給の調整等によって、変化させることができる。
【0032】
データ保存がデータ処理装置のデータバンクにより行なわれるとよい。このようなデータバンクには、取得された信号、得られた評価結果ならびに他の装置固有の情報および基準信号が、簡単な見つけ出しが探索マスクを手がかりにより可能になるように、体系的に保存されるとよい。更に、データバンクは一般に簡単に設定するまたは規則的に用いられる分類ルーチンおよび消去ルーチンもしくは消去指令を持っていて、これらは加速装置の機能監視の問題に合わせて調整することができる。
【0033】
特徴的信号および/または少なくとも1つの加速器側のトリガ信号が、信号取得のための装置、とりわけデータ処理装置の一部をなす装置によって取得されるとよく、この装置は信号をディジタル化すること、および/またはデータ、とりわけディジタル化された信号および/またはトリガ信号および/または取得基準をデータ処理装置のプログラム手段により交換する。この信号取得のための装置は、加速器(群)のアナログ信号をディジタル信号に変換し、ディジタル信号は記憶され、場合によっては評価される。信号取得のための装置は、論理的および空間的にデータ処理装置から分離されていてよいが、しかしデータ処理装置の一部であることが望ましい。ディジタル化された信号、トリガ信号および他の取得基準のようなデータが、信号取得のための装置と、データ取得およびデータ表示ならびにデータ評価を制御するプログラム手段との間において交換される。例えば、使用者の入力を介してプログラム手段において取得基準が、次の趣旨で作成される。すなわち、例えば10個の処理の全てがプログラム手段から信号取得のための装置に転送される信号取得を発生すべきであるという趣旨で作成される。信号取得のための装置はそれらの側で加速器の内部のトリガ信号および他の情報を得るので、これらの内部の加速器情報に依存して予め与えられたトリガ信号もしくはプログラム手段の取得基準に応じて信号取得およびこれに続く信号ディジタル化が行なわれる。
【0034】
医療用加速装置として、線形加速装置および/または円形加速器、とりわけシンクロトロンおよび/またはサイクロトロンが使用される。加速器の種類に応じて、場合によっては、異なる信号を取得することができ、本発明による方法は基本的には通常のあらゆる加速装置において機能監視を可能にする。なぜならば、一方では信号が自動的に検出され、これに対して他方では異なる個々の加速器の信号取得が可能であり、適用例に応じて1つの加速装置内に見出すことのできる他の装置の信号取得も可能であるからである。
【0035】
更に、本発明は、上述の方法を実施するように構成された医療用加速装置に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下における実施例および図面に基づいて本発明の他の利点、特徴および詳細を明らかにする。図1は本発明による方法経過の流れ図を示し、図2は本発明による医療用加速装置を示し、図3A〜3Cは本発明による方法において取得されるターゲット上のビーム流を示し、図4は線形加速器の動作を定性的に特徴づける信号として取得される注入電流を示し、図5Aおよび5Bは本発明による方法における反射される高周波放射線の図を示し、図6Aおよび6Bは特徴的信号として取得されるクライストロン電流を示し、図7は特徴的信号として取得されるクライストロン電圧を示し、図8は本発明による方法における電離箱の線量パルスを示し、図9は特徴的信号として取得される加速器の変調器の電流および電圧の波形を示す・
【0037】
図1は本発明による方法経過の流れ図を示す。まず、ステップS1において加速装置の加速器の動作を定性的に特徴づける信号が取得される。この信号は引き続いて相応の装置に基づいてディジタル化され、ステップS2において行なわれるディジタル化に引き続きステップS3において評価のためにデータ処理装置に格納される。評価は、点検技術者によって必要なときに行なわれか、または代替としてまたはそれに対する補足として、ステップS5に示されているように、データ処理装置によって行なわれる。ステップS5において設けられているデータ処理装置による評価は、ここに破線矢印で示されているように任意的である。この評価は相応のプログラム手段によって生じさせられる。
【0038】
更なる動作を特徴づけるその他の信号ならびに更なる装置固有の情報が、ステップS4に示されているように、本発明による方法を改善するために同様にデータ処理装置に保存され、データ処理装置においてそれらの情報は後での評価のために提供される。とりわけ、評価が定められた時間遅れで行なわれるので、誤りのある信号が後ではもはや取得できない場合に、できるだけ広範囲な評価を可能にするために、動作を定性的に特徴づけるできるだけ全ての信号を取得することは有意義である。
【0039】
加速装置の動作の基礎データを保存するために、例えば冷却の水流センサの指示等の他の装置固有の情報が同様に取得される。データ処理装置における保存は、必要な場合には使用者により変更可能である予め与えられた時間の間行なわれ、特に、収集された全部のデータもしくは新たに取得されたデータの個数によって、あるいは当面の問題の取り除きによっても影響を及ぼされるデータ処理装置のデータバンクにおいて規定された「寿命期間」に基づいて行なわれる。
【0040】
ステップS4においてデータ処理装置に供給される他の信号は、同様に、加速装置の他の加速器の信号であってよい。腫瘍学を専門的に扱う病院における典型的な加速装置は、10台程度の異なるまたは構造様式の同じ加速器を含む。加速器の種々の動作位相で、もしくは種々の時点または時間標識または定められた間隔で動作に特徴的な信号を取得するために、ステップS3によるデータ処理装置への保存ならびにステップS5に基づくデータ処理装置による評価に続いて新たな信号取得が行なわれる。
【0041】
本発明による方法における機能監視は時間的に統一化されて行なわれるが、それにもかかわらず信号は場合によっては誤り発生時にまたは相応の取得基準にしたがって繰り返し取得されて保存される。同様に、複数の信号どころか場合によっては異なる加速器の信号さえも取得され、ステップS6の枠内において種々の画面もしくはワークステーションに表示されることによって、場所的な統一化が行なわれる。信号表示のほかに、評価結果、他の情報ならびにデータ処理装置により発生された誤り警報の表示が行なわれる。
【0042】
それによって、本発明による方法の場合には、機能監視が、データ取得および場合によっては行なうべきメンテナンスおよび誤り診断の意味において、使用者の介入なしに自動的に実施される。監視は連続的に可能であり、同時に場所的な限界が克服されるので、離れた技術者も、もしくは異なるワークステーションで仕事をしている、場合によっては移動式画面を装備している多数の技術者も、加速器の機能の監視および後で行なわれる検査の際に協力することができる。実際の誤り発生または定められたメンテナンス間隔にもはや拘束されていない自動的な機能監視によって、動作を包括的に記録し、実際に加速器が故障を起こす前に誤りを予測の枠内で既に認識することができる。それによって、連続損傷を回避することができ、予定外に発生した動作停止によって生じさせられる費用を回避することができる。
【0043】
図2は、本発明による医療用加速装置1を示す。患者の放射線治療に使用するための加速装置1は、線形加速器である複数の医療用加速器2,3を持ち、更に線形加速器であっても円形加速器であってもよい他の明確に示されていない医療用加速器4を持っている。加速装置1の加速器2,3,4は、ネットワークNを介してデータ処理装置5に接続されている。データ処理装置5に組み込まれている信号取得装置により、それぞれの加速器2,3,4の動作を定性的に特徴づける信号の取得がひき起こされ、これらの信号は、データ処理装置において後で行なわれるコンピュータ支援による評価への提供のために、行なわれたディジタル変換後にディジタル形式にて保存される。更に、データ処理装置5において特徴的信号の評価が予め与えられた規則ならびに存在する基準信号に基づいて行なわれる。このために、加速器2,3,4からネットワークNを介して得られる他の情報もしくは加速装置1をその他の性質において特徴づける他の情報も考慮される。
【0044】
データ処理装置と関連して使用される表示手段である画面6には、ディジタル化された特徴的信号が、評価結果と共に、そして使用者側からの相応の要求時に基準信号および他の装置固有の情報と一緒に表示される。これは、使用者が、つまり一般には加速装置1の点検技術者が、相応のプログラム手段を始動させたときに行なわれ、このプログラム手段は連続形式でのデータ取得に対してもほとんど中断されないで走ることができる。画面6は入力装置を持っていて、この入力装置により定められた取得基準を使用者側で設定することができ、それによってデータ処理装置5側からの基準を補足または調整することができる。加速器2,3,4の内部トリガ信号ならびに信号取得のために予め与えられるトリガ信号と関連して、定められた時点でもしくは加速器2,3,4の動作状態に依存して、信号取得およびデータ処理装置への保存が行なわれる。
【0045】
信号ならびに評価結果等は、他の画面7,8および9に表示され、画面7は加速装置1の他の点検技術者のワークステーションの画面であり、このワークステーションはネットワークNを介してデータ処理装置5に接続されている部分的に専用の付設コンピュータ装置を持っている。画面9は、ここでは分離線Tによって示されているように、データ処理装置5に対して空間的に離れて存在する。信号および評価結果が、この画面9において仕事をしている外部の専門家に対して表示され、それにしたがって専門家は、障害が確認されるか又は最適化が実行されるべき場合に、直接的にプログラム手段により、あるいは現場の点検技術者との通信の回り道を介して加速器2,3,4の動作の調整を行なうよう指示することができる。更に、画面6〜9において、場合によっては、機能監視の枠内において速やかな介入または動作中断さえも喚起する特徴的信号が検出されたときに、誤り警報が発生させられる。画面8は移動式であるので、データ接続を介してアクセス可能な加速装置内の任意位置に滞在する点検技術者に対して、またはそれから離れて滞在する点検技術者に対しても、取得された信号を表示し、もしくは特に、場合によっては点検技術者に光学的に、音響的に、あるいは振動アラームによって作動させられる警報により注意を喚起する誤り警報を表示することができる。
【0046】
本発明による加速装置1の場合には、従来必要であった手動によるオシロスコープの接続によってもたらされる位置的および時間的な限界が克服されるという意味で統合された機能監視が行なわれる。
【0047】
図3A〜3Cは、本発明による方法において取得されるビーム流10aもしくは10bを示す。図3Aのビーム流10aは加速器の誤りのない動作に分類されていて、この動作の場合には、予め与えられた振幅Aと、例えば数マイクロ秒の幅Bとを有するほぼ方形のパルスが現れる。図3Bに示されているように、ビーム流10bが信号の角が丸くなった相違する包絡線Eを有する誤りの場合には高周波放射線において誤りが存在する。これは、評価の枠内において、技術者またはデータ処理装置によって、図3Aに示されたような基準信号との比較の際に認識されるので、狙いを定めた取り除きが可能である。加速器動作中に発生し得る他の誤りの場合にも、形状、振幅および幅もしくは包絡線の特徴的変化が現れる。最後に、評価結果が画面に表示され、データ処理装置に保存される。
【0048】
図4は線形加速器の動作を定性的に特徴づける信号として取得される注入電流11を示す。注入電流11も、動作が誤りなく経過するかぎり、ほとんど方形の信号である。この場合にも振幅A’および信号幅B’について定められた基準および最適調整が存在し、信号幅B’は数マイクロ秒の範囲、この場合には5μsにあり、これに対して振幅A’についての典型値は1アンペアである。振幅A’の低下は少なすぎる注入電子への注意を喚起し、これに対して振幅上昇は過多の個数の注入電子を示す。不安定な信号もしくは偏流する信号も取得されることがあり、これらの信号は電子銃に関する問題または同調および電圧調整における問題への注意を促し、これに対して、「ピーク」は破裂放電を信号化する。
【0049】
図5Aおよび5Bには本発明による方法における反射された高周波放射線の表示が示されている。図5Aの反射された放射線12aは2つのピークPを有する基準に合った動作を示し、これの形状および特に振幅は非常に類似している。両ピーク間の間隔Dは約3μsの設定範囲にある。図5Bには、動作時における誤りへの注意を喚起する反射された放射線12bが示されている。ピークP’はあまり際立ってなく、中間範囲における信号は初期値に戻っていない。これは、自動周波数制御による高周波放射線の調整における問題への注意を喚起する。本発明による方法の枠において、これは、連続的信号取得の場合には、図5Aにおけるような基準信号との比較によるデータ処理装置側からの評価によって即座に識別することができる。
【0050】
図6Aおよび6Bには、特徴的信号として取得されたクライストロン電流が示されている。図6Aのクライストロン電流13aは、数10アンペアの振幅A”を有する波形信号であり、これに対して幅B”は数マイクロ秒である。クライストロン電流は、図6Aに示されているように、誤りなしの良好な動作状態に相当する。これに対して、図6Bのクライストロン電流13bは、波動パルス内に更に別の強い振幅変化を示し、この振幅変化がアーク発生への注意を喚起する。これに該当する誤りに応じて使用者に対して誤り警報が発生させられる。
【0051】
図7には、特徴的信号として取得されたクライストロン電圧14が示されている。この電圧14は走り終えた範囲において小さな残留波14aを示す。信号の幅はここでも最適値B’’’に調整される。誤り発生時には、例えば幅B’’’または残留波14aが過大に際立って変化し、もしくは信号方向におけるピークが発生し、これらはアーク発生への注意を喚起する。過大に際立つ残留波14aはクライストロン管と変調装置との間の誤調整への注意を喚起する。
【0052】
図8は本発明による方法における電離箱の線量パルスを示す。この線量パルス15は、200μsの信号幅B’’’’および約6Vの振幅A’’’’を有する誤りのない動作を示す。誤り発生時には、注入される電子が少なすぎる場合に僅かな振幅を有する線量パルスが発生するか、あるいは発生させられた高周波放射線が不安定であるかもしくは放射線量が正しく調整されていない場合に不安定なパルスが発生する。更に、開始時に電子銃の陰極の逆加熱への注意を喚起するパルス上昇が起こる。
【0053】
図9は、線形加速器の基準に合った動作の場合に発生するような変調装置の電流および電圧の波形16a〜16cを示す。信号16aおよび16bは電流信号であり、これに対して信号16cは電圧が再現されている。これらの信号16a〜16cは高周波放射線の生成を特徴づける。誤り発生時には、例えば誤ったトリガの場合には、個々の信号16a〜16cは形状の特徴的変化をこうむる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明による方法経過の流れ図
【図2】本発明による医療用加速装置
【図3】本発明方法において取得されるターゲット上のビーム流の波形図(A〜C)
【図4】線形加速器の動作を特徴づける信号として取得される注入電流の波形図
【図5】本発明方法における反射される高周波放射線の波形図(A,B)
【図6】特徴的信号として取得されるクライストロン電流の波形図(A,B)
【図7】特徴的信号として取得されるクライストロン電圧
【図8】本発明方法における電離箱の線量パルスの波形図
【図9】特徴的信号として取得される加速器変調器の電流/電圧の波形図(A〜C)
【符号の説明】
【0055】
1 加速装置
2 加速器
3 加速器
4 加速器
5 データ処理装置
6 画面
7 画面
8 画面
9 画面
10 ビーム流
11 注入電流
12 反射された放射線
13 クライストロン電流
14 クライストロン電圧
15 電離箱の線量パルス
16 変調装置の電流、電圧波形
N ネットワーク
S1〜S6 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用加速装置における機能監視のための方法において、少なくとも1つの医療用加速器の動作を定性的に特徴づける少なくとも1つの信号が、自動的に検出されてディジタル化され、ディジタル化された形で後続のコンピュータ支援による加速装置の機能検査の枠内における評価のために提供すべくデータ処理装置に保存されることを特徴とする方法。
【請求項2】
データ処理装置により、少なくとも1つの信号の振幅および/または幅および/または包絡線および/または形状が評価されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
動作を定性的に特徴づける少なくとも1つの信号が、データ処理装置により、予め与えられた規則に依存しておよび/または他の取得されたまたは予め与えられた少なくとも1つの基準信号との比較に依存して評価されることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
データ処理装置による評価の際に加速器の動作状態に関する予測が行なわれることを特徴とする請求項2又は3記載の方法。
【請求項5】
評価結果が、予め与えられたおよび/または使用者により確定可能な時間の間、データ処理装置に保存されることを特徴とする請求項2乃至4の1つに記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの特徴的信号が、予め与えられたおよび/または使用者により確定可能な時間の間、データ処理装置に保存されることを特徴とする請求項1乃至5の1つに記載の方法。
【請求項7】
特徴的信号は、取得設定に依存して、とりわけ連続的または定められた時点にておよび/または時間間隔にておよび/または少なくとも1つトリガ信号に依存しておよび/または繰り返し取得されることを特徴とする請求項1乃至6の1つに記載の方法。
【請求項8】
種々の特徴的信号、とりわけアクセス可能なあらゆる特徴的信号が取得されることを特徴とする請求項1乃至7の1つに記載の方法。
【請求項9】
複数の加速器の信号が取得されることを特徴とする請求項1乃至8の1つに記載の方法。
【請求項10】
複数の加速器、とりわけ構造の同じおよび/または類似の加速器の取得された信号が互いに比較されることを特徴とする請求項1乃至9の1つに記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのディジタル化された特徴的信号および/または評価結果および/または基準信号および/またはデータ処理装置の側に存在する少なくとも1つの他の装置固有の情報が、データ接続を介してデータ処理装置と接続されている1つまたは複数の画面に、とりわけプログラム手段の呼び出しにしたがって表示されることを特徴とする請求項1乃至10の1つに記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの特徴的信号および/または評価結果が、移動式画面および/または加速装置から離れた画面に表示されることを特徴とする請求項1乃至11の1つに記載の方法。
【請求項13】
表示が、数値にておよび/またはグラフィックにておよび/または加速器の動作状態に依存して行なわれることを特徴とする請求項11又は12記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの特徴的信号が波動信号であることを特徴とする請求項1乃至13の1つに記載の方法。
【請求項15】
特徴的信号として、ターゲットの信号および/または加速器室の信号および/またはクライストロンの信号および/または放射線源の信号および/または発生放射線の信号が使用されることを特徴とする請求項1乃至14の1つに記載の方法。
【請求項16】
特徴的信号として、ビーム流および/または線量パルスおよび/または放射線源の電圧および/または放射線源の電流および/または注入電流および/または発生放射線パルスおよび/または反射された発生放射線および/または放射線発生を特徴づける信号、とりわけ電流および/または電圧および/またはパルスが取得されることを特徴とする請求項1乃至15の1つに記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つの他の装置固有の情報は、とりわけエネルギー供給および/または温度監視および/または水流センサに関する情報が取得されおよび/または評価のために考慮されることを特徴とする請求項1乃至16の1つに記載の方法。
【請求項18】
データ処理装置による評価の枠内において識別される誤り発生の場合に、誤り警報が発生させられことおよび/または加速器動作が調整、特に中断されることを特徴とする請求項1乃至17の1つに記載の方法。
【請求項19】
データ保存がデータ処理装置のデータバンクにより行なわれることを特徴とする請求項1乃至18の1つに記載の方法。
【請求項20】
特徴的信号および/または少なくとも1つの加速器側のトリガ信号が、信号取得のための装置、とりわけデータ処理装置の一部をなす装置によって取得され、この装置が信号をディジタル化すること、および/またはデータ、とりわけディジタル化された信号および/またはトリガ信号および/または取得基準をデータ処理装置のプログラム手段により交換することを特徴とする請求項1乃至19の1つに記載の方法。
【請求項21】
医療用加速装置として、線形加速装置および/または円形加速器、とりわけシンクロトロンおよび/またはサイクロトロンが使用されることを特徴とする請求項1乃至20の1つに記載の方法。
【請求項22】
請求項1乃至16の1つに記載の方法を実施するように構成された医療用加速装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−324249(P2006−324249A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−138538(P2006−138538)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】