説明

医療用実習装置

【課題】複数用意された医療用実習模型の識別し、かつ、各医療用実習模型を使って行われた医療実習の履歴情報を容易に管理できる技術を提供すること。
【解決手段】医療用実習装置Mは、識別情報を保持する情報保持部213を備えた医療用実習模型21と、情報保持部213から識別情報を取得する識別情報取得部412と、医療用実習模型21を用いて行われる医療実習に関する実習履歴情報を、医療用実習模型21についての識別情報と関連づけて取得する実習履歴情報取得部414を備えている。医療用実習模型21が人体模型2の所定部位に装着されると、識別情報取得部412により、識別情報が情報保持部213から読み出される。また、書換制御部416は、実習履歴情報取得部414によって取得された実習履歴情報を示すデータを、情報保持部213に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は医療用実習模型を用いた医療実習に供される医療用実習装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療に従事する医療従事者の教育手段として、疑似生体模型を使って模擬的な医療実習を行うことのできる医療用実習装置が提案されている。このような医療用実習装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1の医療用実習装置では、人体模型(人間をモデルにした疑似患者体)の顔面の各部を駆動可能に構成することにより、実際の患者が受ける不安感や痛み等の表情、動作を表現できるように構成されている。この医療用実習装置によれば、実習者による診療台や診療器具等の操作に応じて、疑似患者体の表情が変化するため、診療台や診療器具等の不適切な操作を効果的に改善することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2008/023464号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、医療用実習装置においては、コストや設置スペース等の制約から、人体等を模した一台の生体模型を使って様々な医療実習を行えることが望まれる。このため、様々な実習内容のそれぞれに対応する複数種の医療用実習模型と、各医療用実習模型を所定の装着部位に装着するための構成が必要となる。
【0006】
ところが、従来の医療用実習装置では、装着した医療用実習模型を自動的に特定することが困難なため、オペレータ自身が、装着した医療用実習模型が医療実習の目的に対応したものであるかどうかを直接確認する必要があった。このため、医療用実習模型の種類が増大すると、確認、特定作業が煩雑となる。また、実習歴のない医療用実習模型を用いて医療実習を行なおうとする場合には該医療用実習模型に対応する実習内容の特定が困難となる。また、目的とする医療実習に対応しない医療用実習模型の装着、対応しない場所への医療用実習模型の装着(誤装着)、不完全な装着に起因する医療用実習装置の不具合等が起こるおそれもある。また、医療用実習模型の種類が増大すると、どの医療用実習模型を用いて、どのような医療実習が行われたかを管理することも困難となる。
【0007】
本願発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、複数用意された医療用実習模型を識別し、かつ、各医療用実習模型を使って行われた医療実習の履歴情報を容易に管理できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、第1の態様は、医療用実習装置において、識別情報を保持する情報保持部を備えた医療用実習模型と、前記情報保持部から前記識別情報を取得する識別情報取得部と、前記医療用実習模型を用いて行われる医療実習に関する実習履歴情報を、該医療用実習模型についての前記識別情報と関連づけて取得する実習履歴情報取得部とを含む。
【0009】
また、第2の態様は、第1の態様に係る医療用実習装置において、前記医療用実習模型は、1以上の生体模型部品を有しており、前記情報保持部は、前記生体模型部品に関する識別情報を保持しており、かつ、1以上の前記生体模型部品のそれぞれに取り付けられている。
【0010】
また、第3の態様は、第1または第2の態様に係る医療用実習装置において、前記情報保持部が、RFIDタグを構成する。
【0011】
また、第4の態様は、第1から第3までのいずれか1態様に係る医療用実習装置において、前記実習履歴情報取得部が取得する前記実習履歴情報に基づき、実習内容を評価する評価部をさらに含む。
【0012】
また、第5の態様は、第4の態様に係る医療用実習装置において、前記評価部は、所定の評価基準との比較に基づいて、前記実習内容の評価を行う。
【0013】
また、第6の態様は、第1から第5までのいずれか1態様に係る医療用実習装置において、前記医療用実習模型を使って医療実習を行う実習者のID情報を、該医療用実習模型に関する前記識別情報と関連づけて取得する実習者ID情報取得部をさらに含む。
【0014】
また、第7の態様は、第1から第6までのいずれか1態様に係る医療用実習装置において、前記医療用実習模型を使って医療実習を行う実習者のID情報と、該医療用実習模型に関する前記識別情報とを一体として表示する表示部をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
また、第8の態様は、第1から第6までのいずれか1態様に係る医療用実習装置において、前記医療用実習模型を使って医療実習を行う実習者のID情報と、該医療実習に関する前記実習履歴情報とを一体として表示する表示部をさらに含む。
【0016】
また、第9の態様は、第1から第8までのいずれか1態様に係る医療用実習装置において、前記情報保持部は、前記実習履歴情報を示すデータが記録される記録媒体である。
【0017】
また、第10の態様は、第4または第5の態様に係る医療用実習装置において、前記情報保持部は、前記評価部による評価結果を示すデータが記録される記録媒体である。
【0018】
また、第11の態様は、第9または第10の態様に係る医療用実習装置において、前記情報保持部が保持するデータを書き換えるデータ書換部をさらに含む。
【0019】
また、第12の態様は、第1から第11までのいずれか1態様に係る医療用実習装置において、前記医療用実習模型は、前記情報保持部が取り付けられている1以上の歯牙模型のそれぞれが着脱交換可能に装着される顎模型と、該顎模型が着脱自在に装着される頭部模型とを含む。
【0020】
また、第13の態様は、第1から第12までのいずれか1態様に係る医療用実習装置において、前記識別情報取得部によって取得される前記識別情報に応じて、複数の実習シナリオの中から1以上の実習シナリオを選択する実習シナリオ選択部をさらに含む。
【発明の効果】
【0021】
第1の態様に係る医療用実習装置によると、医療用実習模型に関する識別情報と、医療実習に関する実習履歴情報とを関連付けて取得することができる。これにより、医療用実習模型毎に、どのような医療実習が行われたかを容易に管理することができる。
【0022】
第2の態様に係る医療用実習装置によると、1以上の生体模型部品を組み合わせて医療用実習用模型を構成することによって、多様な医療用実習模型を構成することができる。また、生体模型部品自体に識別情報を保持させることで、医療用実習模型に取り付けられている生体模型部品を容易に管理することができる。
【0023】
第3の態様によれば、RFIDの技術を利用することによって、個体識別を簡素な構成で安価に実現することができる。
【0024】
第4の態様に係る医療用実習装置によると、実習内容を評価することができる。また、この評価結果を利用することによって、実習者の医療技術の向上を図ることができる。
【0025】
第5の態様に係る医療用実習装置によると、予め決められた評価基準に従って、実習内容を適切に評価することができる。
【0026】
第6の態様に係る医療用実習装置によると、実習者のID情報と医療用実習模型の識別情報とを関連付けて取得することができる。これにより、各実習者が使用する医療用実習模型を実習者毎に容易に管理することができる。
【0027】
第7の態様に係る医療用実習装置によると、実習者のID情報と、該ID情報に関連付けられた医療用実習模型の識別情報とを表示部において一体的に表示することができる。これにより、各実習者が使用する医療用実習模型、あるいは、各医療用実習模型ごとの実習者に関する使用歴を容易に把握することができる。
【0028】
第8の態様に係る医療用実習装置によると、実習者のID情報と、実習履歴情報とを表示部において一体的に表示できる。これにより、実習者毎に、どのような医療実習が行われたかを容易に把握することができる。
【0029】
第9の態様に係る医療用実習装置によると、情報保持部に実習履歴情報を示すデータを記録することができるため、どのような医療実習が行われたかを医療用実習模型毎に容易に管理することができる。
【0030】
第10の態様に係る医療用実習装置によると、情報保持部に評価結果を示すデータを記録することができるため、医療実習の評価結果を、医療用実習模型毎に容易に管理することができる。
【0031】
第11の態様に係る医療用実習装置によると、情報保持部のデータを書き換えることによって、情報保持部のデータ更新を、医療用実習装置において実施することができる。
【0032】
第12の態様に係る医療用実習装置によると、1以上の歯牙模型の組合せを変更することによって、様々なパターン顎模型を構成することができるため、多様な歯科実習を容易に実施することができる。
【0033】
第13の態様に係る医療用実習装置によると、取得される識別情報に応じて、適切な実習シナリオが選択されるため、実習シナリオに従う医療実習を円滑に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1実施形態に係る医療用実習装置の全体を示す外観図である。
【図2】図1に示したPCに接続される構成を示したブロック図である。
【図3】医療用実習模型と人体模型との接続例を示すブロック図である。
【図4】図3に示した医療用実習模型のコネクタと装着部位のコネクタを接続する配線を示す模式図である。
【図5】医療用実習模型と人体模型の接続例を示すブロック図である。
【図6】頭部模型の口腔部分である上顎装着部位に装着される上顎模型を示す側面図である。
【図7】新規に医療用実習模型が装着されたときの医療用実習装置の動作を示す流れ図である。
【図8】第2実施形態に係る医療用実習模型と生体模型部品との接続例を示すブロック図である。
【図9】相互に構成の異なる3種類の顎模型を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をこれのみに限定する趣旨のものではない。
【0036】
{1. 第1実施形態}
図1は、第1実施形態に係る医療用実習装置Mの全体を示す外観図である。また、図2は、図1に示したPC41に接続される構成を示したブロック図である。本実施形態に係る医療用実習装置Mは、歯科分野の模擬的な治療実習を行うのに適した構成を備えている。医療用実習装置Mは、診療器具11a〜11eを備えたトレーテーブル1と、人間の患者をモデルにした人体模型2と、人体模型2を固定または載置して診療を行うための診療台3と、GUI(Graphical User Interface)として各種情報を表示し、人体模型2に対する各種指令を受け付ける情報処理装置4とを備えている。
【0037】
トレーテーブル1は、テーブル1aの上方に表示部5が設けられており、患者のカルテを呼び出して表示したり、実習中の診療器具類の操作内容等の実習に関連する情報をモニタリングしたりすることが可能となっている。
【0038】
トレーテーブル1は、診療台3にアーム(図示せず)を介して回動可能に取り付けたトレーテーブル1に設けられているテーブル1aの手前側に器具ホルダー1bを備えている。器具ホルダー1bには、診療器具11a〜11eが取り上げおよび収納可能に取り付けられている。器具ホルダー1bは、図1のようにトレーテーブル1に設けられるものの他、診療台3に設けられていてもよい。
【0039】
診療器具11a〜11eは、器具ホルダー1bから取り上げられたことを検出して駆動したり、フートコントローラ12の操作に基づいて駆動したり、もしくは診療器具類自体に設けられた操作手段の操作に基づいて駆動するように構成される。診療器具11a〜11eは、水供給源、エア供給源やエア吸引手段等に適宜接続されているが、この接続機構については公知の技術を含む種々の技術を利用することができる。
【0040】
診療器具11a〜11eは、例えばエアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピース等の切削工具やスケーラ、スリーウエイシリンジ、バキュームシリンジが該当する。なお、診療器具11a〜11eは、これらに限定されるものではなく、口腔カメラや光重合照射器(いずれも図示せず)等であってもよい。これら診療器具類の作動状態は、各診療器具11a〜11eまたはトレーテーブル1等に設けられた診療器具駆動検出部111によって監視され、各診療器具類の作動状態を示す駆動情報が情報処理装置4に収集される。
【0041】
診療器具駆動検出部111は、例えば診療器具が歯切削用診療器具等の回転駆動部を有する場合、回転数、または、回転数に相当する電圧値もしくは電流値等を駆動情報として取得する。またその他の駆動情報として、診療器具作動時の、エア圧、エア流量、周波数、振動数等が取得されてもよい。さらに、診療器具11a〜11eが人体模型2に接触する際に作用する抑圧力(トルク値)が取得されてもよい。また、診療器具の動作を制御するフートコントローラ12の操作信号が、駆動情報として取得されてもよい。
【0042】
人体模型2は、頭部模型2aと、胴体模型2bと、左右の腕模型2cと、左右の脚部模型2dとで構成されている。人体模型2は、模擬的な医療実習の内容に対応するよう、患部等の処置対象部をモデルにした医療用実習模型21が装着される。
【0043】
医療用実習模型21には、医療実習中に施術される処置(例えば治療)内容を検出するために、各種センサ211(処置検出部)が取り付けられている。センサ211によって取得された検出情報は、PC41に収集される。
【0044】
なお、医療用実習模型21が受け付けた処置内容を検出するための検出手段としては、様々なものが想定される。例えば医療用実習模型が歯牙模型である場合には、歯牙模型等に圧力センサや衝撃センサ等を設け、切削状態を検出するようにすること等が考えられる。このようなセンサ211は、検出する内容に応じて、医療用実習模型21の適宜の位置に設けられる。
【0045】
前記のように各種センサ211で検出した処置内容に応じて、頭部模型2aの顔面の表情を変化させて、実際の患者に診療を行なう際に想定される患者の表情や反応を再現することができるので、実習者に対してリアルな医療実習を提供できる。例えば、切削実習時に、歯牙に適正でない圧力や衝撃が加えられる等の不適正な処置が行なわれた場合、圧力センサや衝撃センサがその処置の状態を検知し、頭部模型2aの顔面を苦痛の表情に変えたり、苦痛を訴えるように腕模型2cを動かしたり、発声によって苦痛を訴えたりすることができる。なお、このような表情を表現するための構成については後述する。
【0046】
人体模型2は、人体に酷似した外観にするため、頭髪となるカツラが被せられるかもしくは植毛が施され、人工皮膚を被せられることが好ましい。つまり人体模型2は、機械系の部品で骨格を形成したものではなく、人工皮膚や人工頭髪を被せて人体に極めて酷似させた、いわゆるアンドロイド型のロボットとして構成されることが好ましい。
【0047】
人体模型2は、実習中、人間の患者と同様に診療台3に載置されており、種々の処置を受けることが可能に構成されている。人体模型2には、その姿勢や、顔の表情を変化させるため機械的、電気的または流体的なエネルギー(作動媒体)等を供給する駆動源が接続されている。人体模型2は、診療台3と一体型もしくは連動可能に構成されていてもよいし、また独立して動作するように構成されていてもよい。
【0048】
例えば、頭部模型2aには、顔面の表情を変化させる模型駆動機構2Aが内蔵される。模型駆動機構2Aは、頭部模型2aの顔面の各部位(眼球、瞼、眉、頬、口、唇および首)を駆動する駆動機構で構成されている。模型駆動機構2Aは、眉の上下駆動、瞼の開閉駆動、眼球の上下左右駆動、口の開閉駆動、首の前後左右駆動等によって、人間と同様の顔面表情を再現させる。なお、上述の顔面の各部位のうち一部のみを駆動できるように構成されていてもよい。模型駆動機構2Aの具体的構成については、本願出願人に係る特許文献1に記載された構成や、これに類似する各種技術を適宜利用することができる。
【0049】
また、頭部模型2aのうち上述した駆動部位以外の場所を駆動可能にすることで、顔の表情が変化するように構成されてもよい。また、胴体模型2b、腕模型2c、脚模型2dを動作させることで、人体模型2が例えば腕模型2c等の体の一部で反応を表現するようにすることもできる。人体模型2は、模擬的に処置を受ける患者の感情を表現できるのであれば、どのように構成されていてもよい。
【0050】
この模型駆動機構2Aは、例えば、センサ211の検出信号に基づいて駆動されたり、あるいは、オペレータによる入力部43等を介した操作入力に基づいて駆動されたりする。したがって、実習者が不適切な処置(例えば、実習目的に沿わない不必要な治療行為、診療器具11a〜11e等を患部以外に不用意に接近または接触させる行為、人体模型2の患部とは異なる部分に接触する行為等)をセンサ211で検出したり、あるいはオペレータが目視で確認したりすることによって、模型駆動機構2Aを適宜駆動させ、人体模型2の表情を変化させることができる。これにより、実習者は、人体模型2の表情に基づいて、自身が行った行為が不適正かどうかをその場で認識できるため、実習者の診療技術の向上を図ることができる。
【0051】
なお、本願におけるオペレータとは、入力部43などGUIの操作者を意味する。したがって、実習者、実習評価者、教官、または試験監督者など、入力部43などGUIの操作者の限りにおいては、いずれの者もオペレータとなりうる。
【0052】
診療台3は、基台30に昇降可能に載置された座部シート3aと、その座部シート3aの後方に連接された傾動可能な背板シート3bと、その背板シート3bの上端に連接された傾動あるいは伸縮可能なヘッドレスト3cとを備えている。また好適には、診療台3の近傍に、口腔内を濯ぐ際等に給水する給水栓と排唾鉢とを備えるスピットン3dが設けられる。
【0053】
診療台3には、好ましくは診療状況に応じて、最適位置に制御するため座部シート昇降手段、背板シート傾倒手段およびヘッドレスト傾倒手段が設けられる。これらの駆動は、診療台3近傍に設けられた操作スイッチ類(図示省略)で操作されてもよいし、フートコントローラ12によって制御されるようにしてもよいし、トレーテーブル1に設けた操作スイッチ類(図示省略)等によって制御されるようにしてもよい。座部シート昇降手段や背板シート傾倒手段、ヘッドレスト傾倒手段には、従来の油圧シリンダや電動モーター等を含む種々の動力源を利用し得る。
【0054】
診療台3には、駆動部の動作状態を検出するための姿勢検出部311が設けられ、姿勢検出部311によって取得された検出情報が姿勢データとして情報処理装置4に集められる。具体的に、姿勢検出部311は、角度検出センサやポテンショメータ等で構成されており、座部シートの昇降量や、背板シートやヘッドレストの傾倒量及び傾倒角度等を検出情報として情報処理装置4に送信する。
【0055】
情報処理装置4は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等を備えた一般的なコンピューターで構成されるPC(Personal Computer)41と、液晶モニター等のディスプレイで構成される表示部42と、キーボード、マウス等の入力デバイスで構成される入力部43を備えている。PC41は、人体模型2から提供される各種信号を演算処理し、その演算処理結果を表示部42に表示する。なお、PC41は、その機能の一部または全部が人体模型2の一部に組み込まれるように構成されていてもよい。また、PC41によって演算処理された、人体模型2から提供される各種信号の演算処理結果を、表示部5が表示できる設計にすることも可能である。また、表示部は、音声表示のような形態にすることもできる。
【0056】
情報処理装置4は、表示部42に各種情報を表示し、入力部43を介してオペレータの各種指令を受け付ける。情報処理装置4は、表示部42に実習時の人体模型2の受診状況や実習内容の評価状況等を表示するとともに、必要な情報を随時呼び出して表示する。なお、表示部42がタッチパネルディスプレイで構成されることによって、入力部43の機能の一部または全部を有していてもよい。
【0057】
情報処理装置4には、実習を評価する実習評価者が評価結果を入力するための評価入力部44が有線的または無線的に接続されている。評価入力部44は、実習評価者が、実習者の行った実習内容の評価を情報処理装置4に対して入力するための入力装置である。図1に示したように、評価入力部44が複数の入力部で構成されることで、複数の実習評価者が同時に評価入力を行うことができる。ただし、この入力部は必ずしも複数設ける必要は無く、単数であってもよい。なお、評価入力の方法としては、例えば実習内容毎に予め設定された採点項目毎に、マル・バツで評価するものや、多段階評価したりするものでもよいし、また、テキスト入力を可能とすることで実習評価者のコメントを記録できるようにしてもよい。
【0058】
なお、本実施例では、医療用実習装置Mに評価入力部44を設ける形態を示しているが、実習評価者が手動での評価入力を行なうための評価入力部44は設けられていなくてもよく、例えば、外部の評価装置によって実習内容を評価し、その評価の情報を、医療用実習装置に設けた外部データ入力部(不図示)等から、情報処理装置4に取り込むことができる構成にすることもできるし、医療用実習装置Mに設けられた例えば情報処理装置4を構成する評価部415によって、所定の評価基準を参照した評価入力が自動的になされる構成にすることもできる。
【0059】
PC41には、ハードディスク等のストレージで構成される記憶部45が接続されている。図2に示したように、記憶部45には、実習用プログラムや、パーツ登録情報、制御プログラムや実習者ID情報が格納されている。また、記憶部45には、実習中等にPC41が取得する各種データ(実習履歴情報等)が保存される。なお、記憶部45は、情報処理装置4の一部であるような構成でもよい。また、記憶部45は、インターネット等のネットワークを介して、PC41と接続されていてもよい。このような場合、記憶部45に対して、PC41以外の他のPCからアクセスさせることができ、データ取得や発信の自由度を高めることができる。また、記憶部45は、複数の記憶装置で構成され、それぞれがPC41とネットワークで接続されていてもよい。
【0060】
実習用プログラムは、実習シナリオの進行を制御するために、PC41のCPUが実行するプログラムである。この実習シナリオは、医療実習で実習者、または、実習者及び患者(人体模型2)が基本的に行う行為や発声等を時系列に整理した情報である。医療用実習装置では、例えば、う蝕治療、印象採得、形成、口腔検査、麻酔、ラバーダム防湿等の医療実習を行うための実習シナリオが用意される。実習シナリオについては、例えば本願出願人に係る特開2010-55068号公報に開示された実習シナリオ、もしくはこれに類似するものを適宜採用することができる。
【0061】
パーツ登録情報は、人体模型2に装着可能な医療用実習模型21に関する情報の集合である。具体的に、パーツ登録情報は、後述する医療用実習模型21毎に割り振られた識別情報(模型ID情報)と、その識別情報を持つ医療用実習模型21が装着されるべき装着部位、および、その識別情報を持つ医療用実習模型21を使って行われる医療実習を規定した実習シナリオが、相互に関連付けされて登録された情報となっている。
【0062】
制御プログラムは、PC41が、人体模型2の動作を制御したり、人体模型2に装着される医療用実習模型21から各種情報を取得したり、取得した各種情報と記憶部45に格納された各種データとを情報処理装置4で照合、特定したり、各種情報同士を関連付けて取得したり、取得した情報を処理して表示部42に表示したりする動作を実施するためのプログラムである。
【0063】
図2に示したように、PC41は、照合部410、実習者ID情報取得部411、識別情報取得部412、実習シナリオ選択部413、実習履歴情報取得部414、評価部415、書換制御部(データ書換部)416として機能する。これらの機能は、PC41が備えるCPUが所定のプログラムに従って動作することにより実現される。
【0064】
実習者ID情報取得部411は、実習者のID情報を取得する。実習者のID情報としては、例えば実習者の顔情報、指紋情報、声紋情報または網膜情報等の生体情報としてもよい。ただし、ID情報は、実習者毎に割り振られたユーザ名であってもよいし、各実習者が所有するIDカード(学生証等を含む)等に記憶された氏名、性別、生年月日、入学日、クラス、履修学科、履修単位、担当教官等のような各種個人情報であってもよい。なお、医療用実習装置Mには、例えば指紋情報等を取得するためのセンサ機器や、学生証などのIDカードに備えられたICチップのような記憶部が有する各情報を取得するための接触型/非接触型の読み取り機器といったような、取得する実習者のID情報の形式に応じた取得装置が適宜設けられるが、入力部43、撮像部64または集音部65を取得装置として利用することも可能である。なお、実習者ID情報取得部411は、必ずしも必須のものではない。また、実習者のID情報の取得については、例えば医療用実習模型21の識別情報あるいは適宜に設けた取得装置(不図示)の情報をトリガーとして、予め記憶部45に格納されているデータベースから、該識別情報に対応する実習者のIDが制御プログラムによって呼び出されるようにしてもよい。また、人体模型2に備えられた情報保持部213で保持されている実習者のID情報や、外部の記憶装置(不図示)に保存された実習者のID情報や、あるいは適宜に設けた取得装置(不図示)等から取得した実習者のID情報が、直接取得され、情報処理装置4に取り込まれるようにしてもよい。
【0065】
識別情報取得部412は、医療用実習模型21に割り振られた固有の識別情報を取得する。図2に示した例では、医療用実習模型21固有の識別情報を保持する情報保持部213が、医療用実習模型21に取り付けられている。識別情報取得部412は、情報保持部213から識別情報を取得する。なお、実習者ID情報取得部411は、取得された実習者のID情報と、識別情報取得部412によって取得される識別情報とを関連付けて取得する。これにより、どの実習者がどの医療用実習模型21を使用したかを容易に管理することができる。取得された医療用実習模型21の識別情報は、照合部410に渡される。照合部410は、取得された識別情報に一致する識別情報を、パーツ登録情報において照合する。これにより、人体模型2に装着された医療用実習模型21の種別等がPC41において認識される。
【0066】
実習シナリオ選択部413は、識別情報取得部412によって取得される医療用実習模型21の識別情報から、記憶部45に格納されたパーツ登録情報を参照することによりその識別情報に対応付けられた実習シナリオを選択する。詳細には、実習シナリオを規定する実習用プログラムを選り分け選択する。つまり、医療用実習装置Mでは、実習シナリオ選択部413によって、装着された医療用実習模型21の種別に応じて、実行すべき実習シナリオが自動判別される。なお、自動判別される実行すべき実習シナリオは、必ずしも単一のシナリオとは限らず、複数の候補が選択されてもよい。複数の候補が選択された場合には、例えばオペレータが入力部43などGUIを用いて実行する実習シナリオを特定することができる。
【0067】
実習履歴情報取得部414は、人体模型2に装着された医療用実習模型21を使って行われる医療実習の各種履歴情報(実習履歴情報)を取得する。この実習履歴情報には、例えば実習が行われた際の、日時情報、場所情報、実習者ID情報、実行された実習シナリオに関する情報、または、実習状況を示すデータ等が含まれる。なお、必ずしもこれら全てが実習履歴情報に含まれる必要はなく、一部のみであってもよい。ここで、「実習状況を示すデータ」には、例えば、診療器具駆動検出部111により取得される駆動情報、処置内容を検出するために医療用実習模型21に取り付けられたセンサ211によって取得される検出情報、姿勢検出部311によって取得される姿勢データ、撮像部64によって取得される動画または静止画データ、および、集音部65によって取得される音声データ等が該当する。実習履歴情報取得部414は、このような実習履歴情報と、医療実習に使用された医療用実習模型21について識別情報とを制御プログラムによって関連付けて取得し、記憶部45に格納する。これにより、どのような医療実習が行われたかを、医療用実習模型21毎に管理することが容易となる。
【0068】
評価部415は、実習履歴情報取得部414が取得する実習履歴情報に基づき、実習内容を評価する。評価部415は、例えば実習用プログラムの一部として、あるいは独立したデータとして別途に、記憶部45内に格納された所定の評価基準(不図示)に従って医療用実習装置M自体が医療実習の評価を行う。例えば、実習シナリオ毎に定められる実施項目が、医療実習において実施されたかどうかで評価される。また各実施項目の達成度合いに応じて、数値または甲乙丙等の多段階的な評価を与えるようにしもよい。なお、評価部415は、センサ211、姿勢検出部311、撮像部64または集音部65にて取得されるデータを元にして、実習内容を評価する。また、評価部415は、評価入力部44や外部データ入力部から入力された入力情報を実習評価情報として取得するようにしてもよい。実習評価情報には、評価者や評価手段や評価対象となったデータの取得元等に関する情報が含まれていてもよい。取得された実習評価情報は、記憶部45に格納される。このような評価結果を利用することによって、実習者の医療技術の向上を図ることができる。
【0069】
書換制御部416は、医療用実習模型21に取り付けられた情報保持部213が保持するデータの書換えを制御する。具体的には、書換制御部416は、実習履歴情報取得部414が取得した実習履歴情報を示すデータの書き込みを制御する。本実施形態では、実習履歴情報に関連するデータとして、記憶部45に格納された実習履歴情報へのリンクを示す実習履歴リンク情報が情報保持部213(記録媒体)に記録される。リンク情報とは、記憶部45における格納場所を示す情報である。なお、実習履歴リンク情報ではなく、実習履歴情報そのものが情報保持部213に書き込まれるようにしてもよい。
【0070】
また、書換制御部416は、評価部415が取得した実習評価情報を示すデータを情報保持部213に対して記録する制御を行う。本実施形態では、実習評価情報に関連するデータとして、記憶部45に格納された実習評価情報へのリンクを示す実習評価リンク情報が情報保持部213(記録媒体)に書き込まれる。なお、実習評価リンク情報ではなく、実習評価情報そのものが情報保持部213に書き込まれるようにしてもよい。
【0071】
このように情報保持部213に実習履歴情報または実習評価情報に関連するデータを記入することによって、該情報保持部213が取り付けられた医療用実習模型21を使ってどのような医療実習が誰によって行われたかを、医療用実習模型21毎に管理することが容易になるという効果がある。また、このような医療実習に関る各種情報を可搬にすることができる。このため、前記医療用実習模型21とこれに対応する医療用実習装置Mを備えた施設であれば、医療実習の実施場所を選ばずに、医療実習の実施とその記録を実現することができる。したがって、実習生の所属する機関や場所にとらわれない利便が図られたり、使用する医療用実習装置を特定の装置Mにとらわれない利便が図られたり、柔軟な実習が可能になる効果がある。
【0072】
PC41は、センサ211からの検出情報に基づいて、模型駆動機構2Aを制御する。なお、入力部43を介したオペレータからの操作入力に基づき、PC41が模型駆動機構2Aを操作できるようにしてもよい。これによれば、実習評価者や実習教官等のオペレータが、実習者の状況を把握しながら、人体模型2の表情を変化させたり姿勢を変えたりする等、人体模型2の動作を制御することができる。また、人体模型2の各部に内蔵した各種のセンサを呼び出して、その検知信号を表示部42等に表示できるようにしてもよい。これによれば、実習中の人体模型2の受診状態をより詳細に把握することができる。
【0073】
図1に戻って、診療台3には、地面に対して垂設される治療用スタンドポール6が付設されている。治療用スタンドポール6は、途中で分岐しており、それぞれの先端部に回動可能に突出したアーム61,62が設けられている。アーム61には、実習中に照明する無影灯63が設けられている。また、アーム62には、実習者の診療器具11a〜11eの扱いや動き、人体模型2の姿勢、動き、表情の変化等を撮像する撮像カメラ等で構成された撮像部64が取り付けられている。医療実習中に撮像部64によって撮影された画像は、PC41に送られた後、記憶部45に保存(録画)される。保存された画像は、医療実習の終了後に実習者の手技や人体模型2の様子を見直す際に利用することができる。なお、治療用スタンドポールは、壁等に設けることもできる。
【0074】
図1では、人体模型2の上部に設けられた1つの撮像部64のみを図示しているが、人体模型2を側面部から撮影するカメラや、人体模型2の口腔内から撮影するカメラ等、様々なアングルから実習行為を撮影するように構成されていてもよい。またカメラを複数設けて撮影対象を三次元データとして検出するようにしてもよい。また撮影に用いるカメラは、好ましくは広角からズームまでの機能を搭載したものが用いられる。
【0075】
また、アーム62には、実習者が人体模型2等に向かって発する音声を集音するマイクで構成される集音部65と、音声を出力するスピーカーで構成される音声出力部66が設置されている。なお、実際の診療状況を再現するために、マイクを人体模型2の耳や肩近傍等に設けてもよい。また、スピーカーは、人体模型2の口内に設けられてもよい。さらにマイクやスピーカーは、診療台3等のその他の場所に設けられてもよい。
【0076】
医療実習では、実習者が人体模型2に対して声かけを行ったりする場合がある。この実習者の音声は、集音部65によって検出され、例えば公知の音声認識技術を用いた音声認識プログラム等を実行させて、検出した音声を解析したデータ(音声情報)を取得し、情報処理装置4に音声情報が送信される。また、人体模型2が患者として、実習者に対して発声する場合には、PC41の制御に基づいて、音声出力部66から音声が出力される。この発声内容は、実習用プログラムで規定された実習シナリオに基づいている。
【0077】
なお、本実施例の医療用実習装置Mでは撮像部64、集音部65、音声出力部66を搭載している形態を示しているが、これらは、装置外部に別途設ける構成でも、1つも設けない構成でもよく、自由に設計できる。
【0078】
図3は、医療用実習模型21aと人体模型2との接続例を示すブロック図である。なお、医療用実習模型21aは、図2に示した医療用実習模型21の一形態である。
【0079】
医療用実習模型21aは、処置を検出するセンサ211に相当する複数のセンサ211a,211bと、これらセンサ211a,211bから出力される検出信号をプリアンプ等の処理をして情報処理装置4に順次送信する信号処理部212と、医療用実習模型21a固有の情報を保持する情報保持部213と、医療用実習模型21aと人体模型2との間を電気的に接続するコネクタ214aとを備えている。コネクタ214aは、医療用実習模型21aが取り付けられる人体模型2の装着部位22aに設けられたコネクタ221aに接続される。
【0080】
図4は、図3に示した医療用実習模型21aのコネクタ214aと装着部位22aのコネクタ221aとを接続する配線を示す模式図である。コネクタ214a,221a間を繋ぐ配線は、一本の信号線24Lと、接地線25Lと、電源供給線26Lとで構成されている。なお、コネクタ214a,221aは、例えば、機械的且つ電気的な接続手段として、プラグとジャックとで構成され、結合部における信号線24L、接地線25Lおよび電源供給線26Lが、例えば、コネクタ214a,221aのうち一方に形成されたピンPを他方に形成された孔に挿入すること等で構成される。
【0081】
信号線24Lは、情報保持部213や、信号処理部212から出力される電気信号を、情報処理装置4に向けて送信するための配線である。医療用実習装置Mでは、この一本の信号線24Lを介して、各センサ211a,211bから出力される検出信号や、情報保持部213から出力される識別情報及び校正情報、あるいは医療実習に係るその他の各種情報が送信される。複数のセンサ211a,211bから同時に情報処理装置4に送信される場合には、信号処理部212の動作により、各センサ211a,211bからの検出信号が時分割的に送信される。このように、1本の信号線24Lでデータ通信を行うようにすることで、医療用実習模型21a内の配線やコネクタ214a,221a間の接続を簡素化することができる。したがって、センサの数が増減しても、柔軟に対応することが可能となる。このような単一接点での信号の通信方法は、例えば、1−Wire(マキシム インテグレイテッド プロダクツ,インコーポレイテッドの登録商標)に関連する技術を適用することで実現することが可能である。
【0082】
なお、信号線24Lと電源供給線26Lとを1本の線で兼用されるように構成してもよい。また、信号線24Lのような1本の通信線ではなく、信号処理部212や、情報保持部213から延びる信号線のそれぞれをPC41に対して個別に接続するようにし、各種信号をパラレルに送信するようにしてもよい。この場合、コネクタ214a,221a間のピン数増大や配線の複雑化するものの、各部から出力される信号をPC41に直接送信することができる。
【0083】
また、情報保持部213や、信号処理部212から出力される電気信号を、情報処理装置4に向けて送信するための信号線については、上記の1−Wireの他にも、CAN(Controller Area Network)や、I2C(Inter−Integrated Circuit、コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィの登録商標)やこれらに関連する公知の技術を適用することもできる。前記CANあるいはI2Cの技術を適用する場合、少なくとも二本の信号線と、接地線と、電源供給線とで構成される形態になる。これらの技術を用いても、医療用実習模型21aおよび人体模型2内の配線やコネクタ214a,221a間の接続を簡素化することが可能である。また通信部材も安価なため、製品のコストダウンを図ることができる。
【0084】
また、医療用実習模型21aについて、センサ211a,211bと、信号処理部212と、情報保持部213と、コネクタ214a間の方法には、上記のような1−Wireを信号線として使用することで医療用実習模型21a内の配線を簡素にすることができるので望ましい。これ以外にも信号線には上記のようなCAN、I2C等の公知の技術を用いることもできる。医療用実習模型21b(後述の図5参照)のセンサ211,211と、信号処理部212と、情報保持部213と、送受信部21b間の通信についても、医療用実習模型21aと同様の構成が可能である。
【0085】
情報保持部213は、医療用実習模型21aに割り当てられた識別情報と、医療用実習模型21aに設けられたセンサ211a,211bの校正情報を保持している。図3に示した人体模型2の装着部位22aには、医療用実習模型21aの他にも、医療用実習模型21aとは異なる構成を有する医療用実習模型21を着脱交換することが可能となっている。識別情報は、このような構成の異なる医療用実習模型21の個体毎に割り振られる固有の模型ID情報であり、医療用実習模型21の個体を特定するために利用される。
【0086】
また、校正(キャリブレーション)情報は、各センサ211a,211bから出力された検出信号を補正するための情報となっている。一般的に、センサは、検出感度等が個体毎に違う場合があるため、PC41が、この校正情報に基づき、各センサ211a,211bの検出信号を補正することによって、センサ211a,211bの検出誤差を低減することができる。なお、校正情報は必ずしもPC41に送信される必要はなく、例えば各センサ211a,211bの検出信号が信号処理部212等で校正された後に、PC41へ送信されるようにしてもよい。
【0087】
本実施形態では、人体模型2に装着される医療用実習模型21に応じて、自動的にPC41がセンサ211(センサ211a,211b)の校正情報を取得できるように構成されている。このため、オペレータが、医療用実習模型21毎が持つ校正情報を、装着時に逐一手作業で登録することを省略することができる。したがって、医療用実習模型21毎に検出情報の補正を容易に行えるとともに、人為的ミスの発生を抑制することができる。
【0088】
情報保持部213(記録媒体)は、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリで構成されており、保持するデータを適宜書換え可能となっている。本実施形態では、上述の書換制御部416の制御に基づき、情報保持部213に対して実習履歴リンク情報または実習評価リンク情報が書き込まれる。あるいは、情報保持部213には実習者IDリンク情報等が更に書き込まれてもよい。
【0089】
情報保持部213(記録媒体)をEEPROMで構成した場合、通信の接続形態が有線となるため、例えば1−Wire、CAN、I2C等の公知の技術を用いることで医療用実習模型21aおよび医療用実習模型21aの接続部の配線を簡素化できる。このため、センサの数の増減にも柔軟に対応できる。なお、情報保持部213は、EEPROMに限定されるものではなく、その他記憶手段(フラッシュメモリ等)を採用することも可能である。
【0090】
情報保持部213が保持するデータの書換えについて、GUIの操作を行うことによって医療用実習模型の識別情報等の書換えや消去が可能な構成にすれば、例えば、歯牙模型を、う蝕治療用のものから、印象採得用のものに取り替えたときに、その変更した情報をGUIで入力操作して医療用実習模型21の情報保持部213の情報を書換えすることができる。また、情報保持部213や記憶部45に格納された各種情報に誤りがあった場合などに、正しい情報に修正するため情報を書換えすることができる。よって、容易に情報を適宜更新可能となる効果が更に奏される。あるいは、顎模型を使用する実習者(学生など)が卒業するなどして、該顎模型が使用されなくなった場合に、GUIを操作して、医療用実習模型に関する各種情報を保持する情報保持部213または記憶部45から該情報を消去することができるので、実習者の個人情報や実習履歴等の各種情報が不要な漏洩を防止できる。
【0091】
なお、情報保持部213に記憶される情報は、上述した識別情報、校正情報、実習履歴リンク情報および実習評価リンク情報に限定されるものではない。例えば、情報保持部213に、実習者のID情報を記憶させておき、これを実習者ID情報取得部411が取得するように構成することも可能である。この場合、ある特定人のID情報を情報保持部213に記憶させることによって、その情報保持部213が取り付けられた医療用実習模型21aを該特定人専用のものとして認証し、使用することが可能となる。
【0092】
なお、図4に示した電源供給線26Lは、医療用実習模型21aに設けられたセンサ211a,211bや信号処理部212、情報保持部213に電力を供給するための配線である。なお、医療用実習模型21a自体に電池等の電源が搭載してもよい。この場合、人体模型2から電力を供給する必要がなくなるため、電源供給線26Lを省略することも可能である。
【0093】
図5は、医療用実習模型21bと人体模型2の接続例を示すブロック図である。図5に示した医療用実習模型21bは、図2に示した医療用実習模型21の一形態であり、図3に示した医療用実習模型21aとほぼ同様の構成を備えている。ただし、医療用実習模型21bは、コネクタ214aの代わりに、無線通信を行うための送受信部214bを備えて電気的に接続している。また、医療用実習模型21bが装着される人体模型2の装着部位22bには、送受信部214bと無線通信を行う送受信部221bと、装着センサ222とが備えられている。なお、以下の説明において、図2に示した医療用実習模型21aが備える要素と同様の機能を有する要素については、同符号を付して適宜説明を省略する。
【0094】
送受信部214bは、信号処理部212に接続されている。センサ211a,211bから出力された検出信号は、信号処理部212で処理されて、送受信部214bに入力される。また、送受信部214bは、情報保持部213にも接続されており、情報保持部213に格納された識別情報、校正情報、あるいは医療実習に係るその他の各種情報を受け取ることができる。送受信部214bは、送受信部221bとの間で所定の通信プロトコルに従って無線通信を行う。
【0095】
送受信部221bは、PC41に接続されており、送受信部214bから送信されたセンサ211a,211bの検出信号や情報保持部213に格納された識別情報または校正情報、あるいは医療実習に係るその他の各種情報をPC41に出力する。また、送受信部221bは、PC41からの読取信号を送受信部214bに転送する。これにより、情報保持部213に格納された各種情報が読み取られる。
【0096】
装着センサ222は、PC41に接続されており、医療用実習模型21bが装着部位22bに装着されたか否かを検出する装着検出手段を構成する。装着センサ222は、例えば光センサで構成される。具体的には、装着センサ222から出射された光が医療用実習模型21bで反射する光を検出することによって、医療用実習模型21bの装着を検出する。また、医療用実習模型21bの装着により、出射された光の光路が遮断されたかどうかを検出するようにしてもよい。もしくは、装着センサ222を圧力センサで構成し、医療用実習模型21bの装着時に作用する圧力を検出するようにしてもよい。また装着センサ222を、医療用実習模型21bの装着により生じる回路内の電流量の変化を検出するように構成してもよい。
【0097】
なお、装着センサ222は、医療用実習模型21b側に設けられていてもよい。この場合、装着されたことを示す信号が、送受信部214bを介して送受信部221bに送信されるようにすればよい。また、装着センサ222は、適宜省略してもよい。また、送受信部214b,221b間で通信可能となったことをPC41が検出することによって、医療用実習模型21bが装着されたことを検出するようにしてもよい。また、装着センサ222は、図3の形態においても適宜の形態で設けることができる。
【0098】
医療用実習模型21bは、図3に示した医療用実習模型21aとは異なり、人体模型2との間で無線通信を行う。このため、図4に示した信号線24Lを省略することが可能となるため、医療用実習模型21bおよび装着部位22bの接続部分の構成を簡略化することができる。
【0099】
なお、医療用実習模型21bが行う無線通信については、様々な通信方式を採用し得るが、その一例として、RFID(Radio Frequency IDentification)の技術を用いることができる。この場合、情報保持部213がRFIDタグの記憶素子を構成し、送受信部214bがRFIDタグのアンテナを構成することとなる。すなわち、この実施例で用いられるRFIDタグは、情報保持部213及び送受信部214bを有するものとなる。また、送受信部221bは、情報保持部213に対して、データを読み出したりまたは書き換えたりするリーダー装置またはライター装置として構成される。このようなRFIDの技術を採用することによって、医療用実習模型21bの個体識別を簡素な構成でかつ安価に実現することができる。
【0100】
なお、センサ211a,211bから出力された検出信号が信号処理部212で処理されて送受信部214bに入力される構成において、信号処理部と送受信部との間の通信は有線でも無線であってもよい。また、送受信部は複数のチャンネルを有していてもよい。
【0101】
また、医療用実習模型21が備える通信の接続形態(コネクタ214aや214b)のかわりに、送信部のみで構成する通信の形態を採ることもできる。この医療用実習装置Mの実施例の場合は、医療用実習模型21の情報保持部213が識別情報のみを保持する形態となる。そして、医療用実習装置Mは、情報保持部213の保持する医療用実習模型21の個体を特定する識別情報を、情報処理装置4に送信することによって、該識別情報が割り当てられた医療用実習模型に関連する一連の情報、具体的には、パーツ登録情報、実習履歴情報、実習評価情報、実習者ID情報、その他各種情報が呼び出される構成となる。すなわち、医療用実習模型21に関する各種情報は、模型自体が有する識別情報によって情報処理装置4において呼び出され、情報の書換え、更新された情報の保存等は、全て情報処理装置4の中で行われる構成となる。このとき、医療用実習模型21の識別情報は、該模型を特定する情報であるとともに、該模型に関連する一連の情報を情報処理装置4に呼び出すためのリンク情報となる。
【0102】
図6は、頭部模型2aの口腔部分である上顎装着部位22Aに装着される上顎模型21Aを示す側面図である。図6中、上顎装着部位22Aの一部(線影部分)は、断面で示されている。
【0103】
上顎模型21Aは、人体の上顎を模したものとして構成されている。上顎模型21Aは、例えば、男性、女性、成人、小人、老人、狭小顎,反対咬合等に合わせて構成してもよい。上顎模型21Aは、図3に示した医療用実習模型21aに対応する構成を有しており、頭部模型2aに対して着脱交換可能に構成されている。上顎模型21Aが備える歯切削センサ211A、信号処理部212A、情報保持部213Aおよびコネクタ214Aは、図3に示したセンサ211a(またはセンサ211b)、信号処理部212、情報保持部213およびコネクタ214aにそれぞれ対応している。また、上顎装着部位22Aに設けられたコネクタ221Aは、図3に示したコネクタ221aに対応している。
【0104】
上顎模型21Aに取り付けられた複数の歯牙模型210Aは、上顎の歯列模型を形成している。複数の歯牙模型210Aの一部は、歯科実習における処置対象物として、う蝕等の患部を模した形態を有しており、その基底部近傍に歯切削センサ211Aが取り付けられている。歯切削センサ211Aは、検出信号を信号処理部212Aに送信され、コネクタ214A,221Dを介してPC41に送信される。歯切削センサ211Aは、歯牙模型210Aが診療器具(切削器具)によって切削されるときの切削状況(深さや位置等)を検出するように構成される。
【0105】
図3では、1つの歯切削センサ211Aのみを図示しているが、複数の歯牙模型210Aのそれぞれに対応する位置に歯切削センサ211Aが設けられていてもよい。また、切削以外の処置を検出する圧力センサや衝撃センサ等を取り付けることによって、切削以外の処置内容を検出できるようにしてもよい。歯切削センサ211Aの検出方式としては、例えば、電気抵抗の変化を検出するセンサや振動、圧力、光、温度等を検出するセンサを採用することができる。
【0106】
装着部位22Aに対し上顎模型21Aを固定する方法としては、例えば、機械的な接続方法としては、どちらか一方に設けた爪状部材を他方に引っ掛けることで固定するようにしてもよいし、ボルト部材とナット部材等の固定手段により固定してもよいし、もしくは、磁石等の磁性部材を取り付けて磁力により固定するようにしてもよい。好ましくは、少なくとも歯科実習中にずれたり外れたりすることがなく、且つ着脱作業が容易な構成が採用される。
【0107】
なお、図6に示した上顎模型21Aは、う蝕治療の歯科実習に対応する医療用実習模型21の一例であり、その他の医療実習を行うように医療用実習模型21を構成することももちろん可能である。例えば、歯周病検査や、印象採得や咬合採得等の歯型の採取、インプラント治療等、各種の歯科実習の目的に適するように医療用実習模型21を構成することができる。例えば、歯周病検査の場合、歯牙模型210Aの周囲に診療器具(歯周ポケット測定用プローブ)の挿入を検知する歯周ポケットセンサ等が設けられる。印象採得の場合には、口腔部の奥側の所定位置に印象材の流れ込みを検知するための印象材センサ等が設けられる。また、インプラント治療の場合、上顎洞の位置に診療器具のドリルが到達したかどうかを検出するインプラントセンサが設けられる。さらに、上顎模型21Aは、窩洞形成、根管洗浄、スケーリング等の歯科実習に対応するように構成されていてもよい。
【0108】
図6に示した上顎模型21Aは、コネクタ214A,221Aを介して有線通信を行うように構成されているが、コネクタ214A,221Aの代わりに図5に示した送受信部214b,221bを利用することで、無線通信を行うように構成してもよい。また、医療用実習模型21は、上顎模型21Aのような上顎に関するものに限定されるものではなく、下顎のものとして構成されていてもよい。
【0109】
医療用実習模型21は、他にも眼球、耳鼻咽喉または口唇等をモデルにした模型として構成されていてもよい。さらに、医療用実習模型21は疾患の持つ心臓や肺等の内蔵をモデルにした模型として構成されてもよい。医療用実習装置Mでは、このような多種多様な医療用実習模型21が用意されている場合においても、情報保持部213が保持する識別情報を取得することによって、それぞれを容易に識別することができる。
【0110】
<医療用実習装置Mの動作フロー>
次に、医療用実習模型21が人体模型2に装着され医療実習が行われるときの医療用実習装置Mの動作フローについて説明する。
【0111】
図7は、新規に医療用実習模型21が装着されたときの医療用実習装置Mの動作を示した流れ図である。なお、以下に説明する医療用実習装置Mの動作は、特に断らない限り、制御プログラムに従って動作するPC41によって制御されるものとする。
【0112】
まず、医療用実習装置Mは、通信経路(PC41と医療用実習模型21とを接続する通信線)上において、識別情報を探索する(ステップS11)。ユーザ(実習者等)が、人体模型2に医療用実習模型21を装着すると、PC41からの読み取り命令に基づき、医療用実習模型21の情報保持部213から識別情報が読み取られ、PC41に送信される。
【0113】
識別情報取得部412で識別情報を取得すると、PC41は、その識別情報が新規のものであるかどうかをPC41の照合部410で判定する(ステップS12)。本実施形態に係る医療用実習装置Mでは、既に装着されている医療用実習模型の識別情報は、装着パーツ情報として記憶部45等に逐次登録される(図2参照)。この装着パーツ情報は、装着された医療用実習模型21の識別情報と、その装着部位とが関連付けられて記録されたデータとなっている。照合部410は、この装着パーツ情報を参照することによって、取得された識別情報が新規のものかどうかを判定する。これにより、取得された識別情報から特定される医療用実習模型が、新規のものであるかどうか判定される。新規の識別情報でない場合は、照合部410は、既に取得された識別情報であると判定し、再度ステップS11に戻って、新規の識別情報の取得を継続して行う。
【0114】
ステップS12において、取得された識別情報が新規である場合には、照合部410は、その新規の識別情報を装着パーツ情報として記憶部45に格納する(ステップS13)。
【0115】
次に、PC41は、新規に取得された識別情報から該当する医療用実習模型をPC41の照合部410で特定し、その医療用実習模型が装着されたことを表示部42に表示する(ステップS14)。本実施形態では、表示部42がディスプレイで構成されているため、映像で通知されることとなる。ただし、この通知方法は、映像によるものに限られるものではない。例えば、表示部42を、音声を出力する手段として構成し、音声で通知するようにしてもよい。
【0116】
またステップS14の通知の際に、識別情報が取得された医療用実習模型21が、本来装着されるべき装着部位とは異なる位置に装着されていることが検出された場合、表示部42にその旨が表示されてもよい。なお、図5に示したコネクタ214a,221aの接続が不十分なため通信が途切れる等の障害が発生した場合に、医療用実習模型21の装着不良を通知するようにしてもよい。また、図6に示した送受信部214b,221b間で通信可能ではあるが、装着センサ222による装着が検出されない場合、または、装着センサ222にて装着が検出されているが、送受信部214b,221b間で通信できない場合に、医療用実習模型21の装着不良を通知するようにしてもよい。
【0117】
次に、医療用実習装置Mは、実習シナリオ選択部413により、予め準備された実習用プログラムの中から特定された医療用実習模型21に対応する実習用プログラムを選別し、実行する実習シナリオの選択を実習シナリオ選択部413で行う(ステップS15)。PC41は、記憶部45に格納されたパーツ登録情報を参照することによって、医療用実習模型21に対応する実習用プログラムを選別する。
【0118】
ステップS15において、複数の実習シナリオが選択された場合、PC41が、表示部42に実行すべき実習シナリオを選択するための選択画面を表示するようにしてもよい。この選択画面に基づき、オペレータが、目的の実習シナリオを、入力部43を操作して選択することで、効率的に医療実習を行うことができる。PC41が選択された実習シナリオを適宜実行することで、医療実習が開始されることとなる。
【0119】
ステップS15において選択される実習シナリオが1つしかない場合には、PC41がその実習シナリオを自動的に実行するようにしてもよい。また、表示部42や入力部43等を介して、その実習シナリオの実行についての承認を、オペレータから取得するようにしてもよい。
【0120】
仮にオペレータが実習目的とは異なる医療用実習模型21を人体模型2に装着してしまうと、PC41が医療実習の目的に対応しない1以上の実習シナリオをオペレータに通知する場合がある。この場合、オペレータは、この通知を確認することで、装着が不適正であることを認識することができる。または、実習シナリオを選択できないようにすることによって、装着の不適性を通知する方式にすることもできる。
【0121】
なお、医療用実習装置Mは、実習者ID情報取得部411により、実習者のID情報も取得する(ステップS16)。上述したように、ここでは実習者の顔情報、指紋情報または網膜情報等の生体情報、または、その他の実習者を特定し得るID情報が取得される。取得された実習者のID情報に基づいて、PC41の照合部410による、例えば記憶部45等に予め登録された各種データとの照合から、該当する実習者の氏名や顔写真等の個人情報が検索、特定され、表示部42等の表示装置に表示されるようにしてもよい。このとき、装着されている医療用実習模型21に関する識別情報も一体的に表示することによって、どの実習者がどの医療用実習模型21を使用するかを容易に把握することができる。なお、実習者のID情報の取得は、医療用実習模型21の装着前、医療実習中、もしくは、医療実習後等、任意のタイミングで行うことが可能である。また、実習者のID情報は、上記の構成の他にも、医療用実習模型21の一部をなす情報保持部213自体で保持されるという構成が可能である。この場合、データベースなどから呼び出すことなく、情報保持部213から予め登録された直接実習者のID情報が取得され得る。
【0122】
次に、医療用実習装置Mは、実習履歴情報取得部414により、医療実習に関する実習履歴情報を取得する(ステップS17)。上述したように、実習履歴情報には、例えば実習が行われた際の、日時情報、場所情報、実習者情報、実行された実習シナリオ、および、実習状況を示すデータ等が含まれる。取得された実習履歴情報は、実習履歴情報取得部414で医療用実習模型21の識別情報に関連付けされて、記憶部45に格納される。なお実習中または実習後に、実習者のID情報と実習履歴情報を表示部42等に一体的に表示するようにすることで、実習者毎にどのような医療実習が行われたかを容易に把握することができる。このとき、識別情報も表示するようにすることで、どの実習者が、どの医療用実習模型21を使って、どのような実習を行ったかを容易に把握することが可能となる。
【0123】
また、PC41は、評価部415により、所定基準に基づいて、実習内容を評価する。上述したように、評価部415は、実習履歴情報に基づいて実習内容を評価した実習評価情報を取得する。また、評価部415は、評価者が評価入力部44を介して入力する入力情報を実習評価情報として取得するようにしてもよい。このようにして取得された実習評価情報は、医療用実習模型21の識別情報に関連付けされて記憶部45に格納される。
【0124】
医療実習が完了すると、PC41は、書換制御部416により、ステップS17,ステップS18にて取得された実習履歴情報または実習評価情報を示すデータ(ここでは、リンク情報)を、医療用実習模型21の情報保持部213に記録する。これにより、情報保持部213のデータが更新される(ステップS19)。情報保持部213から実習履歴リンク情報または実習評価リンク情報を読み出すことで、医療用実習模型21を使って行われた医療実習の内容やその評価内容を容易に取得し、管理することができるようになる。あるいは、識別情報に関連付けされた実習履歴情報または実習評価情報を、医療用実習模型の情報保持部213に格納すれば、リンク情報を読み出すのではなく、情報保持部213から直接これらの情報を取得し管理することも可能となる。
【0125】
従来の医療用実習装置においても、医療用実習模型を疑似生体模型に装着する際、オペレータによって、その医療用実習模型が装着されたことを医療用実習装置に対し通知(登録)する操作がなされる。この操作は、例えば、生体模型に装着可能な医療用実習模型の一覧が画面に表示され、この一覧から装着した医療用実習模型を選択することで完了する。ところが、疑似生体模型に装着可能な医療用実習模型の種類が増大すると、一覧から装着した医療用実習模型を特定することが煩雑となり、また、登録ミス等も発生しやすくなる。また、一度に装着する医療用実習模型が複数ある場合等にも、登録作業が煩雑となり、ミスも発生しやすくなる。これに対し、本実施形態に係る医療用実習装置Mは、識別情報に基づいて、装着された医療用実習模型21を自動的に特定することが可能となるため、登録作業を簡潔に行うことができるとともに、登録ミスの発生を効果的に低減することができる。したがって、目的に応じた医療実習を円滑に、且つ適正な実習環境の下で、効率よく行うことができるようになる。
【0126】
{2.第2実施形態}
次に、第2実施形態に係る医療用実習装置Mについて説明する。なお、本実施形態の説明において、第1実施形態と同様の機能を有する要素については同一符号を付してその説明を省略する。以降の説明においても同様とする。
【0127】
図8は、第2実施形態に係る医療用実習模型21cと生体模型部品210cとの接続例を示すブロック図である。医療用実習模型21cには、図3に示した医療用実習模型21aが備えるセンサ211a,211b、信号処理部212、情報保持部213およびコネクタ214aを備えた生体模型部品210cが接続される。また、生体模型部品210cが装着される医療用実習模型21cの装着部位22cには、コネクタ214cと接続されるコネクタ221cが設けられている。
【0128】
生体模型部品210cに取り付けられた情報保持部213は、生体模型部品210cを識別するための固有の識別情報を保持している。したがって、情報保持部213が保持する識別情報に基づき、医療用実習模型21cに取り付けられた生体模型部品210cを容易に特定することが可能となっている。また、情報保持部213には、実習履歴リンク情報または実習評価リンク情報が書き込まれる。このため、このリンク情報を参照することで、医療用実習模型21cを使った医療実習に関する実習履歴情報や実習評価情報を容易に取得することが可能となっている。情報保持部213は、更に実習者IDリンク情報もしくはその他情報を取得するためのリンク情報を保持していてもよい。また、実習履歴情報、実習評価情報、実習者ID情報等が情報保持部213に格納されていれば、各リンク情報からではなく、情報保持部213から直接これらの情報を取得することが可能となる。
【0129】
図8では、医療用実習模型21cに対して1つの生体模型部品210cを接続する例を示しているが、生体模型部品210cは複数接続できるように構成されていてもよい。また図8に示した生体模型部品210cは、医療用実習模型21との間で、コネクタ214a,221aを介して有線通信を行うように構成されている。しかしながら、コネクタ214a,221aの代わりに、図4に示した送受信部214b,221bを採用することによって、生体模型部品210cと医療用実習模型21cとの間で無線通信が行われるように構成することも可能である。
【0130】
また、医療用実習模型21c自体に、医療用実習模型21a(または医療用実習模型21b)と同様にセンサ211、情報保持部213を備えてもよい。この場合、生体模型部品210cが装着された医療用実習模型21c自体にも、識別情報が割り当てられる。
【0131】
図9は、相互に構成の異なる3種類の顎模型21P,21Q,21Rを示す側面図である。顎模型21P,21Q,21Rは、それぞれ、人体の顎を模したものであり、正常な歯牙を模した歯牙模型210Sと、歯科実習において処置対象となるう蝕等の患部を模した歯牙模型210Tとが取り付けられている。歯牙模型210S,210Tは、切歯、犬歯、小臼歯および大臼歯といったように、顎模型21P,21Qに対して取り付けられる位置に対応した形状の歯牙模型として構成されている。また、顎模型21Rには、舌模型210Uが取り付けられている。図9に示した例では、顎模型21P,21Q,21Rが図8に示した医療用実習模型21cに対応しており、歯牙模型210S,210Tおよび舌模型210Uが図8に示した生体模型部品210cに対応している。
【0132】
顎模型21P,21Q,21Rは、いずれも頭部模型2aの同一部位(口腔部分)に装着される医療用実習模型21cに相当する。しかしながら、顎模型21P,21Q,21Rは、患部を模した歯牙模型210Tの取付位置の組合せが相互に異なっている。このように、歯牙模型210S,210Tの組合せを変更するだけで、多様なパターンの顎模型を用意することができる。
【0133】
また、歯牙模型210S,210Tは、センサ211a,211bとして圧力センサや衝撃センサ等が設けられている。歯科実習中に歯牙模型210S,210Tに対して行われた処置内容がこれらのセンサによって検出され、PC41に送信されることとなる。
【0134】
また、舌模型210Uは、その外側が、ゴム、シリコンまたは合成樹脂素材等の弾性素材で構成されており、内部に所定範囲内の圧力を検出するシート状の圧力センサが設けられている。また、舌模型210Uには、その先端部を、所定方向に曲げたり、揺動させたり、または、上下もしくは左右に延ばしたり引っ込めたりするアクチュエータが内蔵される。このアクチュエータは、PC41またはその他の制御部によって制御され、圧力センサが検出する検出信号に応じて舌模型210Uを変形させる。このような舌模型210Uを取り付けることによって、実習中に実習者の処置内容に応じて舌模型210Uを変形させることができ、よりリアルな医療実習を提供することが可能となる。また、実習者が不適切に舌へ接触することがないように意識して医療実習を行うことができるため、診療技術を向上させることができる。
【0135】
顎模型21P,21Q,21Rのそれぞれを頭部模型2aに装着した場合、歯牙模型210S,210Tおよび舌模型210Uの各々が備える情報保持部213に保持されている識別情報が、PC41に送信される。したがって、PC41においては、装着された顎模型(医療用実習模型21c)が、どのような生体模型部品を備えているのかを容易に特定することができる。
【0136】
本実施形態に係る医療用実習装置Mでは、3種類の顎模型21P,21Q,21Rを使って、歯科実習の試験を行うことも可能である。顎模型21P,21Q,21Rを外観上区別できない模型として構成した場合、試験監督者も該顎模型21P,21Q,21Rを容易に区別することが困難となる。これにより、試験を受ける実習者に対しては、顎模型21P,21Qがランダムに渡されることとなるため、公平性を保つことができる。この構成に関するその他の使用方法として、例えば、次のようなものが考えられる。
【0137】
まず、OSCE(Objective Structured Clinical Examination;客観的臨床能力試験,通称オスキーといわれる、医師および医学生の臨床能力、臨床実技を客観的に評価するための評価方法)などの臨床能力試験において、試験時に各実習者に配布される顎模型(実習者が普段使用している模型でも、試験用に別途用意した模型でもよい)に装着する歯牙模型や舌模型の症例の構成を、試験センター等の機関で顎模型ごとに作製する。
【0138】
次に試験センターで試験用に作製された顎模型は、試験受験者(実習者)に対してランダムに配布される。従って、顎模型を配布する試験監督者も配布される受験者も、顎模型の構成内容(具体的な症例)が判らない状態で医療実習の試験が行われる。このような試験は一般的に「ダブルブラインドテスト」といわれ、受験者への実習課題の漏洩や受験者間の情報の漏洩や試験監督者の恣意的指導等の望ましくない事態を回避することができるため、極めて公正に試験を実施できる。
【0139】
また、試験で使用する顎模型について、歯牙模型や舌模型等の症例を含む情報は、試験中に読取りできないようなデータ管理にしておくことが望ましい。試験受験者は、医療用実習装置Mに医療用実習模型21(顎模型)をセットし、医療実習を行なう。このように行なわれた医療実習について、医療実習に関する一連の情報が、実習履歴情報として取得される。例えば、情報処理装置4等にインターネット、イントラネット等の通信手段を設けて、医療用実習装置Mが外部との通信可能な設計にすれば、顎模型の識別情報と関連付けられた実習履歴情報のデータを試験センターに送信できるので、正しく症例の見立てができているか、適切な処置が行なわれているか等の、行われた医療実習に対する評価付けを試験センターで実施することができる。なお、評価入力の方法については本発明の実施例を参照されたい。
【0140】
以上より、本発明の特徴である、医療用実習模型21自体が識別情報と医療用実習履歴情報とを関連付けて保持できるという構成を利用することによって、試験監督者と受験者は問題の具体的内容が判らない状態で医療実習の試験を開始し、試験後は、試験監督者や受験者を介することなく医療実習の評価付けを完了することができる。従って、恣意性を排除した一連の情報管理を行うことができ、極めて公平で客観的な臨床能力試験を実践することができる。将来的にも、(歯科)医師国家試験に手技等技能分野の試験が導入された場合には、本発明を用いることが期待できる。
【0141】
また、本発明の医療用実習装置は、以上のような構成から、eラーニング(electronic learning)の教材として利用すれば学習者(実習者)の医療実習の訓練に対して非常に有効的である。例えば、次のような使用方法によって、本発明をe−learningに利用することができる。
【0142】
医療実習に関する一連の実習履歴情報は情報保持部213、記憶部45、あるいはインターネットやイントラネットなどの通信手段を介したサーバーなどで保持、管理することができる。まず、この実習履歴情報の一部または全部を読み出し、通信手段を介してパーソナルコンピュータの表示手段の画面上に表示する。パーソナルコンピュータには、PC41を含む情報処理装置4を用いても、医療用実習装置Mに有線もしくは無線で通信可能に別途接続されているその他のPCを用いるのでもよく、GUIとして用いられるものなら好ましい。
【0143】
ここで、画面上に表示された医療実習に関する各種情報(日時、施設、実習者の個人情報、担当教官、医療実習の内容、評価、総合的な成績・取得単位等々)を実習者が確認することによって実習者自身のカリキュラムの進捗状況、学習(実習内容)の習熟度、苦手分野等の実習者の学習に役立つ情報が把握できる。
【0144】
次に、自身が苦手な実習内容や弱点となる手技などを強化したり、医療実習の予習や復習などをしたりするために、e−learning用のソフトがインストールされたパーソナルコンピュータでGUIを使った自習を行なう。例えば、ソフトの復習プログラムを起動すると、実習者の医療用実習模型が保持する実習履歴情報を参照し、過去に行なった医療実習のうち、評価の低かった実習シナリオの一覧を示してくれる。
【0145】
苦手な実習シナリオ一覧から復習したい実習シナリオをGUI上で単数または複数選択すると、選択された苦手な実習シナリオに関して、実習に関する「一問一答」、模擬実習のアニメーションを再生したりや実施した実習シナリオの履歴を再現したりして問題がある箇所をGUI上で指摘する「間違い探し」、実習ステップを並べ替えて正しい実習の順序にする「並べ替え」など、様々なアプリケーションでe−learningを行うことができ、実習者の自習によって、弱点の克服、さらには能力の強化に利用することができる。
【0146】
よって、本発明の医療用実習装置Mを利用すれば、場所や時間を選ばずに、各学習者(実習者)が自身の課題に対する達成度を把握した上で医療実習に関するより効果的な自習や補助学習を行うことができる。
【0147】
{3. 変形例}
以上実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態のものに限定されるものではない。
【0148】
例えば、第1実施形態に係る医療用実習装置Mにおいては、トレーテーブル1と人体模型2と診療台3とが一つずつ備えられ、一台の情報処理装置4によって管理される構成であるが、この態様以外にも、例えば、トレーテーブル1と人体模型2と診療台3との組合せが複数備えられ、複数のトレーテーブル1と人体模型2と診療台3との組合せが一台の情報処理装置によって管理される構成の医療用実習装置Mであってもよい。あるいは、トレーテーブル1と人体模型2と診療台3と、これらを管理する情報処理装置4の組合せが複数台備えられ、それぞれの情報処理装置4がネットワークで通信可能な構成とされ、全体として一つの医療用実習装置をなす態様であってもよい。
【0149】
また、第1実施形態に係る医療用実習模型21の誤装着を防止するために、取付部の構造やコネクタ形状を、医療用実習模型21毎に固有のものとしてもよい。このように構成することで、例えば、上顎模型や下顎模型等は形態が似ているものの装着部位が異なる。このような場合に、誤装着を効果的に防止できる。
【0150】
また、図9に示した舌模型210Uは、主に患者の舌の動きを再現することを目的として設けられている。しかしながら、この舌模型210Uの代わりに、舌癌、舌苔、舌の口内炎等の症状をモデルにした舌模型を用意することによって、舌の症状特有の治療を目的とした医療実習を効果的に行うこともできる。また、大きい舌や小さい舌、長い舌や短い舌、厚い舌や薄い舌、幅広の舌や幅狭の舌等、様々な形状の舌模型210Uを装着してもよい。
【0151】
また、医療用実習模型21として、例えば、乳癌、乳腺症、乳腺嚢胞等の症状をモデルにした胸部模型をそれぞれ用意し、胸部の装着部位にそれぞれに装着することによって、胸部の触診や外科的治療等の模擬実習を効果的に行うことができる。
【0152】
また、上記実施形態の人体模型2は、患者の身体全体をモデルにした模型としているが、患者の身体の一部として構成されていてもよい。また、人体模型2は、何らかの疾患を持った患者をモデルにしたものに限られるものではなく、健康な人の身体をモデルにした生体模型であってもよい。このような生体模型は、各種検査等を目的とする医療実習を行う際に特に有用である。さらに、人体模型2は人間をモデルにしたものに限られるものではなく、人以外の動物をモデルにした生体模型であってもよい。このような生体模型は、獣医学分野の診療を模擬的に行う医療実習等において有用である。
【0153】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0154】
M 医療用実習装置
111 診療器具駆動検出部
11a〜11e 診療器具
12 フートコントローラ
2 人体模型
2a 頭部模型
21,21a,21b,21c 医療用実習模型
21A 上顎模型
210S,210T 歯牙模型
210c 生体模型部品
211 センサ(処置検出部)
211A 歯切削センサ
211a,211b センサ
213,213A 情報保持部(記録媒体)
21P,21Q,21R 顎模型
3 診療台
4 情報処理装置
41 PC
410 照合部
411 実習者ID情報取得部
412 識別情報取得部
413 実習シナリオ選択部
414 実習履歴情報取得部
415 評価部
416 書換制御部(データ書換部)
42 表示部
43 入力部
44 評価入力部
45 記憶部
5 表示部
64 撮像部
65 集音部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を保持する情報保持部を備えた医療用実習模型と、
前記情報保持部から前記識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記医療用実習模型を用いて行われる医療実習に関する実習履歴情報を、該医療用実習模型についての前記識別情報と関連づけて取得する実習履歴情報取得部と、
を含む医療用実習装置。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用実習装置において、
前記医療用実習模型は、1以上の生体模型部品を有しており、
前記情報保持部は、前記生体模型部品に関する識別情報を保持しており、かつ、1以上の前記生体模型部品のそれぞれに取り付けられている医療用実習装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の医療用実習装置において、
前記情報保持部が、RFIDタグを構成する医療用実習装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の医療用実習装置において、
前記実習履歴情報取得部が取得する前記実習履歴情報に基づき、実習内容を評価する評価部をさらに含む医療用実習装置。
【請求項5】
請求項4に記載の医療用実習装置において、
前記評価部は、所定の評価基準との比較に基づいて、前記実習内容の評価を行う医療用実習装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の医療用実習装置において、
前記医療用実習模型を使って医療実習を行う実習者のID情報を、該医療用実習模型に関する前記識別情報と関連づけて取得する実習者ID情報取得部をさらに含む医療用実習装置。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の医療用実習装置において、
前記医療用実習模型を使って医療実習を行う実習者のID情報と、該医療用実習模型に関する前記識別情報とを一体として表示する表示部をさらに含むことを特徴とする医療用実習装置。
【請求項8】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の医療用実習装置において、
前記医療用実習模型を使って医療実習を行う実習者のID情報と、該医療実習に関する前記実習履歴情報とを一体として表示する表示部をさらに含む医療用実習装置。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の医療用実習装置において、
前記情報保持部は、前記実習履歴情報を示すデータが記録される記録媒体である医療用実習装置。
【請求項10】
請求項4または5に記載の医療用実習装置において、
前記情報保持部は、前記評価部による評価結果を示すデータが記録される記録媒体である医療用実習装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の医療用実習装置において、
前記情報保持部が保持するデータを書き換えるデータ書換部をさらに含む医療用実習装置。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項に記載の医療用実習装置において、
前記医療用実習模型は、
前記情報保持部が取り付けられている1以上の歯牙模型のそれぞれが着脱交換可能に装着される顎模型と、該顎模型が着脱自在に装着される頭部模型とを含む医療用実習装置。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項に記載の医療用実習装置において、
前記識別情報取得部によって取得される前記識別情報に応じて、複数の実習シナリオの中から1以上の実習シナリオを選択する実習シナリオ選択部をさらに含む医療用実習装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−181363(P2012−181363A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44309(P2011−44309)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、独立行政法人科学技術振興機構、「歯科臨床実習用ヒト型患者ロボットシミュレータ」に関する委託開発事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000138185)株式会社モリタ製作所 (173)
【出願人】(502397369)学校法人 日本歯科大学 (20)
【出願人】(591076257)株式会社ココロ (11)
【Fターム(参考)】