説明

医療用薬液封入物の製造方法及びそのための容器

【課題】注出口を備える可撓性容器に医療用薬液を封入した医療用薬液封入物の製造において、薬液充填後に注出口40を栓により閉塞する工程を無くし、薬液充填機の機構の複雑化を解消し、薬液充填後の容器の密閉工程を簡単化する。
【解決手段】薬液収容室を構成する第1室18及び第2室19のそれぞれの突出した接着部分を同時に切除して薬液収容室と外部を連通する充填口を形成する工程、第1室18及び第2室19のそれぞれの充填口を介し薬液収容室へ薬液を別々に充填する工程、及び第1室18及び第2室19のそれぞれの充填口のまわりの所定範囲の樹脂フイルムを同時又は別々に接着し薬液収容室を密閉状態とする工程により医療用薬液封入物20を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用薬液封入物の製造方法及びそれに使用される可撓性容器に関する。好適には、注出口を備える可撓性容器に点滴により人体に供給される輸液を封入した医療用薬液封入物の製造方法及びそのための可撓性容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体に点滴により栄養を供給する輸液は、典型的には、例えば、特開平7−178151号公報又は特公平6−26563号公報に開示されるように、剥離可能な隔離手段により2つの個室が形成された可撓性樹脂からなる容器の第1室に脂肪乳剤及びアミノ酸を収容し第2室に糖と電解質を収容し、投与時に第1室又は第2室を外から押圧して隔離手段を離間させ両室の液を混合するものである。また特公平5−10945号公報に開示されるように、第1室又は第2室は、輸液排出口(注出口)に連通され、注出口の外方端は、ゴム栓で閉塞される。容器内の輸液は、投与時に点滴用チューブに取付けられた注射針をゴム栓に突き刺すことにより、注出口と点滴用チューブ内を連通させ、容器内から点滴用チューブ内へ送られる。このような医療用薬液を可撓性樹脂製容器へ充填する従来の一般的な方法は、無菌的に不活性ガス雰囲気下で、栓を外した注出口から容器内へ薬液を充填し、その後、注出口の外方端をゴム栓により閉塞するものであった。
【0003】
このように、栓を外した注出口を介し容器内を薬液で充填し、その後、注出口をゴム栓により閉塞する場合、容器の製造後、薬液を充填するまでの間、容器内部が、注出口を介し開放状態となり、細菌、その他の異物が入り込む原因となっていた。この問題を解決するため、容器製造後、直ちに注出口の外方端部を仮栓、エアホールシール等で密閉し、充填工程の直前に注出口の外方端部を開け、注出口を介して薬液を充填する方法が開発された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の栓を外した注出口を介し容器内を薬液で充填し、その後、注出口の外方端を栓により閉塞する方法によると、注出口を栓で封をする工程は、薬液の充填直後に行なわなければならず、充填機の機構を複雑化する原因になっていた。栓は、一般的には、点滴用の注射針で突き刺し可能な筒状ゴム栓の外周面をプラスチック樹脂により包囲した栓体から成るものであり、薬液充填後、注出口の外方端部に嵌合し溶着される。本発明の第1の目的は、薬液充填後に注出口を栓により閉塞する工程を無くし、充填機の機構の複雑化を解消すると共に、薬液充填後の容器の密閉工程を簡単化することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、医療用薬液封入物を製造するために使用される可撓性容器が、製造後薬液を充填するまでの間、注出口が密閉されず、容器内へ異物が入り込む問題を解消した医療用薬液封入物の製造方法及びそのための容器を提供することにある。本発明の別の目的は、医療用薬液封入物の製造のための可撓性容器を殺菌処理し、薬液充填工程まで殺菌状態を維持可能とすることである。本発明の更に別の目的は、簡単な工程により充填口を形成可能な密閉された可撓性容器を提供することにある。本発明の更に別の目的は、充填機の機構の複雑化を解消すると共に、薬液充填後の容器の密閉工程を簡単化した複数の室を備える医療用薬液封入物及び容器を提供することである。本発明のその他の目的及び利点は、以下の説明において明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の注出口を備える可撓性容器に医療用薬液を封入した医療用薬液封入物の製造方法は、可撓性の樹脂フイルムにより包囲された薬液収容室及び薬液収容室に連通され且つ栓で密封された注出口を有する可撓性容器を製造する工程、前記薬液収容室を包囲する樹脂フイルムの一部分を切断して薬液収容室と外部を連通する充填口を形成する工程、前記充填口を介し薬液収容室へ薬液を充填する工程、及び前記充填口のまわりの所定範囲の樹脂フイルムを接着し薬液収容室を密閉状態とする工程を含む。
【0007】
好ましくは、本発明の製造方法は、次の構成を有する。(a)充填口のまわりの所定範囲の樹脂フイルムを接着する工程は、充填口のまわりの所定範囲の樹脂フイルムをヒートシールにより接着する工程を含む。(b)可撓性容器は、重ね合わせた可撓性樹脂フイルムの周縁部分が相互に接着され、それらの可撓性フイルムの間に薬液収容室が形成されるものである。(c)充填口を形成する工程は、可撓性フイルムの接着された周縁部分の一部分を切除する工程を含む。(d)薬液を充填する工程の前に、可撓性容器を放射線等により殺菌する工程を更に含む。(e)可撓性容器の周縁部分は、上縁部分、下縁部分及び2つの側縁部分から成り、薬液注出口は下縁部分に配置され、上縁部分に吊り下げ用の透孔が形成される。(f)一方の側縁部分は、突出した接着部分を有するものであり、充填口を形成する工程は、突出した接着部分を切除する工程を含む。(g)可撓性容器に封入される薬液は、点滴により人体に供給される薬液成分を含む。(h)注出口を密封する栓は、点滴用のチューブに取付けられた注射針を突き通すことができるゴム栓である。(i)薬液収容室は、その内壁の一部を溶着して形成される隔離部分により第1室及び第2室に区画される。(j)樹脂フイルムの一部分を切断して薬液収容室と外部を連通する充填口を形成する工程、前記充填口を介し液体収容室へ薬液を充填する工程、及び前記充填口のまわりの所定範囲の樹脂フイルムを接着し薬液収容室を密閉状態とする工程は、第1室及び第2室のそれぞれに対して遂行され、第1室及び第2室は、異なる薬液により充填される。(k)隔離部分は、薬液の充填された第1室又は第2室を人手により押圧することにより容易に離間し第1室及び第2室内の薬液が混合される。
【0008】
本発明の注出口を備える可撓性容器に医療用の薬液を封入した医療用薬液封入物を製造するために使用される可撓性容器は、可撓性の樹脂フイルムにより包囲された薬液収容室及び薬液収容室に連通され且つ栓で密封された注出口を備え、注出口は、樹脂製の導管から成り、導管の一端が薬液収容室に連通され、導管の他端に栓が嵌め込まれ、栓は、点滴用のチューブに取付けられた注射針を突き通すことが可能なゴム栓から成り、薬液収容室は、可撓性容器の外部から完全に密封されるものである。好適には、(l)樹脂フイルムは、2枚の樹脂フイルムを重ねて周縁部分を接着したものである。(m)注出口を形成する導管は、重ねられた2枚の樹脂フイルムの間に配置され且つ樹脂フイルムの周縁部分に接着されたものである。(n)可撓性容器の周縁部分は、上縁部分、下縁部分及び2つの側縁部分から成り、薬液注出口は、下縁部分に配置され、上縁部分に吊り下げよう透孔が形成され、一方の側縁部分が突出部分を備えるものであり、前記突出部分は、切除することにより薬液収容室と外部を連通する充填口を形成し得るものである。(o)可撓性容器は、殺菌又は滅菌処理されたものである。(p)薬液収容室は、収容室の内壁の一部を接着して形成される隔離部分により第1室及び第2室に区画されており、第1室及び第2室のそれぞれの一方の側縁部分が突出部分を備えるものである。
【0009】
本発明において医療用薬液封入物は、可撓性の樹脂フイルムにより包囲された薬液収容室及び薬液収容室に連通され且つ栓で密封された注出口を有する可撓性容器を製造する工程、前記薬液収容室を包囲する樹脂フイルムの一部分を切断して薬液収容室と外部を連通する充填口を形成する工程、前記充填口を介し液体収容室へ薬液を充填する工程、及び前記充填口のまわりの所定範囲の樹脂フイルムを接着し薬液収容室を密閉状態とする工程により製造される。可撓性容器は、製造後薬液を充填するまでの間、密閉され容器内へ異物が入り込むことがない。
【発明の効果】
【0010】
本発明の薬液収容室は、容器が製造されたときに、外部から密封遮断されるから、容器に薬液を充填する前に、異物や細菌が侵入することがなく、医療用薬液を収容するのに好適である。また、本発明の薬液の充填口は、栓により密封されねばならない注出口とは別に形成されるため、薬液充填後に注出口の栓により閉塞する複雑な工程を行う必要がなく、充填機の機構を複雑化しない利点がある。また、本発明は、医療用薬液封入物の製造のための可撓性容器を滅菌し、薬液充填工程まで滅菌状態を維持することができる。更に本発明は、簡単な工程により充填口を形成可能な密閉された可撓性容器を提供することができる。本発明は、更に充填機の機構の複雑化を解消すると共に、薬液充填後の容器の密閉工程を簡単化した複数の室を備える医療用薬液封入物及び容器を提供することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施例の可撓性容器の略図。
【図2】図1の可撓性容器のII−II矢視図。
【図3】図2の可撓性容器の注出口のIIIーIII矢視断面図。
【図4】可撓性容器の注出口の別の事例の図3と同様の断面図。
【図5】本発明の第2の実施例の可撓性容器の略図。
【図6】本発明の製造方法の主要な工程を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の態様を図面を参照して以下に説明する。図1は、本発明の第1の実施例の可撓性容器20の略図であり、図2は、図1の可撓性容器のII−II矢視図、図3は、図2の可撓性容器の注出口のIIIーIII矢視断面図である。図1の可撓性容器20は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンからなる可撓性の樹脂フイルム22により包囲される薬液収容室21、及び薬液収容室20に連通され且つ栓42で密封された注出口40を有する。図3に示すように、注出口40は、樹脂製の導管43から成り、導管43の一端が薬液収容室21に連通され、導管43の他端に栓42が嵌め込まれている。栓42は、点滴用のチューブに取付けられた注射針(図示しない)を突き通すことが可能なゴム栓である。栓42と導管43は、それらの係合部分から液漏れのないように、図3の断面に示すように、蓋41と協働し、密封係合を形成する。
【0013】
薬液収容室21を包囲する樹脂フイルム22は、薬液収容室21に収容される医療用薬液の量が容器20の外部から視認できるようにほぼ透明な樹脂により形成される。薬液収容室21の外側面に薬液量を示すための目盛り26が設けられる。樹脂フイルム22は、液収容室20に隣接する導管43の一端外周部に、液漏れのないように密封溶着される。導管43の隣接部分において、樹脂フイルムが重ねて溶着され、補強のための下縁部分25が形成されている。図1の容器20は、下縁部分25の反対側に樹脂フイルムを重ねて溶着した上縁部分24を備える。上縁部分24は、薬液使用時に容器を吊り下げ得るように透孔29を備える。図1の容器20の内部は、容器製造の後、薬液を収容する段階まで、容器20の外部から完全に密封遮断される。好ましくは、容器20の内外部が、放射線照射、その他の方法により殺菌され、薬液充填のため充填口を形成する工程まで殺菌状態が維持される。
【0014】
図4は、注出口40の変形例であり、蓋41と導管43との外方形状が変形され、注出口40の半径方向の寸法が小さくなるように、蓋41の外方フランジ部が、円筒形にされて導管43の外周面に沿って伸長する。図4の注出口40は、導管43の外周面に樹脂フイルム22が溶着される点、栓42、導管43及び蓋41がそれらの継目からの液漏れしないように密封溶着される点において、図3の事例と同様である。
【0015】
図5は、本発明の第2の実施例の可撓性容器20の略図である。第2の実施例の可撓性容器20は、薬液収容室の内壁の一部を接着して形成される隔離部分34により、薬液収容室が第1室18及び第2室19に区画されており、隔離部分34は、第1室及び第2室に薬液を充填した状態で人手により押圧することにより容易に離間し第1室及び第2室内の薬液を混合可能である。図5の容器20は、人体に点滴により栄養を供給する2液混合型の輸液を収容するために好適であり、例えば、第1室に脂肪乳剤及びアミノ酸を収容し、第2室に糖と電解質液を収容し、投与時に第1室又は第2室を外から押圧して隔離手段を離間させ両室の液を混合するものである。
【0016】
図6は、本発明の製造方法の主要な工程を示すフロー図である。図6Aは、可撓性の樹脂フイルムにより包囲された薬液収容室21と、薬液収容室21に連通され且つ栓で密封された薬液の注出口40と、を備える可撓性容器20の略平面図である。図6Aの容器20の注出口40、下縁部分25の反対側の上縁部分24、上縁部分24に形成される容器の吊り下げ用透孔29の構成は、図1の第1の実施例の容器と同様である。図6Aの容器20の薬液収容室21を包囲する可撓性樹脂フイルムは、2枚の樹脂フイルムを重ねて周縁部分を熱溶着したものであり、上縁部分24と下縁部分25とにそれぞれ連続して樹脂フイルムを重ねて溶着した側縁部分26、27が設けられている。図6Aに示すように、一方の側縁部分27は、突出部分28を備える。この容器20は、製造後に放射線、例えば、ガンマ線、電子線等、を照射し、殺菌状態にされて図6Bの工程へ供給される。
【0017】
図6Bは、容器20の側縁部分27の突出部分28を切除し、薬液の充填口30を形成する工程を示す。図6Bに示すように、充填口30は、突出部分28を切り離し、重なった2枚の樹脂フイルムを広げることによって、薬液収容室21と外部を連通可能とするように形成される。突出部分28の切断方法は、切断屑の発生量が小量であり、且つ切断屑が薬液収容室21内へ入らないように選定される。突出部分28を形成しない図1の容器のような場合は、切除部分なしに、端に収容室を包囲する樹脂フイルム22に適当な切り込みを入れることにより、充填口30を形成することができる。
【0018】
図6Cは、薬液供給ノズル12の先端を、充填口30を介し容器20の薬液収容室21内へ配置し、薬液収容室21内へ薬液10をノズル12を通し充填する工程を示す略図である。容器20は、図示しない手段により、充填口30を上方にして保持され、薬液収容室21が所定量の薬液10で満たされる。
【0019】
図6Dは、所定量の薬液10で満たされた容器20の充填口30のまわりの所定範囲の樹脂フイルムを溶着してシール部32を形成し、薬液収容室21を再び外部と遮断し密閉状態とする工程を示す略図である。図1の容器の場合のように、重ね合わせた周縁部分に隣接しない充填口となる場合も、シール部32は、充填口30のまわりの所定範囲の樹脂フイルムを重ねて溶着することにより形成することができる。図6Dの工程の完了により、容器20及び容器に密封して収容された医療用薬液10から成る医療用薬液封入物8が製造される。その後医療用薬液封入物8は、例えば、高圧蒸気滅菌処理により、収容された薬液及び容器全体が滅菌される。
【0020】
図5の2室容器への薬液の充填は、ほぼ図6A〜Dの単一の薬液収容室21を備える容器における工程を2回、同時に又は別々に行うことにより行うことができる。図5の可撓性容器40の第1室18及び第2室19は、共にほぼ矩形であり、側縁部に充填口30、30を備える。充填口30、30は、図6Aの場合と同じく、容器製造時に側縁部分26の充填口30となる部分の外方に突出部分を設け、それを切除することによって形成することができる。図5に示すように、充填口30、30が容器20の同じ側縁部分に形成されると、第1室及び第2室に同時に薬液を充填し、それぞれシール部を形成するのに好適である。
【符号の説明】
【0021】
10:薬液、12:薬液供給ノズル、18:第1室、19:第2室、20:容器、21:収容室、22:フイルム、23:導管、24:上縁部分、25:下縁部分、26、27:側縁部分、28:突出部分、29:透孔、30:注入口、32:シール部、34:隔離部分、40:注出口、42:ゴム栓、43:導管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注出口を備える可撓性容器であって、前記可撓性容器は、重ね合わせた可撓性樹脂フイルムの周縁部分が相互に接着され、それらの可撓性フイルムの間に薬液収容室が形成されるものであり、
前記薬液収容室は、その内壁の一部を溶着して形成される隔離部分により第1室及び第2室に区画されており、
前記周縁部分は、上縁部分、下縁部分及び2つの側縁部分から成り、薬液抽出口は上縁部分及び下縁部分に配置され、一方の側縁部分は前記第1室及び前記第2室においてそれぞれ突出した接着部分を有するものである可撓性容器に医療用薬液を封入した医療用薬液封入物の製造方法であって、
前記薬液収容室及び該薬液収容室に連通され且つ栓で密封された注出口を有する可撓性容器を製造する工程、
前記第1室及び前記第2室のそれぞれの前記突出した接着部分を同時に切除して薬液収容室と外部を連通する充填口を形成する工程、
前記第1室及び前記第2室のそれぞれの充填口を介し薬液収容室へ薬液を別々に充填する工程、及び前記第1室及び前記第2室のそれぞれの充填口のまわりの所定範囲の樹脂フイルムを同時又は別々に接着し薬液収容室を密閉状態とする工程、を特徴とする製造方法。
【請求項2】
注出口を備える可撓性容器であって、前記可撓性容器は、重ね合わせた可撓性樹脂フイルムの周縁部分が相互に接着され、それらの可撓性フイルムの間に薬液収容室が形成されるものであり、
前記薬液収容室は、その内壁の一部を溶着して形成される隔離部分により第1室及び第2室に区画されており、
前記周縁部分は、上縁部分、下縁部分及び2つの側縁部分から成り、薬液抽出口は上縁部分及び下縁部分に配置され、一方の側縁部分は前記第1室及び前記第2室においてそれぞれ突出した接着部分を有するものである可撓性容器に医療用薬液を封入した医療用薬液封入物の製造方法であって、
前記薬液収容室及び該薬液収容室に連通され且つ栓で密封された注出口を有する可撓性容器を製造する工程、
前記第1室及び前記第2室のそれぞれの前記突出した接着部分を同時に切除して薬液収容室と外部を連通する充填口を形成する工程、
前記第1室及び前記第2室のそれぞれの充填口を介し薬液収容室へ薬液を同時に充填する工程、及び前記第1室及び前記第2室のそれぞれの充填口のまわりの所定範囲の樹脂フイルムを別々に接着し薬液収容室を密閉状態とする工程、を特徴とする製造方法。
【請求項3】
前記充填口のまわりの所定範囲の樹脂フイルムを接着する工程は、前記充填口のまわりの所定範囲の樹脂フイルムをヒートシールにより接着する工程を含む請求項1又は2の製造方法。
【請求項4】
可撓性容器に封入される薬液は、点滴により人体に供給される薬液成分を含み、注出口を密封する栓は、点滴用のチューブに取付けられた注射針を突き通すことができるゴム栓である請求項1乃至3のいずれか1項の製造方法。
【請求項5】
第1室及び第2室は、異なる薬液により充填され、隔離部分は、薬液の充填された第1室又は第2室を人手により押圧することにより容易に離間し第1室及び第2室内の薬液が混合される請求項1乃至4のいずれか1項の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の製造方法を用いて製造したことを特徴とする可撓性容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−94540(P2010−94540A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15815(P2010−15815)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【分割の表示】特願平10−339809の分割
【原出願日】平成10年11月30日(1998.11.30)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】