説明

医薬品を製造する方法

クエン酸、酸化マグネシウム、炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウム、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料の均質または実質的に均質な混合物を含む医薬組成物を調製する方法、その生成物、中間生成物、および使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品を製造する改善された方法、ならびにそれから得られる生成物および中間生成物に関する。
【背景技術】
【0002】
X線検査、内視鏡検査または手術の前に腸を清掃するのに使用する医薬品は、現在、商標名PICOLAXTMの下で販売されている。この医薬品は、投与用に(水)溶液として構成される白色粉末である。必要な特性は、これが容易に口に受け入れられる強力な緩下剤であることである。この医薬品には、ピコ硫酸ナトリウム(PS)、刺激性緩下剤、ならびに溶液中で一緒になって、強力な瀉下効果を有する浸透圧性緩下剤であるクエン酸マグネシウムを形成する無水クエン酸(CA)および酸化マグネシウム(MgO、軽質)が含まれる。
【0003】
経口送達用の剤形は顆粒の形態である。本明細書中では、顆粒という用語には、バラバラの粒子が含まれる(そのような粒子は、粉末と総称される場合があり、当分野で「経口投与用の粉末」として知られている粉末の形態のバラバラの粒子が含まれる)。生成物は6つの原材料の物理的混合物であり、それらは、クエン酸(たとえば、無水クエン酸またはクエン酸一水和物)、酸化マグネシウム(たとえば軽質酸化マグネシウム)、炭酸水素カリウム(KHCO3)、ピコ硫酸ナトリウム(NaPIC)、サッカリンナトリウム、およびオレンジ香料である。本明細書中では、「軽質」酸化マグネシウムとは、15gが75〜180mlを占めるような見かけの体積を有する、たとえば15gが150mlの体積を占める酸化マグネシウムを意味する。
【0004】
PICOLAXTMを作製する既知の方法には、以下のステップが含まれ得る。酸化マグネシウムおよびクエン酸の顆粒を、2つの試薬を一緒に混合することによって生成し、これは「プライマリミックス」として知られる。別の段階では、炭酸水素カリウム、ピコ硫酸ナトリウムおよび水を混合またはブレンドして湿式「プレミックス」を生成し、その後、これを乾燥させる。さらなる段階では、香料成分であるオレンジ香料およびサッカリンナトリウムを、プレミックスおよびプライマリミックスと共にブレンドする。この既知の方法は、いくつかの関連する問題を有する。
【0005】
第1に、混合方法は、最終および中間生成物で不均質性の問題をもたらし得る。一態様では、本出願中で使用する用語「不均質性」および「均質性の欠如」とは、たとえば最終生成物中の、活性物質であるピコ硫酸ナトリウムの含量均一性の欠如をいう。また、これは、中間生成物および/または最終生成物の顆粒の粒子径(直径)または粒子径の範囲もしくは分布などの、物理的および形態学的特性の均質性の欠如もいう。中間生成物顆粒とは、たとえば、プライマリミックス顆粒またはプレミックス顆粒である。
【0006】
均質性は、最終生成物の品質および性能を保証する重要な要素のうちの少なくとも1つであると考えられており、生成物の均質性(および不均質性)は、使用する混合方法に関連すると考えられている。したがって、既知の方法の第1の段階では、クエン酸と酸化マグネシウムの粒子との間の低い結合特性または凝集特性(たとえば、2つの材料の密度の差異によって引き起こされる)が原因で、顆粒の大きさおよび分布に不同性が生じ得る(すなわち、不均質性が生じ得る)。さらに、酸化マグネシウムが(クエン酸と混合されずに)ミキサーのボウル、ブレードなどに残る。したがって、既知の方法では、ブレンド方法中の損失を補うために、余分な酸化マグネシウム(「過多量」)を原材料中に含める。過多量は、典型的には10%を超える。これは、長期間にわたって大量生産する場合に経済的な損失をもたらす。さらに、長い処理時間を伴い、健康に悪い量の粉塵が混合中に生じ得る。
【0007】
プレミックス段階では、混合中に一部の炭酸水素カリウムが顆粒化媒体である水に溶解すること、および粒子が物理的に崩壊(粉砕)することが原因で、得られる顆粒の均質性の欠如が生じ得る。このことは、最終生成物に有害な影響を与え得る。さらに、方法のこの段階を完了するために、長い処理時間、および複数のステップが必要である(典型的には15〜24時間かかる)。
【0008】
したがって、改善された製造方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本出願人らは、従来技術の方法の問題の一部または全部を緩和し、たとえば、改善された生成物および/または処理時間の顕著な短縮を提供し得る方法を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の一態様によれば、クエン酸、酸化マグネシウム、炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウム、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料の均質または実質的に均質な混合物を含む医薬組成物を調製する方法であって、
a)クエン酸および酸化マグネシウムを乾式混合するステップと、
b)ピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、前記ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを乾燥させるステップと、
c)ステップa)の生成物の少なくとも一部を、ステップb)の生成物の少なくとも一部、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料と混合するステップと
を含む方法を提供する。
【0011】
一例では、この方法は、ステップc)の生成物を、クエン酸および酸化マグネシウムを乾式混合することによって形成されたさらなる量の混合物[たとえば、ステップa)で定義した方法の残りの生成物の一部もしくは全部]、ならびに/またはピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを乾燥させることによって形成された生成物[たとえば、ステップb)で定義した方法の残りの生成物の一部もしくは全部]と混合するさらなるステップd)を含む。
【0012】
したがって、一態様では、クエン酸、酸化マグネシウム、炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウム、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料の均質または実質的に均質な混合物を含む医薬組成物を調製する方法であって、
a)クエン酸および酸化マグネシウムを乾式混合するステップと、
b)ピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、前記ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを乾燥させるステップと、
c)ステップa)の生成物の少なくとも一部を、ステップb)の生成物の少なくとも一部、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料と混合するステップと、
d)ステップc)の生成物を、ステップa)で定義した方法の残りの生成物の一部もしくは全部、および/または、ステップb)で定義した方法の残りの生成物の一部もしくは全部と混合するステップと
を含む方法を提供する。
【0013】
クエン酸、酸化マグネシウム、炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウム、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料の均質または実質的に均質な混合物の生成物は、顆粒の形態であり得る。顆粒は、約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲または分布を有し得る。医薬組成物は、たとえば約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲または分布の顆粒の形態であり得る。
【0014】
本明細書中では、直径という用語は、開示した粒子および顆粒のうちの任意のものが球状であると意味することを意図しないことを理解されたい。添付の図面に明示するように、顆粒は、たとえば、ほぼ球状、細長い球の形態(楕円体)などであり得る。本明細書中では、大きさ(直径)という用語は、顆粒(たとえば、球、ほぼ球状、細長い球、楕円体)の中心点を通って一方の側から他方を通る直線の最短距離を意味することを意図する。
【0015】
本発明によれば、さらなる態様では、クエン酸、酸化マグネシウム、炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウム、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよびオレンジ香料の均質または実質的に均質な混合物を含む、顆粒もしくは複数の顆粒または医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、X線検査、内視鏡検査または手術の前に腸を清掃するのに使用し得る。顆粒は、約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲または分布を有し得る。
【0016】
前記顆粒または医薬組成物は、サシェとして調剤し得る。
【0017】
最終生成物顆粒または医薬組成物中の活性物質であるピコ硫酸ナトリウムの含量均一性は、約0.0559%および0.068重量%の平均値を有し得る(9.0〜11.0mg/用量、16.1gのPICOLAXTMの用量に基づく)。
【0018】
本発明によれば、さらなる態様では、本明細書中に記載のクエン酸および酸化マグネシウムの(第1の)顆粒を含む第1の組成物と(たとえば、クエン酸および酸化マグネシウムを含む顆粒を含み、顆粒がクエン酸の核上にコーティングされた酸化マグネシウムの層を含む)、本明細書中に記載の炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウムの(第2の)顆粒を第2の組成物を含む第2の組成物と(たとえば、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを含む顆粒を含み、顆粒が炭酸水素カリウムの核上にコーティングされたピコ硫酸ナトリウムの層を含む)、任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料との均質または実質的に均質な混合物の生成物顆粒を含む、医薬製剤または医薬組成物を提供する。生成物顆粒は、約100〜約900μmの粒子径(直径)の範囲を有し得る。生成物顆粒は、平均値約0.0559%〜0.068重量%のピコ硫酸ナトリウムの含量均一性を有し得る。
【0019】
本発明の方法は、たとえば、適切な大きさおよび/または大きさの分布、たとえば約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲の炭酸水素カリウムを、適用(たとえば噴霧)前に得るための、分離(たとえば処理、たとえば篩過)の1つまたは複数のステップを含み得る。本発明の方法は、たとえば、適切な大きさおよび/または大きさの分布、たとえば約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲のクエン酸を、酸化マグネシウムと混合する前に得るための、分離(たとえば処理、たとえば篩過)の1つまたは複数のステップを含み得る。
【0020】
また、本発明は、クエン酸、酸化マグネシウム、炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウム、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料の均質または実質的に均質な混合物を含む医薬組成物を調製する方法(ならびに/あるいはクエン酸および酸化マグネシウムを含む組成物を調製する方法)であって、顕著に異なる密度を有する化合物の均質な混合物を形成する手段(多次元ブレンダーまたは三次元ブレンダーなど)を用いて、クエン酸および酸化マグネシウム(たとえば軽質酸化マグネシウム)を乾式混合するステップを含む方法も提供する。この手段は、三次元運動(たとえばポールシャッツ原理として知られているもの)を用いて混合し得る。この手段は、8の字動作を回転と組み合わせた三次元運動を用いて混合してもよく、これは、ミキサー内の物質が律動的な拍動性の運動で動くことを引き起こす。この手段は、クエン酸と酸化マグネシウムとの間の凝集工程を促進し得る。この手段(たとえば、多次元ブレンダーまたは三次元ブレンダー)は、混合中に閉鎖していてよく、これにより粉塵または汚染が防止され得る。この手段(たとえば、多次元ブレンダーまたは三次元ブレンダー)は、容器内のブレードまたはパドルを使用する代わりに(慣用の遊星ミキサーなどのように)、混合容器を三次元運動で振動するまたは動かす(たとえばスピンする)動きによって混合し得る。三次元運動は、たとえば、ブレードまたはパドルと混合容器の側面との間の摩擦力によって引き起こされる、慣用の混合技術に関連する粒子損傷(および一貫性のない生成物の大きさ)を減少させ得る。
【0021】
クエン酸は、酸化マグネシウムを加える前に、たとえば、顕著に異なる密度を有する化合物の均質または実質的に均質な混合物を形成する手段(多次元ブレンダーまたは三次元ブレンダーなど)において、単一バッチで添加し得る。酸化マグネシウムは、たとえば2〜6、たとえば4バッチに分けて添加し、各バッチの添加の間に混合してもよい。MgOを小バッチで全量のクエン酸に加え、MgOのバッチの各添加の間に混合することで、クエン酸と酸化マグネシウムとの間の凝集工程、および/もしくは生成物の混合物の均質性を促進し、かつ/またはMgOの損失を減少させ得る。
【0022】
この方法は、たとえば、適切な大きさおよび/または大きさの分布、たとえば約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲のクエン酸を、酸化マグネシウムと混合する前に得るための、分離(たとえば処理、たとえば篩過)の1つまたは複数のステップを含み得る。この方法は、たとえば、適切な大きさ(直径)および/または大きさの分布の生成物の組成物/顆粒を得るための、1つまたは複数の分離(たとえば篩過)ステップを任意選択で含む。
【0023】
(生成物の)組成物/顆粒は、プレミックス、またはピコ硫酸ナトリウムを炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、乾燥させるステップの生成物の粒子径または粒子径の分布と適合性がある、粒子径(直径)および/または粒子径(直径)の分布を有し得る。
【0024】
本発明のさらなる態様によれば、約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径の分布範囲を有する、クエン酸および酸化マグネシウムの顆粒(たとえば、凝集した粒子である顆粒)を提供する。顆粒は、85%を超える、たとえば90%を超える、たとえば92%を超える粒子が、約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有し得る。顆粒は、粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約850μmを超える粒子径(直径)を有し、かつ/または粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約250μm未満の粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有し得る。顆粒は、粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約875μmを超える粒子径(直径)を有し、かつ/または粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約150μm未満の粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有し得る。顆粒は、粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約900μmを超える粒子径(直径)を有し、かつ/または粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約100μm未満の粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有し得る。顆粒は、たとえば約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲を有し得る。顆粒は、ピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを乾燥させるステップ(たとえばステップb)の生成物と混合することにおいて適合性がある、大きさまたは大きさの分布を有し得る。顆粒には、クエン酸上にコーティングされた酸化マグネシウムの層が含まれ得る。
【0025】
本発明のさらなる態様によれば、クエン酸および酸化マグネシウムを含む顆粒を含む組成物であって、顆粒が、クエン酸の核上にコーティングされた酸化マグネシウムの層を含む組成物を提供する。酸化マグネシウムの層の厚さは、2〜15μm、たとえば5〜10μmであり得る。顆粒は、その最も幅広い点[すなわち、顆粒(たとえば、球、ほぼ球状など)の中心点を通って顆粒の一方の側から他方を通る直線の最長距離で、450〜800μmの幅(たとえば500〜700μmの幅)]であり得る。
【0026】
さらなる態様では、本発明は、クエン酸、酸化マグネシウム、炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウム、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料の均質または実質的に均質な混合物を含む医薬組成物を調製する方法(ならびに/または炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウムを含む組成物を調製する方法)であって、ピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを乾燥させるステップを含む方法を提供する。
【0027】
炭酸水素カリウムは、たとえば約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲を有し得る。この方法は、たとえば、適切な大きさおよび/または大きさの分布、たとえば約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲の炭酸水素カリウムを得るための、分離(たとえば篩過)1つまたは複数のステップを含み得る。
【0028】
ピコ硫酸ナトリウムは、水溶液中に存在してもよい。溶液中のピコ硫酸ナトリウム:水の重量比は、1:1〜1:3、たとえば1:1.3〜1:2.5、たとえば約1:1.5〜1:2であり得る。ピコ硫酸ナトリウムの溶液、たとえば水溶液は、1〜20ml/分、好ましくは10〜12ml/分の速度で適用(たとえば噴霧)し得る。
【0029】
一例では、ピコ硫酸ナトリウムは水溶液中に存在する。溶液、たとえば水溶液は、たとえば炭酸水素カリウムの顆粒または粒子の表面上に適用(たとえば噴霧)し得る。溶液、たとえば水溶液は、たとえば微小液滴として適用(たとえば噴霧)し得る。
【0030】
炭酸水素カリウムは、(たとえば、ピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)する前に、)たとえば、30°〜100℃、たとえば30℃〜70℃、たとえば30℃〜50℃の温度まで予熱し得る。ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムは、たとえば、30°〜100℃、たとえば30℃〜70℃、たとえば30℃〜50℃、たとえば45℃の温度で乾燥させ得る。乾燥は、暖気または熱気(たとえば、30°〜100℃、たとえば30℃〜70℃、たとえば30℃〜50℃の温度)を用いる[たとえば適用、たとえば吹きかける]ことによって行い得る。乾燥は、適用(たとえば噴霧)中、および/または適用(たとえば噴霧)の直後もしくは実質的に直後であり得る。(たとえば噴霧により)ピコ硫酸ナトリウム溶液を1回または複数回(たとえば、2、3、4回もしくはそれより多く)適用してよく、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムは、各(噴霧)適用中または直後もしくは実質的に直後に乾燥させる。
【0031】
適用(たとえば噴霧)および乾燥は、たとえば、タンブルコーティング機械、または当業者に知られている他のコーティング機械(たとえば流動床コーティング機械)で行い得る。
【0032】
したがって、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムの適用(たとえば噴霧)および乾燥は、2つ以上の別々の(混合、乾燥)ステップ、および/または2つ以上の別々の機械を必要とする代わりに、同じコーティング機械を用いてワンステップで完了し得る。
【0033】
この方法は自動制御し得る。したがって、手動操作を回避できる場合があり、ここでも、全処理時間の短縮が可能となる。
【0034】
この方法は、適切な大きさおよび/または大きさの分布、たとえば約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲の生成物を得るための、分離(たとえば篩過)1つまたは複数のステップを含み得る。
【0035】
炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウムを含む(生成物の)組成物は、クエン酸および酸化マグネシウムを乾式混合するステップのプライマリミックスまたは生成物の粒子径または粒子径の分布と適合性がある、粒子径(直径)および/または粒子径(直径)の分布を有し得る。炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウムを含む(生成物の)組成物は、85%を超える、たとえば90%を超える、たとえば92%を超える粒子が、約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有し得る。炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウムを含む(生成物の)組成物は、粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約850μmを超える粒子径(直径)を有し、かつ/または粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約250μm未満の粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有し得る。炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウムを含む(生成物の)組成物は、粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約875μmを超える粒子径(直径)を有し、かつ/または粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約150μm未満の粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有し得る。炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウムを含む(生成物の)組成物は、粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約900μmを超える粒子径(直径)を有し、かつ/または粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約100μm未満の粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有し得る。炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウムを含む(生成物の)組成物は、たとえば約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲または分布を有し得る。
【0036】
ピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、乾燥させることによって形成された生成物または組成物は、改善された均質性を保有する顆粒または粒子の形態であり得る。
【0037】
本発明によれば、さらなる態様では、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを含む顆粒を含む組成物であって、顆粒が炭酸水素カリウムの核上にコーティングされたピコ硫酸ナトリウムの層を含む組成物が提供される。顆粒は、たとえば実質的に楕円状であり得る[たとえば細長い球の形状(たとえば図2参照)]。顆粒は、顆粒の中心点を通って顆粒の一方の側から他方へと通る直線の最短距離が100〜500μm(たとえば200〜400μm)であり、かつ/または顆粒の中心点を通って顆粒の一方(端)から他方へと通る直線の最長距離が500〜900μm(たとえば550〜750μm)である、実質的に楕円状の形状であり得る。
【0038】
本発明の別の態様によれば、約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲または分布を有する、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムのプレミックス顆粒を提供する。
【0039】
本発明の別の態様によれば、炭酸水素カリウム上にコーティングされたピコ硫酸ナトリウムの層を含む、1つまたは複数の顆粒を提供する。顆粒は、85%を超える、たとえば90%を超える、たとえば92%を超える粒子が、約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有し得る。顆粒は、粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約850μmを超える粒子径(直径)を有し、かつ/または粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約250μm未満の粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有し得る。顆粒は、粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約875μmを超える粒子径(直径)を有し、かつ/または粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約150μm未満の粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有し得る。顆粒は、粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約900μmを超える粒子径(直径)を有し、かつ/または粒子の5%未満、たとえば2%未満、たとえば1%未満が、約100μm未満の粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有し得る。顆粒は、たとえば約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲を有し得る。
【0040】
本発明の方法によって生成したプレミックス顆粒は、最終生成物の均質性に寄与するピコ硫酸ナトリウムの含量均一性(mg用量)を保有し得る。本発明は、最終生成物顆粒または医薬組成物のそれと一貫した(上記参照)指定したピコ硫酸ナトリウムの含量均一性(mg用量)を有し、約100〜約900μm、たとえば約150〜875μm、たとえば約250〜約850μmの粒子径(直径)の範囲を有する、顆粒の形態の炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウムを含む、中間組成物またはプレミックスを提供し得る。
【0041】
本明細書中で、工程のステップは、明瞭性のためのみにステップa)、b)、c)などと呼び、ステップの順序に関して明確なまたは暗示される要件は存在しないことを理解されたい。したがって、たとえば、ステップa)の工程は、ステップb)の前、その後、またはそれと実質的に同時に完了し得る。
【0042】
以下、本発明を下記の実施例および添付の図面を参照しながら例示する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態によるクエン酸および酸化マグネシウムのプライマリミックス顆粒のSEM写真およびEDAX分析結果を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムのプレミックス顆粒のSEM写真およびEDAX分析結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
生成物PICOLAXTMは6つの原材料の物理的混合物であり、それらは、クエン酸(無水)、軽質酸化マグネシウム、炭酸水素カリウム(KHCO3)、ピコ硫酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、およびオレンジ香料である。
【0045】
PICOLAXTMを作製する既知の方法の第1の段階では、上述のように、酸化マグネシウムおよびクエン酸を含む「プライマリミックス」を最初に生成する。余分な酸化マグネシウム(「過多量」)を、ブレンド方法中の損失を補うためにフィードの一部として測り入れる。第2の段階では、炭酸水素カリウム、ピコ硫酸ナトリウムおよび水を混合またはブレンドして「プレミックス」を生成する。その後、プレミックス顆粒を乾燥させる。第3の段階では、香料成分であるオレンジ香料およびサッカリンナトリウムを、プレミックスおよびプライマリミックスとブレンドする。
【0046】
本発明によれば、一部の態様では、この方法もいくつかの段階を必要とする。
【0047】
プライマリミックス
従来技術の方法では、恐らくはクエン酸と酸化マグネシウムの粒子との間の低い結合特性または凝集特性が原因で、顆粒の大きさおよび分布に不同性が生じることが判明した。典型的にはタンブルブレンダーまたは遊星乾式ミキサーである。用いた従来技術の装置は、2つの構成成分の分離、および微粒子の形態の原材料、たとえば酸化マグネシウムの損失を促進すると考えられる。既知の方法を使用すると、余分な酸化マグネシウム(「過多量」)を典型的には10%を超える量で加えることによって、損失を定期的に補うことが必要であり、これは、長期間にわたっておよび大量生産する場合に経済的な損失をもたらす。さらに、長い処理時間が伴う場合があり、健康に悪い量のMgO粉塵が混合中に生じ得る。従来技術の方法は、清掃の困難、ならびに/または生成物顆粒/粒子の径および分布の不十分な制御をもたらし得る。
【0048】
本発明の段階またはステップは、クエン酸(CA)および酸化マグネシウムを乾式混合して「プライマリミックス」を生成することを含む。以前の方法とは対照的に、たとえば多次元ブレンダーまたは三次元ブレンダーを用いてクエン酸および酸化マグネシウムを混合することによって、より良好に凝集した混合物が得られ得る。過多量は顕著により少ない。三次元ブレンダーは知られており、たとえば米国のLaval Lab Inc.から得られ得る。混合容器は、8の字動作を回転と組み合わせた三次元運動(ポールシャッツ原理として知られている)を用いて動かし、これは、ミキサー内の物質が律動的な拍動性の運動で動くことを引き起こす。この運動では、様々な重量、大きさおよび流動特性の粉末および顆粒を混合し得る。
【0049】
多次元ブレンダーは、(遊星乾式ミキサーなどのような)機械的攪拌振動器ではなく、ブレードが存在しない強力な物理的力を利用して材料を混合する。これは、振動器のブレードまたはパドルと混合容器の側面との間の摩擦力によって引き起こされる粒子損傷(および一貫性のない生成物の大きさ)を減少させ得る。また、これは、最終生成物の均質性に影響を与えると考えられる粒子損傷からの粉塵、および/または混合容器内部壁に固着することも減少させる。さらに、清掃するのが滑らかな内部表面だけである(清掃する攪拌振動器がない)ため、清掃がはるかに容易である。
【0050】
多次元ブレンダーまたは三次元ブレンダーの使用には、回転速度、混合時間および材料を加える頻度などの稼働パラメータの適切な調節が付随する。
【0051】
したがって、新しい方法では、以前の方法で遭遇していた問題が取り除かれるまたは顕著に減少する。
【0052】
プレミックス
以前の方法の第2の段階では、プレミックスを生成する際に、ピコ硫酸ナトリウムを炭酸水素カリウムと湿式混合していた。湿式混合中、炭酸水素カリウムの一部は溶解し、一部は攪拌振動器によって粉砕されており、これらの動きは、乾燥後のプレミックス中に過剰の炭酸水素カリウムの微粉末をもたらしていた。過度に大きな粒子または顆粒は含むピコ硫酸ナトリウムが少ない一方で、乾燥させた混合物の過度に微細な粒子または顆粒は含むピコ硫酸ナトリウムが多いため、これにより生成物の均質性の損失がもたらされると考えられ、これらの極限は生成物の均質性に影響を与えると考えられていた。また、既知の方法は、湿式混合物を顕著な時間の間乾燥させることも必要とした。また、既知の方法は、生成物の汚染の危険性および操作者の安全性の懸念の増加が伴う、いくつかの手動ステップも必要としていた。
【0053】
本発明の1つまたは複数の態様によれば、この方法は、ピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを乾燥させるステップを含む。
【0054】
この混合方法は、コーティング方法に類似していると考えてよい。混合/コーティング方法は、自動タンブルコーティング機械を用いて、たとえば、コーティングレベルを制御するために稼働パラメータの適切な調節を行って実施し得る。
【0055】
したがって、ピコ硫酸ナトリウムの溶液(たとえば水溶液)を炭酸水素カリウム上に噴霧し、前記ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウム(すなわち、コーティングしたプレミックス顆粒)を同じ装置内で乾燥させ得る。これは、顕著に短縮した生成時間をもたらす場合があり、たとえば、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムの「プレミックス」を[以前の方法を用いた約15〜24時間ではなく]約3時間で生成し得る。
【0056】
さらに、本出願人らは、以下のように、生成物顆粒の不均質性が顕著に減少し得ることを見出した。ピコ硫酸ナトリウム溶液をKHCO3顆粒の表面上に非常に均一に噴霧し、適用(たとえば噴霧)直後に乾燥させ、微粉末の量を減少させ得る。顆粒は、たとえば、コーティング型の方法中の粒子/顆粒の粉砕によって減少する可能性が低い。さらに、コーティングした顆粒は、たとえば暖気を用いてすぐにまたは実質的にすぐに乾燥させ得るため、微粉末および粉塵を顕著に減少させ得る。
【0057】
続いて、本発明の方法は、サッカリンナトリウム、オレンジ香料、プライマリミックスおよびプレミックスの一部を混合し、続いて、プライマリミックスのバランスと合わせて(かつ混合して)、最終的な均質なバルク生成物を生成することを含み得る。
【0058】
したがって、開示した発明は、混合方法の1つ、2つ、またはそれより多くのステップの顕著な改善を提供し得る。これは、改善された品質および再現性(たとえば、活性物質の均一性に関して)の、より効率的な方法を提供し得る。これは、材料の汚染および/または損失の危険性が減少し、かつ/または手動操作がより少ない方法を提供し得る。これは、顕著に短縮された処理時間をもたらす方法を提供し得る。
【0059】
本発明による方法は、プライマリミックスおよびプレミックスの混合段階の中間生成物、ならびに最終生成物の均質性を改善し得る。
【0060】
以下、本発明を下記の実施例を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0061】
方法
炭酸水素カリウムをスクリーンの大きさが250μmおよび600μmの篩で篩過する。精製水を秤量し、ピコ硫酸ナトリウムを水に溶かして、プレミックス段階用のピコ硫酸ナトリウム溶液を形成する。タンブルコーティング器(当分野で周知のコーティング器など)を用いることによって、ピコ硫酸ナトリウム溶液および炭酸水素カリウムを顆粒へと形成する。炭酸水素カリウムの顆粒をコーティング器内に満たし、コーティング器の稼働中に規定量のピコ硫酸ナトリウム溶液を顆粒の表面上に噴霧する。その後、コーティングされた粒子を暖気によって乾燥させる。コーティング工程の後に、合わせたピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムの、プレミックスの乾燥させた顆粒が得られる。図2は、この方法によって作製したプレミックス顆粒のSEM写真およびEDAX結果を示す。
【0062】
三次元の乾式ブレンダーを用いることによって、酸化マグネシウムおよびクエン酸を混合してプライマリミックス顆粒を形成する。クエン酸をブレンダー内に満たし、軽質酸化マグネシウムを加える。ブレンダー内の材料を通常の稼働方法によって混合する。図1は、この方法によって作製したプライマリミックス顆粒のSEM写真およびEDAX結果を示す。
【0063】
オレンジ香料およびサッカリンナトリウムを、プレミックスおよび既知の量のプライマリミックスと一緒にブレンドして、香料ブレンドを形成する。その後、香料ブレンドをプライマリミックスのバランスと合わせて混合する。当分野で知られている方法を用いて、合わせた最終ブレンド粉末をホイルサシェに充填し、厚紙箱内に梱包する。
【0064】
当業者は、所望する生成物の量に応じて、使用する試薬量(たとえば、より大スケールの生成方法用)などの量を容易に理解するであろうことに注意されたい。
【実施例2】
【0065】
配合物
以下の配合物を上述の方法によって作製した。各ホイルサシェは以下の成分を含む。
【0066】
【表1】

【実施例3】
【0067】
SEM写真およびEDAX分析結果
SEMおよびEDAXの写真は、中国中山大学のInstrumentation Analysis and Research Centreの電子顕微鏡研究室で撮影した。
【0068】
図1は、実施例1の方法によって作製した、本発明の一実施形態によるクエン酸および酸化マグネシウムのプライマリミックス顆粒のSEM写真およびEDAX分析結果を示す。
【0069】
これらの写真は、成分MgOが顆粒の外殻上に見つかることを示す。白黒写真(電子画像1)は、顆粒の核および殻を示すために平面で切断した、ほぼ球状の顆粒を示す。もう1つの写真(Mg Ka1#2)は、元素Mgの一を示す(より明るい/より白い点)。2枚の写真を比較すると、切取内部図から、顆粒の核には非常にわずかな成分MgOしか存在しないが(この微量は、EDAXの調製方法で試料を切断する際の汚染が原因である)、殻には大量のMgOが含まれることが明らかである。合算スペクトルは、顆粒の表面上の成分MgOの合計を示す(切断部および殻)。
【0070】
さらに、白黒写真は、顆粒がクエン酸の結晶核およびMgOの白い殻を有することを明示している。MgO殻の層の厚さは、白黒写真から(たとえば定規を用いて)5〜10umであると計算され得る。
【0071】
図2は、実施例1の方法によって作製した、本発明の一実施形態によるピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムのプレミックス顆粒のSEM写真およびEDAX分析結果を示す。
【0072】
写真は、元素S(すなわちピコ硫酸ナトリウム)が殻上に明らかに検出されており、元素K(すなわち炭酸水素カリウム)が核上に明らかに検出されていることを示している。白黒写真(電子画像1)は、顆粒の核および顆粒の殻を示すために切り取ったプレミックス顆粒を示す。写真S Ka1は、顆粒上の元素Sの位置を示す(点)。ほとんどの元素Sが殻を占有し、切断部平面上のわずかな量の元素Sは、EDAXの試料調製方法の切断操作によって生じた汚染であることが明らかである。写真K Ka1は、顆粒上/内の元素Kの位置を示し(点)、切断部平面(顆粒の核)が殻よりも多くの元素Kを有することが見られる。K Ka1およびS Ka1は、殻には元素KおよびSがどちらも含まれることを裏付けており、ピコ硫酸ナトリウムの層が非常に薄いことを裏付けている(その量が非常に低く、プレミックスのこの配合物によれば2%のみであるため)。白黒写真は、顆粒が炭酸水素カリウムの(結晶)核およびピコ硫酸ナトリウムの(白い)殻を有することを明示している。顆粒は、実質的に楕円状であるとして記載し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クエン酸、酸化マグネシウム、炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウム、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料の均質または実質的に均質な混合物を含む医薬組成物を調製する方法であって、ピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを乾燥させるステップを含む方法。
【請求項2】
炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウムを含む組成物を調製する方法であって、ピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを乾燥させるステップを含む方法。
【請求項3】
炭酸水素カリウムが約100μm〜約900μmの粒子径(直径)の範囲を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)する前に炭酸水素カリウムを予熱する、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを30°〜100℃の温度で乾燥させる、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
乾燥を適用(たとえば噴霧)中、および/または適用(たとえば噴霧)の直後もしくは実質的に直後に行う、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ピコ硫酸ナトリウム溶液を2回以上適用し、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを各適用中、その直後または実質的に直後に乾燥させる、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、乾燥させることによって形成された生成物または組成物が顆粒または粒子の形態である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
顆粒または粒子が、85%を超える粒子が約100μm〜約900μmの粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
顆粒または粒子が、粒子の5%未満が約900μmを超える粒子径(直径)を有し、かつ/または粒子の5%未満が約100μm未満の粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有する、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
ピコ硫酸ナトリウムが水溶液中に存在する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
請求項2から11のいずれかに記載の方法によって形成される、炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウムを含む組成物。
【請求項13】
約100μm〜約900μmの粒子径(直径)の範囲または分布を有するピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムの顆粒を含む組成物。
【請求項14】
ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを含む顆粒を含む組成物であって、顆粒が、炭酸水素カリウムの核上にコーティングされたピコ硫酸ナトリウムの層を含む組成物。
【請求項15】
顆粒が、85%を超える粒子が約100μm〜約900μmの粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有する、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
顆粒が、粒子の5%未満が約900μmを超える粒子径(直径)を有し、かつ/または粒子の5%未満が約100μm未満の粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有する、請求項14または15に記載の組成物。
【請求項17】
クエン酸、酸化マグネシウム、炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウム、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料の均質または実質的に均質な混合物を含む医薬組成物を調製する方法であって、顕著に異なる密度を有する化合物の均質な混合物を形成する手段を用いてクエン酸および酸化マグネシウムを乾式混合するステップを含む方法。
【請求項18】
クエン酸および酸化マグネシウムを含む組成物を調製する方法であって、顕著に異なる密度を有する化合物の均質な混合物を形成する手段を用いてクエン酸および酸化マグネシウムを乾式混合するステップを含む方法。
【請求項19】
顕著に異なる密度を有する化合物の均質な混合物を形成する手段が、多次元ブレンダーまたは三次元ブレンダーである、請求項17または請求項18に記載の方法。
【請求項20】
手段が、クエン酸と酸化マグネシウムとの間の凝集工程を促進する、請求項17、18または19に記載の方法。
【請求項21】
酸化マグネシウムを加える前に、顕著に異なる密度を有する化合物の均質または実質的に均質な混合物を形成する手段においてクエン酸を単一バッチで添加する、請求項17から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
酸化マグネシウムを単一バッチのクエン酸に複数バッチに分けて添加し、各バッチの添加の間に混合する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
クエン酸が、約100μm〜約900μmの粒子径(直径)の範囲を有する、請求項17から22に記載の方法。
【請求項24】
クエン酸および酸化マグネシウムの凝集した粒子である顆粒を含む組成物。
【請求項25】
クエン酸および酸化マグネシウムを含む顆粒を含む組成物であって、顆粒が、クエン酸の核上にコーティングされた酸化マグネシウムの層を含む組成物。
【請求項26】
酸化マグネシウムの層の厚さが2〜15μmである、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
酸化マグネシウムの層の厚さが5〜10μmである、請求項25または26に記載の組成物。
【請求項28】
顆粒がその最も幅広い点で450〜800μmの幅である、請求項24から27のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
顆粒が約100μm〜900μmの粒子径(直径)の範囲を有する、請求項24から28のいずれかに記載の組成物。
【請求項30】
顆粒が、85%を超える粒子が約100μm〜約900μmの粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有する、請求項24から29のいずれかに記載の組成物。
【請求項31】
顆粒が、粒子の5%未満が約900μmを超える粒子径(直径)を有し、かつ/または粒子の5%未満が約100μm未満の粒子径(直径)を有する粒子径(直径)の分布を有する、請求項24から30のいずれかに記載の組成物。
【請求項32】
請求項18から23のいずれかに記載の方法によって形成される、クエン酸および酸化マグネシウムを含む組成物。
【請求項33】
クエン酸、酸化マグネシウム、炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウム、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料の均質または実質的に均質な混合物を含む医薬組成物を調製する方法であって、
a)クエン酸および酸化マグネシウムを乾式混合するステップと、
b)ピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、前記ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを乾燥させるステップと、
c)ステップa)の生成物の少なくとも一部を、ステップb)の生成物の少なくとも一部、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料と混合するステップと
を含む方法。
【請求項34】
ステップ(a)が請求項18から23のいずれかに記載の方法を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ステップ(b)が請求項3から11のいずれかに記載の方法を含む、請求項33または請求項34に記載の方法。
【請求項36】
ステップc)の生成物を、クエン酸および酸化マグネシウムを乾式混合することによって形成されたさらなる量の混合物、ならびに/またはピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、ピコ硫酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムを乾燥させることによって形成された生成物と混合するさらなるステップd)を含む、請求項33から35のいずれかに記載の医薬組成物を調製する方法。
【請求項37】
クエン酸および酸化マグネシウムのさらなる量の混合物が、ステップ(a)の生成物の一部もしくは全部を含み、かつ/または請求項18から23のいずれかに記載の方法によって形成される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
ピコ硫酸ナトリウムの溶液を炭酸水素カリウム上に適用(たとえば噴霧)し、乾燥させることによって形成されたさらなる量の生成物が、ステップ(b)の生成物の一部もしくは全部を含み、かつ/または請求項3から11のいずれかに記載の方法によって形成される、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
クエン酸、酸化マグネシウム、炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウム、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料の均質または実質的に均質な混合物の顆粒を含む、医薬製剤または医薬組成物。
【請求項40】
顆粒が約100〜約900μmの粒子径(直径)の範囲を有する、請求項39に記載の医薬組成物。
【請求項41】
顆粒が、平均値約0.0559%〜0.068重量%のピコ硫酸ナトリウムの含量均一性を有する、請求項39または請求項40に記載の医薬組成物。
【請求項42】
請求項33から38のいずれかに記載の方法によって得られる、または得ることが可能な医薬組成物。
【請求項43】
クエン酸および酸化マグネシウムの顆粒を含む請求項24から32のいずれかに記載の第1の組成物と、炭酸水素カリウムおよびピコ硫酸ナトリウム、ならびに任意選択でサッカリンナトリウムおよび/またはオレンジ香料の顆粒を含む請求項12から16のいずれかに記載の第2の組成物との、均質または実質的に均質な混合物の生成物顆粒を含む医薬組成物。
【請求項44】
生成物顆粒が約100〜約900μmの粒子径(直径)の範囲を有する、請求項43に記載の医薬組成物。
【請求項45】
生成物顆粒が平均値約0.0559%〜0.068重量%のピコ硫酸ナトリウムの含量均一性を有する、請求項43または請求項44に記載の医薬組成物。
【請求項46】
緩下剤として使用するための、請求項39から45のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項47】
顆粒が、クエン酸上にコーティングされた酸化マグネシウムを含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項48】
顕著に異なる密度を有する化合物の均質な混合物を形成する手段が、無ブレードおよび/または無パドルのブレンダーである、請求項17または請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−500549(P2011−500549A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528503(P2010−528503)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003199
【国際公開番号】WO2009/047633
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(508265619)フェリング インターナショナル センター エス.アー. (6)
【Fターム(参考)】