医薬液体を投与するための注入デバイス
【課題】新規医薬液体を投与するための注入デバイスの提供。
【解決手段】注入の前に医薬を液体に戻し、投与すべき医薬液体の用量を恒久的に調整するための複数用量の使い捨て注入デバイス。この注入デバイスはさらに、最終使用の後で全く分解不可能である。
【解決手段】注入の前に医薬を液体に戻し、投与すべき医薬液体の用量を恒久的に調整するための複数用量の使い捨て注入デバイス。この注入デバイスはさらに、最終使用の後で全く分解不可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスに関する。
さらに詳しくは、カートリッジから取られる複数用量の医薬液体を自分自身又は別の人に投与するための注射器タイプの注入デバイスを目的としている。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
上記の種類のデバイスは当業者にはすでに公知であり、糖尿病の患者にインシュリン用量を投与するためのものが知られている。一般にそれはユーザーによって保持されるようになっているハウジングを含み、その遠位端には所定用量のインシュリンを収容し針が取り付けられたカートリッジが固定されている。患者が作動させる可動壁がハウジング内で長手方向に動いてカートリッジからその用量のインシュリンを押し出し、針を通してそれを注入する。このようにして通常、患者は自分に必要な日々の用量のイシュリンを別の人の助けを借りずに自分自身に投与することができる。
【0003】
インシュリンの場合、すぐに使用できる形で売られているため、投与される医薬を液体に戻すという問題は生じない。しかし、例えば成長ホルモンには同じことはあてはまらない。成長ホルモンは活性成分となる粉末という形態をとり、使用する前にそれを溶媒と混合しなければならない。粉末状態では、成長ホルモンには数年という貯蔵寿命があるが、いったん溶媒と混合すると、得られた生成物の貯蔵寿命は三十日以下になる。したがって、粉末状態で成長ホルモンを貯蔵することが有利になる。
【0004】
投与される医薬を液体に戻すための注射器として二つのタイプがすでに市販されている。これら二つのタイプの注射器の第一は、単一用量の使い捨て注射器であって、一回の注射にしか使用できない。第二のタイプの注射器は再使用が可能な複数用量の注入デバイスである。投与される医薬液体を収容しているカートリッジが空になったらそれに詰め替えることができ、注射器自体は処分されない。出願者が知る限り、投与の前に医薬を液体に戻すことができる上記のような種類の複数用量の使い捨て注入デバイスは市販されていない。
【0005】
投与されるべき薬の用量を不可逆的に設定できるということも、施される治療に関連して利益がある。これは特に、成長ホルモンについて言えることである。すなわち、この種の製品による治療は常に長期間にわたり、その間患者は常に同じ量の医薬を含む注射を毎日受けるからである。
【0006】
従来のシステムの一つは、注入される薬の用量をクリッピング手段に沿ったラチェットの動きに対応するクリックの数によって決定する。この方式は、安全性の備えを欠いている。特に、注射を施さなければならない人が子供である場合、身障者で操作能力が低下している場合、又は緊急事態で予め定められた用量の活性物質を速やかに注射することが必要な場合、などの安全性の配慮に欠けている。
【0007】
その他の従来技術による再使用可能な注入デバイスは、投与されるべき用量をもっと精密に調節するが、コンポーネント・パーツが多数あって、それが装置の価格の高さに反映されている。
【発明の開示】
【0008】
発明の要約
本発明の目的は、上記のような問題、及びその他の問題を解決して、注入される前に医薬を液体に戻すことを可能にし、投与する医薬液体の投薬の用量を恒久的に設定することを可能にする注入デバイスを提供することである。好ましくは、本発明の注入デバイスは使い捨てできるものである。
【0009】
満足すべき解決方法がまだ見つかっていないもう一つの問題は、注入する用量を決定することである。目的は、次々に投与すべき用量を一度限りで設定できるようにして、子供又は若い未成人が自分勝手に、ミスをする危険を冒して用量を変更することができないようにすることである。
【0010】
本発明は、また、複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスを提供するものであり、前記デバイスは、ハウジング、前部と後部を有し製剤又は製剤の前駆成分を収容するカートリッジ、を含み、ストッパーが前部に配置され、後部は可動壁で閉じられ、この壁の移動によって製剤が前方へ動かされ又は製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され、前記デバイスはさらにプランジャーを介して壁を作動させるための作動手段を含み、ハウジング内でのプランジャーの前方への動きは、ハウジングの近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーターによって駆動され、注入デバイスはさらに注入する量を予め選択するためのプレセレクター手段を含む。
【0011】
第一の様態で、本発明は上述した種類の注入デバイスであって、投与する用量を恒久的に設定する手段を含むデバイスを提供する。
【0012】
ある実施形態では、本発明は投与すべき用量を設定した後にプレセレクター手段を恒久的に固定する手段を含む。
【0013】
上記の特徴により、本発明の一つの目的は、同じ量の医薬液体を複数用量投与するための注入デバイスであって、前記投薬の用量は注入デバイスの最初の使用で設定され、それ以後は前記デバイスを使用する間変更できない注入デバイスを提供することである。本発明の注入デバイスは、したがって、投薬の量を設定するための簡単で安全な方法を提供するものであり、例えばデバイスを子供が使用するときに特に有利である。成人が処方に従って設定するためには十分であり、それ以後は子供が自分自身で投与でき、意図して又は偶然に用量を変更することができない。
【0014】
第二の様態では、本発明は上述のような注入デバイスであって、医薬液体の最終の用量を投与した後にアクチュエーターをハウジングに恒久的に固定する手段を含むことを特徴とする注入デバイスを提供する。
【0015】
このような特徴により、本発明の別の目的は、厳密な安全規準を満たす分解できない注入デバイスを提供することである。投与すべき用量がカートリッジに収容されている医薬液体の総量の整数分の一でない場合、最終用量を投与した後に前記カートリッジに液体の残余が残る。本発明の注入デバイスを分解不可能にしたことで、ユーザー、特に子供、がカートリッジに収容されている医薬液体の残余にアクセスしてそれを嚥下したりすることが防がれ、同様に、ユーザーが残余の液体(これは処方された量に対応しない)を自分自身に投与することが防がれる。また、ユーザーがガラス・カートリッジによって傷ついたり、かけらを嚥下したりすることが防がれる。
【0016】
第三の様態では、本発明は上述した種類の注入デバイスであって、さらにハウジング内で前後に動かされるようになっており周縁に異なる長さの長手方向の溝を有するブッシュを含み、第一のストップ部材が前記溝のいずれかに入って前記溝と共にブッシュを最大に引っ込める位置を定めるようになっており、前記ブッシュはまた第二のストップ部材によって前方方向に固定されるようになっており、それが第一のストップ部材と共にハウジング内でのブッシュのアクティブ走行距離を規定し、それにより注入される投薬の用量を決定することを特徴とする注入デバイスを提供する。
【0017】
このような特徴により、本発明の別の目的は、注入される投薬の用量を設定する手段が簡単で信頼でき、ユーザーが子供又は若い青年である場合に特に有利である注入デバイスを提供することである。
【0018】
第四の様態では、本発明は上述した種類の注入デバイスであって、プランジャーがその長さに沿ってカム表面を有し、少なくとも一つのラッチング部材がそれと協同動作してプランジャーが予め定められた位置に達したときにラッチされることを特徴とする注入デバイスを提供することである。
【0019】
本発明の別の特徴によれば、ラッチング部材は前記注入デバイスのハウジングの長手方向溝に入るとラッチされて投与すべき用量を設定した後にプレセレクター手段を恒久的に固定するもどり止めである。
【0020】
ある好ましい実施形態では、プランジャーは最初の注入の前に予め定められた位置に達する。熟練者は、投与する容量を恒久的に設定すべきときに応じて最良の予め定められた位置を容易に定めることができる。
【0021】
本発明の別の特徴によれば、ラッチング部材は、ラッチされたときに前記注入デバイスのハウジングの開口に突出する固定部材の前に引っ込められて最終用量を投与した後に投与メカニズムを恒久的に固定するもどり止めである。
【0022】
このような特徴により、本発明は、最初の使用の後で注入される用量を恒久的及び自動的に予め選択することを可能にする注入デバイスを提供する。さらに、本発明は、最終用量を投与した後にユーザーの介入を必要とせずに自動的にロックされる注入デバイスを提供する。このような特徴によって前記デバイスはさらに安全に使用できる。
【0023】
第五の様態で、本発明は上述した種類の注入デバイスであって、医薬を液体に戻す第一の動作モードではプランジャーはその後方部分に働きかけるアクチュエーターによって作動され、医薬液体を放出する第二の動作モードではアクチュエーターはもどり止めとラックのシステムによってプランジャーに働きかけることを特徴とする注入デバイスを提供する。
【0024】
このような特徴により、本発明は、使用する前に液体に戻さなければならない複数用量の医薬液体を投与できる注入デバイスを提供する。これは、投与される物質が、例えば成長ホルモンである場合に特に有利である。成長ホルモンは、普通、粉末の形をしており、投与する前に溶媒で希釈しなければならない。粉末の状態では、成長ホルモンの貯蔵寿命は約数年である。いったん液体に戻されると、この生成物は三十日以内に投与されなければならない。成長ホルモンを粉末の状態で貯蔵して使用するときに初めて希釈することの利益は明らかである。本発明の注入デバイスは、投与される医薬を第一のステップで液体に戻し、第二のステップで同じ用量の前記医薬を投与する。
【0025】
第六の様態で、本発明は上述した種類の注入デバイスであって、第一及び第二のラッチング手段を含むブッシュを有し、これらのラッチング手段がストップ部材と協同動作して前記ブッシュをそれぞれ回転及び並進の動きに対して固定し、アクチュエーターとブッシュが、最初の使用ではアクチュエーターが、ユーザーによって作動されると前記ブッシュに対して前方に動き、ブッシュは固定されたままで第二のラッチング手段を解放し、その結果ブッシュが並進で自由に動ける用になり、前記アクチュエーターはその後前記ブッシュに固定されてそれと一緒に並進と回転で動くようになることを特徴とする注入デバイスを提供する。
【0026】
このような特徴により、本発明はユーザーによる意図的な行動によって初めて使用できる注入デバイスを提供する。これによって、前記注入デバイスの不随意な作動が避けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
好ましい実施形態の詳細な説明
図1は、本発明の注入デバイスの分解斜視図である。注入デバイス1は、好ましくはユーザーによって保持されるようになっている合成材料の管状ハウジング2を含む。ハウジング2は、遠位端4に投与される医薬液体を収容したカートリッジ8を固定する保留手段6を有する。発送されるときは、医薬の用量が投与されるときに通るカートリッジ8の前方端10は取り外しできないキャップ12がかぶせられている。このキャップの本質的な機能は注入デバイス1のカートリッジ8を保護することである。分解図では示されていない針は、プラスチック材料の針キャリアに取り付けられ、以下で詳しく説明するようにキャップ12の端のねじ山にクリップで留められている。
【0028】
本発明の注入デバイス1は、また、アクチュエーター16とブッシュ18が管状ハウジング2の内側に同軸でとりつけられている投与メカニズム14を含む。アクチュエーター16の一端20はハウジング2から突出しており、ユーザーがそれを作動させてプランジャー22を前方に駆動させることができ、それがカートリッジ8と協同動作して以下でもっと詳しく説明するような仕方で医薬液体の用量を投与することができる。
【0029】
最後に、本発明の注入デバイス1は投与すべき用量を予め選択するためのプレセレクター手段24を含む。図に示された例では、プレセレクター手段24は、投薬(dosing)リング26の形をしており、リングは前記注入デバイス1のハウジング2の観察窓30を通して外から見える投薬スケール28を担持している(図31を見よ)。
【0030】
また、注入デバイス1のハウジング2の開口32にも注意したい。そこには、歯36の形のストップ部材34が挿入され、それはブッシュ18と協同動作して投与される投薬の用量を恒久的に設定するようになっている。
【0031】
図3は、本発明の注入デバイス1の正面図であり、図4と5は、それぞれ、図2の線A-Aと線B-Bに沿った断面を示す図である。最後に、図6,7及び8は、図4と5のリングで囲まれた部分の拡大詳細図である。
【0032】
図4と5は、ユーザーに発送された状態の、最初の使用の前の注入デバイス1を示す。この最初の形態では、ボタン40によってその端20で終端している管状ハウジング38を含むアクチュエーター16のほとんど全体がハウジング2から突出している。アクチュエーター16は、ハウジング2の内部で回転及び前方への並進で自由に動くことができ、つめ42によってブッシュ18と共に牽引で(in traction)動くように束縛されており、つめは前記ブッシュ18の対応する当接部44にかかっている(図4,7,35,及び37)。
【0033】
ブッシュ18はもどり止め46と48の形の第一及び第二のラッチング手段を含み、それが歯36と協同動作して、注入デバイスの最初の使用の前、前記ブッシュ18を、それぞれ、回転及び並進の動きに対して固定している(図4,6及び40を見よ)。ハウジング2,ブッシュ18及びアクチュエーター16は、これによって分解できないアセンブリを構成している。
【0034】
注入デバイス1を組み立てるには、まず歯36を開口32を通して挿入する。次にブッシュ18を管状ハウジング2の内側スペースへ軸方向に、もどり止め46と48が開口32と垂直方向に整列して歯36にクリップするまで挿入して、ブッシュ18の軸方向位置を定める。このために、歯36はベース50と二つの傾斜面52を長手方向対称の軸のそれぞれ対向する側に含み、それが開口32への歯36の挿入方向で拡がっている(図38を見よ)。二つの傾斜面の先端の間の距離は開口32の寸法よりも大きい。したがって、は36は前記開口32に力をこめて嵌合され、開口32を通過するときに傾斜面52は弾性的に変形した後に最初の形に戻り、それによって歯36は注入デバイス1のハウジング2にクリップされる。
【0035】
好ましくは、注入デバイス1は使用する前に液体に戻す医薬を投与するために意図されたものであるが、これは本発明を制限するものではない。これは特に、使用前は粉末状態であり、注射するためには溶媒に溶解しなければならない成長ホルモンにあてはまる。成長ホルモンは、粉末状態では貯蔵寿命が5年のオーダーであるが、いったん溶媒と混合すると三十日以内に投与しなければならないので、これが特に有利である。
【0036】
このために、カートリッジ8の容積を別の可動壁58によって隔てられた二つのコンパートメント54と56に分けられ、第一のコンパートメント54には活性成分が収容され、第二のコンパートメント56には溶媒が収容される。カートリッジ8の一端は、封止してカートリッジ8の他端の方へ移動できる壁60によって閉じられ、他端は隔壁タイプのストッパー62によって閉じられ、孔があけられるようになっている。液体が通る針64がストッパー62を通って伸び、取り外し可能な針キャリア66によってそこに保持される。カートリッジの詳しい記述は、米国特許5,716,338を見よ、この特許の内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0037】
したがって、医薬を液体に戻すためには、壁60を前方に動かして、溶媒をコンパートメント56から押し出し、コンパートメント54に入り込ませてそこで活性成分と混合させることが必要である。液体は、壁58と同じ高さにあるカートリッジ8の内壁の溝によってチャンバ54からチャンバ56に入る。このためには、ユーザーがアクチュエーター16を回すだけで十分である(図2Bを見よ)。すると、アクチュエーター16のつめ42がブッシュ18のらせん状外側ねじ山68と協同動作する(図3,35及び36を見よ)。すなわち、前記ブッシュ18のまわりでそれが回転すると、アクチュエーター16が前進して注入デバイス1のハウジング2に進入して、プランジャー22の後方部分70に作用してそれを前進させる。すると、プランジャー22がカートリッジ8の壁60を、膜58に接触するまで前進させる。これによって溶媒が一方のコンパートメントから他方のコンパートメントへ移され、医薬が液体に戻される。
【0038】
ブッシュ18に対して前方へ動くときに、アクチュエーター16の遠位側の円形リム72がもどり止め48を下方に曲げてそれを歯36から離脱させる(図11と13を見よ)。これはもどり止め48の傾斜面によって助けられ、ブッシュ18は並進で前方へ動く自由度を回復する。さらに、ブッシュ18はその外側表面に少なくとも一つの歯を有し、好ましくは二つの歯76を有し、前記アクチュエーター16のつめ42がらせん状ねじ山68に達したときに、それらがアクチュエーター16のハウジング38の対応する二つの開口78に入る(図35,36及び37を見よ)。これによりブッシュ18がアクチュエーター16に対して固定される。
【0039】
医薬が液体に戻されると、カートリッジ8から含まれているかもしれない空気を追い出すことが残っている(図2Cを見よ)。このためには、ユーザーがアクチュエーター16のボタン40に圧力を加えるだけで十分である。この圧力は、アクチュエーター16を注入デバイス1のハウジング2内で軸方向に前進させ。同時にプランジャー22を前進させる。そして今度は、プランジャー22がカートリッジ8の壁60と膜58を前進させ、それによって前記カートリッジ8にトラップされていた空気を追い出す。アクチュエーター16の前進はブッシュ18が投薬リング26に当接したときにストップする。
【0040】
この後者の位置から、ユーザーは投与すべき薬の用量を設定することができる。アクチュエーター16を回転しなければならない(図2Dを見よ)。ブッシュ18は前記アクチュエーター16に対して固定されているので、ブッシュ18も回り、回りながら投薬リング26を引きずってゆく。ブッシュ18は、少なくとも一つのラチェット、好ましくは二つのラチェット80という形の係合手段を含み、その機能は以下で説明されるが、それが投薬リング26の内部容積に突出し、前記投薬リング26における相補的な形の溝82の中をスライドする(図34を見よ)。したがって、注入デバイス1のハウジング2の内壁の円形の溝86に係合する周縁ショルダー84によって軸方向に固定されている投薬リング26は、ブッシュ18の回転によって、したがって、アクチュエーター16の回転によって引きずられる。したがって、ユーザーは投薬スケール28のマークが観察窓30を通って動くのを見て、目盛りが処方された投薬の用量に対応するときにアクチュエーター16を回すことをストップする。用量を設定する前に、望ましい場合にはアクチュエーターを回してすべての用量を見ることができれば有利である。
【0041】
この後者の位置から、ユーザーはアクチュエーター16を引き戻さなければならない(図2Eを見よ)。ブッシュ18はアクチュエーター16に固定されているので、これも引き戻される。他方、投薬リング26は、注入デバイス1のハウジング2と一緒に並進で動くように束縛されているので動かない。この後方への動きのために、歯36はブッシュ18の長手方向溝88の一つに入る(図35と36を見よ)。長さがすべて異なる長手方向溝の数は、注入デバイス1が小出しできる異なる量の数に等しい。本例では、6つの溝88があり、それは6つの量のうちの1つである用量を自分自身又は別の人に投与することができると言うことを意味する。もちろん、この例は純粋に例示的なものである。すなわち、観察窓30に投薬スケール28のあるマークが出ると、歯36はそのマークに対応するいずれかの溝88と整列している。次に、アクチュエーター16を引くと、歯36が選択された溝88に入る。前記の歯36が前記の溝の最下部に達するとその動きがストップする。したがって、歯36がその中でスライドする溝88と共に、ブッシュ18が、したがって、アクチュエーター16が、可能な限り引き戻される位置を規定する。前記ブッシュ18は又、前方方向でも投薬リング26によって固定される。歯36と投薬リング26は、このように、注入デバイス1のハウジング2の中でブッシュ18が使用できる走行範囲を規定し、したがって、注入される投薬の用量を規定する。
【0042】
図9は、本発明による注入デバイス1の正面図であり、図10と11は、それぞれ、図9の線A-AとD-Dに沿って取られた断面図である。最後に、図12から15までは、図10と11でリングで囲まれた部分の拡大詳細図である。
【0043】
ブッシュ18の後方への動きの間プランジャーは動かないということに注意しておきたい。プランジャー22は第一のラック90を含み、それによってプランジャーは投薬リング26のもどり止めタイプのラチェット92と協同動作する(図33を見よ)。ラチェット92は、後方へ動くとラック90,したがって、プランジャー22を固定し、前方へ動くとラック90から脱離する。さらに、プランジャー22は、別の二つのラック94を含み(図32を見よ)、それらがブッシュ18のラチェット80と協同動作する。ラチェット80は、前記ブッシュ18が後方へ動くとラック94から離脱し、前方へ動くとラック94を押して、プランジャー22を前方へ動かす。前記プランジャー22は、方形又は矩形の断面を有し、二つのラック94がプランジャー22の対向する面にあり、ラック90が残る二つの面のいずれかにある。
【0044】
ブッシュ18は、また、プランジャー22のカム表面98と協同動作するもどり止めタイプの固定部材96を含む。ユーザーがアクチュエーター16を、したがって、ブッシュ18を引いて、注入デバイス1の準備を完了させて医薬液体の最初の用量を放出できる状態にすると、ラッチ96がカム表面98に沿って動き、ステップ100を越えて、管状ハウジング2の内壁に形成された対向する溝102に入る(図39を見よ)。その後のブッシュ18のプランジャー22に対する動きに関わりなく、ラッチ96はそれが突出した溝102から出ず、それによりブッシュ18を、同様に投薬リング26を回転に対して固定する。したがって、投薬リング26は、投与すべき用量を設定した後、恒久的に固定される。溝102の数はブッシュ18の周縁の溝88の数と同じであり、前者の溝は後者の溝と対応関係にあるということが認められるであろう。
【0045】
図16は本発明の注入デバイス1の正面図であり、図17と18は図16の線C-C及びD-Dに沿って取られた断面図である。最後に、図19から22までは、図17と18のリングで囲まれた部分の拡大詳細図である。
【0046】
ユーザーがアクチュエーター16を引いて注入デバイス1を準備完了させると、図10と11に示されているように、注射を施すことだけが残される。このためには、ユーザーはまず針64を皮膚に差し込んでアクチュエーター16を圧さなければならない(図2Fを見よ)。この圧力が前記アクチュエーター16を、したがってブッシュ18を注入デバイス1のハウジング2の内部で軸方向に動かす。ブッシュ18が前方に動くにつれて、ブッシュ18はラチェット80がプランジャー22のラック94を押すことによりプランジャー22を前方に動かす。最後に、プランジャー22が壁60と壁58を前方へ押し、その結果医薬液体の用量がカートリッジ8から押し出される。この動きは、ブッシュが投薬リング26に当接したときにストップする。
【0047】
注入デバイス1を再び準備完了の状態にするには、再びアクチュエーター16を引くだけで十分である。歯36がその中でスライドしている溝88の端に達すると後方への動きはストップする(図2Gを見よ)。プランジャー22はこの後方への動きの間はラック90と係合したラチェット92によってその場所に保持されるので動かないが、ラチェット80はラック94から離脱することが注意されるであろう。言い換えると、プランジャー22は、ユーザーがアクチュエーター16を圧すと前方へ動き、ユーザーがアクチュエーター16を引くときは動かない。したがって、プランジャー22は管状ハウジング2の内部で前方へ動くだけで、決して後方へ動かない。
【0048】
いったん再び準備完了になると、注入デバイス1はいつでも医薬液体の新しい用量を放出できるようになる。このサイクルは最終用量が放出されるまで繰り返される。
【0049】
最終用量の医薬液体を放出したときに起こることについて次に図23から30までを参照して説明する。図23は本発明の注入デバイス1の正面図であり、図24と25はそれぞれ、図23の線B-B及びD-Dに沿って取られた断面図である。最後に、図26から30までは、図24と25のリングで囲まれた部分の拡大詳細図である。
【0050】
ブッシュ18はもどり止めの形のラッチング部材104を含み、それがカム表面98と協同動作シ、プランジャー22がその行程の終わりの位置に達すると空洞106に落ち込む。空洞106に落ち込むことによって、もどり止め104はアクチュエーター16の全面から引っ込められ、したがって、アクチュエーター16は前方へ動くことが可能になる。その後、医薬を液体に戻すことが終わるとすぐに働き始めた、歯76と開口78を介したアクチュエーター16とブッシュ18の間の結合は、アクチュエーター16がブッシュ18に対して前方へ動くと無効に成る。この動きの間、アクチュエーター16に担持されるラッチ・タイプの固定部材108は注入デバイス1のハウジング2に形成された開口110に突出してさあ異臭用量を放出した後の注入デバイスを恒久的に固定する。アクチュエーター16は注入デバイス1のハウジング2にロックされ、他方ブッシュ18は投薬リング26によって前方への並進で、またブッシュ18が接触するようになる前記アクチュエーター16の内側表面によって後方への並進で固定される。カートリッジ8の他端は分解できない仕方で前記ハウジング2に取り付けられている。したがって、本発明による注入デバイス1は最終用量の医薬液体を投与した後は分解も再使用もできず、廃棄することができる。
【0051】
本発明は、今説明したような実施形態に限定されるものではなく、当業者には本発明の範囲から逸脱しないいろいろな簡単な変型や変更が考えられるということは言うまでもない。
【0052】
本発明のその他の特徴及び利点は、本発明による注入デバイスのある純粋に例示的な非限定的な実施形態についての、添付図面を参照した以下の詳細な説明によってより明らかに浮かび上がってくるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本発明の注入デバイスを示す分解図である。
【図2】図2a〜2gまでは、ユーザーがアクチュエーターによって行わなければならない一連の操作を示す本発明の注入デバイスのダイアグラムである。
【図3】図3は、本発明の注入デバイスの正面図である。
【図4】図4は、最初の使用の前の、すなわち、医薬を液体に戻す前の本発明の注入デバイスの図3における線A-Aに沿った断面を示す図である。
【図5】図5は、最初の使用の前の、すなわち、医薬を液体に戻す前の本発明の注入デバイスの図3における線B-Bに沿った断面を示す図である。
【図6】図4のリングで囲まれた部分XとYの拡大図である。
【図7】図4のリングで囲まれた部分XとYの拡大図である。
【図8】図8は、図5のリングで囲まれた部分の拡大図である。
【図9】図9は、本発明の注入デバイスの正面図である。
【図10】図10は、医薬液体の用量を投与できる状態にある本発明の注入デバイスの図9における線A-Aに沿った断面を示す図である。
【図11】図11は、医薬液体の用量を投与できる状態にある本発明の注入デバイスの図9における線D-Dに沿った断面を示す図である。
【図12】図12は、図10のリングで囲まれた部分Xの拡大図である。
【図13】図11のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図14】図11のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図15】図11のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図16】図16は、本発明の注入デバイスの正面図である。
【図17】図17は、ある用量の医薬液体を投与した後の本発明の注入デバイスの図16における線C-Cに沿った断面を示す図である。
【図18】図18は、ある用量の医薬液体を投与した後の本発明の注入デバイスの図16における線D-Dに沿った断面を示す図である。
【図19】図19は、図17のリングで囲まれた部分Xの拡大図である。
【図20】図18のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図21】図18のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図22】図18のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図23】図23は、本発明の注入デバイスの正面図である。
【図24】図24は、最終用量の医薬液体を投与した後の本発明の注入デバイスの図23における線B-Bに沿った断面を示す図である。
【図25】図25は、最終用量の医薬液体を投与した後の本発明の注入デバイスの図23における線D-Dに沿った断面を示す図である。
【図26】図24のリングで囲まれた部分VとXの拡大図である。
【図27】図24のリングで囲まれた部分VとXの拡大図である。
【図28】図25のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図29】図25のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図30】図25のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図31】図31は、本発明の注入デバイスのハウジングを示す透視図である。
【図32】図32は、本発明の注入デバイスのプランジャーを示す透視図である。
【図33】本発明の注入デバイスの投薬リングの、それぞれ、後部と前部を示す透視図である。
【図34】本発明の注入デバイスの投薬リングの、それぞれ、後部と前部を示す透視図である。
【図35】図35は、本発明の注入デバイスのブッシュを示す透視図である。
【図36】図36は、図35と同様の図で、ブッシュを180°回した状態を示す図である。
【図37】図37は、本発明の注入デバイスのアクチュエーターを示す透視図である。
【図38】図38は、投与されるべき医薬液体の投薬用量を恒久的に選択することを可能にする本発明の注入デバイスのストップ部材を示す透視図である。
【図39】図39は、本発明の注入デバイスのブッシュと協同動作して投与されるべき投薬用量を恒久的に設定する管状ハウジングの内壁と当接部(abutment)を示す部分透視図である。
【図40】図40は、本発明の注入デバイスの最初の使用の前に二つのもどり止めと歯によってブッシュを固定する仕方を示す拡大詳細図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスに関する。
さらに詳しくは、カートリッジから取られる複数用量の医薬液体を自分自身又は別の人に投与するための注射器タイプの注入デバイスを目的としている。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
上記の種類のデバイスは当業者にはすでに公知であり、糖尿病の患者にインシュリン用量を投与するためのものが知られている。一般にそれはユーザーによって保持されるようになっているハウジングを含み、その遠位端には所定用量のインシュリンを収容し針が取り付けられたカートリッジが固定されている。患者が作動させる可動壁がハウジング内で長手方向に動いてカートリッジからその用量のインシュリンを押し出し、針を通してそれを注入する。このようにして通常、患者は自分に必要な日々の用量のイシュリンを別の人の助けを借りずに自分自身に投与することができる。
【0003】
インシュリンの場合、すぐに使用できる形で売られているため、投与される医薬を液体に戻すという問題は生じない。しかし、例えば成長ホルモンには同じことはあてはまらない。成長ホルモンは活性成分となる粉末という形態をとり、使用する前にそれを溶媒と混合しなければならない。粉末状態では、成長ホルモンには数年という貯蔵寿命があるが、いったん溶媒と混合すると、得られた生成物の貯蔵寿命は三十日以下になる。したがって、粉末状態で成長ホルモンを貯蔵することが有利になる。
【0004】
投与される医薬を液体に戻すための注射器として二つのタイプがすでに市販されている。これら二つのタイプの注射器の第一は、単一用量の使い捨て注射器であって、一回の注射にしか使用できない。第二のタイプの注射器は再使用が可能な複数用量の注入デバイスである。投与される医薬液体を収容しているカートリッジが空になったらそれに詰め替えることができ、注射器自体は処分されない。出願者が知る限り、投与の前に医薬を液体に戻すことができる上記のような種類の複数用量の使い捨て注入デバイスは市販されていない。
【0005】
投与されるべき薬の用量を不可逆的に設定できるということも、施される治療に関連して利益がある。これは特に、成長ホルモンについて言えることである。すなわち、この種の製品による治療は常に長期間にわたり、その間患者は常に同じ量の医薬を含む注射を毎日受けるからである。
【0006】
従来のシステムの一つは、注入される薬の用量をクリッピング手段に沿ったラチェットの動きに対応するクリックの数によって決定する。この方式は、安全性の備えを欠いている。特に、注射を施さなければならない人が子供である場合、身障者で操作能力が低下している場合、又は緊急事態で予め定められた用量の活性物質を速やかに注射することが必要な場合、などの安全性の配慮に欠けている。
【0007】
その他の従来技術による再使用可能な注入デバイスは、投与されるべき用量をもっと精密に調節するが、コンポーネント・パーツが多数あって、それが装置の価格の高さに反映されている。
【発明の開示】
【0008】
発明の要約
本発明の目的は、上記のような問題、及びその他の問題を解決して、注入される前に医薬を液体に戻すことを可能にし、投与する医薬液体の投薬の用量を恒久的に設定することを可能にする注入デバイスを提供することである。好ましくは、本発明の注入デバイスは使い捨てできるものである。
【0009】
満足すべき解決方法がまだ見つかっていないもう一つの問題は、注入する用量を決定することである。目的は、次々に投与すべき用量を一度限りで設定できるようにして、子供又は若い未成人が自分勝手に、ミスをする危険を冒して用量を変更することができないようにすることである。
【0010】
本発明は、また、複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスを提供するものであり、前記デバイスは、ハウジング、前部と後部を有し製剤又は製剤の前駆成分を収容するカートリッジ、を含み、ストッパーが前部に配置され、後部は可動壁で閉じられ、この壁の移動によって製剤が前方へ動かされ又は製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され、前記デバイスはさらにプランジャーを介して壁を作動させるための作動手段を含み、ハウジング内でのプランジャーの前方への動きは、ハウジングの近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーターによって駆動され、注入デバイスはさらに注入する量を予め選択するためのプレセレクター手段を含む。
【0011】
第一の様態で、本発明は上述した種類の注入デバイスであって、投与する用量を恒久的に設定する手段を含むデバイスを提供する。
【0012】
ある実施形態では、本発明は投与すべき用量を設定した後にプレセレクター手段を恒久的に固定する手段を含む。
【0013】
上記の特徴により、本発明の一つの目的は、同じ量の医薬液体を複数用量投与するための注入デバイスであって、前記投薬の用量は注入デバイスの最初の使用で設定され、それ以後は前記デバイスを使用する間変更できない注入デバイスを提供することである。本発明の注入デバイスは、したがって、投薬の量を設定するための簡単で安全な方法を提供するものであり、例えばデバイスを子供が使用するときに特に有利である。成人が処方に従って設定するためには十分であり、それ以後は子供が自分自身で投与でき、意図して又は偶然に用量を変更することができない。
【0014】
第二の様態では、本発明は上述のような注入デバイスであって、医薬液体の最終の用量を投与した後にアクチュエーターをハウジングに恒久的に固定する手段を含むことを特徴とする注入デバイスを提供する。
【0015】
このような特徴により、本発明の別の目的は、厳密な安全規準を満たす分解できない注入デバイスを提供することである。投与すべき用量がカートリッジに収容されている医薬液体の総量の整数分の一でない場合、最終用量を投与した後に前記カートリッジに液体の残余が残る。本発明の注入デバイスを分解不可能にしたことで、ユーザー、特に子供、がカートリッジに収容されている医薬液体の残余にアクセスしてそれを嚥下したりすることが防がれ、同様に、ユーザーが残余の液体(これは処方された量に対応しない)を自分自身に投与することが防がれる。また、ユーザーがガラス・カートリッジによって傷ついたり、かけらを嚥下したりすることが防がれる。
【0016】
第三の様態では、本発明は上述した種類の注入デバイスであって、さらにハウジング内で前後に動かされるようになっており周縁に異なる長さの長手方向の溝を有するブッシュを含み、第一のストップ部材が前記溝のいずれかに入って前記溝と共にブッシュを最大に引っ込める位置を定めるようになっており、前記ブッシュはまた第二のストップ部材によって前方方向に固定されるようになっており、それが第一のストップ部材と共にハウジング内でのブッシュのアクティブ走行距離を規定し、それにより注入される投薬の用量を決定することを特徴とする注入デバイスを提供する。
【0017】
このような特徴により、本発明の別の目的は、注入される投薬の用量を設定する手段が簡単で信頼でき、ユーザーが子供又は若い青年である場合に特に有利である注入デバイスを提供することである。
【0018】
第四の様態では、本発明は上述した種類の注入デバイスであって、プランジャーがその長さに沿ってカム表面を有し、少なくとも一つのラッチング部材がそれと協同動作してプランジャーが予め定められた位置に達したときにラッチされることを特徴とする注入デバイスを提供することである。
【0019】
本発明の別の特徴によれば、ラッチング部材は前記注入デバイスのハウジングの長手方向溝に入るとラッチされて投与すべき用量を設定した後にプレセレクター手段を恒久的に固定するもどり止めである。
【0020】
ある好ましい実施形態では、プランジャーは最初の注入の前に予め定められた位置に達する。熟練者は、投与する容量を恒久的に設定すべきときに応じて最良の予め定められた位置を容易に定めることができる。
【0021】
本発明の別の特徴によれば、ラッチング部材は、ラッチされたときに前記注入デバイスのハウジングの開口に突出する固定部材の前に引っ込められて最終用量を投与した後に投与メカニズムを恒久的に固定するもどり止めである。
【0022】
このような特徴により、本発明は、最初の使用の後で注入される用量を恒久的及び自動的に予め選択することを可能にする注入デバイスを提供する。さらに、本発明は、最終用量を投与した後にユーザーの介入を必要とせずに自動的にロックされる注入デバイスを提供する。このような特徴によって前記デバイスはさらに安全に使用できる。
【0023】
第五の様態で、本発明は上述した種類の注入デバイスであって、医薬を液体に戻す第一の動作モードではプランジャーはその後方部分に働きかけるアクチュエーターによって作動され、医薬液体を放出する第二の動作モードではアクチュエーターはもどり止めとラックのシステムによってプランジャーに働きかけることを特徴とする注入デバイスを提供する。
【0024】
このような特徴により、本発明は、使用する前に液体に戻さなければならない複数用量の医薬液体を投与できる注入デバイスを提供する。これは、投与される物質が、例えば成長ホルモンである場合に特に有利である。成長ホルモンは、普通、粉末の形をしており、投与する前に溶媒で希釈しなければならない。粉末の状態では、成長ホルモンの貯蔵寿命は約数年である。いったん液体に戻されると、この生成物は三十日以内に投与されなければならない。成長ホルモンを粉末の状態で貯蔵して使用するときに初めて希釈することの利益は明らかである。本発明の注入デバイスは、投与される医薬を第一のステップで液体に戻し、第二のステップで同じ用量の前記医薬を投与する。
【0025】
第六の様態で、本発明は上述した種類の注入デバイスであって、第一及び第二のラッチング手段を含むブッシュを有し、これらのラッチング手段がストップ部材と協同動作して前記ブッシュをそれぞれ回転及び並進の動きに対して固定し、アクチュエーターとブッシュが、最初の使用ではアクチュエーターが、ユーザーによって作動されると前記ブッシュに対して前方に動き、ブッシュは固定されたままで第二のラッチング手段を解放し、その結果ブッシュが並進で自由に動ける用になり、前記アクチュエーターはその後前記ブッシュに固定されてそれと一緒に並進と回転で動くようになることを特徴とする注入デバイスを提供する。
【0026】
このような特徴により、本発明はユーザーによる意図的な行動によって初めて使用できる注入デバイスを提供する。これによって、前記注入デバイスの不随意な作動が避けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
好ましい実施形態の詳細な説明
図1は、本発明の注入デバイスの分解斜視図である。注入デバイス1は、好ましくはユーザーによって保持されるようになっている合成材料の管状ハウジング2を含む。ハウジング2は、遠位端4に投与される医薬液体を収容したカートリッジ8を固定する保留手段6を有する。発送されるときは、医薬の用量が投与されるときに通るカートリッジ8の前方端10は取り外しできないキャップ12がかぶせられている。このキャップの本質的な機能は注入デバイス1のカートリッジ8を保護することである。分解図では示されていない針は、プラスチック材料の針キャリアに取り付けられ、以下で詳しく説明するようにキャップ12の端のねじ山にクリップで留められている。
【0028】
本発明の注入デバイス1は、また、アクチュエーター16とブッシュ18が管状ハウジング2の内側に同軸でとりつけられている投与メカニズム14を含む。アクチュエーター16の一端20はハウジング2から突出しており、ユーザーがそれを作動させてプランジャー22を前方に駆動させることができ、それがカートリッジ8と協同動作して以下でもっと詳しく説明するような仕方で医薬液体の用量を投与することができる。
【0029】
最後に、本発明の注入デバイス1は投与すべき用量を予め選択するためのプレセレクター手段24を含む。図に示された例では、プレセレクター手段24は、投薬(dosing)リング26の形をしており、リングは前記注入デバイス1のハウジング2の観察窓30を通して外から見える投薬スケール28を担持している(図31を見よ)。
【0030】
また、注入デバイス1のハウジング2の開口32にも注意したい。そこには、歯36の形のストップ部材34が挿入され、それはブッシュ18と協同動作して投与される投薬の用量を恒久的に設定するようになっている。
【0031】
図3は、本発明の注入デバイス1の正面図であり、図4と5は、それぞれ、図2の線A-Aと線B-Bに沿った断面を示す図である。最後に、図6,7及び8は、図4と5のリングで囲まれた部分の拡大詳細図である。
【0032】
図4と5は、ユーザーに発送された状態の、最初の使用の前の注入デバイス1を示す。この最初の形態では、ボタン40によってその端20で終端している管状ハウジング38を含むアクチュエーター16のほとんど全体がハウジング2から突出している。アクチュエーター16は、ハウジング2の内部で回転及び前方への並進で自由に動くことができ、つめ42によってブッシュ18と共に牽引で(in traction)動くように束縛されており、つめは前記ブッシュ18の対応する当接部44にかかっている(図4,7,35,及び37)。
【0033】
ブッシュ18はもどり止め46と48の形の第一及び第二のラッチング手段を含み、それが歯36と協同動作して、注入デバイスの最初の使用の前、前記ブッシュ18を、それぞれ、回転及び並進の動きに対して固定している(図4,6及び40を見よ)。ハウジング2,ブッシュ18及びアクチュエーター16は、これによって分解できないアセンブリを構成している。
【0034】
注入デバイス1を組み立てるには、まず歯36を開口32を通して挿入する。次にブッシュ18を管状ハウジング2の内側スペースへ軸方向に、もどり止め46と48が開口32と垂直方向に整列して歯36にクリップするまで挿入して、ブッシュ18の軸方向位置を定める。このために、歯36はベース50と二つの傾斜面52を長手方向対称の軸のそれぞれ対向する側に含み、それが開口32への歯36の挿入方向で拡がっている(図38を見よ)。二つの傾斜面の先端の間の距離は開口32の寸法よりも大きい。したがって、は36は前記開口32に力をこめて嵌合され、開口32を通過するときに傾斜面52は弾性的に変形した後に最初の形に戻り、それによって歯36は注入デバイス1のハウジング2にクリップされる。
【0035】
好ましくは、注入デバイス1は使用する前に液体に戻す医薬を投与するために意図されたものであるが、これは本発明を制限するものではない。これは特に、使用前は粉末状態であり、注射するためには溶媒に溶解しなければならない成長ホルモンにあてはまる。成長ホルモンは、粉末状態では貯蔵寿命が5年のオーダーであるが、いったん溶媒と混合すると三十日以内に投与しなければならないので、これが特に有利である。
【0036】
このために、カートリッジ8の容積を別の可動壁58によって隔てられた二つのコンパートメント54と56に分けられ、第一のコンパートメント54には活性成分が収容され、第二のコンパートメント56には溶媒が収容される。カートリッジ8の一端は、封止してカートリッジ8の他端の方へ移動できる壁60によって閉じられ、他端は隔壁タイプのストッパー62によって閉じられ、孔があけられるようになっている。液体が通る針64がストッパー62を通って伸び、取り外し可能な針キャリア66によってそこに保持される。カートリッジの詳しい記述は、米国特許5,716,338を見よ、この特許の内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0037】
したがって、医薬を液体に戻すためには、壁60を前方に動かして、溶媒をコンパートメント56から押し出し、コンパートメント54に入り込ませてそこで活性成分と混合させることが必要である。液体は、壁58と同じ高さにあるカートリッジ8の内壁の溝によってチャンバ54からチャンバ56に入る。このためには、ユーザーがアクチュエーター16を回すだけで十分である(図2Bを見よ)。すると、アクチュエーター16のつめ42がブッシュ18のらせん状外側ねじ山68と協同動作する(図3,35及び36を見よ)。すなわち、前記ブッシュ18のまわりでそれが回転すると、アクチュエーター16が前進して注入デバイス1のハウジング2に進入して、プランジャー22の後方部分70に作用してそれを前進させる。すると、プランジャー22がカートリッジ8の壁60を、膜58に接触するまで前進させる。これによって溶媒が一方のコンパートメントから他方のコンパートメントへ移され、医薬が液体に戻される。
【0038】
ブッシュ18に対して前方へ動くときに、アクチュエーター16の遠位側の円形リム72がもどり止め48を下方に曲げてそれを歯36から離脱させる(図11と13を見よ)。これはもどり止め48の傾斜面によって助けられ、ブッシュ18は並進で前方へ動く自由度を回復する。さらに、ブッシュ18はその外側表面に少なくとも一つの歯を有し、好ましくは二つの歯76を有し、前記アクチュエーター16のつめ42がらせん状ねじ山68に達したときに、それらがアクチュエーター16のハウジング38の対応する二つの開口78に入る(図35,36及び37を見よ)。これによりブッシュ18がアクチュエーター16に対して固定される。
【0039】
医薬が液体に戻されると、カートリッジ8から含まれているかもしれない空気を追い出すことが残っている(図2Cを見よ)。このためには、ユーザーがアクチュエーター16のボタン40に圧力を加えるだけで十分である。この圧力は、アクチュエーター16を注入デバイス1のハウジング2内で軸方向に前進させ。同時にプランジャー22を前進させる。そして今度は、プランジャー22がカートリッジ8の壁60と膜58を前進させ、それによって前記カートリッジ8にトラップされていた空気を追い出す。アクチュエーター16の前進はブッシュ18が投薬リング26に当接したときにストップする。
【0040】
この後者の位置から、ユーザーは投与すべき薬の用量を設定することができる。アクチュエーター16を回転しなければならない(図2Dを見よ)。ブッシュ18は前記アクチュエーター16に対して固定されているので、ブッシュ18も回り、回りながら投薬リング26を引きずってゆく。ブッシュ18は、少なくとも一つのラチェット、好ましくは二つのラチェット80という形の係合手段を含み、その機能は以下で説明されるが、それが投薬リング26の内部容積に突出し、前記投薬リング26における相補的な形の溝82の中をスライドする(図34を見よ)。したがって、注入デバイス1のハウジング2の内壁の円形の溝86に係合する周縁ショルダー84によって軸方向に固定されている投薬リング26は、ブッシュ18の回転によって、したがって、アクチュエーター16の回転によって引きずられる。したがって、ユーザーは投薬スケール28のマークが観察窓30を通って動くのを見て、目盛りが処方された投薬の用量に対応するときにアクチュエーター16を回すことをストップする。用量を設定する前に、望ましい場合にはアクチュエーターを回してすべての用量を見ることができれば有利である。
【0041】
この後者の位置から、ユーザーはアクチュエーター16を引き戻さなければならない(図2Eを見よ)。ブッシュ18はアクチュエーター16に固定されているので、これも引き戻される。他方、投薬リング26は、注入デバイス1のハウジング2と一緒に並進で動くように束縛されているので動かない。この後方への動きのために、歯36はブッシュ18の長手方向溝88の一つに入る(図35と36を見よ)。長さがすべて異なる長手方向溝の数は、注入デバイス1が小出しできる異なる量の数に等しい。本例では、6つの溝88があり、それは6つの量のうちの1つである用量を自分自身又は別の人に投与することができると言うことを意味する。もちろん、この例は純粋に例示的なものである。すなわち、観察窓30に投薬スケール28のあるマークが出ると、歯36はそのマークに対応するいずれかの溝88と整列している。次に、アクチュエーター16を引くと、歯36が選択された溝88に入る。前記の歯36が前記の溝の最下部に達するとその動きがストップする。したがって、歯36がその中でスライドする溝88と共に、ブッシュ18が、したがって、アクチュエーター16が、可能な限り引き戻される位置を規定する。前記ブッシュ18は又、前方方向でも投薬リング26によって固定される。歯36と投薬リング26は、このように、注入デバイス1のハウジング2の中でブッシュ18が使用できる走行範囲を規定し、したがって、注入される投薬の用量を規定する。
【0042】
図9は、本発明による注入デバイス1の正面図であり、図10と11は、それぞれ、図9の線A-AとD-Dに沿って取られた断面図である。最後に、図12から15までは、図10と11でリングで囲まれた部分の拡大詳細図である。
【0043】
ブッシュ18の後方への動きの間プランジャーは動かないということに注意しておきたい。プランジャー22は第一のラック90を含み、それによってプランジャーは投薬リング26のもどり止めタイプのラチェット92と協同動作する(図33を見よ)。ラチェット92は、後方へ動くとラック90,したがって、プランジャー22を固定し、前方へ動くとラック90から脱離する。さらに、プランジャー22は、別の二つのラック94を含み(図32を見よ)、それらがブッシュ18のラチェット80と協同動作する。ラチェット80は、前記ブッシュ18が後方へ動くとラック94から離脱し、前方へ動くとラック94を押して、プランジャー22を前方へ動かす。前記プランジャー22は、方形又は矩形の断面を有し、二つのラック94がプランジャー22の対向する面にあり、ラック90が残る二つの面のいずれかにある。
【0044】
ブッシュ18は、また、プランジャー22のカム表面98と協同動作するもどり止めタイプの固定部材96を含む。ユーザーがアクチュエーター16を、したがって、ブッシュ18を引いて、注入デバイス1の準備を完了させて医薬液体の最初の用量を放出できる状態にすると、ラッチ96がカム表面98に沿って動き、ステップ100を越えて、管状ハウジング2の内壁に形成された対向する溝102に入る(図39を見よ)。その後のブッシュ18のプランジャー22に対する動きに関わりなく、ラッチ96はそれが突出した溝102から出ず、それによりブッシュ18を、同様に投薬リング26を回転に対して固定する。したがって、投薬リング26は、投与すべき用量を設定した後、恒久的に固定される。溝102の数はブッシュ18の周縁の溝88の数と同じであり、前者の溝は後者の溝と対応関係にあるということが認められるであろう。
【0045】
図16は本発明の注入デバイス1の正面図であり、図17と18は図16の線C-C及びD-Dに沿って取られた断面図である。最後に、図19から22までは、図17と18のリングで囲まれた部分の拡大詳細図である。
【0046】
ユーザーがアクチュエーター16を引いて注入デバイス1を準備完了させると、図10と11に示されているように、注射を施すことだけが残される。このためには、ユーザーはまず針64を皮膚に差し込んでアクチュエーター16を圧さなければならない(図2Fを見よ)。この圧力が前記アクチュエーター16を、したがってブッシュ18を注入デバイス1のハウジング2の内部で軸方向に動かす。ブッシュ18が前方に動くにつれて、ブッシュ18はラチェット80がプランジャー22のラック94を押すことによりプランジャー22を前方に動かす。最後に、プランジャー22が壁60と壁58を前方へ押し、その結果医薬液体の用量がカートリッジ8から押し出される。この動きは、ブッシュが投薬リング26に当接したときにストップする。
【0047】
注入デバイス1を再び準備完了の状態にするには、再びアクチュエーター16を引くだけで十分である。歯36がその中でスライドしている溝88の端に達すると後方への動きはストップする(図2Gを見よ)。プランジャー22はこの後方への動きの間はラック90と係合したラチェット92によってその場所に保持されるので動かないが、ラチェット80はラック94から離脱することが注意されるであろう。言い換えると、プランジャー22は、ユーザーがアクチュエーター16を圧すと前方へ動き、ユーザーがアクチュエーター16を引くときは動かない。したがって、プランジャー22は管状ハウジング2の内部で前方へ動くだけで、決して後方へ動かない。
【0048】
いったん再び準備完了になると、注入デバイス1はいつでも医薬液体の新しい用量を放出できるようになる。このサイクルは最終用量が放出されるまで繰り返される。
【0049】
最終用量の医薬液体を放出したときに起こることについて次に図23から30までを参照して説明する。図23は本発明の注入デバイス1の正面図であり、図24と25はそれぞれ、図23の線B-B及びD-Dに沿って取られた断面図である。最後に、図26から30までは、図24と25のリングで囲まれた部分の拡大詳細図である。
【0050】
ブッシュ18はもどり止めの形のラッチング部材104を含み、それがカム表面98と協同動作シ、プランジャー22がその行程の終わりの位置に達すると空洞106に落ち込む。空洞106に落ち込むことによって、もどり止め104はアクチュエーター16の全面から引っ込められ、したがって、アクチュエーター16は前方へ動くことが可能になる。その後、医薬を液体に戻すことが終わるとすぐに働き始めた、歯76と開口78を介したアクチュエーター16とブッシュ18の間の結合は、アクチュエーター16がブッシュ18に対して前方へ動くと無効に成る。この動きの間、アクチュエーター16に担持されるラッチ・タイプの固定部材108は注入デバイス1のハウジング2に形成された開口110に突出してさあ異臭用量を放出した後の注入デバイスを恒久的に固定する。アクチュエーター16は注入デバイス1のハウジング2にロックされ、他方ブッシュ18は投薬リング26によって前方への並進で、またブッシュ18が接触するようになる前記アクチュエーター16の内側表面によって後方への並進で固定される。カートリッジ8の他端は分解できない仕方で前記ハウジング2に取り付けられている。したがって、本発明による注入デバイス1は最終用量の医薬液体を投与した後は分解も再使用もできず、廃棄することができる。
【0051】
本発明は、今説明したような実施形態に限定されるものではなく、当業者には本発明の範囲から逸脱しないいろいろな簡単な変型や変更が考えられるということは言うまでもない。
【0052】
本発明のその他の特徴及び利点は、本発明による注入デバイスのある純粋に例示的な非限定的な実施形態についての、添付図面を参照した以下の詳細な説明によってより明らかに浮かび上がってくるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本発明の注入デバイスを示す分解図である。
【図2】図2a〜2gまでは、ユーザーがアクチュエーターによって行わなければならない一連の操作を示す本発明の注入デバイスのダイアグラムである。
【図3】図3は、本発明の注入デバイスの正面図である。
【図4】図4は、最初の使用の前の、すなわち、医薬を液体に戻す前の本発明の注入デバイスの図3における線A-Aに沿った断面を示す図である。
【図5】図5は、最初の使用の前の、すなわち、医薬を液体に戻す前の本発明の注入デバイスの図3における線B-Bに沿った断面を示す図である。
【図6】図4のリングで囲まれた部分XとYの拡大図である。
【図7】図4のリングで囲まれた部分XとYの拡大図である。
【図8】図8は、図5のリングで囲まれた部分の拡大図である。
【図9】図9は、本発明の注入デバイスの正面図である。
【図10】図10は、医薬液体の用量を投与できる状態にある本発明の注入デバイスの図9における線A-Aに沿った断面を示す図である。
【図11】図11は、医薬液体の用量を投与できる状態にある本発明の注入デバイスの図9における線D-Dに沿った断面を示す図である。
【図12】図12は、図10のリングで囲まれた部分Xの拡大図である。
【図13】図11のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図14】図11のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図15】図11のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図16】図16は、本発明の注入デバイスの正面図である。
【図17】図17は、ある用量の医薬液体を投与した後の本発明の注入デバイスの図16における線C-Cに沿った断面を示す図である。
【図18】図18は、ある用量の医薬液体を投与した後の本発明の注入デバイスの図16における線D-Dに沿った断面を示す図である。
【図19】図19は、図17のリングで囲まれた部分Xの拡大図である。
【図20】図18のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図21】図18のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図22】図18のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図23】図23は、本発明の注入デバイスの正面図である。
【図24】図24は、最終用量の医薬液体を投与した後の本発明の注入デバイスの図23における線B-Bに沿った断面を示す図である。
【図25】図25は、最終用量の医薬液体を投与した後の本発明の注入デバイスの図23における線D-Dに沿った断面を示す図である。
【図26】図24のリングで囲まれた部分VとXの拡大図である。
【図27】図24のリングで囲まれた部分VとXの拡大図である。
【図28】図25のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図29】図25のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図30】図25のリングで囲まれた部分W、Y及びZの拡大図である。
【図31】図31は、本発明の注入デバイスのハウジングを示す透視図である。
【図32】図32は、本発明の注入デバイスのプランジャーを示す透視図である。
【図33】本発明の注入デバイスの投薬リングの、それぞれ、後部と前部を示す透視図である。
【図34】本発明の注入デバイスの投薬リングの、それぞれ、後部と前部を示す透視図である。
【図35】図35は、本発明の注入デバイスのブッシュを示す透視図である。
【図36】図36は、図35と同様の図で、ブッシュを180°回した状態を示す図である。
【図37】図37は、本発明の注入デバイスのアクチュエーターを示す透視図である。
【図38】図38は、投与されるべき医薬液体の投薬用量を恒久的に選択することを可能にする本発明の注入デバイスのストップ部材を示す透視図である。
【図39】図39は、本発明の注入デバイスのブッシュと協同動作して投与されるべき投薬用量を恒久的に設定する管状ハウジングの内壁と当接部(abutment)を示す部分透視図である。
【図40】図40は、本発明の注入デバイスの最初の使用の前に二つのもどり止めと歯によってブッシュを固定する仕方を示す拡大詳細図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスであって、前記デバイス(1)は、ハウジング(2)、及び前部と後部を有し製剤又は該製剤の前駆成分を収容するカートリッジ(8)を含み、該前部にはストッパー(62)が配置され、該後部は可動壁(60)で閉じられ、該製剤がその壁の移動によって前方に動かされ又は該製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され;前記デバイス(1)はさらにプランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させるための作動手段(14)を含み、該ハウジング内での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され;該注入デバイス(1)がさらに、注入される用量を予め選択するプレセレクター手段(24)を含み、前記注入デバイス(1)が投与されるべき用量を恒久的に設定する手段を含むことを特徴とする注入デバイス。
【請求項2】
複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスであって、前記デバイス(1)は、ハウジング(2)、及び前部と後部を有し製剤又は該製剤の前駆成分を収容するカートリッジ(8)を含み、該前部にはストッパー(62)が配置され、該後部は可動壁(60)で閉じられ、該製剤がその壁の移動によって前方に動かされ又は該製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され;前記デバイス(1)はさらにプランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させるための作動手段(14)を含み、該ハウジング内での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され;該注入デバイス(1)がさらに、注入される用量を予め選択するプレセレクター手段(24)を含み、前記注入デバイス(1)が、投与される用量を設定した後に該プレセレクター手段(24)を恒久的に固定する手段を含むことを特徴とする注入デバイス。
【請求項3】
該プランジャー(22)がその長さに沿ってカム表面(98)を有し、そのカム表面が、該プランジャー(22)が予め定められた位置に達したときにラッチ(latch)される少なくとも一つの固定部材と協同動作することを特徴とする、請求項1又は2に記載の注入デバイス。
【請求項4】
該固定部材は、前記注入デバイス(1)の該ハウジング(2)の長手方向溝(102)に入ったときにラッチされるもどり止め(96)であることを特徴とする、請求項3に記載の注入デバイス。
【請求項5】
該注入デバイスがさらに、該カム表面(98)と協同動作しプランジャー(22)が予め定められた位置に達したときにラッチされて最終用量を投与した後に投与メカニズム(14)が引き出されることを防止するラッチング部材を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の注入デバイス。
【請求項6】
該ラッチング部材がもどり止め(104)であり、ラッチされたときにそれが前記注入デバイス(1)のハウジング(2)における開口(110)に突出した固定部材(108)の前方から引っ込められて、最終用量を投与した後に該投与メカニズム(14)を恒久的に固定することを特徴とする、請求項5に記載の注入デバイス。
【請求項7】
複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスであって、前記デバイス(1)は、ハウジング(2)、及び前部と後部を有し製剤又は該製剤の前駆成分を収容するカートリッジ(8)を含み、該前部にはストッパー(62)が配置され、該後部は可動壁(60)で閉じられ、該製剤がその壁の移動によって前方に動かされ又は該製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され;前記デバイス(1)はさらにプランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させるための作動手段(14)を含み、該ハウジング内での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され;該注入デバイス(1)がさらに、注入される用量を予め選択するプレセレクター手段(24)を含み、前記注入デバイス(1)は該医薬の最終用量を投与した後に該アクチュエーター(16)を該ハウジング(2)に恒久的に固定するための手段を含むことを特徴とする注入デバイス。
【請求項8】
前記注入デバイスの最初の使用ではブッシュ(18)が回転と並進で該アクチュエーター(16)と一緒に動くように束縛され、該ブッシュ(18)は該プランジャー(22)上のカム表面(98)と協同動作するようになったラッチング部材(104)を含み、前記ラッチング部材(104)は前記プランジャー(22)に対して該ブッシュ(18)が予め定められた位置に達したときに引っ込められて該アクチュエーター(16)の前方への動きを可能にし、アクチュエーターのロッキング部材が前記注入デバイス(1)の該ハウジング(2)の開口(110)に突出して最終用量を投与した後にそれを恒久的にロックすることを特徴とする、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
該ブッシュ(18)が少なくとも一つの歯(76)を含み、それが該アクチュエーター(16)の対応する開口(78)に入ってそれを前記アクチュエーター(16)に対して一時的に固定することを特徴とする、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスであって、前記デバイス(1)は、ハウジング(2)、及び前部と後部を有し製剤又は該製剤の前駆成分を収容するカートリッジ(8)を含み、該前部にはストッパー(62)が配置され、該後部は可動壁(60)で閉じられ、該製剤がその壁の移動によって前方に動かされ又は該製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され;前記デバイス(1)はさらにプランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させるための作動手段(14)を含み、該ハウジング内での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され;該注入デバイス(1)がさらに、注入される用量を予め選択するプレセレクター手段(24)を含み、前記注入デバイス(1)がさらに、ハウジング(2)の内部で前後に動かされるようになっているブッシュ(18)を含み、それが周縁に異なる長さの長手方向溝(88)を有し、第一のストップ部材(34)が前記溝(88)のいずれかに入って前記溝と共に該ブッシュ(18)の最大後退位置を規定するようになっており、前記ブッシュ(18)はまた第二のストップ部材によって前方方向に固定されるようになっており、該第二のストップ部材は該第一のストップ部材と共に該ハウジング(2)内部で該ブッシュ(18)のアクティブ走行距離を規定し、それによって注入される投薬の用量を決定することを特徴とする注入デバイス。
【請求項11】
該第一のストップ部材(34)が該注入デバイス(1)のハウジング(2)に形成された開口(32)を通して挿入されて前記ハウジング(2)に固定される歯(36)を含むことを特徴とする、請求項10に記載の注入デバイス。
【請求項12】
注入される用量を予め選択するための該プレセレクター手段(24)が該第二のブッシュ・ストップ部材を成すことを特徴とする、請求項10又は請求項11に記載の注入デバイス。
【請求項13】
注入される用量を予め選択するための該プレセレクター手段(24)が、該デバイス(1)の内側において並進では固定されているが注入される用量を選択する前は自由に回転できる投薬リング(dosing ring)(26)を含み、前記投薬リング(26)は前記注入デバイス(1)のハウシング(2)における観測窓(30)を通して外側から見ることができる投薬スケール(28)を担持し、前記投薬リング(26)は該ブッシュ(18)と共に回転するように束縛され、両方とも該第一のストップ部材(34)が前記ブッシュ(18)の溝(88)の一つに係合するまで回されることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の注入デバイス。
【請求項14】
該ブッシュ(18)がさらに、該プランジャー(22)上のカム表面(98)と協同動作する固定部材を含み、該ブッシュ(18)が前記プランジャー(22)に対して予め定められた位置に達したときにそれがラッチされ、該ラッチング部材がハウジング(2)の長手方向溝(102)に入って該ブッシュ(18)の回転を、したがって投薬リングの回転を防止することを特徴とする、請求項13に記載の注入デバイス。
【請求項15】
複数用量の液体医薬を投与するための注入デバイスであって、前記デバイスはユーザーによって保持されるようになっているハウジング(2)を含み、その遠位端には投与される液体を収容するカートリッジ(8)が固定され、前記カートリッジ(8)は一端が可動壁(60)によって閉じられ、該可動壁(60)は該カートリッジの他端の方へ動かされるようになっており、該他端は液体が通過する孔があけられるようになったストッパー(62)によって閉じられ、さらに該注入デバイスはプランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させる投与メカニズム(14)を含み、該ハウジング(2)の中での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され、該注入デバイス(1)はさらに、注入される用量を予め選択するためのプレセレクター手段(24)を含み、前記注入デバイス(1)は、プランジャー(22)がその長さに沿ってカム表面(98)を有し、それが少なくとも一つのラッチング部材と協同動作してプランジャー(22)が予め定められた位置に達したときにラッチされることを特徴とする注入デバイス。
【請求項16】
該注入デバイスが、ラッチング部材を含み、それが該カム表面(98)と協同動作して、プランジャー(22)が予め定められた位置に達したときにラッチされて投与されるべき用量を設定した後に該プレセレクター手段(24)を恒久的に固定することを特徴とする、請求項15に記載の注入デバイス。
【請求項17】
該ラッチング部材が、前記注入デバイス(1)のハウジング(2)における長手方向溝(102)に入ったときにラッチされるもどり止め(96)であることを特徴とする、請求項16に記載の注入デバイス。
【請求項18】
該ラッチング部材は、ラッチされたときに、前記注入デバイス(1)のハウジング(2)における開口(110)に突出した固定部材(108)の前方で引っ込められるもどり止め(104)であることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか1項に記載の注入デバイス。
【請求項19】
複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスであって、前記デバイス(1)は、ハウジング(2)、前部と後部を有し製剤又は製剤の前駆成分を収容するカートリッジ(8)を含み、該前部にはストッパー(62)が配置され、該後部は可動壁(60)によって閉じられ、該製剤がその壁の移動によって前方に動かされ又は該製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され;前記デバイス(1)はさらに、プランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させるための作動手段(14)を含み、該ハウジング内での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され;該注入デバイス(1)がさらに、注入される用量を予め選択するプレセレクター手段(24)を含み、前記注入デバイスは、該医薬を液体に戻す第一の動作モードでは、該プランジャー(22)がその後方部分(70)に働きかける該アクチュエーター(16)によって作動され、該医薬液体を放出する第二の動作モードでは、該アクチュエーター(16)がもどり止めとラックのシステムを介して該プランジャー(22)に働きかけることを特徴とする注入デバイス。
【請求項20】
該プランジャー(22)が少なくとも一つのラック(94)を含み、該アクチュエーター(16)が後方へ動くと該ラック(94)から外れ前方へ動くと該ラック(94)に押し当たるラチェット手段(80)を含むブッシュ(18)と協同動作して、最初の使用の前は、該アクチュエーター(16)は該ブッシュ(18)に牽引(traction)でのみ固定され、医薬液体を液体に戻した後は前記ブッシュ(18)に固定されてそれと共に回転及び並進で動き、医薬を液体に戻す間、該アクチュエーター(16)は、ユーザーが作動させたときに前方へ動いて該プランジャー(22)に押し当たり、該プランジャー(22)が、用量の準備の間、該カートリッジ(8)の壁(60)を前方へ押し、該ブッシュ(18)に固定された該アクチュエーター(16)が引っ込められ、該プランジャー(22)は不動のままであり、用量を投与する間は、該アクチュエーター(16)はユーザーが作動させたときに前方に動いて、該ラチェット手段(80)を介して該プランジャー(22)を前方へ押すことを特徴とする、請求項19に記載の注入デバイス。
【請求項21】
該プランジャー(22)が、注入される用量を予め選択するためのプレセレクター手段(24)を含むラチェット手段(92)が作用する第二のラック(90)を含み、前記ラチェット手段(82)は後方へ動くと該ラック(90)を固定し、前方へ動くと該ラック(90)から外れることを特徴とする、請求項20に記載の注入デバイス。
【請求項22】
複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスであって、前記デバイス(1)は、ハウジング(2)、及び前部と後部を有し製剤又は該製剤の前駆成分を収容するカートリッジ(8)を含み、該前部にはストッパー(62)が配置され、該後部は可動壁(60)で閉じられ、その壁の移動によって該製剤は前方に動かされ又は該製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され;前記デバイス(1)はさらにプランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させるための作動手段(14)を含み、該ハウジング内での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され;該注入デバイス(1)がさらに、注入される用量を予め選択するプレセレクター手段(24)を含み、前記デバイス(1)は、第一及び第二のラッチング手段(46,48)を含むブッシュ(18)を含み、それらのラッチング手段がストップ部材(34)と協同動作して前記ブッシュ(18)を、それぞれ回転及び並進の運動に対して固定し、該アクチュエーター(16)と該ブッシュ(18)は、最初の使用では、アクチュエーター(16)はユーザーが作動させたときに前記ブッシュ(18)に対して前方へ動き、ブッシュは固定されたままで該第二のラッチング手段(48)を解放し、その結果ブッシュ(18)が並進で自由に動くことができるようになり、前記アクチュエーター(16)が次に前記ブッシュ(18)に固定されて並進で動き、それと共に回転するようになっていることを特徴とする注入デバイス。
【請求項23】
該ブッシュ(18)が外側らせん状ねじ山(68)を有し、その中に該アクチュエーター(16)のつめ(42)が係合し、それにより前記ブッシュ(18)に対する該アクチュエーター(16)の回転がそれを前記注入デバイス(1)の該ハウジング(2)に入り込ませることを特徴とする、請求項22に記載の注入デバイス。
【請求項24】
該デバイスの最初の使用の前に、該ブッシュ(18)が該アクチュエーター(16)に牽引で(in traction)のみ固定されていることを特徴とする請求項23に記載の注入デバイス。
【請求項25】
該ブッシュ(18)が該アクチュエーター(16)につめ(42)によって牽引で固定され、つめが該らせん状ねじ山(68)の近位端で当接部(abutment)に載っていることを特徴とする、請求項23又は24に記載の注入デバイス。
【請求項1】
複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスであって、前記デバイス(1)は、ハウジング(2)、及び前部と後部を有し製剤又は該製剤の前駆成分を収容するカートリッジ(8)を含み、該前部にはストッパー(62)が配置され、該後部は可動壁(60)で閉じられ、該製剤がその壁の移動によって前方に動かされ又は該製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され;前記デバイス(1)はさらにプランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させるための作動手段(14)を含み、該ハウジング内での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され;該注入デバイス(1)がさらに、注入される用量を予め選択するプレセレクター手段(24)を含み、前記注入デバイス(1)が投与されるべき用量を恒久的に設定する手段を含むことを特徴とする注入デバイス。
【請求項2】
複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスであって、前記デバイス(1)は、ハウジング(2)、及び前部と後部を有し製剤又は該製剤の前駆成分を収容するカートリッジ(8)を含み、該前部にはストッパー(62)が配置され、該後部は可動壁(60)で閉じられ、該製剤がその壁の移動によって前方に動かされ又は該製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され;前記デバイス(1)はさらにプランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させるための作動手段(14)を含み、該ハウジング内での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され;該注入デバイス(1)がさらに、注入される用量を予め選択するプレセレクター手段(24)を含み、前記注入デバイス(1)が、投与される用量を設定した後に該プレセレクター手段(24)を恒久的に固定する手段を含むことを特徴とする注入デバイス。
【請求項3】
該プランジャー(22)がその長さに沿ってカム表面(98)を有し、そのカム表面が、該プランジャー(22)が予め定められた位置に達したときにラッチ(latch)される少なくとも一つの固定部材と協同動作することを特徴とする、請求項1又は2に記載の注入デバイス。
【請求項4】
該固定部材は、前記注入デバイス(1)の該ハウジング(2)の長手方向溝(102)に入ったときにラッチされるもどり止め(96)であることを特徴とする、請求項3に記載の注入デバイス。
【請求項5】
該注入デバイスがさらに、該カム表面(98)と協同動作しプランジャー(22)が予め定められた位置に達したときにラッチされて最終用量を投与した後に投与メカニズム(14)が引き出されることを防止するラッチング部材を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の注入デバイス。
【請求項6】
該ラッチング部材がもどり止め(104)であり、ラッチされたときにそれが前記注入デバイス(1)のハウジング(2)における開口(110)に突出した固定部材(108)の前方から引っ込められて、最終用量を投与した後に該投与メカニズム(14)を恒久的に固定することを特徴とする、請求項5に記載の注入デバイス。
【請求項7】
複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスであって、前記デバイス(1)は、ハウジング(2)、及び前部と後部を有し製剤又は該製剤の前駆成分を収容するカートリッジ(8)を含み、該前部にはストッパー(62)が配置され、該後部は可動壁(60)で閉じられ、該製剤がその壁の移動によって前方に動かされ又は該製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され;前記デバイス(1)はさらにプランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させるための作動手段(14)を含み、該ハウジング内での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され;該注入デバイス(1)がさらに、注入される用量を予め選択するプレセレクター手段(24)を含み、前記注入デバイス(1)は該医薬の最終用量を投与した後に該アクチュエーター(16)を該ハウジング(2)に恒久的に固定するための手段を含むことを特徴とする注入デバイス。
【請求項8】
前記注入デバイスの最初の使用ではブッシュ(18)が回転と並進で該アクチュエーター(16)と一緒に動くように束縛され、該ブッシュ(18)は該プランジャー(22)上のカム表面(98)と協同動作するようになったラッチング部材(104)を含み、前記ラッチング部材(104)は前記プランジャー(22)に対して該ブッシュ(18)が予め定められた位置に達したときに引っ込められて該アクチュエーター(16)の前方への動きを可能にし、アクチュエーターのロッキング部材が前記注入デバイス(1)の該ハウジング(2)の開口(110)に突出して最終用量を投与した後にそれを恒久的にロックすることを特徴とする、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
該ブッシュ(18)が少なくとも一つの歯(76)を含み、それが該アクチュエーター(16)の対応する開口(78)に入ってそれを前記アクチュエーター(16)に対して一時的に固定することを特徴とする、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスであって、前記デバイス(1)は、ハウジング(2)、及び前部と後部を有し製剤又は該製剤の前駆成分を収容するカートリッジ(8)を含み、該前部にはストッパー(62)が配置され、該後部は可動壁(60)で閉じられ、該製剤がその壁の移動によって前方に動かされ又は該製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され;前記デバイス(1)はさらにプランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させるための作動手段(14)を含み、該ハウジング内での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され;該注入デバイス(1)がさらに、注入される用量を予め選択するプレセレクター手段(24)を含み、前記注入デバイス(1)がさらに、ハウジング(2)の内部で前後に動かされるようになっているブッシュ(18)を含み、それが周縁に異なる長さの長手方向溝(88)を有し、第一のストップ部材(34)が前記溝(88)のいずれかに入って前記溝と共に該ブッシュ(18)の最大後退位置を規定するようになっており、前記ブッシュ(18)はまた第二のストップ部材によって前方方向に固定されるようになっており、該第二のストップ部材は該第一のストップ部材と共に該ハウジング(2)内部で該ブッシュ(18)のアクティブ走行距離を規定し、それによって注入される投薬の用量を決定することを特徴とする注入デバイス。
【請求項11】
該第一のストップ部材(34)が該注入デバイス(1)のハウジング(2)に形成された開口(32)を通して挿入されて前記ハウジング(2)に固定される歯(36)を含むことを特徴とする、請求項10に記載の注入デバイス。
【請求項12】
注入される用量を予め選択するための該プレセレクター手段(24)が該第二のブッシュ・ストップ部材を成すことを特徴とする、請求項10又は請求項11に記載の注入デバイス。
【請求項13】
注入される用量を予め選択するための該プレセレクター手段(24)が、該デバイス(1)の内側において並進では固定されているが注入される用量を選択する前は自由に回転できる投薬リング(dosing ring)(26)を含み、前記投薬リング(26)は前記注入デバイス(1)のハウシング(2)における観測窓(30)を通して外側から見ることができる投薬スケール(28)を担持し、前記投薬リング(26)は該ブッシュ(18)と共に回転するように束縛され、両方とも該第一のストップ部材(34)が前記ブッシュ(18)の溝(88)の一つに係合するまで回されることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の注入デバイス。
【請求項14】
該ブッシュ(18)がさらに、該プランジャー(22)上のカム表面(98)と協同動作する固定部材を含み、該ブッシュ(18)が前記プランジャー(22)に対して予め定められた位置に達したときにそれがラッチされ、該ラッチング部材がハウジング(2)の長手方向溝(102)に入って該ブッシュ(18)の回転を、したがって投薬リングの回転を防止することを特徴とする、請求項13に記載の注入デバイス。
【請求項15】
複数用量の液体医薬を投与するための注入デバイスであって、前記デバイスはユーザーによって保持されるようになっているハウジング(2)を含み、その遠位端には投与される液体を収容するカートリッジ(8)が固定され、前記カートリッジ(8)は一端が可動壁(60)によって閉じられ、該可動壁(60)は該カートリッジの他端の方へ動かされるようになっており、該他端は液体が通過する孔があけられるようになったストッパー(62)によって閉じられ、さらに該注入デバイスはプランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させる投与メカニズム(14)を含み、該ハウジング(2)の中での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され、該注入デバイス(1)はさらに、注入される用量を予め選択するためのプレセレクター手段(24)を含み、前記注入デバイス(1)は、プランジャー(22)がその長さに沿ってカム表面(98)を有し、それが少なくとも一つのラッチング部材と協同動作してプランジャー(22)が予め定められた位置に達したときにラッチされることを特徴とする注入デバイス。
【請求項16】
該注入デバイスが、ラッチング部材を含み、それが該カム表面(98)と協同動作して、プランジャー(22)が予め定められた位置に達したときにラッチされて投与されるべき用量を設定した後に該プレセレクター手段(24)を恒久的に固定することを特徴とする、請求項15に記載の注入デバイス。
【請求項17】
該ラッチング部材が、前記注入デバイス(1)のハウジング(2)における長手方向溝(102)に入ったときにラッチされるもどり止め(96)であることを特徴とする、請求項16に記載の注入デバイス。
【請求項18】
該ラッチング部材は、ラッチされたときに、前記注入デバイス(1)のハウジング(2)における開口(110)に突出した固定部材(108)の前方で引っ込められるもどり止め(104)であることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか1項に記載の注入デバイス。
【請求項19】
複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスであって、前記デバイス(1)は、ハウジング(2)、前部と後部を有し製剤又は製剤の前駆成分を収容するカートリッジ(8)を含み、該前部にはストッパー(62)が配置され、該後部は可動壁(60)によって閉じられ、該製剤がその壁の移動によって前方に動かされ又は該製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され;前記デバイス(1)はさらに、プランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させるための作動手段(14)を含み、該ハウジング内での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され;該注入デバイス(1)がさらに、注入される用量を予め選択するプレセレクター手段(24)を含み、前記注入デバイスは、該医薬を液体に戻す第一の動作モードでは、該プランジャー(22)がその後方部分(70)に働きかける該アクチュエーター(16)によって作動され、該医薬液体を放出する第二の動作モードでは、該アクチュエーター(16)がもどり止めとラックのシステムを介して該プランジャー(22)に働きかけることを特徴とする注入デバイス。
【請求項20】
該プランジャー(22)が少なくとも一つのラック(94)を含み、該アクチュエーター(16)が後方へ動くと該ラック(94)から外れ前方へ動くと該ラック(94)に押し当たるラチェット手段(80)を含むブッシュ(18)と協同動作して、最初の使用の前は、該アクチュエーター(16)は該ブッシュ(18)に牽引(traction)でのみ固定され、医薬液体を液体に戻した後は前記ブッシュ(18)に固定されてそれと共に回転及び並進で動き、医薬を液体に戻す間、該アクチュエーター(16)は、ユーザーが作動させたときに前方へ動いて該プランジャー(22)に押し当たり、該プランジャー(22)が、用量の準備の間、該カートリッジ(8)の壁(60)を前方へ押し、該ブッシュ(18)に固定された該アクチュエーター(16)が引っ込められ、該プランジャー(22)は不動のままであり、用量を投与する間は、該アクチュエーター(16)はユーザーが作動させたときに前方に動いて、該ラチェット手段(80)を介して該プランジャー(22)を前方へ押すことを特徴とする、請求項19に記載の注入デバイス。
【請求項21】
該プランジャー(22)が、注入される用量を予め選択するためのプレセレクター手段(24)を含むラチェット手段(92)が作用する第二のラック(90)を含み、前記ラチェット手段(82)は後方へ動くと該ラック(90)を固定し、前方へ動くと該ラック(90)から外れることを特徴とする、請求項20に記載の注入デバイス。
【請求項22】
複数用量の医薬液体を投与するための注入デバイスであって、前記デバイス(1)は、ハウジング(2)、及び前部と後部を有し製剤又は該製剤の前駆成分を収容するカートリッジ(8)を含み、該前部にはストッパー(62)が配置され、該後部は可動壁(60)で閉じられ、その壁の移動によって該製剤は前方に動かされ又は該製剤のための孔があけられるようになったストッパーを通して押し出され;前記デバイス(1)はさらにプランジャー(22)を介して該壁(60)を作動させるための作動手段(14)を含み、該ハウジング内での該プランジャー(22)の前方への動きは該ハウジング(2)の近位端にあってユーザーが作動させるようになっているアクチュエーター(16)によって駆動され;該注入デバイス(1)がさらに、注入される用量を予め選択するプレセレクター手段(24)を含み、前記デバイス(1)は、第一及び第二のラッチング手段(46,48)を含むブッシュ(18)を含み、それらのラッチング手段がストップ部材(34)と協同動作して前記ブッシュ(18)を、それぞれ回転及び並進の運動に対して固定し、該アクチュエーター(16)と該ブッシュ(18)は、最初の使用では、アクチュエーター(16)はユーザーが作動させたときに前記ブッシュ(18)に対して前方へ動き、ブッシュは固定されたままで該第二のラッチング手段(48)を解放し、その結果ブッシュ(18)が並進で自由に動くことができるようになり、前記アクチュエーター(16)が次に前記ブッシュ(18)に固定されて並進で動き、それと共に回転するようになっていることを特徴とする注入デバイス。
【請求項23】
該ブッシュ(18)が外側らせん状ねじ山(68)を有し、その中に該アクチュエーター(16)のつめ(42)が係合し、それにより前記ブッシュ(18)に対する該アクチュエーター(16)の回転がそれを前記注入デバイス(1)の該ハウジング(2)に入り込ませることを特徴とする、請求項22に記載の注入デバイス。
【請求項24】
該デバイスの最初の使用の前に、該ブッシュ(18)が該アクチュエーター(16)に牽引で(in traction)のみ固定されていることを特徴とする請求項23に記載の注入デバイス。
【請求項25】
該ブッシュ(18)が該アクチュエーター(16)につめ(42)によって牽引で固定され、つめが該らせん状ねじ山(68)の近位端で当接部(abutment)に載っていることを特徴とする、請求項23又は24に記載の注入デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【公開番号】特開2006−204918(P2006−204918A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−14775(P2006−14775)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(303050964)ファルマシア コーポレイション (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−14775(P2006−14775)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(303050964)ファルマシア コーポレイション (18)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]