説明

医薬組成物及び関節障害の予防治療剤

【課題】関節組織の変形性又は炎症性関節障害(関節症、関節炎など)の予防及び/又は治療に有用な医薬組成物及び予防治療剤を提供する。
【解決手段】医薬組成物及び予防治療剤は、ビタミンB類(フルスルチアミン又はその塩など)、グリコサミノグリカン類(コンドロイチン硫酸又はその塩など)およびグルクロン酸類(グルクロン酸又はその塩、アミド、鎖状エステル又はラクトン)を含有し、関節炎又は関節症、変形性関節症、関節機能障害の予防又は治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビタミンB類、グリコサミノグリカン類(コンドロイチン硫酸ナトリウムなど)及びグルクロン酸類(グルクロノラクトンなど)を含み、関節障害(関節痛などが生じる関節症および関節炎)の予防又は治療などに有用な医薬組成物及び予防治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、関節痛などの関節障害に対しては、サイクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬等の対症療法や人工関節置換術による侵襲的かつQOL改善上問題の多い方法による対処が行われている。COX阻害薬では、特に消化器系に重大な副作用があり、その克服を目指したCOX2選択的阻害薬では心血管系の副作用が指摘されるなど、問題が多い。そこで、従来の対症療法や侵襲的な方法によらずに関節痛などの関節障害を予防・改善することが必要であり、関節障害の予防および治療に対してさらに有効な組成物が求められている。
【0003】
ビタミンB類は、関節痛、筋肉痛の他、手足のしびれや神経痛などの末梢神経障害や、ウェルニッケ脳症などの中枢神経障害の治療、さらには眼精疲労の治療、便秘の治療・解消、病中病後の栄養補給などに用いられる。関節痛では、ビタミンB類は比較的軽度の関節痛症状に対して有効である。グルクロン酸は、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などの構成成分であり、そのラクトンであるグルクロノラクトンは肝機能の改善を促す成分であり、肝機能改善剤として使用されている。例えば、グルクロン酸ナトリウム、グルクロノラクトン、グルクロン酸アミドは、「疲れ・だるさ」の原因である「有害物・有毒物質」を体外へ排泄する機能を有し、高ビリルビン血症における肝機能の改善、解毒能、妊娠中毒などの症状に対する肝疾患治療薬として利用されているとともに、滋養強壮、肉体疲労時などの栄養補給として服用するビタミン含有保健剤(ビタミン製剤)などに配合されている。一方、コンドロイチン(コンドロイチン硫酸ナトリウムなど)は、特に軟骨組織中に多く分布している生体高分子であり、角膜表層保護、感音性難聴(音響外傷)、慢性腎炎、神経痛、関節痛、腰痛症、肩関節周囲炎(五十肩)、開腹手術後の癒着防止などに用いられている。また、ヒアルロン酸ナトリウムを含む注射剤を含む製剤は、変形性膝関節症、肩関節周囲炎、慢性関節リウマチにおける膝関節症の治療薬として市販されている。
【0004】
コンドロイチン硫酸ナトリウムを含有した多数の医薬品も市販又は提案されている。例えば、特表平9−503197号公報(特許文献1)には、コンドロイチンなどのグリコサミノグリカンと、グルコサミンなどのアミノ糖とを含み、人や動物の結合組織の治療用組成物が開示されている。この組成物は、結合組織の回復を伴いながら関節痛を予防かつ治療するために利用されている。グルコサミンとコンドロイチン硫酸との併用効果について、N. Engl. J. Med. 2006; 354:795-808(非特許文献1)には、変形性膝関節症の患者全体で痛みを効果的に軽減させることはなかったこと、中等度〜重度の膝痛を提出する患者のサブグループにおいて、有効であることが示唆されたと報告されている。特開2000−53569号公報(特許文献2)には、関節障害の予防および治療に適した組成物として、L−カルニチン類とグリコサミノグリカン(コンドロイチン硫酸など)とグルコサミンと賦形剤とを含有する組成物が開示されている。
【0005】
一方、特開2004−10533号公報(特許文献3)には、グルクロン酸、その塩またはグルクロン酸前駆体(グルクロノラクトンなど)を有効成分として含有する、軟骨生成促進剤、軟骨損傷に由来する疾病(例えば、関節炎、リウマチなど)の予防または治療剤、又はグルコサミノグルカンおよび/またはプロテオグルカンの生成促進剤が開示されている。この文献には、さらにグルコサミン塩を有効成分として含有してもよいことも記載されている。
【0006】
特開2002-145779号公報(特許文献4)及び特開2004−26846号公報(特許文献5)には、ビタミンB類とグルコサミン類とを含有する組成物(又は関節痛治療又は予防用組成物)が開示されている。この文献には、さらに、グリコサミノグリカン類(コンドロイチン硫酸ナトリウムなど)を含んでいてもよいこと、ビタミンB類1重量部に対してグルコサミン類を10〜500重量部の割合で含み、ビタミンB類とグルコサミン類との総量100重量部に対してグリコサミノグリカン類を30〜200重量部の割合で含んでいてもよいこと、ビタミンB類およびビタミンB12類から選択された少なくとも一種を含んでもよいことが記載されている。この文献には、さらに、グルクロノラクトン、グルクロン酸などを含有してもよいことも記載されている。しかし、ビタミンB類とコンドロイチン硫酸ナトリウムなどのグリコサミノグリカン類とグルクロノラクトン(グルクロン酸類)とを含む組成物とその効果については触れるところがない。
【0007】
特開2004−256517号公報(特許文献6)には、塩酸フルスルチアミン、コンドロイチン硫酸ナトリウムおよびビタミンB12類を含有するフィルムコーティング錠が開示されている。この文献には、グルクロノラクトン、グルクロン酸アミドなどをさらに含有してもよいことも記載されている。しかし、グルクロノラクトンなどをさらに併用する効果については、何ら記載はされていない。
【特許文献1】特表平9−503197号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開2000−53569号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開2004−10533号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】特開2002-145779号公報(特許請求の範囲、段落[0028])
【特許文献5】特開2004−26846号公報(特許請求の範囲、段落[0029])
【特許文献6】特開2004−256517号公報(特許請求の範囲、段落[0008])
【非特許文献1】N. Engl. J. Med. 2006; 354:795-808
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、種々の関節組織の変性又は炎症性関節障害の予防及び/又は治療に有用な医薬組成物及び予防治療剤若しくはキットを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、関節痛などを生じる関節障害(関節症、関節炎など)を相乗的に有効に予防または治療するのに有用な医薬組成物及び予防治療剤若しくはキットを提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、関節障害の改善とともに、関節の可動範囲を拡げるために有用な医薬組成物及び予防治療剤若しくはキットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ビタミンB類とグリコサミノグリカン類とグルクロン酸及びその誘導体(ラクトンなど)とを組み合わせると、相乗効果により、関節障害(関節痛及び関節炎など)を統計学的に著しく有意に改善できることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明の医薬組成物は、ビタミンB類(フルスルチアミン又はその塩など)とグリコサミノグリカン類(コンドロイチン硫酸又はその塩など)とグルクロン酸類(グルクロン酸又はその塩、アミド、鎖状エステル及びラクトンから選択された少なくとも一種)とを含んでいる。
【0013】
本発明の予防治療剤は、ビタミンB類(フルスルチアミン又はその塩など)とグリコサミノグリカン類(コンドロイチン硫酸又はその塩など)とグルクロン酸類(グルクロン酸又はその塩、アミド、鎖状エステル及びラクトンから選択された少なくとも一種)とを含み、変形性又は炎症性関節障害の予防及び/又は治療に利用できる。予防治療剤は、種々の関節障害、例えば、関節炎又は関節症、変形性関節症、関節機能障害の予防又は治療に有用であり、前記関節障害に起因する関節痛(例えば、関節炎又は関節症における疼痛)を緩和する予防又は治療剤として利用できる。
【0014】
さらに、本発明の医薬組成物及び予防治療剤において、前記成分は群分けされていてもよい。例えば、本発明の医薬組成物及び予防治療剤は、グリコサミノグリカン類を含む製剤群と、グルクロン酸類を含む製剤群とに分離又は群分けされていてもよい。ビタミンB類は、グリコサミノグリカン類を含む製剤群及びグルクロン酸類を含む製剤群の少なくとも一方の製剤群に含有されていてもよく、他の製剤群に含有されていてもよい。
【0015】
本発明の組成物及び予防治療剤において、ビタミンB類は、チアミン又はその塩、若しくはその誘導体又はその誘導体の塩であってもよい。グリコサミノグリカン類は、例えば、ヒアルロン酸又はその塩(ヒアルロン酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩など)、コンドロイチン又はコンドロイチン硫酸若しくはその塩(ナトリウム、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩など)、ヘパリン、ヘパラン硫酸又はその塩(ナトリウム、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩など)などが含まれる。グルクロン酸類は、ウロン酸(グルクロン酸など)又はそのアミド(グルクロン酸アミドなど)、その塩(グルクロン酸塩など)若しくはそのエステル(アルキルエステルなどの鎖状エステル)、その環状エステルであるラクトン(グルクロノラクトンなど)であってもよい。グリコサミノグリカン類の使用量は、ビタミンB類1重量部に対して、0.1〜1500重量部(例えば、0.5〜1000重量部)程度であってもよく、グルクロン酸類の使用量は、ビタミンB類1重量部に対して、0.1〜2000重量部(例えば、0.5〜1000重量部)程度であってもよい。グリコサミノグリカン類とグルクロン酸類との重量割合は、前者/後者=5/95〜95/5(例えば、65/35〜30/70)程度であってもよい。さらに本発明の組成物及び予防治療剤は、他のビタミン類、例えば、ビタミンB類及びビタミンB12類から選択された少なくとも一種を含んでいてもよい。例えば、本発明の組成物及び予防治療剤は、ビタミンB類と、ビタミンB類及び/又はビタミンB12類と、コンドロイチン硫酸又はその塩と、グルクロン酸又はそのアミド、その塩若しくはグルクロノラクトンとを含んでいてもよい。さらに、本発明の組成物及び予防治療剤は、グルコサミン類を実質的に含まなくてもよい。
【0016】
さらに、本発明は、ビタミンB類、グリコサミノグリカン類、及びグルクロン酸類のうち、(1)2つの成分を含む製剤および1つの成分を含む製剤で構成された医薬キット、又は(2)各成分がそれぞれ含まれた3つの製剤で構成された医薬キットも包含する。
【0017】
なお、本明細書において、「医薬組成物」「医薬キット」とは、専らヒトの疾患の予防及び/又は治療に用いる医薬用に限らず、広く栄養補助食品(サプリメントなど)などの用途にも適用できる組成物又はキットを意味し、生理活性組成物又は薬理活性組成物若しくは生理活性又は薬理活性キットということもできる。また、本明細書の「予防治療剤」は、関節組織(人間及び動物の結合組織)の変性又は炎症性関節障害(又は傷害)の予防及び/又は治療に利用できる製剤を意味し、変形性関節症又は関節炎などの関節障害を予防及び/又は治療するための製剤、関節痛改善剤を包含する。また、「予防治療剤」を単に「製剤」という場合がある。「グルクロン酸類」に関し、ラクトンとは、カルボキシル基とヒドロキシル基とが分子内でエステル結合を形成した環状エステル化合物を意味し、鎖状エステルとは、カルボキシル基がエステル化された非環状エステル化合物を意味する。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、ビタミンB類とグリコサミノグリカン類とグルクロン酸類とを組み合わせているため、種々の関節組織の変性又は炎症性関節障害(例えば、変形性関節症、関節炎などの関節障害)の予防及び/又は治療に有用である。また、関節痛の予防又は治療に有用である。さらに、関節障害(関節痛などの起因となる関節症、関節炎など)を有効に改善できるとともに、関節の可動域又は可動範囲を拡げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の組成物及び予防治療剤は、ビタミンB類とグリコサミノグリカン類とグルクロン酸類とを含む。ビタミンB類としては、例えば、チアミン又はその塩(例えば、塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩など)、ビタミンB誘導体(フルスルチアミン、ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン、プロスルチアミンなどのチアミン誘導体又はその塩(塩酸、硝酸、リン酸などの無機酸との塩、例えば、塩酸フルスルチアミン、塩酸ジセチアミンなど))などが例示できる。これらのビタミンB類は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ビタミンB類は、ジスルフィド型チアミン類、例えば、フルスルチアミン、プロスルチアミン、オクトチアミン又はそれらの塩など、特にフルスルチアミン又はその塩を用いる場合が多い。
【0020】
本発明の組成物及び予防治療剤は他の活性成分を含んでいてもよい。活性成分は、例えば、ビタミンB類以外のビタミン類、睡眠鎮静薬、鎮暈薬、解熱薬、鎮痛薬、抗炎症薬、健胃薬、消化薬、制酸薬、制吐薬、鎮咳薬、去たん薬、抗喘息薬、便秘治療薬、下痢治療薬、高脂血症薬、抗狭心症薬、高血圧治療薬、低血圧治療薬、抗動脈硬化薬、抗肥満薬、心不全治療薬、心筋梗塞薬、抗不整脈薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、肝疾患治療薬、甲状腺疾患治療薬、高尿酸血症治療薬、リウマチ治療薬、抗生物質、抗うつ薬、抗アレルギー薬、抗結核薬、前立腺肥大症治療薬、骨粗鬆症治療薬、アルツハイマー病治療薬、カフェイン類、ミネラル類、生薬類などであってもよい。
【0021】
ビタミン類は、水溶性ビタミン類又は脂溶性ビタミン類のいずれであってもよい。ビタミン類は、ビタミンB類及びビタミンB12類から選択された少なくとも1種である場合が多い。
【0022】
ビタミンB類としては、ピリドキシン、ピリドキサールなどのピリドキシン類又はその塩(塩酸ピリドキシンなどの塩酸塩、対応する酢酸塩、リン酸ピリドキサールなどのリン酸塩など)などが例示できる。これらのビタミンB類は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0023】
ビタミンB12類としては、例えば、メコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミンなどのコバラミン類又はその塩(塩酸ヒドロキソコバラミンなどの塩酸塩、酢酸ヒドロキソコバラミンなどの酢酸塩など)などが例示できる。これらのビタミンB12類も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0024】
ビタミン類には、さらに、ビタミンB類(フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビンなどのリボフラビン類など)、ビタミンC類(アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウムなど)、ビタミンA類(酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ビタミンA油など)、ビタミンD類(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなど)、ビタミンE類(肝油、強肝油、d−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、コハク酸d−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、酢酸d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロールなど)、ニコチン酸類(ニコチン酸、ニコチン酸アミドなど)、ビタミンK、パントテン酸類(パンテノール、パントテン酸又はその塩(パントテン酸カルシウムなど))、ビオチン、葉酸、γ−オリザノール、オロチン酸、ヨクイニンなどが挙げられる。
【0025】
これらのビタミン類も単独で又は二種以上組み合わせて使用でき、複合ビタミン剤であってもよい。複合ビタミン剤は、例えば、ビタミンB12配合剤、ビタミンB12配合剤、ビタミンB12E配合剤、ビタミンBC・ニコチン酸・パントテン酸配合剤、ビタミンB12・ニコチン酸・パントテン酸配合剤、ビタミンB12E・パントテン酸配合剤などであってもよい。
【0026】
グリコサミノグリカン類としては、例えば、ヒアルロン酸又はその塩(ヒアルロン酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩など)、コンドロイチン又はコンドロイチン硫酸若しくはその塩(ナトリウム、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩など)、ヘパリン、ヘパラン硫酸又はその塩(ナトリウム、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩など)などが含まれる。これらのグリコサミノグリカン類は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0027】
好ましいグリコサミノグリカン類は、ヒアルロン酸又はその塩(ヒアルロン酸ナトリウムなど)、コンドロイチン硫酸又はその塩(コンドロイチン硫酸ナトリウムなど)、特にコンドロイチン硫酸又はその塩である。
【0028】
グリコサミノグリカン類の使用量は、ビタミンB類1重量部に対して、0.1〜1500重量部(例えば、0.5〜1000重量部)、好ましくは1〜500重量部(例えば、2〜200重量部)、さらに好ましくは5〜50重量部(例えば、6〜15重量部)程度である。また、医薬組成物及び予防治療剤がさらに他の活性成分(他のビタミン類など)を含む場合、グリコサミノグリカン類の使用量は、活性成分(他のビタミン類など)の種類に応じて、ビタミンB類を含む活性成分の総量(又はビタミン類の総量)1重量部に対して、0.1〜1000重量部(例えば、1〜500重量部)、好ましくは2〜300重量部(例えば、3〜200重量部)、さらに好ましくは5〜100重量部(例えば、6〜50重量部)程度であってもよい。活性成分がビタミンB類及びビタミンB12類である場合、グリコサミノグリカン類の使用量は、例えば、ビタミンB類1重量部に対して0.1〜1000重量部(例えば、0.5〜500重量部)、好ましくは1〜300重量部(例えば、5〜200重量部)、さらに好ましくは10〜100重量部(例えば、20〜60重量部)程度であってもよく、ビタミンB12類1重量部に対して50〜1200000重量部(例えば、100〜1000000重量部)、好ましくは500〜100000重量部(例えば、1000〜50000重量部)、さらに好ましくは5000〜20000重量部(例えば、10000〜16000重量部)程度であってもよい。
【0029】
グルクロン酸類としては、グルクロン酸とその誘導体、例えば、グルクロン酸塩、グルクロン酸アミド、鎖状エステルおよびグルクロノラクトンから選択された少なくとも一種が使用できる。これらのグルクロン酸類の作用はグルクロン酸の作用と等価である。グルクロン酸塩としては、金属塩、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩など;アンモニウム塩;アミン塩などが例示できる。グルクロン酸アミドは、グルクロン酸とアンモニアとの反応により生成できる。鎖状エステルとしては、アルキルエステル、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、t−ブチルエステルなどのC1−10アルキルエステル(例えば、C1−6アルキルエステルなど)などが例示できる。グルクロノラクトンとしては、δ−D−グルクロノラクトン、γ−D−グルクロノラクトンなどが例示できる。これらのグルクロン酸類は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいグルクロン酸類は、グルクロン酸、グルクロン酸アミド、およびグルクロノラクトンから選択された少なくとも一種、例えば、グルクロノラクトンである。
【0030】
なお、グルクロン酸類は合成してもよく市販品(例えば、グルクロノラクトンは住友化学(株)から入手できる)をそのまま用いてもよい。また、グルクロン酸類は、ハンマーミルなどの粉砕機で粉砕処理し、適度な粒度、例えば、平均粒子径として5〜1000μm、好ましくは10〜500μm(例えば15〜200μm)、さらに好ましくは20〜100μm(例えば、20〜80μm)程度に調整して用いてもよい。
【0031】
グルクロン酸類の使用量は、ビタミンB類1重量部に対して、通常0.1〜2000重量部(例えば、0.5〜1000重量部)、好ましくは1〜500重量部(例えば、1〜200重量部)、さらに好ましくは2〜20重量部(例えば、5〜15重量部)程度であってもよい。また、医薬組成物及び予防治療剤がさらに他の活性成分(他のビタミン類など)を含む場合、グルクロン酸類の使用量は、活性成分(他のビタミン類など)の種類に応じて、ビタミンB類を含む活性成分の総量(又はビタミン類の総量)1重量部に対して、0.01〜10000重量部(例えば、0.1〜5000重量部)程度の範囲から選択でき、通常、1〜1000重量部(例えば、3〜500重量部)、好ましくは5〜300重量部(例えば、6〜100重量部)、さらに好ましくは7〜70重量部(例えば、8〜50重量部)程度であってもよい。活性成分がビタミンB類及びビタミンB12類である場合、グルクロン酸類の使用量は、例えば、ビタミンB類1重量部に対して、通常1〜500重量部(例えば、1〜300重量部)、好ましくは2〜200重量部(例えば、4〜150重量部)、さらに好ましくは10〜100重量部(例えば、30〜70重量部)程度であってもよく、ビタミンB12類1重量部に対して、通常50〜1500000重量部(例えば、100〜1000000重量部)、好ましくは1000〜100000重量部(例えば、5000〜50000重量部)、さらに好ましくは10000〜20000重量部(例えば、12000〜18000重量部)程度であってもよい。
【0032】
グルクロン酸類とグリコサミノグリカン類との重量割合は、前者/後者=5/95〜95/5(例えば、10/90〜90/10)程度の範囲から選択でき、通常、15/85〜85/15程度である場合が多い。また、グルクロン酸類とグリコサミノグリカン類との重量割合は、前者/後者=35/65〜75/25(例えば、40/60〜70/30)、好ましくは45/55〜65/35(例えば、50/50〜60/40)程度であってもよい。
【0033】
本発明の医薬組成物は、さらに、グルコサミン類(グルコサミン又はその塩、例えば、塩酸グルコサミンなど)を含んでいてもよいが、実質的に含まない場合が多い。グルコサミン類の含有量は、グルクロン酸類100重量部に対して0〜100重量部(好ましくは0〜50重量部、特に0〜20重量部)程度の範囲であってもよい。
【0034】
本発明の医薬組成物は、ビタミンB類とグリコサミノグリカン類とグルクロン酸類とを組み合わせているため、関節組織の変性又は炎症性関節障害(例えば、変形性関節症、関節炎などの関節障害)を統計学的に高い有意差で相乗的に改善できる。すなわち、ビタミンB類とコンドロイチン硫酸ナトリウムとの併用投与群と、グルクロノラクトンの単独投与群とでは、ウサギのモデル系において、大腿骨関節軟骨及び脛骨関節軟骨の傷害抑制作用が危険率1%の有意差検定において統計学的に有意に認められない。これに対して、ビタミンB類とコンドロイチン硫酸ナトリウムとグルクロノラクトンとを併用して投与すると、危険率1%の有意差検定において、関節軟骨の傷害抑制作用について明確に予防及び/又は治療効果が認められ、その効果は相乗的である。また、総合的評価(病理組織学的評価)においても、大きな有意差で本発明の医薬組成物の効果が認められる。なお、実施例で示すのと同様に、ウサギの膝関節半月板部分切除による実験的変形性関節症モデルを用い、関節軟骨変性抑制作用を組織学的に評価した試験の結果、グルクロン酸類に代えてグルコサミンを用い、ビタミンB類とグリコサミノグリカン類と組み合わせて投与しても、危険率5%の有意差検定においても統計学的に有意差が認められなかった。
【0035】
本発明の組成物は、種々の製剤の形態、例えば、固形製剤(散剤、細粒又は顆粒剤、丸剤、錠剤(素錠又は裸錠)、カプセル剤、フィルムコーティングされた細粒又は顆粒剤、フィルムコーティング錠(糖衣錠)などのフィルムコーティング剤など)、液状製剤(液剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、ドリンク剤など)及び半固形製剤(クリーム剤、ゼリー剤、軟膏剤、ゲル剤、パップ剤など)の形態で提供できる。さらに、本発明の組成物は、経口投与製剤(内用剤など)であってもよく、非経口投与製剤(貼付剤などの外用剤など)で提供できる。
【0036】
なお、グリコサミノグリカン類とグルクロン酸類(例えば、グルクロノラクトンなど)とを併用すると、製剤が経時的に変色し製剤品質及び経時安定性を低下させる場合がある。また、これらの成分の使用量は、通常、比較的多い。このような場合、製剤(固形製剤など)は、グリコサミノグリカン類とグルクロン酸類との接触を抑制するため、これらの複数の成分を群分け、すなわち、グリコサミノグリカン類を含む群と、グルクロン酸類を含む群とに群分けされた形態で含有するのが好ましい。群分けの形態は、介在又は分離成分により前記複数の成分を分離して直接的接触が抑制される限り特に制限されず、例えば、粉状、粒状(例えば、顆粒状)の形態、層状の形態などであってもよい。群分けは、通常、複数の成分のうち少なくとも1つの成分を担体成分で製剤化(例えば、造粒などにより顆粒化)及び/又はコーティングすることにより行うことができ、他の成分は粉末状などの形態であってもよい。通常、グリコサミノグリカン類を担体成分で製剤化した製剤群(造粒末群、例えば、顆粒又は整粒末群など)と、グルクロン酸類を担体成分で製剤化した製剤群(造粒末群、例えば、顆粒又は整粒末群など)とを形成して群分けする場合が多い。また、双方の製剤群を1つの投与形態に製剤化することにより群分け製剤が調製される。なお、グリコサミノグリカン類(コンドロイチン硫酸ナトリウムなど)を含む固形製剤(錠剤など)は、高湿度下で保存すると、吸湿などにより膨張し、固形製剤(錠剤など)に割れや変形を生じ、保存安定性を低下させる場合がある。このような場合でも、グリコサミノグリカン類を造粒して造粒物(顆粒又は整粒末など)などの形態で群分けし、グルクロン酸類を含む成分と混合して製剤化すると、高湿度下(例えば、低温高湿度下)で保存しても固形製剤の割れや変形を有効に防止できる。
【0037】
なお、ビタミンB類は、グリコサミノグリカン類を含む群及びグルクロン酸類を含む群の少なくとも一方の群に含有させてもよく、グリコサミノグリカン類を含む群(製剤群)及びグルクロン酸類を含む群(製剤群)とは別の他の群(製剤群)に含有させてもよい。これらの複数の群を含む固形製剤は、散剤又は顆粒剤であってもよく、前記複数の群と、必要により担体成分と混合した混合物を打錠した錠剤であってもよい。
【0038】
さらに、ビタミンB類を含む複数の活性成分が直接的接触により変色又は着色したり失活(含量低下)する場合、複数の活性成分は直接的な接触を抑制するため群分けするのが好ましい。例えば、ビタミンB類とビタミンB12類とを共存させると、含量低下をもたらす。そのため、ビタミンB類とビタミンB12類とは群分けするのが好ましい。また、ビタミンB類、ビタミンB類及びビタミンB12類を用いる場合、各ビタミン群(ビタミンB類の群、ビタミンB類の群及びビタミンB12類の群)に群分けしてもよく、ビタミンB類群及び/又はビタミンB12類群にはビタミンB類を含有させてもよい。なお、ビタミンB類はビタミンB12類と組み合わせても変色(着色)や含量低下がない。そのため、ビタミンB類はビタミンB12類群に含有させる場合が多い。
【0039】
担体成分としてグリコサミノグリカン類とグルクロン酸類とを用い、ビタミン類としてビタミンB類と他のビタミン類(ビタミンB類及び/又はビタミンB12類)とを用いる場合、ビタミンB類及び/又はビタミンB12類とグリコサミノグリカン類とを含む群(例えば、造粒又は整粒末群)と、ビタミンB類及び/又はビタミンB類とグルクロン酸類とを含む群(例えば、造粒又は整粒末群)とに分離するのが好ましい。また、固形製剤は、分離された複数の群(造粒末群など)を含む固形製剤、例えば、前記複数の群(造粒末群など)を含み、必要により担体成分と混合し、混合物を打錠した錠剤の形態であってもよい。
【0040】
固形製剤において、担体成分又は添加剤としては、通常、賦形剤、結合剤及び崩壊剤のうち少なくとも一種を使用する場合が多い。賦形剤としては、例えば、D−マンニトール、D−ソルビトール、エリスリトール、キシリトールなどの糖アルコール、乳糖、ブドウ糖、果糖、白糖、粉末還元麦芽糖水アメなどの糖類、結晶セルロース、粉末セルロース、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、デキストリン、βーシクロデキストリン、カルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素、沈降性炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、乳酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、タルク、カオリンなどが例示できる。結合剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ビニルピロリドン共重合体(コポリビドン)、アクリル酸系高分子、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、アルファー化デンプン、カンテン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、白糖などが例示できる。崩壊剤としては、例えば、カルメロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム(カルメロースカルシウム)、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、クロスポビドン、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、部分アルファー化デンプン、アルギン酸、ベントナイトなどが例示できる。
【0041】
他の担体成分又は添加剤としては、滑沢剤(ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、硬化油、ポリエチレングリコール、ジメチルポリシロキサン、ミツロウ、サラシミツロウなど);抗酸化剤(ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、クエン酸など);保存剤(パラオキシ安息香酸エステル類など);着色剤(ウコン抽出液、リボフラビン、カロチン液、タール色素、カラメル、酸化チタン、ベンガラなど);矯味剤(アスパルテームなどの甘味料、アスコルビン酸、ステビア、メントール、カンゾウ粗エキス、単シロップなど);界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタン脂肪酸エステル(モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタンなど)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリソルベート類、ラウリル硫酸ナトリウム、マクロゴール類、ショ糖脂肪酸エステルなど);流動化剤(軽質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素など);可塑剤(クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、トリアセチン、セタノールなど);甘味剤(ショ糖、マンニトール、D−ソルビトール、キシリトール、アスパルテームなどの天然又は合成甘味剤);着香剤(メントールなど);吸着剤、防腐剤、湿潤剤、帯電防止剤などが挙げられる。なお、賦形剤として還元麦芽糖(粉末還元麦芽糖水アメ)を用いると、吸湿性が低いため、グリコサミノグリカン類を含んでいても固形製剤の変形や割れを防止できるとともに、成形性も向上できる。
【0042】
グルクロン酸類(例えば、グルクロノラクトンなど)及びグリコサミノグリカン類は固形製剤の担体成分、特に崩壊剤として機能させることができるとともに、賦形剤として機能させることもできる。しかも、グルクロン酸類(例えば、グルクロノラクトンなど)は固形製剤の崩壊性を改善する。特に、グルクロン酸類(例えば、グルクロノラクトンなど)とグリコサミノグリカン類とを組み合わせて含有させると、固形製剤の崩壊性をさらに改善できる。そのため、固形製剤は実質的に崩壊剤を含まなくてもよいが、必要であれば崩壊剤(クロスポピドン、クロスカルメロースナトリウムなど)を含んでいてもよい。崩壊剤の使用量は、コーティング剤を除く製剤成分全体(活性成分及び担体成分の総量)に対して0〜20重量%程度の範囲から選択でき、通常、0〜15重量%、好ましくは0.5〜12重量%、さらに好ましくは1〜10重量%(例えば、3〜6重量%)程度であってもよい。
【0043】
コーティング剤で被覆されたコーティング製剤(例えば、コーティング錠)において、コーティング基剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、コポリビドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体、マクロゴールなどの水溶性基剤、エチルセルロースなどの水不溶性基剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、メタクリル酸コポリマー、アクリル酸コポリマー、カルボキシビニルポリマーなどの腸溶性基剤、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、ポリビニルアセタートジエチルアミノアセテートなどの胃溶性基剤、アラビアゴム、プルラン、カルナウバロウ、セラック、マクロゴール類、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウムなどが例示できる。これらのコーティング基剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、コーティング層は一層又は複数層に形成してもよい。好ましいコーティング基剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン系重合体(ポビドン、コポリビドンなど)である。
【0044】
コーティング剤は、さらに必要に応じて、充填剤、滑沢剤、隠蔽剤、可塑剤、着色剤などの添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、タルク、沈降炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、酸化チタン、マクロゴール6000、コポリビドン、トリアセチン、クエン酸トリエチル、グリセリン、プロピレングリコール、リボフラビン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黄色5号アルミニウムレーキなどが挙げられる。これらの添加剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0045】
コーティング剤に添加する滑沢剤としては、外観の経時的安定性の観点から、タルクが好ましい。添加剤(タルクなど)の含有量は、固形分換算で、コーティング剤中、通常、1〜30重量%(例えば、3〜25重量%)、好ましくは5〜20重量%(例えば、10〜15重量%)程度である。
【0046】
コーティング量は、未コーティング製剤(素顆粒、素錠など)に対して1重量%以上(例えば、1〜50重量%)、好ましくは2〜20重量%(例えば、3〜18重量%)、さらに好ましくは5〜15重量%(例えば、6〜12重量%)程度である。
【0047】
固形製剤は慣用の方法で製造できる。前記活性成分(ビタミンB類、グリコサミノグリカン類及びグルクロン酸類)と担体成分とを混合して粉剤を調製してもよく、通常、活性成分と担体成分とを造粒し、必要により造粒物を整粒して粒剤(細粒剤又は顆粒剤)を調製するか、又は造粒物を含む混合物(特に、造粒物と担体成分との混合物)を打錠することにより裸錠を調製できる。カプセル剤は前記粒剤をカプセルに充填することにより調製できる。
【0048】
造粒は、慣用の方法、例えば、撹拌造粒法、流動層造粒法、押出造粒法、乾式造粒法などで行うことができる。好ましい造粒法は流動層造粒法である。造粒においては、活性成分と担体成分とを、結合剤を含む溶液を用いて造粒する場合が多く、例えば、活性成分と担体成分との流動層に結合剤を含む溶液を噴霧することにより造粒できる。コーティング製剤は、フィルムコーティング機を用いて、コーティング基剤を含有するコーティング剤を未コーティング製剤(素顆粒、素錠など)に噴霧することにより得ることができる。
【0049】
液状製剤において、担体成分としては、水性媒体(精製水、エタノール含有精製水など)、アルコール類(エタノール、グリセリンなど)、水溶性高分子などが利用できる。担体成分としては、精製水、エタノール含有精製水などを用いる場合が多い。半固形製剤の担体成分としては、油性基剤(植物油などの脂質、ワセリン、流動パラフィンなど)、親水性基剤(乳剤性基剤)などが利用できる。また、添加剤としては、崩壊助剤、抗酸化剤又は酸化防止剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、溶解補助剤、増粘剤、pH調整剤又は緩衝剤、防腐剤又は保存剤(パラベン類など)、殺菌剤又は抗菌剤、帯電防止剤、矯味剤又はマスキング剤(例えば、甘味剤など)、清涼化剤、着色剤、矯臭剤又は香料などが挙げられる。
【0050】
液状製剤は、各成分を担体成分に溶解又は分散させ、必要により濾過又は滅菌処理し、所定の容器に充填することにより調製できる。半固形製剤も慣用の方法、例えば、各成分と担体成分とを混合し、必要により滅菌処理し、所定の容器に充填したり、基材に塗布することにより調製できる。なお、液状製剤及び半固形製剤も、グリコサミノグリカン類とグルクロン酸類との接触を抑制するため、群分けの形態を有していてもよい。例えば、各成分を個別の容器又は分画された室内に収容又は充填してもよい。
【0051】
本発明の医薬キットは、ビタミンB類、グリコサミノグリカン類、及びグルクロン酸類のうち、(1)2つの成分を含む製剤(又は製剤を収容又は包装する包装形態)および1つの成分を含む製剤(又は製剤を収容又は包装する包装形態)で構成されたキット、又は(2)各成分をそれぞれ含む3つの製剤(又は3つの製剤をそれぞれ個別に収容又は包装する包装形態)で構成されたキットであってもよい。前記キット(1)において、複数の成分を含む製剤では、前記のように群分けされていてもよい。例えば、キットは、グリコサミノグリカン類を含む製剤(投与形態)を収容又は包装する第1の要素(第1の包装形態)と、グルクロン酸類を含む製剤(投与形態)を収容又は包装する第2の要素(第2の包装形態)とを含み、ビタミンB類は、グリコサミノグリカン類を含む製剤及びグルクロン酸類を含む製剤の少なくとも一方の製剤に含有されていてもよい。
【0052】
本発明の組成物及び製剤若しくはキットは、哺乳類(ヒト、犬、猫、豚、馬、牛、ウサギ、ラット、鳥類など)に適用でき、ヒトに投与するのに適している。本発明の組成物及び製剤の投与量は、症状の程度、年齢、性別、体重、投与経路などに応じて選択でき、ビタミンB類の単位投与量は、例えば、1〜300mg(例えば、10〜250mg)、好ましくは50〜200mg、さらに好ましくは75〜150mg程度であってもよい。また、複数のビタミン類を含むビタミン製剤を投与する場合、ビタミン類の含量は、製剤全体に対して0.01〜80重量%程度の範囲から選択でき、通常、0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%程度であってもよい。ビタミン類の投与量は、1日あたり、0.01〜500mg、好ましくは0.1〜300mg(例えば、0.5〜250mg)、さらに好ましくは1〜200mg(例えば、5〜150mg)程度であってもよい。例えば、ビタミン製剤において、ビタミンB類の単位投与量は、1〜100mg(例えば、5〜50mg、好ましくは10〜30mg)程度であってもよく、ビタミンB12類の単位投与量は、0.001〜2mg(例えば、0.01〜0.5mg、好ましくは0.03〜0.1mg)程度であってもよい。
【0053】
グリコサミノグリカン類の単位投与量は、例えば、1〜10000mg程度の範囲から選択でき、通常、10〜5000mg(例えば、50〜3000mg)、好ましくは100〜2500mg、さらに好ましくは300〜2000mg、特に500〜1500mg程度であってもよい。さらに、グルクロン酸類の単位投与量は、例えば、1〜15000mg程度の範囲から選択でき、通常、10〜7000mg(例えば、50〜5000mg)、好ましくは100〜2500mg、さらに好ましくは200〜2000mg、特に500〜1500mg程度であってもよい。
【0054】
本発明の組成物及び製剤は、1日当たり1回又は複数回(例えば、2〜6回)に分けて投与できる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の組成物及び製剤若しくはキットは、ビタミンB類、グリコサミノグリカン類、グルクロン酸類の活性を利用して、関節組織(人間及び動物の結合組織)の変性又は炎症性関節障害を予防又は治療するのに有用である。前記関節障害は内因的障害又は外傷や薬剤などによる外因的障害であってもよく、関節障害には、軟骨損傷由来疾病、例えば、関節炎(骨関節炎など)、関節症(変形性関節症など)なども含まれる。そのため、本発明の組成物は、関節痛を生じる関節炎、変形性関節症などの関節障害の予防または治療に有効な医薬製剤として利用できる。より具体的には、本発明の組成物及び製剤は、例えば、関節(例えば、首(頸椎)、背中、腕(肘)、腰、膝、足首など)、特に関節軟骨が主に侵される関節疾患(罹患部位の関節およびその周囲の組織の肥大を伴う疾患など)の予防又は治療、これらの関節疾患により生じる関節痛の予防又は治療に有用である。また、関節組織の疾患を予防又は治療するのに有効であるため、関節の可動域又は可動範囲を拡げることもできる。
【実施例】
【0056】
以下に、試験例及び実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0057】
試験例1
フルスルチアミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びグルクロノラクトンの併用経口投与による軟骨変性抑制作用について、ウサギの膝関節半月板部分切除による実験的変形性関節症モデルを用いて検討した。試験には14〜15週齢の雄性ウサギ(Kbl:JW、北山ラベス株式会社)32羽を使用した。動物を1群8羽の4群に分け、下記の群構成で被験薬を4週間経口投与した。なお、被験薬は純水を用いて懸濁し、直近に測定した各個体の体重を基準に8mL/kgの投与液量で強制経口投与した。
【0058】
[被験薬群の構成]
グルクロノラクトン(被験物質A)、コンドロイチン硫酸ナトリウム(被験物質B)、フルスルチアミン塩酸塩(被験物質C)を用い、被験薬群として、被験薬1(被験物質A単独)投与群、被験薬2(被験物質B+C)投与群及び被験薬3(被験物質A+B+C)投与群の3群、および媒体(純水)投与の対照群を加え、計4群を用いた。詳細は以下の通りである。
【0059】
【表1】

【0060】
[投与量設定の根拠]
コンドロイチン硫酸ナトリウム及びフルスルチアミン塩酸塩の投与量は、下記文献1(小林らの同種試験の報告)を参考に設定した。グルクロノラクトンの投与量は、本試験に先行して実施の予備的検討(ウサギ膝関節半月板部分切除による実験的変形性関節症に対するグルクロノラクトン等経口投与の作用)で、グルクロノラクトン2用量(200mg/kg/日及び1000mg/kg/日)とコンドロイチン硫酸ナトリウム(800mg/kg/日)及びフルスルチアミン塩酸塩(109.16mg/kg/日)の組み合わせの試験結果から、軟骨変性抑制作用を認めた1000mg/kg/日の投与量を選択した。
【0061】
[変形性関節症モデルの作製]
下記文献2(舘田らの方法)及び文献3(野地らの方法)を参考に、ウサギの半月板部分切除変形性関節症モデルを作製した。塩酸ケタミン及びキシラジンによる併用麻酔下で、ウサギの外側側副靭帯及び膝窩筋起始部の腱を切断し、外側半月板のほぼ中央部を1.5−2.0 mm切除した。
【0062】
[膝関節の摘出・固定]
関節液の採取後、左側膝関節部位の大腿骨顆部及び脛骨顆部を摘出し、摘出組織を0.5%セチルピリジニウムクロライド含有10%中性緩衝ホルマリン液にて固定した。
【0063】
[傷害面積の計測]
大腿骨と脛骨の関節軟骨組織病変の発現範囲(傷害面積)をトレースし、画像処理ソフトを用いて傷害面積を算出した。なお、計測時に主観が入ることを避けるため、盲検化を行って実施した。
【0064】
[病理組織標本作製]
下記文献3(野地らの方法)に従い大腿骨及び脛骨関節軟骨の病理組織標本を作製した。
【0065】
10%EDTA液(pH7.4)で脱灰後,大腿骨及び脛骨の関節軟骨傷害部位のパラフィン切片を作製し,サフラニンO染色(サフラニンO,ファストグリーン及び鉄ヘマトキシリン重染色)を行った。関節軟骨病変の評価(病理組織学的検査)は、下記文献4[コロンボら(Colombo et al.)]及び文献5[菊池ら(Kikuchi et al.)]の評価基準を基にした評価基準でスコア化し評価した。なお、全ての計測は主観が混入する可能性を排除するため、盲検化を行って実施した。
【0066】
[統計処理]
傷害面積及び病理組織学的検査における評価項目の合計評点について、各群で平均値及び標準誤差を算出した。有意差検定は、対照群と各被験薬投与群との間で実施した。
【0067】
傷害面積については、Bartlett法により等分散性の検定を行い、等分散の場合は更に一元配置分散分析を行い、有意な場合はDunnett法により平均値の比較をおこなった。不等分散の場合はKruskal-WallisのH検定を行い、有意な場合はDunnett法により平均順位の比較を行った。有意水準はBartlett法、一元配置分散分析及びKruskal-WallisのH検定では危険率5%とした。Dunnett法では危険率5%及び1%とした。病理組織学的検査における評価項目の合計評点については、Mann-WhitneyのU検定を行った。有意水準は危険率5%及び1%とした。
【0068】
文献1:Kobayashi T, Notoya K, Nakamura A, Akimoto K. Fursultiamine, a vitamin B1 derivative, enhances chondroprotective effects of glucosamine hydrochloride and chondroitin sulfate in rabbit experimental osteoarthritis. Inflamm Res 2005; 54: 249-55
文献2:舘田智昭,永峯春代,岩館克治,中村亨 表題「ウサギの実験的変形性関節症(OA)モデルおよび固定関節拘縮(PS)モデルにおけるヒアルロン酸ナトリウム製剤(ME3710)の薬効薬理試験」「薬理と治療」1995;23:833−41
文献3:野地裕美,八木直美,小田康弘,岩館克治,田元浩一,関川彬 表題「室温保存可能な新規高分子ヒアルロン酸ナトリウム製剤の生物学的同等性試験」「薬理と治療」2005;33:303−12
文献4:Colombo C, Butler M, O’Byrne E, Hickman L, Swartzendruber D, Selwyn M, Steinetz B. A new model of osteoarthritis in rabbits. I. Development of knee joint pathology following lateral meniscectomy and section of the fibular collateral and sesamoid ligaments. Arthritis Rheum 1983; 26: 875-86
文献5:Kikuchi T, Yamada H, Shinmei M. Effect of high molecular weight hyaluronanon articular cartilage degeneration in a rabbit model of osteoarthritis. Osteoarthritis and Cartilage 1995; 4: 99-110。
【0069】
結果を図1〜図5に示す。図1〜図4は関節軟骨傷害面積に対する作用を示すグラフであり、図1は大腿骨関節軟骨傷害面積(凹部)と被験薬との関係を示すグラフ、図2は大腿骨関節軟骨傷害面積(白色粗造部)と被験薬との関係を示すグラフ、図3は脛骨関節軟骨傷害面積(凹部)と被験薬との関係を示すグラフ、図4は脛骨関節軟骨傷害面積(白色粗造部)と被験薬との関係を示すグラフである。図5は関節軟骨傷害抑制作用を、病理組織学的検査における評価項目の合計評点で表した結果を示すグラフである。
【0070】
なお、図1〜図4において、いずれも各値は平均±標準誤差を示し(n=8)、Dunnettの多重比較において、対照群と比較して有意差を示している(*:p<0.05,**:p<0.01)。また、図5において、各値は平均±標準誤差を示し(n=8)、Mann-WhitneyのU検定において、対照群と比較して有意差を示している(*:p<0.05)。
【0071】
上記試験例1の結果から、実験的変形性関節症モデルにおいて、グルクロノラクトン、フルスルチアミン塩酸塩及びコンドロイチン硫酸ナトリウムの組合せによる関節軟骨傷害抑制作用は、グルクロノラクトン単独あるいはフルスルチアミン塩酸塩とコンドロイチン硫酸ナトリウム併用のいずれに対しても優れており、その作用は相乗的であった。
【0072】
製剤例1
流動層造粒機(FD−3S型、パウレック(株))にフルスルチアミン塩酸塩218.32g、コンドロイチン硫酸ナトリウム1600g、粉末還元麦芽糖水アメ419.56gを加え、0.04重量%シアノコバラミン溶液を300g噴霧した後、8重量%ヒドロキシプロピルセルロースの水溶液600gを噴霧して造粒後、粉砕(パワーミル、昭和化学機械(株))してT群整粒末を得た。次に流動層造粒機(FD−3S型、パウレック(株))にピリドキシン塩酸塩40gとグルクロノラクトン(市販品を平均粒子径約35μm、粒度範囲23.8〜52.6μmに粉砕した粉砕物、以下同じ)2000gと粉末還元麦芽糖水アメ142gとを加え、8重量%ヒドロキシプロピルセルロースの水溶液850gを噴霧して造粒後、粉砕(パワーミル、昭和化学機械(株))してB群整粒末を得た。T群整粒末2057.4g及びB群整粒末2025gにクロスポビドン162g、ステアリン酸マグネシウム21.6gを加えて混合し、得られた混合末をロータリー式打錠機で直径9.5mmの臼、局率半径8mmのR面杵にて製錠し、素錠(1錠当たりの重量395mg、厚み5.5mm)を得た。
【0073】
上記素錠3500gに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5MW)360g、タルク45g、酸化チタン45g、黄色三二酸化鉄0.938gを精製水4050gに溶解・懸濁したコーティング液を用い、コーティング機(DRC−500型、パウレック)にて素錠重量に対して10重量%コーティングし、フィルムコーティング錠を得た。
【0074】
製剤例2
製剤例1と同様にしてT群整粒末を得た。次に流動層造粒機(FD−3S型、パウレック(株))にピリドキシン塩酸塩40gとグルクロノラクトン2000gに粉末還元麦芽糖水アメ316gを加え、8重量%ヒドロキシプロピルセルロースの水溶液925gを噴霧して造粒後、粉砕(パワーミル、昭和化学機械(株))してB群整粒末を得た。T群整粒末2057.4g、B群整粒末2187gにステアリン酸マグネシウム21.6gを加えて混合して混合し、製剤例1と同様にして素錠及びフィルムコーティング錠を得た。
【0075】
製剤例3
製剤例1と同様にして得られたT群整粒末2057.4g及びB群整粒末2025gにクロスカルメロースナトリウム162g、ステアリン酸マグネシウム21.6gを加えて混合し、得られた混合末をロータリー式打錠機で打錠する以外、製剤例1と同様にして、素錠およびフィルムコーティング錠を得た。
【0076】
なお、製剤例1〜3で得られた固形製剤(フィルムコーティング錠)について、初期と40℃で6ヶ月保存後の崩壊性を、崩壊試験法(一般試験法 日本薬局方第15改正)の即効性錠剤に準じて試験した。
【0077】
その結果、崩壊剤としてクロスポビドンを用いた製剤例1では崩壊時間が初期で29.7分、40℃6ヶ月後で30.7分であり、崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウムを用いた製剤例3では崩壊時間が初期で34.2分、40℃6ヶ月後で32.8分であった。また、崩壊剤を含まない製剤例2でも初期で31.0分、40℃6ヶ月後で31.6分であり、高い崩壊性を示した。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は試験例における大腿骨関節軟骨傷害面積(凹部)と被験薬との関係を示すグラフである。
【図2】図2は試験例における大腿骨関節軟骨傷害面積(白色粗造部)と被験薬との関係を示すグラフである。
【図3】図3は試験例における脛骨関節軟骨傷害面積(凹部)と被験薬との関係を示すグラフである。
【図4】図4は試験例における脛骨関節軟骨傷害面積(白色粗造部)と被験薬との関係を示すグラフである。
【図5】図5は試験例における関節軟骨傷害抑制作用を、病理組織学的検査における評価項目の合計評点で表した結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンB類、グリコサミノグリカン類およびグルクロン酸類を含有する医薬組成物。
【請求項2】
フルスルチアミン又はその塩と、コンドロイチン硫酸又はその塩と、グルクロン酸又はその塩、そのアミド、その鎖状エステル及びそのラクトンから選択された少なくとも一種とを含む請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
ビタミンB類、グリコサミノグリカン類およびグルクロン酸類を含有する、変形性又は炎症性関節障害の予防治療剤。
【請求項4】
フルスルチアミン又はその塩と、コンドロイチン硫酸又はその塩と、グルクロン酸又はその塩、アミド、鎖状エステル及びラクトンから選択された少なくとも一種とを含む請求項3記載の予防治療剤。
【請求項5】
関節炎又は関節症の予防治療剤である請求項3又は4記載の予防治療剤。
【請求項6】
変形性関節症の予防治療剤である請求項3〜5のいずれかに記載の予防治療剤。
【請求項7】
関節機能障害の予防治療剤である請求項3〜6のいずれかに記載の予防治療剤。
【請求項8】
関節痛の予防治療剤である請求項3〜7のいずれかに記載の予防治療剤。
【請求項9】
関節炎又は関節症における疼痛を緩和する請求項3〜8のいずれかに記載の予防治療剤。
【請求項10】
グリコサミノグリカン類を含む製剤群と、グルクロン酸類を含む製剤群とに分離され、ビタミンB類が、グリコサミノグリカン類を含む製剤群及びグルクロン酸類を含む製剤群の少なくとも一方の製剤群又は他の製剤群に含有されている請求項3〜9のいずれかに記載の予防治療剤。
【請求項11】
ビタミンB類、グリコサミノグリカン類、及びグルクロン酸類のうち、(1)2つの成分を含む製剤および1つの成分を含む製剤、又は(2)各成分をそれぞれ含む3つの製剤で構成された医薬キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−37302(P2010−37302A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204339(P2008−204339)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】