説明

医薬組成物

【課題】イブプロフェン等の2−アリールプロピオン酸誘導体の速効性を向上させ、短時間で十分な薬効を発現させることができる医薬組成物を提供する。
【解決手段】(A)2−アリールプロピオン酸誘導体と、(B)補酵素A及び/又は酸化型補酵素Aとを含有する医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イブプロフェン等の2−アリールプロピオン酸誘導体の速効性に優れた医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発熱や頭痛、筋肉痛等の改善に対しては、症状の改善と同時に速効性が強く求められている。イブプロフェン等の非ステロイド性抗炎症薬の薬効は、特に速効性において個人差が大きい場合があり、必ずしも十分でなかった。このため、投与直後では十分な薬効を発現していない状況を改善し、できるだけ短時間で最大効果を発現させることが求められている。
【0003】
ところで、イブプロフェンは、通常ラセミ体であり、光学異性体(S体,R体)が各50%の割合で存在し、そのうち有効性を発揮するのはエナンチオマー(S)−(+)体(dexibuprofen)である。市販のイブプロフェン(ラセミ体)が生体内に入ると、おそらくは細胞内の異性化酵素が作用し、(R)−(−)体は活性型の(S)−(+)体に変換される。このため、投与されたイブプロフェンは49〜73%が有効成分として働く。しかしながら、このような異性化酵素による変換活性には、一般的に個人差があるため、薬剤効果の発現速度には個体差が生じる。なお、異性化酵素の詳細は明らかでない。
【0004】
一方、補酵素A(CoA)は、殆どの生合成経路に関連する、生物学的に重要な化合物であるが、特に腸管での安定性に課題があった。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては下記のものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−302621号公報
【特許文献2】特開2007−022923号公報
【特許文献3】特開2006−298911号公報
【特許文献4】特開2003−313145号公報
【特許文献5】特表2009−502968号公報
【特許文献6】特表2001−523221号公報
【特許文献7】再表2004/066988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、イブプロフェン等の2−アリールプロピオン酸誘導体の速効性を向上させ、短時間で十分な薬効を発現させることができる医薬組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、イブプロフェン等の2−アリールプロピオン酸誘導体を含む医薬組成物に、補酵素A及び/又は酸化型補酵素Aを配合することで、鎮痛効果の発現が促進されることを見出した。また、更にヒドロキシプロピルセルロースを配合することで、鎮痛効果の発現促進が更に向上することを見出し、本発明をなすに至った。即ち、これは不明であるが、補酵素A及び/又は酸化型補酵素Aにより生体内の異性化酵素の変換活性を高めることで、イブプロフェン等のS体の有効濃度が上がった可能性がある。また、ヒドロキシプロピルセルロースの配合により、腸管での補酵素Aの失活が最小限に留められたと推測することもできる。
【0008】
即ち、本発明は、下記の医薬組成物を提供する。
請求項1:
(A)2−アリールプロピオン酸誘導体と、(B)補酵素A及び/又は酸化型補酵素Aとを含有することを特徴とする医薬組成物。
請求項2:
(A)2−アリールプロピオン酸誘導体がイブプロフェンである請求項1記載の医薬組成物。
請求項3:
更に、(C)ヒドロキシプロピルセルロースを含む請求項1又は2記載の医薬組成物。
請求項4:
(A)成分に対する(B)成分の配合割合が、質量比で、(B)/(A)=0.0001〜2である請求項1乃至3のいずれか1項記載の医薬組成物。
請求項5:
(B)成分に対する(C)成分の配合割合が、質量比で、(C)/(B)が10000以下である請求項1乃至4のいずれか1項記載の医薬組成物。
請求項6:
内服用、外用又は坐剤用である請求項1乃至5のいずれか1項記載の医薬組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、イブプロフェン等の2−アリールプロピオン酸誘導体の速効性を向上させ、発熱、頭痛、筋肉痛等の痛み等の症状を早急に改善することができる医薬組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の医薬組成物は、(A)2−アリールプロピオン酸誘導体と、(B)補酵素A及び/又は酸化型補酵素Aとを含有することを特徴とする。
【0011】
(A)2−アリールプロピオン酸誘導体
2−アリールプロピオン酸誘導体としては、イブプロフェン及びその塩、ケトプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン等が挙げられる。これらは解熱鎮痛成分であり、発熱や頭痛等の症状を抑える解熱鎮痛剤の主要な成分の一つとして使われる薬剤である。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。(A)成分は、一般用医薬品とする場合、医薬品承認基準量に従ってイブプロフェン1日服用量としては200〜600mgが好ましく、300〜450mgが特に好ましい。また、(A)成分の配合量は、通常、組成物全体に対して0.5〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜40質量%である。
【0012】
(B)補酵素A及び/又は酸化型補酵素A
補酵素A及び酸化型補酵素Aとしては、補酵素A(パントテン酸)及びその塩、酸化型補酵素A、アシル−コエンザイムA、脂肪酸CoA、2,4−ジエノイルCoA、エノイル−CoA、3−ヒドロキシアシルCoA、アセチルCoA、アセトアセチルCoA、カフェオイルCoA、クマロイルCoA(4−クマロイルCoA)、グルタリルCoA、クロトニルCoA、シナポイルCoA、シンナモイルCoA、スクシニルCoA(サクシニルCoA)、3−ヒドロキシブタノイルCoA、ヒドロキシメチルグルタリルCoA、フェルロイルCoA、プロピオニルCoA、マロニルCoA等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも特に、安定性の点から、酸化型補酵素Aを使用することが好ましい。
【0013】
(B)成分の配合量は特に限定されないが、1日服用量として0.02〜1200mgが好ましく、0.2〜600mgが更に好ましく、2〜60mgが特に好ましい。また、(B)成分の配合量は、組成物全体に対して0.0001〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.001〜1質量%である。少なすぎると(A)成分の速効性が向上しない場合があり、多すぎると不経済であるばかりでなく、有効成分の混合均一性が低下するなど製剤上の不都合が生じる場合がある。
【0014】
本発明の(A)成分に対する(B)成分の配合割合は、(B)/(A)の質量比として、0.0001〜2が好ましく、より好ましくは0.001〜1であり、更に好ましくは0.01〜0.1である。上記範囲より小さいと(A)成分の速効性が向上しない場合があり、大きいと有効成分の混合均一性が低下するなど製剤上の不都合が生じる場合がある。
【0015】
(C)ヒドロキシプロピルセルロース
本発明においては、補酵素Aの腸管での安定性を向上させ、イブプロフェン等の(A)成分の速効性を更に高める点から、必要に応じて(C)ヒドロキシプロピルセルロースを配合することが好ましい。ヒドロキシプロピルセルロースとしては、分子量及びヒドロキシプロポキシル基の置換度は特に限定されないが、日本曹達(株)のHPC−L、HPC−SL、HPC−SSL、HPC−M、HPC−H等のヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロポキシル基の置換度5〜16質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が好ましい。また、旭化成ケミカルズ(株)の商品名:セオラスKG−801、KG−1000、PH−302、PH−101等の結晶セルロースを使用することもできる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
(C)成分の配合量は、組成物全体に対して0.01〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜40質量%である。少なすぎると(A)成分の速効性向上効果が十分に増強されない場合があり、多すぎると有効成分の混合均一性が低下するなど製剤上の不都合が生じる場合がある。
【0017】
また、(B)成分に対する(C)成分の配合割合は、(C)/(B)の質量比として、10000以下が好ましく、0.01〜1000がより好ましく、0.1〜200が更に好ましく、1〜50が特に好ましい。上記範囲より小さいと(A)成分の速効性向上効果が十分に増強されない場合があり、大きいと有効成分の混合均一性が低下するなど製剤上の不都合が生じる場合がある。
【0018】
本発明の医薬組成物は、内服用剤、外用剤、坐剤等として用いることができる。これらは、上記(A)〜(C)成分及び下記任意成分を配合することで得ることができるが、特に内服用剤、坐剤として使用する場合は、補酵素Aの腸管での安定性の点から、(A),(B)成分に加え、(C)成分を配合することが好ましい。内服用剤として用いる場合、上記(A),(B)成分及び好ましくは(C)成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、アセトアミノフェン、アスピリン、ブロムヘキシン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩、クレマスチンフマル酸塩、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン、ジヒドロコデインリン酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩等の解熱鎮痛剤、去痰剤、鎮咳剤等、通常、感冒薬等に配合される成分や、アスコルビン酸、CoQ10(コエンザイムQ10)等を含むことができる。また、本発明の効果を損なわない範囲で任意成分を配合し得る。任意成分としては、例えば、結合剤、賦形剤、滑沢剤、香料、矯味剤(甘味料、酸味料等)、色素、安定化剤等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて適量を用いることができる。
【0019】
具体的には、結合剤としては、澱粉、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン等を用いることができる。賦形剤としては、乳糖、コーンスターチ、タルク、粉糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウム、L−システイン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム等を用いることができる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。香料としては、メントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等)等が挙げられる。甘味料としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロース、果糖等が挙げられる。酸味料としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸又はそれらの塩等を用いることができる。
【0020】
また、外用剤としては、貼付剤、パップ剤、ローション、クリーム、ジェル、軟膏、液剤、エアゾール、ミスト等の剤型が挙げられる。例えば、貼付剤とする場合、本発明の(A),(B)成分及び必要に応じて(C)成分に、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリアクリル酸等の高分子基剤及び架橋剤、グリセリン等の湿潤剤、エデト酸等のキレート剤、油剤、白濁化剤、界面活性剤、着色剤、香料等の成分を加えることができ、これを膏体として用いることができる。また、坐剤として用いる場合、(A),(B)成分及び好ましくは(C)成分に、本発明の効果を損なわない範囲で、カカオ等の基剤、乳化剤、ゲル化剤等の成分を加えたものを用いることができる。
【0021】
本発明の組成物の製造方法は、常法に従って調製することができ、内服用剤は、例えば、上記成分を混合し、この混合物を打錠機内に充填し、打錠して錠剤として得ることができる。また、造粒機で造粒して顆粒剤、細粒剤、散剤とすることもでき、その他常法に従い、液剤、カプセル剤とすることもできる。
【0022】
外用剤の場合、例えば貼付剤は、上記成分を含む膏体を、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン・塩化ビニル共重合体及びポリウレタンから選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むフィルムや、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリウレタン等の繊維を含む不織布、織編物からなる支持体に塗工等して積層することにより得ることができる。得られた積層体を適当な大きさに裁断することにより、貼付剤を得ることができる。
【0023】
坐剤としては、例えば、上記成分を混合した後、加熱溶融し、坐剤の型に成形した容器に充填して固化させることで得ることができる。
【0024】
本発明の医薬組成物は、2−アリールプロピオン酸誘導体の速効性に優れる点から、速効性用製剤として使用することができる。なお、本発明において、速効性とは、後述するラット・ランダール−セリット法により測定した疼痛閾値が、30分後に90以上であることをいう。
【実施例】
【0025】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0026】
[実施例1〜9、比較例1〜4]
イブプロフェンの鎮痛効果を、ラット・ランダール−セリット法(例えば、「応用薬理」、第21巻、第5号、753−771頁、1981年)に準じて、以下のように測定した。
〈実験〉
ウィスター系雄性ラット1群6匹(4週齢、体重60〜90g)を用い、左後肢足蹠皮下に20質量%ビール酵母懸濁液0.1mLを皮下注射して起炎した。
次いで、表1,2に示す実施例1〜9及び比較例1〜4の各成分をそれぞれ全部で100mLとなるよう調製した混合懸濁水溶液を、表1,2の投与量になるよう経口投与し、経口投与30分後、60分後の足蹠の疼痛閾値を、圧刺激鎮痛効果測定装置を用いて測定した。結果は、得られた疼痛閾値を、ビール酵母注射の1時間前(起炎前)に測定した疼痛閾値を100%とした換算値(%)で表中に併記する。なお、表1のコントロールは起炎後蒸留水を10mL投与したものである。
【0027】
【表1】

その他成分(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エタノール)は、イブプロフェンの溶解を促進する成分。
【0028】
【表2】

【0029】
実施例1〜9の結果に示されるように、イブプロフェンと、補酵素A及び/又は酸化型補酵素Aとの併用により鎮痛効果の発現が促進され、更に、実施例3〜9に示されるようにヒドロキシプロピルセルロースの併用により、鎮痛効果の発現促進が向上した。
【0030】
実施例1〜9及び比較例1〜4で使用した原料は下記の通りである。
【表3】

【0031】
[実施例10] 錠剤
下記成分を混合し、この267mgを計りとり、タブレッティングテスターにて打錠圧1tで打錠し、直径10mmの錠剤とした。1回3錠、1日3回量である。
(成分) (配合量)
イブプロフェン 130g
アセトアミノフェン 130g
ブロムヘキシン塩酸塩 4g
クレマスチンフマル酸塩 0.45g
無水カフェイン 25g
アスコルビン酸 100g
ジヒドロコデインリン酸塩 8g
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 20g
酸化型CoA 2g
二酸化珪素(サイリシア740) 30g
結晶セルロース(セオラスKG801) 150g
乳糖 150g
ヒドロキシプロピルセルロース 30g
クロスポビドン(XL−10) 20g
ステアリン酸マグネシウム 3g
合計量 802.45g
【0032】
[実施例11] 錠剤
下記成分を混合し、この250mgをタブレッティングテスターにて打錠圧1tで打錠し、直径10mmの錠剤とした。1回3錠、1日3回量である。
(成分) (配合量)
イブプロフェン 100g
アセトアミノフェン 100g
ブロムヘキシン塩酸塩 4g
クレマスチンフマル酸塩 0.45g
無水カフェイン 25g
アスコルビン酸 100g
ジヒドロコデインリン酸塩 8g
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 20g
酸化型CoA 10g
二酸化珪素(サイリシア740) 30g
結晶セルロース(セオラスKG801) 150g
果糖 150g
ヒドロキシプロピルセルロース 30g
クロスカルメロースナトリウム 20g
ステアリン酸マグネシウム 3g
香料 0.5g
合計量 750.95g
【0033】
[実施例12] 錠剤
下記成分を混合し、この250mgをタブレッティングテスターにて打錠圧1tで打錠し、直径10mmの錠剤とした。1回2錠、1日3回量である。
(成分) (配合量)
ナプロキセン 100g
無水カフェイン 25g
CoA 10g
二酸化珪素(サイリシア350) 10g
結晶セルロース(セオラスPH302) 150g
D−マンニトール 150g
ヒドロキシプロピルセルロース 30g
クロスポピドン(コリドンCL) 20g
ステアリン酸マグネシウム 3g
スクラロース 1.5g
香料 0.5g
合計量 500.0g
【0034】
[実施例13] 錠剤
下記成分を混合し、この433mgをタブレッティングテスターにて打錠圧1tで打錠し、直径10mmの錠剤とした。1回2錠、1日3回量である。
(成分) (配合量)
フルルビプロフェン 40g
CoQ10 10g
CoA 0.1g
酸化型CoA 0.1g
二酸化珪素(サイリシア740) 30g
結晶セルロース(セオラスKG801) 150g
乳糖 150g
ヒドロキシプロピルセルロース 30g
クロスポビドン(XL−10) 20g
ステアリン酸マグネシウム 3g
合計量 433.2g
【0035】
[実施例14] 錠剤
下記成分を混合し、この254mgをタブレッティングテスターにて打錠圧1tで打錠し、直径10mmの錠剤とした。1回3錠、1日3回量である。
(成分) (配合量)
イブプロフェン 100g
アセトアミノフェン 100g
アンブロキソール塩酸塩 15g
クレマスチンフマル酸塩 0.45g
無水カフェイン 25g
アスコルビン酸 100g
ジヒドロコデインリン酸塩 8g
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 20g
CoQ10 10g
CoA 0.1g
酸化型CoA 0.1g
二酸化珪素(サイリシア740) 30g
結晶セルロース(セオラスKG801) 150g
果糖 150g
ヒドロキシプロピルセルロース 30g
クロスカルメロースナトリウム 20g
ステアリン酸マグネシウム 3g
香料 0.5g
合計量 762.15g
【0036】
[実施例15] 錠剤
下記成分を混合し、この363mgをタブレッティングテスターにて打錠圧1tで打錠し、直径10mmの錠剤とした。1回2錠、1日3回量である。
(成分) (配合量)
フルルビプロフェン 40g
アスピリン 300g
CoQ10 2g
酸化型CoA 0.1g
二酸化珪素(サイリシア350) 30g
結晶セルロース(セオラスPH302) 150g
D−マンニトール 150g
ヒドロキシプロピルセルロース 30g
クロスポピドン(コリドンCL) 20g
ステアリン酸マグネシウム 3g
スクラロース 0.5g
香料 0.5g
合計量 726.1g
【0037】
[実施例16] 錠剤
下記成分を混合し、この275mgをタブレッティングテスターにて打錠圧1tで打錠し、直径10mmの錠剤とした。1回2錠、1日3回量である。
(成分) (配合量)
イブプロフェン 150g
無水カフェイン 25g
CoA 10g
二酸化珪素(サイリシア350) 10g
結晶セルロース(セオラスPH302) 150g
D−マンニトール 150g
ヒドロキシプロピルセルロース 30g
クロスポピドン(コリドンCL) 20g
ステアリン酸マグネシウム 3g
スクラロース 1.5g
香料 0.5g
合計量 550.0g
【0038】
[実施例17] 散剤
下記成分を混合し、散剤とした。1回1009.5mgで1日3回量である。
(成分) (配合量)
イブプロフェン 100g
アセトアミノフェン 100g
アンブロキソール塩酸塩 15g
クレマスチンフマル酸塩 0.45g
無水カフェイン 25g
アスコルビン酸 100g
ジヒドロコデインリン酸塩 8g
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 20g
酸化型CoA 0.02g
二酸化珪素(サイリシア350) 60g
結晶セルロース(セオラスPH302) 150g
D−マンニトール 350g
ヒドロキシプロピルセルロース 30g
スクラロース 0.5g
香料 0.5g
合計量 959.47g
【0039】
[実施例18] 散剤
下記成分を混合し、散剤とした。1回747.4mgで1日3回量である。
(成分) (配合量)
イブプロフェン 300g
アセトアミノフェン 300g
塩酸ブロムヘキシン 12g
クレマスチンフマル酸塩 134g
dl−塩酸メチルエフェドリン 60g
リン酸ジヒドロコデイン 24g
無水カフェイン 75g
酸化型CoA 0.2g
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 30g
二酸化珪素(サイリシア740) 300g
D−マンニトール 500g
乳糖 700g
合計量 2435.2g
【0040】
[実施例19] 散剤
下記成分を混合し、散剤とした。1回951.5mgで1日3回量である。
(成分) (配合量)
イブプロフェン 80g
アセトアミノフェン 140g
アンブロキソール塩酸塩 15g
クレマスチンフマル酸塩 0.45g
無水カフェイン 25g
アスコルビン酸 100g
ジヒドロコデインリン酸塩 8g
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 20g
CoA 1g
酸化型CoA 1g
二酸化珪素(サイリシア350) 30g
結晶セルロース(セオラスPH302) 150g
D−マンニトール 350g
ヒドロキシプロピルセルロース 30g
スクラロース 0.5g
香料 0.5g
合計量 951.45g
【0041】
[実施例20] 散剤
下記成分を混合し、散剤とした。1回684.3mgで1日3回量である。
(成分) (配合量)
イブプロフェン 225g
アセトアミノフェン 450g
塩酸ブロムヘキシン 12g
クレマスチンフマル酸塩 1.34g
dl−塩酸メチルエフェドリン 60g
リン酸ジヒドロコデイン 24g
無水カフェイン 75g
CoA 0.5g
酸化型CoA 0.2g
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 30g
二酸化珪素(サイリシア350) 5g
D−マンニトール 500g
乳糖 700g
合計量 2083.04g
【0042】
[実施例21] 散剤
下記成分を混合し、散剤とした。1回1009.8mgで1日3回量である。
(成分) (配合量)
イブプロフェン 130g
アセトアミノフェン 130g
アンブロキソール塩酸塩 15g
クレマスチンフマル酸塩 0.45g
無水カフェイン 25g
アスコルビン酸 100g
ジヒドロコデインリン酸塩 8g
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 20g
CoA 0.2g
酸化型CoA 0.1g
二酸化珪素(サイリシア350) 60g
結晶セルロース(セオラスPH302) 150g
D−マンニトール 350g
ヒドロキシプロピルセルロース 30g
スクラロース 0.5g
香料 0.5g
合計量 1019.75g
【0043】
[実施例22] 散剤
下記成分を混合し、散剤とした。1回748.2mgで1日3回量である。
(成分) (配合量)
イブプロフェン 300g
アセトアミノフェン 300g
塩酸ブロムヘキシン 12g
クレマスチンフマル酸塩 134g
dl−塩酸メチルエフェドリン 60g
リン酸ジヒドロコデイン 24g
無水カフェイン 75g
CoA 2g
酸化型CoA 0.2g
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 30g
二酸化珪素(サイリシア740) 300g
D−マンニトール 500g
乳糖 700g
合計量 2437.2g
【0044】
[実施例23] 散剤
下記成分を混合し、散剤とした。1回601.6mgで1日3回量である。
(成分) (配合量)
イブプロフェン 150g
アリルイソプロピルアセチル尿素 60g
無水カフェイン 80g
CoA 1g
二酸化珪素(サイリシア350) 10g
D−マンニトール 150g
乳糖 150g
ソーマチン 0.1g
香料 0.5g
合計量 601.6g
【0045】
[実施例24] 貼付剤
下記成分をヘンシェルミキサーで練合し、ポリエステル不織布からなる支持体に100g/100cm2となるよう展延して貼付剤とした。粘着面にはポリプロピレン製の剥離フィルムを施した。
(成分) (配合量)
ポリアクリル酸 60g
ポリアクリル酸ナトリウム 20g
カルボキシメチルセルロース 40g
合成ヒドロタルサイト 3g
濃グリセリン 200g
エデト酸二ナトリウム 0.5g
ヒマシ油 30g
フルルビプロフェン 5g
酸化型CoA 0.5g
精製水 残量
合計量 1000g
【0046】
[実施例25] 貼付剤
下記成分をヘンシェルミキサーで練合し、ポリエステル不織布からなる支持体に100g/100cm2となるよう展延して貼付剤とした。粘着面にはポリプロピレン製の剥離フィルムを施した。
(成分) (配合量)
ポリアクリル酸 40g
ポリアクリル酸ナトリウム 10g
カルボキシメチルセルロースナトリウム 30g
l−メントール 10g
クロタミトン 10g
グリセリン 200g
ソルビトール液 150g
カオリン 60g
ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート 2g
ポリソルベート80 10g
ヒマシ油 10g
ケトプロフェン 3g
イブプロフェン 3g
酸化型CoA 0.1g
CoA 0.1g
精製水 残量
合計量 1000g
【0047】
[実施例26] 坐剤
下記成分を80℃にて加熱溶融し、坐剤の型に成形したアルミニウムフィルム容器に2g充填し、室温で固化させ坐剤とした。
(成分) (配合量)
ハードファット(イソカカオ) 85.5g
パルミチン酸デキストリン 3g
デカステアリン酸デカグリセリル 3g
イブプロフェン 7.5g
ヒドロキシプロピルセルロース 0.5g
酸化型CoA 0.5g
合計量 100g
【0048】
[実施例27] クリーム
油分、界面活性剤などを含む油相と、多価アルコール、精製水などを含む水相とをそれぞれ70℃で混合溶解した後、真空乳化機(ホモミキサー)にて乳化してクリーム状製剤とした。
(成分) (配合量)
イブプロフェン 5g
フルルビプロフェン 5g
POE(80)硬化ヒマシ油 2g
モノステアリン酸ソルビタン 2g
スクワラン 10g
イソステアリン酸イソセチル 2g
ベヘニルアルコール 2g
グリセリン 6g
1,3−ブチレングリコール 4g
メチルパラベン 0.4g
カルボキシビニルポリマー 0.3g
酸化型CoA 0.1g
精製水 残量
合 計 100g
【0049】
実施例10〜27の鎮痛効果、抗炎症効果は、実施例1〜9と同様に速く効くものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)2−アリールプロピオン酸誘導体と、(B)補酵素A及び/又は酸化型補酵素Aとを含有することを特徴とする医薬組成物。
【請求項2】
(A)2−アリールプロピオン酸誘導体がイブプロフェンである請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
更に、(C)ヒドロキシプロピルセルロースを含む請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
(A)成分に対する(B)成分の配合割合が、質量比で、(B)/(A)=0.0001〜2である請求項1乃至3のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項5】
(B)成分に対する(C)成分の配合割合が、質量比で、(C)/(B)が10000以下である請求項1乃至4のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項6】
内服用、外用又は坐剤用である請求項1乃至5のいずれか1項記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2011−46666(P2011−46666A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198094(P2009−198094)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】