説明

十字型仕切りを有するケースを充填するための設備

本設備は同一ラック(6)上に組み付けられる受領ステーション(11)と、ケースパッキングステーション(12)と、1列形態で存在する製品(1)のバッチをステーション(11)に送り、このバッチをステーション(12)まで、充填されるケースの1列の小室(4)内に移送する操作ヘッド(13)と、ケース(2)の上方にて長手方向に延在する格子(22)を備える、小室(4)の入口への製品(1)の誘導を処理する構造部(14)とを備える。格子(22)は、1列に配置され、充填されるケース(2)の各列における小室(4)の個数に相当する個数のホッパ(15)を備え、各格子(22)は、ケース(2)の上方において、ケース(2)の進行が可能となる引戻り位置とホッパ(15)が各製品を小室(4)に運ぶための作動位置に位置する際の位置との間で垂直移動可能であり、かつ、小室(4)の各列を逐次充填するためのケース(2)の変位方向に対して横軸方向に移動可能である。ホッパ(15)の入口断面は小室(4)断面の約2倍である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、十字型仕切りを有するケースを、とりわけ、特別な配慮を要する形状および体裁を有する製品を受容するように設計されたケースを充填するための設備に関する。
【背景技術】
【0002】
主に、十字型仕切りを有するケースは、とりわけ輸送の際に保護を要する製品の外観および装飾に損傷を与える危険を抑制するために、これらの製品をパッキングするために使用される。
【0003】
慣例的には、製品、とりわけボトルを、十字型仕切りを有するケースを含むケースに入れるために、機械化されたケースパッキングが利用される。
【0004】
機械化により、充填されることとなるケースの空洞部の個数に相当する個数のボトルを有するボトルのバッチを、前記ケースに入れることが可能となる。
【0005】
このボトルのバッチは、受領ステーションとケースパッキングステーションとの間において前後に移動する把持ヘッドによって運搬される。
【0006】
この移動の際に、および加速によって、ボトルは動く場合があり、それにより、ボトルが空洞部の方向に下げられる際に、ボトルがそれら各ボトルの空洞部の軸の上に位置決めされない事態が生じる。
【0007】
この場合には、ボトルは、十字型仕切りに突き当たり、これらのボトルにより、バッチの良好な部分に対して突き当たりの影響を与え得る付帯的事態が生じる。
【0008】
さらに、これらの空洞部内にボトルをより容易に挿入するために、既知の実施形態においては、例えば特許文献1において説明されるように、十字型仕切りとの衝突の危険性を低減させるために、前記空洞部の方向にボトルを運ぶ、ガイドまたはホッパからなる整合ツールが使用される。
【0009】
バッチの周縁部上に配置されるボトルを除いては、ホッパは、空洞部の断面に相当する断面を有する開口を有し、これら周縁部のボトルについては、ホッパの開口の断面は、さらに大きいが、その断面の大きさは、中央部ホッパの隣接する開口によって制限される。
【0010】
ホッパ自体が、空洞部の上方に十字型仕切りを形成する。したがって、これにより、ごく部分的にではあるが、挿入に付帯する事態が低減され、これにより、例えば、ボトルの表面上に配置される装飾に対する損傷、とりわけ貼付された直後のラベルに対する損傷などの、他の付帯的事態がもたらされる。
【0011】
さらに、それぞれ異なるフォーマットの製品を処理することが可能な多目的型設備に関しては、ホッパからなるこのツールの取扱いは、ツールの設置形態により(すなわちそのツールへのアクセスが困難であることにより)、さらにはツールの重量により、比較的複雑な作業となる。
【0012】
さらに、これらの挿入に付帯する事態からさらに遡って、把持ヘッドによるバッチの受領前に、ボトルをバッチの形態において準備するための作業によって、ボトルの相互間の、またはガイドなどの付属物との、多数の接触および摩擦によりもたらされる他の付帯的事態がさらに生じる。
【0013】
これらの接触および摩擦により、例えばボトルの外観に対する損傷および/またはラベルに対する損傷などによる、ボトルの体裁に対する壊滅的な影響がもたらされる場合がある。
【0014】
したがって、むしろ、ケースパッキングを行うためにこの機構が利用されるのは、単純な形状の、とりわけ何よりもまずラベルに対して損傷を与えるこれらの危険性にさらされることのない、基本的な製品に対しての場合のみとなっている。
【0015】
特殊な形状の、および非常に高い付加価値を有する、フラスクおよびボトルなどの、比較的デリケートな製品の場合には、ケースパッキング作業は、最も多くの場合、手作業によって実施され、各製品は、オペレータによって、ケースの空洞部内に注意深く配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】仏国特許発明第2506260号明細書(FR2506260)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、取扱いに特別な配慮を要するこれらの「極めて高価な」製品のケースパッキングが可能となる、機械化された解決策を提案する。
【0018】
本発明は、最も簡単な表現によれば、製品の準備(充填およびラベリング)と、これらの製品で充填されるケースのパレット運搬との間における、製品の運搬作業の回数を低減させることが可能な設備を提案する。
【0019】
本発明によるケースパッキング設備により、損傷を与える接触および摩擦を抑制することによって、製品に対して損傷を与える原因の多くを取り除くことが可能となる。これは、高い付加価値を有するこのタイプのデリケートな製品に非常に適する、丁重な、比較的「ソフトな」機械化を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明により、1列の製品のそれらの各空洞部への挿入を保護すると同時に、充填されることとなるケースの前記空洞部の列の上方に運搬ヘッドによって製品が運ばれる際の、これらの製品の整合性における高い欠落に対応することが可能となる。
【0021】
さらに、この整合性における欠落は、製品自体によって、および、とりわけボトルが関与する場合には、ボトル製造におけるかなりの大きさの寸法公差による形状的欠陥の累積によって引き起こされる場合がある。
【0022】
本発明により、製品の配置不良に、および、とりわけ、ある方向、すなわち1列の前記製品に対する垂直の方向における著しい整列不良に対応することが可能となる。この許容範囲は、この方向の空洞部の寸法に比べて比較的大きい。
【0023】
高い適応性を有さなければならない設備に関しては、さらに、本発明によって、交換がさらに容易であるツールを有することが可能となる。これらツールの設置形態により、ツールへのアクセスの良さがより向上し、これらのツールの重量が適度であることにより、リフト機の使用を要さない、さらに容易な運搬が可能になる。オペレータは、オペレータ自身により、設備の付近に位置する倉庫内にこのツールを保管することが可能となる。
【0024】
さらに、例えば小サイズのある製品に対して、および大容量のあるパッキングに対して、上述の利点を維持しつつ、ケースパッキング速度を向上させることも可能となる。
【0025】
さらに、本発明は、ホッパ自体の構成を提案し、この構成により、ガイドの設置、および起こり得るガイド(とりわけ、前記ホッパの大型開口を境界画定する、最も応力を受けるガイド)の交換を容易化することが可能となる。
【0026】
したがって、本発明による設備は、十字型仕切りを有する1つまたは複数のケースの空洞部内にデリケートな製品をケースパッキングすることに関する。この設備は、同一のフレームの上に組み付けられた、
1列の製品を受領ステーションに搬送するための少なくとも1つのコンベヤ、および、充填されることとなるケースをケースパッキングステーションに搬送し、これらのケースを運び去るための、少なくとも1つのコンベヤと、
製品の少なくとも1つのバッチを前記受領ステーションに運ぶように、および、前記バッチを前記ケースパッキングステーションまで、ケース(または複数のケース)の少なくとも1列の空洞部内に移送するように構成される運搬ヘッドと、
製品を空洞部の入口まで誘導するための構造部であって、この構造部は、ケースのコンベヤの上方において長手方向に延在する少なくとも1つの格子を備え、この格子は、1列(または複数列)に配置され、充填されることとなるケース(または複数のケース)の各列の空洞部の個数に相当する個数の、複数のホッパを備え、この格子は、一方においては、充填されることとなるケースの上方において、前記ケースの進行が可能となる引戻り位置と、ホッパが各製品をそのそれぞれの空洞部内に運ぶための作動位置に位置する際の位置との間で、垂直方向に移動することが可能であり、他方においては、各列の空洞部を逐次的に充填するための前記ケースの移動方向に対して横軸方向に移動することが可能であり、これらのホッパは、開口を有し、この開口の入口断面が、前記空洞部の断面の約2倍である構造部と、を備える。
【0027】
さらに、本発明によれば、製品を誘導するための構造部は、U字形状のクレードルを備え、前記クレードルの2つの平行なアームが、ホッパの格子を搬送し、このクレードルは、フレームの上において垂直方向に誘導され、このクレードルは、充填されることとなる空洞部に対して前記ホッパを作動位置または非作動位置に配置するように、適切な手段によって操作され、これら平行なアームはそれぞれ、前記格子の一方の端部を受けるキャリッジを備え、前記キャリッジは、水平方向に誘導され、前記キャリッジは、充填されることとなる空洞部の各列に対応するようにホッパを配置するために、適切な手段の作動によってケース(または複数のケース)の上方にて移動可能である。
【0028】
本発明により提供される別の態様によれば、この設備は、ホッパの少なくとも2つの格子を受けるように構成されたキャリッジを備えてよく、この格子は、適切なヘッドおよび製品の適切な配給と協働して、ケースの空洞部の少なくとも2つの非隣接列を同時にケースパッキングすることが可能となるように、並列に配置される。
【0029】
さらに、本発明によれば、各キャリッジは、格子(または複数の格子)を受けるための手段を備え、これらの手段は、前記格子の端部が取り付けられる垂直ピンからなり、前記格子は、適切な整合手段によってこれらのピンにロックされる。
【0030】
本発明により提供される別の態様によれば、ホッパの格子は、一対の側部レールと、前記側部レールの組立てのために一部が使用される複数の横材とからなり、これらの横材および側部レールは、製品が前記ホッパ内に進むための開口の形状および断面を決定し、この開口は、前記側部レールの内方壁部によって、および前記横材によって、側部レールにて境界画定され、前記側部レールの高さより下方においては、前記開口は、熱可塑性プラスチックから作製された可撓性ストリップからなるガイドの形態で拡張される。
【0031】
さらに、本発明によれば、格子の側部レールはそれぞれ、上部水平面と、前記上部面に対してブラケットにて配置される外方補強境界と、各ホッパの上部部分の壁部を形成する内方面とを有する、折曲された金属シートから構成される断片部材からなり、この壁部は、断片部材の内部方向に折り曲げられて、種々の可撓性ストリップの装着を可能にするある種のステープルを形成する、少なくとも1つのラグを、各ホッパにて備え、これらの可撓性ストリップは、側部上に、それらの長さ部分の上に、細長形状孔の形態の構成部を備え、これらの可撓性ストリップは、側部レールの上部面と外方境界部との間において、側部レールのブラケットにて、折曲部内で固定されることにより、可撓性ストリップの上端部またはヒールにてロックされる。
【0032】
本発明により提供される別の態様によれば、側部レールを組み立てるための横材は、上下逆U字形状の断面を有し、これらの横材は、音叉の形態の可撓性ストリップの上部部分を受容し、これらのストリップは、ボルトにより保持されるウェッジによって、前記U字形状部内に押込み留めされることによって、組み立てられ、これらのボルトは、ストリップとウェッジとの間に配置される。
【0033】
1つの示唆として提示される添付の図面を参照として、以下の説明において、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】製品の入口から見た、設備の概略立面図である。
【図2】十字型仕切りを有するケースを示す図である。
【図3】製品を運ぶためのヘッドを有さない、設備の概略上面図である。
【図4】ボトルの第2のバッチをケースの空洞部の第2の列内に定位置に配置するためのホッパの格子の横軸方向偏移を示す、設備の部分図である。
【図5】複数列の空洞部を備えるケースの場合に対してホッパの複数の格子を使用することにより、2列の製品を同時にケースパッキングするための、本発明の変形形態を示す図である。
【図6】格子の断面、および、とりわけ図3の線6-6に沿った断面を示す図である。
【図7】やはり格子の断面、および、とりわけ2つの側部レールを組み合わせるために使用されるスペーサの、図3の線7-7に沿った断面を示す図である。
【図8】格子の部分長手方向断面、および、とりわけ図7の線8-8に沿った断面を示す図である。
【図9】ステープル留めおよび固定化による、側部レール上への可撓性ストリップの装着を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1および図3において概略的に示される設備により、この機械の内部において、図2に図示されるケースのような、十字型仕切り(3)を有するタイプのケース(2)内への、ボトルなどの製品(1)のケースパッキングを達成することが可能となる。
【0036】
十字型仕切り(3)は、製品(1)が中に滑り込む空洞部(4)を境界画定し、このようにして、これらの製品は、その輸送の間中にわたって保護される。図2において図示されるケースは、フラップ(5)を有する「アメリカンボックス」タイプのケースである。
【0037】
図1および図3において概略的に示されるこの設備は、全体フレーム(6)を備え、この全体フレーム(6)の上に、
- 受領ステーション(11)に最終製品(1)を整列して搬送するコンベヤ(7)、および、以下においてその役割が詳述されることとなる、コンベヤ(7)の側部に一点鎖線において示される第2のコンベヤ(7')と、
- 充填されることとなる空洞部を有するケース(または複数のケース)(2)をケースパッキングステーション(12)に搬送するコンベヤ(8)と、
- 前記受領ステーション(11)にて製品(1)を選出し、これらの製品(1)を前記ケースパッキングステーション(12)まで移送する、運搬ヘッド(13)と、
- ホッパ(15)を備える誘導構造部(14)であって、このホッパは、製品(1)を前記ケースの空洞部(4)の適切な列内に正確に配置するように、前記ヘッド(13)とケース(2)との間に配置される、誘導構造部(14)と、
- 前記設備を構成する要素の全ての移動を制御および調整するための、有限状態機(図示せず)の形態である手段とが配置される。
【0038】
製品(1)は、例えば、充填/準備ユニット(図示せず)から直接的に送られる。これらの製品(1)は、コンベヤ(7)のベッド(16)の上に1列に配置され、レール(17)間で誘導され、これらの製品(1)は、受領ステーション(11)内へ、ケースパッキングされることとなる製品のバッチをケースパッキングステーション(12)に対して中心に位置合わせするために位置を調節される停止部(18)まで進む。
【0039】
製品(1)を運ぶためのヘッド(13)は、鉗子タイプの、または、図面において示されるように、チューリップとも呼ばれる吸引器タイプの、一連の把持部材(19)を備える。
【0040】
これらの把持部材(19)は、1列に配置され、2つの隣接し合う製品(1)の間の距離を調節し、ケースパッキングステーション(12)にて様々なケース(2)の空洞部(4)内にこれらの製品(1)を挿入する前に、この距離を配送ダイアグラムに適合化させるように、適切なツール(20)によって互いから離間され得る。
【0041】
ヘッド(13)は、一方においては、受領ステーション(11)から製品(1)を取り出すために、および他方においては、ケースパッキングステーション(12)にて箱(2)内に製品(1)を挿入するために、垂直方向に移動することが可能である。ヘッド(13)は、2つのステーション(11)と(12)との間において製品(1)を移送するために、コンベヤ(7)に対して、およびコンベヤ(8)に対して、横軸方向に移動する。
【0042】
このケースパッキング作業は、列ごとに行われる。製品(1)のバッチが、受領ステーション(11)にて選出される。このバッチは、1列の製品(1)の形態をとり、図3の例においては、このバッチは、3つのグループの製品(1)から構成される。各グループは、各ケース(2)の空洞部(4)の個数に相当する個数の製品から構成され、グループ数は、充填されることとなるケースの個数(すなわち、図3において図示されるように3ケースである)に相当する。
【0043】
ケース(2)を充填するための作業回数は、空洞部(4)の列数に相当する。図面において示されるケース(2)は3列の空洞部(4)を備え、これらの空洞部(4)は、3バッチの製品(1)の運搬および移送によって充填される。
【0044】
列数が、はるかに多い場合には、図5において図示されるように、および、以下において詳細に説明されるように、隣り合わない複数列の空洞部(4)に同時に充填を行うことが可能である。
【0045】
この実施形態にかかわらず、このケースパッキング作業を行うためには、これらの製品は、1つの製品(1)ごとに、および1つの空洞部(4)ごとに、1つのホッパという態様で、ホッパ(15)によって空洞部(4)内に誘導される。
【0046】
全てのホッパ(15)により、図3において分かるように、コンベヤ(8)上で長手方向に延在するある種の格子(22)が形成される。以下、図6から図9を参照として、この格子(22)およびホッパ(15)を詳細に説明する。
【0047】
これらのホッパ(15)により、製品(1)を正確に運ぶことが可能となり、とりわけ、これらのホッパ(15)により、前記製品(1)の実位置と、受領空洞部(4)の軸上において中心に位置合わせされるべき製品(1)の理論的位置との間の比較的大きな差を効果的に補正することが可能となる。
【0048】
ホッパ(15)は、1列に配置されるため、ホッパ(15)の入口断面は、可能な限り大きく設定される。ホッパ(15)のこの入口断面は、とりわけ図6において以下で分かるように、各ケース(2)の空洞部(4)の断面の実質的に2倍の大きさである。
【0049】
例示の実施形態においては、ホッパ(15)の入口断面は、矩形形状のものである。この形状は、受領空洞部の形状と一致する。この形状は、例えば楕円形、または実質的な楕円形であってもよい。
【0050】
格子(22)の長手方向におけるこの入口の寸法は、空洞部(4)の寸法に相当するが、横軸方向におけるこの入口の寸法は、前記空洞部の寸法の約2倍である。
【0051】
さらに、ホッパ(15)の各グループについて、前記グループの端部に配置される前記ホッパの入口断面は、空洞部(4)の断面の約3倍だけさらに大きい。
【0052】
格子(22)は、上述の誘導構造部(14)の一部を形成する。
【0053】
この構造部(14)は、格子(22)を搬送するある種のクレードル(23)を備える。このクレードル(23)は、コンベヤ(8)の上方に延在する2つのアーム(24)と共にU字形状をなす。
【0054】
クレードル(23)は、フレーム(6)に固定され側方に配置されるスライド(25)によって誘導されて、垂直方向に移動することが可能である。
【0055】
図3において視認可能な駆動部材(26)が、側方に配置されるエンドレスチェーン(27)と、フレーム(6)の上部部分に配置される駆動シャフトとによって、クレードル(23)の垂直移動を制御する。
【0056】
さらに、クレードル(23)は、とりわけケースパッキングステーション(12)へのアクセスを解除するために完全に引き戻され得るという特別な特徴を有する。一方側においては、図3において視認可能なように、クレードル(23)は、搬送され、フレーム(6)に固定される垂直シャフト(28)の上にて関節式に連結される。他方側においては、クレードル(23)は、前記フレーム(6)に固定され、クレードル(23)をロックすることが可能な、プレート(29)によって搬送される。このプレート(29)は他のスライド(25)の可動部分に固定される。
【0057】
クレードル(23)の垂直移動距離は、フラップ(5)が存在する場合には、ケース(2)のフラップ(5)の高さと、ホッパ(15)が空洞部(4)内に下降する距離との総計に相当する値に少なくとも等しいものとなる。
【0058】
格子(22)は、クレードル(23)によって作動され、さらに、格子(22)は、前記ケース(2)の空洞部(4)の各列に配給するために、ケース(2)の移動方向に対して横軸方向にも移動する。
【0059】
したがって、クレードル(23)のアーム(24)はそれぞれ、格子(22)の端部を受けるキャリッジ(30)を備える。図3において分かるこれらのキャリッジ(30)は、スライド(31)によって誘導され、キャリッジ(30)は、駆動部材(32)によってエンドレスチェーン(33)を介して操作される。これらのエンドレスチェーン(33)はそれぞれ、はめ歯歯車のセットを介して誘導される。このはめ歯歯車のセットの一方の歯車(34')は、各アーム(24)の端部に配置され、他方の歯車(34)は、U字形部分の底部に配置される。これら2つの歯車(34)は、駆動輪であり、駆動部材(32)に連結される同一のシャフト(35)に固定され、このシャフト(35)は、アーム(24)同士の間に延在し、アーム(24)によって誘導される。
【0060】
図1においては、ホッパ(15)は、ケース(2)の第1の列の空洞部(4)内に製品(1)を配置するように作動した後の、引戻り位置にある。図4においては、これらのホッパ(15)は、ヘッド(13)によって搬送される各製品(1)を、第2の列内の各製品の各空洞部(4)へ運ぶために作動誘導位置にある。
【0061】
多数列の空洞部(4)を備えるケース(2)の場合には、これらの空洞部(4)は、非隣接列の空洞部(4)内に製品を運ぶ複数の格子(22)を使用することにより、さらに迅速に充填することが可能となる。
【0062】
この変形形態は、図5に図示される。この設備は、離間された2つの格子(22)を備え、これら2つの格子(22)のそれぞれによって、3列の空洞部(4)が連続的に充填される。
【0063】
これらの格子(22)は、同一の態様でキャリッジ(30)の上に設置され、これらの格子(22)は、チェーン(33)によって駆動されて移動することが可能である。これらのチェーンは、上述において説明されたように、駆動部材(32)によって、および、2つのアーム(24)の間に延在するシャフト(35)によって、駆動される。
【0064】
2つ以上の格子(22)が使用される場合には、製品(1)を、2つの搬送コンベヤ、すなわち、コンベヤ(7)と、図3において一点差線において示されるコンベヤ(7')とによって、2列にて送ることが可能である。
【0065】
この場合に関しては、次いで、運搬ヘッド(13)は、図5において図示されるように、複数列のチューリップ(19)を備えるツール(20')に取り付けられる。これらのチューリップは、ケース(または複数のケース)(2)内への製品(1)の配送パターンにこれらチューリップの構成を適合化させるために、横軸方向に調節させることもさらに可能である間隔を有する。
【0066】
格子(22)は、2つの側部レール(36)と、例えば種々のケース(2)の空洞部(4)のグループの境界画定に対応する複数の横材(37,38)とからなる。さらに、これらの横材(37,38)は、2つの側部レール(36)を組み立てるためにも使用される。
【0067】
図3において、別個におよび斜視図において示されるように、格子(22)は、キャリッジ(30)に固定される単純な垂直ピン(39)によって前記キャリッジ(30)に装着され、これらの単純な垂直ピン(39)は、コッタピンなどの適切な手段により前記キャリッジ(30)にロックされる。
【0068】
このアセンブリにより、それぞれ異なるフォーマットの製品(1)を取り扱うことが可能な汎用型設備の場合における、ホッパ(15)のモデルの交換が容易となる。
【0069】
さらに、格子(22)の交換は、格子(22)の重量が適度なものであることにより、および、これら格子(22)を操作するために取っ手を握ってさえいるオペレータ(または複数のオペレータ)の手の届く範囲内に前記格子(または複数の格子)(22)を、ユーザフレンドリな態様で配置することが可能となるように、クレードル(23)の引戻しが可能であることにより、はるかに容易となる。
【0070】
図6は、1つのホッパ(15)における格子(22)の断面を示す。横軸方向における、このホッパ(15)の入口の開口寸法Eは、十字型仕切り(3)によって形成される空洞部(4)の寸法Dの約2倍である。
【0071】
ホッパ(15)の入口は、2つの側部レール(36)によって境界画定される。これらの側部レール(36)は、折曲された金属シートからなる、U字形断面を有する断片部材の形状になされる。各断片部材は、ある程度の慣性をもたらす垂直延在境界部(40)と、水平上部面(41)と、漏斗部およびとりわけホッパ(15)の上部部分の側部を形成する傾斜内方壁部(42)とを備える。
【0072】
互いに対面状態に配置されるこれらの2つの壁部(42)が、ケースの空洞部(4)内に製品(1)を挿入するためのホッパ(15)の上部部分を、スペーサ(37,38)と共に形成する。
【0073】
ホッパ(15)の上部壁部を形成するスペーサ(38)は、垂直方向に配置されるプレートの形態をとる。このプレートは、側部レール(36)の壁部(42)中に形成される開口(44)内に挿入され、このプレートは、境界部(40)まで延在してよく、キャプティブナットを用いるタイプのボルト(図示せず)による前記側部レール(36)の組立てのために使用されてよい。
【0074】
ホッパ(15)の下部部分は、熱可塑性プラスチックから作製される可撓性ストリップの形状のガイドを備える。これらのガイドは、壁部(42)を拡張させるストリップ(45)と、スペーサ(37,38)によって形成される横軸方向壁部を拡張させるストリップ(46)とからなる。
【0075】
ストリップ(45)は、熱可塑性プラスチックから作製される可撓性バンドの形態をとり、ストリップ(45)は、図9において図示されるように、側部レール(36)にロックされる。
【0076】
したがって、側部レール(36)の壁部(42)の下端部は、前記壁部(42)の内側面の上に折り曲げられて種々のストリップ(45)用のステープルとしての役割を果たすラグ(47)を備える。
【0077】
各ストリップ(45)は、対応するラグ(47)に取り付けられ得る細長形状孔(48)を備え、前記ストリップ(45)は、側部レール(36)の境界部(40)および上部面(41)によって形成される内角部内に前記ストリップ(45)の上端部を配置することによって、押込み留めされる。
【0078】
ストリップ(45)をそのハウジングから取り出すために、ツールを貫通させて、前記ストリップ(45)の端部が中にロックされる角度部分からこの端部を係合解除させ、ラグ(47)から前記ストリップ(45)を取り外すことを可能にするために、孔(49)が側部レール(36)の上部面(41)中に設けられる。
【0079】
ストリップ(46)は、スペーサ(38)を拡張させ、スペーサ(38)は、側部レールの壁部(42)に、または、各ホッパ(15)の角度部分内に設置されるテーパ状要素の形態である相補的ガイド(図示せず)に装着される。
【0080】
横材(37)にて、ストリップ(46)は、図8において図示されるように、音叉の形態になされ、ストリップ(46)は、押込み留めによって固定される。横材(37)は、上下逆U字形の形状の断面を有する。この横材(37)は、音叉形状ストリップ(46)の上部部分を受容し、このストリップは、定位置に配置されボルト(51)によって保持される、台形断面のウェッジ(50)によって固定され、これらのボルト(51)は、図7においてはウェッジ(50)と前記横材(37)との間に配置される。
【符号の説明】
【0081】
1 製品
2 ケース
3 十字型仕切り
4 空洞部
5 フラップ
6 全体フレーム
7 コンベヤ
7' 第2のコンベヤ
8 コンベヤ
11 受領ステーション
12 ケースパッキングステーション
13 運搬ヘッド
14 誘導構造部
15 ホップ
16 ベッド
17 レール
18 停止部
19 把持部材、チューリップ、
20 ツール
20' ツール
22 格子
23 クレードル
24 アーム
25 スライド
26 駆動部材
27 エンドレスチェーン
28 垂直シャフト
29 プレート
30 キャリッジ
31 スライド
32 有働部材
33 エンドレスチェーン
34 はめ歯歯車のセットの一方
34' はめ歯歯車のセットの他方
35 シャフト
36 側部レール
37 横材、スペーサ、
38 横材、スペーサ、
39 垂直ピン
40 垂直延在境界部
41 水平上部面
42 傾斜内方壁部
44 開口
45 ストリップ
46 ストリップ
47 ラグ
48 細長形状孔
49 孔
50 ウェッジ
51 ボルト
D 空洞部の寸法
E 入口の開口寸法
【図1−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
十字型仕切りを有する1つまたは複数のケース(2)の空洞部(4)内に製品をケースパッキングするための設備において、同一のフレーム(6)の上に組み付けられた、
1列の製品(1)を受領ステーション(11)に搬送するための少なくとも1つのコンベヤ(7,7')、および、充填されることとなる前記ケースをケースパッキングステーション(12)に搬送し、前記ケースを運び去るための、少なくとも1つのコンベヤ(8)と、
1列の形態をとる製品(1)のバッチを前記受領ステーション(11)に運ぶように、および、前記バッチを前記ケースパッキングステーション(12)まで、充填されることとなる前記ケース(または複数のケース)の1列の空洞部(4)内に移送するように、構成される、運搬ヘッド(13)と、
前記製品(1)を前記空洞部(4)の入口まで誘導するための構造部(14)であって、前記構造部(14)は、前記ケース(2)の前記コンベヤ(8)の上方において長手方向に延在する少なくとも1つの格子(22)を備え、前記格子(22)は、1列(または複数列)に配置され、充填されることとなるケース(または複数のケース)(2)の各列の空洞部(4)の個数に相当する個数の、複数のホッパ(15)を備え、この格子(22)は、一方においては、前記ケース(2)の上方において、前記ケース(2)の進行が可能となる引戻り位置と、前記ホッパ(15)が各製品をそれらそれぞれの空洞部(4)内に運ぶための作動位置に位置する際の位置との間で、垂直方向に移動することが可能であり、他方においては、各列の空洞部(4)を逐次的に充填するための前記ケース(2)の移動方向に対して横軸方向に移動することが可能であり、前記ホッパ(15)は、開口を有し、前記開口の入口断面が、前記空洞部(4)の断面の約2倍である、構造部(14)と、を備えることを特徴とする設備。
【請求項2】
前記製品(1)を誘導するための前記構造部(14)は、U字形状のクレードル(23)を備え、前記クレードル(23)の2つの平行なアーム(24)が、ホッパ(15)の前記格子(または複数の格子)(22)を搬送し、前記クレードル(23)は、前記フレーム(6)の上において垂直方向に誘導され、前記クレードル(23)は、充填されることとなる前記空洞部(4)に対して前記ホッパ(15)を作動位置または非作動位置に配置するように、適切な手段によって操作され、前記アーム(24)はそれぞれ、前記格子(22)の一方の端部を受けるキャリッジ(30)を備え、前記キャリッジ(30)は、水平方向に誘導され、前記キャリッジ(30)は、充填されることとなる空洞部(4)の各列に対応するように前記ホッパ(15)を配置するために、適切な手段によって前記ケース(または複数のケース)(2)の上方にて移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のケースパッキング設備。
【請求項3】
ホッパ(15)の少なくとも2つの格子(22)を受けるように構成されたキャリッジ(30)を備え、前記格子(22)は、適切なヘッド(13)および前記製品の適切な配給と協働して、前記ケースの空洞部(4)の少なくとも2つの非隣接列を同時にケースパッキングすることが可能となるように、並列に配置されることを特徴とする請求項2に記載のケースパッキング設備。
【請求項4】
各キャリッジ(30)は、前記格子(または複数の格子)(22)を受けるための手段を備え、これらの手段は、前記格子(22)の端部が取り付けられる垂直ピン(39)からなり、前記格子は、適切な整合手段によってこれらのピン(39)にロックされることを特徴とする請求項3に記載のケースパッキング設備。
【請求項5】
ホッパ(15)の前記格子(22)は、一対の側部レール(36)と、前記ホッパ(15)を境界画定し、前記側部レール(36)の組立てのために一部が使用される、複数の横材(37,38)とからなり、前記横材(37,38)および前記側部レール(36)は、前記製品(1)の進行用の前記ホッパ(15)の入口開口の形状および断面を画定し、前記開口は、一方においては、前記側部レール(36)の内方壁部(42)によって、および、前記横材(37,38)によって、他方においては、前記側部レール(36)および横材(37,38)の高さより下方に延在するガイドによって、境界画定される、漏斗部に相当することを特徴とする請求項1に記載のケースパッキング設備。
【請求項6】
前記格子(22)の前記側部レール(36)はそれぞれ、水平上部面(41)と、ブラケットの外方補強境界部(40)と、前記ホッパ(15)の壁部の1つを形成する内方面(42)とを有する、折曲された金属シートから構成される断片部材からなり、前記壁部は、前記断片部材の内部方向に折り曲げられて、前記面(42)を拡張する種々の可撓性ストリップ(45)の装着を可能にするある種のステープル(47)を形成する、少なくとも1つのラグを、各ホッパ(15)にて備え、前記可撓性ストリップ(45)は、それらの長さ部分にわたって、細長形状孔(48)の形態の構成部を備え、前記可撓性ストリップ(45)は、前記側部レール(36)の前記上部面(41)と前記外方境界部(40)との間において、前記側部レール(36)の前記ブラケットにて、前記折曲部内で固定されることにより、前記可撓性ストリップ(45)の上端部またはヒールにてロックされることを特徴とする請求項5に記載のケースパッキング設備。
【請求項7】
前記側部レール(36)を組み立てるための前記横材(37)は、上下逆U字形状の断面を有し、前記横材(37)は、音叉の形態の可撓性ストリップ(46)の上部部分を受容し、前記ストリップ(46)は、ボルトにより保持されるウェッジ(50)によって、前記U字形状部内に押込み留めされることによって、組み立てられ、前記ボルトは、前記ストリップ(46)と前記ウェッジ(50)との間に配置されることを特徴とする請求項6に記載のケースパッキング設備。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−529934(P2010−529934A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511686(P2010−511686)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000816
【国際公開番号】WO2009/007546
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(506100093)シデル・パーティシペーションズ (72)
【Fターム(参考)】