説明

半導体チップのパッド配置構造

高アスペクト比を有する半導体チップをテープキャリアパッケージ(TCP)でパッケージングするとき、リード損傷の課題を防止することができる半導体チップのパッド配置構造に関して開示する。半導体チップのパッド配置構造において、高アスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺及び右辺に沿って複数のパッドが配置され、前記左辺及び右辺に配置されるパッドの縦方向幅及び前記上辺及び下辺の両端縁部分に配置されるパッドの横方向幅は、前記上辺及び下辺の中央部分に配置されるパッドの横方向幅よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップのパッド配置構造に関するものであり、より詳細には、半導体チップをテープキャリアパッケージにおいてパッケージングするときにリードの損傷(Lead Broken)を防止することができる半導体チップのパッド配置構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package、以下、TCPと称する)は、 高集積半導体チップのパッケージ技術のうちでワイヤレスボンディング方式を適用したものであり、半導体チップは、一般的に配線としてリード(lead)が形成されたTCPテープに実装される。
【0003】
このようなTCPは、ワイヤボンディング工程が要求される従来のパッケージとは異なり、金線のような別のボンディング手段を利用しないので、経済的でありながらもコンパクトなパッケージを得ることができる長所がある。
【0004】
しかしながら、TCPは、パッド数が多くてパッドピッチが狭小な場合には適用が難しい。例えば、液晶パネルを駆動するソースドライバーチップの場合、ソースドライバーチップの内部回路外郭の領域には、電力供給及び信号伝送などのために多くの数の入力パッド及び出力パッドが配置される。しかしながら、ソースドライバーチップでこのようなパッド配置領域は、限定されている。このような限定された領域で多くの数の入力パッド及び出力パッドを配置するためには、パッドピッチは、半導体チップ製造工程で許容される範囲で最小限に設計されなければならない。半導体チップのパッドピッチが最小限に設計されるので、半導体チップをTCPにパッケージングするためには、TCPテープに形成されるリードの幅もまた狭く形成されなければならない。
【0005】
リードの幅が狭くなるので、リードの強度も弱くなる。低アスペクト比の半導体チップの場合には、TCPでパッケージングするときにリードの幅は狭くなるが、大きい問題は発生しない。しかしながら、極端に高いアスペクト比のソースドライバーチップのように、例えば10:1以上のように、非常に大きいアスペクト比の半導体チップの場合、半導体チップの両端縁部では小さな衝撃によってもリードが損傷する問題(Lead Broken)が発生することがある。
【0006】
リード損傷を防止するためには、半導体チップの縦方向の長さを長くしなければならない。したがって、回路が加えられることなしに半導体チップの縦方向の長さが長くなるので、半導体チップの小型化が困難になる。
【0007】
図1は、従来の半導体チップのパッド配置構造の例を示したものである。
【0008】
図1を参照すると、半導体チップ100の中央に内部回路110が配置されて、内部回路の上辺120a、下辺120b、左辺120c及び右辺120dに出力パッド102が配置されている。また、上辺120aの中央部分には、入力パッド部101が配置されている。図面には示さなかったが、入力パッド部101には複数の入力パッドが配置されている。所定の幅W1を有する出力パッド102は、所定の間隔S1で配置されている。パッドの幅と隣接するパッド間の間隔が一定であるとき、幅及び間隔の和で表示することができるパッドピッチも一定である。
【0009】
前述したように、図1に示された半導体チップ100がソースドライバーチップである場合、半導体チップ100は、一般的に、高アスペクト比を有する長い形状である。図1に示されるように、出力パッドが所定のパッドピッチP1で配置されている場合、半導体チップ100の両端縁部130では、後述するように、リード損傷の問題が発生する可能性がある。
【0010】
図2は、半導体チップ間の長さの違いによる半導体チップ間のモーメントの違いを示す。
【0011】
図2を参照すると、(a)の場合には、半導体チップ200aの中心210aから縁部220aまでの長さがL1は、比較的短い。(b)の場合には、半導体チップ200bの中心210bから縁部220bまでの長さがL2は、比較的長い。半導体チップのモーメントは、力Fと半導体チップ200a又は200bの中心210a又は210bから縁部220a又は220bまでの長さL1又はL2とを乗算することで得られる値に比例する。よって、出力パッド102に同一の力Fを加えても、半導体チップ200aの縁部220aに発生するモーメントよりも半導体チップ200bの縁部220bに発生するモーメントは大きい。
【0012】
したがって、TCPで半導体チップ100をパッケージングするときに、それぞれの出力パッド102にボンディングツールによって同一の力Fが加えられても、半導体チップ100の中央の比較的近傍に配置されるパッドに発生するモーメントよりも、半導体チップ100から比較的遠くにある、半導体チップ100の端縁部130に配置されるパッドで、より大きいモーメントが発生する。発生したモーメントは、TCPテープに形成されたリードにそのまま伝達されるので、半導体チップ100の端縁部に配置されるリードに作用する力は、リードの強度を超える。したがって、リードの損傷が起きることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、半導体のアスペクト比が大きくても、テープキャリアパッケージ(TCP)で半導体チップをパッケージングするときに、リード損傷の問題を防止することができる半導体チップのパッド配置構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様によれば、半導体チップのパッド配置構造が提供される。ここで、複数のパッドが大きなアスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺、及び右辺に沿って配置され、前記左辺及び右辺に配置されるパッドの縦方向幅、及び前記上辺及び下辺の両端縁部に配置されるパッドの横方向幅は、前記上辺及び下辺の中央部分に配置されるパッドの横方向幅よりも大きい。
【0015】
本発明の他の態様の半導体チップのパッド配置構造によれば、複数のパッドが大きなアスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺、及び右辺に沿って配置され、前記左辺及び右辺に配置されるパッドの縦方向幅は、前記上辺及び下辺に配置されるパッドの横方向幅よりも大きい。
【0016】
本発明のまた他の態様の半導体チップのパッド配置構造によれば、複数のパッドが大きなアスペクト比を有する半導体チップの上辺及び下辺に沿って配置され、前記上辺及び下辺の両端縁部に配置されるパッドの横方向幅は、前記上辺及び下辺の中央部分に配置されるパッドの横方向幅よりも大きい。
【0017】
本発明のまた他の態様の半導体チップのパッド配置構造によれば、複数のパッドが大きなアスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺、及び右辺に沿って配置され、前記左辺及び右辺の両端縁部に配置されるパッドの縦方向幅は、前記左辺及び右辺の中央部分に配置されるパッドの縦方向幅よりも大きく、前記上辺及び下辺の両端縁部に配置されるパッドの横方向幅は、前記上辺及び下辺の中央部分に配置されるパッドの横方向幅よりも大きい。
【0018】
本発明のまた他の態様の半導体チップのパッド配置構造によれば、複数のパッドが大きなアスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺及び右辺に沿って配置され、前記上辺、下辺、左辺、及び右辺のうちで少なくとも一つには複数の入力パッドが配置される入力パッド部が形成され、前記左辺及び右辺に配置される出力パッドの縦方向幅、及び前記上辺及び下辺の両端縁部に配置される出力パッドの横方向幅は、前記上辺及び下辺の中央部分に配置される出力パッドの横方向幅よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来の半導体チップのパッド配置構造の例を示したものである。
【図2】半導体チップ間の長さ違いによる半導体チップ間のモーメントの違いを示す。
【図3】本発明の実施形態による半導体チップのパッド配置構造を示す。
【図4】図3に示された半導体チップの上辺の中央部分及び端縁部分を示す。
【図5】本発明の他の実施形態による半導体チップのパッド配置構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図面を参照して本発明を詳しく説明する。
【0021】
図3は、本発明の実施形態による半導体チップのパッド配置構造を示す。
【0022】
図3を参照すると、半導体チップ300は、大きなアスペクト比の形状を有する。半導体チップ300の中央部分に内部回路310が配置され、パッドを配列するように、内部回路310の外郭の領域である上辺320a、下辺320b、左辺320c、及び右辺320dに、パッド301a〜301cが配置されている。パッド301a〜301cに関して、半導体チップ300の中心を通る縦方向の仮想の線に対して左側に配置されるパッドの個数と右側に配置されるパッドの個数とが同一であるのが好ましい。半導体チップ300の中心を通る横方向の仮想の線に対して、上側に配置されるパッドの個数と下側に配置されるパッドの個数とが同一であることが望ましい。さらに望ましいことは、パッド幅及びパッドピッチが同一なものである。すなわち、半導体チップ300の中心を通る横方向または縦方向の仮想線に対して対称に、パッド301a〜301cが配置されるものである。この場合、半導体チップの中央を通る横線又は縦線に対してパッドが非対称的に配置される場合に比べて、パッドを配置するための領域の使用法、及びテープキャリアパッケージ(TCP)テープの製造効率の面で有利である。
【0023】
これらパッド301a〜301cのうち一部は、内部回路310から出力される信号などを出力するための出力パッドであり、残りは内部回路310に電力や信号を伝達するための入力パッドである。勿論、パッド301a〜301cのうち一部は、入力と出力すべてのための入出力パッドであることがある。半導体チップ300に配置されるパッド301a〜301cの用途は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した技術者なら誰も易しく理解することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0024】
半導体チップ300がソースドライバーチップである場合、一般的に、入力パッドより出力パッドがさらに多く配置される。パッド配置の一つの例は、半導体チップ300のパッド配置空間320a〜320dのうち上辺320aの中央部分に入力パッドが配置されて、その以外のパッド配置空間には出力パッドが配置されるものである。
【0025】
パッド301a〜301cのうちで左辺320c及び右辺320dに配置されるパッド301cと、上辺320a及び下辺320bの縁部分に配置されるパッド301bとは、上辺320a及び下辺320bの中央部分に配置されるパッド301aに比べて、半導体チップ300の中心から遠く離れて配置される。上述したように、半導体チップ300の中心から離れて配置されるパッド301b、301cで発生するモーメントは、半導体チップ300の中心からの距離に比例することから、半導体チップ300をTCPにてパッケージングするとき、TCPに形成されたリードが弱い外力で損傷する可能性がある。
【0026】
このようなリード損傷の問題は、左辺320c及び右辺320dに配置されるパッド301cそれぞれの縦方向幅(W3、以下第3パッド幅と称する)及び上辺320a及び下辺320bの両端縁部分に配置されるパッド301bそれぞれの横方向幅(W2、以下第2パッド幅と称する)を上辺320a及び下辺320bの中央部分に配置されるパッド301aそれぞれの横方向幅(W1、以下第1パッド幅と称する)よりも大きい値を有するように配置することで解決することができる。このとき、左辺320c及び右辺320dに配置されるパッド301cそれぞれの横方向幅と、上辺320a及び下辺320bに配置されるパッド301a、301bそれぞれの縦方向幅は同一であることがある。
【0027】
半導体チップ300の中心から遠く離れているパッド301b、301cそれぞれのパッド幅W2、W3が大きければ、TCPテープに形成されるリードの幅もまた大きくすることができる。リードの幅が大きければ、リードの降伏力もまた大きい。半導体チップ300をTCPでパッケージングするときに、半導体チップ300の中心から比較的遠く離れている部分で発生するリード損傷の問題をある程度解決することができる。
【0028】
図4は、図3に示された半導体チップ上辺の中央部分と端縁部分を示す。図4を参照すると、半導体チップ300の上辺320aは、中央部分410と両端縁部分420に区分することができる。
【0029】
一例で、横方向の長さ(X+2α)と縦方向の長さ(Y)との比が10:1を超え、XのYに対する比が10:1であると仮定する。また、半導体チップ300の横方向の長さに対する縦方向の長さの比である10:1は、最小限のパッド幅または最小限のパッドピッチでパッドを配置した場合に、半導体チップ300をTCPでパッケージングしたとき、リード損傷が発生しない最大の比であると仮定する。この場合、前述したように、半導体チップ300をTCPでパッケージングしたとき、上辺320aの両端縁部分420では、リード損傷の問題が発生することがある。
【0030】
ここで、リード損傷が発生しない最大比の例として提案された半導体チップの横方向の長さの縦方向の長さに対する比は10:1である。10:1の比は、半導体チップをTCPでパッケージングしたとき、ボンディングツールに加えられる力が一定である場合に、半導体チップの端縁部分でリード損傷が発生しない最大の比である。よって、比10:1は、ボンディングツールに加えられる力の大きさによって、あるいは各パッドのパッドピッチによっても変わることができる。また、比10:1は、半導体チップをTCPでパッケージングするときにボンディングツールに加えられる力を変更することにより、あるいはパッドピッチを変更することにより、調節可能である。
【0031】
図4に示された上辺320aでのパッド配置の例では、上辺320aの両端縁部分に配置されるパッド301bそれぞれの第2パッド幅W2は、上辺320aの中央部分410に配置されるパッド301aそれぞれの第1パッド幅W1よりも大きい。
【0032】
上辺320aの中央部分410は、半導体チップ300の中央部から比較的近い部分である。したがって、中央部分410では、半導体チップの製造工程であらかじめ決まった最小限のパッド幅W1及び最小限のパッド間隔S1、すなわち最小限のパッドピッチP1を有するパッド301aが配置可能である。
【0033】
反面、上辺320aの両端縁部分420は、半導体チップ300の中心から比較的に遠い部分である。この部分では、半導体チップ300をTCPでパッケージングするときに、リード損傷の問題が発生することがあるので、上辺320aの両端縁部分420に配置されるパッド301bそれぞれは、上辺320aの中央部分に配置されるパッド301aそれぞれの第1パッド幅W1よりも大きい第2パッド幅W2を有する。
【0034】
上辺320aの両端縁部分420には、第2パッド幅W2を有するパッド301bが、アラインキー330が配置された角からN個(Nは、1以上の自然数)、配置可能である。しかし、半導体チップをTCPでパッケージングするときに、リード損傷を防止するように相対的に大きい横方向幅W2を有するパッド301bの個数(N個)は、決まったものではない。比較的大きい横方向幅W2を有するパッド301の個数(N個)は、半導体チップ300の横方向の長さと縦方向の長さの比(X+2α):Yに基づいて変わる。もし、上辺320aの中央部分410の長さ(X)が所定値で決まったら、上辺320aの両端縁部分の長さ(2α)に基づいて、横方向幅(W2)が相対的に大きいパッド301の個数(N個)が決まる。このとき、上辺320aの中央部分410の長さ(X)は、半導体チップ300の、中央部分410の長さ(X)の縦方向の長さ(Y)に対する比(例えば、X:Y=10:1)によって決まる。半導体チップの製造工程で許容される範囲で最小限のパッドピッチを有するパッドが、上辺320aの、長さがXである中央部分410に配置可能である。
【0035】
前記の例で、最小限のパッド幅を有するパッド301aが最小限のパッド間隔で配置される上辺320aの中央部分410の長さ(X)は、半導体チップ300の縦方向の長さ(Y)の10倍を越えないことが望ましい。そして、上辺320aの中央部分410に配置されるパッド301aの第1パッド幅(W1)よりも大きい第2パッド幅(W2)を有するパッド301bが、上辺320aの残り部分420に配置されることが望ましい。
【0036】
上辺320aの両端縁部分420の長さ(2α)が小さな値なら、第2パッド幅(W2)を有するパッド301bが少ない個数で配置される。上辺320aの両端縁部分420の長さ(2α)が大きい値ならば、第2パッド幅(W2)を有するパッド301bは、多い個数で配置される。一定の幅を有するパッド301bが、上辺320aの両端縁部分420に配置可能である。パッドが半導体チップ300の中央部分から遠くなるほど、パッド幅も大きくなる。
【0037】
パッド301a間の間隔、及びパッド301b間の間隔が一定な場合、上辺320aの中央部分410に配置されるパッド301aの第1パッド幅(W1)よりも両端縁部分420に配置されるパッド301bの第2パッド幅(W2)が大きければ、中央部分410に配置されるパッド301aのパッドピッチ(P1)よりも両端縁部分420に配置されるパッド301aのパッドピッチ(P2)はさらに大きい。もちろんパッドピッチは、パッド幅、あるいはパッド間の間隔を変更することで、増減することができる。
【0038】
図4では、半導体チップ300の上辺320aを示したが、同様に、半導体チップ300の下辺320aに対しても中央部分410と両端縁部分420とに区分できる。
【0039】
また、左辺320c及び右辺320dも半導体チップ300の中央部分から比較的遠く離れているので、左辺320c及び右辺320dには、上辺320aの中央部分410に配置されるパッド301aのパッド幅よりも、より大きい第3パッド幅(W3)を有するパッド301cを配置することができる。ここで、半導体チップ300の上辺320a及び下辺320bの両端縁部分420に配置されるパッド301bのパッドピッチ(P2)は、左辺320c及び右辺320dに配置されるパッド301cのパッドピッチ(P3)と同一であることがある。
【0040】
この場合、左辺320cに配置されるパッド301cと、上辺320a及び下辺320bの左側端縁部分に配置されるパッド301bでなされる形態は、“コ”字形状になる。右辺320cに配置されるパッド301cと上辺320a及び下辺320bの右側端縁部分420に配置されるパッド301bでなされる形態も同様の形状になる。
【0041】
図面に示さなかったが、左辺320c及び右辺320dの中央部分に配置されるパッドは、上辺320aの中央部分410に配置されるパッド301aの第1パッド幅(W1)と同じであるか、または大きいパッド幅を有する。両端縁部分に配置されるパッドは、左辺320c及び右辺320dの中央部分に配置されるパッドのパッド幅よりもさらに大きいパッド幅を有する。この場合、左辺320c又は右辺320dのうちの一つの端縁部分に配置されるパッド301cと、上辺320a又は下辺320bのうちの一つの端縁部分に配置されるパッド301bとでなされる形態は、“┐”形状になる。
【0042】
上辺320a及び下辺320b、そして左辺320c及び右辺320dが交差する部分である、半導体チップ300の4箇所の角には、パッドは配置されない。半導体チップ300をTCPでパッケージングするときに、半導体チップ300とボンディングツール(図示せず)とを整列するためのアラインキー(Align Key)330が、半導体チップ300の4箇所の角に配置することができる。アラインキー330が存在する場合、パッド301a、301bは、2つのアラインキー330の間に配置される。
【0043】
図5は、本発明の他の実施形態による半導体チップのパッド配置構造を図示する。
図5に示された半導体チップ500は、図3に示された半導体チップ300と同様に、比較的大きいアスペクト比を有している。半導体チップ500の中央部分に内部回路510が配置される。パッドを配置するように、内部回路510外郭の領域である上辺520a、下辺520b、左辺520c及び右辺520dに出力パッド501a〜501cが配置される。また、半導体チップ500の4箇所の角には、アラインキー530が配置可能である。
【0044】
図5を参照すると、左辺520c及び右辺520dに配置される出力パッド501cそれぞれの第3パッド幅(W3)、及び上辺520a及び下辺520bの両端縁部分に配置される出力パッド501bそれぞれの第2パッド幅(W2)は、上辺520a及び下辺520bの中央部分に配置される出力パッド501aそれぞれの第1パッド幅(W1)よりも大きい。
【0045】
言い換えると、左辺520c及び右辺520dに配置される出力パッド501cのパッドピッチ(P3)、及び上辺520a及び下辺520bの両端縁部分に配置される出力パッド501bのパッドピッチ(P2)は、上辺520a及び下辺520bの中央部分に配置される出力パッド501aのパッドピッチ(P1)よりも大きい。
【0046】
そして、上辺520a、下辺520b、左辺520c及び右辺520dのうち少なくとも一つには、内部回路510に電力または信号を伝達するための入力パッド部540が配置される。
【0047】
入力パッド部540には、複数の入力パッド541が配置される。入力パッド部540が半導体チップ500の上辺520aや下辺520bの中央部分に配置される場合、入力パッド部540に配置される複数の入力パッド541は、左右対称の形態に配置されることができる。入力パッド部540が半導体チップ500の左辺520cや右辺520dの中央部分に配置される場合、入力パッド部540に配置される入力パッド541は、上下対称の形態に配置されることができる。
【0048】
入力パッド部540に配置される入力パッド541も、出力パッド501a〜501cの配置と同様に半導体チップ500に配置することができる。すなわち、半導体チップ500の中心から比較的近い上辺520aや下辺520bの中央部分に配置される入力パッド541のパッド幅(W4)よりも、半導体チップ500の中央部分から比較的遠く離れた上辺520aや下辺520bの両端縁部分、あるいは左辺520cや右辺520dに配置される入力パッド541のパッド幅(W4)を大きくして配置することができる。
【0049】
図5には、上辺520aの中央部分に入力パッド部540が配置された例が示されている。入力パッド部540には、左右対称で入力パッド541が配置されている。一定のパッド幅(W4)及び一定のパッド間隔(S4)、すなわち一定なパッドピッチ(P4)を有する入力パッド541が配置可能である。このとき、入力パッド541それぞれのパッド幅(W4)は、上辺520aや下辺520bの中央部分に配置される出力パッド501aそれぞれのパッド幅(W1)と同一であってもよい。
【0050】
図3及び図5に示された実施形態では、比較的大きいパッド幅(W2、W3)を有するパッドが、”コ”字形状をなすように、上辺320a及び下辺320b、又は上辺520a及び下辺520bの両端縁部分、並びに左辺320c及び右辺320d、又は左辺520c及び右辺520dに配置される。このような例は、半導体チップ300又は500が大きなアスペクト比を有する場合において、半導体チップをTCPでパッケージングするときに、リード損傷の問題を防止するのに有用である。
【0051】
場合によって、半導体チップ300の上辺320a及び下辺320b、又は半導体チップ500の上辺520a及び下辺520bの両端縁部分420(図4)に比較的パッド幅が大きい第2パッド幅W2を有する第2パッドを配置することができる。また、左辺320c及び右辺320d、又は左辺520c及び右辺520dに比較的パッド幅が大きい第3パッド幅W3を有するパッドを配置することができる。前者の場合、パッドが半導体チップ300の上辺320a及び下辺320b、又は半導体チップ500の上辺520a及び下辺520bのみに配置可能な場合に有用であり、後者の場合、半導体チップ300又は500のアスペクト比が大きくない場合に有用である。
【0052】
今まではパッドそれぞれの横方向または縦方向のパッド幅を主として説明したが、パッド幅は、パッドピッチとも密接な関係がある。特に、パッド間の間隔が一定な場合、パッド幅が大きければ、パッドピッチもまた大きい。図3及び図4に示された例で、半導体チップの上辺320aの中央部分410に配置されるパッド301aそれぞれの第1パッド幅W1よりも、上辺320aの両端縁部分420に配置されるパッド301bそれぞれの第2パッド幅W2が大きければ、上辺320aの中央部分410に配置されるパッド301aのパッドピッチP1よりも、両端縁部分420に配置されるパッド301bのパッドピッチP2は大きい。
【0053】
本発明の例示的な実施形態を参照して特に示され記述したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者なら誰も、添付の請求範囲に規定されるような本発明の技術的思想の範疇を離脱しない範囲内で多様な変形及び模倣が可能であることは理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0054】
上述したように、半導体チップの中央部から比較的離れたパッドのパッド幅が比較的大きいパッド配置構造を用いることにより、高アスペクト比を有するテープキャリアパッケージ(TCP)における半導体チップをパッケージングするときのリード損傷の課題を防止することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップのパッド配置構造において、
高アスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺及び右辺に沿って複数のパッドが配置され、
前記左辺及び右辺に配置されるパッドの縦方向幅、及び前記上辺及び下辺の両端縁部分に配置されるパッドの横方向幅は、前記上辺及び下辺の中央部分に配置されるパッドの横方向幅よりも大きい、半導体チップのパッド配置構造。
【請求項2】
前記左及び右辺に配置されるパッド、及び前記上辺及び下辺の一方の端縁部分に配置されるパッドは、“コ”字形状をなす、請求項1に記載の半導体チップのパッド配置構造。
【請求項3】
前記半導体チップの左辺に配置されるパッド及び右辺に配置されるパッドは、左右対称の形態に配置され、
前記半導体チップの上辺に配置されるパッド及び下辺に配置されるパッドは、上下対称の形態に配置されている、請求項1に記載の半導体チップのパッド配置構造。
【請求項4】
半導体チップのパッド配置構造において、
高アスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺及び右辺に沿って複数のパッドが配置され、
前記左辺及び右辺に配置されるパッドの縦方向幅は、前記上辺及び下辺に配置されるパッドの横方向幅よりも大きい、半導体チップのパッド配置構造。
【請求項5】
半導体チップのパッド配置構造において、
高アスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺、及び右辺に沿って複数のパッドが配置され、
前記上辺及び下辺の両端縁部分に配置されるパッドの横方向幅は、前記上辺及び下辺の中央部分に配置されるパッドの横方向幅より大きい、半導体チップのパッド配置構造。
【請求項6】
半導体チップのパッド配置構造において、
高アスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺及び右辺に沿って複数のパッドが配置され、
前記左辺及び右辺の両端縁部分に配置されるパッドの縦方向幅は、前記左辺及び右辺の中央部分に配置されるパッドの縦方向幅よりも大きく、
前記上辺及び下辺の両端縁部分に配置されるパッドの横方向幅は、前記上辺及び下辺の中央部分に配置されるパッドの横方向幅よりも大きい、半導体チップのパッド配置構造。
【請求項7】
前記左辺及び右辺の中央部分に配置されるパッドの縦方向幅は、前記上辺及び下辺の中央部分に配置されるパッドの横方向幅と同じであるか、または大きい、請求項6に記載の半導体チップのパッド配置構造。
【請求項8】
前記左辺及び右辺のうちでいずれか一つに配置されるパッドと、前記上辺及び下辺のうちで一つに配置されるパッドとは、“┐”形状をなす、請求項6に記載の半導体チップのパッド配置構造。
【請求項9】
半導体チップのパッド配置構造において、
高アスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺及び右辺に沿って複数のパッドが配置され、
前記上辺、下辺、左辺及び右辺を含む4つの辺の少なくとも一つには、複数の入力パッドが配置される入力パッド部が形成され、
前記左辺及び右辺に配置される出力パッドの縦方向幅及び前記上辺及び下辺の両端縁部分に配置される出力パッドの横方向幅は、前記上辺及び下辺の中央部分に配置される出力パッドの横方向幅よりも大きい、半導体チップのパッド配置構造。
【請求項10】
前記半導体チップの左辺に配置される出力パッド及び右辺に配置される出力パッドは、左右対称の形態に配置され、
前記半導体チップの上辺に配置される出力パッド及び下辺に配置される出力パッドは、上下対称の形態に配置されている、請求項9に記載の半導体チップのパッド配置構造。
【請求項11】
前記上辺または前記下辺に前記入力パッド部が形成される場合、前記入力パッドは、左右対称の形態で前記入力パッド部に配置され、
前記左辺または前記右辺に前記入力パッド部が形成される場合、前記入力パッドは、上下対称の形態で前記入力パッド部に配置されている、請求項9に記載の半導体チップのパッド配置構造。
【請求項12】
半導体チップのパッド配置構造において、
高アスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺及び右辺に沿って複数のパッドが配置され、
前記左辺及び右辺に配置されるパッドのパッドピッチ、及び前記上辺及び下辺の両端縁部分に配置されるパッドのパッドピッチは、前記上辺及び下辺の中央部分に配置されるパッドのパッドピッチよりも大きい、半導体チップのパッド配置構造。
【請求項13】
半導体チップのパッド配置構造において、
高アスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺及び右辺に沿って複数の出力パッドが配置され、
前記上辺、下辺、左辺及び右辺を含む4つの辺の少なくとも一つには入力パッド部が形成され、
前記左辺及び右辺に配置される出力パッドのパッドピッチ、及び前記上辺及び下辺の両端縁部分に配置される出力パッドのパッドピッチは、前記上辺及び下辺の中央部分に配置される出力パッドのパッドピッチよりも大きい、半導体チップのパッド配置構造。
【請求項14】
半導体チップのパッド配置構造において、
高アスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺及び右辺に沿って複数のパッドが配置され、
前記左辺及び右辺に配置されるパッドのパッドピッチは、前記上辺及び下辺に配置されるパッドのパッドピッチよりも大きい、半導体チップのパッド配置構造。
【請求項15】
半導体チップのパッド配置構造において、
高アスペクト比を有する半導体チップの上辺及び下辺に沿って複数のパッドが配置され、
前記上辺及び下辺の両端縁部分に配置されるパッドのパッドピッチは、前記上辺及び下辺の中央部分に配置されるパッドのパッドピッチよりも大きい、半導体チップのパッド配置構造。
【請求項16】
半導体チップのパッド配置構造において、
高アスペクト比を有する半導体チップの上辺、下辺、左辺及び右辺に沿って複数のパッドが配置され、
前記左辺及び右辺の両端縁部分に配置されるパッドのパッドピッチは、前記左辺及び右辺の中央部分に配置されるパッドのパッドピッチよりも大きく、
前記上辺及び下辺の両端縁部分に配置されるパッドのパッドピッチは、前記上辺及び下辺の中央部分に配置されるパッドのパッドピッチよりも大きい、半導体チップのパッド配置構造。
【請求項17】
前記上辺又は下辺と前記左辺又は右辺とが交差される角ごとにアラインキーが配置されている、請求項1から4、6から14、及び16のいずれか一つに記載の半導体チップのパッド配置構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−529673(P2010−529673A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511099(P2010−511099)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【国際出願番号】PCT/KR2007/006573
【国際公開番号】WO2008/150055
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(508038091)シリコン・ワークス・カンパニー・リミテッド (46)
【氏名又は名称原語表記】Silicon Works Co., LTD.
【Fターム(参考)】