半導体チップの実装方法、配線回路基板の構造、及び配線回路基板の製造方法
【課題】
半導体チップの実装に際して、半導体チップの配線回路基板上への実装時間を短縮して、半導体チップの大量生産及び低コスト化に適した半導体チップの実装を可能にする。
【解決手段】
配線回路基板上に半導体チップをフリップチップ方式で実装する半導体チップの実装方法において、フィルムの表面に剥離可能に保持されている半導体チップを該フィルムの裏面側から超音波ホーンにより押して半導体チップを突き出させ、この突き出させた半導体チップに前記超音波ホーンより超音波による振動を負荷したまま該半導体チップを同一加圧方向に対応する前記配線回路基板上に押し付けることにより、前記半導体チップを剥離すると同時に該半導体チップの電極を配線回路基板の回路に接合させる。
半導体チップの実装に際して、半導体チップの配線回路基板上への実装時間を短縮して、半導体チップの大量生産及び低コスト化に適した半導体チップの実装を可能にする。
【解決手段】
配線回路基板上に半導体チップをフリップチップ方式で実装する半導体チップの実装方法において、フィルムの表面に剥離可能に保持されている半導体チップを該フィルムの裏面側から超音波ホーンにより押して半導体チップを突き出させ、この突き出させた半導体チップに前記超音波ホーンより超音波による振動を負荷したまま該半導体チップを同一加圧方向に対応する前記配線回路基板上に押し付けることにより、前記半導体チップを剥離すると同時に該半導体チップの電極を配線回路基板の回路に接合させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば航空タグ、物流管理ラベル、無人改札パス等に用いられるICタグに備えられる半導体チップの実装方法に係わり、特に配線基板上に半導体チップをフリップチップ方式で実装する場合の半導体チップの実装方法、配線回路基板の構造、及び配線回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、物流の自動化を進めていくには、個々の物品に識別用の伝票を貼付け、この貼付けられた個々の伝票に記録されている情報を機械読み取ることが重要である。従来、このような機械読み取りを実現するためには、個々の伝票に対応したバーコードラベルを貼付け、これをバーコードリーダで読み取るようにしている。
【0003】
しかしながら、バーコードリーダを用いてバーコードラベルを読み取るためには、両者間に一定の距離的並びに方向的な関係付けを、かなり高精度に行う必要があり、物流の自動化及び円滑化を図るうえでの障害になっていた。さらに、バーコードには入力できる情報量が少なく、物流の管理範囲も狭い区域に限られていた。
【0004】
そこで近年、電磁波を用いて非接触に読み取りが可能なIC(Integrated Circuit)タグが使用されてきている(例えば特許文献1参照)。このICタグによれば、読取媒体として電磁波を用いていることから、読み取りに際して両者間の距離的並びに方向的な制約をさほど受けることがなくなり、具体的には、読み取りの方向性に制約を受けることなく1メートル離れた距離からでも、その内容を確実に読み取らせることができる。
【0005】
また、このICタグ内のICには、管理対象物品の個体情報を大容量で記憶することができ、用途によっては、この個体情報を該個体を特定するためのセキュリティ情報に用いることも可能である。
【0006】
図12(A)〜(E)はICタグに備えられるICチップを回路基板に実装するための従来のICチップの実装工程を示し、このICチップ121を実装する際、先ず、
第1実装工程としての図12(A)では、接着性のあるフィルム122上に剥離可能に接着されている複数個のICチップ基板(ウェハ)123から、個片のICチップ121のみを針状の第1ツール124で押し上げる。
【0007】
次に、第2実装工程としての図12(B)では、押し上げられたICチップ121に対して上方からエアー等による吸引用の第2ツール125で該ICチップ121を吸着させた後、この第2ツール125を上動させてフィルム122の上面から1個のICチップ121を剥離して上方に取外す。
【0008】
さらに、第3実装工程としての図12(C)では、ICチップ121上の電極としての両接続端子(金属端子)121a,121bは実装面でありながら実装方向とは逆方向の上向き状態にあるので、該両接続端子121a,121bを基板上のアンテナ回路と接続させるためには表裏を反転させる必要がある。従って、ICチップ121の表裏を反転させた後、実装用の第3ツール126を用いてICチップ121を持ち替えてICチップ121の接続端子121a,121bを下方に向ける。
【0009】
その後、第4実装工程としての図12(D)では、第3ツール126によって基板127上のアンテナ回路128の回路端子部128a,128bにICチップ121を搬送し、その回路端子部128a,128b間の実装位置に位置合せした後、圧力を負荷してICチップ121の両接続端子121a,121bを、例えばACP(異方導電性ペースト)などの導電性接着剤129を介してアンテナ回路128の回路端子部128a,128bに押さえ付け、ICチップ121を設定された位置に設置する。
【0010】
最後に、第5実装工程としての図12(E)では、ICチップ121の電気的接続に導電性接着剤129を用いる場合は、前記工程の後、さらに押圧用の第4ツール130でICチップ121に圧力を負荷した状態で10秒程度、150℃程度の温度で加熱することにより実装する。
このようにICチップ121の実装には、第1〜第5実装工程を要し、ICチップ1個当りの実装工程時間は通常2〜3秒が必要である。
【0011】
ところが、近年ICタグは年間1億〜30億という量が消費され、この消費量を満足させるための大量生産と低コストを実現するためには、前記したICチップの1個当りの実装工程時間を短縮することが課題になっていた。
【0012】
【特許文献1】特開2001−156110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこでこの発明は、前記の問題点に着目してなされたもので、半導体チップの配線回路基板上への実装時間を短縮して、半導体チップの大量生産及び低コスト化に適した実装を可能にした半導体チップの実装方法、配線回路基板の構造、及び配線回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、配線回路基板上に半導体チップをフリップチップ方式で実装する半導体チップの実装方法において、フィルムの表面に剥離可能に保持されている半導体チップを該フィルムの裏面側から超音波ホーンにより押して半導体チップを突き出させ、この突き出させた半導体チップに前記超音波ホーンより超音波による振動を負荷したまま該半導体チップを同一加圧方向に対応する前記配線回路基板上に押し付けることにより、前記半導体チップを剥離すると同時に該半導体チップの電極を配線回路基板の回路に接合させることを特徴とする。
【0015】
この発明によると、超音波溶接だけでなく剥離用押圧部材に兼用させる超音波ホーンにより半導体チップをフィルムを介して配線回路基板上に押し付けるとき、前記超音波ホーンの押し付け方向と、半導体チップの電極と配線回路基板の回路との間を接続させるための接合方向とが同一加圧方向になるため、押圧と同時に目的の接合すべき配線回路基板上の位置に半導体チップを直接取付けることができ、1回の実装工程で半導体チップの実装が完了する。
【0016】
このため、半導体チップをフィルムから剥離させる取外し動作の延長線上に該半導体チップを実装させる取付け動作が対応し、一方向の加圧動作だけで両処理動作を施すことができる。従って、半導体チップをフィルムから一旦、取外してから表裏反転用に持ち替えて取付け位置に搬送した後、再び取付け動作するというような手間の掛かる実装工数を削減して半導体チップ1個当りの実装時間を顕著に短縮でき、短時間に半導体チップの取付けが完了する。さらに、半導体チップを表裏反転させて搬送させる工程を省略できるため設備を小型化及び低コスト化できる。ことに、ICチップの反転動作を省略できるため、半導体チップの大きさにかかわらず実装動作が単純になり、半導体チップの微小化にも対応できる。例えば0.5mm角以下の微小なICチップの実装にも容易に対処できる効果が得られる。
【0017】
この発明の別の構成では、前記半導体チップを剥離可能に保持するフィルムには、該フィルムの厚さ方向に空気を通す多数の貫通してなる微細孔を有し、該微細孔から空気を吸引して前記半導体チップを吸引保持した状態で配線回路基板上への半導体チップの実装を行うことを特徴とする。
【0018】
この場合は、超音波ホーンがフィルムを介して半導体チップを吸引保持しているため超音波ホーンが半導体チップを実装方向に押し付けながら吸引保持して1つの半導体チップだけを安定して超音波溶接することができる。さらに、フィルムの微細孔は例えば繊維状の多孔質を有するフィルムを用いればよく、超音波による振動を多孔質のフィルムに与えても、該微細孔が振動の緩衝帯としての役割を果すため、特定の1つの半導体チップのみに的確に超音波振動を与えて接合させることができ、隣接する半導体チップへは超音波が伝播しない。
【0019】
この発明の別の構成では、半導体チップの実装に際して、前記超音波ホーンは前記フィルムを介して半導体チップに超音波を与えることに加えて、該超音波ホーン内に有する吸引通路を通して該超音波ホーンの先端部から空気を吸引することを特徴とする。
【0020】
この場合は、超音波ホーンを本来の超音波溶接させるための振動付与機能に加えて、該超音波ホーンに形成した吸引通路による半導体チップの吸引保持機能との両機能を有して兼用することができる。このため、新たに吸引部材を用いることがなく、1つの超音波ホーンを効率よく用いて微小な半導体チップに対する吸引保持手段を容易に構築できる。
【0021】
この発明の別の構成では、前記配線回路基板は該配線回路基板の回路端子部の表面に熱可塑性接着剤を塗布したことを特徴とする半導体チップの実装方法に用いられる配線回路基板の構造である。
【0022】
この場合は、半導体チップを配線回路基板の回路端子部に接合させたとき、回路端子部の表面を覆っている熱可塑性接着剤が溶けた後、再硬化する。このとき、接着作用が強く働いて、半導体チップと回路端子部との接着力が、フィルムと半導体チップとの間の接着力より高くなるため半導体チップはフィルムから容易に剥離される。このように、熱可塑性接着剤が半導体チップの実装面側の接着力を強めて該半導体チップの実装を円滑にするものである。
【0023】
このとき、半導体チップは片面でフィルムとの剥離動作を、他の片面で回路端子部との接合動作を行うという加圧方向が同一方向の最短ストロークのため最も短時間に半導体チップを実装できる簡単な実装方法である。
【0024】
この発明の別の構成では、回路の一部に半導体チップを実装するための回路端子部を持った配線回路基板の製造方法において、前記配線回路基板上の回路を形成するためのエッチング用レジストインクを印刷する第1印刷工程と、前記半導体チップを前記配線回路基板の回路に実装するための回路端子部に塗布される熱可塑性接着剤を印刷する第2印刷工程とを有し、前記第1印刷工程後に第2印刷工程を同一印刷ライン上にて施すことを特徴とする。
【0025】
この発明によると、第1印刷工程と第2印刷工程とを同一の印刷ライン上に設定して連続的に印刷できるため、各レジストインクの印刷位置がずれることがなくなる。また、高速化を図って配線回路基板の大量生産を可能にすることができる。例えば、同一印刷ライン上に広幅のアンテナ基板を配設しておいて、その上面に複数のICチップなどの半導体チップを対応させれば、同時に複数の接合処理が可能になり、半導体チップの高速実装ができ、この結果、製品の大量生産が可能になる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、超音波溶接だけでなく剥離用押圧部材に兼用させる超音波ホーンにより半導体チップを、フィルムを介して配線回路基板上に押し付けると同時に目的の接合すべき配線回路基板上に直接取付けることができるため、半導体チップの取外し動作の延長線上に該半導体チップの取付け動作が対応し、同一方向の加圧動作だけで両処理を兼ねた半導体チップの実装を施すことができる。従って、半導体チップの取付け工程を短縮して短時間に半導体チップの取付けが完了する。このため、半導体チップの生産能率が大幅に向上し、さらに設備を簡素化できることから確実に低コスト化を図ることができる。
【実施例1】
【0027】
この発明に係わる実施例を添付図面に従って説明する。
図1は交信周波数帯としてUHFを用いる場合のICタグの形態を示し、図1(A)にはICタグ10の平面図を、図1(B)にはICタグ10の側面図を示す。以下、ICタグの構造を例にとって説明すると、このICタグ10は平面的な基板11上に形成されたアンテナ回路12と、該アンテナ回路12に接続された回路基板14、及び該回路基板14上に実装されたICチップ13とから構成されている。
【0028】
前記基板11は、例えば厚さ38μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製フィルムの樹脂材を用い、この基板11の片面に9μm厚のCuをエッチングしてなるアンテナ回路12を形成し、さらに25μm厚のPET製のフィルムを基材とする回路基板14上にICチップ13を実装してなる電子部品モジュール15を設け、この電子部品モジュール15を前記アンテナ回路12の両端部12a,12bに機械的に締結した構造である。
【0029】
次に、電子部品モジュール15の構造を図2について説明する。この電子部品モジュール15は、25μm厚のPET製フィルム143の片面に、35μm厚の硬質アルミニュウムからなる配線回路パターン141を形成しており、さらに該配線回路パターン141の上面に4〜6μm厚の熱可塑性接着剤からなる熱可塑性樹脂層142を挟んで、150μmのICチップ13を実装した構造である。さらに、ICチップ13より突出した電極としての金属端子131(以下バンプ)は、前記熱可塑性樹脂層142を貫通し、配線回路パターン141と金属融着部16によって、電気的に接続されている。
【0030】
前記熱可塑性樹脂層142は、ICチップ13を回路基板の回路端子部に接合させたとき、回路端子部の表面を覆っている熱可塑性樹脂層142が溶けた後、再硬化して接着作用が強く働く。この結果、ICチップ13の実装時には熱可塑性樹脂層142がICチップ13の実装面側の接着力を強めて該ICチップ13の実装を円滑にする。
【0031】
次に、電子部品モジュール15を製造するときのICチップ13の実装方法を図3に従って説明する。
[第1実装工程]
先ず、第1実装工程として、下部に回路基板14を用意する。この回路基板14は、図3(A)に示すように、25μm厚のPET製フィルム143の片面に、ウレタン系接着剤を介して35μm厚の硬質アルミ箔を重ね、これを150℃、圧力5kg/cm2の条件で熱ラミネートを経て積層接着させたAlーPET積層を用意し、前記積層材の硬質アルミ箔の表面上に所要パターンのエッチングレジストパターンを形成する。このとき、熱可塑性樹脂層142としてのレジストパターンの形成は、例えば150℃程度の温度で溶融するポリオレフィン系の熱可塑性接着剤を、グラビア印刷等の方法によって4〜6μm程度塗布することによって行う。この後、形成されたエッチングレジストから露出するAl箔部分をエッチング処理により除去し、PET製フィルム143の上面に配線回路パターン141を形成する。
【0032】
さらに、ウェハリング301に貼られた接着剤付きのフィルム(ダイシングフィルム)22に、多数のICチップ13を下面に貼付ける。例えば、直径8インチのICチップ基板であるウェハを固定したウェハ固定リング30を前記回路基板14の上部に用意する。このとき、使用するダイシングフィルム22は表面に接着剤を有し、ICチップ13の剥離時に該ICチップ13をダイシングフィルム22から剥離可能に接着保持する接着強さ、例えば1.0N/20mmで固定することが可能な強さを有するフィルムを用いる。
[第2実装工程]
次に、図3(B)に示すように、ICチップ13を前記第1実装工程により形成された配線回路パターン141上に実装する。この実装に際して、ICチップ13は底面両側に接続用の金属端子(バンプ)131を突出させた、いわゆる表面実装型部品として構成されており、この底部から突出するバンプ131(例えば金よりなる)にピックアップピン23により超音波振動を付加した状態で、150℃の加熱により溶融した前記熱可塑性樹脂層142に押し当てる。
【0033】
このとき、溶融した熱可塑性樹脂層142は、バンプ131の超音波振動によりバンプ先端の位置より除去され、さらに回路基板14の配線回路パターン141の表面上の酸化物層等も振動により機械的に除去される。この後、さらに振動による摩擦熱によりバンプ131と回路基板14の配線回路パターン141の表面間が加熱され、金原子がAl内に拡散した、金属融着部16(図2参照)を形成して接合を行う。
【0034】
この実装に際しての位置合せは、前記ICチップ13をウェハ形状で固定したウェハ固定リング30ごと、ICチップ13が所定の実装位置に位置するように回路基板14との接合を位置出しして配置した後、押し付けに必要な負荷圧力0.2Kg/mm2を有するピックアップピン23を下動させ、その下方に位置するダイシングフィルム22を下向きの凸状に湾曲させて、該ダイシングフィルム22の下面に貼着されているICチップ13を下方の回路基板14に押し当てる。この後、振動数63KHzの超音波振動をピックアップピン23に付加しつつ、さらに0.2Kg/mm2の押付圧力でICチップ13を回路基板14に、接合を確保するのに必要な時間、例えば1秒間程度押し付けて接合する。
[第3実装工程]
前記第1、第2実装工程の後、図3(C)に示すように、ピックアップピン23に付加された超音波を除去すると、溶融した熱可塑性樹脂層142は再硬化して、ICチップ13と回路基板14の配線回路パターン141間を接着する。この実施例におけるICチップ13と配線回路パターン141間の接合強度には1.0Kg/mm2以上が得られ、ダイシングフィルム22とICチップ13間の接合強度よりも高い値を得ることによって、ICチップ13をダイシングフィルム22より剥離させて容易に取外すことができる。
【0035】
この場合、超音波溶接だけでなく剥離用押圧部材に兼用させるピックアップピン23によりICチップ13をダイシングフィルム22を介して回路基板14上に押し付けるとき、前記ピックアップピン23の押し付け方向と、ICチップ13と回路基板14との間を接続させるための接合位置とが同一方向になるため、押圧と同時に目的の接合すべき回路基板14上の位置に直接取付けることができる超音波溶接が可能になる。このため、ICチップ13の取外し動作の延長線上に該ICチップ13の取付け動作が対応し、一方向の加圧動作だけで両処理を兼ねたICチップ13の実装を施すことができる。
【0036】
ことに、ピックアップピン23を下向きに下動させるだけで、ICチップ13は上面でダイシングフィルム22との剥離動作を、下面で接合動作を行うという加圧方向が同じとなる最短のストロークのため最も短時間に接合できる。
【0037】
次に、前記電子部品モジュール15を、アンテナ回路12と接続する工程を図4(A)、図4(B)及び図5に従って説明する。
先ず、図4(A)に示すように、上部の電子部品モジュール15の配線回路パターン141が下部のアンテナ回路12の接続部12a,12bと相対する位置に配置し、双方を接触させる。次に、図4(B)に示すように、該接触界面を挟み込むように上部に超音波ホーン40を、下部に超音波アンビル41を配し、接触界面に接合に必要な負荷圧力を0.2Kg/mm2付与し、超音波振動を振動数40kHzで付加しながら接合に必要な時間、例えば0.5秒間押し当てる。
【0038】
この場合、金属同士の接触界面に超音波振動を加えると、超音波接合の原理に従って、先ず金属間の接合が行われ、この後、さらに振動が加わると、金属の塑性流動が起こり、金属が超音波アンビル41の凸部に相当する位置から凹部に相当する位置に移動する。さらに、金属流動によって生じた電子部品モジュール15の基板143とアンテナ回路12の基板11の接触面では、超音波振動によって、さらに樹脂材同士の融着が起る。以上の経過により、図5に示すように、この発明に係わる電子部品モジュール15とアンテナ回路12との組立てが完了する。
【0039】
図6及び図7はICチップの1個当りの実装工程と実装時におけるタイムチャートを従来例とこの発明例とを比較して表している。
先ず、図6(A)に示す従来例のICチップの実装工程では、
(1)ICチップのピッキングアップ工程:1.2秒
(2)ICチップの反転工程:1.5秒
(3)ICチップの搬送工程:1.9秒
(4)ICチップの超音波溶接工程:0.8秒
の4工程からなり、その合計時間は5.4秒要している。
【0040】
これに対し、図6(B)に示すこの発明例のICチップの実装工程では、
(1)ICチップの位置出し工程(図3(A)参照):0.2秒
(2)ICチップの超音波溶接工程(図3(B)(C)参照):0.8秒
の2工程からなり、その合計時間は1秒である。
【0041】
このようにICチップ1個当りの実装工程が異なるため、従来例とこの発明例とでは、図7のタイムチャートからも分かるように双方の実装時間は5.4秒と1秒であり、大きく時間差が生じる。
【0042】
この場合、ICチップの実装は自動化した印刷ラインで連続的にICチップの実装を実施するため、1個目のICチップの実装を開始したときは、僅かの時間遅れて2個目のICチップの実装を開始するという連続的な並行処理が実施される。このため、従来例のICチップの実装工程では、次のICチップをオーバーラップさせて待ち時間のない時間短縮を図った実装ができるが時間短縮には限界があり、平均して1個当り2.7秒の実装時間を要している。
【0043】
これに対し、この発明例ではICチップの実装時間は1個当り平均1秒であるため、この発明例では確実に実装時間の短縮が図れることが認められる。
【実施例2】
【0044】
実施例1ではICチップ13のダイシングフィルム22への固定を、ダイシングフィルム22上に塗布された接着剤の接着力のみによって固定されている。この場合、ICチップ13と基板上の配線回路パターン141が超音波振動で摩擦し合う際に、該摩擦力が過大になってICチップ13がダイシングフィルム22より脱落し、十分な超音波溶接ができなくなることが考えられる。また、ダイシングフィルム22上で隣接するICチップ周辺の他のICチップにも超音波の影響を及ぼし、周辺のICチップが脱落してしまうことも考えられる。
【0045】
そこでこの実施例2では、ダイシングフィルム22として、図8に示すような多孔質フィルムを用いる場合について説明する。
前記ダイシングフィルム22は、該ダイシングフィルム22の厚さ方向に空気を通す多数の貫通してなる微細孔221を有している。この微細孔221から空気を吸引して前記ICチップ13を吸引保持した状態でICチップ13の実装を行うものである。
【0046】
さらに、ダイシングフィルム22からの吸引を可能にするために超音波ホーンを兼ねたピックアップピン23内に吸引通路231を有している。この場合は、ピックアップピン23を本来の超音波溶接させるための振動付与機能に加えて、該ピックアップピン23に形成した吸引通路231によるICチップ13の吸引保持機能との両機能を有して兼用することができる。このため、新たに吸引部材を用いることがなく、1つのピックアップピン23を効率よく用いて微小なICチップに対しても的確に吸引保持することができる。
【0047】
この実施例2では、ダイシングフィルム22の上面にピックアップピン23を対応させ、ダイシングフィルム22の下面にICチップ13が貼着されている。この状態でピックアップピン23よりダイシングフィルム22内の微細孔221を通して吸引した空気232の吸引力によってICチップ13を固定させる。この吸引力は、フィルム22内の微細孔221の直径、フィルム圧、ピックアップピン23の端面面積、ICチップ13の大きさ、超音波の負荷数値、基板回路表面の接着剤としての熱可塑性樹脂層142の状態などによって適宜設定すればよい。
【0048】
また、フィルム22内の微細孔221は、超音波振動の緩衝帯としての効果もあり、空気232の吸引により固定されたICチップ13以外のチップには、超音波の振動が伝播しないようにすることができる。従って、対応する1つのICチップ13のみに的確に超音波を与えることができる。
【実施例3】
【0049】
実施例1においては、ICチップ13を実装した電子部品モジュール15をアンテナ回路12と接続する例を説明したが、図9に示すような形態で、ICチップ13をアンテナ回路12の回路端子部12a,12bに直接実装する構造が考えられる。この場合、アンテナ回路12の材質として、35μm厚の硬質アルミニュウムを用いると、実施例1と同じ条件でのICチップ13の実装が可能になる。
【0050】
さらに、アンテナ回路12を形成するためのエッチングレジストの材料特性と、ICチップ13をアンテナ回路12に実装するための熱可塑性樹脂層142の材料特性が一致しない場合が考えられる。
【0051】
この課題を解決することを目的とした配線回路基板の製造方法の一例を図10に示す。この配線回路基板の製造方法は配線回路基板としての帯状の基材フィルム100の表面に積層されたアルミ箔の表面に、第1の印刷ステージ101でアンテナ回路を形成するための、例えばエポキシ系のレジストインク101aを印刷し、第2の印刷ステージ102でICチップを実装するための、例えば熱可塑性のポリエステル系インク102aを印刷する。こうした連続印刷の工程によれば、各レジストインクの印刷位置はずれることがなく、また高速、大量にアンテナ基板を作製することができる。
【実施例4】
【0052】
図11に、実施例3で連続して得られた広幅のアンテナ基板に、実施例1の方法でICチップ13を直接実装する方法を示す。
この場合は、例えば3個のウェハ固定リング30を、広幅のアンテナ基板111の上面に形成した3列のアンテナ回路112の各列ごとに対応させて設け、実施例1の第1〜第3実装工程に従って各アンテナ回路112にICチップ13を実装する。このとき、ウェハ固定リング30の下部にアンテナ基板111が連続して供給され、また、該アンテナ基板111に実施例1の実装方法で短時間にICチップが実装されるため、高速化して大量生産が可能になる。
【0053】
この発明の構成と、上述の実施例の構成との対応において、この発明は上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】UHFを用いる場合のICタグの平面図と側面図。
【図2】電子部品モジュールを示す要部拡大縦断面図。
【図3】ICチップの実装工程を示す工程説明図。
【図4】電子部品モジュールとアンテナ回路を接続する工程を示す工程説明図。
【図5】電子部品モジュールとアンテナ回路との接続状態を示す要部縦断面図。
【図6】ICチップの実装動作を従来例と発明例とを比較して示す動作説明図。
【図7】ICチップ実装時の従来例と発明例とを比較して示すタイムチャート。
【図8】多孔質フィルムを用いてICチップを吸引固定した状態を示す要部拡大縦断面図。
【図9】ICチップをアンテナ回路に直接実装する構造を示すICタグの平面図と側面図。
【図10】配線回路基板の製造方法における連続印刷工程を示す平面図。
【図11】広幅のアンテナ基板にICチップを直接実装する実装方法を示す説明図。
【図12】従来のICチップの実装工程を示す工程説明図。
【符号の説明】
【0055】
10…ICタグ
11,111…基板
12,112…アンテナ回路
13…ICチップ
14…回路基板
15…電子部品モジュール
23…ピックアップピン
40…超音波ホーン
101…第1の印刷ステージ
102…第2の印刷ステージ
142…熱可塑性樹脂層
221…微細孔
231…吸引通路
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば航空タグ、物流管理ラベル、無人改札パス等に用いられるICタグに備えられる半導体チップの実装方法に係わり、特に配線基板上に半導体チップをフリップチップ方式で実装する場合の半導体チップの実装方法、配線回路基板の構造、及び配線回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、物流の自動化を進めていくには、個々の物品に識別用の伝票を貼付け、この貼付けられた個々の伝票に記録されている情報を機械読み取ることが重要である。従来、このような機械読み取りを実現するためには、個々の伝票に対応したバーコードラベルを貼付け、これをバーコードリーダで読み取るようにしている。
【0003】
しかしながら、バーコードリーダを用いてバーコードラベルを読み取るためには、両者間に一定の距離的並びに方向的な関係付けを、かなり高精度に行う必要があり、物流の自動化及び円滑化を図るうえでの障害になっていた。さらに、バーコードには入力できる情報量が少なく、物流の管理範囲も狭い区域に限られていた。
【0004】
そこで近年、電磁波を用いて非接触に読み取りが可能なIC(Integrated Circuit)タグが使用されてきている(例えば特許文献1参照)。このICタグによれば、読取媒体として電磁波を用いていることから、読み取りに際して両者間の距離的並びに方向的な制約をさほど受けることがなくなり、具体的には、読み取りの方向性に制約を受けることなく1メートル離れた距離からでも、その内容を確実に読み取らせることができる。
【0005】
また、このICタグ内のICには、管理対象物品の個体情報を大容量で記憶することができ、用途によっては、この個体情報を該個体を特定するためのセキュリティ情報に用いることも可能である。
【0006】
図12(A)〜(E)はICタグに備えられるICチップを回路基板に実装するための従来のICチップの実装工程を示し、このICチップ121を実装する際、先ず、
第1実装工程としての図12(A)では、接着性のあるフィルム122上に剥離可能に接着されている複数個のICチップ基板(ウェハ)123から、個片のICチップ121のみを針状の第1ツール124で押し上げる。
【0007】
次に、第2実装工程としての図12(B)では、押し上げられたICチップ121に対して上方からエアー等による吸引用の第2ツール125で該ICチップ121を吸着させた後、この第2ツール125を上動させてフィルム122の上面から1個のICチップ121を剥離して上方に取外す。
【0008】
さらに、第3実装工程としての図12(C)では、ICチップ121上の電極としての両接続端子(金属端子)121a,121bは実装面でありながら実装方向とは逆方向の上向き状態にあるので、該両接続端子121a,121bを基板上のアンテナ回路と接続させるためには表裏を反転させる必要がある。従って、ICチップ121の表裏を反転させた後、実装用の第3ツール126を用いてICチップ121を持ち替えてICチップ121の接続端子121a,121bを下方に向ける。
【0009】
その後、第4実装工程としての図12(D)では、第3ツール126によって基板127上のアンテナ回路128の回路端子部128a,128bにICチップ121を搬送し、その回路端子部128a,128b間の実装位置に位置合せした後、圧力を負荷してICチップ121の両接続端子121a,121bを、例えばACP(異方導電性ペースト)などの導電性接着剤129を介してアンテナ回路128の回路端子部128a,128bに押さえ付け、ICチップ121を設定された位置に設置する。
【0010】
最後に、第5実装工程としての図12(E)では、ICチップ121の電気的接続に導電性接着剤129を用いる場合は、前記工程の後、さらに押圧用の第4ツール130でICチップ121に圧力を負荷した状態で10秒程度、150℃程度の温度で加熱することにより実装する。
このようにICチップ121の実装には、第1〜第5実装工程を要し、ICチップ1個当りの実装工程時間は通常2〜3秒が必要である。
【0011】
ところが、近年ICタグは年間1億〜30億という量が消費され、この消費量を満足させるための大量生産と低コストを実現するためには、前記したICチップの1個当りの実装工程時間を短縮することが課題になっていた。
【0012】
【特許文献1】特開2001−156110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこでこの発明は、前記の問題点に着目してなされたもので、半導体チップの配線回路基板上への実装時間を短縮して、半導体チップの大量生産及び低コスト化に適した実装を可能にした半導体チップの実装方法、配線回路基板の構造、及び配線回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、配線回路基板上に半導体チップをフリップチップ方式で実装する半導体チップの実装方法において、フィルムの表面に剥離可能に保持されている半導体チップを該フィルムの裏面側から超音波ホーンにより押して半導体チップを突き出させ、この突き出させた半導体チップに前記超音波ホーンより超音波による振動を負荷したまま該半導体チップを同一加圧方向に対応する前記配線回路基板上に押し付けることにより、前記半導体チップを剥離すると同時に該半導体チップの電極を配線回路基板の回路に接合させることを特徴とする。
【0015】
この発明によると、超音波溶接だけでなく剥離用押圧部材に兼用させる超音波ホーンにより半導体チップをフィルムを介して配線回路基板上に押し付けるとき、前記超音波ホーンの押し付け方向と、半導体チップの電極と配線回路基板の回路との間を接続させるための接合方向とが同一加圧方向になるため、押圧と同時に目的の接合すべき配線回路基板上の位置に半導体チップを直接取付けることができ、1回の実装工程で半導体チップの実装が完了する。
【0016】
このため、半導体チップをフィルムから剥離させる取外し動作の延長線上に該半導体チップを実装させる取付け動作が対応し、一方向の加圧動作だけで両処理動作を施すことができる。従って、半導体チップをフィルムから一旦、取外してから表裏反転用に持ち替えて取付け位置に搬送した後、再び取付け動作するというような手間の掛かる実装工数を削減して半導体チップ1個当りの実装時間を顕著に短縮でき、短時間に半導体チップの取付けが完了する。さらに、半導体チップを表裏反転させて搬送させる工程を省略できるため設備を小型化及び低コスト化できる。ことに、ICチップの反転動作を省略できるため、半導体チップの大きさにかかわらず実装動作が単純になり、半導体チップの微小化にも対応できる。例えば0.5mm角以下の微小なICチップの実装にも容易に対処できる効果が得られる。
【0017】
この発明の別の構成では、前記半導体チップを剥離可能に保持するフィルムには、該フィルムの厚さ方向に空気を通す多数の貫通してなる微細孔を有し、該微細孔から空気を吸引して前記半導体チップを吸引保持した状態で配線回路基板上への半導体チップの実装を行うことを特徴とする。
【0018】
この場合は、超音波ホーンがフィルムを介して半導体チップを吸引保持しているため超音波ホーンが半導体チップを実装方向に押し付けながら吸引保持して1つの半導体チップだけを安定して超音波溶接することができる。さらに、フィルムの微細孔は例えば繊維状の多孔質を有するフィルムを用いればよく、超音波による振動を多孔質のフィルムに与えても、該微細孔が振動の緩衝帯としての役割を果すため、特定の1つの半導体チップのみに的確に超音波振動を与えて接合させることができ、隣接する半導体チップへは超音波が伝播しない。
【0019】
この発明の別の構成では、半導体チップの実装に際して、前記超音波ホーンは前記フィルムを介して半導体チップに超音波を与えることに加えて、該超音波ホーン内に有する吸引通路を通して該超音波ホーンの先端部から空気を吸引することを特徴とする。
【0020】
この場合は、超音波ホーンを本来の超音波溶接させるための振動付与機能に加えて、該超音波ホーンに形成した吸引通路による半導体チップの吸引保持機能との両機能を有して兼用することができる。このため、新たに吸引部材を用いることがなく、1つの超音波ホーンを効率よく用いて微小な半導体チップに対する吸引保持手段を容易に構築できる。
【0021】
この発明の別の構成では、前記配線回路基板は該配線回路基板の回路端子部の表面に熱可塑性接着剤を塗布したことを特徴とする半導体チップの実装方法に用いられる配線回路基板の構造である。
【0022】
この場合は、半導体チップを配線回路基板の回路端子部に接合させたとき、回路端子部の表面を覆っている熱可塑性接着剤が溶けた後、再硬化する。このとき、接着作用が強く働いて、半導体チップと回路端子部との接着力が、フィルムと半導体チップとの間の接着力より高くなるため半導体チップはフィルムから容易に剥離される。このように、熱可塑性接着剤が半導体チップの実装面側の接着力を強めて該半導体チップの実装を円滑にするものである。
【0023】
このとき、半導体チップは片面でフィルムとの剥離動作を、他の片面で回路端子部との接合動作を行うという加圧方向が同一方向の最短ストロークのため最も短時間に半導体チップを実装できる簡単な実装方法である。
【0024】
この発明の別の構成では、回路の一部に半導体チップを実装するための回路端子部を持った配線回路基板の製造方法において、前記配線回路基板上の回路を形成するためのエッチング用レジストインクを印刷する第1印刷工程と、前記半導体チップを前記配線回路基板の回路に実装するための回路端子部に塗布される熱可塑性接着剤を印刷する第2印刷工程とを有し、前記第1印刷工程後に第2印刷工程を同一印刷ライン上にて施すことを特徴とする。
【0025】
この発明によると、第1印刷工程と第2印刷工程とを同一の印刷ライン上に設定して連続的に印刷できるため、各レジストインクの印刷位置がずれることがなくなる。また、高速化を図って配線回路基板の大量生産を可能にすることができる。例えば、同一印刷ライン上に広幅のアンテナ基板を配設しておいて、その上面に複数のICチップなどの半導体チップを対応させれば、同時に複数の接合処理が可能になり、半導体チップの高速実装ができ、この結果、製品の大量生産が可能になる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、超音波溶接だけでなく剥離用押圧部材に兼用させる超音波ホーンにより半導体チップを、フィルムを介して配線回路基板上に押し付けると同時に目的の接合すべき配線回路基板上に直接取付けることができるため、半導体チップの取外し動作の延長線上に該半導体チップの取付け動作が対応し、同一方向の加圧動作だけで両処理を兼ねた半導体チップの実装を施すことができる。従って、半導体チップの取付け工程を短縮して短時間に半導体チップの取付けが完了する。このため、半導体チップの生産能率が大幅に向上し、さらに設備を簡素化できることから確実に低コスト化を図ることができる。
【実施例1】
【0027】
この発明に係わる実施例を添付図面に従って説明する。
図1は交信周波数帯としてUHFを用いる場合のICタグの形態を示し、図1(A)にはICタグ10の平面図を、図1(B)にはICタグ10の側面図を示す。以下、ICタグの構造を例にとって説明すると、このICタグ10は平面的な基板11上に形成されたアンテナ回路12と、該アンテナ回路12に接続された回路基板14、及び該回路基板14上に実装されたICチップ13とから構成されている。
【0028】
前記基板11は、例えば厚さ38μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製フィルムの樹脂材を用い、この基板11の片面に9μm厚のCuをエッチングしてなるアンテナ回路12を形成し、さらに25μm厚のPET製のフィルムを基材とする回路基板14上にICチップ13を実装してなる電子部品モジュール15を設け、この電子部品モジュール15を前記アンテナ回路12の両端部12a,12bに機械的に締結した構造である。
【0029】
次に、電子部品モジュール15の構造を図2について説明する。この電子部品モジュール15は、25μm厚のPET製フィルム143の片面に、35μm厚の硬質アルミニュウムからなる配線回路パターン141を形成しており、さらに該配線回路パターン141の上面に4〜6μm厚の熱可塑性接着剤からなる熱可塑性樹脂層142を挟んで、150μmのICチップ13を実装した構造である。さらに、ICチップ13より突出した電極としての金属端子131(以下バンプ)は、前記熱可塑性樹脂層142を貫通し、配線回路パターン141と金属融着部16によって、電気的に接続されている。
【0030】
前記熱可塑性樹脂層142は、ICチップ13を回路基板の回路端子部に接合させたとき、回路端子部の表面を覆っている熱可塑性樹脂層142が溶けた後、再硬化して接着作用が強く働く。この結果、ICチップ13の実装時には熱可塑性樹脂層142がICチップ13の実装面側の接着力を強めて該ICチップ13の実装を円滑にする。
【0031】
次に、電子部品モジュール15を製造するときのICチップ13の実装方法を図3に従って説明する。
[第1実装工程]
先ず、第1実装工程として、下部に回路基板14を用意する。この回路基板14は、図3(A)に示すように、25μm厚のPET製フィルム143の片面に、ウレタン系接着剤を介して35μm厚の硬質アルミ箔を重ね、これを150℃、圧力5kg/cm2の条件で熱ラミネートを経て積層接着させたAlーPET積層を用意し、前記積層材の硬質アルミ箔の表面上に所要パターンのエッチングレジストパターンを形成する。このとき、熱可塑性樹脂層142としてのレジストパターンの形成は、例えば150℃程度の温度で溶融するポリオレフィン系の熱可塑性接着剤を、グラビア印刷等の方法によって4〜6μm程度塗布することによって行う。この後、形成されたエッチングレジストから露出するAl箔部分をエッチング処理により除去し、PET製フィルム143の上面に配線回路パターン141を形成する。
【0032】
さらに、ウェハリング301に貼られた接着剤付きのフィルム(ダイシングフィルム)22に、多数のICチップ13を下面に貼付ける。例えば、直径8インチのICチップ基板であるウェハを固定したウェハ固定リング30を前記回路基板14の上部に用意する。このとき、使用するダイシングフィルム22は表面に接着剤を有し、ICチップ13の剥離時に該ICチップ13をダイシングフィルム22から剥離可能に接着保持する接着強さ、例えば1.0N/20mmで固定することが可能な強さを有するフィルムを用いる。
[第2実装工程]
次に、図3(B)に示すように、ICチップ13を前記第1実装工程により形成された配線回路パターン141上に実装する。この実装に際して、ICチップ13は底面両側に接続用の金属端子(バンプ)131を突出させた、いわゆる表面実装型部品として構成されており、この底部から突出するバンプ131(例えば金よりなる)にピックアップピン23により超音波振動を付加した状態で、150℃の加熱により溶融した前記熱可塑性樹脂層142に押し当てる。
【0033】
このとき、溶融した熱可塑性樹脂層142は、バンプ131の超音波振動によりバンプ先端の位置より除去され、さらに回路基板14の配線回路パターン141の表面上の酸化物層等も振動により機械的に除去される。この後、さらに振動による摩擦熱によりバンプ131と回路基板14の配線回路パターン141の表面間が加熱され、金原子がAl内に拡散した、金属融着部16(図2参照)を形成して接合を行う。
【0034】
この実装に際しての位置合せは、前記ICチップ13をウェハ形状で固定したウェハ固定リング30ごと、ICチップ13が所定の実装位置に位置するように回路基板14との接合を位置出しして配置した後、押し付けに必要な負荷圧力0.2Kg/mm2を有するピックアップピン23を下動させ、その下方に位置するダイシングフィルム22を下向きの凸状に湾曲させて、該ダイシングフィルム22の下面に貼着されているICチップ13を下方の回路基板14に押し当てる。この後、振動数63KHzの超音波振動をピックアップピン23に付加しつつ、さらに0.2Kg/mm2の押付圧力でICチップ13を回路基板14に、接合を確保するのに必要な時間、例えば1秒間程度押し付けて接合する。
[第3実装工程]
前記第1、第2実装工程の後、図3(C)に示すように、ピックアップピン23に付加された超音波を除去すると、溶融した熱可塑性樹脂層142は再硬化して、ICチップ13と回路基板14の配線回路パターン141間を接着する。この実施例におけるICチップ13と配線回路パターン141間の接合強度には1.0Kg/mm2以上が得られ、ダイシングフィルム22とICチップ13間の接合強度よりも高い値を得ることによって、ICチップ13をダイシングフィルム22より剥離させて容易に取外すことができる。
【0035】
この場合、超音波溶接だけでなく剥離用押圧部材に兼用させるピックアップピン23によりICチップ13をダイシングフィルム22を介して回路基板14上に押し付けるとき、前記ピックアップピン23の押し付け方向と、ICチップ13と回路基板14との間を接続させるための接合位置とが同一方向になるため、押圧と同時に目的の接合すべき回路基板14上の位置に直接取付けることができる超音波溶接が可能になる。このため、ICチップ13の取外し動作の延長線上に該ICチップ13の取付け動作が対応し、一方向の加圧動作だけで両処理を兼ねたICチップ13の実装を施すことができる。
【0036】
ことに、ピックアップピン23を下向きに下動させるだけで、ICチップ13は上面でダイシングフィルム22との剥離動作を、下面で接合動作を行うという加圧方向が同じとなる最短のストロークのため最も短時間に接合できる。
【0037】
次に、前記電子部品モジュール15を、アンテナ回路12と接続する工程を図4(A)、図4(B)及び図5に従って説明する。
先ず、図4(A)に示すように、上部の電子部品モジュール15の配線回路パターン141が下部のアンテナ回路12の接続部12a,12bと相対する位置に配置し、双方を接触させる。次に、図4(B)に示すように、該接触界面を挟み込むように上部に超音波ホーン40を、下部に超音波アンビル41を配し、接触界面に接合に必要な負荷圧力を0.2Kg/mm2付与し、超音波振動を振動数40kHzで付加しながら接合に必要な時間、例えば0.5秒間押し当てる。
【0038】
この場合、金属同士の接触界面に超音波振動を加えると、超音波接合の原理に従って、先ず金属間の接合が行われ、この後、さらに振動が加わると、金属の塑性流動が起こり、金属が超音波アンビル41の凸部に相当する位置から凹部に相当する位置に移動する。さらに、金属流動によって生じた電子部品モジュール15の基板143とアンテナ回路12の基板11の接触面では、超音波振動によって、さらに樹脂材同士の融着が起る。以上の経過により、図5に示すように、この発明に係わる電子部品モジュール15とアンテナ回路12との組立てが完了する。
【0039】
図6及び図7はICチップの1個当りの実装工程と実装時におけるタイムチャートを従来例とこの発明例とを比較して表している。
先ず、図6(A)に示す従来例のICチップの実装工程では、
(1)ICチップのピッキングアップ工程:1.2秒
(2)ICチップの反転工程:1.5秒
(3)ICチップの搬送工程:1.9秒
(4)ICチップの超音波溶接工程:0.8秒
の4工程からなり、その合計時間は5.4秒要している。
【0040】
これに対し、図6(B)に示すこの発明例のICチップの実装工程では、
(1)ICチップの位置出し工程(図3(A)参照):0.2秒
(2)ICチップの超音波溶接工程(図3(B)(C)参照):0.8秒
の2工程からなり、その合計時間は1秒である。
【0041】
このようにICチップ1個当りの実装工程が異なるため、従来例とこの発明例とでは、図7のタイムチャートからも分かるように双方の実装時間は5.4秒と1秒であり、大きく時間差が生じる。
【0042】
この場合、ICチップの実装は自動化した印刷ラインで連続的にICチップの実装を実施するため、1個目のICチップの実装を開始したときは、僅かの時間遅れて2個目のICチップの実装を開始するという連続的な並行処理が実施される。このため、従来例のICチップの実装工程では、次のICチップをオーバーラップさせて待ち時間のない時間短縮を図った実装ができるが時間短縮には限界があり、平均して1個当り2.7秒の実装時間を要している。
【0043】
これに対し、この発明例ではICチップの実装時間は1個当り平均1秒であるため、この発明例では確実に実装時間の短縮が図れることが認められる。
【実施例2】
【0044】
実施例1ではICチップ13のダイシングフィルム22への固定を、ダイシングフィルム22上に塗布された接着剤の接着力のみによって固定されている。この場合、ICチップ13と基板上の配線回路パターン141が超音波振動で摩擦し合う際に、該摩擦力が過大になってICチップ13がダイシングフィルム22より脱落し、十分な超音波溶接ができなくなることが考えられる。また、ダイシングフィルム22上で隣接するICチップ周辺の他のICチップにも超音波の影響を及ぼし、周辺のICチップが脱落してしまうことも考えられる。
【0045】
そこでこの実施例2では、ダイシングフィルム22として、図8に示すような多孔質フィルムを用いる場合について説明する。
前記ダイシングフィルム22は、該ダイシングフィルム22の厚さ方向に空気を通す多数の貫通してなる微細孔221を有している。この微細孔221から空気を吸引して前記ICチップ13を吸引保持した状態でICチップ13の実装を行うものである。
【0046】
さらに、ダイシングフィルム22からの吸引を可能にするために超音波ホーンを兼ねたピックアップピン23内に吸引通路231を有している。この場合は、ピックアップピン23を本来の超音波溶接させるための振動付与機能に加えて、該ピックアップピン23に形成した吸引通路231によるICチップ13の吸引保持機能との両機能を有して兼用することができる。このため、新たに吸引部材を用いることがなく、1つのピックアップピン23を効率よく用いて微小なICチップに対しても的確に吸引保持することができる。
【0047】
この実施例2では、ダイシングフィルム22の上面にピックアップピン23を対応させ、ダイシングフィルム22の下面にICチップ13が貼着されている。この状態でピックアップピン23よりダイシングフィルム22内の微細孔221を通して吸引した空気232の吸引力によってICチップ13を固定させる。この吸引力は、フィルム22内の微細孔221の直径、フィルム圧、ピックアップピン23の端面面積、ICチップ13の大きさ、超音波の負荷数値、基板回路表面の接着剤としての熱可塑性樹脂層142の状態などによって適宜設定すればよい。
【0048】
また、フィルム22内の微細孔221は、超音波振動の緩衝帯としての効果もあり、空気232の吸引により固定されたICチップ13以外のチップには、超音波の振動が伝播しないようにすることができる。従って、対応する1つのICチップ13のみに的確に超音波を与えることができる。
【実施例3】
【0049】
実施例1においては、ICチップ13を実装した電子部品モジュール15をアンテナ回路12と接続する例を説明したが、図9に示すような形態で、ICチップ13をアンテナ回路12の回路端子部12a,12bに直接実装する構造が考えられる。この場合、アンテナ回路12の材質として、35μm厚の硬質アルミニュウムを用いると、実施例1と同じ条件でのICチップ13の実装が可能になる。
【0050】
さらに、アンテナ回路12を形成するためのエッチングレジストの材料特性と、ICチップ13をアンテナ回路12に実装するための熱可塑性樹脂層142の材料特性が一致しない場合が考えられる。
【0051】
この課題を解決することを目的とした配線回路基板の製造方法の一例を図10に示す。この配線回路基板の製造方法は配線回路基板としての帯状の基材フィルム100の表面に積層されたアルミ箔の表面に、第1の印刷ステージ101でアンテナ回路を形成するための、例えばエポキシ系のレジストインク101aを印刷し、第2の印刷ステージ102でICチップを実装するための、例えば熱可塑性のポリエステル系インク102aを印刷する。こうした連続印刷の工程によれば、各レジストインクの印刷位置はずれることがなく、また高速、大量にアンテナ基板を作製することができる。
【実施例4】
【0052】
図11に、実施例3で連続して得られた広幅のアンテナ基板に、実施例1の方法でICチップ13を直接実装する方法を示す。
この場合は、例えば3個のウェハ固定リング30を、広幅のアンテナ基板111の上面に形成した3列のアンテナ回路112の各列ごとに対応させて設け、実施例1の第1〜第3実装工程に従って各アンテナ回路112にICチップ13を実装する。このとき、ウェハ固定リング30の下部にアンテナ基板111が連続して供給され、また、該アンテナ基板111に実施例1の実装方法で短時間にICチップが実装されるため、高速化して大量生産が可能になる。
【0053】
この発明の構成と、上述の実施例の構成との対応において、この発明は上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】UHFを用いる場合のICタグの平面図と側面図。
【図2】電子部品モジュールを示す要部拡大縦断面図。
【図3】ICチップの実装工程を示す工程説明図。
【図4】電子部品モジュールとアンテナ回路を接続する工程を示す工程説明図。
【図5】電子部品モジュールとアンテナ回路との接続状態を示す要部縦断面図。
【図6】ICチップの実装動作を従来例と発明例とを比較して示す動作説明図。
【図7】ICチップ実装時の従来例と発明例とを比較して示すタイムチャート。
【図8】多孔質フィルムを用いてICチップを吸引固定した状態を示す要部拡大縦断面図。
【図9】ICチップをアンテナ回路に直接実装する構造を示すICタグの平面図と側面図。
【図10】配線回路基板の製造方法における連続印刷工程を示す平面図。
【図11】広幅のアンテナ基板にICチップを直接実装する実装方法を示す説明図。
【図12】従来のICチップの実装工程を示す工程説明図。
【符号の説明】
【0055】
10…ICタグ
11,111…基板
12,112…アンテナ回路
13…ICチップ
14…回路基板
15…電子部品モジュール
23…ピックアップピン
40…超音波ホーン
101…第1の印刷ステージ
102…第2の印刷ステージ
142…熱可塑性樹脂層
221…微細孔
231…吸引通路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線回路基板上に半導体チップをフリップチップ方式で実装する半導体チップの実装方法において、
フィルムの表面に剥離可能に保持されている半導体チップを該フィルムの裏面側から超音波ホーンにより押して半導体チップを突き出させ、この突き出させた半導体チップに前記超音波ホーンより超音波による振動を負荷したまま該半導体チップを同一加圧方向に対応する前記配線回路基板上に押し付けることにより、前記半導体チップを剥離すると同時に該半導体チップの電極を配線回路基板の回路に接合させることを特徴とする
半導体チップの実装方法。
【請求項2】
前記半導体チップを剥離可能に保持するフィルムには、該フィルムの厚さ方向に空気を通す多数の貫通してなる微細孔を有し、該微細孔から空気を吸引して前記半導体チップを吸引保持した状態で配線回路基板上への半導体チップの実装を行うことを特徴とする
請求項1記載の半導体チップの実装方法。
【請求項3】
前記超音波ホーンは前記フィルムを介して半導体チップに超音波を与えることに加えて、該超音波ホーン内に有する吸引通路を通して該超音波ホーンの先端部から空気を吸引することを特徴とする
請求項1または2記載の半導体チップの実装方法。
【請求項4】
前記配線回路基板は該配線回路基板の回路端子部の表面に熱可塑性接着剤を塗布したことを特徴とする
請求項1〜3記載の何れかの半導体チップの実装方法に用いられる配線回路基板の構造。
【請求項5】
回路の一部に半導体チップを実装するための回路端子部を持った配線回路基板の製造方法において、
前記配線回路基板上の回路を形成するためのエッチング用レジストインクを印刷する第1印刷工程と、
前記半導体チップを前記配線回路基板の回路に実装するための回路端子部に塗布される熱可塑性接着剤を印刷する第2印刷工程とを有し、
前記第1印刷工程後に第2印刷工程を同一印刷ライン上にて施すことを特徴とする
配線回路基板の製造方法。
【請求項1】
配線回路基板上に半導体チップをフリップチップ方式で実装する半導体チップの実装方法において、
フィルムの表面に剥離可能に保持されている半導体チップを該フィルムの裏面側から超音波ホーンにより押して半導体チップを突き出させ、この突き出させた半導体チップに前記超音波ホーンより超音波による振動を負荷したまま該半導体チップを同一加圧方向に対応する前記配線回路基板上に押し付けることにより、前記半導体チップを剥離すると同時に該半導体チップの電極を配線回路基板の回路に接合させることを特徴とする
半導体チップの実装方法。
【請求項2】
前記半導体チップを剥離可能に保持するフィルムには、該フィルムの厚さ方向に空気を通す多数の貫通してなる微細孔を有し、該微細孔から空気を吸引して前記半導体チップを吸引保持した状態で配線回路基板上への半導体チップの実装を行うことを特徴とする
請求項1記載の半導体チップの実装方法。
【請求項3】
前記超音波ホーンは前記フィルムを介して半導体チップに超音波を与えることに加えて、該超音波ホーン内に有する吸引通路を通して該超音波ホーンの先端部から空気を吸引することを特徴とする
請求項1または2記載の半導体チップの実装方法。
【請求項4】
前記配線回路基板は該配線回路基板の回路端子部の表面に熱可塑性接着剤を塗布したことを特徴とする
請求項1〜3記載の何れかの半導体チップの実装方法に用いられる配線回路基板の構造。
【請求項5】
回路の一部に半導体チップを実装するための回路端子部を持った配線回路基板の製造方法において、
前記配線回路基板上の回路を形成するためのエッチング用レジストインクを印刷する第1印刷工程と、
前記半導体チップを前記配線回路基板の回路に実装するための回路端子部に塗布される熱可塑性接着剤を印刷する第2印刷工程とを有し、
前記第1印刷工程後に第2印刷工程を同一印刷ライン上にて施すことを特徴とする
配線回路基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−196526(P2006−196526A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−4005(P2005−4005)
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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