半導体パッケージの基板およびそれを用いた半導体パッケージ
【課題】ダイアタッチング剤の気泡の残留およびオーバーフローを防止可能な半導体パッケージの基板を提供する。
【解決手段】基板本体310の表面311上に、第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群および第三組フィンガー323群を設ける。第一組フィンガー321群は第二組、第三組フィンガー322、323郡との間に位置する。はんだマスク層330は表面311に形成され、第一組、第二組、第三組フィンガー321、322、323群をそれぞれ露出する第一開口331、第二開口332および第三開口333を有する。第一排気溝部340は、はんだマスク層330の露出表面に形成され、はんだマスク層330を貫通せず、第一開口331に接続して表面311の側辺313、314に伸び、第二開口332と第三開口333とに連結しない。このように、ガスを外部へ排出する通路を有するため、ダイアタッチング剤の気泡の残留を防止できる。
【解決手段】基板本体310の表面311上に、第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群および第三組フィンガー323群を設ける。第一組フィンガー321群は第二組、第三組フィンガー322、323郡との間に位置する。はんだマスク層330は表面311に形成され、第一組、第二組、第三組フィンガー321、322、323群をそれぞれ露出する第一開口331、第二開口332および第三開口333を有する。第一排気溝部340は、はんだマスク層330の露出表面に形成され、はんだマスク層330を貫通せず、第一開口331に接続して表面311の側辺313、314に伸び、第二開口332と第三開口333とに連結しない。このように、ガスを外部へ排出する通路を有するため、ダイアタッチング剤の気泡の残留を防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の基板に関し、特に半導体パッケージの基板およびそれを用いた半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置において、例えばBGA(ball grid array)半導体パッケージ、あるいはカード型半導体パッケージなどの構成が有る。チップ搭載体として基板を利用し、基板のフィンガーとチップのボンディングパッドとを電気的に内部で接続している。特にメモリカードのような一つの規格品であれば、半導体パッケージのサイズを変えてはならないため、他にメモリ容量の増加を必要とする際には、基板上の異なる位置に少なくとも一組の再配置フィンガーを増設して基板に汎用性を持たせる。これにより、小さいサイズのチップを実装する作業のための基板製造コストが低減できる。但し、大きいサイズのチップの接着作業において、再配置フィンガーは使用されなくなりダイアタッチング剤に被覆され、これに起因して気泡が残留し易く、ポップコーン現象が容易に生じるという問題が生じる。
【0003】
図1Aおよび図1Bに示すように、従来の半導体パッケージは、一つの基板100、一つのチップ11、一つのダイアタッチング剤12、複数の第一ボンディングワイヤ13、複数の第二ボンディングワイヤ14および一つの封止体15を備える。基板100は主に表面111を有する基板本体110とはんだマスク層130とを有する。表面111には複数の第一組フィンガー121、複数の第二組フィンガー122および複数の第三組フィンガー123を有する。第二組フィンガー122群と第三組フィンガー123群とは一般フィンガーであり、表面111の両側辺にそれぞれ位置して大サイズチップとの電気接続に適用している。
【0004】
第一組フィンガー121群は第二組フィンガー122群と第三組フィンガー123群との間に位置して再配置フィンガーとして用いられ、小サイズチップとの電気接続に適用している。はんだマスク層130は、表面111に形成され、それぞれ第一組フィンガー121群、第二組フィンガー122群および第三組フィンガー123群を露出する複数の開口131、132、133を有する。チップ11が大サイズチップである場合、チップ11は第一組フィンガー121群を覆い、ダイアタッチング剤12を介して基板100上に設置される。第一ボンディングワイヤ13群を介しチップ11と基板100の第二組フィンガー122群とを電気接続し、第二ボンディングワイヤ14群を介しチップ11と基板100の第三組フィンガー123群とを電気接続している。
【0005】
封止体15は、基板100のはんだマスク層130上に形成されて、チップ11、第一ボンディングワイヤ13群および第二ボンディングワイヤ14群を密封している。図1Bに示すように、ダイアタッチング剤12は、チップ11の背面を基板100のはんだマスク層130に接着するように用いられ、更に開口131に充填される。はんだマスク層130の開口131は、密閉開口であり且つチップ11に覆われるため(図1A参照)、ダイアタッチング作業中に残留したガスが開口131を経由して外部へ排出できなくなる、このため、ダイアタッチング剤12に気泡12Aが存在して(図1B参照)後続の製造作業中あるいは使用時にポップコーン現象を起こしてしまう。
【0006】
ダイアタッチング作業時の気泡残留問題を避けるため、相互連結のはんだマスク層開口を有する基板をチップ搭載体として使用することができる。特許文献1の「半導体パッケージおよびその基板構造」に、従来のその半導体パッケージが開示されている。それは気泡が残留しない効果は有るが、ダイアタッチング剤は基板両側にあるフィンガー群に拡散してフィンガーの汚染となり、且つ基板配線は露出してメッキされてしまうなどの問題が容易に起きるおそれのあるものである。
【0007】
図2Aおよび図2Bに示すように、従来のもう一つの半導体パッケージは、一つの基板200、一つのチップ21、一つのダイアタッチング剤22、複数の第一ボンディングワイヤ23、複数の第二ボンディングワイヤ24および一つの封止体25から構成される。基板200は主に一つの基板本体210、複数の第一組フィンガー221、複数の第二組フィンガー222、複数の第三組フィンガー223および一つのはんだマスク層230を有する。基板本体210の表面211には第一組フィンガー221群、第二組フィンガー222群および第三組フィンガー223群を有する。
【0008】
第一組フィンガー221群は第二組フィンガー222群と第三組フィンガー223群との間に位置して再配置フィンガーとして用いられる。はんだマスク層230は表面211に形成されそれぞれ第一組フィンガー221群、第二組フィンガー222群および第三組フィンガー223を露出する複数の開口231、232、233を有する。はんだマスク層230は更に複数の延伸開口235を有し、延伸開口235群は中央の開口231から外部へ伸び、周辺の開口232あるいは233に連結している。
【0009】
チップ21は、ダイアタッチング剤22を介し基板200上に設置され、大サイズチップであれば開口231と第一組フィンガー221群とを覆うことになる。第一ボンディングワイヤ23群はチップ21と基板200の第二組フィンガー222群との電気接続に用いられ、第二ボンディングワイヤ24群はチップ21と基板200の第三組フィンガー223群との電気接続に用いられる。封止体25は基板200のはんだマスク層230に形成され、チップ21、第一ボンディングワイヤ23群および第二ボンディングワイヤ24群を密封している。
【0010】
図2Aおよび図2Bに示すように、開口231に残留するおそれのある気泡は、ダイアタッチング剤22が開口231に充填されたことにより、延伸開口235群から排出される。但し、ダイアタッチング剤22は、ダイアタッチング作業中に高温と圧力が与えられる環境下において流動的になる。このとき、ダイアタッチング剤22は延伸開口235群に沿って周辺開口232、233へ流れオーバーフロー22Aとなり、第二組フィンガー222群と第三組フィンガー223群とを汚染してしまう(図2B参照)。更に、第一ボンディングワイヤ23群或いは第二ボンディングワイヤ24群の一端は第二組フィンガー222群或いは第三組フィンガー223群と接着できないようになる。通常、第一組フィンガー221群、第二組フィンガー222群および第三組フィンガー223群の上には、一つのメッキ層280を形成している。
【0011】
また、第一組フィンガー221群にリード位置を再配置する機能を持たせるため、基板200は更に第一組フィンガー221群と第二組フィンガー222群とを接続する複数の配線250を有さなければいけない。そして、延伸開口235群がはんだマスク層230を貫通したことより、配線250群は延伸開口235群と交差すると外に露出することになり、配線250群の露出区域にもメッキ層280が形成されてしまう。よって、電気メッキが不要な部分に浪費する問題があると共に、排気閉塞現象が起き、その結果、延伸開口235群の排気の効果を失効させることになる。
【0012】
【特許文献1】台湾特許第I281,733号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の主な目的は、ダイアタッチング作業中の気泡の残留およびダイアタッチング剤のオーバーフローを防止可能な半導体パッケージの基板およびそれを用いた半導体パッケージを提供することである。
ダイアタッチング作業中に外部へ排出できる無障害かつオーバーフローの無いガス通路を提供することにより気泡残留問題を解決し、更に従来の半導体パッケージにおけるダイアタッチング作業中のダイアタッチング剤のオーバーフロー問題も有効に解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る半導体パッケージの基板は、主に一つの基板本体、複数の第一組フィンガー、複数の第二組フィンガー、複数の第三組フィンガーおよび一つのはんだマスク層を備える。基板本体は表面を有し、前記表面の上に第一組フィンガー群、第二組フィンガー群および第三組フィンガー群を設置しており、第一組フィンガー群は第二組フィンガー群と第三組フィンガー群との間に位置している。
【0015】
はんだマスク層は基板本体の前記表面に形成され、かつ第一組フィンガー群、第二組フィンガー群および第三組フィンガー群をそれぞれ露出する一つの第一開口、一つの第二開口および一つの第三開口を有する。はんだマスク層の露出表面に複数の第一排気溝部を形成する。この第一排気溝部群は、はんだマスク層を貫通しない。また、第一排気溝部群は第一開口に接続して基板本体の前記表面の側辺に伸びるが、第二開口と第三開口とに連結しない。
【0016】
さらに本発明に係る半導体パッケージの基板は、更に複数の配線を有し、この配線群は基板本体の前記表面に形成されて、第一組フィンガー群と第二組フィンガー群とに接続し、はんだマスク層に被覆される。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第一排気溝部群は配線群とずれて重ならなくてよい。
【0017】
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第一排気溝部群の一底面を配線群より高くしなくてよい。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第一排気溝部群の一底面を配線群より高くしてよい。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、配線群の露出がないように少なくとも一つの第一排気溝部は少なくとも一つの配線群と交差して重なってよい。
【0018】
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第一排気溝部群の延伸端部ははんだマスク層の内に位置する複数の密閉溝端部を有してもよい。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、はんだマスク層の露出表面に少なくとも一つの連結溝部を形成することができ、この連結溝部は第一排気溝部群と連結して綱目状の通路を構成している。
【0019】
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、隣り合う第一排気溝部群の延伸端部はU形状のように相互接続してよい。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、基板本体の前記表面は一つの第一縁部、一つの第二縁部および一つの第三縁部を有する。第二縁部は第三縁部に平行し、第一縁部は第二縁部と第三縁部とに接続し、第二組フィンガー群は基板本体の前記表面の第二縁部に配列し、第三組フィンガー群は基板本体の前記表面の第三縁部に配列し、第一組フィンガー群は第二組フィンガー群の再配置フィンガーにされることができ、基板本体の前記表面の中央に配列している。
【0020】
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、少なくとも一つの第二排気溝部は第一開口と連結してよく、且つ基板本体の前記表面の第一縁部へ伸びている。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、少なくとも一つの第三排気溝部は第一開口と連結してよく、且つ基板本体の前記表面の一つの第四縁部へ伸びている。
【0021】
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第二開口と第三開口とは第二縁部と第三縁部との密閉型周辺開口にそれぞれ隣接してよい。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第二開口と第三開口とは第二縁部と第三縁部との開放型周辺ギャップにそれぞれ連結してよい。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、はんだマスク層は更に複数のオーバーフロー貯蔵槽を有し、このオーバーフロー貯蔵槽群は第一排気溝部群の延伸端部群と接続している。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第一排気溝部群をレーザー法で形成することができる。
【0022】
また、本発明に係る半導体パッケージは、大サイズチップの搭載体として上述の半導体パッケージの基板を採用し、主に上述の半導体パッケージの基板、一つのチップ、一つのダイアタッチング剤、複数の第一ボンディングワイヤおよび複数の第二ボンディングワイヤを備える。チップは上述の半導体パッケージの基板上に設置されて第一組フィンガー群を覆い、且つ複数の第一ボンディングパッドと複数の第二ボンディングパッドとを有する。ダイアタッチング剤はチップの背面と上述の半導体パッケージの基板のはんだマスク層との接着に用いられ、更に第一開口と第一排気溝部群とに充填される。第一ボンディングワイヤ群を介しチップの第一ボンディングパッド群を上述の半導体パッケージの基板の第二組フィンガー群に電気接続させ、第二ボンディングワイヤ群を介しチップの第二ボンディングパッド群を上述の半導体パッケージの基板の第三組フィンガー群に電気接続させる。
【0023】
また、本発明に係る半導体パッケージは、更に小サイズチップの搭載体として上述の半導体パッケージの基板を用い、主に上述の半導体パッケージの基板、一つのチップ、一つのダイアタッチング剤、複数の第一ボンディングワイヤおよび複数の第二ボンディングワイヤを備える。チップは上述の半導体パッケージの基板上に設置され、第一組フィンガー群と第三組フィンガー群との間に位置し、かつ複数の第一ボンディングパッドと複数の第二ボンディングパッドとを有する。ダイアタッチング剤はチップの背面と上述の半導体パッケージの基板のはんだマスク層との接着に用いられるが、第一開口に充填されない。第一ボンディングワイヤ群を介しチップの第一ボンディングパッド群を上述の半導体パッケージの基板の第一組フィンガー群に電気接続させ、第二ボンディングワイヤ群を介しチップの第二ボンディングパッド群を上述の半導体パッケージの基板の第三組フィンガー群に電気接続させる。
【0024】
(効果)
上述した技術により、本発明に係る半導体パッケージの基板および半導体パッケージは、下記の効果を奏する。
(1)はんだマスク層を貫通しないように半導体パッケージの基板のダイアタッチング表面に形成した排気溝部群はダイアタッチング作業中にガスを外部へ排出する通路を提供して気泡残留の問題を避ける。
【0025】
(2)はんだマスク層の表面にある排気溝部は再配置フィンガーに接続する配線(即ち第一組フィンガーである)を露出させないことにより、メッキ面積を減少させて製造コストの削減が可能となり、かつ排気溝部の閉塞も改善できる。また、配線は露出しないように排気溝部と交差して重なることができるので、排気溝部の配置選択性を増やしている。
【0026】
(3)排気溝部の延伸端部はダイアタッチング剤のオーバーフロー区域を制限し、かつ排気溝部ははんだマスク層の周辺開口と連結しないので、大サイズチップを接着するとき、ダイアタッチング剤のオーバーフローによる一般フィンガー(即ち第二組フィンガーと第三組フィンガー)の汚染が避けられ、従来の半導体パッケージにおけるダイアタッチング作業中のダイアタッチング剤のオーバーフロー問題を有効に解決できる。
【0027】
(4)第一組フィンガー、第二組フィンガーおよび第三組フィンガーの設置位置により、異なるサイズのチップに適用する半導体パッケージの基板ができ、基板の製造コストを削減している。
(5)配線は第一組フィンガーと第二組フィンガーとを同時に接続することにより、小サイズチップは第一組フィンガーを介し直接半導体パッケージの基板と電気的に相互接続することができ、第二組フィンガーにワイヤボンディングする必要がなく、ボンディングワイヤの長さの短縮を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による半導体パッケージの基板を図3A、図3Bおよび図3Cに示す。図3Aは、半導体パッケージの基板の平面図、図3Bは断面図、図3Cは立体図である。この半導体パッケージの基板300は主に一つの基板本体310、複数の第一組フィンガー321、複数の第二組フィンガー322、複数の第三組フィンガー323および一つのはんだマスク層330から構成される。
【0029】
図3Aに示すように、基板本体310はチップの載置面として一つの表面311を有し、表面311は一つの第一縁部312、一つの第二縁部313、一つの第三縁部314および一つの第四縁部315を有する。本実施形態において、第二縁部313は第三縁部314と相互平行し、第一縁部312は第四縁部315と相互平行し、第一縁部312は第二縁部313と第三縁部314とに接続し、第四縁部315も第二縁部313と第三縁部314とに接続している。
【0030】
図3Aに示すように、第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群および第三組フィンガー323群は基板本体310の表面311に設置される。図面に示した本実施形態のフィンガーの組数は三組であるが、制限せず実際の基板の電気設計に応じて組数を調整することができる。第一組フィンガー321群は第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群との間に位置する。本実施形態において、第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群は一般フィンガーであり、第一組フィンガー321群は第二組フィンガー322群に電気接続する再配置フィンガーである。
【0031】
第一組フィンガー321群は表面311の中央区域に配列され、第二組フィンガー322群は表面311の第二縁部313に配列され、第三組フィンガー323群は表面311の第三縁部314に配列している。
第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群および第三組フィンガー323群は銅を用いて製造したワイヤボンディングパッドであってもよい。本実施形態においては、半導体実装作業中にボンディングワイヤと電気接続する結合力を増強させるため、第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群および第三組フィンガー323群の表面に一つのメッキ層380を形成し、メッキ層380の材質としては銀、ニッケル/金、錫、ニッケル/パラジウム/金、錫と鉛との合金、錫とビスマスの合金等の何れかを採用することができる。
【0032】
図3A、図3Bおよび図3Cに示すように、はんだマスク層330は基板本体310の表面311に形成され、第一組フィンガー321群を露出するように一つの第一開口331を有する。また、図3Aに示すように、はんだマスク層330は更に第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群とをそれぞれ露出するように一つの第二開口332と一つの第三開口333とを有する。第二開口332と第三開口333とは、密閉型開口あるいは開放型ギャップになってもよく、本実施形態において、第二縁部313と第三縁部314との密閉型周辺開口にそれぞれ隣接している。はんだマスク層330はカバーレーヤ(cover layer)あるいはソルダマスク(solder mask)の何れを採用してもよい。はんだマスク層330の形成方法では、先ずモールディングあるいはプリントを行い、続いて露光工程と現像工程により、パターンを得ることができる。
【0033】
図3Aおよび図3Bに示すように、はんだマスク層330の露出表面334に複数の第一排気溝部340を形成する。第一排気溝部340群は、はんだマスク層330を貫通しない。第一排気溝部340群は第一開口331に連結し、かつ基板本体310の表面311の側辺(即ち、第二縁部313および第三縁部314)に伸びるが、第二組フィンガー322群を露出する第二開口332と第三組フィンガー323群とを露出する第三開口333に連結しない。
【0034】
また、配線350を露出させないため、はんだマスク層330を貫通しないように、レーザ法が通常利用されるが、もちろんこれに限定されるものではなく、第一排気溝部340群の成形深さを適宜制御することができる。図3Aに示すように、第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群とがダイアタッチング剤のオーバーフローにより汚染されないように、第一排気溝部340群は、第二開口332と第三開口333とに連結しない。
【0035】
本実施形態において、第一排気溝部340群は細長い形状になり、それらの一端は第一開口331の長手側に接続し、それらの延伸端部341群は一つの大サイズチップ30の被覆領域を超え、よって、後続のダイアタッチング作業中にガスは第一排気溝部340群から外部へ排出されることができ、大サイズチップ30の下方に残留しなくなる。より具体的に言うと、第一排気溝部340群の延伸端部341群ははんだマスク層330の内に位置する複数の密閉溝端部を有し、この密閉溝端部群により、ダイアタッチング剤のオーバーフロー領域を制限することができる。
【0036】
また、半導体パッケージの基板300は更に複数の配線350を有し、この配線350群は基板本体310の表面311に形成されて第一組フィンガー321群と第二組フィンガー322群とに接続している。はんだマスク層330は更に配線350群を被覆することによって第一組フィンガー321群を第二組フィンガー322群の再配置フィンガーにすることができる。
【0037】
図3Bに示すように、配線350群、第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群および第三組フィンガー323群を同一配線層にすることができるので、大サイズチップは第二組フィンガー322群を介し半導体パッケージの基板300と電気的に相互接続可能となるだけではなく、小サイズチップも第一組フィンガー321群を介し半導体パッケージの基板300と電気的に相互接続することができ、更にボンディングワイヤの長さも短縮できる。よって、半導体パッケージの基板300は異なるサイズのチップに適用して基板の製造コストを節約することができる。
なお、配線350群ははんだマスク層330に被覆されることにより、第一排気溝部340群に露出しないと共に、第一排気溝部340群の内にメッキ層380を形成する必要がなく、メッキ面積が減少してコストダウンの実現が可能になり、かつ第一排気溝部340群の閉塞を避けることもできる。
【0038】
図3Aに示すように、本実施形態において、第一排気溝部340群は配線350群にずれて重ならないようにしてもよく、それにより、配線350群を露出しないように第一排気溝部340群の成形深さが増加できる。例えば、図3Bに示すように、第一排気溝部340群の底面342を配線350群より高くしなければ、ダイアタッチング作業中に生じたガスはより順調に外へ排出されることができる。
【0039】
具体的に言えば、少なくとも一つの第二排気溝部360を有し、この第二排気溝部360は第一開口331に連結して基板本体310の表面311の第一縁部312に伸びてダイアタッチング作業時の排気効果を増加している。第一開口331に連結する第二排気溝部360の一端は第一開口331に隣接する第一縁部312の短手側に位置し、第二排気溝部360のもう一端は第一縁部312と連結してよい。また、少なくとも一つの第三排気溝部370を有し、この第三排気溝部370は第一開口331に連結して基板本体310の表面311の第四縁部315に伸びている。
【0040】
半導体パッケージの基板300は大サイズチップの搭載体として適用され、一つの半導体パッケージに構成される。例えば、メモリカード、BGAパッケージ、あるいはLGAパッケージなどがあり、図4Aは一つの大サイズチップを設置する半導体パッケージの基板300の平面図であり、図4Bは半導体パッケージの基板300と大サイズチップを含む半導体パッケージの断面図である。
【0041】
半導体パッケージは主に半導体パッケージの基板300、一つの大サイズチップ30、一つのダイアタッチング剤41、複数の第一ボンディングワイヤ42および複数の第二ボンディングワイヤ43を備える。大サイズチップ30は半導体パッケージの基板300の上に設置され、比較的大きなメモリ容量を有し、かつ複数の第一ボンディングパッド31と複数の第二ボンディングパッド32とを有する。第一ボンディングパッド31群と第二ボンディングパッド32群とは大サイズチップ30の主面33に形成され、大サイズチップ30の外部接続用電極として用いられる。
【0042】
ダイアタッチング作業の後に、半導体パッケージの基板300の上に設置した大サイズチップ30は第一組フィンガー321群と第一開口331とを被覆し、第一ボンディングパッド31群は第二組フィンガー322群に隣接し、第二ボンディングパッド32群は第三組フィンガー323群に隣接し、第一排気溝部340群の延伸端部341群は大サイズチップ30の外部に伸びるようにしている。通常、ダイアタッチング剤41の材質としては、エポキシ樹脂、あるいは加熱により流動する接着材を選んで使用している。
【0043】
また、ダイアタッチング剤41を介して大サイズチップ30の背面34を半導体パッケージの基板300のはんだマスク層330に接着させることにより、大サイズチップ30は半導体パッケージの基板300の上に設置され、更にダイアタッチング結合力を増強するため、ダイアタッチング剤41を第一開口331と第一排気溝部340群との内に充填している。
【0044】
第一ボンディングワイヤ42群を介し大サイズチップ30の第一ボンディングパッド31群を半導体パッケージの基板300の第二組フィンガー322群に電気接続し、第二ボンディングワイヤ43群を介し大サイズチップ30の第二ボンディングパッド32群を半導体パッケージの基板300の第三組フィンガー323群に電気接続している。
図4Bに示すように、半導体パッケージは更に一つの封止体44を有し、この封止体44は半導体パッケージの基板300の上に形成されて大サイズチップ30、第一ボンディングワイヤ42群および第二ボンディングワイヤ43群を密封している。ここで、ダイアタッチング剤41は大サイズチップ30の下にある第一排気溝部340群の部分区域に充填され、封止体44は第一排気溝部340群の残り区域に充填される。
【0045】
ダイアタッチング作業中に、大サイズチップ30が半導体パッケージの基板300を押圧して未硬化かつ流動性のダイアタッチング剤41を圧迫することにより、ガスは第一排気溝部340群を経由し外部へ排出される。このため、気泡は第一開口331の内に残留しなくなり、かつダイアタッチング剤41が第一排気溝部340群に充填されることによって半導体パッケージの基板300の結合効果が増強できる。
一方、ダイアタッチング剤41が第二開口332および第三開口333まで流れることを第一排気溝部340群の延伸端部341群により遮断することができ、そのため、第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群とはダイアタッチング剤41のオーバーフローに汚染されるのを避けることが可能となる。
【0046】
半導体パッケージの基板300は小サイズチップの搭載体として適用されることができ、一つの半導体パッケージに構成される。図5Aは一つの小サイズチップを設置する半導体パッケージの基板300の平面図であり、図5Bは半導体パッケージの基板300と小サイズチップを含む半導体パッケージの断面図である。
【0047】
前記半導体パッケージは主に半導体パッケージの基板300、一つの小サイズチップ50、一つのダイアタッチング剤61、複数の第一ボンディングワイヤ62および複数の第二ボンディングワイヤ63を備える。小サイズチップ50は半導体パッケージの基板300の上に設置され、比較的小さなメモリ容量を有し、大サイズチップ30のおよそ半分サイズに相当し、第一組フィンガー321群と第三組フィンガー323群との間に位置している。小サイズチップ50は複数の第一ボンディングパッド51と複数の第二ボンディングパッド52を有し、この第一ボンディングパッド51群と第二ボンディングパッド52群とは小サイズチップ50の主面53に形成される。
【0048】
ダイアタッチング作業後に、半導体パッケージの基板300の上に設置した小サイズチップ50は第一組フィンガー321群と第一開口331とを被覆せず、第一ボンディングパッド51群は第一組フィンガー321群に隣接し、第二ボンディングパッド52群は第三組フィンガー323群に隣接している。
【0049】
図5Bに示すように、ダイアタッチング剤61は小サイズチップ50の背面54を半導体パッケージの基板300のはんだマスク層330に接着させることに用いられるが、第一開口331には充填されない。第一ボンディングワイヤ62群を介し小サイズチップ50の第一ボンディングパッド51群を半導体パッケージの基板300の第一組フィンガー321群に電気接続し、第二ボンディングワイヤ63群を介し小サイズチップ50の第二ボンディングパッド52群を半導体パッケージの基板300の第三組フィンガー323群に電気接続している。
【0050】
再び図5Bに示すように、半導体パッケージの基板300の上に一つの封止体64が形成されて小サイズチップ50、第一ボンディングワイヤ62群および第二ボンディングワイヤ63群を密封している。ここで、ダイアタッチング剤61は小サイズチップ50の下にある第一排気溝部340群の部分区域に充填され、封止体64は第一排気溝部340群の残り区域に充填され、更に第一開口331にも充填される。
【0051】
また、図5Bに示すように、前記半導体パッケージは更に一つのダミチップ70を有し、このダミチップ70は小サイズチップ50とほぼ同一サイズを有し、半導体パッケージの基板300の上に設置され、第一組フィンガー321群と第二組フィンガー322群との間に位置して封止作業中にモールド流れのバランスをとる功能がある。
【0052】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による半導体パッケージの基板を図6Aおよび図6Bに示す。図6Aは半導体パッケージの基板の平面図、図6Bは断面図である。この半導体パッケージの基板400の基本構成は第1実施形態と同様な主要素子を持つため、ここでは同じ図号を用いて説明していく。半導体パッケージの基板400の主要素子は、基板本体310、第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群、第三組フィンガー323群およびはんだマスク層330を有する。
図6Bに示すように、第一組フィンガー321群は第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群との間に位置し、はんだマスク層330の第一開口331は第一組フィンガー321群を露出し、そして、第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群とをそれぞれ露出するため、はんだマスク層330は更に一つの第二開口332と一つの第三開口333とを有する。
【0053】
本実施形態において、第二開口332と第三開口333とは第二縁部313と第三縁部314との開放型周辺ギャップにそれぞれ連結している。また、第1実施形態と同様に、第一排気溝部340群ははんだマスク層330の露出表面334に形成されるが、はんだマスク層330を貫通しない。第一排気溝部340群は第一開口331に接続して基板本体310の表面311の側辺(即ち、第二縁部313および第三縁部314)に伸びるが、第二開口332と第三開口333とに連結しない。
【0054】
図6Aに示すように、はんだマスク層330の露出表面334に少なくとも一つの連結溝部490は形成され、この連結溝部490は第一排気溝部340群と連結して綱目状の通路を構成するので、排気を相互連結することができる。
【0055】
表面311に形成され、第一組フィンガー321群と第二組フィンガー322群に接続してはんだマスク層330に被覆される。本実施形態において、第一排気溝部340群の底面442は配線350群より高くなってよく、そのため、少なくとも一つの第一排気溝部340は少なくとも一つの配線350と交差して重なっても配線350群を露出することがなく、第一排気溝部340群の配置選択性の増加が可能となる。本実施形態において、第一排気溝部340群の中の少なくとも一つは一本の配線350の上に完全に重なることができる。
【0056】
(第三実施形態)
本発明の第3実施形態による半導体パッケージの基板を図7に示す。図7は半導体パッケージの基板の平面図である。この半導体パッケージの基板500の基本構成は第1実施形態と同様な主要素子を持つため、ここでは同じ符号を用いて説明する。半導体パッケージの基板500の主要素子は基板本体310、第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群、第三組フィンガー323群およびはんだマスク層330を有する。はんだマスク層330の第一開口331、第二開口332および第三開口333は第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群および第三組フィンガー323群をそれぞれ露出している。
【0057】
同様に、はんだマスク層330を貫通しないように第一排気溝部340群ははんだマスク層330の露出表面に形成される。第一排気溝部340群は第一開口331に接続して基板本体310の表面311の側辺(即ち、第二縁部313および第三縁部314)に伸びるが、第二開口332と第三開口333に連結しない。本実施形態において、隣り合う第一排気溝部群340の延伸端部541はU形状のように相互接続してオーバーフロー回流通路を形成している。図7に示すように、半導体パッケージの基板500が更に有する配線350群ははんだマスク層330に被覆される。本実施形態において、第一排気溝部340群中の一つは配線350群の上に一部重なることができる。
【0058】
(第4実施形態)
図8に示すように、本発明の第4実施形態による半導体パッケージの基板は、はんだマスク層330が更に複数のオーバーフロー貯蔵溝部335を有する点が第1実施形態と異なる。このオーバーフロー貯蔵溝部335群は第一排気溝部340群の延伸端部341群に接続して、はんだマスク層330を貫通してもしなくてもよい。オーバーフロー貯蔵溝部335群の形状は円形や矩形にしてもよい。一つの具体例において、オーバーフロー貯蔵溝部335群は、はんだマスク層330を貫通するダミー開口になってよく、ダイアタッチング作業中に、たとえダイアタッチング剤のオーバーフローが延伸端部341群の遮断可能範囲を超えても、オーバーフロー貯蔵溝部335群を用いダイアタッチング剤のオーバーフロー範囲を拡大させない作用がある。
【0059】
また、本発明は一般的な実装基板に応用されることができ、はんだマスク層は中央開口と周辺開口とを同時に有し、中央開口は完全にチップ被覆領域内に形成される。はんだマスク層に形成された複数の排気溝部ははんだマスク層を貫通せず、中央開口に接続して基板本体の前記表面の側辺に伸びるが、周辺開口に連結しない。この排気溝部群を用い中央開口の内に貯まる気泡およびダイアタッチング剤のオーバーフローによる周辺開口の汚染などの問題を解決することができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の保護範囲は特許請求の範囲で限定され、この保護範囲を基準として、本発明の精神と範囲内に触れるどのような変更や修正も本発明の保護範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1A】従来の半導体パッケージを示す平面図。
【図1B】従来の半導体パッケージを示す断面図。
【図2A】従来のもう一つの半導体パッケージを示す平面図。
【図2B】従来のもう一つの半導体パッケージを示す断面図。
【図3A】本発明の第1実施形態による半導体パッケージの基板を示す平面図。
【図3B】本発明の第1実施形態による半導体パッケージの基板を示す断面図。
【図3C】本発明の第1実施形態による半導体パッケージの基板を示す斜視図。
【図4A】本発明の第1実施形態による半導体パッケージの基板上に大サイズチップを設置した状態を示す平面図。
【図4B】本発明の第1実施形態による半導体パッケージを示す断面図。
【図5A】本発明の第1実施形態による半導体パッケージの基板上に小サイズチップとダミチップを設置した状態を示す平面図。
【図5B】本発明の第1実施形態による半導体パッケージを示す断面図。
【図6A】本発明の第2実施形態による半導体パッケージの基板を示す平面図。
【図6B】本発明の第2実施形態による半導体パッケージの基板を示す断面図。
【図7】本発明の第3実施形態による半導体パッケージの基板を示す平面図。
【図8】本発明の第4実施形態による半導体パッケージの基板を示す平面図。
【符号の説明】
【0061】
30:大サイズチップ、31:第一ボンディングパッド、32:第二ボンディングパッド、33:主面、34:背面、41:ダイアタッチング剤、42:第一ボンディングワイヤ、43:第二ボンディングワイヤ、44:封止体、50:小サイズチップ、51:第一ボンディングパッド、52:第二ボンディングパッド、53:主面、54:背面、61:ダイアタッチング剤、62:第一ボンディングワイヤ、63:第二ボンディングワイヤ、64:封止体、70:ダミチップ、300:半導体パッケージの基板、310:基板本体、311:表面、312:第一縁部、313:第二縁部、314:第三縁部、315:第四縁部、321:第一組フィンガー、322:第二組フィンガー、323:第三組フィンガー、330:はんだマスク層、331:第一開口、332:第二開口、333:第三開口、334:露出表面、335:オーバーフロー貯蔵溝部、340:第一排気溝部、341:延伸端部、342:底面、350:配線、360:第二排気溝部、370:第三排気溝部、380:メッキ層、400:半導体パッケージの基板、442:底面、490:連結溝部、500:半導体パッケージの基板、541:延伸端部
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の基板に関し、特に半導体パッケージの基板およびそれを用いた半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置において、例えばBGA(ball grid array)半導体パッケージ、あるいはカード型半導体パッケージなどの構成が有る。チップ搭載体として基板を利用し、基板のフィンガーとチップのボンディングパッドとを電気的に内部で接続している。特にメモリカードのような一つの規格品であれば、半導体パッケージのサイズを変えてはならないため、他にメモリ容量の増加を必要とする際には、基板上の異なる位置に少なくとも一組の再配置フィンガーを増設して基板に汎用性を持たせる。これにより、小さいサイズのチップを実装する作業のための基板製造コストが低減できる。但し、大きいサイズのチップの接着作業において、再配置フィンガーは使用されなくなりダイアタッチング剤に被覆され、これに起因して気泡が残留し易く、ポップコーン現象が容易に生じるという問題が生じる。
【0003】
図1Aおよび図1Bに示すように、従来の半導体パッケージは、一つの基板100、一つのチップ11、一つのダイアタッチング剤12、複数の第一ボンディングワイヤ13、複数の第二ボンディングワイヤ14および一つの封止体15を備える。基板100は主に表面111を有する基板本体110とはんだマスク層130とを有する。表面111には複数の第一組フィンガー121、複数の第二組フィンガー122および複数の第三組フィンガー123を有する。第二組フィンガー122群と第三組フィンガー123群とは一般フィンガーであり、表面111の両側辺にそれぞれ位置して大サイズチップとの電気接続に適用している。
【0004】
第一組フィンガー121群は第二組フィンガー122群と第三組フィンガー123群との間に位置して再配置フィンガーとして用いられ、小サイズチップとの電気接続に適用している。はんだマスク層130は、表面111に形成され、それぞれ第一組フィンガー121群、第二組フィンガー122群および第三組フィンガー123群を露出する複数の開口131、132、133を有する。チップ11が大サイズチップである場合、チップ11は第一組フィンガー121群を覆い、ダイアタッチング剤12を介して基板100上に設置される。第一ボンディングワイヤ13群を介しチップ11と基板100の第二組フィンガー122群とを電気接続し、第二ボンディングワイヤ14群を介しチップ11と基板100の第三組フィンガー123群とを電気接続している。
【0005】
封止体15は、基板100のはんだマスク層130上に形成されて、チップ11、第一ボンディングワイヤ13群および第二ボンディングワイヤ14群を密封している。図1Bに示すように、ダイアタッチング剤12は、チップ11の背面を基板100のはんだマスク層130に接着するように用いられ、更に開口131に充填される。はんだマスク層130の開口131は、密閉開口であり且つチップ11に覆われるため(図1A参照)、ダイアタッチング作業中に残留したガスが開口131を経由して外部へ排出できなくなる、このため、ダイアタッチング剤12に気泡12Aが存在して(図1B参照)後続の製造作業中あるいは使用時にポップコーン現象を起こしてしまう。
【0006】
ダイアタッチング作業時の気泡残留問題を避けるため、相互連結のはんだマスク層開口を有する基板をチップ搭載体として使用することができる。特許文献1の「半導体パッケージおよびその基板構造」に、従来のその半導体パッケージが開示されている。それは気泡が残留しない効果は有るが、ダイアタッチング剤は基板両側にあるフィンガー群に拡散してフィンガーの汚染となり、且つ基板配線は露出してメッキされてしまうなどの問題が容易に起きるおそれのあるものである。
【0007】
図2Aおよび図2Bに示すように、従来のもう一つの半導体パッケージは、一つの基板200、一つのチップ21、一つのダイアタッチング剤22、複数の第一ボンディングワイヤ23、複数の第二ボンディングワイヤ24および一つの封止体25から構成される。基板200は主に一つの基板本体210、複数の第一組フィンガー221、複数の第二組フィンガー222、複数の第三組フィンガー223および一つのはんだマスク層230を有する。基板本体210の表面211には第一組フィンガー221群、第二組フィンガー222群および第三組フィンガー223群を有する。
【0008】
第一組フィンガー221群は第二組フィンガー222群と第三組フィンガー223群との間に位置して再配置フィンガーとして用いられる。はんだマスク層230は表面211に形成されそれぞれ第一組フィンガー221群、第二組フィンガー222群および第三組フィンガー223を露出する複数の開口231、232、233を有する。はんだマスク層230は更に複数の延伸開口235を有し、延伸開口235群は中央の開口231から外部へ伸び、周辺の開口232あるいは233に連結している。
【0009】
チップ21は、ダイアタッチング剤22を介し基板200上に設置され、大サイズチップであれば開口231と第一組フィンガー221群とを覆うことになる。第一ボンディングワイヤ23群はチップ21と基板200の第二組フィンガー222群との電気接続に用いられ、第二ボンディングワイヤ24群はチップ21と基板200の第三組フィンガー223群との電気接続に用いられる。封止体25は基板200のはんだマスク層230に形成され、チップ21、第一ボンディングワイヤ23群および第二ボンディングワイヤ24群を密封している。
【0010】
図2Aおよび図2Bに示すように、開口231に残留するおそれのある気泡は、ダイアタッチング剤22が開口231に充填されたことにより、延伸開口235群から排出される。但し、ダイアタッチング剤22は、ダイアタッチング作業中に高温と圧力が与えられる環境下において流動的になる。このとき、ダイアタッチング剤22は延伸開口235群に沿って周辺開口232、233へ流れオーバーフロー22Aとなり、第二組フィンガー222群と第三組フィンガー223群とを汚染してしまう(図2B参照)。更に、第一ボンディングワイヤ23群或いは第二ボンディングワイヤ24群の一端は第二組フィンガー222群或いは第三組フィンガー223群と接着できないようになる。通常、第一組フィンガー221群、第二組フィンガー222群および第三組フィンガー223群の上には、一つのメッキ層280を形成している。
【0011】
また、第一組フィンガー221群にリード位置を再配置する機能を持たせるため、基板200は更に第一組フィンガー221群と第二組フィンガー222群とを接続する複数の配線250を有さなければいけない。そして、延伸開口235群がはんだマスク層230を貫通したことより、配線250群は延伸開口235群と交差すると外に露出することになり、配線250群の露出区域にもメッキ層280が形成されてしまう。よって、電気メッキが不要な部分に浪費する問題があると共に、排気閉塞現象が起き、その結果、延伸開口235群の排気の効果を失効させることになる。
【0012】
【特許文献1】台湾特許第I281,733号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の主な目的は、ダイアタッチング作業中の気泡の残留およびダイアタッチング剤のオーバーフローを防止可能な半導体パッケージの基板およびそれを用いた半導体パッケージを提供することである。
ダイアタッチング作業中に外部へ排出できる無障害かつオーバーフローの無いガス通路を提供することにより気泡残留問題を解決し、更に従来の半導体パッケージにおけるダイアタッチング作業中のダイアタッチング剤のオーバーフロー問題も有効に解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る半導体パッケージの基板は、主に一つの基板本体、複数の第一組フィンガー、複数の第二組フィンガー、複数の第三組フィンガーおよび一つのはんだマスク層を備える。基板本体は表面を有し、前記表面の上に第一組フィンガー群、第二組フィンガー群および第三組フィンガー群を設置しており、第一組フィンガー群は第二組フィンガー群と第三組フィンガー群との間に位置している。
【0015】
はんだマスク層は基板本体の前記表面に形成され、かつ第一組フィンガー群、第二組フィンガー群および第三組フィンガー群をそれぞれ露出する一つの第一開口、一つの第二開口および一つの第三開口を有する。はんだマスク層の露出表面に複数の第一排気溝部を形成する。この第一排気溝部群は、はんだマスク層を貫通しない。また、第一排気溝部群は第一開口に接続して基板本体の前記表面の側辺に伸びるが、第二開口と第三開口とに連結しない。
【0016】
さらに本発明に係る半導体パッケージの基板は、更に複数の配線を有し、この配線群は基板本体の前記表面に形成されて、第一組フィンガー群と第二組フィンガー群とに接続し、はんだマスク層に被覆される。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第一排気溝部群は配線群とずれて重ならなくてよい。
【0017】
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第一排気溝部群の一底面を配線群より高くしなくてよい。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第一排気溝部群の一底面を配線群より高くしてよい。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、配線群の露出がないように少なくとも一つの第一排気溝部は少なくとも一つの配線群と交差して重なってよい。
【0018】
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第一排気溝部群の延伸端部ははんだマスク層の内に位置する複数の密閉溝端部を有してもよい。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、はんだマスク層の露出表面に少なくとも一つの連結溝部を形成することができ、この連結溝部は第一排気溝部群と連結して綱目状の通路を構成している。
【0019】
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、隣り合う第一排気溝部群の延伸端部はU形状のように相互接続してよい。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、基板本体の前記表面は一つの第一縁部、一つの第二縁部および一つの第三縁部を有する。第二縁部は第三縁部に平行し、第一縁部は第二縁部と第三縁部とに接続し、第二組フィンガー群は基板本体の前記表面の第二縁部に配列し、第三組フィンガー群は基板本体の前記表面の第三縁部に配列し、第一組フィンガー群は第二組フィンガー群の再配置フィンガーにされることができ、基板本体の前記表面の中央に配列している。
【0020】
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、少なくとも一つの第二排気溝部は第一開口と連結してよく、且つ基板本体の前記表面の第一縁部へ伸びている。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、少なくとも一つの第三排気溝部は第一開口と連結してよく、且つ基板本体の前記表面の一つの第四縁部へ伸びている。
【0021】
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第二開口と第三開口とは第二縁部と第三縁部との密閉型周辺開口にそれぞれ隣接してよい。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第二開口と第三開口とは第二縁部と第三縁部との開放型周辺ギャップにそれぞれ連結してよい。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、はんだマスク層は更に複数のオーバーフロー貯蔵槽を有し、このオーバーフロー貯蔵槽群は第一排気溝部群の延伸端部群と接続している。
またさらに本発明に係る半導体パッケージの基板において、第一排気溝部群をレーザー法で形成することができる。
【0022】
また、本発明に係る半導体パッケージは、大サイズチップの搭載体として上述の半導体パッケージの基板を採用し、主に上述の半導体パッケージの基板、一つのチップ、一つのダイアタッチング剤、複数の第一ボンディングワイヤおよび複数の第二ボンディングワイヤを備える。チップは上述の半導体パッケージの基板上に設置されて第一組フィンガー群を覆い、且つ複数の第一ボンディングパッドと複数の第二ボンディングパッドとを有する。ダイアタッチング剤はチップの背面と上述の半導体パッケージの基板のはんだマスク層との接着に用いられ、更に第一開口と第一排気溝部群とに充填される。第一ボンディングワイヤ群を介しチップの第一ボンディングパッド群を上述の半導体パッケージの基板の第二組フィンガー群に電気接続させ、第二ボンディングワイヤ群を介しチップの第二ボンディングパッド群を上述の半導体パッケージの基板の第三組フィンガー群に電気接続させる。
【0023】
また、本発明に係る半導体パッケージは、更に小サイズチップの搭載体として上述の半導体パッケージの基板を用い、主に上述の半導体パッケージの基板、一つのチップ、一つのダイアタッチング剤、複数の第一ボンディングワイヤおよび複数の第二ボンディングワイヤを備える。チップは上述の半導体パッケージの基板上に設置され、第一組フィンガー群と第三組フィンガー群との間に位置し、かつ複数の第一ボンディングパッドと複数の第二ボンディングパッドとを有する。ダイアタッチング剤はチップの背面と上述の半導体パッケージの基板のはんだマスク層との接着に用いられるが、第一開口に充填されない。第一ボンディングワイヤ群を介しチップの第一ボンディングパッド群を上述の半導体パッケージの基板の第一組フィンガー群に電気接続させ、第二ボンディングワイヤ群を介しチップの第二ボンディングパッド群を上述の半導体パッケージの基板の第三組フィンガー群に電気接続させる。
【0024】
(効果)
上述した技術により、本発明に係る半導体パッケージの基板および半導体パッケージは、下記の効果を奏する。
(1)はんだマスク層を貫通しないように半導体パッケージの基板のダイアタッチング表面に形成した排気溝部群はダイアタッチング作業中にガスを外部へ排出する通路を提供して気泡残留の問題を避ける。
【0025】
(2)はんだマスク層の表面にある排気溝部は再配置フィンガーに接続する配線(即ち第一組フィンガーである)を露出させないことにより、メッキ面積を減少させて製造コストの削減が可能となり、かつ排気溝部の閉塞も改善できる。また、配線は露出しないように排気溝部と交差して重なることができるので、排気溝部の配置選択性を増やしている。
【0026】
(3)排気溝部の延伸端部はダイアタッチング剤のオーバーフロー区域を制限し、かつ排気溝部ははんだマスク層の周辺開口と連結しないので、大サイズチップを接着するとき、ダイアタッチング剤のオーバーフローによる一般フィンガー(即ち第二組フィンガーと第三組フィンガー)の汚染が避けられ、従来の半導体パッケージにおけるダイアタッチング作業中のダイアタッチング剤のオーバーフロー問題を有効に解決できる。
【0027】
(4)第一組フィンガー、第二組フィンガーおよび第三組フィンガーの設置位置により、異なるサイズのチップに適用する半導体パッケージの基板ができ、基板の製造コストを削減している。
(5)配線は第一組フィンガーと第二組フィンガーとを同時に接続することにより、小サイズチップは第一組フィンガーを介し直接半導体パッケージの基板と電気的に相互接続することができ、第二組フィンガーにワイヤボンディングする必要がなく、ボンディングワイヤの長さの短縮を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による半導体パッケージの基板を図3A、図3Bおよび図3Cに示す。図3Aは、半導体パッケージの基板の平面図、図3Bは断面図、図3Cは立体図である。この半導体パッケージの基板300は主に一つの基板本体310、複数の第一組フィンガー321、複数の第二組フィンガー322、複数の第三組フィンガー323および一つのはんだマスク層330から構成される。
【0029】
図3Aに示すように、基板本体310はチップの載置面として一つの表面311を有し、表面311は一つの第一縁部312、一つの第二縁部313、一つの第三縁部314および一つの第四縁部315を有する。本実施形態において、第二縁部313は第三縁部314と相互平行し、第一縁部312は第四縁部315と相互平行し、第一縁部312は第二縁部313と第三縁部314とに接続し、第四縁部315も第二縁部313と第三縁部314とに接続している。
【0030】
図3Aに示すように、第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群および第三組フィンガー323群は基板本体310の表面311に設置される。図面に示した本実施形態のフィンガーの組数は三組であるが、制限せず実際の基板の電気設計に応じて組数を調整することができる。第一組フィンガー321群は第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群との間に位置する。本実施形態において、第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群は一般フィンガーであり、第一組フィンガー321群は第二組フィンガー322群に電気接続する再配置フィンガーである。
【0031】
第一組フィンガー321群は表面311の中央区域に配列され、第二組フィンガー322群は表面311の第二縁部313に配列され、第三組フィンガー323群は表面311の第三縁部314に配列している。
第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群および第三組フィンガー323群は銅を用いて製造したワイヤボンディングパッドであってもよい。本実施形態においては、半導体実装作業中にボンディングワイヤと電気接続する結合力を増強させるため、第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群および第三組フィンガー323群の表面に一つのメッキ層380を形成し、メッキ層380の材質としては銀、ニッケル/金、錫、ニッケル/パラジウム/金、錫と鉛との合金、錫とビスマスの合金等の何れかを採用することができる。
【0032】
図3A、図3Bおよび図3Cに示すように、はんだマスク層330は基板本体310の表面311に形成され、第一組フィンガー321群を露出するように一つの第一開口331を有する。また、図3Aに示すように、はんだマスク層330は更に第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群とをそれぞれ露出するように一つの第二開口332と一つの第三開口333とを有する。第二開口332と第三開口333とは、密閉型開口あるいは開放型ギャップになってもよく、本実施形態において、第二縁部313と第三縁部314との密閉型周辺開口にそれぞれ隣接している。はんだマスク層330はカバーレーヤ(cover layer)あるいはソルダマスク(solder mask)の何れを採用してもよい。はんだマスク層330の形成方法では、先ずモールディングあるいはプリントを行い、続いて露光工程と現像工程により、パターンを得ることができる。
【0033】
図3Aおよび図3Bに示すように、はんだマスク層330の露出表面334に複数の第一排気溝部340を形成する。第一排気溝部340群は、はんだマスク層330を貫通しない。第一排気溝部340群は第一開口331に連結し、かつ基板本体310の表面311の側辺(即ち、第二縁部313および第三縁部314)に伸びるが、第二組フィンガー322群を露出する第二開口332と第三組フィンガー323群とを露出する第三開口333に連結しない。
【0034】
また、配線350を露出させないため、はんだマスク層330を貫通しないように、レーザ法が通常利用されるが、もちろんこれに限定されるものではなく、第一排気溝部340群の成形深さを適宜制御することができる。図3Aに示すように、第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群とがダイアタッチング剤のオーバーフローにより汚染されないように、第一排気溝部340群は、第二開口332と第三開口333とに連結しない。
【0035】
本実施形態において、第一排気溝部340群は細長い形状になり、それらの一端は第一開口331の長手側に接続し、それらの延伸端部341群は一つの大サイズチップ30の被覆領域を超え、よって、後続のダイアタッチング作業中にガスは第一排気溝部340群から外部へ排出されることができ、大サイズチップ30の下方に残留しなくなる。より具体的に言うと、第一排気溝部340群の延伸端部341群ははんだマスク層330の内に位置する複数の密閉溝端部を有し、この密閉溝端部群により、ダイアタッチング剤のオーバーフロー領域を制限することができる。
【0036】
また、半導体パッケージの基板300は更に複数の配線350を有し、この配線350群は基板本体310の表面311に形成されて第一組フィンガー321群と第二組フィンガー322群とに接続している。はんだマスク層330は更に配線350群を被覆することによって第一組フィンガー321群を第二組フィンガー322群の再配置フィンガーにすることができる。
【0037】
図3Bに示すように、配線350群、第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群および第三組フィンガー323群を同一配線層にすることができるので、大サイズチップは第二組フィンガー322群を介し半導体パッケージの基板300と電気的に相互接続可能となるだけではなく、小サイズチップも第一組フィンガー321群を介し半導体パッケージの基板300と電気的に相互接続することができ、更にボンディングワイヤの長さも短縮できる。よって、半導体パッケージの基板300は異なるサイズのチップに適用して基板の製造コストを節約することができる。
なお、配線350群ははんだマスク層330に被覆されることにより、第一排気溝部340群に露出しないと共に、第一排気溝部340群の内にメッキ層380を形成する必要がなく、メッキ面積が減少してコストダウンの実現が可能になり、かつ第一排気溝部340群の閉塞を避けることもできる。
【0038】
図3Aに示すように、本実施形態において、第一排気溝部340群は配線350群にずれて重ならないようにしてもよく、それにより、配線350群を露出しないように第一排気溝部340群の成形深さが増加できる。例えば、図3Bに示すように、第一排気溝部340群の底面342を配線350群より高くしなければ、ダイアタッチング作業中に生じたガスはより順調に外へ排出されることができる。
【0039】
具体的に言えば、少なくとも一つの第二排気溝部360を有し、この第二排気溝部360は第一開口331に連結して基板本体310の表面311の第一縁部312に伸びてダイアタッチング作業時の排気効果を増加している。第一開口331に連結する第二排気溝部360の一端は第一開口331に隣接する第一縁部312の短手側に位置し、第二排気溝部360のもう一端は第一縁部312と連結してよい。また、少なくとも一つの第三排気溝部370を有し、この第三排気溝部370は第一開口331に連結して基板本体310の表面311の第四縁部315に伸びている。
【0040】
半導体パッケージの基板300は大サイズチップの搭載体として適用され、一つの半導体パッケージに構成される。例えば、メモリカード、BGAパッケージ、あるいはLGAパッケージなどがあり、図4Aは一つの大サイズチップを設置する半導体パッケージの基板300の平面図であり、図4Bは半導体パッケージの基板300と大サイズチップを含む半導体パッケージの断面図である。
【0041】
半導体パッケージは主に半導体パッケージの基板300、一つの大サイズチップ30、一つのダイアタッチング剤41、複数の第一ボンディングワイヤ42および複数の第二ボンディングワイヤ43を備える。大サイズチップ30は半導体パッケージの基板300の上に設置され、比較的大きなメモリ容量を有し、かつ複数の第一ボンディングパッド31と複数の第二ボンディングパッド32とを有する。第一ボンディングパッド31群と第二ボンディングパッド32群とは大サイズチップ30の主面33に形成され、大サイズチップ30の外部接続用電極として用いられる。
【0042】
ダイアタッチング作業の後に、半導体パッケージの基板300の上に設置した大サイズチップ30は第一組フィンガー321群と第一開口331とを被覆し、第一ボンディングパッド31群は第二組フィンガー322群に隣接し、第二ボンディングパッド32群は第三組フィンガー323群に隣接し、第一排気溝部340群の延伸端部341群は大サイズチップ30の外部に伸びるようにしている。通常、ダイアタッチング剤41の材質としては、エポキシ樹脂、あるいは加熱により流動する接着材を選んで使用している。
【0043】
また、ダイアタッチング剤41を介して大サイズチップ30の背面34を半導体パッケージの基板300のはんだマスク層330に接着させることにより、大サイズチップ30は半導体パッケージの基板300の上に設置され、更にダイアタッチング結合力を増強するため、ダイアタッチング剤41を第一開口331と第一排気溝部340群との内に充填している。
【0044】
第一ボンディングワイヤ42群を介し大サイズチップ30の第一ボンディングパッド31群を半導体パッケージの基板300の第二組フィンガー322群に電気接続し、第二ボンディングワイヤ43群を介し大サイズチップ30の第二ボンディングパッド32群を半導体パッケージの基板300の第三組フィンガー323群に電気接続している。
図4Bに示すように、半導体パッケージは更に一つの封止体44を有し、この封止体44は半導体パッケージの基板300の上に形成されて大サイズチップ30、第一ボンディングワイヤ42群および第二ボンディングワイヤ43群を密封している。ここで、ダイアタッチング剤41は大サイズチップ30の下にある第一排気溝部340群の部分区域に充填され、封止体44は第一排気溝部340群の残り区域に充填される。
【0045】
ダイアタッチング作業中に、大サイズチップ30が半導体パッケージの基板300を押圧して未硬化かつ流動性のダイアタッチング剤41を圧迫することにより、ガスは第一排気溝部340群を経由し外部へ排出される。このため、気泡は第一開口331の内に残留しなくなり、かつダイアタッチング剤41が第一排気溝部340群に充填されることによって半導体パッケージの基板300の結合効果が増強できる。
一方、ダイアタッチング剤41が第二開口332および第三開口333まで流れることを第一排気溝部340群の延伸端部341群により遮断することができ、そのため、第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群とはダイアタッチング剤41のオーバーフローに汚染されるのを避けることが可能となる。
【0046】
半導体パッケージの基板300は小サイズチップの搭載体として適用されることができ、一つの半導体パッケージに構成される。図5Aは一つの小サイズチップを設置する半導体パッケージの基板300の平面図であり、図5Bは半導体パッケージの基板300と小サイズチップを含む半導体パッケージの断面図である。
【0047】
前記半導体パッケージは主に半導体パッケージの基板300、一つの小サイズチップ50、一つのダイアタッチング剤61、複数の第一ボンディングワイヤ62および複数の第二ボンディングワイヤ63を備える。小サイズチップ50は半導体パッケージの基板300の上に設置され、比較的小さなメモリ容量を有し、大サイズチップ30のおよそ半分サイズに相当し、第一組フィンガー321群と第三組フィンガー323群との間に位置している。小サイズチップ50は複数の第一ボンディングパッド51と複数の第二ボンディングパッド52を有し、この第一ボンディングパッド51群と第二ボンディングパッド52群とは小サイズチップ50の主面53に形成される。
【0048】
ダイアタッチング作業後に、半導体パッケージの基板300の上に設置した小サイズチップ50は第一組フィンガー321群と第一開口331とを被覆せず、第一ボンディングパッド51群は第一組フィンガー321群に隣接し、第二ボンディングパッド52群は第三組フィンガー323群に隣接している。
【0049】
図5Bに示すように、ダイアタッチング剤61は小サイズチップ50の背面54を半導体パッケージの基板300のはんだマスク層330に接着させることに用いられるが、第一開口331には充填されない。第一ボンディングワイヤ62群を介し小サイズチップ50の第一ボンディングパッド51群を半導体パッケージの基板300の第一組フィンガー321群に電気接続し、第二ボンディングワイヤ63群を介し小サイズチップ50の第二ボンディングパッド52群を半導体パッケージの基板300の第三組フィンガー323群に電気接続している。
【0050】
再び図5Bに示すように、半導体パッケージの基板300の上に一つの封止体64が形成されて小サイズチップ50、第一ボンディングワイヤ62群および第二ボンディングワイヤ63群を密封している。ここで、ダイアタッチング剤61は小サイズチップ50の下にある第一排気溝部340群の部分区域に充填され、封止体64は第一排気溝部340群の残り区域に充填され、更に第一開口331にも充填される。
【0051】
また、図5Bに示すように、前記半導体パッケージは更に一つのダミチップ70を有し、このダミチップ70は小サイズチップ50とほぼ同一サイズを有し、半導体パッケージの基板300の上に設置され、第一組フィンガー321群と第二組フィンガー322群との間に位置して封止作業中にモールド流れのバランスをとる功能がある。
【0052】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による半導体パッケージの基板を図6Aおよび図6Bに示す。図6Aは半導体パッケージの基板の平面図、図6Bは断面図である。この半導体パッケージの基板400の基本構成は第1実施形態と同様な主要素子を持つため、ここでは同じ図号を用いて説明していく。半導体パッケージの基板400の主要素子は、基板本体310、第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群、第三組フィンガー323群およびはんだマスク層330を有する。
図6Bに示すように、第一組フィンガー321群は第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群との間に位置し、はんだマスク層330の第一開口331は第一組フィンガー321群を露出し、そして、第二組フィンガー322群と第三組フィンガー323群とをそれぞれ露出するため、はんだマスク層330は更に一つの第二開口332と一つの第三開口333とを有する。
【0053】
本実施形態において、第二開口332と第三開口333とは第二縁部313と第三縁部314との開放型周辺ギャップにそれぞれ連結している。また、第1実施形態と同様に、第一排気溝部340群ははんだマスク層330の露出表面334に形成されるが、はんだマスク層330を貫通しない。第一排気溝部340群は第一開口331に接続して基板本体310の表面311の側辺(即ち、第二縁部313および第三縁部314)に伸びるが、第二開口332と第三開口333とに連結しない。
【0054】
図6Aに示すように、はんだマスク層330の露出表面334に少なくとも一つの連結溝部490は形成され、この連結溝部490は第一排気溝部340群と連結して綱目状の通路を構成するので、排気を相互連結することができる。
【0055】
表面311に形成され、第一組フィンガー321群と第二組フィンガー322群に接続してはんだマスク層330に被覆される。本実施形態において、第一排気溝部340群の底面442は配線350群より高くなってよく、そのため、少なくとも一つの第一排気溝部340は少なくとも一つの配線350と交差して重なっても配線350群を露出することがなく、第一排気溝部340群の配置選択性の増加が可能となる。本実施形態において、第一排気溝部340群の中の少なくとも一つは一本の配線350の上に完全に重なることができる。
【0056】
(第三実施形態)
本発明の第3実施形態による半導体パッケージの基板を図7に示す。図7は半導体パッケージの基板の平面図である。この半導体パッケージの基板500の基本構成は第1実施形態と同様な主要素子を持つため、ここでは同じ符号を用いて説明する。半導体パッケージの基板500の主要素子は基板本体310、第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群、第三組フィンガー323群およびはんだマスク層330を有する。はんだマスク層330の第一開口331、第二開口332および第三開口333は第一組フィンガー321群、第二組フィンガー322群および第三組フィンガー323群をそれぞれ露出している。
【0057】
同様に、はんだマスク層330を貫通しないように第一排気溝部340群ははんだマスク層330の露出表面に形成される。第一排気溝部340群は第一開口331に接続して基板本体310の表面311の側辺(即ち、第二縁部313および第三縁部314)に伸びるが、第二開口332と第三開口333に連結しない。本実施形態において、隣り合う第一排気溝部群340の延伸端部541はU形状のように相互接続してオーバーフロー回流通路を形成している。図7に示すように、半導体パッケージの基板500が更に有する配線350群ははんだマスク層330に被覆される。本実施形態において、第一排気溝部340群中の一つは配線350群の上に一部重なることができる。
【0058】
(第4実施形態)
図8に示すように、本発明の第4実施形態による半導体パッケージの基板は、はんだマスク層330が更に複数のオーバーフロー貯蔵溝部335を有する点が第1実施形態と異なる。このオーバーフロー貯蔵溝部335群は第一排気溝部340群の延伸端部341群に接続して、はんだマスク層330を貫通してもしなくてもよい。オーバーフロー貯蔵溝部335群の形状は円形や矩形にしてもよい。一つの具体例において、オーバーフロー貯蔵溝部335群は、はんだマスク層330を貫通するダミー開口になってよく、ダイアタッチング作業中に、たとえダイアタッチング剤のオーバーフローが延伸端部341群の遮断可能範囲を超えても、オーバーフロー貯蔵溝部335群を用いダイアタッチング剤のオーバーフロー範囲を拡大させない作用がある。
【0059】
また、本発明は一般的な実装基板に応用されることができ、はんだマスク層は中央開口と周辺開口とを同時に有し、中央開口は完全にチップ被覆領域内に形成される。はんだマスク層に形成された複数の排気溝部ははんだマスク層を貫通せず、中央開口に接続して基板本体の前記表面の側辺に伸びるが、周辺開口に連結しない。この排気溝部群を用い中央開口の内に貯まる気泡およびダイアタッチング剤のオーバーフローによる周辺開口の汚染などの問題を解決することができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の保護範囲は特許請求の範囲で限定され、この保護範囲を基準として、本発明の精神と範囲内に触れるどのような変更や修正も本発明の保護範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1A】従来の半導体パッケージを示す平面図。
【図1B】従来の半導体パッケージを示す断面図。
【図2A】従来のもう一つの半導体パッケージを示す平面図。
【図2B】従来のもう一つの半導体パッケージを示す断面図。
【図3A】本発明の第1実施形態による半導体パッケージの基板を示す平面図。
【図3B】本発明の第1実施形態による半導体パッケージの基板を示す断面図。
【図3C】本発明の第1実施形態による半導体パッケージの基板を示す斜視図。
【図4A】本発明の第1実施形態による半導体パッケージの基板上に大サイズチップを設置した状態を示す平面図。
【図4B】本発明の第1実施形態による半導体パッケージを示す断面図。
【図5A】本発明の第1実施形態による半導体パッケージの基板上に小サイズチップとダミチップを設置した状態を示す平面図。
【図5B】本発明の第1実施形態による半導体パッケージを示す断面図。
【図6A】本発明の第2実施形態による半導体パッケージの基板を示す平面図。
【図6B】本発明の第2実施形態による半導体パッケージの基板を示す断面図。
【図7】本発明の第3実施形態による半導体パッケージの基板を示す平面図。
【図8】本発明の第4実施形態による半導体パッケージの基板を示す平面図。
【符号の説明】
【0061】
30:大サイズチップ、31:第一ボンディングパッド、32:第二ボンディングパッド、33:主面、34:背面、41:ダイアタッチング剤、42:第一ボンディングワイヤ、43:第二ボンディングワイヤ、44:封止体、50:小サイズチップ、51:第一ボンディングパッド、52:第二ボンディングパッド、53:主面、54:背面、61:ダイアタッチング剤、62:第一ボンディングワイヤ、63:第二ボンディングワイヤ、64:封止体、70:ダミチップ、300:半導体パッケージの基板、310:基板本体、311:表面、312:第一縁部、313:第二縁部、314:第三縁部、315:第四縁部、321:第一組フィンガー、322:第二組フィンガー、323:第三組フィンガー、330:はんだマスク層、331:第一開口、332:第二開口、333:第三開口、334:露出表面、335:オーバーフロー貯蔵溝部、340:第一排気溝部、341:延伸端部、342:底面、350:配線、360:第二排気溝部、370:第三排気溝部、380:メッキ層、400:半導体パッケージの基板、442:底面、490:連結溝部、500:半導体パッケージの基板、541:延伸端部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有する一つの基板本体と、
前記基板本体の前記表面に設置される複数の第一組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に設置される複数の第二組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に設置され、前記第一組フィンガー群が第二組フィンガー群との間に位置する複数の第三組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に形成され、前記第一組フィンガー群、前記第二組フィンガー群および前記第三組フィンガー群をそれぞれ露出させる一つの第一開口、一つの第二開口および一つの第三開口を有する一つのはんだマスク層と、
前記はんだマスク層を貫通しないように前記はんだマスク層の露出表面に形成され、前記第一開口に接続して前記基板本体の前記表面の側辺に伸びるが、第二開口および第三開口に連結しない複数の第一排気溝部と、
を備えることを特徴とする半導体パッケージの基板。
【請求項2】
更に複数の配線を有し、前記配線群は前記基板本体の前記表面に形成されて前記第一組フィンガー群と前記第二組フィンガーとに接続し、かつ前記はんだマスク層に被覆され、前記第一排気溝部群の一つの底面は前記配線群より高くなり、少なくとも一つの前記第一排気溝部は少なくとも一本の配線と交差して重なるが、前記配線群を露出しないことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項3】
少なくとも一つの連結溝部は前記はんだマスク層の前記露出表面に形成され、前記第一排気溝部群と連結して綱目状の通路を構成することを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項4】
隣り合う前記第一排気溝部群の延伸端部はU形状のように相互接続していることを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項5】
前記基板本体の前記表面には一つの第一縁部、一つの第二縁部および一つの第三縁部を有し、
前記第二縁部は前記第三縁部に平行し、
前記第一縁部は前記第二縁部と前記第三縁部とに接続し、
前記第二組フィンガー群は前記基板本体の前記表面の前記第二縁部に配列し、
前記第三組フィンガー群は前記基板本体の前記表面の前記第三縁部に配列し、
前記第一組フィンガー群は前記第二組フィンガー群の再配置フィンガーとして前記基板本体の前記表面の中央配列していることを特徴とする請求項2に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項6】
前記第二開口および前記第三開口は前記第二縁部および前記第三縁部の密閉型周辺開口にそれぞれ隣接していることを特徴とする請求項5に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項7】
前記第二開口および前記第三開口は前記第二縁部および前記第三縁部の開放型周辺ギャップにそれぞれ連結していることを特徴とする請求項5に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項8】
前記はんだマスク層は更に複数のオーバーフロー貯蔵溝部を有し、前記オーバーフロー貯蔵溝部群は前記第一排気溝部群の延伸端部群に接続していることを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項9】
表面を有する一つの基板本体と、
前記基板本体の前記表面に設置される複数の第一組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に設置される複数の第二組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に設置され、前記第一組フィンガー群が第二組フィンガー群との間に位置する複数の第三組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に形成され、前記第一組フィンガー群、前記第二組フィンガー群および前記第三組フィンガー群をそれぞれ露出させる一つの第一開口、一つの第二開口および一つの第三開口を有する一つのはんだマスク層と、
前記はんだマスク層を貫通しないように前記はんだマスク層の露出表面に形成され、前記第一開口に接続して前記基板本体の前記表面の側辺に伸びるが、第二開口および第三開口に連結しない複数の第一排気溝部と、
を備える半導体パッケージの基板と、
前記半導体パッケージの基板上に設置されて前記第一組フィンガー群を被覆し、かつ複数の第一ボンディングパッドと複数の第二ボンディングパッドとを有する一つのチップと、
前記チップの背面を前記半導体パッケージの基板の前記はんだマスク層に接着し、更に前記第一開口と前記第一排気溝部群とに充填される一つのダイアタッチング剤と、
前記チップの前記第一ボンディングパッド群と前記半導体パッケージの基板の前記第二組フィンガー群との電気接続に用いられる複数の第一ボンディングワイヤと、
前記チップの前記第二ボンディングパッド群と前記半導体パッケージの基板の前記第三組フィンガー群との電気接続に用いられる複数の第二ボンディングワイヤと、
を備えることを特徴とする半導体パッケージ。
【請求項10】
表面を有する一つの基板本体と、
前記基板本体の前記表面に設置される複数の第一組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に設置される複数の第二組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に設置され、前記第一組フィンガー群が第二組フィンガー群との間に位置する複数の第三組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に形成され、前記第一組フィンガー群、前記第二組フィンガー群および前記第三組フィンガー群をそれぞれ露出させる一つの第一開口、一つの第二開口および一つの第三開口を有する一つのはんだマスク層と、
前記はんだマスク層を貫通しないように前記はんだマスク層の露出表面に形成され、前記第一開口に接続して前記基板本体の前記表面の側辺に伸びるが、第二開口および第三開口に連結しない複数の第一排気溝部と、
を備える半導体パッケージの基板と、
前記半導体パッケージの基板上に設置されて前記第一組フィンガー群と前記第三組フィンガー群との間に位置し、かつ複数の第一ボンディングパッドと複数の第二ボンディングパッドとを有する一つのチップと、
前記チップの背面を前記半導体パッケージの基板の前記はんだマスク層に接着し、前記第一開口に充填されない一つのダイアタッチング剤と、
前記チップの前記第一ボンディングパッド群と前記半導体パッケージの基板の前記第一組フィンガー群との電気接続に用いられる複数の第一ボンディングワイヤと、
前記チップの前記第二ボンディングパッド群と前記半導体パッケージの基板の前記第三組フィンガー群との電気接続に用いられる複数の第二ボンディングワイヤと、
を備えることを特徴とする半導体パッケージ。
【請求項11】
更に一つのダミチップを有し、前記ダミチップは前記半導体パッケージの基板上に設置されて前記第一組フィンガー群と前記第二組フィンガー群との間に位置して封止体に密封されることを特徴とする請求項10に記載の半導体パッケージ。
【請求項12】
表面を有する一つの基板本体と、
前記基板本体の前記表面に設置される複数のフィンガーと、
前記基板本体の前記表面に形成され、前記フィンガー群を露出するため一つの中央開口と少なくとも一つの周辺開口を有する一つのはんだマスク層と、
前記はんだマスク層を貫通しないように前記はんだマスク層の露出表面に形成され、前記中央開口に接続して前記基板本体の前記表面の側辺に伸びるが、前記周辺開口に連結しない複数の排気溝部と、
を備える半導体パッケージの基板。
【請求項1】
表面を有する一つの基板本体と、
前記基板本体の前記表面に設置される複数の第一組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に設置される複数の第二組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に設置され、前記第一組フィンガー群が第二組フィンガー群との間に位置する複数の第三組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に形成され、前記第一組フィンガー群、前記第二組フィンガー群および前記第三組フィンガー群をそれぞれ露出させる一つの第一開口、一つの第二開口および一つの第三開口を有する一つのはんだマスク層と、
前記はんだマスク層を貫通しないように前記はんだマスク層の露出表面に形成され、前記第一開口に接続して前記基板本体の前記表面の側辺に伸びるが、第二開口および第三開口に連結しない複数の第一排気溝部と、
を備えることを特徴とする半導体パッケージの基板。
【請求項2】
更に複数の配線を有し、前記配線群は前記基板本体の前記表面に形成されて前記第一組フィンガー群と前記第二組フィンガーとに接続し、かつ前記はんだマスク層に被覆され、前記第一排気溝部群の一つの底面は前記配線群より高くなり、少なくとも一つの前記第一排気溝部は少なくとも一本の配線と交差して重なるが、前記配線群を露出しないことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項3】
少なくとも一つの連結溝部は前記はんだマスク層の前記露出表面に形成され、前記第一排気溝部群と連結して綱目状の通路を構成することを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項4】
隣り合う前記第一排気溝部群の延伸端部はU形状のように相互接続していることを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項5】
前記基板本体の前記表面には一つの第一縁部、一つの第二縁部および一つの第三縁部を有し、
前記第二縁部は前記第三縁部に平行し、
前記第一縁部は前記第二縁部と前記第三縁部とに接続し、
前記第二組フィンガー群は前記基板本体の前記表面の前記第二縁部に配列し、
前記第三組フィンガー群は前記基板本体の前記表面の前記第三縁部に配列し、
前記第一組フィンガー群は前記第二組フィンガー群の再配置フィンガーとして前記基板本体の前記表面の中央配列していることを特徴とする請求項2に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項6】
前記第二開口および前記第三開口は前記第二縁部および前記第三縁部の密閉型周辺開口にそれぞれ隣接していることを特徴とする請求項5に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項7】
前記第二開口および前記第三開口は前記第二縁部および前記第三縁部の開放型周辺ギャップにそれぞれ連結していることを特徴とする請求項5に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項8】
前記はんだマスク層は更に複数のオーバーフロー貯蔵溝部を有し、前記オーバーフロー貯蔵溝部群は前記第一排気溝部群の延伸端部群に接続していることを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージの基板。
【請求項9】
表面を有する一つの基板本体と、
前記基板本体の前記表面に設置される複数の第一組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に設置される複数の第二組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に設置され、前記第一組フィンガー群が第二組フィンガー群との間に位置する複数の第三組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に形成され、前記第一組フィンガー群、前記第二組フィンガー群および前記第三組フィンガー群をそれぞれ露出させる一つの第一開口、一つの第二開口および一つの第三開口を有する一つのはんだマスク層と、
前記はんだマスク層を貫通しないように前記はんだマスク層の露出表面に形成され、前記第一開口に接続して前記基板本体の前記表面の側辺に伸びるが、第二開口および第三開口に連結しない複数の第一排気溝部と、
を備える半導体パッケージの基板と、
前記半導体パッケージの基板上に設置されて前記第一組フィンガー群を被覆し、かつ複数の第一ボンディングパッドと複数の第二ボンディングパッドとを有する一つのチップと、
前記チップの背面を前記半導体パッケージの基板の前記はんだマスク層に接着し、更に前記第一開口と前記第一排気溝部群とに充填される一つのダイアタッチング剤と、
前記チップの前記第一ボンディングパッド群と前記半導体パッケージの基板の前記第二組フィンガー群との電気接続に用いられる複数の第一ボンディングワイヤと、
前記チップの前記第二ボンディングパッド群と前記半導体パッケージの基板の前記第三組フィンガー群との電気接続に用いられる複数の第二ボンディングワイヤと、
を備えることを特徴とする半導体パッケージ。
【請求項10】
表面を有する一つの基板本体と、
前記基板本体の前記表面に設置される複数の第一組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に設置される複数の第二組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に設置され、前記第一組フィンガー群が第二組フィンガー群との間に位置する複数の第三組フィンガーと、
前記基板本体の前記表面に形成され、前記第一組フィンガー群、前記第二組フィンガー群および前記第三組フィンガー群をそれぞれ露出させる一つの第一開口、一つの第二開口および一つの第三開口を有する一つのはんだマスク層と、
前記はんだマスク層を貫通しないように前記はんだマスク層の露出表面に形成され、前記第一開口に接続して前記基板本体の前記表面の側辺に伸びるが、第二開口および第三開口に連結しない複数の第一排気溝部と、
を備える半導体パッケージの基板と、
前記半導体パッケージの基板上に設置されて前記第一組フィンガー群と前記第三組フィンガー群との間に位置し、かつ複数の第一ボンディングパッドと複数の第二ボンディングパッドとを有する一つのチップと、
前記チップの背面を前記半導体パッケージの基板の前記はんだマスク層に接着し、前記第一開口に充填されない一つのダイアタッチング剤と、
前記チップの前記第一ボンディングパッド群と前記半導体パッケージの基板の前記第一組フィンガー群との電気接続に用いられる複数の第一ボンディングワイヤと、
前記チップの前記第二ボンディングパッド群と前記半導体パッケージの基板の前記第三組フィンガー群との電気接続に用いられる複数の第二ボンディングワイヤと、
を備えることを特徴とする半導体パッケージ。
【請求項11】
更に一つのダミチップを有し、前記ダミチップは前記半導体パッケージの基板上に設置されて前記第一組フィンガー群と前記第二組フィンガー群との間に位置して封止体に密封されることを特徴とする請求項10に記載の半導体パッケージ。
【請求項12】
表面を有する一つの基板本体と、
前記基板本体の前記表面に設置される複数のフィンガーと、
前記基板本体の前記表面に形成され、前記フィンガー群を露出するため一つの中央開口と少なくとも一つの周辺開口を有する一つのはんだマスク層と、
前記はんだマスク層を貫通しないように前記はんだマスク層の露出表面に形成され、前記中央開口に接続して前記基板本体の前記表面の側辺に伸びるが、前記周辺開口に連結しない複数の排気溝部と、
を備える半導体パッケージの基板。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2010−21185(P2010−21185A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177856(P2008−177856)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(506292169)力成科技股▲分▼有限公司 (36)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(506292169)力成科技股▲分▼有限公司 (36)
【Fターム(参考)】
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